JP2020097603A - 耐加水分解性シリコーン化合物及びその製造方法 - Google Patents

耐加水分解性シリコーン化合物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定個数のケイ素原子を有する重合性モノマーであって、眼科デバイスとして有益な透明度及び高い酸素透過性を有しつつ、十分な耐加水分解性を有する重合体を与えることができるモノマー化合物、及びその製造方法の提供。【解決手段】式(1)で表されるシリコーン化合物。(Zはラジカル重合性基;Qは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又は不飽和結合から成る群より選ばれる1以上の結合を含んでよい、置換又は非置換の、炭素数1〜20の二価炭化水素基;nは1〜100の整数;R1〜R3は、各々独立に、非置換の、不飽和結合を有してよいC1〜20の一価炭化水素基、又は、前記一価炭化水素基のCに結合するHの一部又は全部が官能基又はハロゲン原子で置換されている基。)【選択図】なし

Description

本発明は眼科デバイス、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜を製造するための化合物及びその製造方法に関する。詳細には、(メタ)アクリル系モノマー等の他の重合性モノマーと共重合されて、耐加水分解性に優れた、眼に適用するのに好適な重合体を与える化合物、及びその製法に関する。
眼科デバイス製造用モノマーとして、様々なシリコーン化合物が知られている。例えば、下記式で示されるTRIS(3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート)
Figure 2020097603
は、ソフトコンタクトレンズ用モノマーとして広く用いられている。このTRISと親水性モノマーであるN,N−ジメチルアクリルアミドやN−ビニル−2−ピロリドンを共重合して得られるポリマーは、透明であり、かつ高酸素透過性を有するという利点を有する。しかしシロキサン結合は加水分解が生じやすく、水やアルコール等の活性水素を含有する化合物と接触させた場合、シロキサン成分が徐々に分解されて、長期間保存する際にコンタクトレンズの物性低下を招くという問題があった。
特許文献1には、耐加水分解性が改善されたシリコーンモノマーとして、下記式で表される3−[トリス(n−ブチルジメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレートのような、末端にトリ(アルキルシロキシ)シリル基又はジ(アルキルシロキシ)シリル基を有する化合物が記載されている。
Figure 2020097603
近年眼用ポリマーには、長時間の連続装用を可能にすべく、より高い酸素透過性が要求されている。得られる眼科デバイスに高い酸素透過性をもたらすためには、モノマー化合物が有するSi部分の質量割合が多いことが必要である。しかし、特許文献1に記載される化合物はシロキサン部分が少なく、得られるポリマーは酸素透過性が不十分となる。
高い酸素透過性を有する重合体を与えるモノマー化合物として、例えば、特許文献2には下記構造で示される眼科デバイス製造用モノマー化合物が記載されている。
Figure 2020097603
(ここでmは3〜10の整数のうちの一つ、nは1または2のうちの一つ、Rは炭素数1〜4のアルキル基のうちの一つ、Rは水素及びメチル基のうちの一つである)
特表2011−503242号公報 特開2008−202060号公報
しかし、上記特許文献2に記載の化合物をモノマー成分として有する重合体は耐加水分解性が不十分であり、これらの化合物を重合成分として得られる重合体は、加水分解によって眼科デバイスの物性が変化することがある。従って本発明は、所定個数のケイ素原子を有する重合性モノマーであって、眼科デバイスとして有益な透明度及び高い酸素透過性を有しつつ、十分な耐加水分解性を有する重合体を与えることができるモノマー化合物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジメチル(ポリ)シロキサン構造を有し、該シロキサンの末端がトリオルガノシリル基で封鎖されており、該トリオルガノシリル基が特定の立体的嵩高さを有することにより、耐加水分解性を向上できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、下記式(1)で表されるシリコーン化合物であり、
Figure 2020097603
式中、Zはラジカル重合性基であり、Qは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又は不飽和結合から成る群より選ばれる1以上の結合を含んでよい、置換又は非置換の、炭素数1〜20の二価炭化水素基であり、nは1〜100の整数であり、R〜Rは、互いに独立に、非置換の、不飽和結合を有してよい炭素数1〜20の一価炭化水素基、又は、前記一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部が官能基又はハロゲン原子で置換されている基であり、
該RSi−残基が、ケイ素原子に結合する非置換の炭化水素基の立体的嵩高さを示す立体パラメータの値−1.00以下を有し、R、R、及びRの少なくとも1つが置換の炭化水素基である場合には、該炭化水素基の炭素原子に結合している官能基及びハロゲン原子を水素原子に置き換えた場合の前記立体パラメータの値−1.00以下を有することを特徴とする、前記シリコーン化合物を提供する。
