JP2020093663A - ハイブリッド車両の駐車制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの稼働による水蒸気(白煙)発生を抑え、ハイブリッド車両の自動駐車を中断なく、完遂することができるハイブリッド車両の駐車制御装置を提供する。【解決手段】判定部51は、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境情報などの取得したデータに応じてハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境を判定し、エンジン制御部61は、判定部51の判定結果に応じてハイブリッド車両1のエンジン310の稼動状態を制御する。例えば、判定部51が、ハイブリッド車両1が後退開始時および後退中であると判定した場合、エンジン制御部61は、稼働中のエンジン310を停止、ないしはエンジン310の稼働を禁止する。【選択図】図3
Description
本発明は、ハイブリッド車両の駐車制御装置に関する。
近年、エンジンおよびモータの両者を駆動源とするハイブリッド車両の普及と共に、車両の駐車を支援するような自動運転技術の開発が進展している。
このような駐車を支援する技術としては、例えば、特許文献1に記載の駐車制御装置が知られている。
特許文献1は、「内燃機関としてのエンジンを駆動源とするエンジン走行、バッテリを用いたモータを駆動源とするバッテリ走行、および前記エンジンによる前記バッテリの充電を行うエンジン充電を実行可能なハイブリッド車両の駐車を制御する駐車制御装置であって、前記ハイブリッド車両の駐車を実行するのに必要な電力量を計算する必要電力量算出部と、前記必要電力量算出部により計算された必要な電力量と、駐車を開始する前の前記バッテリに残留する使用可能な電力量とを比較する電力量比較部と、前記電力量比較部による前記必要な電力量と前記使用可能な電力量との比較に基づき、前記エンジン走行、前記バッテリ走行および前記エンジン充電の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、 前記使用可能な電力量が前記必要な電力量よりも小さい場合、前記ハイブリッド車両の駐車を実行する駐車操作実行期間中、前記バッテリ走行、または前記バッテリ走行および前記エンジン走行を継続的に行う共に、前記エンジン充電を許可し、 前記使用可能な電力量が前記必要な電力量以上である場合、前記ハイブリッド車両の駐車を実行する駐車操作実行期間中、前記バッテリ走行を継続的に行うと共に、前記エンジン走行および前記エンジン充電を継続的に行わないことを特徴とする駐車制御装置」を開示している。
特許文献1に記載の駐車制御装置によれば、エンジンとモータとを備えているため、駐車支援中のエンジンの稼働による発電により、充電不足のバッテリへ充電することでモータにより車両を駆動させたり、エンジンにより車両を駆動させて駐車を完遂することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されている技術は、駐車を完逐するためのエンジン稼働についてのみ考慮されており、エンジン稼働による弊害についての対策がなされていない。例えば、エンジン稼働による弊害の1つとして排気による車両後方の視界不良が挙げられる。
冬場など外気温が低い環境下でエンジンを稼働した場合、飽和水蒸気量の低下によりエンジン排気に含まれる水が凝縮、水蒸気(白煙)となって視界を遮る場合がある。
駐車制御装置にはカメラが接続されており、車両後退中にこの水蒸気(白煙)を障害物と検知し、駐車が中断されるという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされるものであり、エンジンの稼働による水蒸気(白煙)発生を抑え、ハイブリッド車両の自動駐車を中断なく、完遂することができるハイブリッド車両の駐車制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の駐車制御装置は、内燃機関としてのエンジンを駆動源とするエンジン走行、バッテリを用いたモータを駆動源とするバッテリ走行、および前記エンジンによる前記バッテリの充電を行うエンジン充電を実行可能なハイブリッド車両の駐車制御装置であって、前記ハイブリッド車両の駐車を実行するのに必要な電力量を計算する必要電力量算出部と、前記必要電力量算出部により計算された必要な電力量と、駐車を開始する前の前記バッテリに残留する使用可能な電力量とを比較する電力量比較部と、前記電力量比較部による前記必要な電力量と前記使用可能な電力量との比較に基づき、前記エンジン走行、前記バッテリ走行および前記エンジン充電の動作を制御する走行/充電制御部と、前記走行/充電制御部が前記エンジン走行、前記バッテリ走行および前記エンジン充電の動作を制御する際、前記ハイブリッド車両の車両状態情報ないしは車両環境情報に基づいて前記ハイブリッド車両の車両状態ないしは車両環境を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて、前記ハイブリッド車両のエンジンの稼動状態を制御するエンジン制御部とを備えることを特徴としている。
