JP2020094902A - 被加工物の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を落とすことなく、内部加工プロセスにおいて被加工物の表面でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査することを可能にする被加工物の検査方法を提供すること。【解決手段】被加工物の検査方法は、加工前測定ステップST1と、改質層形成ステップST2と、加工後測定ステップST3と、判断ステップST4と、を備える。判断ステップST4は、加工前測定ステップST1と加工後測定ステップST3でそれぞれ、加工用レーザー光線を照射して被加工物内部に改質層を形成する改質層形成ステップST2の前後に被加工物の分割予定ラインに検査用レーザー光線を照射して測定した反射光量の差が事前に設定したしきい値を上回る場合は改質層が被加工物内部に正常に形成されなかったと判断するステップである。【選択図】図3

Description

本発明は、内部加工された被加工物の加工結果を確認する被加工物の検査方法に関する。
被加工物にレーザー光線を照射することで、被加工物の上面高さ位置を検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−070920号公報
被加工物の内部に改質層を形成する内部加工プロセスにおいて、被加工物上に異物が付着、または前工程で被加工物表面に一部付着物がのってしまっているなどの場合、被加工物表面でアブレーションを起こしてしまう場合がある。また、一般的には、被加工物の表面に形成された複数の分割予定ラインによって格子状に区画されてデバイスが形成されたデバイス領域の検査は行っているが、分割予定ラインがアブレーションを起こしているか否かの検査は行っていなかった。しかし、前工程へのフィードバックや原因究明、またデバイス設計の参考にするため、被加工物のどの位置でアブレーションが発生しているかを特定したいという要望が出てきている。
しかしながら、カーフチェック機能を利用してアブレーションの検査を試みる場合、被加工物の画像取得に時間がかかるため、生産性が落ちてしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、生産性を落とすことなく、内部加工プロセスにおいて被加工物の表面でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査することを可能にする被加工物の検査方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る被加工物の検査方法は、チャックテーブルに保持された被加工物の分割予定ラインに検査用レーザー光線を照射し反射光量を測定する加工前測定ステップと、該被加工物に対して透過性を有する波長の加工用レーザー光線を該被加工物の内部に集光点を合わせた状態で該分割予定ラインに沿って照射し該被加工物内部に改質層を形成する改質層形成ステップと、該改質層形成ステップの実施後に、該検査用レーザー光線を該分割予定ラインに照射し反射光量を測定する加工後測定ステップと、該加工前測定ステップと該加工後測定ステップとにおける該反射光量の差が事前に設定したしきい値を上回る場合は該改質層が該被加工物内部に正常に形成されなかったと判断する判断ステップと、を備えるものである。
本発明に係る被加工物の検査方法は、内部加工プロセスの前後で、検査用レーザー光線を用いて被加工物からの反射光量を測定して比較し、反射光量の差がしきい値を上回った場合、アブレーションが発生していると判断するため、被加工物を撮像する方法と比較して生産性を落とすことなく素早く、内部加工プロセスにおいて被加工物の表面でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る被加工物の検査方法を実施する被加工物の検査装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1の被加工物の検査装置のレーザー照射ユニットの構成例を示す概略構成図である。 図3は、実施形態に係る被加工物の検査方法のフローチャートである。 図4は、図3の加工前測定ステップを説明する部分側断面図である。 図5は、図3の改質層形成ステップを説明する部分側断面図である。 図6は、図3の加工後測定ステップを説明する部分側断面図である。 図7は、被加工物の表面が鏡面である場合の検査用レーザー光線の反射の状態を説明する説明図である。 図8は、被加工物の表面が粗面である場合の検査用レーザー光線の反射の状態を説明する説明図である。 図9は、加工前測定ステップ及び加工後測定ステップで測定される反射光量の測定結果の第1例を示すグラフである。 図10は、図9の反射光量を二値化処理した処理結果を示すグラフである。 図11は、加工前測定ステップ及び加工後測定ステップで測定される反射光量の測定結果の第2例を示すグラフである。 図12は、図11の反射光量を二値化処理した処理結果を示すグラフである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る被加工物の検査方法を実施する被加工物の検査装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1の被加工物の検査装置のレーザー照射ユニットの構成例を示す概略構成図である。なお、以下の説明に用いられるX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに垂直であるものとする。
まず、実施形態に係る被加工物の検査方法の検査対象である被加工物100について説明する。被加工物100は、図1に示すように、シリコン、サファイア、ガリウムなどを基板101とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハである。被加工物100は、基板101の表面102に形成された複数の分割予定ライン103によって格子状に区画された領域にデバイス104が形成されている。
被加工物100は、表面102の裏側の裏面105に基板101と径のほぼ同じ大きさの保護テープ109が貼着され、表面102側をZ軸方向の上側に向けて、保護テープ109を介して裏面105側をチャックテーブル10の保持面11で保持される。チャックテーブル10の保持面11で保持された被加工物100は、被加工物の検査装置1のレーザー照射ユニット20によって、分割予定ライン103に沿って、表面102側に検査用レーザー光線200(図2等参照)または加工用レーザー光線300(図2等参照)が照射される。
なお、被加工物100の基板101の材質、形状、構造、大きさ等に制限はなく、例えば、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる任意の形状の基板101を被加工物100として用いることもできる。また、デバイス104の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。さらに、被加工物100の基板101の表面102に、機能層としてのLow−k層ともいう低誘電率絶縁体被膜を積層し、低誘電率絶縁体被膜が回路を形成する導電体膜と積層されてデバイス104を形成する構成としてもよい。
次に、実施形態に係る被加工物の検査方法を実施する被加工物の検査装置1について説明する。被加工物の検査装置1は、図1に示すように、チャックテーブル10と、レーザー照射ユニット20と、撮像手段30と、制御ユニット70と、を含んで構成されている。
撮像手段30は、チャックテーブル10に保持された被加工物100の表面102を撮像するものである。撮像手段30は、チャックテーブル10に保持された被加工物100に対して、Z軸移動手段60によりレーザー照射ユニット20と一体にZ軸方向に移動自在に設けられている。撮像手段30は、チャックテーブル10に保持された被加工物100の表面102の画像を制御ユニット70に出力する。
被加工物の検査装置1は、さらに、チャックテーブル10とレーザー照射ユニット20とをX軸方向に相対移動させるX軸移動手段40と、チャックテーブル10とレーザー照射ユニット20とをY軸方向に相対移動させるY軸移動手段50と、チャックテーブル10とレーザー照射ユニット20とをZ軸方向に相対移動させるZ軸移動手段60と、を含んで構成されている。
チャックテーブル10は、図1及び図2に示すように、上面に平坦な保持面11を構成する吸着部12と、吸着部12を上面中央部の窪み部に嵌め込んで固定するテーブル本体13と、を備える。吸着部12は、多数のポーラス孔を備えたポーラスセラミックス等から構成された円盤形状であり、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続され、保持面11全体で、保護テープ109を介して被加工物100を吸引保持する。
なお、チャックテーブル10は、被加工物の検査装置1の装置本体2に設けられたテーブル移動基台3に着脱可能である。また、テーブル移動基台3は、X軸移動手段40によりX軸方向に移動自在に設けられかつY軸移動手段50によりY軸方向に移動自在に設けられているとともに図示しない基台駆動源によりZ軸方向と平行な中心軸線回りに回転自在に設けられている。
