JP2020097772A - Al合金の再生方法およびその再生装置 - Google Patents

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Hiroyuki Kawabata
博之 川畑
功志郎 北山
Koshiro Kitayama
功志郎 北山
盾 八百川
Jun Yaokawa
盾 八百川
加瑞馬 日比
Kazuma Hibi
加瑞馬 日比
琢真 箕浦
Takuma Minoura
琢真 箕浦
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Abstract

【課題】Al合金展伸材等からなるスクラップを原料としつつ、不純物元素の含有率を低減した再生Al合金を効率的に得ることができるAl合金の再生方法を提供する。【解決手段】本発明は、一対のロールからなる双ロールの間隙上方にある湯溜に、再生するAl合金原料を溶解して得た原料溶湯を供給する供給工程と、ロールの表面で原料溶湯が冷却されてできた初晶Alの柱状晶からなる凝固殻を、双ロールの内転により圧搾し、凝固殻の柱状晶間から不純物元素を含む液相または固相を排出して、原料溶湯よりも不純物の含有率が少ない再生Al合金を得る精錬工程と、再生Al合金を双ロールの間隙下方から送出する送出工程とを備えるAl合金の再生方法である。各工程は連続した一連の工程としてなされるとよい。原料溶湯は、その全体に対してSiの含有率が3質量%以下が好ましい。【選択図】図1B

Description

本発明は、スクラップ等から再生Al合金を得る方法等に関する。
最近の環境意識等の高揚に伴い、様々な部材や装置の軽量化が進められており、アルミニウム合金(単に「Al合金」という。)の使用量は増加しつつある。新規なAlの製造(製錬)には多量のエネルギーが必要である。一方、Al合金のスクラップ等を再溶解して再生Al合金を得るリサイクルには、さほど多量なエネルギーを要しない。このため、そのようなリサイクルの促進が望まれる。
Al合金スクラップを再溶解すると、通常、その溶湯中には、Al合金の耐食性を劣化させるFe、Cu、Mg等の不純物元素が混在する。Al合金のリサイクルを推進するには、そのような不純物元素の含有率の低減が必要となる。そのような不純物元素の除去方法として、関連する記載が下記の文献にある。
特開2002−155322号
古河電工時報104号(平成11年7月)25-30
特許文献1または非特許文献1、2は、Al相が晶出した半凝固状態の溶湯から、Al晶出物を残留液相から分離して不純物を低減する偏析凝固法または結晶分別法に関する。
具体的にいうと、特許文献1では、不純物元素を残留液相部に濃化させつつ、初晶αだけを回収している。しかし、特許文献1のような方法では、初晶αのデンドライト間に残留した不純物元素の除去が困難で、不純物元素の含有率を十分に低減できない。
非特許文献1では、半凝固溶液を圧搾して、不純物元素の濃化した残留液相を除去している。しかし、大量の溶湯を半凝固状態となる温度範囲で管理することは容易ではない。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来とは異なる方法により、不純物元素の含有率を低減した再生Al合金を効率的に得ることができるAl合金の再生方法等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、一対の圧延ロールを利用して、スクラップ等を溶解して得たAl合金溶湯から、不純物元素の含有率の少ない再生Al合金を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《Al合金の再生方法》
