JP2020098825A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反り等の変形が発生することを防止または大幅に低減することにより、配線基板の変形に起因して発生する実装不良を低減可能な配線基板を提供すること。【解決手段】絶縁部材の中に複数の配線層を備えた第一配線基板1をコア基板として、その表裏面に絶縁樹脂層6の中に複数の配線層を備えた第二配線基板4を、接着層14を介して接合してなる配線基板において、絶縁部材はセラミックからなり、接着層は熱可塑性樹脂からなり、第一配線基板の表裏面には、第二配線基板と電気的に接続するパッド電極3を備えており、第二配線基板の第一配線基板と接続する側には、第一配線基板と接続するパッド電極16を備えており、第二配線基板のもう一方の側には、外部回路と接続可能とする外部接続端子9を備えており、第一配線基板と第二配線基板とは、それぞれのパッド電極が接続可能な位置で、接着層を介して接着されていることを特徴とする配線基板20。【選択図】図2

Description

本発明は、反り等の変形が生じ難い配線基板及びその製造方法に関する。
近年、半導体チップ及び外部接続部材を用いた半導体装置の小型化、薄型化、高性能化が進められており、これに伴い配線基板の薄型化が求められている。特許文献1には、支持基板に固定された半導体チップの周囲を覆う絶縁層を形成し、当該半導体チップ上及び当該絶縁層上に再配線層及び外部接続端子を有する外部接続部材が形成された半導体装置の製造方法が記載されている。この製造方法では、半導体チップの外縁より外側の周辺領域にも再配線層及び外部接続端子を有する外部接続部材が形成される。当該製造方法によって製造された半導体装置は、Fan−out型のWLP(Wafer Level Package)と呼ばれており、半導体装置の薄型化に有利である。
特許文献2には、コア層を持たないいわゆるコアレス基板の製造方法が開示されている。その製造方法によると、エッチング除去可能な基板上にビルドアップ多層配線層を形成した後に基板を除去することによって、ビルドアップ多層配線層のみからなるコアレス基板を作製する技術が開示されている。コア層を持たない分、半導体パッケージ基板の薄型化が可能となっている。
しかしながら、この様にして配線基板の厚さが薄くなるにつれて、剛性が低下し、配線基板の反りや変形が発生しやすくなって来る為、配線基板の薄型化による電気的性能の向上及びパッケージコストの低減を図ろうとするうえでの障害となっている。
特開2011−187473号公報 特許第3664720号公報
上記事情に鑑みて、本発明は、反り等の変形が発生することを防止または大幅に低減することにより、配線基板の変形に起因して発生する実装不良を低減可能な配線基板を提供することを課題とする。
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明に係る請求項1に記載の発明は、絶縁部材の中に複数の配線層を備えた第一配線基板をコア基板として、その表裏面に絶縁樹脂層の中に複数の配線層を備えた第二配線基板を、接着層を介して接合してなる配線基板において、
絶縁部材はセラミックからなり、
接着層は熱可塑性樹脂からなり、
第一配線基板の表裏面には、第二配線基板と電気的に接続するパッド電極を備えており、
第二配線基板の第一配線基板と接続する側には、第一配線基板と接続するパッド電極を備えており、
第二配線基板のもう一方の側には、外部回路と接続可能とする外部接続端子を備えてお
り、
第一配線基板と第二配線基板とは、それぞれのパッド電極が接続可能な位置で、接着層を介して接着されていることを特徴とする配線基板である。
また、請求項2に記載の発明は、前記セラミックが、低温同時焼成セラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の配線基板である。
また、請求項3に記載の発明は、前記絶縁樹脂層が、感光性ポリイミド又は感光性ポリベンズオキサゾールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線基板である。
また、請求項4に記載の発明は、前記第二配線基板の配線層の配線幅が、0.5μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の配線基板である。
また、請求項5に記載の発明は、前記第二配線基板の配線層の配線厚みが、0.5μm〜5.0μmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線基板である。
また、請求項6に記載の発明は、ガラス支持体上に形成したビルドアップ多層配線層からなる第二配線基板を、接着層を介して、セラミック多層配線層からなる第一配線基板の少なくとも一方の面に接着する配線基板の製造方法であって、
第二配線基板を製造する工程Aと、
第二配線基板を予め用意した第一配線基板に接着する工程Bと、を備えており、
工程Aは、
ガラス支持体上に剥離層を形成する工程と、
剥離層上に、外部回路と接続する外部接続端子を形成する工程と、
外部接続端子を包埋する様に絶縁樹脂層aを形成する工程と、
外部接続端子上の絶縁樹脂層aの一部を除去して外部接続端子を露出するビアホールaを形成する工程と、
絶縁樹脂層a上に、ビアホールaを介して外部接続端子と電気的に接続した配線層aを形成する工程と、
配線層aを包埋する様に絶縁樹脂層bを形成する工程と、
配線層a上の絶縁樹脂層bの一部を除去して配線層aを露出するビアホールbを形成する工程と、
絶縁樹脂層b上に、ビアホールbを介して配線層aと電気的に接続した配線層bを形成する工程と、
必要に応じて、配線層bを包埋する様に絶縁樹脂層a´を形成する工程と、配線層b上の絶縁樹脂層a´の一部を除去して配線層bを露出するビアホールa´を形成する工程と、絶縁樹脂層a´上に、ビアホールを介して配線層bと電気的に接続した配線層a´を形成する工程と、その配線層a´を包埋する様に絶縁樹脂層b´を形成する工程と、配線層a´上の絶縁樹脂層b´の一部を除去して配線層a´を露出するビアホールb´を形成する工程と、絶縁樹脂層b´上に、ビアホールb´を介して配線層a´と電気的に接続した配線層b´を形成する工程と、を繰り返す工程と、