更に本発明は、上記シリコーン化合物の製造方法を提供する。
本発明のシリコーン化合物は耐加水分解性に優れ、酸素透過性が高く、無色透明な重合体を与える。従って、本発明のシリコーン化合物及び該化合物の製造方法は眼科デバイス製造用として好適である。
本発明のシリコーン化合物は下記式(1)で表される。
Figure 2020097603
式中Zはラジカル重合性基であり、Qは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又は不飽和結合から成る群より選ばれる1以上の結合を含んでよい、置換又は非置換の、炭素数1〜20の二価炭化水素基であり、nは1〜100の整数であり、R〜Rは、互いに独立に、非置換の、不飽和結合を有してよい炭素数1〜20の一価炭化水素基、又は、前記一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部が官能基又はハロゲン原子で置換されている基である。
上記式(1)で示されるシリコーン化合物は、末端以外のケイ素原子に結合する置換基はいずれもメチル基であり、且つ、末端にあるオルガノシリル基(RSi−)が嵩高い立体構造を有することを特徴とする。このようにシロキサン部位の構造を制御することにより、シリコーン化合物の耐加水分解性が向上し、安定な重合体を与えることができる。
上記式(1)において、R、R及びRは、互いに独立に、非置換の、不飽和結合を有してよい炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基、又は、これら一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部が官能基又はハロゲン原子で置換されている基である。非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、及びトリル基等のアリール基;ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、アルキルアミド基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルアルキル基等の官能基、又は、塩素、及びフッ素等のハロゲン原子で置換されていてもよい。好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、及びこれらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。R、R及びRは、互いに独立に、上記の中から選択され、且つ、RSi−残基が後述する立体パラメータを満たすように組み合わせればよい。特には、R、R及びRはいずれも、炭素数2〜8、更には炭素数2〜4のアルキル基が好ましい。炭素数が多い場合、立体障害性が大きくなる一方、シロキサン成分が少なくなるためにシロキサン由来の特性が低下する恐れがある。
炭化水素基(置換基、R)の立体的嵩高さを表す指標として、Taftの立体的パラメータが知られている。該パラメータは炭化水素基(置換基)の立体的嵩高さ(三次元的な広がり)を表すパラメータである。例えば、非特許文献1:ケミストリーレターズ、1263−1266頁、1992年(1992 The Chemical Society of Japan)及び非特許文献2:ケミストリーレターズ、1807−1810頁、1993年(1993 The Chemical Society of Japan)には、ケイ素原子に結合する炭化水素基のTaftパラメータが記載されている。
該パラメーターは、下記式(a)で表され、logkrelは、89mol%の1,4−ジオキサン水溶液における、25℃での、トリメチルクロロシランに対するオルガノクロロシラン(RSiCl)の加水分解速度の対数値である。下記式において「A」は置換基Rを意味する。
S(A) = logkrel (a)
また、この立体パラメータは以下の式(b)(c)(d)(e)に従うことが知られており、種々の置換基を有するケイ素原子について見積もることが可能である。
Figure 2020097603
ここで、S(ACH)はS(ACH)より大きく、S(ACH)はS(ACH)よりも大きい。また、S(A)はS(A)より大きく、S(A)はS(A)よりも大きい。この立体パラメーターが小さいほど該ケイ素原子上の立体障害性が高いことを示す。
また、非特許文献2には、トリアルキルシリル基の立体パラメータが記載されている。例えば、RMeSi基において、Rが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基である時、各々のRMeSi基が有する立体パラメータは下記表1に記載の通りである。以下の数値は負の値が大きいほど嵩高く、立体障害性が高いことを意味する。
Figure 2020097603
また、例えば、RSi基が、ジ(n−ブチル)メチルシリル基、トリ(n−ブチル)シリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリ(イソプロピル)シリル基、又はトリ(t−ブチル)シリル基である時、各々のRSi基が有する立体パラメータは下記表2に記載の通りである。
Figure 2020097603
