JP2020106958A - 生産計画立案支援装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産工程に分岐を有する生産物の生産計画の立案を有効に支援し得る生産計画立案支援装置及び方法を提案する。【解決手段】生産計画立案支援装置及び方法において、予め定められた投入計画に従ってワークを生産単位ごとに生産工程に順次投入する場合における、各工程の各時間帯にワークが存在する確率をそれぞれ算出した第1のモデルを生産単位ごとにそれぞれ生成し、生成した生産単位ごとの第1のモデルをすべて重ね合わせた第2のモデルを生成し、生成した第2のモデルに基づいて、ボトルネックとなる工程の時間帯を特定して表示するようにした。【選択図】 図21

Description

本発明は生産計画立案支援装置及び方法に関し、特に、生産工程に分岐を有する生産物の生産計画の立案を支援する生産計画立案支援装置に適用して好適なものである。
工場では、日々、改善活動に取り組み、様々な効率化を進めている。例えば、日々の生産計画を立て、その計画通りに工程を進めるなどがその1つに挙げられる。
しかしながら、実際には途中の工程で不良が発生して手直しを行う場合があるなど、計画通りに工程が進まないことも往々にしてある。従って、どの工程でどういった不良が発生するかを予め予測することができれば、適切な人員の割当てや設備増強がなされた生産計画を立案できるものと考えられる。
なお、生産計画の立案を支援する技術として、例えば特許文献1には、リソースの制約を考慮しつつ実現可能かつ最短工程の立案を支援する工程管理技術が開示されている。
特開2014−203359号公報
時々刻々と状況が変化する工場の現場では、動的に様々な問題が発生し、その度ごとに適切な対処が求められる。例えば、事前に決められた生産計画では対処しきれず、随時生産計画を見直し、人員や設備等のリソースの配置を最適化することが求められている。
従って、生産計画を立案するに際しては、将来発生する可能性のあるすべての状況を考慮した計画を立案することが求められているものの、検討すべき要素が多く、すべての状況を考慮した生産計画を立案することは困難である。例えば、特許文献1に開示された技術では、工程が分岐する場合については何らの考慮もなされておらず、手直しなどの必ず起こるわけではない工程を考慮した生産計画の立案を行い得ない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、生産工程に分岐を有する生産物の生産計画の立案を有効に支援し得る生産計画立案支援装置及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、生産物の生産計画の立案を支援する生産計画立案支援装置において、予め定められた投入計画に従ってワークを生産単位ごとに生産工程に順次投入する場合における、各工程の各時間帯に前記ワークが存在する確率をそれぞれ算出した第1のモデルを前記生産単位ごとにそれぞれ生成し、生成した前記生産単位ごとの前記第1のモデルをすべて重ね合わせた第2のモデルを生成する第1の処理部と、前記第1の処理部により生成された前記第2のモデルに基づいて、ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯を特定して表示する第2の処理部とを設けるようにした。
また本発明においては、生産物の生産計画の立案を支援する生産計画立案支援装置により実行される生産計画立案支援方法であって、予め定められた投入計画に従ってワークを生産単位ごとに生産工程に順次投入する場合における、各工程の各時間帯に前記ワークが存在する確率をそれぞれ算出した第1のモデルを前記生産単位ごとにそれぞれ生成し、生成した前記生産単位ごとの前記第1のモデルをすべて重ね合わせた第2のモデルを生成する第1のステップと、生成した前記第2のモデルに基づいて、ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯を特定して表示する第2のステップとを設けるようにした。
本発明の生産計画立案支援装置及び方法によれば、例えば、生産工程の分岐を考慮した生産計画の立案を容易化させることができる。
本発明によれば、生産工程に分岐を有する生産物の生産計画の立案を有効に支援し得る生産計画立案支援装置及び方法を実現できる。
(a)〜(c)は、生産経路の一例を示す図である。 生産工程モデルの一例を示す図である。 分岐割合モデルの一例を示す図である。 生産工程の実績例を示す図である。 全体存在確率ガントチャートの一例を示す図である。 パーセント表記の全体存在確率ガントチャートの一例を示す図である。 一種類の品目でのヒートマップの一例を示す図である。 (a)〜(c)は、生産経路の一例を示す図である。 分岐割合モデルの一例を示す図である。 生産工程に投入される生産物が2品目である場合の全体存在確率ガントチャートの一例を示す図である。 生産工程に投入される生産物が2品目である場合のパーセント表記の全体存在確率ガントチャートの一例を示す図である。 複数種類の品目でのヒートマップの一例を示す図である。 時間経過に伴う全体存在確率ガントチャートの変化の説明に供する図である。 時間経過に伴う全体存在確率ガントチャートの変化の説明に供する図である。 時間経過に伴うヒートマップの変化の説明に供する図である。 第1の実施の形態による生産計画立案支援システムの全体構成を示すブロック図である。 投入計画テーブルの構成例を示す図表である。 工程マスタテーブルの構成例を示す図表である。 分岐割合マスタテーブルの構成例を示す図表である。 現作業進捗管理テーブルの構成例を示す図表である。 ボトルネック工程予測画面の構成例を示す図である。 立案された生産計画に応じたヒートマップの一例を示す図である。 生産計画立案支援処理の処理手順を示すフローチャートである。 全体存在確率ガントチャート生成処理の処理手順を示すフローチャートである。 ヒートマップ更新処理の処理手順を示すフローチャートである。 生産計画立案処理の処理手順を示すフローチャートである。 ボトルネック工程予測画面表示処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による生産計画立案支援システムの全体構成を示すブロック図である。 作業進捗実績情報管理テーブルの構成例を示す図表である。 分岐割合マスタテーブル生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)原理
生産物が図1(a)のように「A」、「B」、「C」及び「D」の4つの工程(以下、これらをそれぞれ工程A、工程B、工程C及び工程Dと呼ぶ)をこの順番に経由して行われる場合について考える。工程Dは、例えば、工程A〜工程Cを経て生産された生産物を倉庫に搬入する工程である。
以下においては、工程Bで異常が発生した場合には、図1(b)に示すように、その異常を修正する「R1」という工程(以下、これを直し工程R1と呼ぶ)を経てワークが工程Cに進み、工程Cで異常が発生した場合には、図1(c)に示すように、その異常を修正する「R2」という工程(以下、これを直し工程R2と呼ぶ)を経てワークが工程Dに進むものとする。また以下においては、各工程A〜C,R1,R2における作業はロット単位で行われ、工程A〜工程Dは60分の作業時間を要し、直し工程R1及び直し工程R2は120分の作業時間を要するものとする。
以上のような条件のもと、事前に想定し得る生産工程の各経路をすべて重ねたものが図2である。図中「L」は、1ロット(生産単位)分のワークが対応する工程で対応する時間帯(ここでは1時間ごとの時間帯)に作業されていることを示す。この図2では「1」の時間帯に生産工程にワークを投入した場合の例を示している。
上述のように工程Bで異常が発生した場合にはワークが直し工程R1に進むため、図2では、工程Bの終了後、ワークの行先が工程Cと、直し工程R1とに分岐することが示されている。同様に、工程Cで異常が発生した場合にはワークが工程Dに進むため、図2では、工程Cの終了後、ワークの行先が工程Dと、直し工程R2とに分岐することが示されている。
一方、図3は、図2の例において、ワークが前の工程から次の工程にそれぞれ分岐する割合(以下、これを分岐割合と呼ぶ)を表すモデル(以下、これを分岐割合モデルと呼ぶ)である。
図3にて、「a0」は、前の工程から次の工程への経路に分岐がない場合にワークが次の工程に進む分岐割合である。この分岐割合は常に「100%」となる。
