JP2020094096A - ワイパーブレードゴム用コーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体潤滑剤が安定に分散し、耐摩耗性が長期間持続する塗膜を形成する水系コーティング剤を提供する。【解決手段】水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂をバインダーとするワイパーブレードゴム用コーティング剤において、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を含むことを特徴とするワイパーブレードゴム用コーティング剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ワイパーブレードゴム用コーティング剤、及び当該コーティング剤由来のコーティング層を有するワイパーブレードゴムに関する。より具体的には、水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂をバインダーとするワイパーブレードゴム用コーティング剤において、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を含むことを特徴とするワイパーブレードゴム用コーティング剤、及び当該コーティング剤由来のコーティング層を有するワイパーブレードゴムに関する。
水系エマルション形態の樹脂は、一般に取り扱いが容易で、有機溶媒を用いる系にくらべると、加熱等で水を除去するだけで被膜形成可能である点で環境負荷が低減される利点がある。その一方、乳化重合により得られた樹脂粒子は未反応のモノマーまたは残余の反応性官能基に由来して反応性が高く、他の成分、特に他の界面活性剤の混入や親水性/疎水性固体粒子の混合によって、容易に均一な乳化状態が損なわれる傾向がある。具体的には、経時的な粗大粒子の発生による不均一化、樹脂粒子間の重合反応の進行に伴う、樹脂エマルションの増粘あるいはゲル化が発生すると言われている。
乳化重合などにより合成される水系エマルション樹脂組成物である硬化性樹脂に、固体潤滑剤等の固体粒子を配合した水系コーティング剤には、当該固体粒子を系中に安定に分散させるために、界面活性剤を添加したり、固体粒子表面を界面活性剤で処理したりするのが通常である。しかし、このとき、水系エマルション形態の硬化性樹脂と界面活性剤(特に、固体粒子表面から放出された界面活性剤)とが相互作用して、硬化性樹脂の表面状態が不安定化され、増粘やゲル化を引き起こし、流動性(すなわち、塗工性)が著しく損なわれる場合がある。一方、界面活性剤を使用しないと、固体潤滑剤等の固体粒子が水系コーティング剤中で沈殿を形成し、保存安定性が損なわれるほか、水系コーティング剤全体が均一に塗工することができないため、所望の機能を有するコーティング被膜を得ることができない場合がある。
特許文献1には、(A)水系エマルジョン形態の硬化性樹脂、(B)界面活性剤、(C)固体粒子、(D)1種類以上の窒素含有複素環化合物、及び(E)水を含む水系コーティング剤組成物が開示されている。それによれば、(D)成分として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを配合することにより、硬化性樹脂と界面活性剤の相互作用を抑制して、水系コーティング剤全体が増粘/不均一化することを抑制し、全体の流動性、塗工性および保存安定性に優れ、良好なコーティング被膜を形成可能な水系コーティング剤組成物が得られるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の水系コーティング剤組成物においても、固体粒子の分散目的で添加された界面活性剤が、水系エマルション形態の硬化性樹脂と相互作用することにより、増粘・ゲル化を引き起こし、塗工安定性を悪化させる、という問題は依然として回避されていない。また、水系コーティング剤組成物に由来してコーティング被膜に残留する界面活性剤が被膜物性に与える影響について何も教示がない。
WO2016/098336
したがって、本発明が解決しようとする課題は、水系エマルション形態の硬化性樹脂と界面活性剤の相互作用による増粘・ゲル化を抑制すると共に、塗膜の耐久性に優れた水系コーティング剤を提供することである。
本発明は以下を包含する。
<1> 水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂をバインダーとするワイパーブレードゴム用コーティング剤において、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を含むことを特徴とするワイパーブレードゴム用コーティング剤。
<2> JIS K6264準拠のテーバー摩耗試験による前記コーティング剤から得られるコーティング膜の摩耗量Vは18.9mm未満であることを特徴とする<1>に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
<3> 前記固体潤滑剤と前記ポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂の固形分との重量比は4:1〜8:1であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
