JP2020104477A - 圧電デバイス、液体噴射ヘッド、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

圧電デバイス、液体噴射ヘッド、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電デバイスにおいて流路構造体と封止体との接着不良を低減する。【解決手段】第1基板と、前記第1基板の面上において第1方向に沿って配列される複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子に間隔をあけて対向する対向部を含む第2基板とを具備し、前記複数の圧電素子の各々は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層を含み、前記第2電極は、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成され、前記第2基板は、前記共通電極において前記第1方向に沿う周縁に重なるように前記第1方向に沿って配列され、前記対向部から前記第1基板側に突起する複数の突起部を含み、前記第1基板と前記複数の突起部の各々との間に接着層が介在する圧電デバイス。【選択図】図7

Description

本発明は、圧電デバイス、液体噴射ヘッド、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
圧電素子を利用して圧力室内の液体をノズルから噴射する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、振動板の面上に形成された複数の圧電素子を封止板により封止した構造の液体噴射ヘッドが開示されている。各圧電素子は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層で構成される。第2電極は、複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成される。封止板のうち振動板側に突起する仕切壁が共通電極の周縁に重なるように封止板が振動板に接着されることで、圧電素子の焼損の可能性が低減される。
特開2017−74798号公報
特許文献1における封止板の仕切壁は全部の圧電素子にわたり連続する長尺状の部分である。したがって、仕切壁の表面に塗布された接着剤には、仕切壁が延在する方向に沿って塗布量のムラが発生する。したがって、封止板を振動板に接着する過程において接着剤に気泡が混入し易い。接着剤に気泡が混入すると、当該気泡の近傍において共通電極の周縁を仕切壁により充分に押圧できず、圧電素子の焼損の可能性を充分に低減できないという課題がある。また、気泡の混入に起因して接着剤の膜厚がばらつき、結果的に圧電素子の焼損の可能性もばらつくという課題もある。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る圧電デバイスは、第1基板と、前記第1基板の面上において第1方向に沿って配列される複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子に間隔をあけて対向する対向部を含む第2基板とを具備し、前記複数の圧電素子の各々は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層を含み、前記第2電極は、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成され、前記第2基板は、前記共通電極において前記第1方向に沿う周縁に重なるように前記第1方向に沿って配列され、前記対向部から前記第1基板側に突起する複数の突起部を含み、前記第1基板と前記複数の突起部の各々との間に接着層が介在する。
本発明の好適な態様に係る液体噴射ヘッドは、ノズルに連通する圧力室を含む流路が形成された第1基板と、前記第1基板の面上において第1方向に沿って配列される複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子に間隔をあけて対向する対向部を含む第2基板とを具備し、前記複数の圧電素子の各々は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層を含み、前記第2電極は、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成され、前記第2基板は、前記共通電極において前記第1方向に沿う周縁に重なるように前記第1方向に沿って配列され、前記対向部から前記第1基板側に突起する複数の突起部を含み、前記第1基板と前記複数の突起部の各々との間に接着層が介在する。
第1実施形態に係る液体噴射装置の構成を例示するブロック図である。 液体噴射装置の機能的な構成を例示するブロック図である。 液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 液体噴射ヘッドの断面図である。 圧電素子を拡大した平面図である。 図5におけるb−b線の断面図である。 図6におけるc−c線の断面図である。 封止体の上面図および底面図である。 図8におけるd−d線の断面図である。 封止体を製造する方法の具体的な手順を例示する工程図である。 封止体を流路構造体に接合する手順の説明図である。 封止体を流路構造体に接合する手順の説明図である。 第2実施形態における突起部の近傍の断面図である。 第3実施形態における突起部の近傍の断面図である。 第4実施形態における突起部の近傍の断面図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る液体噴射装置100を例示する構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100は、液体の一例であるインクを媒体12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体12として利用される。図1に例示される通り、液体噴射装置100には、インクを貯留する液体容器14が設置される。例えば液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンクが、液体容器14として利用される。