(1)本発明は、一対のロールからなる双ロールの間隙上方にある湯溜に、再生するAl合金原料を溶解して得た原料溶湯を供給する供給工程と、該ロールの表面で該原料溶湯が冷却されてできた初晶Alの柱状晶からなる凝固殻を、該双ロールの内転により圧搾し、該凝固殻の柱状晶間から不純物元素を含む液相または固相を排出して、該原料溶湯よりも不純物の含有率が少ない再生Al合金を得る精錬工程と、該再生Al合金を該双ロールの間隙下方から送出する送出工程と、を備えるAl合金の再生方法である。
(2)本発明のAl合金の再生方法(単に「再生方法」という。)によれば、再生対象であるAl合金原料を利用して、不純物元素の含有率を低減したAl合金(略純Alを含む。)の再生塊を効率的に得ることができる。その理由は、次のように考えられる。
双ロールの間隙上方に設けた湯溜にある原料溶湯は、通常、その大部分(例えば、溶湯全体に対して90質量%以上さらには93質量%以上)がAlである。このような原料溶湯が各ロール表面に接触して冷却されると、初晶Alが各ロール表面に晶出し、柱状晶(末端部にできる樹枝状を含む)として成長する。こうして、各ロール表面には、初晶Alの柱状晶から主になる凝固殻(シェル)が形成される。
ここで、初晶Alは、拡散現象により不純物元素が排出され、不純物元素を殆ど含まない略純Al(α―Al)である。しかし、林立する柱状晶間には、不純物元素の液相または固相(化合物等の晶出物)が包含された状態となっている。このため、仮に、その状態のまま凝固すれば、その凝固部の全体組成は原料溶湯の成分組成とほぼ同じになる。
ところが、本発明の再生方法では、双ロールの内転に伴い、各ロール表面にできた柱状晶同士が下流側(ロールの回転方向側)で圧接される。そして、柱状晶は各ロール表面の法線方向から上方(ロールの反回転方向側)へ圧潰される。このとき、柱状晶間にあった不純物元素の残留物(液相または固相)は圧搾され、柱状晶間から外部(原料溶湯側)へ排出される。こうして、不純物元素の含有率が少ない初晶AlからなるAl合金(再生塊)が得られる。この再生塊は、双ロールの回転に伴い、間隙下方から送出される(図1A・図1B参照)。
このような過程を経て得られる再生Al合金の金属組織は、初晶Alの柱状晶が再生塊(通常は板状)の両外表面から長手方向(双ロールの間隙上方側)へ傾斜した(指向した)配向組織となる。
上述した供給工程、精錬工程および送出工程を連続した一連の工程として行うことにより、不純物元素の含有率を低減した再生Al合金が連続的に効率よく得る。
《Al合金の再生装置》
本発明は、一対のロールからなる双ロールと、該双ロールの間隙上方で原料溶湯を保持できる湯溜と、該双ロールを相互に内転させる回転手段と、該双ロールの間隙を所定値にする支持手段とを備え、上述した再生方法を行うAl合金の再生装置(単に「再生装置」という。)としても把握できる。
《その他》
(1)本明細書でいう「柱状晶」には「等軸晶」が含まれ得る。原料溶湯の合金組成や冷却速度等から、柱状晶が形成され易い状況でも、例えば、原料溶湯に結晶微細化剤(Ti等)などが含まれることにより、等軸晶が少なくとも部分的に形成されることもある。等軸晶が形成される場合でも、不純物元素は圧搾により結晶間から排出され得る。このため、本明細書でいう「初晶Alの柱状晶」は単に「初晶Al」としてもよい。但し、柱状晶が多いほど、圧搾による不純物元素の排出性は向上し得る。
(2)本明細書でいう「上方(側)」と「下方(側)」はそれぞれ、原料溶湯から再生Al合金が得られる方向(材料の移動方向)に関して、「上流(側)」と「下流(側)」を意味する。例えば、「双ロールの間隙上方」と「双ロールの間隙下方」はそれぞれ、双ロールの間隙(基準)に関して、その上流(側)と下流(側)という意味になる。このため、例えば、双ロールを構成する各ロールの軸は同方向(通常は水平方向)に延在するとしても、両軸の並設方向(両軸により構成される面方向)は、いずれの角度(水平に限らず鉛直または斜め等)でもよい。
但し、上方と下方をそれぞれ、鉛直上方と鉛直下方に設定すれば、設備(装置)の構成や設定等を簡素化し易くなる。このため、各ロールの軸は、水平方向に延在すると共に、水平面上で並設されるとよい。