本実施形態では、チャックテーブル10として多数のポーラス孔を備えたポーラスセラミックス等から構成された吸着部12とテーブル本体13とを備える形態を例示したがこれに限るものではなく、例えば、吸引源の負圧をチャックテーブル10の保持面11に作用させる吸引溝を形成した構成としてもよい。
レーザー照射ユニット20は、図2に示すように、被加工物100を検査するために使用する検査用レーザー光線200と、被加工物100の内部をレーザー加工する内部加工プロセスに使用する加工用レーザー光線300とのうちいずれか一方のレーザー光線を、被加工物100の表面102に照射するものである。レーザー照射ユニット20は、図1に示すように、チャックテーブル10に保持された被加工物100に対して、Z軸移動手段60によりZ軸方向に移動自在に設けられている。
レーザー照射ユニット20は、図2に示すように、検査用レーザー光源21と、加工用レーザー光源22と、ダイクロイックミラー23と、ビームスプリッタ24と、受光素子25と、A/D変換器(Analog-Digital Converter)26と、を含んで構成されている。
検査用レーザー光源21は、被加工物100に対して反射性を有する波長の検査用レーザー光線200を光路27に向けて発振する。加工用レーザー光源22は、パルスレーザー光源であり、被加工物100に対して透過性を有し、検査用レーザー光線200とは異なる波長のパルス状の加工用レーザー光線300を光路28に向けて発振する。
ダイクロイックミラー23は、レーザー光線の波長に応じてレーザー光線を透過させたり反射したりする光学部材である。ダイクロイックミラー23は、検査用レーザー光線200の光路27と加工用レーザー光線300の光路28との交点付近に設けられており、検査用レーザー光線200を反射し、加工用レーザー光線300を透過する。
ビームスプリッタ24は、レーザー光線の進行方向に応じてレーザー光線を透過させたり反射したりする光学部材である。ビームスプリッタ24は、検査用レーザー光線200の光路27上における検査用レーザー光源21とダイクロイックミラー23との間に設けられており、検査用レーザー光源21が発振した検査用レーザー光線200を透過させる。また、ビームスプリッタ24は、検査用レーザー光線200が被加工物100の表面102で反射して、ダイクロイックミラー23から検査用レーザー光源21に向けて光路29を進行する反射光250を反射する。
受光素子25は、反射光250の光路29上におけるビームスプリッタ24よりも下流側、すなわちビームスプリッタ24による反射光250の反射方向の位置に設けられており、反射光250を検出する。
A/D変換器26は、受光素子25と電気的に接続して設けられており、受光素子25が検出した反射光250のアナログ情報をデジタル情報に変換して、反射光250の光量である反射光量の情報を取得する。
被加工物の検査装置1は、図1に示すように、被加工物100の検査条件やレーザー加工条件等に合わせて、被加工物の検査装置1を構成する構成要素である各部をそれぞれ制御する制御ユニット70を備える。制御ユニット70は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インタフェース装置とを有し、コンピュータプログラムを実行可能なコンピュータである。
制御ユニット70の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムをRAM上で実行して、被加工物の検査装置1を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を入出力インタフェース装置を介して被加工物の検査装置1の各構成要素に出力する。また、制御ユニット70は、被加工物100の検査やレーザー加工の動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが被加工物の検査装置1の動作指示及び検査内容やレーザー加工内容情報などを入力する際に用いる図示しない入力ユニットとが接続されている。
制御ユニット70は、図2に示すように、検査用レーザー光源21が発振する検査用レーザー光線200の強度等のレーザー光線に関する各種パラメータを制御することで、被加工物100の検査条件を制御する。また、制御ユニット70は、加工用レーザー光源22が発振する加工用レーザー光線300の強度等のレーザー光線に関する各種パラメータを制御することで、被加工物100のレーザー加工条件を制御する。
また、制御ユニット70は、図2に示すように、A/D変換器26から反射光250の反射光量の情報を取得する。制御ユニット70は、取得した反射光250の反射光量の情報に基づいて、内部加工プロセスにおいて被加工物100の表面102でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査する。
