JP2020104717A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵速度が比較的遅い場合でも操舵軸を駆動するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正でき、かつ、操舵状態が切り替わった際の操舵フィーリングの急変を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】電動パワーステアリング装置は、操舵軸を駆動するアクチュエータ20を駆動する電流指令値を、少なくとも操舵トルクに基づいて演算する電流指令値演算部40と、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて電流指令値を補正する補正値を演算する補正値演算部42と、を備える。補正値演算部42は、操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の操舵位置を基点とする操舵位置の変化量に基づいて補正値を調整する補正値調整部52、53を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
乗員による操舵フィーリングを向上する技術として、下記特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の制御方法が知られている。この制御装置では、セルフアライニングトルク(SAT)を検出又は推定し、ステアリングの操舵状態(切り増し状態、切り戻し状態、保舵状態)、車速、操舵角、操舵角速度、及び操舵トルクにそれぞれ感応するゲインを決定する。そして、検出又は推定したセルフアライニングトルクにこれらのゲインをそれぞれ乗じることにより、電動パワーステアリング装置におけるセルフアライニングトルク(SAT)を補償するSAT補償値を決定し、操舵軸を駆動するアクチュエータを駆動する電流指令値をSAT補償値で補正する。
特許第4715446号明細書
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、操舵速度が比較的遅い場合(例えば保舵直後等)にSAT補償値を得ることが難しく、操舵軸を駆動するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正できない。また、操舵状態が切り替わると操舵状態感応ゲインが切り替ってSAT補償値が不連続になる。このため、操舵フィーリングが急変する。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、操舵速度が比較的遅い場合でも操舵軸を駆動するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正でき、かつ、操舵状態が切り替わった際の操舵フィーリングの急変を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による電動パワーステアリング装置は、操舵軸を駆動するアクチュエータを有する操舵機構と、操舵機構に加わる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、操舵機構の操舵位置を検出する操舵位置検出部と、アクチュエータを駆動する電流指令値を、少なくとも操舵トルクに基づいて演算する電流指令値演算部と、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて電流指令値を補正する補正値を演算する補正値演算部と、を備える。
補正値演算部は、操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の操舵位置を基点とする操舵位置の変化量に基づいて補正値を調整する補正値調整部を備える。
本発明によれば、操舵速度が比較的遅い場合でも操舵軸を駆動するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正でき、かつ、操舵状態が切り替わった際の操舵フィーリングの急変を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供できる。
実施形態の電動パワーステアリング装置の一例の概要を示す構成図である。 第1実施形態のコントロールユニットの機能構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態の補正値演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。 (a)は車速操舵角ゲイン演算部による車速ゲインの特性の一例を示す図であり、(b)は操舵角ゲインの特性の一例を示す図である。 操舵状態判定部による操舵状態の判定方法の一例の説明図である。 操舵トルクと操舵角の特性の一例を示す図である。 (a)は操舵状態ゲインの特性の一例を示す図であり、(b)は切り戻し時の操舵状態ゲインの決定方法の一例の説明図であり、(c)は切り増し時の操舵状態ゲインの決定方法の一例の説明図である。 操舵状態ゲインの変化例を示す図である。 実施形態の電動パワーステアリング装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態のコントロールユニットの機能構成の一例を示すブロック図である。 基本ダンピング補償値演算部が基本ダンピング補償値を演算するための車速ゲインの特性の一例を示す図である。 第2実施形態の補正値演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。 第3実施形態のコントロールユニットの機能構成の一例を示すブロック図である。 調整電流演算部による調整電流の特性の一例を示す図である。 第3実施形態の補正値演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(電動パワーステアリング装置の構成)