また「a1」は、ワークが工程Bから直し工程R1に進む分岐割合である。この分岐割合は、過去の実績に基づいて設定することができる。例えば、「1」の時間帯から単位時間(ここでは1時間)ごとにロットL1〜ロットL5のワークを1ロットずつ順番に生産工程に投入したときの過去の実績が図4に示すような状況であったものとする。なお、図2及び図3では、工程の流れが「経過時間」として表現されているが、実績には実際に作業した時間の情報をもつため、図4では、経過時間」が「時間帯」として表現され、各「時間帯」の欄に「9:00」から始まる具体的な時間が当て嵌められている。
この図4では、ロットL1は工程A〜工程Dに順調に作業が進んでいるものの、ロットL2及びロットL3は工程Bで異常が発生し、直し工程R1に進んでいることが示されている。この際、ロットL3は、直し工程R1においてロットL2の作業が完了するまでの間、待ち状態となっている。またロットL4は、工程Cで異常が発生したため直し工程R2に進んでいることが示されている。さらにロットL5については、工程Bや工程Cで異常はなかったものの、工程Cや工程Dにおいて、先行するロットL2〜L4の作業が完了するまでの間、待ち状態となっていることが示されている。
この図4の例の場合、上述のようにL1〜L5の5つのロットのうち、ロットL3及びロットL4のワークが工程Bから直し工程R1に進んでいるため、工程Bから直し工程R1に進む割合は2/5であり、「a1」を40%として算出することができる。なお、「a1~」は、「a1」の余事象(作業が工程Bから直し工程R1に進まない事象)が発生する割合である。図2の例の場合、「a1」が40%であるため、「a1~」は60%となる。
さらに「a2」は、工程Cから直し工程R2への分岐割合である。この分岐割合も、過去の実績に基づいて設定することができる。例えば図4の例の場合、ロットL4のワークのみが工程Cから直し工程R2に進んでいるため、工程Cから直し工程R2に進む割合は1/5であり、「a2」を20%として算出することができる。なお、「a2~」は、「a2」の余事象(作業が工程Bから直し工程R2に進まない事象)が発生する割合である。図4の例の場合、「a2」が20%であるため、「a2~」は80%となる。
図3からも明らかなように、前の工程から次の工程への経路に分岐がない場合、次の工程への分岐割合は、前の工程について算出された分岐割合と同じとなる。また前の工程から次の工程へのフローに分岐がある場合、次の工程への分岐割合は、前の工程への分岐割合に対して次の工程への分岐割合を乗算することにより算出することができる。例えば図3において、「5」の時間帯に「工程C」での作業を終えたワークが「工程D」に進む分岐割合(「a2~」)は20%であるため、そのワークが「工程D」に進む割合(分岐割合)は「a1~×a2~」となる。
また図3において、工程Dの「6」の時間帯には「a1~×a2~」及び「a1~×a2」の2つの分岐割合が表記されているが、これは、工程B、直し工程R1及び工程Cを順次経て工程Dに辿り着くワークの工程Dへの分岐割合が「a1~×a2~」であり、工程B、工程C及び直し工程R2を順次経て工程Dに辿り着くワークの工程Dへの分岐割合が「a1~×a2」であることを示している。
ここで、図3に表記された各分岐割合は、別の見方をすれば、ワークが対応する経路を経由してその工程に辿り着き、その時間帯にその工程に存在する確率(以下、これを存在確率と呼ぶ)であるということができる。従って、図3の例の場合、「1」の時間帯に生産工程に投入されたワークが「2」の時間帯に工程Bに存在する存在確率は「a0」であり、このワークが「3」の時間帯に工程Cに存在する存在確率は「a1~」、直し工程R1に存在する存在確率は「a1」であるということができる。
また図3の例の場合、「6」の時間帯にワークが工程Dに存在する存在確率の最大値は、工程A、工程B、直し工程R1及び工程Cを順次経由して工程Dにワークが辿り着く分岐割合(「a1~×a2~」)と、工程A、工程B、工程C及び直し工程R2を順次経由して工程Dにワークが辿り着く分岐割合(「a1~×a2」)との合計値として算出することができる。
このように図3に表記された各分岐割合は、対応する時間帯に対応する工程にワークが存在する確率(存在確率)であると言うことができる。そこで以下においては、理解の容易化のため、適宜、「分岐割合」を「存在確率」と言い換え、「分岐割合モデル」を「存在確率モデル」と言い換えて説明を進めるものとする。
図5は、「9:00」から順番に1時間ごとに1ロット(ロットL1〜ロットL5)分のワークを生産工程に投入した場合におけるロットごとの存在確率モデルを重ね合わせて生成したガントチャート(以下、これを全体存在確率ガントチャートと呼ぶ)である。図中、「L1」〜「L5」は、それぞれ対応するロットの番号を表す。また図6は、図5の「a1」、「a1~」、「a2」及び「a2~」に対して、それぞれ分岐割合(a1=40%、a1~=60%、a2=20%、a2~=80%)を代入して各工程の各時間帯における各ロットL1〜L5の存在確率をそれぞれ算出したものである。
図6において、各工程の各時間帯におけるいずれかのロットのワークが存在する確率の最大値(以下、これを最大存在確率と呼ぶ)は、各経路をそれぞれ経由してその時間帯にその工程に辿り着く可能性のあるすべてのロットの存在確率の合計値として算出することができる。例えば、図6の例の場合、工程Dの「16:00」の時間帯の最大存在確率は、ロットL1の存在確率である「8%」と、直し工程R1を経由したロットL3の存在確率である「32%」と、直し工程R1を経由しなかったロットL3の存在確率である「12%」と、ロットL5の存在確率である「48%」の合計である100%として算出することができる。
図7は、図6の例において(つまり品目が1種類の場合の例において)、各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率をヒートマップ化したものである。上述のようにある工程のある時間帯におけるワークの最大存在確率は、その時間帯にその工程に辿り着く可能性のあるすべてのロットの存在確率の合計値として算出することができる。そして図7では、このようにして算出した各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率を「0%以上60%未満」、「60%以上100%未満」、「100%」、「100%よりも大きい」の4つの区分に分けて色分け又は濃度分けをしたものである。
図7の例では、各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率のうちの最も大きい値が「100%」となっている。この「100%」という値は、その工程のその時間帯に1ロット分のワークが必ず存在することを意味している。通常、工場等では、最低でも1つのロットを予定された時間内に処理できるだけの人員及び設備等のリソースを各工程にそれぞれ用意するため、存在確率の最大値が「100%」である場合、その工程のその時間帯において、その工程について用意されたリソースを利用することでワークを規定された時間内(図1〜図7の例では1時間内)に処理できることを意味する。
よって、図4〜図7の例の場合、「9:00」から1時間ごとに5つのロット(ロットL1〜ロットL5)のワークを1ロットずつ順番に生産工程に投入下場合においても、生産工程を流れてきた1ロット分のワークを規定の時間内(1時間内)に処理することができ、ボトルネックとなるような工程及び時間帯の組合せが存在しないことが分かる。
次に、上述の生産工程に2種類の異なる品目(品目K1及びK2)のワークを投入する場合について考える。ここでは、各工程における各品目K1及びK2のワークに対する作業時間はいずれも60分であり、品目K1のワークと、品目K2のワークとを交互に1ロットずつ1時間ごとに生産工程に投入するものとする。また品目K1は、図1(a)〜(c)について上述した3つの経路のうちのいずれかの経路を経て生産されるものとし、品目K2は、図8(a)の経路のほか、図8(b)及び(c)に示すように、工程Aにおいて異常が発生した場合にその異常の種類に応じて直し工程R1又は直し工程R2に進み、その後、工程Bに戻ってこれ以降の工程を経由する経路で生産されるものとする。
