JP2020097547A - 4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工業的に有利な4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの製造方法を提供すること。【解決手段】アルミナを含む水素化触媒を用いて、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを水素と反応させる。【選択図】なし
Description
本発明は、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノン(下記化合物(1))を、水素と反応させることによる、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(下記化合物(2))の製造方法に関する。
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド(以下、「リバーロキサバン」と称することがある、下記化合物(3))は、血液凝固因子Xaの阻害剤であり、様々な血栓塞栓性障害の予防や処置に使用できることが知られている(特許文献1、2参照)。
リバーロキサバンの製造方法としては、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを中間体として使用する方法が広く知られている(特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1には、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン、2−[(2S)−2−オキシラニルメチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンおよび5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを出発物質とするリバーロキサバンの製造方法が記載されている。
例えば、特許文献1には、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン、2−[(2S)−2−オキシラニルメチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンおよび5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを出発物質とするリバーロキサバンの製造方法が記載されている。
特許文献1には、リバーロキサバンの製造における重要中間体である4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの合成方法が開示されている。特許文献1には、モルホリン−3−オンを水素化ナトリウムで脱プロトン化し、次いで4−フルオロニトロベンゼンと反応させ、前駆体である4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを得て、これをテトラヒドロフラン溶媒中、パラジウム/活性炭を触媒とした接触還元により水素化することで、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造する方法が記載されている。
しかし、特許文献1に記載されている4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンから4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンへのパラジウム/活性炭を触媒とした接触還元による水素化反応は、反応の進行が遅く、収率が低いという問題がある。
特許文献2には、この水素化反応における問題の解決手段が提案されている。特許文献2には、パラジウム/活性炭を触媒とした4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンの接触還元反応をエタノール、メタノールなどのアルコール溶媒中で行うことで、収率の向上が認められることが記載されている。
4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノン(上記化合物(1))を、水素と反応させることによる、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(上記化合物(2))の製造方法において、特許文献1および2に記載の方法は、パラジウム/活性炭触媒という高価な貴金属を使用するため、コストの面から工業的には不利であった。
近年、医薬業界では、医療費抑制の観点で製剤の価格抑制が強く求められている。このような事情から、製剤に用いられる原薬の製造においても、安価な原料・試薬を使用すること、効率的に生成物を得るために副生物の少ない反応を実施すること、等の工夫が求められている。
このような状況に鑑み、本発明は工業的に有利な4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを水素と反応させることによる4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの製造方法であって、アルミナを含む水素化触媒を用いることを特徴とする。
アルミナを含む水素化触媒を用いることで、安価で効率的に、リバーロキサバンの重要中間体である4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。すなわち本発明の製造方法は、4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを容易かつ大量に製造することを目的とする工業的製法として優れる。
本発明の好ましい実施の形態では、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンに対し、前記水素化触媒を0.25〜10wt%用いることが好ましい。
アルミナを含む水素化触媒を0.25〜10wt%用いることで、高い収率および純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
アルミナを含む水素化触媒を0.25〜10wt%用いることで、高い収率および純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
また、本発明では、アルミナが担体である水素化触媒を用いることが好ましい。
