JP2020106040A - 鋼板と軽金属板とを重ね合わせた板組の接合方法、ならびに、金属板とcfrp板とを重ね合わせた板組の接合方法、および、その接合方法を用いた板組の製造方法 - Google Patents

鋼板と軽金属板とを重ね合わせた板組の接合方法、ならびに、金属板とcfrp板とを重ね合わせた板組の接合方法、および、その接合方法を用いた板組の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板と軽金属板とを重ね合わせた板組を強固に接合することが可能な接合方法、ならびに、金属板とCFRP板とを重ね合わせた板組を強固に接合することが可能な接合方法、および、その接合方法を用いた板組の製造方法を提供する。【解決手段】1枚以上の鋼板(または金属板)2と1枚以上の軽金属板(またはCFRP板)3とを重ね合わせて板組1とし、鋼板(または金属板)2を加熱しつつ、または、加熱した後、板組1にネジ6またはピンを貫通させて板組1を接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板(たとえば普通鋼板、高張力鋼板等)と軽金属板(たとえばアルミニウム板、アルミニウム合金板等)とを重ね合わせた板組、ならびに、金属板(たとえば鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等)と非金属材料(たとえば樹脂、CFRP、GFRP等)からなる板材とを重ね合わせた板組を接合する接合方法、および、その接合方法を用いた板組の製造方法に関するものである。
近年、地球の温暖化等の環境問題に対処するための研究が、様々な分野で進められている。自動車産業においては燃料消費量を削減(いわゆる燃費向上)し、ひいてはCO2排出量を低減する技術が開発されており、電動モーターを併用する技術(いわゆるハイブリッド)、あるいは、使用する鋼板の強度を高めることによって、鋼板の使用量を減らして車体の軽量化を図る技術等が実用化されている。
さらに自動車産業では、車体の一層の軽量化を達成するために、軽金属(たとえばアルミニウム合金等)やCFRP(すなわち炭素繊維強化プラスチック)を車体に採用する技術が検討されている。そのような車体を製造ラインで量産するためには、車体の骨格をなす鋼製のフレームと軽量材料(すなわち軽金属、CFRP等)とを強固に接合する技術が求められる。
従来は外板に鋼板を使用していたので、汎用的な溶融溶接法(たとえばアーク溶接、抵抗スポット溶接等)が普及していたが、上記したような鋼板と軽量材料板との接合では、従来の溶融溶接法は採用できない。たとえば、鋼板とアルミニウム合金板とを溶融溶接法で接合しようとすると、FeとAlの金属間化合物が生成し、その結果、接合部が著しく脆化するという問題が発生する。また、鋼板とCFRP板を溶融溶接法で接合しようとすると、CFRP板が溶解あるいは燃焼するという問題が発生する。
そこで、鋼板と異種材料の接合を可能にする接合技術が検討されている。その代表的な例として、SPR(Self Pierce Riveting)と呼ばれる技術が挙げられる。その技術は、複数枚の金属板を重ね合わせて板組とし、その板組をダイスに載置して、フランジ加工が施された筒状のリベットを打ち込むことによって、板組内部でリベットを塑性変形させて接合する技術であり、一般に、かしめと呼ばれるものである。
また、FDS(Flow Drilling Screw)と呼ばれる技術も検討されている。その技術は、先端の尖ったネジを高速で回転させて穿孔しながら板組に押し込んでいき、板組を貫通させて接合する技術である。
他にも、ImpAcT(Impulse Accelerated Tracking)と呼ばれる技術は、高速でリベットを板組に押し込んで穿孔し、さらに貫通させて接合する技術である。
これらの技術は、いずれも板組を構成する金属板を塑性変形(すなわち穿孔、かしめ)させて接合する技術であるから、金属板の強度が板組の接合に多大な影響を及ぼす。たとえば金属板として、高張力鋼板を使用する場合には、高張力鋼板の変形抵抗が大きいので、上記のSPR、FDS、ImpAcTを適用して板組を接合するのは困難である。
そこで、高張力鋼板と軽量材料とを重ね合わせた板組を接合する技術が検討されている。たとえば特許文献1、2には、板組の上表面から下表面の方向に電流を供給することによって通電加熱を行ない、板組の接合部を軟化させてリベットを打ち込む技術が開示されている。