この場合における品目K1のワークの存在確率モデルは図3について上述した通りであるため、ここでの説明は省略する。一方、品目K2の存在確率モデルは、図9に示すようになる。図中、「b0」は、前の工程から次の工程への経路に分岐がない場合にワークが次の工程に進む分岐割合である。この分岐割合は、常に「100%」となる。また「b1」はワークが工程Aから工程Bに進む分岐割合、「b2」はワークが工程Aから直し工程R1に進む分岐割合、「b3」はワークが工程Aから直し工程R2に進む分岐割合である。これら「b1」〜「b3」の値も過去の実績に基づいて設定することができる。ここでは「b1」が10%、「b2」が80%、「b3」が10%であるものとする。
図10は、「9:00」から順番に1時間ごとにK1及びK2の2品目の生産物のワークをこの順番で交互に1ロットずつ5ロット分だけ生産工程に投入した場合における全体存在確率ガントチャートを示す。図中、「L1」〜「L5」は、対応するロット(ロットL1〜ロットL5)のロット番号を表す。ここでは「L1」、「L3」及び「L5」は、品目K1の生産物についてのワークのロットであり、「L2」及び「L4」は品目K2の生産物についてのワークのロットである。
また図11は、図10の「a1」、「a1~」、「a2」、「a2~」、「b1」及び「b2」に対して、それぞれ図1〜図9の例の対応する分岐割合(a1=40%、a1~=60%、a2=20%、a2~=80%、b1=80%、b2=10%)を代入して各工程の各時間帯における各ロットL1〜L5の存在確率をそれぞれ算出したものである。この例でも各工程の各時間帯におけるワークの存在確率の最大値は、その工程のその時間帯に表記されたすべての存在確率の合計として算出することができる。
図12は、図11の例において(つまり品目が2種類の場合の例において)、各工程の各時間帯における品目K1及びK2の双方のワークを合わせた最大存在確率をヒートマップ化したものである。図12では、図7の場合と同様に、各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率を「0%以上60%未満」、「60%以上100%未満」、「100%」、「100%よりも大きい」の4つの区分に分けて色分け又は濃度分けをしたものである。
図12の例では、工程Bの「12:00」の時間帯におけるワークの最大存在確率が「110%」となっている。「110%」は「100%」の1.1倍の値である。従って、工程Bのこの時間帯のラインには、予め用意されたリソースによって規定時間内に処理できる量(最大存在確率が「100%」であるワークの量)の最大1.1倍のワークが流れ込む可能性があることが分かり、ここがボトルネックとなって生産が滞るおそれがあることが認識できる。
よって、このような場合には、上述のような生産計画を見直す必要がある。具体的には、ワークの最大存在確率が「100%」を超える時間帯を有する工程について、生産工程に未投入のロットの当該生産工程への投入タイミングを単位時間(例えば図1〜図12の例では1時間)ずつずらすシミュレーションを繰り返し、すべての工程のすべての時間帯においてワークの最大存在確率が「100%」以下となるように生産工程に各ロットをそれぞれ投入するタイミングを決定すればよい。またワークの最大存在確率に合わせた人員や設備等のリソースを割り当てることで対処することもできる。このように図7や図12に示すようなヒートマップをユーザに提供することによって、ユーザは効率良く生産計画を立案することができる。ここでは「100%」としているが、あらかじめ指定していた確率、例えば80%等を指定しても良い。
一方で、各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率は時間の経過と共に変化する。図13は、図9〜図12について上述した条件と同様の条件で「9:00」から1ロット分のワークを生産工程に順次投入した場合における3時間経過後(つまり「12:00」の時点)の存在確率モデルの一例である。
図中、訂正線が引かれた存在確率は、対応する事象がその工程よりも前の段階で発生しなかったために考慮する必要がなくなった存在確率を表す。また図13において、灰色で塗られた箇所は、対応する工程の対応する時間帯においていずれかのロットのワークの存在確率が変化したことを示す。
例えば、図13では、「10:00」に生産工程に投入された品目K2の1ロット分のワーク(ロットL2のワーク)が工程Aから見直し工程R1や見直し工程R2を経由することなく工程Bに進んだため、工程Bの「11:00」の時間帯やこれ以降の関連する工程及び時間帯におけるそのワークの存在確率が「b1」から100%の存在確率を表す「b0」に変化している。また図13において「9:00」に生産工程に投入された品目K1の1ロット分のワーク(ロットL1のワーク)が「10:00」の時間帯の工程Bで異常が発生したため「12:00」の段階で見直し工程R1に送られており、存在確率として工程Bの次にかかるワークが工程Cに送られた場合を考慮する必要がなくなったため、関連する存在確率が変更又は削除されている。
図14は、図13の「a1」、「a1~」、「a2」、「a2~」、「b1」及び「b2」に対して、それぞれ上述の対応する分岐割合(a1=40%、a1~=60%、a2=20%、a2~=80%、b1=80%、b2=10%)を代入して各工程の各時間帯における各ロットL1〜L5の存在確率をそれぞれ算出したものである。図14において、灰色で塗られた箇所は、対応する工程の対応する時間帯においていずれかのロットのワークの存在確率が変化したことを示す。
また図15は、図12と同様に、図14の例において、各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率をヒートマップ化したものである。図15では、図12の場合と同様に、各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率が「0%以上60%未満」、「60%以上100%未満」、「100%」、「100%よりも大きい」の4つの区分に分けて色分け又は濃度分けをしたものである。
図15からも明らかなように、図に示した「10:00」以前(「9:00」の時間帯又はそれよりも前)に作成したヒートマップに記載された各工程の各時間帯におけるワークの最大存在確率に対して、一部の工程の一部の時間帯において、かかる存在確率が変化している。例えば、「10:00」以前に作成したヒートマップ(図)では、工程Cの「13:00」の時間帯におけるいずれかのワークの最大存在確率は「110%」であったのに対して、「12:00」に作成したヒートマップ(図)では、工程Cの「13:00」の時間帯におけるいずれかのワークの最大存在確率は「160%」に変化している。
従って、このような場合には、人員や設備等のリソースの割り当てを変更したり、「12:00」以降に生産工程に投入するロットの投入タイミングを単位時間(例えば図1〜図15の例では1時間)ずつずらすシミュレーションを繰り返し、すべての工程のすべての時間帯におけるワークの最大存在確率が「100%」又はこれ以外の予め設定された存在確率以下となるように、これ以降生産工程に投入する各ロットの投入タイミングを決定すればよい。このように生産計画を立案することによって、常に適切な生産計画の元で生産物の生産を行うことが可能となる。
(1−2)第1の実施の形態による生産計画立案支援システムの構成
(1−2−1)生産計画立案支援システムの構成
図16において、1は全体として本実施の形態による生産計画立案支援システムを示す。この生産計画立案支援システム1は、ネットワーク2を介して相互に接続された1又は複数のクライアント3と、生産計画立案支援装置4とを備えて構成される。
クライアント3は、ユーザが用いるコンピュータ装置であり、入力装置5及び表示装置6のほか、図示しないCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置及び補助記憶装置などの情報処理資源を備える。
入力装置5は、キーボード、マウス、タッチパネルなどから構成され、ユーザが生産計画立案支援装置4に対する各種指示や、生産計画立案支援装置4が生産計画の立案を支援する情報を提供するために必要な各種条件を入力するために利用される。
また表示装置6は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどから構成され、生産計画立案支援装置4が生産計画を立案するための各種条件などを入力するためのGUI(Graphical User Interface)や、生産計画立案支援装置4により算出された情報を表示するための各種画面を表示するために利用される。