実施形態の電動パワーステアリング装置の構成例を図1に示す。操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクThを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。
パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、電源であるバッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11からイグニションキー信号が入力される。
コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vhとに基づいて、アシストマップ等を用いてアシスト指令の操舵補助指令値の演算を行い、演算された操舵補助指令値に基づいてモータ20に供給する電流Iを制御する。
このような構成の電動パワーステアリング装置において、操向ハンドル1から伝達された運転者のハンドル操作による操舵トルクThをトルクセンサ10で検出し、検出された操舵トルクThや車速Vhに基づいて算出される操舵補助指令値によってモータ20は駆動制御され、この駆動が運転者のハンドル操作の補助力(操舵補助力)として操舵系に付与され、運転者は軽い力でハンドル操作を行うことができる。つまり、ハンドル操作によって出力された操舵トルクThと車速Vhから操舵補助指令値を算出し、この操舵補助指令値に基づきモータ20をどのように制御するかによって、ハンドル操作におけるフィーリングの善し悪しが決まり、電動パワーステアリング装置の性能が大きく左右される。
コントロールユニット30は、例えば、プロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含むコンピュータを備えてよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントロールユニットによる機能は、例えばコントロールユニット30のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
なお、コントロールユニット30を、以下に説明する各情報処理を実行するための専用のハードウエアにより形成してもよい。
例えば、コントロールユニット30は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントロールユニット30はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
(第1実施形態)
(構成)
図2を参照して、第1実施形態のコントロールユニット30の機能構成の一例を説明する。コントロールユニット30は、基本電流指令値演算部40と、セルフアライニングトルク(SAT)検出部41と、補正値演算部42と、加算器43と、減算器44と、比例積分(PI:Proportional-Integral)制御部45と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部46と、インバータ(INV)47を備える。
トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Vhは、基本電流指令値演算部40に入力される。基本電流指令値演算部40は、入力された操舵トルクTh及び車速Vhに基づいて、モータ20を駆動するための電流の制御目標値である基本電流指令値Iref1を決定する。基本電流指令値Iref1は加算器43に入力される。
SAT検出部41は、車両に働くセルフアライニングトルクSATを検出又は推定する。例えばSAT検出部41は、特開2002−369565で示されるような方法でセルフアライニングトルクを推定してよい。
すなわち、車両のステアリング系では、運転者がハンドルを操舵することによって操舵トルクThが発生し、その操舵トルクThに従ってモータがアシストトルクTmを発生し、その結果、車輪が転舵され、反力としてSATが発生する。
その際、モータ及び機構部の慣性J及び摩擦(静摩擦)Frによってハンドル操舵の抵抗となるトルクが生じ、これらの力の釣り合いを考えると、下記(1)式のような運動方程式が得られる。
J・dωm/dt+Fr・sign(ωm)+SAT=Tm+Th ・・・(1)
ここで、上記(1)式を初期値ゼロとしてラプラス変換し、SATについて解くと下記(2)式が得られる。
SAT(s)=Tm(s)+Th(s)−J・s・ωm(s)−Fr・sign(ωm(s)) ・・・(2)
上記(2)式から分るように、モータ及び機構部の慣性J及び静摩擦Frを定数として予め求めておくことで、モータのコラム軸換算回転角速度ωm、回転角加速度dωm/dt、操舵補助力及び操舵信号よりセルフアライニングトルクSATを推定することができる。
補正値演算部42は、モータ20に連結されたレゾルバ48等の回転角センサから操舵角(すなわち操舵位置)θを取得する。または、操向ハンドル1の操舵角θを検出する操舵角センサをコラム軸2に設けてもよい。
