JP2020101431A - 情報処理装置、情報処理システム、携帯端末、プログラム、及び検出部 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の躯体へのセンサの取り付け工事等が不要であるとともに、経年変化を伴う耐震性能を容易に判定できる情報処理装置を提供する。【解決手段】耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントから供給された電力によって駆動して第1建物の揺れに応じた加速度を検出する第1検出部により検出された加速度を示す第1加速度情報を取得する取得部と、取得部により取得された第1加速度情報に基づいて、第1建物の耐震性能を判定する判定部と、を備える情報処理装置。【選択図】図5
Description
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、携帯端末、プログラム、及び検出部に関する。
大地震の発生に備えて、建物の耐震性能を把握し、その対策を進めて行くことは重要である。耐震性能を表す指標としては耐震等級がある。耐震等級は、地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを表したもので、「耐震等級1」から「耐震等級3」までの3段階で指標化されている。「耐震等級1」は、数百年に一度程度の地震に対しても倒壊や崩壊しない耐震性能を有する。「耐震等級2」は「耐震等級1」の1.25倍の耐震性能を有し、「耐震等級3」は「耐震等級1」の1.5倍の耐震性能を有する。建物の耐震性能は、新築時には、設計図面を解析して判定を行っている。また、建築後の建物については、専門の診断士が現地を調査して、耐震性能を判定している。この場合、診断士の目視等で確認できない部位については、図面等から推定するといった評価が行われている。また、耐震性能を診断するために、建物の躯体に加速度センサを取り付け、この加速度センサの出力値に基づいて耐震性能を判定することが行われている。また、特許文献1には、地震が発生したときに受けた被害を、簡易に判定することができるようにした判定装置が記載されている。
しかしながら、構造解析による耐震性能の判定では、判定できるのは建物の設計段階での耐震性能であり、現状の建物の耐震性能とは異なっている。現状の建物は、接合部の緩みや、壁材や柱材の錆や腐食等、経年変化による劣化がある。構造解析による耐震性能の判定では、経年変化等による建物の強度の変化に追従させることは難しい。また、診断士の目視等での確認では、耐震性能の評価が定性的であり、耐震性能の評価の精度や信頼性が確保できない。また、加速度センサの出力値に基づいて建物の耐震性能を判定する場合には、建物の躯体に加速度センサを取り付ける必要があり、大掛かりな工事が必要であるとともに、コストが増大する。また、特許文献1に示されている判定装置は、地震の被害を推定するものであり、被害を受けていない建物の耐震等級を判定するものとは異なる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、建物の躯体へのセンサの取り付け工事等が不要であるとともに、経年変化を伴う耐震性能を容易に判定できる情報処理装置、情報処理システム、携帯端末、プログラム、及び検出部を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントから供給された電力によって駆動して前記第1建物の揺れに応じた加速度を検出する第1検出部により検出された加速度を示す第1加速度情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第1加速度情報に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する判定部と、を備える情報処理装置である。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記取得部は、前記第1建物を含む地域において予め決められた震度以上の第1震度の第1地震が発生した場合、前記第1加速度情報を取得する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1建物の耐震性能は、複数の段階によって表されており、前記判定部は、前記第1建物の耐震性能を、前記複数の段階のうちいずれの段階であるかを判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記取得部により取得された前記第1加速度情報に基づいて、前記第1建物が揺れた場合における前記第1建物の固有振動数を第1固有振動数として算出する算出部を備え、前記判定部は、前記算出部により算出された前記第1固有振動数に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1建物の属性を示す第1属性情報を記憶する記憶部を備え、前記判定部は、耐震性能が既知である複数の第2建物毎に、前記第2建物の属性を示す第2属性情報と、前記第2建物が揺れた場合における前記第2建物の第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、前記第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とが対応付けられた対応情報が学習された学習済みモデルと、前記記憶部に記憶された前記第1属性情報と、前記算出部により算出された前記第1固有振動数とに基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1建物の属性を示す第1属性情報を記憶する記憶部を備え、前記判定部は、耐震性能が既知である複数の第2建物毎に、前記第2建物の属性を示す第2属性情報と、前記第2建物が揺れた場合における前記第2建物の第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、前記第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とが対応付けられた対応情報と、前記記憶部に記憶された前記第1属性情報と、前記算出部により算出された前記第1固有振動数とに基づく回帰分析によって、前記第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1属性情報には、前記第1建物の構造を示す第1建物構造情報が含まれており、前記第2属性情報には、前記第2建物の構造を示す第2建物構造情報が含まれている、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1属性情報には、前記第1建物の所在地を示す第1所在地情報が含まれており、前記第2属性情報には、前記第2建物の所在地を示す第2所在地情報が含まれている、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1属性情報には、前記第1建物内において前記第1検出部が取り付けられている位置を示す第1位置情報が含まれており、前記第2属性情報には、前記第2建物内において前記第2建物の揺れに応じた加速度を検出する第2検出部が取り付けられている位置を示す第2位置情報が含まれている、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記取得部は、耐震性能が既知である第2建物の第2コンセントから供給された電力によって駆動して前記第2建物の揺れに応じた加速度を検出する第2検出部により検出された加速度を示す第2加速度情報を取得し、前記算出部は、前記取得部により取得された前記第2加速度情報に基づいて、前記第2建物が揺れた場合における前記第2建物の固有振動数を第2固有振動数として算出し、前記情報処理装置は、耐震性能が既知である第2建物の属性を示す第2属性情報と、前記算出部により算出された