JP2020100524A - 肥料および栽培植物の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物、特に単子葉植物の成長を促進し、その種子ないし果実の収量を増大させるケイ素系肥料およびこれを用いた栽培植物の生産方法を提供する。【解決手段】廃ガラス粉砕原料に発泡剤を加えて焼成したガラス質発泡焼成体を用いることで、植物にケイ素分をメタケイ酸イオン(SiO32−)の形で安定して供給し、植物体が大きくなり光合成量が増えることで、種子ないし果実の収量を増大させる。【選択図】図1

Description

本発明は、肥料および栽培植物の生産方法に関する。詳しく述べると、本発明は、植物、特に単子葉植物の成長を促進し、その種子ないし果実、代表的には米、麦、トウモロコシ等の穀物の収量を増大させる肥料およびこれを用いた栽培植物の生産方法に関するものである。
ケイ素は、植物にとって必須要素ではないものの、単子葉植物、とりわけイネ科植物においては重要な成分である。植物におけるケイ素の主な効能・効果としては、例えば、倒伏防止、マンガンの過剰症の軽減、いもち病やうどんこ病の発生抑制等の病虫害の軽減などが挙げられる。ケイ素が植物にもたらすこれらの病虫害抵抗性は、植物体内に沈積したシリカが病原菌に対して物理的な障壁を築くだけではなく、植物体内のケイ素が感染部位の抵抗性を誘導する作用を持つことが見出され、この病虫害抵抗性には水溶性ケイ素が重要な働きをしていることが報告されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
元来、土壌中には多量のケイ素が含まれているが、それらは植物にとって吸収し難い難溶性のケイ酸アルミニウム等の形態で存在しており、植物の育成に効率よく利用されているとは言い難い。
このような観点から、従来、イネの水田耕作においては、ケイ素含有肥料を施肥することが行われているが、一般的に使用されているケイ素含有肥料のうち大部分の種類は、そのケイ素源として鉄や各種金属を精錬する際に得られるスラグ(鉱滓)を用いたものであり、一般的な土壌のpH5〜7程度の条件下においては、ケイ酸としての溶出量が極端に低下し、ケイ酸分の供給源としては効率が良いものとは言えないものであった。
さらに、特許文献1においては、結晶質であるスラグ、特にダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO)の鉱物相を含むものがpH5〜7程度の条件下においても高いケイ酸溶出性を有することから、施肥効果に改善が見られることが示されているが、同じスラグ系のものを用いたものの中での向上という程度のものであって、未だ十分なものとは言えないものであった。なお、この特許文献1におけるスラグの組成としては、主成分がCaO、SiO、MgO、Alからなり、CaOを40〜60質量%、SiOを25〜40質量%、MgOを5〜15質量%、Alを0〜5質量%含み、かつCaO/SiO質量比が1.4〜2.0であるものが示されている。
また、植物へのケイ素の吸収を容易にするべく、ケイ素含有化合物を液体肥料化する試みも従来なされており、例えば、特許文献2においては、作物が最も吸収しやすいとされるオルトケイ酸(正ケイ酸)HSiO(Si(OH))を得る上で、酸性条件下水溶液中で正ケイ酸アルキル(テトラアルコキシシラン)を加水分解して液体肥料を製造することが提案されている。しかしながら、テトラアルコキシシランのような純化学的原料を用いて合成により得られる肥料は、その添加量がわずかであるとしても価格的に高価なものとなることが予測でき、かつ原料の引火性、刺激性等の問題もある。このため商業化の面では疑問の残るものである。さらに、液体肥料は即効性の面では優れたものであるが、一般にオルトケイ酸は速やかに脱水縮合しシリカになるため安定した単体として保持する困難であることが周知であって、溶液として散布後において有効成分のゲル化が生じないかも疑問の残るところであった。
なお、上記した非特許文献2においては、イネの健全の生育と安定な多収には多量のケイ素の集積が必要であること、通常植物は、ケイ素を、pH9以下で電荷を持たない中性分子としてのケイ酸(オルトケイ酸)の形で根から吸収し地上部へ輸送し、地上部においてケイ酸が蒸散によってしだいに濃縮され重合してシリカとして沈積されること、またこのような吸収は、ケイ酸を細胞外から細胞内へ輸送するケイ酸内向きトランスポータLsi1蛋白質と、細胞内から細胞外へ輸送するケイ酸外向きトランスポータLsi2蛋白質の協同作業によってケイ酸を効率よく輸送しているものとの考えが示されている。しかし、十分なケイ酸を与え続けた場合にはLsi1およびLsi2の発現が顕著に抑制されることも報告されている。このため、同文献において示されるケイ素の集積という機構は、これが仮に正しいものであるとしても、イネの生育と多収においてその一因となり得る程度のもので、絶対的なものではないと考えられた。
