JP2020104717A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、操舵速度が比較的遅い場合でも操舵軸を駆動するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正でき、かつ、操舵状態が切り替わった際の操舵フィーリングの急変を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
補正値演算部は、操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の操舵位置を基点とする操舵位置の変化量に基づいて補正値を調整する補正値調整部を備える。
なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
実施形態の電動パワーステアリング装置の構成例を図1に示す。操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクThを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。
コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vhとに基づいて、アシストマップ等を用いてアシスト指令の操舵補助指令値の演算を行い、演算された操舵補助指令値に基づいてモータ20に供給する電流Iを制御する。
記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントロールユニットによる機能は、例えばコントロールユニット30のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
例えば、コントロールユニット30は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントロールユニット30はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
(構成)
図2を参照して、第1実施形態のコントロールユニット30の機能構成の一例を説明する。コントロールユニット30は、基本電流指令値演算部40と、セルフアライニングトルク(SAT)検出部41と、補正値演算部42と、加算器43と、減算器44と、比例積分(PI:Proportional-Integral)制御部45と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部46と、インバータ(INV)47を備える。
すなわち、車両のステアリング系では、運転者がハンドルを操舵することによって操舵トルクThが発生し、その操舵トルクThに従ってモータがアシストトルクTmを発生し、その結果、車輪が転舵され、反力としてSATが発生する。
J・dωm/dt+Fr・sign(ωm)+SAT=Tm+Th ・・・(1)
SAT(s)=Tm(s)+Th(s)−J・s・ωm(s)−Fr・sign(ωm(s)) ・・・(2)
上記(2)式から分るように、モータ及び機構部の慣性J及び静摩擦Frを定数として予め求めておくことで、モータのコラム軸換算回転角速度ωm、回転角加速度dωm/dt、操舵補助力及び操舵信号よりセルフアライニングトルクSATを推定することができる。
補正値演算部42は、操舵角θ、操舵トルクTh、車速Vh、及びセルフアライニングトルクSATに基づいて、電動パワーステアリング装置におけるセルフアライニングトルクを補償するSAT補償値Csを演算する。補正値演算部42は、SAT補償値Csを加算器43に入力する。
電流指令値Irefは減算器44に入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差(Iref−Im)が演算され、その偏差(Iref−Im)が操舵動作の特性改善のためのPI制御部45に入力される。
補正値演算部42は、車速操舵角ゲイン演算部50と、乗算器51と、操舵状態ゲイン演算部52と、乗算器53を備える。
操舵状態判定部54は、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるのか切り戻し状態であるのかを判定する。以下、「操舵状態が切り増し状態であるのか切り戻し状態であるのかを判定する」ことを、単に「操舵状態を判定する」と表現することがある。
操舵状態判定部54は、例えば図5に示す表に従って操舵機構の操舵状態を判定する。
操舵角θの符号と操舵方向の符号が「負」であり、操舵トルクThの符号が「正」である「状態2」を「反時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵トルクThの符号が「負」であり、操舵方向の符号が「正」である「状態3」を「時計回りに切り戻し状態」であると判定する。
操舵角θの符号が「負」であり操舵方向の符号と操舵トルクThの符号が「正」である「状態4」を「時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵トルクThの符号が「正」であり、操舵方向の符号が「負」である「状態6」を「反時計回りに切り戻し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵方向の符号が「正」であり、操舵トルクThの符号が「負」である「状態7」を「時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号がいずれも「正」である「状態8」を「時計回りに切り増し状態」であると判定する。
実線60の範囲で矢印70の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号がいずれも「負」である。したがって、このような状態は「状態1」(反時計回りに切り増し状態)となる。
