JP2020104870A - チューブ容器 - Google Patents

チューブ容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2020104870A
JP2020104870A JP2018243758A JP2018243758A JP2020104870A JP 2020104870 A JP2020104870 A JP 2020104870A JP 2018243758 A JP2018243758 A JP 2018243758A JP 2018243758 A JP2018243758 A JP 2018243758A JP 2020104870 A JP2020104870 A JP 2020104870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
tube container
base material
material layer
container according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018243758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7439380B2 (ja
Inventor
淑江 勝又
Yoshie Katsumata
淑江 勝又
寛美 大村
Hiromi Omura
寛美 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2018243758A priority Critical patent/JP7439380B2/ja
Publication of JP2020104870A publication Critical patent/JP2020104870A/ja
Priority to JP2023189965A priority patent/JP2024010182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7439380B2 publication Critical patent/JP7439380B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Tubes (AREA)

Abstract

【課題】本願発明はチューブ容器に関し、より詳しくは、外部の物体と接触した際に、容器の外面に耐傷性を有するチューブ容器に関する。チューブ容器の輸送時や、チューブ容器に内容物を充填して密封する工程などで、チューブ容器同士や、金属部材などの外部の硬い物体などと擦れることにより、チューブ容器の胴部が傷つくことがある。本願発明のチューブ容器は胴部に耐傷性があり、上記のような状況でも傷がつきにくい。【解決手段】チューブ容器の胴部の積層体10は、外面から内面に向かって、少なくとも、第一基材層11、第一シーラント層12、第二基材層13、第二シーラント層15がこの順に積層され、さらに前記第一基材層の外面の全面もしくは少なくとも一部に保護層16が設けられている。【選択図】図1