<4> 前記親水性官能基を有するグラファイト粒子は、電解質溶液を用いた液中プラズマ処理を施されたグラファイト粒子であることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
<5> 前記グラファイト粒子は鱗片状であることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1項に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
<6> ゴム基材と、
前記ゴム基材の表面の少なくとも一部に塩素処理が施されたリップ部と、
前記リップ部の表面の少なくとも一部に、<1>乃至<5>のいずれか1項に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤から得られるコーティング層と
を有するワイパーブレードゴム。
プラズマ処理等により親水性官能基を導入したグラファイト粒子は、バインダー樹脂であるポリカーボネート系ウレタン樹脂と強固な相互作用を発現する。親水性官能基を有するグラファイト粒子は、界面活性剤を用いなくても、固体潤滑剤としてコーティング剤中に安定に分散させることができる。そのようなコーティング剤を用いて形成したコーティング膜を有するワイパーブレードは、耐摩耗性が良好となり、初期の高い性能を長期にわたり維持することが可能となる。
本発明のワイパーブレードラバーの一実施態様を示す部分斜視図である。 リップ部にコーティング層を有するワイパーブレードゴムの断面図である。 グラファイト粒子の分散性評価における粒子の沈降高さを示す図である。
本発明は、水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂をバインダーとするワイパーブレードゴム用コーティング剤において、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を含むことを特徴とするワイパーブレードゴム用コーティング剤に関する。
以下、順に説明する。
[ワイパーブレードゴム用コーティング剤]
ワイパーブレードゴム用コーティング剤とは、一般に、後述するワイパーブレードゴムの製造に際し、ゴム基材の表面にコーティング膜を作製するために用いられるものであり、通常は、固体潤滑剤とバインダーからなる固形分を分散媒体中に均一に分散せしめたものである。
[固体潤滑剤]
固体潤滑剤は一般に自己潤滑性のある固体材料をいうが、本発明においては親水性官能基を有するグラファイト(好ましくは鱗片状グラファイト)粒子である。
「親水性官能基」とは、グラファイト粒子を水性懸濁液中に均一に分散することを可能にする官能基をいう。例えば、ヒドロキシ基、オキソ基、ホルミル基、カルボキシ基、シアノ基、カルバモイル基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルホ基などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ヒドロキシ基、オキソ基、ホルミル基、カルボキシ基である。
「親水性官能基を有するグラファイト粒子」とは、上記のような親水性官能基がグラファイト中の炭素原子に化学結合(好ましくは共有結合)していることをいう。すなわち、グラファイト粒子の表面を界面活性剤で処理したものは、官能基がグラファイト中の炭素原子に化学結合しているわけではなく、「グラファイト粒子が親水性官能基を有する」とは言えないので、これとは区別する趣旨である。
親水性官能基を有するグラファイト粒子は、グラファイト(好ましくは鱗片状グラファイト)粒子に親水化処理を施すことにより調製することができる。そのような方法としては公知の親水化処理で足りるが、上記した趣旨から、界面活性剤を用いずに親水化処理を施したグラファイトであることが肝要である。具体的には、所定の雰囲気下でプラズマ処理、コロナ処理、オゾン処理、UV処理、エキシマ処理などの高エネルギー処理を行う方法を例示することができる。
この中でも水中プラズマ処理が、処理後の固体潤滑剤をそのまま次工程に供することができるので、有利である。液中プラズマ処理を行う際の溶媒は電解質を含む溶媒が好ましい。溶媒中に存在する電解質には、イオン導電に起因する温度上昇を活発化させ、放電開始電圧を低下させる効果がある。イオン交換水や蒸留水等の電解質を含まない水は、電解質を含まない溶媒では放電開始電圧の上昇、場合によっては放電が起こらないため、プラズマ処理用の溶媒としては好ましくない。
親水化処理により、グラファイト粒子の表面に上記のような親水性官能基が導入されたことは、例えば親水化処理後のグラファイト粒子の水滴接触角を後述する測定方法で測定することによって確認することができる。例えば、水滴接触角が5°以上55°以下の範囲になれば良い。
固体潤滑剤の粒子径としては、レーザー回折散乱法により計測した体積基準の平均粒子径(D50)が好ましくは1〜20μm、より好ましくは1〜10μm、最も好ましくは1〜5μmである。レーザー回折散乱法による測定には、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300(日機装社製)等を使用することができる。固体状潤滑剤が鱗片状の場合は、平均粒子径は長径を意味する。固体状潤滑剤が球形の場合は、平均粒子径は直径を意味する。