図1に例示される通り、液体噴射装置100は、制御ユニット20と搬送機構22と移動機構24と液体噴射ヘッド26とを具備する。制御ユニット20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体噴射装置100の各要素を統括的に制御する。制御ユニット20は「制御部」の一例である。搬送機構22は、制御ユニット20による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。
移動機構24は、制御ユニット20による制御のもとで液体噴射ヘッド26をX方向に沿って往復させる。X方向は、媒体12が搬送されるY方向に交差する。例えばX方向とY方向とは相互に直交する。第1実施形態の移動機構24は、液体噴射ヘッド26を収容する略箱型の搬送体242と、搬送体242が固定された搬送ベルト244とを具備する。なお、複数の液体噴射ヘッド26を搬送体242に搭載した構成、または、液体容器14を液体噴射ヘッド26とともに搬送体242に搭載した構成も採用され得る。
液体噴射ヘッド26は、液体容器14から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで複数のノズルから媒体12に噴射する。搬送機構22による媒体12の搬送と搬送体242の反復的な往復とに並行して各液体噴射ヘッド26が媒体12にインクを噴射することで、媒体12の表面に画像が形成される。
図2は、液体噴射装置100の機能的な構成を例示するブロック図である。搬送機構22および移動機構24の図示は便宜的に省略した。図2に例示される通り、第1実施形態の制御ユニット20は、駆動信号Dを液体噴射ヘッド26に供給する。駆動信号Dは、所定の周期で電圧が変動する電圧信号である。
図2に例示される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド26は、複数のノズルにそれぞれ対応する複数の圧電素子40と、複数の圧電素子40の各々を駆動する駆動回路71とを具備する。駆動回路71は、複数の圧電素子40にそれぞれ対応する複数のスイッチSWを具備する。複数のスイッチSWの各々は、圧電素子40に対する駆動信号Dの供給/停止を各種の制御信号に応じて切替えるトランスファーゲートで構成される。
図3は、液体噴射ヘッド26の分解斜視図であり、図4は、図3おけるa−a線の断面図である。図3に例示される通り、X-Y平面に垂直なZ軸を想定する。図4に図示された断面は、X-Z平面に平行な断面である。Z軸は、液体噴射ヘッド26によるインクの噴射方向に相当する。
図3に例示される通り、液体噴射ヘッド26は、Y方向に沿って配列された複数のノズルNを具備する。第1実施形態の複数のノズルNは、X方向に相互に間隔をあけて並設された第1列Laと第2列Lbとに区分される。第1列Laおよび第2列Lbの各々は、Y方向に沿って直線状に配列された複数のノズルNの集合である。図4から理解される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド26は、第1列Laの各ノズルNに関連する要素と第2列Lbの各ノズルNに関連する要素とが、基準面Oを挟んで略面対称に配置された構造である。そこで、以下の説明では、第1列Laに対応する要素を重点的に説明し、第2列Lbに対応する要素の説明は適宜に割愛する。基準面Oは、Y-Z平面に平行な平面である。
図3および図4に例示される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド26は、流路構造体30と複数の圧電素子40と筐体部50と封止体60と配線基板70とを具備する。流路構造体30と複数の圧電素子40と封止体60との組合せは「圧電デバイス」に相当する。流路構造体30は「第1基板」の一例である。
流路構造体30は、複数のノズルNの各々にインクを供給するための流路が内部に形成された構造体である。第1実施形態の流路構造体30は、流路基板31と圧力室基板32と振動板33とノズル板34と吸振体35とで構成される。流路構造体30を構成する各部材は、Y方向に長尺な板状部材である。流路基板31におけるZ方向の負側の表面に圧力室基板32と筐体部50とが設置される。他方、流路基板31におけるZ方向の正側の表面にノズル板34および吸振体35が設置される。流路構造体30を構成する各部材は例えば接着剤により相互に固定される。
ノズル板34は、第1列Laおよび第2列Lbを構成する複数のノズルNが形成された板状部材である。複数のノズルNの各々は、インクを噴射する円形状の貫通孔である。例えばフォトリソグラフィおよびエッチング等の半導体製造技術を利用してシリコン(Si)の単結晶基板を加工することで、ノズル板34が製造される。ただし、ノズル板34の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図3および図4に例示される通り、流路基板31には、第1空間311と複数の供給流路312と複数の連通流路313と中継流路314とが形成される。第1空間311は、Z方向からの平面視でY方向に沿う長尺状に形成された開口である。供給流路312および連通流路313は、ノズルN毎に形成された貫通孔である。中継流路314は、複数のノズルNにわたりY方向に沿う長尺状に形成された空間であり、第1空間311と複数の供給流路312とを相互に連通させる。複数の連通流路313の各々は、当該連通流路313に対応する1個のノズルNに平面視で重なる。