特に、パラジウム/アルミナ触媒を用いることが好ましい。
上記の水素化触媒を用いることで、高い収率および純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
特に、パラジウム/アルミナ触媒を用いることが好ましい。
上記の水素化触媒を用いることで、高い収率および純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、水素化触媒の存在下、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを水素と反応させ4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを得た後に、水素化触媒を含む反応溶液中に水を加え、その後前記水素化触媒を除去する触媒除去工程を含むことを特徴とする。
上記工程を行うことで、より高い収率及び純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
上記工程を行うことで、より高い収率及び純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
本発明の好ましい形態では、反応溶媒としてアルコール、エステル、エーテル、アミド、および芳香族炭化水素から選ばれる1又は2以上の溶媒を用いる。
中でも、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエンから選ばれる、1又は2以上の溶媒を用いることが特に好ましい。
上記溶媒を用いることで、より高い収率および純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
中でも、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエンから選ばれる、1又は2以上の溶媒を用いることが特に好ましい。
上記溶媒を用いることで、より高い収率および純度で4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造することができる。
また本発明は、上述した製造方法により4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを製造する工程を含むリバーロキサバンの製造方法にも関する。本発明の製造方法によれば、高い効率でリバーロキサバンを製造することができる。
本発明によれば、安価で効率的に4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン、またはこれを中間体としてリバーロキサバンを製造することができ、工業的に有利である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の説明に限定されないことはいうまでもない。
本発明の製造方法は、下記反応式で表される、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノン(以下、「本件ニトロ化合物」と称することがある)から4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(以下、「本件アミノ化合物」と称することがある)への水素化反応に関する。
本発明の特徴は、アルミナを含む水素化触媒(以下、「本件水素化触媒」と称することがある)を用いることにある。アルミナを含む水素化触媒を用いることで、高い収率及び純度で本件アミノ化合物を得ることができる。
本発明はこれらの利点を有しているため、安価かつ容易に大スケールでの化合物の製造が求められる工業的製法として非常に有効である。
本発明はこれらの利点を有しているため、安価かつ容易に大スケールでの化合物の製造が求められる工業的製法として非常に有効である。
なお、本明細書においては、本件水素化触媒の存在下で行われる本件ニトロ化合物から本件アミノ化合物への水素化反応のことを「本件水素化反応」と称することがある。
本件水素化反応の基質として用いる本件ニトロ化合物は、例えば、特許文献1に記載の製造方法により製造することができる。すなわち、モルホリン−3−オンを水素化ナトリウムで脱プロトン化し、次いで4−フルオロニトロベンゼンと反応させることで製造することができる。
また、本件水素化反応の基質として用いる本件ニトロ化合物は、下記スキームの方法で製造してもよい(下式 参照)。
以下、本発明で用いる水素化触媒に関し、より詳細を説明する。
本件水素化触媒はアルミナ(酸化アルミニウム)を含むものであればよく、例えば、アルミナ、シリカ・アルミナなどを担体として含む水素化触媒を好ましく挙げることができる。
中でも、水素化触媒の担体はアルミナであることが好ましい。
中でも、水素化触媒の担体はアルミナであることが好ましい。
本件水素化触媒には、水素化能を有する金属触媒が担持されていてもよく、水素化能を有する金属触媒としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどの金属を挙げることができる。ここで、本件水素化触媒は、パラジウムが担持されているものであることが好ましい。
なお、金属の担持は「触媒便覧」等に記載の公知の方法により実施することができる。
なお、金属の担持は「触媒便覧」等に記載の公知の方法により実施することができる。
本件水素化触媒における上記金属の合計担持量は、反応速度の向上の観点から、触媒全体の、好ましくは0.25wt%以上、より好ましくは0.5wt%以上、より好ましくは1wt%以上、さらに好ましくは3wt%以上、特に好ましくは5wt%以上である。
また、コスト抑制の観点から、本件水素化触媒における上記金属の合計担持量は、触媒全体の好ましくは20wt%以下、より好ましくは15wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下、特に好ましくは5wt%以下である。
本件水素化触媒としては、パラジウム/アルミナ触媒を好ましく挙げることができる。
ここで、パラジウム/アルミナ触媒におけるパラジウムの担持量は5wt%〜20wt%であることが好ましい。
また、パラジウム/アルミナ触媒は、含水品であってもよい。
ここで、パラジウム/アルミナ触媒におけるパラジウムの担持量は5wt%〜20wt%であることが好ましい。
また、パラジウム/アルミナ触媒は、含水品であってもよい。
本件水素化反応における本件水素化触媒の使用量は、基質である本件ニトロ化合物に対して、好ましくは0.3wt%以上、より好ましくは0.5wt%以上、さらに好ましくは1wt%以上である。