Description

本願発明はチューブ容器に関し、より詳しくは、外部の物体と接触した際に、容器の外面に耐傷性を有するチューブ容器に関する。
従来のチューブ容器、特にラミネートチューブ容器の外面は、ポリエチレンを代表とするポリオレフィンが使用されており、前記ラミネートチューブ容器の外面に印刷されるものは少ない。印刷は、中間層となるポリエチレンテレフタレートフィルムなどの内面に印刷されることが多い。特許文献1および特許文献2参照。
印刷されていない外面のポリエチレン層の表面は柔らかく、外部の硬質な物体と擦れると、傷が生じやすい。
チューブ容器に内容物を充填して密封するチューブ容器の包装製品の製造ラインにおいては、空チューブ容器の搬送の時や、充填・包装工程中や、充填・包装工程完了後のいずれの工程においても、チューブ容器を搬送する必要があり、搬送コンベアの上にてガイドなどと接触し、擦れることとなる。また、充填・包装装置内でも、装置内の各工程でのチューブ容器を固定する冶具に接触したり、各工程間の移送時でも、各種ハンドリング装置と接触して、チューブ容器の外面が傷つくことがある。
特開2005−144812号公報 特開2005−178851号公報
本願発明はこのような状況を鑑みてなされたものであって、チューブ容器の外面の耐傷性を向上させ、上記のようなチューブ容器の充填・包装工程において、チューブ容器の外面に傷がつかず、美粧性を保つことができるチューブ容器を提供することを目的とする。
本願発明のチューブ容器は、一対の貼り合わせ端部を有する胴部と、肩部からなるチューブ容器において、前記胴部の積層体は、外面から内面に向かって、少なくとも、第一基材層、第二基材層、第二シーラント層がこの順に積層され、さらに前記第一基材層の外面の全面もしくは少なくとも一部に保護層が設けられていることを特徴としている。
前記チューブ容器の筒状胴部の外面に保護層を備えることにより、耐傷性が向上する。また、前記チューブ容器の筒状胴部の外面の摩擦係数が低下する。
本願発明によれば、チューブ容器の外面の耐傷性を向上させ、チューブ容器の充填・包装工程において、チューブ容器の外面に傷がつかず、美粧性を保つことができるチューブ容器を提供することができる。また、本願発明によれば、チューブ容器の筒状胴部の表面の摩擦係数が低く、チューブ容器の包装製品の充填・包装ラインにおいて、チューブ容器のライン上での引っ掛かりや転倒を防止できて、チューブ容器の包装製品の充填・包装ラインが安定稼働できることにより、生産コストの低減に寄与できる。
本願発明の第一の実施形態のチューブ容器の筒状胴部の積層体の断面図である。 本願発明の第二の実施形態のチューブ容器の筒状胴部の積層体の断面図である。 本願発明の第三の実施形態のチューブ容器の筒状胴部の積層体の断面図である。 チューブ容器の筒状胴部の部材の説明図である。 チューブ容器の正面図である。 内容物入りチューブ容器の包装製品の正面図である。 チューブ容器の筒状胴部の原反である。
以下、本願発明について図面を用いながら説明する。但し、本願発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
<本願発明の第一の実施形態>
本願発明の第一の実施形態によるチューブ容器について、以下に図面等を用いて詳しく説明する。
まず図4から図6により、本願発明によるチューブ容器の筒状胴部の積層体10を使用して作成されたチューブ容器30について述べる。
チューブ容器30は、チューブ容器の筒状胴部の積層体10を含む筒状胴部31と、前記筒状胴部31に対して圧縮成形、射出成形などの方法により合成樹脂を設けることにより作製される肩部35及び口部36とを備えている。また前記チューブ容器30の口部36にキャップ37が装着される。
このような構成からなる前記チューブ容器30は、以下のような製造工程を経て得られる。
まず、図4に示すように、本願発明によるチューブ容器の筒状胴部の積層体10を用いて、前記チューブ容器の筒状胴部の積層体10の一対の貼り合わせ端部(以下、両端部と呼ぶことがある。)33A、33Bを重ね合わせて、その重ね合せ部分の外面と内面とをヒートシールして貼り合わせて胴貼り部32を形成することにより、筒状胴部31を製造する。次いで、図5に示すように、前記の筒状胴部31を金型(不図示)内に装着し、前記筒状胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、例えば、圧縮成形、射出成形などの方法によって、肩部35および口部36を形成する。このようにして筒状胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、肩部35および口部36が一体に成形されてチューブ容器30が作製される。そしてチューブ容器30の口部36にキャップ37が装着される。
次にチューブ容器30の筒状胴部31の他方の開口部(下側)34Bから、例えば、練り辛子、練りわさび、その他の内容物38が適量分だけ充填される。その後、前記開口部(下側)34Bを溶着して底シール部39を形成して、前記内容物38を充填包装したチューブ容器30を含む包装製品30Aが得られる。
次に図1により、チューブ容器30を作製するチューブ容器の筒状胴部の積層体10について説明する。チューブ容器の筒状胴部の積層体10は、図1に示すように、外面から内面に向かって順に配置されたヒートシール性を有する第一基材層11及び第一シーラント層12と、第二基材層13と、第二シーラント層15とを有する積層体である。
前記第一基材層13の表面に保護層16を設けている。
前記第一基材層11の外面には、コーターによるコート層や、OPニス等のインキなどを用いて保護層16が形成され、第二基材層13の内面には印刷インキを用いて所望の模様を含む内面印刷部13Aが形成されている。なお、第二基材層13の外面に印刷インキを用いて、内面印刷部13Aを設けても良い。
前記保護層16よりも内面に絵柄印刷が存在する場合は、前記保護層16は前記絵柄印刷を外部より視認可能となるように、透視可能な層で構成することが望ましい。
