JP2020105650A - ボトムス - Google Patents

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Abstract

【課題】窮屈感を生じさせることなく、ウエスト周りへのフィット性を高めることができること。【解決手段】ズボン1は、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で収容部12と延出部11の間を平ゴム15Eによって接続した接続部15とを有し、平ゴム15Eが、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続している。【選択図】図1

Description

本発明は、カーブベルトを採用した被服、すなわち、綿パン等のズボン(パンツ)、スカート、キュロットスカート等(以下、「ボトムス(bottoms)」という)に関するもので、特に、ウエストサイズを伸縮自在としたボトムスに関するものである。
近年、特に、女性用のボトムスにおいては、ファッションの多様化、着用時の美観向上の要求が高まり、身体のウエスト周りに位置するウエストベルト部を直線的なラインではなく、カーブするラインとする、所謂、カーブベルトが普及している。このようなカーブベルトを採用すると、着用時にウエスト周りにフィットすることから、着用時に滑らかなシルエットを形成できると共に、着用者がしゃがんだ際に背中側のウエスト周りで下着が見え難いものとなる。このため、主に若い人の間で流行している股上が浅い、ウエスト周りが低い(ローウエストタイプ、ローライズタイプ)ボトムスを中心にカーブベルトが広く普及した。そして、最近では、ミセス世代のボトムスでも股上をやや浅くする傾向にあり、主に女性用のボトムスにおいて、年代を問わずカーブベルトの取り入れが主流になりつつある。
ところが、このようなカーブベルトは、ウエスト周りへのフィット性を高めることができる反面、ウエスト周りに窮屈感を与える問題がある。
そこで、特許文献1では、身頃開口縁に帯状を成すベルトの前身のうち少なくとも一部を、平面視において直状又は略直状に延在する第1のベルト部で形成し、後身のうち身体背面中心を跨ぐ部位の少なくとも一部を、平面視において弧状又は略弧状に延在する第2のベルト部で形成することによって、即ち、腹部(前身)にはストレートベルトを、背中(後身)の後側にはカーブベルトをというようにベルトを区分することによって、腹部へのくい込みを防止して腹部の迫り出しを抑止でき、穿き心地や装着感の改善を図る方法を開示している。
特開2006−328625号公報
この特許文献1の技術によれば、前身側は従来と同様に直線状に延びる帯状に形成することで、前身側では、カーブベルトによるフィット性の向上による窮屈感の増大の問題はない。しかしながら、後身側はカーブベルトであるから、依然としてウエスト周りに窮屈感を与える問題がある。特に、着用者のウエストの動きによっては、強力な締め付け感、窮屈感が増大することもある。
そこで、本発明は、窮屈感を生じさせることなく、ウエスト周りへのフィット性を高めることができるボトムスの提供を課題とするものである。
請求項1の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続した接続部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部を構成しているものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続しているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
上記延出部と収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように収容部内に入れられ、収容部に対し延出部の端部側が収容されて収容部と延出部が重複する。
このような延出部及び収容部によって、ウエストベルト部の表側及び裏側を形成する構成は、例えば、延出部や収容部の表側と裏側は、1枚布をウエストベルト部の上端部で折り曲げる構成としてもよいし、ウエストベルト部の上端部で表裏の生地を接ぐ構成としてもよい。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本または3本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に対し略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材としての伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているものである。
上記伸縮自在な長さとは、前記弾性材の全体長さを意味するものではなく、前記ウエストベルト部に引張り力が掛かった際に伸ばすことができる部分の長さであり、弾性材の弾性力が機能する部分の長さである。前記収容部と前記延出部に直接的に弾性材を縫付けによって取付けたときには、前記収容部に縫付けたときの縫付線と前記延出部に縫付けたときの縫付線との間の弾性材の未伸長状態での長さ(前記収容部と前記延出部を接続する接続長さ)のことである。
そして、上記弾性材の上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているとは、上端の伸びによる変化よりも下端の伸びによる変化を大きくしていることを意味する。
請求項2の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続した接続部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部を構成しているものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
上記延出部と収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように収容部内に入れられ、収容部に対し延出部の端部側が収容されて収容部と延出部が重複する。
このような延出部及び収容部によって、ウエストベルト部の表側及び裏側を形成する構成は、例えば、延出部や収容部の表側と裏側は、1枚布をウエストベルト部の上端部で折り曲げる構成としてもよいし、ウエストベルト部の上端部で表裏の生地を接ぐ構成としてもよい。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本または3本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に対し略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材としての伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の弾性材は、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付け、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としたものである。つまり、上記接続部の弾性材は、収容部の内部のウエスト方向において、収容部への縫付側から延出部への縫付側に向かって斜めに上昇する挿入状態である。
請求項3の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側を形成し、また、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続し、更に、前記弾性材とは別の他の弾性材を設けた腰裏ベルト部によって、前記ウエスト方向に一体に連続してウエスト方向に延びる帯状がカーブした前記ウエストベルト部の裏側を形成したものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、その上端から下方に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続しているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
前記延出部及び前記収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、前記延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように前記収容部内に入れられ、前記収容部に対し前記延出部の端部側が収容されて前記収容部と前記延出部が重複する。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材として伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているものである。
上記伸縮自在な長さとは、前記弾性材の全体長さを意味するものではなく、前記ウエストベルト部に引張り力が掛かった際に伸ばすことができる部分の長さであり、弾性材の弾性力が機能する部分の長さである。前記収容部と前記延出部に直接的に弾性材を縫付けによって取付けたときには、前記収容部に縫付けたときの縫付線と前記延出部に縫付けたときの縫付線との間の弾性材の未伸長状態での長さ(前記収容部と前記延出部を接続する接続長さ)のことである。
そして、上記弾性材の上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているとは、上端の伸びによる変化よりも下端の伸びによる変化を大きくしていることを意味する。
また、上記腰裏ベルト部は、前記ウエスト方向に一体に連続して前記ウエストベルト部の裏側を形成し、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在なものであり、全体を前記弾性材とは別の他の弾性材で構成することで伸縮自在な構成としてもよいし、腰裏ベルト部の一部に前記弾性材とは別の他の弾性材を配設する構成であってもよい。即ち、前記ウエストベルト部の裏側の全周を他の弾性材で形成してもよいし、前記ウエストベルト部のウエスト周方向の一部を1または2以上の弾性材で形成するものであってもよい。例えば、上記腰裏ベルト部は、前記延出部に縫付けた延出部側裏ベルトと、前記収容部に縫付けた収容部側裏ベルトと、前記延出部側裏ベルトの一端及び前記収容部側裏ベルトの一端の間を接続した前記弾性材とは別の他の弾性材とから構成されて、前記延出部側裏ベルトと前記収容部側裏ベルトの間の弾性材によってウエスト方向に伸縮自在とされるものであってもよい。この腰裏ベルト部は、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部に対応する曲線形状に形成されたものとしてもよいし、前記ウエストベルト部の表側に縫着する際にいせ込んで(細かくダブらせて)縫付けることによって、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部の曲線形状に対応させてもよい。
請求項4の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側を形成し、また、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続し、更に、前記弾性材とは別の他の弾性材を設けた腰裏ベルト部によって、前記ウエスト方向に一体に連続してウエスト方向に延びる帯状がカーブした前記ウエストベルト部の裏側を形成したものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
前記延出部及び前記収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、前記延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように前記収容部内に入れられ、前記収容部に対し前記延出部の端部側が収容されて前記収容部と前記延出部が重複する。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材として伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の弾性材は、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付け、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としたものである。つまり、上記接続部の弾性材は、収容部の内部のウエスト方向において、収容部への縫付側から延出部への縫付側に向かって斜めに上昇する挿入状態である。
また、上記腰裏ベルト部は、前記ウエスト方向に一体に連続して前記ウエストベルト部の裏側を形成し、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在なものであり、全体を前記弾性材とは別の他の弾性材で構成することで伸縮自在な構成としてもよいし、腰裏ベルト部の一部に前記弾性材とは別の他の弾性材を配設する構成であってもよい。即ち、前記ウエストベルト部の裏側の全周を他の弾性材で形成してもよいし、前記ウエストベルト部のウエスト周方向の一部を1または2以上の弾性材で形成するものであってもよい。例えば、上記腰裏ベルト部は、前記延出部に縫付けた延出部側裏ベルトと、前記収容部に縫付けた収容部側裏ベルトと、前記延出部側裏ベルトの一端及び前記収容部側裏ベルトの一端の間を接続した前記弾性材とは別の他の弾性材とから構成されて、前記延出部側裏ベルトと前記収容部側裏ベルトの間の弾性材によってウエスト方向に伸縮自在とされるものであってもよい。この腰裏ベルト部は、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部に対応する曲線形状に形成されたものとしてもよいし、前記ウエストベルト部の表側に縫着する際にいせ込んで(細かくダブらせて)縫付けることによって、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部の曲線形状に対応させてもよい。
請求項5の発明のボトムスは、請求項1乃至請求項4の何れか1つの構成において、前記身頃の前身頃側であって片方の脇または両脇の脇線に沿って取付けられた脇ポケット部を構成する袋布の向こう布において、その上端から下方に向かって延びた襞状のタック部が形成され、前記タック部の襞がその上方を除いて縫合されているものである。
上記脇ポケット部は、後身頃及び前身頃からなる身頃のうちの前身頃側であってボトムスの片側または両脇の脇線に沿って設けられているものである。上記脇ポケット部の形状としては、ボトムスの表側のポケット口の外縁が直線状、外縁が略L字型形状(Lポケット)、その変形で外縁が略S字型形状(Sポケット)等が挙げられる。また、上記脇ポケット部は、左右のどちらかの脇または左右の両脇に設けられるが、両脇のポケットが左右対称であってもよいし、左右対称でなくともよく、右脇のポケットと左脇のポケットとが種類、形態が異なっていてもよい。
そして、上記脇ポケット部は、それを形成している袋布の向こう布側にその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部を有するものである。
ここで、上記タック部とは、袋布の向こう布の布地に形成した所定の折り目に沿って折り返す、即ち、折畳むことで襞状に形成されたものであり、ウエストベルト部の伸びに伴い袋布に掛かる引張り力を襞の展開によって逃がすものである。そして、上記タック部では、その上方を除いて一部の襞が縫合されており、その縫合の部分では襞の展開が制限されるものである。なお、上記タック部の上方を除いた一部の襞が縫合とは、タック部の上方除いて一部の襞が縫合されていることを意味するが、タックの襞を縫合する位置は、必ずしもタック部の下端までタックの襞が縫合されていることまでを要するものではない。即ち、タック部の襞の縫合は、ウエストベルト部が伸びたときに袋布の上方で所定の展開量を確保する点から、少なくともタック部の上方を除く必要があるが、タック部の下端側まで縫合されている必要はない。なお、タック部の上方を除いては、タックの長さの中間位置から上でタックの襞が縫合されていないことを意味するものではなく、タックの上端から下に所定範囲ではタックの襞が縫合されていないことを意味する。つまり、上記タック部の襞がその上方を除いて縫合とは、タック部の襞(折り返し部分)が少なくともその上方を除く縫合であることを意味する。
なお、上記向こう布とは、ボトムスの外側(表側)において袋布の布地(裏布)が見えないように袋布に貼付けられる身頃等の共地向こう布を意味するものではなく、袋状の袋布のうちボトムスの裏面側(身体側)に配設する側を向こう布とし、ボトムスの表面側に近い方に配設する手前布と区別するものである。身頃と共地であってもよいし、身頃とは異なる生地、例えば、スレーキ生地等の裏地を使用することも可能である。
請求項6の発明のボトムスは、請求項5の構成において、前記タック部の襞が、前記袋布の縦幅の中間部から上寄りで縫合されているものであり、比較的長さが短いタックに好適なものである。即ち、例えば、婦人用のボトムスのように袋布を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わないときにはその袋布のタックの長さは比較的短くなるが、そのような比較的短いタックの場合にも好適である。
請求項7の発明のボトムスは、請求項6の構成において、前記タック部の襞を縫合する始点が、前記袋布の前記向こう布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点が前記始点から下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあるものである。即ち、前記タック部の襞を縫合する始点が、前記袋布の前記向こう布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、そこから下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内で前記タック部の襞を縫合するものである。
上記向こう布の上がり線とは、ボトムスの表側からみてウエストベルト部の下端に相当する仕上がり線を意味し、裁ち切り線よりも下に、例えば、1cm下に位置するものである。
また、上記始点、終点は、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合したときの縫合線の端を意味し、縫製時の縫い始め、縫い終わりの縫製方向までを意味するものではない。
そして、上記終点が前記始点から下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内とは、前記タック部の襞を縫合したときの縫合線の長さや方向を意味するものではなく、襞を縫合する縦幅(垂直方向)の範囲を意味するものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項8の発明のボトムスは、請求項6または請求項7の構成において、前記タック部の襞が、前記襞を形成する2本の折り目のうち、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れていない折り目から1cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内で中縫いにより縫合されているものである。
上記袋布の向こう布の外面側に表れていない折り目とは、タックの襞を形成するために谷折りした折り目線を意味するものである。
また、中縫いは、襞を縫合するときの縫合線(縫い目)が向こう布の外面側にでないように襞を縫合する縫い方である。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項9の発明のボトムスは、請求項5の構成において、前記タック部の襞が、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合されているものであり、比較的長さが長いタックの場合に好適なものである。例えば、紳士用のボトムスのようにアイロン等のプレスで皺とり、クセとりを行い袋布を落ち着かせるときには、その袋布のタックの長さは比較的長くなるが、そのような比較的長いタックの場合に好適である。
請求項10の発明のボトムスは、請求項9の構成において、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合する始点が、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置から垂直方向に上に2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置またはそれよりも下にあるものである。
上記ポケット口外縁の末端は、ボトムスの表側に表出しているポケット口の外縁の下端であって、脇線との交点である。
また、上記始点、終点とは、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合した縫合線の端を意味し、縫製時の縫い始め、縫い終わりの縫製方向までを意味するものではない。そして、このときの襞の縫合は、その縫合線(縫い目)が向こう布の外面側にでないように襞を縫合する中縫いであってもよいし、縫合線(縫い目)が向こう布の外面側にでることになるコバステッチであってもよい。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項11の発明のボトムスは、請求項9または請求項10の構成において、前記タック部の襞が、前記襞を形成する2本の折り目のうち、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れている折り目から0.6cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.5cm以下、より好ましくは、0.1cm以上、0.4cm以内で縫合されているものである。
上記袋布の向こう布の外面側に表れている折り目とは、タックの襞を形成するために山折りした折り目線を意味するものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項12の発明のボトムスの前記腰裏ベルト部は、請求項3乃至請求項11の何れか1つの構成において、前記収容部の裏側に縫付けた収容部側裏ベルトと前記延出部の裏側に縫付けた延出部側裏ベルトの間を前記他の弾性材によって弾性的に接続してなるものである。
即ち、上記腰裏ベルト部は、前記延出部に縫付けた延出部側裏ベルトと、前記収容部に縫付けた収容部側裏ベルトと、前記延出部側裏ベルトの一端及び前記収容部側裏ベルトの一端の間を接続した前記弾性材とは別の他の弾性材とから構成されて、前記延出部側裏ベルトと前記収容部側裏ベルトの間の弾性材によってウエスト方向に伸縮自在とされるものである。
このような腰裏ベルト部は、前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部及び前記収容部に対し、通常、前記ウエストベルト部の上端部で、延出部側裏ベルトが前記延出部に接がれ、また、収容部側裏ベルトが前記収容部に接がれる。そして、延出部側裏ベルトと収容部側裏ベルトの間を接続する前記弾性材とは別の弾性材は、前記延出部が入れられる前記収容部の開口端側付近で前記延出部に縫着されず前記延出部の裏側に配設される。上記延出部側裏ベルトと収容部側裏ベルトの間を接続する弾性材は、1本のゴム等の弾性材であっても良いし、2本または3本以上の弾性材を並列的に配置し、ウエストの周方向に対し略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。
請求項13の発明のボトムスは、請求項12の構成において、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材が、上方の弾性材及び下方の弾性材の2本の弾性材によって形成され、前記上方の弾性材の下方に前記下方の弾性材の上方を重複させて上下に配設されているものである。
上記上方の弾性材と下方の弾性材は、上方の弾性材の下方に下方の弾性材の上方が重ねられており、互いに厚みの一部を重ねて重複させているものであり、ボトムスの裏側から見て上方の弾性材の手前側に下方の弾性材を重ねてもよいし、上方の弾性材の後ろで下方の弾性材を重ねてるようにしてもよい。
請求項14の発明のボトムスは、請求項12または請求項13の構成において、前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部の内面側であって、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置で、裏地が取付けられているものである。
上記裏地の取付けは、例えば、前記延出部の上部及び下部が内折りされ、前記延出部の内折りされた上部の外側に裏地の上端を縫付けまたは貼付け、また、前記延出部の内折りされた下部の外側または内側に前記裏地の下端を縫付けまたは貼付けることによって取付けられる。この裏地は、前記延出部とそれに縫着されてない前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材との間から、前記延出部の内面側が見えたときにその見栄えを損なわないように取付けるものであるから、少なくとも前記延出部の前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置に取付けられていればよく、前記延出部の先端部側であればよい。
上記裏地としては、好ましくは、ポリエステル系の生地、ナイロン系の生地、スレーキ、リボンテープ等の伸縮性を有しない生地(接着芯等の芯材を含む)を用いることで前記収容部に対する前記延出部の摺動性を向上させることも可能である。
請求項1の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側及び裏側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容されて前記収容部から前記延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部と前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。そして、前記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続している。
このように、請求項1の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出することにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、弾性材の弾性力によって、伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項1の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項2の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側及び裏側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容されて前記収容部から前記延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部と前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としている。
このように、請求項2の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出することにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、弾性材の弾性力によって、伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項2の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項3の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状をなすカーブしたウエストベルト部の表側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容され、収容部から延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部とゼ前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。また、カーブしたウエストベルト部の裏側は、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在な腰裏ベルト部で形成されている。そして、前記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続している。
このように、請求項3の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部の表側を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出すると共に、ウエストベルト部の裏側を構成する腰裏ベルト部の弾性材の伸びによって腰裏ベルト部が伸びることにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、それら弾性材の弾性力によって伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項3の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項4の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状をなすカーブしたウエストベルト部の表側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容され、収容部から延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部とゼ前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。また、カーブしたウエストベルト部の裏側は、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在な腰裏ベルト部で形成されている。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としている。
このように、請求項4の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部の表側を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出すると共に、ウエストベルト部の裏側を構成する腰裏ベルト部の弾性材の伸びによって腰裏ベルト部が伸びることにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、それら弾性材の弾性力によって伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項4の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項5の発明に係るボトムスによれば、前身頃側であって片側または両脇の脇線に沿って取付けた脇ポケット部を構成する袋布の向こう布側において、その上端から下方に向かって延びた襞状のタック部を形成し、タック部の襞をその上方を除いて縫合している。これより、タック部の開きが制限され袋布の生地の遊び、余裕が少なくなるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、ウエストベルト部のカーブによる着用者のウエスト周りへのフィット性の向上によって、脇ポケット部の袋布に掛かる引き攣り量が増大しても、ズボンの外側のポケット口から袋布が吹き出す事態が防止され、見栄えや外観性を維持できる。
請求項6の発明に係るボトムスによれば、前記タック部の襞は、前記袋布の縦幅の中間部から上寄りで縫合されているから、請求項5に記載の効果に加えて、比較的タックが短い設計のズボンであっても、例えば、婦人用のボトムスのように袋布を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わないときにはその袋布のタックの長さは比較的短くなるが、そのような比較的タックが短いものでも、前記袋布の縦幅の中間部から上側の所定範囲で縫合することによって、ボトムス外側のポケット口から袋布が吹き出すのを効果的に抑制できる。
請求項7の発明に係るボトムスによれば、前記タック部の襞を縫合する始点は、前記袋布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は、前記始点から垂直方向に、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にある。これより、タック部の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部の下方で襞の展開を制限することができる。よって、請求項6に記載の効果加えて、ウエストベルト部に引張り力が掛かった際でも袋布の上方の引き攣りを抑えて見栄えを損なうことなく、ボトムスの外側のポケット口から袋布が吹き出るのを抑制できる。
請求項8の発明の前記タック部の襞は、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れていない折り目から1cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内で中縫いによって縫合されているから、前記タック部の襞を縫合した部分でも所定の展開量を確保できる。よって、請求項6または請求項7に記載の効果に加えて、脇ポケット部のポケット止まりの周囲に生じやすい引き攣りを抑制して見栄えを向上させることができる。更に、袋布の上方の引き攣りを抑えて見栄えを向上できる。
請求項9の発明のボトムスの前記タック部の襞は、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合されているから、請求項5に記載の効果に加えて、比較的タックが長い場合、例えば、紳士用のボトムスのようにアイロン等のプレスで皺とり、クセとりを行い袋布を落ち着かせるときには、その袋布のタックの長さは比較的長くなるが、そのようにタックが比較的長いものでは、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合することによって、ボトムス外側のポケット口から袋布が吹き出すのを効果的に抑制できる。
請求項10の発明に係るボトムスによれば、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合する始点は、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置から垂直方向に上に2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置またはそれよりも下にある。これより、タック部の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部の一部で襞の展開を制限できる。よって、請求項9に記載の効果に加えて、ウエストベルト部に引張り力が掛かった際でも袋布の上方の引き攣りを抑えて見栄えを損なうことなく、ボトムスの外側のポケット口から袋布が吹き出るのを抑制できる。
請求項11の発明のボトムスの前記タック部の襞は、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れている折り目から0.6cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.5cm以下、より好ましくは、0.1cm以上、0.4cm以内で縫合されているから、前記タック部の襞を縫合した部分では、その襞が殆ど展開しない。よって、請求項9または請求項10に記載の効果に加えて、身頃等の生地が薄いものでも、脇ポケット部の皺寄りを効果的に抑え、見栄えを維持できる。
請求項12の発明に係るボトムスによれば、前記ウエストベルト部の裏側は、前記収容部の裏側に縫付けた収容部側裏ベルトと前記延出部の裏側に縫付けた延出部側裏ベルトの間を前記弾性材とは別の他の弾性材によって弾性的に接続してなる腰裏ベルト部で形成されているものである。したがって、請求項3乃至請求項11の何れか1つに記載の効果に加えて、前記弾性材とは別の他の弾性材が一部のみの配設であるから、低コストで済み、また、伸縮に伴う弛みも少なくなるから見栄えも良い。
請求項13の発明に係るボトムスによれば、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材は、上方の弾性材及び下方の弾性材の2本の弾性材によって形成され、前記上方の弾性材の下方に前記下方の弾性材の上方を重複させて上下に配設されているから、強力な締め付け感、窮屈感を生じさせることなく弾性力を強化でき、少ない外力で高い伸縮力を得ることができる。よって、請求項12に記載の効果に加えて、より少ない締め付け感、窮屈感で人体のウエストの動きに追従するフィット性を高めることができ、着用感を向上させることができる。
請求項14の発明に係るボトムスによれば、前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部の内面側には、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置で、裏地が取付けられている。よって、請求項12または請求項13に記載の効果に加えて、前記延出部と前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材との間から前記延出部の内面が見えたときでも裏地が見えるだけであるから、商品イメージの低下を防止できる。
図1(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの正面図であり、図1(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの背面図であり、図1(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンを右側面から見たときのウエスト部周辺の部分拡大図であり、図1(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンを左側面から見たときのウエスト部周辺の部分拡大図である。 図2は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りを示す斜視図である。 図3は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りを展開して裏側から見た展開図である。 図4(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの延出部及び弾性材の構造を説明するための部分展開図であり、図4(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの延出部及び弾性材の構造を説明するための説明図である。 図5(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエストベルト部の構造を説明するための部分展開図であり、図5(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの接続部の構造を説明するための部分拡大図である。 図6(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見た部分拡大図であり、図6(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの表側から見た部分拡大図である。 図7(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの表側から見た部分拡大図であり、図7(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの表側から見た部分拡大図である。 図8(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの収容部と延出部の間を平ゴムで接続した構成を示してゴムの縫着状態、伸長時のゴムの動き及び収容部から抜き出る延出部の動きを説明する説明図であり、図8(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンにおいてウエストベルト部に引張り力が掛かった際に、収容部から延出部が引き出されるときの延出部の動きを説明する説明図である。 図9(a)は本発明の実施の形態2に係るズボンの収容部と延出部の間を平ゴムで接続した構成を示してゴムの縫着状態、伸長時のゴムの動き及び収容部から抜き出る延出部の動きを説明するための説明図であり、図9(b)は本発明の実施の形態2に係るズボンにおいてウエストベルト部に引張り力が掛かった際に、収容部から延出部が引き出されるときの延出部の動きを説明する説明図である。 図10(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの収容部と延出部の間を接続する平ゴムを、収容部の裏面側に縫付けたときのウエストベルト部の構造を示す部分展開図であり、図10(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの収容部と延出部の間を接続する平ゴムを、収容部の裏面側に縫付けたときの接続部の構造を示す部分拡大図である。 図11(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布の身頃に縫付ける前の部品展開図であり、図11(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成を示す説明図であり、図11(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞を縫合した状態を示す説明図であり、図11(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、袋布の内面側を示して、一部のタック部の襞が縫合されていることを説明するための説明図である。 図12(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布の身頃への縫着状態をズボンの裏側から見て示す説明図であり、図12(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布の身頃への縫着状態をズボンの表側から見て示す説明図である。 図13(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大展開図であり、図13(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大図である。 図14(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前のウエスト部の構造をズボンの表側から見た部分拡大図であり、図14(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態のウエスト部の構造をズボンの表側から見た部分拡大図である。 図15(a)はウエストベルト部がカーブしたズボンを着用した際に、脇ポケット部の袋布がポケット口から吹き出したり、脇ポケット部及びその周囲で皺寄りが生じたりする状態を示す説明図であり、図15(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンを着用した際の脇ポケット部及びその周囲の状態を示す説明図である。 図16(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布の身頃に縫付ける前の部品展開図であり、図16(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成を示す説明図であり、図16(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞を縫合した状態を示す説明図であり、図16(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、袋布の内面側を示して、一部のタック部の襞が縫合されていることを説明するための説明図である。 図17(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前の変形例1の脇ポケット部の状態を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図であり、図17(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態の変形例1の脇ポケット部を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図である。 図18(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布の身頃に縫付ける前の部品展開図であり、図18(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成を示す説明図であり、図18(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞を中縫いによって縫合した状態を示す説明図であり、図18(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、袋布の内面側を示して、一部のタック部の襞が中縫いで縫合されていることを説明するための説明図であり、図18(e)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞をコバステッチで縫合した状態を示す説明図である。 図19(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大展開図であり、図19(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大図である。 図20(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前の変形例2の脇ポケット部の状態を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図であり、図20(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態の変形例2の脇ポケット部の状態を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図である。 図21は変形例3に係るズボンのウエスト周りを示す斜視図である。 図22は変形例3に係るズボンのウエスト周りを展開して裏側から見た展開図である。 図23は変形例3に係るズボンのウエストベルト部の構成を説明するための要部分解斜視図である。 図24(a)は変形例3に係るズボンの延出部の内面に裏地を取付ける説明図であり、図24(b)は本発明の実施の形態2に係るズボンの延出部の内面に対し、裏地の上端を延出部の上端部の外面側に縫付け、裏地の下端を延出部の下端部の外面側に縫付けた例の説明図であり、図24(c)は本発明の実施の形態2に係るズボンの延出部の内面に対し、裏地の上端を延出部の上端部の外面側に縫付け、裏地の下端を延出部の下端部の内面側に縫付けた例の説明図である。 図25は変形例4の腰裏ベルト部の構成を説明するためのウエストベルト部の要部分解斜視図である。 図26(a)は変形例4の腰裏ベルト部の表面側を弾性材の一部を展開した(捲った)状態で示した説明図であり、図26(b)は変形例4の腰裏ベルト部の裏面側を弾性材の一部を展開した(捲った)状態で示した説明図である。 図27は、脇ポケット部のその他の例として、L字形状の大ポケット部及び脇中間ポケット部を説明する説明図である。 図28(a)は、図27に示したL字形状の大ポケット部及び脇中間ポケット部からなる脇ポケット部の構造を説明するために、ズボンの裏側から見て脇中間ポケット部を形成する袋布を一部捲った状態で示した説明図であり、図28(b)は、図27に示したL字形状の大ポケット部及び脇中間ポケット部からなる脇ポケット部の構造をズボンの裏側から見て示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、各実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、各実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係るボトムスとしてのズボン1の概略構成について、図1を参照して説明する。
本実施の形態1に係るズボン1は、下半身を包む前身頃4F及び後身頃4Bと、それら前身頃4F及び後身頃4Bの上部に接続され着用時に人体のウエスト周りに位置するウエストベルト部10とを有するものである。
また、本実施の形態1に係るズボン1は、着用時に人体のウエスト付近に位置するウエスト部Wにおいて、前身頃4F側であって左脇線LSの近傍及び右脇線RSの近傍に左右で一対の脇ポケット部20を有している。
ここで、本実施の形態1に係るズボン1において、人体のウエスト方向の全長に沿って延びる帯状のウエストベルト部10はカーブしている。即ち、図1(a)に示すように、前身頃4F及び後身頃4Bが縫合された左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、ウエストベルト部10の正面側(前側)が前中心FC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する弧状に延びた曲線形状に形成されている。また、図1(b)に示すように、ウエストベルト部10の背面側(後側)も後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する弧状に延びた曲線形状に形成されている。
つまり、本実施の形態1のウエストベルト部10は、その正面側(前側)では、上端(上辺)及び下端(下辺)が前中心FC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する曲線ラインを有し、背面側(後側)では、上端(上辺)及び下端(下辺)が後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する曲線ラインを有するカーブベルトであり、上端(上辺)よりも下端(下辺)のウエスト周りの長さが長くなっている。
勿論、ウエストベルト部10の下部には前身頃4F及び後身頃4Bが縫合されているから、ウエストベルト部10の下端は、それに接続した前身頃4F及び後身頃4Fの上端と共に、前中心FC側及び後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇に向かって上昇する曲線状となっている。
なお、本実施の形態1のカーブしたウエストベルト部10をズボン1の側面側からみると、図1(c)及び図1(d)に示すように、左脇線LS及び右脇線RS側から後中心BC側に向かって上昇する曲線形状に形成され、また、左脇線LS及び右脇線RS側から前中心FC側に向かっても僅かに上昇する曲線形状に形成されている。特に、左脇線LS及び右脇線RS側から前中心FC側に向かっては、僅かに上昇する緩いカーブ形状であるが、左脇線LS及び右脇線RS側から後中心BC側に向かっては、前中心FC側と比較して急な上昇のカーブ形状となっている。
因みに、左脇線LS、右脇線RSとは、身頃部においては、前身頃4F及び後身頃4Bが縫合された縫い目であるが、ウエストベルト部10においては、図1(a)及び図1(b)に示したように、前身頃4F及び後身頃4Bが縫合された左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、前身頃4F及び後身頃4Bを接いだときの縫い目からウエストベルト部10に延長した外形線を左脇線LS及び右脇線RSとする。即ち、後述するように、本実施の形態1のウエストベルト部10の表側及び裏側においては、別体である収容部12及び延出部11によって形成され、脇ポケット部20の上部近傍で収容部12及び延出部11が重ねられた重ね合わせ部13を有し、収容部12及び延出部11の境界が脇ポケット部20の上部近傍に位置するが、左脇線LS、右脇線RSは、それら収容部12及び延出部11の境界を示すものではなく、図1(a)及び図1(b)に示したように、前身頃4F及び後身頃4Bを接いだときの縫い目に沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねたときの延長でウエストベルト部10の前側と後側を重ねたときの側部の外形線である。なお、ズボン1のデザイン、規格等によっては、収容部12及び延出部11の境界が左脇線LS及び右脇線RSと一致させる場合もあるし、不一致とする場合もある。
ここで、このような曲線形状をなす本実施の形態1のウエストベルト部10の構造について、主に、図2、図3、図5、図7を参照して、詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態1において、ウエスト方向に延びる帯状、かつ、カーブ状のウエストベルト部10は、ウエスト長を収容部12と延出部11に分割し、後身頃4Bに縫合わされる収容部12と端部を除いて前身頃4Fに縫合わされる延出部11とを脇線LS,RS近傍の各脇ポケット部20の上方で重ね合わせて重ね合わせ部13を形成している。
即ち、脇線LS,RS近傍で、収容部12の端部に延出部11の端部を挿入し収容することで、特に、延出部11の前身頃4Fに縫着されない端部をウエストベルト部10の表裏の意匠面側から隠れるように収容部12内に入れることで、収容部12及び延出部11の重なりによる重ね合わせ部13を形成し、このような収容部12及び延出部11によってウエストベルト部10の表側及び裏側が形成されている。
そして、本実施の形態1のウエストベルト部10においては、延出部11の端部が収められた収容部12の内部(内側)において、図5等に示すように、延出部11の端部と収容部12の内面側とが弾性材としての平ゴム15Eで構成される接続部15によって弾性的に接続されている。
このように、本実施の形態1では、ウエスト方向に延びる帯状のウエストベルト部10を収容部12及び延出部11の別体で構成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部側を収容部12に挿入し、収容部12に対し延出部11が収容されている状態で収容部12の内部において収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eによって弾性的に接続していることで、平ゴム15Eの弾性力により収容部12から延出部11を延出自在としている。
即ち、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、図7等に示すように、平ゴム15Eの伸長によって収容部12から延出部11が引き出されて延出し、ウエストベルト部10が伸長する。そして、ウエスト周りを伸ばそうとする力が解除されると、平ゴム15Eが弾性力によって元の本来の長さに戻るから、再び延出部11が収容部12内に収容される方向に移動し元の状態に戻る。
こうして、本実施の形態1では、カーブ状としたウエストベルト部10を伸縮自在な構成としている。
このような本実施の形態1のウエストベルト部10の伸縮自在な構造について、図4乃至図8を参照して、より具体的に説明する。
本実施の形態1では、収容部12及び延出部11は何れも前身頃4F及び後身頃4Bと共地(例えば、綿系、ポリエステル系、ウール系の生地等)で作製され、ウエストベルト部10の表側の生地と裏側の生地の両者をウエストベルト部10の上端側で接続している構成である。
即ち、本実施の形態1では、ズボン1の外観側となるウエストベルト部10の表側(外側)を形成する延出部表ベルト11Fの布地、及び、身体が挿入される側となるウエストベルト部10の裏側(内側)を形成する延出部裏ベルト11Bの布地は、共に身頃4F,4Bと共地とし、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの両者を上側で接いで延出部11を構成している。また、ウエストベルト部10の表側(外側)を形成する収容部表ベルト12Fの布地及びウエストベルト部10の裏側(内側)を形成する収容部裏ベルト12Bの布地も共に身頃4F,4Bと共地とし、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの両者を上側で接いで収容部12を構成している。
詳しくは、ウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する収容部12は、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目に沿ってまたはその近傍で収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの両者が縫合線62Aにて縫合わされている(図5等参照)。また、収容部表ベルト12Fの下側は、その折り返した下端部の折り目に沿ってまたはその近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Cにて縫合わされ、収容部表ベルト12Fに対応する収容部裏ベルト12Bの下側もその折り返した下端部の折り目の近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Bにて縫合わされている(図5及び図6参照)。なお、縫合線62Cと縫合線62Bは、通常、統一されるが、収容部裏ベルト12Bの下側は、後身頃4Bに対しウエスト方向の数箇所の部分的な縫付けであってもよい。
このとき収容部表ベルト12Fや収容部裏ベルト12Bの布地の内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等によって貼付けられる。本実施の形態1では、ハード芯HCが収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの布地において折り返しのない中央部分に貼付けられている。また、必要に応じで、ソフト芯が収容部表ベルト12Fや収容部裏ベルト12Bの布地の上端部や下端部の折り返し部分に貼付けられる。更に、必要に応じ、収容部12に入れられる延出部11の滑りを良くするために、延出部11が挿入される収容部12の端部(開口側)の内面においてソフト芯やハード芯の上に、伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系生地等からなる接着布、裏地等を、アイロンプレス等によって貼付けることもある。
即ち、本実施の形態1では、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの布地のそれぞれに対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブしたハード芯HCの形状に沿って収容部表ベルト12Fや収容部裏ベルト12Bの布地の上下端部を内折りすることで、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bがウエスト周方向で均一な幅となるようにその幅が設定され、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12の両者がそれらの上方で縫合線62Aにて接がれ、また、下方で後身頃4Bと縫合され、それら収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12によって、帯状をなす曲線形状の収容部12を形成している。
