JP2020099851A - Liquid treatment system - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、液体処理システムに関する。 The present invention relates to liquid treatment systems.
近年、持続可能なエネルギーとして、バイオマスを利用して発電をする微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池は、生活廃水や工場廃水に含まれる有機物の化学エネルギーを電気エネルギーに変換しつつ、その有機物を酸化分解して処理する廃水処理装置である。そして、微生物燃料電池は、汚泥の発生が少なく、さらにエネルギー消費が少ない特徴を有する。 In recent years, microbial fuel cells that generate electricity using biomass have been attracting attention as sustainable energy. The microbial fuel cell is a wastewater treatment device that converts chemical energy of organic matter contained in domestic wastewater and industrial wastewater into electric energy and at the same time oxidizes and decomposes the organic matter. Further, the microbial fuel cell has the characteristics that the generation of sludge is small and the energy consumption is small.
微生物燃料電池は、微生物を担持する負極と、酸素を含む気相及び電解液に接触する正極とを有する。そして、有機物などを含有する電解液を負極に供給するとともに、酸素を含んだ気体を正極に供給する。負極及び正極は、負荷回路を介して相互に接続することにより閉回路を形成する。負極では、微生物の触媒作用により電解液から水素イオン及び電子が生成する。そして、生成した水素イオンは正極へ移動し、電子は負荷回路を介して正極へ移動する。負極から移動した水素イオン及び電子は正極において酸素と結合し、水となって消費される。その際に、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。 The microbial fuel cell has a negative electrode supporting microorganisms and a positive electrode in contact with a gas phase containing oxygen and an electrolytic solution. Then, an electrolytic solution containing an organic substance or the like is supplied to the negative electrode, and a gas containing oxygen is supplied to the positive electrode. The negative electrode and the positive electrode form a closed circuit by connecting to each other via a load circuit. At the negative electrode, hydrogen ions and electrons are generated from the electrolytic solution by the catalytic action of microorganisms. Then, the generated hydrogen ions move to the positive electrode, and the electrons move to the positive electrode via the load circuit. Hydrogen ions and electrons transferred from the negative electrode combine with oxygen in the positive electrode and are consumed as water. At that time, the electric energy flowing through the closed circuit is recovered.
例えば、特許文献1では、有機性基質に浸漬して嫌気性微生物を担持させる負電極と、イオン透過性隔膜で形成された外殻と入出孔とを有する密閉型中空カセット内に電解液と共に封入して有機性基質中に差し込む正電極と、を備える微生物燃料電池を開示している。そして、当該微生物燃料電池では、入出孔経由でカセット内に酸素を供給しつつ、負電極及び正電極を電気的に接続する回路経由で電気を取り出している。
For example, in
ここで、微生物燃料電池を長期間稼働させた場合、負極の劣化に伴い、回収できる電気エネルギー量が低下してしまう。具体的には、嫌気性微生物は、バイオフィルムにより負極に担持されている。そして、微生物燃料電池を長期間稼働させた場合、負極上のバイオフィルムが肥大化し、回収できる電気エネルギー量が低下してしまう。そのため、電気エネルギーを長期間に亘り安定的に回収するためには、負極のメンテナンスを行う必要がある。 Here, when the microbial fuel cell is operated for a long period of time, the amount of electric energy that can be recovered decreases as the negative electrode deteriorates. Specifically, anaerobic microorganisms are supported on the negative electrode by a biofilm. When the microbial fuel cell is operated for a long period of time, the biofilm on the negative electrode is enlarged and the amount of recoverable electric energy is reduced. Therefore, in order to stably recover electric energy over a long period of time, it is necessary to maintain the negative electrode.
しかしながら、特許文献1の微生物燃料電池では、メンテナンスのたびに微生物燃料電池の外に負極を取り出す必要が生じる。そのため、従来の微生物燃料電池は、負極のメンテナンスが煩雑であるという問題があった。
However, in the microbial fuel cell of
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、負極のメンテナンスを容易に行うことが可能な液体処理システムを提供することにある。 The present invention has been made in view of the problems of the related art. And an object of the present invention is to provide a liquid processing system capable of easily performing maintenance of a negative electrode.
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る液体処理システムは、有機物を含む電解液を保持し、電解液が流出する流出口を備える電解液槽と、嫌気性微生物を保持し、かつ、電解液に接触する負極と、負極と電気的に接続された正極と、少なくとも負極の周囲の電解液を攪拌する電解液攪拌部と、流出口に設けられ、流出口を開閉する開閉部と、開閉部の開閉状態を制御する制御部と、を備える。制御部は、電解液攪拌部が作動状態では開閉部を閉状態とし、電解液攪拌部が停止状態では開閉部を開状態とする制御を行う。 In order to solve the above problems, the liquid treatment system according to an aspect of the present invention holds an electrolytic solution containing an organic matter, an electrolytic solution tank including an outlet port through which the electrolytic solution flows out, and holds anaerobic microorganisms, and A negative electrode that is in contact with the electrolytic solution, a positive electrode that is electrically connected to the negative electrode, an electrolytic solution stirring unit that stirs at least the electrolytic solution around the negative electrode, and an opening/closing unit that is provided at the outlet and that opens and closes the outlet. And a control unit that controls the open/closed state of the open/close unit. The control unit performs control such that the opening/closing unit is closed when the electrolyte stirring unit is in operation, and the opening/closing unit is opened when the electrolyte stirring unit is stopped.
本開示によれば、負極のメンテナンスを容易に行うことが可能な液体処理システムを提供することができる。 According to the present disclosure, it is possible to provide a liquid treatment system capable of easily performing maintenance of a negative electrode.
以下、本実施形態に係る液体処理システムについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。 Hereinafter, the liquid processing system according to this embodiment will be described in detail. It should be noted that the dimensional ratios in the drawings are exaggerated for convenience of explanation and may differ from the actual ratios.
本実施形態に係る液体処理システム1は、図1に示すように、正極20と、微生物を担持し、正極20と電気的に接続された負極30とを有する電極ユニット10を備えている。また、液体処理システム1は、有機物を含む電解液60を内部に保持し、さらに電極ユニット10が電解液60に浸漬するように配置される電解液槽70を備えている。
As shown in FIG. 1, the
[電極ユニット]
電極ユニット10は、図1〜図3に示すように、正極20及び負極30を備えている。電極ユニット10において、正極20及び負極30は、正極20の面20bと負極30の面30aとが対向するように配設されており、さらに、正極20の面20bと負極30の面30aとの間には空隙が存在する。
[Electrode unit]
The
図3に示すように、正極20は、スペーサ部材40に積層して固定されている。スペーサ部材40は、正極20における面20aの外周部に沿うU字状の枠部材であり、上部が開口している。つまり、スペーサ部材40は、2本の第一柱状部材41の底面を第二柱状部材42で連結した枠部材である。そして、図2に示すように、スペーサ部材40の側面43は、正極20の面20aの外周部と接合されており、側面43の反対側の側面44は、板部材50の面50aの外周部と接合されている。
