JP2020104387A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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秀行 瀧澤
Hideyuki Takizawa
秀行 瀧澤
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Abstract

【課題】ミストの付着によるノズル詰まりを低減し画質を向上することが可能なインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】インクジェットプリンタは、主走査方向に配列されノズルからインクを吐出する複数のインクヘッドと、複数のインクヘッドから主走査方向に離間して配置されプレコート液を吐出するプレコートヘッドと、プレコートヘッド及びインクヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、記録媒体を主走査方向に直交する方向に搬送する搬送機構とを備える。プレコートヘッドの搬送方向の上流側の端部は、複数のインクヘッドの搬送方向の上流側の端部よりも、上流側に配置されている。プレコートヘッドと、複数のインクヘッドの最端に配置されたインクヘッドの互いに対応するノズル同士の主走査方向の間隔をD1とし、複数のインクヘッドの隣り合う互いに対応するノズル同士の主走査方向の間隔をD2とすると、D1はD2よりも大きい。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタは、キャリッジに搭載したヘッドからインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する。近年、画像品質を向上するため、記録媒体の表面にプレコート液を塗布し、その上にインク画像を記録することが行われている。
例えば、キャリッジに、プレコート液を吐出するヘッド(以下、プレコートヘッド)と、インクを吐出するヘッド(以下、インクヘッド)とを搭載し、プレコート用ヘッドをインク用ヘッドよりも記録媒体の搬送方向の上流側に配置したインクジェットプリンタが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2017−104996号公報(図2参照) 特開2012−206324号公報(図6参照) 特開2015−147426号公報(図2参照) 特開2017−132152号公報(図1参照)
しかしながら、プレコートヘッドからプレコート液を吐出する際に発生したミストがインクヘッドのノズルに付着し、あるいはインクヘッドからインクを吐出する際に発生したミストがプレコートヘッドのノズルに付着して、ノズル詰まりが発生する可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ミストの付着によるノズル詰まりを低減し、画像品質を向上することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
本発明のインクジェットプリンタは、主走査方向に配列され、ノズルからインクを吐出する複数のインクヘッドと、複数のインクヘッドから主走査方向に離間して配置され、ノズルからプレコート液を吐出するプレコートヘッドと、プレコートヘッドおよびインクヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、記録媒体を主走査方向に直交する搬送方向に搬送する搬送機構とを備える。プレコートヘッドの搬送方向の上流側の端部は、複数のインクヘッドの搬送方向の上流側の端部よりも、搬送方向の上流側に配置されている。プレコートヘッドと、複数のインクヘッドのうち最端に配置されたインクヘッドとの互いに対応するノズル同士の主走査方向の間隔をD1とし、複数のインクヘッドのうち隣り合うインクヘッドの互いに対応するノズル同士の主走査方向の間隔をD2とすると、間隔D1は間隔D2よりも大きい。
本発明によれば、プレコートヘッドとインクヘッドとの主走査方向の間隔D1が、複数のインクヘッドの主走査方向の間隔D2よりも大きいため、プレコートヘッドおよびインクヘッドのノズルへのミストの付着を低減することができる。これにより、ノズルの詰まりを抑制し、画像品質を向上することができる。
本発明の実施の形態のインクジェットプリンタを示す斜視図である。 本実施の形態のインクジェットプリンタを示す断面図である。 本実施の形態のインクジェットプリンタのキャリッジとその周囲を示す斜視図(A)およびキャリッジの案内構造を示す模式図(B)である。 本実施の形態のプレコートヘッドおよびインクヘッドの配置を示す図である。 本実施の形態のプレコートヘッドおよびインクヘッドのノズル列を示す図である。 本実施の形態のプレコートヘッドおよびインクヘッドの位置決めのための構成例を示す図である。 本実施の形態のプレコートヘッドおよびインクヘッドの他の配置例を示す図である。 本実施の形態のプレコートヘッドのノズルとインクヘッドのノズルとの関係を示す図である。 本実施の形態のプレコートヘッドのノズルとインクヘッドのノズルとの位置調整方法を説明するための図である。 本実施の形態のプレコートヘッドおよびインクヘッドのノズルからの吐出率を示す図である。 本実施の形態のプレコートヘッドおよびインクヘッドのノズル列の他の例を示す図である。 本実施の形態のインクジェットプリンタの制御系を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<インクジェットプリンタの全体構成>
図1は、本発明の実施の形態のインクジェットプリンタ1を示す斜視図である。インクジェットプリンタ1は、このインクジェットプリンタ1全体を支持するフレーム50を有する。フレーム50は水平面内における一方向に長い形状を有する。
以下では、フレーム50の長手方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、XY面に直交する方向を、Z方向とする。ここではXY面は水平面であり、Z方向は鉛直方向であるが、これに限定されるものではない。
フレーム50は、X方向に長い支持台51と、支持台51を下方から支持する架台部55と、支持台51のX方向両端部に設けられた一対のサイドプレート52a,52bと、これらサイドプレート52a,52bに対してX方向内側に設けられた一対の枠体53a,53bとを有する。
サイドプレート52a,52bの間には、X方向に延在する案内部材としてのレール32が設けられている。このレール32に沿って、キャリッジ31がX方向に往復移動可能に設けられている。キャリッジ31には、記録ヘッド部10(図2)が搭載されている。
サイドプレート52a,52bには、一対のプーリ34が回転可能に取り付けられている(図1では、サイドプレート52a側のプーリ34は隠れている)。これら一対のプーリ34の間には、無端ベルト33が張架されており、無端ベルト33の所定箇所にキャリッジ31が取り付けられている。