本発明は、上記立体パラメータにより、オルガノシリル基(RSi−)の立体構造を特定した。本発明のシリコーン化合物は、RSi−残基が、立体パラメータの値−1.00以下、好ましくは−1.50以下、さらに好ましくは−2.00以下を有することを特徴とする。
上記表1及び2に示される通り、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、n−プロピルジメチルシリル基、及びn−ブチルジメチルシリル基は、本発明で規定する上記パラメータの値を満たさない。これらのオルガノシリル基は立体嵩高さが低く、該末端構造を有するシリコーン化合物は耐加水分解性が十分でない。
上記立体パラメーターを満たす構造として好ましくは、R、R、及びRの少なくとも1つが、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、及びトリフルオロプロピル基から選ばれる基であるのがよい。また、R、R、及びRの全てが、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基から選ばれる同一の基である構造も好ましい。
特に好ましい構造を下記に示す。下記式に置いて、*印で示される箇所が酸素原子と結合している。
Figure 2020097603
上記の通り、本発明のシリコーン化合物において立体パラメータは末端トリオルガノシリル基の立体的嵩高さを規定するためのものである。R、R、及びRの少なくとも1つが置換の炭化水素基である場合には、該炭化水素基の炭素原子に結合している官能基及びハロゲン原子を水素原子に置き換えた場合の前記立体パラメータの値が−1.00以下、好ましくは−1.50以下、さらに好ましくは−2.00以下であればよい。官能基とは、上述した通り、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、アルキルアミド基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルアルキル基等である。ハロゲン原子とは、塩素、フッ素、臭素等である。特に好ましくは、上記した一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の1以上がフッ素原子等のハロゲン原子に置換されている化合物である。例えば、下記構造が挙げられる。下記式に置いて、*印で示される箇所が酸素原子と結合している。
Figure 2020097603
この場合、フッ素原子を水素原子に置き換えた時の立体パラメータが上記範囲を満たせばよい。すなわち、末端n−ブチル−メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシリル基の立体パラメータは、3,3,3−トリフルオロプロピル基をプロピル基に置き換えたn−ブチル−メチル−プロピルシリル基と同じである。
上記式(1)において、Qは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又は不飽和結合から成る群より選ばれる1以上の結合を含んでよい、置換又は非置換の、炭素数1〜20の二価炭化水素基である。該二価炭化水素基としては、エチレン、1,3−プロピレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,1,2−トリメチルプロピレン、1,4−ブチレン、2−メチル−1,4−ブチレン、2、2−ジメチル−1,4−ブチレン、3−メチル−1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,4−ブチレン、2,3−ジメチル−1,4−ブチレン、2,2,3−トリメチル−1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキサニレン、1,7−ヘプタニレン、1,8−オクタニレン、1,9−ノナニレン、1,10−デカニレン基等の2価の基、及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部が、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、アルキルアミド基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基等で置換された基、及び、塩素、フッ素等のハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキレン基等が挙げられる。エーテル結合を含む基としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレン−プロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイドが挙げられる。
Qは好ましくは下記(2)又は(3)で示される。
Figure 2020097603
Figure 2020097603
式中、kは0〜6の整数であり、kが0の場合、mは1〜4の整数であり、kが0でない場合、mは1〜17の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、且つ、1≦3k+m≦20であり、式中*で示される箇所が式(1)のケイ素原子と結合しており、**で示される箇所が式(1)のZ基と結合している。好ましくはk=1であり且つm=1〜4の整数、又は、k=0であり且つm=1〜4の整数である。