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は、親水性官能基を有するグラファイト粒子以外に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、親水性官能基を有しないグラファイト等を固体潤滑剤として含んでいてもよいが、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子のみを含むことが好ましい。
[バインダー]
バインダーとは、硬化によりコーティング膜を形成し、固体潤滑剤を保持する機能を有する硬化性樹脂である。一般にポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を含むバインダーを使用すると、ポリオールポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含むバインダーを使用した場合や、クロロプレンゴム系もしくクロロスルホン化ポリエチレンとフェノール樹脂を含むバインダーを使用した場合と比較して、固体潤滑剤を増量した場合であってもコーティング層と基材の密着性が良好となるため、固体潤滑剤の量を増量することができ、成形されたコーティング層の摩擦係数を小さくすることができ、長時間のワイパーブレードの使用においてもコーティング層の摩耗を抑制しやすい。
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は、バインダーとして水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂を含む。
通常、水系エマルション形態の硬化性樹脂は、界面活性剤の存在下または不存在下において、重合性の硬化性樹脂モノマーあるいはプレポリマーを水中に乳化あるいは分散させ、加熱等によりモノマーまたはプレポリマーを水中で乳化重合させることにより調製される。連続相である水中に樹脂成分が分散されているのが典型的であり、一般には懸濁もしくは白濁した外観を呈する。本発明に係る水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂は、ポリカーボネートポリオールとジイソシアネートを反応させることにより調製することができる。
原料であるポリカーボネートポリオールは特には限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。一種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、式:−R−O(C=O)O−(式中、Rは炭素数2〜5の2価の脂肪族又脂環式炭化水素基を表す)で表される繰り返し単位及び2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールは、分子中に、上記繰り返し単位及び2個の水酸基を有する化合物である。ポリカーボネートジオールは、公知の方法により脂肪族及び/又は脂環式ジオールから合成することができる。好ましいジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの平均分子量の範囲は、通常、数平均分子量で500〜5000であり、好ましくは、1000〜3000である。そのポリマー末端は実質的にすべて水酸基であることが望ましい。上記ジオール以外に、1分子に3個以上のヒドロキシル基を有する化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等を少量加えることにより多官能化したポリカーボネートとすることもできる。
イソシアネートは分子中にイソシアネート基を有する限り特には限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。イソシアネートとしては1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートが好ましい。イソシアネートは単独で使用されてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、カルボジイミド変成ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、トリレンジイソオシアネート(TDI、2,4体、2,6体、もしくはこれらの混合物)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート又はトリイソシアネートが好ましい。
ジイソシアネート又はトリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
水系エマルション形態の硬化性樹脂を得るための乳化あるいは分散させる方法としては、公知の乳化方法が挙げられる。乳化方法としては、機械力を用いた高圧乳化法、反転乳化法、超音波乳化法、溶剤乳化法等が挙げられる。
乳化重合により得られた硬化性樹脂が自己乳化性でない場合には、界面活性剤を用いて、硬化性樹脂を水中に乳化または分散させることもできる。本発明に係る水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂は、親水性基の導入により自己乳化性としてもよく、イオン性の界面活性剤、特にカルボン酸トリエチルアミン塩等のアニオン性界面活性剤により水中に乳化分散された形態としてもよい。
