JP2020098013A - 逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体 - Google Patents

逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体 Download PDF

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Abstract

【課題】弁体の適正な移動を確保することによって、逆止弁の作動不良を確実に防止することができる逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体の提供。【解決手段】ディスク式逆止弁1が内蔵するディスク弁2の側面には、3つの摺動ボール3a、3b、3cが設けられており、ディスク弁2の側面から露出して弁室7の接触面7aに接触している。そして、摺動ボール3a、3b、3cは、ディスク弁2の移動に応じて回転して摺動する。このため、ディスク弁2が移動する際、摺動ボール3a、3b、3cが回転して摺動することによってディスク弁2は円滑に移動することができ、ディスク弁2の姿勢が斜めにずれる方向に偏って、弁室7の接触面7aに引っ掛かることはない。【選択図】図1

Description

本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体は、弁体の移動によって開弁又は閉弁を行う逆止弁の弁体の構成の技術に関する。
逆止弁は、流体の流路に設けられる弁であり、流体の背圧による逆流を防止する機構を備えている。たとえば、産業プラントに設置されている配管は高温・高圧の蒸気を移送し、この配管内には蒸気と共に、蒸気から発生したドレン(凝縮水)が所定の方向(順方向)に流れている。
このような蒸気やドレンの逆流を防止するために、配管上の必要箇所に逆止弁が設けられている。逆止弁には、構造上、様々な方式があり、スイング式逆止弁、リフト式逆止弁、ディスク式逆止弁等が知られている。
この中、たとえばディスク式逆止弁は、移動可能に配置された円盤状のディスク弁と弁座とを本体に内蔵している。このディスク弁は、逆止弁の本体に形成された流路を遮るように位置しており、コイルバネによって、弁座の弁座面に接する方向に付勢されている。
ドレン等の流体が順方向に向けて逆止弁の流入口から流入した場合、この流入の圧力によってコイルバネは圧縮され、ディスク弁は弁座から離れる方向に平行移動して流路を開放して開弁し、ドレン等の順方向への流れを許容する。そして、ドレン等は本体の内面とディスク弁の側面との間の隙間を通過し、逆止弁の流出口から流出する。
これに対して、ドレン等に逆流が生じて流出口から逆流方向にドレン等が侵入した場合、この逆流による圧力とコイルバネの付勢力によってディスク弁は平行移動し、弁座の弁座面に接して流路を閉塞し閉弁する。これによって、ドレン等の流体の逆流は逆止弁で遮られる。
このようなディスク式逆止弁として、後記特許文献1に開示されている技術がある。この特許文献1に開示されている逆止弁においては、ディスク状の弁体5を支持する支持部材6に4つの支持片64が形成されている。そして、これらの支持片64の頂部は直線上に構成され、この支持片64の直線部分で、開弁時に下方から弁体5を支持している。これによって、逆流が生じる前の段階において弁体5を予め安定した姿勢で支持し、逆流が生じた際、弁体5が水平な姿勢を保ったまま平行移動して上昇することによって閉弁する。
特開2016-38015号公報
しかし、前述の特許文献1に開示された技術においては、ディスク弁が適正に移動せず、逆止弁に作動不良が生じるおそれがある。すなわち、逆止弁は、確実な動作を確保するために、弁室の内面とディスク弁の側面との隙間が小さくなるように構成されている。
このため、平行移動するディスク弁の姿勢が、適正な位置から斜めにずれる方向に偏った場合、弁室の内面に引っ掛かり、移動できなくなることがある。たとえば、ディスク弁が開弁した状態で引っ掛かりが生じ移動不能になった場合、流体の逆流を遮ることができず、逆止弁の適正な作動が損なわれる。
特許文献1に開示された技術においても、弁座4の内周面44とディスク状の弁体5の側面との隙間は小さく構成されているため、弁体5が移動する際、弁体5の姿勢が斜めにずれる方向に偏り、内周面44に引っ掛かる危険がある。
なお、前述のように、特許文献1に開示された技術においては、逆流が生じる前の段階において、弁体5を予め安定した姿勢で支持することによって、逆流が生じた際、弁体5が水平な姿勢を保ったまま平行移動するような工夫が施されている。しかし、弁体5自体に円滑な移動を確保するための機構が設けられているものではないため、弁体5の姿勢が斜めにずれる方向に偏り、内周面44に引っ掛かる危険性を十分に回避することができない。
また、特許文献1に開示された逆止弁は、支持片64の直線部分で下方から弁体5を支持することによって、逆弁体5を予め安定した姿勢で支持し、弁体5が水平な姿勢を保ったまま平行移動して上昇するようになっている。このため、垂直方向に流体が流れる流路に設置するはできるものの、水平方向に流体が流れるような流路上に設ける逆止弁については、弁体を横方向に移動させて開弁又は閉弁する必要があるため、特許文献1に開示された逆止弁の構成では、弁体5が内周面44に引っ掛かる危険性を確実に防止することができない。