これら特許文献1、2に開示された技術は、いずれも、かしめと呼ばれる接合技術であり、板組の中に引張強さが980MPa以上である高張力鋼板が含まれる場合は、リベットが板組を貫通しないので、接合部の強度の大幅な向上は期待できない。また板組が高張力鋼板とCFRP板で構成される場合は、板組の上表面から下表面の方向に電流を供給できないので、高張力鋼板の軟化は生じない。つまり、高張力鋼板とCFRP板で構成される板組の接合は困難である。
この問題は、高張力鋼板に限らず、金属板とCFRP板で構成される板組においても発生する。
特開2018-126752号公報 国際公開WO2017/002976号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、鋼板と軽金属板とを重ね合わせた板組を強固に接合することが可能な接合方法、とりわけ鋼板が高張力鋼板(引張強さ980MPa以上)である板組にも適用できる接合方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、金属板とCFRP板とを重ね合わせた板組を強固に接合することが可能な接合方法、とりわけ金属板として引張強さが980MPa以上である高張力鋼板を含む板組にも適用できる接合方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した課題を解決できる接合技術を確立するために、まず、
(A)種々の金属板(たとえば鋼板、軽金属板等)を重ね合わせた板組(合計2層以上)を接合する技術、
について検討し、とくに、
(B)鋼板と様々な軽金属板とを重ね合わせた板組(合計2層以上)を接合する技術、
について詳細に検討した。その結果、
(C)板組を構成する鋼板を加熱して軟化(すなわち変形抵抗を減少)させることによって、ネジまたはピンを板組の上表面から下表面に到るまで(すなわち鋼板と軽金属板を全て)貫通させることが可能になる、
(D)鋼板を加熱する手段は、通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱が好ましい、
(E)板組の上表面に配置する層および下表面に配置する層の少なくとも一方を鋼板とすれば、その鋼板を容易に加熱できる、
という知見を得た。
次に、本発明者は、
(F)金属板とCFRP板を1枚ずつ重ね合わせた板組(合計2層)を接合する技術、
のみならず、
(G)1枚の金属板と2枚以上のCFRP板、あるいは、2枚以上の金属板と1枚のCFRP板を重ね合わせた板組(合計3層以上)を接合する技術、
さらに、
(H)金属板が1枚である場合(上記(F)(G)参照)に、その金属板が鋼板である板組を接合する技術、
(I)金属板が2枚以上である場合(上記(G)参照)に、金属板の少なくとも1枚が鋼板である板組を接合する技術、
(J)鋼板が引張強さ980MPa以上の高張力鋼板である板組(上記(H)(I)参照)を接合する技術、
について検討した。
そして、上記の(F)〜(J)に記載した板組の接合を可能にする共通の技術を詳細に研究した。その結果、
(K)板組を構成する金属板を加熱して軟化(すなわち変形抵抗を減少)させることによって、ネジまたはピンを板組の上表面から下表面に到るまで(すなわち金属板とCFRP板を全て)貫通させることが可能になる、
(L)金属板を加熱する手段は、通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱が好ましい、
(M)板組の上表面に配置する層および下表面に配置する層の少なくとも一方を金属板とすれば、その金属板を容易に加熱できる、
(N)金属板として鋼板を使用する板組においても、上記の(K)〜(M)の効果は得られる、
という知見を得た。
なお以下では、板組の上表面に配置する層と下表面に配置する層とを総称して、最外層と記す。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、1枚以上の鋼板と1枚以上の軽金属板とを重ね合わせて板組とし、鋼板を加熱しつつ、または、加熱した後、板組にネジまたはピンを貫通させて板組を接合する板組の接合方法である。
本発明の鋼板と軽金属板の板組の接合方法においては、板組を構成する鋼板と軽金属板が合計3枚以上である場合に、板組の最外層の片方または両方に鋼板を配置することが好ましい。また、鋼板を加熱する手段として通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つを使用し、下記(a)〜(c)のうちのいずれか一つの方法で板組を接合することが好ましい。