As shown in FIG. 3, the
図1及び図2に示すように、正極20とスペーサ部材40と板部材50とを積層してなる積層体は、大気と連通した気相Gが形成されるように、電解液槽70の内部に配置される。電解液槽70の内部には廃水である電解液60が保持されており、正極20のガス拡散層22及び負極30は電解液60に浸漬されている。
As shown in FIG. 1 and FIG. 2, the laminated body formed by laminating the
後述するように、正極20は撥水性を有する撥水層21を備えており、板部材50は電解液60を透過しない平板状の板材からなる。そのため、電解液槽70の内部に保持された電解液60と、正極20、スペーサ部材40及び板部材50により形成された内部空間とは隔てられ、当該内部空間は気相Gとなっている。そして、液体処理システム1では、この気相Gが外気に開放されるか、あるいは気相Gへ例えばポンプによって外部から空気が供給されるように構成されている。さらに、図2に示すように、正極20及び負極30は、それぞれ外部回路80と電気的に接続されている。
As will be described later, the
(正極)
本実施形態に係る正極20は、図2に示すように、撥水層21と、撥水層21に接触するように重ねられているガス拡散層22とを備えるガス拡散電極からなる。このような薄板状のガス拡散電極を用いることにより、気相G中の酸素を正極20中の触媒に容易に供給することが可能になる。
(Positive electrode)
As shown in FIG. 2, the
<撥水層>
正極20における撥水層21は、撥水性と酸素透過性とを併せ持つ層である。撥水層21は、電極ユニット10における電気化学系中の気相Gと液相とを良好に分離しながら、気相Gから液相へ向かう酸素の移動を許容するように構成される。つまり、撥水層21は、気相G中の酸素を透過してガス拡散層22へ移動させつつも、電解液60が気相G側に移動することを抑制できる。なお、ここでいう「分離」とは、物理的に遮断することをいう。
<Water repellent layer>
The
撥水層21は、酸素を含む気相Gと接触しており、気相G中の酸素を拡散している。そして、撥水層21は、図2に示す構成では、ガス拡散層22に対し酸素を略均一に供給している。そのため、撥水層21は、当該酸素を拡散できるように多孔質体であることが好ましい。なお、撥水層21は撥水性を有するため、結露等により多孔質体の細孔が閉塞し、酸素の拡散性が低下することを抑制できる。また、撥水層21の内部に電解液60が染み込み難いため、撥水層21における気相Gと接触する面からガス拡散層22と対向する面にかけて、酸素を効率的に流通させることが可能となる。
The water-
撥水層21は、シート状に形成されていることが好ましい。また、撥水層21を構成する材料は、撥水性を有し、気相G中の酸素を拡散できれば特に限定されない。撥水層21を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチルセルロース、ポリ−4−メチルペンテン−1、ブチルゴム及びポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。これらの材料は多孔質体を形成しやすく、さらに撥水性も高いため、細孔の閉塞を抑制してガス拡散性を向上させることができる。なお、撥水層21は、撥水層21及びガス拡散層22の積層方向Xに複数の貫通孔を有することが好ましい。
The
撥水層21としては、例えば防水透湿シートを使用することができる。防水透湿シートとしては、例えば、積水化学工業株式会社製のセルポア(登録商標)、及び株式会社ニトムズ製のブレスロン(登録商標)を用いることができる。
As the
撥水層21は、撥水性を高めるために、必要に応じて撥水剤を用いて撥水処理を施してもよい。具体的には、撥水層21を構成する多孔質体にポリテトラフルオロエチレン等の撥水剤を付着させ、撥水性を向上させてもよい。
The water-
<ガス拡散層>
正極20におけるガス拡散層22は、多孔質な導電性材料と、導電性材料に担持されている触媒とを備えることが好ましい。なお、ガス拡散層22が、多孔質かつ導電性を有する触媒から構成されてもよい。正極20にこのようなガス拡散層22を備えることで、後述する局部電池反応により生成した電子を触媒と外部回路80との間で導通させることが可能となる。つまり、後述するように、ガス拡散層22には触媒が担持されており、さらに触媒は酸素還元触媒である。そして、電子が外部回路80からガス拡散層22を通じて触媒に移動することにより、触媒によって、酸素、水素イオン及び電子による酸素還元反応を進行させることが可能となる。
<Gas diffusion layer>
The
正極20では、安定的な性能を確保するために、酸素が撥水層21及びガス拡散層22を効率よく透過し、触媒に供給されることが好ましい。そのため、ガス拡散層22は、撥水層21と対向する面から反対側の面にかけて、酸素が透過する細孔を多数有する多孔質体であることが好ましい。また、ガス拡散層22の形状は、三次元のメッシュ状であることが特に好ましい。このようなメッシュ状であることにより、ガス拡散層22に対し、高い酸素透過性及び導電性を付与することが可能となる。
In the
正極20において、ガス拡散層22に効率的に酸素を供給するために、撥水層21は、接着剤を介してガス拡散層22と接合していることが好ましい。これにより、ガス拡散層22に対し、拡散した酸素が直接供給され、酸素還元反応を効率的に行うことができる。接着剤は、撥水層21とガス拡散層22との間の接着性を確保する観点から、撥水層21とガス拡散層22との間の少なくとも一部に設けられていることが好ましい。ただ、撥水層21とガス拡散層22との間の接着性を高め、長期間に亘り安定的に酸素をガス拡散層22に供給する観点から、接着剤は撥水層21とガス拡散層22との間の全面に設けられていることがより好ましい。
In the
接着剤としては酸素透過性を有するものが好ましく、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム及びシリコーンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂を用いることができる。 The adhesive preferably has oxygen permeability and contains at least one selected from the group consisting of polymethylmethacrylate, methacrylic acid-styrene copolymer, styrene-butadiene rubber, butyl rubber, nitrile rubber, chloroprene rubber and silicone. A resin can be used.
ここで、本実施形態における正極20のガス拡散層22について、さらに詳しく説明する。上述のように、ガス拡散層22は、多孔質な導電性材料と、当該導電性材料に担持されている触媒とを備えるような構成とすることができる。
Here, the
ガス拡散層22における導電性材料は、例えば炭素系物質、導電性ポリマー、半導体及び金属からなる群より選ばれる一種以上の材料から構成することができる。ここで、炭素系物質とは、炭素を構成成分とする物質をいう。炭素系物質の例としては、例えば、グラファイト、活性炭、カーボンブラック、バルカン(登録商標)XC−72R、アセチレンブラック、ファーネスブラック、デンカブラックなどのカーボンパウダー、グラファイトフェルト、カーボンウール、カーボン織布などのカーボンファイバー、カーボンプレート、カーボンペーパー、カーボンディスク、カーボンクロス、カーボンホイル、炭素粒子を圧縮成形した炭素系材料が挙げられる。また、炭素系物質の例として、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノクラスターのような微細構造物質も挙げられる。
The conductive material in the
導電性ポリマーとは、導電性を有する高分子化合物の総称である。導電性ポリマーとしては、例えば、アニリン、アミノフェノール、ジアミノフェノール、ピロール、チオフェン、パラフェニレン、フルオレン、フラン、アセチレン若しくはそれらの誘導体を構成単位とする単一モノマー又は二種以上のモノマーの重合体が挙げられる。具体的には、導電性ポリマーとして、例えば、ポリアニリン、ポリアミノフェノール、ポリジアミノフェノール、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリフルオレン、ポリフラン、ポリアセチレン等が挙げられる。金属製の導電性材料としては、例えば、ステンレスメッシュが挙げられる。入手の容易性、コスト、耐食性、耐久性等を考慮した場合、導電性材料は炭素系物質であることが好ましい。 The conductive polymer is a general term for polymer compounds having conductivity. Examples of the conductive polymer include aniline, aminophenol, diaminophenol, pyrrole, thiophene, paraphenylene, fluorene, furan, acetylene or a single monomer having a derivative thereof as a constituent unit or a polymer of two or more kinds of monomers. Can be mentioned. Specifically, examples of the conductive polymer include polyaniline, polyaminophenol, polydiaminophenol, polypyrrole, polythiophene, polyparaphenylene, polyfluorene, polyfuran, and polyacetylene. Examples of the conductive material made of metal include a stainless mesh. In consideration of availability, cost, corrosion resistance, durability, etc., the conductive material is preferably a carbon-based substance.
導電性材料の形状は、粉末形状又は繊維形状であることが好ましい。また、導電性材料は、支持体に支持されていてもよい。支持体とは、それ自身が剛性を有し、ガス拡散電極に一定の形状を付与することのできる部材をいう。支持体は絶縁体であっても導電体であってもよい。支持体が絶縁体である場合、支持体としては、例えばガラス、プラスチック、合成ゴム、セラミックス、耐水又は撥水処理した紙、木片などの植物片、骨片、貝殻などの動物片等が挙げられる。多孔質構造の支持体としては、例えば多孔質セラミック、多孔質プラスチック、スポンジ等が挙げられる。支持体が導電体である場合、支持体としては、例えばカーボンペーパー、カーボンファイバー、炭素棒などの炭素系物質、金属、導電性ポリマー等が挙げられる。 The shape of the conductive material is preferably a powder shape or a fiber shape. Moreover, the conductive material may be supported by a support. The support means a member which has rigidity itself and can give a certain shape to the gas diffusion electrode. The support may be an insulator or a conductor. When the support is an insulator, examples of the support include glass, plastic, synthetic rubber, ceramics, water-resistant or water-repellent treated paper, plant pieces such as wood pieces, bone pieces, animal pieces such as shells, and the like. .. Examples of the support having a porous structure include porous ceramics, porous plastics and sponges. When the support is a conductor, examples of the support include carbon papers, carbon fibers, carbon-based substances such as carbon rods, metals, and conductive polymers.
