JP2020100400A - 転舵軸付ハブベアリングおよびこれを備えた車両 - Google Patents

転舵軸付ハブベアリングおよびこれを備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる転舵軸付ハブベアリングおよびこれを備えた車両を提供する。【解決手段】この転舵軸付ハブベアリングは、後輪サスペンションに取り付けられ後輪を回転支持する後輪用の転舵軸付ハブベアリングであって、内輪18と、外輪19と、これら内外輪18,19間に介在した複列の転動体20とを有する。転舵軸付ハブベアリングは、ユニット支持部材3に、上下二箇所の、前記後輪9Rのホイール9a内に位置する軸受4を介して、上下方向に延びる転舵軸心A回りに回転自在なように支持されている。【選択図】図1

Description

この発明は、左右の後輪を各輪独立して操舵する機能を備えた転舵軸付ハブベアリングおよびこれを備えた車両に関し、走行状況に合わせ左右の後輪を適切な操舵角に制御することで、燃費の改善および走行性の安定と安全性の向上を図る技術に関する。
一般的な後輪操舵機構を搭載した車両のリヤサスペンションは、独立懸架方式を採用している。これは、前輪のマニュアルステアリングと同様にナックルを押引きすることで後輪を操舵している。しかし、独立懸架方式を採用することで、足回りが複雑になり、コストが上がると共に室内空間の確保が難しくなるといった課題がある。
特開2013−39842号公報 特開2005−178653号公報
独立懸架方式以外の例えばトーションビームに適用した後輪操舵機構の例として、特許文献1、2が提案されている。トーションビームを備えた車両では、車幅方向に延びるビームの左右両端から前方に延びる車体取付部位が車体に取付けられ、前記ビームの左右両端から後方に延びる取付部に、左右のハブベアリングがボルトにより締結されている。
特許文献1、2では、トーションビーム全体に外力を与えることで、トーションビームと車体の車体取付部位(トレーリングアーム)のゴムブッシュを変形させ後輪を操舵させている。但し、左右輪を独立して別々に制御することができず、また、ゴムブッシュの変形で最大操舵角度が決まるため、操舵角度は微小であり、最適な操舵角度を採ることができない。
特許文献1では、プロペラシャフトの動力を分配させてラックアンドピニオン方式でトーションビームに外力を与えている。この方式では、FR車以外には適用できない。また、機構が複雑でありサイズが大きくなり、室内空間を広く確保することができない。
特許文献2は、電動車両に適用されている。後輪駆動用のモータの動力を分配し、回転運動を直線運動に変換しトーションビームに外力を与えている。この特許文献2においても、特許文献1と同様にサイズが大きく室内空間を広く確保することができない。
この発明の目的は、後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる転舵軸付ハブベアリングおよびこれを備えた車両を提供することである。
この発明の転舵軸付ハブベアリングは、後輪サスペンションに取り付けられ後輪を回転支持する後輪用の転舵軸付ハブベアリングであって、
内輪と、外輪と、これら内外輪間に介在した複列の転動体とを有し、
ユニット支持部材に、上下二箇所の、前記後輪のホイール内に位置する軸受を介して、上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在なように支持されている。
前記後輪サスペンションがリジッドアクスルサスペンションであってもよい。
前記リジッドアクスルサスペンションがトーションビームアクスル式サスペンションであってもよい。
前記転舵軸付ハブベアリングを前記転舵軸心回りに回転させるための作用点を有してもよい。
この発明の車両は、この発明の前記いずれかの転舵軸付ハブベアリングを用いて前記後輪が支持されている。
この発明の転舵軸付ハブベアリングを有する操舵機能付ハブユニットの例を説明する。この操舵機能付ハブユニットは、後輪を操舵する操舵機能付ハブユニットであって、
前記後輪を支持するハブベアリングを有するハブユニット本体と、
後輪サスペンションに設けられ、前記ハブユニット本体を上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在に支持するユニット支持部材と、