図3および図4に例示される通り、圧力室基板32には複数の圧力室Cが形成される。圧力室Cは、ノズルN毎に形成され、平面視でX方向に沿う長尺状の空間である。複数の圧力室CはY方向に沿って配列する。流路基板31および圧力室基板32は、前述のノズル板34と同様に、例えば半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。ただし、流路基板31および圧力室基板32の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図3に例示される通り、圧力室基板32における流路基板31とは反対側の表面には、弾性的に変形可能な振動板33が設置される。振動板33は、Z方向からの平面視でY方向に長尺な矩形状に形成された板状部材である。図3および図4から理解される通り、圧力室Cは、流路基板31と振動板33との間に位置する空間である。すなわち、振動板33は、各圧力室Cの壁面を構成する。図4に例示される通り、圧力室Cは、連通流路313および供給流路312に連通する。したがって、圧力室Cは、連通流路313を介してノズルNに連通し、かつ、供給流路312と中継流路314とを介して液体貯留室Rに連通する。
図3の筐体部50は、複数の圧力室Cに供給されるインクを貯留するためのケースであり、例えば樹脂材料の射出成形で形成される。筐体部50には供給口51と第2空間52とが形成される。供給口51は、液体容器14からインクが供給される管路であり、第2空間52に連通する。図4に例示される通り、流路基板31の第1空間311と筐体部50の第2空間52とは相互に連通する。第1空間311と第2空間52とで構成される空間は、複数の圧力室Cに供給されるインクを貯留する液体貯留室Rとして機能する。液体容器14から供給されて供給口51を通過したインクが液体貯留室Rに貯留される。液体貯留室Rに貯留されたインクは、中継流路314から各供給流路312に分岐して複数の圧力室Cに並列に供給および充填される。吸振体35は、液体貯留室Rの壁面を構成する可撓性のフィルムであり、液体貯留室R内のインクの圧力変動を吸収する。
図3および図4に例示される通り、振動板33のうち圧力室Cとは反対側の表面F1には圧力室C毎に圧電素子40が形成される。圧電素子40は、平面視でX方向に沿う長尺状の受動素子である。複数の圧電素子40がY方向に沿って配列される。Y方向は「第1方向」の一例である。各圧電素子40は、印加電圧に応じて変形することで圧力室Cの圧力を変化させる。圧電素子40が圧力室C内の圧力を変化させることで、圧力室C内のインクがノズルNから噴射される。
封止体60は、複数の圧電素子40を保護するとともに圧力室基板32および振動板33の機械的な強度を補強する構造体であり、振動板33の表面F1に例えば接着剤で固定される。封止体60は、例えば半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。封止体60は「第2基板」の一例である。なお、封止体60の具体的な構成については後述する。
振動板33の表面F1には配線基板70が接合される。配線基板70は、制御ユニット20と液体噴射ヘッド26とを電気的に接続するための複数の配線(図示略)が形成された実装部品である。例えばFPC(Flexible Printed Circuit)やFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板70が好適に採用される。圧電素子40を駆動するための駆動信号Dおよび所定の基準電圧Vbsが配線基板70から各圧電素子40に供給される。
図5は、圧電素子40の近傍を拡大した平面図である。なお、図5においては、任意の1個の要素の奥側に位置する要素の輪郭も便宜的に実線で図示されている。また、図6は、図5におけるb−b線の断面図であり、図7は、図6におけるc−c線の断面図である。
図5から図7に例示される通り、圧電素子40は、概略的には、第1電極41と圧電体層42と第2電極43とを振動板33側から以上の順番で積層した構造体である。なお、本明細書において「要素Aと要素Bとが積層される」という表現は、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成に限定されない。すなわち、要素Aと要素Bとが一部または全部において平面視で相互に重なるならば、要素Aと要素Bとの間に他の要素Cが介在する構成でも、「要素Aと要素Bとが積層される」という概念に包含される。また、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という表現も同様に、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成には限定されない。すなわち、要素Aの表面に要素Cが形成され、要素Cの表面に要素Bが形成された構成でも、要素Aと要素Bとの一部または全部が平面視で重なる構成であれば、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という概念に包含される。Z方向は、第1電極41と圧電体層42と第2電極43とが積層される方向に相当する。
図5から図7に例示される通り、第1電極41は、振動板33の面上に形成される。第1電極41は、圧電素子40毎に相互に離間して形成された個別電極である。具体的には、X方向に沿う長尺状の複数の第1電極41が、相互に間隔をあけてY方向に沿って配列する。第1電極41は、例えば白金(Pt)またはイリジウム(Ir)等の導電材料で形成される。第1電極41における基準面O側の端部に形成された接続端子(図示略)に駆動回路71から駆動信号Dが供給される。
