JP2020102631A - 発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 - Google Patents

発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】色純度を向上させた有機金属錯体を用いた発光効率の高い発光素子を提供する。【解決手段】発光層に、有機金属錯体G1と、励起錯体を形成する第1の有機化合物と第2の有機化合物との組み合わせを用いる発光素子。【選択図】なし

Description

本発明の一態様は、有機金属錯体に関する。特に、三重項励起状態を発光に変換できる
有機金属錯体に関する。また、有機金属錯体を用いた発光素子、発光装置、電子機器、及
び照明装置に関する。
有機化合物は、光を吸収することで励起状態となる。そして、この励起状態を経由する
ことにより、種々の反応(光化学反応)を起こす場合や発光(ルミネッセンス)を生じる
場合があり、様々な応用がなされている。
光化学反応の一例として、一重項酸素の不飽和有機分子との反応(酸素付加)がある。
酸素分子は基底状態が三重項状態であるため、一重項状態の酸素(一重項酸素)は直接の
光励起では生成しない。しかしながら、他の三重項励起分子の存在下においては一重項酸
素が生成し、酸素付加反応に至ることができる。この時、三重項励起分子を形成できる化
合物は、光増感剤と呼ばれる。
このように、一重項酸素を生成するためには、三重項励起分子を光励起により形成でき
る光増感剤が必要である。しかしながら、通常の有機化合物は基底状態が一重項状態であ
るため、三重項励起状態への光励起は禁制遷移となり、三重項励起分子は生じにくい。し
たがって、このような光増感剤としては、一重項励起状態から三重項励起状態への項間交
差を起こしやすい化合物(あるいは、直接三重項励起状態へ光励起されるという禁制遷移
を許容する化合物)が求められている。言い換えれば、そのような化合物は光増感剤とし
ての利用が可能であり、有益と言える。
また、そのような化合物は、しばしば燐光を放出することがある。燐光とは多重度の異
なるエネルギー間の遷移によって生じる発光のことであり、通常の有機化合物では三重項
励起状態から一重項基底状態へ戻る際に生じる発光のことをさす(これに対し、一重項励
起状態から一重項基底状態へ戻る際の発光は、蛍光と呼ばれる)。燐光を放出できる化合
物、すなわち三重項励起状態を発光に変換できる化合物(以下、燐光性化合物と称す)の
応用分野としては、有機化合物を発光物質とする発光素子が挙げられる。
この発光素子の構成は、電極間に発光物質である有機化合物を含む発光層を設けただけ
の単純な構造であり、薄型軽量・高速応答性・直流低電圧駆動などの特性から、次世代の
フラットパネルディスプレイ素子として注目されている。また、この発光素子を用いたデ
ィスプレイは、コントラストや画質に優れ、視野角が広いという特徴も有している。
有機化合物を発光物質とする発光素子の発光機構は、キャリア注入型である。すなわち
、電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、電極から注入された電子およびホ
ールが再結合して発光物質が励起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光す
る。そして、励起状態の種類としては、先に述べた光励起の場合と同様、一重項励起状態
(S)と三重項励起状態(T)が可能である。また、発光素子におけるその統計的な
生成比率は、S:T=1:3であると考えられている。
一重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、蛍光性化合物と称す)は室温において
、三重項励起状態からの発光(燐光)は観測されず、一重項励起状態からの発光(蛍光)
のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子における内部量子効率(
注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S:T=1:
3であることを根拠に25%とされている。
一方、上述した燐光性化合物を用いれば、内部量子効率は75〜100%にまで理論上
は可能となる。つまり、蛍光性化合物に比べて3〜4倍の発光効率が可能となる。このよ
うな理由から、高効率な発光素子を実現するために、燐光性化合物を用いた発光素子の開
発が近年盛んに行われている。特に、燐光性化合物としては、その燐光量子収率の高さゆ
えに、イリジウム等を中心金属とする有機金属錯体が注目されている(例えば、特許文献
1、特許文献2、特許文献3参照。)。
特開2007−137872号公報 特開2008−069221号公報 国際公開第2008/035664号
上述した特許文献1乃至特許文献3において報告されているように、様々な発光色を示
す燐光材料の開発が進んでいるが、色純度の良い赤色材料の報告が少ないのが現状である
そこで、本発明の一態様では、新たな骨格を有する新規物質として、発光効率が良く、
また発光スペクトルの半値幅が狭くなることにより色純度を向上させた有機金属錯体を提
供する。また、昇華性に優れた新たな有機金属錯体を提供する。さらに、昇華精製収率の
高い新たな有機金属錯体を提供することができる。また、発光効率の高い発光素子、発光
装置、電子機器、または照明装置を提供する。
本発明の一態様は、配位原子の窒素を含め窒素を2以上含む6員環の複素芳香環とβ−
ジケトンを配位子とする有機金属錯体である。従って、本発明の構成は、下記一般式(G
1)で表される構造を含む有機金属錯体である。
但し、式中、R〜Rのうち少なくとも一つは、置換もしくは無置換の炭素数1〜4
のアルキル基を表し、それ以外は、それぞれ水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜
4のアルキル基を表す。なお、R〜Rの全てが炭素数1のアルキル基である場合を除
く。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜
6のアルキル基を表す。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G2)で表される構造を含む有機金属錯体
である。
但し、式中、RおよびRのいずれか一方は、置換もしくは無置換の炭素数1〜4の
アルキル基を表し、他方は、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基
を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数
1〜6のアルキル基を表す。
上記一般式(G1)および(G2)において、イリジウムと結合しているベンゼン環に
2つのメチル基が置換していることにより、イリジウムと結合しているベンゼン環におけ
る二面角を大きくすることができる。後述するように、二面角を大きくすることにより、
有機金属錯体の発光スペクトルの第二ピークの減少が理論的に可能となり、半値幅を狭く
することができる。また、上記一般式(G1)において、β−ジケトンのカルボニル炭素
に結合する隣の炭素が第2級炭素原子を含む構造であると、昇華精製の際に用いる石英管
に得られた有機金属錯体が密着しにくくなるため、昇華精製の収率が良くなるという特徴
がある。したがってより好ましい形態は一般式(G2)で表される構造を含む有機金属錯
体である。
また、本発明の別の一態様は、下記構造式(100)で表される有機金属錯体である。
また、本発明の別の一態様は、下記構造式(101)で表される有機金属錯体である。
また、本発明の別の一態様は、下記構造式(102)で表される有機金属錯体である。
また、本発明の別の一態様は、下記構造式(103)で表される有機金属錯体である。
また、本発明の一態様である有機金属錯体は燐光を発光することができる。すなわち三
重項励起状態からの発光を得られ、かつ強度の高い燐光発光を呈することが可能であるた
め、発光素子に適用することにより高効率化が可能となり、非常に有効である。したがっ
て本発明の一態様は、上述した本発明の一態様である有機金属錯体を用いた発光素子も含
むものとする。
また、本発明の一態様は、発光素子を有する発光装置だけでなく、発光装置を有する電
子機器および照明装置も範疇に含めるものである。従って、本明細書中における発光装置
とは、画像表示デバイス、または光源(照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネク
ター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはT
CP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TC
Pの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip
On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光
装置に含むものとする。
本発明の一態様は、新たな骨格を有する新規物質として、発光効率が良く、また発光ス
ペクトルの半値幅が狭くなることにより色純度を向上させた有機金属錯体を提供すること
ができる。また、昇華性に優れた新たな有機金属錯体を提供することができる。さらに、
昇華精製収率の高い新たな有機金属錯体を提供することができる。なお、新たな有機金属
錯体を用いることにより、発光効率の高い発光素子、発光装置、電子機器、または照明装
置を提供することができる。また、消費電力が低い発光素子、発光装置、電子機器、また
は照明装置を提供することができる。
発光素子の構造について説明する図。 発光素子の構造について説明する図。 発光素子の構造について説明する図。 発光装置について説明する図。 発光装置について説明する図。 電子機器について説明する図。 電子機器について説明する図。 照明器具について説明する図。 構造式(100)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(100)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(100)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 構造式(101)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(101)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(101)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 構造式(102)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(102)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(102)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 構造式(103)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(103)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(103)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 発光素子について説明する図。 発光素子1の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子1の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子1の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子1の電圧−電流特性を示す図。 発光素子1と比較発光素子の発光スペクトルを示す図。 発光素子1の信頼性を示す図。 構造式(113)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(113)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(113)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 構造式(114)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(114)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(114)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 構造式(116)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(116)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(117)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(117)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(118)に示す有機金属錯体のH−NMRチャート。 構造式(118)に示す有機金属錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(118)に示す有機金属錯体のLC−MS測定結果を示す図。 発光素子2乃至4の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子2乃至4の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子2乃至4の電圧−電流特性を示す図。 発光素子2乃至4の発光スペクトルを示す図。 発光素子2乃至4の信頼性を示す図。 [Ir(ppr)(acac)](略称)と[Ir(dmppr)(acac)](略称)の燐光スペクトルを示す図。 [Ir(ppr)(acac)](略称)と[Ir(dmppr)(acac)](略称)のベンゼン環の二面角における比較結果を示す図。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下
の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細
を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態および実
施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体について説明する。
本発明の一態様である有機金属錯体は、配位原子の窒素を含め窒素を2以上含む6員環
の複素芳香環とβ−ジケトンを配位子とする有機金属錯体である。なお、本実施の形態で
説明する配位原子の窒素を含め窒素を2以上含む6員環の複素芳香環とβ−ジケトンを配
位子とする有機金属錯体の一態様は、下記一般式(G1)で表される構造を含む有機金属
錯体である。
一般式(G1)において、R〜Rのうち少なくとも一つは、置換もしくは無置換の
炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ以外は、それぞれ水素、又は置換もしくは無置換
の炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、R〜Rの全てが炭素数1のアルキル基で
ある場合を除く。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置換
の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
なお、R〜Rにおける置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基の具体例と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
本発明の一態様である有機金属錯体は、配位原子の窒素を含め窒素を2以上含む6員環
の複素芳香環とβ−ジケトンを配位子とする有機金属錯体である。なお、本実施の形態で
説明する配位原子の窒素を含め窒素を2以上含む6員環の複素芳香環とβ−ジケトンを配
位子とする有機金属錯体の一態様は、下記一般式(G2)で表される構造を含む有機金属
錯体である。
一般式(G2)において、RおよびRのいずれか一方は、置換もしくは無置換の炭
素数1〜4のアルキル基を表し、他方は、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜4
のアルキル基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無
置換の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
なお、RおよびRにおける置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基の具体
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブ
チル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
なお、本発明の一態様である有機金属錯体は、置換もしくは無置換である、配位原子の
窒素を含め窒素を2以上含む6員環の複素芳香環と結合し、かつ金属イリジウムに結合す
るフェニル基は置換もしくは無置換の炭素数1〜6の2つのアルキル基が、イリジウムと
結合したフェニル基に対して2位と4位で置換している構造とすることにより、得られる
発光スペクトルの半値幅が狭くなるため、色純度を向上させることができるという利点を
有している。また、配位子がβ−ジケトン構造を有することで、有機金属錯体の有機溶媒
への溶解性が高まり、精製が容易となるため好ましい。また、β−ジケトン構造を有する
ことで、発光効率の高い有機金属錯体を得ることができるため好ましい。さらに、β−ジ
ケトン構造を有することで昇華性が高まり、蒸着性能に優れるという利点がある。
次に、上述した本発明の一態様である有機金属錯体の具体的な構造式を示す。(下記構
造式(100)〜(118)。)ただし、本発明はこれらに限定されることはない。
なお、上記構造式(100)〜(118)で表される有機金属錯体は、燐光を発光する
ことが可能な新規物質である。なお、これらの物質は、配位子の種類によっては幾何異性
体と立体異性体が存在しうるが、本発明の一態様である有機金属錯体にはこれらの異性体
も全て含まれる。
次に、上記一般式(G1)で表される構造を含む有機金属錯体の合成方法の一例につい
て説明する。
≪一般式(G1)で表される本発明の一態様の有機金属錯体の合成方法≫
下記一般式(G1)で表される本発明の一態様である有機金属錯体合成方法の一例につ
いて説明する。
なお、一般式(G1)において、R〜Rのうち少なくとも一つは、置換もしくは無
置換の炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ以外は、それぞれ水素、置換もしくは無置
換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、R〜Rの全てが炭素数1のアルキル基
である場合を除く。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置
換の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
以下に、一般式(G1)で表される本発明の一態様である有機金属錯体の合成スキーム
(A)を示す。
なお、合成スキーム(A)において、R〜Rのうち少なくとも一つは、置換もしく
は無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ以外は、それぞれ水素、置換もしくは
無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、R〜Rの全てが炭素数1のアルキ
ル基である場合を除く。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは
無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
上記合成スキーム(A)に示すように、ハロゲンで架橋された構造を有する有機金属錯
体の一種である複核錯体(P)と、β−ジケトン誘導体とを、無溶媒、またはアルコール
系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
タノールなど)単独、あるいはアルコール系溶媒1種類以上と水との混合溶媒を用いて、
不活性ガス雰囲気にて反応させることにより、β−ジケトン誘導体のプロトンが脱離して
モノアニオンのβ−ジケトン誘導体が中心金属イリジウムに配位し、一般式(G1)で表
される本発明の一態様である有機金属錯体が得られる。
また、加熱手段として特に限定はなく、オイルバス、サンドバス、又はアルミブロック
を用いてもよい。また、マイクロ波を加熱手段として用いることも可能である。
以上、本発明の一態様である有機金属錯体の合成方法の一例について説明したが、本発
明はこれに限定されることはなく、他のどのような合成方法によって合成されても良い。
なお、上述した本発明の一態様である有機金属錯体は、燐光を発光することが可能であ
るため、発光材料や発光素子の発光物質として利用できる。
また、本発明の一態様である有機金属錯体を用いることで、発光効率の高い発光素子、
発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。また、消費電力が低い発
光素子、発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いるこ
とができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様として実施の形態1で示した有機金属錯体を発光層
に用いた発光素子について図1を用いて説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図1に示すように一対の電極(第1の電極(陽極)1
01と第2の電極(陰極)103)間に発光層113を含むEL層102が挟まれており
、EL層102は、発光層113の他に、正孔(または、ホール)注入層111、正孔(
または、ホール)輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115、電荷発生層(E
)116などを含んで形成される。
このような発光素子に対して電圧を印加することにより、第1の電極101側から注入
された正孔と第2の電極103側から注入された電子とが、発光層113において再結合
し、有機金属錯体を励起状態にする。そして、励起状態の有機金属錯体が基底状態に戻る
際に発光する。このように、本発明の一態様において有機金属錯体は、発光素子における
発光物質として機能する。
なお、EL層102における正孔注入層111は、正孔輸送性の高い物質とアクセプタ
ー性物質を含む層であり、アクセプター性物質によって正孔輸送性の高い物質から電子が
引き抜かれることにより正孔(ホール)が発生する。従って、正孔注入層111から正孔
輸送層112を介して発光層113に正孔が注入される。
また、電荷発生層(E)116は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む
層である。アクセプター性物質によって正孔輸送性の高い物質から電子が引き抜かれるた
め、引き抜かれた電子が、電子注入性を有する電子注入層115から電子輸送層114を
介して発光層113に注入される。
以下に本実施の形態に示す発光素子を作製する上での具体例について説明する。
第1の電極(陽極)101および第2の電極(陰極)103には、金属、合金、電気伝
導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、酸化インジ
ウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素
を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zi
nc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、金(A