前記ハブユニット本体を前記転舵軸心回りに回転駆動させる操舵用アクチュエータと、を備えた。
独立懸架方式のサスペンションでは、キングピン軸があるため、キングピン軸回りを押引きできる操舵用アクチュエータを備えることで、後輪を左右独立に操舵可能である。しかし、トーションビームでは、ビームの左右両端に左右のハブベアリングがボルトにより締結されているため、左右の後輪を独立に操舵することはできない。
この構成によると、後輪を支持するハブベアリングを有するハブユニット本体を、操舵用アクチュエータの駆動により、前記転舵軸心回りに自由に回転させることができる。またハブユニット本体を回転自在に支持するユニット支持部材が後輪サスペンションに設けられるため、プロペラシャフトまたは後輪駆動用のモータの動力を分配する従来技術よりも、構造を簡単化できるうえ、車両の室内空間を広く確保することができる。
また、この構成によれば、前記後輪を操舵する機能により僅かな角度の操舵を後輪毎に独立して行える。操舵用アクチュエータにより、ハブユニット本体の転舵軸心回りの操舵角を一定の範囲で自由に変更することができるので、例えば、車両の走行状況に応じて、後輪の操舵角を任意に補正することができる。例えば、後輪の操舵角を前輪と同じ位相にすると、操舵時に車両に発生するヨーを抑え、車両の安定性を高めることができる。さらに直線走行時にも左右独立で後輪の操舵角度を調整することで、車両の走行安定性を確保することができる。
前記操舵用アクチュエータは、モータと、このモータの回転を減速する減速機と、この減速機の回転出力を直進運動に変換する直動機構とを有するものであってもよい。この場合、モータと直動機構との間に減速機を介在させることで、操舵用アクチュエータの高トルク化を図りつつモータの小型化を図ることができる。
前記直動機構は、台形ねじを用いた送りねじ機構であってもよい。
前述の従来技術では、タイヤからの逆入力に対して、操舵角度を維持するロック機構等が設けられていないため、操舵角度を維持するために常時動力が必要である。
これに対して、直動機構が台形ねじを用いた送りねじ機構である構成によると、タイヤからの逆入力の防止効果を高め得る。したがって、操舵角度を維持するために操舵用アクチュエータに駆動力を常時与える必要がなくなるため、電費または燃費の向上を図ることができる。
前記ハブユニット本体は、上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在なように、上下二箇所で転がり軸受を介して前記ユニット支持部材に支持され、前記上下の転がり軸受が前記後輪のホイール内に位置するものであってもよい。この場合、高剛性で且つ小型化を図ることができる操舵機能付きハブユニットを車両に容易に装備することができる。したがって、既存の車両に操舵機能付きハブユニットを容易に装備し得ることから、この操舵機能付きハブユニットの汎用性を高めることができる。
この操舵システムは、前述のいずれかに記載の操舵機能付ハブユニットと、この操舵機能付ハブユニットの操舵用アクチュエータを制御する制御装置とを備えた操舵システムであって、前記制御装置は、与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する操舵制御部と、この操舵制御部から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して前記操舵用アクチュエータを駆動制御するアクチュエータ駆動制御部とを有する。
この構成によると、操舵制御部は、与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する。アクチュエータ駆動制御部は、操舵制御部から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して操舵用アクチュエータを駆動制御する。したがって、運転者の操舵入力部の操作による前輪の操舵に付加して後輪の操舵角度を任意に変更することができる。
この車両は、前述のいずれかに記載の操舵機能付ハブユニットを用いて前記後輪が支持された車両であって、前記後輪サスペンションがリジッドアクスルサスペンションである。この場合、既存のリジッドアクスルサスペンションに対し、大掛かりな構造変更を行うことなく操舵機能付ハブユニットを設置することができる。後輪サスペンションがリジッドアクスルサスペンションであっても、操舵機能付ハブユニットを容易に設置することができる。