前記保護層16を形成する第一基材層11の表面には、前記インキなどの密着を確実にするために、適切な凹凸が必要である。前記第一シーラント層12は、予めフィルムで準備されることが多く、その表面は平滑性が強すぎて、その表面にインキなどを塗布する際に、前記インキなどの密着性が劣る場合がある。特に第一シーラント層12に使用するフィルムをインフレーション法にて製膜する場合は、表面が平滑化しやすい傾向がある。
上記のように前記第一シーラント層12と保護層16の密着性が劣る場合には、前記第一シーラント層12の上に、第一基材層11を接合して、前記第一基材層11の表面に適切な凹凸を付与することができる。前記第一基材層11の表面の算術平均高さ(Sa)は、0.1〜1.0μmであることが望ましい。0.1μm未満であるとインキの密着性が劣ってしまう虞れがあり、1.0μmを超えるとインキに斑ができて、表面を保護する効果が劣ってしまう虞れがある。また、前記第一基材層11の材質は、コストや加工性から低密度ポリエチレンが望ましい。
なお、算術平均高さ(Sa)が0.08μmであるLLDPEフィルムにフレキソ印刷を施した場合は、インキの密着が悪く、絵柄の一部に印刷剥がれが生じた。
また、第一シーラント層12と第二基材層13とは、ドライラミネートにより接合され、第一基材層11は第一シーラント層12の表面に押し出しラミネートにより形成されている。さらに第二基材層13と第二シーラント層15とはドライラミネートにより接合されている。
本明細書において「外面」、「内面」とは、チューブ容器の筒状胴部の積層体10を用いてチューブ容器30を作製した場合における「外面」および「内面」を意味する。また「上側」、「下側」とは、チューブ容器30を、口部36及びキャップ37を上向きにした際に、「上側」とは口部側を、「下側」とは口部の反対側を意味する。
次にチューブ容器の筒状胴部の積層体10を構成する各部分の材料について説明する。
第一基材層11、第一シーラント層12および第二シーラント層15は例えばポリエチレン(PE)を含んでいてもよい。具体的には、第一基材層11、第一シーラント層12および第二シーラント層15を以下の材料から作製してもよい。
第一基材層11、第一シーラント層12および第二シーラント層15はとして、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
また第二基材層13としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)層を用いることができ、PET層13に印刷を施すことによってPET層13に印刷インキからなる内面印刷部13Aを設けることができる。また、第二基材層13は、チュープ容器の剛性保持を担っている。
また第二基材層13としてPET層を用いる代わりに、ナイロン層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
ナイロン層を用いた場合は、PET層よりも機械的強度が優れる場合が多い。
また、各種蒸着膜を備えたフィルムは、基材となるフィルムよりもガスバリア性が優れる。
次にヒートシール性を有する第一基材層11の外面に設けられた保護層16、および第二基材層13の内面に設けられた内面印刷部13Aについて説明する。
図7に示すように、保護層16はチューブ容器の筒状胴部の積層体10のうち一対の貼り合わせ端部33A、33B以外の領域に設けられている。このように保護層16を一対の貼り合わせ端部33A、33B以外の領域に設ける理由は、一対の貼り合わせ端部33A、33Bはチューブ容器30を作製する際、互いの外面と内面を重ね合わせて接合する部分となるからである。
従ってチューブ容器の筒状胴部の積層体10のうち一対の貼り合わせ端部33A、33Bには、保護層16が設けられない。
しかし、前記保護層16が胴貼り形成を阻害しない性質や、熱シールの際に破壊されない性質などを有する場合は、前記一対の貼り合わせ端部33A、33Bのいずれか一方又は両方に保護層16を設けてもよい。
上記の一対の貼り合わせ端部33A、33B以外の領域であっても、必要に応じて前記保護層16を部分的に削除や形成してもよい。
他方、第二基材層13の内面に設けられた内面印刷部13Aは、平滑でかつ透明性が優れる第二基材層13に印刷されることから、美粧性に秀でた印刷をすることが可能である。
なお、図7において、切断線Lにより切断される前の連続する複数のチューブ容器の筒状胴部の積層体の原反10Aが示されている。
次にチューブ容器の筒状胴部の積層体10の製造方法について図1により説明する。
まず第二基材層13の内面に印刷が施されて、このようにして第二基材層13の内面に印刷インキからなる内面印刷部13Aが設けられる。
次に第二基材層13の内面にドライラミネート(DL)により第二シーラント層15が接合される。
次に第二基材層13の外面に第一シーラント層12がドライラミネートにより接合される。
次に第一シーラント層12の外面に、第一基材層11が押し出しラミネートにより形成される。
次に、第一基材層11の外面には保護層16が印刷により施され、このようにして第一基材層11の外面に印刷からなる保護層16が設けられる。
上記のようにして、チューブ容器の筒状胴部の積層体10が得られる。
このようにして得られたチューブ容器の筒状胴部の積層体10は円筒状に巻かれ、上述のようにその両端部33A、33Bが重ね合わされて、両端部33A、33Bにおいてチューブ容器の筒状胴部の積層体10の外面と内面がヒートシールされて、胴貼り部32が形成され、筒状胴部31が作製される。
この場合、チューブ容器の筒状胴部の積層体10の外面側に設けられた第一基材層11及び第一シーラント層12と、内面側に設けられた第二シーラント層15とが溶融して接合され、筒状胴部31が得られる。
なお、上記では胴貼り部32は、重ね合わせにより形成されるが、両端部33A、33Bのそれぞれの端面を、突き合わせて接合してもよい。さらに、上記にて付き合わせて接合した接合線を、筒状胴部31の内面または外面にフィルムを貼付して保護してもよい。
また、内側となる端部33Bには、端面保護のための加工をしてもよい。例えばテープ貼りによる保護や、前記端部33Bを容器の外側方向に折り曲げる加工(ヘミング加工)などがある。
次に、前記筒状胴部31の開放部(上側)34Aが金型(不図示)内に挿着され、前記筒状胴部31に圧縮成形、射出成形などの方法を用いて、前記筒状胴部31の開放部(上側)34Aに肩部35と口部36が形成されて、チューブ容器30が得られる(図4および図5参照)。
