JP2020096498A - モータ制御システムおよび電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ制御システム内の平滑コンデンサを、従来よりも確実に保護する。【解決手段】モータ制御システム(1)において、電圧測定装置(15)は、コンバータ(11)内の平滑コンデンサ(111)の端子間電圧を、直流電圧として検出する。電圧測定装置(15)は、所定の時間範囲における直流電圧の最大値と最小値との差を、リプル電圧として検出する。制御装置(16)は、リプル電圧がリプル電圧閾値以上である場合に、モータ(13)の回転数を低下させるようにインバータ(12)を駆動する。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、モータを制御するモータ制御システムに関する。
近年、モータを備えた電気機器(例:家電機器)を効率的に駆動するために、コンバータ(順変換装置または交直変換装置とも称される)とインバータ(逆変換装置または直交変換装置とも称される)とを組み合わせたモータ制御システムが使用されている。
特許文献1には、そのようなシステムの一例が示されている。具体的には、特許文献1に開示されたシステムは、当該システム内の平滑コンデンサの劣化を検出することを目的として、構成されている。
特開平11−215808号公報
本発明の一態様は、モータ制御システム内の平滑コンデンサを、従来よりも確実に保護することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモータ制御システムは、モータを制御するモータ制御システムであって、整流回路と平滑コンデンサとを含んだコンバータであって、交流電源から供給された第1交流電圧を整流および平滑化することにより、直流電圧を生成する前記コンバータと、上記直流電圧をスイッチングすることにより生成した第2交流電圧を、上記モータに供給するインバータと、上記直流電圧として、上記平滑コンデンサの端子間電圧を検出する電圧測定装置と、上記インバータを介して上記モータを制御する制御装置と、を備えており、上記電圧測定装置は、上記第1交流電圧の半周期に対応する所定の時間範囲における、上記直流電圧の最大値と最小値との差を、リプル電圧として検出し、上記制御装置は、上記リプル電圧が予め設定されたリプル電圧閾値以上である場合に、上記モータの回転数を低下させるように上記インバータを駆動する。
本発明の一態様に係るモータ制御システムによれば、当該システム内の平滑コンデンサを、従来よりも確実に保護できる。
実施形態1の電気機器の概略的な構成を示す図である。 リプル電圧の検出方法について説明するための図である。 (a)〜(f)はそれぞれ、異なるモータ回転数に対し、図1の電気機器において測定されたVdcおよびIinvの波形の一例を示す図である。
〔実施形態1〕
実施形態1の電気機器100について、以下に説明する。便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、以降の各実施形態では、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。公知技術と同様の事項についても、説明を適宜省略する。
なお、各図に示されている装置構成は、説明の便宜上のための単なる一例であることに留意されたい。明細書中において以下に述べる各数値も、単なる一例であることに留意されたい。なお、本明細書では、2つの数AおよびBについての「A〜B」という記載は、特に明示されない限り、「A以上かつB以下」を意味するものとする。また、本明細書では、特に明示されない限り、「接続されている」とは、「電気的に接続されている」ことを意味する。
(電気機器100の概要)
図1は、電気機器100の概略的な構成を示す図である。一例として、電気機器100は、公知の家電機器である。実施形態1の例では、電気機器100が空気調和機である。電気機器100は、モータ制御システム1とモータ13とファン14(負荷機械)とを備えている。電気機器100は、外部の交流電源10に接続されている。
一例として、交流電源10は、商用電源である。交流電源10から電気機器100には、所定の交流電圧(以下、第1交流電圧)が供給される。図1の例では、交流電源10は3相交流電源である。このため、モータ13は、3相交流モータである。一例として、モータ13は、3相交流IM(Induction Motor,誘導電動機)である。
以下の説明では、第1交流電圧の周波数を、第1周波数とも称する。第1周波数は、電源周波数と称されてもよい。以下、第1周波数(電源周波数)を、fとして表す。実施形態1では、第1交流電圧が「大きさ(振幅)200V、周波数50Hz」の正弦波である場合を例示する。つまり、f=50Hzである場合を例示する。また、第1周波数の周期を、Tとして表す。T=1/fである。本例では、T=20msである。
以下に述べるように、モータ制御システム1は、第1交流電圧を変換し、当該第1交流電圧とは別の交流電圧(第2交流電圧)を生成する。モータ制御システム1は、第2交流電圧をモータ13に供給することにより、モータ13を所定の回転数(回転速度)で回転させることができる。以下、モータ13の回転数(モータ回転数)を、Nとして表す。モータ13は、ファン14を駆動するために、当該ファン14に機械的に接続されている。図1の例では、ファン14に、モータ13のシャフトに直結されている。それゆえ、ファン14を、モータ13と同じ回転数Nで回転させることができる。
