以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1、図2、図3、図4に本発明のヒータ制御装置が適用される車両1の車載前照灯用ヒータ2の本第1実施形態を示す。
本実施形態の車載前照灯用ヒータ2は、図1、図2、図3、および図4に示すように、フィルムヒータ10a、10b、サーミスタ20、およびヒータ制御装置30を備える。
フィルムヒータ10aは、図2に示すように、左側前照灯11aのカバー12aに張り付けられて通電により発熱してカバー12aを暖める電気ヒータ素子である。フィルムヒータ10aは、フィルム状に形成されてカバー12aの外表面に沿うように形成されている。
フィルムヒータ10aとしては、左側前照灯11aの光源13aから出射される光を透過させる透光性を有する。なお、図2中上矢印は天地方向上側を示し、下矢印は天地方向下側を示し、右矢印は車両幅方向右側を示し、左矢印は車両幅方向左側を示している。
左側前照灯11aは、図3に示すように、フロントグリル3に対して車両幅方向左側に配置されている。左側前照灯11aは、車両前側に照射する光源13aと光源13aを透光性材料によって車両進行方向前側から覆うように形成されているカバー12aとを備える。
本実施形態のフロントグリル3は、車両1のうちエンジンルーム4から車両進行方向前側に開口される開口部を構成する。エンジンルーム4は、車両1のうち車室内に対して車両進行方向前側に配置されている。エンジンルーム4は、走行用エンジン(すなわち、走行用駆動源)を収納する駆動源収納室である。
フィルムヒータ10bは、右側前照灯11bのカバー12bに張り付けられて通電により発熱してカバー12bを暖める電気ヒータ素子である。フィルムヒータ10bは、フィルム状に形成されてカバー12bの外表面に沿うように形成されている。フィルムヒータ10aとしては、右側前照灯11bの光源13bから出射される光を透過させる透光性を有する。
右側前照灯11bは、図3に示すように、フロントグリル3に対して車両幅方向右側に配置されている。右側前照灯11bは、車両前側に照射する光源13bと光源13bを透光性材料によって車両進行方向前側から覆うように形成されているカバー12bとを備える。
本実施形態の前照灯11a、11bの光源13a、13bは、車載バッテリ9からの電力によって発光する。前照灯11a、11bの光源13a、13bとしては、例えば、発光ダイオードが採用されている。
本実施形態のカバー12a、12bは、それぞれ、透光性樹脂材料或いは透光性ガラスによって構成されて透光性を有することになる。
図1のサーミスタ20は、車両外側の温度を検出する温度センサである。本実施形態のサーミスタ20は、フロントグリル3内に配置されている。サーミスタ20は、フロントグリル3に対して車両進行方向前側からフロントグリル3に流れる車室外空気の温度を車両外側の温度として検出する。以下、説明の便宜上、車室外空気を外気という。
本実施形態では、エンジンルーム4のうちサーミスタ20に対して車両進行方向後側には、コンデンサ5およびラジエータ6が配置されている。
コンデンサ5は、車両用空調装置の冷凍サイクルを構成するものであって高圧冷媒および外気の間の熱交換によって高圧冷媒(すなわち、熱媒体)から外気に放熱させる熱交換器である。ラジエータ6は、コンデンサ5に対して車両進行方向後側に配置されている。ラジエータ6は、走行用エンジンの冷却水(すなわち、熱媒体)および外気の間の熱交換によって冷却水から外気に放熱させる熱交換器である。
コンデンサ5およびラジエータ6と、サーミスタ20との間には、遮熱部材7が配置されている。遮熱部材7は、コンデンサ5およびラジエータ6から熱がサーミスタ20に伝わることを未然に抑制する。
図1のヒータ制御装置30は、保護回路40、レギュレータ回路50、比較回路60、およびヒータ駆動回路70を備える。保護回路40は、電磁リレー41、ダイオード42、電流ヒューズ43、および保護素子44を備える。
ヒータ制御装置30は、エンジンルーム4内に配置されている。電磁リレー41は、車載バッテリ(すなわち、車載電源)9の正極電極とレギュレータ回路50の入力端子の間に配置されている電源スイッチである。
電磁リレー41は、車載バッテリ9の正極電極とレギュレータ回路50の入力端子との間をオン、オフすることにより接続或いは開放するリレースイッチ41bと、車幅灯信号に基づいてリレースイッチ41bをオン、オフする電磁コイル41aとを備えるノーマルオフタイプのリレーである。
本実施形態の電磁コイル41aは、図4に示すように、共通接続端子81とグランドとの間に接続されている。共通接続端子81は、車載バッテリ9の正極電極と負極電極との間においてライトスイッチ80の車幅灯スイッチ素子80aおよび車幅灯14a、14bが共通に接続される端子である。
車幅灯14aは、車両のうち車両進行方向前側において車両幅方向左側端部に配置されている。具体的には、車幅灯14aは、左側前照灯11aに対して車両進行方向左側に配置されている。
車幅灯14bは、車両のうち車両進行方向前側において車両幅方向右側端部に配置されている。具体的には、車幅灯14bは、右側前照灯11bに対して車両進行方向右側に配置されている。
本実施形態の車幅灯14a、14bは、夜間等にて車両の外側の歩行者や運転者から視て、車両幅方向の一方側端部の位置および他方側端部の位置を明確に表示する役割を果たす。
車幅灯信号は、車幅灯スイッチ素子80aのオン、オフを示す信号である。すなわち、車幅灯信号は、車幅灯14a、14bの点灯、或いは消灯を示す信号である。本実施形態の車幅灯信号は、車載バッテリ9から車幅灯スイッチ素子80aおよび共通接続端子81を通して電磁リレー41のリレースイッチ41bから与えられる信号である。
車幅灯信号は、共通接続端子81から電磁リレー41のリレースイッチ41bから与えられる電圧を示す信号である。