また、ウエストベルト部10を構成する延出部11についても、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目に沿ってまたはその近傍で延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの両者が縫合線61Aにて縫合わされている(図4乃至図6参照)。更に、延出部表ベルト11Fの下側は、収容部12に挿入される先端部11tを除いて、前身頃4F及び後述するポケットの袋布21の一部に縫合線61Cにて縫合わされ、それに対応する延出部裏ベルト11Bの下側も、収容部12に挿入される先端部11t側の一部を除いて前身頃4F及び後述するポケットの袋布21の一部に縫合線61Bにて縫合わされている(図5及び図6参照)。なお、縫合線61Cと縫合線61Bも、通常、統一されるが、延出部裏ベルト11Bの下側は、前身頃4Fに対しウエスト方向の数箇所の部分的な縫付けであってもよい。
一方で、収容部12内に挿入される延出部11の先端部11tは、前身頃4Fの上端部と縫合わされず自由な状態になっている。これより、図7及び図8に示すように、収容部12に入れられた延出部11の先端部11tは、収容部12から延出自在、つまり、ウエスト方向に相対移動自在とされる。
そして、収容部12と同様、延出部11についても、延出部表ベルト11Fや延出部裏ベルト11Bの布地の内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等で貼付けられる。本実施の形態1では、ハード芯HCが延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの布地において折り返しのない中央部分に貼付けられている。また、必要に応じて、ソフト芯が延出部表ベルト11Fや延出部裏ベルト11Bの布地の上端部や下端部の折り返し部分に貼付けられる。
ここで、本実施の形態1において、図4乃至図8で示したように、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bからなる延出部11は、収容部12に対して摺動し易いように、前身頃4Fに縫着されない先端部11tにおいて、その先端側に向かって徐々に幅を細くしている。詳細には、本実施の形態1の延出部11の収容部12に挿入される先端部11tでは、その上端が先端11eに向かって緩やかに上昇するラインである一方で、下端は上端よりも急な傾斜で先端に向かって上昇するラインである。一方、延出部11の収容部12に挿入される先端部11tを除いては、収容部12と同様に延出部11の延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bがウエスト周方向で均一な幅となるようにその幅が設定されている。
即ち、本実施の形態1では、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの布地のそれぞれに対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブしたハード芯HCの形状に沿って延出部表ベルト11Fや延出部裏ベルト11Bの布地の上下端部を内折りすることで、収容部12に挿入される先端部11tを除いては、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bがウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定され、また、収容部12に挿入される先端部11tでは、その端に向かって徐々に幅が細くなるように延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの幅が設定されている。これら延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bは、両者がそれらの上方で縫合線61Aにて接がれ、また、下方で前身頃4Fと縫合され、それら延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bによって、帯状をなす曲線形状の延出部11を形成している。
なお、ウエストベルト部10の表側のベルト縦幅は、例えば、3cm〜5cm程度である。
そして、本実施の形態1のウエストベルト部10の表側及び裏側を構成するこれら収容部12と延出部11は、延出部11の前身頃4Bに縫着されていない先端部11tが収容部12内に挿入されて収容され、収容部12及び延出部11が重なる重ね合わせ部13(図2、図3、図6等参照)を形成している。
ここで、本実施の形態1において、ウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する収容部12は、後身頃4Bの上端部に接続して、着用時に人の胴体の後ろ側、即ち、人体の背面、臀部側から脇側(側部側)の範囲に位置するものであり、延出部11が延出する収容部12の端12eは、各脇ポケット部20の上方に位置し、左脇線LS及び右脇線RSの付近にある。
このような本実施の形態1の収容部12は、図1(a)及び図(b)に示したように、左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、背面側から見たときに、後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RS側、即ち、延出部11が挿入される端12e側に向かって上昇する曲線形状に形成される。図1(c)及び図1(d)に示したように、ズボン1の側面側から見たときには、左脇線LS及び右脇線RS側、即ち、延出部11が挿入される端12e側から、後中心BC側に向かって上昇する曲線形状である。
一方、ウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する延出部11は、人の胴体の前側、即ち、人体の腹部側から脇側(側部側)の範囲に位置するものであり、延出部11の先端部11tは左脇線LS及び右脇線RSの付近で収容部12の端12e側に挿入される。
このような本実施の形態1の延出部11は、図1(a)に示したように、左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、正面側から見たときに、前中心FC側から左脇線LS及び右脇線RS側、即ち、収容部12に挿入される側に向かって上昇する曲線形状に形成される。
このとき、本実施の形態1では、延出部11が挿入される側の収容部12の端12eは、脇線LS,RSの近傍で僅かにウエストベルト部10の前側(例えば、脇線LS,RSから1cm〜2cm程度前中心FC側)に位置している。
一方、収容部12に挿入される延出部11の端部11tは、脇線LS,RSの近傍であるが、収容部12に深く挿入されて、その端部11tの先端11eは、ウエストベルト部10の後側の深い位置(例えば、脇線LS,RSから4cm〜10cm程度後中心BC側)まで挿入される。
このため、本実施の形態1の延出部11について、図5乃至図7等で示したように、ズボン1の側面側から見たとき、収容部12に挿入されない範囲では、収容部12の開口している端12e側から前中心FC側に向かって僅かに上昇する曲線形状とし、一方、収容部12に重ね合わせられる先端部11tでは、その先端11eが収容部12に深く挿入され後中心BC側に近づくから、収容部12のカーブ形状に対応し、収容部12の開口している端12e側から延出部11の先端11e側に向かって上昇する曲線形状としている。
即ち、収容部12に重ね合わせられる延出部11の先端部11tでは、収容部12の形状が、上述したように、延出部11が挿入される端12e側から、後中心BC側に向かって上昇する曲線形状であるから、その収容部12の形状に対応し、収容部12の開口端12e側から延出部11の先端11e側に向かって上昇する曲線形状に形成されている。
したがって、ウエストベルト部10の表側及び裏側を形成している延出部11の全体形状は、図4(b)及び図8(a)等に示したように、下方に凸状に湾曲する曲線形状に近く、特に、延出部11の前中心FC側に向かっては、僅かに上昇する緩いカーブ形状であるが、収容部12に挿入される先端11e側に向かっては、前中心FC側と比較して急な上昇の曲線形状である。なお、図8(a)においては、後述する伸び止め材16については省略している。
そして、本実施の形態1のウエストベルト部10では、このように所定のカーブ状に形成された収容部12と延出部11は、図5乃至図7に示したように、収容部12の内部(内面側)において、それらの間が所定長さの平ゴム15Eからなる接続部15によって接続されている。
平ゴム15Eとしては、例えば、織ゴム、編ゴム、コールゴム、ゴムテープ等が使用される。平ゴム15Eには、例えば、15mm〜30mmの範囲内、好ましくは、23mm〜28mmの範囲内のゴム幅のものが用いられ、その全体長さが、例えば、5cm〜10cm、好ましくは、6cm〜8cmの範囲内のものが用いられるが、このゴムの幅及び全長は弾性力、コスト等に応じて設定できる。
本実施の形態1において、平ゴム15Eは、その長さ方向の一端部側を延出部11の先端11e付近であって延出部11を構成する延出部表ベルト11Fの上部の内折りする内面側に縫付線51にて縫付け、また、反対側の他端部側を収容部12を構成する収容部表ベルト11Fの折り返しのない内面側に縫付線52にて縫付けることで、収容部12と延出部11の間を接続している。なお、平ゴム15の延出部11側とは反対側の他端は、収容部12に深く入り込んで後中心BC寄りであり、収容部12の端12eから遠く離れた位置で縫付けられている。
このとき、本実施の形態1では、延出部11の先端11e側に縫付ける平ゴム15Eの一端部側は、後述する帯状の伸び止め材16の一方の端部側と共に、延出部表ベルト11Fと延出部裏ベルト11Bの間に挟まれて縫付線51にて縫付けられている。この縫付線51は、縫付強度を確保できれば、1本であってもよいし、2本以上としてもよいが、少なくとも1本の縫付線は、延出部表ベルト11Fと延出部裏ベルト11Bを貫通する縫い目としている。また、平ゴム15Eの反対側の他端部側も、後述する帯状の伸び止め材16の他方の端部側と共に、収容部表ベルト11Fに対しその表裏を貫通する縫い目の縫付線52にて縫付けられている。この縫付線52も、縫付強度を確保できれば、1本であってもよいし、2本以上としてもよい。
ここで、上述したように、本実施の形態1のウエストベルト部10はカーブ形状であり、ズボン1の側面側から見たときに、ウエストベルト部10を構成する延出部11の収容部12の挿入される先端部11tでは、収容部12の端12e側から延出部11の先端11e側に向かって上昇する曲線形状であるから(図5乃至図7参照)、まず、その所定のカーブ形状の延出部11の先端部11t側に直線状の平ゴム15Eを縫付線51にて縫付けると、図4及び図8(a)の上段に示すように、平ゴム15Eは延出部11に縫付けた一端部側から反対側の他端部側に向かって上昇するラインとなる。即ち、図4及び図8(a)の上段に示すように、平ゴム15Eは、その長さ方向において、延出部11側に縫付けた一端側よりも未縫着の反対側の他端側が高位置となる。
ところが、この状態の平ゴム15Eの反対側の他端部を収容部12の所定の深さで収容部12の内部に縫付線52にて縫付けようとすると、平ゴム15Eの上端が収容部12の上端に当接しやすく、平ゴム15Eの弾性力によるスムースな動き及び所定の伸びを確保することができない。
そこで、平ゴム15Eの上端が収容部12の上端に当接して滑りが悪くならいように、図8(a)の中段に示したように、延出部11に縫付けた平ゴム15Eの反対側の他端部を収容部12の内部に縫付ける際には、平ゴム15Eの延出部11側とは反対側の他端部を幾分下方に下げて収容部12の内面に縫付線52にて縫付けることになる。
即ち、平ゴム15Eは、その長さ方向において、収容部12側に縫付ける他端部側を、延出部11側に縫付けた一端部側と高さが略同等の位置となるように、或いは、延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置となるように、収容部12の内面に縫付線52にて縫付けることになる。例えば、ウエストベルト部10のカーブの曲率にもよるが、縫製の分かり易さからすると、収容部表ベルト12Fの折り返しのない中央部分において、図8(a)の中段に示したように、収容部表ベルト12Fの幅方向の中間位置への縫付けであれば縫製に不慣れな作業者でも縫製が分かりやすく作業効率が良好である。そして、この収容部表ベルト12Fの幅方向の中間位置へ平ゴム15Eを縫付けるとなると、図8(a)の中段に示したように、収容部12側に縫付ける他端部側は延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置となる。即ち、収容部12の内面において、平ゴム15Eは、延出部11側に縫付けた一端部側よりも収容部12側に縫付けた他端部側の方が低位置となり、収容部12の内面に縫付けた一方の端部側から延出部11に縫付けた反対の端部側に向かって斜めに上昇する挿入状態となる。
このとき、図8(a)の上段に示した延出部11に縫付線51にて縫付けた平ゴム15Eは、延出部11側とは反対側の他端部側が延出部11側の一端部側の高さ位置と略同等或いはそれよりも低位置となるように、図8(a)の中段に示すように、平ゴム15Eの他端部側を下方に落として収容部12の内面に縫付線52にて縫付けることになるため、収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eは、その下方で浮き、弛み、歪み、撚れ等が生じることになる。即ち、収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eは、その上方側でテンションが高く、下方でテンションが低い状態となる。
ここで、収容部12及び延出部11の間に縫着した平ゴム15Eの上方側のテンションが高く、下方のテンションが低い状態にあると、つまり、上方と下方で張力に差があると、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり平ゴム15Eが伸びたときに、平ゴム15Eの延出部11側が下がり、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部側が下方に落ちやすくなる。そして、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部側が下方に落ちると、平ゴム15Eが縫付けられた延出部11が、収容部12から抜き出た際に下方へ下がり、収容部12と延出部11の間に大きな段差が生じて見栄え、外観性が大きく損なわれてしまう。
特に、延出部11は、収容部12に対して摺動しやすいように、収容部12に挿入される先端部11tにおいて、平ゴム15Eが縫付けられた先端11e側に向かってその下端側を上端側よりも急な傾きで上昇させることによって、幅を細くしているから、それによっても、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が引き出される際に、平ゴム15Eが下方へ下がりやすいものとなっている。また、延出部11は、収容部12に挿入される先端部11tが、その先端11e側に向かって上昇するカーブ形状、換言すれば、先端11e側から延出部11が引き出される方向に向かって下降するカーブ形状である。このため、収容部12の開口端12eから延出部11が引き出されたときに、延出部11が見た目に大きく下降しやすい。
そこで、本実施の形態1では、図5及び図8(a)に示したように、延出部11と収容部12間を接続する平ゴム15Eにおいて、その長さ方向の一端部側を延出部11に縫付けるときの縫付線51は、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線とする一方、反対側の他端部側を収容部12に縫付けるときの縫付線52は、平ゴム15Eの幅方向の下端から上端に向かい延出部11側に傾く斜めとした。これより、平ゴム15Eは、その下端で、縫付線51と縫付線52の間の長さが最も長く、その上端で、縫付線51と縫付線52の間の長さが最も短くなる。
ここで、平ゴム15Eの上端の伸縮自在な長さは、縫付線51の上端と縫付線52の上端の間のゴム長さ(距離)LAであり、平ゴム15Eの下端の伸縮自在な長さは、縫付線51の下端と縫付線52の下端の間のゴム長さ(距離)LBであるから、平ゴム15Eの上端の縫付線51と縫付線52の間の長さが最も短いとは、平ゴム15Eの上端の伸縮自在な長さLAが最も短いことを意味し、平ゴム15Eの下端の縫付線51と縫付線52の間の長さが最も長いとは、平ゴム15Eの下端の伸縮自在な長さLBが最も長いことを意味する。
つまり、本実施の形態1では、延出部11と収容部12の間で縫着した平ゴム15Eの伸縮自在な長さを、その下端から上端に向かって短くしている。換言すると、延出部11と収容部12の間で縫着した平ゴム15Eの伸縮自在な長さは、その上端から下端に向かって長くなっている。これより、平ゴム15Eの下方がその上方よりも長く伸びる分、平ゴム15Eの下方にテンションが掛かり易くなり、平ゴム15Eが伸びたときの上方と下方のテンションの差を小さくできる。よって、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部側を下方に落ち難くでき、平ゴム15Eの伸び方向が延出部11と収容部12間で縫着した平ゴム15Eの未伸長状態での長さ方向になる直線運動に近づく。したがって、平ゴム15Eが縫付けられた延出部11が、収容部12から抜き出た際に下方へ下がり難く、収容部12と延出部11の間の段差が目立たずに、ウエストベルト部10の見栄えが維持される。特に、本発明者らの実験研究によれば、縫付線51の下端と縫付線52の下端の間のゴム長さ(距離)LBは、縫付線51の上端と縫付線52の上端の間のゴム長さ(距離)LAの1.05倍〜1.5倍の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、1.1倍〜1.3倍の範囲内である。
更に、本実施の形態1においては、下方寄り、中央側、または上方寄りかによる張力差の大きさの相違がゴムの落ちに表れ難く、平ゴム15Eの縫付位置の誤差による延出部11と収容部12の段差のバラつきが生じ難い。即ち、平ゴム15Eの縫付位置に高い精度が要求されず、熟練者による縫製でなくとも一定の品質及び信頼性を確保できる。
こうして、本実施の形態1のウエストベルト部10においては、収容部12の内部で収容部12及び延出部11を接続する弾性材としての平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしていることによって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、平ゴム15Eは、上端から下端に向かって長く伸びるから、ゴムの伸びによる張力を下方から上方に向かって小さくできる。
したがって、平ゴム15Eの下方から上方に向かってテンションが掛かりやすい縫着であっても、ゴムの伸びによる張力は下方から上方に向かって小さくすることで、上方と下方の張力差を小さくしバランスさせることができる。故に、張力差によるゴムの降下、変形を抑えることが可能となる。
即ち、平ゴム15Eの一端側を、先端11eに向かって上昇するカーブ形状の延出部11の先端部11t側に縫付け、平ゴム15Eの反対側の他端側を、端部12e側から後中心BC側に向かって上昇するカーブ形状の収容部12の内部に縫付けたときに、接続部15の下方から上方に向かってテンションが掛かりやすい縫着となっても、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、ゴムの伸びによる張力を下方から上方に向かって小さくできることで、上方と下方の張力差を小さくして、平ゴム15Eが上に凸に湾曲したカーブ状に伸び難く、延出部11側に下降し難い直線運動に近い伸びとなり、ゴムの延出部11側が下方に下がり難くなる。
よって、本実施の形態1のズボン1によれば、ウエストベルト部10をカーブさせていても、ウエストベルト部10の収容部12及び延出部11を弾性的に接続する接続部15の平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしていることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、平ゴム15Eの下方と上方の張力差が小さくて、平ゴム15Eが上に凸に湾曲したカーブ状に伸び難く、延出部11側に下降し難い直線運動に近い伸びとなる。
故に、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が引き出される際でも、カーブしている延出部11が下方へ下がり難いから、収容部12と延出部11の間に段差が生じ難く、見栄えのよいウエスト周りとなる。
ところで、本実施の形態1では、平ゴム15Eに対しては、平ゴム15Eの厚さよりも薄い非伸縮性の生地、例えば、リボンテープ等からなる帯状の伸び止め材16を縫着しており、この伸び止め材16によって平ゴム15Eの最大の伸び長さを規定している。即ち、平ゴム15Eの最大伸びに相当する長さだけ弛ませて伸び止め材16が平ゴム15Eに並設して縫着されている。
伸び止め材16としては、平ゴム15Eの伸びを規定する役割からすれば、伸縮性に乏しく、適度な強度を有する生地が好適であり、更に、平ゴム15Eよりも厚みが薄いと嵩を抑制できる点で好ましく、例えば、スレーキ生地や、リボンテープや、ポリエステル系、ナイロン系、レーヨン系、綿等からなる生地等が使用できる。
本実施の形態1において、この伸び止め材16は、その長手方向の一端部側が、収容部12内に挿入される延出部11の先端部11t側に平ゴム15Eを縫付けるときの縫付線51にて、延出部11と共に平ゴム15Eの一端部側に縫付けられている。また、伸び止め材16の延出部11側とは反対側の他端部側は、平ゴム15Eを収容部表ベルト12Fに縫付けるときの縫付線52にて、収容部表ベルト12Fと共に平ゴム15Eの他端部側に縫付けられている。このように本実施の形態1において、帯状の伸び止め材16は、平ゴム15Eに対しその両端部側に縫付線51、縫付線52にて縫付けている。
このとき、伸び止め材16は、平ゴム15Eの伸びを許容する分だけ、即ち、平ゴム15Eの伸びる許容範囲の長さ(例えば、1.5cm〜5cm)だけ弛ませ平ゴム15Eの両端部側に縫付線51,縫付線52にて縫付けている。なお、平ゴム15Eの最大伸びに相当する長さだけ弛ませて平ゴム15Eに縫付けている伸び止め材16は縫付線51及び縫付線52間の弛みを折畳む折り目の形成により、嵩張りを少なくできる。
これにより、平ゴム15Eに引張り力が掛かっても、この伸び止め材16が縫付線51及び縫付線52間で弛ませている(折畳まれている)長さまでしか平ゴム15Eが伸びることのないようにし、平ゴム15Eの過度の伸びを防止している。即ち、伸び止め材16によって平ゴム15Eに無理な引張り力が掛かるのを防止するから、平ゴム15Eを長持ちさせることができる。
なお、図5等において、伸び止め材16は、平ゴム15Eの表裏面のうち収容部表ベルト12F側とは反対面側、即ち、収容部裏ベルト12B側に取付けられているが、本発明を実施する場合には、収容部表ベルト12F側に取付けてもよい。
こうして、本実施の形態1のカーブ状としたウエストベルト部10では、平ゴム15Eが延出部11の先端部11t側に接続すると共に、収容部12の内部に接続し、平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間が弾性的に接続されていることによって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、平ゴム15Eの弾性力により収容部12に挿入された延出部11を、ウエスト方向に延出自在、即ち、相対移動自在とする。つまり、収容部12と延出部11の間を接続した平ゴム15Eの弾性力により、ウエストベルト部10を伸縮自在としている。
このとき、本実施の形態1では、平ゴム15Eの本来の長さよりも長くて伸縮性のない生地からなる帯状の伸び止め材16が折畳まれてまたは弛んだ状態で平ゴム15Eの両端部に対して縫付けられているため、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際には、伸び止め材16が折畳まれていた長さまたは弛ませていた長さ(縫付線51及び縫付線52の間で平ゴム15Eに接続する伸び止め材16の接続長さ)までしか平ゴム15Eが伸びることができないようになっている。即ち、平ゴム15Eに並設して取付けた伸び止め材16によって、平ゴム15Eの伸びの限界が規定されている。
したがって、本実施の形態1のズボン1においては、平ゴム15Eに無理な引張り力が掛かり平ゴム15Eが過度に伸びてしまう事態を防止して、ゴムを長持ちさせることができる。そして、平ゴム15Eの最大の伸びが伸び止め材16で規制されると、平ゴム15Eに過剰な張力が加わって収容部12から抜き出る延出部11が下方に落ちて見栄えが低下する事態を防止でき、長期の使用によってもゴムのヘタリ、破れが生じ難いものとなる。更に、ウエストベルト部10が伸縮する布地で形成されていても、特定の伸縮性に設定できる。また、このように平ゴム15Eにその最大伸びを特定する伸び止め材16を並設していることで、収容部12及び延出部11の重ね合わせ部13に過度な張力が加えられないようにその伸び長さを制限できることから、重ね合わせ部13の見栄えを維持することもできる。
なお、本実施の形態1では、伸び止め材16の両端部を平ゴム15Eの両端部に縫付ける構成としているが、本発明を実施する場合には、伸び止め材16を長くし、その長くした伸び止め材16を上平ゴム15Eの最大伸びに相当する長さだけ弛ませて平ゴム15Eの長さ方向の両端側に縫付け、更に、平ゴム15Eの一端または両端よりも突出させて延出部11や収容部12の内部に縫付けるようにしてもよい。この場合には、平ゴム15Eを収容部表ベルト12Fや延出部11に直接縫い付けず、伸び止め材16を収容部表ベルト12Fや延出部11に縫付けることで、平ゴム15Eが収容部表ベルト12Fや延出部11に対し伸び止め材16を介して接続する構成となる。このような構成によって、収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eによって弾性的に接続する接続部15を形成してもよい。
例えば、伸び止め材16の端部の一方を平ゴム15Eの一方の端部に縫付け、また、伸び止め材16の途中に平ゴム15Eの端部の他方を縫付け、そして、伸び止め材16の端部の他方を、収容部表ベルト布12Fの内面に縫付ける構成では、伸び止め材16の端部の他方を、収容部表ベルト布12Fの内面に縫付けるときの縫付線を収容部12の開口端12e側からより離れた遠い位置に持ってくることができる。このため、後述するように、収容部表ベルト布12Fの内面に縫付けるときの縫付線をベルト通し5Aで隠す場合には、隣り合ったベルト通し5の間隔を長くすることができるようになり、ベルト通しの配置数を少なくすることが可能となる。
しかし、本発明を実施する場合、伸び止め材16については省略することも可能である。伸び止め材16を省略した場合には、例えば、脇ポケット部20を構成する袋布21のタック部22の展開量によって、平ゴム15Eの最大の伸び長さを特定することも可能である。
ところで、本実施の形態1のズボン1において、延出部11の先端部11t側に伸び止め材16と共に平ゴム15Eを縫付けたときの縫付線51は、延出部11の先端が収容部12内に収容されるため、ズボン1の表側及び裏側の意匠面側からは見えない。
しかしながら、平ゴム15Eを伸び止め材16と共に収容部表ベルト12Fに縫付けたときの縫付線52は収容部表ベルト12Fの表裏面を貫通しズボン1の表側に出ることとなる。
そこで、本発明を実施する場合には、美観を向上させるために、図2で示すように、ウエストベルト部10の表側で縫付線52及び縫付線52をベルト通し5Aで隠すようにすることも可能である。また、このようなベルト通し5は、図2で示すように、例えば、ウエストベルト部10の表側で、延出部11が延出される収容部12の開口端12eを覆い隠すように収容部12の表側の開口端12e縁にも取付けると、ウエストベルト部10の見栄えや美感を向上させることができる。勿論、図2で示すように、ズボン1のウエストベルト部10の正面側及び背面側にも、同様のベルト通し5が適当な間隔をとって取付けられる。なお、図2以外の図面においては、ベルト通し5,5Aを省略している。
また、本実施の形態1では、平ゴム15Eの延出部11側とは反対側の他端部を収容部12の収容部表ベルト12Fの内面(裏面)側に縫付けている。このように、平ゴム15Eを収容部表ベルト12Fの内面(裏面)側に縫付ける場合には、平ゴム15Eの面方向と並行方向への縫付けであるから、縫製に不慣れな熟練者にもその縫付けが分かりやすく、熟練の有無に関わらず、正確な縫製が容易にでき作業効率も良好となる。
しかし、本発明を実施する場合には、図10に示すように、平ゴム15Eの延出部11側とは反対側の他端部を、収容部12の収容部裏ベルト12Bの内面(裏面)側に縫付線52及び縫付線52にて縫付けてもよい。図10に示すように、平ゴム15Eを収容部裏ベルト12Bの内面側に縫付けても、収容部表ベルト12Fの内面側に縫付けたときと同様に、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に収容部12から抜き出る延出部11が下方に落ち難くなる効果は得られる。
特に、平ゴム15Eを収容部裏ベルト12Bの内面側に縫付けると、平ゴム15Eを収容部12に縫付けるときの縫付線52及び縫付線52は、収容部12の表側から見えなくなるから、婦人用のスカート等のベルト通しを設けないボトムスであっても、見栄え、美感を維持できる。
なお、図10において、伸び止め材16は、平ゴム15Eの表裏面のうちの収容部裏ベルト12B側に取付けられているが、勿論、収容部裏ベルト12B側とは反対面側の収容部表ベルト12F側に取付けてもよい。
次に、ウエストベルト部10の周辺の構造について詳細を説明する。
上述したように、本実施の形態1のウエストベルト部10は、後身頃4B側に縫合した収容部12の内部に前身頃4F側に縫合した延出部11の先端部11tが挿入されてウエスト周りが形成され、収容部12の内部において平ゴム15Eにより収容部12と延出部11の間が接続されている構成である。
ここで、図7等に示したように、本実施の形態1のズボン1において、カーブ状に形成したウエストベルト部10の収容部12及び延出部11は、両脇の脇線LS,RSの上方付近で収容部12に延出部11が挿入されることで重ね合わせられて、収容部12及び延出部11が重複した重ね合わせ部13を形成している。そして、本実施の形態1のズボン1においては、この収容部12と延出部11の重ね合わせ部13付近の下方であって、脇線LS,RSの近傍に脇ポケット部20が形成されている。
脇ポケット部20の製作及び取付けについての詳細を、主に、図11乃至図15を参照にして説明する。
本実施の形態1の脇ポケット部20は、ズボン1の脇線LS,RSに沿って前身頃4Fと後身頃4Bの間で袋布21を縫付けることによって脇線LS,RS近傍の前身頃4F側に形成されている。
この袋布21は、図11(a)及び図11(b)に示すように、例えば、綿生地、スレーキ生地等の1枚の布地を所定形状に切断し、それを中央側で折畳み、図11(a)に示した略直線状に近い一方の端部21b側を、図12(a)に示すように、ズボン1の後身頃4Bに縫付けて脇線LS、RSを形成すると共に、図11(a)に示した端部21b側とは反対側の他方の斜めの端部21f側を、図12(a)及び図12(b)に示すように、前身頃4Fの上部の斜めの端部に縫付け、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76を形成している。即ち、袋布21は、前身頃4Fと後身頃4Bの間で縫着されている。
そして、この袋布21は、その表側(反身体側)の手前布21Fの下端及びその裏側(身体側)の向こう布21Bの下端をステッチ73で閉じることで袋状に形成され、手前布21Fのポケット口外縁76とそれに対向する向こう布21Bとの間がポケット口23となり、手前布21Fと向こう布21Bの間がポケットとしての収容空間となっている。
なお、ズボン1の表側(外側)からみたときのポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75には、必要に応じ、縫製の縫い目を補強する閂止めが施される。
このような袋布21によって構成される脇ポケット部20のサイズ、容量は、ズボン1の種類、デザイン、紳士用・婦人用等に応じて任意に設定され、例えば、ズボン1の表側(外側)からみたときの脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)は、紳士用のズボン1で15〜17cm、婦人用のズボン1で13〜15cm程度に設定され、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76の長さl(図8(b)参照)は、紳士用のズボン1で15.5〜17.5cm、婦人用のズボン1で13.5〜15.5cm程度に設定される。なお、ポケット口23の開口幅(縦幅)mは、ウエストベルト部10の下端からポケット止まり75の位置までの垂直方向の長さ(距離)である。また、ポケット口外縁76の長さlは、斜めのポケット口外縁76のウエストベルト部10の下端からポケット止まり75の位置までの長さである。
そして、袋布21の上端から下端までの垂直方向の縦幅は、例えば、22〜29cm程度、好ましくは、23〜28cm程度であり、後述する上がり線OLを基準とするとそこから下端までは、23〜28cm程度、好ましくは、24〜27cm程度である。また、袋布21の左端から右端までの上端の最大横幅は、タック部22が折畳まれ状態において、13cm〜18cm程度、好ましくは、14cm〜17cm程度である。
ここで、上述したように、延出部11の延出部表ベルト11Fは、前身頃4Fに対し、前中心FC側から脇ポケット部20のポケット口外縁76の上端の位置まで縫合線61Cにて縫付けられ(図14等参照)、延出部11の延出部裏ベルト11Bも、前身頃4Fに対し前中心FC側から袋布21のタック部22の第1の折り目221の位置まで縫合線61Bにて縫付けられているが(図6参照)、延出部11の収容部12に挿入される先端部11t側は前身頃4Fに縫着されておらず収容部12から延出自在となっている。
これより、図8(b)及び図14に示されるように、ウエストベルト部10に引張り力が掛かったときには、脇ポケット部20のポケット口外縁76の上部も延出部11が収容部12から抜き出る方向に延出部11と一体に移動し、収容部12の開口端12e側、即ち、脇線LS,RS側から離れる方向に位置する。
このとき、本実施の形態1では、脇ポケット部20の袋布21がズボン1の表側(外側)から見えないようにするために、前身頃4と共地の共布向こう布25が脇ポケット部20の外側に縫付けられている。即ち、袋布21の生地が脇ポケット部20の表側(外側)から見えないようにするため、図11(a)に示した袋布21を形成する所定形状の綿生地、スレーキ生地等の布地に対し、向こう布21Bとなる方に前身頃4と共地の共布向こう布25を重ねて縫付けている。なお、必要に応じて、前身頃4Fの斜めの端部に縫付ける手前布21F側にも、前身頃4と共地の補強布26が重ねて縫付けられ、ポケット口外縁76側の補強がなされる。
更に、本実施の形態1では、図11(a)に示した袋布21の向こう布21Bとなる方において、ズボン1の後身頃4Bに縫合される前に、予め、図11(b)及び図11(c)に示すように、所定の位置にて2本の折り目221、222を付しそれらの折り目に沿って所定幅で折重ねることにより、タック(折り返し)部22を形成している。
このタック部22は、図11(b)及び図11(c)に示すように、袋布21の向こう布21Bにおいて、上端から下方に延びる2本の折り目221、222を形成し、2本の折り目221、222のうち手前布21F及び向こう布21Bの閉鎖端部側に近い方(図11(b)において右側)の第1の折り目221を谷折りとし、もう一方の第2の折り目222を山折りにすることで襞状に形成されている。
なお、このとき、タック部22を形成するための2本の折り目221、222にアイロン等によりプレスしてしっかり折り目を付すことも可能であるが、例えば、婦人用のボトムスでは、そのような処理を施すことなく、タック部22が形成される場合もある。
このように向こう布21Bの一部を折畳んだタック部22の形成により、ウエスト部Wに引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部10の延出部11が収容部12から抜き出る移動と共に、折畳んだタック部22が開くから、袋布21に掛かる引張り力を逃すことができ、ウエスト周りをスムースに伸ばすことができる。そして、タック部22が開閉することによってウエストベルト部10が伸縮する際でも、ウエストベルト部10の下部の身頃4F,4Bの生地に皺等を生じさせないから、見栄えの良いズボン1となる。
このときタック部22の上端部の折畳み長さは、ウエストベルト部10の伸び量に応じウエストベルト部10を伸ばしたときに袋布21の上方の引き攣りが少なくウエストベルト部10のスムースな伸びを確保できる長さであればよく、好ましくは、ウエストベルト部10の伸び長さ以上に設定される。タック部22の襞(折り返し部分)の幅、即ち、2本の折り目221と折り目222の間の間隔幅からすると、袋布21の向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さw(図12(b)参照)は、好ましくは、ウエストベルト部10の最大の伸び長さの0.5倍〜0.7倍である。
例えば、平ゴム15Eに縫着した伸び止め材16の折畳み長さを3cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを約3cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸び長さを3cmとする場合には、袋布21の向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の横幅長さwを約1.5cm以上とする。より好ましくは、約1.5cm以上、2cm以下である。
また、例えば、平ゴム15Eに縫着した伸び止め材16の折畳み長さを4cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを約4cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸び長さを4cmとする場合には、袋布21の向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の横幅長さwを約2cm以上とする。より好ましくは、2cm以上、2.5cm以下である。
上述したように、タック部22の上端部の折り返し幅によって、ウエストベルト部10の伸びの限界を規定することも可能である。
なお、ウエストベルト部10が伸びるときに袋布21に掛かる引張り力は、袋布21において、ウエストベルト部10の配設側の上端側から下方に向かって徐々に減少する。そこで、それに併せて、本実施の形態1においては、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定されている。即ち、本実施の形態1においては、2本の折り目221及び折り目222は上端側から下方に向かって徐々に近づくように設定されている。例えば、図11(c)において、第1の折り目221及び第2の折り目222は両方とも上端側から下方に向かって前中心FC側から脇線LS,RS側に傾く斜めに形成されているが、第1の折り目221を第2の折り目222よりも急な傾きとし、2本の折り目221及び折り目222が上端側から下方に向かって徐々に近づくようにしている。
これにより、ウエストベルト部10の伸縮による袋布21の引き攣りを減らすことができて見栄えを良くできる。
そして、タック部22を形成した向こう布21Bにおいて、後身頃4B側に縫付ける端部21b側から第2の折り目222までの間の布地を後側布地21BBとし、端部21bとは反対側の閉鎖端部側から第1の折り目221までの間の布地を前側布地21BFとし、後側布地21BBと前側布地21BFの間の布地、即ち、第2の折り目222と第1の折り目111の間の布地を中間布地21BMとしたとき、第1の折り目221及び第2の折り目222に沿って折畳んで形成した襞状のタック部22では、それら後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとが重なり合って重複している。
ところで、本実施の形態1のズボン1においては、ウエストベルト部10がカーブしているから、着用したときに身体のウエストラインに沿ってウエストベルト部10をフィットさせることができ、ウエスト周りへのフィット性を向上させることができる。しかしながら、このようなカーブ状のウエストベルト部10を採用すると、ストレート(直線状)のベルトと比べて、着用した際に、身体のウエスト周りの立体的な体型へのフィット性、密着性の向上によって、脇線RS,LS付近に設けた袋布21の引き攣り量、引張り量が大きくなる。特に、女性の体型では、ウエストが細い一方で骨盤やヒップが大きく、ウエストからヒップにかけての脇ラインが極端に変化しているから、着用時にウエストベルト部10に接続する身頃4F,4Bの上部に引き攣り、引張りが生じやすい。このため、ズボン1の着用時に、ウエストベルト部10が伸びた際、図15(a)に示したように、脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出したり、袋布21(共布向こう布25を含む)や脇ポケット部20周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが生じたりし、見栄えが大きく低下する問題がある。
そこで、本実施の形態1では、この問題を解決するために、2本の折り目221,222に沿って折畳んで形成した襞状のタック部22を長く形成し、その一部でタック部22の襞(折り返し部分)を閉じるように中縫いを行って、タック部22の中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78にて縫合している。
即ち、本実施の形態1のタック部22では、後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFのうち、中縫いを行うことによって、第1の折り目221と第2の折り目222の間の布地である中間布地21BMと、第1の折り目221から閉鎖端部側(ループ側)の間の布地である前側布地21BFとを、タックの長さ方向の一部で縫合線78にて縫合することにより、一部の襞を閉じている。
なお、中縫いによる中間布地21BMと表側布地22Fの縫合では、縫合線78の縫い目が中間布地21BMと表側布地21Fを貫通しているのみで、裏側布地21Bを貫通していないから、ズボン1の腰裏側から見て縫合線78の縫い目は表出していない。
特に、本実施の形態1のタック部22においては、向こう布21Bの上端から所定範囲は、タック部22の襞を縫合することなくタックの折畳みの開閉を自在とし、タックの上端から所定位置より下で中縫いによって中間布地21BMと後側布地21BBを縫合線78にて縫合している。即ち、タック部22の上方を除いてタック部22の襞が縫合されている。
ここで、本実施の形態1において、タック部22の縦幅の長さx(図13参照)は、例えば、向こう布21Bの上がり線OL(図13参照)から垂直方向の長さで、9cm以上、15cm以下が好ましく、より好ましくは、10cm以上、14cm以下である。なお、ここでの上がり線OLとは、ウエストベルト部10の表側の下端、詳しくは、ウエストベルト部10の表側の延出部表ベルト11の下端のラインに一致するものである。向こう布21Bの裁ち切り線からすると、上がり線OLはその裁ち切り線よりも、通常、1cm程度下位に位置する。
このような所定長さのタック部22の形成により袋布21の下方の布地の遊びもズボン1の表側に響かない程度になる。そして、この所定の長さのタック部22の襞に対し、その上方を除いて縫合線78にて中間布地21BMと後側布地21BBを縫合することで、ズボン1の着用時に袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出したり、袋布21の変形、歪み等により袋布21(共布向こう布25を含む)や脇ポケット部20周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが発生したりするのが抑制される。
特に、本実施の形態1においては、タック部22の襞を中縫いすることで、向こう布21Bの中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78で縫合するが、後側布地21BBの上端(裁ち切り線)から下に所定長さの範囲は、タック部22の襞を縫合することなく、タック部22の下方側を縫合する。
図13を参照して具体的に説明すると、本実施の形態1では、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22を縫合する始点78sとの間の垂直方向の長さ(縦幅)をYa(cm)としたとき、3≦Ya≦6が好ましい。即ち、タック部22の縫合の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に3cm以上、6cm以下の範囲内に位置させるのが好ましい。
ここで、Yaが短すぎる場合、即ち、タック部22の襞を縫合する位置が向こう布21Bの上端に近すぎる場合、タック部22の展開量を十分に確保できない。このため、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際にウエストベルト部10のスムースな動きを確保できず窮屈感を生じさせたり、また、袋布21の上方で引き攣り、引っ張りによる歪み、皺寄り等が生じ、それがズボン1の表側にも響いて、見栄えが低下したりする。一方で、Yaが長すぎる場合、即ち、タック部22の襞を縫合する位置が下方に下がり過ぎる場合、袋布21の布地の遊びが多くなって、ズボン1の着用時に脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出しやすくなる。
しかし、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22の縫合の始点78sとの間の垂直方向の長さYaが、3cm以上、6cm以下の範囲内であれば、布地の種類、厚み、伸び特性や、袋布21やポケット口の大きさ等を問わず、ウエストベルト部10が伸びたときでも袋布21の上方の見栄えを損なうことなく、ズボン1の着用時に袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出するのを効果的に抑えることができ、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。更に、本発明者らの実験研究によれば、より好ましくは、3.5≦Ya≦5.5、更に、好ましくは、4≦Ya≦5であれば、身頃4F,4B等が薄生地であっても、ウエスト部Wが伸びたときの袋布21のポケット口23からの吹き出し、袋布21の変形を抑え、脇ポケット20部及びその周囲の皺寄りの発生を防止でき、かつ、脇ポケット部20の上方で引き攣りが生じ難いものとなる。
こうして、本実施の形態1では、向こう布21Bの裁ち切り線(上端)と上がり線OLとの間を含め、向こう布21Bの上がり線OLから下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内はタック部22の襞を縫合することなく、上がり線OLの3cm〜6cm下の位置から下方で中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78にて縫合することで、タック部22の一部の襞を縫合している。
なお、向こう布21Bの裁ち切り線(上端)と上がり線OLとの間を1cmとし、前側布地21BFの裁ち切り線(上端)を基準にすると、その裁ち切り線(上端)から下に4cm以上、7cm以下の範囲内、好ましくは、4.5cm以上、6.5cm以下の範囲内、より好ましくは、5cm以上、6cm以下はタック部22の襞が縫合されることなく、断ち切り線(上端)の4cm〜7cm下の位置から下方で中縫いにより中間布地21Mと前側布地21BFが縫合線78にて縫合されていることになる。
このとき、本実施の形態1のタック部22においては、上述したように、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定され、タック部22を形成する2本の折り目221及び折り目222間の間隔、即ち、横幅長さが上端側から下方に向かって徐々に縮小しているから、第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さが向こう布21Bの上端(断ち切り線)の横幅長さwの、例えば、0.5〜0.9倍、より好ましくは、0.6〜0.8倍となる位置がタック部22の縫合の始点78sとされ、そこから下が縫合線78にて縫合されることになる。
つまり、本実施の形態1では、第1の折り目221と第2の折り目222間の間隔である横幅長さが向こう布11の上端における横幅長さwの、例えば、0.5〜0.9倍、より好ましくは、0.6〜0.8倍となる位置までは、タック部22の襞を閉じることなく、第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔である横幅長さが向こう布11の上端における横幅長さwの0.5〜0.9倍、より好ましくは、0.6〜0.8倍となる位置から下を縫合線78にて縫合する。
そして、タック部22の襞を縫合する長さ、即ち、縫合線78の長さは、タック部22の襞を縫合する始点78sと終点78tの間の垂直方向の長さ(縦幅)をYb(cm)としたとき、3≦Yb≦6が好ましい。
ここで、Ybが短すぎると、即ち、タック部22を縫合する長さが短すぎる場合、袋布21の遊びが多くなることで、布地の種類によっては、ズボン1の着用時に脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出しやすくなる。一方で、Ybが長すぎると、即ち、タック部22を縫合する長さが長すぎる場合、袋布21の布地の余裕が少なくなることで、ウエストベルト部10が伸びたときに、袋布21に引き攣りによる歪みが生じたり皺が寄ったりし、それがズボン1の表側に響いて、外観性や見栄えを損なう恐れがある。
特に、ポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75が前身頃4F、後身頃4B及び袋布21aの接続点であるから、ウエストベルト部10が伸びたときに、ポケット止まり75の周囲に引張り力が生じ易く、更に、そこに強度向上のために閂止めが施されている場合には、その周囲でより強い引張り力が生じやすくなる。このため、Ybが長すぎると、脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲で袋布21の引き攣り量、引っ張り量が多くなり、そこに負荷がかかって布地が損傷しやすくなる。また、脇ポケット部20のポケット止まり75の周辺で袋布21の引き攣りによる歪みが生じたり皺が寄ったりし、ズボン1を表側から見たときの外観性や見栄えを損なう恐れがある。
しかし、タック部22の縫合の始点78sと終点78tの間の垂直方向の長さ(縦幅)Ybが、3cm以上、6cm以下であれば、布地の種類、厚み、伸び特性や、袋布21やポケット口の大きさ等を問わず、ズボン1の着用時に袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出するのを効果的に抑えることができ、かつ、ウエストベルト部10が伸びたときでも脇ポケット部20及びその周辺に引き攣りが生じ難く、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。更に、本発明者らの実験研究によれば、より好ましくは、3.5≦Yb≦5.5、更に、好ましくは、4≦Yb≦5であれば、身頃4F,4B等が薄生地であっても、ウエスト部Wが伸びたときの袋布21のポケット口23からの吹き出し、袋布21の変形を抑え、脇ポケット20部及びその周囲の皺寄りの発生を防止でき、かつ、脇ポケット部20及びその周辺に引き攣りが生じ難いものとなる。
なお、本実施の形態1のタック部22においては、上述したように、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定され、タック部22を形成する2本の折り目221及び折り目222間の間隔、即ち、横幅長さが上端側から下方に向かって徐々に縮小しているから、第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さが、向こう布21Bの上端(裁ち切り線)の横幅長さwの、例えば、0.2〜0.6倍、より好ましくは、0.4〜0.6倍となる位置がタック部22の縫合の終点78tとされる。
こうして、本実施の形態1では、向こう布21Bの上がり線OLの3cm〜6cm下の位置から、3cm〜6cmの長さ(縦幅Yb)でタック部22の襞の一部を縫合線78にて縫合する。
特に、本実施の形態1において、中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFを縫合するときの縫合線78は、縫製の分かり易さから、第1の折り目221に平行させる斜めとする。そして、好ましくは、第1の折り目221から1cm以下の範囲内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以下の範囲内、更に好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合する。つまり、縫合線78と第1の折り目221の間隔幅をD1(cm)とすると(図11(d)参照)、好ましくは、D1≦1、より好ましくは、0.1≦D1≦0.8、更に好ましくは、0.1≦D1≦0.6である。このように第1の折り目221に平行する斜めの縫合線78の位置を第1の折り目221から所定範囲内とすると、タックの開きにより余裕がでるから、ウエストベルト部10が伸びたときの袋布21の引き攣りをより少なくできる。
即ち、第1の折り目221から、好ましくは、1cm以下の範囲内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以下の範囲内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以下の範囲内でタック部22の襞の一部を中縫いの縫合線78によって縫合すると、縫合線78と第2の折り目222との間には、幅が約0.5cm以上のキセKが設けられることになる。
例えば、タック部22の折畳み長さがその上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定されている袋布21において、向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さwを2cmとしたタック部22の襞に対し、その下方で第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1.5cmとなる位置から下を縫合線78にて縫合したとき、縫合線78が第1の折り目221から0.5cm幅の間隔をあけて第1の折り目221に平行している場合、縫合線78の始点78sの位置では、縫合線78の始点78sから第2の折り目222までの間が1cm幅となる。よって、縫合線78の始点78sの位置では、1cm幅のキセKを設けていることになる。そして、縫合線78の始点78sの位置では、第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1.5cmであることで、襞が縫合されない場合には、タックの開きが3cmとなるが、縫合線78によりタックを閉じた場合の開きは1cm幅のキセKの部分が開かれることで2cmのタックの開きとなる。また、第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1cmとなる位置を縫合線78の終点78tとしたとき、その縫合線78の終点78tの位置では、縫合線78の終点78tから第2の折り目222までの間のキセK幅が0.5cmとなる。よって、縫合線78の終点78tの位置では、第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1cmであることで、襞が縫合されない場合には、タックの開きが2cmとなるが、縫合線78によりタックを閉じた場合の開きは0.5cm幅のキセKの部分が開くことで1cmのタックの開きとなる。
本実施の形態1においては、このような所定幅のキセKを設けていることで、3≦Ya≦6であっても、即ち、後述する変形例2と比較して、タック部22の襞を袋布21のより上方で閉じる構成であっても、タック部22のキセKの部分でタックが多少開くから、ウエストベルト部10が伸びる際に、袋布21の上方に引き攣りが生じ難く、袋布21が歪んだり袋布21及びその周辺で皺が寄ったりし難いものとなる。
このように、本実施の形態1の袋布21では、向こう布21Bに形成したタック部22において、向こう布21Bの上がり線OLより3cm〜6cm下から下方を3cm〜6cmの縦幅(垂直方向の長さYb)で縫合線78による中縫いによって中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合することにより、タック部22の襞の一部を閉じで、タックの開きを制限している。即ち、タック部22の上端から下に所定の長さ範囲では、タック部22の襞を閉じることなく開放し、タック部22の下方で中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78にて縫合していることでタック部22の開きを制限している。
これより、本実施の形態1のズボン1では、ウエストベルト部10のカーブによって着用時に身体のウエスト周りに対するフィット性が高くても、袋布21の向こう布21Bに所定の長さのタック部22を形成し、そのタック部22の襞の一部をタック部22の上方を除いて中縫いによって縫合してタックの開きを制限したことで、袋布21の遊びが少なくなり、図15(b)に示したように、ズボン1の表側(外側)から見て、袋布21(共布向こう布25を含む)の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、また、袋布21の変形が抑えられ、脇ポケット部20及びその周囲に皺寄りが生じ難くなり、見栄えの良い脇ポケット部20を形成し、美観を維持できる。
特に、本実施の形態1では、タック部22の襞を縫合する始点78sは、袋布21の向こう布21の上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内にあり、そこから垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内でタック部22の襞を中縫いによって縫合しており、後述する変形例2と比較して、タック部22の襞を袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合する構成であり、袋布21の下方に余裕を持たせている。したがって、ウエストベルト部10が伸びたときでも、脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲で引き攣り、引張りが生じ難くて、袋布21に歪みや皺寄りが生じ難いものである。よって、ズボン1を表側から見たときの見栄えに優れるものである。
また、このようにタック部22の襞を袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合する構成であると、婦人用のボトムスのように袋布21を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わず、袋布21のタック部22を比較的短いものとするボトムスにも好適であり、タックが比較的短くても、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞を縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21(共布向こう布25を含む)が吹き出すのを効果的に抑制できる。
そして、本実施の形態1では、袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合されるタック部22の襞は、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面に表れない第1の折り目221から、好ましくは1cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、更に好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内で縫合するから、タック部22の襞を縫合した部分において、タックの開きが制限されるも、所定の展開量は確保される。よって、後述する変形例2と比較してタック部22の縫合位置を袋布21の中間部から上側としていても、袋布21のタック部22の所定の展開量を確保できることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、袋布21の上方の引き攣り、歪み、皺寄りが抑えられて見栄えを維持できると共に、ウエストベルト部10をスムースに伸ばすことができる。