圧電体層42は、振動板33の面上に形成されて第1電極41を被覆する。圧電体層42は、複数の圧電素子40にわたりY軸に沿って連続する帯状の誘電膜である。圧電体層42は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)等の公知の圧電材料で形成される。図5に例示される通り、圧電体層42のうち相互に隣合う各圧力室Cの間隙に対応する領域には、X方向に沿う切欠421が形成される。切欠421は、圧電体層42を貫通する開口である。以上の構成によれば、各圧電素子40は圧力室C毎に個別に変形し、圧電素子40の相互間における振動の伝播が抑制される。なお、圧電体層42の厚さ方向の一部を除去した有底孔を切欠421として形成してもよい。
第2電極43は、圧電体層42を被覆する。第1実施形態の第2電極43は、複数の圧電素子40にわたり連続する共通電極44で構成される。具体的には、共通電極44は、Y方向に沿って延在する帯状の電極である。第2電極43には所定の基準電圧Vbsが印加される。第2電極43は、例えばアルミニウム(Al),白金(Pt)またはイリジウム(Ir)等の低抵抗な導電材料で形成される。
図5および図6に例示される通り、共通電極44の面上には、第1導電層46および第2導電層47がX方向に所定の間隔をあけて形成される。第1導電層46および第2導電層47は、複数の圧電素子40にわたりY方向に延在する帯状の電極である。第1導電層46および第2導電層47には基準電圧Vbsが印加される。第2電極43に印加される基準電圧Vbsと第1電極41に供給される駆動信号Dとの差分に相当する電圧が圧電体層42に印加される。第1導電層46および第2導電層47は、共通電極44よりも低抵抗な導電材料で形成され、当該共通電極44における電圧降下を抑制する補助配線として機能する。例えば、第1導電層46および第2導電層47は、ニクロム(NiCr)で形成された導電膜の表面に金(Au)の導電膜を積層した構造の導電パターンである。
図5および図6に例示される通り、圧電体層42における基準面O側の周縁E1は、共通電極44における基準面O側の周縁E2よりも基準面O側に位置する。また、共通電極44における基準面O側の周縁E2は、第1導電層46における基準面O側の周縁E31よりも基準面O側に位置する。第1電極41は、第2電極43の周縁E2に平面視で交差するようにX方向に延在する。
圧電体層42のうち共通電極44の周縁E2からみてX方向の正側の部分は、第1電極41と第2電極43とに挟まれるから、第1電極41と第2電極43との間の電圧に応じて変形する。他方、圧電体層42のうち周縁E2からみてX方向の負側の部分は、第1電極41には重なるが第2電極43には重ならないから殆ど変形しない。すなわち、圧電体層42のうち共通電極44の周縁E2の近傍は、変形する部分と変形しない部分との境界に相当する。したがって、圧電体層42のうち周縁E2の近傍の部分には応力が集中し、長期間にわたる使用により破損する可能性がある。圧電体層42が破損すると、例えば水分の付着により第1電極41と第2電極43とが相互に短絡する可能性がある。圧電体層42の破損に起因して第1電極41と第2電極43とが相互に短絡する現象を以下では「焼損」と表記する。
図8には、封止体60をZ方向の負側からみた上面図と、封止体60をZ方向の正側からみた底面図とが併記されている。また、図9は、図8におけるd−d線の断面図である。図8および図9に例示される通り、第1実施形態の封止体60は、対向部61と側壁部62aと側壁部62bとが一体に形成された構造体である。
対向部61は、図4および図6に例示される通り、複数の圧電素子40に間隔をあけて対向する平板状の部分である。対向部61には挿入孔Hが形成される。挿入孔Hは、Y方向に沿う長尺状の貫通孔である。図4に例示される通り、配線基板70は、対向部61の挿入孔Hを通過した状態で振動板33の表面F1に実装される。
図8および図9に例示される通り、側壁部62aおよび側壁部62bは、対向部61のうち振動板33の表面F1に対向する表面F2からZ方向の正側に突起する壁状の部分である。すなわち、側壁部62aおよび側壁部62bは、対向部61の表面F2から流路構造体30側に突起する。側壁部62aは封止空間Qaを包囲する。封止空間Qaは、第1列Laに対応する複数の圧電素子40を収容する空間である。他方、側壁部62bは封止空間Qbを包囲する。封止空間Qbは、第2列Lbに対応する複数の圧電素子40を収容する空間である。封止空間Qaおよび封止空間Qbの各々は、複数の圧電素子40の配列に沿うY方向に長尺な空間である。側壁部62aおよび側壁部62bの各々の表面が接着剤により流路構造体30に接合される。
側壁部62aは、壁部65a1と壁部65a2と壁部65a3と複数の突起部66aとを含む。壁部65a1は、側壁部62aのうちY方向に延在する部分であり、封止空間QaにおけるX方向の正側の壁面を構成する。壁部65a1の両端部からX方向の負側に向けて壁部65a2および壁部65a3が延在する。複数の突起部66aは、壁部65a2の端部と壁部65a3の端部との間においてY方向に相互に間隔をあけて配列する。複数の突起部66aの各々は、対向部61の表面F2から突起する角柱状の部分である。封止空間Qaと基準面Oとの間に複数の突起部66aが配列する。
側壁部62bの構成は、基準面Oを挟んで側壁部62aとは面対称である。具体的には、側壁部62bは、Y方向に延在する壁部65b1と、壁部65b2の両端部からX方向に延在する壁部65b2および壁部65b3と、壁部65b2と壁部65b3との間においてY方向に相互に間隔をあけて配列する複数の突起部66bとを含む。封止空間Qbと基準面Oとの間に複数の突起部66bが配列する。