このように従来、植物の成長、特に穀物の収量の増大を期待してのケイ素成分の供与に関し、多くの研究、提案がなされているが十分に満足のいくレベルに達しているところではなく、さらなる検討、改良が望まれるところであった。
特開2004−218065号公報 特開2005−67996号公報
高橋英一著、「作物にとってケイ酸とは何か 環境適応力を高める「有用元素」」、第1刷、社団法人農山漁村文化協会、2007年9月25日、p.188〜189 馬 建峰ら、「イネのケイ素トランスポーター」、蛋白質 核酸 酵素 Vol.52 No.14 1849−1856頁(2007)、「イネのケイ素トランスポーター」
従って、本発明は、上述したような従来技術における問題点を鑑み、植物、特にイネ科等の単子葉植物の成長を促進し、その種子ないし果実の収量を効果的に増大させる安定で経済的にも安価で提供可能なケイ素含有肥料およびこれを用いた栽培植物の生産方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討、研究を重ねた結果、米、コムギ、トウモロコシといったイネ科植物の栽培において、土壌に廃ガラスを原料として焼成発泡化された資材を施肥して育成を行うと、その穀物収量が大幅に増大することを見出した。
さらに、このように育成した植物について調べてみると、比較対照区において育成した植物と比較して、穀物収量のみならず、植物全体の質量(植物体量)も大幅に増加していることは確認されたが、一方で、植物体内ケイ素濃度は、比較対照区において育成した植物と、あまり変わりがなくむしろ減少しており、従来主張されているような穀物収量増加の上では、オルトケイ酸HSiO(Si(OH))の形でのケイ素の吸収と、植物体内での多量のケイ素の集積が必要であるという理論とは結びつかないものであることが判明した。
本発明者らは、その収量増加の要因を探るべくさらに鋭意研究を進めたところ、イネの水耕栽培において、水田水中におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度に関して、上記したような資材を与えた実施区においては比較対照区と比較して大きな違いが生じていることが判明した。すなわち、イネの栽培初期においては、水中におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度は、実施区の方が比較対照区に比べてわずかに高い程度でそれ程差異はないものの、栄養生長期となると比較対照区においてはその濃度が大幅に低下しており、イネにおいてLsi遺伝子の発現が促進されていることも観察されたのに対し、実施区においては濃度が若干下がっているものの栽培初期から濃度がそれ程変わっておらず、イネにおいてLsi遺伝子の発現も抑制されていることが観察された。
これらのことから、イネ科植物の栽培においてその穀物収量の増大の上では、従来非特許文献2などで言われるように、イネが、ケイ素を中性分子であるオルトケイ酸HSiO(Si(OH))の形で吸収し、植物体内での多量のケイ素の集積を行うというようなことではなく、イネがケイ素をメタケイ酸イオン(SiO 2−)の形で取り込み、植物体が大きくなり光合成量が増えることで、穀物収量が増大するといった作用機序が重要であること、また、このような過程において、上記したように廃ガラスを原料として焼成発泡化された資材は、長期に亘って安定してケイ素をメタケイ酸イオン(SiO 2−)の形で溶出提供でき、イネの成長、穀物の収量増加に顕著な効果を与えるものであるとの結論に達し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、ガラス質発泡焼成体を含有してなる肥料である。
本発明に係る肥料としては、前記ガラス質発泡焼成体が嵩密度0.3〜0.6g/cm3、吸水率30〜35%のものである態様が示される。
本発明に係る肥料としては、前記ガラス質発泡体が、前記ガラス質発泡体が、SiOを65.0質量%以上含み、水に対してメタケイ酸イオン(SiO 2−)溶出性を示すものである態様が示される。
本発明に係る肥料としては、さらに、前記ガラス質発泡体が、廃ガラス粉砕原料に、炭化珪素、炭酸カルシウム、窒化アルミニウム、Al灰からなる群より選択されてなる少なくともいずれか1種の発泡剤を原料全体の0.1〜3重量%配合して焼成したものである態様が示される。
本発明に係る肥料としてはまた、前記ガラス質発泡焼成体が、SiO 65.0〜75.0質量%、CaO 7.0〜15.0質量%、NaO 10.0〜16.0質量%、KO 0〜3.5質量%、MgO 0〜4.5質量%、Al 0〜2.5質量%、C 0〜2質量%、その他の成分3質量未満を含むものである態様が示される。
上記課題を解決する本発明はまた、単子葉植物の土耕または水耕栽培において、植物の根の近傍位置に上記に記載した肥料を配置することを特徴とする栽培植物の生産方法である。