Qは特に好ましくは、酸素原子及び窒素原子を有さず、非置換である二価の炭化水素基である。すなわち、上記式に置いてk=0である。この時、Qは、好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレン基、又はブチレン基であり、特に好ましくはプロピレン基である。
上記式(1)において、Zはラジカル重合性基である。例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基等のアクリル基及びメタクリル基を有する基、N−ビニルアミド基、アルキニル基、スチリル基、インデニル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ノルボニル基、及び共役又は非共役アルカジエン基等である。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、N−ビニルアミド基、及び、スチリル基が好ましく、反応の容易さから、アクリル基及びメタクリル基を有する基が好ましく、特に好ましくはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。
上記式(1)において、nは1〜100の整数であり、好ましくは2〜20の整数であり、更に好ましくは3〜10の整数であり、最も好ましくは4である。nが上記下限値未満では、得られるポリマーの酸素透過性が低くなる。また、nが上記上限値を超えては、重合体の親水性が低くなる。
本発明のシリコーン化合物はRSi−残基が上記立体パラメータを満たす立体構造を有することにより、耐加水分解性に優れる重合体を与えることができる。該加水分解耐性は、例えば、該化合物を5重量%の酢酸を含む水/2−プロパノール溶液中で80℃下168時間加熱し、加熱開始時点(0時間)で該化合物をガスクロマトグラフィー(GC)測定して得られるGC面積%を100と定めた場合の、加熱後の該化合物をGC測定して得られるGC面積%の比率で評価することができる。本発明のシリコーン化合物は、加熱開始時点(0時間)での該化合物のGC面積100%に対し、加熱後の該化合物のGC面積80%以上であることができる。
本発明は更に上記式(1)で示される化合物の製造方法を提供する。
上記式(1)で示される化合物は、
下記式(4)で表されるシロキサンと
Figure 2020097603
(R、R及びRは上記の通りであり、n’はn−1である)
下記式(5)で表されるハロゲン化シリル化合物と
Figure 2020097603
(Q及びZは上記の通りであり、Xはハロゲン原子である)
を反応させて得ることができる。
また、上記式(4)で示される化合物は、下記式で表されるシラノール化合物を先ず有機金属化合物と反応させて、
Figure 2020097603
(R、R、及びRは上記の通りである)
次いで、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを反応させて開環重合させることで得られる。
異なる方法としては、上記式(4)で示される化合物は、下記式で表される環状シロキサンを先ず有機金属化合物と反応させて、
Figure 2020097603
(式中、yは、3〜20の整数を表し、R及びRは上記の通りである)
次いで、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを反応させて開環重合させることで得られる。
〜Rはヒドロキシ基を有しないことが好ましい。ヒドロキシ基を有すると、該化合物と有機金属化合物との反応の際に、ヒドロキシ基の活性水素部位との間で好ましくない副反応が引き起こされるためである。
有機金属化合物は重合開始剤であり、環状シロキサンの開環重合に通常使用されるものであればよい。例えば、有機マグネシウム化合物、及び有機リチウム化合物である。有機マグネシウム化合物とは、炭素−マグネシウム結合およびマグネシウム−ハロゲン結合を有する化合物である。有機リチウム化合物は、炭素−リチウム結合を有する化合物である。これらは従来公知の化合物であればよい。有機リチウム化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム等が例示される。特には、ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素系化合物に希釈された有機リチウム化合物が好ましく、取扱い性や入手の容易さからn−ブチルリチウムのヘキサン溶液がより好ましい。
上記反応は、従来公知の方法に従い行うことができる。例えば、上記シラノール化合物又は上記環状シロキサン化合物に、1モル当量以下の有機金属化合物を添加して反応させ、続けてヘキサメチルシクロトリシロキサンを滴下して反応させる。例えば、ブチルジメチルシラノールとBuLiを反応させるとBuMeSiOLiが生じ、これを開始剤としてヘキサメチルシクロトリシロキサンを開環し反応させて、上記式(4)で示される化合物を得る。さらにハロゲン化シリル化合物を添加し、反応させて、上記式(1)で示されるシリコーン化合物を得る。有機金属化合物、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ハロゲン化シリル化合物の添加は、典型的には、約0℃から約25℃の温度で行われる。反応温度は特に限定されるものではないが、使用する溶媒の沸点を超えない程度の温度が好ましい。ヘキサメチルシクロトリシロキサンの反応の終点は、滴下終了後、加温下で熟成した後、原料ヘキサメチルシクロトリシロキサンの有無を、例えばGC測定においてピークが消失したことで確認する。反応終点をGC測定により確認することにより、ヘキサメチルシクロトリシロキサンが生成物中に残存しないため高純度のシリコーン化合物を得ることができる。