本明細書では、Nの単位としては、rpm(round per minute)またはrps(round per second)を用いる。なお、rps単位でのNは、モータ13の機械的な回転周波数とも表現できる。このため、モータ13の機械的な回転周波数を説明する場合には、1rps=1Hzとして、適宜読み替えるものとする。
モータ制御システム1は、コンバータ11、インバータ12、電圧測定装置15、および制御装置16を備えている。コンバータ11は、AC(Alternative Current,交流)/DC(Direct Current,直流)コンバータである。コンバータ11は、整流回路110および平滑コンデンサ111を有している。コンバータ11は、第1交流電圧を整流および平滑化することにより、所定の直流電圧(以下に述べるVdc)を生成する。
図1の例では、整流回路110は、3相全波整流回路を構成する。整流回路110は、公知の複数の整流素子(例:ダイオード)によって構成されている。整流回路110は、第1交流電圧を整流し、全波整流電圧(予備的な直流電圧)を生成する。平滑コンデンサ111は、当該全波整流電圧を平滑化し、平滑化直流電圧を生成する。このように、整流回路110は、第1交流電圧を順変換することにより、平滑化直流電圧を生成する。整流回路110は、直流電流としての当該平滑化直流電圧を、インバータ12に供給する。
以下、当該平滑化直流電圧を、Vdcとして表す。Vdcは、平滑コンデンサ111の端子間電圧とも表現できる。図1の例では、平滑コンデンサ111の正極は端子TT1に、平滑コンデンサ111の負極は端子TT2に、それぞれ接続されている。このため、Vdcは、端子TT1−TT2間の電圧とも表現できる。
インバータ12は、DC/ACインバータである。インバータ12は、端子TT1・TT2を介して、コンバータ11に接続されている。インバータ12は、電圧型インバータの一例である。インバータ12は、Vdcをスイッチングすることにより、3相交流電圧としての第2交流電圧を生成する。そして、インバータ12は、当該第2交流電圧をモータ13(より厳密には、モータ13の各相固定子巻線)に供給する。インバータ12は、公知の複数のスイッチング素子によって構成されている。当該スイッチング素子は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor,絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)とダイオード(還流ダイオード)とが並列接続されて構成されている。
以下の説明では、第2交流電圧の周波数を、第2周波数とも称する。第2周波数は、変換後周波数と称されてもよい。以下、第2周波数を、文字finvによって表す。インバータ12を設けることにより、所望の第2交流電圧(例:所望のfinvを有する交流電圧)を、モータ13に供給できる。従って、インバータ12の動作(各スイッチング素子のON/OFF)を制御することにより、モータ13の動作を制御できる。例えば、finvを適切に設定することにより、所望の回転数Nでモータを回転させることができる。
具体的には、インバータ12は、制御装置16の指令を受けて、モータ13を駆動する。つまり、以下に述べるように、制御装置16は、インバータ12を介してモータ13を制御(駆動)する。一例として、実施形態1では、PWM(Pulse Width Modulation,パルス幅変調)制御によって、モータ13が駆動される。この場合、制御装置16は、インバータ12にモータ13を駆動させるためのモータ駆動制御信号として、PWM信号を生成する。そして、制御装置16は、当該PWM信号をインバータ12に供給する。インバータ12は、PWM信号に基づいてモータ13を駆動する。
(電圧測定装置15)
電圧測定装置15は、直流電圧検出部151とリプル電圧検出部152を備える。一例として、電圧測定装置15は、オシロスコープ(例:デジタルオシロスコープ)であってよい。あるいは、ネットワークアナライザを、電圧測定装置15として用いてもよい。以下、図2を参照しつつ、電圧測定装置15の動作について説明する。図2は、リプル電圧(以下に述べるVrip)の検出方法について説明するための図である。図2のグラフにおいて、横軸は時刻(t)を、縦軸は電圧(V)を、それぞれ示す。
直流電圧検出部151は、平滑コンデンサ111の端子間電圧(すなわちVdc)を検出(測定)する。一例として、直流電圧検出部151は、端子TT1−TT2間の電圧を、Vdcとして検出する。図2には、Vdcの波形の一例が示されている。また、図2には、Vdcとの対比の便宜上、理想的な全波整流電圧の波形が示されている。
Vdcには、リプル成分(時間変動成分)がなるべく含まれないことが好ましい。リプル成分は、脈動成分とも称される。理想的には、リプル成分を含まないVdcが、コンバータ11によって生成されることが望ましい。しかしながら、実際には、モータ13の動作時には、コンバータ11によって、リプル成分が0のVdcを生成することはできない。リプル成分は、インバータ12のスイッチングに伴って、必然的に生じるためである。
そこで、以下の説明では、Vdcを、
Vdc=Vr+Vconst …(1)
と表現する。Vrは、リプル成分である。Vconstは、定数であり、時間によらず変動しない成分である。図2に示されるように、理想的な全波整流電圧の周期は、第1交流電圧の1/2倍の周期(第1交流電圧の半周期)である。つまり、当該全波整流電圧は、周期がT/2であり、周波数が2fである。
従って、Vdcは、上記全波整流電圧のある1つのパルスのピークと対応するように、1つの極大値を有する。また、Vdcは、上記当該全波整流電圧の次の1つのパルスと対応するように、1つの極小値を有する。図2に示されるように、Vdcは、理想的には、上記全波整流電圧と同じ周期(T/2)を有する。