なお、本明細書において、「バッテリ」とは、ハイブリッド車両のモータジェネレータに接続された充放電可能な二次電池であって、当該車両を走行させるための動力となるものを意味する。「エンジン走行」とは、内燃機関としてのエンジンを駆動源とする車両の走行行為を意味する。「バッテリ走行」とは、バッテリからの給電によるモータを駆動源とする車両の走行行為を意味する。「エンジン充電」とは、エンジンの動力を用いた発電により得られた電気を上記バッテリへ充電する行為を意味する。また、「継続的」とは、駐車操作実行期間全体に亘る継続を意味する。また、「補機」とは、車両の走行以外の目的に用いられる機器であって電力により作動する機器を意味し、「補機電力量」とは、上記補機を作動させるために用いられる電力量を意味する。
本発明によれば、ハイブリッド車両の駐車操作実行期間中のエンジン稼働による水蒸気(白煙)発生が要因となる駐車操作中止が無い分、上記期間中の利便性を向上させることができる。
以下、本発明の駐車制御装置の第1、第2および第3の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施形態にのみ限定されるものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の駐車制御装置を含むハイブリッド車両のシステム全体を示す図である。
図1は、本実施形態の駐車制御装置を含むハイブリッド車両のシステム全体を示す図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、概略的に、エンジン310と、モータジェネレータ410と、インバータ420およびバッテリ430と、動力伝達装置600と、EPS装置710とを備えている。また、ハイブリッド車両1は、電子制御装置として、駐車制御ECU101と、ハイブリッドECU200と、エンジンECU300と、モータジェネレータECU400と、電池監視ECU440と、トランスミッションECU500と、EPS−ECU700とを備えている。更に、ハイブリッド車両1は、カメラ110と、ソナー120と、モニタ130とを備えている。
エンジン310は、出力軸630aおよび動力伝達装置600を介して機械的な動力を外部に出力する内燃機関である。このエンジン310の動作は、エンジン用の電子制御装置であるエンジンECU300により制御される。なお、エンジンECU300は、電制スロットル(不図示)の開度制御によるエンジン310への流入空気量の調整やエンジン310の燃料噴射量や燃料噴射時期、点火時期等を制御することで、エンジン310から出力される動力(エンジン出力トルク)の大きさや回転数を調整すると共に、スタータモータ(不図示)を制御してエンジン310を始動させる。
モータジェネレータ410は、バッテリ430から供給された電力を機械的な動力(モータ出力トルク)に変換して出力軸630bから出力するモータ(電動機)としての機能と、出力軸630bに入力された機械的な動力を電力に変換して回収するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。
このモータジェネレータ410は、具体的には、電動機として機能する際、バッテリ430からの電力により動力(出力軸630bからモータ出力トルク)を出力し、この動力で動力伝達装置600を介して駆動輪WL、WRを回転させることでハイブリッド車両1を走行させる。一方、モータジェネレータ410は、発電機として機能する際には、動力伝達装置600を介して入力された駆動輪WL、WRからの機械的な動力、または動力伝達装置600(動力分割装置610)を介してエンジン310からの機械的な動力を入力し、この入力を交流電力に変換する。なお、モータジェネレータ410の動作は、モータジェネレータ410用の電子制御装置であるモータジェネレータECU400により制御される。