車幅灯スイッチ素子80aは、ライトスイッチ80を構成するもので、オンによって車載バッテリ9の正極電極および車幅灯14a、14bの間を接続する。一方、車幅灯スイッチ素子80aは、そのオフによって車載バッテリ9の正極電極および車幅灯14a、14bの間を開放する。
このことにより、車幅灯スイッチ素子80aは、使用者によるライトスイッチ80による操作によって、オン、オフして車幅灯14a、14bを点灯、消灯させることになる。
本実施形態のライトスイッチ80は、車幅灯14a、14bの点灯、消灯させる車幅灯スイッチ素子80aに加えて、前照灯11a、11bの光源13a、13b(すなわち、ヘッドライト)を点灯、および消灯させる前照灯スイッチ素子(図示省略)を有する。
前照灯スイッチ素子は、オン、オフによって前照灯11a、11bの光源13a、13bを点灯、および消灯させる。前照灯スイッチ素子は、使用者によるライトスイッチ80へ操作されてオン、オフする。
本実施形態では、使用者が前照灯11a、11bを点灯させるためにライトスイッチ80へ操作したとき、車幅灯14a、14bが点灯を維持した状態で前照灯11a、11bの光源13a、13bが点灯するようにライトスイッチ80が構成されている。
つまり、前照灯11a、11bの光源13a、13bが点灯した状態では、車幅灯14a、14bが点灯している。なお、前照灯11a、11bの光源13a、13bを点灯、消灯させる回路構成は、周知であり、その説明を省略する。
ダイオード42は、電磁リレー41のリレースイッチ41bおよび車載バッテリ9の正極電極の間に配置されている。ダイオード42は、電磁リレー41のリレースイッチ41b側から車載バッテリ9の正極電極に電流が流れることを抑制する逆流防止用ダイオードである。
電流ヒューズ43は、電磁リレー41のリレースイッチ41bおよびレギュレータ回路50の間に配置されて電磁リレー41のリレースイッチ41bからレギュレータ回路50に過電流が流れることを防止する過電流保護素子である。本実施形態の電流ヒューズ43は、溶断により電磁リレー41およびレギュレータ回路50の間を開放する。
保護素子44は、車載バッテリ9の正極電極および負極電極の間に配置されて、過電圧を正極電極側から負極電極側に放出させてダイオード42側(すなわち、レギュレータ回路50)に与えられることを未然に防ぐ。本実施形態の保護素子44としては、例えば、バリスタ等の過電圧保護素子が用いられる。
ここで、保護素子44と車載バッテリ9の負極電極との間には、電流ヒューズ45が配置されている。電流ヒューズ45は、保護素子44と車載バッテリ9の負極電極の間を溶断により開放することにより車載バッテリ9に過電流が流れることを防止する。
レギュレータ回路50は、電磁リレー41のリレースイッチ41bから電流ヒューズ43を通して与えられる電圧に基づいて一定電圧(例えば、5ボルト)を出力する定電圧出力回路である。
レギュレータ回路50の出力電圧は、電磁リレー41から電流ヒューズ43を通してレギュレータ回路50に与えられる電圧よりも低い電圧が設定されている。レギュレータ回路50の出力電圧としては、例えば、5ボルトが設定されている。
比較回路60は、コンパレータ61、62、ANDゲート63、および抵抗素子R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7を備えるスイッチ制御部を構成する。抵抗素子R1およびサーミスタ20は、レギュレータ回路50の出力電極とグランドとの間に直列に接続されている。
抵抗素子R1は、レギュレータ回路50の出力電圧をサーミスタ20とともに分圧した分圧電圧を共通接続端子64からコンパレータ61の正極入力端子に出力する分圧回路を構成する。共通接続端子64は、抵抗素子R1およびサーミスタ20が共に接続されている端子である。
抵抗素子R2、R3は、レギュレータ回路50の出力端子とグランドとの間で直列接続されている。抵抗素子R2、R3は、レギュレータ回路50の出力電圧を分圧した分圧電圧を共通接続端子65からコンパレータ61の負極入力端子に出力する分圧回路を構成する。
抵抗素子R2、R3は、サーミスタ20の検出温度と比較するための基準温度Sc(例えば、5℃)を示す分圧電圧を共通接続端子65から出力する。コンパレータ61は、共通接続端子65の出力電圧と共通接続端子64の出力電圧との比較結果に応じて、出力信号の信号レベルを変える。
このことにより、コンパレータ61は、サーミスタ20の検出温度(すなわち、外気の温度)と基準温度Scとの比較結果に応じて、出力信号の信号レベルを変えることになる。
抵抗素子R4、R5は、レギュレータ回路50の出力端子とグランドとの間で直列接続されている。抵抗素子R4、R5は、レギュレータ回路50の出力電圧を分圧した分圧電圧を共通接続端子66からコンパレータ62の負極入力端子に出力する分圧回路を構成する。
共通接続端子66は、抵抗素子R4、R5が共に接続されている端子である。共通接続端子66は、共通接続端子67の出力電圧(すなわち、車載バッテリ9の出力電圧)の比較対象となる基準電圧Saを示す分圧電圧を出力する。
抵抗素子R6、R7は、保護回路40の出力端子68とグランドとの間で直列接続されている。抵抗素子R6、R7は、保護回路40の出力端子68の出力電圧(すなわち、車載バッテリ9の出力電圧)を分圧した分圧電圧を共通接続端子67からコンパレータ62の正極入力端子に出力する分圧回路を構成する。
共通接続端子67は、抵抗素子R6、R7が共に接続されている端子である。このことにより、車載バッテリ9の出力電圧を示す分圧電圧が共通接続端子67から出力されることになる。
コンパレータ62は、共通接続端子66の出力電圧と共通接続端子67の出力電圧との比較結果に応じてハイレベル信号、或いはローレベル信号を出力する。このことにより、コンパレータ62は、保護回路40の出力端子68の出力電圧(すなわち、車載バッテリ9の出力電圧)と基準電圧Saとの比較結果に応じて出力信号の信号レベルを変えることになる。
ANDゲート63は、コンパレータ61、62の出力信号をAND演算して演算結果をヒータ駆動回路70のトランジスタの制御端子に出力する。
