JP2020100729A - 粘着剤組成物、及びそれを用いてなる粘着剤、粘着シート、偏光板用粘着剤並びに粘着剤層付偏光板 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明ではこのような背景下において、これまでと同様に、リワーク性(糊残りなく比較的低い粘着力で剥離できる性能。)に加え、100〜120℃といった高温環境下においても優れた耐久性を有する粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、アクリル系樹脂(A)及び不飽和基を含有しないアミド化合物(B)を含有する粘着剤組成物を第1の要旨とするものである。
なお、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
また、本発明でいう粘着剤とは25℃(室温)でタックを有し、手で押しつける程度の軽い圧力で被着体と接着するものであり、「シート」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)としては、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを主成分とし、必要に応じて官能基含有モノマーやその他の共重合性モノマーを含有する共重合成分を共重合してなるアクリル系樹脂を挙げることができる。
なお、「主成分とする」とは、共重合成分全体に対して通常50重量%以上含有することを意味する。
本発明においては、アクリル系樹脂(A)の共重合成分として官能基含有モノマーを用いることが、アクリル系樹脂(A)の架橋点となり、凝集力を向上し、基材や被着体との密着性を上昇させる点、耐久性の点で好ましく、特には耐久性の点から水酸基含有モノマーを用いることが好ましい。
上記カルボキシ基含有モノマーの含有割合は、共重合体成分全体に対して1重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.8重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下であり、更に好ましくは0.2重量%以下である。かかる含有割合が多すぎると、基材の加水分解を促進したり、耐久性が低下したりする傾向がある。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー;t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂(A)の酸価は、10mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは5mgKOH/g以下であり、特に好ましくは2mgKOH/g以下である。酸価が高すぎると、粘着剤が高温で硬化しやすくなり耐久性が低下する傾向にある。
上記アクリル系樹脂(A)の酸価は、JIS K 0070に基づき中和滴定により求められるものである。
なお、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
本発明で用いる不飽和基を含有しないアミド化合物(B)とは、末端にエチレン性不飽和基を含有しないアミド化合物を意味する。従って、上記アクリル系樹脂(A)と共重合することがないため、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度の上昇を抑えることができ、柔軟さを維持することができる。
よって、本発明の粘着剤組成物は、優れたリワーク性を有し、かつ高温環境下で懸念されるアクリル系樹脂(A)の劣化による硬化も小さく、耐久性の低下も招くことがないため、優れた耐久性を有するものとなる。
また、粘着剤組成物が、後述のイオン性化合物(C)を含有する場合、上記アクリル系樹脂(A)と不飽和基を含有しないアミド化合物(B)とは共重合しないため、帯電防止剤を拘束することもなく、帯電防止性能等の低下を防止する効果も奏する。
上記2級カルボン酸アミド化合物としては、上記1級アミド化合物の窒素原子が水素原子以外の置換基で1つ置換された化合物が挙げられる。
上記3級カルボン酸アミド化合物としては、上記1級アミド化合物の窒素原子が水素原子以外の置換基で2つ置換された化合物が挙げられる。
また、その他上記以外のアミド化合物として、例えば、2,4−ジヒドロキシベンズアミド、3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミド、シクロプロパンカルボキサミド、バレルアミド、6−メチルニコチンアミド、2−シアノアセトアミド、エルカ酸アミド、マロンアミド、2−ヨードアセトアミド、ステアリン酸アミド、4−ニトロベンズアミド、3,5−ジヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−5−メチルベンズアミド、4−メトキシベンズアミド、2−ヒドロキシイソブチルアミド、3−フェニル−2−プロペンアミド、2−フェニルアセトアミド、4−アミノ−3,5−ジニトロベンズアミド、1−(カルバモイルメチル)シクロヘキサン酢酸、ベンズアミド、2,2−ジブロモ−2−シアノアセトアミド、プロピオン酸アミド、4−アミドベンズアミド、イソ酪酸アミド、2,3−ジブロモプロピオンアミド、ホルムアミド、2−アミノ−N,N−ジメチルアセトアミド等の1級カルボン酸アミド化合物;N−エチルアセトアミド、N,N’−エチレンビスオクタデカンアミド、4−アセチルアミノ−2−エトキシ安息香酸メチル、N−メチルアセトアミド、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)ブタンアミド、ヘキサヒドロ−3−アミノ−1H−アゼピン−2−オン、N,N−ジメチルエタンジアミド、2’−クロロアセトアニリド、ε−カプロラクタム、N−エチル−p−メンタン−3−カルボアミド、N−(tert−ブトキシカルボニル)−p−トルエンスルホンアミド、4−アミノ−N−メチルベンズアミド、N−[4−[(4−エチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−3−(1H−ピロール[2,3−b]ピリジン−4−イルオキシ)−ベンズアミド三塩酸塩、フェナセチン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、3−アミノ−N−メチルベンズアミド等の2級カルボン酸アミド化合物;N−メトキシ−N−メチルアセトアミド、1−メチル−2,5−ピロリジンジオン、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルクロロアセトアミド、アセトアミド,2,2’−オキシビス[N,N−ジオクチル−等の3級カルボン酸アミド化合物が挙げられる。
また、上記不飽和基を含有しないアミド化合物(B)の沸点は、通常常圧で200℃以上、より好ましくは210℃以上、更に好ましくは230℃以上である。沸点が低すぎると乾燥中に揮発したり、高温時に発泡する傾向がある。
本発明の粘着剤組成物においては、帯電防止性能の点でイオン性化合物(C)を含有することが好ましい。
上記カチオンとしては、無機カチオン及び有機カチオンから選ばれるカチオンであればよい。
テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン等のアルキル基のアルキル鎖長が全て等しいテトラアルキルアンモニウムカチオン;
トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン等のアルキル鎖長が異なるアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムカチオン;
その他、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン等の芳香環を有する置換基やエーテル結合を有する置換基を持つアンモニウムカチオンが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(D)で架橋させることにより粘着剤とすることができ、更に、かかる粘着剤からなる粘着剤層をプラスチックフィルム等の基材に積層形成することにより、粘着シートを得ることができる。
上記粘着シートには、粘着剤層の基材フィルムとは逆の面に、さらに離型フィルムを設けることが好ましい。
これらのなかでも、上記〔2〕の方法で、常温(23℃)状態でエージングする方法が、熱により基材フィルムを痛めない点、基材フィルムと粘着剤層との密着性に優れる点で好ましい。
また、上記溶剤としては、粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。これらのなかでも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用いられる。
アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度については前述のFoxの式を用いて算出し、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は通常DSCにより測定されてなる文献値及びカタログ記載値を用いた。
〔アクリル系樹脂(A−1)〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート76部、メチルアクリレート20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート4部、酢酸エチル76部、アセトン13.5部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.012部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)(重量平均分子量163万、分散度3.1、ガラス転移温度−44.7℃、酸価1mgKOH/g以下)溶液(固形分18.2%、粘度7,290mPa・s/25℃)を得た。
アクリル系樹脂(A−1)において、n−ブチルアクリレート78部、メチルアクリレート20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート2部とした以外は、同様にしてアクリル系樹脂(A−2)(重量平均分子量148万、分散度3.7、ガラス転移温度−45.2℃、酸価1mgKOH/g以下)溶液(固形分19%、粘度6,700mPa・s/25℃)を得た。
以下の不飽和基を含有しないアミド化合物(B)を用意した。
(B−1):3−ブトキシ−N,Nジメチルプロパンアミド(KJケミカルズ社製「KJCBPA−100」、分子量173、融点−17℃、沸点252℃)
イオン性化合物(C)として以下のものを用意した。
(C−1):トリブチルメチルアンモニウムN,Nビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(スリーエム社製「FC−4400」)
架橋剤(D)として以下のものを用意した。
(D−1):トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体(東ソー社製「コロネートL55E」)
上記のようにして調製、準備した各配合成分を下記表1の通りに配合し、これを酢酸エチルにて固形分濃度を12.5%に調液し、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を用いて、以下の評価を行った。