最上層の配線層b´または配線層bを包埋する様に熱可塑性樹脂からなる接着層を形成する工程と、
第一配線基板に形成されたパッド電極と接続する位置に対応した最上層の配線層b´または配線層b上の接着層を除去して開口部を形成する工程と、
開口部に導電性ペーストを充填し、パッド電極を形成する工程と、を備えており、
工程Bは、
第一配線基板の表裏面にそれぞれ形成されているパッド電極と、第一配線基板の表面および裏面に対応した第二配線基板に形成されたパッド電極と、をそれぞれ目合わせしてから加熱圧着する工程と、
ガラス支持体と剥離層を第二配線基板から剥離する工程と、を備えていることを特徴とする配線基板の製造方法である。
また、請求項7に記載の発明は、ガラス支持体上に形成したビルドアップ多層配線層からなる第二配線基板のビルドアップ多層配線層を、接着層を介して、セラミック多層配線層からなる第一配線基板の少なくとも一方の面に接着する配線基板の製造方法であって、
第二配線基板を製造する工程Aと、
第二配線基板のビルドアップ多層配線層を予め用意した第一配線基板に接着する工程Bと、を備えており、
工程Aは、
ガラス支持体上に剥離層を形成する工程と、
剥離層上に、外部回路と接続する外部接続端子を形成する工程と、
外部接続端子を包埋する様に絶縁樹脂層aを形成する工程と、
外部接続端子上の絶縁樹脂層aの一部を除去して外部接続端子を露出するビアホールaを形成する工程と、
絶縁樹脂層a上に、ビアホールaを介して外部接続端子と電気的に接続した配線層aを形成する工程と、
配線層aを包埋する様に絶縁樹脂層bを形成する工程と、
配線層a上の絶縁樹脂層bの一部を除去して配線層aを露出するビアホールbを形成する工程と、
絶縁樹脂層b上に、ビアホールbを介して配線層aと電気的に接続した配線層bを形成する工程と、
必要に応じて、配線層bを包埋する様に絶縁樹脂層a´を形成する工程と、配線層b上の絶縁樹脂層a´の一部を除去して配線層bを露出するビアホールa´を形成する工程と、絶縁樹脂層a´上に、ビアホールを介して配線層bと電気的に接続した配線層a´を形成する工程と、その配線層a´を包埋する様に絶縁樹脂層b´を形成する工程と、配線層a´上の絶縁樹脂層b´の一部を除去して配線層a´を露出するビアホールb´を形成する工程と、絶縁樹脂層b´上に、ビアホールb´を介して配線層a´と電気的に接続した配線層b´を形成する工程と、を繰り返す工程と、
配線層b´または配線層bを包埋する様に接着層を形成する工程と、
第一配線基板に形成されたパッド電極と接続する位置に対応した配線層b´または配線層b上の接着層を除去して開口部を形成する工程と、
開口部に導電性ペーストを充填し、パッド電極を形成する工程と、
上記の工程により形成したビルドアップ多層配線層から剥離層とガラス支持体を剥離する工程と、を備えており、
工程Bは、
第一配線基板の表裏面にそれぞれ形成されているパッド電極と、第一配線基板の表面および裏面に対応したビルドアップ多層配線層に形成されたパッド電極と、をそれぞれ目合わせしてから加熱圧着する工程を備えていることを特徴とする配線基板の製造方法である。
また、請求項8に記載の発明は、前記加熱圧着する工程が、200℃〜400℃で加熱プレスする工程であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の配線基板の製造方法である。
また、請求項9に記載の発明は、前記ガラス支持体がガラス基板であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の配線基板の製造方法である。
本発明の配線基板によれば、コア基板として絶縁部材としてセラミックを使用した多層配線基板を使用し、その表裏面に絶縁樹脂層と配線層を交互に積層したビルドアップ多層配線層を、接着層を介して積層した配線基板である。そのため、コア基板の強い機械的な強度と、ビルドアップ多層配線層を薄く形成することができることから、反り等の変形が発生することを防止または大幅に低減することができる。この事により、配線基板の変形に起因して発生する実装不良を低減可能な配線基板を提供可能となる。
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、本発明の配線基板を製造可能とすることができる。
本発明の実施形態に係る第一配線基板の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る第二配線基板の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る第二配線基板の製造工程の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る第二配線基板の製造工程の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る第二配線基板の製造工程の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る第二配線基板の製造工程の一例を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る第二配線基板の製造工程の一例を説明する断面図である。
<配線基板>
以下、本発明の配線基板の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
本発明の配線基板は、絶縁部材の中に複数の配線層を備えた第一配線基板をコア基板として、その表裏面に絶縁樹脂層の中に複数の配線層を備えた第二配線基板を、接着層を介して接合してなる配線基板である。
本発明の配線基板における絶縁部材はセラミックからなり、また接着層は熱可塑性樹脂からなる。
第一配線基板の表裏面には、第二配線基板と電気的に接続するパッド電極を備えており、第二配線基板の第一配線基板と接続する側には、第一配線基板と接続するパッド電極を備えている。
第二配線基板のもう一方の側には、外部回路と接続可能とする外部接続端子を備えており、第一配線基板と第二配線基板とは、それぞれのパッド電極が接続可能な位置で、接着層を介して接着されていることを特徴とする。