ガス拡散層22における触媒は、白金系触媒、鉄又はコバルトを用いた炭素系触媒、部分酸化したタンタル炭窒化物(TaCNO)及びジルコニウム炭窒化物(ZrCNO)等の遷移金属酸化物系触媒、タングステン又はモリブデンを用いた炭化物系触媒、活性炭等を用いることができる。
The catalyst in the
ガス拡散層22における触媒は、金属原子がドープされている炭素系材料であることが好ましい。金属原子としては特に限定されないが、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の原子であることが好ましい。この場合、炭素系材料が、特に酸素還元反応を促進させるための触媒として優れた性能を発揮する。炭素系材料が含有する金属原子の量は、炭素系材料が優れた触媒性能を有するように適宜設定すればよい。
The catalyst in the
炭素系材料には、更に窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属原子がドープされていることが好ましい。炭素系材料にドープされている非金属原子の量も、炭素系材料が優れた触媒性能を有するように適宜設定すればよい。 It is preferable that the carbon-based material is further doped with at least one non-metal atom selected from the group consisting of nitrogen, boron, sulfur and phosphorus. The amount of non-metal atoms doped in the carbon-based material may be appropriately set so that the carbon-based material has excellent catalytic performance.
炭素系材料は、例えばグラファイト及び無定形炭素等の炭素源原料をベースとし、この炭素源原料に金属原子と、窒素、ホウ素、硫黄及びリンから選択される一種以上の非金属原子とをドープすることで得られる。 The carbon-based material is based on a carbon source material such as graphite and amorphous carbon, and the carbon source material is doped with a metal atom and one or more non-metal atoms selected from nitrogen, boron, sulfur and phosphorus. It can be obtained.
炭素系材料にドープされている金属原子と非金属原子との組み合わせは、適宜選択される。特に、非金属原子が窒素を含み、金属原子が鉄を含むことが好ましい。この場合、炭素系材料が特に優れた触媒活性を有することができる。なお、非金属原子が窒素のみであってもよく、金属原子が鉄のみであってもよい。 The combination of metal atoms and non-metal atoms doped in the carbon-based material is appropriately selected. In particular, it is preferable that the non-metal atom contains nitrogen and the metal atom contains iron. In this case, the carbon-based material can have a particularly excellent catalytic activity. The non-metal atom may be only nitrogen, and the metal atom may be only iron.
非金属原子が窒素を含み、金属原子がコバルトとマンガンとのうち少なくとも一方を含んでもよい。この場合も、炭素系材料が特に優れた触媒活性を有することができる。なお、非金属原子が窒素のみであってもよい。また、金属原子がコバルトのみ、マンガンのみ、あるいはコバルト及びマンガンのみであってもよい。 The non-metal atom may include nitrogen and the metal atom may include at least one of cobalt and manganese. Also in this case, the carbon-based material can have a particularly excellent catalytic activity. The non-metal atom may be nitrogen only. Further, the metal atom may be only cobalt, only manganese, or only cobalt and manganese.
炭素系材料の形状は特に制限されない。例えば、炭素系材料は、粒子状の形状を有してもよく、またシート状の形状を有してもよい。シート状の形状を有する炭素系材料の寸法は特に制限されず、例えばこの炭素系材料が微小な寸法であってもよい。シート状の形状を有する炭素系材料は、多孔質であってもよい。シート状の形状を有し、かつ、多孔質な炭素系材料は、例えば織布状、不織布状等の形状を有することが好ましい。このような炭素系材料は、導電性材料が無くても、ガス拡散層22を構成することができる。
The shape of the carbon-based material is not particularly limited. For example, the carbon-based material may have a particle shape or a sheet shape. The size of the carbon-based material having a sheet shape is not particularly limited, and the carbon-based material may have a minute size, for example. The carbonaceous material having a sheet shape may be porous. The sheet-shaped and porous carbon-based material preferably has, for example, a woven cloth shape, a non-woven cloth shape, or the like. Such a carbon-based material can form the
ガス拡散層22における触媒として構成される炭素系材料は、次のように調製することができる。まず、例えば窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属を含む非金属化合物と、金属化合物と、炭素源原料とを含有する混合物を準備する。そして、この混合物を、800℃以上1000℃以下の温度で、45秒以上600秒未満加熱する。これにより、触媒として構成される炭素系材料を得ることができる。
The carbon-based material configured as the catalyst in the
ここで、炭素源原料としては、上述の通り、例えばグラファイト又は無定形炭素を使用することができる。さらに、金属化合物としては、炭素源原料にドープされる非金属原子と配位結合し得る金属原子を含む化合物であれば、特に制限されない。金属化合物は、例えば金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、臭化物、ヨウ化物、フッ化物などのような無機金属塩、酢酸塩などの有機金属塩、無機金属塩の水和物、及び有機金属塩の水和物からなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。例えばグラファイトに鉄がドープされる場合には、金属化合物は塩化鉄(III)を含有することが好ましい。また、グラファイトにコバルトがドープされる場合には、金属化合物は塩化コバルトを含有することが好ましい。また、炭素源原料にマンガンがドープされる場合には、金属化合物は酢酸マンガンを含有することが好ましい。金属化合物の使用量は、例えば炭素源原料に対する金属化合物中の金属原子の割合が5〜30質量%の範囲内となるように決定されることが好ましく、更にこの割合が5〜20質量%の範囲内となるように決定されることがより好ましい。 Here, as the carbon source material, for example, graphite or amorphous carbon can be used as described above. Furthermore, the metal compound is not particularly limited as long as it is a compound containing a metal atom capable of coordinatively bonding with a non-metal atom doped in the carbon source material. Examples of the metal compound include inorganic metal salts such as metal chlorides, nitrates, sulfates, bromides, iodides, and fluorides, organic metal salts such as acetates, hydrates of inorganic metal salts, and organic metal salts. It is possible to use at least one selected from the group consisting of hydrates of For example, when graphite is doped with iron, the metal compound preferably contains iron(III) chloride. When the graphite is doped with cobalt, the metal compound preferably contains cobalt chloride. When the carbon source material is doped with manganese, the metal compound preferably contains manganese acetate. The amount of the metal compound used is preferably determined, for example, so that the ratio of the metal atom in the metal compound to the carbon source material is in the range of 5 to 30% by mass, and further, this ratio is 5 to 20% by mass. More preferably, it is determined to be within the range.
非金属化合物は、上記の通り、窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属の化合物であることが好ましい。非金属化合物としては、例えば、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、オクチルボロン酸、1,2−ビス(ジエチルホスフィノエタン)、亜リン酸トリフェニル、ベンジルジサルフィドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することができる。非金属化合物の使用量は、炭素源原料への非金属原子のドープ量に応じて適宜設定される。非金属化合物の使用量は、金属化合物中の金属原子と、非金属化合物中の非金属原子とのモル比が、1:1〜1:2の範囲内となるように決定されることが好ましく、1:1.5〜1:1.8の範囲内となるように決定されることがより好ましい。 As described above, the non-metal compound is preferably at least one non-metal compound selected from the group consisting of nitrogen, boron, sulfur and phosphorus. Examples of the nonmetal compound include pentaethylenehexamine, ethylenediamine, tetraethylenepentamine, triethylenetetramine, ethylenediamine, octylboronic acid, 1,2-bis(diethylphosphinoethane), triphenylphosphite, and benzyldisal. At least one compound selected from the group consisting of fido can be used. The amount of the non-metal compound used is appropriately set according to the amount of the non-metal atom doped into the carbon source material. The amount of the non-metal compound used is preferably determined such that the molar ratio of the metal atom in the metal compound to the non-metal atom in the non-metal compound is in the range of 1:1 to 1:2. , 1:1.5 to 1:1.8 is more preferably determined.