この発明の転舵軸付ハブベアリングは、後輪サスペンションに取り付けられ後輪を回転支持する後輪用の転舵軸付ハブベアリングであって、内輪と、外輪と、これら内外輪間に介在した複列の転動体とを有し、ユニット支持部材に、上下二箇所の、前記後輪のホイール内に位置する軸受を介して、上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在なように支持されたため、後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる。
この発明の車両は、この発明の転舵軸付ハブベアリングを用いて前記後輪が支持されているため、後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる。
この操舵機能付ハブユニットは、後輪を操舵する操舵機能付ハブユニットであって、前記後輪を支持するハブベアリングを有するハブユニット本体と、後輪サスペンションに設けられ、前記ハブユニット本体を上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在に支持するユニット支持部材と、前記ハブユニット本体を前記転舵軸心回りに回転駆動させる操舵用アクチュエータと、を備えた。このため、後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる。
この操舵システムは、前述のいずれかに記載の操舵機能付ハブユニットと、この操舵機能付ハブユニットの操舵用アクチュエータを制御する制御装置とを備えた操舵システムであって、前記制御装置は、与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する操舵制御部と、この操舵制御部から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して前記操舵用アクチュエータを駆動制御するアクチュエータ駆動制御部とを有する。このため、後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる。
この車両は、前述のいずれかに記載の操舵機能付ハブユニットを用いて前記後輪が支持された車両であって、前記後輪サスペンションがリジッドアクスルサスペンションであるため、後輪の懸架方式によらず、室内空間を確保しながら後輪の操舵角を左右独立で別々に最適に制御することができる。
この発明の第1の実施形態に係る操舵機能付ハブユニットおよびその周辺の構成を示す縦断面図である。 同操舵機能付ハブユニットおよびその周辺の構成を示す水平断面図である。 同操舵機能付ハブユニットの外観を示す斜視図である。 同操舵機能付ハブユニットの側面図である。 同操舵機能付ハブユニットの平面図である。 図4のVI-VI線断面図である。 トーションビームに同操舵機能付ハブユニットが搭載された例を示す平面図である。 トーションビームに同操舵機能付ハブユニットが搭載された例を示す斜視図である。 同操舵機能付ハブユニットを備えた車両の模式平面図である。
[第1の実施形態]
この発明の実施形態に係る転舵軸付ハブベアリングを備える操舵機能付ハブユニットを図1ないし図9と共に説明する。
実施形態に係る操舵機能付ハブユニット1は、左右の後輪を各輪独立して操舵する機能を有し、図9に示すように、前輪操舵付きの車両10の後輪9R,9Rに適用される。
<操舵機能付ハブユニットの概略構造>
図1に示すように、操舵機能付ハブユニット1は、ハブユニット本体2と、ユニット支持部材3と、回転許容支持部品である転がり軸受4と、操舵用アクチュエータ5とを備える。後述する後輪サスペンションに、ユニット支持部材3が設けられている。この操舵機能付ハブユニット1を備えた車両は、ハンドル操作等による左右の前輪9F,9F(図9)の操舵と共に、左右の後輪9R,9R(図9)を微小な角度(約±5deg)独立して操舵可能である。
ユニット支持部材3のインボード側に、操舵用アクチュエータ5のアクチュエータ本体7が設けられ、ユニット支持部材3のアウトボード側に、ハブユニット本体2が設けられる。操舵機能付ハブユニット1を車両10(図9)に搭載した状態で、車両10(図9)の車幅方向外側をアウトボード側といい、車両10(図9)の車幅方向中央側をインボード側という。