セラミックが低温同時焼成セラミックスであっても良い。また、絶縁樹脂層が感光性ポリイミド又は感光性ポリベンズオキサゾールであっても良い。
また、第二配線基板の配線層の配線幅が0.5μm〜3.0μmであっても構わない。また第二配線基板の配線厚みが0.5μm〜5.0μmであっても構わない。
以下に、本発明の配線基板について詳しく説明する。
(第一配線基板)
図1は、本発明の実施形態に係る第一配線基板1の一例を示す概略断面図である。第一配線基板1は本発明のコア基板であり、2層以上の配線層2と、第二配線基板と電気的に接続するためのパッド3と、を備えている。また、それらの配線層2とパッド3とは、電気的に層間接続されている。
本発明に於いては、第一配線基板1は、絶縁材料をLTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics、低温同時焼成セラミックス)とするセラミック多層配線基板である。
第一配線基板1の配線層2と第一配線基板1のパッド3の材料をCu又はAgとすることが好ましい。
絶縁材料としてLTCCを用いれば、配線導体であるCu又はAgとセラミック基材を900℃以下の低温で同時焼成可能であり、基材がセラミックであるため耐熱性・耐湿性に優れる他、高周波回路において良好な損失特性が得られる。また配線パターンを表層・内装に形成できるので多層化が容易であり、配線導体がCu又はAgであれば、抵抗損失の少ない配線パターンが形成できる。
また、第一配線基板1は、
セラミック粉末とガラスを一定比率で配合し、混合する工程と、
混合された原料に有機系のバインダーと溶剤を加え、均一になるまで分散させ、スラリーと呼ばれるグリーンシートのもととなる材料を作製する工程と、
スラリーをPETフィルム上に一定の厚さで塗布し、乾燥させることによりグリーンシートを形成する工程と、
グリーンシートを切断し、ビアとなる穴あけ加工を施す工程と、
ビアとなる穴へ導体充填と、配線パターンを印刷形成する工程と、
異なる配線パターンを数層作製し、積層する工程と、
積層された積層体に圧力を加え、焼成させる工程と、をこの順に行うことで作製することができる。
(第二配線基板)
図2は、コア基板である第一配線基板1に接着させる第二配線基板4を説明する概略断面図である。図2は、ガラス支持体7上に形成された、ガラス支持体7から剥離可能な剥離層8を介して、第二配線基板4がガラス支持体7の片面に形成された状態を例示している。ガラス支持体7より第二配線基板4を剥離する際には、第二配線基板4と共に剥離層8が剥離される。なお、第二配線基板4は、剥離層8の上に外部接続端子9および1層以上の配線層5および第一配線層1のパッド3と接続する第一パッド16および第一パッド16と外部接続端子9の表面を除き、それ以外を包埋する絶縁樹脂層6と、第一パッド16以外の部分を被覆して、第一パッド16の頭頂部の高さとほぼ同じ高さまで形成された熱可塑性樹脂からなる接着層14と、をこの順に備えた第二配線基板配線層4´および剥離層8を備えている。
図2に示したように、第二配線基板4は、絶縁樹脂層6と、配線層5と、第一配線基板1と接着させるための熱可塑性樹脂層からなる接着層14と、第一配線基板1と電気的に接合させるための導電ペーストからなる第一パッド16を有している。
ここで、第二配線基板4の厚さ、すなわち、図2における剥離層8から最上層の接着層
14の上面までの厚さが0.01mm以上1.00mm以下であることが望ましい。第二配線基板4の厚さが0.01mm以上1.00mm以下である場合、配線層5間の回路絶縁性を確保しつつ、第二配線基板4を薄型化することができる。第二配線基板4の厚さは、より好ましくは0.02mm以上0.50mm以下が望ましい。
(第一配線基板と第二配線基板の接着)
次に図3に示したように、第一配線基板1と、ガラス支持体7上の第二配線基板4と、は熱可塑性樹脂からなる接着層14を介して加熱プレスすることにより接着される。図3では、ガラス支持体7と第二配線基板4を剥離する前に接着しているが、図4のように、ガラス支持体7と第二配線基板を剥離して、第二配線基板配線層4´と第一配線基板1を加熱プレスしても良い。
(接着層)
第一配線基板1と、第二配線基板4と、を接合する熱可塑性樹脂からなる接着層14としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエステル樹脂、エチレンアクリレート共重合体、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ブタジエンゴム−スチレン共重合体、フェノキシ樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフロロエチレン、ポリフェニレンスルファイド等が挙げられる。このうちスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる液晶ポリマー、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフロロエチレン、等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂を用いれば、強度、耐熱性、耐薬品性に優れた接着層とすることができるため望ましい。
(第一パッド)
図2の最上部に形成されている、第一配線基板1と第二配線基板4を電気的に接続させる第一パッド16は、導電ペーストから形成することができる。導電ペーストは有機、無機の混合材料であり、400℃以下の温度で形成可能であるものが好ましい。導電ペーストとしては、例えば、樹脂バインダーと金属粒子フィラーを主成分としたものである。金属粒子としてはAu系、Ag系、Cu系ペーストなどが考えられるが、Ag系ペースト、Cu系ペーストであれば価格が安いため好ましい。また樹脂バインダーとしては、エポキシ、ポリイミド、フェノール、ビスマレイミド等の熱硬化性樹脂とポリエステル、ポリウレタン、アクリル等の熱可塑性樹脂があるが、接着温度が200℃〜400℃のポリエステル系熱可塑性接着剤が金属との密着に優れており、本発明の配線基板の形成プロセスに合致するため望ましい。