サイドプレート52aと枠体53aとの間には、キャリッジ搬送モータ35(図2)が配置されており、このキャリッジ搬送モータ35はプーリ34に連結されている。キャリッジ搬送モータ35が回転すると、プーリ34が回転し、これにより無端ベルト33が走行して、キャリッジ31が矢印Sで示すようにレール32に沿ってX方向に往復移動する。レール32には、キャリッジ31のX方向位置を検出するためのリニアスケール84(図12)が取り付けられている。
図2は、インクジェットプリンタ1を示す断面図である。支持台51上で、且つ、枠体53a,53b(図1)の間には、プラテン40が設けられている。プラテン40は、キャリッジ31の移動範囲の下方(−Z方向)に配置されている。プラテン40の上面(+Z方向の面)は、XY面に平行な平坦面となっている。
プラテン40の平坦面には、記録媒体Pを吸着するための複数の吸着孔41(図3(A)参照)が開口している。プラテン40の吸着孔41は、図示しない吸引装置に連結されている。吸着孔41から空気を吸引することにより、プラテン40の平坦面に記録媒体Pを吸着する。
また、プラテン40の後方(−Y方向)に隣接してリアガイド23が設けられ、プラテン40の前方(+Y方向)に隣接してフロントガイド26が設けられている。リアガイド23、プラテン40およびフロントガイド26は、記録媒体Pの搬送路を構成する。また、リアガイド23、プラテン40およびフロントガイド26には、記録媒体Pを加熱する図示しないヒータが内蔵されている。
プラテン40とリアガイド23との間には、搬送ローラ21とピンチローラ22とからなるローラ対が配置されている。搬送ローラ21は、媒体搬送モータ86(図12)により、X方向の回転軸を中心として回転する。ピンチローラ22は、X方向に一列に配列された複数のローラ要素で構成され、搬送ローラ21との間で記録媒体Pを挟み込む。搬送ローラ21の回転により、記録媒体Pが+Y方向に搬送される。搬送ローラ21およびピンチローラ22は、搬送機構20を構成する。
なお、ピンチローラ22は、レバー24の回動操作により、搬送ローラ21に対して接近および離間する方向(ここでは上下)に揺動するように構成されている。レバー24を操作してピンチローラ22を搬送ローラ21から離間させることで、記録媒体Pを搬送ローラ21とピンチローラ22との間にセットすることができる。レバー24はインクジェットプリンタ1の後方(−Y方向)に設けられているが、インクジェットプリンタ1の前方(+Y方向)にも同様の機能を有するレバー27(図1)が設けられている。
フレーム50の後方部分には、ロール状の記録媒体Pを回転可能に保持する媒体ホルダ25が配置されている。媒体ホルダ25は、X方向を軸方向とする回転可能なシャフト25aを有する。シャフト25aは、ロール状の記録媒体Pの内側に挿入され、これにより記録媒体Pを保持する。
フレーム50の前方部分には、記録媒体Pを巻取る巻取り部28が配置されている。巻取り部28は、X方向を軸方向とする回転可能な巻取りロール28aを有する。巻取り部28は、リアガイド23、プラテン40およびフロントガイド26を経て搬送された記録媒体Pを巻取る。
すなわち、媒体ホルダ25に保持された記録媒体Pは、搬送機構20により、リアガイド23、プラテン40およびフロントガイド26に沿って前方(+Y方向)に搬送され、巻取り部28に巻取られる。
図1に戻り、フレーム50の−X方向の端部には、各色のインクおよびプレコート液を貯蔵する貯蔵タンク61が設けられている。貯蔵タンク61内のインクおよびプレコート液は、ポンプ(図示せず)によりサブタンク(図示せず)に一時的に貯蔵され、さらに供給チューブ62を介して、キャリッジ31内の記録ヘッド部10(図2)に供給される。
供給チューブ62は、各色のインクおよびプレコートをそれぞれ搬送するチューブの束である。供給チューブ62は、サイドプレート52a,52bの間にX方向に延在する前後一対のプレート58,59の間にU字状に配置されており、キャリッジ31の移動に追従できるように構成されている。
サイドプレート52aと枠体53aとの間には、キャップユニット65が設けられている。キャリッジ31が移動範囲の一端(+X方向の端部)にあるときには、キャリッジ31がキャップユニット65の上方に位置する。キャップユニット65は、記録ヘッド部10のノズルを覆うキャップを有し、これによりプレコート液およびインクの乾燥を防止する。
サイドプレート52bと枠体53bとの間には、メンテナンスユニット66が設けられている。キャリッジ31が移動範囲の他端(−X方向の端部)にあるときには、キャリッジ31がメンテナンスユニット66の上方に位置する。メンテナンスユニット66は、記録ヘッド部10のノズルに付着した異物を除去するワイパーを有し、これによりノズルを清掃する。また、記録ヘッド部10のノズル内で増粘したプレコート液およびインクを吐出することで、ノズルの詰まりを防止する。
フレーム50の枠体53a,53bの間には、透明カバー56が開閉可能に取り付けられている。透明カバー56は、キャリッジ31の移動範囲の前方に位置しており、この透明カバー56を介してインクジェットプリンタ1の内部を視認することができる。また、枠体53a,53bの間には、フロントガイド26の全体を覆うように、カバー57が設けられている。
<キャリッジの構成>
図3(A)は、キャリッジ31とその周囲を示す斜視図である。図3(A)に示すように、キャリッジ31は、プラテン40上に位置し、レール32によってX方向に案内されている。レール32は、キャリッジ31の後方(−Y方向)に対向している。
図3(B)は、キャリッジ31の支持構造を示す模式図である。レール32は、キャリッジ31に対向する側にXZ面に平行な当接面32aを有し、Z方向の両端に一対の傾斜面32b,32cを有する。
キャリッジ31は、レール32に対向する側にホルダ36を有し、このホルダ36には、レール32の当接面32aに当接する一対のローラ38aが取り付けられている。ローラ38aは、Z方向に間隔をあけて配置され、いずれもZ方向の軸を中心として回転可能である。
ホルダ36の上端からレール32の傾斜面32bに沿って、延在部36aが延在している。延在部36aには、レール32の傾斜面32bに当接するローラ38bが回転可能に取り付けられている。
ホルダ36の下端には、支軸36bによりアーム部37が揺動可能に取り付けられている。このアーム部37には、レール32の傾斜面32cに当接するローラ38cが回転可能に取り付けられている。また、アーム部37は、ホルダ36に設けられたスプリング支持部36cとの間に配置されたスプリング36dにより、ローラ38cをレール32の傾斜面32cに押し当てる方向に付勢されている。
キャリッジ31のローラ38a,38b,38cが、レール32の当接面32aおよび傾斜面32b,32cに当接することにより、キャリッジ31とレール32とのがたつきが防止される。このような構成により、キャリッジ31は、レール32によってX方向に案内される。
記録ヘッド部10は、キャリッジ31の下端(−Z方向の端部)に取り付けられており、プラテン40(図3(A))に対向している。すなわち、記録ヘッド部10は、キャリッジ31の移動に伴い、プラテン40に吸着された記録媒体Pの表面に沿ってX方向に移動する。