本発明に係る栽培植物の生産方法において、前記植物が特にイネ科植物である態様が示される。
上記課題を解決する本発明はまた、植物の根の近傍位置でのメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を調整することを特徴とする栽培植物の成長の調節方法である。
本発明に係る栽培植物の成長の調節方法において、前記栽培植物に与える水中のメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を20〜25mg/Lに維持する態様が示される。
本発明によれば、植物の育成において、ガラス質発泡焼成体からなる肥料を植物の根元に与えるという極めて単純な作業により、植物の収量の大幅な増大を図れるものであり、特に、コメ、小麦、トウモロコシといった主要穀物のいずれに対しても有効であることから、食糧問題の解決に大きく貢献するものである。また収量を高めるための膨大な研究費と時間を要する植物の品種改良が不要であり、結果的に食糧のコスト低減にも大きく貢献する。さらに、本発明に係るガラス質発泡焼成体は、廃ガラスを原料として製造されるため、低コストでかつ省資源であり、さらにこの素材は、廃棄物法上は「土」と見なされ、法的にもまた実質的にも環境負荷がないものである。さらに本発明によれば、植物がその体内に取り込むケイ素の分子形態が明らかとされ、単子葉植物の進化の解明に、理学的に大きく貢献することが期待される。
(a)本発明の肥料を用いて栽培した実施例区における第一品種のコメと、(b)比較対照区で栽培した当該第一品種のコメの生育状態を比較する写真である。 本発明の肥料を用いて栽培した実施例区における第一品種のコメと、比較対照区で栽培した当該第一品種のコメとにおける植物体内ケイ素濃度を示すグラフである。 本発明の肥料を用いて栽培した実施例区における第一品種のコメと、比較対照区で栽培した当該第一品種のコメとにおける植物体量を示すグラフである。 本発明の肥料を用いて栽培した実施例区における第一品種のコメと、比較対照区で栽培した当該第一品種のコメとにおける果実(玄米)収量を示すグラフである。 本発明の肥料を用いて栽培した別の品種の実施例区における第二品種のコメと、別の比較対照区で栽培した当該第二品種のコメとにおける果実(玄米)収量を示すグラフである。 本発明の肥料を用いた実施例区で苗を植えた、および苗を植えない水田水中の60日経過後のメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度と、比較対照区で苗を植えた、および苗を植えない60日経過後の水田水中のメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度の経時的変化を示すグラフである。 本発明の肥料を用いてイネを栽培した実施例区でのイネでのLis遺伝子発現の状態を示す顕微鏡写真と、比較対照区で栽培したイネでLis遺伝子発現の状態を示す顕微鏡写真である。 (a)本発明の肥料を用いて栽培した実施例区における小麦と、(b)比較対照区で栽培した小麦の生育状態を比較する写真である。 (a)本発明の肥料を用いて栽培した実施例区におけるトウモロコシと、(b)比較対照区で栽培したトウモロコシの生育状態を比較する写真である。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
(肥料)
本発明の肥料は、ガラス質発泡焼成体を含有してなるものである。
前記ガラス質発泡焼成体は、代表的には、後述するように、一般に廃ガラスを原料とし、これに少量の発泡剤を加えて、ガラスの軟化点以上、一般的に750℃以上、好ましくは840〜980℃の範囲、代表的には880℃前後にて焼成することにより得られるものである。
このため、その組成としては、原料となる廃ガラスに入るガラスの種類によって多少変動するものの、ケイ素成分として、SiOを65.0質量%以上含み、残部のほとんどがアルカリないしアルカリ土類金属の酸化物となることから、その焼成体相中に水可溶性メタケイ酸塩を多く含有するものとなる。従って、前記ガラス質発泡焼成体は、水に対してメタケイ酸イオン(SiO 2−)溶出性を示すものである。特に限定されるわけではないが、具体的には例えば、水温20℃(±5℃)の純水1リットルにガラス質発泡焼成体100gを入れて3日間、静置保存した場合において、メタケイ酸イオンイオン(SiO 2−)溶出量が、25〜50mg/L、特に、35〜45mg/L、例えば41mg/Lであり、特に好ましくは、14日間の溶出量が、50mg/L以上、特に、50〜70mg/L、例えば、56mg/Lとなる。