(a)鋼板を加熱しつつ、板組にネジまたはピンを貫通させる。
(b)鋼板の加熱が終了した後、ただちに板組にネジまたはピンを貫通させる。
(c)鋼板の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で板組にネジまたはピンを貫通させる。
さらに本発明は、1枚以上の金属板と1枚以上のCFRP板とを重ね合わせて板組とし、金属板を加熱しつつ、または、加熱した後、板組にネジまたはピンを貫通させて板組を接合する金属板とCFRP板の接合方法である。
本発明の金属板とCFRP板の板組の接合方法においては、板組を構成する金属板とCFRP板が合計3枚以上である場合に、板組の最外層の片方または両方に金属板を配置することが好ましい。また、金属板を加熱する手段として通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つを使用し、下記(d)〜(f)のうちのいずれか一つの方法で板組を接合することが好ましい。
(d)金属板を加熱しつつ、板組にネジまたはピンを貫通させる。
(e)金属板の加熱が終了した後、ただちに板組にネジまたはピンを貫通させる。
(f)金属板の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で板組にネジまたはピンを貫通させる。
さらに、板組を構成する金属板が1枚である場合はその金属板を鋼板とし、板組を構成する金属板が2枚以上である場合は金属板の少なくとも1枚を鋼板とすることが好ましい。また、板組を構成する鋼板を通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つによって加熱し、下記(g)〜(i)のうちのいずれか一つの方法で板組を接合ことが好ましい。
(g)鋼板を加熱しつつ、前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
(h)鋼板の加熱が終了した後、ただちに板組にネジまたはピンを貫通させる。
(i)鋼板の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で板組にネジまたはピンを貫通させる。
本発明の板組の接合方法は、普通炭素鋼のみならず、引張強さ980MPa以上の高張力鋼板にも適用できる。
本発明によれば、鋼板と軽金属板(たとえばアルミニウム板等)とを重ね合わせた板組、とりわけ高張力鋼板(引張強さ980MPa以上)と軽金属板とを重ね合わせた板組を強固に接合することが可能となる。また、金属板とCFRP板とを重ね合わせた板組を強固に接合することが可能となり、とりわけ高張力鋼板(引張強さ980MPa以上)とCFRP板とを重ね合わせた板組の接合も可能となる。つまり、引張強さ980MPa以上の高張力鋼板と他の金属板や非金属板とを重ね合わせて接合できるので、産業上格段の効果を奏する。
本発明を適用して板組を接合する装置の例を模式的に示す断面図である。 図1に示すネジが板組を貫通した例を模式的に示す断面図である。
図1は、本発明を適用して板組1を接合する装置の要部を模式的に示す断面図である。ここでは、まず、図1を参照して、金属板2とCFRP板3を夫々1枚ずつ重ね合わせて板組1(合計2層)とし、金属板2を加熱する手段として通電加熱を採用する例について説明する。鋼板と軽金属板とを重ね合わせた板組の接合については後述する。
図1に示す2層の板組1において、金属板2とCFRP板3は、いずれも最外層となる。つまり、板組1の最外層の片方に金属板2を配置する例である。このような板組1を2個の電極4上に載置する。このとき、板組1の下側の最外層である金属板2を電極4に当接させる。こうして通電すると、電流は一方の電極4から金属板2を通って他方の電極4へ流れるので、金属板2とCFRP板3を重ね合わせた板組1においても通電加熱が可能となる。つまり、2個の電極4の間に位置する金属板2が加熱されて軟化する。その領域を符号5で示す。
3層以上の板組(図示省略)においても、最外層の片方または両方に金属板を配置すれば、金属板に電極を当接させることが可能である。したがって、少なくとも1層のCFRP板を有する3層以上の板組においても、金属板を通電加熱することができる。
図1に示す2層の板組1の金属板2を加熱する手段として、レーザー加熱を採用する場合は、金属板2にレーザー光を照射する。金属板2は最外層に配置されるので、レーザー光を容易に照射できる。3層以上の板組においても、最外層の片方または両方に金属板を配置すれば、金属板にレーザー光を照射して容易に加熱できる。