特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
Al合金の再生装置の概要を示す模式図である。 精錬された再生Al合金が得られるメカニズムを示す模式図である。 双ロール間にあるAl合金を凝固させた試料の写真である。 そのc領域近傍の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。 c領域とb領域の金属組織を拡大して示す光学顕微鏡写真である。 各領域におけFe濃度(不純物元素濃度)を示す棒グラフである。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、方法的な構成要素であっても物(例えば、再生Al合金、再生装置等)に関する構成要素ともなり得る。
《再生装置》
再生装置は、双ロールと、湯溜と、双ロールの回転手段および支持手段とを備える。これらについて、以下、それぞれ詳述する。
(1)双ロールと湯溜
双ロールは、筒状または柱状(「柱状」も含めて、単に「筒状」ともいう。)なロールの一対からなる。各ロールの外表面の側線は、直線状でも曲線状でもよい。双ロールは、通常、円筒状の各ロール(円筒体)を、回転軸(中心軸)を平行にして配置されてなる。
ロールは種々の材質からなり得る。もっとも、高熱伝導率な銅(合金)製のロールでは、冷却速度が過大となり易く、その設定管理が難しい。そこで、ロールには、熱伝導率でいうなら、10〜85W/mKさらには15〜60W/mKとなる金属材を用いるとよい。例えば、ロールは、炭素鋼や合金鋼(工具鋼等)等の鋼製であるとよい。
ロールの表面温度は、内部を冷却等して、例えば、150〜250℃さらには175〜225℃に温度調整される。ロールの周速は、例えば、0.3〜2m/minさらには0.6〜1.2m/minとされる。
双ロールの間隙(各ロールの外周表面間の最短距離)は、例えば、1〜10mmさらには2〜6mmとされる。間隙が過小でも過大でも、Al合金の再生効率が低下し得る。なお、双ロールの間隙量により、双ロールから送出される再生Al合金の厚さ(板厚)が実質的に定まる。
湯溜は、双ロールの間隙上方にできる断面楔状の空間と、その両側面または周囲から溶湯の漏出を抑止するサイド堰とにより構成される。なお、湯溜への原料溶湯の供給は、例えば、タンディッシュ等に貯留された原料溶湯を、注湯ノズル等を介して行える。湯溜内の原料溶湯の温度(湯温)は、例えば、650〜750℃さらには680〜720℃に調整される。
(2)回転手段と支持手段
回転手段は、少なくとも一方のロールを回転駆動して、各ロールを相互に内転させる。例えば、一方のロールをモータ等の回転手段で駆動しつつ、他方のロールを歯車を介して従動させると、各ロールを内転(上方から下方に向けた内側への回転)させることができる。噛合する各ロールに設けた歯車の歯数を同数とすると、各ロールは同回転数で回転する。各ロール径が同じなら、各ロールの外表面の周速も等しくなり、各外表面にできた凝固殻(柱状晶)は同期して移動する。
支持手段は、ロールの間隙(ギャップ)を所定値にして、双ロール間を通過する柱状晶に所望の加圧力を印加させる。例えば、ギャップを一定とした一対の圧延ロールで双ロールを構成するとよい。なお、ギャップは一定に限らず、多少変動してもよい。本明細書でいう間隙が所定値であるとは、間隙が所定範囲内にある場合も含まれる。
支持手段は、例えば、少なくとも一方のロールを他方のロールへ押圧して、各ロールの外表面を近接させる押圧手段でもよい。押圧手段は、例えば、一方のロールの回転軸を他方のロールの回転軸に近接させる向きに荷重を印加する油圧アクチュエーター等により構成される。
双ロールの間隙を通過する再生Al合金(または凝固殻)に印加される加圧力は、例えば、板幅:100mmあたりで0.4〜20tonさらには1〜15tonにするとよい。この加圧力は、一般的な双ロール連続鋳造がなされるときよりも大きい。本発明の再生方法では、凝固殻(柱状晶)を圧潰(塑性変形)させつつ、不純物元素の残留物を圧搾して排出しているからである。