特に、主たる廃ガラスが、ガラスびん、板ガラス、窓ガラス等のソーダ石灰ガラスであることから、これに比較的近い組成を有し、代表的には、SiO 65.0〜75.0質量%、特に70.0〜74.0質量%、CaO 7.0〜15.0質量%、特に10.0〜13.0質量%、NaO 10.0〜16.0質量%、特に10.0〜13.0質量%、KO 0〜3.5質量%、特に1.0〜3.0質量%、MgO 0〜4.5質量%、特に1.0〜3.0質量%、Al 0〜2.5質量%、特に1.0質量%未満、C 0〜2質量%、特に、1.5質量%未満、その他の成分3質量未満、特に2質量%未満を含むものである。その他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホウケイ酸ガラス、結晶化ガラス等のその他のガラス由来のB、Li、TiO、ZrOなどや、着色ガラス由来のFe、CoOなどが挙げられる。
また本発明の肥料に係るガラス質発泡焼成体の形状としても、特に限定されるものではなく、土耕栽培において植物の根の近傍位置となる土壌中ないし地表部位、あるいは水耕栽培において植物の根の近傍位置あるいは少なくとも植物の根への水の供給経路のいずれかに接する位置に、配することができ、十分に水分と接し得るもので有れば良いが、例えば、前記ガラス質発泡焼成体が嵩密度0.3〜0.6g/cm3、吸水率30〜35%のものであることが望ましい。このような範囲内の嵩密度であると、軽量で植物の根への負担もなく、かつ根に対する保持性も良好であり、また、吸水率がこの範囲内にあることで、より効率よく水と接触して所定のメタケイ酸イオン(SiO 2−)の溶出を安定して良好な量においてもたらすことが可能である。また、平均粒径としても特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径10〜60mm程度のものが好ましく用いられる。
なお、本明細書において、嵩密度は、アルキメデス法により測定したものである。また、吸水率は、先ず、測定する試料の乾燥状態での重量W0 を測定し、次に水中に試料を沈めた状態で5分保持し、取り出した後、表面を湿った布で拭き、重量W1 を測定し、(W1−W0)/W0×100の式から算出して求めた。さらに、平均粒子径は、JIS M−8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から計算した値である。
本発明の肥料として用いられるガラス質発泡体の製造法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のようにして製造され得る。
ガラス原料は、各種の廃ガラスである。例えば、廃棄されたガラスびん、板ガラス、窓ガラス、テレビやパソコンの前面ガラスパネル、ガラス製品工場からのスクラップなどである。これらの廃材は、ガラス質として見た場合、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、ほうけい酸塩ガラス、結晶ガラスなどが含まれているが、このような廃ガラスのうち、ソーダ石灰ガラスを用いた、ガラスびん、板ガラス、窓ガラスの廃材が、主要なものであり回収も容易であり、大量に利用可能であるため有利である。
このような廃ガラスを粉砕し、これに発泡剤を加えて、ガラスの融点以上、好ましくは880℃にて焼成することにより得られるものである。発泡剤としては、炭化珪素(SiC)、炭酸カルシウム(CaCO)、窒化アルミニウム(AlN)、Al灰等が用いられ得るが、このうちSiCが好ましく、その添加量としては、原料全体の0.1〜3重量%程度とすることが適当である。
さらに具体的にその製法を、好ましい一例を挙げて説明すると、まず廃ガラス原料を市販のガラス破砕機、例えばハンマーミルなどの衝撃型破砕機を用いて粉砕し、粉砕物を篩分けし得られる0.21mm以上2.38mm以下の粒度分布を有する粗粉砕ガラス粉96%以上と0.21mm未満の粒度分布を有する微粉ガラス粉4%以下の配合ガラス粉を原料とする。粗粉砕ガラス粉の粒度分布の内訳は、種々変えることができるが、平均粒径としては、約0.5mm又はそれ以上のものを使用することが好ましい。
粗粉砕ガラス粉の粒度が2.38mmを超える粗粒は再び粉砕し、上記の粒度分布の範囲内の粗粉砕ガラス粉と微粉砕ガラス粉とに篩分けして使用する。粗粉砕ガラス粉の粒度分布の上限を2.38mmの粒度とする理由は、2.38mmを超える粒径のものを原料として用いると、製品中にそのまゝの状態として残存し易く、均一な発泡組織が得られないからである。
このように、0.21mm以上の粗粉砕ガラス粉が配合ガラス粉の大部分を占めるので、ガラス廃材を粗粉砕できる比較的安価な粉砕機を使用して安価に粉砕原料を得ることができ、全てを0.2mm以下に微粉砕するボールミルやレイノルズミルなどのような高価な微粉砕機を使用する必要がない。
なお、廃ガラス原料からは、予め、出来る限りこれらに混在している陶器片、磁器片、金属、土、砂、砂利などの無機系不燃物やプラスチック、紙、木片などの夾触物を除去することが望まれるが、本発明の肥料に係るガラス質発泡体を製造するに差支えない限り、極めて少量であるならば、混ざっていても差支えない。