前記第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、前記第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とに基づいて、学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部を備える、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記算出部は、前記取得部により取得された前記第1加速度情報に基づいて、地震によって揺れた前記第1建物の震度を第1建物震度として算出し、前記判定部は更に、前記算出部により算出された前記第1建物震度に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記取得部は、地震の震源地を示す第1震源地情報を取得し、前記算出部は、前記取得部により取得された前記第1震源地情報に基づいて、前記震源地から前記第1建物までの距離を算出し、前記判定部は更に、前記算出部により算出された前記距離に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1建物は、複数の層を有しており、前記複数の層のうちの第1層の第1層コンセントには、前記第1検出部が第1層検出部として取り付けられており、前記複数の層のうちの第2層の第2層コンセントには、前記第1検出部が第2層検出部として取り付けられており、前記取得部は、前記第1層検出部により検出された加速度を示す第1層加速度情報と、前記第2層検出部により検出された加速度を示す第2層加速度情報とを、前記第1加速度情報として取得し、前記算出部は、前記取得部により取得された前記第1層加速度情報が示す加速度と、前記取得部により取得された前記第2層加速度情報が示す加速度とに基づいて、前記第1層と前記第2層との間の層間変位を算出し、前記判定部は、前記算出部により算出された前記層間変位と、前記取得部により取得された前記第1層加速度情報が示す加速度と、前記取得部により取得された前記第2層加速度情報が示す加速度とに基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記第1検出部は、前記第1コンセントに取り付けられた場合において前記第1コンセントに対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制する姿勢変化抑制部を備える、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、情報処理装置において、前記判定部による判定結果を示す情報を携帯端末に出力する出力部を備える、構成が用いられてもよい。
また、本発明の他の態様は、上記に記載の情報処理装置と、前記第1検出部と、を備える情報処理システムである。
また、本発明の他の態様は、上記に記載の情報処理装置を備える、携帯端末である。
また、本発明の他の態様は、コンピュータに、耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントから供給された電力によって駆動して前記第1建物の揺れに応じた加速度を検出する第1検出部により検出された加速度を示す第1加速度情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記第1加速度情報に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する判定ステップと、を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の他の態様は、耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントに取り付けられ、前記第1コンセントから供給された電力によって駆動し、前記第1建物の揺れに応じた加速度を検出し、検出した加速度を示す第1加速度情報を出力し、前記第1コンセントに対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制する姿勢変化抑制部を備える、検出部である。
本発明によれば、建物の躯体へのセンサの取り付け工事等が不要であるとともに、経年変化を伴う耐震性能を容易に判定できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の説明図である。図1において、判定対象建物群10は、本実施形態に係る情報処理システムによって、耐震性能が判定される建物からなる建物群である。図1において、建物11−1、11−2、11−3…が判定対象建物群10に属している。なお、ここでは、説明を簡略化するために、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…は、互いに近接した位置に集めて図示されているが、建物11−1、11−2、11−3、…は、どこに建てられていてもよい。また、建物11−1、11−2、11−3、…の数は限定されない。また、以下の説明では、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…を特に区別しない場合には、単に建物11と呼ぶ場合がある。また、建物11−1、11−2、11−3、…は、住宅等の人が居住する建物と、商業ビル、工場等の人が居住しない建物との両方を含む。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の説明図である。図1において、判定対象建物群10は、本実施形態に係る情報処理システムによって、耐震性能が判定される建物からなる建物群である。図1において、建物11−1、11−2、11−3…が判定対象建物群10に属している。なお、ここでは、説明を簡略化するために、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…は、互いに近接した位置に集めて図示されているが、建物11−1、11−2、11−3、…は、どこに建てられていてもよい。また、建物11−1、11−2、11−3、…の数は限定されない。また、以下の説明では、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…を特に区別しない場合には、単に建物11と呼ぶ場合がある。また、建物11−1、11−2、11−3、…は、住宅等の人が居住する建物と、商業ビル、工場等の人が居住しない建物との両方を含む。
モニター建物群20は、耐震性能が既知である建物からなる建物群である。図1において、建物21−1、21−2、21−3、…は、モニター建物群20に属している。なお、ここでは、説明を簡略化するために、モニター建物群20に属する建物21−1、21−2、21−3、…は、互いに近接した位置に集めて図示されているが、建物21−1、21−2、21−3、…は、どこに建てられていてもよい。また、モニター建物群20に属する建物21−1、21−2、21−3、…は、実際に人が住んでいる建物に限らず、住宅展示場の建物や実験用の建物であってもよい。また、建物21−1、21−2、21−3、…の数は限定されない。また、以下の説明では、モニター建物群に属する建物21−1、21−2、21−3、…を特に区別しない場合には、単に建物21と呼ぶ場合がある。
判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…には、図2に示すような、コンセントに結合する検出部12−1、12−2、12−3、…が取り付けられている。なお、以下の説明では、検出部12−1、12−2、12−3、…を特に区別しない場合には、単に、検出部12と呼ぶ場合がある。