ガス拡散層22において、触媒は結着剤を用いて導電性材料に結着していてもよい。つまり、触媒は結着剤を用いて導電性材料の表面及び細孔内部に担持されていてもよい。これにより、触媒が導電性材料から脱離し、酸素還元特性が低下することを抑制できる。結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。また、結着剤としては、NAFION(登録商標)を用いることも好ましい。
In the
(負極)
本実施形態に係る負極30は、後述する微生物を担持し、さらに微生物の触媒作用により、電解液60中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する機能を有する。そのため、負極30は、このような機能を生じさせる構成ならば特に限定されない。
(Negative electrode)
The
負極30は、導電性を有する導電体シートに微生物を担持した構造を有する。導電体シートは、多孔質の導電体シート、織布状の導電体シート及び不織布状の導電体シートからなる群より選ばれる少なくとも一つを備えることが好ましい。また、導電体シートは複数のシートを積層した積層体でもよい。負極30の導電体シートとして、このような複数の細孔を有するシートを用いることにより、後述する局部電池反応で生成した水素イオンが正極20の方向へ移動しやすくなり、酸素還元反応の速度を高めることが可能となる。また、イオン透過性を向上させる観点から、負極30の導電体シートは、正極20及び負極30の積層方向X、つまり厚さ方向に連続した空間(空隙)を有していることが好ましい。
The
当該導電体シートは、厚さ方向に複数の貫通孔を有する金属板であってもよい。そのため、負極30の導電体シートを構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンなどの導電性金属、並びにカーボンペーパー、カーボンフェルトからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
The conductor sheet may be a metal plate having a plurality of through holes in the thickness direction. Therefore, as the material forming the conductor sheet of the
負極30の導電体シートとして、黒鉛シートを用いてもよい。また、負極30は黒鉛を含有し、さらに黒鉛におけるグラフェン層は、正極20及び負極30の積層方向Xに垂直な方向YZの面に沿って配列していることが好ましい。グラフェン層がこのように配列していることにより、積層方向Xの導電性よりも、積層方向Xに垂直な方向YZの導電性が向上する。そのため、負極30の局部電池反応により生成した電子を外部回路80へ導通させやすくなり、電池反応の効率をより向上させることが可能となる。
A graphite sheet may be used as the conductor sheet of the
本実施形態に係る負極30の形状は、特に限定されない。また、負極30に担持される微生物としては、電解液60中の有機物又は窒素含有化合物を分解して、水素イオン及び電子を生成する微生物であれば特に限定されない。このような微生物としては、例えば、増殖に酸素を必要とする好気性微生物、又は増殖に酸素を必要としない嫌気性微生物を使用することができるが、嫌気性微生物を使用することが好ましい。嫌気性微生物は、電解液60中の有機物を酸化分解するための空気を必要としない。そのため、空気を送り込むために必要な電力を大幅に低減することができる。また、微生物が獲得する自由エネルギーが小さいので、汚泥発生量を減少させることが可能となる。
The shape of the
負極30に担持される微生物が嫌気性微生物である場合には、嫌気性微生物の活動を高めるため、負極30の周囲を嫌気性雰囲気に保つことが好ましい。また、負極30に保持される嫌気性微生物は、例えば細胞外電子伝達機構を有する電気生産細菌であることが好ましい。具体的には、嫌気性微生物として、例えばGeobacter属細菌、Shewanella属細菌、Aeromonas属細菌、Geothrix属細菌、Saccharomyces属細菌が挙げられる。
When the microorganisms carried on the
負極30に、微生物を含むバイオフィルムが重ねられて固定されることで、負極30に微生物が保持されていてもよい。具体的には、負極30における電解液60と直接接触する面30a及び面30bに対して、微生物を含むバイオフィルムが固定されていてもよい。なお、バイオフィルムとは、一般に、微生物集団と、微生物集団が生産する菌体外重合体物質(extracellular polymeric substance、EPS)とを含む三次元構造体のことをいう。ただ、微生物は、バイオフィルムによらずに負極30に保持されていてもよい。また、微生物は、負極30の表面だけでなく、内部に保持されていてもよい。
The microorganisms may be retained in the
負極30には、例えば、電子伝達メディエーター分子が修飾されていてもよい。あるいは、電解液槽70内の電解液60は、電子伝達メディエーター分子を含んでいてもよい。これにより、微生物から負極30への電子移動を促進し、より効率的な液体処理を実現できる。
The
具体的には、微生物による代謝機構では、細胞内又は最終電子受容体との間で電子の授受が行われる。電解液60中にメディエーター分子を導入すると、メディエーター分子が代謝の最終電子受容体として作用し、かつ、受け取った電子を負極30へと受け渡す。この結果、電解液60における有機物などの酸化分解速度を高めることが可能になる。このような電子伝達メディエーター分子は、特に限定されない。電子伝達メディエーター分子としては、例えばニュートラルレッド、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸(AQDS)、チオニン、フェリシアン化カリウム、及びメチルビオローゲンからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
Specifically, in the metabolic mechanism of microorganisms, electrons are exchanged intracellularly or with the final electron acceptor. When the mediator molecule is introduced into the
(イオン移動層)
電極ユニット10は、正極20と負極30との間に設けられ、プロトン透過性を有するイオン移動層25をさらに備えてもよい。図4に示すように、液体処理システム1Aにおいて、イオン移動層25の一方の面25aには正極20が接触するように配置されており、イオン移動層25の面25aと反対側の面25bには負極30が接触するように配置されている。そして、負極30は、イオン移動層25を介して正極20と隔てられている。イオン移動層25は電気絶縁性を有し、さらに負極30で生成した水素イオンを透過し、正極20側へ移動させる機能を有している。
(Ion transfer layer)
The
イオン移動層25としては、例えばイオン交換樹脂を用いたイオン交換膜を使用することができる。イオン交換樹脂としては、例えばデュポン株式会社製のNAFION(登録商標)、並びに旭硝子株式会社製のフレミオン(登録商標)及びセレミオン(登録商標)を用いることができる。
As the
また、イオン移動層25として、水素イオンが透過することが可能な細孔を有する多孔質膜を使用してもよい。つまり、イオン移動層25は、負極30から正極20へ水素イオンが移動するための空間(空隙)を有するシートであってもよい。そのため、イオン移動層25は、多孔質のシート、織布状のシート及び不織布状のシートからなる群より選ばれる少なくとも一つを備えることが好ましい。また、イオン移動層25は、ガラス繊維膜、合成繊維膜、及びプラスチック不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができ、これらを複数積層してなる積層体でもよい。このような多孔質のシートは、内部に多数の細孔を有しているため、水素イオンが容易に移動することが可能となる。なお、イオン移動層25の細孔径は、負極30から正極20に水素イオンが移動できれば特に限定されない。
Further, as the
上述のように、イオン移動層25は、負極30で生成した水素イオンを透過し、正極20側へ移動させる機能を有する。そのため、例えば、負極30と正極20とが接触しない状態で近接していれば、水素イオンが負極30から正極20へ移動することができる。したがって、本実施形態の液体処理システムにおいて、イオン移動層25は必須の構成要素ではない。ただ、イオン移動層25を設けることにより、負極30から正極20へ水素イオンを効率的に移動させることが可能となるため、出力向上の観点からイオン移動層25を設けることが好ましい。なお、正極20とイオン移動層25との間に空隙が設けられていてもよく、また負極30とイオン移動層25との間も空隙が設けられていてもよい。
As described above, the
電極ユニット10において、スペーサ部材40は、上部の全体が開口しているが、内部に空気(酸素)を導入することが可能ならば部分的に開口していてもよく、また閉口していてもよい。
In the
[電解液槽]
液体処理システム1は、有機物を含む電解液60を内部に保持する、略直方体状の電解液槽70を備える。電解液槽70の前壁73には、電解液60を電解液槽70に供給するための流入口71が設けられている。電解液槽70の後壁74には、処理後の電解液60を電解液槽70から排出するための流出口72が設けられている。
[Electrolyte tank]
The
電解液60は、流入口71を通じて電解液槽70の内部に連続的に供給される。また、図1及び図2に示すように、電極ユニット10は、電解液60に浸漬するように電解液槽70の内部に配置されている。そのため、電解液槽70の流入口71から供給された電解液60は、電極ユニット10に接触しながら流れ、その後、流出口72から排出される。
The
[外部回路]
図2及び図4に示すように、正極20及び負極30には、外部回路80が電気的に接続されている。後述するように、負極30に担持された嫌気性微生物の触媒作用により、電解液60中の有機物が分解されて電子が生成する。負極30で生成した電子は外部回路80へ移動し、さらに外部回路80から正極20に移動する。このとき、外部回路80によって、閉回路に流れる電気エネルギーを回収することができる。また、外部回路80は、正極20と負極30の間の電流及び電圧の少なくとも一方を測定し、その測定結果を後述する制御部110に送信する機能を有する。
[External circuit]
As shown in FIGS. 2 and 4, an
[開閉部]
上述のように、電解液槽70は、処理後の電解液60を電解液槽70の内部から排出するための流出口72を備える。そして、液体処理システム1は、電解液槽70の流出口72に設けられ、流出口72を開閉する開閉部90を備えている。開閉部90は、後述するように、制御部110からの指令に基づき、流出口72を通じた電解液60の排出を調整する。開閉部90が開いた場合には、電解液槽70の内部から外部に電解液60が排出され、開閉部90が閉じた場合には、電解液槽70の内部から外部に電解液60が排出されなくなる。開閉部90の構成は特に限定されないが、例えば電動弁又は電磁弁を用いることができる。
[Opening and closing part]
As described above, the
[電解液攪拌部]
液体処理システムにおいて、嫌気性微生物は、バイオフィルムにより負極に担持されていてもよい。ただ、液体処理システムを長期間稼働させた場合、負極上のバイオフィルムが肥大化するため、液体処理システムの発電効率が低下する場合がある。バイオフィルムにより液体処理システムの発電効率が低下する原因は十分に解明されていないが、嫌気性微生物以外の他の微生物により形成されたバイオフィルムによって発電が阻害される可能性がある。
[Electrolyte stirring part]
In the liquid treatment system, the anaerobic microorganism may be supported on the negative electrode by a biofilm. However, when the liquid treatment system is operated for a long period of time, the biofilm on the negative electrode is enlarged, which may reduce the power generation efficiency of the liquid treatment system. The reason why the biofilm reduces the power generation efficiency of the liquid treatment system has not been sufficiently clarified, but power generation may be hindered by the biofilm formed by other microorganisms than the anaerobic microorganisms.