有機金属化合物の添加量は、シラノール化合物に対して0.1モル当量から1モル当量で行われる。有機金属化合物の量が上記上限より多いと、有機金属化合物の副反応が起こるため好ましくない。また、上記下限値より少ないと、ヘキサメチルシクロトリシロキサンとの反応速度が遅くなり好ましくない。
上記反応に使用する溶剤は特に制限されるものでないが、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのケトン系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、等が好適に使用できる。
ハロゲン化シリル化合物の添加量は、上記式(4)で表される化合物1モルに対し0.8〜2.0モルとなる量比が好ましく、より好ましくは0.9〜1.5モルとなる量比が好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.2モルとなる量比が好ましい。
反応終了後は、従来公知の方法に従い精製すればよい。例えば、有機層を水で洗浄した後、溶媒を除去することにより生成物を単離することができる。また減圧蒸留や活性炭処理などを使用してもよい。
本発明の製造方法の一例としては、シラノール化合物又は環状シロキサン化合物を50質量%のトルエンで希釈し、1モル当量のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液)を添加する。続いて、200質量%のテトラヒドロフランで溶解したヘキサメチルシクロトリシロキサンを添加する。室温下で3時間程度反応させることにより反応は完結する。また、その際にヘキサメチルシクロトリシロキサンをGC測定等でモニタリングすることで反応の進行を確認できる。ヘキサメチルシクロトリシロキサンの反応後、1モル当量のハロゲン化シリル化合物を添加し、室温下で1時間程度反応させることにより反応は完結する。反応の完結後、有機層を水で洗浄し、洗浄液のpHが中性付近(pH=6〜8)になったところで有機層を取り出す。有機層に存在する溶媒および未反応の原料を減圧留去することで、上記式(1)で示されるシリコーン化合物を得ることができる。
本発明のシリコーン化合物は、該シリコーン化合物のラジカル重合性基の付加重合から導かれる繰り返し単位を有する重合体を与えることができる。本発明のシリコーン化合物は、(メタ)アクリル基など、上記シリコーン化合物のラジカル重合性基Zと重合する基を有する他の化合物(以下、重合性モノマー、または親水性モノマーという)との相溶性が良好である。そのため、重合性モノマーと共重合することにより無色透明の共重合体を与えることができる。また、単独で重合することも可能である。上述の通り、本発明の化合物は耐加水分解性に優れる重合体を与える。さらには、耐汚染性を付与するフッ素置換基含有(メタ)アクリル系モノマーに対する相溶性も良好であるため、耐汚染性(防汚性)をより向上した重合体を与えることができる。本発明のシリコーン化合物と他の重合性(親水性)モノマーとの重合から導かれる繰返し単位を含む共重合体の製造において、本発明のシリコーン化合物の配合割合は、本発明のシリコーン化合物と重合性(親水性)モノマーとの合計100質量部に対して本発明のシリコーン化合物を好ましくは50〜90質量部、より好ましくは60〜80質量部となる量がよい。
重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3―ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマー;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−メチル(メタ)アクリルアミド等のアクリル酸誘導体;その他の不飽和脂肪族もしくは芳香族化合物、例えばクロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸;及び(メタ)アクリル基などの重合性基を有するシリコーンモノマーが挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
本発明の化合物と上記他の重合性モノマーとの共重合は従来公知の方法により行えばよい。例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤など既知の重合開始剤を使用して行うことができる。該重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられる。これら重合開始剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。重合開始剤の配合量は、重合成分の合計100質量部に対して0.001〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部であるのがよい。