動力伝達装置600は、エンジン310およびモータジェネレータ410の出力を駆動輪WL、WR側に伝える。この動力伝達装置600は、概略的に、動力分割装置610と、多段変速機620とにより構成され、これらが出力軸630cにより連結されている。動力分割装置610は、エンジン310の出力をモータジェネレータ410および多段変速機620に配分する。多段変速機620は、一方の出力軸630c又は630dから入力した動力の態様(トルク、回転数および/または回転方向)を変換して他方の出力軸630d又は630cへ出力する。
バッテリ430は、モータジェネレータ410に給電するための電力を蓄電する。このバッテリ430は、給電の際には蓄電させた電力を直流電力として出力し、これをインバータ420により交流電力に変換してモータジェネレータ410に供給する。一方、充電の際にはモータジェネレータ410からの交流電力がインバータ420を介して直流電力として入力され、これを蓄電する。なお、バッテリ430には、当該バッテリ430の充電状態(SOC:state of charge)および温度を検出する電池監視ECU440が接続されている。
モータジェネレータECU400は、電池監視ECU440により検出されたバッテリ430の充電状態、温度などの情報を受信し、これに基づきバッテリ430の充電の要否等を判定する。また、モータジェネレータECU400は、温度を含むインバータ420の状態量や制御指令等の情報を受信し、これに基づきインバータ420を制御する。
ハイブリッドECU200は、ハイブリッド車両1の車両全体の動作を統括的に制御する電子制御装置である。このハイブリッドECU200は、エンジンECU300およびモータジェネレータECU400から各種センサの検出信号や制御指令等の情報を受信すると共に、運転者の駆動要求、バッテリ430の充電状態の情報、車両走行状態の情報等に基づいて、エンジンECU300およびモータジェネレータECU400に制御指令を送り、エンジン走行モードとバッテリ走行モードとの配分を調整する。
駐車制御ECU101は本実施形態の駐車制御装置A1を構成する。
駐車制御装置A1である駐車制御ECU101は、ハイブリッド車両1の駐車を制御する際、必要な電力量を計算し、この電力量と使用可能な電力量とを比較すると共に、必要な電力量と使用可能な電力量との比較に基づき、エンジン走行、バッテリ走行およびエンジン充電の動作を制御する。また、駐車制御ECU101は、車両状態ないしは車両環境を判定し、この判定結果に応じてエンジン稼働状態を制御する。
この駐車制御ECU101は、具体的には、後述するデータ取得部41で取得したモータジェネレータECU400、カメラ110、ソナー120、モニタ130等の情報、運転者の駆動要求、バッテリ430の充電状態の情報等に基づいて、ハイブリッドECU200に駆動要求を送信してモータジェネレータ410、またはモータジェネレータ410およびエンジン310に駆動力を出力させると共に、トランスミッションコントロールECU500に変速要求を送信して多段変速機620を変速させることで、目標駐車位置へ向けてハイブリッド車両1を走行させる。
この駐車制御ECU101は、ハイブリッド車両1を目標駐車位置に駐車する際に、運転者がボタン操作のみで車速をコントロールできるように走行させてもよい。これにより、ブレーキ操作等を必要とせず、ボタン操作のみで車速をコントロールすることができるので、運転者の操作負担が軽減される。また、駐車制御ECU101は、目標駐車位置(例えば、車両の駐車枠内)にハイブリッド車両1を駐車させることができるように、EPS装置710に操舵角に関する信号等を送信する。
ここで、ソナー120およびモニタ130は駐車制御ECU101に電気的に接続されている。カメラ110は、少なくともハイブリッド車両1の後方を撮像し、得られた画像データを駐車制御ECU101に送信する。ソナー120は、少なくともハイブリッド車両1の周囲を計測し、得られたデータを駐車制御ECU101に送信する。モニタ130は、車室内に配置されており、カメラ110で撮像された画像やソナー120検知情報等を表示する。また、このモニタ130は、駐車制御ECU101と情報の授受を行う。モニタ130は、例えば、カーナビゲーションシステム等におけるモニタと共用してもよい。
また、駐車制御ECU101は、運転者による指示に基づき駐車制御を行う。上記指示としては、例えば、車室内に設けられたボタン等の操作による指示、モニタ130がタッチパネル式である場合での、タッチパネルに対する操作による指示等が挙げられる。