補正値演算部42は、操舵角θ、操舵トルクTh、車速Vh、及びセルフアライニングトルクSATに基づいて、電動パワーステアリング装置におけるセルフアライニングトルクを補償するSAT補償値Csを演算する。補正値演算部42は、SAT補償値Csを加算器43に入力する。
加算器43は、基本電流指令値Iref1にSAT補償値Csを加算して電流指令値Irefを算出する。
電流指令値Irefは減算器44に入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差(Iref−Im)が演算され、その偏差(Iref−Im)が操舵動作の特性改善のためのPI制御部45に入力される。
PI制御部45で特性改善された操舵補助指令値VrefがPWM制御部46に入力され、更に駆動部としてのインバータ47を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器49で検出され、減算器44にフィードバックされる。インバータ47は、駆動素子としてFET(Field Effect Transistor)が用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
次に、図3を参照して補正値演算部42を説明する。補正値演算部42は、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として、上記のSAT補償値Csを、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて演算する。
補正値演算部42は、車速操舵角ゲイン演算部50と、乗算器51と、操舵状態ゲイン演算部52と、乗算器53を備える。
車速操舵角ゲイン演算部50は、車速Vhと操舵角θとに感応して変化する車速操舵角ゲインGvaを演算する。例えば車速操舵角ゲイン演算部50は、図4の(a)及び図4の(b)にそれぞれ示されるような車速感応ゲインGv及び操舵角感応ゲインGaの積を車速操舵角ゲインGva=Gv×Gaとして演算してよい。乗算器51は、車速操舵角ゲインGvaとセルフアライニングトルクSATとの積Gva×SATを算出する。
操舵状態ゲイン演算部52は、操舵機構の操舵状態に感応して変化する操舵状態ゲインGsを算出する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵状態判定部54と、操舵角変化量演算部55と、ゲイン演算部56を備える。
操舵状態判定部54は、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるのか切り戻し状態であるのかを判定する。以下、「操舵状態が切り増し状態であるのか切り戻し状態であるのかを判定する」ことを、単に「操舵状態を判定する」と表現することがある。
操舵状態の判定のため、操舵状態判定部54には、操舵角θと操舵トルクThとが入力される。操舵状態判定部54は、操舵角θの変化に基づいて操舵方向を判定する。操舵状態判定部54は、操舵角(操舵位置)θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号とに基づいて、操舵状態を判定する。
この例では、操舵機構の中立位置より時計回り方向に変位した操舵角θの符号を「正」と定義し、中立位置より反時計回り方向に変位した操舵角θの符号を「負」と定義し、かつ、時計回り方向の操舵方向の符号と操舵トルクThの符号を「正」と定義し、反時計回り方向の操舵方向の符号と操舵トルクThの符号を「負」と定義する。
操舵状態判定部54は、例えば図5に示す表に従って操舵機構の操舵状態を判定する。
操舵状態判定部54は、操舵角θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号がいずれも「負」である「状態1」を「反時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵方向の符号が「負」であり、操舵トルクThの符号が「正」である「状態2」を「反時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵トルクThの符号が「負」であり、操舵方向の符号が「正」である「状態3」を「時計回りに切り戻し状態」であると判定する。
操舵角θの符号が「負」であり操舵方向の符号と操舵トルクThの符号が「正」である「状態4」を「時計回りに切り増し状態」であると判定する。
また、操舵角θの符号が「正」であり操舵方向の符号と操舵トルクThの符号が「負」である「状態5」を「反時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵トルクThの符号が「正」であり、操舵方向の符号が「負」である「状態6」を「反時計回りに切り戻し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と操舵方向の符号が「正」であり、操舵トルクThの符号が「負」である「状態7」を「時計回りに切り増し状態」であると判定する。
操舵角θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号がいずれも「正」である「状態8」を「時計回りに切り増し状態」であると判定する。
このように、操舵状態判定部54は、操舵角θの符号が操舵方向の符号と等しい場合又は操舵角θの符号と操舵トルクThの符号とが異なる場合に、操舵状態が切り増し状態であると判定する。また、操舵角θの符号と操舵トルクThの符号とが等しく且つ操舵角θの符号と操舵方向の符号とが異なる(すなわち操舵トルクThの符号と操舵方向の符号も異なる)場合に、操舵状態が切り戻し状態であると判定する。