(ガラス支持体)
図2に記載のガラス支持体7は、例えば略矩形状、略円形状、又は略楕円形状等であってもよく、ガラス支持体7の外形は特に限定されない。ガラス支持体7はガラス基板を用いることで、安価で、かつ、強度を高くすることができると共に、ガラス支持体7の大型化が容易にできる。また、ガラス支持体7の表面の粗さを容易に調整することができる。
ガラス支持体7の20℃から260℃までの平均線膨張係数は−1ppm/℃以上15ppm/℃以下であることが望ましい。ガラス支持体7の線膨張係数が−1ppmより小さい場合、ガラス支持体7として使用できる材料の選択肢がなくなってしまい現実性がない。ガラス支持体7の線膨張係数が15ppmより大きい場合、第二配線基板4を歩留まりよく製造することが困難となる。
ガラス支持体7としては、例えば石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、又はサファイアガラス等を好適に用いることができる。ガラス支持体7の厚みは特に限定されるものではないが、0.2mm以上3.0mm以下であれば、製造工
程上のハンドリングがしやすいため望ましい。
(剥離層)
ガラス支持体7上に形成する剥離層8に使用する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、オキセタン樹脂、及びマレイミド樹脂、アクリル樹脂より選ぶことができる。これらの樹脂の1種又はこれらの樹脂の2種類以上が混合された樹脂を剥離層8として用いても良い。図5に示したように、剥離層8には、第二配線基板配線層4´をガラス支持体7より剥離する機能と、ガラス支持体7と第二配線基板配線層4´とを製造工程で安定して接着、保持する機能と、が必要である。そのため、剥離層8は、第二配線基板配線層4´の絶縁樹脂層6と剥離層8との接着力が、容易に剥離しない程度の強い接着力を有し、且つ第一配線基板1と第二配線基板配線層4´の接着層14との接着力より弱い接着力を保有していれば良い。
剥離層8の厚さは、例えば20μm〜100μm程度である。剥離層8の材料、厚み、塗布方法については特に限定されるものではなく、公知の方法を採用できる。剥離層8が100μm以上である場合、コストがかかる問題が生じること、および剥離層8自体の硬化収縮等で寸法安定性が低下する懸念がある。また、剥離層8が20μm以下である場合、第二配線基板4を安定的に接着させることが困難となる。
図2に例示したように、ガラス支持体7上に形成された剥離層8上には外部接続端子9が形成されている。剥離層8に面した外部接続端子9、ビア、配線層5は銅より構成されていることが望ましい。それは、簡便に形成でき、且つ電気抵抗が低いためである。また、外部接続端子9及び配線層5の銅層の厚みは、例えば0.5μm以上5.0μm以下であることが望ましい。
(第二配線基板の配線層)
第二配線基板4の配線層5の幅は0.5μm以上3.0μm以下であることが望ましい。配線幅が3.0μmを超える場合、配線を高密度に配置することができなくなる問題が生じる。また配線幅が0.5μm未満である場合、第二配線基板4の配線層5を安定的に形成することが困難となる。
(第二配線基板の絶縁樹脂層)
第二配線基板4の絶縁樹脂層6は、外部接続端子9と配線層5との層間及び多層の配線層5の層間に設けられる絶縁樹脂層である。絶縁樹脂層6の材料としては、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンオキシド、液晶ポリマー、又はシリコーン樹脂等の樹脂材料あるいは、これらの複合材料を挙げることができる。感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂を用いれば微細パターンの形成が容易で耐熱性、電気特性に優れているため望ましい。絶縁樹脂層6の厚みは、例えば0.5μm以上30.0μm以下である。
(第二配線基板のビアホール)
ビアホール12(図7(d)参照)は外部接続端子9と配線層5とを電気的に接続すると共に、配線層同士を電気的に接続するビアを形成するための穴である。ビアホール12の径は特に限定されるものではないが、2μm以上100μm以下であることが望ましい。ビアホール12の径が2μmより小さい場合、ビアの接続信頼性が低下する懸念がある。一方、ビアホール12の径が100μmより大きい場合、微細な回路形成に不利となる。ビアは導電体より形成されていれば良いが、より好ましくは配線層5と同じ金属であることが簡便で良い。更に好ましくは、ビアは銅で形成される。ビア内部は、充填構造いわゆるフィルドビア構造であることが、ビアスタック可能で微細回路形成に有利なことから
望ましいが、ビア内部まで導電体金属が充填されていないコンホーマルビアでも良い。以上のように配線層5がビアを介して多層形成されている多層配線を有する配線基板であっても良く、単層回路であっても良い。
図2に示すように、第二配線基板4の最表面には熱可塑性樹脂からなる接着層14が形成され、接着層14には第一配線基板1との電気的接続のため開口部15が設けられている。開口部15は配線層5上に形成されており、開口部15に導電ペーストを充填することにより第一パッド16が形成される。開口部15に、Ni、Au、Pd、Sn等のめっき処理を施したり、OSP(Organic Solderability Preservative、水溶性プリフラックス)等の有機皮膜処理を施した場合、配線基板間の導電性が向上すると共に、配線層の腐食が抑制されるため望ましい。
<配線基板の製造方法>
次に、図6から図10を参照しながら、本実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。図6から図10は本実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を説明する図であるが、本実施形態に係る配線基板を限定するものではない。
(第二配線基板の製造方法)
以下に、第二配線基板4を、セミアディブ工法を使用して作製する方法を説明する。
まず、図6(a)に示したようにガラス支持体7を用意する。