ヒータ駆動回路70は、トランジスタ71、72、および抵抗素子R8、R9を備える。トランジスタ71、トランジスタ72、および抵抗素子R8、R9を備える。トランジスタ71は、ANDゲート63の出力信号に応じて、トランジスタ72の制御端子とグランドとの間を接続、或いは開放する半導体スイッチである。
なお、本実施形態のトランジスタ71、72としては、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタなど各種の半導体スイッチ素子を用いてもよい。或いは、トランジスタ71、72としては、電磁リレー等を用いてもよい。
トランジスタ72は、電流制御素子として、トランジスタ71の出力信号に応じて、保護回路40の出力端子68とフィルムヒータ10a、10bとの間を接続、或いは開放する半導体スイッチである。
抵抗素子R8は、ANDゲート63およびトランジスタ71の制御端子との間に配置されている。抵抗素子R8は、ANDゲート63からトランジスタ71の制御端子に流れる電流を制限する抵抗素子である。
抵抗素子R9は、トランジスタ71の入力端子およびトランジスタ72の制御端子と、トランジスタ72の入力端子との間に配置されている。抵抗素子R9は、トランジスタ72の制御端子の電位を安定化させる。
フィルムヒータ10a、10bは、トランジスタ72の出力端子とグランドとの間に並列に配置されている。このことにより、フィルムヒータ10a、10bへの電源供給、およびその停止を1つのトランジスタで制御することになる。
次に、本実施形態の車載前照灯用ヒータ2の作動について説明する。
まず、使用者がライトスイッチ80に対して車幅灯14a、14bを点灯させるために操作する。
これに伴い、車幅灯スイッチ素子80aがオンして車幅灯スイッチ素子80aが車載バッテリ9の正極電極および共通接続端子81の間を接続する。このため、車載バッテリ9の正極電極から共通接続端子81、車幅灯スイッチ素子80a、および車幅灯14a、14bを通してグランドに電流が流れる。このため、車幅灯14a、14bがそれぞれ点灯する。
これに伴い、車載バッテリ9の正極電極から車幅灯スイッチ素子80a、共通接続端子81および電磁リレー41の電磁コイル41aを通してグランドに電流が流れる。すなわち、車幅灯スイッチ素子80aのオンを示す車幅灯信号が車幅灯スイッチ素子80aから共通接続端子81を通して電磁コイル41aに与えられることになる。
このため、電磁コイル41aが電磁力を発生させる。この電磁コイル41aからの電磁力によってリレースイッチ41bがオンする。これにより、リレースイッチ41bが車載バッテリ9の正極電極とレギュレータ回路50の入力端子との間を接続する。
これに伴い、車載バッテリ9の正極電極からの出力電圧がダイオード42、電磁リレー41のリレースイッチ41b、電流ヒューズ43を通してレギュレータ回路50の入力端子に与えられる。すなわち、車載バッテリ9の出力電圧が保護回路40を通してレギュレータ回路50に与えられる。
この際に、レギュレータ回路50は、保護回路40を通して車載バッテリ9から与えられる出力電圧に基づいて一定電圧を出力する。
この際に、抵抗素子R1およびサーミスタ20には、レギュレータ回路50の出力電圧に基づく電流が流れる。このため、抵抗素子R1の抵抗値およびサーミスタ20の抵抗値の比率に応じた電圧が共通接続端子64から出力される。
抵抗素子R2、R3には、レギュレータ回路50の出力電圧に基づく電流が流れる。このため、共通接続端子65は、サーミスタ20の検出温度を比較するための基準温度Scを示す分圧電圧をコンパレータ61の負極入力端子に与える。
ここで、サーミスタ20の検出対象である外気温度が低くなるほど、抵抗値は大きくなる。このため、外気温度が低くなるほど、共通接続端子64からコンパレータ61の正極入力端子に与えられる出力電圧が高くなる。
例えば、外気の温度が基準温度Scよりも低くて、共通接続端子64の出力電圧の方が共通接続端子65の出力電圧よりも高いとき、コンパレータ61は、ハイレベル信号を出力する。
一方、外気温度が基準温度Sc以上であるときには、共通接続端子64の出力電圧の方が共通接続端子65の出力電圧よりも低くなり、コンパレータ61は、ローレベル信号を出力する。
また、抵抗素子R4、R5には、レギュレータ回路50の出力電圧に基づく電流が流れる。このため、共通接続端子66は、車載バッテリ9の出力電圧を比較するための基準電圧Saを示す分圧電圧をコンパレータ61の負極入力端子に与える。
抵抗素子R6、R7には、保護回路40の出力電圧(すなわち、車載バッテリ9の出力電圧)に基づく電流が流れる。これにより、車載バッテリ9の出力電圧が低くなるほど、共通接続端子66からコンパレータ61の正極入力端子に与えられる電圧は、低くなる。
例えば、車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも低くなると、共通接続端子67からコンパレータ61の出力電圧の方が共通接続端子66からコンパレータ61の出力電圧よりも低くなり、コンパレータ61は、ローレベル信号を出力する。
一方、車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高くなると、共通接続端子67からコンパレータ61の出力電圧の方が共通接続端子66からコンパレータ61の出力電圧よりも高くなり、コンパレータ61は、ハイレベル信号を出力する。
例えば、車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高く、かつサーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも低いとき、コンパレータ61、62は、それぞれ、ハイレベル信号を出力する。
このため、ANDゲート63は、コンパレータ61、62の出力信号をAND演算してその演算結果としてハイレベル信号をヒータ駆動回路70のトランジスタ71の制御端子に出力する。