EPS(Electric Power Steering)装置710は、運転者の操舵力を補助するアシストトルクをステアリングシャフト(不図示)に作用させて操舵操作をアシストする。EPS装置710は、具体的には、任意の大きさのトルクをステアリングシャフトに作用させるモータ(不図示)を備えており、これにより、運転者により操舵操作がなされていない場合であっても、ステアリングシャフトにトルクを作用させて操舵輪を転舵させることができる。
ここで、EPS装置710はEPS−ECU700に接続されており、このEPS−ECU700が、操舵輪の操舵角を目標経路に基づいて設定された目標の操舵角とするように、EPS装置710のモータの出力トルクおよび回転位置を制御する。なお、EPS−ECU700は、駐車制御ECU101を介してハイブリッドECU200と接続されており、ハイブリッドECU200との間で制御指令等の情報が授受される。
図7は、駐車制御ECU101の処理機能を示す機能ブロック図である。
駐車制御ECU101は、ハイブリッド車両1の駐車を実行するのに必要な電力量を計算する必要電力量算出部11と、必要電力量算出部11により計算された必要な電力量と、駐車を開始する前のバッテリ430に残留する使用可能な電力量とを比較する電力量比較部21と、電力量比較部21による必要な電力量と使用可能な電力量との比較に基づき、エンジン走行、バッテリ走行およびエンジン充電の動作を制御する走行/充電制御部31と、走行/充電制御部31がエンジン走行、バッテリ走行およびエンジン充電の動作を制御する際、ハイブリッド車両1の車両状態情報ないしは車両環境情報に基づいて、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境を判定する判定部51と、判定部51の判定結果に応じて、ハイブリッド車両1のエンジン310の稼動状態を制御するエンジン制御部61とを備えている。このように車両状態ないしは車両環境を判定し、この判定結果に応じてエンジン310の稼働状態を制御することにより、エンジン310の稼働による水蒸気(白煙)発生を抑え、ハイブリッド車両の自動駐車を中断なく、完遂することができる。
また、駐車制御ECU101はデータ取得部41を備え、データ取得部41は、ハイブリッドECU200、エンジンECU300、モータジェネレータECU400などの各種ECUや、カメラ110、ソナー120、モニタ130から、各種センサの検出信号や制御指令等の情報、カメラ110で撮像された画像データ、バッテリ430の充電状態の情報、車両走行状態の情報、運転者の駆動要求など、様々な情報を受信する。エンジンECU300および電池監視ECUからの情報はそれぞれハイブリッドECU200およびモータジェネレータECU400を介して受信する。
必要電力量算出部11、電力量比較部21、走行/充電制御部31、判定部51、エンジン制御部61は、データ取得部41で取得したデータを用いてそれぞれ上記のような制御処理を行う。
以下に各部の制御処理の詳細を説明する。
必要電力量算出部11は、ハイブリッド車両1の駐車を実行するのに必要な、当該車両1に投入するための電力量を計算する。この際、駐車を実行するのに必要な電力量が、駐車操作実行期間中に消費される補機電力量を含んでいる ことが好ましい。すなわち、駐車を実行するのに必要な電力量は、車両1を目標駐車位置まで移動するための駆動に必要な電力量と、ステップ40で算出された補機電力量とが合算されたものであることが好ましい。補機としては、例えば、電動エアコン、ライト、オーディオ機器等が挙げられる。これにより、電動エアコンやライトの稼働等の現実的な状況を踏まえ、補機の電力使用に伴う想定外のバッテリ切れを未然に防止することができる。
また、上述の駐車を実行するのに必要な電力量は、駐車操作実行期間中にハイブリッド車両1が走行する走行経路における路面勾配および/または路面段差に起因するものを含んでいることが好ましい。
路面勾配および/または路面段差のそれぞれに起因する電力量は、例えば、上述したカメラ110やソナー120の情報、加速度センサ(不図示)の情報等を用いて路面勾配や路面段差を検出した後、検出された路面勾配や路面段差、車重等を用いて走行経路における時系列の電力を計算し、これを走行経路全体に亘って積分することで算出することができる。したがって、駐車を実行するのに必要な電力量は、上記路面勾配および/または路面段差に起因する電力量と、走行経路が水平かつ平坦であると仮定したときの電力量とを加算することで求めることができる。なお、上述した路面勾配や路面段差の検出およびこれに伴う電力量の計算は、公知の技術 を採用することができる。