次に、ガラス支持体7の表面に剥離可能な剥離層8を形成する(図6(b))。剥離層8の形成方法としては、先に述べたロールラミネート法、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、その他公知の方法を採用できる。
次に、ガラス支持体7上に形成された剥離層8上にTiとCuの薄膜をスパッタコーティングによりシード層10を形成する(図6(c))。
次に、シード層10上にフォトレジスト層を形成する。フォトレジストはポジ型あるいはネガ型の液体レジストであってもドライフィルムレジストであっても良いが、ドライフィルムレジストの方が簡便で、安価であるため望ましい。更に、レジスト層を形成した後に所望の外部接続端子9に対応するパターンが描画されているフォトマスク又は所望のパターンを直接描画する直接描画装置を用いて露光し、現像することによりレジストパターン11を形成する(図6(d))。
次に、電解銅めっきを行うことで外部接続端子9を形成することができる(図6(e))。あらかじめ、露出した外部接続端子の形成部であるシード層10の表面に表面処理としてNiめっき、Auめっき、Pdめっき、又はSnめっきを行っても良い。
次に、不要になったレジストパターンを剥離する(図7(f))。
次に、不要になったシード層をエッチングすることによって、外部接続端子9が形成された基板を得る(図7(g))。シード層10は、剥離層8の上にTiとCuの薄膜が形成されたものである。CuおよびTiはそれぞれウェットエッチングが可能である。またTiはドライエッチングを容易に実施できるが、Cuは困難である。そのため、まずCuをウェットエッチングにより除去した後、Tiをドライエッチングする方法を実施することができるが、これらに限定する必要はない。
次に、外部接続端子9上に絶縁樹脂層6を形成する(図7(h))。絶縁樹脂層6の材料としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等を挙げる
事ができるが、とりわけ感光性ポリイミド樹脂又は感光性ポリベンゾオキサゾールは、パターン形成性、絶縁性、耐熱性に優れるため望ましい。そのため、本説明においては感光性の絶縁樹脂層6を使用した場合について説明する。
絶縁樹脂層6の厚みは、例えば0.5μm以上40.0μm以下である。また、絶縁樹脂層6は印刷法、真空プレス法、真空ラミネート法、ロールラミネート法、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、又はフォトリソグラフィー法等の公知の方法にて形成することができる。
次に、ビアホール12を形成する。感光性の絶縁樹脂層6に対してフォトリソグラフィーを行い、絶縁樹脂層6の一部を除去することによって、ビアホール12を形成することができる(図7(i))。
次に、絶縁樹脂層6上に配線層5を形成する。絶縁樹脂上への回路形成はセミアディティブ法により形成することが微細回路形成に有利であることから望ましい。セミアディティブ法による回路形成を説明する。
まず、ビアホール12が形成された絶縁樹脂層に薄い金属層(シード層13)を形成する(図8(j))。この際、シード層13を形成する前に樹脂表面をUV洗浄、アルゴンプラズマ、あるいは酸素プラズマ処理することによって粗化、あるいはクリーニングを行うことでシード層13と樹脂層6との密着性向上処理を行っても良い。
シード層13の材料としてはNi、Ti、Cu、Ag、Sn、Au等が考えられるが、Cuであることが簡便であり望ましい。
シード層13の形成方法は、スパッタ法、CVD法、蒸着法、イオンプレーティング法、無電解めっき法等が挙げられるが、スパッタ法であることが簡便で現実的である。
絶縁樹脂層6上及びビアホール12の表面および底面にシード層13を形成した後に、シード層13上にレジストパターンを形成する(図8(k))。使用する感光性のレジストは液体のポジ型レジストあるいはネガ型レジストであっても良いし、ドライフィルムレジストであっても良い。シード層13上に形成されたレジスト層に所望のパターンが描画されているフォトマスク又は所望のパターンを直接描画する直接描画装置を用いて露光・現像処理することで、回路部分が露出したレジストパターン11´を得る。
続いてシード層13を給電層として電解銅めっき処理を行うことで配線パターンを形成する(図8(l))。
次に、配線パターン形成後に不要になったレジストパターン11´を剥離処理する(図8(m))。
次に、不要部分のシード層13をエッチング除去することによって配線層5を得る。続いて配線層5上に熱可塑性樹脂からなる接着層14を形成する(図8(n))。
次に、レーザー加工により絶縁樹脂層6の所望の位置にビアホール12´を形成する(図9(o))。
次に、開口部15に導電ペーストを充填することによって第一パッド16を形成する(図9(p))。第一パッド16の製造方法は特に限定されず公知の方法を採用できる。
次に、熱可塑性樹脂からなる接着層14を、例えば印刷法、真空プレス法、真空ラミネート法、ロールラミネート法、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法、ローラーコート法又はフォトリソグラフィー法等の公知の方法にて形成する(図9(q))。
次に、開口部15を、レーザーの照射、又はフォトリソグラフィーを用いて熱可塑性樹脂からなる接着層14の一部を除去することによって形成する。開口部15の底面には、表面処理としてNiめっき、Auめっき、Pdめっき、又はSnめっきを行っても良い(図9(r))。
次に、開口部15に印刷法により導電ペースト層を設けることによって、開口部15に導電ペーストを充填することができ、第一パッド16を得ることができる(図10(s))。
以上の工程により第二配線基板を製造することができる。
なお、上記で説明した第二配線基板の製造方法は、配線層が2層である場合についての説明であるが、本発明においては、配線層は2層に限定する必要は無い。配線層が3層以上に場合は、図6(c)で例示したシード層10の形成から図9(p)に至る一連の製造工程を、必要に応じて繰り返せば良い。
(配線基板の製造方法)
次に、図3に例示したように、第一配線基板1の表裏面に第二配線基板4を貼り合わせる事によって、本発明の配線基板20を製造する事ができる。