以下では、キャリッジ31の移動方向(すなわちX方向)を「主走査方向」、プラテン40の表面においてX方向と直交する方向(すなわちY方向)を「副走査方向」として説明する。なお、プラテン40上における記録媒体Pの搬送方向(+Y方向)を、「媒体搬送方向」として説明する。
<記録ヘッドの構成>
図4は、記録ヘッド部10の構成を示す図である。図4では、主走査方向を矢印Sで示し、媒体搬送方向を矢印Fで示す。キャリッジ31に搭載された記録ヘッド部10は、プレコート液を吐出するプレコートヘッド11と、インクを吐出するインクヘッド12,13,14,15,16とを有する。
インクヘッド12,13,14,15,16は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)、グレイ(Gy)等の互いに異なる色のインクを吐出する。但し、インクヘッド12〜16の色は任意であり、インクヘッドの数は2以上であればよい。
インクヘッド12,13,14,15,16は、主走査方向(X方向)に一定の間隔D2で一列に配列されている。なお、間隔D2は、図5を参照して後述するように、インクヘッド12〜16のうち隣り合うインクヘッドの互いに対応するノズル同士(より具体的には、互いに対応するノズル列同士)の主走査方向の間隔である。
プレコートヘッド11は、インクヘッド12〜16の全体から主走査方向に離れて配置されている。プレコートヘッド11と、インクヘッド12〜16のうちの最端のインクヘッド12との主走査方向の間隔は、D1である。なお、間隔D1は、図5を参照して後述するように、プレコートヘッド11とインクヘッド12との互いに対応するノズル同士(より具体的には、互いに対応するノズル列同士)の主走査方向の間隔である。
また、プレコートヘッド11は、インクヘッド12〜16に対して、媒体搬送方向の上流側(すなわち−Y方向)に配置されている。プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16とは、副走査方向において互いにオーバーラップしているが、互いにオーバーラップしない配置も可能である。すなわち、プレコートヘッド11の媒体搬送方向の上流端(−Y方向の端部)が、インクヘッド12〜16の媒体搬送方向の上流端(−Y方向の端部)よりも、媒体搬送方向の上流側(すなわち−Y方向)に配置されていればよい。
プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16は、ここでは、主走査方向の長さが互いに等しく、副走査方向の長さも互いに等しいものとする。
プレコートヘッド11は、2列のノズル列、すなわち第1ノズル列11Aおよび第2ノズル列11Bを有する。ノズル列11A,11Bは、いずれも、複数のノズルをY方向に配列したものである。
インクヘッド12は、第1ノズル列12Aおよび第2ノズル列12Bを有する。ノズル列12A,12Bは、いずれも、複数のノズルをY方向に配列したものである。同様に、インクヘッド13は第1ノズル列13Aおよび第2ノズル列13Bを有し、インクヘッド14は第1ノズル列14Aおよび第2ノズル列14Bを有する。また、インクヘッド15は第1ノズル列15Aおよび第2ノズル列15Bを有し、インクヘッド16は第1ノズル列16Aおよび第2ノズル列16Bを有する。
プレコートヘッド11は、インクヘッド12〜16に対して媒体搬送方向の上流側に配置されているが、プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16との副走査方向の変位量Cは、プレコートヘッド11のY方向長さ(インクヘッドのY方向長さでもある)よりも短い。これにより、プレコートヘッド11のノズル列11A,11Bとインクヘッド12〜16のノズル列12A〜16Bとが副走査方向においてオーバーラップするオーバーラップ領域Rを設けている。
このようにプレコートヘッド11をインクヘッド12〜16に対して媒体搬送方向の上流側に配置する理由は、プレコートヘッド11からプレコート液を吐出した後、インクヘッド12〜16がインクを吐出するまでの時間を確保し、記録媒体P上のプレコート液が乾燥した状態でインク画像を記録するためである。
プレコートヘッド11とこれに隣接するインクヘッド12との主走査方向の間隔D1は、インクヘッド12〜16の主走査方向の配列間隔である間隔D2よりも大きい(すなわちD2>D1)。
このようにプレコートヘッド11とインクヘッド12との間隔D1をインクヘッド12〜16の間隔D2よりも大きくする理由は、プレコートヘッド11からプレコート液を吐出する際に発生したミストがインクヘッド12のノズルに付着することを防止するためである。また、インクヘッド12からインクを吐出する際に発生したミストがプレコートヘッド11のノズルに付着することを防止するためである。
さらに、プレコートヘッド11とインクヘッド12との間隔D1は、インクヘッド12〜16の間隔D2の整数倍であることが望ましい。すなわち、D1=n×D2(nは2以上の整数)の関係が成り立つことが望ましい。
このようにプレコートヘッド11とインクヘッド12との間隔D1をインクヘッド12〜16の間隔D2のn倍(nは2以上の整数)とする理由は、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16からの吐出タイミングの制御を容易にするためである。
すなわち、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の吐出タイミングは、プレコートヘッド11のノズルから吐出されて記録媒体Pに付着したプレコート液のドット上に、インクヘッド12〜16の各ノズルから吐出されたインクが載るように制御される。
インクヘッド12〜16の各ノズルは間隔D2に応じた駆動パルスで吐出制御されるため、間隔D1が間隔D2のn倍(nは2以上の整数)であれば、上記の駆動パルスを利用してプレコートヘッド11のノズルからの吐出制御を行うことができ、その結果、吐出タイミングの制御が容易になる。
nの値は、2が最も望ましいが、3以上であってもよい。nが大きいほど、プレコートヘッド11とインクヘッド12との距離が離れるため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12のノズルへのミストの付着防止効果が高まる。但し、nが5よりも大きくなると、キャリッジ31が大型化し、またプレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16との間隔調整も難しくなる。そのため、nの値は、2〜5の範囲内であることが望ましい。
図4では、間隔D1は、プレコートヘッド11とインクヘッド12との主走査方向の端部(すなわち+X方向端部)の間隔として示され、間隔D2は、インクヘッド12〜16の主走査方向の端部(すなわち+X方向の端部)同士の間隔として示されている。しかしながら、間隔D1,D2は、ノズル列の主走査方向の位置によって規定することが望ましい。