次に、上記のようにして製造されたチューブ容器30の口部36にキャップ37が装着され、キャップ37が装着されたチューブ容器30は複数まとめてダンボール箱内に収納される。その後、キャップ37が装着された複数のチューブ容器30は、ダンボール箱毎搬送される。
以上のように、本願発明の第一の実施形態によれば、保護層16は一対の貼り合わせ端部33A、33B以外の領域に設けられ、前記保護層16は優れた耐傷性を有するため、耐傷性に優れたチューブ容器30を製造することができる。
<本願発明の第二の実施形態>
次に図2により本願発明の第二の実施形態について説明する。
図2に示す第二の実施形態は、チューブ容器の筒状胴部の積層体10の第二基材層13にドライラミネートによりガスバリア層14を貼り合わせ、このガスバリア層14に第二シーラント層15をドライラミネートにより接合したものである。
図2に示す第二の実施形態において、上記以外の構成は図1、図4から図6に示す第一の実施形態と同様であり、第一の実施形態と同一部分には同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
第二の実施形態において、チューブ容器の筒状胴部の積層体10は第二基材層13と第二シーラント層15との間に配置されたガスバリア層14を更に有し、このガスバリア層14としては、金属箔、または基材フィルムとこの基材フィルム上に蒸着された蒸着膜とを有するフィルム、素材自体にガスバリア性を有するフィルムなどを用いることができる。
具体的には、ガスバリア層14として用いられる金属箔には、例えば、アルミ箔があげられる。アルミ箔は、ガスバリア性能が優れ、遮光性を有し、コストパフォーマンスが優れる材料である。
また、蒸着膜が設けられる基材フィルムとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリルフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
なお、本願発明においては、蒸着膜が設けられる基材フィルムとして、特に、PETは、性能とコストのバランスが良く、使用することが好ましいものである。
また、本願発明においては、蒸着膜が設けられる基材フィルムとして、特に機械的な強度が求められる状況では、ナイロンを使用することが好ましいものである。
また、基材フィルム上に蒸着される蒸着膜としては、シリカ蒸着膜を用いることができ、ガスバリア層14として基材フィルムとシリカ蒸着膜とを含むシリカ蒸着PETを用いることができる。
また、基材フィルム上に蒸着される蒸着膜としては、アルミ蒸着膜を用いることができ、ガスバリア層14として基材フィルムとアルミ蒸着膜とを含むアルミ蒸着PETを用いることができる。
また、基材フィルム上に蒸着される蒸着膜としては、酸化アルミ(アルミナ)蒸着膜を用いることができ、ガスバリア層14として基材フィルムと酸化アルミ(アルミナ)蒸着膜とを含むアルミナPETを用いることができる。
素材自体にガスバリア性を有するフィルムとしては、エチレン・ ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ナイロンMXD6、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などがあり、それらのフィルムをガスバリア層14とすることができる。
なお、上記第一および第二の実施形態において、第一基材層11と第二基材層13との間に、第一シーラント層12を設けた例を示したが、第一基材層11が充分なヒートシール機能をもつ場合、第一シーラント層12は必ずしも設ける必要はない。
その他、記載のない構成要素は、第一の実施形態と同様である。
なお、第二の実施例においては、印刷のある第二基材層13と、ガスバリア層14を別体としたが、前記ガスバリア層14に印刷適性がある場合には、前記ガスバリア層14に印刷を施し、前記第二基材層13を削減してもよい。このような場合、前記第二基材層13を削減することによるコストダウンが可能である。
上記に記載の印刷適性について説明する。前記ガスバリア層14の内面に裏刷り印刷を施す場合は、前記ガスバリア層14の透視性が要求される。また印刷工程では、前記ガスバリア層14に張力がかかることから、所定の強度を有し、かつ伸びが少ないことが要求される。
逆に、印刷のある第二基材層13とガスバリア層14を別体にするメリットについて説明する。特に高いガスバリア性を要求される用途では、印刷工程にて蒸着層が損傷される虞れがあるため、ガスバリア層14には印刷を施さない方が望ましい。そのため、第二基材層13とガスバリア層14を別体にすることが望ましい。
<本願発明の第三の実施形態>
次に図3により本願発明の第三の実施形態について説明する。
意匠性向上のために、印刷のある第二基材層13の内面側に乳白色のポリエチレンからなる意匠性向上層17を設けている。意匠性向上層17は、前記第二基材層13に直接接触して接合されていてもよく、また、前記第二基材層13と光の透過性を有する層(不図示)を介して接合されていてもよい。
また、ガスバリア層14と、前記ガスバリア層14の表裏面に接触する各層との接合強度を向上させるため、前記ガスバリア層14表裏面に接着層18A、18Bを設けている。特にガスバリア層14にアルミ箔を用いる場合は、前記アルミ箔の接合界面の接合強度を向上させるために、接着層を設けることが望ましい。
ガスバリア性を担保する層としては、上記に記載した各種のフィルムなどを例示として、チューブ容器への要求性能、コストなどにより、適宜選定される。
その他、記載のない構成要素は、第一の実施形態、第二の実施形態と同様である。
次に本願発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1は、上記の第一の実施形態に対応するものである。
チューブ容器の筒状胴部の積層体10として、以下のような層構成をもつ積層体10を準備した。
ニス塗布層16/LDPE層11(20μm)/LLDPE層12(100μm)/PET層13(12μm)/内面印刷部13A/LLDPE層15(210μm)