具体的には、第一パッド16形成後に、第一パッド16と第一配線基板のパッド3の位置を合わせて、加熱プレスにより第一配線基板1と第二配線基板4を貼り合せる。加熱プレスの温度は熱可塑性樹脂が適度に溶融する200℃〜400℃であることが望ましい。具体的には、使用する熱可塑性樹脂の特性に合せて設定すれば良い。貼り合わせる方法は、ロールラミネート法、真空ラミネート法等公知の方法を利用することができる。
貼り合わせる別の手法として、図4に例示したように、第一パッド16を形成後にガラス支持体7より第二配線基板配線層4´を剥離し、第一パッド16と第一配線基板のパッド3の位置を合わせて加熱プレスにより第一配線基板1と第二配線基板配線層4´を貼り合せる方法もある。
ガラス支持体7から第二配線基板配線層4´を剥離する方法は、第二配線基板4を剥離液に浸して剥離しても良いし、レーザー光を照射させて剥離層8とガラス支持体7の接着する力を弱める方法により剥離しても良い。
次に、剥離層8を除去して外部接続端子9を露出させる。外部接続端子9の表面を露出させた後にクリーニング処理を行っても良い。クリーニング処理は特に限定されず、たとえば温水洗浄、界面活性剤による洗浄、超音波洗浄等が挙げられる。
前述したようにガラス支持体7の熱膨張係数は、−1ppm/℃以上15ppm/℃以下である。第一配線基板1はLTCC配線基板であることから、第一配線基板1とガラス支持体7の線膨張係数が近い値となる。このためガラス支持体7を加熱プレス後に剥離する場合、ガラス支持体7上に固定された第二配線基板配線層4´を第一配線基板1に搭載した際に発生する位置ずれを抑制することができる。
ガラス支持体7はガラス基板であるため、容易に良好な平坦性を得られ、価格も比較的安価であり、かつ、強度を高くすると共に、ガラス支持体7の大型化が容易にできる。このガラス基板の平坦度TTV(Total Thickness Variation、厚さの最大値と最小値の差)は、第二配線基板を平滑なものにするため、15μm以下であることが望ましい。平坦度TTVは平坦なチャック面にガラス裏面を全面吸着させたときに、ガラス裏面からの最低厚みを最高厚みから引いた値であり、例えばレーザー変位計
等を用いて測定することができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
(第一配線基板の作製)
まず、Ag、Cu、Auなどの導電ペーストと同時焼成できるLTCCをセラミックス粉末として用いて、それをシート状に成形したグリーンシートを準備した。セラミック粉末は、主成分であるAl、Si、Sr、TiをそれぞれAl、SiO、SrO、TiOに換算したとき、Al換算で10.0〜60.0質量%、SiO換算で25.0〜60.0質量%、SrO換算で7.5〜50.0質量%、TiO換算で20.0質量%以下(0を含む)であるような混合物を使用した。上述の混合物を700℃〜850℃で仮焼(かりやき)し、これを粉砕してレーザー回折/散乱法による体積基準の平均粒径0.6〜2.0μmの微粉砕粒子からなる誘電体磁器組成物を作製した。この誘電体磁器組成物を有機バインダーおよび可塑剤と混合してセラミックススラリーを形成し、ドクターブレード法により、セラミックススラリーをポリエチレンテレフタレートフィルムのようなキャリアフィルムの上に均一な厚さで塗布した後、セラミックススラリーを乾燥させることにより、厚さ数十μmから数百μmのグリーンシートを作製した。
次に、グリーンシートに複数の電極ビアを形成した。グリーンシートは有機バインダーを多く含むので、電極ビアを容易に形成できる。位置精度、加工精度、および加工速度の観点から、炭酸ガスレーザーを使用し、グリーンシートを貫通する直径60μm〜80μmの電極ビアを形成した。
次に、マスクとスキージを用いてスクリーン印刷法で電極ビアにペースト状の電極材料を充填した。電極材料としてAgを主成分とする導電ペーストを使用した。こうして第一配線基板のパッド3を形成した。
次に、導電ペーストを用いて、スクリーン印刷法でグリーンシートの表面に第一配線基板の配線層2を形成した。本工程は電極材料を電極ビアに充填する工程の後に実施したが、前に実施しても良い。あるいは、マスクとスキージを使用して、電極ビアへの電極材料の充填と同時に実施しても良い。
次に、グリーンシート電極ビアに電極材料を充填することによって得られた電極付きグリーンシートを複数枚積層して、これらを圧着することにより積層グリーンシート体を形成した。各グリーンシートの電極ビアおよび配線層2の形状および配置はシート毎に異なっていても良い。また、グリーンシートを構成するセラミックス粉末の材料組成がシート毎に異なっていても良い。材料組成又は回路パターンが互いに異なる複数のグリーンシートを組み合わせることにより、グリーンシートの面内方向だけでなく厚さ方向も利用した複雑な3次元回路を作製することができる。
複数枚の電極付きグリーンシートを圧着して一体化することにより、積層グリーンシート体を形成した。電極付きグリーンシートは、例えば、油圧ハンドプレス、一軸加圧成形機、CIP(冷間等方圧成形機)などを用いて圧着することができる。CIPを用いると、電極付きグリーンシートを等方的に加圧して均一な圧力で圧着することができ、有益である。
次に、積層グリーンシート体を焼成炉に入れて焼成した。焼成における温度は、電極材料の組成に応じて選択されるセラミックス粉末の材料組成に基づいて決められる。本実施例においては、電極材料にAgを選択したため、セラミックス粉末の材料として、100
0℃以下で電極材料と同時に焼成可能なLTCCセラミックスを使用した。
次に、セラミックス焼成体の両面の平坦化加工として研削又は研磨を行った。セラミックス焼成体の主面の加工方法は、例えば砥粒を用いてセラミックス焼成体の主面の研削又は研磨を行うことができる。平面研削や大きな径の砥粒の研磨機を用いてセラミックス焼成体の主面を片面ずつ粗加工した後に、小さな径の砥粒の研磨機を用いてセラミックス焼成体の両主面をそれぞれ研磨した。
以上の工程を経ることにより、基板の表面及び裏面に複数のパッド3(表面電極および裏面電極)を有し、表面電極と裏面電極とが配線層2を介して電気的に接続された第一配線基板1を作製した。