図2および図3に示すように、ハブユニット本体2とアクチュエータ本体7とはジョイント部8により連結されている。通常、このジョイント部8は、防水、防塵のために図示外のブーツが取り付けられている。
図1に示すように、ハブユニット本体2は、上下方向に延びる転舵軸心A回りに回転自在なように、上下二箇所で転がり軸受4,4を介してユニット支持部材3に支持されている。転舵軸心Aは、後輪9Rの回転軸心Oとは異なる軸心である。後輪9Rは、ホイール9aとタイヤ9bとを備える。
<操舵機能付ハブユニット1の設置箇所>
図7〜図9に示すように、操舵機能付ハブユニット1は、車両10における後輪サスペンションであるリジッドアクスルサスペンションRsに固定される。この例では、リジッドアクスルサスペンションRsのうちトーションビームアクスル式サスペンションが適用されている。トーションビームアクスル式サスペンションにおけるビーム33の左右両端部に設けられた取付部34,34に、それぞれ操舵機能付ハブユニット1のユニット支持部材3(図3)が固定されている。図示しないが、後輪のサスペンション形式として、マルチリンク式サスペンション機構など、他のサスペンション機構に、操舵機能付ハブユニット1を固定してもよい。
<ハブユニット本体2について>
図1および図6に示すように、ハブユニット本体2は、後輪9Rを支持するハブベアリング15と、アウターリング16と、後述の操舵力受け部であるアーム部17(図3)とを備える。ハブベアリング15は、内輪18と、外輪19と、これら内外輪18,19間に介在したボール等の転動体20とを有し、車体側の部材と後輪9Rとを繋ぐ役目をしている。
このハブベアリング15は、図示の例では、外輪19が固定輪、内輪18が回転輪となり、転動体20が複列とされたアンギュラ玉軸受とされている。内輪18は、ハブフランジ18aaを有しアウトボード側の軌道面を構成するハブ輪部18aと、インボード側の軌道面を構成する内輪部18bとを有する。ハブフランジ18aaに、後輪9Rのホイール9aがブレーキロータ21aと重なり状態でボルト固定されている。内輪18は、回転軸心O回りに回転する。
アウターリング16は、外輪19の外周面に嵌合された円環部16aと、この円環部16aの外周から上下に突出して設けられたトラニオン軸状の取付軸部16b,16bとを有する。各取付軸部16bは、転舵軸心Aに同軸に設けられる。転舵軸である上下の取付軸部16bを備えたハブベアリング15により転舵軸付のハブベアリングである転舵軸付ハブベアリングが構成される。
図2に示すように、ブレーキ21は、ブレーキロータ21aと、ブレーキキャリパ21bとを有する。ブレーキキャリパ21bは、外輪19に一体にアーム状に突出して形成された上下二箇所のブレーキキャリパ取付部22(図4)に取付けられる。
<回転許容支持部品およびユニット支持部材について>
図6に示すように、各回転許容支持部品である転がり軸受4として、テーパころ軸受が適用されている。この例では、転がり軸受4としてテーパころ軸受が適用されている。転がり軸受4は、取付軸部16bの外周に嵌合された内輪4aと、ユニット支持部材3に嵌合された外輪4bと、内外輪4a,4b間に介在する複数の転動体4cとを有する。図1に示すように、上下の転がり軸受4,4はホイール9b内に位置するように設けられている。
ユニット支持部材3は、ユニット支持部材本体3Aと、ユニット支持部材結合体3Bとを有する。図6に示すように、ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端に、略リング形状のユニット支持部材結合体3Bが着脱自在に固定されている。ユニット支持部材結合体3Bのインボード側側面のうち上下の部分には、部分的な凹球面状の嵌合孔形成部がそれぞれ形成されている。
図5および図6に示すように、ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端のうち上下の部分には、部分的な凹球面状の嵌合孔形成部がそれぞれ形成されている。ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端にユニット支持部材結合体3Bが固定され、各上下の部分につき、嵌合孔形成部が互いに組み合わされることにより、全周に連なる嵌合孔が形成される。この嵌合孔に外輪4bが嵌合されている。