また、図1に示す2層の板組1の金属板2を加熱する手段として、高周波加熱を採用する場合は、CFRP板3に渦電流が発生しないので、金属板2のみを加熱することができる。
3層以上の板組の金属板を加熱する手段として高周波加熱を採用する場合は、最外層の片方または両方に金属板を配置し、その近傍に電磁コイルを配設すれば、金属板を高周波加熱することができる。電磁特性あるいは機械的特性の異なる2種類(または2種類以上)の金属板とCFRP板を重ね合わせて板組とする場合は、電磁コイルに供給する電流や電圧を調整して、引張強さが最も高い金属板に渦電流が発生するように設定する。
以上、図1を参照して、本発明を適用する板組における金属板とCFRP板の様々な組み合わせ、ならびに金属板を軟化させるための加熱について説明した。本発明は、金属板として鋼板を用いてCFRP板と重ね合わせた板組にも好適に適用できる。その鋼板が高張力鋼板であっても、何ら問題はない。
以上に説明したように板組1の金属板2を加熱しつつ、ネジ6を捻じ込んでいく。CFRP板3は加熱により大幅に軟化するため、ネジ6は容易に矢印Aの方向へ進行していく。さらに、金属板2の加熱された領域5は軟化しているので、ネジ6は金属板2も貫通して進行する。金属板2が鋼板(あるいは高張力鋼板)であっても、CFRP板3の上表面から鋼板(あるいは高張力鋼板)の下表面に到るまで、ネジ6を容易に貫通させることができる。その例を図2に示す。
また、金属板2として鋼板(あるいは高張力鋼板)および軽金属板を使用して、CFRP板3と重ね合わせた板組1(合計3層以上)を接合する場合は、軽金属板とCFRP板3は軟質な材料であるから、鋼板(あるいは高張力鋼板)のみを加熱して軟化させれば良い。したがって、鋼板(あるいは高張力鋼板)を板組1の最外層に配置すれば、通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱を容易に行なうことができる。
板組1にネジ6を捻じ込むときは、金属板2とCFRP板3の位置がずれないように、クランプ7を配設して、電極4とクランプ7で板組1を挟持することが好ましい。
ただし、金属板2とCFRP板3を多層に重ね合わせて接合すると、クランプ7を使用しても、金属板2とCFRP板3の位置がずれやすくなる。また、長尺のネジ6を用いる必要があるので、ネジ6が変形(たとえば座屈、曲がり、折損等)しやすくなる。したがって、板組1は2層(図1、2参照)以上4層以下の範囲が好ましい。
こうして板組1の接合作業が終了する。ネジ6の余剰の突出部を切り落としても、板組1の接合強度に悪影響は生じない。
ネジの代わりにピン(図示省略)を用いることも可能である。既に説明した手段で金属板を加熱しながら、ピンを打ち込んでCFRP板の上表面から金属板の下表面に到るまで、ピンを貫通させることによって板組を接合できる。ピンの余剰の突出部は、切り落としても良いし、リベット状に変形させても良い。
次に、鋼板(あるいは高張力鋼板)と軽金属板とを重ね合わせた板組の接合について説明する。
図1および図2に示す2層の板組1において、符号2が鋼板、符号3が軽金属板となるように板組を配置すれば、鋼板を加熱しながら軽金属板の上表面から鋼板の下表面に到るまでネジを貫通させる一連の技術は、既に図を参照して説明したメカニズムと同じである。3層以上の板組においても、鋼板を板組の最外層に配置して、電極を当接させることによって、鋼板を通電加熱することができる。また、鋼板を最外層に配置することによって、レーザー光を容易に照射できるので、レーザー加熱も可能である。アルミニウム板やアルミニウム合金板等の軽金属板は非磁性体であるから、高周波加熱で鋼板のみを加熱することも可能である。
以上、鋼板(あるいは金属板)を加熱しながら打ち込む技術について説明したが、予め加熱し、さらに必要に応じて冷却(たとえば空冷、強制冷却による急冷、もしくは雰囲気制御による徐冷など)した板組にネジまたはピンを打ち込んでもよい。また、鋼板(あるいは金属板)の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で板組にネジまたはピンを打ち込んでもよい。ここで言う冷却中とは、冷却開始後、鋼板(あるいは金属板)の温度が室温またはそれ以下の温度まで低下した状態を含む。
つまり、鋼板(あるいは金属板)を加熱する手段として通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つを使用し、下記(1)〜(3)のうちのいずれか一つの方法で打ち込んで貫通させる。