すなわち、Vdcは、周期T/2に対応する所定の時間範囲において、最大値(Vmax)と最小値(Vmin)とを1つずつ有する。当該所定の時間範囲の長さは、T/2に等しくともよいし、T/2よりもやや長くともよい。図2では、上記所定の時間範囲において、Vmaxが生じる時刻をtmax、Vmminが生じる時刻をtminとして、それぞれ示している。
実際には、上記所定の時間範囲の長さは、後述するf0(基準周波数)に基づいて設定されればよい。まず、T0=1/f0を算出する。T0は、基準周期とも称される。そして、当該所定の時間範囲の長さを、T0/2を用いて設定すればよい。当該所定の時間範囲の長さは、T0/2に等しく設定されてもよいし、T0/2よりもやや長く設定されてもよい。
本明細書では、上記所定の時間範囲における、VmaxとVminとの差を、リプル電圧(Vrip)と称する。リプル電圧検出部152は、
Vrip=Vmax−Vmin …(2)
として、Vripを検出(算出)する。このように、Vripは、Vdcの1周期におけるピークトゥピーク値として定義される。なお、式(1)から理解されるように、Vripは、Vrの1周期におけるピークトゥピーク値とも表現できる。
(制御装置16)
制御装置16は、リプル電圧判定部161、電源周波数推定部162、およびインバータ制御部163を備える。Vripが高い場合、平滑コンデンサ111の劣化が進行しうる。このため、平滑コンデンサ111を保護するためには、Vripが高くなることを防止することが好ましい(特許文献1も参照)。
この点を踏まえ、本願の発明者(以下、発明者)は、「Vripに応じてモータ13の動作条件を変更することにより、平滑コンデンサ111を保護する」という新規な着想を見出した。モータ制御システム1は、当該着想に基づき構成されている。なお、電源周波数推定部162については、実施形態2にて述べる。
リプル電圧判定部161は、リプル電圧検出部152から、Vripの値を取得する。そして、リプル電圧判定部161は、Vripと予め設定されたリプル電圧閾値(以下、Vripth)との大小関係を比較する。具体的には、リプル電圧判定部161は、Vrip≧Vripthという条件が満たされているか否かを判定する。
Vripthは、(i)平滑コンデンサ111の保護、および、(ii)モータ13の駆動の少なくともいずれかに適するように設定されている限り、任意に設定されてよい。例えば、モータ13によっては、許容されるVripの上限値が、当該モータの製造者によって予め指定されている場合がある。Vripが高い場合、第2交流電圧に高調波成分が多く含まれることに起因して、モータ13の動作に不具合生じる可能性があるためである。
一例として、あるモータ13では、許容されるVripの上限値が、30Vとして指定されている。この場合、例えば、Vripth=30Vとして、Vripthが設定されてよい。このように、実施形態1では、Vripthは、30V(許容されるVripの上限値)以下の所定の電圧値として設定されることが好ましい。
インバータ制御部163は、インバータ12を介してモータ13を制御する。具体的には、インバータ制御部163は、リプル電圧判定部の判定結果に応じてモータ駆動制御信号(例:PWM信号)を生成し、当該モータ駆動制御信をインバータ12に供給する。このように、インバータ制御部163は、Vripに応じてモータ13を制御できる。
より具体的には、インバータ制御部163は、Vrip≧Vripthである場合には、Nを低下させるように、インバータ12を駆動する。すなわち、インバータ制御部163は、finvを低下させるようにモータ駆動制御信号を生成し、当該モータ駆動制御信をインバータ12に供給する。
ここで、モータ13のトルクをTM、負荷機械(例:ファン14)のトルクをTLと、それぞれ称する。一般に、モータ13によってファン14を駆動する場合、Nは、(i)モータ13のトルクスピードカーブ(NとTMとの間の関係を示す特性)(以下、TSCM)と、(ii)負荷機械のトルクスピードカーブ(NとTLとの間の関係を示す特性)(以下、TSCL)と、に応じて決定される。具体的には、Nは、TSCMとTSCLとの交点(運転点)における回転数として決定される。つまり、Nは、TM=TLという条件が満たされる所定の回転数として決定される。
一般に、ファン14のTSCLは、TL∝Nの関係によって表される。これに対し、TSCMでは、Nの変化に応じたTMの変化は、TSCLに比べて複雑である。但し、TSCMの形状は、finvに応じて変化させることが可能である。一例として、簡単のため、第2交流電圧の大きさが一定である場合を考える。この場合、例えば、finvを増加させることにより、finvを増加させる前に比べて、TMを小さくできる。
一例として、finv=finv1である場合に、運転点が、「TM=TL=T1、かつ、N=N1」であったとする。そして、finv=finv2に変更された場合に、運転点が、「TM=TL=T2、かつ、N=N2」に推移したとする。なお、finv1<finv1であるとする。
この場合、TMとfinvとの間の関係を考えると、T1>T2である。また、TLとNとの関係を考慮すれば、N1>N2である。このように、finvをfinv1からfinv2へと増加させることにより、NをN1からN2へと低下させるように運転点を変更できる。つまり、TをT1からT2へと低下させることができる。このように運転点を変更させた場合、ファン14の出力PLを低減できる。上記TSCLを考慮すれば、PL∝Nの関係が成立するためである。