ここで、ニス塗布層16は、LDPE層11の表面にフレキソ印刷にて塗布される。LDPE層11は低密度ポリエチレンからなり、第一基材層11を構成する。またLLDPE層12は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、第一シーラント層12を構成する。またPET層13はポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、第二基材層13を構成する。さらにLLDPE層15は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、第二シーラント層15を構成する。
なお、ニス塗布層16はグラビア印刷や、コーターなどで塗布することもできる。
実施例1の積層体10の製造方法を説明する。
前記積層体10を製造するにあたり、まずは、PET層13となるPETフィルム(12μm)の内面に、PETフィルムの外面側から見て正規の絵柄となるように、裏刷り印刷としてグラビア印刷機にて印刷した。
次に、上記の手順で印刷したPET層13となるPETフィルムの外面に、第一シーラント層12となるLLDPEフィルム12(100μm)を、また内面に第二シーラント層15となるLLDPEフィルム15(210μm)をドライラミネート機にて、ドライラミネートした。
次に、上記の手順で積層した積層体の外面側のLLDPE層12の外面に、押し出し機を用いて、溶融したLDPEを膜状に押し出し加工して、第一基材層11となるLDPE層11(20μm)を形成した。溶融した膜状の前記LDPE層11を冷却し、固化する冷却ロールの表面には、適切な凹凸形状を備えているため、前記LDPE層11の表面は、印刷適性のある凹凸形状を備える。
次に、上記の手順で積層した積層体の外面側のLDPE層11の外面に、フレキソ印刷機を用いてインキを塗布して、ニス塗布層16を形成した。インキは紫外線照射硬化型ニス(OPニス 組成 感光性モノマー75〜85質量%、光重合開始剤15〜25質量%、補助剤1〜10質量%、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1質量%未満)を用いており、フレキソ印刷機の排出側に設けられた紫外線照射部を、紫外線照射硬化型ニスからなる保護層16を備えた前記積層体が通過すると、前記ニスが硬化して、前記保護層16の表面の硬度が大きくなり、耐傷性が向上して、さらに摩擦係数が低減する。
上記の各印刷工程における印刷適性の向上や、インキの密着性の向上などのために、また各ラミネート工程におけるラミネート強度の向上などのために、各層の表面に、コロナ処理などの表面処理や、アンカーコート剤の塗布を適宜実施してもよい。
実施例1におけるチューブ容器30について、一対の貼り合わせ端部33Aの内側と33Bの外側の接合強度、及びチューブの筒状胴部の積層体10と肩部35との間の接合強度を測定した。上記の2つの接合強度とも充分な強度があり、チューブ容器として問題がない水準であった。
(実施例2)
実施例2は上記の第二の実施形態に対応するものである。
チューブ容器の筒状胴部の積層体10として、以下のような層構成をもつ積層体を準備した。
ニス塗布層16/LDPE層11(20μm)/LLDPE層12(100μm)/PET層13(12μm)/内面印刷部13A/(蒸着面)VM−PET層14(12μm)/LLDPE層15(210μm)。
ここで、ニス塗布層16は、LDPE層11の表面にフレキソ印刷にて塗布される。LDPE層11は低密度ポリエチレンからなり、第一基材層11を構成する。またLLDPE層12は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、第一シーラント層12を構成する。またPET層13はポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、第二基材層13を構成する。前記第二基材層13の内側にグラビア印刷による内面印刷部13Aが形成される。またVM−PET層14はアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート層からなり、ガスバリア層14を構成する。なお、前記VM−PET層14の蒸着面は外側である。蒸着面を外側にすることにより、蒸着面を内面にする場合に比較して、内容物による蒸着面へのアタックが緩和されて、蒸着膜の劣化が少なくなる場合がある。さらにLLDPE層15は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、第二シーラント層15を構成する。
実施例2の積層体10の製造方法を説明する。
前記積層体10を製造するにあたり、まずは、PET層13となるPETフィルム(12μm)の内面に、PETフィルムの外面側から見て正規の絵柄となるように、裏刷り印刷としてグラビア印刷機にて印刷した。
次に、上記の手順で印刷したPETフィルムの内面に、順次、ガスバリア層14となるVM−PET層14(12μm)を、さらに前記ガスバリア層14の内面に第二シーラント層15となるLLDPEフィルム15(210μm)をドライラミネート機にて、ドライラミネート(DL)する。前記VM−PET層14の蒸着面は外側である。
次に、上記の手順で積層した積層体のPET層13となるPETフィルムの外面に、第一シーラント層12となるLLDPEフィルム12(100μm)を、ドライラミネート機にて、ドライラミネートする。
次に、上記の手順で積層した積層体の外面側のLLDPEフィルム12の外面に、押し出し機を用いて、溶融したLDPEを膜状に押し出し加工して、第一基材層11となるLDPE層11(20μm)を形成する。溶融した膜状の前記LDPE層11を冷却し、固化する冷却ロールの表面には、適切な凹凸形状を備えているため、前記LDPE層11の表面は、印刷適性のある凹凸形状を備える。
次に、上記の手順で積層した積層体の外面側のLDPEフィルム11の外面に、フレキソ印刷機を用いてインキを塗布して、ニス塗布層16を形成する。インキは紫外線照射硬化型ニス(実施例1と同じ)を用いており、フレキソ印刷機の排出側に設けられた紫外線照射部を、紫外線照射硬化型ニスによる保護層16を備えた前記積層体が通過すると前記ニスが硬化して、前記保護層16の表面の硬度が大きくなり、耐傷性が向上して、さらに摩擦係数が低減する。