このように、駐車を実行するのに必要な電力量が、駐車操作実行期間中にハイブリッド車両1が走行する走行経路における路面勾配および/または路面段差に起因するものを含んでいることで、電力量をより正確に算出することができ、エンジン走行、バッテリ走行、エンジン充電の的確な制御により、運転性をより向上させることができる。
電力量比較部21は、上述の必要電力量算出部11により計算された必要な電力量と、駐車を開始する前のバッテリに残留する使用可能な電力量(以下、「バッテリ残量」ともいう)とを比較する。バッテリ残量を算出する際のバッテリ中における電力量の下限値(バッテリ残量を「0」とする基準値)としては、過放電が発生しない下限電圧における電力量、または上記下限電圧以下の電圧(過放電が発生するような低い電圧)まで用いる電力量を採用することができるが、バッテリ保護の観点から、上記下限電圧における電力量であることが好ましい。
走行/充電制御部31は、電力量比較部21による必要な電力量と使用可能な電力量との比較に基づき、エンジン走行、バッテリ走行およびエンジン充電の動作を制御する。この走行/充電制御部31は、使用可能な電力量が必要な電力量よりも小さい場合、バッテリ走行、またはバッテリ走行およびエンジン走行のいずれかを選択し、これをハイブリッド車両1の駐車を実行する駐車操作実行期間中継続的に行う共に、エンジン充電を許可するように制御し、使用可能な電力量が必要な電力量以上である場合、バッテリ走行をハイブリッド車両の駐車を実行する駐車操作実行期間中継続的に行うと共に、上記期間中はエンジン走行およびエンジン充電のいずれをも継続的に行わないように制御する。
なお、上述した駐車操作実行期間中におけるエンジン充電の実行は、上記駐車操作実行期間中、断続的に行ってもよいが、エンジン310の始動および/または停止に伴う音や振動のオンオフを抑制する観点から、継続的に行うことが好ましい。
電力量比較部21での判定後、駐車制御ECU101は駐車操作を実行するため、ハイブリッド車両1の走行を開始する。ここで、駐車操作にはカメラ110の撮像画像を用いた操作が含まれる。この操作は駐車制御ECU101による自動制御の操作であってもよいし、モニタ130の画像を用いた運転者による手動操作であってもよい。
次いで、判定部51は、走行/充電制御部31がエンジン走行、バッテリ走行およびエンジン充電の動作を制御する際、ハイブリッド車両1の車両状態情報の情報に基づいて、ハイブリッド車両1の車両状態を判定する。より詳しくは、判定部51は、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境が、カメラ110による撮像に適さない状況を生じ得る場合であるかどうかを判定する。
例えば、判定部51は、データ取得部41を介してトランスミッションコントロールECU500から受信したシフト位置が「Rレンジ以外」から「Rレンジ」となった時、ハイブリッド車両1が後退を開始したと判定し、その後「Rレンジ」が継続した場合、ハイブリッド車両1が後退中と判定する。ここで、ハイブリッド車両1が後退開始時および後退中であるとの判定は、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境が、カメラ110による撮像に適さない状況を生じ得る場合であるとの判定である。すなわち、外気温が低い環境下でエンジン310が稼動する場合は、エンジンの排気ガスに水蒸気(白煙)が発生し、カメラ110がこの水蒸気(白煙)を障害物と検知し、駐車が中断される可能性がある。このため、ハイブリッド車両1が後退開始時および後退中である場合は、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境が、カメラ110による撮像に適さない状況を生じ得る場合であると判定する。
また、判定部51は、走行/充電制御部31がエンジン走行を選択時、バッテリ430の充電状態および温度から、稼働中のエンジン310の停止可否、ないしは前記エンジン310の稼働禁止からの復帰の要否を判定する。
ここで、走行/充電制御部31がエンジン走行を選択している場合、バッテリ430の充電状態が悪化し、バッテリ430の充電も兼ねてエンジン走行している。このようなシーンにおいて、後退をトリガに無条件でエンジン310を停止、ないしはエンジン310の稼働を禁止してしまうと、ハイブリッド車両1の駐車が完遂できない可能性がある。そのため、必要電力量算出部11により計算された必要な電力量とは別に、予めバッテリ430の温度に応じて決定したバッテリ430の充電状態の下限値を設定しておき、バッテリ430の充電状態が下限値以下の場合は、稼働中のエンジン310の停止を禁止、ないしは前記エンジン310の稼働を許可する判定を下す。