このため、トランジスタ71がオンする。これにより、トランジスタ72の制御端子の電位が基準電位Sdよりも低下するため、トランジスタ72がオンする。
これに伴い、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れる。このため、フィルムヒータ10a、10bが発熱する。
このため、フィルムヒータ10aから生じる熱によってカバー12aを暖めることになる。フィルムヒータ10bから生じる熱によってカバー12bを暖めることになる。これにより、カバー12a、12bの外表面に付着された氷雪を融雪することになる。
その後、サーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも高くなると、コンパレータ61の出力信号の信号レベルはハイレベルからローレベルに遷移する。このため、
コンパレータ62は、ハイレベル信号を出力しつつ、コンパレータ61がローレベル信号を出力する。
よって、ANDゲート63は、コンパレータ61、62の出力信号をAND演算してその演算結果としてローレベル信号をヒータ駆動回路70のトランジスタ71の制御端子に出力する。このため、トランジスタ71がオフする。これにより、トランジスタ72の制御端子の電位が基準電位Sdよりも高い状態になるため、トランジスタ72がオフする。
よって、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れることが停止される。このため、フィルムヒータ10a、10bの発熱が停止される。
また、サーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも高い状態で、車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも低くなると、コンパレータ61、62は、それぞれ、ローレベル信号を出力する。
よって、ANDゲート63は、ローレベル信号をヒータ駆動回路70のトランジスタ71の制御端子に出力する。このため、トランジスタ71がオフする。これにより、トランジスタ72の制御端子の電位が基準電位Sdよりも高い状態が維持される。よって、トランジスタ72がオフする。
よって、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れることが停止される。このため、フィルムヒータ10a、10bの発熱が停止される。
さらに、サーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも低く、かつ車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも低くなると、コンパレータ61は、ハイレベル信号を出力しつつ、コンパレータ62がローレベル信号を出力する。
よって、ANDゲート63は、コンパレータ61、62の出力信号をAND演算してその演算結果としてローレベル信号をヒータ駆動回路70のトランジスタ71の制御端子に出力する。
このため、トランジスタ71がオフする。これにより、トランジスタ72の制御端子の電位が基準電位Sdよりも高い状態が維持される、トランジスタ72がオフする。
よって、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れることが停止される。このため、フィルムヒータ10a、10bの発熱が停止される。
さらに、使用者がライトスイッチ80に対して車幅灯14a、14bを消灯させるために操作する。
これに伴い、車幅灯スイッチ素子80aがオフして車幅灯スイッチ素子80aが車載バッテリ9の正極電極および共通接続端子81の間を開放する。これにより、車載バッテリ9の正極電極から車幅灯スイッチ素子80a、共通接続端子81、および車幅灯14a、14bを通してグランドに電流が流れることが停止される。このため、車幅灯14a、14bがそれぞれ消灯する。
これに伴い、車載バッテリ9の正極電極から車幅灯スイッチ素子80a、共通接続端子81および電磁リレー41の電磁コイル41aを通してグランドに電流が流れることが停止される。
つまり、車幅灯スイッチ素子80aのオフを示す車幅灯信号が車幅灯スイッチ素子80aから共通接続端子81を通して電磁コイル41aに与えられることになる。
このため、電磁コイル41aからリレースイッチ41bへ電磁力が発生することが停止される。リレースイッチ41b(すなわち、電磁リレー41)がオフする。これにより、電磁リレー41が車載バッテリ9の正極電極とレギュレータ回路50の入力端子との間を開放する。
これに伴い、車載バッテリ9の正極電極からの出力電圧がダイオード42、電磁リレー41のリレースイッチ41b、電流ヒューズ43を通してレギュレータ回路50の入力端子に与えられることが停止される。
すなわち、車載バッテリ9の出力電圧が保護回路40を通してレギュレータ回路50に与えられることが停止される。
よって、保護回路40はその出力電圧を出力することを停止する。これに伴い、レギュレータ回路50がその出力電圧を出力することを停止する。よって、保護回路40の出力端子68からフィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れることが停止される。このため、フィルムヒータ10a、10bの発熱が停止される。
このように構成される本実施形態の車両において、使用者がライトスイッチ80を操作して左側前照灯11aの光源13aと左側側前照灯11bの光源13bとが点灯する。
この際に、車幅灯14a、14bが点灯した状態で、左側前照灯11aの光源13aと左側側前照灯11bの光源13bとが点灯する。このため、左側前照灯11aの光源13aと左側側前照灯11bの光源13bとが点灯した状態では、電磁リレー41がオンすることになる。