そこで本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体は、これらの問題を解決することを課題とし、弁体の適正な移動を確保することによって、逆止弁の作動不良を確実に防止することができる逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体の提供を目的とする。
本願に係る逆止弁は、
流体が所定の順方向に向けて通過する流路及び当該流路に連通する弁室部を内部に有する本体、
弁室部内に移動可能に位置しており、順方向に通過する流体の流れを受けて流路を開放して開弁し、順方向と逆の逆流方向の流体の流れを受けて流路を閉塞して閉弁する弁体、
を備えた逆止弁において、
前記逆流方向に平行な面に沿って位置する弁体の側部に設けられた摺動部であって、弁体が移動するとき、弁室部の内面に対して摺動可能な摺動部、
を備えたことを特徴とする。
また、本願に係る逆止弁に用いられる弁体は、
逆止弁の本体に形成された弁室部内に移動可能に位置し、順方向に通過する流体の流れを受けて流路を開放して開弁し、順方向と逆の逆流方向の流体の流れを受けて流路を閉塞して閉弁する逆止弁に用いられる弁体において、
前記逆流方向に平行な面に沿って位置する弁体の側部に設けられた摺動部であって、弁体が移動するとき、弁室部の内面に対して摺動可能な摺動部、
を備えたことを特徴とする。
本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体においては、流体の逆流方向に平行な面に沿って位置する弁体の側部に設けられた摺動部であって、弁体が移動するとき、弁室部の内面に対して摺動可能な摺動部が設けられている。
このため、弁体が移動するとき、摺動部の摺動によって弁体は円滑に移動することができ、弁体の姿勢が適正な位置から斜めにずれる方向に偏って、弁室部の内面に引っ掛かることはない。したがって、弁体の適正な移動を確保することによって、逆止弁の作動不良を確実に防止することができる。
本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体の第1の実施形態であるディスク式逆止弁1を示す一部断面図であって、開弁時の状態を示す一部断面図である。 図1に示すディスク弁2が有する摺動ボール3a近傍の拡大断面図である。 図1に示すディスク弁2の平面図である。 図1に示すディスク式逆止弁1の閉弁時の状態を示す一部断面図である。
[実施形態における用語説明]
以下の実施形態において示す主な用語は、それぞれ本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体の下記の構成要素に対応している。
ディスク弁2・・・弁体
摺動ボール3a、3b、3c・・・摺動部
弁室7・・・弁室部
弁室7、流入口51及び流出口52・・・流路
接触面7a・・・弁室部の内面
第一ボディー11及び第二ボディー12・・・本体
矢印91方向・・・順方向
矢印92方向・・・逆流方向
ドレン等・・・流体
[第1の実施形態]
本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態におけるディスク式逆止弁1を示す一部断面図であって、開弁時の状態を示す一部断面図、図2はディスク弁2が有する摺動ボール3a近傍の拡大断面図、図3はディスク弁2の平面図、図4はディスク式逆止弁1の閉弁時の状態を示す一部断面図である。
(ディスク式逆止弁1の構成の説明)
図1に示すように、ディスク式逆止弁1は第一ボディー11及び第二ボディー12を有しており、内部に弁室7を形成して構成されている。第一ボディー11と第二ボディー12とはネジ部13で結合され、ガスケット90を挟むことによって弁室7の気密性を保っている。
第一ボディー11には流入口51が貫通して形成されて弁室7に連通しており、流入口51の外側から配管(図示せず)が接続され、流入口51を通じてドレン等が矢印91方向に沿って弁室7に流入する。また、第二ボディー12には流出口52が貫通して形成されて弁室7に連通しており、流出口52の外側に排出管(図示せず)が接続されてドレン等が矢印91方向に沿って弁室7から排出される。なお、弁室7を形成する第一ボディー11の内側端面は弁座面9として機能する。
弁室7にはディスク弁2が配置されている。このディスク弁2は、弁室7内において矢印91方向に沿って往復して移動自在である。弁室7にはバネ受17が固定されて設けられおり、このバネ受17とディスク弁2との間にコイルバネ15が取り付けられている。コイルバネ15によってディスク弁2は弁座面9に向けて付勢される。なお、バネ受17には、バネ受中心孔17a及びバネ受周孔17bが形成されている。
ディスク弁2は図3に示すように略円盤形状を有しており、側面に3つの摺動ボール3a、3b、3cが設けられている。摺動ボール3a、3b、3cはそれぞれ球形状であり、ディスク弁2の側面の周方向において等間隔をもって配置されている。なお、図3に示すディスク弁2の矢視断面I−Iが図1及び図4に表されている。