なお、本発明を実施する場合、袋布21の中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78は、第1の折り目221と平行させず直線状としてもよい。また、本発明を実施する場合には、コバステッチにより中間布地21BMと前側布地21BFと後側布地21BBを縫合することも可能である。
ここで、脇ポケット部20の変形例1及び変形例2について説明する。
まず、変形例1の脇ポケット部201について図16及び図17を参照して説明する。
上述した脇ポケット部20は、袋布21の向こう布21Bに設けたタック部22を形成する第1の折り目221と第2の折り目222の間隔を上端から下方に向かって縮小させているものである。
これに対し、本変形例1に係る脇ポケット部201においては、第1の折り目221と第2の折り目222を平行に形成し、第1の折り目221と第2の折り目222の間隔を上端から下方に向かって一定としている。即ち、ウエストベルト部10の伸び量に応じウエストベルト部10の伸び長さ以上に設定されるタック部22の折畳み長さは、上端から下方に向かって一定としている。
例えば、平ゴム15Eに縫着した伸び止め材16の折畳み長さを4cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを約4cmに規制する場合には、即ち、ウエストベルト部10の伸び長さを4cmとする場合には、袋布21の向こう布21Bに形成される第1の折り目221と第2の折り目222の間の横幅長さを、上端から下方に向かって一定の2cm以上とする。
なお、第1の折り目221と第2の折り目222は、上端から下方に向かって垂直方向の直線としもよいし、前中心FC側から脇線LS,RS側に傾く斜めとしてもよい。
そして、本変形例1に係る脇ポケット部201においても、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22において向こう布21Bの上がり線OLの3cm〜6cm下から下方を3cm〜6cmの縦幅(垂直方向の長さ)で中縫いによって中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合線78にて縫合することにより、タック部22の襞の一部を縫合し、タックの開きを制限する。
よって、本変形例1においても、上述した脇ポケット部20と同様と同様、ズボン1の表側(外側)から見て、袋布21(共布向こう布25を含む)の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、脇ポケット部20及びその周囲に皺寄りを生じ難くして、見栄えの良い脇ポケット部201を形成し、美観を維持できる。
また、本変形例1の脇ポケット部201においても、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22の襞を袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合する構成であるから、婦人用のボトムスのように袋布21を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わず、袋布21のタック部22を比較的短いものとするボトムスにも好適であり、タックが比較的短くても、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞を縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21(共布向こう布25を含む)が吹き出すのを効果的に抑制できる。
更に、本変形例1においても、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22の襞を縫合する始点71sは、袋布21の向こう布21Bの上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内にあり、そこから垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内でタック部22の襞を中縫いによって縫合しており、後述する変形例2と比較して、袋布21の下方に余裕を持たせている。したがって、ウエストベルト部10が伸びたときでも、脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲で引き攣り、引張りが生じ難くて、袋布21に歪みや皺寄りが生じ難いものである。よって、ズボン1を表側から見たときの見栄えに優れるものである。
そして、本変形例1においても、上述した脇ポケット部20と同様、袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合されるタック部22の襞は、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面に表れない第1の折り目221から、好ましくは、1cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、更に好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内の中縫いによって縫合する。つまり、縫合線78と第1の折り目221の間隔幅D1は、好ましくは、D1≦1、より好ましくは、0.1≦D1≦1.0、更に好ましくは、0.1≦D1≦0.6とする。これによって、タック部22の襞を縫合した部分において、タック部22の開きが制限されるも、所定の展開量は確保される。よって、後述する変形例2と比較して、タック部22の縫合位置を袋布21の中間部から上側としていても、袋布21のタック部22の所定の展開量を確保できることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、袋布21の上方の引き攣り、歪み、皺寄りが抑えられて見栄えを維持できると共に、ウエストベルト部10をスムースに伸ばすことができる。
特に、本変形例1において、第1の折り目221及び第2の折り目222を平行にしていることで、タック部22の襞を縫合する縫合線78は、それら第1の折り目221及び第2の折り目222に対し平行させる縫製とすると分かり易く、生産性を向上できる。
例えば、本変形例1において、第1の折り目221及び第2の折り目222の間隔の横幅を2cmとしたとき、襞が縫合されない部分では、タックの開きが4cmとなるが、第1の折り目221から0.5cm離した位置で襞を中縫いした場合には、そのときの縫合線78と第2の折り目222の間のキセKの幅は1.5cmとなるから、中縫いした部分のタックの開きは3cmに制限される。
そして、本変形例1において、中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78が第1の折り目221及び第2の折り目222に平行させていると、その縫合した部分のタックの開きも一定となる。
このように、変形例1の脇ポケット部201においては、平行する第1の折り目221と第2の折り目222に対し、タック部22において中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78を平行させ、縫合線78と第1の折り目221の間隔幅D1を例えば、0.5cmとした場合、上述した脇ポケット部20と比較して、縫合線78と第2の折り目222との間のキセKの量が増えるので、タックの開き量が多いものとなる。よって、袋布21に余裕を持たせることができるから、ウエストベルト部10が伸びたときのポケット止まり部75の周辺の引き攣り、引張りを効果的に抑え、見栄えを向上させることができる。一方、上述した脇ポケット部20では、変形例1の脇ポケット部201と比較して、タックの開き量の制限を大きくできるので、着用時にポケット口23からの袋布21の吹き出しを抑制する効果を向上させることができる。
なお、袋布21の生地、共布向こう布25の生地、身頃4B,4Fの生地、ウエストベルト部10の表側及び裏側の生地等によって、また、ポケット口23の開口の大きさ等によって、上述した脇ポケット部20または変形例1の脇ポケット部201を適宜選択することも可能である。例えば、身頃4B,4F等の生地が薄いものやポケット口23の開口が大きいものでは、ポケット口23から袋布21が吹き出しやすくなるから、タックの開き量の制限を大きくできる上述した脇ポケット部20に係る袋布21の構造を採用することで、より効果的にポケット口23からの袋布21の吹き出しを抑えることが可能である。一方で、生地が厚いものやポケット口23の開口が小さいものでは、ウエスト部Wが伸びたときの引き攣り、引張りが大きくなり、特に、ポケット止まり部75周辺で引き攣り、引張りが大きくなるが、タックの開き量の制限を少なくした変形例1の脇ポケット部201の袋布21の構造を採用することで、ウエスト部Wが伸びたときでもポケット止まり部75の周辺の引き攣り、引張りを効果的に抑え、見栄えを良好に維持することが可能となる。
勿論、変形例1においても、中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78は必ずしも第1の折り目221及び第2の折り目222に平行でなくともよい。また、本発明を実施する場合には、コバステッチにより中間布地21BMと前側布地21BFと後側布地21BBを縫合することも可能である。
次に、変形例2の脇ポケット部202(202A,202B)について、図18乃至図20を参照して説明する。
上述の脇ポケット部20については、タック部22において向こう布21Bの上がり線OLの3cm〜6cm下から下方を3cm〜6cmの縦幅(垂直方向の長さ)で中縫いによって中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合線78にて縫合することにより、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞の一部を閉じるものである。
このように、上述の脇ポケット部20については、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞の一部を閉じるから、タック部22を形成するための2本の折り目221、222にしっかりクセを付したり、また、袋布21のクセとりをしたりするためのアイロン等のプレス処理を行わない婦人用のボトムス等のように、袋布21の下方に余裕を持たせる形態、デザインに好適である。即ち、婦人用のボトムス等のように、折り目221、222を安定させたり袋布21を落ち着かせたりするためのアイロン等のプレス処理を行わずに、タック部22の形成を袋布21の中間部分までの長さとする設計に好適である。
これに対し、変形例2の脇ポケット部202は、紳士用のボトムスのように、折り目221、222を安定させるために折り目221、222にアイロン等のプレスを施してしっかり折り目を付したり、袋布21をアイロン等でプレスしてクセとりをしたりする設計に好適なものである。
即ち、変形例2の脇ポケット部202においては、タック部22の折り目221、222について、袋布21の下方まで延ばし、袋布21のより下側でタック部22の襞の一部を閉じることで、袋布21の皺、歪み、膨らみ、浮きをより抑え、袋布21をより落ち着かせたものである。
具体的には、本変形例2においては、タック部22の末端が、ポケット口23の末端の高さ、即ち、ポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tに対し、それよりも2cm以上、下方に位置するように、向こう布21Bの一部を折畳んで向こう布21Bの上端から下方に向かってタック部22を形成する。
これにより、袋布21の下方の遊び、余り、ダブつき、浮き等が少なくなり、アイロン等でプレスすればそれらのクセとりができるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
本発明者らの実験研究によれば、例えば、ズボン1の表側(外側)からみたときの脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)が15〜17cmで、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76の長さl(図8(b)参照)が15.5〜17.5cmとされる紳士用のズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅の長さxを、ポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜4cm長くすることで、袋布21の下方の遊び、余り、ダブつき、浮きが少なくなり、アイロン等でプレスすればそれらのクセとりができるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて極めて見栄えの良い脇ポケット部202に仕上げることができる。
より詳しくは、例えば、伸び止め材16の折畳み長さを2〜5cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを2〜5cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸びを2〜5cmに設定する場合、脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)mが15cmのズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅長さxはポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜4cm長くして17cm〜19cmあれば、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
また、例えば、脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)mが17cmのズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅長さxはポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜3cm長くして19cm〜20cmあれば、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
更に、ズボン1の表側(外側)からみたときの脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)が13〜15cmで、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76の長さl(図8(b)参照)が13.5〜15.5cmとされる婦人用のズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅の長さxを、開口幅(縦幅)mよりも2〜5cm長くすることで袋布21の下方の遊び、余り、ダブつきが少なくなり、アイロン等でプレスすればそれらのクセとりができるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて見栄えの良い脇ポケット部202に仕上げることができる。
例えば、伸び止め材16の折畳み長さを2〜5cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを2〜5cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸びを2〜5cmに設定する場合、脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)mが13cmのズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅長さxはポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜5cm長くして15cm〜18cmあれば、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
つまり、本変形例2においては、ポケット口23の開口幅(縦幅)m(cm)とタック部22の縦幅の長さx(cm)との関係を、x≧m+2(13≦m≦17)とすることで、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて美観に優れた脇ポケット部202に仕上げることができ、身頃4F,4Bが薄い生地であっても、ズボン1の表側に袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が響かずに美感に優れたものとなる。好ましくは、13≦m<15であるとき、x≧m+4であり、15≦h≦17であるとき、x≧m+3である。
なお、ここでは、ポケット口23の開口幅(縦幅)mを異にしても袋布21の大きさは統一した大きさ(同一の大きさ)とした場合を基準としている。
勿論、本発明を実施する場合、袋布21の縦幅の大きさによっては、袋布21の上端から下までの全長に亘って、正確には、袋布21の上端から向こう布21B及び手前布21Rを縫合した下端の縫合線73の位置まで、タック部22の折り目221,222をアイロン等のプレスでしっかり付すようにしてもよい。
そして、本変形例2に係る脇ポケット部202においては、タック部22に対し、ポケット口23の末端、即ち、ポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向で2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内で縫合線78にてタック部22の襞を閉じている。
即ち、本変形例2においては、タック部22の襞を閉じる縫合線78の始点78sがポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向で2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にある。
このとき、本変形例2においては、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22の襞を縫合する縫合線78の始点78sとの間の垂直方向の長さ(縦幅)をYa(cm)とすると、7≦Ya≦11が好ましい。即ち、タック部22の縫合の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に7cm以上、11cm以下の範囲内に位置させるのが好ましい。
ここで、Yaが短すぎる場合、即ち、タック部22の縫合の始点78sがタック部22の上端に近すぎる場合、タック部22の展開量を十分に確保できない。このため、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際にウエスト部Wのスムースな動きを確保できず窮屈感を生じさせたりする。また、袋布21の上方で引き攣り、引っ張りによる歪み、皺寄り等が生じ、それがズボン1の表側にも響いて、見栄えが低下したりする。一方で、Yaが長すぎる場合、即ち、タック部22の縫合する位置が下方に下がり過ぎる場合、袋布21の布地の遊びが多くなるから、布地の種類によっては、ズボン1の着用時に脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出しやすくなる。
しかし、本変形例2において、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22の縫合の始点78sとの間の垂直方向の長さYaが、7cm以上、11cm以下の範囲内であれば、タックの開きが十分に確保され、ウエストベルト部10が伸びたときでも、袋布21の上方に引き攣りが生じ難く、脇ポケット部202が歪んだり脇ポケット部20の周辺に皺が寄ったりするのが防止され良好な見栄えを確保でき、かつ、袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出す事態を効果的に抑えることができ、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。より好ましくは、8≦Ya≦10である。
ここで、本変形例2の脇ポケット部202において、ポケット口23からの袋布21(共布向こう布25を含む)の吹き出しを効果的に抑えるためにタック部22の襞を縫合する縫合線78は、タック部22を形成する第2の折り目222に平行で第2の折り目222から、好ましくは、6mm以内、より好ましくは、0.1mm以上、5mm以内、更に好ましくは、0.1mm以上、0.4mm以内としている。即ち、縫合線78と第2の折り目222の間隔幅をD2(cm)とすると、好ましくは、D2≦0.6、より好ましくは、0.1≦D1≦0.5、更に好ましくは、0.1≦D1≦0.4である。これより、本変形例2においては、タック部22の襞が縫合線78にて縫合された範囲では、タックの開閉が殆どなく、タック部22の襞が略完全に閉じられた状態となる。そして、タック部22の襞を縫合した部分ではその襞が殆ど展開しないから、身頃4F,4B等の生地が薄いものでも、脇ポケット部20の皺寄りを効果的に抑え、見栄えを維持できる。
このとき本実施例2におけるタック部22の襞の縫合線78での縫合は、図18(C)及び図18(d)で示した脇ポケット部202Aのように、中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合するようにしてもよいし、図19で示した脇ポケット部202Bのように、コバステッチで後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合するようしてもよい。
図18(C)及び図18(d)で示した脇ポケット部202Aのように、中縫いによる中間布地21BMと前側布地21BFの縫合では、縫合線78の縫い目が中間布地21BMと前側布地21BFを貫通しているが後側布地21BBには表出しないのに対し、図19で示した脇ポケット部202Bのように、コバステッチによる後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとの縫合では、縫合線78の縫い目が後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFを貫通し後側布地21BBの外面に表出する。即ち、図18(C)及び図18(d)で示した脇ポケット部202Aでは、中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78の縫い目が、ズボン1の腰裏側から見て表れず、後側布地21BBに表出しないのに対し、図19で示した脇ポケット部202Bでは、コバステッチにより後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合する縫合線78の縫い目が、ズボン1の腰裏側から見て後側布地21BBに表れる。
なお、本変形例2においては、ウエストベルト部10の伸びによる引張り力が、袋布21において、ウエストベルト部10の配設側の上端側から下方に向かって徐々に減少するのに併せて、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定されている。即ち、第1の折り目221及び第2の折り目222の間隔が上端から下方にかけて縮小するようにしている。これにより、ウエストベルト部10の伸縮による袋布21の布地の遊び、ダブつき、浮きを減らし、見栄えの良い脇ポケット部20に仕上げることができる。しかし、本発明を実施する場合には、上記変形例1のときと同様、第1の折り目221と第2の折り目222を平行とし、それらの間隔が上端から下方にかけて一定となるようにしてもよい。
そして、本変形例2において、タック部22の襞を縫合線78にて閉じる位置は、少なくともポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に所定の長さであればよい。即ち、ポケット口23からの袋布21(共布向こう布25を含む)の吹き出しを抑えるためには、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に所定の長さだけタック部22の襞を閉じればよく、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tより下では、タック部22の襞を縫合しても良いし、縫合しなくても良い。ポケット止まり75の高さに対応する位置75tより下を縫合しない場合には、ウエスト部Wが伸びたときの脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲における引き攣り、引張りが抑制され、袋布21の歪みや皺寄りを防止して、ズボン1を表側から見たときの美感、見栄えの向上が可能となる。一方で、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tより下を縫合した場合には、袋布21がより落ち着くから、商品として陳列した際の美感、見栄えの向上が可能となる。
ここで、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上でタック部22の襞を縫合する長さは身頃4F,4bの布地、共布向こう布25の布地、ウエストベルト部10の表側及び裏側を形成する収容部12及び延出部11の布地の種類、厚み、伸縮性等に応じて、また、ポケット口23の開口幅(縦幅)mに応じて設定される。なお、本変形例2においても、袋布21の共布向こう布25の布地や、ウエストベルト部10の表側及び裏側を形成する収容部12及び延出部11の布地は身頃4F、4Bと共地である。
本発明者らの実験研究によれば、例えば、綾織り(斜文織、ツイルともいう)のチノパン生地(主に綿やポリエステルからなる生地で、ここでは、綿65%、ポリエステル32%、ポリウレタン3%の生地を使用)からなる布地を身頃4F,4Bに使用した場合、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)を12cm以上、15cm未満(12≦m<15)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで4cm以上、5cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから縫合線78の始点78sまでの間の垂直方向の縦幅長さをYc(cm)としたとき、4≦Yc≦5が好ましい。
また、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)mを15cm以上、18cm以下(15≦m≦18)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで5cm以上、7cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、5≦Yc≦7が好ましい。
更に、例えば、平織りの生地(ここでは、綿65%、ポリエステル32%、ポリウレタン3%の生地を使用)からなる布地を身頃4F,4Bに使用した場合、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)mを12cm以上、15cm未満(12≦m<15)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで3cm以上、5cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、3≦Yc≦5が好ましい。
また、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)mを15cm以上、18cm以下(15≦m≦18)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで3cm以上、7cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、3≦Yc≦7が好ましい。
特に、このような平織り組織では、綾織りの組織と比べ、通気性に富む構成で皺が寄り難いものであるため、タック部22の襞を縫合する長さが短くても、ズボン1の着用時にズボン1の表側(外側)からみて、袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出るのが抑制され、脇ポケット部20及びその周辺に皺寄りが生じ難く、見栄えに優れた脇ポケット部202となる。
こうして、本変形例2に係る脇ポケット部202(202A,202B)においても、タック部22の上方を除いてタック部22の襞が縫合されていることで、袋布21の遊びが抑えられるから、ウエストベルト部10のカーブによって、ウエスト周りのフィット性が向上することで袋布21の引き攣り量が大きくなっても、袋布21の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、脇ポケット部202の袋布21(共布向こう布25を含む)に皺寄りが生じ難く、見栄えの良い脇ポケット部202となり、ズボン1の見栄え、美観を維持できる。
特に、本変形例2に係る脇ポケット部202では、袋布21の向こう布21Bにおいて2本の折り目221,222に沿って折畳んで形成したタック部22に対し、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に3cm以上、8cm以下、好ましくは、3cm以上、7cm以下でタック部22の襞を縫合線78で縫合し、即ち、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから縫合線78の始点78sまでの間の縦幅長さYc(cm)を、2≦Yc≦8、好ましくは、2.5≦Yc≦7.5、更に好ましくは、3≦Yc≦7とし、袋布21の縦幅の中間部から下側が縫合されている。
よって、例えば、紳士用のボトムスでは袋布21をより落ち着かせるためにアイロン等のプレス処理によってタック部22を形成するための2本の折り目221、222にしっかりクセを付したり、また、袋布21のクセとりをしたりするが、こうしたボトムスの袋布21をより落ち着かせるためにタック部22の形成を袋布21の下方までの長さとする設計に好適である。
特に、本変形例2に係る脇ポケット部202では、タック部22の長さを向こう布21Bの上端から、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tよりも2cm以上、下までの長さとすることで、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく商品として陳列した際の美感、見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
そして、本変形例2に係る脇ポケット部202では、タック部22の襞(折り返し部分)を縫合する始点78sを、脇ポケット部202のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tから垂直方向に上に2cm以上、8cm以下の範囲内とする。向こう布21Bの上がり線OL側からすると、タック部22の縫合の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に、好ましくは、7cm以上、11cm以下の範囲内の位置である。また、タック部22の襞を縫合する終点78tは、脇ポケット部22のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tまたはそれよりも下とする。
これにより、布地の種類、厚み、伸び特性や、袋布21やポケット口の大きさ等を問わず、タック部22の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部22の下方で襞の展開を制限できる。よって、ウエストベルト部10が伸びたときでも袋布21の上方の引き攣りによる見栄えを損なうことなく、ズボン1の表側(外側)からみて、袋布21(共布向こう布25を含む)がズボン1の外側のポケット口23から吹き出すのを抑え、良好な見栄えを確保する。更に、本発明者らの実験研究によれば、タック部22の襞(折り返し部分)を縫合する始点78sを、脇ポケット部202のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tから垂直方向に上に2.5cm以上、7.5cm以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内であれば、身頃4F,4B等が薄生地であっても、ウエスト部Wが伸びたときの袋布21のポケット口23からの吹き出し、袋布21の変形を抑え、脇ポケット20部及びその周囲の皺寄りの発生を防止でき、かつ、脇ポケット部20の上方で引き攣りが生じ難いものとなる。
特に、本変形例2に係る脇ポケット部202においては、タック部22を袋布21の下方まで形成し、袋布21の縦幅の中間部から下側を縫合するものであるから、ウエストベルト部10を伸ばしたときでも袋布21の上方で引き攣りによる袋布21の歪み等が生じ難く、見栄えが維持されると共に、ウエストベルト部10が伸びていないときでも、袋布21の皺、歪み、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。故に、身頃4B、4F等の布地が薄いものでも、袋布21の歪み等がズボン1の表側に響かないので、見栄えが良好であり、商品として陳列した際の美感や見栄えにも優れる。更に、着用時において、ウエスト部Wが伸びたときでも、スムースな伸びを確保しまた、見栄えも維持できる。
こうして、本変形例2に係る脇ポケット部202においても、ウエストベルト部10のカーブによって着用者のウエスト周りにフィットし、ウエストベルト部10に接続する身頃4F,4Bの上部の引き攣り量、引張り量が多くなっても、ズボン1の表側(外側)からみて、袋布21の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、脇ポケット部20の共布向こう布25や脇ポケット部周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが生じることはなく、ズボン1の見栄え、美観を良好に維持できる。
このように本実施の形態1のズボン1においては、ウエストベルト部10のカーブによって着用者のウエスト周りへのフィット性が向上しても、袋布21の向こう布21Bに設けた所定長さのタック部22の襞をその上方を除いて縫合線78に縫合していることにより、袋布21が引き攣られて袋布21の歪み、変形等によって、袋布21がポケット口23から吹き出して露出したり、脇ポケット部20の袋布21や脇ポケット部20周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが生じたりするのが抑えられ、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。
更に、本実施の形態1のズボン1においては、収容部12及び延出部11の間を接続する平ゴム15Eとは別に補助弾性材として幅の細い所定長さの平ゴム28を脇ポケット部20の袋布21に縫着している。詳細には、平ゴム28の一端部を、袋布21の向こう布21Bの後側布地21BBの上端部であってタック部22を形成する第2の折り目222の近傍に縫付け、また、反対側の他端部を、向こう布21Bの前側布地21BFの上端部であって、閉端部付近に延出部表ベルト11Fの内折りした下部及び前身頃4Fの上端部に縫付けられている。なお、この平ゴム28を縫付けるときの縫付線はズボン1の表側(外側)からは見えないようになっている。
このときの平ゴム28としては、例えば、織ゴム、編ゴム、コールゴム、ゴムテープ等が使用されるが、本発明を実施する場合、十分な弾性を有するものであれば、ゴム製板、ストレッチテープ(ゴム入り布)、パワーネット生地、サテンネット生地、ストレッチサテン生地、ストレッチレース生地等の様々な弾性を有する素材を用いることも可能である。
このように、本実施の形態1のズボン1においては、平ゴム28の一端部を、袋布21の向こう布21Bの後側布地21BBの上端部に対して縫付け、反対側の他端部を、向こう布21Bの前側布地21BFの上端部に対して、前身頃4Fの上端部及び延出部表ベルト11Fの下側の折り返し部分と共に縫付け、この平ゴム28によって脇ポケット部20の袋布21のタック部22近傍と延出部表ベルト11F側とを弾性的に接続することで、延出部11の先端部側が収容部12から繰り返し出たり入ったりする場合でも、平ゴム28の弾性力によりタック部22の形状を維持し、袋布21の形状が崩れたり、ウエストベルト部10と身頃4F,4Bの境界付近で袋布21や身頃4F,4Bに皺が寄り見栄えが悪くなるのを防いでいる。
特に、平ゴム28の長さ方向の両端部のうち延出部表ベルト11Fの折り返した下部及び前身頃4Fの上端部へ縫付け位置を、反対側のタック部22近傍の縫付け位置よりも若干高くし、平ゴム28の両端の縫付け高さに高低を付していると、タック部22から前中心FC寄りの前側布地21BFに皺が入り難いものとのなる。
なお、このような補助弾性材としての平ゴム28の縫付けは、例えば、長さ方向の一端を、後側布地21BBの上端部に縫付ける一方で、反対側の他端部を前側布地21BFの上方であって延出部表ベルト11Fの上側の折り返し部分に縫付けることも可能である。このような縫付位置でも、袋布21の形状を維持し、皺寄りの発生を防止してズボン1の見栄えを良好に維持できる。
こうして、本実施の形態1のズボン1は、図1(a)及び図1(b)に示したように、両脇の脇線LS,RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で見たときに、ウエスト方向に延びる帯状のウエストベルト部10が前中心FC及び後中心BC側から両脇LS、RS側に向かって上昇する曲線形状に形成されたものである。
そして、本実施の形態1において、この曲線形状のウエストベルト部10は、そのウエスト長を収容部12と延出部11に分割し、先端部11tを除いて前身頃4Fに縫合された延出部11と後身頃4Bに縫合された収容部12とを脇線LS,RS近傍の上部で重ね合わせ、即ち、脇線LS,RS近傍の上部で延出部11の先端部11t側を前身頃4Fに縫着することなく収容部12の端部に挿入し、更に、収容部12に対し延出部11が収容されている状態で収容部12の内部において収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eの接続部15によって弾性的に接続してなるものである。
このように本実施の形態1のズボン1において、曲線状に形成されたウエストベルト部10は、先端部11tを除いて前身頃4Fに縫合された延出部11と後身頃4Bに縫合された収容部12とを、脇線LS,RS近傍の上部で収容部12に対し延出部11の端部を挿入することで重ね合わせ、そして、収容部12に対し延出部11が収容されている状態で収容部12の内部において収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eによって弾性的に接続した構成であることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、平ゴム15Eの弾性力により、収容部12から延出部11を延出自在とする。
このとき、延出部11に接続している前身頃4F側には、脇ポケット部20を構成する袋布21が設けられ、その袋布21の向こう布21Bに所定幅で折重ねた襞状のタック部22を設けていることで、収容部12から延出部11が抜き出る移動に伴い、タック部22の所定の襞が展開される。即ち、ウエストベルト部10に引張り力が掛かったときに、収容部12から延出部11が抜き出るが、この延出部11の移動に伴って、タック部22の襞が開かれる(広げられる)ことになるから、脇ポケット部20を構成する袋布21にかかる引張り力がタック部22の開きによって逃される。よって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かったとき、延出部11は収容部12からスムースに延出する。
こうして、本実施の形態1のズボン1においては、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、平ゴム15Eの伸長によって収容部12から延出部11が引き出されて延出し、また、脇ポケット部20のタック部22が所定量展開され、ウエストベルト部10及びその付近のウエスト部Wが伸長する。そして、ウエスト周りを伸ばそうとする力が解除されると、平ゴム15Eが弾性力によって元の本来の長さに戻るから、再び延出部11が収容部12内に収容される方向に移動して元の状態に戻り、また、脇ポケット部20のタック部22も折畳まれて元の状態に戻る。
このようにして、本実施の形態のズボン1は、カーブしたウエストベルト部10及びその付近のウエスト部Wが伸縮自在である。
よって、本実施の形態のズボン1によれば、ウエストベルト部10のカーブによって、着用時に身体のウエストラインに沿ってフィットさせることができるうえ、カーブしているウエストベルト部10及びその周囲のウエスト部Wは平ゴム15Eの弾性力により伸縮自在であることで、身体の動きに追随できるから、ウエストベルト部10のカーブに伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消しながら、ウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
即ち、ウエストベルト部10がカーブしているから、着用者が着座、しゃがんだ際でも浮きが生じることなく、背中側のウエスト周りでウエストベルト部10がフィットして、下着が見え難いものとなるが、カーブしているウエストベルト部10及びその周囲のウエスト部Wが伸縮自在であるから、着用者が着座やしゃがむ際、また、立ちあがる際でも、その動きに追従して伸長または収縮するため、ウエスト周りに圧迫感、窮屈感を与えることがない。勿論、ウエストベルト部10がカーブしているうえ、伸縮自在な構成であるから、身体のウエスト周りの体型に常にフィットしている感覚や適度な締め付け感を与えることができる。また、ウエストベルト部10がカーブしていても、ウエストベルト部10及びその周囲を含むウエスト部Wが伸縮自在であるから、着脱も容易にできる。
特に、本実施の形態1のウエストベルト部10の伸縮自在構造は、ウエスト長を収容部12及び延出部11に分割し、後身頃4B側に接続した収容部12に対し前身頃4F側に接続した延出部11を両脇の脇線LS,RSの上部付近で挿入し、収容部12の内部で収容部12と延出部11の先端を平ゴム15Eで接続する構成であり、弾性材がズボン1の外観に露出しないから、見た目に伸縮するのが分かり難く、外観性に優れる。
更に、本実施の形態のズボン1によれば、ウエストベルト部10がカーブ形状であり、図1(a)及び図1(b)に示したように、両脇の脇線LS,RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で見たときに、身頃4F,4Bの上端とウエストベルト部10の上端及び下端が前中心FC及び後中心BCに向かって上昇する曲線ラインであるから、着用時に着用者のウエストラインに沿う。よって、着用したときに、ストレートのウエストベルトと比べ、脇線LS,RS側で身頃の上端4F,4Bとウエストベルト部10の下端で段差、角張りが少なくなり、ウエストベルト部10と身頃4の繋がりがスムーズですっきりとしたシルエットが得られ、ウエスト周りの見栄えがすっきりとした滑らかなシルエットを形成することができる。
よって、本実施の形態1のズボン1によれば、着用時の美感に優れるものである。
そして、本実施の形態1のズボン1によれば、収容部12の内部で収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eは、その長さ方向の一端部側を延出部11に縫付けたときの縫付線51が、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線である一方、反対側の他端部側を収容部12に縫付けたときの縫付線52が、平ゴム15Eの幅方向の下端から上端に向かい延出部11側に傾く斜めであり、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしている。
これより、平ゴム15Eの下方がその上方よりも長く伸びる分、平ゴム15Eの下方で上方よりもゴムの伸びによる張力を大きくできるから、即ち、ゴムが伸びたときに平ゴム15Eの上方にかかる張力を下方よりも小さくできるから、上方と下方の張力差を小さくしバランスさせることができる。つまり、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、平ゴム15Eの上方と下方の張力差によるゴムの降下量、変形量は小さく抑えることができる。
よって、平ゴム15Eは延出部側に下降し難い直線運動に近い伸びとなり、ゴムの延出部11側が下方に下がり難くなる。故に、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が引き出される際でも、カーブしている延出部11が下方へ下がり難いので、収容部12と延出部11の間に段差が生じ難く、見栄えのよいウエスト周りとなる。
即ち、本実施の形態1のズボン1によれば、平ゴム15Eの一端側を、先端11eに向かって上昇するカーブ形状の延出部11の先端部11t側に縫付け、平ゴム15Eの反対側の他端側を、端部12e側から後中心BC側に向かって上昇するカーブ形状の収容部12の内部に縫付けたときに、接続部15の下方から上方に向かってテンションが掛かりやすい縫着となっても、平ゴム15Eの伸縮自在な長さをその上端から下端に向かって長くした縫着によって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、平ゴム15Eがのびたときにゴムに掛かる張力を下方よりも上方で小さくできることで、平ゴム15Eが直線運動に近い伸びとなる。よって、カーブしている延出部11が下方へ下がり難く、収容部12と延出部11の間の段差が目立だたず見栄えのよいウエスト周りとなる。更に、平ゴム15Eの縫付位置の誤差による延出部11と収容部12の段差のバラつきも生じ難い。よって、平ゴム15Eの縫付位置に高い精度が要求されず、熟練者による縫製でなくとも一定の品質及び信頼性を確保できる。
ここで、上記実施の形態1においては、平ゴム15Eを延出部11に縫付けるときの縫付線51を、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線とする一方で、収容部12に縫付ける縫付線52を、平ゴム15Eの幅方向の下端から上端に向かい延出部11側に傾く斜めとしていることで、平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしている。
しかし、本発明を実施する場合には、平ゴム15Eを延出部11に縫付けるときの縫付線51を斜めとし、収容部12に縫付ける縫付線52を平ゴム15Eの幅方向に並行する直線として、平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしてもよい。また、縫付線51及び縫付線52の両者を斜めとして平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしてもよい。
更に、本実施の形態1のズボン1によれば、両脇線LS,RSに沿って設けた脇ポケット部20,201,202を構成する袋布21の向こう布21Bに所定幅で折畳んでなる襞状の所定長さのタック部22を形成し、タック部22の襞(折り返し部分)をその上方を除いて縫合線78にて縫合している。
したがって、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りの体型にフィットすることでウエスト周りの引き攣りが大きくなっても、襞状のタック部22に対して所定の範囲の一部でタック部22の襞が縫合されて閉じられていることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かりウエスト周りが伸びて脇ポケット部20,201,202の共布向こう布25が表出する面積が拡大したときでも、袋布21の遊び部分がポケット口23から吹き出したり、脇ポケット部20,201,202及びその周囲で皺寄りが生じたりするのが抑制され、脇ポケット部20,201,202の見栄えが維持される。
以上、説明してきたように、本実施の形態1に係るボトムスとしてのズボン1は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン1であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で弾性材としての平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15とを具備し、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続しているものである。
この本実施の形態1に係るズボン1によれば、ウエストベルト部10がカーブしているから、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上できる。しかも、カーブしたウエストベルト部10に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した接続部15の平ゴム15Eの伸びによって、収容部12から延出部11が延出することにより、ウエストベルト部10が伸長する。また、引張り力が解放されると、平ゴム15Eの弾性力によって、伸長したウエストベルト部10は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部10は、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した平ゴム15Eの弾性力によって伸縮自在である。
したがって、本実施の形態1に係るズボン1によれば、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した平ゴム15Eの弾性力によりカーブしたウエストベルト部10が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部10のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部10のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
特に、本実施の形態1に係るズボン1によれば、収容部12と延出部11の間を接続する接続部15の弾性材としての平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているから、延出部11と収容部12の間を接続したときに平ゴム15Eの上下でテンションの相違があったとしても、平ゴム15Eが伸びたときは平ゴム15Eの上方と下方で張力差がバランスされ、直線運動に近づく。よって、平ゴム15Eが伸びたときの張力の相違による平ゴム15Eの下がりを小さく抑えることができる。
即ち、カーブしているウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する収容部12及び延出部11は所定の曲線形状を有するから、それらの間で接続部15の平ゴム15Eによって収容部12及び延出部11を接続するとき、平ゴム15Eの下方よりも上方にテンションが掛かりやすい縫着となる。
ここで、ウエスト方向に引張り力が掛かった際に平ゴム15Eにおいて上方よりも下方にかかる張力が弱くなると、平ゴム15Eが伸びたときに平ゴム15Eの延出部11側が下に下がりやすくなる。即ち、収容部12から延出部11が引き出される際に延出部11が下方に下がりやすくなる。
しかし、平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしていることで、平ゴム15Eの下方が上方より長く伸びるから、平ゴム15Eの伸びによる張力を上方よりも下方で大きくできる。よって、平ゴム15Eが伸びたときには接続部15の上方と下方で張力差がバランスされ、直線運動に近づく。
これより、ウエストベルト部10に引っ張り力が掛かって収容部12から延出部11が引き出される際に延出部11が下方に下がるのを抑制することができ、収容部12と延出部11の間で段差が生じて見栄えが低下するのを防止できる。
こうして、本実施の形態1に係るズボン1によれば、ウエストベルト部10をカーブさせていても、ウエストベルト部10に掛かる引張り力により収容部12から延出部11が引き出される際に収容部12と延出部11の間の段差が目立たず、良好な見栄えを維持できる。
このとき、ウエストベルト部10の内部において収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eが、収容部12への縫付側から延出部11への縫付側に向かって斜めに上昇する配設であると、平ゴム15Eが伸びたときでも延出部11に縫付けた端部を収容部12の上端部側に近づけることができるから、ウエストベルト部10に引張り力が掛かって収容部12から延出部11が引き出される際でも、延出部11と収容部12の段差が全く気にならなくなり、見栄えにより優れたものとなる。
また、本実施の形態1に係るズボン1は、前身頃4F側であって両脇の脇線LS,RSに沿って取付けた脇ポケット部20,201,202を具備し、脇ポケット部20,201,202には、それを構成する袋布21の向こう布21Bにその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部22が形成され、タック部22の襞(折り返し部分)がその上方を除いて縫合線78にて縫合されているものである。
即ち、本実施の形態1に係るボトムスとしてのズボン1は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン1であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で並列させた平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15と、前身頃4F側であって両脇の脇線LS,RSに沿って取付けた脇ポケット部20,201,202とを具備し、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続していものであり、また、脇ポケット部20,201,202には、それを構成する袋布21の向こう布21Bにその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部22が形成され、タック部22の襞がその上方を除いて縫合されているものである。
したがって、本実施の形態1に係るズボン1によれば、タック部22の開きが制限され袋布21の生地の遊び、余裕が少なくなるから、ウエストベルト部10のカーブによる着用者のウエスト周りへのフィット性の向上によって、脇ポケット部20の袋布21に掛かる引き攣り量が増大しても、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21が吹き出す事態が防止され、見栄えや外観性を維持できる。
特に、上記実施の形態1及び変形例1に係る脇ポケット部20,201によれば、タック部22の襞は、袋布21の縦幅の中間部から上側の所定範囲が縫合されているから、タックが短い設計のズボン1であっても、ポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。即ち、例えば、婦人用のボトムスのように袋布21を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わないときにはその袋布21のタックの長さは比較的短いものとなるが、そのようなタックが比較的短いものでも、タック部22の上方を除いて、袋布21の縦幅の中間部から上側の所定範囲でタック部22の襞を縫合線78にて縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。
また、上記実施の形態1及び変形例1に係る脇ポケット部20,201によれば、タック部22の襞を縫合する縫合線78の始点(始端)78sは、袋布21の上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、縫合線78の終点(終端)78tは、始点78sから垂直方向に、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にある。即ち、タック部22の襞を縫合する縫合線78の始端78sは、袋布21の上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、そこから垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下、より好ましくは、4cm以上、5cm以下でタック部22の襞を中縫いによって縫合することで、タック部22の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部22の一部の襞の展開を制限することができる。よって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも袋布21の上方で引き攣りが生じることによる見栄えを損なうことがなく、ズボン1の外側でポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に防止できる。
更に、上記実施の形態1及び変形例1に係る脇ポケット部20,201によれば、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面側に表れない第1の折り目221から1cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内でタック部22の襞が縫合線78にて縫合されているから、タック部22の襞を縫合した部分でも所定の展開量を確保できることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、袋布21の引き攣り、特に、ポケット止まり75の周囲に生じやすい引き攣りを抑制して、見栄えを向上させることができる。
また、変形例2に係る脇ポケット部202によれば、袋布21の縦幅の中間部から下側でタック部22の襞が縫合されているから、タックが比較的長い設計のズボン1に好適であり、タックが比較的長いズボン1のポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。即ち、例えば、紳士用のボトムスのように、アイロン等のプレスによってタック部22の折り目をしっかり付したり、袋布21の皺とり、クセとりを行ったりして袋布21を落ち着かるものでは、その袋布21のタックの長さは比較的長いものとなるが、そのようなタックが比較的長いものでも、タック部22の上方を除いて、袋布21の縦幅の中間部から下側の所定範囲でタック部22の襞を縫合線78にて縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。
特に、変形例2に係る脇ポケット部202によれば、タック部22の襞を縫合する縫合線78の始点78sは、脇ポケット部202のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tから垂直方向に上に2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にあり、タック部22の襞を縫合する終点78tは、脇ポケット部20のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tまたはそれよりも下にある。
これより、タック部22の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部22の一部で襞の展開を制限できる。よって、ウエストベルト部10が伸びるときでも袋布21の上方の引き攣りを抑えて見栄えを損なうことなく、袋布21がズボン1の外側のポケット口23から吹き出すのを効果的に防止できる。
更に、変形例2に係る脇ポケット部202によれば、タック部22の襞は、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面側に表れる第2の折り目222から0.6cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.5cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.4cm以内で縫合線78にて縫合されている。よって、タック部22の襞を縫合した部分ではその襞が殆ど展開しないから、身頃4F,4B等の生地が薄いものでも、脇ポケット部202の皺寄りを効果的に抑え、見栄えを維持できる。