本発明の化合物から導かれる繰返し単位を含む重合体は、酸素透過性に優れ、且つ耐加水分解性に優れる。従って、眼科デバイス、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜を製造するのに好適である。該重合体を用いた眼科デバイスの製造方法は特に制限されるものでなく、従来公知の眼科デバイスの製造方法に従えばよい。例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズなどレンズの形状に成形する際には、切削加工法や鋳型(モールド)法などを使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。下記実施例において、粘度はキャノンフェンスケ粘度計を用い、比重は浮秤計を用いて測定した。屈折率はデジタル屈折率計RX−5000(アタゴ社製)を用いて測定した。H−NMR分析は、JNM−ECP500(日本電子社製)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して実施した。
また、下記において化合物の純度は、以下の条件によるガスクロマトグラフィー(GC)測定により行ったものである。
ガスクロマトグラフィー(GC)測定条件
i.装置とパラメータ
装置:Agilent製GC system 7890A型。検出器:水素炎イオン化検出器(FID)。カラム:J&W HP−5MS(0.25mm*30m*0.25μm)。キャリアガス:ヘリウム。一定流量:1.0mL/分。サンプル注入量:1.0μL。スプリット比:50:1。注入口温度:250℃。検出器温度:300℃。
ii.温度プログラム
開始温度50℃。開始時間:2分間。勾配:10℃/分;終了時温度:300℃(保持時間:10分間)。
iii.サンプル調製
サンプル溶液を 希釈することなくGC用バイアル瓶に直接入れた。
[実施例1]
ジムロート、温度計、滴下漏斗を付けた2Lの三口ナスフラスコに、t−ブチルジメチルシラノール112.0g、トルエン56.0gを添加し、n−ブチルリチウムヘキサン溶液 289.0gを滴下漏斗から滴下した。滴下終了後、反応液を室温で1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィー(GC)で出発物質の消失を確認して反応終了とした。 反応終了後にヘキサメチルシクロトリシロキサン 245.3g、THF 537.6 gを添加し、室温で3時間撹拌撹拌し、ガスクロマトグラフィー(GC)でヘキサメチルシクロトリシロキサンの消失を確認して反応終了とした。反応終了後にメタクリロイルオキシプロピルジメチルクロロシラン 196.0g、トリエチルアミン 4.26 g、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 0.025gを添加し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、有機層を分液漏斗に移して水道水で5回洗浄した。有機層を分離し、溶媒及び未反応の原料を内温90℃で減圧留去し、以下の式(6)で表されるシリコーン化合物を得た。収量426.5g。GC測定による該シリコーン化合物の純度は97.2%であり、粘度は6.6mm/s(25℃)であり、比重は0.933(25℃)であり、屈折率は1.4242であった。以下にH−NMRデータを記載する。
0.0ppm(30H)、0.6ppm(2H)、0.9ppm(9H)、1.7ppm(2H)、2.0ppm(3H)、4.1ppm(2H)、5.5ppm(1H)、6.1ppm(1H)。
Figure 2020097603
末端t−ブチルジメチルシリル基の立体パラメータは−3.76である。
[実施例2]
t−ブチルジメチルシラノールの代わりにトリエチルシラノールを用いた以外は、実施例1を繰り返し、下記式(7)で表されるシリコーン化合物を得た。収量389.2g。GC測定による該シリコーン化合物の純度は95.4%であり、粘度は5.3mm/s(25℃)であり、比重は0.937(25℃)であり、屈折率は1.4246であった。以下にH−NMRデータを記載する。
0.0ppm(24H)、0.6ppm(8H)、0.8ppm(9H)、1.7ppm(2H)、2.0ppm(3H)、4.1ppm(2H)、5.5ppm(1H)、6.1ppm(1H)。
Figure 2020097603
末端トリエチルシリル基の立体パラメータは−2.00である。
[実施例3]
t−ブチルジメチルシラノールの代わりにトリイソプロピルシラノールを用いた以外は、実施例1を繰り返し、下記式(8)で表されるシリコーン化合物を得た。収量411.6g。GC測定による該シリコーン化合物の純度は95.1%であり、粘度は6.9mm/s(25℃)であり、比重は0.943(25℃)であり、屈折率は1.4341であった。以下にH−NMRデータを記載する。
0.0ppm(24H)、0.6ppm(5H)、1.0ppm(18H)、1.7ppm(2H)、2.0ppm(3H)、4.1ppm(2H)、5.5ppm(1H)、6.1ppm(1H)。
Figure 2020097603
末端トリイソプロピルシリル基の立体パラメータは−5.18である。
[実施例4]