このような、肥大化したバイオフィルムなどの異物を除去するには、電解液槽から負極を取り出し、電解液槽の外で異物を剥がす方法がある。ただ、この方法では、負極を外部に取り出すために液体処理システムの発電を停止する必要がある。また、負極の面積が大きい場合には、メンテナンスを実施するスペースを外部に確保する必要がある。 In order to remove such foreign matter such as the enlarged biofilm, there is a method of taking out the negative electrode from the electrolytic solution tank and peeling the foreign matter outside the electrolytic solution tank. However, in this method, it is necessary to stop the power generation of the liquid processing system in order to take out the negative electrode to the outside. Moreover, when the area of the negative electrode is large, it is necessary to secure a space for performing maintenance outside.
本実施形態の液体処理システムは、簡易な方法で負極30に付着した異物を除去するために、少なくとも負極30の周囲の電解液60を攪拌する電解液攪拌部100を備えている。電解液攪拌部100は、負極30の周囲、例えば負極30における正極20と対向する面30a、及び/又は、面30aと反対側の面30bの周囲に存在する電解液60を攪拌することができる。電解液攪拌部100は、後述するように、制御部110からの指令に基づき、電解液60の攪拌を調整する。
The liquid treatment system of the present embodiment includes an electrolytic
電解液攪拌部100の構成は、負極30の周囲の電解液60を攪拌できるならば特に限定されない。例えば、電解液攪拌部100は、負極30の周囲に電解液60の流れを発生させるポンプを備えることが好ましい。このようなポンプを用いることにより、負極30の周囲に電解液60の流れを発生させ、電解液の水流及び/又は水圧により、負極30の表面に付着した異物を剥離することが可能となる。なお、電解液攪拌部100を構成するポンプは特に限定されないが、水中ポンプ又は水中モーターポンプを使用することができる。水中ポンプは、通常の使用中に、全面的に又は部分的に電解液60中に沈める電気部品をもつポンプである。水中モーターポンプは、ポンプ全体を電動機ごと電解液60中につけて使用するポンプである。
The configuration of the electrolytic
なお、電解液攪拌部100は、電解液槽70の外部に配設したポンプと、当該ポンプに接続した配管とを備え、配管の端部から電解液60を吐出することにより、負極30の周囲に電解液60の流れを発生させるような構成であってもよい。
The electrolytic
電解液攪拌部100は、上述のポンプに限定されない。例えば、電解液攪拌部100は、負極30に対して散気する散気装置を備えることも好ましい。具体的には、図5に示すように、散気装置101は、気体を散気するための孔部を有する散気部材102と、孔部に気体を供給する気体供給部材103とを備えることができる。
The electrolytic
散気部材102は、気体を流通させることが可能な孔部を多数有する部材である。散気部材102は特に限定されないが、例えば粗大なセラミックス粒子をバインダ等で接合した多孔質セラミックス散気板、又は合成樹脂製の散気板を用いることができる。また、散気部材102としては、メンブレンディフューザーも用いることができる。
The
気体供給部材103は散気部材102を保持し、さらに散気部材102の孔部に気体を供給する中空部材である。そして、気体供給部材103から供給された気体は、散気部材102の孔部を通過して気泡となり、電解液60中に拡散する。
The
気体供給部材103には、電解液槽70の外部から気体を供給するための配管104が接続されていることが好ましい。具体的には、気体供給部材103の下部に、中空の配管104が接続されていることが好ましい。配管104は、電解液槽70の後壁74を貫通し、電解液槽70の外部に延出している。そして、配管104の端部には、気体を圧送するための圧縮機105が接続されている。
It is preferable that a
散気装置101から電解液60に散気する気体は特に限定されない。例えば、気体としては空気を用いることができる。ただ、上述のように、嫌気性微生物の活動を高めるためには、負極30の周囲を嫌気性雰囲気に保つことが好ましい。そのため、散気する気体は酸素を含まないガスであることが好ましく、例えば窒素を用いることが好ましい。
The gas diffused from the
電解液攪拌部100は、鉛直方向Yにおいて、負極30の下部側に設けられていることが好ましい。具体的には、図2及び図4に示すように、電解液攪拌部100が水中ポンプ又は水中モーターポンプを備えている場合には、当該ポンプは、鉛直方向Yにおいて、負極30の下部側に設けられていることが好ましい。これにより、電解液攪拌部100が稼働したときに、負極30の下部から上方に向かう水流が発生するため、負極30の下端からバイオフィルムが剥離し、当該バイオフィルムを効率的に除去することが可能となる。
The electrolytic
電解液攪拌部100が、電解液槽70の外部に配設したポンプと、当該ポンプに接続した配管とを備える場合には、電解液60が吐出する配管の端部を、鉛直方向Yにおいて、負極30の下部側に設けることが好ましい。
When the electrolytic
電解液攪拌部100が負極30に対して散気する散気装置を備えている場合には、図5に示すように、散気部材102及び気体供給部材103が、鉛直方向Yにおいて、負極30の下部側に設けられていることが好ましい。これにより、散気部材102から発生した気泡が負極30の表面に沿って浮上し、電解液60の水面61に到達する。この際、気泡は、負極30の表面に接触するため、負極30上の異物を除去することができる。
When the electrolytic
[制御部]
本実施形態の液体処理システムは、開閉部90の開閉状態を制御する制御部110を備えている。図2、図4及び図5に示すように、制御部110は、電解液槽70の流出口72に設けられた開閉部90と電気的に接続されており、開閉部90の開閉を制御する。また、制御部110は、電解液攪拌部100と電気的に接続されており、電解液攪拌部100の作動状態を制御することが好ましい。制御部110は、液体処理システムが外部回路80を備えている場合には、外部回路80と電気的に接続されていることが好ましい。制御部110は、CPU、RAM、ROM及びハードディスクからなる群より選ばれる少なくとも一つを備える。
[Control part]
The liquid processing system of the present embodiment includes a
次に、本実施形態の液体処理システム1,1Aの動作について説明する。図1及び図2に示すように、正極20及び負極30を備える電極ユニット10が電解液60に浸漬した場合、正極20のガス拡散層22及び負極30が電解液60に浸漬し、撥水層21の少なくとも一部が気相Gに露出する。
Next, the operation of the
液体処理システム1,1Aの稼働時には、負極30に、有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方を含有する電解液60を供給し、正極20に空気を供給する。この際、空気は、スペーサ部材40の上部に設けられた開口部を通じて連続的に供給される。
During operation of the
そして、正極20では、撥水層21を透過してガス拡散層22に酸素が拡散する。負極30では、微生物の触媒作用により、電解液60中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する。負極30で生成した水素イオンは、正極20側へ移動し、正極20中のガス拡散層22に到達する。図4に示すように、電極ユニット10がイオン移動層25を有する場合には、負極30で生成した水素イオンは、イオン移動層25を透過して正極20側へ移動し、正極20中のガス拡散層22に到達する。また、生成した電子は負極30の導電体シートを通じて外部回路80へ移動し、さらに外部回路80から正極20のガス拡散層22に移動する。そして、水素イオン及び電子は、ガス拡散層22中の触媒の作用により酸素と結合し、水となって消費される。このとき、外部回路80によって、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。このように、電極ユニット10は、負極30における微生物の作用により、電解液60中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方を分解することができる。
Then, in the
なお、上述のように、液体処理システム1,1Aが稼働している場合には、通常、電解液60は流入口71を通じて電解液槽70の内部に連続的に供給される。さらに、電解液攪拌部100は停止状態であり、開閉部90は開状態である。
As described above, when the