《Al合金》
(1)Al合金原料
Al合金原料には、例えば、Al合金を含むスクラップを用いることができる。Al合金のスクラップは、展伸材でも鋳物でもよい。もっとも、Siの含有率が過多になると、初晶Alの柱状晶が形成され難くなる。そこでAl合金原料には、Al合金展伸材のスクラップを主に用いるとよい。
Al合金展伸材(スクラップ)は、例えば、Al−Cu系合金である2000番系Al合金、Al−Mn系合金である3000番系Al合金、Al−Mg系合金である5000番系Al合金、Al−Mg−Si系合金である6000番系Al合金、Al−Zn−Mg(−Cu)系合金である7000番系Al合金のいずれか一つ以上である。ちなみに、Al合金名(番数)は、国際アルミニウム合金名または日本工業規格(JIS H4140)に基づく。なお、Al合金原料には、Al合金以外の金属部材(例えば鉄鋼部材)が多少含まれてもよい。
(2)原料溶湯
Al合金原料を溶解して得られる原料溶湯は、その全体に対してSiが3質量%以下さらには1.5質量%以下となるように調製されるとよい。Si量が多くなると、上述したように、柱状晶(α―Al)の形成や成長が抑制される。
原料溶湯中に含まれる不純物元素は、例えば、Fe、CuまたはMgの一種以上である。特にFeは、原料溶湯中に混入し易い一方で、Al合金の耐食性を劣化させる主要因元素である。従って、本発明の再生方法により、少なくともFeの含有率が低減されると好ましい。
柱状晶間から排出される不純物元素は、液相状態でも固相状態でもよい。例えば、不純物元素は、Alや他の元素と化合物を形成し、微細な晶出物(固相)となって排出される。不純物元素がFeの場合なら、例えば、Al13Fe、Al15SiFe等のFe化合物となって、柱状晶間から排出される。
スクラップを溶解した場合を想定して、Al合金展伸材に不純物元素を加えた原料溶湯を用意した。この原料溶湯に本発明の再生方法を適用して得られた再生Al合金(再生塊)を、観察・測定した。このような具体例に基づいて本発明をより詳しく説明する。
《装置の概要》
図1Aに示すような再生装置を用意した。一対の同形な圧延ロール(単に「ロール」という。)を、回転軸が平行となるように配置して、双ロールを形成した。双ロールの間隙上方の周囲には、サイド堰を設けて湯溜を形成した。なお、この湯溜には、タンディッシュに貯留された原料溶湯が、注湯ノズルを介して、流量制御されつつ供給される。
一方のロールがモータ(回転手段)により駆動され、噛合する歯車を介して各ロールが相互に内転する。各ロールは、外表面間のギャップ(最小間隙)が所定値となるように、軸受(支持手段)により支承されている。
再生装置の諸元は、次のように設定した。
ロールの材質:鋼材(JIS SUS430)
ロール外径:φ146mm、ロールの幅:50mm
ロール間のギャップ:4mm、ロール周速:0.9m/min
ロール表面温度:200℃
《試料の製造》
(1)原料溶湯
展伸材であるAl合金(Al―0.6%Mg―1%Si/JIS A6061)に、不純物元素であるFeを加えた原料溶湯を調製した。Fe濃度は約1%となるようにした。本明細書では、特に断らない限り、合金組成は質量割合で示し、「%」は質量%を意味する。
(2)再生
700℃に保持した原料溶湯を湯溜に供給した(供給工程)。各ロールを内転させて、Fe濃度が低減された再生Al合金の凝固(精錬工程)と、その再生Al合金の送出(送出工程)を連続的に行った。この際、ロールの内部に設けた温度調整機構(水冷管、ヒータ、温度センサ等)により、ロールの表面温度は200℃に保持した。
《観察・測定》
原料溶湯の供給から再生Al合金の送出までの各領域におけるFe濃度を測定するために、操業途中で装置を停止して、全体を凝固させた。その試料の外観を図2Aに示した。同図中、領域aは原料溶湯に相当する部分であり、領域bはロール表面にできた柱状晶が接触(圧接)し始める部分であり、領域cは各ロール表面から延びる柱状晶が相互に圧潰し合う部分である(図1B参照)。