図6を参照して、上記の状態1〜状態8の範囲を、操舵角θと操舵トルクThとの特性図において説明する。
実線60の範囲で矢印70の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号がいずれも「負」である。したがって、このような状態は「状態1」(反時計回りに切り増し状態)となる。
次に、破線61の範囲で矢印71の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号が「負」であり操舵方向の符号が「正」である。また、運転者は、セルフアライニングトルクに逆らいながら操向ハンドル1を中立位置に戻すので、操舵トルクThの符号は「負」となる。したがって、このような状態は「状態3」(時計回りに切り戻し状態)となる。
状態1及び状態3が示すように、切り増し状態の特性線と切り戻し状態の特性線の軌跡は一致せず、操舵角θと操舵トルクThとの特性はヒステリシス特性を有する。
これは、セルフアライニングトルクの向きと反対方向に操舵する切り増し操舵と、セルフアライニングトルクの向きと同じ方向に操舵する切り戻し操舵とでは、操舵に要する操舵トルクに差(ヒステリシス幅Wh)があるためである。
さらに、一点鎖線62の範囲で矢印72の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号が「負」であり操舵方向の符号と操舵トルクThの符号が「正」である。したがって、このような状態は「状態4」(時計回りに切り増し状態)となる。
実線63の範囲で矢印73の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号と、操舵方向の符号と、操舵トルクThの符号がいずれも「正」である。したがって、このような状態は「状態8」(時計回りに切り増し状態)となる。
破線64の範囲で矢印74の向きに操舵する状態では、操舵角θの符号と操舵トルクThの符号が「正」であり、操舵方向の符号が「負」である。したがって、このような状態は「状態6」(反時計回りに切り戻し状態)となる。
破線65の範囲で矢印75の向きに操舵する状態は、操舵角θの符号が「正」であり操舵方向の符号と操舵トルクThの符号が「負」である。したがって、このような状態は「状態5」(反時計回りに切り増し状態)であると判定する。
また、状態3(時計回りに切り戻し状態)で切り戻す途中の切り増し操舵(矢印78)も、状態1(反時計回りに切り増し状態)となる。状態6(反時計回りに切り戻し状態)で切り戻す途中の切り増し操舵状態(矢印79)も、状態8(時計回りに切り増し状態)となる。
さらに、矢印76に示すような、操舵角θの符号が「負」から「正」へ変化する前に「状態4」の途中で操舵方向が変化する状態では、操舵角θの符号と操舵方向の符号が「負」であり操舵トルクThの符号が「正」である。したがって、このような状態は「状態2」(反時計回りに切り増し状態)となる。
同様に、矢印77に示すような、操舵角θの符号が「正」から「負」へ変化する前に「状態5」の途中で操舵方向が変化する状態では、操舵角θの符号と操舵方向の符号が「正」であり操舵トルクThの符号が「負」である。したがって、このような状態は「状態7」(時計回りに切り増し状態)となる。
このように状態2や状態7を検出することにより、運転者の切り増し操舵をより早く判定できる。
図3を参照する。操舵状態判定部54は、操舵状態の判定結果を操舵角変化量演算部55とゲイン演算部56へ出力する。
操舵角変化量演算部55は、操舵状態判定部54の判定結果に基づいて、操舵機構の操舵状態が、切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わったか否かを判定する。以下、「切り増し状態と切り戻し状態との間の操舵状態の切り替え」を単に「操舵状態の切り替え」と表現することがある。
操舵角変化量演算部55は、操舵状態が切り替わった時点の操舵角θを基点とする操舵角変化量Δθを演算する。例えば、操舵角変化量演算部55は、操舵状態が切り替わった時点で操舵角変化量Δθの値を0にリセットし、その後の操舵角θの変化量を積算することにより操舵角変化量Δθを更新してよい。操舵角変化量演算部55は、操舵角変化量Δθをゲイン演算部56に出力する。
ゲイン演算部56は、操舵角変化量Δθに応じた操舵状態ゲインGsを演算する。ゲイン演算部56は、例えば図7の(a)に示すような特性図にしたがって、操舵角変化量Δθに応じた操舵状態ゲインGsを演算してよい。
図7の(a)の実線C1は、切り戻し操舵により操舵状態ゲインGsが下限値G1から上限値G2まで変化する操舵角変化量Δθが発生したときの操舵状態ゲインGsの特性線であり、一点鎖線C2は、切り増し操舵により操舵状態ゲインGsが上限値G2から下限値G1まで変化する操舵角変化量Δθが発生したときの操舵状態ゲインGsの特性線である。
図7の(a)に示すように、切り戻し操舵時の特性線C1は操舵角変化量Δθの増加に対して単調増加し、切り増し操舵時の特性線C2は操舵角変化量Δθの増加に対して単調減少する。これらの特性線C1、C2は、操舵角変化量Δθの変化に対して非線形に変化してもよく、線形的に変化してもよい。例えば図7の(a)に示すように、操舵角変化量Δθが大きくなるほど操舵角変化量Δθに対する操舵状態ゲインGsの変化率を小さくしてもよい。