ここで、液体処理システム1,1Aが長期間稼働し、バイオフィルムなどの異物が負極30の表面に増加した場合、制御部110は、電解液攪拌部100と開閉部90を作動させる制御を行う。具体的には、図6に示すように、制御部110は、負極30の周囲の電解液60を攪拌する必要があるか否かを判断する(ステップS1)。具体的には、外部回路80は、正極20と負極30の間の電流及び電圧の少なくとも一方を測定し、その測定結果を制御部110に送信する。制御部110は、受信した電流及び電圧の少なくとも一方と、記憶部に記録された基準値とを比較する。制御部110は、受信した電流及び電圧の少なくとも一方が当該基準値未満の場合には発電効率が悪化していると判断し、電解液60の攪拌が必要と判断する。逆に、制御部110は、受信した電流及び電圧の少なくとも一方が基準値以上の場合には、正常な発電が行われていると判断し、攪拌は不要と判断する。攪拌が不要と判断した場合、制御部110は、電解液攪拌部100を停止状態のままとし、開閉部90を開状態のままとする制御を行う。
Here, when the
制御部110が、電解液60の攪拌が必要と判断した場合、制御部110は、電解液攪拌部100に対して作動する指令を送信する(ステップS2)。制御部110は、さらに、開閉部90に対して閉状態とする指令を送信する(ステップS3)。つまり、制御部110は、電解液攪拌部100が作動状態では開閉部90を閉状態とする制御を行う。
When the
電解液攪拌部100が作動した場合、少なくとも負極の周囲の電解液60が攪拌され、電解液60の水流及び/又は水圧により、負極30の表面に付着した異物を剥離する。電解液攪拌部100が散気装置を備える場合には、散気装置から電解液60に気泡を放出する。具体的には、圧縮機105を作動させて配管104に気体を圧送する。圧送された気体は、配管104の内部を通過して、気体供給部材103に到達する。気体供給部材103に供給された気体は、散気部材102の孔部を通過して気泡となり、電解液60に拡散する。
When the electrolytic
散気部材102から電解液60に拡散した気泡は、負極30の面30a,30bに沿って浮上し、電解液60の水面61に到達する。この際、気泡は、負極30の面30a,30bに接触するため、負極30を振動させることができる。また、気泡の上昇により、負極30の面30a,30bの近傍に旋回流が生じる。この負極30の振動と、負極30の面30a,30bの近傍に生じる旋回流とにより、負極30の表面の異物、つまり肥大化したバイオフィルムを剥離する。
The bubbles diffused from the
電解液攪拌部100が作動して電解液60が攪拌されることにより、負極の下端から、肥大化したバイオフィルムが徐々に剥離して、電解液60中にバイオフィルムが浮遊する。この際、電解液60中には、塊状のバイオフィルムと、微細化したバイオフィルムの両方が浮遊する。微細化したバイオフィルムは、電解液槽70の流出口72の孔径に比べて体積が小さいため、流出口72を閉塞し難い。そのため、微細化したバイオフィルムは、開閉部90が開状態の場合には、有機物が低減した電解液60と共に、電解液槽70の外部に排出される。ただ、塊状のバイオフィルムは体積が大きいため、開閉部90が開状態の場合には、塊状のバイオフィルムが流出口72に流れ着き、流出口72を閉塞してしまう可能性がある。
When the electrolytic
そのため、本実施形態において、制御部110は、電解液攪拌部100が作動状態では開閉部90を閉状態とする制御を行う(ステップS2,S3)。これにより、電解液攪拌部100が作動して電解液60中にバイオフィルムが浮遊した場合でも、塊状のバイオフィルムは電解液槽70の内部に滞留し、流出口72に流れ着き難くなる。そのため、塊状のバイオフィルムによる流出口72の閉塞を抑制することができる。
Therefore, in the present embodiment, the
電解液攪拌部100が作動して負極表面の異物の除去が進んだ場合、制御部110は、電解液60の攪拌がさらに必要か否かを判断する(ステップS4)。具体的には、制御部110は、外部回路80から受信した電流及び電圧の少なくとも一方と、記憶部に記録された基準値と比較する。制御部110は、受信した電流及び電圧の少なくとも一方が当該基準値未満の場合には、電解液60の攪拌がさらに必要と判断し、電解液攪拌部100の作動状態と開閉部90の閉状態とを維持する。逆に、制御部110は、受信した電流及び電圧の少なくとも一方が基準値以上の場合には、これ以上の電解液60の攪拌は不要と判断する。
When the electrolytic
制御部110が、これ以上の電解液60の攪拌は不要と判断した場合、制御部110は、電解液攪拌部100に対して作動を停止する指令を送信する(ステップS5)。制御部110は、さらに、開閉部90に対して開状態とする指令を送信する(ステップS6)。つまり、制御部110は、電解液攪拌部100が停止状態では開閉部90を開状態とする制御を行う。
When the
電解液攪拌部100が停止した場合、塊状のバイオフィルムは速やかに沈降し、電解液槽70の底壁75に沈殿する。そして、微細化したバイオフィルムは、有機物が低減した電解液60と共に、流出口72を通じて電解液槽70の外部に排出される。このようなステップにより、電解液槽70の流出口72の閉塞を抑制しつつ、負極表面の異物を除去することができる。
When the electrolytic
このように、液体処理システム1,1Aは、有機物を含む電解液60を保持し、電解液60が流出する流出口72を備える電解液槽70と、嫌気性微生物を保持し、かつ、電解液60に接触する負極30と、負極30と電気的に接続された正極20とを備える。液体処理システム1,1Aは、さらに、少なくとも負極30の周囲の電解液60を攪拌する電解液攪拌部100と、流出口72に設けられ、流出口72を開閉する開閉部90と、開閉部の開閉状態を制御する制御部110とを備える。制御部110は、電解液攪拌部100が作動状態では開閉部90を閉状態とし、電解液攪拌部100が停止状態では開閉部90を開状態とする制御を行う。
As described above, the
液体処理システム1,1Aでは、電解液攪拌部100により負極30の周囲の電解液60を攪拌することによって、負極30の表面の異物を除去することができる。そのため、メンテナンスのたびに液体処理システム1,1Aの外に負極30を取り出す必要が無く、さらに液体処理システムの発電を停止する必要もない。また、負極表面の異物の除去は電解液槽70の内部で行うことから、負極30を好気条件に晒すことがない。そのため、液体処理システム1,1Aの出力特性を低下させずにメンテナンスを行うことができる。さらに、負極表面の異物の除去は電解液槽70の内部で行うことから、メンテナンスを実施するスペースを外部に確保する必要もない。そのため、液体処理システム1,1Aでは、負極30のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
In the
また、液体処理システム1,1Aでは、電解液攪拌部100が作動状態では開閉部90を閉状態とし、電解液攪拌部100が停止状態では開閉部90を開状態とする制御を行う。そのため、塊状の異物が電解液槽70の流出口72に詰まることが抑制されることから、電解液60を効率的に排出することが可能となる。
In addition, in the
液体処理システム1,1Aにおいて、制御部110は、電解液攪拌部100により負極30に付着した異物を除去するタイミングを制御することが好ましい。図2、図4及び図5において、制御部110は、外部回路80と電気的に接続されている。そして、制御部110は、外部回路80から受信した電流及び電圧の少なくとも一方の値を基に、開閉部90及び電解液攪拌部100を作動させ、負極30に付着した異物を除去している。つまり、制御部110は、外部回路80から受信した電流及び電圧の少なくとも一方の値を基に、電解液攪拌部100により負極30に付着した異物を除去するタイミングを調整している。
In the
なお、液体処理システム1,1Aにおいて、制御部110は、外部回路80と電気的に接続していなくてもよく、さらに外部回路80で測定した値を基に、電解液攪拌部100により負極30に付着した異物を除去するタイミングを制御する必要はない。例えば、液体処理システム1,1Aを一定期間稼働させたとき、負極30の表面には、肥大化したバイオフィルムが生成することが予め分かっている場合がある。その場合には、制御部110は、液体処理システム1,1Aの稼働時間を積算し、その積算値を基に、電解液攪拌部100により負極30に付着した異物を除去するタイミングを調整してもよい。
In the
本実施形態の液体処理システム1,1Aは上述の構成に限定されず、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図2及び図4では、電解液攪拌部100を、鉛直方向Yにおいて負極30の下部側に設けることにより、負極30の下部から上方に向かう水流を発生させている。ただ、電解液攪拌部100を負極30の面30bに対向するように配置し、負極30の面30bに向かって水流を当てるような構成であってもよい。このような構成とした場合でも負極表面の異物を効率的に除去することが可能となる。
The
また、図6において、制御部110は、電解液攪拌部100に対して作動する指令を送信した後に、開閉部90に対して閉状態とする指令を送信している(ステップS2,S3)。ただ、本実施形態の液体処理システム1,1Aにおいて、制御部110は、電解液攪拌部100が作動状態では開閉部90を閉状態とし、電解液攪拌部100が停止状態では開閉部90を開状態とする制御を行えばよい。そのため、制御部110は、開閉部90に対して閉状態とする指令を送信した後に、電解液攪拌部100に対して作動する指令を送信してもよい。また、制御部110は、開閉部90に対して閉状態とする指令を送信すると同時に、電解液攪拌部100に対して作動する指令を送信してもよい。
Further, in FIG. 6, the
図6において、制御部110は、電解液攪拌部100に対して作動を停止する指令を送信した後、開閉部90に対して開状態とする指令を送信している(ステップS5,S6)。ただ、上述と同様に、制御部110は、開閉部90に対して開状態とする指令を送信した後、電解液攪拌部100に対して作動を停止する指令を送信してもよい。また、制御部110は、開閉部90に対して開状態とする指令を送信すると同時に、電解液攪拌部100に対して作動を停止する指令を送信してもよい。
In FIG. 6, the