本件水素化触媒の使用割合を上記範囲とすることで、より反応を速く進行させることができる。
本件水素化触媒の使用割合を上記範囲とすることで、より反応を速く進行させることができる。
また、本件水素化反応における本件水素化触媒の使用量は、基質である本件ニトロ化合物に対して、好ましくは20wt%以下、より好ましくは15wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下である。
本件水素化触媒の使用割合を上記範囲とすることで、製造コストを抑えることができる。
本件水素化触媒の使用割合を上記範囲とすることで、製造コストを抑えることができる。
以下、本発明の水素化反応の条件に関し、より詳細を説明する。
本件水素化反応の反応溶液中の溶媒量は、基質である本件ニトロ化合物に対し、好ましくは5〜40w/w、より好ましくは、8〜12w/wである。
本件水素化反応は、常圧、高圧の何れの条件下で行ってもよいが、工業化の観点では高圧条件下で行うことが好ましい。
高圧条件下で本件水素化反応を行う場合は、オートクレーブなど公知の耐圧容器を用いることができる。この耐圧容器としては、加熱手段や撹拌手段を備えているものが好ましく用いられる。
本件水素化反応においては、水素圧は好ましくは0.1MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上である。
上記範囲で本件水素化反応を行うことにより、反応速度を向上させることができ、工業的に好ましい。
上記範囲で本件水素化反応を行うことにより、反応速度を向上させることができ、工業的に好ましい。
また、本件水素化反応においては、水素圧は好ましくは5MPa以下、より好ましくは2MPa以下である。
また、反応温度は好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。
上記範囲で本件水素化反応を行うことにより、反応速度を向上させることができ、工業的に好ましい。
上記範囲で本件水素化反応を行うことにより、反応速度を向上させることができ、工業的に好ましい。
反応温度は好ましくは120℃以下、より好ましくは90℃以下である。
本件水素化反応における溶媒は、本件ニトロ化合物および本件アミノ化合物と反応せず、本件水素化反応において変質しない溶媒であれば、特に制限はなく用いることができる。例えば、アルコール、エステル、エーテル、アミド、芳香族炭化水素などを用いることができる。
本件水素化反応の溶媒として用いることができるアルコールとしては、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜5、さらに好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1〜3の低級アルコールを挙げることができる。
アルコールの級数は第一級〜第三級の何れでもよい。環状であってもよいが、環状構造を有さないものが好ましい。
アルコールの価数は好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、さらに好ましくは1である。
具体的にはエタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどを好適に例示することができる。
アルコールの級数は第一級〜第三級の何れでもよい。環状であってもよいが、環状構造を有さないものが好ましい。
アルコールの価数は好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、さらに好ましくは1である。
具体的にはエタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどを好適に例示することができる。
本件水素化反応の溶媒として用いることができるエステルとしては、カルボン酸エステルを挙げることができる。
カルボン酸エステルを構成するカルボン酸由来部分における炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
また、カルボン酸エステルを構成するアルコール由来部分の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3である。
具体的には、酢酸エチルや酢酸ブチルなどを好適に例示することができる。中でも、酢酸エチルを好ましく挙げることができる。
カルボン酸エステルを構成するカルボン酸由来部分における炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
また、カルボン酸エステルを構成するアルコール由来部分の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3である。
具体的には、酢酸エチルや酢酸ブチルなどを好適に例示することができる。中でも、酢酸エチルを好ましく挙げることができる。
本件水素化反応の溶媒として用いることができるエーテルとしては、炭素数1〜10のエーテルを好適に例示することができ、環状・非環状の何れのエーテルも用いることができる。
具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフランなどを好適に例示することができる。中でも、テトラヒドロフランを好ましく挙げることができる。
具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフランなどを好適に例示することができる。中でも、テトラヒドロフランを好ましく挙げることができる。
本件水素化反応の溶媒として用いることができるアミド類としては、特に以下の構造を有するアミドを好適に例示することができる。
R1は水素原子、又は炭素数1〜3、好ましくは炭素数1〜2、より好ましくは炭素数1のアルキル基である。
R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、若しくは炭素数1〜3、好ましくは炭素数1〜2、より好ましくは炭素数1のアルキル基であるか、或いは、R2およびR3は一体となり4〜7員環、好ましくは5〜6員環、より好ましくは6員環を形成する。
R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、若しくは炭素数1〜3、好ましくは炭素数1〜2、より好ましくは炭素数1のアルキル基であるか、或いは、R2およびR3は一体となり4〜7員環、好ましくは5〜6員環、より好ましくは6員環を形成する。