水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂以外に、本発明の意図する効果を損なわない限り、水系エマルション形態のポリアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート系以外のポリウレタン樹脂、これらの変性物を配合することもできる。
バインダーとしては、乾燥または硬化後の弾性率(0.5%モジュラス)が1MPa以上であり、破断伸びが1%以上であるものを選択することが好ましい。弾性率が1MPa未満であると、得られるワイパーブレードゴムの摩擦係数を充分に小さくすることができないことがある。一方、破断伸びが1%未満であると、コーティング剤をゴム基材に塗布し、乾燥又は硬化した後、リップ部先端を切断するときに塗膜割れを生じて塗膜剥離が発生することがある。
バインダーの具体例としては、例えば、「TFK−014(商品名、宇部興産株式会社製)」、「TFK−001(商品名、宇部興産株式会社)」、「ETERNACOLL(登録商標)UW−1527−F(宇部興産株式会社)」、「ETERNACOLL(登録商標)UW−1005−E(宇部興産株式会社製)」、及びこれらの混合物のような水性ポリウレタンディスパージョンを挙げることができる。二種類以上のバインダーを配合することもできる。その場合の両者の混合比率は特に限定されないが、そのようなバインダーを乾燥又は硬化することで、所望の物性を満たすように両者の混合比率を適宜設定することが望ましい。
[助剤]
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤には、上記したバインダー及び固体潤滑剤以外に、ワイパーブレードゴム用コーティング剤に通常用いられる各種助剤、例えば、表面調整剤、レオロジー剤、充填剤、界面活性剤、分散剤、増粘剤、防腐剤等を配合することができる。
表面調整剤とは、基材に対するコーティングの濡れ性を向上させるために添加するものであり、例えば、ポリエーテル変性のシロキサンやアクリル系共重合物などの表面調整剤などがあり、具体的には商品名BYK−347、BYK−348、BYK−381、BYK−3441(いずれもビックケミー ジャパン株式会社から入手可能)などが挙げられる。
レオロジー剤とはコーティングの塗工時における液だれなどを防ぐ目的で添加されるもので、例えばウレア変性ウレタンやノニオン系疎水変性ポリマーなどのレオロジー剤があり、具体的には商品名BYK−425、OPTIFLO H600 VF(いずれもビックケミー ジャパン株式会社から入手可能)などが挙げられる。
各種助剤の配合量は、本発明の意図する効果を損なわない程度にとどめることが肝要である。例えば、界面活性剤の配合量はコーティング剤全体の好ましくは5質量%未満、より好ましくは3質量%未満、最も好ましくは1%未満とする。
[ワイパーブレードゴム用コーティング剤の調製]
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は、バインダーとしての水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂に、固体潤滑剤を分散、混合することにより調製することができる。固体潤滑剤をバインダーに分散、混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばビーズミル、ボールミル、ディゾルバー等を使用して分散、混合することができる。
バインダーを分散させる分散媒体は水系媒体である。VOC(揮発性有機化合物)の排出規制等を考慮して、水系媒体を使用することは望ましい。水系媒体としては、水、又は水と親水性有機溶媒との混合媒体等が挙げられる。
水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられるが、分散体の安定性等を考慮してイオン交換水を使用することが好ましい。
親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級1価アルコール、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N-エチルピロリドン等の非プロトン性の親水性有機溶媒が挙げられる。
水系媒体中の親水性有機溶媒の量としては、水系媒体を100質量%としたときに、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等を使用することができる。
固形分に対する分散媒体の使用量は特に限定されるものではないが、通常は固形分100質量部に対して、分散媒体150〜1,200質量部の範囲が選択される。
コーティング剤中のバインダーの固形分の含有量は、コーティング剤全量(100質量%)に対して、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、最も好ましくは0.5〜2質量%である。
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は、例えば以下のようにして調製することができる。すなわち、所定の容器にバインダーを入れ、これに固体潤滑剤を少量ずつ加え、均一に大きな粒子がなくなるまで攪拌機を用いて攪拌してコーティング剤を得る。硬化剤を用いる場合は、ワイパーブレードへ塗布する直前に、コーティング剤に所定量の硬化剤を加えて、よく混合して調製する。