図2に示すように、摺動ボール3aは、ディスク弁2の側面から突出して形成されたボール保持部4aの保持空間5a内に、回転自在に保持されている。保持空間5aは外側に向けて開口しており、この開口径は摺動ボール3aの直径よりもやや小さく形成されている。このため、摺動ボール3aはディスク弁2の側面から一部が外側に露出可能である。ディスク弁2の側面から露出した摺動ボール3aは、弁室7の接触面7aに接触し、ディスク弁2の移動に応じて回転して摺動する。
摺動ボール3b、3cも摺動ボール3aと同様の構成を備えている。すなわち、図3に示すように、摺動ボール3b、3cはそれぞれディスク弁2の側面から突出して形成されたボール保持部4b、4cの保持空間5b、5c内に回転自在に保持され、ディスク弁2の側面から一部が露出している。そして、摺動ボール3b、3cも摺動ボール3aと同様、弁室7の接触面7aに接触し、ディスク弁2の移動に応じて回転して摺動する。なお、それぞれの保持空間5a、5b、5cに弾性部材(たとえばバネやゴム等、図示せず)を収納し、摺動ボール3a、3b、3cを常時、外側に付勢することもできる。
(ディスク式逆止弁1の動作の説明)
続いて、ディスク式逆止弁1の動作を説明する。流入口51からディスク式逆止弁1にドレン等の流体が矢印91方向に流入した場合、図1に示すように、弁室7内のディスク弁2は流入の圧力を受け、弁座面9から離れる方向に平行移動して開弁する。このとき、コイルバネ15は圧縮された状態になる。
そして、流入したドレン等は、ディスク弁2の側面と弁室7の内面(接触面7a)との間に形成される隙間81を通ってディスク弁2の裏側に回り込み、さらにバネ受17に形成されたバネ受中心孔17a及びバネ受周孔17bを通過して、流出口52から矢印91方向に排出される。
これに対して、流出口52から図4に示す矢印92方向にドレン等が逆流して侵入した場合、この逆流はバネ受17に形成されたバネ受中心孔17a及びバネ受周孔17bを通過してディスク弁2の裏側に達する。そして、ドレン等の逆流による圧力とコイルバネ15の付勢力を受けてディスク弁2は平行移動し、弁座面9に接して閉弁する。これによって、ドレン等の逆流が遮られる。
ここで、前述のようにディスク弁2の側面には、3つの摺動ボール3a、3b、3cが設けられており、ディスク弁2の側面から露出して弁室7の接触面7aに接触している。そして、摺動ボール3a、3b、3cは、ディスク弁2の移動に応じて回転して摺動する。
このため、ディスク弁2が移動する際、摺動ボール3a、3b、3cが回転して摺動することによってディスク弁2は円滑に移動することができ、ディスク弁2の姿勢が斜めにずれる方向に偏って、弁室7の接触面7aに引っ掛かることはない。したがって、ディスク弁2の適正な移動を確保することによって、ディスク式逆止弁1の作動不良を防止することができる。
[その他の実施形態]
前述の実施形態においては、ディスク弁2がコイルバネ15によって弁座面9に向けて付勢されているスプリング式のディスク式逆止弁1に、本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体を適用した例を示したが、コイルバネ15を備えていないディスク式逆止弁に適用してもよい。
また、前述の実施形態においては、ディスク式逆止弁に本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体を適用した例を示したが、弁体の移動によって閉弁又は開弁を行う逆止弁であれば他の方式の逆止弁に適用することもできる。たとえば、スイング式逆止弁やリフト式逆止弁に本願に係る逆止弁及び逆止弁に用いられる弁体を適用してもよい。すなわち、スイング式逆止弁やリフト式逆止弁に内蔵された弁体に摺動部を設けることによって、弁体の円滑な移動を確保し、逆止弁の作動不良を確実に防止する。
また、前述の実施形態においては、摺動部として球形状の摺動ボール3a、3b、3cを例示したが、これに限定されるものではなく、ディスク弁2(弁体)が移動するとき、接触面7a(弁室部の内面)に対して摺動可能なものであれば他の構成を採用することができる。たとえば、回転軸に支持され、回転軸を中心に回転することによって弁室部の内面に対して摺動する摺動部を用いることもできる。
また、前述の実施形態においては、摺動部として3つの摺動ボール3a、3b、3cを示したが、4つ以上又は2つ以下の摺動部を設けてもよい。さらに、3つの摺動ボール3a、3b、3cが、ディスク弁2(弁体)の側面の周方向において等間隔をもって配置されている例を掲げたが、一部又は全部の間隔が異なる間隔となるよう摺動部を配置して構成することもできる。
また、前述の実施形態においては、摺動部である摺動ボール3a、3b、3cが、常時、接触面7a(弁室部の内面)に接触している構成を例示したが、摺動ボール3a、3b、3cと接触面7aとの間に隙間が生じるように配置してもよい。この場合であっても、ディスク弁2が移動する際、ディスク弁2の姿勢が斜めにずれる方向に偏ったとき、摺動ボール3a、3b、3cが接触面7aに接触して回転し、ディスク弁2は円滑に浮動する。
さらに、接触面7a(弁室部の内面)に摺動ボール3a、3b、3c(摺動部)の摺動を案内するガイド溝を形成することもできる。摺動ボール3a、3b、3cをこのガイド溝に沿って摺動させることによって、ディスク弁2(弁体)を安定して浮動させることができる。
1:ディスク式逆止弁 2:ディスク弁 3a、3b、3c:摺動ボール 7:弁室
7a:接触面 11:第一ボディー 12:第二ボディー 51:流入口
52:流出口