図6に示すように、アウターリング16における各取付軸部16bには、雌ねじ部が径方向に延びるように形成され、この雌ねじ部に螺合するボルト23が設けられている。内輪4aの端面に円板状の押圧部材24を介在させ、前記雌ねじ部に螺合するボルト23により、内輪4aの端面に押圧力を付与することで、各転がり軸受4にそれぞれ予圧を与えている。これにより各転がり軸受4の剛性を高め得る。車両の重量がこのハブユニットに作用した場合でも初期予圧が抜けないように設定される。このため、この操舵機能付きハブユニット1は操舵装置としての剛性を確保することができる。なお、転がり軸受4は、テーパころ軸受に限るものではなく、最大負荷等の使用条件によってはアンギュラ玉軸受を用いることも可能である。その場合も、上記と同様に予圧を与えることができる。
図2に示すように、アーム部17は、ハブベアリング15の外輪19に操舵力を与える作用点となる部位であり、外輪19の外周の一部に一体に突出する。このアーム部17は、ジョイント部8を介して、操舵用アクチュエータ5の直動出力部25aに回転自在に連結されている。これにより、操舵用アクチュエータ5の直動出力部25aが進退することで、ハブユニット本体2が転舵軸心A(図1)回りに回転、つまり操舵させられる。
<操舵用アクチュエータ5>
図3に示すように、操舵用アクチュエータ5は、ハブユニット本体2を転舵軸心A(図1)回りに回転駆動させるアクチュエータ本体7を有する。
図2に示すように、アクチュエータ本体7は、モータ26と、モータ26の回転を減速する減速機27と、この減速機27の正逆の回転出力を直動出力部25aの往復直線動作に変換する直動機構25とを備える。モータ26は、例えば永久磁石型同期モータとされるが、直流モータであっても、誘導モータであってもよい。
減速機27は、ベルト伝達機構等の巻き掛け式伝達機構またはギヤ列等を用いることができ、図2の例ではベルト伝達機構が用いられている。減速機27は、ドライブプーリ27aと、ドリブンプーリ27bと、ベルト27cとを有する。モータ26のモータ軸にドライブプーリ27aが結合され、直動機構25にドリブンプーリ27bが設けられている。このドリブンプーリ27bは、前記モータ軸に平行に配置されている。モータ26の駆動力は、ドライブプーリ27aからベルト27cを介してドリブンプーリ27bに伝達される。前記各ドライブプーリ27aとドリブンプーリ27bとベルト27cとで、巻き掛け式の減速機27が構成される。
直動機構25は、滑りねじまたはボールねじ等の送りねじ機構、またはラック・ピニオン機構等を用いることができ、この例では台形ねじの滑りねじを用いた送りねじ機構25bが用いられている。直動機構25は、前記台形ねじの滑りねじを用いた送りねじ機構であるため、タイヤ9bからの逆入力の防止効果を高め得る。モータ26、減速機27および直動機構25を備えたアクチュエータ本体7は、準組立品として組み立てられてケース6bにボルト等により着脱自在に取り付けられる。なおモータ26の駆動力を、減速機を介さず直接直動機構25へ伝達する機構も可能である。
ケース6bは、ユニット支持部材3の一部として、ユニット支持部材本体3Aに一体に形成されている。ケース6bは、有底筒状に形成され、モータ26を支持するモータ収容部と、直動機構25を支持する直動機構収容部が設けられている。前記モータ収容部には、モータ26をケース内所定位置に支持する嵌合孔が形成されている。前記直動機構収容部には、直動機構25をケース内所定位置に支持する嵌合孔、および、直動出力部25aの進退を許す貫通孔等が形成されている。
<作用効果>
以上説明した操舵機能付ハブユニット1によれば、後輪9Rを支持するハブベアリングを有するハブユニット本体2を、操舵用アクチュエータ5の駆動により、転舵軸心A回りに自由に回転させることができる。またハブユニット本体2を回転自在に支持するユニット支持部材3が後輪サスペンションに設けられるため、プロペラシャフトまたは後輪駆動用のモータの動力を分配する従来技術よりも、構造を簡単化できるうえ、車両10の室内空間を広く確保することができる。