図5は、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16のノズル列の例を示す図である。間隔D1は、プレコートヘッド11の第1ノズル列11Aとインクヘッド12の第1ノズル列12Aとの間隔であり、また、プレコートヘッド11の第2ノズル列11Bとインクヘッド12の第2ノズル列12Bとの間隔でもある。言い換えると、間隔D1は、プレコートヘッド11およびインクヘッド12の互いに対応するノズル列の間隔である。
同様に、間隔D2は、第1ノズル列12A,13A,14A,15A,16Aの間隔であり、また、第2ノズル列12B,13B,14B,15B,16Bの間隔でもある。言い換えると、間隔D2は、インクヘッド12〜16の互いに対応するノズル列の間隔である。
第1ノズル列11A,12A,13A,14A,15A,16Aは同一位相の駆動パルスによって吐出制御され、第2ノズル列11B,12B,13B,14B,15B,16Bは(第1ノズル列とは位相の異なる)同一位相の駆動パルスによって吐出制御される。そのため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12の対応するノズル列の間隔D1がインクヘッド12〜16の対応するノズル列の間隔D2のn倍であれば、吐出タイミングの制御が容易になる。
図4に戻り、キャリッジ31には、プレコートヘッド11に副走査方向に当接する当接部(基準部)71と、プレコートヘッド11を当接部71に押し当てる付勢部72とが設けられている。当接部71は、キャリッジ31に固定された金属製のピン等で構成される。付勢部72は、キャリッジ31に取り付けられたバネ等で構成される。これら当接部71および付勢部72は、プレコートヘッド11を副走査方向に位置決めする第1の位置決め機構を構成する。
同様に、キャリッジ31には、インクヘッド12〜16にそれぞれ副走査方向に当接する当接部(基準部)71と、インクヘッド12〜16をそれぞれ当接部71に押し当てる付勢部72とが設けられている。当接部71は、キャリッジ31に固定された金属製のピン等で構成される。付勢部72は、キャリッジ31に取り付けられたバネ等で構成される。これら当接部71および付勢部72は、インクヘッド12〜16を副走査方向にそれぞれ位置決めする第2の位置決め機構を構成する。
ここでは、当接部71は、キャリッジ31において媒体搬送方向の上流側(−Y方向)に配置されており、付勢部72は、各ヘッドを媒体搬送方向の上流側(−Y方向)に向けて付勢する。但し、当接部71および付勢部72の配置は、このような配置に限定されるものではない。例えば、副走査方向における当接部71と付勢部72との位置関係が逆であってもよい。また、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16を同様に位置調整する機構を設けてもよい。このようにすれば、全てのヘッドを同様に調整することができるため、各ヘッドの位置調整作業が容易になる。
また、プレコートヘッド11の当接部71および付勢部72の位置関係を、インクヘッド12〜16の当接部71および付勢部72の位置関係と逆にしてもよい。例えば、プレコートヘッド11のみ、当接部71を媒体搬送方向の下流側(+Y方向)に配置し、付勢部72を媒体搬送方向の上流側(−Y方向)に配置してもよい。このようにすれば、各ヘッドの当接部71がキャリッジ31の中央に配置され、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の位置決めの基準である当接部71がノズルのオーバーラップ領域Rに近くなるため、より高い精度での位置決めが可能になる。
また、付勢部72によりプレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16を当接部71に押し当てた状態で、ネジ等の固定部材によって各ヘッドをキャリッジ31に固定してもよい。なお、操作者は、上述した透明カバー56(図1)を開くことでキャリッジ31に触れることができるが、キャリッジ31の媒体搬送方向上流側(−Y方向)にはレール32および無端ベルト33の構成要素が配置されているため、固定部材を設ける場合には、キャリッジ31の媒体搬送方向下流側(+Y方向)に設けることが望ましい。
ここでは、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の副走査方向の位置決め機構(当接部71および付勢部72)について説明したが、さらに主走査方向の位置決め機構を設けてもよい。
図6は、記録ヘッド部10に主走査方向の位置決め機構を設けた例を示す図である。図6では、主走査方向を矢印Sで示し、媒体搬送方向を矢印Fで示す。キャリッジ31には、プレコートヘッド11に主走査方向に当接する当接部(基準部)75と、プレコートヘッド11を当接部75に押し当てる付勢部76とが設けられている。当接部75は、キャリッジ31に固定された金属製のピン等で構成され、プレコートヘッド11の副走査方向の両端に配置されている。付勢部72は、キャリッジ31に取り付けられたバネ等で構成され、プレコートヘッド11の副走査方向の中央に配置されている。これら当接部75および付勢部76は、プレコートヘッド11を主走査方向に位置決めする第3の位置決め機構を構成する。
同様に、キャリッジ31には、インクヘッド12〜16にそれぞれ主走査方向に当接する当接部(基準部)75と、インクヘッド12〜16をそれぞれ当接部75に押し当てる付勢部76とが設けられている。当接部75は、キャリッジ31に固定された金属製のピン等で構成され、インクヘッド12〜16の副走査方向の両端に配置されている。付勢部76は、キャリッジ31に取り付けられたバネ等で構成され、インクヘッド12〜16の副走査方向の中央に配置されている。これら当接部75および付勢部76は、インクヘッド12〜16をそれぞれ主走査方向に位置決めする第4の位置決め機構を構成する。
当接部75をプレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の副走査方向の両端に配置することにより、各ヘッドの平行度を高めることができる。また、当接部75の配置によって、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の間隔D1,D2を調整することができる。
なお、当接部75および付勢部76の配置は、このような配置に限定されるものではない。例えば、主走査方向における当接部75と付勢部76との位置関係が逆であってもよい。
また、記録ヘッド部10は、ここでは1つのプレコートヘッド11を有しているが、複数のプレコートヘッド11を有していてもよい。図7は、記録ヘッド部10に2つのプレコートヘッド11を設けた例を示す図である。図7では、主走査方向を矢印Sで示し、媒体搬送方向を矢印Fで示す。2つ目のプレコートヘッド(プレコートヘッド11Cとする)は、上述したプレコートヘッド11と同様の構成を有し、主走査方向においてプレコートヘッド11に対してインクヘッド12〜16とは反対側に配置されている。