これにより、前照灯11a、11bの点灯時において、サーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも低く、車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高い状態では、フィルムヒータ10a、10bに電源が供給されることになる。
以上により、フィルムヒータ10a、10bの発熱によってカバー12a、12bに付着された氷雪を融雪することになる。このため、カバー12a、12bの透光性が確保される。
したがって、前照灯11a、11bの光源13a、13bの出照光がカバー12a、12bを良好に透過して車両進行方向前側に照射される。これにより、前照灯11a、11bによって車両進行方向前側を良好に照らすことができる。
以上説明した本実施形態によれば、ヒータ制御装置30は、前照灯11a11b、車幅灯14a、14b、およびフィルムヒータ10a、10bを備える車両に適用される。前照灯11a11bは、それぞれ、車両前側に向けて照射する光源13a、13bと透光性を有して光源13a、13bを車両外側から覆うように形成されているカバー12a、12bとを有する。
フィルムヒータ10a、10bは、それぞれ、車載バッテリ9の正極電極および負極電極の間に配置されて車載バッテリ9から出力される電力に基づいて発熱してカバー12a、12bを暖める。
ヒータ制御装置30は、車載バッテリ9の正極電極とレギュレータ回路50の入力端子の間に配置されている電磁リレー41を備える。
電磁リレー41は、車幅灯スイッチ素子80aから出力される車幅灯信号に応じて電磁力を発生させる電磁コイル41aと、電磁コイル41aから出力される電磁力に基づいてオン、オフするリレースイッチ41bとを備える。
車幅灯信号は、車幅灯14a、14bの点灯、消灯を示す信号であって、車幅灯スイッチ素子80aから出力される。電磁リレー41は、車幅灯の点灯および消灯を示す車幅灯信号に基づいて車幅灯14a、14bの点灯に連動して自動的にオンする。
比較回路60は、サーミスタ20の検出対象である外気温が基準温度Scよりも低く、かつ車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高いとき、ANDゲート63からハイレベル信号をヒータ駆動回路70に出力させる。
これにより、ヒータ駆動回路70のトランジスタ72は、保護回路40の出力端子とフィルムヒータ10a、10bとの間を接続する。このことにより、保護回路40からの出力電圧(すなわち、車載バッテリ9の出力電圧)をフィルムヒータ10a、10bに与えることになる。
以上により、車幅灯14a、14bの点灯時において、外気温が基準温度Scよりも低く、かつ車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高いとき、ヒータ駆動回路70は、自動的に、車載バッテリ9の出力電圧をフィルムヒータ10a、10bに与えることになる。このため、車幅灯14a、14bの点灯に連動してフィルムヒータ10a、10bに対して自動的に電力供給することができる。
本実施形態では、車幅灯14a、14bの点灯に連動してフィルムヒータ10a、10bに対して電力供給する。ここで、車幅灯14a、14bの点灯時には、前照灯11a、11bが点灯している。このため、前照灯11a、11bの点灯時にはフィルムヒータ10a、10bに対して電力供給することができる。
これにより、前照灯11a、11bが点灯してカバー12a、12bに付着した氷雪を融雪することが必要なときに、フィルムヒータ10a、10bに対して電力供給することができる。
これに加えて、本実施形態では、前照灯11a、11bが点灯する前において、車幅灯14a、14bの点灯時に、フィルムヒータ10a、10bに対して電力供給することができる。このため、前照灯11a、11bが点灯する前に、フィルムヒータ10a、10bから発生される熱によって、カバー12a、12bに付着した氷雪を融雪することができる。
本実施形態の前照灯11a、11b、車幅灯14a、14b、およびヒータ制御装置30は、車両のうち車室内に対して車両進行方向前側に配置されている。ここで、共通接続端子81は、エンジンルーム4内に配置されている。
このため、共通接続端子81と電磁コイル41aとを接続する信号線をエンジンルーム4内に配置することにより、共通接続端子81から電磁リレー41の電磁コイル41aに車幅灯信号を与えることができる。
一方、車幅灯信号を利用するのではなく、使用者の操作によって電磁リレー41をオン、オフさせる電源制御信号を電磁コイル41aに与えるためのヒータ電源スイッチを車室内に設ける場合には、次のように、長い信号線が必要になる。これは、車室内のヒータ電源スイッチとエンジンルーム4内の電磁コイル41aとを信号線で接続する必要があるからである。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、車幅灯信号を利用して、電磁リレー41をオン、オフさせている。このため、エンジンルーム4内と車室内とに亘って信号線を配設することが必要なく、使用する信号線を短くすることができる。
本実施形態では、車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも低いとき、ヒータ駆動回路70は、自動的に、車載バッテリ9の出力電圧をフィルムヒータ10a、10bに与えることを停止する。このため、車載バッテリ9が蓄える電力が不足してバッテリあがりが生じることを未然に抑制することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、車両外側の照度に無関係に、外気温や車載バッテリ9の出力電圧等に応じてトランジスタ72をオン、オフした例について説明した。しかし、これに代えて、車両外側の照度に応じてトランジスタ72をオン、オフする本第2実施形態について図5を参照して説明する。