(第二配線基板の作製)
図6に示すように、ガラス支持体7上に光分解性樹脂を1μm厚でスピンコート法により形成し、170℃、60分で硬化した。その後にUV硬化樹脂を30μm厚でスピンコートすることによって本発明における剥離層8を作製した。使用したガラスはOA−10G(日本電気硝子株式会社製)、1.1mm厚、線膨張係数4ppm/℃である。剥離層8としてLTHC(スリーエムジャパン株式会社製)とUV硬化樹脂3200(スリーエムジャパン株式会社製)を使用した。
次に、剥離層8上にシード層10を形成した。シード層形成は試料表面にイオン化して加速した原子あるいは分子を衝突させることにより、固体表面から固体材料が飛び出してくる現象を利用した成膜装置であるスパッタリング装置を用いて行い、剥離層上にTiを50nm形成し、Ti層上にCuを300nm形成した。
次に、シード層10上に25μm厚のドライフィルムレジストをラミネートし、外部接続端子9に対応するレジストパターン11が描画されたフォトマスクを用いて露光処理した後に、1%炭酸ソーダ水溶液にてスプレー現像処理を行った。これにより外部接続端子9の形成箇所に開口部15を形成した。続いて作製したシード層10を給電層として1μm厚の電解銅めっきを行い、外部接続端子9を形成した。外部接続端子9形成後にドライフィルムレジストを60℃、3%の水酸化ナトリウム溶液にスプレー剥離処理し、さらに不要部分のシード層10をエッチング液により除去することにより剥離層8に接続された外部接続端子9を形成した。
次に、絶縁層6とビアホール12を形成した。具体的には外部接続端子9を硫酸10%の溶液に浸漬し洗浄した後、HD−4104(日立化成デュポンマイクロシステムズ社製)をスピンコート法によりコートし、プリベーク後に直接描画装置を用いてビアホール12に対応する箇所以外を露光し、有機現像してからキュアすることで5μm厚の絶縁層6とビアホール12を形成した。ビアホール12形成後に酸素プラズマ処理を行い、ビアホール12底部のスミア及び絶縁層表面を粗化処理した。
次に、配線層5を形成した。具体的には、ビアホール12が形成された絶縁層6上にスパッタリング装置を用いてTi層を50nm、Cu層を300nm厚でシード層13形成し、続いて25μm厚のドライフィルムレジストCu層上にラミネートし、配線回路が描画されたフォトマスクを用いてアライメント露光を行い、レジストパターンを形成した。続いてスパッタリングにより形成したCu層13を給電層として電解銅めっきを1μm厚で行った。さらにドライフィルムレジストをスプレー剥離処理することによって除去し、不要となったCu層、Ti層を硫酸−過酸化水素水液、Ti剥離液で除去することによって配線層5を形成した。
次に最外層の配線層5上に20μm厚の熱可塑樹脂層を真空ラミネートにより形成し、接着層14を形成した。熱可塑性樹脂はスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる液晶ポリマーを用いた。ラミネート後に開口部15を炭酸ガスレーザー照射により設けた。さらにこの熱可塑性樹脂の開口部15に導電ペーストを充填させ、第一パッド16を形成した。導電ペーストはポリエステル系熱可塑性接着剤を用いた。こうして実施例に係る第二配線基板4を得た。
(配線基板の作製)
続いて図3のように、作製したガラス支持体7上に形成した第二配線基板配線層を備えた第二配線基板4と、第一配線基板1と、を貼り合わせることにより、配線基板20を作製した。
具体的には、第一配線基板のパッド3と第二配線基板の第一パッド16が電気的に接合する位置に合わせて、第一配線基板1と第二配線基板4を350℃で加熱プレスすることで第一配線基板1と第二配線基板4上の熱可塑性樹脂と導電ペーストが接着固定され、配線基板積層体を形成した。その後、ガラス支持体7を通して接着層にUVレーザー光を照射して、第二配線基板4をガラス支持体7から剥離・分離して配線基板を作製した。
別の方法としては図4のように、ガラス支持体7を介してUVレーザー光を照射して、第二配線基板4をガラス支持体7から剥離・分離した後、第一配線基板のパッド3と第二配線基板4の第一パッド16が電気的に接合する位置に合わせて、第一配線基板1と第二配線基板4を350℃で加熱プレスすることで、第一配線基板1と第二配線基板4上の熱可塑性樹脂と導電ペーストが接着固定され、配線基板を作製した。
本発明に係る配線基板及びその製造方法によれば、反り防止に優れたLTCCコア微細配線基板を提供することができる。
1・・・第一配線基板
2・・・(第一配線基板の)配線層
3・・・(第一配線基板の)パッド
4・・・第二配線基板
4´・・・第二配線基板配線層
5・・・(第二配線基板の)配線層
6・・・(第二配線基板の)絶縁樹脂層
7・・・ガラス支持体
8・・・剥離層
9・・・外部接続端子
10・・・(剥離層上の)シード層
11、11´・・・レジストパターン
12、12´・・・ビアホール
13・・・(絶縁層上の)シード層
14・・・(熱可塑性樹脂からなる)接着層
15・・・(接着層の)開口部
16・・・第一パッド
20・・・配線基板

Claims (9)

  1. 絶縁部材の中に複数の配線層を備えた第一配線基板をコア基板として、絶縁樹脂層の中に複数の配線層を備えた第二配線基板を、前記コア基板の少なくとも一方の面に、接着層を介して接合してなる配線基板において、
    絶縁部材はセラミックからなり、
    接着層は熱可塑性樹脂からなり、
    第一配線基板の表裏面には、第二配線基板と電気的に接続するパッド電極を備えており、
    第二配線基板の第一配線基板と接続する側には、第一配線基板と接続するパッド電極を備えており、
    第二配線基板のもう一方の側には、外部回路と接続可能とする外部接続端子を備えており、
    第一配線基板と第二配線基板とは、それぞれのパッド電極が接続可能な位置で、接着層を介して接着されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記セラミックが、低温同時焼成セラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記絶縁樹脂層が、感光性ポリイミド又は感光性ポリベンズオキサゾールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線基板。