u)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブ
デン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタ
ン(Ti)の他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(L
i)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびカルシウム(Ca)、ストロンチウム
(Sr)等のアルカリ土類金属、マグネシウム(Mg)、およびこれらを含む合金(Mg
Ag、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およ
びこれらを含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。なお、第1の電極(陽
極)101および第2の電極(陰極)103は、例えばスパッタリング法や蒸着法(真空
蒸着法を含む)等により形成することができる。
正孔注入層111、正孔輸送層112、および電荷発生層(E)116に用いる正孔輸
送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチル
フェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(
略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルア
ミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリ
フェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフ
ェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’
−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビ
フェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物、3−[N−(9−フェニルカル
バゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PC
zPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェ
ニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−
ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカル
バゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。その他、4,4’−ジ(N−カルバ
ゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)
フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセ
ニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)等のカルバゾール誘導体、等
を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動
度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外
のものを用いてもよい。
さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフ
ェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニ
ルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド]
(略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス
(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いること
もできる。
また、正孔注入層111および電荷発生層(E)116に用いるアクセプター性物質と
しては、遷移金属酸化物や元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を
挙げることができる。具体的には、酸化モリブデンが特に好ましい。
発光層113は、実施の形態1で示した有機金属錯体を発光物質となるゲスト材料とし
て含み、この有機金属錯体よりも三重項励起エネルギーの大きい物質をホスト材料として
用いて形成される層である。
また、上記有機金属錯体を分散状態にするために用いる物質(すなわちホスト材料)と
しては、例えば、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:
TPAQn)、NPBのようなアリールアミン骨格を有する化合物の他、CBP、4,4
’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)
等のカルバゾール誘導体や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(
略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛
(略称:Zn(BOX))、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
(略称:Alq)等の金属錯体が好ましい。また、PVKのような高分子化合物を用い
ることもできる。
なお、発光層113において、上述した有機金属錯体(ゲスト材料)とホスト材料とを
含んで形成することにより、発光層113からは、発光効率の高い燐光発光を得ることが
できる。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層114には、
Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq
、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、
BAlq、Zn(BOX)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト
]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体を用いることができる。また、2−(
4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−te
rt−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリ
アゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチル
フェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtT
AZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP
)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:B
zOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジン
ジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)
−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオ
クチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイ
ル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べ
た物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔
よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層114として用い
てもよい。
また、電子輸送層114は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積
層したものとしてもよい。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層115には、
フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF
、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれ
らの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類
金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層114を構成する物質を用
いることもできる。
あるいは、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる
複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子
が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物とし
ては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述
した電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることが
できる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具
体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウ
ム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、ア
ルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸
化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用
いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用い
ることもできる。
なお、上述した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層11
4、電子注入層115、電荷発生層(E)116は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含
む)、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
上述した発光素子は、第1の電極101および第2の電極103との間に生じた電位差
により電流が流れ、EL層102において正孔と電子とが再結合することにより発光する
。そして、この発光は、第1の電極101および第2の電極103のいずれか一方または
両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極101および第2の電極103の
いずれか一方、または両方が透光性を有する電極となる。
以上により説明した発光素子は、有機金属錯体に基づく燐光発光が得られることから、
蛍光性化合物を用いた発光素子に比べて、高効率な発光素子を実現することができる。
なお、本実施の形態で示した発光素子は、本発明の一態様である有機金属錯体を適用し
て作製される発光素子の一例である。また、上記発光素子を備えた発光装置の構成として
は、パッシブマトリクス型の発光装置やアクティブマトリクス型の発光装置の他、別の実
施の形態で説明する上記とは別の構造を有する発光素子を備えたマイクロキャビティー構
造の発光装置などを作製することができ、これらは、いずれも本発明に含まれるものとす
る。
なお、アクティブマトリクス型の発光装置の場合において、トランジスタ(TFT)の
構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型や逆スタガ型のTFTを適宜用いることが
できる。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFT
からなるものでもよいし、N型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方のみからなる
ものであってもよい。また、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定さ
れない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体
材料としては、IV族(ケイ素、ガリウム等)半導体、化合物半導体(酸化物半導体を含
む)の他、有機半導体等を用いることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用い
ることができるものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様として、有機金属錯体に加え、他の2種類以上の有
機化合物を発光層に用いた発光素子について説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図2に示すように一対の電極(陽極201及び陰極2
02)間にEL層203を有する構造である。なお、EL層203には、少なくとも発光
層204を有し、その他、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生
層(E)などが含まれていても良い。なお、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子
注入層、電荷発生層(E)には、実施の形態2に示した物質を用いることができる。
本実施の形態に示す発光層204には、実施の形態1に示した有機金属錯体を用いた燐
光性化合物205、第1の有機化合物206、および第2の有機化合物207が含まれて
いる。なお、燐光性化合物205は、発光層204におけるゲスト材料である。また、第
1の有機化合物206、および第2の有機化合物207のうち発光層204に含まれる割
合の多い方を発光層204におけるホスト材料とする。
発光層204において、上記ゲスト材料をホスト材料に分散させた構成とすることによ
り、発光層の結晶化を抑制することができる。また、ゲスト材料の濃度が高いことによる
濃度消光を抑制し、発光素子の発光効率を高くすることができる。
なお、第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207のそれぞれの三重項励起エ
ネルギーの準位(T1準位)は、燐光性化合物205のT1準位よりも高いことが好まし
い。第1の有機化合物206(又は第2の有機化合物207)のT1準位が燐光性化合物
205のT1準位よりも低いと、発光に寄与する燐光性化合物205の三重項励起エネル
ギーを第1の有機化合物206(又は第2の有機化合物207)が消光(クエンチ)して
しまい、発光効率の低下を招くためである。
ここで、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギー移動効率を高めるため、分子間のエ
ネルギー移動機構として知られているフェルスター機構(双極子−双極子相互作用)およ
びデクスター機構(電子交換相互作用)を考慮した上で、ホスト材料の発光スペクトル(
一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態か
らのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)とゲスト材料の吸収スペクトル(よ
り詳細には、最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯におけるスペクトル)との重なりが
大きくなることが好ましい。しかしながら通常、ホスト材料の蛍光スペクトルを、ゲスト
材料の最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯における吸収スペクトルと重ねることは困
難である。なぜならば、そのようにしてしまうと、ホスト材料の燐光スペクトルは蛍光ス
ペクトルよりも長波長(低エネルギー)側に位置するため、ホスト材料のT1準位が燐光
性化合物のT1準位を下回ってしまい、上述したクエンチの問題が生じてしまうからであ
る。一方、クエンチの問題を回避するため、ホスト材料のT1準位が燐光性化合物のT1
準位を上回るように設計すると、今度はホスト材料の蛍光スペクトルが短波長(高エネル
ギー)側にシフトするため、その蛍光スペクトルはゲスト材料の最も長波長(低エネルギ
ー)側の吸収帯における吸収スペクトルと重ならなくなる。したがって、ホスト材料の蛍
光スペクトルをゲスト材料の最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯における吸収スペク
トルと重ね、ホスト材料の一重項励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることは
、通常困難である。
そこで本実施形態においては、第1の有機化合物206および第2の有機化合物207
は、励起錯体(エキサイプレックスとも言う)を形成する組み合わせであることが好まし
い。この場合、発光層204におけるキャリア(電子及びホール)の再結合の際に第1の
有機化合物206と第2の有機化合物207は、励起錯体を形成する。これにより、発光
層204において、第1の有機化合物206の蛍光スペクトルおよび第2の有機化合物2
07の蛍光スペクトルは、より長波長側に位置する励起錯体の発光スペクトルに変換され
る。そして、励起錯体の発光スペクトルとゲスト材料の吸収スペクトルとの重なりが大き
くなるように、第1の有機化合物206と第2の有機化合物207を選択すれば、一重項
励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることができる。なお、三重項励起状態に
関しても、ホスト材料ではなく励起錯体からのエネルギー移動が生じると考えられる。
燐光性化合物205としては、実施の形態1で示した有機金属錯体を用いる。また、第
1の有機化合物206及び第2の有機化合物207としては、励起錯体を生じる組み合わ
せであればよいが、電子を受け取りやすい化合物(電子トラップ性化合物)と、ホールを
受け取りやすい化合物(正孔トラップ性化合物)とを組み合わせることが好ましい。
電子を受け取りやすい化合物としては、例えば、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4
−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II
)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベ
ンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾ
チオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBT
PDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベ
ンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)が挙げられる。
ホールを受け取りやすい化合物としては、例えば、4−フェニル−4’−(9−フェニ
ル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、3
−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9
−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’,4’’−トリス[N−(
1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)
、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピ
ロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N,N’−ビス(9−フェニルカ
ルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:P
CA2B)、N−(9,9−ジメチル−2−N’,N’−ジフェニルアミノ−9H−フル
オレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、N,N’,N’’−トリフェ
ニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1
,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−
3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF
)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,
9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−
イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジア
ミン(略称:YGA2F)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノ
フェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N−(9,9−ジメ
チル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2[N’−フェニル−
N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン
−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、3−[N−(9−フェニルカル
バゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PC
zPCA1)、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−
9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェ
ニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PC
zDPA2)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フ
ェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、3
,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−
9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3,6−ビス[N−(9−フェニ
ルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称
:PCzPCA2)が挙げられる。
上述した第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207は、これらに限定される
ことなく、励起錯体を形成できる組み合わせであり、励起錯体の発光スペクトルが、燐光
性化合物205の吸収スペクトルと重なり、励起錯体の発光スペクトルのピークが、燐光
性化合物205の吸収スペクトルのピークよりも長波長であればよい。
なお、電子を受け取りやすい化合物とホールを受け取りやすい化合物で第1の有機化合
物206と第2の有機化合物207を構成する場合、その混合比によってキャリアバラン
スを制御することができる。具体的には、第1の有機化合物:第2の有機化合物=1:9
〜9:1の範囲が好ましい。