(1)鋼板(あるいは金属板)を加熱しつつ、板組にネジまたはピンを貫通させる。
(2)鋼板(あるいは金属板)の加熱が終了した後、ただちに板組にネジまたはピンを貫通させる。
(3)鋼板(あるいは金属板)の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で板組にネジまたはピンを貫通させる。
なお、上記の(1)〜(3)は、加熱することによって生じる変形抵抗の低下に起因する鋼板(あるいは金属板)の軟化現象を活用する技術、あるいは焼き戻しと同様の効果に起因する鋼板(あるいは金属板)の軟化現象を活用する技術である。
本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。なお、下記の実施例は本発明を限定する性質のものではなく、本発明の要旨を満足する限り、いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
引張強さが980MPa以上の高張力鋼板と5000系アルミニウム合金板とを1枚ずつ重ね合わせた板組(合計2層)の接合実験を行なった。その手順を説明する。
板組を構成する高張力鋼板を2層のうちの下板(図中の符号2に相当)とし、アルミニウム合金板を上板(図中の符号3に相当)とした。使用した高張力鋼板とアルミニウム合金板は表1に示す通りである。
Figure 2020106040
その板組を電極に載置し、さらにクランプで挟持した。このとき、下板である高張力鋼板が電極に当接した。こうして通電加熱を行なって、高張力鋼板を加熱して、十分な冷却がなされた後にネジを捻じ込み、アルミニウム合金板の上表面から高張力鋼板の下表面まで貫通させた。通電加熱において使用した電極、供給した電流と通電時間は表2に示す通りである。なお、電極の形状については、たとえばJIS規格C9304:1999に記載のものを用いることができる。一例として表2中には各電極の先端がフラット形状(すなわち先端曲率半径が無限大のもの)をDF型として示した。
Figure 2020106040
こうして夫々の板組(表1参照)の高張力鋼板に通電加熱(表2参照)して、十分な冷却がなされた後にネジを捻じ込んだ。ネジを捻じ込むための設定条件は表3に示す通りである。なお、表3中の回転速度は1分あたりのネジの回転数、加圧力はネジを矢印Aの方向に押圧する圧力である。
Figure 2020106040
板組の接合が終了した後、板組の外観を目視で観察して、ネジが板組の上表面から下表面まで貫通した板組を〇、貫通しなかった板組を×として評価した。その結果を表3に板組外観として示す。
次に、板組に捻じ込まれたネジの長さLUSED(mm)を測定し、新品のネジの長さLPRIMARY(mm)に対する比率(=100×LUSED/LPRIMARY)を算出した。その結果を表3に示す。
そして、ネジの貫通の有無およびネジ長さの比率に基づいて、接合状態を評価した。すなわち、板組外観が〇かつネジ長さの比率が95%以上の例を優(A)、板組外観が〇かつネジ長さの比率が80%以上95%未満の例を良(B)、板組外観が〇かつネジ長さの比率が80%未満の例を良(C)、板組外観が×である例を不可(D)として表3に示す。
表3から明らかなように、発明例(すなわち高張力鋼板を加熱した例)は、全て板組外観が〇であり、接合状態がA〜Cと評価された。これに対して比較例(すなわち高張力鋼板を加熱しなかった例)は板組外観が×であった。
すなわち、下板強度980MPaで、通電時間が十分適度に確保された条件では、打抜きが容易であり、優(A)判定となった。通電時間が不十分な条件では、加熱不足で焼き戻しが不十分となり、打抜きの難易度が上がるため良(B)、良(C)判定となった。一方、通電加熱無しの条件では、打抜きが困難となるため不可(D)判定となったのである。
1 板組
2 金属板
3 CFRP板
4 電極
5 加熱された領域
6 ネジ
7 クランプ

Claims (12)

  1. 1枚以上の鋼板と1枚以上の軽金属板とを重ね合わせて板組とし、前記鋼板を加熱しつつ、または、加熱した後、前記板組にネジまたはピンを貫通させて前記板組を接合することを特徴とする板組の接合方法。
  2. 前記板組を構成する前記鋼板と前記軽金属板が合計3枚以上である場合に、前記板組の最外層の片方または両方に前記鋼板を配置することを特徴とする請求項1に記載の板組の接合方法。