状態1及び状態3が示すように、切り増し状態の特性線と切り戻し状態の特性線の軌跡は一致せず、操舵角θと操舵トルクThとの特性はヒステリシス特性を有する。
さらに、一点鎖線62の範囲で矢印72の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号が「負」であり操舵方向の符号と操舵トルクThの符号が「正」である。したがって、このような状態は「状態4」(時計回りに切り増し状態)となる。
破線64の範囲で矢印74の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号と操舵トルクThの符号が「正」であり、操舵方向の符号が「負」である。したがって、このような状態は「状態6」(反時計回りに切り戻し状態)となる。
また、状態3(時計回りに切り戻し状態)で切り戻す途中の切り増し操舵(矢印78)も、状態1(反時計回りに切り増し状態)となる。状態6(反時計回りに切り戻し状態)で切り戻す途中の切り増し操舵状態(矢印79)も、状態8(時計回りに切り増し状態)となる。
同様に、矢印77に示すような、操舵角θの符号が「正」から「負」へ変化する前に「状態5」の途中で操舵方向が変化する状態では、操舵角θの符号と操舵方向の符号が「正」であり操舵トルクThの符号が「負」である。したがって、このような状態は「状態7」(時計回りに切り増し状態)となる。
このように状態2や状態7を検出することにより、運転者の切り増し操舵をより早く判定できる。
操舵角変化量演算部55は、操舵状態判定部54の判定結果に基づいて、操舵機構の操舵状態が、切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わったか否かを判定する。以下、「切り増し状態と切り戻し状態との間の操舵状態の切り替え」を単に「操舵状態の切り替え」と表現することがある。
図7の(a)の実線C1は、切り戻し操舵により操舵状態ゲインGsが下限値G1から上限値G2まで変化する操舵角変化量Δθが発生したときの操舵状態ゲインGsの特性線であり、一点鎖線C2は、切り増し操舵により操舵状態ゲインGsが上限値G2から下限値G1まで変化する操舵角変化量Δθが発生したときの操舵状態ゲインGsの特性線である。
図7の(b)及び図7の(c)を参照して、ゲイン演算部56による操舵状態ゲインGsの変更方法の一例を説明する。
操舵状態の切り替えが発生した場合、例えばゲイン演算部56は、切り替え発生時点の操舵状態ゲインGssを一時保持する。
操舵状態の切り替え後、ゲイン演算部56は、操舵角変化量演算部55が演算した操舵角変化量ΔθにオフセットΔθoffを加えた値(Δθ+Δθoff)を演算し、特性線C1において値(Δθ+Δθoff)に対応するゲインG3を、操舵状態ゲインGsとする。
操舵状態の切り替え後、ゲイン演算部56は、操舵角変化量演算部55が演算した操舵角変化量ΔθにオフセットΔθoffを加えた値(Δθ+Δθoff)を演算し、特性線C2において値(Δθ+Δθoff)に対応するゲインG4を、操舵状態ゲインGsとする。
乗算器53は、乗算器51が算出した車速操舵角ゲインGvaとセルフアライニングトルクSATとの積Gva×SATに、操舵状態ゲインGsを乗算してSAT補償値Csを算出する。
上記のとおり、SAT補償値Csは加算器43に入力され、加算器43は、基本電流指令値Iref1にSAT補償値Csを加算して電流指令値Irefを算出する。
このように、操舵状態ゲイン演算部52と乗算器53は、操舵状態が切り替わった時点の操舵角(操舵位置)を基点とする操舵角変化量(操舵位置変化量)Δθに基づいて、電流指令値を補正する補正値であるSAT補償値Csを調整する補正値調整部としての機能を有する。
次に、切り戻し操舵及び切り増し操舵による操舵状態ゲインGsの変化の一例を説明する。図8を参照する。時刻t1において切り増し操舵を開始すると、操舵状態ゲインGsは上限値G2から減少を開始して時刻t2で下限値G1に至る。そのまま時刻t3まで切り増し操舵を続けると操舵角θの絶対値が増加するが、操舵状態ゲインGsは下限値G1を維持する。
時刻t5において操舵トルクの符号が正から負へと変化すると、操舵状態は切り戻し操舵から切り増し操舵に変化する。切り増し操舵へ状態が変化すると、操舵状態ゲインGsは上限値G2から減少を開始して時刻t6で下限値G1に至る。そのまま時刻t7まで切り増し操舵を続けると操舵状態ゲインGsは下限値G1を維持する。
上述のとおり、ゲイン演算部56は、操舵状態の切り替えの前後で操舵状態ゲインGsが連続するように操舵状態ゲインGsを変更するので、操舵状態ゲインGsは、時刻t8における値から減少を開始する。
このように、本実施形態によれば、操舵操作に対して連続的に変化する操舵状態ゲインGsによって、基本電流指令値Iref1を補正するSAT補償値Csを求めることができる。このため、操舵状態が切り替わった際の操舵フィーリングの急変を抑制できることができる。
なお、上限値G2及び下限値G1は、共に正の値であってもよく、共に負の値であってもよい。さらに、上限値G2及び下限値G1は、正の値と零(0)の組合せであってもよく、正の値と負の値の組合せであってもよい。
また、図7の(a)〜図7の(c)及び図8は、操舵状態ゲインGsが、切り戻し操舵の際に操舵角変化量Δθの単調増加関数であり、切り増し操舵の際に単調減数関数である例を示したが、これに限定されることなく、操舵状態ゲインGsは、切り戻し操舵の際に操舵角変化量Δθの単調減少関数であり、切り増し操舵の際に単調増加関数であってもよい。すなわち、補正値演算部42に入力される補正値の性質とアシスト力の補正方向を考えて、適切に設定すればよい。
次に、図9を参照して実施形態による電動パワーステアリング装置の制御方法の一例を説明する。