図6に例示される通り、流路構造体30に封止体60が設置された状態では、流路構造体30の表面F1に間隔をあけて対向部61が対向する。側壁部62aが包囲する封止空間Qaに、第1列Laに対応する複数の圧電素子40が収容され、側壁部62bが包囲する封止空間Qbに、第2列Lbに対応する複数の圧電素子40が収容される。図5から図7に例示される通り、複数の突起部66aは、第1列Laに対応する共通電極44の周縁E2に平面視で重なる。すなわち、共通電極44の周縁E2は、図6に例示される通り、平面視で各突起部66aの外壁面G1と内壁面G2との間に位置する。具体的には、突起部66aの外壁面G1は、平面視で圧電体層42の周縁E1と共通電極44の周縁E2との間に位置する。また、突起部66aの内壁面G2は、平面視で第1導電層46の周縁E31と周縁E32との間に位置する。以上の説明から理解される通り、複数の突起部66aは、共通電極44においてY方向に沿う周縁E2に重なるようにY方向に沿って配列される。第2列Lbに対応する複数の突起部66bについても同様であり、第2列Lbに対応する共通電極44においてY方向に沿う周縁E2に重なるようにY方向に沿って配列される。
図7に例示される通り、複数の突起部66aは、複数の圧電素子40の配列と同等の周期でY方向に沿って配列する。すなわち、複数の突起部66aの各々は圧電素子40毎に形成される。複数の突起部66bの各々も圧電素子40毎に形成される。図7に例示される通り、各突起部66aの幅W1は、第1電極41の幅W2よりも大きい。幅W1は、突起部66aにおけるY方向の寸法であり、幅W2は、第1電極41におけるY方向の寸法である。
複数の突起部66aの高さは等しい。各突起部66aの高さは、対向部61の表面F2と突起部66aの表面F3との距離に相当する。換言すると、相互に隣合う2個の突起部66aの間にそれぞれ形成される複数の凹部68の深さは等しい。第1実施形態では、相互に隣合う2個の突起部66aの間にそれぞれ形成される複数の凹部68の形状が同じである。
図6および図7に例示される通り、複数の突起部66aの各々と流路構造体30の表面F1との間には接着層Bが介在する。具体的には、接着層Bは、例えばエポキシ系等の接着剤により形成される。接着層BにおけるZ方向の負側の表面は各突起部66aの表面F3に接触する。他方、接着層BにおけるZ方向の正側の表面は、圧電体層42と第2電極43と第1導電層46とに接触する。同様に、複数の突起部66bの各々と流路構造体30の表面F1との間には接着層Bが介在する。
各突起部66aおよび各突起部66bにおいて流路構造体30に対向する表面F3は、シリコンの単結晶基板(以下「シリコン基板」という)における{110}面である。また、各突起部66aの側面は、シリコン基板における{111}面である。したがって、各突起部66aの表面F3は対向部61の表面F2に平行であり、各突起部66aの側面は対向部61の表面F2に対して垂直である。
以上に説明した通り、第1実施形態では、複数の突起部66aが共通電極44の周縁E2に平面視で重なり、各突起部66aと流路構造体30との間に接着層Bが介在する。すなわち、圧電体層42のうち共通電極44の周縁E2の近傍の部分が突起部66aにより押圧される。以上の構成によれば、共通電極44の周縁E2の近傍における圧電素子40の変形が抑制され、圧電体層42のうち周縁E2の近傍の部分に応力が集中することが抑制される。したがって、周縁E2の近傍に応力が集中することに起因して圧電素子40が破損する可能性を低減することが可能である。
また、第1実施形態では、相互に隣合う2個の突起部66aの間にそれぞれ形成される複数の凹部68の深さは等しい。したがって、各突起部66aの機械的な強度のばらつきを抑制できる。接着層Bを構成する接着剤が各凹部68に進入する量のばらつきを抑制できるという利点もある。また、第1実施形態では、相互に隣合う2個の突起部66aの間にそれぞれ形成される複数の凹部68の形状が同じである。したがって、接着層Bを構成する接着剤が例えば毛管力により各凹部68内に這上がる量のばらつきを抑制できる。さらに、第1実施形態では、複数の突起部66aの高さが等しい。したがって、複数の突起部66aを流路構造体30に対して当接させた状態で均一に押圧できるという利点がある。
<製造方法>
以上に説明した封止体60の製造および設置に着目して液体噴射ヘッド26の製造方法を説明する。図10は、封止体60を製造する方法の具体的な手順を例示する工程図である。
図10の工程Pa1では、平板状のシリコン基板80における一方の表面に酸化膜81が形成され、他方の表面に酸化膜82が形成される。酸化膜81および酸化膜82は、シリコン基板80の熱酸化により形成される酸化シリコン(SiO)の薄膜である。
図10の工程Pa2では、酸化膜81および酸化膜82の各々における領域811内の部分が除去される。領域811は、封止体60の挿入孔Hに対応する領域である。工程Pa2により、酸化膜81および酸化膜82における領域811の内側にはシリコンの表面が露出する。工程Pa2における酸化膜81および酸化膜82の選択的な除去は、例えば、
[Pa2-1]酸化膜81および酸化膜82の面上にレジストを形成する工程と、
[Pa2-2]例えばフッ酸(HF)を利用したウェットエッチングにより酸化膜81および酸化膜82を選択的に除去する工程と、
[Pa2-3]レジストを除去する工程と、を含む。
図10の工程Pa3では、酸化膜81のうち領域813aおよび領域813bの内側の部分について当該酸化膜81の膜厚方向の一部を除去する。領域813aは、封止体60の封止空間Qaに対応する領域であり、領域813bは、封止空間Qbに対応する領域である。工程Pa3における酸化膜81の選択的な除去は、例えば、
[Pa3-1]酸化膜81の面上にレジストを形成する工程と、