次に、実施形態に係る被加工物の検査方法を説明する。図3は、実施形態に係る被加工物の検査方法のフローチャートである。実施形態に係る被加工物の検査方法は、被加工物の検査装置1の動作の一例である。実施形態に係る被加工物の検査方法は、図3に示すように、加工前測定ステップST1と、改質層形成ステップST2と、加工後測定ステップST3と、判断ステップST4と、を備える。
図4は、図3の加工前測定ステップを説明する部分側断面図である。加工前測定ステップST1は、図4に示すように、チャックテーブル10に保持された被加工物100の分割予定ライン103に検査用レーザー光線200を照射し反射光量を測定するステップである。
加工前測定ステップST1では、まず、制御ユニット70が、レーザー照射ユニット20の検査用レーザー光源21により、チャックテーブル10に保持された被加工物100の分割予定ライン103に検査用レーザー光線200を照射する。加工前測定ステップST1では、次に、制御ユニット70が、検査用レーザー光線200が被加工物100の表面102で反射することによって発生した反射光250を受光素子25が検出することにより、A/D変換器26を介して、改質層形成ステップST2による被加工物100の内部加工プロセス前における反射光250の反射光量の情報を取得する。
加工前測定ステップST1では、制御ユニット70が、X軸移動手段40により、検査用レーザー光線200の照射位置及び反射光250の反射光量の測定位置を、分割予定ライン103に沿ってX軸方向に移動させることにより、1本の分割予定ライン103の全体に渡って反射光250の反射光量の測定を実行する。
加工前測定ステップST1では、制御ユニット70が、さらに、測定した反射光250の反射光量の情報に基づいて、次の改質層形成ステップST2で必要になる被加工物100のうねり情報、すなわち被加工物100の表面102のZ軸方向の高さ情報を取得する。なお、本実施形態1では、加工前測定ステップST1において、全ての分割予定ライン103の表面高さを所定間隔毎に測定する。
被加工物の検査方法は、任意の分割予定ライン103の改質層形成ステップST2による被加工物100の内部加工プロセス前における反射光250の反射光量の情報を取得すると、改質層形成ステップST2に進む。
図5は、図3の改質層形成ステップを説明する部分側断面図である。改質層形成ステップST2は、図5に示すように、被加工物100に対して透過性を有する波長のパルス状の加工用レーザー光線300を、被加工物100の内部に集光点を合わせた状態で分割予定ライン103に沿って照射し、被加工物100の内部に改質層350を形成するステップである。
改質層形成ステップST2では、制御ユニット70が、加工前測定ステップST1で取得した被加工物100の表面102のZ軸方向の高さ情報に基づいて、Z軸移動手段60により、加工用レーザー光線300の集光点を被加工物100の所定深さに合わせた状態を維持しながら、X軸移動手段40により、パルス状の加工用レーザー光線300の照射位置を、分割予定ライン103に沿ってX軸方向に移動させることにより、分割予定ライン103の全体に渡って改質層350を形成する。被加工物の検査方法は、分割予定ライン103の全体に渡って、改質層350を形成すると、加工後測定ステップST3に進む。
図6は、図3の加工後測定ステップを説明する部分側断面図である。加工後測定ステップST3は、図6に示すように、改質層形成ステップST2の実施後に、検査用レーザー光線200を分割予定ライン103に照射し反射光量を測定するステップである。
加工後測定ステップST3は、改質層形成ステップST2の前に実行されるか後に実行されるかという違いを除き、加工前測定ステップST1と同様であるので、その詳細な説明を省略する。なお加工前測定ステップST1と加工後測定ステップST2と判断ステップST4とを行う分割予定ライン103の数や間隔は適宜調整可能である。また1本の分割予定ライン103上で何箇所反射光量を取得するかも適宜調整可能である。
判断ステップST4は、加工前測定ステップST1と加工後測定ステップST3とにおける反射光量の差が、事前に設定したしきい値74(図9及び図11参照)を上回る場合は、改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されなかったと判断するステップである。