実施例2におけるチューブ容器30について、一対の貼り合わせ端部である33Aの内側と33Bの外側の接合強度、及びチューブの筒状胴部の積層体10と肩部35との間の接合強度を測定した。上記の2つの接合強度とも充分な強度があり、チューブ容器として問題がない水準であった。
(実施例3)
実施例3は上記の第三の実施形態に対応するものである。
チューブ容器の筒状胴部の積層体10として、以下のような層構成をもつ積層体を準備した。
ニス塗布層16/LDPE層11(30μm)/LLDPE12A(60μm)/LDPE層12B(20μm)/PET層13(12μm)/内面印刷部13A(アンカーコート)/乳白色のLLDPE層17(100μm)/EMAA層18A(20μm)/アルミ箔14(10μm)/EMAA層18B(30μm)/LLDPE15(100μm)。
ここで、ニス塗布層16は、LDPE層11の表面にフレキソ印刷にて塗布される。LDPE層11は低密度ポリエチレンからなり、第一基材層11を構成する。またLLDPE層12は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、第一シーラント層12を構成する。またPET層13はポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、第二基材層13を構成する。前記第二基材層13の内側にグラビア印刷による内面印刷部13Aが形成される。また乳白色のLLDPE層17は、乳白色に着色されたまた直鎖状低密度ポリエチレンからなり、意匠性向上層17を構成する。EMAA層18Aはエチレン・メタクリル酸共重合物からなり、接着層18Aを構成する。またアルミ箔14はガスバリア層14を構成する。またEMAA層18Bはエチレン・メタクリル酸共重合物からなり、接着層18Bを構成する。さらにLLDPE15は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、第二シーラント層15を構成する。
実施例3の積層体10の製造方法を説明する。
前記積層体10を製造するにあたり、まずは、PET層13となるPETフィルム(12μm)の内面に、PETフィルムの外面側から見て正規の絵柄となるように、裏刷り印刷としてグラビア印刷機にて印刷した。
次に、上記の手順で印刷したPET層13となるPETフィルムの内面に、乳白色のLLDPE層17となる予め準備されたフィルムをドライラミネート機でドライラミネートする。
次に、上記の手順で積層した積層体の前記LLDPE層17の内面に、押し出し機を用いて溶融したEMAA層18Aを膜状に押し出して、接着層18Aとなる前記EMAA層18Aが溶融している状態で、前記ガスバリア層14となるアルミ箔14を接合させた後、前記EMAA層18Aが冷却されて、前記アルミ箔14と凝固・接着する。
また上記の工程に次いで、前記アルミ箔14の内面に、溶融したEMAA層18Bを膜状に押し出して、接着層18Bとなる前記EMAA層18Bが溶融している状態で、前記LLDPE層15となる予め準備されたLLDPEフィルムを接合させた後、前記EMAA層18Bが冷却されて、前記LLDPE層15と凝固・接着する。なお、EMAAはLDPEよりも金属への接着力が強く、アルミ箔のラミネート強度の向上に有効である。
次に、上記の手順で積層した積層体のPETフィルムの外面に、ポリウレタン系アンカーコート剤でアンカーコートを施した後、押し出し機を用いて溶融したLDPE層12Bを膜状に押し出して、接着層12Bとなる前記LDPE層12Bが溶融している状態で、前記LDPE層12Bの外面側にLLDPE層12Aとなる予め準備されたフィルムを接合させる。その後、前記LDPE層12Bが冷却されて、前記LLDPE層12Aと凝固・接着する。
また上記の工程に次いで、前記LLDPE層12Aの外面に、溶融したLDPE層11を膜状に押し出し加工して、その後、冷却されて、第一基材層11となるLDPE層11(20μm)を形成する。溶融した膜状の前記LDPE層11を冷却し、固化する冷却ロールの表面には、適切な凹凸形状を備えているため、前記LDPE層11の表面は、印刷適性のある凹凸形状を備える。
次に、上記の手順で積層した積層体の外面側のLDPE層11の外面に、フレキソ印刷機を用いてインキを塗布して、ニス塗布層16を形成する。インキは紫外線照射硬化型ニス(実施例1と同じ)を用いており、フレキソ印刷機の排出側に設けられた紫外線照射部を、紫外線照射硬化型ニスによる保護層16を備えた前記積層体が通過すると前記ニスが硬化して、前記保護層16の表面の硬度が大きくなり、耐傷性が向上して、さらに摩擦係数が低減する。
実施例3におけるチューブ容器30について、一対の貼り合わせ端部である33Aの内側と33Bの外側の接合強度、及びチューブの筒状胴部の積層体10と肩部35との間の接合強度を測定した。上記の2つの接合強度とも充分な強度があり、チューブ容器として問題がない水準であった。
(比較例)
比較例は、ニス塗布層16からなる保護層16を有しない点が異なるのみであり、他は実施例3と同様の構成、製造方法で製造されたチューブ容器である。
(各種実施例と比較例の比較・評価)
各種実施例のサンプルと比較例のサンプルについて、摩擦係数測定試験、摩擦試験(耐傷性試験)、輸送試験を実施した。
(表面の摩擦係数測定)
各種実施例と比較例の表面の摩擦係数を測定した。その結果を表1に示す。
測定機器は、株式会社東洋精機製作所製TR−2を使用し、JIS K−7125に準じて、静止摩擦係数と動摩擦係数の測定を行った。試験回数はn=3、試験速度は100mm/minであった。
測定結果を表1に示す。
表1における摩擦対象面の項目に記載のチューブ容器の筒状胴部の積層体の表面とは、同じ材質の組み合せで摩擦係数の測定を行っており、チューブ容器を輸送する際のチューブ同士の擦れを想定している。
摩擦対象面の項目に記載の金属面とは、チューブ容器の充填・包装作業時の搬送工程において、金属製部品との接触を想定している。今回、摩擦測定に使用した金属面は、ステンレスであり、平面で表面が平滑性のあるミラーの性状をしている。