上記したように、該粗粉砕ガラス粉に少量の微粉砕ガラス粉を配合したガラス質配合粉を調製するのは、例えば、粒径0.21mm未満の該微粉砕ガラス粉を全く混ぜないで粒径2mm以下の粒度分布を有する粗粉砕ガラス粉のみを原料とし加熱焼成すると、加熱前の常温では互いに接触する粗粒子で囲まれ形成される空隙は、粗粉粒の焼結性が悪いため、500〜600℃の焼結温度ではまだ粗粒子相互は焼結が充分に行われないので閉塞孔とならず、この間粗粒子から発生するガスは外部に抜ける。その後、700℃の焼結温度でやっと粗粒子間の焼結が充分に行われて該空隙は閉塞し、独立気孔が生成するが、その大きさは極めて小さい。さらに700℃以上の焼成昇温時では既に独立気孔内のガスが少量のため、その気孔は大きくならず、小さいままであり、大きな独立気孔が得られない。これに対し、2mm程度の粗粒ガラス粉間に0.2mm以下の微粒砕ガラス粉が介在した状態で加熱焼成を行うと、加熱前の常温では、該粗粒子間に微粒子が介在した状態で形成される比較的大きい空隙は、500〜600℃の焼結温度で微粒子は焼結し易いので、その微粒子と接触している各粗粒子とは、この500〜600℃の低い焼結温度でも互いに焼結し、該空隙は閉塞され、包囲壁をつくり、その内部にこれら粒子から発生するガスを閉じ込めた大きな独立気孔を生成する。さらに高温の700℃の焼結でさらに軟化焼結が進行し、粗粒は融合し、該独立気孔の周囲を囲む良好な融合壁となり、これにより独立気孔は被包されると共に大きな口径を維持する。さらに700℃以上に昇温すれば、独立気孔内のガスは膨脹し、従って、独立気孔が膨脹し、極めて軽量でかつ吸水性の小さい泡ガラス体が得られる。
前記のように配合したガラス質混合粉に、これに対し0.1〜3重量%の炭化珪素を添加、混合した混合粉を調製し、これをガラスの軟化点以上に、上記の焼成温度500℃以上に加熱し、上記のように昇温し、少なくとも700℃以上で焼成昇温した後、急冷又は徐冷により冷却することにより、強靭なガラス質壁で覆われた大きな独立気泡を無数に有する嵩比重0.3〜0.6g/cm3、特に0.4〜0.5g/cm、吸水率30〜35%のガラス質発泡体が得られる。炭化珪素は通常、コークスと酸化珪素が主体である珪砂から製造されるが、本目的に使用される炭化珪素は必ずしも充分に精製されていなくてもよい。例えば、純度が85%程度のものとか、製造中、微粉末としてバッグフィルターなどで回収されるものでもよい。炭化珪素の添加量を配合ガラス粉に対し0.1〜3重量%に限定する理由は、その添加量が0.1重量%未満であると、嵩比重が0.3〜0.6g/cmと充分な軽量特性をもつ製品をつくることが困難となる。一方、その添加量が3重量%を超えても充分な軽量特性をもつ製品をつくることができるが、製品単価が高価となり好ましくない。また、該配合ガラス粉とそのガラスの軟化点以上に加熱焼成するのであるが、この軟化点は夫々のガラス原料の種類によって異なる。ソーダ石灰ガラスの場合には750℃以上が一般であり、特に好ましい温度域は840〜980℃の範囲である。例えば900℃まで昇温させるに要する時間は、その被処理物層の厚さにもよるが、厚さが10mmであれば10分、20mmであれば20分程度とすることが好ましい。また最高温度に達した後の高温保持時間は、最高温度が低ければ保持時間を長く、逆に最高温度が高ければ保持時間を短くするようにする。例えば、その保持時間は一般に30〜0分の範囲である。ここで0分とは、最高温度に達したら直ちに冷却することを意味する。30分以上の長い保持時間は製造コストの観点から好ましくない。尚、配合ガラス粉に水分が多量に含まれている場合には、200℃付近で完全に水分を蒸発してから、上記の昇温を行うべきである。
上記の配合ガラス粉は、所定の成形型枠に入れ加熱焼成した後徐冷すれば、レンガ、壁材などの板状の成形品とすることができるが、急冷すれば、板状成形体に亀裂を生じ不定形の塊状に壊れた無数の粒状物、例えば粒径10〜60mmの不定型塊状のガラス質発泡体として得られる。なお、一定の形状、例えば、レンガ、板状、その他、任意の形状を有する成型品を作る場合は、例えば、上記の高温保持時間後、200℃まで徐々に冷却する。この場合の冷却速度は、できるだけ遅い方が好ましく、2℃/分程度が最も好ましい。
なお製造方法は、バッチ方式、連続方式のいずれの方式でも可能である。
(栽培植物の生産方法)
本発明の栽培植物の生産方法は、上記したようなガラス質発泡焼成体を含有する肥料を、単子葉植物の土耕または水耕栽培において、植物の根の近傍位置に配置することを特徴とするものである。