本実施の形態で示した発光素子は、励起錯体の発光スペクトルと燐光性化合物の吸収ス
ペクトルとの重なりを利用したエネルギー移動により、エネルギー移動効率を高めること
ができるため、外部量子効率の高い発光素子を実現することができる。
なお、本発明の一態様に含まれる別の構成として、燐光性化合物205(ゲスト材料)
の他の2種類の有機化合物(第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207)とし
て、正孔トラップ性のホスト分子、および電子トラップ性のホスト分子を用いて発光層2
04を形成し、2種類のホスト分子中に存在するゲスト分子に正孔と電子を導いて、ゲス
ト分子を励起状態とする現象(すなわち、Guest Coupled with Co
mplementary Hosts:GCCH)が得られるように発光層204を形成
する構成も可能である。
この時、正孔トラップ性のホスト分子、および電子トラップ性のホスト分子としては、
それぞれ、上述したホールを受け取りやすい化合物、および電子を受け取りやすい化合物
を用いることができる。
なお、本実施の形態で示した発光素子は、発光素子の構造の一例であり、本発明の一態
様である発光装置には、他の実施の形態で示す別の構造の発光素子を適用することもでき
る。また、上記発光素子を備えた発光装置の構成としては、パッシブマトリクス型の発光
装置やアクティブマトリクス型の発光装置の他、別の実施の形態で説明する上記とは別の
構造を有する発光素子を備えたマイクロキャビティー構造の発光装置などを作製すること
ができ、これらは、いずれも本発明に含まれるものとする。
なお、アクティブマトリクス型の発光装置の場合において、TFTの構造は、特に限定
されない。例えば、スタガ型や逆スタガ型のTFTを適宜用いることができる。また、T
FT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでも
よいし、N型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方のみからなるものであってもよ
い。さらに、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されない。例えば
、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜、その他、酸化物半導体膜等を用いることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用い
ることができるものとする。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様として、電荷発生層を挟んでEL層を複数有する構
造の発光素子(以下、タンデム型発光素子という)について説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図3(A)に示すように一対の電極(第1の電極30
1および第2の電極304)間に、複数のEL層(第1のEL層302(1)、第2のE
L層302(2))を有するタンデム型発光素子である。
本実施の形態において、第1の電極301は、陽極として機能する電極であり、第2の
電極304は陰極として機能する電極である。なお、第1の電極301および第2の電極
304は、実施の形態2と同様な構成を用いることができる。また、複数のEL層(第1
のEL層302(1)、第2のEL層302(2))は、実施の形態2または実施の形態
3で示したEL層と同様な構成であっても良いが、いずれかが同様の構成であっても良い
。すなわち、第1のEL層302(1)と第2のEL層302(2)は、同じ構成であっ
ても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態2または実施の形態3と同様なも
のを適用することができる。
また、複数のEL層(第1のEL層302(1)、第2のEL層302(2))の間に
は、電荷発生層(I)305が設けられている。電荷発生層(I)305は、第1の電極
301と第2の電極304に電圧を印加したときに、一方のEL層に電子を注入し、他方
のEL層に正孔を注入する機能を有する。本実施の形態の場合には、第1の電極301に
第2の電極304よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層(I)30
5から第1のEL層302(1)に電子が注入され、第2のEL層302(2)に正孔が
注入される。
なお、電荷発生層(I)305は、光の取り出し効率の点から、可視光に対して透光性
を有する(具体的には、電荷発生層(I)305に対する可視光の透過率が、40%以上
)ことが好ましい。また、電荷発生層(I)305は、第1の電極301や第2の電極3
04よりも低い導電率であっても機能する。
電荷発生層(I)305は、正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体(アクセプター
)が添加された構成であっても、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体(ドナー)が
添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体が添加された構成とする場合において、正孔
輸送性の高い有機化合物としては、例えば、NPBやTPD、TDATA、MTDATA
、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニル
アミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができ
る。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であ
る。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いて
も構わない。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラ
フルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。
また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族
に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ
、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化
レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安
定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
一方、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成とする場合において
、電子輸送性の高い有機化合物としては、例えば、Alq、Almq、BeBq、B
Alqなど、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることが
できる。また、この他、Zn(BOX)、Zn(BTZ)などのオキサゾール系、チ
アゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外に
も、PBDやOXD−7、TAZ、BPhen、BCPなども用いることができる。ここ
に述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお
、正孔よりも電子の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わな
い。
また、電子供与体としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属ま
たは元素周期表における第2、第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いる
ことができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg
)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム
、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機
化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、上述した材料を用いて電荷発生層(I)305を形成することにより、EL層が
積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
本実施の形態では、EL層を2層有する発光素子について説明したが、図3(B)に示
すように、n層(ただし、nは、3以上)のEL層(302(1)〜302(n))を積
層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光
素子のように、一対の電極間に複数のEL層を有する場合、EL層とEL層との間にそれ
ぞれ電荷発生層(I)(305(1)〜305(n−1))を配置することで、電流密度
を低く保ったまま、高輝度領域での発光が可能である。電流密度を低く保てるため、長寿
命素子を実現できる。また、照明を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電圧降下
を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能で消費
電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれのEL層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所
望の色の発光を得ることができる。例えば、2つのEL層を有する発光素子において、第
1のEL層の発光色と第2のEL層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光
素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合す
ると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色の光と、発光する物
質から得られた光とを混合すると、白色発光を得ることができる。
また、3つのEL層を有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1のEL層の
発光色が赤色であり、第2のEL層の発光色が緑色であり、第3のEL層の発光色が青色
である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用
いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。
本実施の形態に示す発光装置は、一対の電極間での光の共振効果を利用した微小光共振
器(マイクロキャビティー)構造を有しており、図4に示す様に一対の電極(反射電極4
01及び半透過・半反射電極402)間に少なくともEL層405を有する構造である発
光素子を複数、有している。また、EL層405は、少なくとも発光領域となる発光層4
04(404R、404G、404B)を有し、その他、正孔注入層、正孔輸送層、電子
輸送層、電子注入層、電荷発生層(E)などが含まれていても良い。なお、発光層404
には、本発明の一態様である有機金属錯体が含まれている。
本実施の形態では、図4に示すように構造の異なる発光素子(第1の発光素子(R)4
10R、第2の発光素子(G)410G、第3の発光素子(B)410B)を有して構成
される発光装置について説明する。
第1の発光素子(R)410Rは、反射電極401上に第1の透明導電層403aと、
第1の発光層(B)404B、第2の発光層(G)404G、第3の発光層(R)404
Rを一部に含むEL層405と、半透過・半反射電極402とが順次積層された構造を有
する。また、第2の発光素子(G)410Gは、反射電極401上に第2の透明導電層4
03bと、EL層405と、半透過・半反射電極402とが順次積層された構造を有する
。また、第3の発光素子(B)410Bは、反射電極401上にEL層405と、半透過
・半反射電極402とが順次積層された構造を有する。
なお、上記発光素子(第1の発光素子(R)410R、第2の発光素子(G)410G
、第3の発光素子(B)410B)において、反射電極401、EL層405、半透過・
半反射電極402は共通である。また、第1の発光層(B)404Bでは、420nm以
上480nm以下の波長領域にピークをもつ光(λ)を発光させ、第2の発光層(G)
404Gでは、500nm以上550nm以下の波長領域にピークを持つ光(λ)を発
光させ、第3の発光層(R)404Rでは、600nm以上760nm以下の波長領域に
ピークを持つ光(λ)を発光させる。これにより、いずれの発光素子(第1の発光素子
(R)410R、第2の発光素子(G)410G、第3の発光素子(B)410B)でも
、第1の発光層(B)404B、第2の発光層(G)404G、および第3の発光層(R
)404Rからの発光が重ね合わされた、すなわち可視光領域に渡るブロードな光を発光
させることができる。なお、上記より、ピークを持つ光の波長は、λ<λ<λなる
関係であるとする。
本実施の形態に示す各発光素子は、それぞれ反射電極401と半透過・半反射電極40
2との間にEL層405を挟んでなる構造を有しており、EL層405に含まれる各発光
層から全方向に射出される発光は、微小光共振器(マイクロキャビティー)としての機能
を有する反射電極401と半透過・半反射電極402とによって共振される。なお、反射
電極401は、反射性を有する導電性材料により形成され、その膜に対する可視光の反射
率が40%〜100%、好ましくは70%〜100%であり、かつその抵抗率が1×10
−2Ωcm以下の膜であるとする。また、半透過・半反射電極402は、反射性を有する
導電性材料と光透過性を有する導電性材料とにより形成され、その膜に対する可視光の反
射率が20%〜80%、好ましくは40%〜70%であり、かつその抵抗率が1×10
Ωcm以下の膜であるとする。
また、本実施の形態では、各発光素子で、第1の発光素子(R)410Rと第2の発光
素子(G)410Gにそれぞれ設けられた透明導電層(第1の透明導電層403a、第2
の透明導電層403b)の厚みを変えることにより、発光素子毎に反射電極401と半透
過・半反射電極402の間の光学距離を変えている。つまり、各発光素子の各発光層から
発光するブロードな光は、反射電極401と半透過・半反射電極402との間において、
共振する波長の光を強め、共振しない波長の光を減衰させることができるため、素子毎に
反射電極401と半透過・半反射電極402の間の光学距離を変えることにより、異なる
波長の光を取り出すことができる。
なお、光学距離(光路長ともいう)とは、実際の距離に屈折率をかけたものであり、本
実施の形態においては、実膜厚にn(屈折率)をかけたものを表している。すなわち、「
光学距離=実膜厚×n」である。
また、第1の発光素子(R)410Rでは、反射電極401から半透過・半反射電極4
02までの総厚をmλ/2(ただし、mは自然数)、第2の発光素子(G)410Gで
は、反射電極401から半透過・半反射電極402までの総厚をmλ/2(ただし、m
は自然数)、第3の発光素子(B)410Bでは、反射電極401から半透過・半反射電
極402までの総厚をmλ/2(ただし、mは自然数)としている。
以上より、第1の発光素子(R)410Rからは、主としてEL層405に含まれる第
3の発光層(R)404Rで発光した光(λ)が取り出され、第2の発光素子(G)4
10Gからは、主としてEL層405に含まれる第2の発光層(G)404Gで発光した
光(λ)が取り出され、第3の発光素子(B)410Bからは、主としてEL層405
に含まれる第1の発光層(B)404Bで発光した光(λ)が取り出される。なお、各
発光素子から取り出される光は、半透過・半反射電極402側からそれぞれ射出される。
また、上記構成において、反射電極401から半透過・半反射電極402までの総厚は
、厳密には反射電極401における反射領域から半透過・半反射電極402における反射
領域までの総厚ということができる。しかし、反射電極401や半透過・半反射電極40
2における反射領域の位置を厳密に決定することは困難であるため、反射電極401と半
透過・半反射電極402の任意の位置を反射領域と仮定することで充分に上述の効果を得
ることができるものとする。
次に、第1の発光素子(R)410Rにおいて、反射電極401から第3の発光層(R
)404Rへの光学距離を所望の膜厚((2m’+1)λ/4(ただし、m’は自然数
))に調節することにより、第3の発光層(R)404Rからの発光を増幅させることが
できる。第3の発光層(R)404Rからの発光のうち、反射電極401によって反射さ
れて戻ってきた光(第1の反射光)は、第3の発光層(R)404Rから半透過・半反射
電極402に直接入射する光(第1の入射光)と干渉を起こすため、反射電極401から
第3の発光層(R)404Rへの光学距離を所望の値((2m’+1)λ/4(ただし
、m’は自然数))に調節して設けることにより、第1の反射光と第1の入射光との位相
を合わせ、第3の発光層(R)404Rからの発光を増幅させることができる。
なお、反射電極401と第3の発光層(R)404Rとの光学距離とは、厳密には反射
電極401における反射領域と第3の発光層(R)404Rにおける発光領域との光学距
離ということができる。しかし、反射電極401における反射領域や第3の発光層(R)
404Rにおける発光領域の位置を厳密に決定することは困難であるため、反射電極40
1の任意の位置を反射領域、第3の発光層(R)404Rの任意の位置を発光領域と仮定
することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。
次に、第2の発光素子(G)410Gにおいて、反射電極401から第2の発光層(G
)404Gへの光学距離を所望の膜厚((2m’’+1)λ/4(ただし、m’’は自
然数))に調節することにより、第2の発光層(G)404Gからの発光を増幅させるこ
とができる。第2の発光層(G)404Gからの発光のうち、反射電極401によって反
射されて戻ってきた光(第2の反射光)は、第2の発光層(G)404Gから半透過・半
反射電極402に直接入射する光(第2の入射光)と干渉を起こすため、反射電極401
から第2の発光層(G)404Gへの光学距離を所望の値((2m’’+1)λ/4(
ただし、m’’は自然数))に調節して設けることにより、第2の反射光と第2の入射光
との位相を合わせ、第2の発光層(G)404Gからの発光を増幅させることができる。
なお、反射電極401と第2の発光層(G)404Gとの光学距離とは、厳密には反射
電極401における反射領域と第2の発光層(G)404Gにおける発光領域との光学距
離ということができる。しかし、反射電極401における反射領域や第2の発光層(G)
404Gにおける発光領域の位置を厳密に決定することは困難であるため、反射電極40
1の任意の位置を反射領域、第2の発光層(G)404Gの任意の位置を発光領域と仮定
することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。
次に、第3の発光素子(B)410Bにおいて、反射電極401から第1の発光層(B
)404Bへの光学距離を所望の膜厚((2m’’’+1)λ/4(ただし、m’’’
は自然数))に調節することにより、第1の発光層(B)404Bからの発光を増幅させ
ることができる。第1の発光層(B)404Bからの発光のうち、反射電極401によっ
て反射されて戻ってきた光(第3の反射光)は、第1の発光層(B)404Bから半透過
・半反射電極402に直接入射する光(第3の入射光)と干渉を起こすため、反射電極4
01から第1の発光層(B)404Bへの光学距離を所望の値((2m’’’+1)λ
/4(ただし、m’’’は自然数))に調節して設けることにより、第3の反射光と第3
の入射光との位相を合わせ、第1の発光層(B)404Bからの発光を増幅させることが
できる。
なお、第3の発光素子において、反射電極401と第1の発光層(B)404Bとの光
学距離とは、厳密には反射電極401における反射領域と第1の発光層(B)404Bに
おける発光領域との光学距離ということができる。しかし、反射電極401における反射
領域や第1の発光層(B)404Bにおける発光領域の位置を厳密に決定することは困難
であるため、反射電極401の任意の位置を反射領域、第1の発光層(B)404Bの任
意の位置を発光領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。
なお、上記構成において、いずれの発光素子もEL層に複数の発光層を有する構造を有
しているが、本発明はこれに限られることはなく、例えば、実施の形態4で説明したタン
デム型発光素子の構成と組み合わせて、一つの発光素子に電荷発生層を挟んで複数のEL
層を設け、それぞれのEL層に単数もしくは複数の発光層を形成する構成としてもよい。
本実施の形態で示した発光装置は、マイクロキャビティー構造を有しており、同じEL
層を有していても発光素子ごとに異なる波長の光を取り出すことができるためRGBの塗
り分けが不要となる。従って、高精細化を実現することが容易であるなどの理由からフル
カラー化を実現する上で有利である。また、特定波長の正面方向の発光強度を強めること
が可能となるため、低消費電力化を図ることができる。この構成は、3色以上の画素を用
いたカラーディスプレイ(画像表示装置)に適用する場合に、特に有用であるが、照明な
どの用途に用いても良い。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体を発光層に用いた発光素子を有
する発光装置について説明する。
また、上記発光装置は、パッシブマトリクス型の発光装置でもアクティブマトリクス型
の発光装置でもよい。なお、本実施の形態に示す発光装置には、他の実施形態で説明した
発光素子を適用することが可能である。
本実施の形態では、アクティブマトリクス型の発光装置について図5を用いて説明する
なお、図5(A)は発光装置を示す上面図であり、図5(B)は図5(A)を鎖線A−
A’で切断した断面図である。本実施の形態に係るアクティブマトリクス型の発光装置は
、素子基板501上に設けられた画素部502と、駆動回路部(ソース線駆動回路)50
3と、駆動回路部(ゲート線駆動回路)504(504a及び504b)と、を有する。
画素部502、駆動回路部503、及び駆動回路部504は、シール材505によって、
素子基板501と封止基板506との間に封止されている。
また、素子基板501上には、駆動回路部503、及び駆動回路部504に外部からの
信号(例えば、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位
を伝達する外部入力端子を接続するための引き回し配線507が設けられる。ここでは、
外部入力端子としてFPC(フレキシブルプリントサーキット)508を設ける例を示し
ている。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基
板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本
体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図5(B)を用いて説明する。素子基板501上には駆動回路
部及び画素部が形成されているが、ここでは、ソース線駆動回路である駆動回路部503
と、画素部502が示されている。
駆動回路部503はnチャネル型TFT509とpチャネル型TFT510とを組み合
わせたCMOS回路が形成される例を示している。なお、駆動回路部を形成する回路は、
種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実
施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必
要はなく、基板上ではなく外部に駆動回路を形成することもできる。
また、画素部502はスイッチング用TFT511と、電流制御用TFT512と電流
制御用TFT512の配線(ソース電極又はドレイン電極)に電気的に接続された第1の