Figure 2020104870
表1より、以下のことが分かる。
摩擦対象面がチューブ容器の筒状胴部の積層体の表面において、比較例よりも各種実施例の方が、静止摩擦係数、動摩擦係数とも小さくなっており、各種実施例の方が、チューブ容器表面に生じる摩擦力が小さいため、表面の損傷が少なくなる。このことにより、チューブ容器の輸送時に、各種実施例の方が、表面に傷を生じにくくなる。
摩擦対象面が金属面の場合において、比較例よりも各種実施例の方が、静止摩擦係数、動摩擦係数とも小さくなっており、各種実施例の方が、チューブ容器表面に生じる摩擦力が小さいため、表面の損傷が少なくなる。このことにより、チューブ容器の充填・包装作業時の搬送工程において、金属製部品との接触をした場合に、各種実施例の方が、表面に傷を生じにくくなる。
また、トップにプレートがあるタイプの搬送チェーンにおいて、そのプレートの上にチューブ容器のキャップの天面を下向きに置かれ、キャップの天面とコンベアのプレートの摩擦力だけで搬送されて、かつチューブ容器の筒状胴部が、搬送コンベアに付設される金属製のガイドで規制されつつ搬送される場合がある。筒状胴部の摩擦係数が小さいチューブ容器において、前記ガイドによるチューブ容器の筒状胴部への摩擦力が小さくなるため、チューブ容器のライン上での引っ掛かりや転倒が少なくなり、その結果、生産阻害が少なくなる。
(表面の耐傷性の評価)
表面の耐傷性の評価を、学振式摩擦試験(JIS L−0849)で評価した。測定機器は、スガ試験機株式会社製 FR−2である。
前記積層体同士の摩擦試験を行う際は、下側の試験片台に、短冊状(幅30mm)のチューブ容器の筒状胴部の積層体を固定し、上側の摩擦子に、同じ材質のチューブ容器の筒状胴部の積層体を短冊状(幅30mm)にして取り付けた。
前記積層体と金属板との摩擦試験を行う際は、上側の摩擦子に金属板を取り付けて、前記摩擦子を摺動させた。今回、学振式摩擦試験に使用した金属板は、ステンレスであり、表面が平滑性のあるミラーの性状をしている。
また、錘は200gのものを使用した。
上記の学振式摩擦試験を100回および300回繰り返し、その結果、前記積層体の表面に生じた傷の本数を目視にて数えた。1つのサンプル当たりの傷の本数が20本以上のものは試験の結果を×(不良)とし、傷の本数が10本以上20本未満のものは結果を△(やや不良)とし、傷の本数が10本未満のものは試験の結果を○(良好)とした。
摩擦係数測定の時と同様、摩擦対象面の項目に記載のチューブ容器の筒状胴部の積層体の表面とは、同じ材質の組み合せで摩擦係数の測定を行っており、チューブ容器を輸送する際のチューブ同士の擦れを想定している。
摩擦対象面における金属面とは、チューブ容器の充填・包装作業時の搬送工程において、ガイド部品などの金属製部品との接触を想定している。
Figure 2020104870
表2より、以下のことが分かる。
チューブ容器の筒状胴部の積層体の表面同士の摩擦試験では、比較例において摩擦回数100回では△(やや不良)、摩擦回数300回では×(不良)であった。また、各種実施例において摩擦回数100回では○(良好)、摩擦回数300回では○(良好)であった。
このことから、チュープ容器同士の擦れにおいて、各種実施例は傷がつきにくく、比較例よりも耐傷性が向上していることが分かる。
また、チューブ容器の筒状胴部の積層体の表面と金属面との摩擦試験では、比較例において摩擦回数100回では○(良好)、摩擦回数300回では△(やや不良)であった。また、実施例3において摩擦回数100回では○(良好)、摩擦回数300回では○(良好)であった。
このことから、チューブ容器の表面と金属製部品の擦れにおいて、各種実施例は傷がつきにくく、比較例よりも耐傷性が向上していることが分かる。
(実輸送試験による耐傷性の評価)
実施例3と比較例のサンプルを、実輸送試験を行った。準備したサンプルに水を充填して包装製品とした状態で、段ボール箱に各々10本詰めて、東京都新宿区から京都府京田辺市の間を、宅配便(陸路)を利用して、往復輸送した。片道約475kmであり、往復で約950kmであった。
到着後に、段ボール箱を開梱して、チューブ容器を目視にて観察した。前記チューブ容器の筒状胴部の表面に生じた傷の本数を数えた。1本のチューブ容器当たりの傷の本数が20本以上のものは試験の結果を×(不良)とし、傷の本数が10本以上20本未満のものは結果を△(やや不良)とし、傷の本数が10本未満のものは試験の結果を○(良好)とした。
その結果を表3に示す。
各々10本のチューブ容器の傷つき方は、同様であり差がなかった。
Figure 2020104870
表3より以下のことが分かる。
比較例のサンプルでは、傷が多数発生しており、外観不良であった。実施例3のサンプルでは、傷が10本未満であり、良好であった。
このことから、実輸送試験において、実施例3のチューブ容器は、耐傷性に優れており、美粧性を保つことができることが分かった。
本願発明によれば、チューブ容器の筒状胴部の積層体の表面の摩擦係数が低いチューブ容器を提供できることから、チューブ容器の包装製品の充填・包装ラインにおいて、チューブ容器のライン上での引っ掛かりや転倒を防止できて、チューブ容器の包装製品の充填・包装ラインが安定稼働できて、品質向上及び生産コストの低減に寄与できる。また、チューブ容器の外面が傷つきにくいことから、店頭において美粧性がある製品を展示することができて、購買意欲を喚起することができる。
10 チューブ容器の筒状胴部の積層体
10A チューブ容器の筒状胴部の積層体の原反
11 第一基材層
12 第一シーラント層
12A 第一シーラント層の一部の層
12B 第一シーラント層の一部の層(兼接着層)
13 第二基材層
13A 内面印刷部
14 ガスバリア層
15 第二シーラント層
16 保護層
17 意匠性向上層
18A 接着層
18B 接着層
30 チューブ容器
30A チューブ容器の包装製品
31 筒状胴部
32 胴貼り部
33A 胴貼りの際に外側となる貼り合わせ端部
33B 胴貼りの際に内側となる貼り合わせ端部
34A 開口部(上側)
34B 開口部(下側)
35 肩部
36 口部
37 キャップ
38 内容物
39 底シール部