また、この構成によれば、後輪9Rを操舵する機能により僅かな角度の操舵を後輪9R毎に独立して行える。操舵用アクチュエータ5により、ハブユニット本体2の転舵軸心A回りの操舵角を一定の範囲で自由に変更することができるので、例えば、車両10の走行状況に応じて、後輪9Rの操舵角を任意に補正することができる。例えば、後輪9Rの操舵角を前輪9Fと同じ位相にすると、操舵時に車両10に発生するヨーを抑え、車両10の安定性を高めることができる。さらに直線走行時にも左右独立で後輪3Rの操舵角度を調整することで、車両10の走行安定性を確保することができる。また、その時々の走行条件に合わせて、適切なタイヤ角度を設定することで燃費を改善することも可能となる。
<操舵システムについて>
図3に示すように、操舵システムは、実施形態に係る操舵機能付ハブユニット1と、この操舵機能付ハブユニット1の操舵用アクチュエータ5を制御する制御装置29とを備える。制御装置29は、操舵制御部30と、アクチュエータ駆動制御部31とを有する。運転者はハンドルによって前輪の舵角を操作するが、上位制御部32ではハンドルである操舵入力部11a(図9)の操作角に応じ、さらに車両10(図9)の状況などを加味して算出した左右の後輪9R,9R(図9)の操舵角指令信号を出力する。操舵制御部30は、上位制御部32から与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する。
上位制御部32は操舵制御部30の上位の制御手段であり、上位制御部32として、例えば、車両全般を制御する電気制御ユニット(Vehicle Control Unit,略称VCU)が適
用される。アクチュエータ駆動制御部31は、操舵制御部30から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して操舵用アクチュエータ5を駆動制御する。アクチュエータ駆動制御部31は、モータ26のコイルに供給する電力を制御する。このアクチュエータ駆動制御部31は、例えば、図示外のスイッチ素子を用いたハーフブリッジ回路を構成し、前記スイッチ素子のON−OFFデューティ比によりモータ印加電圧を決定するPWM制御を行う。これにより、ユニット支持部材3に対するハブユニット本体2の角度を変化させて後輪の操舵角を任意に変更することができる。車両の走行条件に応じて、後輪の操舵角を変更できるため、車両の運動性能を向上させ、安定・安全に走行することが可能となる。
操舵システムは、運転者のハンドル操作に代えて、図示外の自動運転装置、運転支援装置の指令等によって操舵用アクチュエータ5,5を動作させてもよい。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…操舵機能付ハブユニット、2…ハブユニット本体、3…ユニット支持部材、4…転がり軸受、5…操舵用アクチュエータ、9R…後輪、9a…ホイール、10…車両、15…ハブベアリング、25…直動機構、25b…送りねじ機構、26…モータ、27…減速機、29…制御装置、30…操舵制御部、31…アクチュエータ駆動制御部、Rs…リジッドアクスルサスペンション(後輪サスペンション)

Claims (5)

  1. 後輪サスペンションに取り付けられ後輪を回転支持する後輪用の転舵軸付ハブベアリングであって、
    内輪と、外輪と、これら内外輪間に介在した複列の転動体とを有し、
    ユニット支持部材に、上下二箇所の、前記後輪のホイール内に位置する軸受を介して、上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在なように支持された転舵軸付ハブベアリング。
  2. 請求項1記載の転舵軸付ハブベアリングにおいて、前記後輪サスペンションがリジッドアクスルサスペンションである転舵軸付ハブベアリング。
  3. 請求項2記載の転舵軸付ハブベアリングにおいて、前記リジッドアクスルサスペンションがトーションビームアクスル式サスペンションである転舵軸付ハブベアリング。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の転舵軸付ハブベアリングにおいて、前記転舵軸付ハブベアリングを前記転舵軸心回りに回転させるための作用点を有する転舵軸付ハブベアリング。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに1項に記載の転舵軸付ハブベアリングを用いて前記後輪が支持された車両。
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