なお、本実施の形態1では、ウエストベルト部10の表側及び裏側を身頃4B,4Fと共地(綿生地、ウール生地等)とし、即ち、収容部12を構成する収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12B並びに延出部11を構成する延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bを身頃4B,4Fと共地とし、ウエストベルト部10の上端部で表側と裏側の生地を接ぐ構成としている。しかし、本発明を実施する場合には、ウエストベルト部10の表側と裏側を別生地で構成することも可能である。例えば、ウエストベルト部10の表側の生地は、身頃4B,4Fと共地とし、ウエストベルト部10部の裏側は、タックインしたシャツがズボン1から食み出るのを防止する滑り止め機能を持たせたポリエステル系、ナイロン系、レーヨン系、綿、スレーキ、リボンテープ、ラバー等からなる、所謂、マーベルト仕様とすることもできる。勿論、ウエストベルト部10の表側も身頃4F,4Bとは別生地で作製することも可能であるし、収容部12側と延出部11側で異なる生地を使用することも可能である。
そして、本発明を実施する場合には、ウエストベルト部10の裏側では、表側と同様に身頃4B,4Fと共生地とする場合であっても、また、表側の生地と別生地、例えば、マーベルトとする場合であっても、直線形状に形成されたものをウエストベルト部10の表側に縫着する際にいせ込んで(細かくダブらせて)縫付けることによって、ウエストベルト部10の表側を形成する収容部表ベルト12F及び延出部表ベルト11Fの曲線形状に対応させてもよい。
ここで、上記実施の形態1の変形例3に係るズボン100について、図21乃至図26を参照して、説明する。
本変形例3においては、カーブしたウエストベルト部10の表側のみを収容部12から延出部11が延出自在な構成とし、カーブしたウエストベルト部10の裏側はウエスト方向に一体に連続して形成した腰裏ベルト部30で構成した点で上記ズボン1と相違する。その他の構成については、上記ズボン1と同様であるためここでは重複する詳細な説明を省略し、相違する点のみを説明する。
即ち、上記ズボン1においては、カーブしたウエストベルト部10の表側及び裏側のウエスト長を収容部12と延出部11に分割し、ウエストベルト部10の表側及び裏側が収容部12及びそれに挿入された延出部11によって形成されており、延出部11の前身頃4Fに縫着されない端部をウエストベルト部10の表面及び裏面の意匠面側から隠れるように収容部12内に入れることで、ウエストベルト部10の表側及び裏側で収容部12に対し延出部11が挿入された構成である。つまり、ウエストベルト部10の表側及び裏側から見て、収容部12に対し延出部11の端部11tが重ねられ収められており、収容部12と延出部11はウエスト周囲で一体に連続しておらず分離している構成である。そして、これら収容部12及び延出部11は、収容部12の内部で平ゴム15Eによって接続されている。
このような上記ズボン1においては、ウエストベルト部10の表側及び裏側に弾性材が露呈しないことで、見た目にも伸縮することが分かりづらいものとなっている。一方で、ウエストベルト部10の表側で収容部12に対し延出部11が収められるその収容部12の開口端12eはベルト通し5を使用すればそれによって収容部12から延出部11が延出する部分を隠すことができるが、ウエストベルト部10の裏側では収容部12の開口端12eが露呈することになるから、興味本位でその開口から内部構造を引き出して平ゴム15Eによる伸縮機構を壊してしまう恐れがある。
これに対し、本変形例3に係るズボン100では、カーブしたウエストベルト部10の表側のみが、そのウエスト長を収容部12と延出部11に分割されて収容部12及びそれに挿入された延出部11によって形成されており、延出部11の前身頃4Fに縫着されない先端部11tをウエストベルト部10の表面の意匠面側から隠れるように収容部12に重ね入れることで、ウエストベルト部10の表側のみで収容部12に対し延出部11が挿入された構成である。
つまり、ウエストベルト部10の表側のみ収容部12に対し延出部11の端部が重ねられ収められており、収容部12と延出部11はウエスト周囲で一体に連続しておらず分離している構成である。そして、延出部11の先端部11tが収められた収容部12の内面側において、延出部11と収容部12の内面側とが弾性材としての平ゴム15Eによって弾性的に接続されている。
一方、ウエストベルト部10の裏側は、収容部12に縫着した収容部側裏ベルト32と延出部11に縫着した延出部側裏ベルト31との間を平ゴム33で接続してなる腰裏ベルト部30で形成され、ウエスト周囲で一体に連続した構成である。
即ち、本変形例3では、カーブしたウエストベルト部10の裏側は、ウエスト周囲で分離しておらず一体に連続している構成であり、ウエストベルト部10の表側を形成している収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と、ウエストベルト部10の表側を形成している延出部11にその先端部11t側を除いて縫合した延出部側裏ベルト31と、延出部側裏ベルト31及び収容部側裏ベルト32の間を接続した平ゴム33からなる腰裏ベルト部30で形成されている。
このように、本変形例3では、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部10の裏側をウエスト方向に一体に連続した腰裏ベルト部30で構成し、収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と延出部11の長さ方向の一部に縫合した延出部側裏ベルト31と間を平ゴム33によって弾性的に接続することで、平ゴム33の弾性力により腰裏ベルト部30を伸縮自在とする。
したがって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、収容部12と延出部11の間を弾性的に接続する接続部15の平ゴム15Eの伸長によって、ウエストベルト部10の表側では収容部12から延出部11が引き出されて延出すると共に、平ゴム33の伸長によって、ウエストベルト部10の裏側では腰裏ベルト部30が伸長する。そして、ウエスト周りを伸ばそうとする力が解除されると、ウエストベルト部10の内部の平ゴム15E及び腰裏ベルト部30の平ゴム33の弾性力によって元の本来の長さに戻るから、ウエストベルト部10の表側では、再び延出部11が収容部12内に収容される方向に移動し元の状態に戻り、また、ウエストベルト部10の裏側の腰裏ベルト部30も元の本来の長さ状態に戻る。このようにして、本変形例3においても、ウエストベルト部10を伸縮自在としている。
ここで、本変形例3においては、ズボン100の表側(外面側)を形成する延出部11及び収容部12と、ズボン100の裏側を形成する腰裏ベルト部30の延出部側裏ベルト31
及び収容部側裏ベルト32は、前身頃4F及び後身頃4Bと共地(例えば、綿生地、ウール生地等)である。そして、図22及び図23で示すように、表側の収容部12とそれに対応した裏側の収容部側裏ベルト32の両者は、ウエストベルト部10の上端側で縫合線62Aにて接続し、表側の延出部11とそれに対応した裏側の延出部側裏ベルト31の両者は、ウエストベルト部10の上端側で縫合線61Aにて接続する構成である。
詳しくは、ウエストベルト部10の表側を構成する収容部12とそれに対応するウエストベルト部10の裏側を構成する収容部側裏ベルト32は、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の収容部12及び収容部側裏ベルト32の布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目の近傍で収容部12及び収容部側裏ベルト32の両者が縫合線62Aにて縫合わされている(図22及び図23参照)。また、収容部12の下側は、その折り返した下端部の折り目の近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Cにて縫合わされ、収容部12に対応する収容部側裏ベルト32の下側もその折り返した下端部の折り目の近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Bにて縫合わされている(図22及び図23参照)。収容部側裏ベルト32の下端は、必要に応じ、パイピング処理等による補強を行ってもよい。
なお、本変形例3においても、上記ズボン1と同様、収容部12や収容部側裏ベルト32の布地の内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等によって貼付けられる。
そして、本変形例3においても、収容部12の布地のそれぞれに対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブ状のハード芯HCの形状に沿って収容部12の布地の上下端部を内折りすることで、ウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定されている。一方、延出部側裏ベルト31の裏側にはソフト芯SCが貼付けられ、それらの上下端部を内折りすることでウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定され延出部11のカーブに対応させている。そして、収容部12及び収容部側裏ベルト32の両者は、それらの上方で縫合線62Aにて接がれ、また、下方で後身頃4Bと縫合され、これら収容部12及び収容部側裏ベルト32は、帯状のウエストベルト部10の曲線形状を形成している。
また、ウエストベルト部10の表側を構成する延出部11及びそれに対応するウエストベルト部10の裏側の延出部側裏ベルト31についても、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の延出部11及び延出部側裏ベルト31の布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目の近傍で延出部11及び延出部側裏ベルト31の両者が縫合線61Aにて縫合わされている(図23及び図24参照)。このとき、延出部11に縫合する延出部側裏ベルト31は、延出部11の先端部11t側を除く延出部11の一部に取付けられている。延出部11の下側は、収容部12に挿入される先端部11t側を除いて、袋布21と共に、前身頃4Fに縫合線61Cにて縫合わされている。また、延出部側裏ベルト31Bの下側も、袋布21の向こう布21B(正確には前側布地21BF)と共に前身頃4Fに縫合線61Bにて縫合わされている(図23及び図24参照)。そして、本変形例3においても、上記のズボン1と同様に、収容部12内に収容される延出部11の先端部11tは、前身頃4Fの上端部と縫合わされず自由な状態になっている。これより、収容部12に入れられた延出部11の先端部11tは収容部12から延出自在、つまり、ウエスト方向に相対移動自在とされる。
なお、延出部11や延出部側裏ベルト31も、収容部12及び収容部側裏ベルト32と同様、それらの内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等で貼付けられる。
そして、本変形例3においても、延出部11の布地に対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブ状のハード芯HCに沿って延出部11の布地の上下端部を内折りすることで、収容部12に挿入される先端部11tを除いてウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定されている。また、延出部11の収容部12に挿入される先端部11tでは、先端に向かって徐々に幅が細く設定されている。一方、延出部側裏ベルト31の裏側にはソフト芯SCが貼付けられ、それらの上下端部を内折りすることによりウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定され、延出部11のカーブに対応させている。そして、延出部11及び延出部側裏ベルト31の両者はそれらの上方で縫合線61Aにて接がれ、また、下方で前身頃4Fと縫合され、延出部11及び延出部側裏ベルト31も帯状のウエストベルト部10の曲線形状を形成している。
なお、本変形例3の収容部12及び延出部11は、機能的には上記ズボン1の収容部12及び延出部11と同様であるが、その構成は、上記ズボン1の収容部12を形成する収容部表ベルト12F及び延出部11を形成する延出部表ベルト11Fに相当する。
更に、本変形例3においては、延出部11に縫合線61Aにて縫合した延出部側裏ベルト31の端部と収容部12に縫合線62Aにて縫合した収容部側裏ベルト32の端部の間が1本の平ゴム33で接続されている。この平ゴム33は、その一端部側が縫付線362にて収容部側裏ベルト32の端部に縫付けられ、反対側の他端部側が縫付線361にて延出部側裏ベルト31に縫付けられている。平ゴム33をその両端部側で縫付けるときの縫付線361,362は、縫付け強度を確保できれば1本であってもよいし、2本以上としてもよい。
このとき、本変形例3において、収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31の間を接続する平ゴム33は、延出部11の先端部11t側が重ねられている収容部12の一端の端12eから前中心FC側に向かう延出部11側に位置するが、その部分では延出部11に縫着されていない。これにより、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際には、平ゴム33による所定の伸びを確保し、腰裏ベルト部30がスムースに伸びるようにしている。なお、平ゴム33による収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の端の間の接続長さ(縫付線361及び縫付線362間の伸縮自在な長さ)は、平ゴム33の弾性力にもよるが、平ゴム33の未伸縮状態で、例えば、3.5cm〜6cm程度、好ましくは、4cm〜5cm程度に設定される。また、平ゴム33の縦幅は、例えば、3cm〜5cm程度である。
ここで、このように平ゴム33は延出部11に縫着されていないため、ウエストベルト部10の上方で平ゴム33と延出部11の間から、延出部11の内面側、例えば、延出部11の上下で内折りした布地の裁ち切り線やハード芯HCといった内部構造が見えると商品イメージを低下させる恐れがある(図24(a)参照)。そこで、図23及び図24に示すように、本変形例3においては、平ゴム33の配設位置に対応する延出部11の内面側に、図25に示すように、略長方形の裏地11Cを縫付けるのが好ましい。
例えば、図24(b)や図24(c)に示すように、裏地11Cの上端は、延出部11の内面においてその内折りした上部の外面側に縫付けられ、裏地11Cの下端は、延出部11の内面においてその内折りした下部の外面側(図24(b))または内面側(図24(c))に縫付けられる。このとき、裏地11Cの長さは、延出部11の先端から前中心FC側に向かって平ゴム33の配設位置に対応する部分まであってもよいし、収容部12の開口近傍の平ゴム33の配設位置に対応する部分のみであってもよい。何れにせよ、平ゴム33と延出部11の隙間から見える延出部11の内面には、裏地11Cが見えるようにすればよい。
このように延出部11の内面において平ゴム33の配設位置に対応する箇所に裏地11Cを取付けることにより、平ゴム33と延出部11の間から延出部11の内面が見えても、裏地11Cが見えるだけであるから、商品イメージが低下しない。また、着用者が延出部11の内部構造に興味を抱いて延出部11を引き出すことで伸縮自在構造を壊してしまう事態を防止することもできる。
このように延出部11の内面に設ける裏地11Cとしては、特に、伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系の生地、ナイロン系の生地、スレーキ生地、リボンテープ等の生地であれば、接触抵抗が少なく、収容部12に対する延出部11の摺動性を向上させ、収容部12と延出部11の滑らかな動きを得ることができる。しかし、見栄えを維持するものとしては、その他の布地、芯地等であってもよい。
こうして、本変形例3のズボン100は、ウエストベルト部10の表側が互いに端部側を重ねた収容部12及び延出部11からなる構成とし、その間を所定の伸縮自在な長さ及び太さの平ゴム15Eで弾性的に接続することで、収容部12から延出部11を延出自在とする伸縮自在構造である。一方、ウエストベルト部10の裏側は、収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と、延出部11の一部に縫合した延出部側裏ベルト31との間を平ゴム33で弾性的に接続することで、平ゴム33の弾性力によりウエストベルト部10の裏側を形成する腰裏ベルト部30を伸縮自在とする構造である。
このような本変形例3のズボン100によれば、ウエストベルト部10の裏側が延出部11に縫合した延出部側裏ベルト31と、収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と、それらの間を接続する平ゴム33とからなり、ウエスト方向で連続して一体に形成された腰裏ベルト部30で構成されているから、ウエストベルト部10の裏側では収容部12の開口端12eが露出して目立つことがないので、興味本位で収容部12の開口側から内部構造を引き出して壊してしまう事態を防止できる。そして、ウエストベルト部10の表側では、収容部12に対し延出部11が収められるその収容部12の開口端12eはベルト通し5を使用すればそれによって収容部12から延出部11が延出する部分を隠すこともできる。
更に、本変形例3のズボン100によれば、収容部12及び延出部11を接続する平ゴム15Eに加え、ウエストベルト部10の裏側を構成する腰裏ベルト部30にも収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31の間を接続する平ゴム33が用いられていることから、弾性力を強化でき、ウエストベルト部10をより伸ばすことも可能であり、また、少ない外力で高い伸縮力を得ることができる。よって、平ゴム15Eの耐久性の向上を可能とする。
なお、その他の構成については、上記ズボン1と同様であり、本変形例3に係るズボン100においても、上記ズボン1と同様の作用効果が得られる。
ここで、更に、腰裏ベルト部30の変形例について、図25及び図26を参照して、説明する。
変形例4に係る腰裏ベルト部30は、収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31を接続する弾性材として2本の平ゴムを用い、互いに一部の厚みを重複させて上下に配置した点で上記変形例3と相違する。その他の構造については、上記変形例3に係る腰裏ベルト部30と同様であるためここでは重複する詳細な説明を省略する。
即ち、上記変形例3に係る腰裏ベルト部30は、収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の間を弾性的に接続している平ゴム33は、1本の帯ゴムとしているが、本変形例4に係る腰裏ベルト部30においては、図25及び図26に示すように、互いに一部の厚みを重複させて上下に配設した平ゴムからなる上方側の上位ゴム33A及び下方側の下位ゴム33Bによって収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の間を接続する構成である。本変形例4では、収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の間を2本の上位ゴム33A及び下位ゴム33Bで接続することによって、それら上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力により、腰裏ベルト部30を伸縮自在としている。
この変形例4においては、別体である上位ゴム33A及び下位ゴム33Bがそれらの一部を重ねて上下方向(ウエスト周方向に対して直角方向)に配設され、上側の上位ゴム33Aとその下側に位置する下位ゴム33Bの各両端部が収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31に縫付けられている。このとき、収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31の間に縫着されている上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの両者は、収容部側裏ベルト32の一端及び延出部側裏ベルト31の一端の間で縫合されることなく分離した状態にある。
なお、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの厚みの重複部分は、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bが重なった状態での上下端間の長さ距離である縦幅全長の1/10以上、8/10以下の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、2/10以上、5/10以下、更に好ましくは、3/10以上、5/10以下である。ここで、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの厚みの重複領域が大きいと、伸び力が高くなり、人体の動きに対するフィット性の向上が可能となる。しかし、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの厚みの重複領域が大き過ぎると、着用時の重厚感が増して着心地が低下したり、弾性力が強くなり過ぎてウエストの締め付け力が大きくなり窮屈感が増大したりする。
そこで、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの厚みが重なる重複領域の縦幅長さが、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bが重なり合った状態での上下端間の長さ距離である縦幅全長に対して、1/10以上、8/10以下の範囲内であれば、より好ましくは2/10以上、5/10以下の範囲内、更に好ましくは3/10以上、5/10以下の範囲内であれば、締め付け力、窮屈感が強調されることなく、フィット感の増大を可能とする。
また、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの各縦幅長さ(本来の長さ)は、厚みを重複させた状態での上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの縦幅の全長の5/10以上、8/10以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、6/10以上、8/10以下の範囲内である。上記範囲内あれば、重なりによる重厚感も少なくて、より少ない力で伸び易くてフィット性が良く、締め付け感、窮屈感もより少ないものとなる。
なお、互いに一部を重ねて上下に配設する上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの縦幅の全長は、ウエストベルト部10表側の収容部12及び延出部11に縫付けた延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32の縦幅の全長と比較して2cm以内の差(増減)はあるも、通常、同程度に設定され、例えば、3.5cm〜5cm程度に設定される。
そして、上位ゴム33Aの上端と延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32の上端との高さ位置の差が大きいと、ウエストベルト部10の裏側において上位ゴム33Aの上側で延出部11の露出量が増えるために、延出部11等の内部構造や縫製の仕方に興味を持って伸縮機構を無理に引き出して壊してしまったり、延出部11等の縫製を壊してしまったりする恐れがある。また、上位ゴム33Aの上端が低位置にあると、見栄えの確保等のために、上位ゴム33Aが縫付けられている延出部側裏ベルト31の一端側の上端部や収容部側裏ベルト32の一端側の上端部の縫い代の浮きを抑えるべくそこを延出部側裏ベルト31の内面に縫付ける必要がある。しかし、上位ゴム33Aの上端を延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32の上端の高さと一致させて連続的であると、或いは、2cm以内の差であれば、上記事態を防止でき、縫製工程もより簡単で済む。
ここで、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの前後(表裏)方向の配置関係は、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)から見て、図25及び図26に示したように、下位ゴム33Bの前方(手前側)に上位ゴム33Aが配設され両者の一部が重ねられても良いし、下位ゴム33Bの後方に上位ゴム33Aが配設され両者の一部が重ねられても良い。
即ち、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの関係は、上位ゴム33Aの下方に下位ゴム33Bの上方が重ねられ互いに一部を重ね合わせて厚みを重複させていれば、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)から見たときに、上位ゴム33Aの下方の手前側(上側)に下位ゴム33Bの上方を重ねてもよいし、図25及び図26に示したように、上位ゴム33Aの下方の後ろ側(下側)に下位ゴム33Bの上方を重ねてもよい。
そして、例えば、図25及び図26に示したように、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)から見て、下位ゴム33Bよりも上位ゴム33Aが手前にあり、上位ゴム33Aの下端縁が下位ゴム33Bよりも手前に位置するものでは、タックインしたシャツのずれ上がりを防止する滑り止め機能を持たせたることもできる。
また、変形例4において、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bは、共に、そのウエスト方向の一端部側が収容部側裏ベルト32の端部に縫付けられ、反対側の他端部側が延出部側裏ベルト31に縫付けられるが、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bは、伸縮自在な長さを同一としていてもよいし、伸縮自在な長さを相違させてもよい。上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31間の接続長さ、即ち、伸縮自在な長さを同一とする場合には、両者を所定に重複させた状態でまとめて延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32に縫製することから、縫製に不慣れな作業者でも縫製が分かりやすく、作業効率を向上できる。一方で、下位ゴム33Bと上位ゴム33Aとで伸縮自在な長さを相違させていると、引張り力がかかった際に、下位ゴム33Bと上位ゴム33Aにかかる負荷が分散されるから、下位ゴム33Bと上位ゴム33Aを長持ちさせることができる。また、延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32への下位ゴム33Bと上位ゴム33Aの縫製の縫い目にかかる負荷等も分散されるから、それら縫い目の解れも生じ難く、生地も傷め難い。
例えば、図25及び図26に示すように、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)、つまり、ズボンの腰裏側からみて、上方側の上位ゴム33Aを手前とし、下位ゴム33Bを上位ゴム33Aの後方に配設したとき、その上位ゴム33Aは、収容部側裏ベルト32の端部に縫付線362Aにて縫付け、また、延出部側裏ベルト31の端部に縫付線361Aにて縫付ける一方で、下位ゴム33Aは、縫付線362Aよりも収容部側裏ベルト32の端部側から離れた位置で縫付線362Bにて縫付け、また、縫付線361Aよりも延出部側裏ベルト31の端部側から離れた位置で縫付線361Bにて縫付ける。これにより、上位ゴム33Aよりも下位ゴム33Bの伸縮自在な長さ(接続長さ)を長くして、伸びによる変化を相違させることで、負荷を分散させゴム等を長持ちさせることができる。特に、このように上位ゴム33Aよりも下位ゴム33Bの伸縮自在な長さ(接続長さ)を長くすることで、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの全体縦幅を短くしなくとも、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、上位ゴム33Aが上方に凸に湾曲して、ズボン100の表側で延出部11の上に上位ゴム33Aが突出して露呈するのを防止し、見栄えを維持できる。勿論、本発明を実施する場合は、上位ゴム側33Aで伸縮自在な長さを長くすることも可能である。
このような変形例4に係る腰裏ベルト部30においては、別体に形成された上位ゴム33Aと下位ゴム33Bをそれらの一部で重ねて上下方向に配設して延出部側裏ベルト31と収容部側裏ベルト32の間を接続し、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bが延出部側裏ベルト31及び収容部側裏ベルト32の間で一体化されずに分離している構成であるため、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際に上位ゴム33Aと下位ゴム33Bにかかる負荷が分散される。よって、長期間の着用でもゴムの弾性力が低下し難く、腰裏ベルト部30の伸縮性、弾力性が低下しにくい。
そして、変形例4に係る腰裏ベルト部30においては上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの厚みの重複により弾性力を高くできるから、伸び量を向上できる。このとき、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bはそれぞれの一部分が重なっており、しかも、延出部側裏ベルト31と収容部側裏ベルト32の間で上位ゴム33Aと下位ゴム33Bが結合されていないと互いに動きが拘束され難いことから、伸ばす外力も少なくて済む。よって、強力な締め付け感、窮屈感を増大させることなく、弾性力を向上させることができる。そして、少ない外力で高い伸縮力が得られヤング率を小さくできるから弾性力も低下し難く、耐久性が維持される。即ち、このような相互に一部を重ねて上下に配設した上位ゴム33A及び下方側の下位ゴム33Bによれば、強力な締め付け感、窮屈感を生じさせることなく弾性力を強化でき、少ない外力で高い伸縮力を得ることができる。よって、ヤング率の高い弾性材を選択しなくとも少ない外力で伸び易く、ヤング率を小さくできるから耐久性も維持される。故に、耐久性を確保しつつ、強力な締め付け感、窮屈感を生じさせることなく少ない外力でも容易に伸縮して人体のウエストの動きに追従する滑らかな伸縮によりフィット性を高めることができる。
こうして、変形例4に係る腰裏ベルト部30によれば、厚みを重複させた上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの並列構造によって、着用時の締め付け感、窮屈感の低減を可能とする。よって、ウエストベルト部10のカーブ形状に伴う締め付け感、圧迫感の増大を大きく抑えることができる。
特に、互いに一部の厚みを重複させて上下に配設した上位ゴム33Aと下位ゴム33Bは、それら厚みを重複させた状態での縦幅の全長の10%以上、80%以下の範囲内で厚みを重複させていると、締め付け力、窮屈感が強調されることなく、より人体のウエストの動きに追従するフィット感が得られる。
また、上位ゴム33Aと下位ゴ32の各縦幅長さは、互いに厚みを重複させているときの上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの縦幅の全長の50%以上、80%以下の範囲内であると、重厚感も少なくて、より少ない力で伸び易くてフィット性が良く、締め付け感、窮屈感もより少なくなる。
更に、本発明を実施する場合には、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの間に1対のドット釦、1対のホック、釦とループ、1対の接着布、1対のファスナー等の結合具を取付け、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bを分離及び結合自在とする構成としてもよい。これにより、結合具によって、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの伸びを制限できるから、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの伸びを好みで調節でき、着用しながらウエストの締め付け強さを調節できる。よって、着用者の好み、体形、ウエストの動き等に応じてウエストのフィット感、着用感を調節できる。
以上、説明してきたように、本変形例3,4に係るボトムスとしてのズボン100は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン100であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で弾性材としての平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15と、ウエスト方向に一体に連続してウエストベルト部10の裏側を形成し、収容部12の裏側に縫付けた収容部側裏ベルト31と延出部11の裏側に縫付けた延出部側裏ベルト31の間を平ゴム15Eとは異なる他の弾性材としての平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bによって弾性的に接続してなり、平ゴム15Eとは別の他の弾性材としての平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bによって伸縮自在な腰裏ベルト部30を具備し、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続しているものである。
この本変形例3,4に係るズボン100においても、ウエストベルト部10がカーブしているから、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上できる。しかも、カーブしたウエストベルト部10に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した接続部15の弾性材の平ゴム15Eの伸びによって、収容部12から延出部11が延出すると共に、腰裏ベルト部30の弾性材としての平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの伸びによって腰裏ベルト部30が伸びることにより、ウエストベルト部10が伸長する。また、引張り力が解放されると、平ゴム15Eの弾性力、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力によって、伸長したウエストベルト部10は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部10は、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した平ゴム15Eの弾性力、並びに、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力によって伸縮自在である。
更に、本変形例3,4に係るズボン100においても、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上できるうえ、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した弾性材の平ゴム15Eの弾性力により、また、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力により、カーブしたウエストベルト部10が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部10のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部10のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
また、本変形例3,4に係るズボン100によれば、ウエストベルト部10の表側を形成する延出部11の内面側には、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bに対応する位置で、延出部11の上部に裏地11Cの上端が縫付けによって取付けられ、延出部11の下部に裏地11Cの下端が縫付けによって取付けられている。よって、延出部11と腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33Aとの間から延出部11の内面が見えても裏地11Cが見えるだけであるから、商品イメージの低下を防止できる。そして、本変形例3,4に係るズボン100では、ウエストベルト部10の裏側においてウエスト方向の一部に平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bを配設するものであるから、低コストで済み、また、伸縮に伴う弛みも少なくて見栄えも良い。
なお、その他の構成については、上記ズボン1と同様であり、本変形例3,4に係るズボン100においても、上記ズボン1と同様の作用効果が得られる。
[実施の形態2]
次に、本実施の形態2に係るズボン200について、図9を参照して、説明する。
本実施の形態2において、カーブしたウエストベルト部10の収容部12及び延出部11の間を接続する弾性材としての平ゴム15Eは、その幅方向で伸縮自在な長さを変化させずに一定とし、収容部12の内部に対し、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付け、延出部11側に縫付けた一端部側よりも、収容部12側に縫付けた他端部側の方を低位置とした点で上記実施の形態1と相違する。その他の構造については、上記実施の形態1と同様であるためここでは重複する詳細な説明を省略する。
上記実施の形態1において、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続しているものであるのに対し、本実施の形態2においては、図9(a)に示すように、収容部12及び延出部11の間を接続する平ゴム15Eは、収容部12の内部に対し、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付線52にて縫付け、延出部11側に縫付線51にて縫付けた一端部側よりも、収容部12側に縫付けた他端部側の方を低位置としている。
なお、本実施の形態2では、図9(a)に示したように、延出部11と収容部12間を接続する平ゴム15Eにおいて、その長さ方向の一端部側を延出部11に縫付けるときの縫付線51及び反対側の他端部側を収容部12に縫付けるときの縫付線52は、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線状とし、互いに平行しており、平ゴム15Eは、その幅方向で伸縮自在な長さを変化させずに一定としている。
そして、本実施の形態2では、このように、収容部表ベルト12Fの幅方向の下端寄りで平ゴム15Eを縫付線52にて縫付けていることによって、平ゴム15Eは、収容部12側に縫付ける他端部側が延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置で、収容部12の内面に縫付けた一方の端部側から延出部11に縫付けた反対の端部側に向かって斜めに上昇する挿入状態となっている。よって、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部は、収容部12の上端に近づく配置となる。これにより、ウエストベルト部0に引張り力が掛かり平ゴム15Eが伸びたときでも、平ゴム15Eの延出部11側は収容部11の上端に近い高い位置にできるから、収容部12から延出部11が引き出されても延出部11と収容部12の段差は小さく、見栄えを維持できる。
こうして、本実施の形態2に係るボトムスとしてのズボン200は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン1であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で弾性材としての平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15とを具備し、接続部15の平ゴム15Eは、収容部12の内部に対し、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付け、延出部11側に縫付けた端部側よりも、収容部12側に縫付けた端部側の方を低位置としたものである。
このように、収容部表ベルト12Fの幅方向の下端寄りで平ゴム15Eを縫付線52にて縫付け、平ゴム15Eの収容部12側に縫付けた他端部側を延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置とすることによっても、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が延びたときの延出部11と収容部12の段差を気にならなくすることができる。
即ち、本実施の形態2に係るズボン200によれば、平ゴム15Eの収容部12側に接続する一方の端部側は、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付けて、延出部11側に縫付けた他方の端部側よりも収容部12側に縫付けた一端部側の方を低位置としたから、平ゴム15Eは、収容部12の内面に縫付けた一端部側から延出部11に縫付けた反対側の他端部側に向かって斜めに上昇する縫付け状態とされる。よって、平ゴム15Eの延出部11側の端部は、収容部12の上端に近い位置となる。これにより、ウエストベルト部10に引っ張り力が掛かり平ゴム15Eが伸びたときでも、平ゴム15Eの延出部11側は収容部12の上端に近くできるから、延出部11と収容部12の段差が殆ど気にならず、見栄えを維持できる。
その他の構成については、上記実施の形態1とほぼ同一であるから、上記実施の形態1と同様の作用効果が得られる。なお、本実施の形態2においても、上記実施の形態1の変形例3と同様、ウエストベルト部10の裏側を腰裏ベルト部30で形成してもよい。
なお、上記実施の形態のズボン1,100,200は、例えば、スーツ、スラックス等のカジュアルでないボトムス、チノパン等の綿パンやジーンズ(Gパン)等のカジュアルなボトムス、スポーツウエアのボトムス等に適用されるものであるが、ボトムスとしてはズボンに限られるものではなく、スカートやキュロットスカート等にも適用できる。また、収容部12及び延出部11を重ね合わせ、収容部12の内側でそれらの間を平ゴム15Eによって接続することで、ウエストベルト部10の表側に弾性材が露出しないから、見栄えを損なうことなく人体のウエストの動きに追従するフィット性を高めることができる。よって、ゴルフ等の運動(スポーツ)時に着用するゴルフスラックス等のトレーニングウエア、スポーツウエアにも好適であり、高いフィット性により激しい動きにも追従し、高い着用感を得ることができる。
また、上記実施の形態1,2では、左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所に収容部12及び延出部11を重ね合わせた重ね合わせ部13を有し、それに対応して平ゴム15Eを左右の2箇所に配設したズボン1,100,200で説明した。加えて、上記変形例3では、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bを収容部12の開口側の近傍である左右の2箇所に配設したズボン100で説明した。しかし、本発明を実施する場合には、収容部12及び延出部11の重ね合わせ部13を1箇所以上とし、また、それに対応する平ゴム15Eや、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bも1箇所以上であればよい。
更に、上記実施の形態1,2では、ウエストベルト部10の構成について、前身頃4F側に延出部11を設け、後身頃4B側に収容部12を設ける構成としたが、本発明を実施する場合には、前身頃4F側に収容部12を設け、後身頃4B側に延出部11を設ける構成としてもよい。
加えて、上記実施の形態1,2のズボン1,100,200では、ウエストベルト部10の動きに追従して身頃4F、4Bに皺が生じないようするために、両脇の脇線LS,RSに沿って脇ポケット部20,201,202を設け、この脇ポケット部20,201,202は、そのポケット口23のポケット口外縁76が、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾く直線状としている。
しかし、脇ポケット部20,201,202の形状としては、外縁が略L字型形状のLポケット、その変形で外縁が略S字型形状のSポケット等を始めとしてどのような外縁形状を有するものでも良い。外縁が略L字型形状を有するLポケットの形状としては、例えば、角張ったL字形状の外縁を有するLポケット、縦方向に長い角張ったL字形状の外縁を有するLポケット等が挙げられる。
特に、ポケット口外縁が略L字型形状のLポケットは、骨盤が大きい女性でも、着用したときにポケット口が変形し難く、また、ポケット口の周辺に皺等が生難く、見栄えを良くすることができるため、例えば、女性用スラックス等の婦人用パンツのポケットとして好ましい。
更に、脇ポケット部のポケット口は、複数設ける構成としても良い。例えば、図27及び図28に示すように、脇線LS,RSに沿ってまたは脇線LS,RSの近傍で前中心FC寄りに略直線状のポケット口外縁76Sを有する小ポケットの脇中間ポケット部203S(例えば、ポケット口23Sの縦幅長さが3cm以上、15cm以下の範囲内)を設け、更に、その小ポケットよりも前中心FC寄りで小ポケットよりも容量が大きなL字形状のポケット口外縁76Lを有する大ポケット部203Lを設ける構成とすることができる。
図27及び図28に示した脇ポケット部203は、L字形状のポケット口外縁76Lを有する大ポケット部203Lとそれよりも容量が小さく直線状のポケット口外縁76Sを有する小ポケット部である脇中間ポケット部203Sとから構成され、図28に示すように、ズボンの裏側から見て、大ポケット部203Lを構成する袋布21Lの手前側に脇中間ポケット部203Sを構成する袋布21Sが重ねられているものである。
このように大ポケット部203L及び小ポケットの脇中間ポケット部203Sからなる脇ポケット部203においては、脇中間ポケット部203Sを構成する袋布21Sの向こう布21B側に、上記実施の形態1,2のときと同様に上端から下方に向かって延びるタック部22が形成される。そして、この脇中間ポケット部203Sのタック部22において、上記実施の形態1、変形例1、変形例2のときと同様に、上方を除く一部のタック部22の襞(折り返し部分)を縫合線78にて縫合することによって、その縫合した部分ではタック部22の展開が制限されることで、ポケット口23S,23Lからの袋布21S,21Lの吹き出しを抑えることができる。このときのタック部22の襞の縫合線78による縫合の位置は、上記実施の形態1、変形例1、変形例2と同様に、例えば、図28においては、少なくとも、脇中間ポケット部203Sのポケット口23Sの下端であるポケット止まり75Sの高さに対応する位置から上に、2cm〜5cmの範囲内、好ましくは、3cm〜4cmの範囲内を縫合線78にて縫合している。そして、タック部22Sの縫合線78の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に、7cm以上、10cm以下、好ましくは、8cm以上、9cm以下の範囲内に位置させるのが好ましい。これにより、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも袋布21Sの上方の引き攣りが防止され、見栄えを維持できる。
このように、L字形状のポケット口外縁76Lを有する大ポケット部203Lとそれよりも容量が小さく直線状のポケット口外縁76Sを有する小ポケットである脇中間ポケット部203Sとからなる脇ポケット部203においては、脇中間ポケット部203Sを構成する袋布21Sにタック部22を形成することによって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、折畳まれたタック部22の展開によりウエスト部Wのスムースな伸びを確保することができる。特に、このように脇線LS,RSに沿ってまたは脇線LS,RSの近傍で前中心FC寄りに直線状のポケット口外縁76Sを有する脇中間ポケット部203S(例えば、ポケット口の縦幅長さが3cm以上、15cm以下の範囲内)を設けると、骨盤が大きい女性でも、着用したときにポケット口が変形し難くなる。一方で、大ポケット部203Lと脇中間ポケット部203Sを設けた脇ポケット部203においては、大ポケット部203Lの袋布21Lと脇中間ポケット203Sの袋布21Sの布地が重なり合い生地量も増すから、着用者の身体に対するズボンのフィット性が高いと、L字形状外縁のポケット口23S,23Lから袋布21L,21Sの布地が吹き出したり、脇ポケット部203に皺等が生じたりし、見栄えを損なう恐れがある。しかし、上方を除いてタック部22の襞の一部を縫合線78にて縫合し、タック部22の襞の開きを制限して生地の遊びを少なくすることで、着用者に対しズボン1のフィット性が高いときでも、L字形状外縁のポケット口23S,23Lから袋布21L,21Sが吹き出したり脇ポケット部20に皺等が生じたりし難くなり、見栄えを維持することが可能である。
なお、脇ポケット部は、片玉縁のポケット口を有する片玉縁のポケット、両玉縁のポケット口を有する両玉縁のポケット、フラップ付きのポケット口を有するフラップ付きポケットであってもよい。
また、本発明を実施する場合には、両脇のポケットが左右対称でなくても良く、左右でポケットの種類が異なっていても構わない。
更に、上記実施の形態1,2では、脇ポケット部20,201,202において襞状のタック部(折り返し)22を設けることで、ウエスト部Wの見栄えを維持しているが、襞状のタック部22に代えて、袋布21の一部を切り欠いて分割する構造としてもよい。即ち、脇ポケット部20,201,202を構成する袋布21の向こう布21Bの中央側でその上端部に切込みを入れて分割し、その分割した部分の周囲には強度確保等のためのパイピングを施した構成とする。このとき、その分割部分から前中心FC寄りの向こう布21Bはウエストベルト部10に縫付けられる一方で、分割部分から脇線LS,RS寄りの向こう布21Bの上端の一部は、ウエストベルト部10の何れにも縫付けられない。このような袋布21を分割する構造によっても、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際には、分割部分が開かれ、ウエストベルト部10の伸長を妨げることのないようにすることができる。
加えて、上記実施の形態1,2では、前身頃4Fと後身頃4Bが接続した両脇の脇線LS,RSに沿って脇ポケット部20,201,202を設け、タック部22により生地の余裕がある脇ポケット部20,201,202の近傍に収容部12及び延出部11の重ね合わせ部13を設けていることによって、ウエスト周りが伸縮する際に、身頃4F,4Bに皺が寄ることがなく、見栄えの良いものとしている。しかし、本発明を実施する場合には、そのような脇ポケット部に代えて身頃4B,4F自体にタック構造を設けることも可能である。即ち、脇線LS,RSの近傍で身頃4B,4Fにタックを設けることによっても、身頃4F、4Bの皺寄りを防止しウエストベルト部10の長さを伸縮自在とすることも可能である。例えば、ウエストベルト部10に引張り力がかかっていない場合には、身頃4B,4Fの折畳まれた状態のタック脇線LS,RSと一体となるようにし、ウエストベルト部10に引張り力がかかってウエスト周りが伸びると、タックが拡げられる構成であれば、見栄えも良好である。このようなタックは、例えば、身頃4F,4Bの両脇の脇線LS,RSに沿って、身頃4F,4Bの両脇の脇線LS,RSの上端または上端の近傍の裏側に設けることできる。
また、上記実施の形態1,2では、収容部12の内部において延出部11及び収容部12の間を接続する平ゴム15Eに対し、伸び止め材16を並設する構成を説明したが、本発明を実施する場合には、伸び止め材16は、延出部11を収容部12側に伸ばして延出部11と一体としたストッパー部分として形成し、そのストッパー部分に、平ゴム15Eの最大伸びを制限する伸び止め材16の役割を持たせることも可能である。即ち、延出部11の先端を細くして延長し、共布で伸び止め材16の役割をするストッパー部分を設けることによって、伸び止め材16を形成してもよい。このような場合には、単独の伸び止め材16をリボンテープ等で設ける必要がなく、縫製工程も簡略化されるため、コストがかからず安価にゴムを長持ちさせることができる。また、伸び止め材16以外にも、伸縮するゴムの伸びの限界を綿等の繊維の織り込みによって規定することも可能である。
更に、上記実施の形態1,2では、袋布21やタック部22の形状維持、皺寄り防止、見栄えの向上のために補助弾性材としての平ゴム28を設けている。この補助弾性材としての平ゴム28の弾性力は、主弾性材としての平ゴム15Eの弾性力に比較すると小さく、ウエストサイズの伸縮のための主弾性材としての平ゴム15Eの弾性力からすれば無視できる程度である。また、見栄えに影響する皺が入る可能性も低いことから、当然、省略することも可能である。
そして、本発明を実施する場合、十分な弾性を有するものであれば、収容部12と延出部11の間を弾性的に接続する弾性材や、腰裏ベルト部30の弾性材は、平ゴムに限定されず、ゴム製板、ストレッチテープ(ゴム入り布)、パワーネット生地、サテンネット生地、ストレッチサテン生地、ストレッチレース生地等の様々な弾性を有する素材を用いることも可能である。補助弾性材としての平ゴム28についても同様である。
そして、本発明を実施するに際しては、ボトムスの構造、形状、材質、生地、大きさ、長さ、幅、接続関係等についても、上記実施の形態や変形例に限定されるものではない。例えば、ジーンズ(Gパン)、綿パンを始めとするカジュアルなボトムス、特に、紳士用のズボン1,100,200においては、ウエストベルト部10の上下の両端や、脇ポケット部20,201,202,203のポケット口外縁76等に布を落ち着かせたり縫い代を安定させたり強度を補完するためにステッチを施すこともある。
なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1,100,200 ズボン
4F 前身頃
4B 後身頃
10 ウエストベルト部
11 延出部
12 収容部
15 接続部
15E 平ゴム
20,201,202,203 脇ポケット部
21 袋布
22 タック部
23 ポケット口
30 腰裏ベルト部
78 縫合線
LS 左脇線
RS 右脇線
本発明は、カーブベルトを採用した被服、すなわち、綿パン等のズボン(パンツ)、スカート、キュロットスカート等(以下、「ボトムス(bottoms)」という)に関するもので、特に、ウエストサイズを伸縮自在としたボトムスに関するものである。
近年、特に、女性用のボトムスにおいては、ファッションの多様化、着用時の美観向上の要求が高まり、身体のウエスト周りに位置するウエストベルト部を直線的なラインではなく、カーブするラインとする、所謂、カーブベルトが普及している。このようなカーブベルトを採用すると、着用時にウエスト周りにフィットすることから、着用時に滑らかなシルエットを形成できると共に、着用者がしゃがんだ際に背中側のウエスト周りで下着が見え難いものとなる。このため、主に若い人の間で流行している股上が浅い、ウエスト周りが低い(ローウエストタイプ、ローライズタイプ)ボトムスを中心にカーブベルトが広く普及した。そして、最近では、ミセス世代のボトムスでも股上をやや浅くする傾向にあり、主に女性用のボトムスにおいて、年代を問わずカーブベルトの取り入れが主流になりつつある。
ところが、このようなカーブベルトは、ウエスト周りへのフィット性を高めることができる反面、ウエスト周りに窮屈感を与える問題がある。
そこで、特許文献1では、身頃開口縁に帯状を成すベルトの前身のうち少なくとも一部を、平面視において直状又は略直状に延在する第1のベルト部で形成し、後身のうち身体背面中心を跨ぐ部位の少なくとも一部を、平面視において弧状又は略弧状に延在する第2のベルト部で形成することによって、即ち、腹部(前身)にはストレートベルトを、背中(後身)の後側にはカーブベルトをというようにベルトを区分することによって、腹部へのくい込みを防止して腹部の迫り出しを抑止でき、穿き心地や装着感の改善を図る方法を開示している。
特開2006−328625号公報
この特許文献1の技術によれば、前身側は従来と同様に直線状に延びる帯状に形成することで、前身側では、カーブベルトによるフィット性の向上による窮屈感の増大の問題はない。しかしながら、後身側はカーブベルトであるから、依然としてウエスト周りに窮屈感を与える問題がある。特に、着用者のウエストの動きによっては、強力な締め付け感、窮屈感が増大することもある。
そこで、本発明は、窮屈感を生じさせることなく、ウエスト周りへのフィット性を高めることができるボトムスの提供を課題とするものである。
請求項1の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続した接続部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部を構成しているものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続しているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
上記延出部と収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように収容部内に入れられ、収容部に対し延出部の端部側が収容されて収容部と延出部が重複する。
このような延出部及び収容部によって、ウエストベルト部の表側及び裏側を形成する構成は、例えば、延出部や収容部の表側と裏側は、1枚布をウエストベルト部の上端部で折り曲げる構成としてもよいし、ウエストベルト部の上端部で表裏の生地を接ぐ構成としてもよい。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本または3本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に対し略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材としての伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているものである。
上記伸縮自在な長さとは、前記弾性材の全体長さを意味するものではなく、前記ウエストベルト部に引張り力が掛かった際に伸ばすことができる部分の長さであり、弾性材の弾性力が機能する部分の長さである。前記収容部と前記延出部に直接的に弾性材を縫付けによって取付けたときには、前記収容部に縫付けたときの縫付線と前記延出部に縫付けたときの縫付線との間の弾性材の未伸長状態での長さ(前記収容部と前記延出部を接続する接続長さ)のことである。
そして、上記弾性材の上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているとは、上端の伸びによる変化よりも下端の伸びによる変化を大きくしていることを意味する。
請求項2の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続した接続部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部を構成しているものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表裏を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