操舵状態の切り替えが発生した場合、ゲイン演算部56は、操舵状態の切り替えの前後で操舵状態ゲインGsが連続するように操舵状態ゲインGsを変更してよい。
図7の(b)及び図7の(c)を参照して、ゲイン演算部56による操舵状態ゲインGsの変更方法の一例を説明する。
操舵状態の切り替えが発生した場合、例えばゲイン演算部56は、切り替え発生時点の操舵状態ゲインGssを一時保持する。
切り増し操舵から切り戻し操舵への切り替えが発生した場合には、ゲイン演算部56は、切り替え発生時点の値(Gss1)を操舵状態ゲインGssとして一時保持し、図7の(b)に示すように特性線C1上で操舵状態ゲインGss(=Gss1)に対応する操舵角変化量をオフセットΔθoffとして記憶する。なお、操舵状態ゲインGssの値が下限値G1である場合にはオフセットΔθoffは0となる。
操舵状態の切り替え後、ゲイン演算部56は、操舵角変化量演算部55が演算した操舵角変化量ΔθにオフセットΔθoffを加えた値(Δθ+Δθoff)を演算し、特性線C1において値(Δθ+Δθoff)に対応するゲインG3を、操舵状態ゲインGsとする。
一方で、切り戻し操舵から切り増し操舵への切り替えが発生した場合には、切り替え発生時点の値(Gss2)を操舵状態ゲインGssとして一時保持し、図7の(c)に示すように特性線C2上で操舵状態ゲインGss(=Gss2)に対応する操舵角変化量をオフセットΔθoffとして記憶する。なお、操舵状態ゲインGssの値が上限値G2である場合にはオフセットΔθoffは0となる。
操舵状態の切り替え後、ゲイン演算部56は、操舵角変化量演算部55が演算した操舵角変化量ΔθにオフセットΔθoffを加えた値(Δθ+Δθoff)を演算し、特性線C2において値(Δθ+Δθoff)に対応するゲインG4を、操舵状態ゲインGsとする。
このように、操舵状態の切り替えが発生した場合、ゲイン演算部56は、切り替え発生時点の操舵状態ゲインGssを、切り替え発生時点からの操舵角変化量Δθに応じた変更量で増減することにより、操舵状態ゲインGsを変更する。これにより、ゲイン演算部56は、操舵状態の切り替えの前後で操舵状態ゲインGsが連続するように操舵状態ゲインGsを変更できる。
図3を参照する。ゲイン演算部56は、操舵状態ゲインGsを乗算器53に入力する。
乗算器53は、乗算器51が算出した車速操舵角ゲインGvaとセルフアライニングトルクSATとの積Gva×SATに、操舵状態ゲインGsを乗算してSAT補償値Csを算出する。
上記のとおり、SAT補償値Csは加算器43に入力され、加算器43は、基本電流指令値Iref1にSAT補償値Csを加算して電流指令値Irefを算出する。
このように、操舵状態ゲイン演算部52と乗算器53は、操舵状態が切り替わった時点の操舵角(操舵位置)を基点とする操舵角変化量(操舵位置変化量)Δθに基づいて、電流指令値を補正する補正値であるSAT補償値Csを調整する補正値調整部としての機能を有する。
(作用)
次に、切り戻し操舵及び切り増し操舵による操舵状態ゲインGsの変化の一例を説明する。図8を参照する。時刻t1において切り増し操舵を開始すると、操舵状態ゲインGsは上限値G2から減少を開始して時刻t2で下限値G1に至る。そのまま時刻t3まで切り増し操舵を続けると操舵角θの絶対値が増加するが、操舵状態ゲインGsは下限値G1を維持する。
時刻t3において切り戻し操舵を開始すると、操舵状態ゲインGsは下限値G1から増加を開始して時刻t4で上限値G2に至る。そのまま時刻t5まで切り戻し操舵を続けると操舵角θの絶対値が減少するが、操舵状態ゲインGsは上限値G2を維持する。
時刻t5において操舵トルクの符号が正から負へと変化すると、操舵状態は切り戻し操舵から切り増し操舵に変化する。切り増し操舵へ状態が変化すると、操舵状態ゲインGsは上限値G2から減少を開始して時刻t6で下限値G1に至る。そのまま時刻t7まで切り増し操舵を続けると操舵状態ゲインGsは下限値G1を維持する。
時刻t7において切り戻し操舵を開始すると、操舵状態ゲインGsは下限値G1から増加を開始する。時刻t8では、操舵状態ゲインGsが上限値G2に至る前に切り増し操舵が開始する。すなわち、操舵状態が切り戻しから切り増しへ切り替わる。
上述のとおり、ゲイン演算部56は、操舵状態の切り替えの前後で操舵状態ゲインGsが連続するように操舵状態ゲインGsを変更するので、操舵状態ゲインGsは、時刻t8における値から減少を開始する。
その後に時刻t9で下限値G1に至る。その後、切り増し操舵を続けて時刻t10に至ったときに切り戻し操舵を開始し、下限値G1から増加を開始して時刻t11で上限値G2に至る。
このように、本実施形態によれば、操舵操作に対して連続的に変化する操舵状態ゲインGsによって、基本電流指令値Iref1を補正するSAT補償値Csを求めることができる。このため、操舵状態が切り替わった際の操舵フィーリングの急変を抑制できることができる。
なお、上限値G2及び下限値G1は、共に正の値であってもよく、共に負の値であってもよい。さらに、上限値G2及び下限値G1は、正の値と零(0)の組合せであってもよく、正の値と負の値の組合せであってもよい。
また、図7の(a)〜図7の(c)及び図8は、操舵状態ゲインGsが、切り戻し操舵の際に操舵角変化量Δθの単調増加関数であり、切り増し操舵の際に単調減数関数である例を示したが、これに限定されることなく、操舵状態ゲインGsは、切り戻し操舵の際に操舵角変化量Δθの単調減少関数であり、切り増し操舵の際に単調増加関数であってもよい。すなわち、補正値演算部42に入力される補正値の性質とアシスト力の補正方向を考えて、適切に設定すればよい。