判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…に、検出部12−1、12−2、12−3、…を取り付けると、地震の発生により建物11−1、11−2、11−3、…に揺れが生じたとき、検出部12−1、12−2、12−3、…により、この揺れにより生じる加速度を検出することができる。検出部12−1、12−2、12−3、…の加速度検出値は、ネットワーク30を介して、耐震管理サーバ40に送られる。
耐震管理サーバ40は、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…の属性情報が記憶された判定対象建物群データベース104(図6参照)を有している。建物11−1、11−2、11−3、…の属性情報は、より具体的には、建物11−1、11−2、11−3、…の所在地、設置位置、建物構造である。また、耐震管理サーバ40は、モニター建物群20に属する建物21−1、21−2、21−3…の属性情報、耐震性能、固有振動数とが記憶されているモニター建物群データベース105(図7参照)を有している。建物21−1、21−2、21−3、…の属性情報は、より具体的には、建物21−1、21−2、21−3、…の所在地、設置位置、建物構造である。耐震管理サーバ40は、検出部12−1、12−2、12−3、…からの加速度検出値を取得すると、検出部12−1、12−2、12−3、…からの加速度検出値と、判定対象建物群データベース104及びモニター建物群データベース105の情報とを用いて、各建物11−1、11−2、11−3、…の耐震性能を算出する。耐震性能の算出方法については、後に説明する。なお、耐震管理サーバ40は、物理的に1つのサーバである必要はなく、ネットワーク30上に分散されたサーバであってもよい。
携帯端末15−1、15−2、15−3、…は、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…に居住しているユーザの端末である。各ユーザは、各自の建物11−1、11−2、11−3、…の耐震性能を知りたい場合には、携帯端末15−1、15−2、15−3、…により、耐震管理サーバ40にアクセスし、耐震性能の取得要求を送信する。耐震管理サーバ40は、携帯端末15−1、15−2、15−3、…からの耐震性能の取得要求に応じて、各自の建物11−1、11−2、11−3、…の耐震性能を携帯端末15−1、15−2、15−3、…に送信する。各携帯端末15−1、15−2、15−3、…は、耐震性能を受信すると、各自の建物11−1、11−2、11−3、…に耐震性能を表示して、ユーザに知らせる。なお、以下の説明では、携帯端末15−1、15−2、15−3、…を特に区別しない場合には、単に携帯端末15と呼ぶ場合がある。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける検出部12(12−1、12−2、12−3、…)の外観構成を示す斜視図である。
図2に示すように、検出部12は、コンセント50の差込口51a及び51bと係合する端子52a及び52bを有している。また、検出部12には、コンセント50に対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制するための姿勢変化抑制部として、スポンジのスペーサー53が設けられている。検出部12は、コンセント50に差し込んで固定するだけで、建物11の地震による揺れによって発生する加速度を検出することができる。検出部12は、建物11内のコンセントであれば、どのコンセント50に差し込んで固定してもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける検出部12の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、検出部12は、センサ部61と、通信部62と、電源部63とから構成されている。センサ部61は、三軸加速度センサを有する。通信部62は、センサ部61からの加速度検出値をネットワーク30を介して耐震管理サーバ40に送信する。通信部62は、無線LAN(IEEE802.11)、Blue Tooth(登録商標)、LPWA(Low-Power Wide-Area Network)の技術を使ったLoRa等により、無線でデータ通信を行う。また、無線通信を行う場合、AI(Artificial Intelligence)スピーカと連携するようなアクセスポイントとしてもよい。また通信部62は、PLC(Power Line Communications)を用いて通信を行うようにしてもよい。PLCを用いた場合には、電源部63、プラグ64を介して、データ通信が行える。電源部63は、商用電源から供給される電力を、プラグ64を介して、センサ部61及び通信部62に供給する。
検出部12は、各建物11のコンセント50に差し込んで固定される。検出部12を用いる場合、各建物11の躯体に加速度センサを取り付ける等の工事が不要であり、取り付けが非常に容易である。しかも、検出部12を用いる場合には、センサ部61や通信部62に商用電源からの電力を供給できるので、バッテリが不要である。
なお、検出部12をコンセント50に固定できる場所が確保できない場合には、検出部12は、商用電源からの電源を電源コードで接続して電源を供給するような構成としてもよい。また、検出部12は、バッテリを内蔵してもよい。
また、検出部12は、センサ部61として、加速度センサに加えて、各種のセンサを組み込むようにしてもよい。例えば、検出部12にガスセンサを組み込む場合、検出部12をガスセンサと共用することができる。また、検出部12に煙センサや熱センサを組み込む場合、検出部12を火災報知センサと共用することができる。その他、検出部12に、温度や湿度等、各種のセンサを組み込むようにしてもよい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける携帯端末15の表示例の説明図である。
建物11に居住しているユーザは、所望の操作を行い、携帯端末15により耐震管理サーバ40にアクセスし、耐震性能の取得要求を耐震管理サーバ40に送信すると、図4に示されるような情報が取得できる。図4に示すように、この表示画面71には、耐震性能の情報72が含まれている。建物11に居住しているユーザは、この耐震性能の情報72を見ることで、各自の建物の耐震性能を知ることができる。
なお、この例では、耐震性能の情報72として数値化した情報を表示しているが、耐震性能の情報72は、このような形態に限られるものではない。また、耐震性能の情報72は、現在の耐震性能ばかりでなく、過去の耐震性能を含めて表示してもよい。また、耐震性能の情報72は、耐震性能の変化をグラフ化して表示してもよい。
次に、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける耐震性能の算出方法について説明する。
建物の耐震性能は、建物の固有振動数と深く関連していることが知られている。したがって、建物の耐震性能を推定するためには、その建物の固有振動数を取得する必要がある。固有振動数は、建物が揺れた場合における建物が持つ固有の振動数である。しかしながら、実際に建物に振動を与えて固有振動数を計測することは困難である。そこで、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムは、年に数回発生するような大きな被害をもたらさない地震、例えば震度「2」程度の地震による揺れを利用して、判定対象建物群10に属する各建物11の固有振動数を算出する。
また、建物の耐震性能は、建物の属性情報(所在地、設置位置、建物構造)と関連している。そこで、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムは、耐震性能が既知のモニター建物群20に属する建物21の属性情報を利用して、建物の固有振動数と属性情報とを入力パラメータとして、耐震性能を算出するようなモデルを用い、判定対象建物群10に属する各建物11の耐震情報を算出する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける耐震管理サーバ40の機能に基づく構成を示すブロック図である。図5に示すように、耐震管理サーバ40は、通信部101と、取得部102と、算出部103と、判定対象建物群データベース104と、モニター建物群データベース105と、判定部106と、学習済みモデル生成部107と、耐震性能結果保存部108と、出力部109とを備えている。