[Pa3-2]例えばフッ酸(HF)を利用したウェットエッチングにより酸化膜81における膜厚方向の一部を選択的に除去する工程と、
[Pa3-3]レジストを除去する工程と、を含む。
図10の工程Pa4では、シリコン基板80のうち領域811の内側の部分を膜厚方向の全部にわたり除去することで挿入孔Hが形成される。工程Pa4では、酸化膜81および酸化膜82をマスクとして利用したウェットエッチングが好適に利用される。シリコン基板80のウェットエッチングには、例えば、水酸化カリウム(KOH)、テトラメチルアンモニアハイドロオキサイド(TMAH)、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、ヒドラジン(N)、水酸化ナトリウム(NaOH)、または水酸化セシウム(CsO)等が利用される。なお、誘導結合型プラズマ方式(ICP:Inductive Coupled Plasma)等のドライエッチングにより挿入孔Hを形成してもよい。
図10の工程Pa5では、酸化膜81および酸化膜82のうち膜厚方向の一部が除去される。すなわち、酸化膜81および酸化膜82が薄くされる。工程Pa5では、例えばフッ酸(HF)を利用したウェットエッチングが好適に利用される。工程Pa5の結果、酸化膜81のうち領域813aおよび領域813bの内側の部分が除去され、領域813aおよび領域813bの内側にシリコンの表面が露出する。
図10の工程Pa6では、シリコン基板80のうち領域813aおよび領域813bの内側の部分が膜厚方向の一部について除去される。工程Pa6により封止空間Qaおよび封止空間Qbが形成される。工程Pa6には、例えばウェットエッチングが好適に利用される。シリコン基板80のウェットエッチングには、例えば、水酸化カリウム(KOH)、テトラメチルアンモニアハイドロオキサイド(TMAH)、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、ヒドラジン(N)、水酸化ナトリウム(NaOH)、または水酸化セシウム(CsO)等が利用される。なお、誘導結合型プラズマ方式等のドライエッチングにより封止空間Qaおよび封止空間Qbを形成してもよい。
図10の工程Pa7では、酸化膜81および酸化膜82が除去される。工程Pa7には、例えばフッ酸(HF)を利用したウェットエッチングが好適に利用される。以上の工程により、側壁部62aおよび側壁部62bが対向部61の表面F2に形成された封止体60’が形成される。ただし、工程Pa7の直後の封止体60’は、複数の突起部66aの代わりに直線部分67aが形成され、複数の突起部66bの代わりに直線部分67bが形成された形状である。直線部分67aおよび直線部分67bは、挿入孔Hに沿って直線状に延在する部分である。
図10の工程Pa8では、直線部分67aと直線部分67bとを選択的に除去することで、複数の突起部66aと複数の突起部66bとが形成される。すなわち、直線部分67aが複数の突起部66aに分離され、直線部分67bが複数の突起部66bに分離される。以上の工程により、複数の突起部66aと複数の突起部66bとが対向部61の表面F2に形成された封止体60が製造される。
なお、工程Pa8における直線部分67aおよび直線部分67bの選択的な除去には、例えば、
[Pa8-1]突起部66aと突起部66bとに対応する領域にレジストを形成する工程と、
[Pa8-2]例えばウェットエッチングにより直線部分67aおよび直線部分67bを選択的に除去する工程と、
[Pa8-3]レジストを除去する工程と、を含む。工程Pa8-2におけるウェットエッチングには、例えば、水酸化カリウム(KOH)、テトラメチルアンモニアハイドロオキサイド(TMAH)、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、ヒドラジン(H)、水酸化ナトリウム(NaOH)、または水酸化セシウム(CsO)等が利用される。
以上の工程により製造された封止体60が流路構造体30に接合される。図11および図12は、封止体60を流路構造体30に接合する工程の説明図である。なお、以下の説明では突起部66aに便宜的に着目するが、突起部66bについても同様の手順が並行に実行される。
図11に例示される通り、接着剤86が表面に均一な厚さに塗布された板状部材85が用意される。板状部材85は、例えばフィルムまたは平板材である。図11に例示される工程Pb1では、封止体60における突起部66aの表面F3を板状部材85の表面に接近または接触させることで板状部材85の面上の接着剤86が当該表面F3に転写される。すなわち、各突起部66aの表面F3に接着剤86が略均一な厚さに塗布される。
図12の工程Pb2では、以上の工程Pb1により表面F3に接着剤86が塗布された封止体60を流路構造体30に押圧することで当該封止体60が流路構造体30に接合される。具体的には、複数の突起部66aが共通電極44の周縁E2に平面視で重なる状態で封止体60が流路構造体30に押圧され、接着剤86が硬化されることで封止体60と流路構造体30とが相互に接合される。
図10の工程Pa7の直後の封止体60’を流路構造体30に接合した構成を第1実施形態との比較例として想定する。比較例では、複数の圧電素子40にわたり連続する単体の直線部分67aが封止体60に形成され、当該直線部分67aが共通電極44の周縁E2に重なる状態で封止体60が流路構造体30に接合される。しかし、比較例の構成では、接着剤86が塗布される面積が広いため、直線部分67aの表面における接着剤86の塗布量が面内で不均一となる場合がある。例えば、直線部分67aの表面において接着剤86の表面が波打った状態となる。以上の状態では、流路構造体30に封止体60を接合する工程において、接着剤86のうち塗布量が不足する位置に気泡が混入し易い。接着剤86に混入した気泡は、封止体60の接着不良の原因となり得る。また、気泡の近傍では、共通電極44の周縁E2が直線部分67aにより充分に押圧されないから、圧電素子40の焼損の可能性を充分に低減できないという問題がある。