上記延出部と収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように収容部内に入れられ、収容部に対し延出部の端部側が収容されて収容部と延出部が重複する。
このような延出部及び収容部によって、ウエストベルト部の表側及び裏側を形成する構成は、例えば、延出部や収容部の表側と裏側は、1枚布をウエストベルト部の上端部で折り曲げる構成としてもよいし、ウエストベルト部の上端部で表裏の生地を接ぐ構成としてもよい。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本または3本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に対し略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材としての伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の弾性材は、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付け、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としたものである。つまり、上記接続部の弾性材は、収容部の内部のウエスト方向において、収容部への縫付側から延出部への縫付側に向かって斜めに上昇する挿入状態である。
請求項3の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側を形成し、また、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続し、更に、前記弾性材とは別の他の弾性材を設けた腰裏ベルト部によって、前記ウエスト方向に一体に連続してウエスト方向に延びる帯状がカーブした前記ウエストベルト部の裏側を形成したものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、その上端から下方に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続しているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
前記延出部及び前記収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、前記延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように前記収容部内に入れられ、前記収容部に対し前記延出部の端部側が収容されて前記収容部と前記延出部が重複する。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材として伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているものである。
上記伸縮自在な長さとは、前記弾性材の全体長さを意味するものではなく、前記ウエストベルト部に引張り力が掛かった際に伸ばすことができる部分の長さであり、弾性材の弾性力が機能する部分の長さである。前記収容部と前記延出部に直接的に弾性材を縫付けによって取付けたときには、前記収容部に縫付けたときの縫付線と前記延出部に縫付けたときの縫付線との間の弾性材の未伸長状態での長さ(前記収容部と前記延出部を接続する接続長さ)のことである。
そして、上記弾性材の上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているとは、上端の伸びによる変化よりも下端の伸びによる変化を大きくしていることを意味する。
また、上記腰裏ベルト部は、前記ウエスト方向に一体に連続して前記ウエストベルト部の裏側を形成し、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在なものであり、全体を前記弾性材とは別の他の弾性材で構成することで伸縮自在な構成としてもよいし、腰裏ベルト部の一部に前記弾性材とは別の他の弾性材を配設する構成であってもよい。即ち、前記ウエストベルト部の裏側の全周を他の弾性材で形成してもよいし、前記ウエストベルト部のウエスト周方向の一部を1または2以上の弾性材で形成するものであってもよい。例えば、上記腰裏ベルト部は、前記延出部に縫付けた延出部側裏ベルトと、前記収容部に縫付けた収容部側裏ベルトと、前記延出部側裏ベルトの一端及び前記収容部側裏ベルトの一端の間を接続した前記弾性材とは別の他の弾性材とから構成されて、前記延出部側裏ベルトと前記収容部側裏ベルトの間の弾性材によってウエスト方向に伸縮自在とされるものであってもよい。この腰裏ベルト部は、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部に対応する曲線形状に形成されたものとしてもよいし、前記ウエストベルト部の表側に縫着する際にいせ込んで(細かくダブらせて)縫付けることによって、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部の曲線形状に対応させてもよい。
請求項4の発明のボトムスは、曲線形状を有し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、曲線形状を有し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部とによって、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側を形成し、また、前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続し、更に、前記弾性材とは別の他の弾性材を設けた腰裏ベルト部によって、前記ウエスト方向に一体に連続してウエスト方向に延びる帯状がカーブした前記ウエストベルト部の裏側を形成したものである。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としているものである。
ここで、上記ウエストベルト部は、着用時に人体のウエスト周りに配設する部位であり、身頃に縫合わされてボトムスの履き口となる上部において、ウエスト周囲に亘って延びる帯状であり、その帯がカーブ状に形成されて曲線形状を有するものである。
そして、上記カーブの曲線形状は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、一般的には、前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状である。左側の前身頃及び後身頃と右側の前身頃及び後身頃とを重ねた状態でみると、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方向及び後身頃の後中心方向に向かって上昇する曲線形状である。特に、通常は、ウエストベルト部の前側よりも後ろ側でそのカーブを強くする。しかし、ボトムスのデザイン、生地の素材、縫製等によっては、或いは、デザイナー、製造者、購買者の要望等によって、少なくともボトムスの後ろ側でウエストベルト部が大きくカーブしていればストレートのものと比較してフィット性等が向上するから、必ずしも、ボトムスの前側では、即ち、前身頃への接続側ではウエストベルト部をカーブさせずに略直線状とすることもある。つまり、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、前身頃の前中心方向から両脇方向に向かっては、略直線状とする場合もある。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、両脇の脇線方向から前身頃の前中心方に向かっては、略直線状とする場合もある。
したがって、上記ウエストベルト部は、ボトムスの両脇の脇線に沿って前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときに、少なくとも、後身頃の後中心方向から両脇方向に向かって上昇する曲線形状を有すればよい。即ち、左側の前身頃及び後身頃並びに右側の前身頃及び後身頃を重ねた状態で見たときには、少なくとも、両脇の脇線方向から後身頃の後中心方に向かって上昇する曲線形状を有していればよい。
上記延出部は、前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側が身頃に縫着されずに収容部に挿入されて収容され、かつ、収容部から延出自在とされるものである。
上記収容部は、前記延出部を除く残りの前記ウエストベルト部のウエスト方向の長さの一部でその表側を形成する帯状をなし、前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有するものであり、その長さ方向の端部(一端部または両端部)側に前記延出部の身頃に縫着されない端部側が挿入されて収められたものである。
前記延出部及び前記収容部の関係は、例えば、ボトムスの前中心側に収容部を配設し、後中心側に延出部を配設してもよいし、その逆の配置、つまり、前中心側を延出部、後中心側を収容部としてもよい。通常は、ボトムスの脇線の上方付近で、前記延出部の延出自在な端部が前記ウエストベルト部の表裏の外面側(表裏面側)から隠れるように前記収容部内に入れられ、前記収容部に対し前記延出部の端部側が収容されて前記収容部と前記延出部が重複する。
上記接続部は、前記収容部に対し前記延出部の前記身頃に縫着しない端部側を入れて重ねた状態で、前記収容部の内部においてゴム等の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続したものである。
ここで、上記弾性材は、略直線状の1本の弾性材或いは縫合等によって1本に一体化された略直線状のゴム等の弾性材であってもよいし、2本以上であってもよい。即ち、2本以上の弾性材を前記収容部と前記延出部の間に並列的に配置し、ウエストの周方向に略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。このときの各弾性材同士は離間していてもよいし、互いに近接していてもよいし、一部で厚みを重複させていてもよい。
また、上記接続部の弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続は、前記収容部や前記延出部に対する弾性材の接続が直接的または間接的かは問われない。弾性材を直接的に前記収容部と前記延出部に縫付けて前記収容部と前記延出部の間に取付けてもよいし、例えば、弾性材に対しその最大伸びを規定する非弾性材として伸び止め材を併設し、その伸び止め材を前記収容部側や前記延出部側に縫付けることで、つまりは、非弾性材としての伸び止め材を弾性材の両端部側に縫付け、更に、弾性材の他端よりも突出させて、前記収容部や前記延出部に縫付けることで、伸び止め材を介して間接的に弾性材を前記収容部と前記延出部の間に取付けるようにしてもよい。即ち、上記接続部は、弾性材を用いて前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続している構成であれば、弾性材のみからなる構成であってもよいし、弾性材と伸び止め材等の非弾性材との組合わせで前記収容部と前記延出部の間を接続してもよい。
更に、上記接続部の弾性材は、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付け、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としたものである。つまり、上記接続部の弾性材は、収容部の内部のウエスト方向において、収容部への縫付側から延出部への縫付側に向かって斜めに上昇する挿入状態である。
また、上記腰裏ベルト部は、前記ウエスト方向に一体に連続して前記ウエストベルト部の裏側を形成し、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在なものであり、全体を前記弾性材とは別の他の弾性材で構成することで伸縮自在な構成としてもよいし、腰裏ベルト部の一部に前記弾性材とは別の他の弾性材を配設する構成であってもよい。即ち、前記ウエストベルト部の裏側の全周を他の弾性材で形成してもよいし、前記ウエストベルト部のウエスト周方向の一部を1または2以上の弾性材で形成するものであってもよい。例えば、上記腰裏ベルト部は、前記延出部に縫付けた延出部側裏ベルトと、前記収容部に縫付けた収容部側裏ベルトと、前記延出部側裏ベルトの一端及び前記収容部側裏ベルトの一端の間を接続した前記弾性材とは別の他の弾性材とから構成されて、前記延出部側裏ベルトと前記収容部側裏ベルトの間の弾性材によってウエスト方向に伸縮自在とされるものであってもよい。この腰裏ベルト部は、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部に対応する曲線形状に形成されたものとしてもよいし、前記ウエストベルト部の表側に縫着する際にいせ込んで(細かくダブらせて)縫付けることによって、前記ウエストベルト部の表側を形成する収容部及び延出部の曲線形状に対応させてもよい。
請求項5の発明のボトムスの前記腰裏ベルト部は、請求項3または請求項4の構成において、前記収容部の裏側に縫付けた収容部側裏ベルトと前記延出部の裏側に縫付けた延出部側裏ベルトの間を前記他の弾性材によって弾性的に接続してなるものである。
即ち、上記腰裏ベルト部は、前記延出部に縫付けた延出部側裏ベルトと、前記収容部に縫付けた収容部側裏ベルトと、前記延出部側裏ベルトの一端及び前記収容部側裏ベルトの一端の間を接続した前記弾性材とは別の他の弾性材とから構成されて、前記延出部側裏ベルトと前記収容部側裏ベルトの間の弾性材によってウエスト方向に伸縮自在とされるものである。
このような腰裏ベルト部は、前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部及び前記収容部に対し、通常、前記ウエストベルト部の上端部で、延出部側裏ベルトが前記延出部に接がれ、また、収容部側裏ベルトが前記収容部に接がれる。そして、延出部側裏ベルトと収容部側裏ベルトの間を接続する前記弾性材とは別の弾性材は、前記延出部が入れられる前記収容部の開口端側付近で前記延出部に縫着されず前記延出部の裏側に配設される。上記延出部側裏ベルトと収容部側裏ベルトの間を接続する弾性材は、1本のゴム等の弾性材であっても良いし、2本または3本以上の弾性材を並列的に配置し、ウエストの周方向に対し略垂直な方向で各弾性材が上下方向に配置するようにしてもよい。
請求項6の発明のボトムスは、請求項5の構成において、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材が、上方の弾性材及び下方の弾性材の2本の弾性材によって形成され、前記上方の弾性材の下方に前記下方の弾性材の上方を重複させて上下に配設されているものである。
上記上方の弾性材と下方の弾性材は、上方の弾性材の下方に下方の弾性材の上方が重ねられており、互いに厚みの一部を重ねて重複させているものであり、ボトムスの裏側から見て上方の弾性材の手前側に下方の弾性材を重ねてもよいし、上方の弾性材の後ろで下方の弾性材を重ねてるようにしてもよい。
請求項7の発明のボトムスは、請求項5または請求項6の構成において、前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部の内面側であって、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置で、裏地が取付けられているものである。
上記裏地の取付けは、例えば、前記延出部の上部及び下部が内折りされ、前記延出部の内折りされた上部の外側に裏地の上端を縫付けまたは貼付け、また、前記延出部の内折りされた下部の外側または内側に前記裏地の下端を縫付けまたは貼付けることによって取付けられる。この裏地は、前記延出部とそれに縫着されてない前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材との間から、前記延出部の内面側が見えたときにその見栄えを損なわないように取付けるものであるから、少なくとも前記延出部の前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置に取付けられていればよく、前記延出部の先端部側であればよい。
上記裏地としては、好ましくは、ポリエステル系の生地、ナイロン系の生地、スレーキ、リボンテープ等の伸縮性を有しない生地(接着芯等の芯材を含む)を用いることで前記収容部に対する前記延出部の摺動性を向上させることも可能である。
請求項8の発明のボトムスは、請求項1乃至請求項7の何れか1つの構成において、前記身頃の前身頃側であって片方の脇または両脇の脇線に沿って取付けられた脇ポケット部を構成する袋布の向こう布において、その上端から下方に向かって延びた襞状のタック部が形成され、前記タック部の襞がその上方を除いて縫合されているものである。
上記脇ポケット部は、後身頃及び前身頃からなる身頃のうちの前身頃側であってボトムスの片側または両脇の脇線に沿って設けられているものである。上記脇ポケット部の形状としては、ボトムスの表側のポケット口の外縁が直線状、外縁が略L字型形状(Lポケット)、その変形で外縁が略S字型形状(Sポケット)等が挙げられる。また、上記脇ポケット部は、左右のどちらかの脇または左右の両脇に設けられるが、両脇のポケットが左右対称であってもよいし、左右対称でなくともよく、右脇のポケットと左脇のポケットとが種類、形態が異なっていてもよい。
そして、上記脇ポケット部は、それを形成している袋布の向こう布側にその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部を有するものである。
ここで、上記タック部とは、袋布の向こう布の布地に形成した所定の折り目に沿って折り返す、即ち、折畳むことで襞状に形成されたものであり、ウエストベルト部の伸びに伴い袋布に掛かる引張り力を襞の展開によって逃がすものである。そして、上記タック部では、その上方を除いて一部の襞が縫合されており、その縫合の部分では襞の展開が制限されるものである。なお、上記タック部の上方を除いた一部の襞が縫合とは、タック部の上方除いて一部の襞が縫合されていることを意味するが、タックの襞を縫合する位置は、必ずしもタック部の下端までタックの襞が縫合されていることまでを要するものではない。即ち、タック部の襞の縫合は、ウエストベルト部が伸びたときに袋布の上方で所定の展開量を確保する点から、少なくともタック部の上方を除く必要があるが、タック部の下端側まで縫合されている必要はない。なお、タック部の上方を除いては、タックの長さの中間位置から上でタックの襞が縫合されていないことを意味するものではなく、タックの上端から下に所定範囲ではタックの襞が縫合されていないことを意味する。つまり、上記タック部の襞がその上方を除いて縫合とは、タック部の襞(折り返し部分)が少なくともその上方を除く縫合であることを意味する。
なお、上記向こう布とは、ボトムスの外側(表側)において袋布の布地(裏布)が見えないように袋布に貼付けられる身頃等の共地向こう布を意味するものではなく、袋状の袋布のうちボトムスの裏面側(身体側)に配設する側を向こう布とし、ボトムスの表面側に近い方に配設する手前布と区別するものである。身頃と共地であってもよいし、身頃とは異なる生地、例えば、スレーキ生地等の裏地を使用することも可能である。
請求項9の発明のボトムスは、請求項8の構成において、前記タック部の襞が、前記袋布の縦幅の中間部から上寄りで縫合されているものであり、比較的長さが短いタックに好適なものである。即ち、例えば、婦人用のボトムスのように袋布を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わないときにはその袋布のタックの長さは比較的短くなるが、そのような比較的短いタックの場合にも好適である。
請求項10の発明のボトムスは、請求項9の構成において、前記タック部の襞を縫合する始点が、前記袋布の前記向こう布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点が前記始点から下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあるものである。即ち、前記タック部の襞を縫合する始点が、前記袋布の前記向こう布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、そこから下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内で前記タック部の襞を縫合するものである。
上記向こう布の上がり線とは、ボトムスの表側からみてウエストベルト部の下端に相当する仕上がり線を意味し、裁ち切り線よりも下に、例えば、1cm下に位置するものである。
また、上記始点、終点は、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合したときの縫合線の端を意味し、縫製時の縫い始め、縫い終わりの縫製方向までを意味するものではない。
そして、上記終点が前記始点から下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内とは、前記タック部の襞を縫合したときの縫合線の長さや方向を意味するものではなく、襞を縫合する縦幅(垂直方向)の範囲を意味するものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項11の発明のボトムスは、請求項9または請求項10の構成において、前記タック部の襞が、前記襞を形成する2本の折り目のうち、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れていない折り目から1cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内で中縫いにより縫合されているものである。
上記袋布の向こう布の外面側に表れていない折り目とは、タックの襞を形成するために谷折りした折り目線を意味するものである。
また、中縫いは、襞を縫合するときの縫合線(縫い目)が向こう布の外面側にでないように襞を縫合する縫い方である。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項12の発明のボトムスは、請求項8の構成において、前記タック部の襞が、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合されているものであり、比較的長さが長いタックの場合に好適なものである。例えば、紳士用のボトムスのようにアイロン等のプレスで皺とり、クセとりを行い袋布を落ち着かせるときには、その袋布のタックの長さは比較的長くなるが、そのような比較的長いタックの場合に好適である。
請求項13の発明のボトムスは、請求項12の構成において、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合する始点が、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置から垂直方向に上に2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置またはそれよりも下にあるものである。
上記ポケット口外縁の末端は、ボトムスの表側に表出しているポケット口の外縁の下端であって、脇線との交点である。
また、上記始点、終点とは、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合した縫合線の端を意味し、縫製時の縫い始め、縫い終わりの縫製方向までを意味するものではない。そして、このときの襞の縫合は、その縫合線(縫い目)が向こう布の外面側にでないように襞を縫合する中縫いであってもよいし、縫合線(縫い目)が向こう布の外面側にでることになるコバステッチであってもよい。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項14の発明のボトムスは、請求項12または請求項13の構成において、前記タック部の襞が、前記襞を形成する2本の折り目のうち、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れている折り目から0.6cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.5cm以下、より好ましくは、0.1cm以上、0.4cm以内で縫合されているものである。
上記袋布の向こう布の外面側に表れている折り目とは、タックの襞を形成するために山折りした折り目線を意味するものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、生地の種類、縫製糸の種類、縫い目の種類等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項1の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側及び裏側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容されて前記収容部から前記延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部と前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。そして、前記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続している。
このように、請求項1の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出することにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、弾性材の弾性力によって、伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項1の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項2の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部の表側及び裏側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容されて前記収容部から前記延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部と前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としている。
このように、請求項2の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出することにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、弾性材の弾性力によって、伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項2の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項3の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状をなすカーブしたウエストベルト部の表側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容され、収容部から延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部とゼ前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。また、カーブしたウエストベルト部の裏側は、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在な腰裏ベルト部で形成されている。そして、前記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くし、前記収容部と前記延出部の間を接続している。
このように、請求項3の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部の表側を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出すると共に、ウエストベルト部の裏側を構成する腰裏ベルト部の弾性材の伸びによって腰裏ベルト部が伸びることにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、それら弾性材の弾性力によって伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項3の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項4の発明に係るボトムスによれば、ウエスト方向に延びる帯状をなすカーブしたウエストベルト部の表側が前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有する延出部及び収容部で形成されており、前記収容部に対し前記延出部の身頃に縫着しない端部側が収容され、収容部から延出部の端部が延出自在であり、前記収容部の内部で前記延出部とゼ前記収容部の間が接続部の弾性材によって弾性的に接続されている。また、カーブしたウエストベルト部の裏側は、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在な腰裏ベルト部で形成されている。そして、前記接続部の前記弾性材が、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付けられ、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としている。
このように、請求項4の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部がカーブしているから、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上させることができる。しかも、カーブしたウエストベルト部に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部の表側を構成する延出部と収容部の間を弾性的に接続した接続部の弾性材の伸びによって、収容部から延出部が延出すると共に、ウエストベルト部の裏側を構成する腰裏ベルト部の弾性材の伸びによって腰裏ベルト部が伸びることにより、ウエストベルト部が伸長する。また、引張り力が解放されると、それら弾性材の弾性力によって伸長したウエストベルト部は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部は、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材の弾性力及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によって伸縮自在である。
したがって、請求項4の発明に係るボトムスによれば、ウエストベルト部のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部と収容部の間を弾性的に接続した弾性材及び腰裏ベルト部の弾性材の弾性力によりカーブしたウエストベルト部が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
請求項5の発明に係るボトムスによれば、前記ウエストベルト部の裏側は、前記収容部の裏側に縫付けた収容部側裏ベルトと前記延出部の裏側に縫付けた延出部側裏ベルトの間を前記弾性材とは別の他の弾性材によって弾性的に接続してなる腰裏ベルト部で形成されているものである。したがって、請求項3または請求項4に記載の効果に加えて、前記弾性材とは別の他の弾性材が一部のみの配設であるから、低コストで済み、また、伸縮に伴う弛みも少なくなるから見栄えも良い。
請求項6の発明に係るボトムスによれば、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材は、上方の弾性材及び下方の弾性材の2本の弾性材によって形成され、前記上方の弾性材の下方に前記下方の弾性材の上方を重複させて上下に配設されているから、強力な締め付け感、窮屈感を生じさせることなく弾性力を強化でき、少ない外力で高い伸縮力を得ることができる。よって、請求項5に記載の効果に加えて、より少ない締め付け感、窮屈感で人体のウエストの動きに追従するフィット性を高めることができ、着用感を向上させることができる。
請求項7の発明に係るボトムスによれば、前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部の内面側には、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置で、裏地が取付けられている。よって、請求項5または請求項6に記載の効果に加えて、前記延出部と前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材との間から前記延出部の内面が見えたときでも裏地が見えるだけであるから、商品イメージの低下を防止できる。
請求項8の発明に係るボトムスによれば、前身頃側であって片側または両脇の脇線に沿って取付けた脇ポケット部を構成する袋布の向こう布側において、その上端から下方に向かって延びた襞状のタック部を形成し、タック部の襞をその上方を除いて縫合している。これより、タック部の開きが制限され袋布の生地の遊び、余裕が少なくなるから、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、ウエストベルト部のカーブによる着用者のウエスト周りへのフィット性の向上によって、脇ポケット部の袋布に掛かる引き攣り量が増大しても、ズボンの外側のポケット口から袋布が吹き出す事態が防止され、見栄えや外観性を維持できる。
請求項9の発明に係るボトムスによれば、前記タック部の襞は、前記袋布の縦幅の中間部から上寄りで縫合されているから、請求項8に記載の効果に加えて、比較的タックが短い設計のズボンであっても、例えば、婦人用のボトムスのように袋布を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わないときにはその袋布のタックの長さは比較的短くなるが、そのような比較的タックが短いものでも、前記袋布の縦幅の中間部から上側の所定範囲で縫合することによって、ボトムス外側のポケット口から袋布が吹き出すのを効果的に抑制できる。
請求項10の発明に係るボトムスによれば、前記タック部の襞を縫合する始点は、前記袋布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は、前記始点から垂直方向に、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にある。これより、タック部の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部の下方で襞の展開を制限することができる。よって、請求項9に記載の効果加えて、ウエストベルト部に引張り力が掛かった際でも袋布の上方の引き攣りを抑えて見栄えを損なうことなく、ボトムスの外側のポケット口から袋布が吹き出るのを抑制できる。
請求項11の発明の前記タック部の襞は、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れていない折り目から1cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内で中縫いによって縫合されているから、前記タック部の襞を縫合した部分でも所定の展開量を確保できる。よって、請求項9または請求項10に記載の効果に加えて、脇ポケット部のポケット止まりの周囲に生じやすい引き攣りを抑制して見栄えを向上させることができる。更に、袋布の上方の引き攣りを抑えて見栄えを向上できる。
請求項12の発明のボトムスの前記タック部の襞は、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合されているから、請求項8に記載の効果に加えて、比較的タックが長い場合、例えば、紳士用のボトムスのようにアイロン等のプレスで皺とり、クセとりを行い袋布を落ち着かせるときには、その袋布のタックの長さは比較的長くなるが、そのようにタックが比較的長いものでは、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合することによって、ボトムス外側のポケット口から袋布が吹き出すのを効果的に抑制できる。
請求項13の発明に係るボトムスによれば、前記タック部の襞(折り返し部分)を縫合する始点は、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置から垂直方向に上に2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置またはそれよりも下にある。これより、タック部の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部の一部で襞の展開を制限できる。よって、請求項12に記載の効果に加えて、ウエストベルト部に引張り力が掛かった際でも袋布の上方の引き攣りを抑えて見栄えを損なうことなく、ボトムスの外側のポケット口から袋布が吹き出るのを抑制できる。
請求項14の発明のボトムスの前記タック部の襞は、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れている折り目から0.6cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.5cm以下、より好ましくは、0.1cm以上、0.4cm以内で縫合されているから、前記タック部の襞を縫合した部分では、その襞が殆ど展開しない。よって、請求項12または請求項13に記載の効果に加えて、身頃等の生地が薄いものでも、脇ポケット部の皺寄りを効果的に抑え、見栄えを維持できる。
図1(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの正面図であり、図1(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの背面図であり、図1(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンを右側面から見たときのウエスト部周辺の部分拡大図であり、図1(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンを左側面から見たときのウエスト部周辺の部分拡大図である。 図2は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りを示す斜視図である。 図3は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りを展開して裏側から見た展開図である。 図4(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの延出部及び弾性材の構造を説明するための部分展開図であり、図4(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの延出部及び弾性材の構造を説明するための説明図である。 図5(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエストベルト部の構造を説明するための部分展開図であり、図5(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの接続部の構造を説明するための部分拡大図である。 図6(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見た部分拡大図であり、図6(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの表側から見た部分拡大図である。 図7(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの表側から見た部分拡大図であり、図7(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの表側から見た部分拡大図である。 図8(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの収容部と延出部の間を平ゴムで接続した構成を示してゴムの縫着状態、伸長時のゴムの動き及び収容部から抜き出る延出部の動きを説明する説明図であり、図8(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンにおいてウエストベルト部に引張り力が掛かった際に、収容部から延出部が引き出されるときの延出部の動きを説明する説明図である。 図9(a)は本発明の実施の形態2に係るズボンの収容部と延出部の間を平ゴムで接続した構成を示してゴムの縫着状態、伸長時のゴムの動き及び収容部から抜き出る延出部の動きを説明するための説明図であり、図9(b)は本発明の実施の形態2に係るズボンにおいてウエストベルト部に引張り力が掛かった際に、収容部から延出部が引き出されるときの延出部の動きを説明する説明図である。 図10(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの収容部と延出部の間を接続する平ゴムを、収容部の裏面側に縫付けたときのウエストベルト部の構造を示す部分展開図であり、図10(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの収容部と延出部の間を接続する平ゴムを、収容部の裏面側に縫付けたときの接続部の構造を示す部分拡大図である。 図11(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布の身頃に縫付ける前の部品展開図であり、図11(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成を示す説明図であり、図11(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞を縫合した状態を示す説明図であり、図11(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、袋布の内面側を示して、一部のタック部の襞が縫合されていることを説明するための説明図である。 図12(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布の身頃への縫着状態をズボンの裏側から見て示す説明図であり、図12(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布の身頃への縫着状態をズボンの表側から見て示す説明図である。 図13(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大展開図であり、図13(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大図である。 図14(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前のウエスト部の構造をズボンの表側から見た部分拡大図であり、図14(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態のウエスト部の構造をズボンの表側から見た部分拡大図である。 図15(a)はウエストベルト部がカーブしたズボンを着用した際に、脇ポケット部の袋布がポケット口から吹き出したり、脇ポケット部及びその周囲で皺寄りが生じたりする状態を示す説明図であり、図15(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンを着用した際の脇ポケット部及びその周囲の状態を示す説明図である。 図16(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布の身頃に縫付ける前の部品展開図であり、図16(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成を示す説明図であり、図16(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞を縫合した状態を示す説明図であり、図16(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例1の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、袋布の内面側を示して、一部のタック部の襞が縫合されていることを説明するための説明図である。 図17(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前の変形例1の脇ポケット部の状態を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図であり、図17(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態の変形例1の脇ポケット部を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図である。 図18(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布の身頃に縫付ける前の部品展開図であり、図18(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成を示す説明図であり、図18(c)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞を中縫いによって縫合した状態を示す説明図であり、図18(d)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、袋布の内面側を示して、一部のタック部の襞が中縫いで縫合されていることを説明するための説明図であり、図18(e)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布を身頃に縫付ける前の袋布の作製途中の構成であって、タック部を形成し、一部のタック部の襞をコバステッチで縫合した状態を示す説明図である。 図19(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大展開図であり、図19(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンの変形例2の脇ポケット部を形成する袋布が身頃及びウエストベルト部に縫着された状態のウエストベルト部及びその周囲の構造をズボンの裏側から見て示す部分拡大図である。 図20(a)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長する前の変形例2の脇ポケット部の状態を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図であり、図20(b)は本発明の実施の形態1に係るズボンのウエスト周りが伸長した状態の変形例2の脇ポケット部の状態を説明するために、ズボンの表側から見たウエスト部の部分拡大図である。 図21は変形例3に係るズボンのウエスト周りを示す斜視図である。 図22は変形例3に係るズボンのウエスト周りを展開して裏側から見た展開図である。 図23は変形例3に係るズボンのウエストベルト部の構成を説明するための要部分解斜視図である。 図24(a)は変形例3に係るズボンの延出部の内面に裏地を取付ける説明図であり、図24(b)は本発明の実施の形態2に係るズボンの延出部の内面に対し、裏地の上端を延出部の上端部の外面側に縫付け、裏地の下端を延出部の下端部の外面側に縫付けた例の説明図であり、図24(c)は本発明の実施の形態2に係るズボンの延出部の内面に対し、裏地の上端を延出部の上端部の外面側に縫付け、裏地の下端を延出部の下端部の内面側に縫付けた例の説明図である。 図25は変形例4の腰裏ベルト部の構成を説明するためのウエストベルト部の要部分解斜視図である。 図26(a)は変形例4の腰裏ベルト部の表面側を弾性材の一部を展開した(捲った)状態で示した説明図であり、図26(b)は変形例4の腰裏ベルト部の裏面側を弾性材の一部を展開した(捲った)状態で示した説明図である。 図27は、脇ポケット部のその他の例として、L字形状の大ポケット部及び脇中間ポケット部を説明する説明図である。 図28(a)は、図27に示したL字形状の大ポケット部及び脇中間ポケット部からなる脇ポケット部の構造を説明するために、ズボンの裏側から見て脇中間ポケット部を形成する袋布を一部捲った状態で示した説明図であり、図28(b)は、図27に示したL字形状の大ポケット部及び脇中間ポケット部からなる脇ポケット部の構造をズボンの裏側から見て示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、各実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、各実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係るボトムスとしてのズボン1の概略構成について、図1を参照して説明する。
本実施の形態1に係るズボン1は、下半身を包む前身頃4F及び後身頃4Bと、それら前身頃4F及び後身頃4Bの上部に接続され着用時に人体のウエスト周りに位置するウエストベルト部10とを有するものである。
また、本実施の形態1に係るズボン1は、着用時に人体のウエスト付近に位置するウエスト部Wにおいて、前身頃4F側であって左脇線LSの近傍及び右脇線RSの近傍に左右で一対の脇ポケット部20を有している。
ここで、本実施の形態1に係るズボン1において、人体のウエスト方向の全長に沿って延びる帯状のウエストベルト部10はカーブしている。即ち、図1(a)に示すように、前身頃4F及び後身頃4Bが縫合された左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、ウエストベルト部10の正面側(前側)が前中心FC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する弧状に延びた曲線形状に形成されている。また、図1(b)に示すように、ウエストベルト部10の背面側(後側)も後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する弧状に延びた曲線形状に形成されている。
つまり、本実施の形態1のウエストベルト部10は、その正面側(前側)では、上端(上辺)及び下端(下辺)が前中心FC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する曲線ラインを有し、背面側(後側)では、上端(上辺)及び下端(下辺)が後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇側に向かって上昇する曲線ラインを有するカーブベルトであり、上端(上辺)よりも下端(下辺)のウエスト周りの長さが長くなっている。
勿論、ウエストベルト部10の下部には前身頃4F及び後身頃4Bが縫合されているから、ウエストベルト部10の下端は、それに接続した前身頃4F及び後身頃4Fの上端と共に、前中心FC側及び後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RSの両脇に向かって上昇する曲線状となっている。
なお、本実施の形態1のカーブしたウエストベルト部10をズボン1の側面側からみると、図1(c)及び図1(d)に示すように、左脇線LS及び右脇線RS側から後中心BC側に向かって上昇する曲線形状に形成され、また、左脇線LS及び右脇線RS側から前中心FC側に向かっても僅かに上昇する曲線形状に形成されている。特に、左脇線LS及び右脇線RS側から前中心FC側に向かっては、僅かに上昇する緩いカーブ形状であるが、左脇線LS及び右脇線RS側から後中心BC側に向かっては、前中心FC側と比較して急な上昇のカーブ形状となっている。
因みに、左脇線LS、右脇線RSとは、身頃部においては、前身頃4F及び後身頃4Bが縫合された縫い目であるが、ウエストベルト部10においては、図1(a)及び図1(b)に示したように、前身頃4F及び後身頃4Bが縫合された左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、前身頃4F及び後身頃4Bを接いだときの縫い目からウエストベルト部10に延長した外形線を左脇線LS及び右脇線RSとする。即ち、後述するように、本実施の形態1のウエストベルト部10の表側及び裏側においては、別体である収容部12及び延出部11によって形成され、脇ポケット部20の上部近傍で収容部12及び延出部11が重ねられた重ね合わせ部13を有し、収容部12及び延出部11の境界が脇ポケット部20の上部近傍に位置するが、左脇線LS、右脇線RSは、それら収容部12及び延出部11の境界を示すものではなく、図1(a)及び図1(b)に示したように、前身頃4F及び後身頃4Bを接いだときの縫い目に沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねたときの延長でウエストベルト部10の前側と後側を重ねたときの側部の外形線である。なお、ズボン1のデザイン、規格等によっては、収容部12及び延出部11の境界が左脇線LS及び右脇線RSと一致させる場合もあるし、不一致とする場合もある。
ここで、このような曲線形状をなす本実施の形態1のウエストベルト部10の構造について、主に、図2、図3、図5、図7を参照して、詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態1において、ウエスト方向に延びる帯状、かつ、カーブ状のウエストベルト部10は、ウエスト長を収容部12と延出部11に分割し、後身頃4Bに縫合わされる収容部12と端部を除いて前身頃4Fに縫合わされる延出部11とを脇線LS,RS近傍の各脇ポケット部20の上方で重ね合わせて重ね合わせ部13を形成している。
即ち、脇線LS,RS近傍で、収容部12の端部に延出部11の端部を挿入し収容することで、特に、延出部11の前身頃4Fに縫着されない端部をウエストベルト部10の表裏の意匠面側から隠れるように収容部12内に入れることで、収容部12及び延出部11の重なりによる重ね合わせ部13を形成し、このような収容部12及び延出部11によってウエストベルト部10の表側及び裏側が形成されている。
そして、本実施の形態1のウエストベルト部10においては、延出部11の端部が収められた収容部12の内部(内側)において、図5等に示すように、延出部11の端部と収容部12の内面側とが弾性材としての平ゴム15Eで構成される接続部15によって弾性的に接続されている。
このように、本実施の形態1では、ウエスト方向に延びる帯状のウエストベルト部10を収容部12及び延出部11の別体で構成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部側を収容部12に挿入し、収容部12に対し延出部11が収容されている状態で収容部12の内部において収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eによって弾性的に接続していることで、平ゴム15Eの弾性力により収容部12から延出部11を延出自在としている。
即ち、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、図7等に示すように、平ゴム15Eの伸長によって収容部12から延出部11が引き出されて延出し、ウエストベルト部10が伸長する。そして、ウエスト周りを伸ばそうとする力が解除されると、平ゴム15Eが弾性力によって元の本来の長さに戻るから、再び延出部11が収容部12内に収容される方向に移動し元の状態に戻る。
こうして、本実施の形態1では、カーブ状としたウエストベルト部10を伸縮自在な構成としている。
このような本実施の形態1のウエストベルト部10の伸縮自在な構造について、図4乃至図8を参照して、より具体的に説明する。
本実施の形態1では、収容部12及び延出部11は何れも前身頃4F及び後身頃4Bと共地(例えば、綿系、ポリエステル系、ウール系の生地等)で作製され、ウエストベルト部10の表側の生地と裏側の生地の両者をウエストベルト部10の上端側で接続している構成である。
即ち、本実施の形態1では、ズボン1の外観側となるウエストベルト部10の表側(外側)を形成する延出部表ベルト11Fの布地、及び、身体が挿入される側となるウエストベルト部10の裏側(内側)を形成する延出部裏ベルト11Bの布地は、共に身頃4F,4Bと共地とし、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの両者を上側で接いで延出部11を構成している。また、ウエストベルト部10の表側(外側)を形成する収容部表ベルト12Fの布地及びウエストベルト部10の裏側(内側)を形成する収容部裏ベルト12Bの布地も共に身頃4F,4Bと共地とし、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの両者を上側で接いで収容部12を構成している。
詳しくは、ウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する収容部12は、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目に沿ってまたはその近傍で収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの両者が縫合線62Aにて縫合わされている(図5等参照)。また、収容部表ベルト12Fの下側は、その折り返した下端部の折り目に沿ってまたはその近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Cにて縫合わされ、収容部表ベルト12Fに対応する収容部裏ベルト12Bの下側もその折り返した下端部の折り目の近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Bにて縫合わされている(図5及び図6参照)。なお、縫合線62Cと縫合線62Bは、通常、統一されるが、収容部裏ベルト12Bの下側は、後身頃4Bに対しウエスト方向の数箇所の部分的な縫付けであってもよい。
このとき収容部表ベルト12Fや収容部裏ベルト12Bの布地の内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等によって貼付けられる。本実施の形態1では、ハード芯HCが収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの布地において折り返しのない中央部分に貼付けられている。また、必要に応じで、ソフト芯が収容部表ベルト12Fや収容部裏ベルト12Bの布地の上端部や下端部の折り返し部分に貼付けられる。更に、必要に応じ、収容部12に入れられる延出部11の滑りを良くするために、延出部11が挿入される収容部12の端部(開口側)の内面においてソフト芯やハード芯の上に、伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系生地等からなる接着布、裏地等を、アイロンプレス等によって貼付けることもある。
即ち、本実施の形態1では、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bの布地のそれぞれに対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブしたハード芯HCの形状に沿って収容部表ベルト12Fや収容部裏ベルト12Bの布地の上下端部を内折りすることで、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12Bがウエスト周方向で均一な幅となるようにその幅が設定され、収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12の両者がそれらの上方で縫合線62Aにて接がれ、また、下方で後身頃4Bと縫合され、それら収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12によって、帯状をなす曲線形状の収容部12を形成している。