生産計画立案支援装置4は、CPU10、主記憶装置11及び補助記憶装置12を備えた汎用のサーバ装置から構成される。CPU10は、生産計画立案支援装置4全体の動作制御を司るプロセッサである。また主記憶装置11は、例えば揮発性の半導体メモリから構成され、CPU10のワークメモリとして利用される。後述する生産計画作成処理プログラム13及び生産計画表示処理プログラム14は、この主記憶装置11に格納されて保持される。
補助記憶装置12は、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、各種のプログラムや制御情報を長期間保持するために利用される。補助記憶装置12に格納された生産計画作成処理プログラム13及び生産計画表示処理プログラム14を含む各プログラムが生産計画立案支援装置4の起動時や必要時に主記憶装置11にロードされ、主記憶装置11にロードされたプログラムをCPU10が実行することにより、後述のような生産計画立案支援装置4全体としての各種処理が実行される。後述の投入計画テーブル15、工程マスタテーブル16、分岐割合マスタテーブル17及び現作業進捗管理テーブル18は、この補助記憶装置12に格納されて保持される。
(1−2−2)生産計画立案支援機能
次に、生産計画立案支援装置4に搭載された生産計画立案支援機能について説明する。この生産計画立案支援機能は、1又は複数種類の品目について、予めユーザにより登録された各ロットの生産工程への投入計画と、事前に想定し得るワークの全経路と、予めユーザにより設定された各経路における分岐箇所の各分岐先への分岐割合とに基づいて図5や図10について上述した全体存在確率ガントチャートを生成し、生成した全体存在確率ガントチャートに基づいて図7や図12について上述した形式のヒートマップをユーザに提示する機能である。また生産計画立案支援装置4は、かかる生産計画立案支援機能に基づいて、ユーザからの要求に応じてそのときの状況に応じた内容にヒートマップを更新したり、ボトルネックが発生しない生産計画を立案してユーザに提示する。
このような生産計画立案支援機能を実現するための手段として、生産計画立案支援装置4は、投入計画テーブル15、工程マスタテーブル16、分岐割合マスタテーブル17及び現作業進捗管理テーブル18を補助記憶装置12内に保持すると共に、生産計画作成処理プログラム13及び生産計画表示処理プログラム14を主記憶装置11に保持している。
投入計画テーブル15は、各ロットの生産工程への投入計画を管理するために利用されるテーブルであり、予めユーザにより作成される。投入計画テーブル15は、図17に示すように、品目名欄15A、ロットID欄15B、ワーク数欄15C及び投入予定時刻欄15Dを備えて構成される。投入計画テーブル15では、1つの行が生産工程に投入予定の1つのロットに対応する。
そして品目名欄15Aには、そのとき製造しようとする生産物の品目名が格納される。またロットID欄15Bには、生産工程に投入される対応するロットに対して付与されたそのロットに固有の識別子(ロットID)が格納され、ワーク数欄15Cには、対応するロットにおけるワークの個数が格納される。さらに投入予定時刻欄15Dには、対応するロットを生産工程に投入する予定時刻が格納される。
従って、図17の例の場合、そのとき製造しようとする生産物の品目名は「K1」で、生産工程に投入するロットはロットIDが「L01」〜「L05」の5つであり、これら5つのロットをロットIDが若い順番に「9:00」から1時間おきに順次生産工程に投入する予定であることが示されている。また図17では、各ロットにおけるワーク数が「100」個であることも示されている。
工程マスタテーブル16は、生産工程の全経路を管理するために利用されるテーブルであり、予めユーザにより作成される。この工程マスタテーブル16は、図18に示すように、工程名欄16A、後工程欄16B、品目名欄16C、作業時間欄16D、利用設備欄16E及び作業者欄16Fを備えて構成される。工程マスタテーブル16では、1つの行が各経路内の1つの工程から次の工程への経路(以下、これを工程間経路と呼ぶ)に相当する。
そして工程名欄16Aには、対応する工程間経路における前側の工程の工程名が格納され、後工程欄16Bには、当該工程間経路における後側の工程の工程名が格納される。なお、各経路における最後の工程に対応する後工程欄16Bには値が存在しないことを意味する「−」が格納される。また品目名欄16Cには、対応する工程間経路を経由するワークの品目名が格納される。
さらに作業時間欄16Dには、対応する工程間経路における前側の工程に要する作業時間が格納され、利用設備欄16Eには、当該前側の工程で利用する設備に付与されたその設備に固有の識別子(設備ID)が格納される。さらに作業者欄16Fには、かかる前側の工程を担当する作業者に付与されたその作業者に固有の識別子(作業者ID)が格納される。
従って、図18の例の場合、工程マスタテーブル16に登録された情報を利用することによって、例えば「K1」という品目名の生産物の経路としては、「A」〜「D」という各工程をこの順番に経由する第1の経路と、「A」、「B」、「R1」、「C」及び「D」という各工程をこの順番に経由する第2の経路と、「A」、「B」、「C」、「R2」及び「D」という各工程をこの順番に経由する第3の経路とがあることが分かる。
また図18では、「A」〜「D」という各工程での作業時間はいずれも「60」分で、「R1」及び「R2」という各工程での作業時間はいずれも「120」分であることが示されている。さらに図18では、「A」〜「D」という各工程でそれぞれ利用する設備は「E01」、「E02」、「E03」、「E04」であり、これらの各工程での作業者は「W1」、「R1」及び「R2」という各工程でそれぞれ利用する設備は「E11」、「E12」であり、これらの各工程での作業者は「W2」であることが示されている。
分岐割合マスタテーブル17は、工程マスタテーブル16に登録された各工程間経路における前側の工程から後側の工程への分岐割合をそれぞれ管理するために利用されるテーブルであり、過去の実績に基づいて予めユーザにより作成される。この分岐割合マスタテーブル17は、図19に示すように、工程名欄17A、後工程欄17B、品目名欄17C及び分岐割合欄17Dを備えて構成される。分岐割合マスタテーブル17では、1つの行が生産作業におけるすべての経路のうちの1つの工程間経路に対応する。
そして工程名欄17A、後工程欄17B及び品目名欄17Cには、それぞれ工程マスタテーブル16(図18)における工程名欄16A、後工程欄16B及び品目名欄16Cに格納された情報と同じ情報が格納される。また分岐割合欄17Dには、対応する工程間経路における前側の工程から後側の工程にロットが流れる分岐割合が格納される。
従って、図19の例の場合、例えば「A」という工程から「B」という工程にロットが流れる分岐割合は「100%」であることが示されている。また図19では、「B」という工程から「C」という工程にロットが流れる分岐割合は「60%」、「B」という工程から「R1」という工程にロットが流れる分岐割合は「40%」であることも示されている。
現作業進捗管理テーブル18は、生産工程において現在行われている生産作業の作業進捗の実績情報を管理するために利用されるテーブルであり、図20に示すように、ロットID欄18A、品目名欄18B、工程名欄18C、開始日時欄18D及び終了日時欄18Eを備えて構成される。現作業進捗管理テーブル18では、1つの行が現在の生産作業で完了した1つの工程の実績に対応し、1つのロットに対する1つの工程が終了するごとに未使用の最上段の行に必要な情報が格納されるようにして新たな実績情報が順次格納される。
そしてロットID欄18Aには、その生産作業において既に生産工程に投入されたロットのロットIDが格納され、品目名欄18Bには、そのロットの生産物の品目名が格納される。また工程名欄18Cには、対応するロットについて既に作業が完了した工程の工程名が格納される。さらに開始日時欄18Dには、対応する工程での作業が開始された時刻が格納され、終了日時欄18Eには、対応する工程での作業が終了した時刻が格納される。
従って、図20の例の場合、例えば「L1」というロットIDのロットは、「9:00」に生産工程に投入され、「A」及び「B」という各工程をこの順番に経て「11:00」に「D」という工程を終了したことが開示されている。