電極(陽極)513とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極(陽極)5
13の端部を覆って絶縁物514が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル
樹脂を用いることにより形成する。
また、上層に積層形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物514の上端
部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにするのが好ましい。例えば、絶縁
物514の材料として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれかを使
用することができ、有機化合物に限らず無機化合物、例えば、酸化珪素、酸窒化珪素等、
の両者を使用することができる。
第1の電極(陽極)513上には、EL層515及び第2の電極(陰極)516が積層
形成されている。EL層515は、少なくとも発光層が設けられており、発光層には、本
発明の一態様である有機金属錯体が含まれている。また、EL層515には、発光層の他
に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層等を適宜設けることが
できる。
なお、第1の電極(陽極)513、EL層515及び第2の電極(陰極)516との積
層構造で、発光素子517が形成されている。第1の電極(陽極)513、EL層515
及び第2の電極(陰極)516に用いる材料としては、実施の形態2に示す材料を用いる
ことができる。また、ここでは図示しないが、第2の電極(陰極)516は外部入力端子
であるFPC508に電気的に接続されている。
また、図5(B)に示す断面図では発光素子517を1つのみ図示しているが、画素部
502において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。画素部5
02には、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子をそれぞれ選択的に形成し、
フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。また、カラーフィルタと組み合
わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。
さらに、シール材505で封止基板506を素子基板501と貼り合わせることにより
、素子基板501、封止基板506、およびシール材505で囲まれた空間518に発光
素子517が備えられた構造になっている。なお、空間518には、不活性気体(窒素や
アルゴン等)が充填される場合の他、シール材505で充填される構成も含むものとする
なお、シール材505にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料
はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板506
に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforc
ed Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアク
リル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、アクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用
いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体を適用して作製された発光装置
を用いて完成させた様々な電子機器の一例について、図6、図7を用いて説明する。
発光装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビ
ジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデ
オカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、
携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙
げられる。これらの電子機器の具体例を図6に示す。
図6(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置7100は、
筐体7101に表示部7103が組み込まれている。表示部7103により、映像を表示
することが可能であり、発光装置を表示部7103に用いることができる。また、ここで
は、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリ
モコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キ
ー7109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示さ
れる映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作
機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機
により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線又は無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(
送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図6(B)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キ
ーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む
。なお、コンピュータは、発光装置をその表示部7203に用いることにより作製される
図6(C)は携帯型遊技機であり、筐体7301と筐体7302の2つの筐体で構成さ
れており、連結部7303により、開閉可能に連結されている。筐体7301には表示部
7304が組み込まれ、筐体7302には表示部7305が組み込まれている。また、図
6(C)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部7306、記録媒体挿入部7307
、LEDランプ7308、入力手段(操作キー7309、接続端子7310、センサ73
11(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化
学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動
、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン7312)等を備えて
いる。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表示部73
04および表示部7305の両方、又は一方に発光装置を用いていればよく、その他付属
設備が適宜設けられた構成とすることができる。図6(C)に示す携帯型遊技機は、記録
媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の
携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図6(C)に示す
携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図6(D)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401
に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、ス
ピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、発光
装置を表示部7402に用いることにより作製される。
図6(D)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、情
報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は
、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする
表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表
示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力
を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場
合、表示部7402の画面のほとんどにキーボード又は番号ボタンを表示させることが好
ましい。
また、携帯電話機7400内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサ
を有する検出装置を設けることで、携帯電話機7400の向き(縦か横か)を判断して、
表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操
作ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類
によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画
のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサで検出される信号を検知し、表
示部7402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モー
ドから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部7
402に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。
また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光
源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
図7(A)及び図7(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図7(A)は、
開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部96
31b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切
り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。なお、当
該タブレット端末は、発光装置を表示部9631a、表示部9631bの一方又は両方に
用いることにより作製される。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示さ
れた操作キー9637にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部96
31aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領
域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部96
31aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9
631aの全面をキーボードボタンを表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを
表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一
部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボー
ド表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれること
で表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時に
タッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向き
を切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替え
スイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外
光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光セ
ンサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置
を内蔵させてもよい。
また、図7(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示し
ているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示
の仕様も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネル
としてもよい。
図7(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池96
33、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有
する。なお、図7(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、
DCDCコンバータ9636を有する構成について示している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態
にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、
耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図7(A)及び図7(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報
(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを
表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力
機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有すること
ができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル
、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は
、筐体9630の一面または二面に設けて、電力を供給するバッテリー9635の充電を
行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウ
ムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図7(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図7(C)
にブロック図を示し説明する。図7(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635
、DCDCコンバータ9636、コンバータ9638、スイッチSW1乃至SW3、表示
部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コ
ンバータ9638、スイッチSW1乃至SW3が、図7(B)に示す充放電制御回路96
34に対応する箇所となる。
まず、外光を得て太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明す
る。太陽電池9633で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧とな
るようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部963
1の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、
コンバータ9638で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。
また、表示部9631での表示を行わない際には、スイッチSW1をオフにし、スイッチ
SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、
圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバ
ッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送
受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構
成としてもよい。
また、本実施の形態で説明した表示部を具備していれば、図7に示した電子機器に特に
限定されないことは言うまでもない。
以上のようにして、本発明の一態様である発光装置を適用して電子機器を得ることがで
きる。発光装置の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能
である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用
いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体を含む発光装置を適用した照明
装置の一例について、図8を用いて説明する。
図8は、発光装置を室内の照明装置8001として用いた例である。なお、発光装置は
大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を
有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8002を形成することも
できる。本実施の形態で示す発光装置に含まれる発光素子は薄膜状であり、筐体のデザイ
ンの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる
。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8003を備えても良い。
また、発光装置をテーブルの表面に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照
明装置8004とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光装置を用いること
により、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のように、発光装置を適用した様々な照明装置が得られる。なお、これらの照明装
置は本発明の一態様に含まれるものとする。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用
いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(
3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメ
チル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(
dmdppr−dmp)(divm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir
(dmdppr−dmp)(divm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオン(略称:Hdivm)の合成>
まず、N,N−ジメチルホルムアミド(略称:DMF)25mL、カリウム−t−ブト
キシド(略称:t−BuOK)5.59g、を三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置
換し、50℃に加熱した。この溶液に、イソ吉草酸メチル3.5g、2.5mLのDMF
に溶かした4−メチル−2−ペンタノン2.0gを加え、50℃で6時間攪拌した。得ら
れた溶液を室温まで冷やし、20%硫酸6.8mL、水25mLにて吸引ろ過を行い、濾
物をトルエンで洗浄した。ろ液からトルエンにて有機層を抽出し、抽出液の溶媒を留去し
た。得られた残渣を減圧蒸留で精製し、目的物であるHdivmを1.5g得た(黄色油
状物)。ステップ1の合成スキームを下記(A−1)に示す。
<ステップ2:ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3
−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−
ジメチル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[I
r(dmdppr−dmp)(divm)])の合成>
次に、上記ステップ1で得たHdivm 0.23g、ジ−μ−クロロ−テトラキス{
4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチル
フェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:
[Ir(dmdppr−dmp)Cl])1.2g、炭酸ナトリウム0.51g、2
−エトキシエタノール30mLを、還流管を付けた丸底フラスコに入れ、フラスコ内をア
ルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を1時間照射するこ
とで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣を、メタノールで吸引ろ過した。得られた固
体をジクロロメタンに溶かし、セライト、アルミナ、セライトの順で積層したろ過補助剤
に通してろ過した。ろ液の溶媒を留去し、得られた固体をジクロロメタンとメタノールに
て再結晶することにより、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−d
mp)(divm)]を暗赤色粉末として得た(収率66%)。なお、マイクロ波の照
射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。
得られた暗赤色粉末0.5gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇
華精製条件は、圧力2.9Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/minで流しながら、
260℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の暗赤色固体を収率85%で得た。ステ
ップ2の合成スキームを下記(A−2)に示す。
なお、上記ステップ2で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)によ
る分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図9に示す。このことから、本
合成例1において、上述の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属錯
体[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.45(d,6H),0.69(d,6H),1
.41(s,6H),1.79−1.84(t,2H),1.94(s,6H),1.9
8(d,4H),2.13(s,12H),2.35(s,12H),5.18(s,1
H),6.47(s,2H),6.89(s,2H),7.07(d,4H),7.12
(s,2H),7.16−7.19(t,2H),7.27(s,1H),7.44(s
,3H),8.36(s,2H).