  3. 前記鋼板を加熱する手段として通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つを使用し、下記(a)〜(c)のうちのいずれか一つの方法で前記板組を接合することを特徴とする請求項1または2に記載の板組の接合方法。
    (a)前記鋼板を加熱しつつ、前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
    (b)前記鋼板の加熱が終了した後、ただちに前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
    (c)前記鋼板の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
  4. 前記鋼板が引張強さ980MPa以上の高張力鋼板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の板組の接合方法。
  5. 1枚以上の金属板と1枚以上のCFRP板とを重ね合わせて板組とし、前記金属板を加熱しつつ、前記板組にネジまたはピンを貫通させて前記板組を接合することを特徴とする板組の接合方法。
  6. 前記板組を構成する前記金属板と前記CFRP板が合計3枚以上である場合に、前記板組の最外層の片方または両方に前記金属板を配置することを特徴とする請求項5に記載の板組の接合方法。
  7. 前記金属板を加熱する手段として通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つを使用し、下記(d)〜(f)のうちのいずれか一つの方法で前記板組を接合することを特徴とする請求項5または6に記載の板組の接合方法。
    (d)前記金属板を加熱しつつ、前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
    (e)前記金属板の加熱が終了した後、ただちに前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
    (f)前記金属板の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
  8. 前記板組を構成する前記金属板が1枚である場合は前記金属板を鋼板とし、前記板組を構成する前記金属板が2枚以上である場合は前記金属板の少なくとも1枚を鋼板とすることを特徴とする請求項5に記載の板組の接合方法。
  9. 前記板組を構成する前記鋼板を通電加熱、高周波加熱、レーザー加熱のいずれか一つによって加熱し、下記(g)〜(i)のうちのいずれか一つの方法で前記板組を接合することを特徴とする請求項8に記載の板組の接合方法。
    (g)前記鋼板を加熱しつつ、前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
    (h)前記鋼板の加熱が終了した後、ただちに前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
    (i)前記鋼板の加熱が終了した後の、冷却中に、所定の温度で前記板組にネジまたはピンを貫通させる。
  10. 前記板組の最外層の片方または両方に前記鋼板を配置することを特徴とする請求項8または9に記載の板組の接合方法。
  11. 前記鋼板が引張強さ980MPa以上の高張力鋼板であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の板組の接合方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載された板組の接合方法を用いて接合された板組の製造方法。
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JP2006007266A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Nissan Motor Co Ltd リベットを用いた接合方法
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WO2018055210A1 (en) * 2016-09-26 2018-03-29 Newfrey Llc Method for joining at least one component to a second component without preformed hole(s)

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