(動作)
次に、図9を参照して実施形態による電動パワーステアリング装置の制御方法の一例を説明する。
ステップS1においてトルクセンサ10は操舵トルクThを検出する。
ステップS2においてレゾルバ48等の回転角センサ又は舵角センサを用いて、操舵角(操舵位置)θを検出する。
ステップS3において基本電流指令値演算部40は、モータ20を駆動するための基本電流指令値Iref1を演算する。
ステップS4において操舵状態判定部54は操舵機構の操舵状態を判断する。
ステップS5において操舵角変化量演算部55とゲイン演算部56は、操舵状態の切り替えが発生したか否かを判断する。操舵状態の切り替えが発生した場合(ステップS5:Y)に処理はステップS6へ進む。操舵状態の切り替えが発生しない場合(ステップS5:N)に処理はステップS7へ進む。
ステップS6において操舵角変化量演算部55は、操舵状態が切り替わった時点の操舵角θを基点とする操舵角変化量Δθを演算するために、それまで演算していた操舵角変化量Δθを0にリセットする。
また、ゲイン演算部56は、切り替え発生時点の操舵状態ゲインGssに対応する操舵角変化量をオフセットΔθoffとして記憶する。その後に処理はステップS8へ進む。
ステップS7において操舵角変化量演算部55は、操舵角変化量Δθを前回更新してから発生した操舵角θの変化量を操舵角変化量Δθに加えて操舵角変化量Δθを更新する。その後に処理はステップS8へ進む。
ステップS8においてゲイン演算部56と乗算器53は、操舵角変化量Δθに基づいて電流指令値を補正するための補正量を調整する。第1実施形態の例では、補正量としてSAT補償値Csを調整する。
具体的には、ゲイン演算部56は、操舵角変化量ΔθとオフセットΔθoffに基づいて操舵角変化量Δθに応じた操舵状態ゲインGsを演算する。乗算器53は、車速操舵角ゲインGvaとセルフアライニングトルクSATとの積Gva×SATに操舵状態ゲインGsを乗じてSAT補償値Csを算出する。
ステップS9において加算器43は、ステップS8で調整された補正値に基づいて電流指令値を補正する。第1実施形態の例では、基本電流指令値演算部40が演算した基本電流指令値Iref1にSAT補償値Csを加算して、電流指令値Irefを算出する。
ステップS10において減算器44と、PI制御部45と、PWM制御部46と、インバータ47は、電流指令値Irefに基づいてモータ20を制御する。
(第1実施形態の効果)
(1)トルクセンサ10は、操舵機構に加わる操舵トルクThを検出する。操舵機構の操舵角θは、レゾルバ48からのモータ回転角又は操舵角センサからの信号を用いて検出される。基本電流指令値演算部40は、操舵軸であるコラム軸2を駆動するアクチュエータを駆動するための基本電流指令値Iref1を、少なくとも操舵トルクThに基づいて演算する。補正値演算部42は、操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて基本電流指令値Iref1を補正する補正値を演算する。操舵状態ゲイン演算部52と乗算器53は、操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の操舵位置を基点とする操舵角変化量Δθに基づいて補正値を調整する。
このように、操舵速度を使わずに操舵状態を判定し、操舵状態の切り替え発生からの操舵角変化量Δθに応じて補正値を調整することで、操舵速度が比較的遅い場合でもモータ20を駆動する電流指令値を補正できる。
また、操舵状態が切り替わった時点からの操舵角変化量Δθに応じて補正値を調整することで、連続的に電流指令値を補正でき、さらに、操舵状態の切り替え時の操舵トルクThのヒステリシス幅Whを調整して操舵感を変更することができる。
(2)補正値演算部42は、操舵位置の符号が操舵方向の符号と等しい場合又は操舵位置の符号と操舵トルクの符号とが異なる場合に、操舵状態が切り増し状態であると判定し、操舵位置の符号と操舵トルクの符号とが等しく且つ操舵位置の符号と操舵方向の符号とが異なる場合に、操舵状態が切り戻し状態であると判定する。ここで、操舵機構の中立位置より時計回り方向に変位した操舵位置の符号と、時計回り方向の操舵トルクの符号と、時計回り方向の操舵方向の符号とが等しいと定義する。また、中立位置より反時計回り方向に変位した操舵位置の符号と、反時計回り方向の操舵トルクの符号と、反時計回り方向の操舵方向の符号とが等しいと定義する。これにより、運転者による操舵状態を正確に判定できる。
(3)SAT検出部41は、セルフアライニングトルクを検出する。補正値演算部42は、基本電流指令値Iref1を補正する補正値として、セルフアライニングトルクSATに基づくSAT補償値Csを演算する。
操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて異なる操舵状態ゲインGsを算出する。乗算器53は、操舵状態ゲインGsによりSAT補償値Csを調整する。
これにより、操舵角変化量Δθに対して連続的に変化し、且つ自由度の高いSAT補償値Csを設計できる。
(4)操舵状態ゲイン演算部52は、操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わる前後で連続するように操舵状態ゲインGsを変更する。これにより、操舵状態の切り替わりに対して操舵状態ゲインGsが連続的に変化するため、電流指令値の急変を軽減して操舵感の急変を抑制できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態のコントロールユニット30は、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として、操舵速度に応じたダンピング特性を操舵機構に付与するダンピング補償値を用いる。