また、ウエストベルト部10を構成する延出部11についても、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目に沿ってまたはその近傍で延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの両者が縫合線61Aにて縫合わされている(図4乃至図6参照)。更に、延出部表ベルト11Fの下側は、収容部12に挿入される先端部11tを除いて、前身頃4F及び後述するポケットの袋布21の一部に縫合線61Cにて縫合わされ、それに対応する延出部裏ベルト11Bの下側も、収容部12に挿入される先端部11t側の一部を除いて前身頃4F及び後述するポケットの袋布21の一部に縫合線61Bにて縫合わされている(図5及び図6参照)。なお、縫合線61Cと縫合線61Bも、通常、統一されるが、延出部裏ベルト11Bの下側は、前身頃4Fに対しウエスト方向の数箇所の部分的な縫付けであってもよい。
一方で、収容部12内に挿入される延出部11の先端部11tは、前身頃4Fの上端部と縫合わされず自由な状態になっている。これより、図7及び図8に示すように、収容部12に入れられた延出部11の先端部11tは、収容部12から延出自在、つまり、ウエスト方向に相対移動自在とされる。
そして、収容部12と同様、延出部11についても、延出部表ベルト11Fや延出部裏ベルト11Bの布地の内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等で貼付けられる。本実施の形態1では、ハード芯HCが延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの布地において折り返しのない中央部分に貼付けられている。また、必要に応じて、ソフト芯が延出部表ベルト11Fや延出部裏ベルト11Bの布地の上端部や下端部の折り返し部分に貼付けられる。
ここで、本実施の形態1において、図4乃至図8で示したように、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bからなる延出部11は、収容部12に対して摺動し易いように、前身頃4Fに縫着されない先端部11tにおいて、その先端側に向かって徐々に幅を細くしている。詳細には、本実施の形態1の延出部11の収容部12に挿入される先端部11tでは、その上端が先端11eに向かって緩やかに上昇するラインである一方で、下端は上端よりも急な傾斜で先端に向かって上昇するラインである。一方、延出部11の収容部12に挿入される先端部11tを除いては、収容部12と同様に延出部11の延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bがウエスト周方向で均一な幅となるようにその幅が設定されている。
即ち、本実施の形態1では、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの布地のそれぞれに対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブしたハード芯HCの形状に沿って延出部表ベルト11Fや延出部裏ベルト11Bの布地の上下端部を内折りすることで、収容部12に挿入される先端部11tを除いては、延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bがウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定され、また、収容部12に挿入される先端部11tでは、その端に向かって徐々に幅が細くなるように延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bの幅が設定されている。これら延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bは、両者がそれらの上方で縫合線61Aにて接がれ、また、下方で前身頃4Fと縫合され、それら延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bによって、帯状をなす曲線形状の延出部11を形成している。
なお、ウエストベルト部10の表側のベルト縦幅は、例えば、3cm〜5cm程度である。
そして、本実施の形態1のウエストベルト部10の表側及び裏側を構成するこれら収容部12と延出部11は、延出部11の前身頃4Bに縫着されていない先端部11tが収容部12内に挿入されて収容され、収容部12及び延出部11が重なる重ね合わせ部13(図2、図3、図6等参照)を形成している。
ここで、本実施の形態1において、ウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する収容部12は、後身頃4Bの上端部に接続して、着用時に人の胴体の後ろ側、即ち、人体の背面、臀部側から脇側(側部側)の範囲に位置するものであり、延出部11が延出する収容部12の端12eは、各脇ポケット部20の上方に位置し、左脇線LS及び右脇線RSの付近にある。
このような本実施の形態1の収容部12は、図1(a)及び図(b)に示したように、左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、背面側から見たときに、後中心BC側から左脇線LS及び右脇線RS側、即ち、延出部11が挿入される端12e側に向かって上昇する曲線形状に形成される。図1(c)及び図1(d)に示したように、ズボン1の側面側から見たときには、左脇線LS及び右脇線RS側、即ち、延出部11が挿入される端12e側から、後中心BC側に向かって上昇する曲線形状である。
一方、ウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する延出部11は、人の胴体の前側、即ち、人体の腹部側から脇側(側部側)の範囲に位置するものであり、延出部11の先端部11tは左脇線LS及び右脇線RSの付近で収容部12の端12e側に挿入される。
このような本実施の形態1の延出部11は、図1(a)に示したように、左脇線LS及び右脇線RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で、正面側から見たときに、前中心FC側から左脇線LS及び右脇線RS側、即ち、収容部12に挿入される側に向かって上昇する曲線形状に形成される。
このとき、本実施の形態1では、延出部11が挿入される側の収容部12の端12eは、脇線LS,RSの近傍で僅かにウエストベルト部10の前側(例えば、脇線LS,RSから1cm〜2cm程度前中心FC側)に位置している。
一方、収容部12に挿入される延出部11の端部11tは、脇線LS,RSの近傍であるが、収容部12に深く挿入されて、その端部11tの先端11eは、ウエストベルト部10の後側の深い位置(例えば、脇線LS,RSから4cm〜10cm程度後中心BC側)まで挿入される。
このため、本実施の形態1の延出部11について、図5乃至図7等で示したように、ズボン1の側面側から見たとき、収容部12に挿入されない範囲では、収容部12の開口している端12e側から前中心FC側に向かって僅かに上昇する曲線形状とし、一方、収容部12に重ね合わせられる先端部11tでは、その先端11eが収容部12に深く挿入され後中心BC側に近づくから、収容部12のカーブ形状に対応し、収容部12の開口している端12e側から延出部11の先端11e側に向かって上昇する曲線形状としている。
即ち、収容部12に重ね合わせられる延出部11の先端部11tでは、収容部12の形状が、上述したように、延出部11が挿入される端12e側から、後中心BC側に向かって上昇する曲線形状であるから、その収容部12の形状に対応し、収容部12の開口端12e側から延出部11の先端11e側に向かって上昇する曲線形状に形成されている。
したがって、ウエストベルト部10の表側及び裏側を形成している延出部11の全体形状は、図4(b)及び図8(a)等に示したように、下方に凸状に湾曲する曲線形状に近く、特に、延出部11の前中心FC側に向かっては、僅かに上昇する緩いカーブ形状であるが、収容部12に挿入される先端11e側に向かっては、前中心FC側と比較して急な上昇の曲線形状である。なお、図8(a)においては、後述する伸び止め材16については省略している。
そして、本実施の形態1のウエストベルト部10では、このように所定のカーブ状に形成された収容部12と延出部11は、図5乃至図7に示したように、収容部12の内部(内面側)において、それらの間が所定長さの平ゴム15Eからなる接続部15によって接続されている。
平ゴム15Eとしては、例えば、織ゴム、編ゴム、コールゴム、ゴムテープ等が使用される。平ゴム15Eには、例えば、15mm〜30mmの範囲内、好ましくは、23mm〜28mmの範囲内のゴム幅のものが用いられ、その全体長さが、例えば、5cm〜10cm、好ましくは、6cm〜8cmの範囲内のものが用いられるが、このゴムの幅及び全長は弾性力、コスト等に応じて設定できる。
本実施の形態1において、平ゴム15Eは、その長さ方向の一端部側を延出部11の先端11e付近であって延出部11を構成する延出部表ベルト11Fの上部の内折りする内面側に縫付線51にて縫付け、また、反対側の他端部側を収容部12を構成する収容部表ベルト11Fの折り返しのない内面側に縫付線52にて縫付けることで、収容部12と延出部11の間を接続している。なお、平ゴム15の延出部11側とは反対側の他端は、収容部12に深く入り込んで後中心BC寄りであり、収容部12の端12eから遠く離れた位置で縫付けられている。
このとき、本実施の形態1では、延出部11の先端11e側に縫付ける平ゴム15Eの一端部側は、後述する帯状の伸び止め材16の一方の端部側と共に、延出部表ベルト11Fと延出部裏ベルト11Bの間に挟まれて縫付線51にて縫付けられている。この縫付線51は、縫付強度を確保できれば、1本であってもよいし、2本以上としてもよいが、少なくとも1本の縫付線は、延出部表ベルト11Fと延出部裏ベルト11Bを貫通する縫い目としている。また、平ゴム15Eの反対側の他端部側も、後述する帯状の伸び止め材16の他方の端部側と共に、収容部表ベルト11Fに対しその表裏を貫通する縫い目の縫付線52にて縫付けられている。この縫付線52も、縫付強度を確保できれば、1本であってもよいし、2本以上としてもよい。
ここで、上述したように、本実施の形態1のウエストベルト部10はカーブ形状であり、ズボン1の側面側から見たときに、ウエストベルト部10を構成する延出部11の収容部12の挿入される先端部11tでは、収容部12の端12e側から延出部11の先端11e側に向かって上昇する曲線形状であるから(図5乃至図7参照)、まず、その所定のカーブ形状の延出部11の先端部11t側に直線状の平ゴム15Eを縫付線51にて縫付けると、図4及び図8(a)の上段に示すように、平ゴム15Eは延出部11に縫付けた一端部側から反対側の他端部側に向かって上昇するラインとなる。即ち、図4及び図8(a)の上段に示すように、平ゴム15Eは、その長さ方向において、延出部11側に縫付けた一端側よりも未縫着の反対側の他端側が高位置となる。
ところが、この状態の平ゴム15Eの反対側の他端部を収容部12の所定の深さで収容部12の内部に縫付線52にて縫付けようとすると、平ゴム15Eの上端が収容部12の上端に当接しやすく、平ゴム15Eの弾性力によるスムースな動き及び所定の伸びを確保することができない。
そこで、平ゴム15Eの上端が収容部12の上端に当接して滑りが悪くならいように、図8(a)の中段に示したように、延出部11に縫付けた平ゴム15Eの反対側の他端部を収容部12の内部に縫付ける際には、平ゴム15Eの延出部11側とは反対側の他端部を幾分下方に下げて収容部12の内面に縫付線52にて縫付けることになる。
即ち、平ゴム15Eは、その長さ方向において、収容部12側に縫付ける他端部側を、延出部11側に縫付けた一端部側と高さが略同等の位置となるように、或いは、延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置となるように、収容部12の内面に縫付線52にて縫付けることになる。例えば、ウエストベルト部10のカーブの曲率にもよるが、縫製の分かり易さからすると、収容部表ベルト12Fの折り返しのない中央部分において、図8(a)の中段に示したように、収容部表ベルト12Fの幅方向の中間位置への縫付けであれば縫製に不慣れな作業者でも縫製が分かりやすく作業効率が良好である。そして、この収容部表ベルト12Fの幅方向の中間位置へ平ゴム15Eを縫付けるとなると、図8(a)の中段に示したように、収容部12側に縫付ける他端部側は延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置となる。即ち、収容部12の内面において、平ゴム15Eは、延出部11側に縫付けた一端部側よりも収容部12側に縫付けた他端部側の方が低位置となり、収容部12の内面に縫付けた一方の端部側から延出部11に縫付けた反対の端部側に向かって斜めに上昇する挿入状態となる。
このとき、図8(a)の上段に示した延出部11に縫付線51にて縫付けた平ゴム15Eは、延出部11側とは反対側の他端部側が延出部11側の一端部側の高さ位置と略同等或いはそれよりも低位置となるように、図8(a)の中段に示すように、平ゴム15Eの他端部側を下方に落として収容部12の内面に縫付線52にて縫付けることになるため、収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eは、その下方で浮き、弛み、歪み、撚れ等が生じることになる。即ち、収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eは、その上方側でテンションが高く、下方でテンションが低い状態となる。
ここで、収容部12及び延出部11の間に縫着した平ゴム15Eの上方側のテンションが高く、下方のテンションが低い状態にあると、つまり、上方と下方で張力に差があると、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり平ゴム15Eが伸びたときに、平ゴム15Eの延出部11側が下がり、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部側が下方に落ちやすくなる。そして、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部側が下方に落ちると、平ゴム15Eが縫付けられた延出部11が、収容部12から抜き出た際に下方へ下がり、収容部12と延出部11の間に大きな段差が生じて見栄え、外観性が大きく損なわれてしまう。
特に、延出部11は、収容部12に対して摺動しやすいように、収容部12に挿入される先端部11tにおいて、平ゴム15Eが縫付けられた先端11e側に向かってその下端側を上端側よりも急な傾きで上昇させることによって、幅を細くしているから、それによっても、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が引き出される際に、平ゴム15Eが下方へ下がりやすいものとなっている。また、延出部11は、収容部12に挿入される先端部11tが、その先端11e側に向かって上昇するカーブ形状、換言すれば、先端11e側から延出部11が引き出される方向に向かって下降するカーブ形状である。このため、収容部12の開口端12eから延出部11が引き出されたときに、延出部11が見た目に大きく下降しやすい。
そこで、本実施の形態1では、図5及び図8(a)に示したように、延出部11と収容部12間を接続する平ゴム15Eにおいて、その長さ方向の一端部側を延出部11に縫付けるときの縫付線51は、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線とする一方、反対側の他端部側を収容部12に縫付けるときの縫付線52は、平ゴム15Eの幅方向の下端から上端に向かい延出部11側に傾く斜めとした。これより、平ゴム15Eは、その下端で、縫付線51と縫付線52の間の長さが最も長く、その上端で、縫付線51と縫付線52の間の長さが最も短くなる。
ここで、平ゴム15Eの上端の伸縮自在な長さは、縫付線51の上端と縫付線52の上端の間のゴム長さ(距離)LAであり、平ゴム15Eの下端の伸縮自在な長さは、縫付線51の下端と縫付線52の下端の間のゴム長さ(距離)LBであるから、平ゴム15Eの上端の縫付線51と縫付線52の間の長さが最も短いとは、平ゴム15Eの上端の伸縮自在な長さLAが最も短いことを意味し、平ゴム15Eの下端の縫付線51と縫付線52の間の長さが最も長いとは、平ゴム15Eの下端の伸縮自在な長さLBが最も長いことを意味する。
つまり、本実施の形態1では、延出部11と収容部12の間で縫着した平ゴム15Eの伸縮自在な長さを、その下端から上端に向かって短くしている。換言すると、延出部11と収容部12の間で縫着した平ゴム15Eの伸縮自在な長さは、その上端から下端に向かって長くなっている。これより、平ゴム15Eの下方がその上方よりも長く伸びる分、平ゴム15Eの下方にテンションが掛かり易くなり、平ゴム15Eが伸びたときの上方と下方のテンションの差を小さくできる。よって、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部側を下方に落ち難くでき、平ゴム15Eの伸び方向が延出部11と収容部12間で縫着した平ゴム15Eの未伸長状態での長さ方向になる直線運動に近づく。したがって、平ゴム15Eが縫付けられた延出部11が、収容部12から抜き出た際に下方へ下がり難く、収容部12と延出部11の間の段差が目立たずに、ウエストベルト部10の見栄えが維持される。特に、本発明者らの実験研究によれば、縫付線51の下端と縫付線52の下端の間のゴム長さ(距離)LBは、縫付線51の上端と縫付線52の上端の間のゴム長さ(距離)LAの1.05倍〜1.5倍の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、1.1倍〜1.3倍の範囲内である。
更に、本実施の形態1においては、下方寄り、中央側、または上方寄りかによる張力差の大きさの相違がゴムの落ちに表れ難く、平ゴム15Eの縫付位置の誤差による延出部11と収容部12の段差のバラつきが生じ難い。即ち、平ゴム15Eの縫付位置に高い精度が要求されず、熟練者による縫製でなくとも一定の品質及び信頼性を確保できる。
こうして、本実施の形態1のウエストベルト部10においては、収容部12の内部で収容部12及び延出部11を接続する弾性材としての平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしていることによって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、平ゴム15Eは、上端から下端に向かって長く伸びるから、ゴムの伸びによる張力を下方から上方に向かって小さくできる。
したがって、平ゴム15Eの下方から上方に向かってテンションが掛かりやすい縫着であっても、ゴムの伸びによる張力は下方から上方に向かって小さくすることで、上方と下方の張力差を小さくしバランスさせることができる。故に、張力差によるゴムの降下、変形を抑えることが可能となる。
即ち、平ゴム15Eの一端側を、先端11eに向かって上昇するカーブ形状の延出部11の先端部11t側に縫付け、平ゴム15Eの反対側の他端側を、端部12e側から後中心BC側に向かって上昇するカーブ形状の収容部12の内部に縫付けたときに、接続部15の下方から上方に向かってテンションが掛かりやすい縫着となっても、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、ゴムの伸びによる張力を下方から上方に向かって小さくできることで、上方と下方の張力差を小さくして、平ゴム15Eが上に凸に湾曲したカーブ状に伸び難く、延出部11側に下降し難い直線運動に近い伸びとなり、ゴムの延出部11側が下方に下がり難くなる。
よって、本実施の形態1のズボン1によれば、ウエストベルト部10をカーブさせていても、ウエストベルト部10の収容部12及び延出部11を弾性的に接続する接続部15の平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしていることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、平ゴム15Eの下方と上方の張力差が小さくて、平ゴム15Eが上に凸に湾曲したカーブ状に伸び難く、延出部11側に下降し難い直線運動に近い伸びとなる。
故に、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が引き出される際でも、カーブしている延出部11が下方へ下がり難いから、収容部12と延出部11の間に段差が生じ難く、見栄えのよいウエスト周りとなる。
ところで、本実施の形態1では、平ゴム15Eに対しては、平ゴム15Eの厚さよりも薄い非伸縮性の生地、例えば、リボンテープ等からなる帯状の伸び止め材16を縫着しており、この伸び止め材16によって平ゴム15Eの最大の伸び長さを規定している。即ち、平ゴム15Eの最大伸びに相当する長さだけ弛ませて伸び止め材16が平ゴム15Eに並設して縫着されている。
伸び止め材16としては、平ゴム15Eの伸びを規定する役割からすれば、伸縮性に乏しく、適度な強度を有する生地が好適であり、更に、平ゴム15Eよりも厚みが薄いと嵩を抑制できる点で好ましく、例えば、スレーキ生地や、リボンテープや、ポリエステル系、ナイロン系、レーヨン系、綿等からなる生地等が使用できる。
本実施の形態1において、この伸び止め材16は、その長手方向の一端部側が、収容部12内に挿入される延出部11の先端部11t側に平ゴム15Eを縫付けるときの縫付線51にて、延出部11と共に平ゴム15Eの一端部側に縫付けられている。また、伸び止め材16の延出部11側とは反対側の他端部側は、平ゴム15Eを収容部表ベルト12Fに縫付けるときの縫付線52にて、収容部表ベルト12Fと共に平ゴム15Eの他端部側に縫付けられている。このように本実施の形態1において、帯状の伸び止め材16は、平ゴム15Eに対しその両端部側に縫付線51、縫付線52にて縫付けている。
このとき、伸び止め材16は、平ゴム15Eの伸びを許容する分だけ、即ち、平ゴム15Eの伸びる許容範囲の長さ(例えば、1.5cm〜5cm)だけ弛ませ平ゴム15Eの両端部側に縫付線51,縫付線52にて縫付けている。なお、平ゴム15Eの最大伸びに相当する長さだけ弛ませて平ゴム15Eに縫付けている伸び止め材16は縫付線51及び縫付線52間の弛みを折畳む折り目の形成により、嵩張りを少なくできる。
これにより、平ゴム15Eに引張り力が掛かっても、この伸び止め材16が縫付線51及び縫付線52間で弛ませている(折畳まれている)長さまでしか平ゴム15Eが伸びることのないようにし、平ゴム15Eの過度の伸びを防止している。即ち、伸び止め材16によって平ゴム15Eに無理な引張り力が掛かるのを防止するから、平ゴム15Eを長持ちさせることができる。
なお、図5等において、伸び止め材16は、平ゴム15Eの表裏面のうち収容部表ベルト12F側とは反対面側、即ち、収容部裏ベルト12B側に取付けられているが、本発明を実施する場合には、収容部表ベルト12F側に取付けてもよい。
こうして、本実施の形態1のカーブ状としたウエストベルト部10では、平ゴム15Eが延出部11の先端部11t側に接続すると共に、収容部12の内部に接続し、平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間が弾性的に接続されていることによって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、平ゴム15Eの弾性力により収容部12に挿入された延出部11を、ウエスト方向に延出自在、即ち、相対移動自在とする。つまり、収容部12と延出部11の間を接続した平ゴム15Eの弾性力により、ウエストベルト部10を伸縮自在としている。
このとき、本実施の形態1では、平ゴム15Eの本来の長さよりも長くて伸縮性のない生地からなる帯状の伸び止め材16が折畳まれてまたは弛んだ状態で平ゴム15Eの両端部に対して縫付けられているため、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際には、伸び止め材16が折畳まれていた長さまたは弛ませていた長さ(縫付線51及び縫付線52の間で平ゴム15Eに接続する伸び止め材16の接続長さ)までしか平ゴム15Eが伸びることができないようになっている。即ち、平ゴム15Eに並設して取付けた伸び止め材16によって、平ゴム15Eの伸びの限界が規定されている。
したがって、本実施の形態1のズボン1においては、平ゴム15Eに無理な引張り力が掛かり平ゴム15Eが過度に伸びてしまう事態を防止して、ゴムを長持ちさせることができる。そして、平ゴム15Eの最大の伸びが伸び止め材16で規制されると、平ゴム15Eに過剰な張力が加わって収容部12から抜き出る延出部11が下方に落ちて見栄えが低下する事態を防止でき、長期の使用によってもゴムのヘタリ、破れが生じ難いものとなる。更に、ウエストベルト部10が伸縮する布地で形成されていても、特定の伸縮性に設定できる。また、このように平ゴム15Eにその最大伸びを特定する伸び止め材16を並設していることで、収容部12及び延出部11の重ね合わせ部13に過度な張力が加えられないようにその伸び長さを制限できることから、重ね合わせ部13の見栄えを維持することもできる。
なお、本実施の形態1では、伸び止め材16の両端部を平ゴム15Eの両端部に縫付ける構成としているが、本発明を実施する場合には、伸び止め材16を長くし、その長くした伸び止め材16を上平ゴム15Eの最大伸びに相当する長さだけ弛ませて平ゴム15Eの長さ方向の両端側に縫付け、更に、平ゴム15Eの一端または両端よりも突出させて延出部11や収容部12の内部に縫付けるようにしてもよい。この場合には、平ゴム15Eを収容部表ベルト12Fや延出部11に直接縫い付けず、伸び止め材16を収容部表ベルト12Fや延出部11に縫付けることで、平ゴム15Eが収容部表ベルト12Fや延出部11に対し伸び止め材16を介して接続する構成となる。このような構成によって、収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eによって弾性的に接続する接続部15を形成してもよい。
例えば、伸び止め材16の端部の一方を平ゴム15Eの一方の端部に縫付け、また、伸び止め材16の途中に平ゴム15Eの端部の他方を縫付け、そして、伸び止め材16の端部の他方を、収容部表ベルト布12Fの内面に縫付ける構成では、伸び止め材16の端部の他方を、収容部表ベルト布12Fの内面に縫付けるときの縫付線を収容部12の開口端12e側からより離れた遠い位置に持ってくることができる。このため、後述するように、収容部表ベルト布12Fの内面に縫付けるときの縫付線をベルト通し5Aで隠す場合には、隣り合ったベルト通し5の間隔を長くすることができるようになり、ベルト通しの配置数を少なくすることが可能となる。
しかし、本発明を実施する場合、伸び止め材16については省略することも可能である。伸び止め材16を省略した場合には、例えば、脇ポケット部20を構成する袋布21のタック部22の展開量によって、平ゴム15Eの最大の伸び長さを特定することも可能である。
ところで、本実施の形態1のズボン1において、延出部11の先端部11t側に伸び止め材16と共に平ゴム15Eを縫付けたときの縫付線51は、延出部11の先端が収容部12内に収容されるため、ズボン1の表側及び裏側の意匠面側からは見えない。
しかしながら、平ゴム15Eを伸び止め材16と共に収容部表ベルト12Fに縫付けたときの縫付線52は収容部表ベルト12Fの表裏面を貫通しズボン1の表側に出ることとなる。
そこで、本発明を実施する場合には、美観を向上させるために、図2で示すように、ウエストベルト部10の表側で縫付線52及び縫付線52をベルト通し5Aで隠すようにすることも可能である。また、このようなベルト通し5は、図2で示すように、例えば、ウエストベルト部10の表側で、延出部11が延出される収容部12の開口端12eを覆い隠すように収容部12の表側の開口端12e縁にも取付けると、ウエストベルト部10の見栄えや美感を向上させることができる。勿論、図2で示すように、ズボン1のウエストベルト部10の正面側及び背面側にも、同様のベルト通し5が適当な間隔をとって取付けられる。なお、図2以外の図面においては、ベルト通し5,5Aを省略している。
また、本実施の形態1では、平ゴム15Eの延出部11側とは反対側の他端部を収容部12の収容部表ベルト12Fの内面(裏面)側に縫付けている。このように、平ゴム15Eを収容部表ベルト12Fの内面(裏面)側に縫付ける場合には、平ゴム15Eの面方向と並行方向への縫付けであるから、縫製に不慣れな熟練者にもその縫付けが分かりやすく、熟練の有無に関わらず、正確な縫製が容易にでき作業効率も良好となる。
しかし、本発明を実施する場合には、図10に示すように、平ゴム15Eの延出部11側とは反対側の他端部を、収容部12の収容部裏ベルト12Bの内面(裏面)側に縫付線52及び縫付線52にて縫付けてもよい。図10に示すように、平ゴム15Eを収容部裏ベルト12Bの内面側に縫付けても、収容部表ベルト12Fの内面側に縫付けたときと同様に、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に収容部12から抜き出る延出部11が下方に落ち難くなる効果は得られる。
特に、平ゴム15Eを収容部裏ベルト12Bの内面側に縫付けると、平ゴム15Eを収容部12に縫付けるときの縫付線52及び縫付線52は、収容部12の表側から見えなくなるから、婦人用のスカート等のベルト通しを設けないボトムスであっても、見栄え、美感を維持できる。
なお、図10において、伸び止め材16は、平ゴム15Eの表裏面のうちの収容部裏ベルト12B側に取付けられているが、勿論、収容部裏ベルト12B側とは反対面側の収容部表ベルト12F側に取付けてもよい。
次に、ウエストベルト部10の周辺の構造について詳細を説明する。
上述したように、本実施の形態1のウエストベルト部10は、後身頃4B側に縫合した収容部12の内部に前身頃4F側に縫合した延出部11の先端部11tが挿入されてウエスト周りが形成され、収容部12の内部において平ゴム15Eにより収容部12と延出部11の間が接続されている構成である。
ここで、図7等に示したように、本実施の形態1のズボン1において、カーブ状に形成したウエストベルト部10の収容部12及び延出部11は、両脇の脇線LS,RSの上方付近で収容部12に延出部11が挿入されることで重ね合わせられて、収容部12及び延出部11が重複した重ね合わせ部13を形成している。そして、本実施の形態1のズボン1においては、この収容部12と延出部11の重ね合わせ部13付近の下方であって、脇線LS,RSの近傍に脇ポケット部20が形成されている。
脇ポケット部20の製作及び取付けについての詳細を、主に、図11乃至図15を参照にして説明する。
本実施の形態1の脇ポケット部20は、ズボン1の脇線LS,RSに沿って前身頃4Fと後身頃4Bの間で袋布21を縫付けることによって脇線LS,RS近傍の前身頃4F側に形成されている。
この袋布21は、図11(a)及び図11(b)に示すように、例えば、綿生地、スレーキ生地等の1枚の布地を所定形状に切断し、それを中央側で折畳み、図11(a)に示した略直線状に近い一方の端部21b側を、図12(a)に示すように、ズボン1の後身頃4Bに縫付けて脇線LS、RSを形成すると共に、図11(a)に示した端部21b側とは反対側の他方の斜めの端部21f側を、図12(a)及び図12(b)に示すように、前身頃4Fの上部の斜めの端部に縫付け、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76を形成している。即ち、袋布21は、前身頃4Fと後身頃4Bの間で縫着されている。
そして、この袋布21は、その表側(反身体側)の手前布21Fの下端及びその裏側(身体側)の向こう布21Bの下端をステッチ73で閉じることで袋状に形成され、手前布21Fのポケット口外縁76とそれに対向する向こう布21Bとの間がポケット口23となり、手前布21Fと向こう布21Bの間がポケットとしての収容空間となっている。
なお、ズボン1の表側(外側)からみたときのポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75には、必要に応じ、縫製の縫い目を補強する閂止めが施される。
このような袋布21によって構成される脇ポケット部20のサイズ、容量は、ズボン1の種類、デザイン、紳士用・婦人用等に応じて任意に設定され、例えば、ズボン1の表側(外側)からみたときの脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)は、紳士用のズボン1で15〜17cm、婦人用のズボン1で13〜15cm程度に設定され、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76の長さl(図8(b)参照)は、紳士用のズボン1で15.5〜17.5cm、婦人用のズボン1で13.5〜15.5cm程度に設定される。なお、ポケット口23の開口幅(縦幅)mは、ウエストベルト部10の下端からポケット止まり75の位置までの垂直方向の長さ(距離)である。また、ポケット口外縁76の長さlは、斜めのポケット口外縁76のウエストベルト部10の下端からポケット止まり75の位置までの長さである。
そして、袋布21の上端から下端までの垂直方向の縦幅は、例えば、22〜29cm程度、好ましくは、23〜28cm程度であり、後述する上がり線OLを基準とするとそこから下端までは、23〜28cm程度、好ましくは、24〜27cm程度である。また、袋布21の左端から右端までの上端の最大横幅は、タック部22が折畳まれ状態において、13cm〜18cm程度、好ましくは、14cm〜17cm程度である。
ここで、上述したように、延出部11の延出部表ベルト11Fは、前身頃4Fに対し、前中心FC側から脇ポケット部20のポケット口外縁76の上端の位置まで縫合線61Cにて縫付けられ(図14等参照)、延出部11の延出部裏ベルト11Bも、前身頃4Fに対し前中心FC側から袋布21のタック部22の第1の折り目221の位置まで縫合線61Bにて縫付けられているが(図6参照)、延出部11の収容部12に挿入される先端部11t側は前身頃4Fに縫着されておらず収容部12から延出自在となっている。
これより、図8(b)及び図14に示されるように、ウエストベルト部10に引張り力が掛かったときには、脇ポケット部20のポケット口外縁76の上部も延出部11が収容部12から抜き出る方向に延出部11と一体に移動し、収容部12の開口端12e側、即ち、脇線LS,RS側から離れる方向に位置する。
このとき、本実施の形態1では、脇ポケット部20の袋布21がズボン1の表側(外側)から見えないようにするために、前身頃4と共地の共布向こう布25が脇ポケット部20の外側に縫付けられている。即ち、袋布21の生地が脇ポケット部20の表側(外側)から見えないようにするため、図11(a)に示した袋布21を形成する所定形状の綿生地、スレーキ生地等の布地に対し、向こう布21Bとなる方に前身頃4と共地の共布向こう布25を重ねて縫付けている。なお、必要に応じて、前身頃4Fの斜めの端部に縫付ける手前布21F側にも、前身頃4と共地の補強布26が重ねて縫付けられ、ポケット口外縁76側の補強がなされる。
更に、本実施の形態1では、図11(a)に示した袋布21の向こう布21Bとなる方において、ズボン1の後身頃4Bに縫合される前に、予め、図11(b)及び図11(c)に示すように、所定の位置にて2本の折り目221、222を付しそれらの折り目に沿って所定幅で折重ねることにより、タック(折り返し)部22を形成している。
このタック部22は、図11(b)及び図11(c)に示すように、袋布21の向こう布21Bにおいて、上端から下方に延びる2本の折り目221、222を形成し、2本の折り目221、222のうち手前布21F及び向こう布21Bの閉鎖端部側に近い方(図11(b)において右側)の第1の折り目221を谷折りとし、もう一方の第2の折り目222を山折りにすることで襞状に形成されている。
なお、このとき、タック部22を形成するための2本の折り目221、222にアイロン等によりプレスしてしっかり折り目を付すことも可能であるが、例えば、婦人用のボトムスでは、そのような処理を施すことなく、タック部22が形成される場合もある。
このように向こう布21Bの一部を折畳んだタック部22の形成により、ウエスト部Wに引張り力が掛かった際には、ウエストベルト部10の延出部11が収容部12から抜き出る移動と共に、折畳んだタック部22が開くから、袋布21に掛かる引張り力を逃すことができ、ウエスト周りをスムースに伸ばすことができる。そして、タック部22が開閉することによってウエストベルト部10が伸縮する際でも、ウエストベルト部10の下部の身頃4F,4Bの生地に皺等を生じさせないから、見栄えの良いズボン1となる。
このときタック部22の上端部の折畳み長さは、ウエストベルト部10の伸び量に応じウエストベルト部10を伸ばしたときに袋布21の上方の引き攣りが少なくウエストベルト部10のスムースな伸びを確保できる長さであればよく、好ましくは、ウエストベルト部10の伸び長さ以上に設定される。タック部22の襞(折り返し部分)の幅、即ち、2本の折り目221と折り目222の間の間隔幅からすると、袋布21の向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さw(図12(b)参照)は、好ましくは、ウエストベルト部10の最大の伸び長さの0.5倍〜0.7倍である。
例えば、平ゴム15Eに縫着した伸び止め材16の折畳み長さを3cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを約3cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸び長さを3cmとする場合には、袋布21の向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の横幅長さwを約1.5cm以上とする。より好ましくは、約1.5cm以上、2cm以下である。
また、例えば、平ゴム15Eに縫着した伸び止め材16の折畳み長さを4cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを約4cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸び長さを4cmとする場合には、袋布21の向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の横幅長さwを約2cm以上とする。より好ましくは、2cm以上、2.5cm以下である。
上述したように、タック部22の上端部の折り返し幅によって、ウエストベルト部10の伸びの限界を規定することも可能である。
なお、ウエストベルト部10が伸びるときに袋布21に掛かる引張り力は、袋布21において、ウエストベルト部10の配設側の上端側から下方に向かって徐々に減少する。そこで、それに併せて、本実施の形態1においては、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定されている。即ち、本実施の形態1においては、2本の折り目221及び折り目222は上端側から下方に向かって徐々に近づくように設定されている。例えば、図11(c)において、第1の折り目221及び第2の折り目222は両方とも上端側から下方に向かって前中心FC側から脇線LS,RS側に傾く斜めに形成されているが、第1の折り目221を第2の折り目222よりも急な傾きとし、2本の折り目221及び折り目222が上端側から下方に向かって徐々に近づくようにしている。
これにより、ウエストベルト部10の伸縮による袋布21の引き攣りを減らすことができて見栄えを良くできる。
そして、タック部22を形成した向こう布21Bにおいて、後身頃4B側に縫付ける端部21b側から第2の折り目222までの間の布地を後側布地21BBとし、端部21bとは反対側の閉鎖端部側から第1の折り目221までの間の布地を前側布地21BFとし、後側布地21BBと前側布地21BFの間の布地、即ち、第2の折り目222と第1の折り目111の間の布地を中間布地21BMとしたとき、第1の折り目221及び第2の折り目222に沿って折畳んで形成した襞状のタック部22では、それら後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとが重なり合って重複している。
ところで、本実施の形態1のズボン1においては、ウエストベルト部10がカーブしているから、着用したときに身体のウエストラインに沿ってウエストベルト部10をフィットさせることができ、ウエスト周りへのフィット性を向上させることができる。しかしながら、このようなカーブ状のウエストベルト部10を採用すると、ストレート(直線状)のベルトと比べて、着用した際に、身体のウエスト周りの立体的な体型へのフィット性、密着性の向上によって、脇線RS,LS付近に設けた袋布21の引き攣り量、引張り量が大きくなる。特に、女性の体型では、ウエストが細い一方で骨盤やヒップが大きく、ウエストからヒップにかけての脇ラインが極端に変化しているから、着用時にウエストベルト部10に接続する身頃4F,4Bの上部に引き攣り、引張りが生じやすい。このため、ズボン1の着用時に、ウエストベルト部10が伸びた際、図15(a)に示したように、脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出したり、袋布21(共布向こう布25を含む)や脇ポケット部20周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが生じたりし、見栄えが大きく低下する問題がある。
そこで、本実施の形態1では、この問題を解決するために、2本の折り目221,222に沿って折畳んで形成した襞状のタック部22を長く形成し、その一部でタック部22の襞(折り返し部分)を閉じるように中縫いを行って、タック部22の中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78にて縫合している。
即ち、本実施の形態1のタック部22では、後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFのうち、中縫いを行うことによって、第1の折り目221と第2の折り目222の間の布地である中間布地21BMと、第1の折り目221から閉鎖端部側(ループ側)の間の布地である前側布地21BFとを、タックの長さ方向の一部で縫合線78にて縫合することにより、一部の襞を閉じている。
なお、中縫いによる中間布地21BMと表側布地22Fの縫合では、縫合線78の縫い目が中間布地21BMと表側布地21Fを貫通しているのみで、裏側布地21Bを貫通していないから、ズボン1の腰裏側から見て縫合線78の縫い目は表出していない。
特に、本実施の形態1のタック部22においては、向こう布21Bの上端から所定範囲は、タック部22の襞を縫合することなくタックの折畳みの開閉を自在とし、タックの上端から所定位置より下で中縫いによって中間布地21BMと後側布地21BBを縫合線78にて縫合している。即ち、タック部22の上方を除いてタック部22の襞が縫合されている。
ここで、本実施の形態1において、タック部22の縦幅の長さx(図13参照)は、例えば、向こう布21Bの上がり線OL(図13参照)から垂直方向の長さで、9cm以上、15cm以下が好ましく、より好ましくは、10cm以上、14cm以下である。なお、ここでの上がり線OLとは、ウエストベルト部10の表側の下端、詳しくは、ウエストベルト部10の表側の延出部表ベルト11の下端のラインに一致するものである。向こう布21Bの裁ち切り線からすると、上がり線OLはその裁ち切り線よりも、通常、1cm程度下位に位置する。
このような所定長さのタック部22の形成により袋布21の下方の布地の遊びもズボン1の表側に響かない程度になる。そして、この所定の長さのタック部22の襞に対し、その上方を除いて縫合線78にて中間布地21BMと後側布地21BBを縫合することで、ズボン1の着用時に袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出したり、袋布21の変形、歪み等により袋布21(共布向こう布25を含む)や脇ポケット部20周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが発生したりするのが抑制される。
特に、本実施の形態1においては、タック部22の襞を中縫いすることで、向こう布21Bの中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78で縫合するが、後側布地21BBの上端(裁ち切り線)から下に所定長さの範囲は、タック部22の襞を縫合することなく、タック部22の下方側を縫合する。
図13を参照して具体的に説明すると、本実施の形態1では、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22を縫合する始点78sとの間の垂直方向の長さ(縦幅)をYa(cm)としたとき、3≦Ya≦6が好ましい。即ち、タック部22の縫合の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に3cm以上、6cm以下の範囲内に位置させるのが好ましい。
ここで、Yaが短すぎる場合、即ち、タック部22の襞を縫合する位置が向こう布21Bの上端に近すぎる場合、タック部22の展開量を十分に確保できない。このため、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際にウエストベルト部10のスムースな動きを確保できず窮屈感を生じさせたり、また、袋布21の上方で引き攣り、引っ張りによる歪み、皺寄り等が生じ、それがズボン1の表側にも響いて、見栄えが低下したりする。一方で、Yaが長すぎる場合、即ち、タック部22の襞を縫合する位置が下方に下がり過ぎる場合、袋布21の布地の遊びが多くなって、ズボン1の着用時に脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出しやすくなる。
しかし、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22の縫合の始点78sとの間の垂直方向の長さYaが、3cm以上、6cm以下の範囲内であれば、布地の種類、厚み、伸び特性や、袋布21やポケット口の大きさ等を問わず、ウエストベルト部10が伸びたときでも袋布21の上方の見栄えを損なうことなく、ズボン1の着用時に袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出するのを効果的に抑えることができ、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。更に、本発明者らの実験研究によれば、より好ましくは、3.5≦Ya≦5.5、更に、好ましくは、4≦Ya≦5であれば、身頃4F,4B等が薄生地であっても、ウエスト部Wが伸びたときの袋布21のポケット口23からの吹き出し、袋布21の変形を抑え、脇ポケット20部及びその周囲の皺寄りの発生を防止でき、かつ、脇ポケット部20の上方で引き攣りが生じ難いものとなる。
こうして、本実施の形態1では、向こう布21Bの裁ち切り線(上端)と上がり線OLとの間を含め、向こう布21Bの上がり線OLから下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内はタック部22の襞を縫合することなく、上がり線OLの3cm〜6cm下の位置から下方で中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78にて縫合することで、タック部22の一部の襞を縫合している。
なお、向こう布21Bの裁ち切り線(上端)と上がり線OLとの間を1cmとし、前側布地21BFの裁ち切り線(上端)を基準にすると、その裁ち切り線(上端)から下に4cm以上、7cm以下の範囲内、好ましくは、4.5cm以上、6.5cm以下の範囲内、より好ましくは、5cm以上、6cm以下はタック部22の襞が縫合されることなく、断ち切り線(上端)の4cm〜7cm下の位置から下方で中縫いにより中間布地21Mと前側布地21BFが縫合線78にて縫合されていることになる。
このとき、本実施の形態1のタック部22においては、上述したように、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定され、タック部22を形成する2本の折り目221及び折り目222間の間隔、即ち、横幅長さが上端側から下方に向かって徐々に縮小しているから、第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さが向こう布21Bの上端(断ち切り線)の横幅長さwの、例えば、0.5〜0.9倍、より好ましくは、0.6〜0.8倍となる位置がタック部22の縫合の始点78sとされ、そこから下が縫合線78にて縫合されることになる。
つまり、本実施の形態1では、第1の折り目221と第2の折り目222間の間隔である横幅長さが向こう布11の上端における横幅長さwの、例えば、0.5〜0.9倍、より好ましくは、0.6〜0.8倍となる位置までは、タック部22の襞を閉じることなく、第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔である横幅長さが向こう布11の上端における横幅長さwの0.5〜0.9倍、より好ましくは、0.6〜0.8倍となる位置から下を縫合線78にて縫合する。
そして、タック部22の襞を縫合する長さ、即ち、縫合線78の長さは、タック部22の襞を縫合する始点78sと終点78tの間の垂直方向の長さ(縦幅)をYb(cm)としたとき、3≦Yb≦6が好ましい。
ここで、Ybが短すぎると、即ち、タック部22を縫合する長さが短すぎる場合、袋布21の遊びが多くなることで、布地の種類によっては、ズボン1の着用時に脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出しやすくなる。一方で、Ybが長すぎると、即ち、タック部22を縫合する長さが長すぎる場合、袋布21の布地の余裕が少なくなることで、ウエストベルト部10が伸びたときに、袋布21に引き攣りによる歪みが生じたり皺が寄ったりし、それがズボン1の表側に響いて、外観性や見栄えを損なう恐れがある。
特に、ポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75が前身頃4F、後身頃4B及び袋布21aの接続点であるから、ウエストベルト部10が伸びたときに、ポケット止まり75の周囲に引張り力が生じ易く、更に、そこに強度向上のために閂止めが施されている場合には、その周囲でより強い引張り力が生じやすくなる。このため、Ybが長すぎると、脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲で袋布21の引き攣り量、引っ張り量が多くなり、そこに負荷がかかって布地が損傷しやすくなる。また、脇ポケット部20のポケット止まり75の周辺で袋布21の引き攣りによる歪みが生じたり皺が寄ったりし、ズボン1を表側から見たときの外観性や見栄えを損なう恐れがある。
しかし、タック部22の縫合の始点78sと終点78tの間の垂直方向の長さ(縦幅)Ybが、3cm以上、6cm以下であれば、布地の種類、厚み、伸び特性や、袋布21やポケット口の大きさ等を問わず、ズボン1の着用時に袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出して露出するのを効果的に抑えることができ、かつ、ウエストベルト部10が伸びたときでも脇ポケット部20及びその周辺に引き攣りが生じ難く、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。更に、本発明者らの実験研究によれば、より好ましくは、3.5≦Yb≦5.5、更に、好ましくは、4≦Yb≦5であれば、身頃4F,4B等が薄生地であっても、ウエスト部Wが伸びたときの袋布21のポケット口23からの吹き出し、袋布21の変形を抑え、脇ポケット20部及びその周囲の皺寄りの発生を防止でき、かつ、脇ポケット部20及びその周辺に引き攣りが生じ難いものとなる。
なお、本実施の形態1のタック部22においては、上述したように、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定され、タック部22を形成する2本の折り目221及び折り目222間の間隔、即ち、横幅長さが上端側から下方に向かって徐々に縮小しているから、第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さが、向こう布21Bの上端(裁ち切り線)の横幅長さwの、例えば、0.2〜0.6倍、より好ましくは、0.4〜0.6倍となる位置がタック部22の縫合の終点78tとされる。
こうして、本実施の形態1では、向こう布21Bの上がり線OLの3cm〜6cm下の位置から、3cm〜6cmの長さ(縦幅Yb)でタック部22の襞の一部を縫合線78にて縫合する。
特に、本実施の形態1において、中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFを縫合するときの縫合線78は、縫製の分かり易さから、第1の折り目221に平行させる斜めとする。そして、好ましくは、第1の折り目221から1cm以下の範囲内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以下の範囲内、更に好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合する。つまり、縫合線78と第1の折り目221の間隔幅をD1(cm)とすると(図11(d)参照)、好ましくは、D1≦1、より好ましくは、0.1≦D1≦0.8、更に好ましくは、0.1≦D1≦0.6である。このように第1の折り目221に平行する斜めの縫合線78の位置を第1の折り目221から所定範囲内とすると、タックの開きにより余裕がでるから、ウエストベルト部10が伸びたときの袋布21の引き攣りをより少なくできる。
即ち、第1の折り目221から、好ましくは、1cm以下の範囲内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以下の範囲内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以下の範囲内でタック部22の襞の一部を中縫いの縫合線78によって縫合すると、縫合線78と第2の折り目222との間には、幅が約0.5cm以上のキセKが設けられることになる。
例えば、タック部22の折畳み長さがその上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定されている袋布21において、向こう布21Bの上端で第1の折り目221と第2の折り目222の間の間隔、即ち、横幅長さwを2cmとしたタック部22の襞に対し、その下方で第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1.5cmとなる位置から下を縫合線78にて縫合したとき、縫合線78が第1の折り目221から0.5cm幅の間隔をあけて第1の折り目221に平行している場合、縫合線78の始点78sの位置では、縫合線78の始点78sから第2の折り目222までの間が1cm幅となる。よって、縫合線78の始点78sの位置では、1cm幅のキセKを設けていることになる。そして、縫合線78の始点78sの位置では、第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1.5cmであることで、襞が縫合されない場合には、タックの開きが3cmとなるが、縫合線78によりタックを閉じた場合の開きは1cm幅のキセKの部分が開かれることで2cmのタックの開きとなる。また、第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1cmとなる位置を縫合線78の終点78tとしたとき、その縫合線78の終点78tの位置では、縫合線78の終点78tから第2の折り目222までの間のキセK幅が0.5cmとなる。よって、縫合線78の終点78tの位置では、第1の折り目221と第2の折り目222の横幅長さが1cmであることで、襞が縫合されない場合には、タックの開きが2cmとなるが、縫合線78によりタックを閉じた場合の開きは0.5cm幅のキセKの部分が開くことで1cmのタックの開きとなる。
本実施の形態1においては、このような所定幅のキセKを設けていることで、3≦Ya≦6であっても、即ち、後述する変形例2と比較して、タック部22の襞を袋布21のより上方で閉じる構成であっても、タック部22のキセKの部分でタックが多少開くから、ウエストベルト部10が伸びる際に、袋布21の上方に引き攣りが生じ難く、袋布21が歪んだり袋布21及びその周辺で皺が寄ったりし難いものとなる。
このように、本実施の形態1の袋布21では、向こう布21Bに形成したタック部22において、向こう布21Bの上がり線OLより3cm〜6cm下から下方を3cm〜6cmの縦幅(垂直方向の長さYb)で縫合線78による中縫いによって中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合することにより、タック部22の襞の一部を閉じで、タックの開きを制限している。即ち、タック部22の上端から下に所定の長さ範囲では、タック部22の襞を閉じることなく開放し、タック部22の下方で中間布地21BMと前側布地21BFを縫合線78にて縫合していることでタック部22の開きを制限している。
これより、本実施の形態1のズボン1では、ウエストベルト部10のカーブによって着用時に身体のウエスト周りに対するフィット性が高くても、袋布21の向こう布21Bに所定の長さのタック部22を形成し、そのタック部22の襞の一部をタック部22の上方を除いて中縫いによって縫合してタックの開きを制限したことで、袋布21の遊びが少なくなり、図15(b)に示したように、ズボン1の表側(外側)から見て、袋布21(共布向こう布25を含む)の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、また、袋布21の変形が抑えられ、脇ポケット部20及びその周囲に皺寄りが生じ難くなり、見栄えの良い脇ポケット部20を形成し、美観を維持できる。
特に、本実施の形態1では、タック部22の襞を縫合する始点78sは、袋布21の向こう布21の上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内にあり、そこから垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内でタック部22の襞を中縫いによって縫合しており、後述する変形例2と比較して、タック部22の襞を袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合する構成であり、袋布21の下方に余裕を持たせている。したがって、ウエストベルト部10が伸びたときでも、脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲で引き攣り、引張りが生じ難くて、袋布21に歪みや皺寄りが生じ難いものである。よって、ズボン1を表側から見たときの見栄えに優れるものである。
また、このようにタック部22の襞を袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合する構成であると、婦人用のボトムスのように袋布21を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わず、袋布21のタック部22を比較的短いものとするボトムスにも好適であり、タックが比較的短くても、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞を縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21(共布向こう布25を含む)が吹き出すのを効果的に抑制できる。
そして、本実施の形態1では、袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合されるタック部22の襞は、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面に表れない第1の折り目221から、好ましくは1cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、更に好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内で縫合するから、タック部22の襞を縫合した部分において、タックの開きが制限されるも、所定の展開量は確保される。よって、後述する変形例2と比較してタック部22の縫合位置を袋布21の中間部から上側としていても、袋布21のタック部22の所定の展開量を確保できることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、袋布21の上方の引き攣り、歪み、皺寄りが抑えられて見栄えを維持できると共に、ウエストベルト部10をスムースに伸ばすことができる。