2つのプレコートヘッド11,11Cの間隔は、間隔D2(すなわちインクヘッド12〜16の間隔と同様)である。これにより、吐出タイミングの制御が容易になる。2つのプレコートヘッド11,11Cを設けることにより、より多くのプレコート液を記録媒体Pに付着することができる。なお、3つ以上のプレコートヘッド11を設けてもよい。
また、上記の図4〜7では、プレコートヘッド11がインクヘッド12〜16の+X方向に配置されているが、プレコートヘッド11がインクヘッド12〜16の−X方向に配置されていてもよい。
<ノズルの位置調整>
次に、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16のノズルの位置調整について説明する。図8は、プレコートヘッド11のノズルとインクヘッド12のノズルとの関係を示す図である。この例では、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16は、いずれもY方向に1024個のノズルを有している。各ヘッドのノズルを、媒体搬送方向の上流側から下流側にかけて、No.1、No.2・・・No.1024と称する。
プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16は、それぞれの取り付け誤差により、キャリッジ31上でのY方向位置がずれる可能性がある。そこで、プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16とは、Y方向の一部の領域(オーバーラップ領域R)が互いにオーバーラップするようにして、キャリッジ31に取り付けられる。
プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16とのオーバーラップ量は、各ヘッドの取り付け誤差を考慮して決定され、例えば8ノズル分である。そのため、例えば、プレコートヘッド11のNo.1017〜No.1024のノズルと、インクヘッド12のNo.1〜No.8のノズルとがオーバーラップする。
図9は、ノズル位置の調整方法を説明するための図である。プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16をキャリッジ31に取り付けた状態で、各ヘッドのオーバーラップ領域Rに含まれるノズルからプレコート液およびインクを吐出して、記録媒体P上に主走査方向のラインを記録する。
そして、インクヘッド12の予め定められた基準ノズル(例えば、No.3のノズル)に対して、最もプレコート液の着弾位置(記録媒体P上に形成したラインの位置)が近いプレコートヘッド11のノズルを選択し、これを記録時の後端ノズルとする。また、インクヘッド12の基準ノズルは、記録時の先端ノズルとする。
図9に示した例では、矢印Aで示すように、インクヘッド12の基準ノズルであるNo.3のノズルの着弾位置には、プレコートヘッド11のNo.1022のノズルの着弾位置が最も近い。この場合には、プレコートヘッド11のNo.1022のノズルを、記録時の後端ノズルとして設定する。インクヘッド12のNo.3のノズルは、先端ノズルとして設定する。
また、プレコートヘッド11の後端ノズルよりも後端側のノズル(図9では、No.1023およびNo.1024のノズル)は、記録に使用されない捨てノズルとなる。インクヘッド12の先端ノズルよりも先端側のノズル(図9では、No.1およびNo.2のノズル)も、記録に使用されない捨てノズルとなる。
プレコートヘッド11およびインクヘッド12には、副走査方向の位置ずれを考慮し、いずれも16個の捨てノズルが設定される。そのため、プレコートヘッド11の後端側の2つのノズル(No.1023〜No.1024)が捨てノズルとなる場合には、さらに、先端側のNo.1〜No.14のノズルが捨てノズルとなる。同様に、インクヘッド12の先端側の2つのノズル(No.1〜No.2)が捨てノズルとなる場合には、さらに、後端側のNo.1011〜No.1024のノズルが捨てノズルとなる。
従って、図9の例では、プレコートヘッド11のNo.15〜No.1022のノズルが記録に使用され、インクヘッド12のNo.3〜No.1010のノズルが記録に使用される。
また、インクヘッド13〜16については、インクヘッド12の基準ノズルであるNo.3のノズルの着弾位置に対して最も着弾位置の近いノズルが、それぞれ先端ノズルとして設定される。また、インクヘッド13〜16においても、それぞれ16個の捨てノズルが設定される。
このように、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16のオーバーラップ領域Rに含まれる各ノズルでラインを記録し、インクヘッド12の基準ノズルに対して最も着弾位置が近いノズルを選択することにより、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の各ノズルの副走査方向の位置ずれを最小限に抑えることができる。
なお、ここではインクヘッド12のNo.3のノズルを基準ノズルとしたが、基準ノズルはオーバーラップ領域Rに含まれるノズルであればよい。また、プレコートヘッド11またはインクヘッド13〜16のノズルのいずれを基準ノズルとしてもよい。但し、調整を容易にし、また調整精度を高めるためには、基準ノズルを有するヘッドは他のヘッドからの距離が近いことが望ましいため、主走査方向の端部以外のヘッド(例えばインクヘッド12〜15)であることが望ましい。
また、オーバーラップ領域Rに含まれる各ヘッドのノズル数、および捨てノズルの数は、適宜変更することができる。
図10は、プレコートヘッド11およびインクヘッド12の各ノズルからの吐出率(吐出頻度)の分布を示す図である。図10のグラフの横軸は、ノズルからの吐出率を示し、図中右側ほど吐出率が高い。縦軸は、プレコートヘッド11およびインクヘッド12の各ノズルの主走査方向の位置を示す。
プレコートヘッド11の記録に使用するノズルを符号111で示し、先端ノズルを符号114で示し、後端ノズルを符号115で示す。また、先端側の捨てノズルを符号112で示し、後端側の捨てノズルを符号113で示す。また、インクヘッド12の記録に使用するノズルを符号121で示し、先端ノズルを符号124で示し、後端ノズルを符号125で示す。また、先端側の捨てノズルを符号122で示し、後端側の捨てノズルを符号123で示す。
プレコートヘッド11は、符号R1で示すように、主走査方向の中央域ではノズルの吐出率が高く一定であるが、先端ノズル114および後端ノズル115に近づくにつれてノズルの吐出率が低下する。同様に、インクヘッド12は、符号R2で示すように、主走査方向の中央域ではノズルの吐出率が高く一定であるが、先端ノズル124および後端ノズル125に近づくにつれてノズルの吐出率が低下する。
プレコートヘッド11の後端ノズル115と、インクヘッド12の先端ノズル124とは、同一走査で同一ラインを記録する。ここでは、プレコートヘッド11の後端ノズル115およびインクヘッド12の先端ノズル124の吐出率が低いため、未乾燥のプレコート液にインクが混じることによる画質の低下を抑制することができる。