得られた粘着剤組成物を厚み38μmの軽剥離シート(東レ社製「セラピールWZ」)に乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを両面に積層した偏光板の一方のTACフィルム表面に、離型シートと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RHの環境下で7日間エージングし、粘着剤層付き偏光板[I]を得た(層構成:離型シート/粘着剤層/TACフィルム1/偏光子/TACフィルム2)。
得られた粘着剤組成物を厚み38μmの軽剥離シート(東レ社製「セラピールWZ」)に乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、軽剥離シートと反対面の粘着剤面に38μmの重剥離シート(三井東セロ社製「ルミラーSP 03BU」)を貼り合わせ両面セパレーター付きの粘着シート[II]を得た。
上記で得られた粘着剤層付き偏光板[I]を25mm幅にカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ、2kgローラーにて貼り合わせ、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行った後、23℃×50%RHの環境下で1日静置し、その後、引き剥がし角度180°、300mm/分の剥離速度で引き剥がした時の粘着力を測定し、下記評価基準にて評価した。
[評価基準]
〇・・・10N/25mm未満
×・・・10N/25mm以上もしくは糊残りが発生
得られた粘着剤層付き偏光板[I]を16cm×9.5cmにカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、耐久性試験用のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、(1)耐熱性(120℃×250時間及び、105℃×250時間)、(2)耐湿熱性(85℃×85%RH)の条件で暴露した後の偏光板について、下記評価基準にて評価した。
[評価基準]
(1)耐熱性
○・・・浮きが見られない。
×・・・端部あるいは全面に浮きが見られる。
(2)耐湿熱性
○・・・浮きが見られない。
×・・・端部あるいは全面に浮きが見られる。
上記粘着剤層付き偏光板[I]を23℃×50%RHの雰囲気下で24時間静置した後、粘着剤層の離型シートを外し表面抵抗率測定装置(三菱化学アナリテック社製、装置名「Hiresta−UP MCP−HT450」)を用い粘着剤層の表面抵抗率(Ω/cm2)を測定し、下記の評価基準にて評価した。
[評価基準]
○・・・10×1011Ω/cm2未満
×・・・10×1011Ω/cm2以上
得られた粘着剤シート[II]の離型シートを剥離し、粘着剤層面から粘着剤をピッキングしSUS製の200メッシュ金網で包んだ後、23℃に調整した酢酸エチルに24時間浸漬し、酢酸エチル浸漬前の粘着剤の重量に対する、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率(%)とした。
一方で、不飽和基を含有しないアミド化合物(B)を使用していない比較例1は120℃で偏光板に浮きが生じており、高温での耐久性に劣るものであった。
これは、120℃という過酷な環境ではアクリル系樹脂(A)の側鎖が切れ、カルボキシ基が生成したり、官能基がエステル化したり、ラジカルによる水素引き抜きが起きたりすることで、アクリル系樹脂が硬化してしまい、剥がれが生じる結果となったのに対して、不飽和基を含有しないアミド化合物(B)によってこれらの現象が抑制されていると考えられる。
また、アクリル系樹脂(A)と不飽和基を含有しないアミド化合物(B)とは共重合していないため、帯電防止剤を拘束することもなく、アクリル系樹脂のガラス転移温度の上昇も防げるため、帯電防止性能やリワーク性にも優れると考えられる。
Claims (11)
- アクリル系樹脂(A)及び不飽和基を含有しないアミド化合物(B)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
- 上記不飽和基を含有しないアミド化合物(B)が、ジアルキルアミド化合物(b1)であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
- 上記不飽和基を含有しないアミド化合物(B)の分子量が120以上であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
- 上記アクリル系樹脂(A)の酸価が、10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 上記不飽和基を含有しないアミド化合物(B)の融点が200℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 更に、イオン性化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 更に、架橋剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物が、架橋剤(D)により架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
- 請求項8記載の粘着剤からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
- 請求項8記載の粘着剤を用いてなることを特徴とする偏光板用粘着剤。
- 請求項10記載の偏光板用粘着剤からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着剤層付偏光板。
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