本実施形態の液体処理システム1,1Aにおいて、電解液60は、流入口71を通じて電解液槽70の内部に連続的に供給されることが好ましい。また、開閉部90が閉状態であっても、電解液槽70の内部に電解液60が供給され続けてもよい。ただ、開閉部90が閉状態のときには、電解液60の供給を停止するような制御を行ってもよい。
In the
液体処理システム1,1Aにおいて、電極ユニット10は、正極20と接触する気相Gを形成するスペーサ部材40を備えている。ただ、本実施形態の液体処理システム1,1Aにおいて、スペーサ部材40は必須の構成要素でない。つまり、正極20が気相Gと接触し、負極30が電解液60に浸漬していれば、電解液60中の有機物及び/又は窒素含有化合物を分解しつつ電気エネルギーを得ることができる。例えば、正極20を水面61に浮かべ、負極30を電解液60に沈ませることによっても、正極20の一部は気相Gと接触し、負極30は電解液60と接触することができる。なお、このような構成の場合、正極20は撥水層21を備えなくてもよい。
In the
図面において、正極20、負極30及びイオン移動層25は、矩形状に形成されている。しかし、これらの形状は特に限定されず、液体処理システム1,1Aの大きさ、及び所望の発電性能や浄化性能により任意に変更することができる。また、各層の面積も所望の機能が発揮できるならば、それぞれ任意に変更することができる。
In the drawing, the
以下、本実施形態を実施例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。 Hereinafter, the present embodiment will be described in more detail with reference to examples, but the present embodiment is not limited to these examples.
まず、ポリオレフィン製撥水層に、接着剤であるシリコーン樹脂を塗布した後、ガス拡散層であるグラファイトホイルを接合することにより、撥水層/シリコーン接着剤/ガス拡散層からなる積層シートを作製した。なお、撥水層は、積水化学工業株式会社製セルポア(登録商標)を使用した。シリコーン樹脂は、信越化学工業株式会社製の一液型RTVゴムKE−3475−Tを使用した。グラファイトホイルは、日立化成工業株式会社製のものを使用した。 First, a water-repellent layer made of polyolefin is coated with a silicone resin that is an adhesive, and then a graphite foil that is a gas diffusion layer is joined to produce a laminated sheet composed of a water-repellent layer/silicone adhesive/gas diffusion layer. did. As the water-repellent layer, SERPUI (registered trademark) manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd. was used. As the silicone resin, one-pack type RTV rubber KE-3475-T manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. was used. The graphite foil used was made by Hitachi Chemical Co., Ltd.
次に、グラファイトホイルにおける撥水層とは反対側の面に、酸素還元触媒とPTFE(Aldrich社製)とを混合してなる触媒層をプレス成形することにより、ガス拡散電極を作製した。なお、酸素還元触媒は、目付け量が2mg/cm2となるようにプレス成形した。 Next, a gas diffusion electrode was prepared by press-molding a catalyst layer formed by mixing an oxygen reduction catalyst and PTFE (manufactured by Aldrich) on the surface of the graphite foil opposite to the water-repellent layer. The oxygen reduction catalyst was press-molded so that the basis weight was 2 mg/cm 2 .
上述の酸素還元触媒は、次のように調製した。まず、容器内に、3gのカーボンブラック、0.1Mの塩化鉄(III)水溶液、及び0.15Mのペンタエチレンヘキサミンのエタノール溶液を入れることで、混合液を調製した。なお、カーボンブラックとしては、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製ケッチェンブラックECP600JDを使用した。0.1M塩化鉄(III)水溶液の使用量は、カーボンブラックに対する鉄原子の割合が10質量%になるように調整した。この混合液に更にエタノールを加えることで、全量を9mLに調整した。そして、この混合液を超音波分散してから乾燥機で60℃の温度で乾燥させた。これにより、カーボンブラック、塩化鉄(III)、及びペンタエチレンヘキサミンを含有するサンプルを得た。 The above oxygen reduction catalyst was prepared as follows. First, a mixed solution was prepared by placing 3 g of carbon black, a 0.1 M aqueous solution of iron(III) chloride, and a 0.15 M solution of pentaethylenehexamine in ethanol in a container. As the carbon black, Ketjenblack ECP600JD manufactured by Lion Specialty Chemicals Co., Ltd. was used. The amount of the 0.1 M iron(III) chloride aqueous solution used was adjusted so that the ratio of iron atoms to carbon black was 10% by mass. The total amount was adjusted to 9 mL by adding ethanol to this mixed solution. Then, this mixed solution was ultrasonically dispersed and then dried at a temperature of 60° C. by a dryer. As a result, a sample containing carbon black, iron (III) chloride, and pentaethylenehexamine was obtained.
そして、このサンプルを、石英管の一端部内に詰め入れ、続いてこの石英管内をアルゴンで置換した。この石英管を900℃の炉に入れてから45秒で引き抜いた。石英管を炉に挿入する際には、石英管を炉に3秒間かけて挿入することで、加熱開始時のサンプルの昇温速度を300℃/sに調整した。続いて、石英管内にアルゴンガスを流通させることでサンプルを冷却させた。このようにして酸素還元触媒を得た。 Then, this sample was packed into one end of the quartz tube, and then the inside of the quartz tube was replaced with argon. This quartz tube was put in a furnace at 900° C. and then withdrawn in 45 seconds. When inserting the quartz tube into the furnace, the quartz tube was inserted into the furnace for 3 seconds to adjust the heating rate of the sample at the start of heating to 300° C./s. Then, the sample was cooled by circulating argon gas in the quartz tube. Thus, an oxygen reduction catalyst was obtained.
次に、図4に示すように、得られたガス拡散電極からなる正極、イオン移動層、及び炭素材料からなる負極を、U字状のスペーサ部材に積層することにより、電極ユニットを得た。なお、負極を構成する炭素材料としては、グラファイトホイルを用いた。また、イオン移動層としては、ポリオレフィン製の不織布を用いた。 Next, as shown in FIG. 4, an electrode unit was obtained by laminating the obtained positive electrode made of a gas diffusion electrode, the ion transfer layer, and the negative electrode made of a carbon material on a U-shaped spacer member. A graphite foil was used as the carbon material forming the negative electrode. A non-woven fabric made of polyolefin was used as the ion transfer layer.