図10に示した例は、プレコートヘッド11およびインクヘッド12のノズルを副走査方向に複数のブロックに分け、各ブロックによりマルチパス記録を行う場合の各ノズルの吐出率の例である。また、副走査方向において液を吐出するノズル同士が近い領域では、互いの液の吐出量を少なくしている。これにより、同一走査中にノズルから吐出した液またはミストが相手側のノズルに付着することを低減できる。
なお、図10には、プレコートヘッド11およびインクヘッド12の各ノズルの吐出率を示したが、インクヘッド13〜16の各ノズルの吐出率も、インクヘッド12の各ノズルの吐出率と同様に設定される。
図11は、プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16がいずれも3列のノズル列を有する構成例を示す図である。簡単のため、プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16の各列のノズル数を、8個とする。また、図11では、インクヘッド15,16を省略している。
プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜14は、いずれも、3列のノズル列L1,L2,L3を有する。ノズル列L1,L2,L3のそれぞれにおけるノズルの配列ピッチをPとすると、ノズル列L2のノズルはノズル列L1のノズルに対して媒体搬送方向(+Y方向)にP/3だけシフトして配置され、ノズル列L3のノズルはノズル列L2のノズルに対して媒体搬送方向にP/3だけシフトして配置されている。
このようにノズル列L1〜L3の各ノズルを、媒体搬送方向の位置をずらして配置することにより、ノズルの加工限界を超えた狭いノズル間隔を得ることができる。
プレコートヘッド11とインクヘッド12との互いに対応するノズル列(例えばノズル列L3)の間隔D1は、インクヘッド12〜14の互いに対応するノズル列(例えばノズル列L3)の間隔D2のn倍(nは2以上の整数)である。
プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜14の各ノズルの吐出タイミングは、ノズル列L1,L2,L3毎に同一位相の駆動パルスにより制御される。そのため、ノズル列L1,L2,L3のそれぞれについてD1=n×D2が成立すれば、吐出タイミングの制御が容易である。
上記の通り、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜14のキャリッジ31への取り付け位置は、副走査方向にばらつく可能性がある。そこで、例えば、インクヘッド12のノズル列L3の第1ノズル(符号201で示す)を基準ノズルに設定する。基準ノズル201は、例えばノズル列L3に含まれる。インクヘッド12のノズルのうち基準ノズル201よりも後端側の所定数のノズルが使用ノズルとなり、基準ノズル201よりも先端側のノズル204は捨てノズルとなる。基準ノズル201を含むノズル列L3以外のノズル列L1,L2において、使用ノズルの先端のノズルを符号202,203で示す。
インクヘッド12の基準ノズル201を通る主走査方向の直線を、ラインNとする。プレコートヘッド11のノズルのうちラインNに最も近いノズルを、後端ノズル101とする。後端ノズル101は、例えばノズル列L2に含まれる。プレコートヘッド11のノズルのうち後端ノズル101よりも先端側(−Y方向)の所定数のノズルが使用ノズルとなり、後端ノズル101よりも後端側(+Y方向)のノズル104は捨てノズルとなる。後端ノズル101を含むノズル列L2以外のノズル列L1,L3において、使用ノズルの後端のノズルを符号102,103で示す。
また、インクヘッド13のノズルのうちラインNに最も近いノズルを、先端ノズル301とする。先端ノズル301は、例えばノズル列L2に含まれる。インクヘッド13のノズルのうち先端ノズル301よりも後端側の所定数のノズルが使用ノズルとなり、先端ノズル301よりも先端側のノズル304は捨てノズルとなる。先端ノズル301を含むノズル列L2以外のノズル列L1,L3において、使用ノズルの先端のノズルを符号302,303で示す。
同様に、インクヘッド14のノズルのうちラインNに最も近いノズルを、先端ノズル401とする。先端ノズル401は、例えばノズル列L1に含まれる。インクヘッド14のノズルのうち先端ノズル401よりも後端側の所定数のノズルが使用ノズルとなり、先端ノズル401よりも先端側のノズル404は、捨てノズルとなる。先端ノズル401を含むノズル列L1以外のノズル列L2,L3において、使用ノズルの先端のノズルを符号402,403で示す。
このように構成することで、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜14の副走査方向の位置がずれた場合であっても、各ヘッドのノズルの吐出位置を正確に合わせることができ、画像品質をさらに向上することができる。
ここでは、上記の通り、プレコートヘッド11およびインクヘッド12の互いに対応するノズル列(例えばノズル列L3)の間隔が、インクヘッド12〜14の互いに対応するノズル列(例えばノズル列L3)の間隔のn倍に設定されている。しかしながら、いずれかのインクヘッドの隣り合うノズル列(例えばノズル列L2,L3)の間隔を基準(基準間隔)としてもよい。
この場合、インクヘッド12〜14の全ノズル列を上記の基準間隔で配列し、プレコートヘッド11とインクヘッド12との隣り合うノズル列の間隔を、基準間隔のn倍(nは2以上の整数)とする。このように1つのインクヘッドで隣り合うノズル列の間隔を基準にすることにより、プレコートヘッド11とインクヘッド12〜14の吐出タイミングの制御がさらに容易になり、また、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜14の配置の自由度が増す。
<制御系>
図12は、インクジェットプリンタ1の制御系を示すブロック図である。インクジェットプリンタ1の動作は、制御装置80によって制御される。制御装置80には、インタフェース81と、操作パネル82と、記憶部(メモリ)83と、リニアスケール84と、各種センサ85と、媒体搬送モータ86と、キャリッジ搬送モータ35と、記録ヘッド部10と、ヒータ45とが接続されている。
インタフェース81は、ホストコンピュータからコマンドおよび印刷データを受信し、また、ホストコンピュータにインク残量等のステータス情報を送信する。操作パネル82は、ユーザによる操作を受け付ける入力部と、インクジェットプリンタ1の状態を表示する表示部とを有する。記憶部83は、プログラム、印刷条件等を記憶するROM,RAM等のメモリである。リニアスケール84は、上述したように、キャリッジ31のX方向位置を検出する位置検出部である。各種センサ85は、媒体搬送方向における記録媒体Pの位置を検出する位置センサ等である。
媒体搬送モータ86は、搬送ローラ21を回転させて記録媒体Pを媒体搬送方向に搬送するモータである。キャリッジ搬送モータ35は、プーリ34を回転させてキャリッジ31を主走査方向に移動させるモータである。記録ヘッド部10は、上記の通りプレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16を含む。ヒータ45は、リアガイド23、プラテン40およびフロントガイド26に内蔵されたヒータである。