ここで、判断ステップST4で求められる反射光量の差が、改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されたか否かの判断基準となることについて、以下に説明する。改質層形成ステップST2に示される被加工物100の内部に改質層350を形成する内部加工プロセスにおいて、被加工物100の表面102でアブレーションを起こしてしまった場合、改質層形成ステップST2の前後で、被加工物100の表面102の表面粗さ等の状態が変化する。具体的には、被加工物100の表面102でアブレーションが発生すると、加工前よりも表面102が荒れて、表面粗さが加工前よりも大きくなる。
図7は、被加工物の表面が鏡面である場合の検査用レーザー光線の反射の状態を説明する説明図である。図8は、被加工物の表面が粗面である場合の検査用レーザー光線の反射の状態を説明する説明図である。
検査用レーザー光線200は、図7に示すように、被加工物100−1の表面102−1が鏡面である場合、鏡面となっている表面102−1に概ね全反射されて、多くの光量の反射光250−1が発生する。このため、制御ユニット70は、被加工物100−1の表面102−1が鏡面である場合、大きな反射光量を検出することができる。
一方、検査用レーザー光線200は、図8に示すように、被加工物100−2の表面102−2が粗面である場合、粗面となっている表面102−2によって散乱することによって多くの光量の散乱光260が発生してしまうため、被加工物100−1の表面102−1が鏡面である場合と比較して、少ない光量の反射光250−2しか発生しない。このため、制御ユニット70は、被加工物100−2の表面102−2が粗面である場合、小さな反射光量しか検出することができない。
このように、被加工物100の表面102の表面粗さ等の状態に応じて、検査用レーザー光線200の照射に基づいて制御ユニット70が検出できる反射光量が変化する。
以上により、判断ステップST4で求められる反射光量の差は、改質層形成ステップST2の前後においてそれぞれ測定される反射光量の差であり、改質層形成ステップST2の前後における被加工物100の表面102の表面粗さ等の状態の変化量を表している。このため、判断ステップST4で求められる反射光量の差は、改質層形成ステップST2において被加工物100の表面102でアブレーションを起こしてしまったか否かの判断基準となりうるので、改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されたか否かの判断基準となりうる。
次に、判断ステップST4で改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されたと判断する場合の事例である第1例と、判断ステップST4で改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されなかったと判断する場合の事例である第2例とについて、以下に説明する。
図9は、加工前測定ステップ及び加工後測定ステップで測定される反射光量の測定結果の第1例を示すグラフである。図10は、図9の反射光量を二値化処理した処理結果を示すグラフである。なお、図9及び図10は、いずれも、1本の分割予定ライン103の一部の反射光量に関する結果を示している。第1例における反射光量の測定結果のグラフ80は、制御ユニット70が取得して処理したものであり、図9に示すように、加工前測定ステップST1で測定される反射光量の測定結果81と、加工後測定ステップST3で測定される反射光量の測定結果82と、が示されている。図9に示すグラフ80は、横軸が1本の分割予定ライン103のX軸方向の位置、すなわちX座標であり、縦軸が反射光量の検出信号の電圧[単位;V]である。また、図9に示すグラフ80の例では、事前に設定したしきい値74が5Vである。
図9においては加工前測定ステップST1における反射光量の測定結果81も、加工後測定ステップST3における反射光量の測定結果82も、概ね30V前後でほぼ一定となっている。なお、測定結果81と測定結果82とは、実際にはほぼ重なっているが、図9に示すグラフ80では、互いに別々に認識可能なように、便宜上縦軸方向にずらして示している。
判断ステップST4では、制御ユニット70が、X座標ごとに、加工前測定ステップST1における反射光量の測定結果81と加工後測定ステップST3における反射光量の測定結果82との差を算出し、その差がしきい値74より大きい場合には1として、しきい値74以下である場合には0とする二値化処理を実行する。図10に示す処理結果85は、制御ユニット70が、図9に示す第1例における反射光量の測定結果のグラフ80に基づいて二値化処理を実行することで得られるものである。