図10を参照する。第2実施形態のコントロールユニット30の機能構成は、図2に示す第1実施形態と同様の機能構成を有しており、同じ参照符号は同様の構成要素を示している。
第2実施形態のコントロールユニット30は、少なくとも操舵機構の操舵速度に応じた基本ダンピング補償値Cd1を演算する基本ダンピング補償値演算部80を備える。角速度変換部81は、操舵角θを微分処理して得られる操舵角速度を操舵速度ωとして基本ダンピング補償値演算部80に入力する。
基本ダンピング補償値演算部80は、車速Vhと操舵速度ωに応じた基本ダンピング補償値Cd1を演算する。
例えば基本ダンピング補償値演算部80は、図11に示すような車速感応ゲインGvと操舵速度ωの反転値を乗算して基本ダンピング補償値Cd1=Gv×(−ω)を演算してよい。
図10を参照する。基本ダンピング補償値演算部80は、演算した基本ダンピング補償値Cd1を補正値演算部42に入力する。補正値演算部42は、操舵角θ及び操舵トルクThに基づいて基本ダンピング補償値Cd1を補正することにより、ダンピング補償値Cdを演算する。加算器43は、基本電流指令値Iref1にダンピング補償値Cdを加算して電流指令値Irefを算出する。
図12を参照する。補正値演算部42は、操舵状態ゲイン演算部52が算出した操舵状態ゲインGsを、乗算器53で基本ダンピング補償値Cd1に乗じることによりダンピング補償値Cdを演算する。操舵状態ゲイン演算部52の構成及び機能は第1実施形態の場合と同様である。
このように、操舵状態ゲインGsによって調整されたダンピング補償値Cdで基本電流指令値Iref1を補正して電流指令値Irefを算出しても、第1実施形態と同様の効果を有する。
(第2実施形態の効果)
基本ダンピング補償値演算部80は、操舵機構の操舵速度ωに応じた基本ダンピング補償値Cd1を演算する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて異なる操舵状態ゲインGsを算出する。乗算器53は、基本ダンピング補償値Cd1に操舵状態ゲインGsを乗じて得られるダンピング補償値Cdを、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として演算する。
これにより、操舵角変化量Δθに対して連続的に変化し、且つ自由度の高いダンピング補償値Cdを設計できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態のコントロールユニット30は、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として、操舵トルクThに応じて電流指令値を調整する調整電流を用いる。
図13を参照する。第3実施形態のコントロールユニット30の機能構成は、図2に示す第1実施形態と同様の機能構成を有しており、同じ参照符号は同様の構成要素を示している。
第3実施形態のコントロールユニット30は、操舵トルクThに応じた基本調整電流Ia1を演算する調整電流演算部82を備える。
例えば調整電流演算部82は、図14に示すように操舵トルクThに感応して変化する基本調整電流Ia1を演算してよい。
図13を参照する。調整電流演算部82は、演算した基本調整電流Ia1を補正値演算部42に入力する。補正値演算部42は、操舵角θ及び操舵トルクThに基づいて基本調整電流Ia1を補正することにより調整電流Iaを演算する。加算器43は、基本電流指令値Iref1に調整電流Iaを加算して電流指令値Irefを算出する。
図15を参照する。補正値演算部42は、操舵状態ゲイン演算部52が算出した操舵状態ゲインGsを、乗算器53で基本調整電流Ia1に乗じることにより調整電流Iaを演算する。操舵状態ゲイン演算部52の構成及び機能は第1実施形態の場合と同様である。
このように、操舵状態ゲインGsによって調整された調整電流Iaで基本電流指令値Iref1を補正して電流指令値Irefを算出しても、第1実施形態と同様の効果を有する。
また、補正値演算部42が、操舵状態ゲインGsを調整電流Iaとして加算器43に出力し、操舵状態ゲインGsで基本電流指令値Iref1を補正して電流指令値Irefを算出しても、第1実施形態と同様の効果を有する。
(第3実施形態の効果)
(1)調整電流演算部82は、操舵トルクThに応じて、電流指令値Irefを調整するための基本調整電流Ia1を演算する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて異なる操舵状態ゲインGsを算出する。乗算器53は、基本調整電流Ia1に操舵状態ゲインGsを乗じて得られる調整電流Iaを、モータ20を駆動する電流指令値を補正する補正値として演算する。
または、補正値演算部42は、電流指令値Irefを調整する調整電流Iaとして、操舵状態ゲインGsを算出する。操舵状態ゲイン演算部52は、操舵角変化量Δθに応じて操舵状態ゲインGsを変更する。
これにより、操舵角変化量Δθに対して連続的に変化し、且つ自由度の高い調整電流Iaを設計できる。
(変形例)
ここまで、本発明を電動パワーステアリング装置に適用する実施形態について説明した。しかしながら、本発明は電動パワーステアリング装置に限らず、例えば操向ハンドル1と操向車輪とが機械的に分離したステア・バイ・ワイヤ方式の操舵制御装置にも適用可能である。