なお、本発明を実施する場合、袋布21の中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78は、第1の折り目221と平行させず直線状としてもよい。また、本発明を実施する場合には、コバステッチにより中間布地21BMと前側布地21BFと後側布地21BBを縫合することも可能である。
ここで、脇ポケット部20の変形例1及び変形例2について説明する。
まず、変形例1の脇ポケット部201について図16及び図17を参照して説明する。
上述した脇ポケット部20は、袋布21の向こう布21Bに設けたタック部22を形成する第1の折り目221と第2の折り目222の間隔を上端から下方に向かって縮小させているものである。
これに対し、本変形例1に係る脇ポケット部201においては、第1の折り目221と第2の折り目222を平行に形成し、第1の折り目221と第2の折り目222の間隔を上端から下方に向かって一定としている。即ち、ウエストベルト部10の伸び量に応じウエストベルト部10の伸び長さ以上に設定されるタック部22の折畳み長さは、上端から下方に向かって一定としている。
例えば、平ゴム15Eに縫着した伸び止め材16の折畳み長さを4cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを約4cmに規制する場合には、即ち、ウエストベルト部10の伸び長さを4cmとする場合には、袋布21の向こう布21Bに形成される第1の折り目221と第2の折り目222の間の横幅長さを、上端から下方に向かって一定の2cm以上とする。
なお、第1の折り目221と第2の折り目222は、上端から下方に向かって垂直方向の直線としもよいし、前中心FC側から脇線LS,RS側に傾く斜めとしてもよい。
そして、本変形例1に係る脇ポケット部201においても、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22において向こう布21Bの上がり線OLの3cm〜6cm下から下方を3cm〜6cmの縦幅(垂直方向の長さ)で中縫いによって中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合線78にて縫合することにより、タック部22の襞の一部を縫合し、タックの開きを制限する。
よって、本変形例1においても、上述した脇ポケット部20と同様と同様、ズボン1の表側(外側)から見て、袋布21(共布向こう布25を含む)の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、脇ポケット部20及びその周囲に皺寄りを生じ難くして、見栄えの良い脇ポケット部201を形成し、美観を維持できる。
また、本変形例1の脇ポケット部201においても、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22の襞を袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合する構成であるから、婦人用のボトムスのように袋布21を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わず、袋布21のタック部22を比較的短いものとするボトムスにも好適であり、タックが比較的短くても、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞を縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21(共布向こう布25を含む)が吹き出すのを効果的に抑制できる。
更に、本変形例1においても、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22の襞を縫合する始点71sは、袋布21の向こう布21Bの上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内にあり、そこから垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内でタック部22の襞を中縫いによって縫合しており、後述する変形例2と比較して、袋布21の下方に余裕を持たせている。したがって、ウエストベルト部10が伸びたときでも、脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲で引き攣り、引張りが生じ難くて、袋布21に歪みや皺寄りが生じ難いものである。よって、ズボン1を表側から見たときの見栄えに優れるものである。
そして、本変形例1においても、上述した脇ポケット部20と同様、袋布21の縦幅の中間部から上側で縫合されるタック部22の襞は、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面に表れない第1の折り目221から、好ましくは、1cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、更に好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内の中縫いによって縫合する。つまり、縫合線78と第1の折り目221の間隔幅D1は、好ましくは、D1≦1、より好ましくは、0.1≦D1≦1.0、更に好ましくは、0.1≦D1≦0.6とする。これによって、タック部22の襞を縫合した部分において、タック部22の開きが制限されるも、所定の展開量は確保される。よって、後述する変形例2と比較して、タック部22の縫合位置を袋布21の中間部から上側としていても、袋布21のタック部22の所定の展開量を確保できることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、袋布21の上方の引き攣り、歪み、皺寄りが抑えられて見栄えを維持できると共に、ウエストベルト部10をスムースに伸ばすことができる。
特に、本変形例1において、第1の折り目221及び第2の折り目222を平行にしていることで、タック部22の襞を縫合する縫合線78は、それら第1の折り目221及び第2の折り目222に対し平行させる縫製とすると分かり易く、生産性を向上できる。
例えば、本変形例1において、第1の折り目221及び第2の折り目222の間隔の横幅を2cmとしたとき、襞が縫合されない部分では、タックの開きが4cmとなるが、第1の折り目221から0.5cm離した位置で襞を中縫いした場合には、そのときの縫合線78と第2の折り目222の間のキセKの幅は1.5cmとなるから、中縫いした部分のタックの開きは3cmに制限される。
そして、本変形例1において、中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78が第1の折り目221及び第2の折り目222に平行させていると、その縫合した部分のタックの開きも一定となる。
このように、変形例1の脇ポケット部201においては、平行する第1の折り目221と第2の折り目222に対し、タック部22において中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78を平行させ、縫合線78と第1の折り目221の間隔幅D1を例えば、0.5cmとした場合、上述した脇ポケット部20と比較して、縫合線78と第2の折り目222との間のキセKの量が増えるので、タックの開き量が多いものとなる。よって、袋布21に余裕を持たせることができるから、ウエストベルト部10が伸びたときのポケット止まり部75の周辺の引き攣り、引張りを効果的に抑え、見栄えを向上させることができる。一方、上述した脇ポケット部20では、変形例1の脇ポケット部201と比較して、タックの開き量の制限を大きくできるので、着用時にポケット口23からの袋布21の吹き出しを抑制する効果を向上させることができる。
なお、袋布21の生地、共布向こう布25の生地、身頃4B,4Fの生地、ウエストベルト部10の表側及び裏側の生地等によって、また、ポケット口23の開口の大きさ等によって、上述した脇ポケット部20または変形例1の脇ポケット部201を適宜選択することも可能である。例えば、身頃4B,4F等の生地が薄いものやポケット口23の開口が大きいものでは、ポケット口23から袋布21が吹き出しやすくなるから、タックの開き量の制限を大きくできる上述した脇ポケット部20に係る袋布21の構造を採用することで、より効果的にポケット口23からの袋布21の吹き出しを抑えることが可能である。一方で、生地が厚いものやポケット口23の開口が小さいものでは、ウエスト部Wが伸びたときの引き攣り、引張りが大きくなり、特に、ポケット止まり部75周辺で引き攣り、引張りが大きくなるが、タックの開き量の制限を少なくした変形例1の脇ポケット部201の袋布21の構造を採用することで、ウエスト部Wが伸びたときでもポケット止まり部75の周辺の引き攣り、引張りを効果的に抑え、見栄えを良好に維持することが可能となる。
勿論、変形例1においても、中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78は必ずしも第1の折り目221及び第2の折り目222に平行でなくともよい。また、本発明を実施する場合には、コバステッチにより中間布地21BMと前側布地21BFと後側布地21BBを縫合することも可能である。
次に、変形例2の脇ポケット部202(202A,202B)について、図18乃至図20を参照して説明する。
上述の脇ポケット部20については、タック部22において向こう布21Bの上がり線OLの3cm〜6cm下から下方を3cm〜6cmの縦幅(垂直方向の長さ)で中縫いによって中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合線78にて縫合することにより、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞の一部を閉じるものである。
このように、上述の脇ポケット部20については、袋布21の縦幅の中間部から上側でタック部22の襞の一部を閉じるから、タック部22を形成するための2本の折り目221、222にしっかりクセを付したり、また、袋布21のクセとりをしたりするためのアイロン等のプレス処理を行わない婦人用のボトムス等のように、袋布21の下方に余裕を持たせる形態、デザインに好適である。即ち、婦人用のボトムス等のように、折り目221、222を安定させたり袋布21を落ち着かせたりするためのアイロン等のプレス処理を行わずに、タック部22の形成を袋布21の中間部分までの長さとする設計に好適である。
これに対し、変形例2の脇ポケット部202は、紳士用のボトムスのように、折り目221、222を安定させるために折り目221、222にアイロン等のプレスを施してしっかり折り目を付したり、袋布21をアイロン等でプレスしてクセとりをしたりする設計に好適なものである。
即ち、変形例2の脇ポケット部202においては、タック部22の折り目221、222について、袋布21の下方まで延ばし、袋布21のより下側でタック部22の襞の一部を閉じることで、袋布21の皺、歪み、膨らみ、浮きをより抑え、袋布21をより落ち着かせたものである。
具体的には、本変形例2においては、タック部22の末端が、ポケット口23の末端の高さ、即ち、ポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tに対し、それよりも2cm以上、下方に位置するように、向こう布21Bの一部を折畳んで向こう布21Bの上端から下方に向かってタック部22を形成する。
これにより、袋布21の下方の遊び、余り、ダブつき、浮き等が少なくなり、アイロン等でプレスすればそれらのクセとりができるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
本発明者らの実験研究によれば、例えば、ズボン1の表側(外側)からみたときの脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)が15〜17cmで、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76の長さl(図8(b)参照)が15.5〜17.5cmとされる紳士用のズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅の長さxを、ポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜4cm長くすることで、袋布21の下方の遊び、余り、ダブつき、浮きが少なくなり、アイロン等でプレスすればそれらのクセとりができるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて極めて見栄えの良い脇ポケット部202に仕上げることができる。
より詳しくは、例えば、伸び止め材16の折畳み長さを2〜5cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを2〜5cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸びを2〜5cmに設定する場合、脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)mが15cmのズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅長さxはポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜4cm長くして17cm〜19cmあれば、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
また、例えば、脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)mが17cmのズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅長さxはポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜3cm長くして19cm〜20cmあれば、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
更に、ズボン1の表側(外側)からみたときの脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)が13〜15cmで、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾斜するポケット口外縁76の長さl(図8(b)参照)が13.5〜15.5cmとされる婦人用のズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅の長さxを、開口幅(縦幅)mよりも2〜5cm長くすることで袋布21の下方の遊び、余り、ダブつきが少なくなり、アイロン等でプレスすればそれらのクセとりができるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて見栄えの良い脇ポケット部202に仕上げることができる。
例えば、伸び止め材16の折畳み長さを2〜5cmとし、その伸び止め材16の折畳み長さによって平ゴム15Eの最大伸びを2〜5cmに規制する場合、即ち、ウエストベルト部10の伸びを2〜5cmに設定する場合、脇ポケット部202のポケット口23の開口幅(縦幅)mが13cmのズボン1の袋布21では、タック部22の縦幅長さxはポケット口23の開口幅(縦幅)mよりも2〜5cm長くして15cm〜18cmあれば、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
つまり、本変形例2においては、ポケット口23の開口幅(縦幅)m(cm)とタック部22の縦幅の長さx(cm)との関係を、x≧m+2(13≦m≦17)とすることで、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なくて美観に優れた脇ポケット部202に仕上げることができ、身頃4F,4Bが薄い生地であっても、ズボン1の表側に袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が響かずに美感に優れたものとなる。好ましくは、13≦m<15であるとき、x≧m+4であり、15≦h≦17であるとき、x≧m+3である。
なお、ここでは、ポケット口23の開口幅(縦幅)mを異にしても袋布21の大きさは統一した大きさ(同一の大きさ)とした場合を基準としている。
勿論、本発明を実施する場合、袋布21の縦幅の大きさによっては、袋布21の上端から下までの全長に亘って、正確には、袋布21の上端から向こう布21B及び手前布21Rを縫合した下端の縫合線73の位置まで、タック部22の折り目221,222をアイロン等のプレスでしっかり付すようにしてもよい。
そして、本変形例2に係る脇ポケット部202においては、タック部22に対し、ポケット口23の末端、即ち、ポケット口外縁76の下端と脇線LS,RSの交点であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向で2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内で縫合線78にてタック部22の襞を閉じている。
即ち、本変形例2においては、タック部22の襞を閉じる縫合線78の始点78sがポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向で2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にある。
このとき、本変形例2においては、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22の襞を縫合する縫合線78の始点78sとの間の垂直方向の長さ(縦幅)をYa(cm)とすると、7≦Ya≦11が好ましい。即ち、タック部22の縫合の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に7cm以上、11cm以下の範囲内に位置させるのが好ましい。
ここで、Yaが短すぎる場合、即ち、タック部22の縫合の始点78sがタック部22の上端に近すぎる場合、タック部22の展開量を十分に確保できない。このため、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際にウエスト部Wのスムースな動きを確保できず窮屈感を生じさせたりする。また、袋布21の上方で引き攣り、引っ張りによる歪み、皺寄り等が生じ、それがズボン1の表側にも響いて、見栄えが低下したりする。一方で、Yaが長すぎる場合、即ち、タック部22の縫合する位置が下方に下がり過ぎる場合、袋布21の布地の遊びが多くなるから、布地の種類によっては、ズボン1の着用時に脇ポケット部20の袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出しやすくなる。
しかし、本変形例2において、向こう布21Bの上がり線OLとタック部22の縫合の始点78sとの間の垂直方向の長さYaが、7cm以上、11cm以下の範囲内であれば、タックの開きが十分に確保され、ウエストベルト部10が伸びたときでも、袋布21の上方に引き攣りが生じ難く、脇ポケット部202が歪んだり脇ポケット部20の周辺に皺が寄ったりするのが防止され良好な見栄えを確保でき、かつ、袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出す事態を効果的に抑えることができ、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。より好ましくは、8≦Ya≦10である。
ここで、本変形例2の脇ポケット部202において、ポケット口23からの袋布21(共布向こう布25を含む)の吹き出しを効果的に抑えるためにタック部22の襞を縫合する縫合線78は、タック部22を形成する第2の折り目222に平行で第2の折り目222から、好ましくは、6mm以内、より好ましくは、0.1mm以上、5mm以内、更に好ましくは、0.1mm以上、0.4mm以内としている。即ち、縫合線78と第2の折り目222の間隔幅をD2(cm)とすると、好ましくは、D2≦0.6、より好ましくは、0.1≦D1≦0.5、更に好ましくは、0.1≦D1≦0.4である。これより、本変形例2においては、タック部22の襞が縫合線78にて縫合された範囲では、タックの開閉が殆どなく、タック部22の襞が略完全に閉じられた状態となる。そして、タック部22の襞を縫合した部分ではその襞が殆ど展開しないから、身頃4F,4B等の生地が薄いものでも、脇ポケット部20の皺寄りを効果的に抑え、見栄えを維持できる。
このとき本実施例2におけるタック部22の襞の縫合線78での縫合は、図18(C)及び図18(d)で示した脇ポケット部202Aのように、中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合するようにしてもよいし、図19で示した脇ポケット部202Bのように、コバステッチで後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合するようしてもよい。
図18(C)及び図18(d)で示した脇ポケット部202Aのように、中縫いによる中間布地21BMと前側布地21BFの縫合では、縫合線78の縫い目が中間布地21BMと前側布地21BFを貫通しているが後側布地21BBには表出しないのに対し、図19で示した脇ポケット部202Bのように、コバステッチによる後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとの縫合では、縫合線78の縫い目が後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFを貫通し後側布地21BBの外面に表出する。即ち、図18(C)及び図18(d)で示した脇ポケット部202Aでは、中縫いにより中間布地21BMと前側布地21BFを縫合する縫合線78の縫い目が、ズボン1の腰裏側から見て表れず、後側布地21BBに表出しないのに対し、図19で示した脇ポケット部202Bでは、コバステッチにより後側布地21BBと中間布地21BMと前側布地21BFとを縫合する縫合線78の縫い目が、ズボン1の腰裏側から見て後側布地21BBに表れる。
なお、本変形例2においては、ウエストベルト部10の伸びによる引張り力が、袋布21において、ウエストベルト部10の配設側の上端側から下方に向かって徐々に減少するのに併せて、上述した脇ポケット部20と同様、タック部22の折畳み長さは、その上端側から下方に向かって徐々に小さくなるように設定されている。即ち、第1の折り目221及び第2の折り目222の間隔が上端から下方にかけて縮小するようにしている。これにより、ウエストベルト部10の伸縮による袋布21の布地の遊び、ダブつき、浮きを減らし、見栄えの良い脇ポケット部20に仕上げることができる。しかし、本発明を実施する場合には、上記変形例1のときと同様、第1の折り目221と第2の折り目222を平行とし、それらの間隔が上端から下方にかけて一定となるようにしてもよい。
そして、本変形例2において、タック部22の襞を縫合線78にて閉じる位置は、少なくともポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に所定の長さであればよい。即ち、ポケット口23からの袋布21(共布向こう布25を含む)の吹き出しを抑えるためには、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に所定の長さだけタック部22の襞を閉じればよく、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tより下では、タック部22の襞を縫合しても良いし、縫合しなくても良い。ポケット止まり75の高さに対応する位置75tより下を縫合しない場合には、ウエスト部Wが伸びたときの脇ポケット部20の下方のポケット止まり75の周囲における引き攣り、引張りが抑制され、袋布21の歪みや皺寄りを防止して、ズボン1を表側から見たときの美感、見栄えの向上が可能となる。一方で、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tより下を縫合した場合には、袋布21がより落ち着くから、商品として陳列した際の美感、見栄えの向上が可能となる。
ここで、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上でタック部22の襞を縫合する長さは身頃4F,4bの布地、共布向こう布25の布地、ウエストベルト部10の表側及び裏側を形成する収容部12及び延出部11の布地の種類、厚み、伸縮性等に応じて、また、ポケット口23の開口幅(縦幅)mに応じて設定される。なお、本変形例2においても、袋布21の共布向こう布25の布地や、ウエストベルト部10の表側及び裏側を形成する収容部12及び延出部11の布地は身頃4F、4Bと共地である。
本発明者らの実験研究によれば、例えば、綾織り(斜文織、ツイルともいう)のチノパン生地(主に綿やポリエステルからなる生地で、ここでは、綿65%、ポリエステル32%、ポリウレタン3%の生地を使用)からなる布地を身頃4F,4Bに使用した場合、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)m(図8(b)参照)を12cm以上、15cm未満(12≦m<15)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで4cm以上、5cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから縫合線78の始点78sまでの間の垂直方向の縦幅長さをYc(cm)としたとき、4≦Yc≦5が好ましい。
また、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)mを15cm以上、18cm以下(15≦m≦18)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで5cm以上、7cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、5≦Yc≦7が好ましい。
更に、例えば、平織りの生地(ここでは、綿65%、ポリエステル32%、ポリウレタン3%の生地を使用)からなる布地を身頃4F,4Bに使用した場合、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)mを12cm以上、15cm未満(12≦m<15)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで3cm以上、5cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、3≦Yc≦5が好ましい。
また、脇ポケット部20のポケット口23の開口幅(縦幅)mを15cm以上、18cm以下(15≦m≦18)としたズボン1の袋布21に設けたタック22では、ポケット口23の末端であるポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に垂直方向の長さで3cm以上、7cm以下の範囲内でタック部22の襞を縫合線78にて縫合するのが好ましい。即ち、3≦Yc≦7が好ましい。
特に、このような平織り組織では、綾織りの組織と比べ、通気性に富む構成で皺が寄り難いものであるため、タック部22の襞を縫合する長さが短くても、ズボン1の着用時にズボン1の表側(外側)からみて、袋布21(共布向こう布25を含む)がポケット口23から吹き出るのが抑制され、脇ポケット部20及びその周辺に皺寄りが生じ難く、見栄えに優れた脇ポケット部202となる。
こうして、本変形例2に係る脇ポケット部202(202A,202B)においても、タック部22の上方を除いてタック部22の襞が縫合されていることで、袋布21の遊びが抑えられるから、ウエストベルト部10のカーブによって、ウエスト周りのフィット性が向上することで袋布21の引き攣り量が大きくなっても、袋布21の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、脇ポケット部202の袋布21(共布向こう布25を含む)に皺寄りが生じ難く、見栄えの良い脇ポケット部202となり、ズボン1の見栄え、美観を維持できる。
特に、本変形例2に係る脇ポケット部202では、袋布21の向こう布21Bにおいて2本の折り目221,222に沿って折畳んで形成したタック部22に対し、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから上に3cm以上、8cm以下、好ましくは、3cm以上、7cm以下でタック部22の襞を縫合線78で縫合し、即ち、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tから縫合線78の始点78sまでの間の縦幅長さYc(cm)を、2≦Yc≦8、好ましくは、2.5≦Yc≦7.5、更に好ましくは、3≦Yc≦7とし、袋布21の縦幅の中間部から下側が縫合されている。
よって、例えば、紳士用のボトムスでは袋布21をより落ち着かせるためにアイロン等のプレス処理によってタック部22を形成するための2本の折り目221、222にしっかりクセを付したり、また、袋布21のクセとりをしたりするが、こうしたボトムスの袋布21をより落ち着かせるためにタック部22の形成を袋布21の下方までの長さとする設計に好適である。
特に、本変形例2に係る脇ポケット部202では、タック部22の長さを向こう布21Bの上端から、ポケット止まり75の高さに対応する位置75tよりも2cm以上、下までの長さとすることで、それよりも下方は袋布21の布地の特性、種類等を問わずアイロン等でプレスすればクセとりできるから、袋布21の歪み、皺、膨らみ、浮き等が少なく商品として陳列した際の美感、見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。
そして、本変形例2に係る脇ポケット部202では、タック部22の襞(折り返し部分)を縫合する始点78sを、脇ポケット部202のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tから垂直方向に上に2cm以上、8cm以下の範囲内とする。向こう布21Bの上がり線OL側からすると、タック部22の縫合の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に、好ましくは、7cm以上、11cm以下の範囲内の位置である。また、タック部22の襞を縫合する終点78tは、脇ポケット部22のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tまたはそれよりも下とする。
これにより、布地の種類、厚み、伸び特性や、袋布21やポケット口の大きさ等を問わず、タック部22の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部22の下方で襞の展開を制限できる。よって、ウエストベルト部10が伸びたときでも袋布21の上方の引き攣りによる見栄えを損なうことなく、ズボン1の表側(外側)からみて、袋布21(共布向こう布25を含む)がズボン1の外側のポケット口23から吹き出すのを抑え、良好な見栄えを確保する。更に、本発明者らの実験研究によれば、タック部22の襞(折り返し部分)を縫合する始点78sを、脇ポケット部202のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tから垂直方向に上に2.5cm以上、7.5cm以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内であれば、身頃4F,4B等が薄生地であっても、ウエスト部Wが伸びたときの袋布21のポケット口23からの吹き出し、袋布21の変形を抑え、脇ポケット20部及びその周囲の皺寄りの発生を防止でき、かつ、脇ポケット部20の上方で引き攣りが生じ難いものとなる。
特に、本変形例2に係る脇ポケット部202においては、タック部22を袋布21の下方まで形成し、袋布21の縦幅の中間部から下側を縫合するものであるから、ウエストベルト部10を伸ばしたときでも袋布21の上方で引き攣りによる袋布21の歪み等が生じ難く、見栄えが維持されると共に、ウエストベルト部10が伸びていないときでも、袋布21の皺、歪み、膨らみ、浮き等が少なく見栄えに優れた脇ポケット部202に仕上げることができる。故に、身頃4B、4F等の布地が薄いものでも、袋布21の歪み等がズボン1の表側に響かないので、見栄えが良好であり、商品として陳列した際の美感や見栄えにも優れる。更に、着用時において、ウエスト部Wが伸びたときでも、スムースな伸びを確保しまた、見栄えも維持できる。
こうして、本変形例2に係る脇ポケット部202においても、ウエストベルト部10のカーブによって着用者のウエスト周りにフィットし、ウエストベルト部10に接続する身頃4F,4Bの上部の引き攣り量、引張り量が多くなっても、ズボン1の表側(外側)からみて、袋布21の布地がポケット口23から吹き出すのが抑制され、脇ポケット部20の共布向こう布25や脇ポケット部周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが生じることはなく、ズボン1の見栄え、美観を良好に維持できる。
このように本実施の形態1のズボン1においては、ウエストベルト部10のカーブによって着用者のウエスト周りへのフィット性が向上しても、袋布21の向こう布21Bに設けた所定長さのタック部22の襞をその上方を除いて縫合線78に縫合していることにより、袋布21が引き攣られて袋布21の歪み、変形等によって、袋布21がポケット口23から吹き出して露出したり、脇ポケット部20の袋布21や脇ポケット部20周囲の身頃4B,4Fに皺寄りが生じたりするのが抑えられ、ズボン1を表側から見たときの良好な見栄えを保つことができる。
更に、本実施の形態1のズボン1においては、収容部12及び延出部11の間を接続する平ゴム15Eとは別に補助弾性材として幅の細い所定長さの平ゴム28を脇ポケット部20の袋布21に縫着している。詳細には、平ゴム28の一端部を、袋布21の向こう布21Bの後側布地21BBの上端部であってタック部22を形成する第2の折り目222の近傍に縫付け、また、反対側の他端部を、向こう布21Bの前側布地21BFの上端部であって、閉端部付近に延出部表ベルト11Fの内折りした下部及び前身頃4Fの上端部に縫付けられている。なお、この平ゴム28を縫付けるときの縫付線はズボン1の表側(外側)からは見えないようになっている。
このときの平ゴム28としては、例えば、織ゴム、編ゴム、コールゴム、ゴムテープ等が使用されるが、本発明を実施する場合、十分な弾性を有するものであれば、ゴム製板、ストレッチテープ(ゴム入り布)、パワーネット生地、サテンネット生地、ストレッチサテン生地、ストレッチレース生地等の様々な弾性を有する素材を用いることも可能である。
このように、本実施の形態1のズボン1においては、平ゴム28の一端部を、袋布21の向こう布21Bの後側布地21BBの上端部に対して縫付け、反対側の他端部を、向こう布21Bの前側布地21BFの上端部に対して、前身頃4Fの上端部及び延出部表ベルト11Fの下側の折り返し部分と共に縫付け、この平ゴム28によって脇ポケット部20の袋布21のタック部22近傍と延出部表ベルト11F側とを弾性的に接続することで、延出部11の先端部側が収容部12から繰り返し出たり入ったりする場合でも、平ゴム28の弾性力によりタック部22の形状を維持し、袋布21の形状が崩れたり、ウエストベルト部10と身頃4F,4Bの境界付近で袋布21や身頃4F,4Bに皺が寄り見栄えが悪くなるのを防いでいる。
特に、平ゴム28の長さ方向の両端部のうち延出部表ベルト11Fの折り返した下部及び前身頃4Fの上端部へ縫付け位置を、反対側のタック部22近傍の縫付け位置よりも若干高くし、平ゴム28の両端の縫付け高さに高低を付していると、タック部22から前中心FC寄りの前側布地21BFに皺が入り難いものとのなる。
なお、このような補助弾性材としての平ゴム28の縫付けは、例えば、長さ方向の一端を、後側布地21BBの上端部に縫付ける一方で、反対側の他端部を前側布地21BFの上方であって延出部表ベルト11Fの上側の折り返し部分に縫付けることも可能である。このような縫付位置でも、袋布21の形状を維持し、皺寄りの発生を防止してズボン1の見栄えを良好に維持できる。
こうして、本実施の形態1のズボン1は、図1(a)及び図1(b)に示したように、両脇の脇線LS,RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で見たときに、ウエスト方向に延びる帯状のウエストベルト部10が前中心FC及び後中心BC側から両脇LS、RS側に向かって上昇する曲線形状に形成されたものである。
そして、本実施の形態1において、この曲線形状のウエストベルト部10は、そのウエスト長を収容部12と延出部11に分割し、先端部11tを除いて前身頃4Fに縫合された延出部11と後身頃4Bに縫合された収容部12とを脇線LS,RS近傍の上部で重ね合わせ、即ち、脇線LS,RS近傍の上部で延出部11の先端部11t側を前身頃4Fに縫着することなく収容部12の端部に挿入し、更に、収容部12に対し延出部11が収容されている状態で収容部12の内部において収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eの接続部15によって弾性的に接続してなるものである。
このように本実施の形態1のズボン1において、曲線状に形成されたウエストベルト部10は、先端部11tを除いて前身頃4Fに縫合された延出部11と後身頃4Bに縫合された収容部12とを、脇線LS,RS近傍の上部で収容部12に対し延出部11の端部を挿入することで重ね合わせ、そして、収容部12に対し延出部11が収容されている状態で収容部12の内部において収容部12及び延出部11の間を平ゴム15Eによって弾性的に接続した構成であることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、平ゴム15Eの弾性力により、収容部12から延出部11を延出自在とする。
このとき、延出部11に接続している前身頃4F側には、脇ポケット部20を構成する袋布21が設けられ、その袋布21の向こう布21Bに所定幅で折重ねた襞状のタック部22を設けていることで、収容部12から延出部11が抜き出る移動に伴い、タック部22の所定の襞が展開される。即ち、ウエストベルト部10に引張り力が掛かったときに、収容部12から延出部11が抜き出るが、この延出部11の移動に伴って、タック部22の襞が開かれる(広げられる)ことになるから、脇ポケット部20を構成する袋布21にかかる引張り力がタック部22の開きによって逃される。よって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かったとき、延出部11は収容部12からスムースに延出する。
こうして、本実施の形態1のズボン1においては、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、平ゴム15Eの伸長によって収容部12から延出部11が引き出されて延出し、また、脇ポケット部20のタック部22が所定量展開され、ウエストベルト部10及びその付近のウエスト部Wが伸長する。そして、ウエスト周りを伸ばそうとする力が解除されると、平ゴム15Eが弾性力によって元の本来の長さに戻るから、再び延出部11が収容部12内に収容される方向に移動して元の状態に戻り、また、脇ポケット部20のタック部22も折畳まれて元の状態に戻る。
このようにして、本実施の形態のズボン1は、カーブしたウエストベルト部10及びその付近のウエスト部Wが伸縮自在である。
よって、本実施の形態のズボン1によれば、ウエストベルト部10のカーブによって、着用時に身体のウエストラインに沿ってフィットさせることができるうえ、カーブしているウエストベルト部10及びその周囲のウエスト部Wは平ゴム15Eの弾性力により伸縮自在であることで、身体の動きに追随できるから、ウエストベルト部10のカーブに伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消しながら、ウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
即ち、ウエストベルト部10がカーブしているから、着用者が着座、しゃがんだ際でも浮きが生じることなく、背中側のウエスト周りでウエストベルト部10がフィットして、下着が見え難いものとなるが、カーブしているウエストベルト部10及びその周囲のウエスト部Wが伸縮自在であるから、着用者が着座やしゃがむ際、また、立ちあがる際でも、その動きに追従して伸長または収縮するため、ウエスト周りに圧迫感、窮屈感を与えることがない。勿論、ウエストベルト部10がカーブしているうえ、伸縮自在な構成であるから、身体のウエスト周りの体型に常にフィットしている感覚や適度な締め付け感を与えることができる。また、ウエストベルト部10がカーブしていても、ウエストベルト部10及びその周囲を含むウエスト部Wが伸縮自在であるから、着脱も容易にできる。
特に、本実施の形態1のウエストベルト部10の伸縮自在構造は、ウエスト長を収容部12及び延出部11に分割し、後身頃4B側に接続した収容部12に対し前身頃4F側に接続した延出部11を両脇の脇線LS,RSの上部付近で挿入し、収容部12の内部で収容部12と延出部11の先端を平ゴム15Eで接続する構成であり、弾性材がズボン1の外観に露出しないから、見た目に伸縮するのが分かり難く、外観性に優れる。
更に、本実施の形態のズボン1によれば、ウエストベルト部10がカーブ形状であり、図1(a)及び図1(b)に示したように、両脇の脇線LS,RSに沿って前身頃4F及び後身頃4Bを重ねた状態で見たときに、身頃4F,4Bの上端とウエストベルト部10の上端及び下端が前中心FC及び後中心BCに向かって上昇する曲線ラインであるから、着用時に着用者のウエストラインに沿う。よって、着用したときに、ストレートのウエストベルトと比べ、脇線LS,RS側で身頃の上端4F,4Bとウエストベルト部10の下端で段差、角張りが少なくなり、ウエストベルト部10と身頃4の繋がりがスムーズですっきりとしたシルエットが得られ、ウエスト周りの見栄えがすっきりとした滑らかなシルエットを形成することができる。
よって、本実施の形態1のズボン1によれば、着用時の美感に優れるものである。
そして、本実施の形態1のズボン1によれば、収容部12の内部で収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eは、その長さ方向の一端部側を延出部11に縫付けたときの縫付線51が、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線である一方、反対側の他端部側を収容部12に縫付けたときの縫付線52が、平ゴム15Eの幅方向の下端から上端に向かい延出部11側に傾く斜めであり、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしている。
これより、平ゴム15Eの下方がその上方よりも長く伸びる分、平ゴム15Eの下方で上方よりもゴムの伸びによる張力を大きくできるから、即ち、ゴムが伸びたときに平ゴム15Eの上方にかかる張力を下方よりも小さくできるから、上方と下方の張力差を小さくしバランスさせることができる。つまり、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、平ゴム15Eの上方と下方の張力差によるゴムの降下量、変形量は小さく抑えることができる。
よって、平ゴム15Eは延出部側に下降し難い直線運動に近い伸びとなり、ゴムの延出部11側が下方に下がり難くなる。故に、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が引き出される際でも、カーブしている延出部11が下方へ下がり難いので、収容部12と延出部11の間に段差が生じ難く、見栄えのよいウエスト周りとなる。
即ち、本実施の形態1のズボン1によれば、平ゴム15Eの一端側を、先端11eに向かって上昇するカーブ形状の延出部11の先端部11t側に縫付け、平ゴム15Eの反対側の他端側を、端部12e側から後中心BC側に向かって上昇するカーブ形状の収容部12の内部に縫付けたときに、接続部15の下方から上方に向かってテンションが掛かりやすい縫着となっても、平ゴム15Eの伸縮自在な長さをその上端から下端に向かって長くした縫着によって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、平ゴム15Eがのびたときにゴムに掛かる張力を下方よりも上方で小さくできることで、平ゴム15Eが直線運動に近い伸びとなる。よって、カーブしている延出部11が下方へ下がり難く、収容部12と延出部11の間の段差が目立だたず見栄えのよいウエスト周りとなる。更に、平ゴム15Eの縫付位置の誤差による延出部11と収容部12の段差のバラつきも生じ難い。よって、平ゴム15Eの縫付位置に高い精度が要求されず、熟練者による縫製でなくとも一定の品質及び信頼性を確保できる。
ここで、上記実施の形態1においては、平ゴム15Eを延出部11に縫付けるときの縫付線51を、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線とする一方で、収容部12に縫付ける縫付線52を、平ゴム15Eの幅方向の下端から上端に向かい延出部11側に傾く斜めとしていることで、平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしている。
しかし、本発明を実施する場合には、平ゴム15Eを延出部11に縫付けるときの縫付線51を斜めとし、収容部12に縫付ける縫付線52を平ゴム15Eの幅方向に並行する直線として、平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしてもよい。また、縫付線51及び縫付線52の両者を斜めとして平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしてもよい。
更に、本実施の形態1のズボン1によれば、両脇線LS,RSに沿って設けた脇ポケット部20,201,202を構成する袋布21の向こう布21Bに所定幅で折畳んでなる襞状の所定長さのタック部22を形成し、タック部22の襞(折り返し部分)をその上方を除いて縫合線78にて縫合している。
したがって、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りの体型にフィットすることでウエスト周りの引き攣りが大きくなっても、襞状のタック部22に対して所定の範囲の一部でタック部22の襞が縫合されて閉じられていることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かりウエスト周りが伸びて脇ポケット部20,201,202の共布向こう布25が表出する面積が拡大したときでも、袋布21の遊び部分がポケット口23から吹き出したり、脇ポケット部20,201,202及びその周囲で皺寄りが生じたりするのが抑制され、脇ポケット部20,201,202の見栄えが維持される。
以上、説明してきたように、本実施の形態1に係るボトムスとしてのズボン1は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン1であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で弾性材としての平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15とを具備し、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続しているものである。
この本実施の形態1に係るズボン1によれば、ウエストベルト部10がカーブしているから、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りに対するフィット性を向上できる。しかも、カーブしたウエストベルト部10に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した接続部15の平ゴム15Eの伸びによって、収容部12から延出部11が延出することにより、ウエストベルト部10が伸長する。また、引張り力が解放されると、平ゴム15Eの弾性力によって、伸長したウエストベルト部10は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部10は、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した平ゴム15Eの弾性力によって伸縮自在である。
したがって、本実施の形態1に係るズボン1によれば、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上させることができるうえ、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した平ゴム15Eの弾性力によりカーブしたウエストベルト部10が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部10のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部10のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
特に、本実施の形態1に係るズボン1によれば、収容部12と延出部11の間を接続する接続部15の弾性材としての平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしているから、延出部11と収容部12の間を接続したときに平ゴム15Eの上下でテンションの相違があったとしても、平ゴム15Eが伸びたときは平ゴム15Eの上方と下方で張力差がバランスされ、直線運動に近づく。よって、平ゴム15Eが伸びたときの張力の相違による平ゴム15Eの下がりを小さく抑えることができる。
即ち、カーブしているウエストベルト部10の表側及び裏側を構成する収容部12及び延出部11は所定の曲線形状を有するから、それらの間で接続部15の平ゴム15Eによって収容部12及び延出部11を接続するとき、平ゴム15Eの下方よりも上方にテンションが掛かりやすい縫着となる。
ここで、ウエスト方向に引張り力が掛かった際に平ゴム15Eにおいて上方よりも下方にかかる張力が弱くなると、平ゴム15Eが伸びたときに平ゴム15Eの延出部11側が下に下がりやすくなる。即ち、収容部12から延出部11が引き出される際に延出部11が下方に下がりやすくなる。
しかし、平ゴム15Eの上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くしていることで、平ゴム15Eの下方が上方より長く伸びるから、平ゴム15Eの伸びによる張力を上方よりも下方で大きくできる。よって、平ゴム15Eが伸びたときには接続部15の上方と下方で張力差がバランスされ、直線運動に近づく。
これより、ウエストベルト部10に引っ張り力が掛かって収容部12から延出部11が引き出される際に延出部11が下方に下がるのを抑制することができ、収容部12と延出部11の間で段差が生じて見栄えが低下するのを防止できる。
こうして、本実施の形態1に係るズボン1によれば、ウエストベルト部10をカーブさせていても、ウエストベルト部10に掛かる引張り力により収容部12から延出部11が引き出される際に収容部12と延出部11の間の段差が目立たず、良好な見栄えを維持できる。
このとき、ウエストベルト部10の内部において収容部12及び延出部11に縫着した平ゴム15Eが、収容部12への縫付側から延出部11への縫付側に向かって斜めに上昇する配設であると、平ゴム15Eが伸びたときでも延出部11に縫付けた端部を収容部12の上端部側に近づけることができるから、ウエストベルト部10に引張り力が掛かって収容部12から延出部11が引き出される際でも、延出部11と収容部12の段差が全く気にならなくなり、見栄えにより優れたものとなる。
また、本実施の形態1に係るズボン1は、前身頃4F側であって両脇の脇線LS,RSに沿って取付けた脇ポケット部20,201,202を具備し、脇ポケット部20,201,202には、それを構成する袋布21の向こう布21Bにその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部22が形成され、タック部22の襞(折り返し部分)がその上方を除いて縫合線78にて縫合されているものである。
即ち、本実施の形態1に係るボトムスとしてのズボン1は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン1であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で並列させた平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15と、前身頃4F側であって両脇の脇線LS,RSに沿って取付けた脇ポケット部20,201,202とを具備し、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続していものであり、また、脇ポケット部20,201,202には、それを構成する袋布21の向こう布21Bにその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部22が形成され、タック部22の襞がその上方を除いて縫合されているものである。
したがって、本実施の形態1に係るズボン1によれば、タック部22の開きが制限され袋布21の生地の遊び、余裕が少なくなるから、ウエストベルト部10のカーブによる着用者のウエスト周りへのフィット性の向上によって、脇ポケット部20の袋布21に掛かる引き攣り量が増大しても、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21が吹き出す事態が防止され、見栄えや外観性を維持できる。
特に、上記実施の形態1及び変形例1に係る脇ポケット部20,201によれば、タック部22の襞は、袋布21の縦幅の中間部から上側の所定範囲が縫合されているから、タックが短い設計のズボン1であっても、ポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。即ち、例えば、婦人用のボトムスのように袋布21を落ち着かるためのアイロン等のプレスを行わないときにはその袋布21のタックの長さは比較的短いものとなるが、そのようなタックが比較的短いものでも、タック部22の上方を除いて、袋布21の縦幅の中間部から上側の所定範囲でタック部22の襞を縫合線78にて縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。
また、上記実施の形態1及び変形例1に係る脇ポケット部20,201によれば、タック部22の襞を縫合する縫合線78の始点(始端)78sは、袋布21の上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、縫合線78の終点(終端)78tは、始点78sから垂直方向に、3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にある。即ち、タック部22の襞を縫合する縫合線78の始端78sは、袋布21の上がり線OLから垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下の範囲内、より好ましくは、4cm以上、5cm以下の範囲内にあり、そこから垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下、好ましくは、3.5cm以上、5.5cm以下、より好ましくは、4cm以上、5cm以下でタック部22の襞を中縫いによって縫合することで、タック部22の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部22の一部の襞の展開を制限することができる。よって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも袋布21の上方で引き攣りが生じることによる見栄えを損なうことがなく、ズボン1の外側でポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に防止できる。
更に、上記実施の形態1及び変形例1に係る脇ポケット部20,201によれば、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面側に表れない第1の折り目221から1cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.8cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.6cm以内でタック部22の襞が縫合線78にて縫合されているから、タック部22の襞を縫合した部分でも所定の展開量を確保できることで、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも、袋布21の引き攣り、特に、ポケット止まり75の周囲に生じやすい引き攣りを抑制して、見栄えを向上させることができる。
また、変形例2に係る脇ポケット部202によれば、袋布21の縦幅の中間部から下側でタック部22の襞が縫合されているから、タックが比較的長い設計のズボン1に好適であり、タックが比較的長いズボン1のポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。即ち、例えば、紳士用のボトムスのように、アイロン等のプレスによってタック部22の折り目をしっかり付したり、袋布21の皺とり、クセとりを行ったりして袋布21を落ち着かるものでは、その袋布21のタックの長さは比較的長いものとなるが、そのようなタックが比較的長いものでも、タック部22の上方を除いて、袋布21の縦幅の中間部から下側の所定範囲でタック部22の襞を縫合線78にて縫合することによって、ズボン1の外側のポケット口23から袋布21が吹き出すのを効果的に抑制できる。
特に、変形例2に係る脇ポケット部202によれば、タック部22の襞を縫合する縫合線78の始点78sは、脇ポケット部202のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tから垂直方向に上に2cm以上、8cm以下、好ましくは、2.5cm以上、7.5cm以下、より好ましくは、3cm以上、7cm以下の範囲内にあり、タック部22の襞を縫合する終点78tは、脇ポケット部20のポケット口外縁76の末端75の高さに対応する位置75tまたはそれよりも下にある。
これより、タック部22の上方の襞の展開量を確保しつつ、タック部22の一部で襞の展開を制限できる。よって、ウエストベルト部10が伸びるときでも袋布21の上方の引き攣りを抑えて見栄えを損なうことなく、袋布21がズボン1の外側のポケット口23から吹き出すのを効果的に防止できる。
更に、変形例2に係る脇ポケット部202によれば、タック部22の襞は、タック部22の折畳み状態で袋布21の向こう布21Bの外面側に表れる第2の折り目222から0.6cm以内、好ましくは、0.1cm以上、0.5cm以内、より好ましくは、0.1cm以上、0.4cm以内で縫合線78にて縫合されている。よって、タック部22の襞を縫合した部分ではその襞が殆ど展開しないから、身頃4F,4B等の生地が薄いものでも、脇ポケット部202の皺寄りを効果的に抑え、見栄えを維持できる。
なお、本実施の形態1では、ウエストベルト部10の表側及び裏側を身頃4B,4Fと共地(綿生地、ウール生地等)とし、即ち、収容部12を構成する収容部表ベルト12F及び収容部裏ベルト12B並びに延出部11を構成する延出部表ベルト11F及び延出部裏ベルト11Bを身頃4B,4Fと共地とし、ウエストベルト部10の上端部で表側と裏側の生地を接ぐ構成としている。しかし、本発明を実施する場合には、ウエストベルト部10の表側と裏側を別生地で構成することも可能である。例えば、ウエストベルト部10の表側の生地は、身頃4B,4Fと共地とし、ウエストベルト部10部の裏側は、タックインしたシャツがズボン1から食み出るのを防止する滑り止め機能を持たせたポリエステル系、ナイロン系、レーヨン系、綿、スレーキ、リボンテープ、ラバー等からなる、所謂、マーベルト仕様とすることもできる。勿論、ウエストベルト部10の表側も身頃4F,4Bとは別生地で作製することも可能であるし、収容部12側と延出部11側で異なる生地を使用することも可能である。
