JP6335836B2 - 眼科デバイス製造用モノマー、その重合体、及び眼科デバイス - Google Patents
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Description
SiGMAにおいてビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル部分をSi部分とし、全体に占めるSi部分の質量割合を求めると52%となる。一方、上記式(a)において、トリス(トリメチルシロキシ)シリル部分をSi部分とし、全体に占めるSi部分の質量割合を求めると60%となる。即ち、上記式(a)の化合物は、Si部分の質量割合が多い。その為、得られる眼科デバイスに高い酸素透過性をもたらすことができる。
該方法で得られた生成物は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の親水性モノマーと混合した時に白濁する場合がある。さらに、クロロシランによる該シリコーン鎖の末端封鎖率が高くない。
(rは3以上の整数)
しかし、上記方法ではエステル化率が不十分となり末端封鎖率が低く、また、シリコーンの重合度に分布ができる。
本発明の第一の製造方法は、下記式(2)で表されるシリコーン化合物と
下記式(3)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを
反応させる工程を含む。
該反応は、上記式(2)で表されるポリオルガノシロキサンの、トルエンまたはヘキサン等の溶液中に、上記式(3)で表される酸ハライド、好ましくは酸クロライドを、徐々に添加して、水浴等で冷却しながら0〜50℃の温度で行なうことが好ましい。
下記式(5)で表される化合物(以下、ビニルエーテル化合物という)とを、
付加反応させて製造することができる。
下記式(6)で表される化合物とを、
反応させる工程を含む。
また、下記において化合物の純度は、以下の条件によるガスクロマトグラフィー(GC)測定により行ったものである。
ガスクロマトグラフィー(GC)測定条件
ガスクロマトグラフ:Agilent社製
検出器:FID、温度300℃
キャピラリーカラム:J&W社 HP−5MS(0.25mm×30m×0.25μm)
昇温プログラム:50℃(5分)→10℃/分→250℃(保持)
注入口温度:250℃
キャリアガス:ヘリウム(1.0ml/分)
スプリット比: 50:1
注入量:1μl
下記式(10)の化合物64.6g(0.32mol)、メチルシクロヘキサン100gを、攪拌機、ジムロート、温度計、及び滴下ロートを付けた1リットルフラスコに仕込み、70℃まで昇温した。塩化白金酸アルカリ中和物とビニルシロキサンとの反応物(錯体)のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.15gを前記フラスコ中に添加した後、滴下ロートを用いて、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン44.4g(0.2mol)を1時間かけて前記フラスコ中へ滴下した。100℃で1時間熟成後に反応物をGCで分析したところ、原料の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンのピークが消失し、反応が完結したことを示した。メチルシクロヘキサンを減圧ストリップして、無色透明液体であるシリコーン化合物76.3gを得た。1H−NMR分析で、下記式(11)で表されるシリコーン化合物であることが確認された(0.18mol、収率89%、シリコーン化合物1)。GC測定による該シリコーン化合物の純度は96.3%であり、粘度は5.4mm2/s(25℃)であり、比重は0.962(25℃)であり、屈折率は1.4307であった。
0.1ppm(23H)、0.9ppm(2H)、2.0ppm(3H)、3.5−3.8ppm(6H)、4.3ppm(2H)、5.6ppm(1H)、6.1ppm(1H)。
ジエチレングリコールモノビニルエーテル99.0g(0.75mol)、トルエン100gを、ジムロート、温度計、及び滴下ロートを付けた1リットルフラスコに仕込み、70℃まで昇温した。塩化白金酸アルカリ中和物とビニルシロキサンとの反応物(錯体)のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.38gを前記フラスコ中に添加した後、滴下ロートを用いて、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン111.0g(0.5mol)を1時間かけて前記フラスコ中へ滴下した。内温は85℃まで上昇した。100℃で1時間熟成後に反応物をGCで分析したところ、原料ヘプタメチルトリシロキサンのピークが消失し、反応が完結したことを示した。反応物に200gのイオン交換水を加え、攪拌しながら水洗し、静置して相分離させ、過剰のジエチレングリコールモノビニルエーテルを含む水層を除去した。同様にして、200gイオン交換水で2回水洗し、有機層のトルエンを減圧ストリップして、下記式(12)のシリコーン化合物を159.3g(収率90%)得た。下記条件のGCによる該シリコーン化合物の純度は99.5質量%だった。
特許4646152号(特許文献6)の実施例1に記載の方法に従い、下記式(13)で表される化合物を合成した(シリコーン化合物2)。