対象となる単子葉植物としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、イネ(Oryza sativa)、トウモロコシ(Zea mays)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(Triticum aestivum)、ライムギ(Secale cereale)、ハトムギ(Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)、タケ(Phyllostachys)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、アワ(Setaria italica)、ヒエ(Echinochloa esculenta)、モロコシ(Sorghum bicolor)、ネピアグラス(Pennisetum pupureum)、エリアンサス(Erianthus ravenae)、ミスキャンタス(ススキ)(Miscanthus virgatum)、ソルガム(Sorghum)、スイッチグラス(Panicum)、エンバク(Avena fatua)などのイネ科;チューリップ(Tulipa)、ユリ(Lilium)などのユリ科;アブラヤシ(Elaeis guineensis、Elaeis oleifera)、ココヤシ(Cocos nucifera)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)、ロウヤシ(Copernicia)などのヤシ科などが例示できるが、もちろんこれらに限定されるものではない。これらのうち、特にイネ科の植物に対して優れた効果が期待できるため好ましい。
単子葉植物に対する上記ガラス質発泡焼成体の施肥方法、時期および量としても特に限定されるものではない。対象となる植物の根が吸収する水分中に当該ガラス質発泡焼成体よりの溶出物、特にメタケイ酸イオンが確実に移行できるものであればよく、土耕栽培の場合においては、土壌中あるいは地表部位に配する、また水耕栽培においては、植物の根の近傍位置あるいは少なくとも植物の根への水の供給経路のいずれかに接する位置に、配することが可能である。また、植物の栽培において、上記ガラス質発泡焼成体は、元肥としてあるいは追肥として使用可能である。いずれにおいても、好ましくは、植物の成長期、例えばイネの水田耕作の場合においては、分けつ期を含む期間には、ガラス質発泡焼成体を存在させておくことが望ましい。さらに、その使用量としても、対象とする植物種、栽培方法等によっても左右されるので、特に限定されるものではないが、代表的には例えば、栽培区1m当り2〜3kg程度の供給によって、良好な収量増大効果を期待できる。
なお、例えば、水田耕作において、土壌中に本発明に係る上記肥料の施肥を行った場合、代表的には、約3日程で、水田水中におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度の有意な変化が生じ、土壌栽培の場合にも、同様のことが生じていると思われる。
さらに、このように植物、特に、単子葉植物、さらにイネ科植物の育成において、植物の根に与える水におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を所定量以上に維持するようにコントロールすることで、植物の成長促進、種子ないし果実の収量を増大させることができる。
メタケイ酸イオン(SiO 2−)の至適濃度に関しては、植物の種類によってもある程度変動すると思われるので一概には規定できないが、対象となる植物に対して、水中メタケイ酸イオン濃度を変えたいくつかの試験区において栽培を行うことによって比較的容易に決定し得るものと思われるが、代表的には、例えば、イネの水田水耕において、水におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を20〜25mg/Lにする、コムギの土耕栽培において、水におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を20〜25mg/Lにする、トウモロコシのコムギの土耕栽培において、水におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を20〜25mg/Lにするといった施策によって、大きな収量増大が期待できる。
また、このようなメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を所定量以上に維持する期間としても特に限定されるものではなく、各植物の成長期間に併せて適宜選択できるが、少なくとも60日以上の継続的な期間を設けることが望ましい。
以下、本発明を具体的な実施例に基づき、より具体的に説明する。なお、以下に示される実施例は、あくまで本発明の内容の理解を容易とする目的のためのみに開示されたものであって、本発明はこれらの実施例の内容に何ら限定されるものではない。
合成例