このようにPLを低下させたことに伴い、モータ13に供給される電力(入力電力)の大きさを低減できる。その結果、例えば、インバータ12に入力される電流(インバータ入力電流)(以下、Iinv)の大きさを低減できる。そして、Iinvを低減させたことに伴い、Vripを低減させることができる。Iinvが小さい場合には、Iinvが大きい場合に比べ、PWM信号のデューティサイクル(デューティ比とも称される)が小さく設定されるためである。
(実験例)
図3は、発明者による実験結果を示すグラフである。図3の(a)〜(f)にはそれぞれ、Nを異なる値に設定した場合に、電気機器100において測定されたVdcおよびIinvの波形が示されている。具体的には、
・図3の(a):N=2500rpmの場合のグラフ;
・図3の(b):N=2400rpmの場合のグラフ;
・図3の(c):N=2200rpmの場合のグラフ;
・図3の(d):N=2000rpmの場合のグラフ;
・図3の(e):N=1800rpmの場合のグラフ;
・図3の(f):N=1400rpmの場合のグラフ;
の通りである。
図3のグラフにおいて、横軸は時刻を示す。また、縦軸は電流および電圧をそれぞれ示す。図3の各グラフでは、電圧目盛の単位は「50V/div」であり、電流目盛の単位は「200mA/div」であり、時間目盛の単位は「5ms/div」である。
図3に示されるように、Nを小さくするにつれて、Iinvが小さくなる傾向が確認された。図3のIinvは、TM(またはTL)の大きさを示す指標の1つであると言える。加えて、Nを小さくするにつれて、Vdcのピークトゥピーク値が小さくなる傾向が確認された。すなわち、Nの低下に伴って、Vripを低減できることが確認された。
(効果)
特許文献1のシステムでは、平滑コンデンサの劣化の程度を示す指標として、リプル電圧の積分値(リプル電圧積分値)が使用されていた。具体的には、特許文献1のシステムでは、リプル電圧積分値が所定の閾値を越えた場合に、平滑コンデンサが劣化していることを示す異常信号が出力される。
但し、特許文献1は、リプル電圧自体をどのように低減させるか(平滑コンデンサ自体をどのように保護するか)については、具体的な手法を何ら言及していない。このように、従来技術では、平滑コンデンサを保護するための具体的な手法について、改善の余地があった。
これに対し、モータ制御システム1によれば、Vrip≧Vripthである場合に、Nを低下させるようにインバータ12を駆動できる。これにより、上述の通り、Nの低下に伴って、Vripを低下させることができる。このため、モータ13の運転中に、平滑コンデンサ111に過大なVripが印加されることを防止できる。それゆえ、平滑コンデンサ111を、従来よりも確実に保護することが可能となる。
一例として、ある時点において、Vrip≧Vripthであると判定された場合を考える。この場合、モータ制御システム1は、Vrip<Vripthとなるまで、Nを低下させるようにインバータ12を駆動する。このようにNを低下させることにより、VripをVripth(例:30V)よりも小さい電圧値まで低減させた上で、モータ13の運転を継続できる。それゆえ、平滑コンデンサ111をさらに確実に保護できる。
(運転例)
上述の通り、Vripは、Nが大きくなるにつれて、増加する傾向にある。一例として、Nを2000rpmまで増加させた場合に、Vripが30V(すなわちVripth)に達したケースを考える。
この場合、インバータ制御部163は、所定の回転数ΔNだけNを低下させるように、インバータ12を駆動する。一例として、ΔN=50rpmである。この場合、まず、インバータ制御部163は、Nを1950rpmに変化させる。そして、リプル電圧検出部152は、N=1950rpmにおけるVripを検出する。続いて、リプル電圧判定部161は、当該Vripが30Vよりも小さいかを確認する。以下、Vripが30V(Vripth)よりも小さくなるまで、「ΔNずつ減速→Vripの検出→VripとVripthとの大小比較」の処理を繰り返す。
なお、モータ制御システム1では、Vripthに対するマージン値(以下、Vripthm)がさらに設定されてもよい。Vripthmは、Vripthよりも小さい値として設定されてよい。一例として、Vripthmは、Vripthの90%の大きさに設定されてよい。本例の場合、Vripthm=30V×0.9=27Vである。
上記のように、VripがVripthに達した場合を考える。この場合、モータ制御システム1は、Vripが27V(Vripthm)よりも小さくなるまで、「ΔNずつ減速→Vripの検出→VripとVripthmとの大小比較」の処理を繰り返してもよい。このようにモータ13を減速させることにより、平滑コンデンサ111に印加される電圧を、Vripthよりもさらに小さくできる。その結果、平滑コンデンサ111をより確実に保護できる。
なお、VripがVripthmよりも小さくなった後には、モータ制御システム1は、VripをVripthよりもわずかに低い値まで増加させるように、Nを再び増加させてもよい。このようにモータ13を駆動することにより、平滑コンデンサ111を保護しつつ、モータ13をなるべく高速で回転させることができる。つまり、平滑コンデンサ111の劣化に支障がないと考えられる範囲で、モータ13を駆動になるべく大きいトルクを出力させることができる。すなわち、平滑コンデンサ111を保護しつつ、ファン14の出力PLを最大化できる。
〔実施形態2〕
理想的には、交流電源10は、安定した動作を継続することが望ましい。つまり、fは、一定値(例:50Hz)に維持されることが好ましい。但し、実際には、交流電源10の安定性は、様々な要因によって阻害されうる。このため、例えば、fが変化することも考えられる。モータ13を駆動する場合には、このようなfの変化をさらに考慮することが好ましい。fの変化は、モータ13の動作状態に影響を及ぼしうるためである。