そして、本発明を実施する場合には、ウエストベルト部10の裏側では、表側と同様に身頃4B,4Fと共生地とする場合であっても、また、表側の生地と別生地、例えば、マーベルトとする場合であっても、直線形状に形成されたものをウエストベルト部10の表側に縫着する際にいせ込んで(細かくダブらせて)縫付けることによって、ウエストベルト部10の表側を形成する収容部表ベルト12F及び延出部表ベルト11Fの曲線形状に対応させてもよい。
ここで、上記実施の形態1の変形例3に係るズボン100について、図21乃至図26を参照して、説明する。
本変形例3においては、カーブしたウエストベルト部10の表側のみを収容部12から延出部11が延出自在な構成とし、カーブしたウエストベルト部10の裏側はウエスト方向に一体に連続して形成した腰裏ベルト部30で構成した点で上記ズボン1と相違する。その他の構成については、上記ズボン1と同様であるためここでは重複する詳細な説明を省略し、相違する点のみを説明する。
即ち、上記ズボン1においては、カーブしたウエストベルト部10の表側及び裏側のウエスト長を収容部12と延出部11に分割し、ウエストベルト部10の表側及び裏側が収容部12及びそれに挿入された延出部11によって形成されており、延出部11の前身頃4Fに縫着されない端部をウエストベルト部10の表面及び裏面の意匠面側から隠れるように収容部12内に入れることで、ウエストベルト部10の表側及び裏側で収容部12に対し延出部11が挿入された構成である。つまり、ウエストベルト部10の表側及び裏側から見て、収容部12に対し延出部11の端部11tが重ねられ収められており、収容部12と延出部11はウエスト周囲で一体に連続しておらず分離している構成である。そして、これら収容部12及び延出部11は、収容部12の内部で平ゴム15Eによって接続されている。
このような上記ズボン1においては、ウエストベルト部10の表側及び裏側に弾性材が露呈しないことで、見た目にも伸縮することが分かりづらいものとなっている。一方で、ウエストベルト部10の表側で収容部12に対し延出部11が収められるその収容部12の開口端12eはベルト通し5を使用すればそれによって収容部12から延出部11が延出する部分を隠すことができるが、ウエストベルト部10の裏側では収容部12の開口端12eが露呈することになるから、興味本位でその開口から内部構造を引き出して平ゴム15Eによる伸縮機構を壊してしまう恐れがある。
これに対し、本変形例3に係るズボン100では、カーブしたウエストベルト部10の表側のみが、そのウエスト長を収容部12と延出部11に分割されて収容部12及びそれに挿入された延出部11によって形成されており、延出部11の前身頃4Fに縫着されない先端部11tをウエストベルト部10の表面の意匠面側から隠れるように収容部12に重ね入れることで、ウエストベルト部10の表側のみで収容部12に対し延出部11が挿入された構成である。
つまり、ウエストベルト部10の表側のみ収容部12に対し延出部11の端部が重ねられ収められており、収容部12と延出部11はウエスト周囲で一体に連続しておらず分離している構成である。そして、延出部11の先端部11tが収められた収容部12の内面側において、延出部11と収容部12の内面側とが弾性材としての平ゴム15Eによって弾性的に接続されている。
一方、ウエストベルト部10の裏側は、収容部12に縫着した収容部側裏ベルト32と延出部11に縫着した延出部側裏ベルト31との間を平ゴム33で接続してなる腰裏ベルト部30で形成され、ウエスト周囲で一体に連続した構成である。
即ち、本変形例3では、カーブしたウエストベルト部10の裏側は、ウエスト周囲で分離しておらず一体に連続している構成であり、ウエストベルト部10の表側を形成している収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と、ウエストベルト部10の表側を形成している延出部11にその先端部11t側を除いて縫合した延出部側裏ベルト31と、延出部側裏ベルト31及び収容部側裏ベルト32の間を接続した平ゴム33からなる腰裏ベルト部30で形成されている。
このように、本変形例3では、ウエスト方向に延びる帯状がカーブしたウエストベルト部10の裏側をウエスト方向に一体に連続した腰裏ベルト部30で構成し、収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と延出部11の長さ方向の一部に縫合した延出部側裏ベルト31と間を平ゴム33によって弾性的に接続することで、平ゴム33の弾性力により腰裏ベルト部30を伸縮自在とする。
したがって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、収容部12と延出部11の間を弾性的に接続する接続部15の平ゴム15Eの伸長によって、ウエストベルト部10の表側では収容部12から延出部11が引き出されて延出すると共に、平ゴム33の伸長によって、ウエストベルト部10の裏側では腰裏ベルト部30が伸長する。そして、ウエスト周りを伸ばそうとする力が解除されると、ウエストベルト部10の内部の平ゴム15E及び腰裏ベルト部30の平ゴム33の弾性力によって元の本来の長さに戻るから、ウエストベルト部10の表側では、再び延出部11が収容部12内に収容される方向に移動し元の状態に戻り、また、ウエストベルト部10の裏側の腰裏ベルト部30も元の本来の長さ状態に戻る。このようにして、本変形例3においても、ウエストベルト部10を伸縮自在としている。
ここで、本変形例3においては、ズボン100の表側(外面側)を形成する延出部11及び収容部12と、ズボン100の裏側を形成する腰裏ベルト部30の延出部側裏ベルト31
及び収容部側裏ベルト32は、前身頃4F及び後身頃4Bと共地(例えば、綿生地、ウール生地等)である。そして、図22及び図23で示すように、表側の収容部12とそれに対応した裏側の収容部側裏ベルト32の両者は、ウエストベルト部10の上端側で縫合線62Aにて接続し、表側の延出部11とそれに対応した裏側の延出部側裏ベルト31の両者は、ウエストベルト部10の上端側で縫合線61Aにて接続する構成である。
詳しくは、ウエストベルト部10の表側を構成する収容部12とそれに対応するウエストベルト部10の裏側を構成する収容部側裏ベルト32は、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の収容部12及び収容部側裏ベルト32の布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目の近傍で収容部12及び収容部側裏ベルト32の両者が縫合線62Aにて縫合わされている(図22及び図23参照)。また、収容部12の下側は、その折り返した下端部の折り目の近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Cにて縫合わされ、収容部12に対応する収容部側裏ベルト32の下側もその折り返した下端部の折り目の近傍で後身頃4Bの上端部に縫合線62Bにて縫合わされている(図22及び図23参照)。収容部側裏ベルト32の下端は、必要に応じ、パイピング処理等による補強を行ってもよい。
なお、本変形例3においても、上記ズボン1と同様、収容部12や収容部側裏ベルト32の布地の内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等によって貼付けられる。
そして、本変形例3においても、収容部12の布地のそれぞれに対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブ状のハード芯HCの形状に沿って収容部12の布地の上下端部を内折りすることで、ウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定されている。一方、延出部側裏ベルト31の裏側にはソフト芯SCが貼付けられ、それらの上下端部を内折りすることでウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定され延出部11のカーブに対応させている。そして、収容部12及び収容部側裏ベルト32の両者は、それらの上方で縫合線62Aにて接がれ、また、下方で後身頃4Bと縫合され、これら収容部12及び収容部側裏ベルト32は、帯状のウエストベルト部10の曲線形状を形成している。
また、ウエストベルト部10の表側を構成する延出部11及びそれに対応するウエストベルト部10の裏側の延出部側裏ベルト31についても、身頃4F,4Bと共地からなりカーブ状に切り出された所定幅の延出部11及び延出部側裏ベルト31の布地の各上下端部が内折りされ、折り返した上端部の折り目の近傍で延出部11及び延出部側裏ベルト31の両者が縫合線61Aにて縫合わされている(図23及び図24参照)。このとき、延出部11に縫合する延出部側裏ベルト31は、延出部11の先端部11t側を除く延出部11の一部に取付けられている。延出部11の下側は、収容部12に挿入される先端部11t側を除いて、袋布21と共に、前身頃4Fに縫合線61Cにて縫合わされている。また、延出部側裏ベルト31Bの下側も、袋布21の向こう布21B(正確には前側布地21BF)と共に前身頃4Fに縫合線61Bにて縫合わされている(図23及び図24参照)。そして、本変形例3においても、上記のズボン1と同様に、収容部12内に収容される延出部11の先端部11tは、前身頃4Fの上端部と縫合わされず自由な状態になっている。これより、収容部12に入れられた延出部11の先端部11tは収容部12から延出自在、つまり、ウエスト方向に相対移動自在とされる。
なお、延出部11や延出部側裏ベルト31も、収容部12及び収容部側裏ベルト32と同様、それらの内面(裏面)には、接着芯等の芯材としてのソフト芯やハード芯がアイロンプレス等で貼付けられる。
そして、本変形例3においても、延出部11の布地に対し、所定の曲率及び幅でカーブ状に切り出されたハード芯HCが貼付けられ、そのカーブ状のハード芯HCに沿って延出部11の布地の上下端部を内折りすることで、収容部12に挿入される先端部11tを除いてウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定されている。また、延出部11の収容部12に挿入される先端部11tでは、先端に向かって徐々に幅が細く設定されている。一方、延出部側裏ベルト31の裏側にはソフト芯SCが貼付けられ、それらの上下端部を内折りすることによりウエスト方向に均一な幅となるようにその幅が設定され、延出部11のカーブに対応させている。そして、延出部11及び延出部側裏ベルト31の両者はそれらの上方で縫合線61Aにて接がれ、また、下方で前身頃4Fと縫合され、延出部11及び延出部側裏ベルト31も帯状のウエストベルト部10の曲線形状を形成している。
なお、本変形例3の収容部12及び延出部11は、機能的には上記ズボン1の収容部12及び延出部11と同様であるが、その構成は、上記ズボン1の収容部12を形成する収容部表ベルト12F及び延出部11を形成する延出部表ベルト11Fに相当する。
更に、本変形例3においては、延出部11に縫合線61Aにて縫合した延出部側裏ベルト31の端部と収容部12に縫合線62Aにて縫合した収容部側裏ベルト32の端部の間が1本の平ゴム33で接続されている。この平ゴム33は、その一端部側が縫付線362にて収容部側裏ベルト32の端部に縫付けられ、反対側の他端部側が縫付線361にて延出部側裏ベルト31に縫付けられている。平ゴム33をその両端部側で縫付けるときの縫付線361,362は、縫付け強度を確保できれば1本であってもよいし、2本以上としてもよい。
このとき、本変形例3において、収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31の間を接続する平ゴム33は、延出部11の先端部11t側が重ねられている収容部12の一端の端12eから前中心FC側に向かう延出部11側に位置するが、その部分では延出部11に縫着されていない。これにより、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際には、平ゴム33による所定の伸びを確保し、腰裏ベルト部30がスムースに伸びるようにしている。なお、平ゴム33による収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の端の間の接続長さ(縫付線361及び縫付線362間の伸縮自在な長さ)は、平ゴム33の弾性力にもよるが、平ゴム33の未伸縮状態で、例えば、3.5cm〜6cm程度、好ましくは、4cm〜5cm程度に設定される。また、平ゴム33の縦幅は、例えば、3cm〜5cm程度である。
ここで、このように平ゴム33は延出部11に縫着されていないため、ウエストベルト部10の上方で平ゴム33と延出部11の間から、延出部11の内面側、例えば、延出部11の上下で内折りした布地の裁ち切り線やハード芯HCといった内部構造が見えると商品イメージを低下させる恐れがある(図24(a)参照)。そこで、図23及び図24に示すように、本変形例3においては、平ゴム33の配設位置に対応する延出部11の内面側に、図25に示すように、略長方形の裏地11Cを縫付けるのが好ましい。
例えば、図24(b)や図24(c)に示すように、裏地11Cの上端は、延出部11の内面においてその内折りした上部の外面側に縫付けられ、裏地11Cの下端は、延出部11の内面においてその内折りした下部の外面側(図24(b))または内面側(図24(c))に縫付けられる。このとき、裏地11Cの長さは、延出部11の先端から前中心FC側に向かって平ゴム33の配設位置に対応する部分まであってもよいし、収容部12の開口近傍の平ゴム33の配設位置に対応する部分のみであってもよい。何れにせよ、平ゴム33と延出部11の隙間から見える延出部11の内面には、裏地11Cが見えるようにすればよい。
このように延出部11の内面において平ゴム33の配設位置に対応する箇所に裏地11Cを取付けることにより、平ゴム33と延出部11の間から延出部11の内面が見えても、裏地11Cが見えるだけであるから、商品イメージが低下しない。また、着用者が延出部11の内部構造に興味を抱いて延出部11を引き出すことで伸縮自在構造を壊してしまう事態を防止することもできる。
このように延出部11の内面に設ける裏地11Cとしては、特に、伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系の生地、ナイロン系の生地、スレーキ生地、リボンテープ等の生地であれば、接触抵抗が少なく、収容部12に対する延出部11の摺動性を向上させ、収容部12と延出部11の滑らかな動きを得ることができる。しかし、見栄えを維持するものとしては、その他の布地、芯地等であってもよい。
こうして、本変形例3のズボン100は、ウエストベルト部10の表側が互いに端部側を重ねた収容部12及び延出部11からなる構成とし、その間を所定の伸縮自在な長さ及び太さの平ゴム15Eで弾性的に接続することで、収容部12から延出部11を延出自在とする伸縮自在構造である。一方、ウエストベルト部10の裏側は、収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と、延出部11の一部に縫合した延出部側裏ベルト31との間を平ゴム33で弾性的に接続することで、平ゴム33の弾性力によりウエストベルト部10の裏側を形成する腰裏ベルト部30を伸縮自在とする構造である。
このような本変形例3のズボン100によれば、ウエストベルト部10の裏側が延出部11に縫合した延出部側裏ベルト31と、収容部12に縫合した収容部側裏ベルト32と、それらの間を接続する平ゴム33とからなり、ウエスト方向で連続して一体に形成された腰裏ベルト部30で構成されているから、ウエストベルト部10の裏側では収容部12の開口端12eが露出して目立つことがないので、興味本位で収容部12の開口側から内部構造を引き出して壊してしまう事態を防止できる。そして、ウエストベルト部10の表側では、収容部12に対し延出部11が収められるその収容部12の開口端12eはベルト通し5を使用すればそれによって収容部12から延出部11が延出する部分を隠すこともできる。
更に、本変形例3のズボン100によれば、収容部12及び延出部11を接続する平ゴム15Eに加え、ウエストベルト部10の裏側を構成する腰裏ベルト部30にも収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31の間を接続する平ゴム33が用いられていることから、弾性力を強化でき、ウエストベルト部10をより伸ばすことも可能であり、また、少ない外力で高い伸縮力を得ることができる。よって、平ゴム15Eの耐久性の向上を可能とする。
なお、その他の構成については、上記ズボン1と同様であり、本変形例3に係るズボン100においても、上記ズボン1と同様の作用効果が得られる。
ここで、更に、腰裏ベルト部30の変形例について、図25及び図26を参照して、説明する。
変形例4に係る腰裏ベルト部30は、収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31を接続する弾性材として2本の平ゴムを用い、互いに一部の厚みを重複させて上下に配置した点で上記変形例3と相違する。その他の構造については、上記変形例3に係る腰裏ベルト部30と同様であるためここでは重複する詳細な説明を省略する。
即ち、上記変形例3に係る腰裏ベルト部30は、収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の間を弾性的に接続している平ゴム33は、1本の帯ゴムとしているが、本変形例4に係る腰裏ベルト部30においては、図25及び図26に示すように、互いに一部の厚みを重複させて上下に配設した平ゴムからなる上方側の上位ゴム33A及び下方側の下位ゴム33Bによって収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の間を接続する構成である。本変形例4では、収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31の間を2本の上位ゴム33A及び下位ゴム33Bで接続することによって、それら上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力により、腰裏ベルト部30を伸縮自在としている。
この変形例4においては、別体である上位ゴム33A及び下位ゴム33Bがそれらの一部を重ねて上下方向(ウエスト周方向に対して直角方向)に配設され、上側の上位ゴム33Aとその下側に位置する下位ゴム33Bの各両端部が収容部側裏ベルト32と延出部側裏ベルト31に縫付けられている。このとき、収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31の間に縫着されている上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの両者は、収容部側裏ベルト32の一端及び延出部側裏ベルト31の一端の間で縫合されることなく分離した状態にある。
なお、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの厚みの重複部分は、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bが重なった状態での上下端間の長さ距離である縦幅全長の1/10以上、8/10以下の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、2/10以上、5/10以下、更に好ましくは、3/10以上、5/10以下である。ここで、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの厚みの重複領域が大きいと、伸び力が高くなり、人体の動きに対するフィット性の向上が可能となる。しかし、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの厚みの重複領域が大き過ぎると、着用時の重厚感が増して着心地が低下したり、弾性力が強くなり過ぎてウエストの締め付け力が大きくなり窮屈感が増大したりする。
そこで、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの厚みが重なる重複領域の縦幅長さが、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bが重なり合った状態での上下端間の長さ距離である縦幅全長に対して、1/10以上、8/10以下の範囲内であれば、より好ましくは2/10以上、5/10以下の範囲内、更に好ましくは3/10以上、5/10以下の範囲内であれば、締め付け力、窮屈感が強調されることなく、フィット感の増大を可能とする。
また、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの各縦幅長さ(本来の長さ)は、厚みを重複させた状態での上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの縦幅の全長の5/10以上、8/10以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、6/10以上、8/10以下の範囲内である。上記範囲内あれば、重なりによる重厚感も少なくて、より少ない力で伸び易くてフィット性が良く、締め付け感、窮屈感もより少ないものとなる。
なお、互いに一部を重ねて上下に配設する上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの縦幅の全長は、ウエストベルト部10表側の収容部12及び延出部11に縫付けた延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32の縦幅の全長と比較して2cm以内の差(増減)はあるも、通常、同程度に設定され、例えば、3.5cm〜5cm程度に設定される。
そして、上位ゴム33Aの上端と延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32の上端との高さ位置の差が大きいと、ウエストベルト部10の裏側において上位ゴム33Aの上側で延出部11の露出量が増えるために、延出部11等の内部構造や縫製の仕方に興味を持って伸縮機構を無理に引き出して壊してしまったり、延出部11等の縫製を壊してしまったりする恐れがある。また、上位ゴム33Aの上端が低位置にあると、見栄えの確保等のために、上位ゴム33Aが縫付けられている延出部側裏ベルト31の一端側の上端部や収容部側裏ベルト32の一端側の上端部の縫い代の浮きを抑えるべくそこを延出部側裏ベルト31の内面に縫付ける必要がある。しかし、上位ゴム33Aの上端を延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32の上端の高さと一致させて連続的であると、或いは、2cm以内の差であれば、上記事態を防止でき、縫製工程もより簡単で済む。
ここで、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの前後(表裏)方向の配置関係は、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)から見て、図25及び図26に示したように、下位ゴム33Bの前方(手前側)に上位ゴム33Aが配設され両者の一部が重ねられても良いし、下位ゴム33Bの後方に上位ゴム33Aが配設され両者の一部が重ねられても良い。
即ち、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの関係は、上位ゴム33Aの下方に下位ゴム33Bの上方が重ねられ互いに一部を重ね合わせて厚みを重複させていれば、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)から見たときに、上位ゴム33Aの下方の手前側(上側)に下位ゴム33Bの上方を重ねてもよいし、図25及び図26に示したように、上位ゴム33Aの下方の後ろ側(下側)に下位ゴム33Bの上方を重ねてもよい。
そして、例えば、図25及び図26に示したように、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)から見て、下位ゴム33Bよりも上位ゴム33Aが手前にあり、上位ゴム33Aの下端縁が下位ゴム33Bよりも手前に位置するものでは、タックインしたシャツのずれ上がりを防止する滑り止め機能を持たせたることもできる。
また、変形例4において、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bは、共に、そのウエスト方向の一端部側が収容部側裏ベルト32の端部に縫付けられ、反対側の他端部側が延出部側裏ベルト31に縫付けられるが、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bは、伸縮自在な長さを同一としていてもよいし、伸縮自在な長さを相違させてもよい。上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの収容部側裏ベルト32及び延出部側裏ベルト31間の接続長さ、即ち、伸縮自在な長さを同一とする場合には、両者を所定に重複させた状態でまとめて延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32に縫製することから、縫製に不慣れな作業者でも縫製が分かりやすく、作業効率を向上できる。一方で、下位ゴム33Bと上位ゴム33Aとで伸縮自在な長さを相違させていると、引張り力がかかった際に、下位ゴム33Bと上位ゴム33Aにかかる負荷が分散されるから、下位ゴム33Bと上位ゴム33Aを長持ちさせることができる。また、延出部側裏ベルト31や収容部側裏ベルト32への下位ゴム33Bと上位ゴム33Aの縫製の縫い目にかかる負荷等も分散されるから、それら縫い目の解れも生じ難く、生地も傷め難い。
例えば、図25及び図26に示すように、腰裏ベルト部30の表側(意匠面側、身体側)、つまり、ズボンの腰裏側からみて、上方側の上位ゴム33Aを手前とし、下位ゴム33Bを上位ゴム33Aの後方に配設したとき、その上位ゴム33Aは、収容部側裏ベルト32の端部に縫付線362Aにて縫付け、また、延出部側裏ベルト31の端部に縫付線361Aにて縫付ける一方で、下位ゴム33Aは、縫付線362Aよりも収容部側裏ベルト32の端部側から離れた位置で縫付線362Bにて縫付け、また、縫付線361Aよりも延出部側裏ベルト31の端部側から離れた位置で縫付線361Bにて縫付ける。これにより、上位ゴム33Aよりも下位ゴム33Bの伸縮自在な長さ(接続長さ)を長くして、伸びによる変化を相違させることで、負荷を分散させゴム等を長持ちさせることができる。特に、このように上位ゴム33Aよりも下位ゴム33Bの伸縮自在な長さ(接続長さ)を長くすることで、上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの全体縦幅を短くしなくとも、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際に、上位ゴム33Aが上方に凸に湾曲して、ズボン100の表側で延出部11の上に上位ゴム33Aが突出して露呈するのを防止し、見栄えを維持できる。勿論、本発明を実施する場合は、上位ゴム側33Aで伸縮自在な長さを長くすることも可能である。
このような変形例4に係る腰裏ベルト部30においては、別体に形成された上位ゴム33Aと下位ゴム33Bをそれらの一部で重ねて上下方向に配設して延出部側裏ベルト31と収容部側裏ベルト32の間を接続し、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bが延出部側裏ベルト31及び収容部側裏ベルト32の間で一体化されずに分離している構成であるため、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際に上位ゴム33Aと下位ゴム33Bにかかる負荷が分散される。よって、長期間の着用でもゴムの弾性力が低下し難く、腰裏ベルト部30の伸縮性、弾力性が低下しにくい。
そして、変形例4に係る腰裏ベルト部30においては上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの厚みの重複により弾性力を高くできるから、伸び量を向上できる。このとき、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bはそれぞれの一部分が重なっており、しかも、延出部側裏ベルト31と収容部側裏ベルト32の間で上位ゴム33Aと下位ゴム33Bが結合されていないと互いに動きが拘束され難いことから、伸ばす外力も少なくて済む。よって、強力な締め付け感、窮屈感を増大させることなく、弾性力を向上させることができる。そして、少ない外力で高い伸縮力が得られヤング率を小さくできるから弾性力も低下し難く、耐久性が維持される。即ち、このような相互に一部を重ねて上下に配設した上位ゴム33A及び下方側の下位ゴム33Bによれば、強力な締め付け感、窮屈感を生じさせることなく弾性力を強化でき、少ない外力で高い伸縮力を得ることができる。よって、ヤング率の高い弾性材を選択しなくとも少ない外力で伸び易く、ヤング率を小さくできるから耐久性も維持される。故に、耐久性を確保しつつ、強力な締め付け感、窮屈感を生じさせることなく少ない外力でも容易に伸縮して人体のウエストの動きに追従する滑らかな伸縮によりフィット性を高めることができる。
こうして、変形例4に係る腰裏ベルト部30によれば、厚みを重複させた上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの並列構造によって、着用時の締め付け感、窮屈感の低減を可能とする。よって、ウエストベルト部10のカーブ形状に伴う締め付け感、圧迫感の増大を大きく抑えることができる。
特に、互いに一部の厚みを重複させて上下に配設した上位ゴム33Aと下位ゴム33Bは、それら厚みを重複させた状態での縦幅の全長の10%以上、80%以下の範囲内で厚みを重複させていると、締め付け力、窮屈感が強調されることなく、より人体のウエストの動きに追従するフィット感が得られる。
また、上位ゴム33Aと下位ゴ32の各縦幅長さは、互いに厚みを重複させているときの上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの縦幅の全長の50%以上、80%以下の範囲内であると、重厚感も少なくて、より少ない力で伸び易くてフィット性が良く、締め付け感、窮屈感もより少なくなる。
更に、本発明を実施する場合には、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの間に1対のドット釦、1対のホック、釦とループ、1対の接着布、1対のファスナー等の結合具を取付け、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bを分離及び結合自在とする構成としてもよい。これにより、結合具によって、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの伸びを制限できるから、上位ゴム33Aと下位ゴム33Bの伸びを好みで調節でき、着用しながらウエストの締め付け強さを調節できる。よって、着用者の好み、体形、ウエストの動き等に応じてウエストのフィット感、着用感を調節できる。
以上、説明してきたように、本変形例3,4に係るボトムスとしてのズボン100は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン100であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で弾性材としての平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15と、ウエスト方向に一体に連続してウエストベルト部10の裏側を形成し、収容部12の裏側に縫付けた収容部側裏ベルト31と延出部11の裏側に縫付けた延出部側裏ベルト31の間を平ゴム15Eとは異なる他の弾性材としての平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bによって弾性的に接続してなり、平ゴム15Eとは別の他の弾性材としての平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bによって伸縮自在な腰裏ベルト部30を具備し、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続しているものである。
この本変形例3,4に係るズボン100においても、ウエストベルト部10がカーブしているから、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上できる。しかも、カーブしたウエストベルト部10に対しウエスト方向に引張り力が掛かった際には、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した接続部15の弾性材の平ゴム15Eの伸びによって、収容部12から延出部11が延出すると共に、腰裏ベルト部30の弾性材としての平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの伸びによって腰裏ベルト部30が伸びることにより、ウエストベルト部10が伸長する。また、引張り力が解放されると、平ゴム15Eの弾性力、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力によって、伸長したウエストベルト部10は元に戻る。即ち、カーブしたウエストベルト部10は、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した平ゴム15Eの弾性力、並びに、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力によって伸縮自在である。
更に、本変形例3,4に係るズボン100においても、ウエストベルト部10のカーブによって、着用者のウエスト周りのフィット性を向上できるうえ、延出部11と収容部12の間を弾性的に接続した弾性材の平ゴム15Eの弾性力により、また、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bの弾性力により、カーブしたウエストベルト部10が伸縮自在であることで、身体のウエスト周りの動きに追随できるから、ウエストベルト部10のカーブ形状に伴うウエスト周りの圧迫感、窮屈感を解消できる。よって、ウエスト周りへの締め付け力、窮屈感を強調させることなく、ウエストベル部10のカーブ形状及び伸縮自在な構造によってウエスト周りへのフィット性を高めることができる。
また、本変形例3,4に係るズボン100によれば、ウエストベルト部10の表側を形成する延出部11の内面側には、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bに対応する位置で、延出部11の上部に裏地11Cの上端が縫付けによって取付けられ、延出部11の下部に裏地11Cの下端が縫付けによって取付けられている。よって、延出部11と腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33Aとの間から延出部11の内面が見えても裏地11Cが見えるだけであるから、商品イメージの低下を防止できる。そして、本変形例3,4に係るズボン100では、ウエストベルト部10の裏側においてウエスト方向の一部に平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bを配設するものであるから、低コストで済み、また、伸縮に伴う弛みも少なくて見栄えも良い。
なお、その他の構成については、上記ズボン1と同様であり、本変形例3,4に係るズボン100においても、上記ズボン1と同様の作用効果が得られる。
[実施の形態2]
次に、本実施の形態2に係るズボン200について、図9を参照して、説明する。
本実施の形態2において、カーブしたウエストベルト部10の収容部12及び延出部11の間を接続する弾性材としての平ゴム15Eは、その幅方向で伸縮自在な長さを変化させずに一定とし、収容部12の内部に対し、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付け、延出部11側に縫付けた一端部側よりも、収容部12側に縫付けた他端部側の方を低位置とした点で上記実施の形態1と相違する。その他の構造については、上記実施の形態1と同様であるためここでは重複する詳細な説明を省略する。
上記実施の形態1において、接続部15の平ゴム15Eは、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして収容部12と延出部11の間を接続しているものであるのに対し、本実施の形態2においては、図9(a)に示すように、収容部12及び延出部11の間を接続する平ゴム15Eは、収容部12の内部に対し、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付線52にて縫付け、延出部11側に縫付線51にて縫付けた一端部側よりも、収容部12側に縫付けた他端部側の方を低位置としている。
なお、本実施の形態2では、図9(a)に示したように、延出部11と収容部12間を接続する平ゴム15Eにおいて、その長さ方向の一端部側を延出部11に縫付けるときの縫付線51及び反対側の他端部側を収容部12に縫付けるときの縫付線52は、平ゴム15Eの幅方向に並行する直線状とし、互いに平行しており、平ゴム15Eは、その幅方向で伸縮自在な長さを変化させずに一定としている。
そして、本実施の形態2では、このように、収容部表ベルト12Fの幅方向の下端寄りで平ゴム15Eを縫付線52にて縫付けていることによって、平ゴム15Eは、収容部12側に縫付ける他端部側が延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置で、収容部12の内面に縫付けた一方の端部側から延出部11に縫付けた反対の端部側に向かって斜めに上昇する挿入状態となっている。よって、平ゴム15Eの延出部11側に縫付けた一端部は、収容部12の上端に近づく配置となる。これにより、ウエストベルト部0に引張り力が掛かり平ゴム15Eが伸びたときでも、平ゴム15Eの延出部11側は収容部11の上端に近い高い位置にできるから、収容部12から延出部11が引き出されても延出部11と収容部12の段差は小さく、見栄えを維持できる。
こうして、本実施の形態2に係るボトムスとしてのズボン200は、ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部10がカーブしたズボン1であって、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有してウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、前身頃4Fに縫着しない端部11tが延出自在な延出部11と、ウエストベルト部10のカーブに対応する曲線形状を有して延出部11と共にウエストベルト部10の表側及び裏側を形成し、延出部11の前身頃4Fに縫着しない端部11tを収容した収容部12と、収容部12の内部で弾性材としての平ゴム15Eによって収容部12と延出部11の間を弾性的に接続した接続部15とを具備し、接続部15の平ゴム15Eは、収容部12の内部に対し、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付け、延出部11側に縫付けた端部側よりも、収容部12側に縫付けた端部側の方を低位置としたものである。
このように、収容部表ベルト12Fの幅方向の下端寄りで平ゴム15Eを縫付線52にて縫付け、平ゴム15Eの収容部12側に縫付けた他端部側を延出部11側に縫付けた一端部側よりも低位置とすることによっても、ウエストベルト部10に引張り力が掛かり収容部12から延出部11が延びたときの延出部11と収容部12の段差を気にならなくすることができる。
即ち、本実施の形態2に係るズボン200によれば、平ゴム15Eの収容部12側に接続する一方の端部側は、ウエストベルト部10の幅方向の下端寄りに縫付けて、延出部11側に縫付けた他方の端部側よりも収容部12側に縫付けた一端部側の方を低位置としたから、平ゴム15Eは、収容部12の内面に縫付けた一端部側から延出部11に縫付けた反対側の他端部側に向かって斜めに上昇する縫付け状態とされる。よって、平ゴム15Eの延出部11側の端部は、収容部12の上端に近い位置となる。これにより、ウエストベルト部10に引っ張り力が掛かり平ゴム15Eが伸びたときでも、平ゴム15Eの延出部11側は収容部12の上端に近くできるから、延出部11と収容部12の段差が殆ど気にならず、見栄えを維持できる。
その他の構成については、上記実施の形態1とほぼ同一であるから、上記実施の形態1と同様の作用効果が得られる。なお、本実施の形態2においても、上記実施の形態1の変形例3と同様、ウエストベルト部10の裏側を腰裏ベルト部30で形成してもよい。
なお、上記実施の形態のズボン1,100,200は、例えば、スーツ、スラックス等のカジュアルでないボトムス、チノパン等の綿パンやジーンズ(Gパン)等のカジュアルなボトムス、スポーツウエアのボトムス等に適用されるものであるが、ボトムスとしてはズボンに限られるものではなく、スカートやキュロットスカート等にも適用できる。また、収容部12及び延出部11を重ね合わせ、収容部12の内側でそれらの間を平ゴム15Eによって接続することで、ウエストベルト部10の表側に弾性材が露出しないから、見栄えを損なうことなく人体のウエストの動きに追従するフィット性を高めることができる。よって、ゴルフ等の運動(スポーツ)時に着用するゴルフスラックス等のトレーニングウエア、スポーツウエアにも好適であり、高いフィット性により激しい動きにも追従し、高い着用感を得ることができる。
また、上記実施の形態1,2では、左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所に収容部12及び延出部11を重ね合わせた重ね合わせ部13を有し、それに対応して平ゴム15Eを左右の2箇所に配設したズボン1,100,200で説明した。加えて、上記変形例3では、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bを収容部12の開口側の近傍である左右の2箇所に配設したズボン100で説明した。しかし、本発明を実施する場合には、収容部12及び延出部11の重ね合わせ部13を1箇所以上とし、また、それに対応する平ゴム15Eや、腰裏ベルト部30の平ゴム33または上位ゴム33A及び下位ゴム33Bも1箇所以上であればよい。
更に、上記実施の形態1,2では、ウエストベルト部10の構成について、前身頃4F側に延出部11を設け、後身頃4B側に収容部12を設ける構成としたが、本発明を実施する場合には、前身頃4F側に収容部12を設け、後身頃4B側に延出部11を設ける構成としてもよい。
加えて、上記実施の形態1,2のズボン1,100,200では、ウエストベルト部10の動きに追従して身頃4F、4Bに皺が生じないようするために、両脇の脇線LS,RSに沿って脇ポケット部20,201,202を設け、この脇ポケット部20,201,202は、そのポケット口23のポケット口外縁76が、前中心FC側から脇線LS,RS側に向かって傾く直線状としている。
しかし、脇ポケット部20,201,202の形状としては、外縁が略L字型形状のLポケット、その変形で外縁が略S字型形状のSポケット等を始めとしてどのような外縁形状を有するものでも良い。外縁が略L字型形状を有するLポケットの形状としては、例えば、角張ったL字形状の外縁を有するLポケット、縦方向に長い角張ったL字形状の外縁を有するLポケット等が挙げられる。
特に、ポケット口外縁が略L字型形状のLポケットは、骨盤が大きい女性でも、着用したときにポケット口が変形し難く、また、ポケット口の周辺に皺等が生難く、見栄えを良くすることができるため、例えば、女性用スラックス等の婦人用パンツのポケットとして好ましい。
更に、脇ポケット部のポケット口は、複数設ける構成としても良い。例えば、図27及び図28に示すように、脇線LS,RSに沿ってまたは脇線LS,RSの近傍で前中心FC寄りに略直線状のポケット口外縁76Sを有する小ポケットの脇中間ポケット部203S(例えば、ポケット口23Sの縦幅長さが3cm以上、15cm以下の範囲内)を設け、更に、その小ポケットよりも前中心FC寄りで小ポケットよりも容量が大きなL字形状のポケット口外縁76Lを有する大ポケット部203Lを設ける構成とすることができる。
図27及び図28に示した脇ポケット部203は、L字形状のポケット口外縁76Lを有する大ポケット部203Lとそれよりも容量が小さく直線状のポケット口外縁76Sを有する小ポケット部である脇中間ポケット部203Sとから構成され、図28に示すように、ズボンの裏側から見て、大ポケット部203Lを構成する袋布21Lの手前側に脇中間ポケット部203Sを構成する袋布21Sが重ねられているものである。
このように大ポケット部203L及び小ポケットの脇中間ポケット部203Sからなる脇ポケット部203においては、脇中間ポケット部203Sを構成する袋布21Sの向こう布21B側に、上記実施の形態1,2のときと同様に上端から下方に向かって延びるタック部22が形成される。そして、この脇中間ポケット部203Sのタック部22において、上記実施の形態1、変形例1、変形例2のときと同様に、上方を除く一部のタック部22の襞(折り返し部分)を縫合線78にて縫合することによって、その縫合した部分ではタック部22の展開が制限されることで、ポケット口23S,23Lからの袋布21S,21Lの吹き出しを抑えることができる。このときのタック部22の襞の縫合線78による縫合の位置は、上記実施の形態1、変形例1、変形例2と同様に、例えば、図28においては、少なくとも、脇中間ポケット部203Sのポケット口23Sの下端であるポケット止まり75Sの高さに対応する位置から上に、2cm〜5cmの範囲内、好ましくは、3cm〜4cmの範囲内を縫合線78にて縫合している。そして、タック部22Sの縫合線78の始点78sは、向こう布21Bの上がり線OLから下に、7cm以上、10cm以下、好ましくは、8cm以上、9cm以下の範囲内に位置させるのが好ましい。これにより、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際でも袋布21Sの上方の引き攣りが防止され、見栄えを維持できる。
このように、L字形状のポケット口外縁76Lを有する大ポケット部203Lとそれよりも容量が小さく直線状のポケット口外縁76Sを有する小ポケットである脇中間ポケット部203Sとからなる脇ポケット部203においては、脇中間ポケット部203Sを構成する袋布21Sにタック部22を形成することによって、ウエストベルト部10に引張り力が掛かった際には、折畳まれたタック部22の展開によりウエスト部Wのスムースな伸びを確保することができる。特に、このように脇線LS,RSに沿ってまたは脇線LS,RSの近傍で前中心FC寄りに直線状のポケット口外縁76Sを有する脇中間ポケット部203S(例えば、ポケット口の縦幅長さが3cm以上、15cm以下の範囲内)を設けると、骨盤が大きい女性でも、着用したときにポケット口が変形し難くなる。一方で、大ポケット部203Lと脇中間ポケット部203Sを設けた脇ポケット部203においては、大ポケット部203Lの袋布21Lと脇中間ポケット203Sの袋布21Sの布地が重なり合い生地量も増すから、着用者の身体に対するズボンのフィット性が高いと、L字形状外縁のポケット口23S,23Lから袋布21L,21Sの布地が吹き出したり、脇ポケット部203に皺等が生じたりし、見栄えを損なう恐れがある。しかし、上方を除いてタック部22の襞の一部を縫合線78にて縫合し、タック部22の襞の開きを制限して生地の遊びを少なくすることで、着用者に対しズボン1のフィット性が高いときでも、L字形状外縁のポケット口23S,23Lから袋布21L,21Sが吹き出したり脇ポケット部20に皺等が生じたりし難くなり、見栄えを維持することが可能である。
なお、脇ポケット部は、片玉縁のポケット口を有する片玉縁のポケット、両玉縁のポケット口を有する両玉縁のポケット、フラップ付きのポケット口を有するフラップ付きポケットであってもよい。
また、本発明を実施する場合には、両脇のポケットが左右対称でなくても良く、左右でポケットの種類が異なっていても構わない。
更に、上記実施の形態1,2では、脇ポケット部20,201,202において襞状のタック部(折り返し)22を設けることで、ウエスト部Wの見栄えを維持しているが、襞状のタック部22に代えて、袋布21の一部を切り欠いて分割する構造としてもよい。即ち、脇ポケット部20,201,202を構成する袋布21の向こう布21Bの中央側でその上端部に切込みを入れて分割し、その分割した部分の周囲には強度確保等のためのパイピングを施した構成とする。このとき、その分割部分から前中心FC寄りの向こう布21Bはウエストベルト部10に縫付けられる一方で、分割部分から脇線LS,RS寄りの向こう布21Bの上端の一部は、ウエストベルト部10の何れにも縫付けられない。このような袋布21を分割する構造によっても、ウエストベルト部10に引張り力がかかった際には、分割部分が開かれ、ウエストベルト部10の伸長を妨げることのないようにすることができる。
加えて、上記実施の形態1,2では、前身頃4Fと後身頃4Bが接続した両脇の脇線LS,RSに沿って脇ポケット部20,201,202を設け、タック部22により生地の余裕がある脇ポケット部20,201,202の近傍に収容部12及び延出部11の重ね合わせ部13を設けていることによって、ウエスト周りが伸縮する際に、身頃4F,4Bに皺が寄ることがなく、見栄えの良いものとしている。しかし、本発明を実施する場合には、そのような脇ポケット部に代えて身頃4B,4F自体にタック構造を設けることも可能である。即ち、脇線LS,RSの近傍で身頃4B,4Fにタックを設けることによっても、身頃4F、4Bの皺寄りを防止しウエストベルト部10の長さを伸縮自在とすることも可能である。例えば、ウエストベルト部10に引張り力がかかっていない場合には、身頃4B,4Fの折畳まれた状態のタック脇線LS,RSと一体となるようにし、ウエストベルト部10に引張り力がかかってウエスト周りが伸びると、タックが拡げられる構成であれば、見栄えも良好である。このようなタックは、例えば、身頃4F,4Bの両脇の脇線LS,RSに沿って、身頃4F,4Bの両脇の脇線LS,RSの上端または上端の近傍の裏側に設けることできる。
また、上記実施の形態1,2では、収容部12の内部において延出部11及び収容部12の間を接続する平ゴム15Eに対し、伸び止め材16を並設する構成を説明したが、本発明を実施する場合には、伸び止め材16は、延出部11を収容部12側に伸ばして延出部11と一体としたストッパー部分として形成し、そのストッパー部分に、平ゴム15Eの最大伸びを制限する伸び止め材16の役割を持たせることも可能である。即ち、延出部11の先端を細くして延長し、共布で伸び止め材16の役割をするストッパー部分を設けることによって、伸び止め材16を形成してもよい。このような場合には、単独の伸び止め材16をリボンテープ等で設ける必要がなく、縫製工程も簡略化されるため、コストがかからず安価にゴムを長持ちさせることができる。また、伸び止め材16以外にも、伸縮するゴムの伸びの限界を綿等の繊維の織り込みによって規定することも可能である。
更に、上記実施の形態1,2では、袋布21やタック部22の形状維持、皺寄り防止、見栄えの向上のために補助弾性材としての平ゴム28を設けている。この補助弾性材としての平ゴム28の弾性力は、主弾性材としての平ゴム15Eの弾性力に比較すると小さく、ウエストサイズの伸縮のための主弾性材としての平ゴム15Eの弾性力からすれば無視できる程度である。また、見栄えに影響する皺が入る可能性も低いことから、当然、省略することも可能である。
そして、本発明を実施する場合、十分な弾性を有するものであれば、収容部12と延出部11の間を弾性的に接続する弾性材や、腰裏ベルト部30の弾性材は、平ゴムに限定されず、ゴム製板、ストレッチテープ(ゴム入り布)、パワーネット生地、サテンネット生地、ストレッチサテン生地、ストレッチレース生地等の様々な弾性を有する素材を用いることも可能である。補助弾性材としての平ゴム28についても同様である。
そして、本発明を実施するに際しては、ボトムスの構造、形状、材質、生地、大きさ、長さ、幅、接続関係等についても、上記実施の形態や変形例に限定されるものではない。例えば、ジーンズ(Gパン)、綿パンを始めとするカジュアルなボトムス、特に、紳士用のズボン1,100,200においては、ウエストベルト部10の上下の両端や、脇ポケット部20,201,202,203のポケット口外縁76等に布を落ち着かせたり縫い代を安定させたり強度を補完するためにステッチを施すこともある。
なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1,100,200 ズボン
4F 前身頃
4B 後身頃
10 ウエストベルト部
11 延出部
12 収容部
15 接続部
15E 平ゴム
20,201,202,203 脇ポケット部
21 袋布
22 タック部
23 ポケット口
30 腰裏ベルト部
78 縫合線
LS 左脇線
RS 右脇線

Claims (14)

  1. ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部がカーブしたボトムスであって、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記ウエストベルト部の表側及び裏側を形成し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記延出部と共に前記ウエストベルト部の表側及び裏側を形成し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、
    前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続した接続部と
    を具備し、
    前記接続部の前記弾性材は、その上端から下端に向かって伸縮自在な長さを長くして前記収容部と前記延出部の間を接続していることを特徴とするボトムス。
  2. ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部がカーブしたボトムスであって、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記ウエストベルト部の表側及び裏側を形成し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記延出部と共に前記ウエストベルト部の表側及び裏側を形成し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、
    前記収容部の内部で前記収容部と前記延出部の間を弾性材によって弾性的に接続した接続部と
    を具備し、
    前記接続部の前記弾性材は、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付け、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としたことを特徴とするボトムス。
  3. ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部がカーブしたボトムスであって、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記ウエストベルト部の表側を形成し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記延出部と共に前記ウエストベルト部の表側を形成し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、
    前記収容部の内部で弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続した接続部と、
    前記ウエスト方向に一体に連続して前記ウエストベルト部の裏側を形成し、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在な腰裏ベルト部と
    を具備し、
    前記接続部の前記弾性材は、その上端から下方に向かって伸縮自在な長さを長くして前記収容部と前記延出部の間を接続していることを特徴とするボトムス。
  4. ウエスト方向に延びる帯状をなすウエストベルト部がカーブしたボトムスであって、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記ウエストベルト部の表側を形成し、身頃に縫着しない端部側が延出自在な延出部と、
    前記ウエストベルト部のカーブに対応する曲線形状を有して前記延出部と共に前記ウエストベルト部の表側を形成し、前記延出部の前記身頃に縫着しない前記端部側を収容した収容部と、
    前記収容部の内部で弾性材によって前記収容部と前記延出部の間を弾性的に接続した接続部と、
    前記ウエスト方向に一体に連続して前記ウエストベルト部の裏側を形成し、前記弾性材とは別の他の弾性材によって伸縮自在な腰裏ベルト部と
    を具備し、
    前記接続部の前記弾性材は、前記収容部の内部に対し、前記ウエストベルト部の幅方向の下端寄りに縫付け、前記延出部側に縫付けた端部側よりも、前記収容部側に縫付けた端部側の方を低位置としたことを特徴とするボトムス。
  5. 更に、前記身頃の前身頃側であって片側の脇または両脇の脇線に沿って取付けた脇ポケット部を有し、
    前記脇ポケット部には、それを構成する袋布の向こう布側にその上端から下方に向かって延びた襞状のタック部が形成され、前記タック部の襞がその上方を除いて縫合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のボトムス。
  6. 前記タック部の襞は、前記袋布の縦幅の中間部から上寄りで縫合されていることを特徴とする請求項5に記載のボトムス。
  7. 前記タック部の襞を縫合する始点は、前記袋布の上がり線から垂直方向に下に3cm以上、6cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は、前記始点から下に垂直方向の長さで、3cm以上、6cm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項6に記載のボトムス。
  8. 前記タック部の襞は、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面に表れない方の折り目から1cm以内で中縫いによって縫合されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のボトムス。
  9. 前記タック部の襞は、前記袋布の縦幅の中間部から下寄りで縫合されていることを特徴とする請求項5に記載のボトムス。
  10. 前記タック部の襞を縫合する始点は、前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置から垂直方向の長さで上に2cm以上、8cm以下の範囲内にあり、前記タック部の襞を縫合する終点は前記脇ポケット部のポケット口外縁の末端の高さに対応する位置またはそれよりも下にあることを特徴とする請求項9に記載のボトムス。
  11. 前記タック部の襞は、前記タック部の折畳み状態で前記袋布の向こう布の外面側に表れている方の折り目から0.6cm以内で縫合されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のボトムス。
  12. 前記腰裏ベルト部は、前記収容部の裏側に縫付けた収容部側裏ベルトと前記延出部の裏側に縫付けた延出部側裏ベルトの間を前記他の弾性材によって弾性的に接続してなることを特徴とする請求項3乃至請求項11の何れか1つに記載のボトムス。
  13. 前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材は、上方の弾性材及び下方の弾性材の2本の弾性材によって形成され、前記上方の弾性材の下方に前記下方の弾性材の上方を重複させて上下に配設されていることを特徴とする請求項12に記載のボトムス。
  14. 前記ウエストベルト部の表側を形成する前記延出部の内面側には、前記腰裏ベルト部の前記他の弾性材に対応する位置に裏地が取付けられていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のボトムス。
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