本第2実施形態の車載前照灯用ヒータ2は、図5に示すように、上記第1実施形態の車載前照灯用ヒータ2において、照度センサ90、コンパレータ69、および抵抗素子R10、R11が追加されたものである。図5において、図1と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
照度センサ90は、車両外側の照度(具体的には、車両進行方向前側の照度)を検出するセンサであって、車両外側の照度が低くなるほど、出力電圧が小さくなる。照度センサ90は、その出力信号をコンパレータ69の正極入力端子に出力する。
本実施形態の抵抗素子R10、R11およびコンパレータ69は、ヒータ制御装置30を構成するものである。抵抗素子R10、R11は、レギュレータ回路50の出力端子とグランドとの間で直列接続されている。
抵抗素子R10、R11は、レギュレータ回路50の出力電圧を分圧した分圧電圧を共通接続端子100からコンパレータ69の正極入力端子に出力する分圧回路を構成することになる。
共通接続端子100は、抵抗素子R10、R11が共に接続されている端子である。抵抗素子R10、R11は、照度センサ90の検出照度の比較対象である基準照度Sbを示す分圧電圧を共通接続端子100からコンパレータ69の正極入力端子に出力する。
コンパレータ69は、共通接続端子100の出力電圧と照度センサ90の出力電圧との比較結果に応じて出力信号の信号レベルを変化させる。このことにより、コンパレータ69は、照度センサ90の検出対象である車両外側の照度と基準照度Sbとの比較結果に応じて出力信号の信号レベルを変化させる。
次に、本実施形態の車載前照灯用ヒータ2の作動について説明する。
まず、車幅灯14a、14bの点灯に連動して電磁リレー41がオンした状態で、車両外側が暗くなり、車両外側の照度が基準照度Sbよりも低くなる。すると、照度センサ90の出力電圧が共通接続端子100の出力電圧よりも低くなり、コンパレータ69がハイレベル信号をANDゲート63に出力する。
このとき、サーミスタ20の検出対象である外気温が基準温度Scよりも低く、かつ車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高いとき、コンパレータ61、62はハイレベル信号をANDゲート63に出力する。
このため、ANDゲート63は、コンパレータ61、62、69の出力信号をAND演算してハイレベル信号をヒータ駆動回路70のトランジスタ71の制御端子に出力する。このため、トランジスタ71がオンする。これにより、トランジスタ72の制御端子の電位が基準電位Sdよりも低下するため、トランジスタ72がオンする。
これに伴い、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れる。このため、フィルムヒータ10a、10bが発熱する。このため、フィルムヒータ10a、10bから生じる熱によってカバー12a、12bを暖めることになる。これにより、カバー12a、12bに付着された氷雪を融雪することになる。
その後、車両外側の照度が基準照度Sbよりも高くなる。すると、照度センサ90の出力電圧が共通接続端子100の出力電圧よりも高くなると、コンパレータ69はローレベル信号をANDゲート63に出力する。
この際に、コンパレータ61、62の出力信号の信号レベルに関わらず、ANDゲート63は、ローレベル信号をヒータ駆動回路70のトランジスタ71の制御端子に出力する。このため、トランジスタ71がオフする。これにより、トランジスタ72の制御端子の電位が基準電位Sdよりも高い状態が維持される。このため、トランジスタ72がオフする。
よって、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れることが停止される。このため、フィルムヒータ10a、10bの発熱が停止される。
以上説明した本実施形態によれば、ヒータ制御装置30では、電磁リレー41は、車幅灯の点灯および消灯を示す車幅灯信号に基づいて車幅灯14a、14bの点灯に連動して自動的にオンする。
本実施形態では、サーミスタ20の検出対象である外気温が基準温度Scよりも低く、かつ車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高く、さらに照度センサ90の検出対象である車両外側の照度が基準照度Sbよりも低いとき、ANDゲート63がハイレベル信号をヒータ駆動回路70に出力させる。
これにより、ヒータ駆動回路70は、保護回路40からの出力電圧をフィルムヒータ10a、10bに与えることになる。
以上により、前照灯11a、11bの点灯時において、サーミスタ20の検出対象である外気温が基準温度Scよりも低く、かつ車載バッテリ9の出力電圧が基準電圧Saよりも高く、さらに照度センサ90の検出照度が基準照度Sbよりも低いとき、ヒータ駆動回路70は、自動的に、車載バッテリ9の出力電圧をフィルムヒータ10a、10bに与えることになる。このため、フィルムヒータ10a、10bに対して自動的に電力供給することができる。
本実施形態では、車両外側の照度が基準照度Sbよりも高い場合には、ヒータ駆動回路70は、保護回路40の出力端子68からトランジスタ72、フィルムヒータ10a、10bを通してグランドに電流が流れることが停止する。このため、フィルムヒータ10a、10bの発熱が停止される。
これにより、車両外側の照度が基準照度Sbよりも高く、カバー12a、12bの外表面の氷雪を融雪する必要が無い場合には、フィルムヒータ10a、10bへの電力供給が停止される。このため、無駄な電力消費を未然に防止することができる。
(他の実施形態)
(1)上記第1、第2実施形態では、トランジスタ72を保護回路40の出力端子68(すなわち、車載バッテリ9の正極端子)とフィルムヒータ10a、10bの間に配置した例について説明した。
しかし、これに代えて、トランジスタ72をフィルムヒータ10a、10bとグランドとの間に配置してもよい。
(2)上記第1、第2実施形態では、共通接続端子81とグランドとの間に電磁リレー41の電磁コイル41aを車幅灯14a、14bに対して並列に配置した例について説明した。