以上に説明した比較例とは対照的に、第1実施形態では、複数の突起部66aの各々における表面F3に接着剤86が塗布される。以上の構成では、比較例と比較して、接着剤86が塗布される表面の面積が削減されるから、接着剤86の塗布量が均一化される。また、封止体60を流路構造体30に押圧する工程Pb2では、接着材86に混入した気泡が各突起部66aと流路構造体30との間から周囲に移動し易い。したがって、接着剤86の塗布量のバラツキまたは気泡の残留に起因した接着不良の可能性を低減することが可能である。また、第1実施形態では、複数の突起部66aが相互に間隔をあけて形成されるから、余剰の接着剤86が各突起部66aの間隔内に流動する。したがって、流路構造体30の広範囲に余剰の接着剤86が付着する可能性を低減できるという利点もある。
<第2実施形態>
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図13は、第2実施形態における封止体60の突起部66aの構成を例示する断面図である。第1実施形態で参照した図7に対応する断面が図13に図示されている。図13に例示された各突起部66aの表面F3は、シリコン基板80における{100}面である。また、各突起部66aの側面は、シリコン基板80における{111}面である。したがって、各突起部66aの表面F3は対向部61の表面F2に平行であり、各突起部66aの側面は対向部61の表面F2に対して傾斜する。突起部66aの側面は表面F2に対して54.7°の角度で傾斜する。具体的には、各突起部66aは、表面F3に近い位置ほど幅W1が狭いテーパー形状である。複数の突起部66aの高さが等しく、複数の凹部68の深さが等しい構成、および、複数の凹部68の形状が同じである構成は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、各突起部66aが、表面F3に近い位置ほど幅W1が狭いテーパー形状である。したがって、各突起部66aの表面F3に近い位置においては、余剰の接着剤86を収容する空間を各突起部66aの間隔内に確保し易い。他方、各突起部66aにおける対向部61に近い位置においては、各突起部66aの機械的な強度を確保し易いという利点がある。
<第3実施形態>
図14は、第2実施形態における封止体60の突起部66aの構成を例示する断面図である。第1実施形態で参照した図7に対応する断面が図14に図示されている。図14に例示される通り、各突起部66aの表面F3は対向部61の表面F2に平行であり、各突起部66aの側面は対向部61の表面F2に対して傾斜する。具体的には、各突起部66aは、表面F3に近い位置ほど幅W1が広い逆テーパー形状である。複数の突起部66aの高さが等しく、複数の凹部68の深さが等しい構成、および、複数の凹部68の形状が同じである構成は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、各突起部66aが、表面F3に近い位置ほど幅W1が広い逆テーパー形状である。したがって、流路構造体30との接着に利用される表面F3の面積を各突起部66aにおいて確保し易いという利点がある。
<第4実施形態>
図15は、第4実施形態における封止体60の突起部66aの構成を例示する断面図である。第1実施形態で参照した図7に対応する断面が図15に図示されている。第1実施形態では、複数の圧電素子40に対して1対1に突起部66aを形成した。第4実施形態では、図15に例示される通り、2個の圧電素子40毎に1個の突起部66aが形成される。第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
なお、1個の突起部66aに対応する圧電素子40の個数は任意であり、3個以上の圧電素子40を単位として1個の突起部66aを形成してもよい。すなわち、複数の突起部66aの各々は1個以上の圧電素子40毎に形成される。また、第1実施形態から第4実施形態では、封止体60の突起部66aをドライエッチングにより形成してもよい。ボッシュプロセスにおける保護膜プロセスを工夫することで、第1実施形態で例示した角柱状の突起部66a、第2実施形態で例示したテーパー形状の突起部66a、および第3実施形態で例示した逆テーパー形状の突起部66a、等の任意の形状の突起部66aを形成することが可能である。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)前述の各形態では、液体噴射ヘッド26を搭載した搬送体242を往復させるシリアル方式の液体噴射装置100を例示したが、複数のノズルNが媒体12の全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置にも本発明を適用することが可能である。
(2)前述の各形態で例示した液体噴射装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
(3)前述の各形態で例示した液体噴射ヘッド26は圧電デバイスの一例である。液体噴射ヘッド26以外の圧電デバイスとしては、例えば、
[a]スチルカメラまたはビデオカメラ等の撮像装置の手振れ等によるレンズの焦点ズレを補正するための補正用アクチュエーター、
[b]超音波洗浄機、超音波診断装置、魚群探知機、超音波発振器または超音波モーター等の超音波デバイス、
[c]赤外線等の有害光線の遮断フィルター、量子ドット形成によるフォトニック結晶効果を使用した光学フィルター、または、薄膜の光干渉を利用した光学フィルター等の各種のフィルター、