図10に示す処理結果85は、分割予定ライン103はアブレーションが起きていない正常な状態にあることを示している。判断ステップST4では、制御ユニット70が、図10に示す処理結果85が得られた場合、分割予定ライン103上において、反射光250の反射光量の差が事前に設定したしきい値74以下に収まっていると判定するので、改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されたと判断する。
図11は、加工前測定ステップ及び加工後測定ステップで測定される反射光量の測定結果の第2例を示すグラフである。図12は、図11の反射光量を二値化処理した処理結果を示すグラフである。なお、図11及び図12は、図9及び図10と同様に、いずれも、1本の分割予定ライン103の一部の反射光量に関する結果を示している。第2例における反射光量の測定結果のグラフ90は、制御ユニット70が取得して処理したものであり、図11に示すように、加工前測定ステップST1で測定される反射光量の測定結果91と、加工後測定ステップST3で測定される反射光量の測定結果92と、が示されている。図11に示すグラフ90は、図9に示すグラフ80と、横軸及び縦軸が同じである。また、図11に示すグラフ90の例では、図9に示すグラフ80の例と同様に、事前に設定したしきい値74が5Vである。
加工前測定ステップST1における反射光量の測定結果91は、概ね30V前後でほぼ一定となっている。加工後測定ステップST3における反射光量の測定結果92は、加工前測定ステップST1における反射光量の測定結果91と比較して、X座標が20、30付近において6〜17V程度小さくなっており、その他の位置ではほぼ同じ値となっている。なお、測定結果91と測定結果92における当該その他の位置の部分とは、実際にはほぼ重なっているが、図11に示すグラフ90では、互いに別々に認識可能なように、便宜上縦軸方向にずらして示している。
判断ステップST4では、制御ユニット70が、X座標ごとに、加工前測定ステップST1における反射光量の測定結果91と加工後測定ステップST3における反射光量の測定結果92との差を算出し、その差がしきい値74より大きい場合には1として、しきい値74以下である場合には0とする二値化処理を実行する。図12に示す処理結果95は、制御ユニット70が、図11に示す第2例における反射光量の測定結果のグラフ90に基づいて二値化処理を実行することで得られるものである。
図12に示す処理結果95は、X座標が20、30付近において1となっており、その他の位置では0となっている。すなわち、図12に示す処理結果95は、X座標が20、30付近(領域93)においてはアブレーションが起きたために反射光量が減少している事を示している。判断ステップST4では、制御ユニット70が、図12に示す処理結果95が得られた場合、領域93の座標を改質層350が正常に形成されなかったとして記憶する。
このように、被加工物の検査方法は、加工前測定ステップST1、改質層形成ステップST2及び加工後測定ステップST3を実行した1本の分割予定ライン103の全体に渡って、改質層形成ステップST2による被加工物100の内部加工プロセス前後における反射光250の反射光量の情報を比較することにより、改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されたか否かを判断すると、終了する。
本発明に係る被加工物の検査方法は、以上のような構成を有するので、内部加工プロセスである改質層形成ステップST2の前後で、検査用レーザー光線200を用いて被加工物100からの反射光250の光量を測定して比較し、反射光量の差がしきい値74を上回った場合、アブレーションが発生していると判断する。このため、本発明に係る被加工物の検査方法は、被加工物100のうねり情報、すなわち被加工物100の表面102のZ軸方向の高さ情報を取得するために実行していた反射光250の反射光量の測定をそのまま加工前測定ステップST1として生かして、被加工物100の撮像を必要とせずに改質層350が被加工物100の内部に正常に形成されたか否かを判断することができるという効果を奏する。これにより、本発明に係る被加工物の検査方法は、被加工物100を撮像する方法と比較して生産性を落とすことなく素早く、内部加工プロセスにおいて被加工物100の表面102でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査することができるという効果を奏する。
なお、前述した実施形態に係る被加工物の検査方法によれば、以下の被加工物の検査装置が得られる。
(付記1)
被加工物の検査装置であって、
該被加工物を保持するチャックテーブルと、
該チャックテーブルに保持された該被加工物に、該被加工物を検査するために使用する検査用レーザー光線と、該被加工物に対して透過性を有する波長の加工用レーザー光線とのうちいずれか一方を照射するレーザー照射ユニットと、