次に、[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]のジクロロメタン溶液の紫外
可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定
した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型
)を用い、ジクロロメタン溶液(0.057mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測
定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製
FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.057mmol/L)を石英セ
ルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果
を図10に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図10にお
いて2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光ス
ペクトルを示している。図10に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.05
7mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみ
を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図10に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp
(divm)]は、611nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液から
は赤橙色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]を液体ク
ロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Sp
ectrometry(略称:LC/MS分析))によって質量(MS)分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]をトルエンに溶解し、アセト
ニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation(略称:ESI))によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は
3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。以上
の条件でイオン化されたm/z=1159.55の成分を衝突室(コリジョンセル)内で
アルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突させる際のエ
ネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z
=100〜1300とした。図11に、解離させたプロダクトイオンを飛行時間(TOF
)型MSで検出した結果を示す。
図11の結果から、[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]は、主としてm
/z=975付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図11に示す
結果は、[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]に由来する特徴的な結果を示
すものであることから、混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−dmp)(div
m)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=975付近のプロダクトイオンは、[Ir(dmdppr−dmp)
(divm)]におけるHdivmが離脱した状態のカチオンと推定され、[Ir(dm
dppr−dmp)(divm)]が、Hdivmを含んでいることを示唆するもので
ある。
≪合成例2≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(101)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(
3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(3,5−ヘプ
タンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−d
mp)(dprm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmdppr−
dmp)(dprm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3
−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(3,5−
ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr
−dmp)(dprm)])の合成>
まず、ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチ
ルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−
κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−dmp)Cl])1
.2g、3,5−ヘプタンジオン(略称:Hdprm)0.23g、炭酸ナトリウム0.
51g、2−エトキシエタノール30mLを、還流管を付けた丸底フラスコに入れ、フラ
スコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を1時間
照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣を、メタノールで吸引ろ過した。
得られた固体をジクロロメタンに溶かし、セライト、アルミナ、セライトの順で積層した
ろ過補助剤に通してろ過した。ろ液の溶媒を留去し、得られた固体をジクロロメタンとメ
タノールにて再結晶することにより、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmd
ppr−dmp)(dprm)]を得た(暗赤色粉末、収率58%)。なお、マイクロ
波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。
得られた暗赤色粉末0.53gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。
昇華精製条件は、圧力2.8Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/minで流しながら
、270℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の暗赤色固体を収率83%で得た。ス
テップ1の合成スキームを下記(B−1)に示す。
なお、上記ステップ1で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)によ
る分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図12に示す。このことから、
本合成例2において、上述の構造式(101)で表される本発明の一態様である有機金属
錯体[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.80−0.83(t,6H),1.46(s,
6H),1.93(s,6H),1.97−2.02(dm,4H),2.11(s,1
2H),2.34(s,12H),5.18(s,1H),6.47(s,2H),6.
82(s,2H),7.05−7.07(d,4H),7.11(s,2H),7.15
−7.18(t,2H),7.41(s,4H),8.31(s,2H).
次に、[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)]のジクロロメタン溶液の紫外
可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定
した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型
)を用い、ジクロロメタン溶液(0.061mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測
定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製
FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.061mmol/L)を石英セ
ルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果
を図13に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図13にお
いて2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光ス
ペクトルを示している。図13に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.06
1mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみ
を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図13に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp
(dprm)]は、611nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液から
は赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)]を液体ク
ロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Sp
ectrometry(略称:LC/MS分析))によって質量(MS)分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)]をトルエンに溶解し、アセト
ニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation(略称:ESI))によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は
3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。以上
の条件でイオン化されたm/z=1103.48の成分を衝突室(コリジョンセル)内で
アルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突させる際のエ
ネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z
=100〜1300とした。図14に、解離させたプロダクトイオンを飛行時間(TOF
)型MSで検出した結果を示す。
図14の結果から、[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)]は、主としてm
/z=975付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図14に示す
結果は、[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)]に由来する特徴的な結果を示
すものであることから、混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−dmp)(dpr
m)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=975付近のプロダクトイオンは、[Ir(dmdppr−dmp)
(dprm)]におけるHdprmが離脱した状態のカチオンと推定され、[Ir(dm
dppr−dmp)(dprm)]が、Hdprmを含んでいることを示唆するもので
ある。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(102)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(
3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(6−メチル−
2,4−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dm
dppr−dmp)(ivac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(d
mdppr−dmp)(ivac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3
−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(6−メチ
ル−2,4−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(
dmdppr−dmp)(ivac)])の合成>
まず、ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチ
ルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−
κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−dmp)Cl])1
.2g、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン(略称:Hivac)0.46g、炭酸ナ
トリウム1.16g、2−エトキシエタノール30mLを、還流管を付けた丸底フラスコ
に入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120
W)を1時間照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣を、メタノールで吸
引ろ過した。得られた固体をジクロロメタンに溶かし、セライト、アルミナ、セライトの
順で積層したろ過補助剤に通してろ過した。ろ液の溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エ
チル:ヘキサン=1:5を展開溶媒としたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製
した。溶液の溶媒を留去し、得られた固体をジクロロメタンとメタノールにて再結晶する
ことにより、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp)(i
vac)]を得た(暗赤色粉末、収率46%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合
成装置(CEM社製 Discover)を用いた。
得られた暗赤色粉末0.41gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。
昇華精製条件は、圧力2.8Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/minで流しながら
、260℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の暗赤色固体を収率76%で得た。ス
テップ1の合成スキームを下記(C−1)に示す。
なお、上記ステップ1で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)によ
る分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図15に示す。このことから、
本合成例3において、上述の構造式(102)で表される本発明の一態様である有機金属
錯体[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.43−0.45(d,3H),0.65−0.
67(d,3H),1.41(s,3H),1.47(s,3H),1.77(s,4H
),1.92−1.94(d,8H),2.11−2.13(d,14H),2.34(
s,10H),5.16(s,1H),6.45(s,1H),6.48(s,1H),
6.80(s,1H),6.88(s,1H),7.05−7.07(m,5H),7.
11(s,2H),7.15−7.19(m,2H),7.40(s,3H),8.31
(s,1H),8.39(s,1H).
次に、[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)]のジクロロメタン溶液の紫外
可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定
した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型
)を用い、ジクロロメタン溶液(0.061mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測
定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製
FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.061mmol/L)を石英セ
ルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果
を図16に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図16にお
いて2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光ス
ペクトルを示している。図16に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.06
1mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみ
を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図16に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp
(ivac)]は、610nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液から
は赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)]を液体ク
ロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Sp
ectrometry(略称:LC/MS分析))によって質量(MS)分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)]をクロロホルムに溶解し、ア
セトニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation(略称:ESI))によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は
3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。以上
の条件でイオン化されたm/z=1117.50の成分を衝突室(コリジョンセル)内で
アルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突させる際のエ
ネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z
=100〜1300とした。図17に、解離させたプロダクトイオンを飛行時間(TOF
)型MSで検出した結果を示す。
図17の結果から、[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)]は、主としてm
/z=975付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図17に示す
結果は、[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)]に由来する特徴的な結果を示
すものであることから、混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−dmp)(iva
c)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=975付近のプロダクトイオンは、[Ir(dmdppr−dmp)
(ivac)]におけるHivacが離脱した状態のカチオンと推定され、[Ir(dm
dppr−dmp)(ivac)]が、Hivacを含んでいることを示唆するもので
ある。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(103)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(
3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(3,7−ジメ
チル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(
dmdppr−dmp)(dmbm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir
(dmdppr−dmp)(dmbm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:3,7−ジメチル−4,6−ノナンジオン(略称:Hdmbm)の合成>
まず、DMF27.5mL、カリウム‐t−ブトキシド5.61g、を三口フラスコに
入れ、フラスコ内を窒素置換し、50℃に加熱した。この溶液に、シリンジを用いて、D
L−2−メチル−酪酸エチル3.5g、2.5mLのDMFに溶かした3−メチル−2−
ペンタノン2.0gを加え、50℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷やし、
20%硫酸、水にて吸引ろ過を行い、ろ物をトルエンで洗浄した。ろ液とトルエンを合わ
せた混合溶液からトルエンにて有機層を抽出し、得られた有機層を水、飽和食塩水にて洗
浄し、硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、自然ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、得られた
残渣を減圧蒸留で精製し、目的物であるHdmbmを1.3g得た(黄色油状物)。ステ
ップ1の合成スキームを下記(D−1)に示す。
<ステップ2:ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3
−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(3,7−
ジメチル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[I
r(dmdppr−dmp)(dmbm)])の合成>
次に、ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチ
ルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−
κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−dmp)Cl])1
.0g、Hdmbm 0.50g、炭酸ナトリウム0.96g、2−エトキシエタノール
20mLを、還流管を付けた丸底フラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その
後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を1時間照射することで加熱した。溶媒を
留去し、得られた残渣を、メタノールで吸引ろ過した。得られた固体をジクロロメタンに
溶かし、セライト、アルミナ、セライトの順で積層したろ過補助剤に通してろ過した。ろ
液の溶媒を留去し、得られた固体をジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶す
ることにより、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp)
dmbm)]を得た(暗赤色粉末、収率83%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波
合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。
得られた暗赤色粉末0.5gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇
華精製条件は、圧力2.6Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/minで流しながら、
280℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の暗赤色固体を収率67%で得た。ステ
ップ2の合成スキームを下記(D−2)に示す。
なお、上記ステップ2で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)によ
る分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図18に示す。このことから、
本合成例4において、上述の構造式(103)で表される本発明の一態様である有機金属
錯体[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.42−0.46(dt,3H),0.50−0
.54(dt,3H),0.76−0.79(dt,6H),1.09−1.16(m,
2H),1.29−1.42(dm,2H),1,44−1.45(m,6H),1.9
4(s,6H),2.00−2.04(td,2H),2.09(s,12H),2.3
4(s,12H),5.15−5.17(t,1H),6.47(s,2H),6.81
(s,2H),7.04−47.05(d,4H),7.11(s,2H),7.14−
7.17(t,2H),7.39(s,4H),8.22−8.23(d,1H),8.
25−8.27(d,1H).
次に、[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)]のジクロロメタン溶液の紫外
可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定
した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型
)を用い、ジクロロメタン溶液(0.054mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測
定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製
FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.054mmol/L)を石英セ
ルに入れ、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図19に示す。横軸は波長、
縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図19において2本の実線が示されている
が、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図19
に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.054mmol/L)を石英セルに
入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸
収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図19に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp
(dmbm)]は、611nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液から
は赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)]を液体ク
ロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Sp
ectrometry(略称:LC/MS分析))によって質量(MS)分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)]をクロロホルムに溶解し、ア
セトニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation(略称:ESI))によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は
3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。以上
の条件でイオン化されたm/z=1159.55の成分を衝突室(コリジョンセル)内で
アルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突させる際のエ
ネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z
=100〜1300とした。図20に、解離させたプロダクトイオンを飛行時間(TOF
)型MSで検出した結果を示す。
図20の結果から、[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)]は、主としてm
/z=975付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図20に示す
結果は、[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)]に由来する特徴的な結果を示
すものであることから、混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−dmp)(dmb
m)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=975付近のプロダクトイオンは、[Ir(dmdppr−dmp)
(dmbm)]におけるHdmbmが離脱した状態のカチオンと推定され、[Ir(dm
dppr−dmp)(dmbm)]が、Hdmbmを含んでいることを示唆するもので
ある。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp)
(divm)](構造式(100))を発光層に用いた発光素子1について図21を用い
て説明する。なお、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子1の作製≫
まず、ガラス製の基板1100上に酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)を
スパッタリング法により成膜し、陽極として機能する第1の電極1101を形成した。な
お、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板1100上に発光素子1を形成するための前処理として、基板表面を水で洗
浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸
着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を
30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、基板1100を真空蒸
着装置内に設けられたホルダーに固定した。本実施例では、真空蒸着法により、EL層1
102を構成する正孔注入層1111、正孔輸送層1112、発光層1113、電子輸送
層1114、電子注入層1115が順次形成される場合について説明する。
真空装置内を10−4Paに減圧した後、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4
−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデン(VI)とを、DBT3
P−II:酸化モリブデン=4:2(質量比)となるように共蒸着することにより、第1
の電極1101上に正孔注入層1111を形成した。膜厚は20nmとした。なお、共蒸
着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。
次に、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミ
ン(略称:BPAFLP)を20nm蒸着することにより、正孔輸送層1112を形成し
た。
次に、正孔輸送層1112上に発光層1113を形成した。2−[3’−(ジベンゾチ
オフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:
2mDBTBPDBq−II)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−
(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H
−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、ビス{4,6−ジメチル−2−[5
−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル
−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオナト−κ2O,O’
)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−dmp)(divm)])を
、2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(dmdppr−dmp)(d
ivm)]=0.8:0.2:0.05(質量比)となるように共蒸着した。なお、膜厚
は、40nmの膜厚とした。
次に、発光層1113上に2mDBTBPDBq−IIを20nm蒸着した後、バソフ
ェナントロリン(略称:Bphen)を20nm蒸着することにより、電子輸送層111
4を形成した。さらに電子輸送層1114上に、フッ化リチウムを1nm蒸着することに
より、電子注入層1115を形成した。
最後に、電子注入層1115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着し
、陰極となる第2の電極1103を形成し、発光素子1を得た。なお、上述した蒸着過程
において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子1の素子構造を表1に示す。
また、作製した発光素子1は、大気に曝されないように窒素雰囲気のグローブボックス
内において封止した(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に80℃にて1時間熱処理
)。
≪発光素子1の動作特性≫
作製した発光素子1の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれ
た雰囲気)で行った。
まず、発光素子1の電流密度−輝度特性を図22に示す。なお、図22において、縦軸
は、輝度(cd/m)、横軸は電流密度(mA/cm)を示す。また、発光素子1の
電圧−輝度特性を図23に示す。なお、図23において、縦軸は、輝度(cd/m)、
横軸は、電圧(V)を示す。また、発光素子1の輝度−電流効率特性を図24に示す。な
お、図24において、縦軸は、電流効率(cd/A)、横軸は、輝度(cd/m)を示
す。また、発光素子1の電圧−電流特性を図25に示す。なお、図25において、縦軸は
、電流(mA)、横軸は、電圧(V)を示す。
図24より、本発明の一態様である発光素子1は、高効率な素子であることがわかった
。また、1000cd/m付近における発光素子1の主な初期特性値を以下の表2に示
す。
上記結果から、本実施例で作製した発光素子1は、高輝度であり、良好な電流効率を示
していることが分かる。さらに、色純度に関しては、純度の良い赤色発光を示すことが分
かる。
また、発光素子1に25mA/cmの電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを
、図26に示す。図26に示す通り、発光素子1の発光スペクトルは619nm付近にピ
ークを有しており、有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp)(divm)]の発
光に由来していることが示唆される。なお、図26には、発光素子1の有機金属錯体[I
r(dmdppr−dmp)(divm)]の代わりに有機金属錯体[Ir(tppr
(dpm)]を用いて比較発光素子を作製し、比較発光素子の発光スペクトルについ
ても比較例として示した。その結果、発光素子1の発光スペクトルは、比較発光素子のも
のよりも半値幅が狭くなる様子が確認できた。これは、有機金属錯体[Ir(dmdpp
r−dmp)(divm)]の構造においてイリジウムと結合したフェニル基に対して
4位と6位がメチル基で置換された構造を有することによる効果であると見られる。従っ
て、発光素子1は、発光効率が良く、色純度のよい発光素子であるといえる。
また、発光素子1についての信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図27に示す。
図27において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は
素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、初期輝度を5000cd/mに設
定し、電流密度一定の条件で発光素子1を駆動させた。その結果、発光素子1の100時
間後の輝度は、初期輝度のおよそ87%を保っていた。
したがって、いずれの条件で行った信頼性試験でも、発光素子1は、高い信頼性を示す
ことがわかった。また、本発明の一態様である有機金属錯体を発光素子に用いることによ
り、長寿命の発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属錯体の具体例として、実施例1で説明し
た[Ir(dmdppr−dmp)(divm)](構造式(100))、実施例2で
説明した[Ir(dmdppr−dmp)(dprm)](構造式(101))、実施
例3で説明した[Ir(dmdppr−dmp)(ivac)](構造式(102))
、実施例4で説明した[Ir(dmdppr−dmp)(dmbm)](構造式(10
3))、実施例8で説明した[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)](略
称)(構造式(113))、実施例12で説明した[Ir(dmdppr−P)(di
vm)](略称)(構造式(118))のそれぞれについて行った昇華精製収率の測定に
ついて説明する。なお、比較例として、有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp)
(dpm)](下記構造式(001))の昇華精製収率についても測定を行った。
高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG−DTA24
10SA)を用いた重量減少率、多波長検出器(210〜500nm)において検出した
ウォーターズ社製Acquity UPLCでの純度測定結果、および昇華精製収率の測
定結果を下記の表3に示す。
表3における高真空重量減少(%)としては、真空度10−4Paにて、昇温速度を1
0℃/minに設定し、昇温した時の重量減少率を示した。また、昇華精製収率としては
、昇華精製時における収率が25%未満のものを×、25%以上50%未満のものを△、
50%以上75%未満のものを○、75%以上のものを◎と示す。
なお、本発明の一態様である有機金属錯体(構造式(100)〜(103)、(113
)、(118))および比較例の有機金属錯体([Ir(dmdppr−dmp)(d
pm)])のいずれも昇華精製において、際立った純度の低下は見られなかった。しかし
、表3より、本発明の一態様である有機金属錯体(構造式(100)〜(103)、(1
13)、(118))は、比較例の有機金属錯体[Ir(dmdppr−dmp)(d
pm)]よりも昇華精製の収率が高いことがわかる。
したがって、本発明の一態様である有機金属錯体は、昇華性に優れるだけでなく、昇華
精製における収率を高める上で有効な構造を有していることがわかる。また、本発明の一
態様である有機金属錯体が、昇華精製時において、比較例の有機金属錯体よりも昇華物の
回収管から取り出しやすい性質を有していることは、作業時間の短縮につながり非常に有
効である。
≪参考例≫
以下に、本実施例における比較例として用いた有機金属錯体、ビス{4,6−ジメチル
−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−
ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,2’,6,6’−テトラメチル−3,5−ヘ
プタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−
dmp)(dpm)])(構造式(001))の昇華精製例を具体的に例示する。
<ステップ:[Ir(dmdppm)(dpm)]の昇華精製>
所望の合成方法により得られた有機金属錯体[Ir(dmdppm)(dpm)]で
ある朱色粉末0.24gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製
条件は、圧力2.6Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/minで流しながら、260
℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の赤色固体を収率46%で得た。
本実施例では、計算により求めた燐光スペクトルについて説明する。なお、本実施例で
用いる有機金属錯体の化学式を以下に示す。
≪計算例≫
[Ir(ppr)(acac)]と本発明の一態様である有機金属錯体の疑似モデル
構造である[Ir(dmppr)(acac)]の一重項基底状態(S)と最低励起
三重項状態(T)における最安定構造を、密度汎関数法(DFT)を用いて計算した。
さらに、それぞれの最安定構造において振動解析をおこない、SとTの振動状態間の
遷移確率を求め、燐光スペクトルを計算した。DFTの全エネルギーはポテンシャルエネ
ルギー、電子間静電エネルギー、電子の運動エネルギーと複雑な電子間の相互作用を全て
含む交換相関エネルギーの和で表される。DFTでは、交換相関相互作用を電子密度で表
現された一電子ポテンシャルの汎関数(関数の関数の意)で近似しているため、計算は高
速である。ここでは、混合汎関数であるB3PW91を用いて、交換と相関エネルギーに
係る各パラメータの重みを規定した。
また、基底関数として、H、C、N、O原子には6−311G(それぞれの原子価軌道
に三つの短縮関数を用いたtriple split valence基底系の基底関数
)を、Ir原子にはLanL2DZを用いた。上述の基底関数により、例えば、水素原子
であれば、1s〜3sの軌道が考慮され、また、炭素原子であれば、1s〜4s、2p〜
4pの軌道が考慮されることになる。さらに、計算精度向上のため、分極基底系として、
水素原子にはp関数を、水素原子以外にはd関数を加えた。なお、量子化学計算プログラ
ムとしては、Gaussian 09を使用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュ
ータ(SGI社製、Altix4700)を用いて行った。
なお、上記計算方法により得られた[Ir(ppr)(acac)]と本発明の一態
様である有機金属錯体の疑似モデルとして[Ir(dmppr)(acac)]の燐光
スペクトルの結果を図46に示す。この計算では半値幅を135cm−1とし、Fran
ck−Condon因子を考慮している。
図46に示す通り、2つの燐光スペクトルを比較すると、[Ir(ppr)(aca
c)]では、640nm付近の第二ピークの強度が大きいのに対して、[Ir(dmpp
r)(acac)]では、690nm付近の第二ピークの強度が小さい。これらの第二
ピークは配位子中のC−C結合やC−N結合の伸縮振動に由来する。[Ir(dmppr
(acac)]では、これらの伸縮振動が寄与する振動状態間の遷移確率が小さい。
結果として、本発明の一態様である有機金属錯体の疑似モデル構造である[Ir(dmp
pr)(acac)]は、[Ir(ppr)(acac)]より狭線化していること
がわかる。
また、上記計算方法により得られた[Ir(ppr)(acac)]と本発明の一態
様である有機金属錯体の疑似モデル構造である[Ir(dmppr)(acac)]の
ベンゼン環の二面角を比較した結果を表4に、比較したベンゼン環の二面角の位置を図4
7に示す。ここで二面角とは、図47における連続する原子1〜4の面123および面2
34との、軸23回りの角度である。なお、[Ir(ppr)(acac)]、[Ir
(dmppr)(acac)]ともにそれぞれの分子内にベンゼン環が二つあるため錯
体の対称性によってはそれぞれ別の値となる場合があるが、今回のSとTにおける構
造はC2対称であるため、二面角は同じ値が得られている。
表4に示す通り、[Ir(ppr)(acac)]では、SとTにおける二面角
の値が小さいことから、ベンゼン環の平面性が高く、配位子中のC−C結合やC−N結合
の伸縮振動が寄与する振動状態間の遷移確率が大きいと考えられる。一方、[Ir(dm
ppr)(acac)]では、SとTにおける二面角の値が、大きいことからベン
ゼン環の平面性が低く、配位子中のC−C結合やC−N結合の伸縮振動が寄与する振動状
態間の遷移確率が小さいと考えられる。これは、フェニル基に置換した2つのメチル基の
効果であると考えられる。つまり、2つのアルキル基がイリジウムと結合したフェニル基
に対して4位と6位で置換することが燐光スペクトルの半値幅を狭くし、発光の色純度を
良くすることを見出した。
≪合成例5≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(113)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,5−ジメチルフェニル)−3−(
3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメ
チル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(
dmdppr−25dmp)(divm)])の合成方法について説明する。なお、[
Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:5−(2,5−ジメチルフェニル)−2,3−ビス(3,5−ジメチルフ
ェニル)ピラジン(略称:Hdmdppr−25dmp)の合成>
まず、5,6−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジルトリフラート1.2
2g、2,5−ジメチルフェニルボロン酸0.51g、リン酸三カリウム2.12g、ト
ルエン20mL、水2mLを200mL三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラ
スコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラ
ジウム(0)(略称:Pd(dba))0.026g、トリス(2,6−ジメトキシ
フェニル)ホスフィン0.053gを加え、4時間還流した。反応溶液に水を加え、トル
エンにて有機層を抽出した。得られた抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。このろ液を濃縮し、得られた残渣を、トルエン
を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピラジン誘導体
Hdmdppr−25dmpを得た(無色オイル、収率97%)。ステップ1の合成スキ
ームを下記(E−1)に示す。
<ステップ2:ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,5−
ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェ
ニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−25dmp)
l])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHdmdp
pr−25dmp1.04g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)0.36g
を、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイ
クロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、
得られた残渣をメタノールで吸引ろ過し、複核錯体[Ir(dmdppr−25dmp)
Cl]を得た(赤褐色粉末、収率80%)。ステップ2の合成スキームを下記(E−
2)に示す。
<ステップ3:ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,5−ジメチルフェニル)−3
−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−
ジメチル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[I
r(dmdppr−25dmp)(divm)])の合成>
さらに、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(d
mdppr−2,5dmp)Cl]0.97g、2,8−ジメチル−4,6−ノナン
ジオン(略称:Hdivm)0.28g、炭酸ナトリウム0.51gを、還流管を付けた
ナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45G
Hz 120W)を1時間照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣をメタ
ノールで吸引ろ過した。得られた固体を水、メタノールで洗浄した。得られた固体を、ジ
クロロメタン:ヘキサン=1:1を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィー
により精製した後、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、
本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)
]を赤色粉末として得た(収率44%)。得られた赤色粉末0.48gを、トレインサブ
リメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力2.7Pa、アルゴンガスを
流量5.0mL/minで流しながら、245℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物
の赤色固体を収率71%で得た。ステップ3の合成スキームを下記(E−3)に示す。
なお、上記ステップ3で得られた赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による
分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図28に示す。このことから、本
合成例5において、上述の構造式(113)で表される本発明の一態様である有機金属錯
体[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.38(s,6H),0.67(s,6H),1
.41(s,6H),1.76−1.80(m,2H),1.87−1.91(m,2H
),1.95(s,6H),2.00−2.04(m,2H),2.34−2.39(m
,24H),5.13(s,1H),6.47(s,2H),6.86(s,2H),7
.10(d,2H),7.14−7.15(m,4H),7.22(s,2H),7.4
5(s,2H),8.55(s,2H).