ジムロート、温度計、滴下漏斗を付けた2Lの三口ナスフラスコに、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン88.8g、トルエン44.4gを添加し、n−ブチルリチウムヘキサン溶液285.6gを滴下漏斗から滴下した。滴下終了後、反応液を室温で1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィー(GC)で出発物質の消失を確認して反応終了とした。反応終了後にヘキサメチルシクロトリシロキサン193.5g、THF268.8gを添加し、室温で3時間撹拌撹拌し、ガスクロマトグラフィー(GC)でヘキサメチルシクロトリシロキサンの消失を確認して反応終了とした。反応終了後にメタクリロイルオキシプロピルジメチルクロロシラン155.1g、トリエチルアミン3.36g、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.025gを添加し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、有機層を分液漏斗に移して水道水で5回洗浄した。有機層を分離し、溶媒及び未反応の原料を内温90℃で減圧留去し、下記式(9)で表されるシリコーン化合物を得た。収量345.3g。GC測定による該シリコーン化合物の純度は96.3%であり、粘度は5.7mm/s(25℃)であり、比重は0.923(25℃)であり、屈折率は1.4274であった。以下にH−NMRデータを記載する。
0.0ppm(27H)、0.6ppm(6H)、0.9ppm(6H)、1.3ppm(6H)、1.7ppm(2H)、2.0ppm(3H)、4.1ppm(2H)、5.5ppm(1H)、6.1ppm(1H)。
Figure 2020097603
末端n−ブチル−メチル−プロピル−シリル基の立体パラメータは−1.49である。
[実施例5]
2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサンの代わりに2,4,6−テトラメチル−2,4,6−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサンを用いた以外は、実施例3を繰り返し、下記式(11)で表されるシリコーン化合物を得た。収量381.2g。GC測定による該シリコーン化合物の純度は96.4%であり、粘度は6.9mm/s(25℃)であり、比重は1.003(25℃)であり、屈折率は1.4140であった。以下にH−NMRデータを記載する。
0.0ppm(27H)、0.6ppm(4H)、0.7ppm(2H)、0.9ppm(3H)、1.3ppm(4H)、1.7ppm(2H)、2.0ppm(3H)、2.1ppm(2H)、4.1ppm(2H)、5.5ppm(1H)、6.1ppm(1H)。
Figure 2020097603
末端n−ブチル−メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシリル基の立体パラメータは、3,3,3−トリフルオロプロピル基をプロピル基に置き換えたn−ブチル−メチル−プロピル−シリル基と同じ、−1.49である。
[比較例1及び2]
比較例1及び2では、ソフトコンタクトレンズ用モノマーとして広く用いられている下記式(11)又は(12)で表されるシリコーン化合物を使用した。
Figure 2020097603
末端トリメチルシリル基の立体パラメータは0である。
Figure 2020097603
末端n−ブチルジメチルシリル基の立体パラメータは−0.71である。
[評価試験]
耐加水分解性の評価
上記で得たシリコーン化合物の各々について、下記試験を行った。
20mLスクリュー管に、シリコーン化合物0.1g、2−プロパノール(3.90g)、酢酸(0.24g)、蒸留水(0.90g)、及び重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2mg)を入れてよく混合し、密閉した。該スクリュー管を80℃下に168時間置いた。混合直後(0時間)の混合溶液及び168時間置いた後の混合溶液をガスクロマトグラフィー測定に夫々付した。ガスクロマトグラフィーの測定条件は上記した通りである。
ガスクロマトグラフィー測定により得られたピーク面積は含まれる成分量に比例する。混合直後(0時間)のシリコーン化合物のピーク面積(100%)に対する、168時間後のシリコーン化合物のピーク面積割合(%)を算出し、加水分解による重量減少率を評価した。結果を下記表3に示す。
Figure 2020097603
表3に示す通り、比較例1及び2のシリコーン化合物は、上記条件下、80℃にて168時間置くと加水分解され、成分含有量が著しく減少した。これに対し、本発明のシリコーン化合物はピーク面積割合の減少が少なく耐加水分解性に優れる。また、本発明のシリコーン化合物はポリシロキサン構造を有するため、他の重合性モノマーと共重合することにより、無色透明であり、酸素透過性に優れる硬化物を与えることができる。
本発明のシリコーン化合物は耐加水分解性に優れる。従って本発明のシリコーン化合物は、酸素透過性を有し、無色透明であり、且つ、耐加水分解性に優れる重合体を与える。本発明の化合物及び該化合物の製造方法は、コンタクトレンズ材料、眼内レンズ材料、及び人工角膜材料など、眼科デバイスの製造のために有用である。

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表されるシリコーン化合物であり、
    Figure 2020097603