通信部101は、ネットワーク30を介して、判定対象建物群10に含まれる建物11の検出部12と通信を行い、各建物11の加速度検出値を取得する。また、通信部101は、ネットワーク30を介して携帯端末15と通信を行い、算出された耐震性能をユーザの携帯端末15に送信する。
取得部102は、地震が発生した場合に、通信部101を介して検出部12から加速度検出値を受信する。そして、取得部102は、建物11を含む周囲の震度が予め決められた所定の震度以上である場合に、その加速度検出値を取得する。所定の震度とは、例えば、震度「2」程度の震度である。震度については、例えば気象庁等のサーバから取得してもよい。取得部102は、所定の震度以上の震度の地震が収まるまでの期間においてのみ加速度検出値を取得する構成であってもよく、当該期間内を含む期間内において加速度検出値を取得する構成であってもよい。
算出部103は、取得部102で取得された検出部12の加速度検出値から、建物11の固有振動数を算出する。固有振動数は、例えばFFT(Fast Fourier Transform)により算出できる。
判定対象建物群データベース104には、センサIDに対応付けて、判定対象建物群10に属する建物11の属性情報(所在地、設置位置、建物構造)が記憶されている。図6は、判定対象建物群データベース104の一例の説明図である。センサIDは、検出部12のセンサ部61のIDである。所在地は、対応するセンサIDの検出部12が取り付けられている建物11の所在地である。設置位置は、対応するセンサIDの検出部12が取り付けられている建物11の位置(例えば、階層等)の情報を示す。建物構造は、対応するセンサIDの検出部12が取り付けられている建物11の建物構造を示す。なお、建物構造としては、木造軸工法、2×4工法等の単なる建築工法だけでなく、屋根の構造(瓦屋根、スレート屋根、金属屋根)、増改築の有無、土台の構造等、種々のものが含まれる。
モニター建物群データベース105には、各建物に対応付けて、モニター建物群20に属する建物21の属性情報(所在地、設置位置、建物構造)、固有振動数、耐震性能とが記憶されている。図7は、モニター建物群データベース105の一例の説明図である。所在地は、対応する建物IDの建物21の所在地である。設置位置は、対応する建物IDの建物21の位置(例えば、階層等)の情報を示す。建物構造は、対応する建物IDの建物21の建物構造を示す。なお、建物構造としては、木造軸工法、2×4工法等の単なる建築工法だけでなく、屋根の構造(瓦屋根、スレート屋根、金属屋根)、増改築の有無、土台の構造等、種々のものが含まれる。固有振動数は、対応する建物IDの建物21についての実際に計測された固有振動数である。耐震性能は、対応する建物IDの建物21についての実際に計測された耐震性能である。ここでは、耐震性能は、震度「7」が発生した場合の建物の損傷ランク(小破、中破、大破、破損)を段階的に示している。また、耐震性能としては、耐震等級を用いてもよい。固有振動数や耐震性能の計測方法としては、建物の構造を示した図面から求めてもよいし、躯体に加速度センサを取り付けて実際に建物に揺れを与えて計測してもよい。モニター建物群20に属する建物21の固有振動数や耐震等級は、どのように計測してもよい。
図5において、学習済みモデル生成部107は、図7に示したモニター建物群データベース105を参照して、モニター建物群20に属する各建物21の既知の耐震性能を教師データとし、建物21の属性情報と建物21の固有振動数とを入力パラメータとするモデルを使って学習を行い、この学習済みモデルを保存する。
判定部106は、所定の震度以上の震度の地震の発生により算出部103から建物11の固有振動数が出力されると、算出部103で算出された建物11の固有振動数と、図6に示した判定対象建物群データベース104中の建物11の属性情報とを入力パラメータとして、学習済みモデル生成部107で生成された学習済みモデルを使って、耐震性能を算出する。耐震性能は、震度「7」が発生した場合の建物の損傷ランク(小破、中破、大破、破損)を段階的に示したものである。そして、判定部106は、求められた耐震性能を時系列で耐震性能結果保存部108に保存する。
出力部109は、判定対象建物群10に属する各建物11のユーザの携帯端末15から耐震性能要求を受信すると、そのユーザの建物11の耐震特性を耐震性能結果保存部108から読み出し、そのユーザの携帯端末15に出力する。
図8は、本発明の第1の実施形態において判定対象建物群10に属する各建物11の耐震性能を求める際の処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)耐震管理サーバ40は、モニター建物群データベース105を参照して、モニター建物群20に属する建物21において実際に計測された耐震性能を教師データとし、建物21の属性情報と建物21の固有振動数とを入力パラメータとするモデルを用いて学習を行い、学習済みモデルを生成して、処理をステップS102に進める。
(ステップS102)耐震管理サーバ40は、求められた学習済みモデルを保存する。
ステップS101からステップS102の処理により、建物の属性情報と固有振動数とを入力パラメータとして耐震性能を求める学習済みモデルが生成され、この学習済みモデルが保存されることになる。
(ステップS103)判定対象建物群10に属する各建物11において、検出部12は、建物の加速度を検出している。
(ステップS104)検出部12は、所定値以上の加速度を検出すると(ステップS103:Yes)、加速度検出値を耐震管理サーバ40に送信する。
(ステップS105)耐震管理サーバ40は、検出部12からの加速度検出値を受信して、処理をステップS106に進める。
(ステップS106)耐震管理サーバ40は、受信した加速度検出値が所定の震度以上の震度の地震による加速度か否かを判定し、所定の震度以上の震度の地震による加速度なら、ステップS106:Yes)、処理をステップS107に進める。
(ステップS107)耐震管理サーバ40は、取得された加速度検出値から、建物11の固有振動数を算出して、処理をステップS108に進める。
(ステップS108)耐震管理サーバ40は、学習済みモデルを用いて、建物11の属性情報と建物11の固有振動数を入力パラメータとして、耐震性能を判定し、処理をステップS109に進める。
(ステップS109)耐震管理サーバ40は、算出された建物11の耐震性能を時系列で保存する。
ステップS103からステップS109の処理により、例えば震度「2」以上の地震が発生する毎に、判定対象建物群10に属する建物11の耐震性能が算出されて、保存されていくことになる。
(ステップS110)判定対象建物群10に属する建物11のユーザは、耐震性能を取得する際に、携帯端末15に所望の操作を行い、各自の携帯端末15と耐震管理サーバ40とを接続する。
(ステップS111)携帯端末15は、耐震管理サーバ40に耐震性能要求を送信する。
(ステップS112)耐震管理サーバ40は、耐震性能要求を受け取ると、そのユーザに対応する耐震性能情報を読み出して、携帯端末15に送信する。
(ステップS113)携帯端末15は、耐震管理サーバ40から送られてきた耐震性能情報を受信して表示する。