操向ハンドル1に操舵反力を付与するアクチュエータを駆動する電流指令値は、反力センサが検知した操舵トルクに基づいて演算される。この場合、例えば補正値演算部42は、操向ハンドル1に操舵反力を付与するアクチュエータを駆動する電流指令値を補正する補正値を演算してよい。
1…操向ハンドル、2…コラム軸、3…減速ギア、4A、4B…ユニバーサルジョイント、5…ピニオンラック機構、6…タイロッド、10…トルクセンサ、11…イグニションキー、12…車速センサ、14…バッテリ、20…モータ、30…コントロールユニット、40…基本電流指令値演算部、41…セルフアライニングトルク検出部、42…補正値演算部、43…加算器、44…減算器、45…比例積分制御部、46…PWM制御部、47…インバータ、48…レゾルバ、49…モータ電流検出器、50…車速操舵角ゲイン演算部、51、53…乗算器、52…操舵状態ゲイン演算部、54…操舵状態判定部、55…操舵角変化量演算部、56…ゲイン演算部、80…基本ダンピング補償値演算部、81…角速度変換部、82…調整電流演算部

Claims (8)

  1. 操舵軸を駆動するアクチュエータを有する操舵機構と、
    前記操舵機構に加わる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、
    前記操舵機構の操舵位置を検出する操舵位置検出部と、
    前記アクチュエータを駆動する電流指令値を、少なくとも前記操舵トルクに基づいて演算する電流指令値演算部と、
    前記操舵機構の操舵状態が切り増し状態であるか切り戻し状態であるかに応じて前記電流指令値を補正する補正値を演算する補正値演算部と、を備え、
    前記補正値演算部は、前記操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わった時点の前記操舵位置を基点とする前記操舵位置の変化量に基づいて前記補正値を調整する補正値調整部を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記補正値演算部は、前記操舵位置の符号が操舵方向の符号と等しい場合又は前記操舵位置の符号と前記操舵トルクの符号とが異なる場合に、前記操舵状態が切り増し状態であると判定し、前記操舵位置の符号と前記操舵トルクの符号とが等しく且つ前記操舵位置の符号と前記操舵方向の符号とが異なる場合に、前記操舵状態が切り戻し状態であると判定し、
    前記操舵機構の中立位置より時計回り方向に変位した前記操舵位置の符号と、時計回り方向の前記操舵トルクの符号と、時計回り方向の操舵方向の符号と、が等しく、前記中立位置より反時計回り方向に変位した前記操舵位置の符号と、反時計回り方向の前記操舵トルクの符号と、反時計回り方向の操舵方向の符号と、が等しい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. セルフアライニングトルクを検出するセルフアライニングトルク検出部を備え、
    前記補正値演算部は、前記セルフアライニングトルクに基づくセルフアライニングトルク補償値を前記補正値として演算し、
    前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて異なるゲインを算出し、前記ゲインを乗じて前記セルフアライニングトルク補償値を調整する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記操舵機構の操舵速度に応じた基本ダンピング補償値を演算するダンピング補償値演算部を備え、
    前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて異なるゲインを算出し、
    前記補正値演算部は、前記基本ダンピング補償値に前記ゲインを乗じて前記補正値を演算する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記操舵トルクに応じて、前記電流指令値を調整する調整電流を演算する調整電流演算部を備え、
    前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて異なるゲインを算出し、
    前記補正値演算部は、前記調整電流に前記ゲインを乗じて前記補正値を演算する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記補正値調整部は、前記操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わる前後で連続するように前記ゲインを変更する、ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記補正値演算部は、前記電流指令値を調整する調整電流を前記補正値として演算し、
    前記補正値調整部は、前記操舵位置の前記変化量に応じて前記補正値を変更する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記補正値調整部は、前記操舵状態が切り増し状態と切り戻し状態との間で切り替わる前後で連続するように前記補正値を変更する、ことを特徴とする請求項7に記載の電動パワーステアリング装置。
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