次に、[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]の紫外可視線吸収スペク
トル法(UV)による解析を行った。UVスペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株
)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.089mmol/L)を
用いて、室温で測定を行った。また、[Ir(dmdppr−25dmp)(divm
)]の発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホト
ニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.089mmol/L
)を用いて、室温で測定を行った。測定結果を図29に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強
度および発光強度を表す。
図29に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−25d
mp)(divm)]は、619nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液
からは赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]を液
体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass
Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]をクロロホルムに溶解し
、アセトニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
LC分離には移動相の組成を変化させるグラジエント法を用い、測定開始後0分から1
分までが、移動相A:移動相B=90:10、その後組成を変化させ、5分における移動
相Aと移動相Bとの比が移動相A:移動相B=95:5となるようにした。組成変化はリ
ニアに変化させた。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation、略称:ESI)によるイオン化を行い、キャピラリー電圧は3.0kV、
サンプルコーン電圧は30V、検出はポジティブモードで行った。なお、測定する質量範
囲はm/z=100〜1500とした。
以上の条件で分離、イオン化されたm/z=1159.54の成分を衝突室(コリジョ
ンセル)内でアルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突
させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。解離させたプロダク
トイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した結果を図30に示す。
図30の結果から、構造式(113)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、
[Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]は、主としてm/z=975.4
0付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図30に示す結果は、[
Ir(dmdppr−25dmp)(divm)]に由来する特徴的な結果を示すもの
であることから、混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−25dmp)(divm
)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=975.40付近のプロダクトイオンは、構造式(113)の化合物に
おける2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオンとプロトンが離脱した状態のカチオンと
推定され、本発明の一態様である有機金属錯体の特徴の一つである。
≪合成例6≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(114)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5
−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメチル−
4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmd
ppr−mp)(divm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmd
ppr−mp)(divm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1: 5−クロロ−2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ピラジンの合
成>
まず、5,6−ビス(4,5−ジメチルフェニル)ピラジン−2−オール3.79gを
100mL三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。ここに塩化ホスホリル5.6mL
を加え、2時間還流した。その後、得られた反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に
注ぎ、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過し
た。このろ液を濃縮し、得られた残渣を、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1を展開溶媒
とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピラジン誘導体を得た(白
色粉末、収率62%)。ステップ1の合成スキームを下記(F−1)に示す。
<ステップ2: 5−(2−メチルフェニル)−2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニ
ル)ピラジン(略称:Hdmdppr−mp)の合成>
次に、上記ステップ1で得た5−クロロ−2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)
ピラジン1.19g、2−メチルフェニルボロン酸1.02g、炭酸ナトリウム0.78
g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(略称:Pd(PP
Cl)0.031g、水15mL、DMF15mLを、還流管を付けたナスフ
ラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz
100W)を2時間照射した。ここで更に、2−メチルフェニルボロン酸0.50g、炭
酸ナトリウム0.39g、[Pd(PPhCl]0.031gを加え、反応容器
にマイクロ波(2.45GHz 100W)を2時間照射することで反応させた。その後
この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶
液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、トルエンを展開溶媒とするフラッシュカラムク
ロマトグラフィーで精製し、目的のピラジン誘導体Hdmdppr−mpを得た(黄白色
粉末、収率78%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Di
scover)を用いた。ステップ2の合成スキームを下記(F−2)に示す。
<ステップ3: ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メ
チルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル
−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−mp)Cl])の
合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ2で得たHdmdp
pr−mp 1.01g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)0.36gを、
還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ
波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得ら
れた残渣をヘキサンで吸引ろ過し、複核錯体[Ir(dmdppr−mp)Cl]
得た(赤褐色粉末、収率67%)。また、ステップ3の合成スキームを下記(F−3)に
示す。
<ステップ4: ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(
3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメ
チル−4,6−ノナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(
dmdppr−mp)(divm)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ3で得た複核錯体[Ir(d
mdppr−mp)Cl]0.78g、2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオン(
略称:Hdivm)0.22g、炭酸ナトリウム0.42gを、還流管を付けたナスフラ
スコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 1
20W)を1時間照射した。ここで更に、Hdivm0.22gを加え、反応容器にマイ
クロ波(2.45GHz 120W)を1時間照射することで反応させた。溶媒を留去し
、得られた残渣をジクロロメタンに溶かし、水、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去し
た後、得られた残渣を、ジクロロメタンに溶解させ、セライト、アルミナ、セライトの順
で積層した濾過補助剤を通して濾過した。得られた溶液の溶媒を留去した後、得られた固
体をジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、本発明の一態様
である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)(divm)]を暗赤色粉末として
得た(収率48%)。得られた暗赤色粉末0.42gを、トレインサブリメーション法に
より昇華精製した。昇華精製条件は、圧力2.6Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/
minで流しながら、255℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の暗赤色固体を収
率53%で得た。ステップ4の合成スキームを下記(F−4)に示す。
なお、上記ステップ4で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)によ
る分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図31に示す。このことから、
本合成例6において、上述の構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属
錯体[Ir(dmdppr−mp)(divm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.43(s,6H),0.70(s,6H),
1.39(s,6H),1.84−1.91(m,4H),1.94(s,6H),1.
99−2.04(m,2H),2.39−2.43(m,18H),5.22(s,1H
),6.46(s,2H),6.83(s,2H),7.20(s,2H),7.25−
7.36(m,8H),7.40(d,2H),8.56(s,2H).
次に、[Ir(dmdppr−mp)(divm)]の紫外可視線吸収スペクトル法
(UV)による解析を行った。UVスペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本
分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.056mmol/L)を用いて
、室温で測定を行った。また、[Ir(dmdppr−mp)(divm)]の発光ス
ペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 F
S920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.056mmol/L)を用いて、
室温で測定を行った。測定結果を図32に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光
強度を表す。
図32に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)
(divm)]は、618nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは
赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−mp)(divm)]を液体クロ
マトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spe
ctrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−mp)(divm)]をクロロホルムに溶解し、アセ
トニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
LC分離には移動相の組成を変化させるグラジエント法を用い、測定開始後0分から1
分までが、移動相A:移動相B=90:10、その後組成を変化させ、5分における移動
相Aと移動相Bとの比が移動相A:移動相B=95:5となるようにした。組成変化はリ
ニアに変化させた。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation、略称:ESI)によるイオン化を行い、キャピラリー電圧は3.0kV、
サンプルコーン電圧は30V、検出はポジティブモードで行った。なお、測定する質量範
囲はm/z=100〜1300とした。
以上の条件で分離、イオン化されたm/z=1131.51の成分を衝突室(コリジョ
ンセル)内でアルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突
させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。解離させたプロダク
トイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した結果を図33に示す。
図33の結果から、構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、
[Ir(dmdppr−mp)(divm)]は、主としてm/z=947.37付近
にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図33に示す結果は、[Ir(
dmdppr−mp)(divm)]に由来する特徴的な結果を示すものであることか
ら、混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−mp)(divm)]を同定する上で
の重要なデータであるといえる。
なお、m/z=947.37付近のプロダクトイオンは、構造式(114)の化合物に
おける2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオンとプロトンが離脱した状態のカチオンと
推定され、本発明の一態様である有機金属錯体の特徴の一つである。
≪合成例7≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(116)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5
−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(3,5−ヘプタンジ
オナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−mp)
(dprm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmdppr−mp)
(dprm)]の構造を以下に示す。
<ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5−ジメチ
ルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(3,5−ヘプタンジオナト−
κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−mp)(dpr
m)]の合成>
まず、2−エトキシエタノール30mL、複核錯体ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,
6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)
−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(d
mdppr−mp)Cl])0.64g、3,5−ヘプタンジオン(略称:Hdpr
m)0.13g、炭酸ナトリウム0.35gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フ
ラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を1時
間照射した。ここで更に、Hdprm0.13gを加え、マイクロ波(2.45GHz
120W)を1時間照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣をメタノール
で吸引ろ過した。得られた固体を水、メタノールで洗浄した。得られた固体をジクロロメ
タンに溶かし、セライト、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通して濾過し
た後、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、本発明の一態
様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)(dprm)]を暗赤色粉末とし
て得た(収率60%)。合成スキームを下記(G)に示す。
なお、上記で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析結果
を下記に示す。また、H−NMRチャートを図34に示す。このことから、本合成例7
において、上述の構造式(116)で表される本発明の一態様である有機金属錯体[Ir
(dmdppr−mp)(dprm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.81−0.84(m,6H),1.43(s
,6H),1.94(s,6H),2.02−2.10(m,4H),2.39(s,1
2H),2.42(s,6H),5.25(s,1H),6.46(s,2H),6.8
0(s,2H),7.19(s,2H),7.26−7.36(m,8H),7.43(
d,2H),8.54(s,2H).
次に、[Ir(dmdppr−mp)(dprm)]の紫外可視線吸収スペクトル法
(UV)による解析を行った。UVスペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本
分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.059mmol/L)を用いて
、室温で測定を行った。また、[Ir(dmdppr−mp)(dprm)]の発光ス
ペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 F
S920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.059mmol/L)を用いて、
室温で測定を行った。測定結果を図35に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光
強度を表す。
図35に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)
(dprm)]は、622nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは
赤色の発光が観測された。
≪合成例8≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(117)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5
−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(6−メチル−2,4
−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdpp
r−mp)(ivac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmdpp
r−mp)(ivac)]の構造を以下に示す。
<ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5−ジメチ
ルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(6−メチル−2,4−ヘプタ
ンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−mp
(ivac)]の合成>
まず、2−エトキシエタノール30mL、複核錯体ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,
6−ジメチル−2−[5−(2−メチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)
−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(d
mdppr−mp)Cl]0.88g、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン(略称
:Hivac)0.20g、炭酸ナトリウム0.48gを、還流管を付けたナスフラスコ
に入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120
W)を1時間照射した。ここで更に、Hivac0.20gを加え、マイクロ波(2.4
5GHz 120W)を1時間照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣を
メタノールで吸引ろ過した。得られた固体を水、メタノールで洗浄した。得られた固体を
ジクロロメタンに溶かし、セライト、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通
して濾過した後、得られた固体をジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶する
ことにより、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)(iv
ac)]を暗赤色粉末として得た(収率53%)。合成スキームを下記(H)に示す。
なお、上記で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析結果
を下記に示す。また、H−NMRチャートを図36に示す。このことから、本合成例8
において、上述の構造式(117)で表される本発明の一態様である有機金属錯体[Ir
(dmdppr−mp)(ivac)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.43(s,3H),0.71(s,3H),
1.40(s,6H),1.84(s,3H),1.87−1.91(m,2H),1.
93(s,6H),1.99−2.04(m,1H),2.40(s,12H),2.4
4(d,6H),5.24(s,1H),6.46(s,2H),6.81(d,2H)
,7.19(s,2H),7.26−7.35(m,6H),7.41(d,2H),7
.45(s,2H),8.57(d,2H).
次に、[Ir(dmdppr−mp)(ivac)]の紫外可視線吸収スペクトル法
(UV)による解析を行った。UVスペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本
分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.095mmol/L)を用いて
、室温で測定を行った。また、[Ir(dmdppr−mp)(ivac)]の発光ス
ペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 F
S920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.095mmol/L)を用いて、
室温で測定を行った。測定結果を図37に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光
強度を表す。
図37に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)
(ivac)]は、623nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは
赤色の発光が観測された。
≪合成例9≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(118)で表される本発明の一態様である有機
金属錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−5−フ
ェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメチル−4,6−ノナン
ジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−P)
(divm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmdppr−P)
divm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−5−フェニルピラジン(略
称:Hdmdppr−P)の合成>
まず、5−クロロ−2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ピラジン1.31g、
フェニルボロン酸0.98g、炭酸ナトリウム0.85g、ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(II)ジクロリド(略称:Pd(PPhCl)0.034g、
水15mL、DMF15mLを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置
換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射した。こ
こで更に、フェニルボロン酸0.49g、炭酸ナトリウム0.42g、[Pd(PPh
Cl]0.034gを加え、反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)
を1時間照射することで反応させた。その後この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有
機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥
した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ト
ルエンに溶解させ、セライト、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通して濾
過し、目的のピラジン誘導体Hdmdppr−Pを得た(黄白色粉末、収率74%)。な
お、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた
。ステップ1の合成スキームを下記(I−1)に示す。
<ステップ2:ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−
ジメチルフェニル)−5−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}ジイリジ
ウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−P)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHdmdp
pr−P 1.06g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)0.42gを、還
流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波
(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られ
た残渣をメタノールで吸引ろ過し、複核錯体[Ir(dmdppr−P)Cl]を得
た(赤褐色粉末、収率74%)。また、ステップ2の合成スキームを下記(I−2)に示
す。
<ステップ3:ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−5
−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメチル−4,6−ノ
ナンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−P
(divm)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(d
mdppr−P)Cl]1.03g、2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオン(略
称:Hdivm)0.28g、炭酸ナトリウム0.55gを、還流管を付けたナスフラス
コに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 12
0W)を1時間照射した。ここで更に、Hdivm0.28gを加え、反応容器にマイク
ロ波(2.45GHz 120W)を1時間照射することで反応させた。溶媒を留去し、
得られた残渣をメタノールで吸引ろ過した。得られた固体を水、メタノールで洗浄した。
得られた固体を、ジクロロメタンに溶解させ、セライト、アルミナ、セライトの順で積層
した濾過補助剤を通して濾過した。得られた溶液の溶媒を留去した後、得られた固体をジ
クロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、本発明の一態様である
有機金属錯体[Ir(dmdppr−P)(divm)]を暗赤色粉末として得た(収
率74%)。得られた暗赤色粉末0.85gを、トレインサブリメーション法により昇華
精製した。昇華精製条件は、圧力2.5Pa、アルゴンガスを流量5.0mL/minで
流しながら、275℃で固体を加熱した。昇華精製後、目的物の暗赤色固体を収率88%
で得た。ステップ3の合成スキームを下記(I−3)に示す。
なお、上記ステップ3で得られた暗赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)によ
る分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図38に示す。このことから、
本合成例9において、上述の構造式(118)で表される本発明の一態様である有機金属
錯体[Ir(dmdppr−P)(divm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.44(s,6H),0.72(s,6H),1
.40(s,6H),1.81−1.92(m,4H),1.95(s,6H),2.0
5−2.09(m,2H),2.43(s,12H),5.17(s,1H),6.47
(s,2H),6.79(s,2H),7.24(s,2H),7.38(s,2H),
7.42−7.49(m,6H),8.00(d,4H),8.84(s,2H).