なお、上述の例では、学習済みモデル生成部107は、図7に示したモニター建物群データベース105を参照して、耐震性能が既知であるモニター建物群20に属する各建物21の耐震性能を教師データとし、各建物21の属性情報と、各建物21の固有振動数情報とを入力パラメータとするモデルの学習を行って、属性情報と固有振動数を入力パラメータとして耐震性能を算出する学習済みモデルを生成している。このような方法に限らず、図7に示したモニター建物群データベース105を参照して、属性情報と固有振動数を入力パラメータとして耐震性能を算出する関数を回帰分析を使って生成し、建物11の固有振動数と建物11の属性情報から建物11の耐震性能を判定してもよい。
このように、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムでは、建物11に居住しているユーザは、携帯端末15を使って、各自の建物11−1、11−2、11−3、…の耐震性能を簡単に知ることができる。また、各自の建物11−1、11−2、11−3、…の耐震性能は、例えば震度「2」以上の地震が発生する毎に更新されていく。これにより、経年変化を加味した耐震性能の変化を認識することができる。
なお、上述の例では、学習済みモデル生成部107は、モニター建物群20に属する建物21において実際に計測された耐震性能を教師データとし、建物の属性情報と固有振動数とを入力パラメータとするモデルを用いて学習を行い、学習済みモデルを生成している。そして、判定部106は、地震の発生により検出部12からの加速度検出値が得られたら、この加速度検出値から固有振動数を求め、学習済みモデルを使って、判定対象建物群10に属する各建物11の耐震性能を算出している。判定部106は、これに加えて、更に、発生した地震の震度を入力パラメータとして耐震性能を判定してもよい。更に、算出部103は発生した地震の震源地から建物11までの距離を算出し、判定部106は、これらに加えて、震源地までの距離を入力パラメータとして耐震性能を判定してもよい。耐震性能を判定するための入力パラメータは、これらに限定されない。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。なお、以下の実施形態は、基本的な構成については前述の第1の実施形態と同一であり、対応部分については、同一の符号を用いて説明する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。なお、以下の実施形態は、基本的な構成については前述の第1の実施形態と同一であり、対応部分については、同一の符号を用いて説明する。
前述の第1の実施形態に係る情報処理システムでは、図1に示したように、判定対象建物群10に属する各建物11−1、11−2、11−3、…には、各建物に1つの検出部12−1、12−2、12−3、…が取り付けられている。しかしながら、各建物11−1、11−2、11−3、…に取り付ける検出部12は、1つに限られず、複数個であってもよい。特に、建物が複数階層の建物である場合には、各階層のコンセントに検出部12を取り付けることで、層間変位の情報を取得することができ、耐震性能の評価を行うのに、この層間変位の情報を利用することができる。
つまり、図9は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムの説明図である。この例では、建物11は2階層になっており、1階のコンセント50aと2階のコンセント50bとに、それぞれ、検出部12aと検出部12bとが取り付けられている。
この場合、所定の震度以上の震度の地震が発生すると、1階の検出部12aと2階の検出部12bとから加速度検出値が出力される。この1階の検出部12aからの加速度検出値と2階の検出部12bからの加速度検出値とがネットワーク30を介して、耐震管理サーバ40に送られる。耐震管理サーバ40においては、検出部12aで検出された加速度検出値と検出部12bで検出された加速度検出値とに基づいて、層間変位が算出される。
前述の第1の実施形態では、耐震管理サーバ40は、学習済みモデルを用いて、建物11の属性情報と建物11の固有振動数とを入力パラメータとして耐震性能を算出しているが、第2の実施形態では、更に、建物11の層間変位の情報を入力パラメータとすることができる。これにより、耐震管理サーバ40は、耐震性能の算出精度を上げることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の説明図である。
次に、本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の説明図である。
前述の第1の実施形態に係る情報処理システムでは、図1に示したように、判定対象建物群10に属する各建物11−1、11−2、11−3、…に、検出部12−1、12−2、12−3、…が取り付けられている。これに対して、第3の実施形態では、図10に示すように、判定対象建物群10に属する建物11−1、11−2、11−3、…ばかりでなく、モニター建物群20に属する建物21−1、21−2、21−3、…にも、図2に示したような、検出部22−1、22−2、22−3、…が取り付けられている。
所定の震度以上の震度の地震が発生すると、検出部22−1、22−2、22−3、…の加速度検出値が耐震管理サーバ40に送られる。耐震管理サーバ40の取得部102は、所定の震度以上の震度の地震が発生したときに、検出部22−1、22−2、22−3、…から加速度検出値を取得する。耐震管理サーバ40の算出部103は、この加速度検出値に基づいて、モニター建物群20に属する建物21−1、21−2、21−3、…の固有振動数を算出する。学習済みモデル生成部107は、算出された建物21−1、21−2、21−3、…の固有振動数と、図7に示したモニター建物群データベース105中の属性情報とを入力パラメータとして、耐震性能を求めるためのモデルを学習する。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図11は、本発明の第4の実施形態において判定対象建物群10に属する各建物11の耐震性能を求める際の処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の第4の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図11は、本発明の第4の実施形態において判定対象建物群10に属する各建物11の耐震性能を求める際の処理を示すフローチャートである。
(ステップS201)第4の実施形態では、各建物11のユーザは、各自の携帯端末15に、予め、専用のアプリケーションプログラムをインストールして、初期設定をしておく。初期設定では、ユーザは、各自の建物11の属性情報(所在地、設置位置、建物構造等)を入力しておく。
(ステップS202)耐震管理サーバ40は、モニター建物群データベース105を参照して、モニター建物群20に属する建物21において実際に計測された耐震性能を教師データとし、属性情報と固有振動数とを入力パラメータとするモデルを用いて学習を行い、学習済みモデルを生成して、処理をステップS203に進める。
(ステップS203)耐震管理サーバ40は、求められた学習済みモデルを保存する。
(ステップS204)携帯端末15は、耐震管理サーバ40と接続し、学習済みモデルダウンロード要求を耐震管理サーバ40に送信する。
(ステップS205)耐震管理サーバ40は、学習済みモデルダウンロード要求を受け取ると、この学習済みモデルを携帯端末15に送信する。
(ステップS206)携帯端末15は、耐震管理サーバ40から学習済みモデルを受信すると、この学習済みモデルを保存する。
(ステップS207)判定対象建物群10に属する各建物11において、検出部12は、建物の加速度を検出している。
(ステップS208)検出部12は、所定値以上の加速度を検出すると(ステップS207:Yes)、加速度検出値を携帯端末15に送信する。
(ステップS209)携帯端末15は、検出部12からの加速度検出値を受信して、処理をステップS210に進める。
(ステップS210)携帯端末15は、受信した加速度検出値が所定の震度以上の震度の地震による加速度か否かを判定し、所定の震度以上の震度の地震による加速度なら(ステップS210:Yes)、処理をステップS211に進める。