しかし、これに代えて、電磁リレー41の電磁コイル41aを車幅灯14a、14bおよびグランドとの間に配置してもよい。
(3)上記第1、第2実施形態では、サーミスタ20をフロントグリル3内に配置した例について説明したが、これに代えて、サーミスタ20をフロントグリル3に対して車両進行方向後側に配置してもよい。
(4)上記第1、第2実施形態では、外気温度を検出する温度センサとして、外気温度が低くなるほど抵抗値が大きくなるサーミスタ20を用いた例について説明した。しかし、これに代えて、車両外側の温度を検出する温度センサとしてサーミスタ20以外の温度センサによって外気温度を検出してもよい。
例えば、外気温度が低くなるほど抵抗値が大きくなる温度センサを、外気温度を検出する温度センサとして用いてもよい。
(5)上記第1、第2実施形態では、サーミスタ20によってフロントグリル3内の外気温度を車両外側の温度として検出した例について説明したが、これに限らず、次の(a)(b)(c)のようにしてもよい。
(a)エンジンルーム4のうちフロントグリル3に対して車両進行方向後側にサーミスタ20を配置してフロントグリル3を通過した車両外側の空気の温度を車両外気の温度として検出してもよい。
(b)サーミスタ20によってカバー12a(或いは、12b)の外表面(すなわち、ヘッドライド)の温度を車両外側の温度として検出してもよい。この場合、フィルムヒータ10a、10bにサーミスタ20を一体化させてもよい。
(c)車両に搭載されるサーミスタ20を用いるのではなく、外気温データを取集するためのサーバーから車両の現在位置の外気温を取得する車載電子制御装置を温度検出部として構成し、この車載電子制御装置によって取得した外気温を車両外側の温度としてもよい。
(6)上記第1、第2実施形態では、本発明の電源スイッチとして電磁リレー41を用いた例について説明したが、これに代えて、本発明の電源スイッチとして半導体スイッチを用いてもよい。
つまり、車幅灯14a、14bの点灯に連動して自動的にオンして車幅灯14a、14bの消灯に連動して自動的にオフする電源スイッチならば、どのような電源スイッチでもよい。
ここで、電源スイッチとして半導体スイッチを用いる場合には、車幅灯14a、14bの点灯、消灯に連動して半導体スイッチをオン、オフさせる駆動回路を用いることが必要になる。
駆動回路は、車幅灯14a、14bの点灯に連動して半導体スイッチをオンさせる一方、車幅灯14a、14bの消灯に連動して半導体スイッチをオフさせることになる。
(7)上記第1、第2実施形態では、本発明のヒータ素子としてフィルムヒータ10a、10bを用いた例について説明したが、これに代えて、本発明のヒータ素子として線状のヒータ素子(例えば、ニクロム線)を用いてもよい。
(8)上記第2実施形態では、コンパレータ61、62,69のそれぞれの出力信号レベルがハイレベルであるとき、ヒータ駆動回路70はトランジスタ72をオンさせた例について説明したが、これに代えて、次の(d)(e)のようにしてもよい。
(d)コンパレータ61、69のそれぞれの出力信号レベルがハイレベルであるとき、ヒータ駆動回路70のトランジスタ72をオンさせる。
つまり、サーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも低く、かつ車両外側の照度が基準照度Sbよりも低いときには、ヒータ駆動回路70のトランジスタ72をオンさせる。
このため、車幅灯14a、14bが点灯して、かつ外気温度が基準温度Scよりも低く、かつ車両外側の照度が基準照度Sbよりも低いときには、車載バッテリ9からフィルムヒータ10a、10bへ電力を供給することになる。
(e)コンパレータ61の出力信号レベルがハイレベルであるときに、ヒータ駆動回路70はトランジスタ72をオンさせる。
つまり、サーミスタ20の検出対象である外気温度が基準温度Scよりも低いときには、車載バッテリ9の出力電圧や車両外側の照度に無関係に車載バッテリ9からフィルムヒータ10a、10bへ電力を供給することになる。
(9)上記第1、2実施形態では、外気温度が基準温度Sc以上であるときには、コンパレータ61がローレベル信号を出力させる例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、基準温度Scに代えて第1基準温度と第2基準温度とを採用し、第1基準温度は、第2基準温度よりも低い温度が設定されている。第1基準温度としては、例えば5℃が採用され、第2基準温度として、例えば8℃が採用される。
この場合、外気温度が第1基準温度以下になると、コンパレータ61がローレベル信号を出し、外気温度が第2基準温度以上になると、コンパレータ61がハイレベル信号を出する。
つまり、外気温度に基づいてコンパレータ61が出力信号のレベルを変更する際に、ヒステリシス特性を用いることになる。
(10)上記第1実施形態では、サーミスタ20の検出値や車載バッテリ9の出力電圧を基準値と比較するための比較回路60をコンパレータ61、62、ANDゲート63等のハードウェア構成によって構成した例について説明した。
しかし、これに代えて、サーミスタ20の検出値や車載バッテリ9の出力電圧を基準値と比較するための比較回路60をソフトウェアによって構成してもよい。
すなわち、比較回路60にマイクロコンピュータを採用し、マイクロコンピュータがサーミスタ20の検出値や車載バッテリ9の出力電圧を基準値と比較してその比較結果に応じてヒータ駆動回路70を制御するようにしてもよい。
(11)上記第1、2実施形態では、本発明の車両灯具として、前照灯11a、11bを用いた例について説明したが、これに代えて、車両進行方向後側に光を照射する後照灯を本発明の車両灯具として採用してもよい。
ここで、車両において、車幅灯14a、14bの点灯、消灯に連動して点灯、消灯するテールランプが採用されている場合には、テールランプおよび車載バッテリ9の正極電極の間を接続する信号線から車幅灯信号を取り出すことができる。このため、後照灯用フィルムヒータ10a、10bを制御するためのヒータ制御装置30をテールランプや後照灯の近傍に配置することが好ましい。