次に、[Ir(dmdppr−P)(divm)]の紫外可視線吸収スペクトル法(
UV)による解析を行った。UVスペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本分
光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.057mmol/L)を用いて、
室温で測定を行った。また、[Ir(dmdppr−P)(divm)]の発光スペク
トルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS9
20)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.057mmol/L)を用いて、室温
で測定を行った。測定結果を図39に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度
を表す。
図39に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−P)
(divm)]は、635nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは赤
色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdppr−P)(divm)]を液体クロマ
トグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spec
trometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqu
ity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 T
of MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移
動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意
の濃度の[Ir(dmdppr−P)(divm)]をクロロホルムに溶解し、アセト
ニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
LC分離には移動相の組成を変化させるグラジエント法を用い、測定開始後0分から1
分までが、移動相A:移動相B=90:10、その後組成を変化させ、5分における移動
相Aと移動相Bとの比が移動相A:移動相B=95:5となるようにした。組成変化はリ
ニアに変化させた。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioni
zation、略称:ESI)によるイオン化を行い、キャピラリー電圧は3.0kV、
サンプルコーン電圧は30V、検出はポジティブモードで行った。なお、測定する質量範
囲はm/z=100〜1300とした。
以上の条件で分離、イオン化されたm/z=1103.49の成分を衝突室(コリジョ
ンセル)内でアルゴンガスと衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンに衝突
させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は30eVとした。解離させたプロダク
トイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した結果を図40に示す。
図40の結果から、構造式(118)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、
[Ir(dmdppr−P)(divm)]は、主としてm/z=919.34付近に
プロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図40に示す結果は、[Ir(d
mdppr−P)(divm)]に由来する特徴的な結果を示すものであることから、
混合物中に含まれる[Ir(dmdppr−P)(divm)]を同定する上での重要
なデータであるといえる。
なお、m/z=919.34付近のプロダクトイオンは、構造式(118)の化合物に
おける2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオンとプロトンが離脱した状態のカチオンと
推定され、本発明の一態様である有機金属錯体の特徴の一つである。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属錯体[Ir(dmdppr−mp)
dprm)](構造式(116))を発光層に用いた発光素子2、[Ir(dmdppr
−P)(divm)](構造式(117))を発光層に用いた発光素子3、[Ir(d
mdppr−mp)(divm)](構造式(114))を発光層に用いた発光素子4
をそれぞれ作製し、得られた素子特性について示す。なお、説明には、実施例5と同様に
図21を用いる。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子2乃至4の作製≫
まず、ガラス製の基板1100上に酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)を
スパッタリング法により成膜し、陽極として機能する第1の電極1101を形成した。な
お、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板1100上に発光素子2乃至4を形成するための前処理として、基板表面を
水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸
着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を
30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、基板1100を真空蒸
着装置内に設けられたホルダーに固定した。本実施例では、真空蒸着法により、EL層1
102を構成する正孔注入層1111、正孔輸送層1112、発光層1113、電子輸送
層1114、電子注入層1115が順次形成される場合について説明する。
真空装置内を10−4Paに減圧した後、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4
−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデン(VI)とを、DBT3
P−II:酸化モリブデン=4:2(質量比)となるように共蒸着することにより、第1
の電極1101上に正孔注入層1111を形成した。膜厚は20nmとした。なお、共蒸
着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。
次に、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミ
ン(略称:BPAFLP)を20nm蒸着することにより、正孔輸送層1112を形成し
た。
次に、正孔輸送層1112上に発光層1113を形成した。
発光素子2の場合は、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3
−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、N−
(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール
−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:P
CBBiF)、[Ir(dmdppr−mp)(dprm)]を、2mDBTBPDB
q−II:PCBBiF:[Ir(dmdppr−mp)(dprm)]=0.8:0
.2:0.05(質量比)となるように共蒸着した。
発光素子3の場合は、2mDBTBPDBq−II、PCBBiF、[Ir(dmdp
pr−P)(divm)]を、2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(
dmdppr−P)(divm)]=0.8:0.2:0.05(質量比)となるよう
に共蒸着した。
発光素子4の場合は、2mDBTBPDBq−II、PCBBiF、[Ir(dmdp
pr−mp)(divm)]を、2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir
(dmdppr−mp)(divm)]=0.8:0.2:0.05(質量比)となる
ように共蒸着した。
なお、発光素子2乃至4のいずれの場合も膜厚を40nmの膜厚とした。
次に、発光層1113上に2mDBTBPDBq−IIを20nm蒸着した後、バソフ
ェナントロリン(略称:Bphen)を10nm蒸着することにより、電子輸送層111
4を形成した。さらに電子輸送層1114上に、フッ化リチウムを1nm蒸着することに
より、電子注入層1115を形成した。
最後に、電子注入層1115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着し
、陰極となる第2の電極1103を形成し、発光素子2乃至4を得た。なお、上述した蒸
着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子2乃至4の素子構造を表5に示す。
また、作製した発光素子2乃至4は、大気に曝されないように窒素雰囲気のグローブボ
ックス内において封止した(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に80℃にて1時間
熱処理)。
≪発光素子2乃至4の動作特性≫
作製した発光素子2乃至4の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に
保たれた雰囲気)で行った。
まず、発光素子2乃至4の輝度−電流効率特性を図41に示す。なお、図41において
、縦軸は、電流効率(cd/A)、横軸は、輝度(cd/m)を示す。また、発光素子
2乃至4の電圧−輝度特性を図42に示す。なお、図42において、縦軸は、輝度(cd
/m)、横軸は、電圧(V)を示す。また、発光素子2乃至4の電圧−電流特性を図4
3に示す。なお、図43において、縦軸は、電流(mA)、横軸は、電圧(V)を示す。
図41より、本発明の一態様である発光素子2乃至4は、いずれも高効率な素子である
ことがわかった。また、1000cd/m付近における発光素子2乃至4の主な初期特
性値を以下の表6に示す。
上記結果から、本実施例で作製した発光素子2乃至4は、高輝度であり、良好な電流効
率を示していることが分かる。さらに、色純度に関しては、純度の良い赤色発光を示すこ
とが分かる。
また、発光素子2乃至4に25mA/cmの電流密度で電流を流した際の発光スペク
トルを、図44に示す。図44に示す通り、発光素子2乃至4の発光スペクトルは622
nmから632nm付近にピークを有しており、本実施例で用いた有機金属錯体の発光に
由来していることが示唆される。なお、これらの発光スペクトルは、いずれも半値幅が狭
くなる様子が確認できた。これは、本実施例で用いた有機金属錯体の構造においてイリジ
ウムと結合したフェニル基に対して4位と6位がメチル基で置換された構造を有すること
による効果であると見られる。従って、発光素子2乃至4は、発光効率が良く、色純度の
よい発光素子であるといえる。
また、発光素子2乃至4についての信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図45に
示す。図45において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、
横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、初期輝度を5000cd/m
に設定し、電流密度一定の条件で発光素子2乃至4を駆動させた。その結果、発光素子
2乃至4の100時間後の輝度は、初期輝度の74%乃至86%程度を保っていた。
したがって、いずれの条件で行った信頼性試験でも、発光素子2乃至4は、高い信頼性
を示すことがわかった。また、本発明の一態様である有機金属錯体を発光素子に用いるこ
とにより、長寿命の発光素子が得られることがわかった。
101 第1の電極
102 EL層
103 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
116 電荷発生層
201 陽極
202 陰極
203 EL層
204 発光層
205 燐光性化合物
206 第1の有機化合物
207 第2の有機化合物
301 第1の電極
302(1) 第1のEL層
302(2) 第2のEL層
302(n−1) 第(n−1)のEL層
302(n) 第(n)のEL層
304 第2の電極
305 電荷発生層(I)
305(1) 第1の電荷発生層(I)
305(2) 第2の電荷発生層(I)
305(n−2) 第(n−2)の電荷発生層(I)
305(n−1) 第(n−1)の電荷発生層(I)
401 反射電極
402 半透過・半反射電極
403a 第1の透明導電層
403b 第2の透明導電層
404B 第1の発光層(B)
404G 第2の発光層(G)
404R 第3の発光層(R)
405 EL層
410R 第1の発光素子(R)
410G 第2の発光素子(G)
410B 第3の発光素子(B)
501 素子基板
502 画素部
503 駆動回路部(ソース線駆動回路)
504a、504b 駆動回路部(ゲート線駆動回路)
505 シール材
506 封止基板
507 配線
508 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
509 nチャネル型TFT
510 pチャネル型TFT
511 スイッチング用TFT
512 電流制御用TFT
513 第1の電極(陽極)
514 絶縁物
515 EL層
516 第2の電極(陰極)
517 発光素子
518 空間
1100 基板
1101 第1の電極
1102 EL層
1103 第2の電極
1111 正孔注入層
1112 正孔輸送層
1113 発光層
1114 電子輸送層
1115 電子注入層
7100 テレビジョン装置
7101 筐体
7103 表示部
7105 スタンド
7107 表示部
7109 操作キー
7110 リモコン操作機
7201 本体
7202 筐体
7203 表示部
7204 キーボード
7205 外部接続ポート
7206 ポインティングデバイス
7301 筐体
7302 筐体
7303 連結部
7304 表示部
7305 表示部
7306 スピーカ部
7307 記録媒体挿入部
7308 LEDランプ
7309 操作キー
7310 接続端子
7311 センサ
7312 マイクロフォン
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
8001 照明装置
8002 照明装置
8003 照明装置
8004 照明装置
9033 留め具
9034 表示モード切り替えスイッチ
9035 電源スイッチ
9036 省電力モード切り替えスイッチ
9038 操作スイッチ
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a タッチパネルの領域
9632b タッチパネルの領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 操作キー
9638 コンバータ
9639 ボタン

Claims (6)

  1. 一対の電極間に、発光層を有し、
    前記発光層は、式(G1)で表される有機金属錯体と、第1の有機化合物と、第2の有機化合物と、を有し、
    前記第1の有機化合物と、前記第2の有機化合物とは、励起錯体を形成する組み合わせである発光素子。

    (但し、式(G1)中、R〜Rのうち少なくとも一つは、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ以外は、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、R〜Rの全てが炭素数1のアルキル基である場合を除く。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  2. 一対の電極間に、発光層を有し、
    前記発光層は、式(G2)で表される有機金属錯体と、第1の有機化合物と、第2の有機化合物と、を有し、
    前記第1の有機化合物と、前記第2の有機化合物とは、励起錯体を形成する組み合わせである発光素子。

    (但し、式(G2)中、RおよびRのいずれか一方は、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表し、他方は、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  3. 一対の電極間に、発光層を有し、
    前記発光層は、式(100)、(101)、(102)、(103)、(113)、(114)、(116)、(117)、(118)のいずれかで表される有機金属錯体と、第1の有機化合物と、第2の有機化合物と、を有し、
    前記第1の有機化合物と、前記第2の有機化合物とは、励起錯体を形成する組み合わせである発光素子。








  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の発光素子を有する発光装置。
  5. 請求項4に記載の発光装置を有する電子機器。
  6. 請求項4に記載の発光装置を有する照明装置。
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