このようなアミドとしては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを好適に例示することができる。中でも、ジメチルホルムアミドを好ましく挙げることができる。
本件水素化反応の溶媒として用いることができる芳香族炭化水素としては、単環化合物、縮合環化合物の何れも用いることができるが、好ましくは単環の芳香族炭化水素である。
単環の芳香族炭化水素としては、ベンゼン又はその置換化合物を好ましく例示できる。ベンゼンの置換化合物としては、一置換化合物および二置換化合物を好ましく例示できる。この場合の置換基は好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3、さらに好ましくは炭素数1〜2の炭化水素基が挙げられる。
このような芳香族炭化水素としては、トルエン、ベンゼンなどを好適に例示することができる。中でも、トルエンを好ましく挙げることができる。
単環の芳香族炭化水素としては、ベンゼン又はその置換化合物を好ましく例示できる。ベンゼンの置換化合物としては、一置換化合物および二置換化合物を好ましく例示できる。この場合の置換基は好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3、さらに好ましくは炭素数1〜2の炭化水素基が挙げられる。
このような芳香族炭化水素としては、トルエン、ベンゼンなどを好適に例示することができる。中でも、トルエンを好ましく挙げることができる。
本件アミノ化合物はリバーロキサバンの重要中間体である。そのため、本件水素化反応により本件アミノ化合物を製造した後に、これを基質として更なる反応工程を踏む必要性が生じることがある。この場合、本件水素化反応に続く反応工程において本件水素化触媒が作用しないように、これを除去することが好ましい。
本件水素化反応の後に反応溶液から本件水素化触媒を除去する方法は特に限定されず、例えば、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを水素と反応させ4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを得た後に、水素化触媒を含む反応溶液中に水を加え、その後水素化触媒を除去する操作を行う形態を好ましく挙げることができる。
ここで、水素化触媒を含む反応溶液中に水を加えたあと、さらに、加熱を行うことが好ましい。
水素化触媒の除去操作における加熱温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上である。
また、水素化触媒の除去操作における加熱温度の上限は、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下である。
水素化触媒の除去操作における加熱温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上である。
また、水素化触媒の除去操作における加熱温度の上限は、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下である。
また、水素化触媒の除去操作としては、濾過を挙げることができる。濾過により本件水素化反応を除去することで、純度の高い本件アミノ化合物を得ることができる。
本件水素化反応の後、任意の精製工程を加えてもよい。具体的には本件アミノ化合物の結晶化、液−液抽出、カラムクロマトグラフィーによる精製などが挙げられる。
本発明は、上述した本件アミノ化合物の製造方法により本件アミノ化合物を製造し、これを中間体としてリバーロキサバンを製造する方法にも関する。
以下、リバーロキサバンの製造方法について、より詳細を説明する。
本発明において本件アミノ化合物を中間体とするリバーロキサバンの製造方法の具体的な態様は特に限定されず、公知の何れの製造方法も採用することができる。
本発明において本件アミノ化合物を中間体とするリバーロキサバンの製造方法の具体的な態様は特に限定されず、公知の何れの製造方法も採用することができる。
本件アミノ化合物を中間体とするリバーロキサバンの製造方法としては、例えば、特許第4143297号に記載されている方法を挙げることができる。この方法では、本件アミノ化合物の他、2−[(2S)−2−オキシラニルメチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンおよび5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを出発化合物とする。
具体的には、2−[(2S)−2−オキシラニルメチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)ジオンを、本件アミノ化合物と反応させ、2−((2R)−2−ヒドロキシ−3−{[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}プロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)ジオンを得る。これをホスゲン等価物で2−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)ジオンに変換する。フタルイミド保護基の除去により、4−{4−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}モルホリン−3−オンを得て、これと5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドと反応させ、リバーロキサバンを得る。この製造方法のスキームを以下の式に示す。
また、本件アミノ化合物を中間体とするリバーロキサバンの他の製造方法としては、特許第4667044号に記載の製造方法を挙げることができる。
具体的には、5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを、(2S)−3−アミノ−プロパン−1,2−ジオールヒドロクロリドと反応させ、N−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミドを得る。これを、N−((S)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミドに変換する。これを本件アミノ化合物と反応させ、N−{(R)−2−ヒドロキシ−3−[4−(3−オキソ−モルホリン−4−イル)−フェニルアミノ]−プロピル}−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミドを得る。これを、ホスゲンまたはホスゲン均等物と反応させ、リバーロキサバンを得る。この製造方法のスキームを以下の式に示す。