一方、生産計画作成処理プログラム13は、図6や図11について上述した全体存在確率ガントチャートを生成及び更新したり、ユーザからの要求に応じてボトルネックが発生しない生産計画を立案する機能を有するプログラムである。
実際上、生産計画作成処理プログラム13は、投入計画テーブル15(図17)、工程マスタテーブル16(図18)及び分岐割合マスタテーブル17(図19)にそれぞれ格納された情報に基づいて図6や図11について上述した全体存在確率ガントチャートを生成する。
また生産計画作成処理プログラム13は、生産工程に最初のロットのワークが投入された後にヒートマップの更新が要求されると、そのとき現作業進捗管理テーブル18(図20)に登録されているそのときまでの生産作業の進捗状況に基づいて各工程のこれ以降の時間帯におけるワークの存在確率をそれぞれ再計算し、図6や図11について上述した全体存在確率ガントチャートを更新する。
さらに生産計画作成処理プログラム13は、ユーザによりボトルネックが発生しない生産計画の立案を要求された場合には、そのとき生産工程に未投入の各ロットの一部又は全部のロットの生産工程への投入時刻を単位時間ずつずらしたときの全体存在確率ガントチャートを作成するシミュレーションを繰り返す。そして生産計画作成処理プログラム13は、すべての工程のすべての時間帯においてワークの最大存在確率が「100%」又はこれ以外の予め設定された存在確率以下となるように各ロットを生産工程にそれぞれ投入するタイミングを決定し、決定結果に従った全体存在確率ガントチャートを生成する。
また生産計画表示処理プログラム14は、生産計画作成処理プログラム13により作成された全体存在確率ガントチャートに基づき予測されたボトルネックとなる工程をヒートマップ状に表したボトルネック工程予測画面を生成してクライアント3(図16)に表示させる機能を有するプログラムである。
実際上、生産計画表示処理プログラム14は、生産計画作成処理プログラム13が作成した全体存在確率ガントチャートに基づいて図7や図12について上述したヒートマップを生成し、生成したヒートマップが掲載されたボトルネック工程予測画面を生成する。そして生産計画表示処理プログラム14は、このようにして生成したボトルネック工程予測画面の画面データを要求されたクライアント3に送信することにより、そのクライアント3にそのボトルネック工程予測画面を表示させる。
なお、かかるボトルネック工程予測画面の構成例を図21に示す。この図21に示すボトルネック工程予測画面20は、ヒートマップ表示領域21と、更新ボタン22及びボトルネック対策実行ボタン23とを備えて構成される。そしてヒートマップ表示領域21には、上述のように生産計画作成処理プログラム13により作成されたヒートマップが表示される。
またボトルネック工程予測画面20では、更新ボタン22をクリックすることにより、ヒートマップ表示領域21に表示されたヒートマップを現在の状況に応じた内容に更新することができる。例えば、元のヒートマップが図12に示す状態であった場合に、これを図15のように現在時刻の「12:00」の時点の状態に応じた内容のヒートマップに更新する。
さらにボトルネック工程予測画面20では、ボトルネック対策実行ボタン23をクリックすることにより、ボトルネックが発生しない生産計画を立案させて、その生産計画に従った場合のヒートマップをヒートマップ表示領域21に表示させることができる。例えば、元のボトルネック工程予測画面20のヒートマップ表示領域21に表示されていたヒートマップが図12のようなものであった場合に、例えば図22に示すように、一部のワークの生産工程への投入時間をずらすなどしてすべての工程及びすべての時間帯におけるワークの存在確率が「100%」以下となるように調整された生産計画に基づくヒートマップがヒートマップ表示領域21に表示される。
なお、図22の例は、2番目のワーク(ワークL2)の生産工程への投入時間を元の「10:00」の予定から「12:00」にずらし、3番目のワーク(L3)の生産工程への投入時間を元の「11:00」の予定から「14:00」にずらし、4番目のワーク(L4)の生産工程への投入時間を元の「12:00」の予定から「17:00」にずらし、5番目のワーク(L5)の生産工程への投入時間を元の「13:00」の予定から「19:00」にずらすように生産計画を立案した場合の一例である。
(1−3)生産計画立案支援機能に関する各種処理
次に、かかる生産計画立案支援機能に関連して生産計画作成処理プログラム13や生産計画表示処理プログラム14により実行される各種処理の具体的な処理内容について説明する。なお、以下においては、各種処理の処理主体を「プログラム」として説明するが、実際上はそのプログラムに基づいてその処理をCPU10(図16)が実行することは言うまでもない。
(1−3−1)生産計画立案支援処理
図23は、かかる生産計画支援機能に関連して生産計画作成処理プログラム13により実行される生産計画立案支援処理の処理手順を示す。
生産計画作成処理プログラム13は、ユーザが自己のクライアント3を操作して図21について上述したボトルネック工程予測画面20の表示を要求すると、この図21に示す生産計画立案支援処理を開始し、まず、投入計画テーブル15、工程マスタテーブル16及び分岐割合マスタテーブル17に基づいて図6や図11について上述した全体存在確率ガントチャートを生成する(S1)。
次いで、生産計画作成処理プログラム13は、作成した全体存在確率ガントチャートのデータを生産計画表示処理プログラム14に引き渡す(S2)。この結果、生産計画表示処理プログラム14は、この全体存在確率ガントチャートに基づいて図7や図12について上述したヒートマップを生成し、生成したヒートマップを掲載したボトルネック工程予測画面20(図21)の画面データを生成してクライアント3に送信する。これにより、この画面データに基づくボトルネック工程予測画面20がそのクライアント3に表示される。
この後、生産計画作成処理プログラム13は、クライアント3に表示されたボトルネック工程予測画面20内の更新ボタン22又はボトルネック対策実行ボタン23のいずれかがクリックされたか否かを順次判定する(S3,S5)。そして生産計画作成処理プログラム13は、更新ボタン22及びボトルネック対策実行ボタン23のいずれもクリックされていない場合には、ユーザがボトルネック工程予測画面20を閉じるための所定の操作を行ったか否かを判定する(S7)。そして生産計画作成処理プログラム13は、この判定で否定結果を得るとステップS3に戻り、この後、ステップS3、ステップS5又はステップS7のいずれかで肯定結果を得るまでステップS3−ステップS5−ステップS7−ステップS3のループを繰り返す。
そして生産計画作成処理プログラム13は、やがてかかるボトルネック工程予測画面20の更新ボタン22がクリックされたことを検知すると、そのボトルネック工程予測画面20に表示されているヒートマップを現在の状況に応じた内容に更新するためのヒートマップ更新処理を実行し(S4)、この後、ステップS7に進む。
これに対して、生産計画作成処理プログラム13は、かかるボトルネック工程予測画面20のボトルネック対策実行ボタン23がクリックされたことを検知すると、すべての工程のすべての時間帯におけるワークの最大存在確率が「100%」又はこれ以外の予め設定された存在確率以下となるように、生産工程に未投入のロットをそれぞれ生産工程に投入するタイミングを決定した全体存在確率ガントチャートを作成するボトルネック対策実行処理を実行する(S6)。そして生産計画作成処理プログラム13は、この後、ステップS7に進む。
そして生産計画作成処理プログラム13は、やがてボトルネック工程予測画面20を閉じるための所定の操作が行われたことを検知すると、この生産計画立案支援処理を終了する。
(1−3−2)全体存在確率ガントチャート生成処理
図24は、図23について上述した生産計画立案支援処理のステップS1において生産計画作成処理プログラム13により実行される全体存在確率ガントチャート生成処理の具体的な処理内容を示す。
生産計画作成処理プログラム13は、生産計画立案支援処理のステップS1に進むと、この図24に示す全体存在確率ガントチャート生成処理を開始し、まず、各ロットの生産工程への投入計画を投入計画テーブル15(図17)から取得する(S10)。また生産計画作成処理プログラム13は、工程マスタテーブル16(図18)を参照して、生産工程におけるすべての経路(図1(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)の各経路)をそれぞれ算出する(S11)。