(ステップS211)携帯端末15は、取得された加速度検出値から、建物11の固有振動数を算出して、処理をステップS212に進める。
(ステップS212)携帯端末15は、耐震管理サーバ40からダウンロードした学習済みモデルを用いて、初期設定で取得された判定対象建物群10に属する建物11の属性情報と、ステップS211で求められた固有振動数から、耐震性能を判定して、処理をステップS213に進める。
(ステップS213)携帯端末15は、算出された耐震性能を時系列で保存する。
(ステップS214)判定対象建物群10に属する建物11のユーザは、耐震性能を取得する際に、携帯端末15に所定の操作を行う。
(ステップS215)携帯端末15は、所定の操作をユーザから受けると、そのユーザに対応する耐震性能情報を読み出して表示する。
以上説明したように、第4の実施形態では、携帯端末15が、耐震管理サーバ40から学習済みモデルをダウンロードしておき、地震が発生したときの検出部12からの加速度検出値を受信して、耐震性能を算出する。このため、ユーザは、携帯端末15を耐震管理サーバ40に接続することなく、耐震性能を取得することができる。
<応用例>
上述の実施形態は、判定対象建物群10に属する各建物11に装着された検出部12からの加速度検出値を用いて、各建物11の耐震性能を求めているが、検出部12からの加速度検出値から地震の震度を求めるようにしてもよい。すなわち、建物11の属性情報と、建物11の固有振動数情報とを入力パラメータとして、震度を算出するようなモデルを用いれば、検出部12からの加速度検出値から、震度を算出できる。これにより、各ユーザは、地震が発生したときに、震度を素早く、容易に認識することができる。
上述の実施形態は、判定対象建物群10に属する各建物11に装着された検出部12からの加速度検出値を用いて、各建物11の耐震性能を求めているが、検出部12からの加速度検出値から地震の震度を求めるようにしてもよい。すなわち、建物11の属性情報と、建物11の固有振動数情報とを入力パラメータとして、震度を算出するようなモデルを用いれば、検出部12からの加速度検出値から、震度を算出できる。これにより、各ユーザは、地震が発生したときに、震度を素早く、容易に認識することができる。
また、AIスピーカと検出部12とを連携させたサービスを行うことが考えられる。例えば、耐震管理サーバ40を検出部12からの加速度検出値から震度を算出できるように構成するとともに、AIスピーカと耐震管理サーバ40と連携させておき、地震が発生したら、AIスピーカから、地震の発生と震度とを音声で出力させることが考えられる。
また、上述の実施形態では、耐震管理サーバ40は、各建物11の属性情報や、加速度検出値、固有振動数、耐震性能の情報を取得できる。これらのデータを集めてビッグデータとして、防災マップの作成や各種の地震対策、防災計画、地震保険サービスに利用できる。
なお、以上の説明において、耐震管理サーバ40が情報処理装置に対応する。判定対象建物群10に属する建物11が第1建物に対応する。モニター建物群20に属する建物21が第2建物に対応する。建物11に取り付けられた検出部12が第1検出部に対応する。建物21に取り付けられた検出部22が第2検出部に対応する。検出部12で検出した加速度検出値が第1加速度情報に対応する。検出部22で検出した加速度検出値が第2加速度情報に対応する。判定対象建物群データベース104が第1属性情報を記憶する記憶部に対応する。建物11のコンセントが第1コンセントに対応する。建物21のコンセントが第2コンセントに対応する。コンセント50aが第1層コンセントに対応する。検出部12aが第1層検出部に対応する。コンセント50bが第2層コンセントに対応する。検出部12bが第2層検出部に対応する。
以上のように、実施形態に係る情報処理装置(上記において説明した例では、耐震管理サーバ40)は、耐震性能を判定する対象となる第1建物(上記において説明した例では、建物11)の第1コンセント(上記において説明した例では、建物11のコンセント)から供給された電力によって駆動して第1建物の揺れに応じた加速度を検出する第1検出部(上記において説明した例では、検出部12)により検出された加速度を示す第1加速度情報(上記において説明した例では、加速度検出値)を取得する取得部(上記において説明した例では、取得部102)と、取得部により取得された第1加速度情報に基づいて、第1建物の耐震性能を判定する判定部(上記において説明した例では、判定部106)と、を備える。これにより、情報処理装置は、耐震性能を判定する対象となる建物のコンセントから供給された電力によって駆動して建物の揺れに応じた加速度を検出する検出部により検出された加速度情報を取得し、取得された加速度情報に基づいて、建物の耐震性能を判定している。その結果、情報処理装置は、躯体に加速度センサを取り付ける等の工事が不要であり、コストが大幅に削減できるとともに、経年変化を伴う耐震性能を容易に判定できる。また、目視による定性的な評価と異なり、耐震性能を定量的に評価でき、精度の向上が図れる。
また、情報処理装置では、取得部は、第1建物を含む地域において予め決められた震度(上記において説明した例では、所定の震度)以上の第1震度(上記において説明した例では、震度「2」)の第1地震が発生した場合、第1加速度情報を取得する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、第1建物の耐震性能は、複数の段階によって表されており、判定部は、第1建物の耐震性能を、複数の段階のうちいずれの段階であるかを判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、取得部により取得された第1加速度情報に基づいて、第1建物が揺れた場合における第1建物の固有振動数を第1固有振動数として算出する算出部(上記において説明した例では、算出部103)を備え、判定部は、算出部により算出された第1固有振動数に基づいて、第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置は、第1建物の属性を示す第1属性情報を記憶する記憶部(上記において説明した例では、判定対象建物群データベース104)を備え、判定部は、耐震性能が既知である複数の第2建物(上記において説明した例では、建物21)毎に、第2建物の属性を示す第2属性情報と、第2建物が揺れた場合における第2建物の第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とが対応付けられた対応情報が学習された学習済みモデルと、記憶部に記憶された第1属性情報と、算出部により算出された第1固有振動数とに基づいて、第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置は、第1建物の属性を示す第1属性情報を記憶する記憶部を備え、判定部は、耐震性能が既知である複数の第2建物毎に、第2建物の属性を示す第2属性情報と、第2建物が揺れた場合における第2建物の第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とが対応付けられた対応情報と、記憶部に記憶された第1属性情報と、算出部により算出された第1固有振動数とに基づく回帰分析によって、第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、第1属性情報には、第1建物の構造を示す第1建物構造情報が含まれており、第2属性情報には、第2建物の構造を示す第2建物構造情報が含まれている、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、第1属性情報には、第1建物の所在地を示す第1所在地情報が含まれており、第2属性情報には、第2建物の所在地を示す第2所在地情報が含まれている、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、第1属性情報には、第1建物内において第1検出部が取り付けられている位置を示す第1位置情報が含まれており、第2属性情報には、第2建物内において第2建物の揺れに応じた加速度を検出する第2検出部が取り付けられている位置を示す第2位置情報が含まれている、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、取得部は、耐震性能が既知である第2建物の第2コンセントから供給された電力によって駆動して第2建物の揺れに応じた加速度を検出する第2検出部(上記において説明した例では、検出部22)により検出された加速度を示す第2加速度情報を取得し、算出部は、取得部により取得された第2加速度情報に基づいて、第2建物が揺れた場合における第2建物の固有振動数を第2固有振動数として算出し、情報処理装置は、耐震性能が既知である第2建物の属性を示す第2属性情報と、算出部により算出された第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とに基づいて、学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部を備える、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、算出部は、取得部により取得された第1加速度情報に基づいて、地震によって揺れた第1建物の震度を第1建物震度として算出し、判定部は更に、算出部により算出された第1建物震度に基づいて、第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、取得部は、地震の震源地を示す第1震源地情報を取得し、算出部は、取得部により取得された第1震源地情報に基づいて、震源地から第1建物までの距離を算出し、判定部は更に、算出部により算出された距離に基づいて、第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置では、第1建物は、複数の層を有しており、複数の層のうちの第1層の第1層コンセントには、第1検出部が第1層検出部(上記において説明した例では、検出部12a)として取り付けられており、複数の層のうちの第2層の第2層コンセントには、第1検出部が第2層検出部(上記において説明した例では、検出部12b)として取り付けられており、取得部は、第1層検出部により検出された加速度を示す第1層加速度情報と、第2層検出部により検出された加速度を示す第2層加速度情報とを、第1加速度情報として取得し、算出部は、取得部により取得された第1層加速度情報が示す加速度と、取得部により取得された第2層加速度情報が示す加速度とに基づいて、第1層と第2層との間の層間変位を算出し、判定部は、算出部により算出された層間変位と、取得部により取得された第1層加速度情報が示す加速度と、取得部により取得された第2層加速度情報が示す加速度とに基づいて、第1建物の耐震性能を判定する、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置は、第1検出部は、第1コンセントに取り付けられた場合において第1コンセントに対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制する姿勢変化抑制部(上記において説明した例では、スペーサー53)を備える、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置は、判定部による判定結果を示す情報を携帯端末に出力する出力部(上記において説明した例では、出力部109)を備える、構成が用いられてもよい。
また、情報処理装置は、判定部による判定結果を示す情報を携帯端末に出力する出力部(上記において説明した例では、出力部109)を備える、構成が用いられてもよい。
また、実施形態に係る検出部は、耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントに取り付けられ、第1コンセントから供給された電力によって駆動し、第1建物の揺れに応じた加速度を検出し、検出した加速度を示す第1加速度情報を出力し、第1コンセントに対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制する姿勢変化抑制部を備える。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
また、以上に説明した装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。ここで、当該装置は、例えば、携帯端末15、耐震管理サーバ40等である。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。
10…判定対象建物群、11、11−1、11−2、11−3…建物、12、12−1、12−2、12−3…検出部、15、15−1、15−2、15−3…携帯端末、20…モニター建物群、21、21−1、21−2、21−3…建物、22、22−1、22−2、22−3… 検出部、30…ネットワーク、40…耐震管理サーバ、50…コンセント、53…スペーサー、102…取得部、103 …算出部、104…判定対象建物群データベース、105…モニター建物群データベース、106…判定部
Claims (19)
- 耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントから供給された電力によって駆動して前記第1建物の揺れに応じた加速度を検出する第1検出部により検出された加速度を示す第1加速度情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第1加速度情報に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する判定部と、
を備える情報処理装置。 - 前記取得部は、前記第1建物を含む地域において予め決められた震度以上の第1震度の第1地震が発生した場合、前記第1加速度情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記第1建物の耐震性能は、複数の段階によって表されており、
前記判定部は、前記第1建物の耐震性能を、前記複数の段階のうちいずれの段階であるかを判定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。 - 前記取得部により取得された前記第1加速度情報に基づいて、前記第1建物が揺れた場合における前記第1建物の固有振動数を第1固有振動数として算出する算出部を備え、
前記判定部は、前記算出部により算出された前記第1固有振動数に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記第1建物の属性を示す第1属性情報を記憶する記憶部を備え、
前記判定部は、耐震性能が既知である複数の第2建物毎に、前記第2建物の属性を示す第2属性情報と、前記第2建物が揺れた場合における前記第2建物の第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、前記第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とが対応付けられた対応情報が学習された学習済みモデルと、前記記憶部に記憶された前記第1属性情報と、前記算出部により算出された前記第1固有振動数とに基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、
請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記第1建物の属性を示す第1属性情報を記憶する記憶部を備え、