具体的には、5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを、(2S)−3−アミノ−プロパン−1,2−ジオールヒドロクロリドと反応させ、N−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミドを得る。これを、N−((S)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミドに変換する。これを本件アミノ化合物と反応させ、N−{(R)−2−ヒドロキシ−3−[4−(3−オキソ−モルホリン−4−イル)−フェニルアミノ]−プロピル}−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミドを得る。これを、ホスゲンまたはホスゲン均等物と反応させ、リバーロキサバンを得る。この製造方法のスキームを以下の式に示す。
本件水素化反応によれば高い純度で本件アミノ化合物を製造することができる。そのため、本件水素化反応により製造された本件アミノ化合物を出発化合物とする後続の反応工程に不純物が混入しにくい。したがって、本発明によればリバーロキサバンを効率的に製造することができる。
以下、実施例を示しながら本発明についてより詳細に説明する。なお、純度はHPLCを用い、目的物ピークの面積比を算出することよって求めた。
200mLオートクレーブに4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノン(上記化合物(1))1.00g(4.50mmol)、メタノール8.0gおよび5wt%パラジウム/アルミナ触媒25mg(4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンに対して2.5wt%)を加え、水素を0.5MPaまで充填した後、80℃で2時間撹拌した。
2時間撹拌後、反応液に水4.5gを加え、50℃に加熱した。その後、パラジウム/アルミナ触媒を濾過により除去した。濾液の溶媒を減圧留去し、析出した固体を減圧乾燥することで、微黄白色固体の(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(上記化合物(2))769mg(収率:89%、純度:98.81%)を得た。
5wt%パラジウム/アルミナ触媒の使用量を5mg(4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンに対して0.5wt%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、微黄白色固体の(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン810mg(収率:94%、純度:98.66%)を得た。
実施例1において、反応溶媒をメタノールからエタノールに変更した以外は同様の操作を行い、微黄白色固体の(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(2)780mg(収率:90%、純度:98.69%)を得た。
反応溶媒をメタノールからエタノールに変更し、5wt%パラジウム/アルミナ触媒の使用量を5mg(4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンに対して0.5wt%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、微黄白色固体の(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(2)809mg(収率:94%、純度:98.59%)を得た。
本発明は4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン、およびこれを中間体とする5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドの工業的な製造に応用することができる。
Claims (8)
- 4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを水素と反応させることによる4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの製造方法であって、
アルミナを含む水素化触媒を用いることを特徴とする、製造方法。 - 4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンに対し、前記水素化触媒を0.25〜10wt%用いることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記水素化触媒は、アルミナが担体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記水素化触媒がパラジウム/アルミナ触媒であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
- 前記水素化触媒の存在下、4−(4−ニトロフェニル)−3−モルホリノンを水素と反応させ4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンを得た後に、水素化触媒を含む反応溶液中に水を加え、その後前記水素化触媒を除去する触媒除去工程を含むことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法。
- 反応溶媒としてアルコール、エステル、エーテル、アミド、および芳香族炭化水素から選ばれる1又は2以上を用いることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の製造方法。
- 反応溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエンから選ばれる、1又は2以上を用いることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンの製造方法を含む、5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドの製造方法。
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