特許4646152号(特許文献6)の実施例2に記載の方法に従い、下記式(14)で表される化合物を合成した(シリコーン化合物3)。
特許第4882136号(特許文献3)の実施例1に記載の方法に従い、下記式(15)で表される化合物を合成した(シリコーン化合物4)。
(1)耐加水分解性の評価
[実施例3、比較例1〜3]
上記で得たシリコーン化合物1〜4各々について、下記試験を行った。
20mLスクリュー管に、シリコーン化合物0.1g、2-プロパノール(3.90g)、酢酸(0.24g)、蒸留水(0.90g)、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2mg)を入れてよく混合し、密閉した。該スクリュー管を50℃下に72時間置いた。混合直後(0時間)の混合溶液及び72時間置いた後の混合溶液をガスクロマトグラフィー測定に夫々付した。ガスクロマトグラフィーの測定条件は上記した通りである。
ガスクロマトグラフィー測定により得られたピーク面積は含まれる成分量に比例する。混合直後(0時間)のシリコーン化合物のピーク面積(100%)に対する、72時間後のシリコーン化合物のピーク面積割合(%)を算出し、加水分解による重量減少率を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1で得たシリコーン化合物1(60質量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(35質量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1質量部)、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート(5質量部)、ダロキュア1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、0.5質量部)を混合し撹拌し、モノマー混合物1を得た。
比較例4〜6では、シリコーン化合物1をシリコーン化合物2〜4に各々替えた他は実施例4と同じ組成及び方法にてモノマー混合物(シリコーン化合物2、3、4の順にモノマー混合物2、3、4と称す)を調製した。
上記で得たモノマー混合物1〜4の外観を目視により観察した。シリコーン化合物と他の(メタ)アクリル化合物との相溶性が良好である混合物は無色透明になるが、相溶性が悪い混合物は濁りを生じる。結果を下記表2に示す。
上記で得たモノマー混合物1〜4各々をアルゴン雰囲気下で脱気した。該混合液を、石英ガラス板2枚をはさんだ鋳型に流し込み、超高圧水銀ランプで1時間照射して厚さ約0.3mmのフィルムを得た。該フィルムの外観を目視観察した。結果を下記表2に示す。
上記(3)で製造したフィルムに対して、接触角計CA−D型(協和界面科学株式会社製)を用い、液適法にて水接触角(°)の測定を行った。結果を下記表2に示す。
上記(3)で製造したフィルムを37℃リン酸緩衝液(PBS(−))に24時間浸漬した。PBS(一)浸漬前および24時間浸漬した後の各フィルムを、公知の人工脂質液中にて、37℃±2℃にて8時間インキュベートした。その後、PBS(−)にて濯ぎ洗いをし、0.1%スダンブラック−胡麻油溶液に浸漬した。浸漬前後で染色状態に差異が確認されない場合を○、確認された場合を×とした。結果を下記表2に示す。
上記(3)に従いフィルムを2枚作製し、その内の1枚の表面水分を拭き取った後に37℃リン酸緩衝液(PBS(一))に24時間浸漬した。PBS(一)浸漬前および24時間浸漬後のフィルム各々を幅2.0mmのダンベル形状にカットし、試験サンプルの上下端を冶具で挟み、一定速度で引張続けた際の破断強度および破断伸度を、破断試験機AGS−50NJ(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。PBS(一)に浸漬する前後での破断強度と破断伸度が夫々10%以内の変化の場合は○とし、いずれか一方に10%を超える減少が認められる場合は×とした。結果を下記表2に示す。
Claims (11)
- 式(1)において各特定の一のk、n、R1、R2及びR3を有する1種が、化合物の質量全体のうち95質量%超を成す、請求項1記載の化合物。
- 請求項1又は2記載の化合物と、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3―ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、及び(メタ)アクリル基を有するシリコーンモノマーから選ばれる1種以上とから導かれる繰返し単位を含む共重合体。
- 請求項3記載の共重合体からなる眼科デバイス。
- 前記反応を酸捕捉剤の存在下で行う、請求項5記載の製造方法。
- 酸捕捉剤がトリエチルアミンである、請求項6記載の製造方法。
- 式(2)において各特定の一のk、n、R1、及びR2を有する1種が、化合物の質量全体のうち95質量%超を成す、請求項8記載の製造方法。
- 式(1)において各特定の一のk、n、R1、R2及びR3を有する1種が、化合物の質量全体のうち95質量%超を成す、請求項5〜10のいずれか1項記載の製造方法。
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