ステップS1においてトルクセンサ10は操舵トルクThを検出する。
ステップS2においてレゾルバ48等の回転角センサ又は舵角センサを用いて、操舵角(操舵位置)θを検出する。
ステップS4において操舵状態判定部54は操舵機構の操舵状態を判断する。
ステップS5において操舵角変化量演算部55とゲイン演算部56は、操舵状態の切り替えが発生したか否かを判断する。操舵状態の切り替えが発生した場合(ステップS5:Y)に処理はステップS6へ進む。操舵状態の切り替えが発生しない場合(ステップS5:N)に処理はステップS7へ進む。
また、ゲイン演算部56は、切り替え発生時点の操舵状態ゲインGssに対応する操舵角変化量をオフセットΔθoffとして記憶する。その後に処理はステップS8へ進む。
ステップS8においてゲイン演算部56と乗算器53は、操舵角変化量Δθに基づいて電流指令値を補正するための補正量を調整する。第1実施形態の例では、補正量としてSAT補償値Csを調整する。
ステップS10において減算器44と、PI制御部45と、PWM制御部46と、インバータ47は、電流指令値Irefに基づいてモータ20を制御する。
(1)トルクセンサ10は、操舵機構に加わる操舵トルクThを検出する。操舵機構の操舵角θは、レゾルバ48からのモータ回転角又は操舵角センサからの信号を用いて検出される。基本電流指令値演算部40は、操舵軸であるコラム軸2を駆動するアクチュエータを駆動するための基本電流指令値Iref1を、少なくとも操舵トルクThに基づいて演算する。補正値演算部42は、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて基本電流指令値Iref1を補正する補正値を演算する。操舵状態ゲイン演算部52と乗算器53は、操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の操舵位置を基点とする操舵角変化量Δθに基づいて補正値を調整する。
また、操舵状態が切り替わった時点からの操舵角変化量Δθに応じて補正値を調整することで、連続的に電流指令値を補正でき、さらに、操舵状態の切り替え時の操舵トルクThのヒステリシス幅Whを調整して操舵感を変更することができる。
操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて異なる操舵状態ゲインGsを算出する。乗算器53は、操舵状態ゲインGsによりSAT補償値Csを調整する。
これにより、操舵角変化量Δθに対して連続的に変化し、且つ自由度の高いSAT補償値Csを設計できる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態のコントロールユニット30は、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として、操舵速度に応じたダンピング特性を操舵機構に付与するダンピング補償値を用いる。
図10を参照する。第2実施形態のコントロールユニット30の機能構成は、図2に示す第1実施形態と同様の機能構成を有しており、同じ参照符号は同様の構成要素を示している。
基本ダンピング補償値演算部80は、車速Vhと操舵速度ωに応じた基本ダンピング補償値Cd1を演算する。
例えば基本ダンピング補償値演算部80は、図11に示すような車速感応ゲインGvと操舵速度ωの反転値を乗算して基本ダンピング補償値Cd1=Gv×(−ω)を演算してよい。
このように、操舵状態ゲインGsによって調整されたダンピング補償値Cdで基本電流指令値Iref1を補正して電流指令値Irefを算出しても、第1実施形態と同様の効果を有する。
基本ダンピング補償値演算部80は、操舵機構の操舵速度ωに応じた基本ダンピング補償値Cd1を演算する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて異なる操舵状態ゲインGsを算出する。乗算器53は、基本ダンピング補償値Cd1に操舵状態ゲインGsを乗じて得られるダンピング補償値Cdを、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として演算する。
これにより、操舵角変化量Δθに対して連続的に変化し、且つ自由度の高いダンピング補償値Cdを設計できる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態のコントロールユニット30は、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として、操舵トルクThに応じて電流指令値を調整する調整電流を用いる。
図13を参照する。第3実施形態のコントロールユニット30の機能構成は、図2に示す第1実施形態と同様の機能構成を有しており、同じ参照符号は同様の構成要素を示している。
例えば調整電流演算部82は、図14に示すように操舵トルクThに感応して変化する基本調整電流Ia1を演算してよい。
図13を参照する。調整電流演算部82は、演算した基本調整電流Ia1を補正値演算部42に入力する。補正値演算部42は、操舵角θ及び操舵トルクThに基づいて基本調整電流Ia1を補正することにより調整電流Iaを演算する。加算器43は、基本電流指令値Iref1に調整電流Iaを加算して電流指令値Irefを算出する。
このように、操舵状態ゲインGsによって調整された調整電流Iaで基本電流指令値Iref1を補正して電流指令値Irefを算出しても、第1実施形態と同様の効果を有する。
また、補正値演算部42が、操舵状態ゲインGsを調整電流Iaとして加算器43に出力し、操舵状態ゲインGsで基本電流指令値Iref1を補正して電流指令値Irefを算出しても、第1実施形態と同様の効果を有する。