Claims (4)

  1. 流体が所定の順方向に向けて通過する流路及び当該流路に連通する弁室部を内部に有する本体、
    弁室部内に移動可能に位置しており、順方向に通過する流体の流れを受けて流路を開放して開弁し、順方向と逆の逆流方向の流体の流れを受けて流路を閉塞して閉弁する弁体、
    を備えた逆止弁において、
    前記逆流方向に平行な面に沿って位置する弁体の側部に設けられた摺動部であって、弁体が移動するとき、弁室部の内面に対して摺動可能な摺動部、
    を備えたことを特徴とする逆止弁。
  2. 請求項1に係る逆止弁において、
    前記摺動部は、弁体の側部の周方向において等間隔をもって複数、配置されている、
    ことを特徴とする逆止弁。
  3. 請求項1又は請求項2に係る逆止弁において、
    前記摺動部は、球形状に構成されており、回転することによって摺動する、
    ことを特徴とする逆止弁。
  4. 逆止弁の本体に形成された弁室部内に移動可能に位置し、順方向に通過する流体の流れを受けて流路を開放して開弁し、順方向と逆の逆流方向の流体の流れを受けて流路を閉塞して閉弁する逆止弁に用いられる弁体において、
    前記逆流方向に平行な面に沿って位置する弁体の側部に設けられた摺動部であって、弁体が移動するとき、弁室部の内面に対して摺動可能な摺動部、
    を備えたことを特徴とする逆止弁に用いられる弁体。

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