廃棄ビンを主体とする廃ガラス原料を、十分に洗浄、乾燥させた後、ハンマーミルを用いて粉砕し、粉砕物を篩分けし得られる0.21mm以上2.38mm以下の粒度分布を有する粗粉砕ガラス粉96質量%と、0.21mm未満の粒度分布を有する微粉ガラス粉4質量%以下の配合ガラス粉を原料とした。この配合ガラス粉に、3質量%の炭化珪素を添加、混合した混合粉を調製した。この混合粉を880℃まで昇温し、大気中で室温まで冷却して、粒径10〜60mmの不定型塊状のガラス質発泡焼結体を得た。
このものの嵩比重は0.3g/cm、吸水率30%であり、組成は、SiO 73.5質量%、CaO 12.1質量%、NaO 10.5質量%、KO 0.98質量%、MgO 0.42質量%、Al 1.57質量%、C 0.4質量%、残部0.53質量%であった。
実施例1
底部に穴のない鉢に、市販の黒土を乾燥重量で約1,620g入れ、これに、上記合成例で得られたガラス質発泡焼結体180gを、鉢の底部において均一に施撒した。そして、灌漑用水として市水を用い、水深が約5cmとなるように水を入れて、水田の実施例区とした。前記ガラス質発泡焼結体を土壌に供給してからコシヒカリの苗を植え、通常の水田耕作法に従い、コメを生育させた。なお、栽培期間中、鉢内の用水は適宜同じ市水を補充して、ほぼ同様の水深を維持した。
イネを植えてから180日後に稲穂が成熟したところで、栽培を終え、イネの成熟度合いを外観観察し、また、個体の植物体量を測定し、玄米の収量を測定するとともに、植物体内のケイ素濃度を測定した。なお、植物体内のケイ素濃度の測定は、硝酸分解重量法により行った。得られた結果をそれぞれ図1〜4に示す。
また、実施例区の水田水中のイオン濃度の測定を、苗を植えない鉢、および、植えた鉢、ともに栽培開始60日後において、測定した。なお、60日後の測定は、実施例区への用水の直前の補充から7日経過した後において行った。また、苗を植えない鉢に関しても、苗を植えた鉢と同様のサイクルにて鉢内の用水は補充した。測定したイオン濃度のうち、SO 2−イオン濃度を図6に示す。
さらに、14日間育苗したイネを採取し、当該個体におけるLsi転写産物発現の程度を、イネLsi遺伝子特異的プライマーを用いたRT−PCR法により調べた。プライマー配列は、FW: 5’−GAGAACAAACTCCAGGGCGA−3’、RV:5’−CGAGCGTGACGAACATCATG−3’である。得られた結果を、図7に示す。なお、この測定は、臭化エチジウム染色という手順により行った。
比較例1
比較のために、ガラス質発泡焼結体を土壌に混合せず、等量の土壌を補填した以外は実施例1と同様にしてコシヒカリを栽培し、実施例1と同じ期間で栽培を終え、イネの成熟度合いを外観観察し、また、個体の植物体量を測定し、玄米の収量を測定するとともに、植物体内のケイ素濃度を測定し、実施例1との差異を観察した。得られた結果をそれぞれ図1〜4に示す。
また、実施例区と同様に水田水中のイオン濃度の測定を、苗を植えない鉢、および、植えた鉢、ともに栽培開始60日後において、測定した。なお、60日後の測定は、比較例区への用水の直前の補充から7日経過した後において行った。上記実施例区の場合と同様に、苗を植えない鉢に関しても、苗を植えた鉢と同様のサイクルにて鉢内の用水は補充した。測定したイオン濃度のうち、SO 2−イオン濃度を図6に示す。
さらに、14日間育苗したイネを採取し、当該個体におけるLsi蛋白質発現の程度を、RT−PCR法により調べた。得られた結果を、図7に示す。
(実験結果)
その結果、図1に示すように、栽培したイネの成長は、実施例1の方が、葉付き、稲穂付き等が明らかに良好であり、図3に示すように植物体量が大きく増加しており、図4に示すように殊に、玄米の収率は、比較例に対して208%の増大が認められた。
一方で、植物体内ケイ素濃度としては、図2に示すように、実施例1においても、比較例1のものとあまり差異はなく、逆に若干低下している程のものであって、植物体内へのケイ素の蓄積の度合いが、玄米の収量の増加や植物の生育の向上とは、直接結びついていないものであるとの結果が示された。
ここで、図6に示すように、イネの栽培期間での水田水中のSiO 2−イオン濃度を見ると、水中におけるメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度は、苗を植えてないものに関しては実施区の方が比較対照区に比べてわずかに高い程度でそれ程差異はないものの、苗を植えたものに関しては栄養生長期では比較対照区においてはその濃度が大幅に低下していることが観察された。さらに、その時期において、図7に示すように、比較例では、イネにおいてLsi遺伝子の発現が促進されていることも観察されたのに対し、苗を植えた実施区においては苗を植えてない実施区より濃度が若干下がっているものの濃度がそれ程変わっておらず、図7に示すようにイネにおいてLsi遺伝子の発現も抑制されていることが観察された。このことから、実施例区においては、ガラス質発泡体より水中に、イネの栽培期間を通じて安定してケイ素分としてSiO 2−イオンが供給され続けていること、イネは水中のSiO 2−イオンを体内に取り込み、これによって成長促進され、光合成量が増えて、結果的に種子ないし果実の収量も大きく向上したものであることが考察された。一方、比較例区においては、イネの栽培期間を通じてイネが水中より体内に取り込むSiO 2−イオンの量に対し、土壌よりの同イオンの供給が追い付かず栽培後期となると欠乏状態に近いものとなって、それ以上の成長の向上性が見られないものであることが考察された。