L 切断線

Claims (14)

  1. 一対の貼り合わせ端部を有する胴部と、肩部からなるチューブ容器において、
    前記胴部の積層体は、外面から内面に向かって、少なくとも、第一基材層、第二基材層、第二シーラント層がこの順に積層され、さらに前記第一基材層の外面の全面もしくは少なくとも一部に保護層が設けられていることを特徴としたチューブ容器。
  2. 前記第一基材層と前記第二基材層との間に第一シーラント層を設けた。請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記保護層は、前記チューブ容器の胴部の外面に部分的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ容器。
  4. 前記保護層は、前記胴部の一対の貼り合わせ端部には形成されていないことを特徴とする請求項3に記載のチューブ容器。
  5. 前記第一基材層が低密度ポリエチレンとすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のチューブ容器。
  6. 前記第二基材層がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のチューブ容器。
  7. 前記第二基材層がナイロンであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のチューブ容器。
  8. 前記第二基材層の少なくとも一方の面に蒸着膜を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載のチューブ容器。
  9. 前記第二基材層の他に、少なくとも1層がガスバリア性を有する層を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のチューブ容器。
  10. 前記のガスバリア性を有する層がアルミ箔であることを特徴とする請求項9に記載のチューブ容器。
  11. 前記のガスバリア性を有する層が、少なくとも一方の面に蒸着膜を備えたポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項9に記載のチューブ容器。
  12. 前記のガスバリア性を有する層が、少なくとも一方の面に蒸着膜を備えたナイロンであることを特徴とする請求項9に記載のチューブ容器。
  13. 前記保護層が、印刷インキであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のチューブ容器。
  14. 前記保護層が、紫外線照射硬化型ニスであることを特徴とする請求項13に記載のチューブ容器。
JP2018243758A 2018-12-26 2018-12-26 チューブ容器 Active JP7439380B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018243758A JP7439380B2 (ja) 2018-12-26 2018-12-26 チューブ容器
JP2023189965A JP2024010182A (ja) 2018-12-26 2023-11-07 チューブ容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018243758A JP7439380B2 (ja) 2018-12-26 2018-12-26 チューブ容器

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023189965A Division JP2024010182A (ja) 2018-12-26 2023-11-07 チューブ容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020104870A true JP2020104870A (ja) 2020-07-09
JP7439380B2 JP7439380B2 (ja) 2024-02-28

Family

ID=71450414

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018243758A Active JP7439380B2 (ja) 2018-12-26 2018-12-26 チューブ容器
JP2023189965A Pending JP2024010182A (ja) 2018-12-26 2023-11-07 チューブ容器

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023189965A Pending JP2024010182A (ja) 2018-12-26 2023-11-07 チューブ容器

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7439380B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015182616A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 共同印刷株式会社 チューブ用積層体及びチューブ容器
JP2016074451A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 凸版印刷株式会社 ラミネートチューブ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT2895314T (pt) 2012-09-13 2019-12-26 Hoffmann Neopac Ag Método para fabricar um corpo de recipiente de um tubo e corpo de recipiente fabricado pelo tal método

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015182616A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 共同印刷株式会社 チューブ用積層体及びチューブ容器
JP2016074451A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 凸版印刷株式会社 ラミネートチューブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2024010182A (ja) 2024-01-23
JP7439380B2 (ja) 2024-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016222277A (ja) 包装袋
JP6160797B2 (ja) 積層フィルム及び包装材
TWI794432B (zh) 套筒及包裝袋
JP2020104870A (ja) チューブ容器
JP7104896B2 (ja) 積層体および包装袋
JP7166749B2 (ja) 包装袋
JP2008273610A (ja) 易カット性包装材料及びその包装容器
JP2013022893A (ja) 低反り多層フィルム
JP7286925B2 (ja) エージングレス印刷基材フィルム、およびそれを用いた耐内容物性エージングレス積層体とインモールドラベルとインモールド成形容器
JP7326750B2 (ja) 包装体
JP6988190B2 (ja) 包装材用フィルム、およびこれを用いた包装材、包装体
JP2021145828A (ja) 輸液バッグ収納外装袋
JP7259353B2 (ja) 包装袋および包装袋の製造方法
JP7286923B2 (ja) エージングレス補強フィルム、およびそれを用いた積層体、包装材料
JP7087540B2 (ja) チューブ容器用包材およびチューブ容器
JP7343135B2 (ja) 手切れ可能な包装材料
JP7486395B2 (ja) 蓋用積層材、包装体
JP2020192689A (ja) 包装袋用積層体及びそれを用いた包装袋、並びにその包装袋の製造方法
JP2017222406A (ja) プラスチック袋
JP7194512B2 (ja) 包装体
US20220250366A1 (en) Sealable extrusion coating with improved processing and properties
JP7026526B2 (ja) 包装袋用積層体及び包装袋
JP2017218174A (ja) パウチ
JP2023022866A (ja) 外装袋用積層体、外装袋および包装体
JP2022117017A (ja) 包装シート、包装容器、包装体、および、包装袋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230412

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231107

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20231114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7439380

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150