各部を制御する制御ユニットと、
を備え、
該制御ユニットは、該レーザー照射ユニットにより該被加工物の内部に集光点を併せた状態で該被加工物の分割予定ラインに沿って該加工用レーザー光線を照射して該被加工物内部に改質層を形成する前後において、該レーザー照射ユニットにより該被加工物の該分割予定ラインに該検査用レーザー光線を照射して反射光量を測定し、該改質層を形成する前後における該反射光量の差が事前に設定したしきい値を上回る場合は該改質層が該被加工物内部に正常に形成されなかったと判断する、
ことを特徴とする被加工物の検査装置。
上記の被加工物の検査装置は、実施形態に係る被加工物の検査方法と同様に、改質層を形成する前後で、検査用レーザー光線を用いて被加工物からの反射光量を測定して比較し、反射光量の差がしきい値を上回った場合、アブレーションが発生していると判断する。このため、上記の被加工物の検査装置は、実施形態に係る被加工物の検査方法と同様に、被加工物のうねり情報、すなわち被加工物の表面のZ軸方向の高さ情報を取得するために実行していた反射光量の測定をそのまま改質層を形成する前の反射光量の測定として生かして、被加工物の撮像を必要とせずに改質層が被加工物の内部に正常に形成されたか否かを判断することができるという効果を奏する。これにより、上記の被加工物の検査装置は、実施形態に係る被加工物の検査方法と同様に、被加工物を撮像する方法と比較して生産性を落とすことなく素早く、内部加工プロセスにおいて被加工物の表面でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査することができるという効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。実施形態に係る被加工物の検査方法では、任意の分割予定ライン103を選択し、加工前測定ステップST1から判断ステップST4までを行ったが、本発明では、例えば、全ての分割予定ライン103に渡って、加工前測定ステップST1から判断ステップST4を実行して、反射光量の差がしきい値74を上回った場合、アブレーションが発生していると判断してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態等の記載に制限されず種々変更して実施可能である。その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。例えば、上記実施形態では、1回の反射光250の反射光量の情報の取得について、被加工物100の表面102のZ軸方向の高さ測定と、被加工物100の表面102でアブレーションを起こしている箇所があるか否かを検査するために使用する改質層形成ステップST2前の情報の取得とを兼ねているが、本発明はこれに限定されることなく、高さ測定のための反射光量の情報の取得と、改質層形成ステップST2前の情報の取得のための反射光量の情報の取得と、を別個に実行してもよい。
1 被加工物の検査装置
10 チャックテーブル
20 レーザー照射ユニット
21 検査用レーザー光源
22 加工用レーザー光源
70 制御ユニット
100 被加工物
103 分割予定ライン
200 検査用レーザー光線
250 反射光
300 加工用レーザー光線
350 改質層
ST1 加工前測定ステップ
ST2 改質層形成ステップ
ST3 加工後測定ステップ
ST4 判断ステップ

Claims (1)

  1. 被加工物の検査方法であって、
    チャックテーブルに保持された該被加工物の分割予定ラインに検査用レーザー光線を照射し反射光量を測定する加工前測定ステップと、
    該被加工物に対して透過性を有する波長の加工用レーザー光線を該被加工物の内部に集光点を合わせた状態で該分割予定ラインに沿って照射し該被加工物内部に改質層を形成する改質層形成ステップと、
    該改質層形成ステップの実施後に、該検査用レーザー光線を該分割予定ラインに照射し反射光量を測定する加工後測定ステップと、
    該加工前測定ステップと該加工後測定ステップとにおける該反射光量の差が事前に設定したしきい値を上回る場合は該改質層が該被加工物内部に正常に形成されなかったと判断する判断ステップと、
    を備えることを特徴とする被加工物の検査方法。
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JP2017006930A (ja) * 2015-06-17 2017-01-12 株式会社ディスコ レーザー加工装置

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