    式中、Zはラジカル重合性基であり、Qは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又は不飽和結合から成る群より選ばれる1以上の結合を含んでよい、置換又は非置換の、炭素数1〜20の二価炭化水素基であり、nは1〜100の整数であり、R〜Rは、互いに独立に、非置換の、不飽和結合を有してよい炭素数1〜20の一価炭化水素基、又は、前記一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部が官能基又はハロゲン原子で置換されている基であり、
    該RSi−残基が、ケイ素原子に結合する非置換の炭化水素基の立体的嵩高さを示す立体パラメータの値−1.00以下を有し、R、R、及びRの少なくとも1つが置換の炭化水素基である場合には、該炭化水素基の炭素原子に結合している官能基及びハロゲン原子を水素原子に置き換えた場合の前記立体パラメータの値−1.00以下を有することを特徴とする、前記シリコーン化合物。
  2. Qが下記(2)又は(3)で示される、請求項1記載のシリコーン化合物
    Figure 2020097603
    Figure 2020097603
    (式中、kは0〜6の整数であり、kが0の場合、mは1〜4の整数であり、kが0でない場合、mは1〜17の整数であり、且つ、1≦3k+m≦20であり、式中*で示される箇所が式(1)のケイ素原子と結合しており、**で示される箇所が式(1)のZ基と結合している)。
  3. Zが、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する基である、請求項1または2記載のシリコーン化合物。
  4. 該RSi−残基が前記立体パラメータの値−1.50以下を有する請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーン化合物。
  5. 該RSi−残基が前記立体パラメータの値−2.00以下を有する請求項4記載のシリコーン化合物。
  6. 、R、及びRの少なくとも1つが、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基、及びトリフルオロプロピル基から選ばれる基である、請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーン化合物。
  7. 、R、及びRの全てが、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基から選ばれる同一の基である請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーン化合物。
  8. 該RSi−残基が下記のいずれかである、請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーン化合物。
    Figure 2020097603
    (上記式に置いて、*で示される箇所が酸素原子と結合している)
  9. kが1であり、かつmが1〜4である、請求項2〜8のいずれか1項記載のシリコーン化合物。
  10. kが0であり、かつmが1〜4である、請求項2〜8のいずれか1項記載のシリコーン化合物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載のシリコーン化合物のラジカル重合性基Zの付加重合から導かれる繰返し単位を含む重合体。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項記載のシリコーン化合物のラジカル重合性基Zと、これと重合性の基を有する他の化合物との重合から導かれる繰返し単位を含む共重合体。
  13. 請求項12記載の共重合体からなる眼科デバイス。
  14. 下記式(1)で表されるシリコーン化合物の製造方法において、
    Figure 2020097603
    (式中、Zはラジカル重合性基であり、Qは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又は不飽和結合から成る群より選ばれる1以上の結合を含んでよい、置換又は非置換の、炭素数1〜20の二価炭化水素基であり、nは1〜100の整数であり、R〜Rは、互いに独立に、非置換の、不飽和結合を有してよい炭素数1〜20の一価炭化水素基、又は、前記一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部が官能基又はハロゲン原子で置換されている基であり、
    該RSi−残基が、ケイ素原子に結合する非置換の炭化水素基の立体的嵩高さを示す立体パラメータの値−1.00以下を有し、R、R、及びRの少なくとも1つが置換の炭化水素基である場合には、該炭化水素基の炭素原子に結合している官能基及びハロゲン原子を水素原子に置き換えた場合の前記立体パラメータの値−1.00以下を有する)
    下記式(4)で表されるシロキサンと
    Figure 2020097603
    (R、R、及びRは上記の通りであり、n’はn−1である)
    下記式(5)で表されるハロゲン化シリル化合物
    Figure 2020097603
    (Q及びZは上記の通りであり、Xはハロゲン原子である)
    とを反応させて
    上記式(1)で表される化合物を得る工程を含む、前記製造方法。
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