但し、第1交流電圧の実際の波形を分析してfを検出するためには、モータ制御システム1の各部の構成を複雑化することを要する。つまり。モータ制御システム1のコストの増加を要する。そこで、発明者は、このようなコストの増加を避けるべく、「なるべく簡易な構成によって、fを推定する(fの推定値を算出する)」という着想を新たに見出した。電源周波数推定部162は、当該着想に基づき構成されている。
(第1周波数推定値の算出)
実施形態2では、リプル電圧検出部152は、上記所定の時間範囲におけるtmaxとtminとをさらに検出する。以下の説明では、tmaxを最大時点、tminを最小時点とも、それぞれ称する。以下の説明では、tmax<tminであるものとする。つまり、第2時点は、第1時点よりも後の時点であるものとする。
電源周波数推定部162は、リプル電圧検出部152から、tmaxおよびtminのそれぞれの値を取得する。そして、電源周波数推定部162は、最大時点と最小時点との時間間隔に基づいて、fの推定値を算出する。以下、当該時間間隔を、Δt=|tmax−tmin|として表す。本例では、tmax<tminであるので、Δt=tmin−tmaxである。また、電源周波数推定部162によって算出されるfの推定値を、fsとして表す。fsは、第1周波数推定値とも称される。
図2から理解できるように、ΔtとTとの間には、理想的には、
Δt=T/2
=1/(2×f) …(3)
という関係が成立する。すなわち、Δtとfとの間には、理想的には、
f=1/(2×Δt) …(4)
という関係が成立する。そこで、電源周波数推定部162は、
fs=1/(2×Δt) …(5)
として、fsを算出してよい。一例として、Δt=10.5msである場合、fs=47.6Hzである。
このように、電源周波数推定部162によれば、第1交流電圧の実際の波形を測定することなく、fを推定できる。「Vdcの波形(換言すれば、リプル成分の波形)に着目して、fsを算出する」という着想は、発明者によって新たに見出された。
(禁止回転数を考慮したモータ駆動)
ところで、f(単位:Hz)とN(単位:Hz)との間に所定の関係が成立する場合、モータ13の騒音が増加しやすいことが知られている。具体的には、(i)Nがfの整数倍である場合、または、(ii)Nがfの所定の分数倍である場合には、モータ13の騒音が増加しやすいことが知られている。当該騒音の原因の一例としては、モータ13の電気系と機械系との間の共振が挙げられる。
以下、上記所定の関係が成立するNを、モータ13の禁止回転数(以下、Nf)と称する。当該禁止回転数は、「モータ13の運転時に、避けることが好ましい回転数」とも表現できる。モータ13の騒音を低減するためには、当該モータ13を回転数Nfで回転させないことが好ましい。
モータ13の禁止回転数は、当該モータ13の運転に適した速度範囲において、少なくとも1つ(多くの場合、複数)存在しうることが知られている。一例として、f=50Hzの場合には、複数の禁止回転数には、主に以下の7通りの禁止回転数が含まれうることが知られている。具体的には、
・第1禁止回転数:100Hz(fの2/1倍,すなわちfの2倍);
・第2禁止回転数:50Hz(fの2/2倍,すなわちfの1倍);
・第3禁止回転数:33Hz(fの2/3倍);
・第4禁止回転数:25Hz(fの2/4倍,すなわちfの1/2倍);
・第5禁止回転数:20Hz(fの2/5倍);
・第6禁止回転数:17Hz(fの2/6倍,すなわちfの1/3倍);
・第7禁止回転数:14Hz(fの2/7倍);
の通りである。本例では、7つの禁止回転数のそれぞれを、回転数が大きい方から順に、第1禁止回転数〜第7禁止回転数と称している。
以上のように、kを任意の自然数とした場合、第k禁止回転数(以下、Nfkと称する)は、
Nfk=(2/k)×f
として表される。
そこで、Nfkとfとの上記関係性を踏まえ、電源周波数推定部162は、fsに基づいて、複数の禁止回転数のそれぞれを算出してもよい。具体的には、電源周波数推定部162は、
Nfk=(2/k)×fs
として、fsに基づいてNfkを算出してもよい。
一例として、電源周波数推定部162は、
Nf1=2×fs
Nf2=fs
Nf3=(2/3)×fs
Nf4=(1/2)×fs
Nf5=(2/5)×fs
Nf6=(1/3)×fs
Nf7=(2/7)×fs
として、Nf1〜Nf7(第1禁止回転数〜第7禁止回転数)を算出する。
実施形態2では、インバータ制御部163は、電源周波数推定部162によって算出された各Nf(例:Nf1〜Nf7)に基づき、モータ13を駆動する。具体的には、インバータ制御部163は、Nを各Nfのいずれにも一致させないように、インバータ12を駆動する。このように各Nfを避けてモータ13を運転することにより、当該モータ13の騒音を低減することが可能となる。
(禁止回転数帯を考慮したモータ駆動)
モータ13の騒音をより効果的に低減するためには、Nを各Nfからある程度離間させるように、当該モータ13を運転することが好ましい。NがあるNf(例:Nf1)に近い場合、周波数(f−Nf1)のうなりが、騒音として発生しうるためである。そこで、各Nfに1対1に対応するように、禁止回転数帯を設定することがさらに好ましい。禁止回転数帯とは、「モータ13の運転時に、避けることが好ましい回転数帯」とも表現できる。
以下、第1禁止回転数〜第7禁止回転数のそれぞれに対応する禁止回転数帯を、第1禁止回転数帯〜第7禁止回転数帯と称する。電源周波数推定部162は、第1禁止回転数帯〜第7禁止回転数帯をさらに設定してもよい。各禁止回転数帯は、上記うなりの発生が高いと考えられる回転数帯である限り、任意に設定されてよい。