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤をスプレー塗布に供する場合、通常、コーティング剤を均一なスプレー塗布が可能な範囲の動粘度に調整する。20℃におけるコーティング剤の粘度は、好ましくは10〜200mPa・s、より好ましくは20〜100mPa・sである。200mPa・s以上とした場合、緻密なスプレー塗布ができずに、あたかもボタン雪のようになってしまうことがある。コーティング剤の粘度は、例えば音叉型振動式粘度計装置を用いて測定することができる。
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤においては、固体潤滑剤中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比を1:1〜10:1の範囲とすることが好ましく、2:1〜9:1の範囲とすることがより好ましく、4:1〜8:1の範囲とすることが最も好ましい。
本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を用いるため、水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂と界面活性剤の相互作用が抑制されており、コーティング剤全体が増粘・ゲル化または不均一化することがなく、その流動性、塗工性および保存安定性が改善される。更に、本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は、後述の実施例において示すとおり、固体潤滑剤が長期間にわたって沈降しにくいという有利な効果を有する。このため、本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤は長期保管が可能である。多くの場合、コーティング剤は調製後、あまり間をおかずに使用されるが、生産計画の変更に伴い、一定期間保管する必要が生じる場合がある。したがって、コーティング剤の調製後、長期間にわたって安定性が確保されれば、貴重な素材を無駄にせずに済む可能性が高まる。また、コーティング剤の調製場所と、コーティング剤の使用場所とが離れている場合にも、コーティング剤の安定性が向上すれば、調製場所と使用場所との間の距離を拡大することができ、生産設備の配置に自由度が増すという効果がある。
更に、本発明によれば、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を用いるため、従来固体潤滑剤を安定分散化するために添加していた界面活性剤を使用しない、又は低減することができる(例えばコーティング剤の5%未満)。ところで、本発明者らの検討によれば、固体潤滑剤を安定分散化するために添加する界面活性剤が塗膜に残留し、塗膜の摺動耐久性を悪化させることが強く示唆されている。そして実際に、後述の実施例において示すように、本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤を製膜して得られるコーティング膜のJIS K6264準拠のテーバー摩耗試験による摩耗量Vは18.9mm未満である。すなわち、本発明によれば、固体潤滑剤の安定分散性を維持しつつ、界面活性剤の配合量を低減し、長時間のワイパーブレードの使用においても、コーティング層の摩耗を抑制することができる。
[ワイパーブレードゴム]
本発明はまた、「ゴム基材と、前記ゴム基材の表面の少なくとも一部に塩素処理が施されたリップ部と、前記リップ部の表面の少なくとも一部に、本発明に係るワイパーブレードゴム用コーティング剤から得られるコーティング層とを有するワイパーブレードゴム」に関する。
図1は、本発明のワイパーブレードゴムの一実施態様を示す部分斜視図である。図1において、11はワイパーブレードゴムであり、このワイパーブレードゴム11は、ガラス面に接触し摺動するリップ摺動部を有するリップ部4と、図示せぬワイパーブレード保持具に図示せぬバーテブラとともに組み付けられ保持される保持部5と、上記リップ部4と上記保持部5を接続するネック部6からなっている。12は表面処理部であり、この表面処理部12はワイパーブレードゴム11のリップ部4のリップ側面部4a、4bに形成されている。そして、上記ワイパーブレードゴム11をワイパー装置に組み付けることによって、好適なワイパー装置とすることが出来る。
ワイパーブレードゴムは典型的には、図2のように、2つのワイパーブレードゴム基材1の先端部同士が当接しているタンデム形状で成形される。このワイパーブレードゴム基材1のくびれ部にあるリップ部2の両面に、所定のポリマーと固体潤滑剤とを含むコーティング剤を適用し、硬化又は乾燥して、固体潤滑剤を分散したコーティング層3を形成する。その後、リップ部2の中央(図2の符号4で図示する切断部)で切断し、リップ部2の両面に層3を有し、リップ部の端面にゴム基材が露出したワイパーブレードゴムを形成する。
ワイパーブレードゴム基材を構成するゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム及びこれらの混合物などのゴムが挙げられる。また、用途により、樹脂エラストマーを使用することもできる。
ゴム基材の形状に特に制限があるわけではないが、上記したようにタンデム形状の断面を有することが好ましい。これによって、リップ部先端をきれいに切断することが容易になり、また、リップ部に固体潤滑剤を分散したコーティング層が設けられたワイパーブレードゴムを経済的に製造することが可能になる。
通常、ワイパーブレードゴムのリップ部となるゴム基材の部分には予めハロゲン処理などの従来公知の表面処理が施されている。例えば、ハロゲン処理の一種である塩素化処理が挙げられる。この塩素処理は少なくともワイパーブレードゴムのリップ部を塩素系の溶剤に浸漬させて表面を硬化させるものである。
同時に、この塩素化処理は、表面粗面化も可能であり、これによりゴム基材とコーティング層との密着性を向上させることができる。
上記のように調製されたコーティング剤を、ワイパーブレードゴム基材のくびれ部にあるリップ部の両面に適用し、硬化又は乾燥して所定の膜厚のコーティング層を形成する。コーティング剤を適用する手段としては、スプレーコーティング、ナイフコーティング、ローラーコート、ディッピング等、公知の方法を用いることができる。コーティング層の膜厚は、通常2〜100μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μm、最も好ましくは15〜25μmとする。
スプレー塗布を行う場合、は通常スプレーガンを使用して行われるが、そのノズルの出口径や圧力には特に制限はない。一般な目安としてはノズルの出口径0.1〜1.0mm程度、圧力0.1〜10バール程度である。
コーティング剤を乾燥又は硬化させるための加熱を行う手段は慣用の手段で足り、特に制限はなく、例えば焼成炉で焼成することにより行うことができる。
加熱温度は特に限定されないが、例えば50〜200℃の温度で架橋することが可能である。架橋型のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を用いる場合には、80〜200℃の温度で加熱されてウレタン架橋構造を形成する熱架橋型のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明する。本発明は、以下の実施例及び比較例に限定されない。実施例及び比較例中、特に断らない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を示す。
[固体潤滑剤の調製]
<調製例1>
水道水170ml中に鱗片状グラファイト(BF−3A 新越化成株式会社)を30g添加し、スターラーで攪拌しながら水道水中でプラズマ処理を30分行い、固体潤滑剤A(鱗片状グラファイト粒子の水中分散体)を作製した。プラズマ処理条件は液中プラズマ発生用電源(MPP04−A4−100 株式会社栗田製作所)を用いて、電極間距離4mm、周波数100Hz、パルス幅1μs、印加電圧10KVである。
<調製例2>
調製例1の鱗片状グラファイトをBFB−4(新越化成株式会社製)に置き換えた以外は調製例1と同様の手順で固体潤滑剤Bを得た。
<調製例3>
グラファイト(BF−3A 新越化成株式会社)28部、界面活性剤(DISPERBYK−2010 ビックケミー ジャパン株式会社)7部、水65部を混合し、ボールミルを用いて24時間撹拌混合し、固体潤滑剤Cを作製した。
<調製例4>
調製例3の鱗片状グラファイトをBFB−4(新越化成株式会社製)に置き換えた以外は調製例3と同様の手順で固体潤滑剤Dを得た。
表1に固体潤滑剤をまとめた。
[コーティング剤の調製]
各成分を表2に示す割合で混合し、実施例1〜4および比較例1〜4の水系コーティング剤を得た。なお、表2に示す数値は固形分の質量部を示しており、その他の溶媒成分(親水性有機溶媒を含む)は全体の溶媒量に含めて記載をしている。
<実施例1>
固体潤滑剤Aに、バインダー樹脂として水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂(TFK−014 宇部興産株式会社)、助剤として表面調整剤(BYK−347 ビックケミー ジャパン株式会社)、及びレオロジー剤(BYK−425 ビックケミー ジャパン株式会社)、分散媒として水を添加し、ボールミルで30分間撹拌しコーティング剤を得た。この時、固体潤滑剤A中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比が4:1となるように添加量を調整した。
<実施例2>
実施例1と同様の手順で、固体潤滑剤A中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比が8:1となるように添加量を調整し、コーティング剤を得た。
<実施例3>
固体潤滑剤Aを固体潤滑剤Bに置き換えた以外は実施例1と同様の手順でコーティング剤を得た。
<実施例4>
実施例3と同様の手順で、固体潤滑剤B中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比が8:1となるように添加量を調整し、コーティング剤を得た。
<比較例1>
固体潤滑剤Cに、水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂(TFK−014 宇部興産株式会社)、表面調整剤(BYK−347 ビックケミー ジャパン株式会社)、レオロジー剤(BYK−425 ビックケミー ジャパン株式会社)、水を添加し、ボールミルで30分間撹拌しコーティング剤を得た。この時、固体潤滑剤C中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比が4:1となるように添加量を調整した。