(1)調整電流演算部82は、操舵トルクThに応じて、電流指令値Irefを調整するための基本調整電流Ia1を演算する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて異なる操舵状態ゲインGsを算出する。乗算器53は、基本調整電流Ia1に操舵状態ゲインGsを乗じて得られる調整電流Iaを、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として演算する。
または、補正値演算部42は、電流指令値Irefを調整する調整電流Iaとして、操舵状態ゲインGsを算出する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて操舵状態ゲインGsを変更する。
これにより、操舵角変化量Δθに対して連続的に変化し、且つ自由度の高い調整電流Iaを設計できる。
ここまで、本発明を電動パワーステアリング装置に適用する実施形態について説明した。しかしながら、本発明は電動パワーステアリング装置に限らず、例えば操向ハンドル1と操向車輪とが機械的に分離したステア・バイ・ワイヤ方式の操舵制御装置にも適用可能である。
操向ハンドル1に操舵反力を付与するアクチュエータを駆動する電流指令値は、反力センサが検知した操舵トルクに基づいて演算される。この場合、例えば補正値演算部42は、操向ハンドル1に操舵反力を付与するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正する補正値を演算してよい。
Claims (8)
- 操舵軸を駆動するアクチュエータを有する操舵機構と、
前記操舵機構に加わる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、
前記操舵機構の操舵位置を検出する操舵位置検出部と、
前記アクチュエータを駆動する電流指令値を、少なくとも前記操舵トルクに基づいて演算する電流指令値演算部と、
前記操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて前記電流指令値を補正する補正値を演算する補正値演算部と、を備え、
前記補正値演算部は、前記操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の前記操舵位置を基点とする前記操舵位置の変化量に基づいて前記補正値を調整する補正値調整部を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記補正値演算部は、前記操舵位置の符号が操舵方向の符号と等しい場合又は前記操舵位置の符号と前記操舵トルクの符号とが異なる場合に、前記操舵状態が切り増し状態であると判定し、前記操舵位置の符号と前記操舵トルクの符号とが等しく且つ前記操舵位置の符号と前記操舵方向の符号とが異なる場合に、前記操舵状態が切り戻し状態であると判定し、
前記操舵機構の中立位置より時計回り方向に変位した前記操舵位置の符号と、時計回り方向の前記操舵トルクの符号と、時計回り方向の操舵方向の符号と、が等しく、前記中立位置より反時計回り方向に変位した前記操舵位置の符号と、反時計回り方向の前記操舵トルクの符号と、反時計回り方向の操舵方向の符号と、が等しい、
ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - セルフアライニングトルクを検出するセルフアライニングトルク検出部を備え、
前記補正値演算部は、前記セルフアライニングトルクに基づくセルフアライニングトルク補償値を前記補正値として演算し、
前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて異なるゲインを算出し、前記ゲインを乗じて前記セルフアライニングトルク補償値を調整する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記操舵機構の操舵速度に応じた基本ダンピング補償値を演算するダンピング補償値演算部を備え、
前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて異なるゲインを算出し、
前記補正値演算部は、前記基本ダンピング補償値に前記ゲインを乗じて前記補正値を演算する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記操舵トルクに応じて、前記電流指令値を調整する調整電流を演算する調整電流演算部を備え、
前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて異なるゲインを算出し、
前記補正値演算部は、前記調整電流に前記ゲインを乗じて前記補正値を演算する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記補正値調整部は、前記操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わる前後で連続するように前記ゲインを変更する、ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記補正値演算部は、前記電流指令値を調整する調整電流を前記補正値として演算し、
前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて前記補正値を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記補正値調整部は、前記操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わる前後で連続するように前記補正値を変更する、ことを特徴とする請求項7に記載の電動パワーステアリング装置。
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