<インクジェットプリンタによる記録動作>
次に、インクジェットプリンタ1による記録動作について、図1、図2および図12を参照して説明する。インクジェットプリンタ1は、ホストコンピュータからコマンドおよび印刷データを受信すると、記録動作を開始する。まず、搬送ローラ21が回転し、媒体ホルダ25に保持された記録媒体Pが媒体搬送方向に搬送され、プラテン40を通過する。
記録媒体Pの記録開始位置がプレコートヘッド11の先端ノズルの位置に到達すると、搬送ローラ21が回転を停止し、記録媒体Pがプラテン40の表面に吸着される。この状態で、キャリッジ31が主走査方向に移動し(往路)、プレコートヘッド11がノズルからプレコート液を吐出する。吐出されたプレコート液は、記録媒体P上にドット上に付着する。次に、搬送ローラ21が記録媒体Pを所定量だけ搬送したのち、搬送ローラ21が回転を停止し、記録媒体Pがプラテン40の表面に吸着された状態で、キャリッジ31が主走査方向に移動し(復路)、プレコートヘッド11がノズルからプレコート液を吐出する。
このように、記録媒体Pの搬送と、キャリッジ31の移動と、プレコート液の吐出とを繰り返すことにより、記録媒体P上にプレコート液が塗布される。そして、記録媒体Pの記録開始位置がインクヘッド12〜16の先端ノズルの位置に到達すると、搬送ローラ21が回転を停止し、記録媒体Pがプラテン40の表面に吸着された状態で、キャリッジ31が主走査方向に移動し、インクヘッド12〜16がノズルから各色のインクを吐出する。吐出された各色のインクは、記録媒体P上のプレコート液のドット上に付着する。なお、プレコートヘッド11によるプレコートヘッドの吐出も行われるため、記録媒体P上でインクが付着した領域よりも媒体搬送方向の上流側にプレコート液が付着する。
このように、記録媒体Pの搬送と、キャリッジ31の移動と、プレコート液およびインクヘッドの吐出とを繰り返すことにより、記録媒体P上にプレコート液が塗布され、このプレコート液の塗布面上にインク画像が記録される。インク画像が記録された記録媒体Pは、巻取り部28によって巻き取られる。
この記録動作において、プレコートヘッド11がインクヘッド12〜16よりも媒体搬送方向の上流側に配置されているため、記録媒体P上のプレコート液が乾燥した状態で、プレコート液上にインクを付着させることができる。
未乾燥前のプレコート液上にインクを付着させた場合には、プレコート液とインクとが混合し、あるいはインクがプレコート液上で十分に広がらずに、画像品質を低下させる可能性がある。これに対して、本実施の形態では、プレコート液が乾燥した状態でインクを付着させることができるため、プレコート液とインクとの混合を抑制し、またインクを十分に広げることができ、これにより画像品質を向上することができる。
また、プレコートヘッド11からプレコート液を吐出した後に、ウエイト時間を設けずにインクヘッド12〜16からインクを吐出することができるため、インク画像の記録に要する時間を長くする必要がない。
また、プレコートヘッド11とインクヘッド12との間隔D1が、インクヘッド12〜16の間隔D2よりも大きいため、プレコートヘッド11で発生したミストがインクヘッド12のノズルに付着することを防止し、また、インクヘッド12で発生したミストがプレコートヘッド11のノズルに付着することを防止できる。これにより、プレコートヘッド11およびインクヘッド12のノズル詰まりを防止することができる。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態のインクジェットプリンタ1は、インクヘッド12〜16と、プレコートヘッド11と、これらを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジ31と、記録媒体Pを搬送する搬送機構20とを備える。プレコートヘッド11は、媒体搬送方向においてインクヘッド12〜16よりも上流側に配置され、プレコートヘッド11とインクヘッド12との間隔D1は、インクヘッド12〜16の間隔D2よりも大きい。そのため、記録媒体P上のプレコート液を乾燥させた状態で、プレコート液上にインクを付着させることができ、画像品質を向上することができる。また、プレコートヘッド11およびインクヘッド12で発生したミストが互いのノズル付着することを防止することができ、ノズルの詰まりを防止することができる。
また、プレコートヘッド11とインクヘッド12との間隔D1と、インクヘッド12〜16の間隔D2とが、D1=n×D2(nは2以上の整数)の関係にあるため、プレコートヘッド11からの吐出タイミングとインクヘッド12〜16からの吐出タイミングの制御が容易になる。また、上記nの値が2〜5の範囲内であるため、記録ヘッド部10のサイズを大きくする必要がない。
また、プレコートヘッド11とインクヘッド12〜16とが媒体搬送方向において互いにオーバーラップしているため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の媒体搬送方向におけるノズル位置の調整が可能になる。
すなわち、インクヘッド12〜16のうちの所定のインクヘッド(例えばインクヘッド12)のオーバーラップ領域Rに含まれるノズルの一つ(例えば図9のNo.3のノズル)が基準ノズルとして設定され、基準ノズルから媒体搬送方向の下流側の所定数のノズル(例えば図9のNo.1010のノズル)までが記録に使用される。また、他のインクヘッド13〜16において、基準ノズルに媒体搬送方向に最も近いノズルから媒体搬送方向の下流側の所定数のノズルまでが記録に使用される。また、プレコートヘッド11において、基準ノズルに媒体搬送方向に最も近いノズル(例えば図9のNo.1022のノズル)から媒体搬送方向の上流側の所定数のノズル(例えば図9のNo.15のノズル)までが記録に使用される。そのため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の媒体搬送方向における位置ずれがあっても、高精細な画像を記録することができる。
また、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16がいずれも複数のノズル列を有し、間隔D2がインクヘッド12〜16の互いに対応するノズル列(例えばノズル列L3)の間隔であり、間隔D1がプレコートヘッド11およびインクヘッド12の互いに対応するノズル列(例えばノズル列L3)の間隔であるため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16からの吐出タイミングの制御が容易になる。
また、キャリッジ31が、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16を媒体搬送方向に位置決めする位置決め機構(当接部71および付勢部72)を有するため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の媒体搬送方向の位置ずれを低減し、画像品質を向上することができる。