  4. 前記第二配線基板の配線層の配線幅が、0.5μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の配線基板。
  5. 前記第二配線基板の配線層の配線厚みが、0.5μm〜5.0μmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線基板。
  6. ガラス支持体上に形成したビルドアップ多層配線層からなる第二配線基板を、接着層を介して、セラミック多層配線層からなる第一配線基板の少なくとも一方の面に接着する配線基板の製造方法であって、
    第二配線基板を製造する工程Aと、
    第二配線基板を予め用意した第一配線基板に接着する工程Bと、を備えており、
    工程Aは、
    ガラス支持体上に剥離層を形成する工程と、
    剥離層上に、外部回路と接続する外部接続端子を形成する工程と、
    外部接続端子を包埋する様に絶縁樹脂層aを形成する工程と、
    外部接続端子上の絶縁樹脂層aの一部を除去して外部接続端子を露出するビアホールaを形成する工程と、
    絶縁樹脂層a上に、ビアホールaを介して外部接続端子と電気的に接続した配線層aを形成する工程と、
    配線層aを包埋する様に絶縁樹脂層bを形成する工程と、
    配線層a上の絶縁樹脂層bの一部を除去して配線層aを露出するビアホールbを形成する工程と、
    絶縁樹脂層b上に、ビアホールbを介して配線層aと電気的に接続した配線層bを形成する工程と、
    必要に応じて、配線層bを包埋する様に絶縁樹脂層a´を形成する工程と、配線層b上の絶縁樹脂層a´の一部を除去して配線層bを露出するビアホールa´を形成する工程と、絶縁樹脂層a´上に、ビアホールを介して配線層bと電気的に接続した配線層a´を形成する工程と、その配線層a´を包埋する様に絶縁樹脂層b´を形成する工程と、配線層a´上の絶縁樹脂層b´の一部を除去して配線層a´を露出するビアホールb´を形成する工程と、絶縁樹脂層b´上に、ビアホールb´を介して配線層a´と電気的に接続した配線層b´を形成する工程と、を繰り返す工程と、
    最上層の配線層b´または配線層bを包埋する様に熱可塑性樹脂からなる接着層を形成する工程と、
    第一配線基板に形成されたパッド電極と接続する位置に対応した最上層の配線層b´または配線層b上の接着層を除去して開口部を形成する工程と、
    開口部に導電性ペーストを充填し、パッド電極を形成する工程と、を備えており、
    工程Bは、
    第一配線基板の表裏面にそれぞれ形成されているパッド電極と、第一配線基板の表面および裏面に対応した第二配線基板に形成されたパッド電極と、をそれぞれ目合わせしてから加熱圧着する工程と、
    ガラス支持体と剥離層を第二配線基板から剥離する工程と、を備えていることを特徴とする配線基板の製造方法。
  7. ガラス支持体上に形成したビルドアップ多層配線層からなる第二配線基板のビルドアップ多層配線層を、接着層を介して、セラミック多層配線層からなる第一配線基板の少なくとも一方の面に接着する配線基板の製造方法であって、
    第二配線基板を製造する工程Aと、
    第二配線基板のビルドアップ多層配線層を予め用意した第一配線基板に接着する工程Bと、を備えており、
    工程Aは、
    ガラス支持体上に剥離層を形成する工程と、
    剥離層上に、外部回路と接続する外部接続端子を形成する工程と、
    外部接続端子を包埋する様に絶縁樹脂層aを形成する工程と、
    外部接続端子上の絶縁樹脂層aの一部を除去して外部接続端子を露出するビアホールaを形成する工程と、
    絶縁樹脂層a上に、ビアホールaを介して外部接続端子と電気的に接続した配線層aを形成する工程と、
    配線層aを包埋する様に絶縁樹脂層bを形成する工程と、
    配線層a上の絶縁樹脂層bの一部を除去して配線層aを露出するビアホールbを形成する工程と、
    絶縁樹脂層b上に、ビアホールbを介して配線層aと電気的に接続した配線層bを形成する工程と、
    必要に応じて、配線層bを包埋する様に絶縁樹脂層a´を形成する工程と、配線層b上の絶縁樹脂層a´の一部を除去して配線層bを露出するビアホールa´を形成する工程と、絶縁樹脂層a´上に、ビアホールを介して配線層bと電気的に接続した配線層a´を形成する工程と、その配線層a´を包埋する様に絶縁樹脂層b´を形成する工程と、配線層a´上の絶縁樹脂層b´の一部を除去して配線層a´を露出するビアホールb´を形成する工程と、絶縁樹脂層b´上に、ビアホールb´を介して配線層a´と電気的に接続した配線層b´を形成する工程と、を繰り返す工程と、
    配線層b´または配線層bを包埋する様に接着層を形成する工程と、
    第一配線基板に形成されたパッド電極と接続する位置に対応した配線層b´または配線層b上の接着層を除去して開口部を形成する工程と、
    開口部に導電性ペーストを充填し、パッド電極を形成する工程と、
    上記の工程により形成したビルドアップ多層配線層から剥離層とガラス支持体を剥離する工程と、を備えており、
    工程Bは、
    第一配線基板の表裏面にそれぞれ形成されているパッド電極と、第一配線基板の表面および裏面に対応したビルドアップ多層配線層に形成されたパッド電極と、をそれぞれ目合
    わせしてから加熱圧着する工程を備えていることを特徴とする配線基板の製造方法。
  8. 前記加熱圧着する工程が、200℃〜400℃で加熱プレスする工程であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の配線基板の製造方法。
  9. 前記ガラス支持体がガラス基板であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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