続いて、生産計画作成処理プログラム13は、ステップS13以降が未処理のロットを1つ選択し(S12)、選択したロット(以下、これを選択ロットと呼ぶ)をステップS10で取得した投入計画に従って生産工程に投入した場合における図3や図9について上述した存在確率モデルを生成する(S13)。この際、生産計画作成処理プログラム13は、各工程間経路の分岐割合を分岐割合マスタテーブル17から読み出し、各工程の各時間帯における選択ロットの存在確率を具体的な数値としてそれぞれ算出して存在確率モデルを生成する。
次いで、生産計画作成処理プログラム13は、ステップS10で取得した投入計画に基づいて、生産工程に投入予定のすべてのロットの存在確率モデルを生成し終えたか否かを判定する(S14)。そして生産計画作成処理プログラム13は、この判定で否定結果を得るとステップS12に戻り、この後、ステップS12で選択するロットをステップS13以降が未処理の他のロットに順次切り替えながらステップS12〜ステップS14の処理を繰り返す。
そして生産計画作成処理プログラム13は、やがてすべてのロットの存在確率モデルを生成し終えることによりステップS14で肯定結果を得ると、ステップS12〜ステップS14の繰返し処理で生成した各ロットの存在確率モデルを重ね合わせることにより図6や図11について上述した全体存在確率ガントチャートを生成し(S15)、この後、この全体存在確率ガントチャート生成処理を終了して生産計画立案支援処理に戻る。
(1−3−3)ヒートマップ更新処理
図25は、図23について上述した生産計画立案支援処理のステップS4において生産計画作成処理プログラム13により実行されるヒートマップ更新処理の具体的な処理手順を示す。
生産計画作成処理プログラム13は、清算計画立案支援処理のステップS4に進むとこの図25に示すヒートマップ更新処理を開始し、まず、現在の全体存在確率ガントチャートを読み込む(S20)。また生産計画作成処理プログラム13は、現作業進捗管理テーブル18(図20)を参照して、作業が完了したロット及び工程の組合せをすべて特定する(S21)。
続いて、生産計画作成処理プログラム13は、ステップS21で特定した作業が完了したロット及び工程の組合せの中からステップS23以降が未処理のロット及び工程の組合せを1つの選択し(S22)、そのロット及び工程の組合せを含むすべての分岐をステップS20で読み込んだ全体存在確率ガントチャートから抽出する(S23)。
また生産計画作成処理プログラム13は、ステップS23で抽出した各分岐について、ステップS20で読み込んだ全体存在確率ガントチャートにおける発生しなかった分岐の分岐割合(存在確率)を0%に変更すると共に、発生した分岐の分岐割合(存在確率)を100%に変更する(S24)。さらに生産計画作成処理プログラム13は、ステップS22で選択したロット及び工程の組合せにおけるそのロットのその工程以降の各工程における存在確率について、ステップS24の変更に応じてそれぞれ再計算し、その計算結果に基づいてステップS20で読み込んだ全体存在確率ガントチャートを更新する(S25)。
この後、生産計画作成処理プログラム13は、ステップS21で特定したすべてのロット及び工程の組合せについてステップS23以降の処理を実行し終えたか否かを判定する(S26)。そして生産計画作成処理プログラム13は、この判定で否定結果を得るとステップS22に戻り、この後、ステップS22で選択するロット及び工程の組合せをステップS23以降が未処理の他のロット及び工程に組合せに順次切り替えながらステップS22〜ステップS26の処理を繰り返す。
そして生産計画作成処理プログラム13は、やがてステップS21で特定したすべてのロット及び工程の組合せについてステップS23〜ステップS25の処理を実行し終えることによりステップS26で肯定結果を得ると、最終的な全体存在確率ガントチャートのデータを生産計画表示処理プログラム14(図16)に引き渡し(S27)、この後、このヒートマップ更新処理を終了して図23の生産計画立案支援処理に戻る。
この結果、生産計画表示処理プログラム14は、引き渡された全体存在確率ガントチャートのデータに基づいて図7や図12について上述したヒートマップを生成し、生成したヒートマップを掲載したボトルネック工程予測画面20(図21)の画面データを生成して対応するクライアント3に送信する。これにより、この画面データに基づくボトルネック工程予測画面20がそのクライアント3に表示される(つまりボトルネック工程予測画面20に表示されているヒートマップが現状に応じた内容のヒートマップに更新される)。
(1−3−4)ボトルネック対策実行処理
図26は、図23について上述した生産計画立案支援処理のステップS6において生産計画作成処理プログラム13により実行されるボトルネック対策実行処理の具体的な処理手順を示す。
生産計画作成処理プログラム13は、生産計画立案支援処理のステップS6に進むとこの図に示すボトルネック工程予測処理を開始し、まず、現在の生産計画に関する全体存在確率ガントチャートを読み込む(S30)。
続いて、生産計画作成処理プログラム13は、ボトルネックとなっている工程及び時間帯の組合せを1つ選択する(S31)。具体的に、生産計画作成処理プログラム13は、全体存在確率ガントチャートにおけるワークの最大存在確率が「100%」又はこれ以外の予め設定された存在確率を超えている工程及び時間帯の組合せを1つ選択する。
次いで、生産計画作成処理プログラム13は、選択した工程及び時間帯の組合せについて、生産工程に未投入のロットのうち、ボトルネックへの寄与度が最も大きいロットの生産工程への投入時刻を単位時間(例えば1時間)だけ後にずらした状態とするようにステップS30で読み込んだ全体存在確率ガントチャートを更新する(S32)。なお、「ボトルネックへの寄与度が最も大きいロット」としては、その時間帯にその工程に辿り着く可能性のあるロットのうち、存在確率が最も大きいロットを適用することができる。
この後、生産計画作成処理プログラム13は、更新後の全体存在確率ガントチャートに基づいて、ボトルネックとなっている工程及び時間帯の組合せ(つまりワークの最大存在確率が「100%」又はこれ以外の予め設定された存在確率よりも大きい工程及び時間帯の組合せ)が存在するか否かを判定し(S33)、そのような組合せが存在する場合にはステップS31に戻って、これ以降ステップS31〜ステップS33の処理を繰り返す。
そして生産計画作成処理プログラム13は、やがてボトルネックとなっている工程及び時間帯の組合せがなくなることによりステップS33で肯定結果を得ると、そのときの全体存在確率ガントチャートのデータを生産計画表示処理プログラム14に引き渡し(S34)、この後、このボトルネック対策実行処理を終了して図23の生産計画立案支援処理に戻る。
この結果、生産計画表示処理プログラム14は、この全体存在確率ガントチャートに基づいて図7や図12について上述したヒートマップを生成し、生成したヒートマップを掲載したボトルネック工程予測画面20(図21)の画面データを生成してクライアント3に送信する。これにより、上述のようにして立案された生産計画に基づくヒートマップが掲載されたボトルネック工程予測画面20がそのクライアント3に表示される。
(1−3−5)ボトルネック工程予測画面表示処理
一方、図27は、図23のステップS2、図25のステップS27又は図26のステップS34において全体存在確率ガントチャートのデータが引き渡された生産計画表示処理プログラム14(図16)により実行されるボトルネック工程予測画面表示処理の処理手順を示す。生産計画表示処理プログラム14は、この図27に示す処理手順に従って、生産計画作成処理プログラム13から引き渡された全体存在確率ガントチャートのデータに基づくボトルネック工程予測画面20を対応するクライアント3に表示させる。
実際上、生産計画表示処理プログラム14は、生産計画作成処理プログラム13から全体存在確率ガントチャートのデータが引き渡されるとこの図27に示すボトルネック工程予測画面表示処理を開始し、まず、その全体確率モデルのデータに基づいて、縦軸に経路の順番に工程を並べ、縦軸に時間帯をとったガントチャートを生成する(S40)。なお、このガントチャートは、図7や図12について上述したヒートマップをワークの最大存在確率に応じて着色等していないものである。