また、キャリッジ31が、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16を主走査方向に位置決めする位置決め機構(当接部75および付勢部76)を有するため、プレコートヘッド11およびインクヘッド12〜16の主走査方向の位置ずれを低減し、画像品質を向上することができる。
また、プレコートヘッド11に対してインクヘッド12〜16とは反対側に、さらに少なくとも1つのプレコートヘッド11Cを設けることにより、より多くのプレコート液を記録媒体Pに付着することができる。
本発明は、インクを用いて媒体に画像を形成するインクジェットプリンタに利用することができる。
1 インクジェットプリンタ、 10 記録ヘッド部、 11,11C プレコートヘッド、 11A、12A,13A,14A,15A,16A 第1ノズル列、 11B、12B,13B,14B,15B,16B 第2ノズル列、 12,13,14,15,16 インクヘッド、 20 搬送機構、 21 搬送ローラ、 22 ピンチローラ、 23 リアガイド、 24 レバー、 25 媒体ホルダ、 26 フロントガイド、 28 巻取り部、 31 キャリッジ、 32 レール(案内部材)、 33 無端ベルト、 34 プーリ、 35 キャリッジ搬送モータ、 36 ホルダ、 40 プラテン、 41 吸着孔、 50 フレーム、 71 当接部、 72 付勢部、 75 当接部、 76 付勢部、 80 制御装置、 86 媒体搬送モータ。

Claims (12)

  1. 主走査方向に配列され、ノズルからインクを吐出する複数のインクヘッドと、
    前記複数のインクヘッドから前記主走査方向に離間して配置され、ノズルからプレコート液を吐出するプレコートヘッドと、
    前記プレコートヘッドおよび前記インクヘッドを搭載して前記主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    記録媒体を前記主走査方向に直交する搬送方向に搬送する搬送機構と
    を備え、
    前記プレコートヘッドの前記搬送方向の上流側の端部は、前記複数のインクヘッドの前記搬送方向の上流側の端部よりも、前記搬送方向の上流側に配置され、
    前記プレコートヘッドと、前記複数のインクヘッドのうち最端に配置されたインクヘッドとの互いに対応するノズル同士の前記主走査方向の間隔をD1とし、
    前記複数のインクヘッドのうち隣り合うインクヘッドの互いに対応するノズル同士の前記主走査方向の間隔をD2とすると、
    前記間隔D1は間隔D2よりも大きいこと
    を特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記間隔D1は、前記間隔D2の2以上の整数倍であること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記間隔D1は、前記間隔D2の2倍以上、5倍以下であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記プレコートヘッドと前記複数のインクヘッドとが前記搬送方向において互いにオーバーラップするオーバーラップ領域が設けられていること
    を特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記複数のインクヘッドのうちの所定のインクヘッドにおいて、前記オーバーラップ領域に含まれるノズルの一つが基準ノズルとして設定され、前記基準ノズルから前記搬送方向の下流側の所定数のノズルまでが記録に使用され、
    前記複数のインクヘッドのうちの前記所定のインクヘッドを除く他のインクヘッドにおいて、前記基準ノズルに前記搬送方向に最も近いノズルから前記搬送方向の下流側の所定数のノズルまでが記録に使用され、
    前記プレコートヘッドにおいて、前記基準ノズルに前記搬送方向に最も近いノズルから前記搬送方向の上流側の所定数のノズルまでが記録に使用されること
    を特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記複数のインクヘッドは、いずれも、複数のノズル列を有し、
    前記プレコートヘッドは、各インクヘッドのノズル列と同数の複数のノズル列を有し、
    前記間隔D2は、前記複数のインクヘッドの互いに対応するノズル列の間隔であり、
    前記間隔D1は、前記プレコートヘッドの1つのノズル列と、前記最端に配置されたインクヘッドの対応するノズル列との間隔であること
    を特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記キャリッジは、
    前記プレコートヘッドを前記搬送方向に位置決めする第1の位置決め機構と、
    前記複数のインクヘッドをそれぞれ前記搬送方向に位置決めする第2の位置決め機構とを有すること
    を特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記第1の位置決め機構は、前記プレコートヘッドに当接する当接部と、前記プレコートヘッドを前記搬送方向に付勢して前記当接部に押し当てる付勢部とを有し、
    前記第2の位置決め機構は、前記複数のインクヘッドのそれぞれに当接する当接部と、各インクヘッドを前記搬送方向に付勢して前記当接部に押し当てる付勢部とを有すること
    を特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記キャリッジは、
    前記プレコートヘッドを前記主走査方向に位置決めする第3の位置決め機構と、
    前記複数のインクヘッドをそれぞれ前記主走査方向に位置決めする第4の位置決め機構とを有すること
    を特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記第3の位置決め機構は、前記プレコートヘッドに当接する当接部と、前記プレコートヘッドを前記主走査方向に付勢して前記当接部に押し当てる付勢部とを有し、
    前記第4の位置決め機構は、前記複数のインクヘッドのそれぞれに当接する当接部と、各インクヘッドを前記主走査方向に付勢して前記当接部に押し当てる付勢部とを有すること
    を特徴とする請求項9に記載のインクジェットプリンタ。
  11. 前記プレコートヘッドに対して前記複数のインクヘッドとは反対側に、さらに少なくとも1つのプレコートヘッドを有すること
    を特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  12. 前記キャリッジに対して前記搬送方向の上流側に、前記キャリッジを前記主走査方向に移動可能に案内する案内部材が備えられていること
    を特徴とする請求項1から11までの何れか1項に記載のインクジェットプリンタ。
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