前記判定部は、耐震性能が既知である複数の第2建物毎に、前記第2建物の属性を示す第2属性情報と、前記第2建物が揺れた場合における前記第2建物の第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、前記第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とが対応付けられた対応情報と、前記記憶部に記憶された前記第1属性情報と、前記算出部により算出された前記第1固有振動数とに基づく回帰分析によって、前記第1建物の耐震性能を判定する、
請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記第1属性情報には、前記第1建物の構造を示す第1建物構造情報が含まれており、
前記第2属性情報には、前記第2建物の構造を示す第2建物構造情報が含まれている、
請求項5又は6に記載の情報処理装置。 - 前記第1属性情報には、前記第1建物の所在地を示す第1所在地情報が含まれており、
前記第2属性情報には、前記第2建物の所在地を示す第2所在地情報が含まれている、
請求項5から7のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記第1属性情報には、前記第1建物内において前記第1検出部が取り付けられている位置を示す第1位置情報が含まれており、
前記第2属性情報には、前記第2建物内において前記第2建物の揺れに応じた加速度を検出する第2検出部が取り付けられている位置を示す第2位置情報が含まれている、
請求項5から8のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記取得部は、耐震性能が既知である第2建物の第2コンセントから供給された電力によって駆動して前記第2建物の揺れに応じた加速度を検出する第2検出部により検出された加速度を示す第2加速度情報を取得し、
前記算出部は、前記取得部により取得された前記第2加速度情報に基づいて、前記第2建物が揺れた場合における前記第2建物の固有振動数を第2固有振動数として算出し、
前記情報処理装置は、
耐震性能が既知である第2建物の属性を示す第2属性情報と、前記算出部により算出された前記第2固有振動数を示す第2固有振動数情報と、前記第2建物の耐震性能を示す第2耐震性能情報とに基づいて、学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部を備える、
請求項5から9のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記算出部は、前記取得部により取得された前記第1加速度情報に基づいて、地震によって揺れた前記第1建物の震度を第1建物震度として算出し、
前記判定部は更に、前記算出部により算出された前記第1建物震度に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、
請求項4から10のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記取得部は、地震の震源地を示す第1震源地情報を取得し、
前記算出部は、前記取得部により取得された前記第1震源地情報に基づいて、前記震源地から前記第1建物までの距離を算出し、
前記判定部は更に、前記算出部により算出された前記距離に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、
請求項4から11のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記第1建物は、複数の層を有しており、
前記複数の層のうちの第1層の第1層コンセントには、前記第1検出部が第1層検出部として取り付けられており、
前記複数の層のうちの第2層の第2層コンセントには、前記第1検出部が第2層検出部として取り付けられており、
前記取得部は、前記第1層検出部により検出された加速度を示す第1層加速度情報と、前記第2層検出部により検出された加速度を示す第2層加速度情報とを、前記第1加速度情報として取得し、
前記算出部は、前記取得部により取得された前記第1層加速度情報が示す加速度と、前記取得部により取得された前記第2層加速度情報が示す加速度とに基づいて、前記第1層と前記第2層との間の層間変位を算出し、
前記判定部は、前記算出部により算出された前記層間変位と、前記取得部により取得された前記第1層加速度情報が示す加速度と、前記取得部により取得された前記第2層加速度情報が示す加速度とに基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する、
請求項4から12のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記第1検出部は、前記第1コンセントに取り付けられた場合において前記第1コンセントに対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制する姿勢変化抑制部を備える、
請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記判定部による判定結果を示す情報を携帯端末に出力する出力部を備える、
請求項1から14のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 請求項1から15のうちいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記第1検出部と、
を備える情報処理システム。 - 請求項1から14のうちいずれか一項に記載の情報処理装置を備える、
携帯端末。 - コンピュータに、
耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントから供給された電力によって駆動して前記第1建物の揺れに応じた加速度を検出する第1検出部により検出された加速度を示す第1加速度情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記第1加速度情報に基づいて、前記第1建物の耐震性能を判定する判定ステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 耐震性能を判定する対象となる第1建物の第1コンセントに取り付けられ、
前記第1コンセントから供給された電力によって駆動し、
前記第1建物の揺れに応じた加速度を検出し、
検出した加速度を示す第1加速度情報を出力し、
前記第1コンセントに対する相対的な姿勢が変化してしまうことを抑制する姿勢変化抑制部を備える、
検出部。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018239299A JP2020101431A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | 情報処理装置、情報処理システム、携帯端末、プログラム、及び検出部 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7457908B2 (ja) | 2021-01-20 | 2024-03-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 嵌合検知方法、嵌合検知装置及び嵌合検知システム |
JP7482001B2 (ja) | 2020-11-09 | 2024-05-13 | 株式会社東芝 | プラント評価システム、方法及びプログラム |
-
2018
- 2018-12-21 JP JP2018239299A patent/JP2020101431A/ja active Pending
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