続いて、生産計画表示処理プログラム14は、ステップS40で生成したガントチャートに対して、各工程の各時間帯ごとに、その工程及び時間帯におけるワークの最大存在確率に応じた色又は濃さで着色することにより図7や図12について上述したヒートマップを生成する(S41)。
次いで、生産計画表示処理プログラム14は、ステップS41で生成したヒートマップを掲載したボトルネック工程予測画面20を生成し(S42)、生成したボトルネック工程予測画面20の画面データを対応するクライアント3に送信する(S43)。これにより、この画面データに基づくかかるボトルネック工程予測画面20がそのクライアント3に表示される。そして生産計画表示処理プログラムは、この後、このボトルネック工程予測画面表示処理を終了する。
(1−4)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の生産計画立案支援システム1では、各工程の各時間帯ごとにワークの最大存在確率が表記され、その最大存在確率の大きさに応じて色分け又は濃度分けされたヒートマップがクライアント3に表示される。
従って、ユーザは、そのヒートマップを参照することでボトルネックとなる工程の時間帯を容易に認識することができ、例えば、ボトルネックとなる工程の時間帯に人員や設備等のリソースを多く割り当てるなどの生産計画を立案したり、生産工程への各ロットの投入タイミングをずらすなどの対策を講じることが可能となる。
このように本生産計画立案支援システム1によれば、工程の分岐を考慮した生産計画の立案を容易化することができ、かくして分岐を有する生産工程により生産される生産物の生産計画の立案を支援することができる。
(2)第2の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図28は、第2の実施の形態による生産計画立案支援システム30を示す。この生産計画立案支援システム30は、生産計画立案支援装置31が過去の実績に基づいて分岐割合マスタテーブル17を作成する点が第1の実施の形態と相違し、これ以外は第1の実施の形態の生産計画立案支援システム1と同様に構成されている。
このため本実施の形態の生産計画立案支援システム30では、分岐割合マスタテーブル17を作成する手段として、生産計画立案支援装置31の補助記憶装置12に作業進捗実績情報管理テーブル32が格納されると共に、生産計画立案支援装置31の主記憶装置11に分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33が格納されている。
作業進捗実績情報管理テーブル32は、過去の生産時の作業進捗の実績情報を管理するために利用されるテーブルであり、図29に示すように、ロットID欄32A、品目名欄32B、工程名欄32C、開始日時欄32D及び終了日時欄32Eを備えて構成される。作業進捗実績情報管理テーブル32では、1つの行が過去に行われた1つのロットに対する1つの工程に対応し、1つのロットに対する1つの工程が終了するごとに未使用の最上段の行に必要な情報が格納されるようにして新たな実績情報が順次登録される。
そしてロットID欄32Aには、過去に生産工程に投入されたロットのロットIDが格納され、品目名欄32Bには、そのロットの生産物の品目名が格納される。また工程名欄32Cには、対応する工程の工程名が格納される。さらに開始日時欄32Dにはそのロットに対する対応する工程での作業が開始された時刻が格納され、終了日時欄32Eには、そのロットに対する対応する工程での作業が終了した時刻が格納される。
従って、図29の例の場合、例えば「L1」というロットIDのロットは、「9:00」に生産工程に投入され、「A」、「B」、「C」及び「D」という各工程をこの順番に経て「13:00」に「D」という工程を終了したことが開示されている。
一方、分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、作業進捗実績情報管理テーブル32に登録されている実績情報に基づいて分岐割合マスタテーブル17を生成する機能を有するプログラムである。分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、ボトルネック工程予測画面20(図21)の表示要求がクライアント3から与えられた場合に、生産計画作成処理プログラム13が図23について上述した生産計画立案支援処理を開始する前に分岐割合マスタテーブル17を生成する。
図30は、分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33が分岐割合マスタテーブル17を生成するために実行する一連の処理(以下、これを分岐割合マスタテーブル生成処理と呼ぶ)の具体的な処理手順を示す。
分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、ボトルネック工程予測画面20の表示要求がクライアント3から与えられるとこの図30に示す分岐割合マスタテーブル生成処理を開始し、まず、工程マスタテーブル16(図16)を参照して、品目及び工程の組合せごとに後工程の一覧をそれぞれ作成する(S50)。
続いて、分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、ステップS50で一覧を作成した品目及び工程の組合せの中から1つの組合せを選択し(S51)、その組合せの後工程の一覧に複数の後工程が存在するか否かを判定する(S52)。
そして分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、ステップS52で否定結果を得ると、その組合せを構成するその品目のその工程から後工程への分岐割合を100%に決定し、決定した分岐割合を、これらの品目、工程及び後工程と対応付けて分岐割合マスタテーブル17に登録する(S53)。
また分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、ステップS52で肯定結果を得ると、その組合せを構成するその品目のその工程から各後工程への分岐割合を例えば図4について上述した方法によりそれぞれ算出し、算出した後工程ごとの分岐割合を、それぞれ対応する品目、工程及び後工程と対応付けて分岐割合マスタテーブル17に登録する(S54)。
次いで、分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、ステップS50で一覧を作成した品目及び工程のすべての組合せについてステップS52以降の処理を実行し終えたか否かを判定する(S55)。そして分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、この判定で否定結果を得るとステップS51に戻り、この後、ステップS51で選択する品目及び工程の組合せを未処理の他の組合せに順次切り替えながら、ステップS51〜ステップS55の処理を繰り返す。
そして分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム33は、やがてステップS50で一覧を作成した品目及び工程のすべての組合せについてステップS52以降の処理を実行し終えることによりステップS55で肯定結果を得ると、この分岐割合マスタテーブル生成処理を終了する。
以上のように本実施の形態の生産計画立案支援システム30によれば、ユーザが分岐割合マスタテーブル17を作成する手間を省略することができ、その分、生産計画立案作業に要する時間を削減させることができる。従って、本実施の形態の生産計画立案支援システム30によれば、第1の実施の形態の生産計画立案支援システム1と比べてより一層と生産計画の立案を容易化させることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、予め定められた投入計画に従ってワークを生産単位ごとに生産工程に順次投入する場合における、各工程の各時間帯にワークが存在する確率をそれぞれ算出した第1のモデル(存在確率モデル)を生産単位ごとにそれぞれ生成し、生成した生産単位ごとの第1のモデルをすべて重ね合わせた第2のモデル(全体確率モデル)を生成する第1の処理部を生産計画作成処理プログラム13により構成し、第1の処理部により生成された第2のモデルに基づいて、ボトルネックとなる工程の時間帯を特定して表示する第2の処理部を生産計画表示処理プログラム14により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、生産計画作成処理プログラム13及び生産計画表示処理プログラム14に代えて、これら生産計画作成処理プログラム13及び生産計画表示処理プログラム14の双方の機能を有するプログラム又はハードウェアを1つ設けるようにしてもよい。