一例として、各禁止回転数帯は、「当該禁止回転数帯に属する禁止回転数を中心とした、当該禁止回転数の±5%の範囲」として設定されてよい。この場合、例えば、電源周波数推定部162は、第1禁止回転数帯を、「0.95×Nf1〜1.05×Nf1」という回転数帯として設定する。一例として、Nf1=100Hzの場合には、第1禁止回転数帯は、95Hz〜105Hz(rpm換算すれば、5700rpm〜6300rpm)である。同様に、電源周波数推定部162は、第2禁止回転数帯〜第7禁止回転数帯のそれぞれを、Nf2〜Nf7に基づいて設定する。
この場合、インバータ制御部163は、Nが第1禁止回転数帯〜第7禁止回転数帯のいずれの禁止回転数帯にも属しないように、モータ13を制御する(より具体的には、インバータ12を駆動する)。上記の例の場合、インバータ制御部163は、Nを、Nf1〜Nf7のそれぞれから5%以上相違させるように、モータ13を制御する。このように各禁止回転数帯を避けてモータ13を運転することにより、当該モータ13の騒音をより効果的に低減することが可能となる。
〔実施形態3〕
fが基準値(例:50Hz)から大きく乖離した場合には、モータ13の動作状態への悪影響が顕著になると懸念される。一般に、モータ13は、上記基準値を定格周波数として設計されているためである。従って、このような場合には、モータ13を停止することが好ましい。但し、上述の通り、モータ制御システム1には、fを直接的に検出するための構成は割愛されている。
そこで、モータ制御システム1では、fの基準値(想定値)としての基準周波数(以下、f0)が、予め設定されていることが好ましい。f0の値は、モータ制御システム1の製造者によって、任意の定数として設定されてよい。以下の説明では、f0=50Hzに設定されている場合を例示する。
電源周波数推定部162は、f0に基づいて、fsの許容周波数帯を設定してよい。許容周波数帯は、モータ13の運転時に許容される(モータ13への悪影響がそれほど大きくない)と考えられる周波数帯である限り、任意に設定されてよい。一例として、許容周波数範囲は、「基準周波数を中心とした、当該基準周波数の±10%の範囲」として設定されてよい。
つまり、許容周波数範囲の下限値は、f0よりも10%低い周波数(すなわち、0.9×f0)として設定されてよい。また、許容周波数範囲の上限値は、f0よりも10%高い周波数(すなわち、1.1×f0)として設定されてよい。上記の例の場合、電源周波数推定部162は、許容周波数帯を、「0.9×f0〜1.1×f0」という周波数帯として設定する。f0=50Hzの場合、許容周波数帯は、45Hz〜55Hzである。
この場合、インバータ制御部163は、fsが許容周波数帯を逸脱した場合には、モータ13を停止する。具体的には、インバータ制御部163は、インバータ12を停止することにより、モータ13を停止させる。一例として、上述の式(5)によれば、Δt=11.5msである場合、fs=43.5Hzである。従って、この場合、インバータ制御部163は、モータ13を停止させる。
このように、実施形態3によれば、fが基準値から大きく乖離した場合(例:交流電源10の安定性が一時的に損なわれた場合)に、モータ13を停止させることにより、当該モータ13を保護できる。また、モータ13を停止させることにより、平滑コンデンサ111を保護することもできる。モータ13を停止させた場合には、インバータ12の停止に伴い端子TT1−TT2間が開放状態となるので、Vripが0と見なせる程度に小さくなるためである。
ところで、交流電源10および電気機器100の少なくともいずれかに、比較的大きいトラブルが発生した場合、そもそもモータ制御システム1によってfsを算出できなくなる可能性も考えられる。例えば、交流電源10が一時停止された場合、1次交流電圧がモータ制御システム1に供給されなくなる。このような場合、電圧測定装置15においてVdcを適切に検出できなくなる可能性がある。このような状況下で、モータ13の動作を継続させた場合、当該モータ13に不具合が生じることも考えられる。
従って、上記のような状況下では、モータ13を停止することが好ましい。そこで、インバータ制御部163は、電源周波数推定部162においてfsが算出されなかった場合にも、モータ13を停止させることが好ましい。これにより、モータ13および平滑コンデンサ111をより確実に保護できる。
〔変形例〕
(1)上記の説明では、モータ13がIMである場合を例示した。但し、モータ13として、SM(Synchronous Motor,同期電動機)を用いることもできる。インバータ12を介してモータ13の回転数を変更できる限り、当該モータ13として任意の種類のモータを使用できる。
(2)上記の説明では、負荷機械がファン(流体機械の一例)である場合を例示した。但し、当該負荷機械は、ファンに限定されず、ポンプ等のその他の流体気体であってもよい。ファンの例と同様に、多くの流体機械におけるTSCLは、TL∝Nの関係を有するためである。従って、電気機器100は、空気調和機に限定されず、例えばポンプを有する洗濯機(家電機器の別の例)であってもよい。
(3)また、負荷機械のTSCLは、必ずしも「TL∝N」型に限定されない。一例として、当該TSCLは、「TL∝N」型であってもよい。例えば、Nの増加に伴ってTLが単調増加するタイプのTSCLであれば、実施形態1と同様の説明が当てはまるためである。
(4)さらに、TSCLは、Nの増加に伴ってTLが単調増加するタイプに限定されなくともよい。TSCL(TLとNとの間の関係)が既知である限り、任意の負荷機械を適用可能である。モータ制御システム1は、Nを変化させることによってTMを低減するように、負荷機械の既知のTSCLに応じてモータ13を制御できればよい。