流入口及び流出口を備え、容量が300ccの電解液槽を用意し、当該電解液槽の底面にチューブを設置した。そして、チューブの一方の端部は、負極の下方に配設し、他方の端部は送液装置であるケミカルトランスファーポンプ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)と接続した。そして、チューブの一方の端部は、送液装置を用いて送液した電解液が負極の表面に触れるように、電解液槽の底面に固定した。 An electrolytic solution tank having an inlet and an outlet and a capacity of 300 cc was prepared, and a tube was installed on the bottom surface of the electrolytic solution tank. Then, one end of the tube was arranged below the negative electrode, and the other end was connected to a chemical transfer pump (manufactured by Thermo Fisher Scientific Co., Ltd.) as a liquid feeding device. Then, one end of the tube was fixed to the bottom surface of the electrolytic solution tank so that the electrolytic solution sent by using the solution sending device could contact the surface of the negative electrode.
次に、正極、負極及びイオン移動層に接触するように、電解液を電解液槽内に満たした。電解液は、全有機体炭素(TOC)が800mg/Lであるモデル廃液を使用した。さらに、発電を行う嫌気性微生物源として、負極に土壌微生物を植種した。そして、水理学的滞留時間が24時間となるように、電解液槽に電解液を連続的に供給した。さらに、電解液は、水温が30℃となるように調整した。そして、正極と負極を負荷回路(外部回路)に接続することにより、本例の液体処理システムを得た。 Next, the electrolytic solution was filled in the electrolytic solution tank so as to contact the positive electrode, the negative electrode, and the ion transfer layer. As the electrolytic solution, a model waste solution having a total organic carbon (TOC) of 800 mg/L was used. Furthermore, as a source of anaerobic microorganisms for power generation, soil microorganisms were planted on the negative electrode. Then, the electrolytic solution was continuously supplied to the electrolytic solution tank so that the hydraulic retention time was 24 hours. Further, the electrolytic solution was adjusted so that the water temperature was 30°C. Then, the positive electrode and the negative electrode were connected to a load circuit (external circuit) to obtain the liquid treatment system of this example.
得られた液体処理システムを165日間稼働した結果、負極の表面には、肥大化したバイオフィルムが目視により確認された。そして、電解液槽の流出口に、開閉部としてアクリル樹脂製の遮断板を設置した後、送液装置を稼働し、電解液を1L/minの流量で負極表面にフローした。その後、送液装置を停止した後、遮断板を開放した。 As a result of operating the obtained liquid treatment system for 165 days, an enlarged biofilm was visually confirmed on the surface of the negative electrode. Then, an acrylic resin blocking plate was installed at the outlet of the electrolytic solution tank as an opening/closing section, and then the liquid sending device was operated to flow the electrolytic solution onto the negative electrode surface at a flow rate of 1 L/min. Then, after stopping the liquid sending device, the blocking plate was opened.
[評価]
(目視観察)
上述の液体処理システムに関し、電解液槽の流出口に開閉部を設置した直後からの様子を目視で観察した。
[Evaluation]
(Visual observation)
Regarding the above-mentioned liquid processing system, the state immediately after the opening/closing part was installed at the outlet of the electrolytic solution tank was visually observed.
まず、電解液槽の流出口に、開閉部としてのアクリル樹脂製の遮断板を設置した後に、送液装置を稼働した結果、チューブにおける一方の端部から電解液が吐出し、負極の周囲の電解液が攪拌された。そして、当該電解液が攪拌されることにより、負極の下端から肥大化したバイオフィルムが徐々に剥離して、電解液中にバイオフィルムが浮遊した。この際、電解液中には、塊状のバイオフィルムと、微細化したバイオフィルムの両方が浮遊していることが確認された。 First, at the outlet of the electrolytic solution tank, after installing a blocking plate made of acrylic resin as an opening/closing part, the liquid feeding device was operated, and as a result, the electrolytic solution was discharged from one end of the tube, The electrolyte was stirred. Then, as the electrolyte solution was stirred, the enlarged biofilm gradually peeled from the lower end of the negative electrode, and the biofilm floated in the electrolyte solution. At this time, it was confirmed that both the massive biofilm and the micronized biofilm were suspended in the electrolytic solution.
そして、送液装置を停止し、さらに開閉部としての遮断板を開放した結果、塊状のバイオフィルムは速やかに沈殿したが、微細化したバイオフィルムは流出口に向かって移動し、電解液と共に流出口から排出された。この際、塊状のバイオフィルムは流出口に向かって移動せず、下方に向かって移動しているため、流出口はバイオフィルムにより閉塞されない結果となった。 Then, as a result of stopping the liquid feeding device and further opening the blocking plate as the opening/closing part, the lumpy biofilm was rapidly precipitated, but the micronized biofilm moved toward the outflow port and flowed together with the electrolytic solution. It was discharged from the outlet. At this time, the lumpy biofilm did not move toward the outlet, but moved downward, so that the outlet was not blocked by the biofilm.
(出力特性)
上述の液体処理システムを165日間稼働した後、送液装置を用いて電解液を攪拌する前と攪拌した後の出力特性を調べた。つまり、最初に、送液装置を用いて負極周囲の電解液を攪拌する前に、液体処理システムの負荷回路の両端における電位差を測定した。次に、送液装置を用いて負極周囲の電解液を攪拌した後、液体処理システムの負荷回路の両端における電位差を測定した。そして、次の数式1に基づき、液体処理システムの出力を求めた。
[数1]
P=V2/R
(P:出力、V:負荷回路の両端における電位差、R:負荷回路の抵抗値)
(Output characteristics)
After operating the above-mentioned liquid treatment system for 165 days, the output characteristics before and after stirring the electrolytic solution were examined using the liquid feeding device. That is, first, the potential difference between both ends of the load circuit of the liquid processing system was measured before stirring the electrolytic solution around the negative electrode using the liquid sending device. Next, after stirring the electrolytic solution around the negative electrode using the liquid sending device, the potential difference between both ends of the load circuit of the liquid processing system was measured. Then, the output of the liquid treatment system was obtained based on the following
[Equation 1]
P=V 2 /R
(P: output, V: potential difference between both ends of the load circuit, R: resistance value of the load circuit)
その結果、負極周囲の電解液を攪拌する前の出力は、0.15mW/m2であった。これに対して、負極周囲の電解液を攪拌した後の出力は、2.1mW/m2であった。これにより、負極周囲の電解液を攪拌し、肥大化したバイオフィルムを剥離することにより、液体処理システムの発電効率が大きく向上することが分かる。 As a result, the output before stirring the electrolytic solution around the negative electrode was 0.15 mW/m 2 . On the other hand, the output after stirring the electrolytic solution around the negative electrode was 2.1 mW/m 2 . Thus, it can be seen that the power generation efficiency of the liquid treatment system is greatly improved by stirring the electrolytic solution around the negative electrode and peeling off the enlarged biofilm.
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。 Although the present embodiment has been described above, the present embodiment is not limited to these, and various modifications can be made within the scope of the gist of the present embodiment.
1,1A 液体処理システム
20 正極
30 負極
60 電解液
70 電解液槽
72 流出口
80 外部回路
90 開閉部
100 電解液攪拌部
101 散気装置
110 制御部
1, 1A
Claims (5)
嫌気性微生物を保持し、かつ、前記電解液に接触する負極と、
前記負極と電気的に接続された正極と、
少なくとも前記負極の周囲の電解液を攪拌する電解液攪拌部と、
前記流出口に設けられ、前記流出口を開閉する開閉部と、
前記開閉部の開閉状態を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電解液攪拌部が作動状態では前記開閉部を閉状態とし、前記電解液攪拌部が停止状態では前記開閉部を開状態とする制御を行う、液体処理システム。 An electrolytic solution tank that holds an electrolytic solution containing an organic matter, and has an outlet through which the electrolytic solution flows out,
Holding the anaerobic microorganisms, and the negative electrode in contact with the electrolytic solution,
A positive electrode electrically connected to the negative electrode,
At least an electrolytic solution stirring section for stirring the electrolytic solution around the negative electrode,
An opening/closing unit provided at the outlet and opening/closing the outlet,
A control unit for controlling the open/closed state of the opening/closing unit,
Equipped with
The liquid processing system, wherein the control unit performs control such that the opening/closing unit is closed when the electrolyte stirring unit is in operation, and the opening/closing unit is opened when the electrolyte stirring unit is stopped.
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