また上述の実施の形態においては、生産計画立案支援装置4が、ボトルネックとなる工程の時間帯を特定して図21のようなボトルネック工程予測画面20としてクライアント3に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ボトルネックとなる工程の時間帯のみをテキストとして表示するようにしてもよく、かかるボトルネックとなる工程の時間帯の表示方法(ユーザへの提示方法)としては、この他種々の表示方法を広く適用することができる。
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、ボトルネック工程予測画面20の更新ボタン22がクリックされたタイミングでボトルネック工程予測画面20のヒートマップを現状に応じた内容に更新するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば1つのロットの1つの工程が完了するごとに生産計画立案支援装置4がボトルネック工程予測画面20のヒートマップを現状に応じた内容に更新するようにしてもよい。
本発明は、生産工程に分岐を有する生産物の生産計画の立案を支援する生産計画立案支援装置に広く適用することができる。
1,30……生産計画立案支援システム、3……クライアント、4,31……生産計画立案支援装置、10……CPU、11……主記憶装置、12……補助記憶装置、13……生産計画作成処理プログラム、14……生産計画表示処理プログラム、15……投入計画テーブル、16……工程マスタテーブル、17……分岐割合マスタテーブル、18……現作業進捗管理テーブル、20……ボトルネック工程予測画面、32……作業進捗実績情報管理テーブル、33……分岐割合マスタテーブル生成処理プログラム。

Claims (12)

  1. 生産物の生産計画の立案を支援する生産計画立案支援装置において、
    予め定められた投入計画に従ってワークを生産単位ごとに生産工程に順次投入する場合における、各工程の各時間帯に前記ワークが存在する確率をそれぞれ算出した第1のモデルを前記生産単位ごとにそれぞれ生成し、生成した前記生産単位ごとの前記第1のモデルをすべて重ね合わせた第2のモデルを生成する第1の処理部と、
    前記第1の処理部により生成された前記第2のモデルに基づいて、ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯を特定して表示する第2の処理部と
    を備えることを特徴とする生産計画立案支援装置。
  2. 前記ワークとして複数の品目が存在し、
    前記品目ごとに前記生産工程が異なり、
    前記第1の処理部は、
    各前記品目の前記生産単位ごとに前記第1のモデルをそれぞれ生成し、生成した前記生産単位ごとの前記第1のモデルをすべて重ね合わせた前記第2のモデルを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産計画立案支援装置。
  3. 前記第2の処理部は、
    前記第2のモデルに基づいて、各前記工程の各前記時間帯に前記ワークが存在する確率の最大値を最大存在確率としてそれぞれ算出し、
    算出した各前記工程の各前記時間帯における前記最大存在確率に基づいてボトルネックとなる工程が発生する時間帯を予測して表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産計画立案支援装置。
  4. 前記第1の処理部は、
    前記ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯が発生しないように、前記投入計画において定められた各前記生産単位の前記ワークのうちの一部又は全部の前記生産単位の前記ワークの前記生産工程への投入タイミングをずらした前記第2のモデルを生成し、
    前記第2の処理部は、
    当該第2のモデルに基づく前記ボトルネックとなる工程が発生する時間帯を予測して表示する
    ことを特徴とする請求項3に記載の生産計画立案支援装置。
  5. 前記第1の処理部は、
    前記生産単位分の前記ワークが前記生産工程の前記分岐において各分岐先の各前記工程にそれぞれ進む割合を分岐割合として実績から算出し、算出した前記分岐割合に基づいて前記第1のモデルを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産計画立案支援装置。
  6. 前記第1の処理部は、
    現在の状況に応じて前記第2のモデルを更新し、
    前記第2の処理部は、
    更新した前記第2のモデルに基づいて、前記ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯を特定して表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産計画立案支援装置。
  7. 生産物の生産計画の立案を支援する生産計画立案支援装置により実行される生産計画立案支援方法であって、
    予め定められた投入計画に従ってワークを生産単位ごとに生産工程に順次投入した場合における、各工程の各時間帯に前記ワークが存在する確率をそれぞれ算出した第1のモデルを前記生産単位ごとにそれぞれ生成し、生成した前記生産単位ごとの前記第1のモデルをすべて重ね合わせた第2のモデルを生成する第1のステップと、
    生成した前記第2のモデルに基づいて、ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯を特定して表示する第2のステップと
    を備えることを特徴とする生産計画立案支援方法。
  8. 前記ワークとして複数の品目が存在し、
    前記品目ごとに前記生産工程が異なり、
    前記第1のステップでは、
    各前記品目の前記生産単位ごとに前記第1のモデルをそれぞれ生成し、生成した前記生産単位ごとの前記第1のモデルをすべて重ね合わせた前記第2のモデルを生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の生産計画立案支援方法。
  9. 前記第2のステップでは、
    前記第2のモデルに基づいて、各前記工程の各前記時間帯に前記ワークが存在する確率の最大値を最大存在確率としてそれぞれ算出し、
    算出した各前記工程の各前記時間帯における前記最大存在確率に基づいてボトルネックとなる工程が発生する時間帯を予測して表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載の生産計画立案支援方法。
  10. 前記ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯が発生しないように、前記投入計画において定められた各前記生産単位の前記ワークのうちの一部又は全部の前記生産単位の前記ワークの前記生産工程への投入タイミングをずらした前記第2のモデルを生成する第3のステップと、
    当該第2のモデルに基づく前記ボトルネックとなる工程が発生する時間帯を予測して表示する第4のステップと
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の生産計画立案支援方法。
  11. 前記第1のステップでは、
    前記生産単位分の前記ワークが前記生産工程の前記分岐において各分岐先の各前記工程にそれぞれ進む割合を分岐割合として実績から算出し、算出した前記分岐割合に基づいて前記第1のモデルを生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の生産計画立案支援方法。
  12. 現在の状況に応じて前記第2のモデルを更新する第3のステップと、
    更新した前記第2のモデルに基づいて、前記ボトルネックとなる前記工程の前記時間帯を特定して表示する第4のステップと
    を備えることを特徴とする請求項7に記載の生産計画立案支援方法。
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