(5)上記の説明では、負荷機械をモータ13と同じ回転数(N)で回転させる場合を例示した。但し、負荷機械の回転数は、モータ回転数と1対1に対応してさえいればよい。つまり、負荷機械を、必ずしもモータ13と同じ回転数で回転させなくともよい。例えば、公知の機械的な変速機構(例:変速ギア)を介して、モータ13によって負荷機械を回転させてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
電気機器100の制御ブロック(特に制御装置16)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、電気機器100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の一態様の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るモータ制御システム(1)は、モータ(13)を制御するモータ制御システムであって、整流回路(110)と平滑コンデンサ(111)とを含んだコンバータ(11)であって、交流電源(10)から供給された第1交流電圧を整流および平滑化することにより、直流電圧(Vdc)を生成する前記コンバータと、上記直流電圧をスイッチングすることにより生成した第2交流電圧を、上記モータに供給するインバータ(12)と、上記直流電圧として、上記平滑コンデンサの端子間電圧を検出する電圧測定装置(15)と、上記インバータを介して上記モータを制御する制御装置(16)と、を備えており、上記電圧測定装置は、上記第1交流電圧の半周期に対応する所定の時間範囲における、上記直流電圧の最大値(Vmax)と最小値(Vmin)との差を、リプル電圧(Vrip)として検出し、上記制御装置は、上記リプル電圧が予め設定されたリプル電圧閾値(Vripth)以上である場合に、上記モータの回転数(N)を低下させるように上記インバータを駆動する。
上記の構成によれば、Nを低下させることにより、Vripを低減できる。このため、モータの運転中に、平滑コンデンサに過大なVripが印加されることを防止できる。それゆえ、従来よりも確実に平滑コンデンサを保護できる。
本発明の態様2に係るモータ制御システムでは、上記態様1において、上記制御装置は、上記リプル電圧が上記リプル電圧閾値よりも小さくなるまで、上記モータの回転数を低下させることが好ましい。
上記の構成によれば、さらに確実に平滑コンデンサを保護できる。
本発明の態様3に係るモータ制御システムでは、上記態様1または2において、上記リプル電圧閾値は、30V以下の所定の電圧値として設定されていてもよい。
上記の構成によれば、具体的に設定されたリプル電圧閾値に基づき、平滑コンデンサを保護できる。上述のように、当該リプル電圧閾値は、モータの保護にも好適である。
本発明の態様4に係るモータ制御システムでは、上記態様1から3のいずれか1つにおいて、上記所定の時間範囲において、上記最大値が生じた時点を最大時点(tmax)とし、上記最小値が生じた時点を最小時点(tmin)として、上記制御装置は、上記最大時点と上記最小時点との間の時間間隔(Δt)に基づき、上記第1交流電圧の周波数の推定値である第1周波数推定値を算出し、上記第1周波数推定値に基づき、上記モータの回転数について少なくとも1つの禁止回転数を算出し、上記モータの回転数を上記少なくとも1つの禁止回転数のいずれにも一致させないように、上記モータを制御することが好ましい。
上記の構成によれば、各Nfを避けてモータを運転することにより、当該モータの騒音を低減できる。また、fsに基づいて(f自体を検出することなく)、各Nfを設定できるので、モータ制御システムの複雑化を避けることもできる。
本発明の態様5に係るモータ制御システムでは、上記態様4において、上記制御装置は、上記モータの回転数を、上記少なくとも1つの禁止回転数のそれぞれから5%以上相違させるように、当該モータを制御することが好ましい。
上記の構成によれば、各禁止回転数帯を避けてモータを運転することにより、上記モータの騒音をさらに低減できる。
本発明の態様6に係るモータ制御システムでは、上記態様4または5において、上記少なくとも1つの禁止回転数には、第1禁止回転数と第2禁止回転数と第3禁止回転数とが含まれており、上記第1周波数推定値をfs(単位:Hz)とし、上記第1禁止回転数をNf1(単位:Hz)とし、上記第2禁止回転数をNf2(単位:Hz)とし、上記第3禁止回転数をNf3(単位:Hz)として表した場合、上記制御装置は、
Nf1=2×fs
Nf2=fs
Nf3=(2/3)×fs
として、上記第1禁止回転数と上記第2禁止回転数と上記第3禁止回転数とを算出することが好ましい。
上記の構成によれば、fsに基づいて、主要な禁止回転数(第1禁止回転数〜第3禁止回転数)を具体的に設定できる。
本発明の態様7に係るモータ制御システムでは、上記態様4から6のいずれか1つにおいて、上記制御装置は、(i)上記第1周波数推定値が予め設定された許容周波数帯を逸脱した場合、または、(ii)上記第1周波数推定値を算出できなくなった場合に、上記モータを停止させることが好ましい。
上述のように、(i)または(ii)の場合には、モータの運転を持続することが好ましくないと懸念される。そこで、上記の構成によれば、モータを停止することにより、当該モータを保護できる。さらに、モータを停止させることにより、平滑コンデンサを保護することもできる。
本発明の態様8に係るモータ制御システムでは、上記態様7において、上記第1周波数の基準値としての基準周波数(f0)が予め設定されており、(i)上記許容周波数帯の下限値は、上記基準周波数よりも10%低い周波数であり、(ii)上記許容周波数帯の上限値は、上記基準周波数よりも10%高い周波数であることが好ましい。