<比較例2>
比較例1と同様の手順で、固体潤滑剤C中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比が8:1となるように添加量を調整し、コーティング剤を得た。
<比較例3>
固体潤滑剤Cを固体潤滑剤Dに置き換えた以外は比較例1と同様の手順でコーティング剤を得た。
<比較例4>
比較例3と同様の手順で、固体潤滑剤D中のグラファイト粒子と水系ディスパージョン形態のポリカーボネート系ウレタン樹脂中の固形分との質量比が8:1となるように添加量を調整し、コーティング剤を得た。
[コーティング剤の評価]
(グラファイト粒子分散性評価)
上記実施例1〜4および比較例1〜4において、グラファイト粒子の分散性評価を行った。評価方法は、試験管にコーティング剤を15g量り取り、1週間(168時間)静置した際のグラファイト粒子の沈降高さを分散性の指標として求めた。沈降高さとは図3に示すaの長さを指す。表2の結果より、実施例のコーティング剤は、界面活性剤によって親水化処理を行ったグラファイト粒子を使用した比較例のコーティング剤と比較して、沈降したグラファイト粒子の嵩が高いことを示している。沈降嵩が高いことはコーティング剤の使用時に再撹拌時を行えば容易にグラファイト粒子を分散させることができることを意味している。
(グラファイト粒子親水性評価)
水中においてプラズマ処理を行ったグラファイト粒子表面には水酸基を主とする親水性官能基が生成していると考えられる。水中でプラズマ処理を30分施した固体潤滑剤A、B、及び界面活性剤で処理した固体潤滑剤C、Dから溶媒である水を乾燥除去し、再びグラファイト粒子を得た。このグラファイト粒子10mgをハンドプレスで20MPa×1分加圧し、フレーク状にした後、水滴接触角を測定した。結果を表2に示す。その結果より、プラズマ処理を施すことにより、グラファイト粒子の親水性が増加しており、表面に水酸基等の官能基の量が増加していることが認められる。これにより、水系溶媒中での分散性向上および、硬化被膜形成時にバインダー樹脂のもつ極性基との相互作用が向上するものと考えられる。
(コーティング膜の摩耗性)
表2に示す実施例1〜4および比較例1〜4に記載のコーティング剤を厚さ2mmのゴムシート上に厚さが20±5μmとなるようにスプレーにより塗布し、140℃で30分焼成を行い硬化被膜を得た。作製した被膜の摩耗量の測定を行った。摩耗量の測定はテーバー摩耗試験(No.101−H 株式会社安田精機製作所)により行った。摩耗量は、摩耗輪CS−10、垂直荷重9.8N、回転速度72rpm、500回転の摩耗試験後の摩耗体積の値である。結果を表2に示す。比較例と実施例の結果より、水中でプラズマ処理を施したグラファイトを用いたコーティング膜は、耐摩耗性が向上していることがわかる。
本発明によれば、界面活性剤を用いなくても、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子をコーティング剤中に安定に分散させることができ、そのようなコーティング剤を用いて形成したコーティング膜を有するワイパーブレードは、初期の高い耐摩耗性を長期にわたり維持することが可能となる。
1 タンデム形状のワイパーブレードゴム基材
2 リップ部
3 コーティング層
4 切断部
5 保持部
6 ネック部
11 ワイパーブレードゴム
12 表面処理部

Claims (6)

  1. 水系エマルション形態のポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂をバインダーとするワイパーブレードゴム用コーティング剤において、固体潤滑剤として、親水性官能基を有するグラファイト粒子を含むことを特徴とするワイパーブレードゴム用コーティング剤。
  2. JIS K6264準拠のテーバー摩耗試験による前記コーティング剤から得られるコーティング膜の摩耗量Vは18.9mm未満であることを特徴とする請求項1に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
  3. 前記固体潤滑剤と前記ポリカーボネート系ウレタン熱硬化性樹脂の固形分との重量比は4:1〜8:1であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
  4. 前記親水性官能基を有するグラファイト粒子は、電解質溶液を用いた液中プラズマ処理を施されたグラファイト粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
  5. 前記グラファイト粒子は鱗片状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤。
  6. ゴム基材と、
    前記ゴム基材の表面の少なくとも一部に塩素処理が施されたリップ部と、
    前記リップ部の表面の少なくとも一部に、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のワイパーブレードゴム用コーティング剤から得られるコーティング層と
    を有するワイパーブレードゴム。
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