領域cのAl合金を光学顕微鏡で観察した様子を図2Bに示した。図2Bから明らかなように、そのAl合金の金属組織は、各ロール表面にできた柱状晶が、ロールの回転方向に沿って相互に圧潰し合い、その向きが間隙上方(ロールの反回転方向)へ指向した配向組織であることがわかる。
領域bと領域cのAl合金を光学顕微鏡で、さらに拡大して観察した様子を図2Cに示した。図2Cから明らかなように、領域bには、粗大化合物が観られた。一方、領域cには、そのような粗大化合物は観られなかった。粗大化合物は、SEM−EDXにより分析したところ、Al−Fe系化合物であった。なお、両領域で観られた線状(針状)の化合物は、同様に分析したところ、Mg系化合物(MgSi等)であった。
各領域におけるFe濃度をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で測定した。その結果を図3に示した。図3から明らかなように、領域aは、ほぼ原料溶湯中のFe濃度となっていた。領域aに対して、領域bでは、Fe濃度が約1.5倍になっていた。一方、領域cでは、領域aに対して、Fe濃度が半減(約0.5倍)となり、大幅に低減されることがわかった。
《考察》
以上のことから明らかなように、本発明の再生方法により、不純物元素濃度を低減した再生Al合金が得られることが確認された。そのメカニズムは、以上の結果を踏まえると、次のように考えられる。なお、図1Bに、その様子を模式的に示した。
先ず、領域aで、拡散現象により不純物元素を排出した初晶Al(略純Al)からなる柱状晶がロール表面に形成される。次に、各ロール表面にできた柱状晶は、圧接さらには圧潰されるようになり、柱状晶間に内包していた不純物元素(液相または固相)は圧搾されて、周囲へ排出される。こうして、不純物元素が排出される領域bでは、不純物元素濃度が増加する一方、不純物元素が排出された領域cでは、不純物元素濃度が減少したと考えられる。

Claims (8)

  1. 一対のロールからなる双ロールの間隙上方にある湯溜に、再生するAl合金原料を溶解して得た原料溶湯を供給する供給工程と、
    該ロールの表面で該原料溶湯が冷却されてできた初晶Alの柱状晶からなる凝固殻を、該双ロールの内転により圧搾し、該凝固殻の柱状晶間から不純物元素を含む液相または固相を排出して、該原料溶湯よりも不純物の含有率が少ない再生Al合金を得る精錬工程と、
    該再生Al合金を該双ロールの間隙下方から送出する送出工程と、
    を備えるAl合金の再生方法。
  2. 前記供給工程と前記精錬工程と前記送出工程は、連続した一連の工程としてなされる請求項1に記載のAl合金の再生方法
  3. 前記原料溶湯は、その全体に対してSi:3質量%以下である請求項1または2に記載のAl合金の再生方法。
  4. 前記不純物元素は、Fe、CuまたはMgの一種以上である請求項1〜3のいずれかに記載のAl合金の再生方法。
  5. 前記再生Al合金は、両外表面から長手方向へ前記柱状晶が傾斜した配向組織を有する請求項1〜4のいずれかに記載のAl合金の再生方法。
  6. 前記Al合金原料は、Al合金展伸材のスクラップを含む請求項1〜5のいずれかに記載のAl合金の再生方法。
  7. 前記双ロールは、鋼材からなる請求項1〜6のいずれかに記載のAl合金の再生方法。
  8. 一対のロールからなる双ロールと、
    該双ロールの間隙上方で原料溶湯を保持できる湯溜と、
    該双ロールを相互に内転させる回転手段とを備え、
    該双ロールの間隙を所定値にする支持手段と、
    請求項1〜7のいずれかに記載の再生方法に用いられるAl合金の再生装置。
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