上記の構成によれば、f0に基づいて具体的に設定された許容周波数帯を用いて、モータを停止させることができる。
本発明の態様9に係る電気機器(100)は、上記態様1から8のいずれか1つに係るモータ制御システムと、上記モータと、を備えていることが好ましい。
〔付記事項〕
本発明の一態様は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の一態様の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 モータ制御システム
10 交流電源
11 コンバータ
12 インバータ
13 モータ
14 ファン(負荷機械)
15 電圧測定装置
16 制御装置
100 電気機器
110 整流回路
111 平滑コンデンサ
151 直流電圧検出部
152 リプル電圧検出部
161 リプル電圧判定部
162 電源周波数推定部
163 インバータ制御部
f 第1周波数(第1交流電圧の周波数,電源周波数)
fs 第1周波数推定値
f0 基準周波数
Vdc 直流電圧
Vmax 所定の時間範囲におけるVdcの最大値
Vmax 所定の時間範囲におけるVdcの最小値
Vrip リプル電圧
Vripth リプル電圧閾値
N 回転数(モータの回転数)
Nf 禁止回転数
Nf1〜Nf7 禁止回転数(第1禁止回転数〜第7禁止回転数)
tmax 最大時点
tmin 最小時点
Δ 最大時点と最小時点との間の時間間隔

Claims (9)

  1. モータを制御するモータ制御システムであって、
    整流回路と平滑コンデンサとを含んだコンバータであって、交流電源から供給された第1交流電圧を整流および平滑化することにより、直流電圧を生成する前記コンバータと、
    上記直流電圧をスイッチングすることにより生成した第2交流電圧を、上記モータに供給するインバータと、
    上記直流電圧として、上記平滑コンデンサの端子間電圧を検出する電圧測定装置と、
    上記インバータを介して上記モータを制御する制御装置と、を備えており、
    上記電圧測定装置は、上記第1交流電圧の半周期に対応する所定の時間範囲における、上記直流電圧の最大値と最小値との差を、リプル電圧として検出し、
    上記制御装置は、上記リプル電圧が予め設定されたリプル電圧閾値以上である場合に、上記モータの回転数を低下させるように上記インバータを駆動する、モータ制御システム。
  2. 上記制御装置は、上記リプル電圧が上記リプル電圧閾値よりも小さくなるまで、上記モータの回転数を低下させる、請求項1に記載のモータ制御システム。
  3. 上記リプル電圧閾値は、30V以下の所定の電圧値として設定されている、請求項1または2に記載のモータ制御システム。
  4. 上記所定の時間範囲において、
    上記最大値が生じた時点を最大時点とし、
    上記最小値が生じた時点を最小時点として、
    上記制御装置は、
    上記最大時点と上記最小時点との間の時間間隔に基づき、上記第1交流電圧の周波数の推定値である第1周波数推定値を算出し、
    上記第1周波数推定値に基づき、上記モータの回転数について少なくとも1つの禁止回転数を算出し、
    上記モータの回転数を上記少なくとも1つの禁止回転数のいずれにも一致させないように、上記モータを制御する、請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ制御システム。
  5. 上記制御装置は、上記モータの回転数を、上記少なくとも1つの禁止回転数のそれぞれから5%以上相違させるように、上記モータを制御する、請求項4に記載のモータ制御システム。
  6. 上記少なくとも1つの禁止回転数には、第1禁止回転数と第2禁止回転数と第3禁止回転数とが含まれており、
    上記第1周波数推定値をfs(単位:Hz)とし、
    上記第1禁止回転数をNf1(単位:Hz)とし、
    上記第2禁止回転数をNf2(単位:Hz)とし、
    上記第3禁止回転数をNf3(単位:Hz)として表した場合、
    上記制御装置は、
    Nf1=2×fs
    Nf2=fs
    Nf3=(2/3)×fs
    として、上記第1禁止回転数と上記第2禁止回転数と上記第3禁止回転数とを算出する、請求項4または5に記載のモータ制御システム。
  7. 上記制御装置は、
    (i)上記第1周波数推定値が予め設定された許容周波数帯を逸脱した場合、または、
    (ii)上記第1周波数推定値を算出できなくなった場合に、
    上記モータを停止させる、請求項4から6のいずれか1項に記載のモータ制御システム。
  8. 上記第1周波数の基準値としての基準周波数が予め設定されており、
    上記許容周波数帯の下限値は、上記基準周波数よりも10%低い周波数であり、
    上記許容周波数帯の上限値は、上記基準周波数よりも10%高い周波数である、請求項7に記載のモータ制御システム。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のモータ制御システムと、
    上記モータと、を備えた電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114629417A (zh) * 2022-05-11 2022-06-14 深圳库马克科技有限公司 一种变频器晃电的控制方法及控制装置

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