[d]その他、温度−電気変換器、圧力−電気変換器、強誘電体トランジスターまたは圧電トランス等の各種のデバイス、
が例示される。
また、センサーとして利用される圧電素子、または、強誘電体メモリーとして利用される圧電素子にも本発明は適用される。圧電素子が利用されるセンサーとしては、例えば、赤外線センサー、超音波センサー、感熱センサー、圧力センサー、焦電センサー、または角速度センサー等が例示される。
100…液体噴射装置、12…媒体、14…液体容器、20…制御ユニット、22…搬送機構、24…移動機構、242…搬送体、244…搬送ベルト、26…液体噴射ヘッド、30…流路構造体、31…流路基板、311…第1空間、312…供給流路、313…連通流路、314…中継流路、32…圧力室基板、33…振動板、34…ノズル板、35…吸振体、40…圧電素子、41…第1電極、42…圧電体層、43…第2電極、44…共通電極、46…第1導電層、47…第2導電層、50…筐体部、51…供給口、52…第2空間、60…封止体、61…対向部、62a,62b…側壁部、65a1,65a2,65a3,65b1,65b2,65b3…壁部、66a,66b…突起部、68…凹部、70…配線基板、71…駆動回路、Qa,Qb…封止空間、R…液体貯留室、C…圧力室、N…ノズル、B…接着層。

Claims (11)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板の面上において第1方向に沿って配列される複数の圧電素子と、
    前記複数の圧電素子に間隔をあけて対向する対向部を含む第2基板とを具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層を含み、
    前記第2電極は、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成され、
    前記第2基板は、前記共通電極において前記第1方向に沿う周縁に重なるように前記第1方向に沿って配列され、前記対向部から前記第1基板側に突起する複数の突起部を含み、
    前記第1基板と前記複数の突起部の各々との間に接着層が介在する
    圧電デバイス。
  2. 前記複数の突起部の各々は、前記複数の圧電素子のうち1個以上の圧電素子毎に形成される
    請求項1の圧電デバイス。
  3. 前記複数の突起部の各々は、前記圧電素子毎に形成される
    請求項2の圧電デバイス。
  4. 前記第2基板は、シリコン基板であり、
    前記複数の突起部の各々において前記第1基板に対向する表面は、前記シリコン基板の{110}面であり、
    前記複数の突起部の各々における側面は、前記シリコン基板の{111}面である
    請求項1から請求項3の何れかの圧電デバイス。
  5. 前記第2基板は、シリコン基板であり、
    前記複数の突起部の各々における前記第1基板に対向する表面は、前記シリコン基板の{100}面であり、
    前記複数の突起部の各々における側面は、前記表面に対して傾斜する、前記シリコン基板の{111}面である
    請求項1から請求項3の何れかの圧電デバイス。
  6. 前記複数の突起部のうち相互に隣合う2個の突起部の間にそれぞれ形成される複数の凹部の深さは等しい
    請求項1から請求項5の何れかの圧電デバイス。
  7. 前記複数の突起部のうち相互に隣合う2個の突起部の間にそれぞれ形成される複数の凹部の形状は同じである
    請求項1から請求項6の何れかの圧電デバイス。
  8. 前記複数の突起部の高さは等しい
    請求項1から請求項7の何れかの圧電デバイス。
  9. ノズルに連通する圧力室を含む流路が形成された第1基板と、
    前記第1基板の面上において第1方向に沿って配列される複数の圧電素子と、
    前記複数の圧電素子に間隔をあけて対向する対向部を含む第2基板とを具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層を含み、
    前記第2電極は、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成され、
    前記第2基板は、前記共通電極において前記第1方向に沿う周縁に重なるように前記第1方向に沿って配列され、前記対向部から前記第1基板側に突起する複数の突起部を含み、
    前記第1基板と前記複数の突起部の各々との間に接着層が介在する
    液体噴射ヘッド。
  10. 請求項9の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを制御する制御部と
    を具備する液体噴射装置。
  11. ノズルに連通する圧力室を含む流路が形成された第1基板と、
    前記第1基板の面上において第1方向に沿って配列される複数の圧電素子と、
    前記複数の圧電素子に間隔をあけて対向する対向部を含む第2基板とを具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第1電極と圧電体層と第2電極との積層を含み、
    前記第2電極は、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極で構成される
    液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記第2基板は、前記対向部から前記第1基板側に突起する複数の突起部を含み、
    前記複数の突起部の各々の表面に接着剤を塗布し、
    前記共通電極において前記第1方向に沿う周縁に前記複数の突起部が重なる状態で、前記第2基板を前記第1基板に押圧する
    液体噴射ヘッドの製造方法。
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