この場合、車室内のライトスイッチ80から車幅灯信号をヒータ制御装置30に与える場合に比べて、車幅灯信号をヒータ制御装置30に与えるための信号線を短くすることができる。
(12)上記第1、2実施形態では、使用者によるライトスイッチ80への操作によって前照灯11a、11b、および車幅灯車幅灯14a、14bを点灯、消灯させた例について説明した。
しかし、車両外側の照度を検出する照度センサの検出値に応じて前照灯11a、11b、および車幅灯車幅灯14a、14bを自動的に点灯、消灯させる自動制御を車両に採用してもよい。
(13)上記第2実施形態では、車両外側の照度が低くなるほど出力電圧が小さくなる照度センサ90を採用した例について説明したが、これに代えて、車両外側の照度が低くなるほど出力電圧が大きくなる照度センサ90を採用してもよい。
(14)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記第1、2実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、ヒータ制御装置は、車両灯具を備える車両に適用される。車両灯具は、車両外側に向けて光を照射する光源と、透光性を有して光源を車両外側から覆うように形成されているカバーとを有する
車両は、車両外側に向けて光を照射する車幅灯と、車載電源およびグランドの間に配置されて車載電源から出力される電力に基づいてカバーを暖めるヒータ素子とを備える。
ヒータ制御装置は、車載電源およびヒータ素子の間、或いはヒータ素子およびグランドの間に配置されて、オン、オフする電源スイッチを備える。
電源スイッチは、車幅灯の点灯および消灯を示す車幅灯信号に基づいて車幅灯の点灯に連動して自動的にオンする。
第2の観点によれば、車載電源およびグランドの間には、車幅灯と直列に車幅灯スイッチ素子が配置されている。車幅灯スイッチ素子のオン時には、車載電源から車幅灯スイッチ素子および車幅灯を通してグランドの間に電流が流れて車幅灯が点灯する。
車幅灯スイッチ素子のオフ時には、車載電源から車幅灯スイッチ素子および車幅灯を通してグランドの間に電流が流れることが停止されて車幅灯が消灯する。車幅灯信号は、車幅灯スイッチ素子のオン、オフを示す信号であって、車載電源から車幅灯スイッチ素子を通して電源スイッチに与えられる。
第3の観点によれば、ヒータ制御装置は、車載電源およびグランドの間に配置されて、車載電源からヒータ素子を通してグランドに流れる電流を制御する電流制御素子を備える。
ヒータ制御装置は、車両外側の温度を検出する温度検出部の検出温度に基づいて車両外側の温度が基準温度以下であると判定したとき、車載電源からヒータ素子を通してグランドに電流を流すように電流制御素子を制御するスイッチ制御部を備える。
これにより、車両外側の温度が基準温度よりも低いときに、車載電源からヒータ素子に電力を供給することができる。
第4の観点によれば、スイッチ制御部は、温度検出部の検出温度に基づいて車両外側の温度が基準温度以下であると判定し、かつ車両外側の照度を検出する照度センサの検出照度に基づいて車両外側の照度が基準照度以下であると判定したとき、車載電源からヒータ素子を通してグランドに電流を流すように電流制御素子を制御する。
これにより、車両外側の温度が基準温度よりも低く、車両外側の基準照度以下であるときに、車載電源からヒータ素子に電力を供給することができる。
第5の観点によれば、スイッチ制御部は、車載電源の出力電圧が基準電圧未満であると判定したとき、車載電源からヒータ素子を通してグランドに電流を流すことを停止させるように電流制御素子を制御する。
これにより、車両外側の温度が基準温度よりも低いときに、車載電源からヒータ素子に電力を供給することを停止することができる。
第6の観点によれば、スイッチ制御部は、温度検出部の検出温度に基づいて車両外側の温度が基準温度以下であると判定し、かつ車載電源の出力電圧が基準電圧以上であると判定し、さらに車両外側の照度を検出する照度センサの検出照度に基づいて車両外側の照度が基準照度以下であると判定したとき、車載電源からヒータ素子を通してグランドに電流を流すように電流制御素子を制御する。
これにより、車両外側の温度が基準温度よりも低く、車載電源の出力電圧が基準電圧以上であり、さらに車両外側の基準照度以下であるときに、車載電源からヒータ素子に電力を供給することができる。
第7の観点によれば、車両には、車室に対して車両進行方向前側に配置されて走行用駆動源を収納する駆動源収納室と、駆動源収納室から車両進行方向前側に開口されるフロントグリルとが形成されている。
車両には、フロントグリルに対して車両幅方向一方側に配置されて車両進行方向前側に向けて光を照射する車両灯具としての第1車両灯具と、フロントグリルに対して車両幅方向他方側に配置されて車両進行方向前側に向けて光を照射する車両灯具としての第2車両灯具とが搭載されている。
ヒータ素子は、第1車両灯具のカバーと第2車両灯具のカバーとに装着されている。温度検出部は、フロントグリル内の空気温度を車両外側の温度として検出する。
第8の観点によれば、車両のうちフロントグリルに対して車両進行方向後側には、フロントグリルを通過した外気と熱媒体との間の熱交換によって熱媒体から外気に放熱する熱交換器が搭載されている。
温度検出部および熱交換器の間には、熱交換器からの熱が温度検出部に伝わることを抑制する遮熱部材が配置されている。
これにより、温度検出部の検出温度に対して熱交換器から熱が伝わることを抑制することができるので、温度検出部の検出温度の精度を高めることができる。
第9の観点によれば、電源スイッチは、車幅灯が点灯しているときに自動的にオンし、車幅灯が消灯しているときに自動的にオフする電磁リレーである。
これにより、電磁リレーを用いることにより簡素な構成によって電源スイッチを構成することができる。