実施例2および比較例2
栽培するイネの品種を、コシヒカリからヒトメボレに変えた以外は実施例1および比較例1と同様にして、コメを栽培し、得られた各個体の玄米の収量を測定した。得られた結果を図5に示す。
図5に示すように、コメの品種を変えても、実施例1および比較例1の対比結果と同様に、本発明にかかる実施例2においては、比較例2に対して、高い収量が示された。
実施例3および比較例3
底部に穴の有る鉢に、市販の黒土を乾燥重量で約1,620g入れ、これに、上記合成例で得られたガラス質発泡焼結体180gを、鉢の底において均一に施撒した。前記ガラス質発泡焼結体を土壌に供給してから、7日間隔毎に、約500mlの市水を供給した。なお供給された水のうち土壌に保水されない分の水は鉢の底部より約1分ほどで抜けるものであった。
ガラス質発泡焼結体を配してからコムギの苗を植え、その後、上記のサイクルで水を与えながら、90日間、コムギの栽培を行った(実施例3)。栽培期間終了後、コムギの成長度合いを外観観察した。得られた結果を図8に示す。
一方、比較のために、ガラス質発泡焼結体を土壌に混合せず、等量の土壌を補填した以外は実施例3と同様にしてコムギを栽培し、実施例3と同じ期間で栽培を終えた(比較例3)。栽培期間終了後、コムギの成長度合いを外観観察した。得られた結果を図8に示す。
図8に示す結果から明らかなように、コムギについても、本発明に係るガラス質発泡焼結体を土壌に配した実施例3においては、比較例3に比べて、その成長度の顕著な促進がみられた。
実施例4および比較例4
底部に穴の有る鉢に、市販の黒土を乾燥重量で約1,620g入れ、これに、上記合成例で得られたガラス質発泡焼結体180gを、鉢の底において均一に施撒した。前記ガラス質発泡焼結体を土壌に供給してから、7日間隔毎に、約500mlの市水を供給した。なお供給された水のうち土壌に保水されない分の水は鉢の底部より約1分ほどで抜けるものであった。
ガラス質発泡焼結体を配してから、トウモロコシの苗を植え、その後、上記のサイクルで水を与えながら、90日間、トウモロコシの栽培を行った(実施例3)。栽培期間終了後、トウモロコシの成長度合いを外観観察した。得られた結果を図9に示す。
一方、比較のために、ガラス質発泡焼結体を土壌に混合せず、等量の土壌を補填した以外は実施例4と同様にしてトウモロコシを栽培し、実施例4と同じ期間で栽培を終えた(比較例4)。栽培期間終了後、トウモロコシの成長度合いを外観観察した。得られた結果を図9に示す。
図9に示す結果から明らかなように、トウモロコシについても、本発明に係るガラス質発泡焼結体を土壌に配した実施例4においては、比較例4に比べて、その成長度の顕著な促進がみられた。

Claims (9)

  1. ガラス質発泡焼成体を含有してなる肥料。
  2. ガラス質発泡焼成体が嵩密度0.3〜0.6g/cm3、吸水率30〜35%である請求項1に記載の肥料。
  3. 前記ガラス質発泡体が、SiOを65.0質量%以上含み、水に対してメタケイ酸イオン(SiO 2−)溶出性を示すものである請求項1または2に記載の肥料。
  4. 前記ガラス質発泡体が、廃ガラス粉砕原料に、炭化珪素、炭酸カルシウム、窒化アルミニウム、Al灰からなる群より選択されてなる少なくともいずれか1種の発泡剤を原料全体の0.1〜3重量%配合して焼成したものである請求項1〜3のいずれかに記載の肥料。
  5. 前記ガラス質発泡焼成体が、SiO 65.0〜75.0質量%、CaO 7.0〜15.0質量%、NaO 10.0〜16.0質量%、KO 0〜3.5質量%、MgO 0〜4.5質量%、Al 0〜2.5質量%、C 0〜2質量%、その他の成分3質量未満を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の肥料。
  6. 単子葉植物の土耕または水耕栽培において、植物の根の近傍位置に請求項1〜5いずれか記載の肥料を配置することを特徴とする栽培植物の生産方法。
  7. 前記植物がイネ科植物である請求項6に記載の方法。
  8. 栽培植物の根の近傍位置でのメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を調整することを特徴とする栽培植物の成長の調節方法。
  9. 前記栽培植物に与える水中のメタケイ酸イオン(SiO 2−)濃度を20〜25mg/Lに維持するものである請求項8に記載の方法。
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