エンジン制御部61は、判定部51の判定結果に応じて、ハイブリッド車両1のエンジン310の稼動状態を制御する。より詳しくは、エンジン制御部61は、判定部51が、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境が、カメラ110による撮像に適さない状況を生じ得る場合であると判定した場合、エンジン制御部61は、エンジン310の排気を制限するよう、エンジン310の稼動状態を制御する。このようにエンジン制御部61は、判定部51の判定結果を受け取ると、ハイブリッドECU200に送信するエンジンの駆動要求を決定する。
例えば、判定部51でハイブリッド車両1が後退開始時および後退中と判定された場合は、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310を停止し、エンジン310が非稼働の場合は、エンジン310の稼働を禁止する。これによりエンジン制御部61は、エンジン310の排気を制限するよう、エンジン310の稼動状態を制御する。このようなエンジン310の稼働禁止する制御は、後退中ではないと判定されるまで継続される
一方で、判定部51で稼働中のエンジン310の停止を禁止、ないしはエンジン310の稼働を許可する判定がなされた場合は、その判定に応じて、エンジン310の駆動要求を決定する。
一方で、判定部51で稼働中のエンジン310の停止を禁止、ないしはエンジン310の稼働を許可する判定がなされた場合は、その判定に応じて、エンジン310の駆動要求を決定する。
次に、必要電力量算出部11、電力量比較部21および走行/充電制御部31が行う駐車制御について、図2を参照して更に説明する。
図2は、必要電力量算出部11と電力量比較部21と走行/充電制御部31の処理フローを示すフローチャートである。
運転者(若しくはそれに代わるシステム)により駐車制御の実行を指示する操作がなされると、まず、駐車制御ECU101は、駐車位置の設定を行う(ステップS10)。この駐車位置の設定は、例えば、カメラ110による撮像および/またはソナー120による計測によりモニタ130上に表示された画像に対し、運転者(もしくはそれに代わるシステム)が目標とする駐車位置(以下、「目標駐車位置」ともいう)を指定することで行われる。
駐車位置を指定する方法としては、例えば、カメラ110により撮像された画像と目標駐車位置を指定するための駐車枠とをモニタ130に重ねて表示し、運転者(もしくはそれに代わるシステム)が所望の駐車位置を確定する操作を行うことにより、目標駐車位置が設定される。なお、駐車枠の初期表示位置(候補位置)は、駐車制御ECU101により自動的に設定されるものであってもよい。また、上記駐車枠は、運転者(もしくはそれに代わるシステム)の操作により画像上で移動させたり回転させたりすることが可能であってもよい。
次に、駐車制御ECU101の必要電力量算出部11は、車両の現在位置からステップS10で設定された目標駐車位置までの目標経路に沿ってハイブリッド車両1を走行させるための目標操舵角を算出し、これに基づき移動距離を算出する(ステップS20)。
次に、必要電力量算出部11は、モータジェネレータ410のモータ出力トルクでハイブリッド車両1を目標駐車位置まで移動させるときの目標車速を算出し、この目標車速とステップS20で算出された移動距離とに基づき、目標駐車位置まで移動するために必要とされる時間(この時間を、「駐車操作実行期間」ともいう)を算出する(ステップS30)。
次に、必要電力量算出部11は、補機の稼働状態と、ステップS30にて算出された駐車操作実行期間を用い、駐車操作実行期間中に消費される補機電力量を算出する(ステップS40)。
次に、必要電力量算出部11は、カメラ110等を用いて検出された路面勾配および路面段差、車重等を用いて走行経路における時系列の電力を計算し、これを用いて走行経路における路面勾配および/または路面段差に起因する電力量を算出する(ステップS50)。
次に、必要電力量算出部11は、車両1の駐車を実行するのに必要な電力量(車両1を目標駐車位置まで移動するのに必要な電力量)を算出する(ステップS60)。本実施形態では、上記必要な電力量が駐車操作実行期間中に消費される補機電力量、および路面勾配等に起因する電力量を含んでおり、これらが合算されたものがハイブリッド車両1の駐車を実行するのに必要な電力量となる。
次に、電力量比較部12は、モータジェネレータECU400からバッテリ430の充電状態(SOC)の情報を取得してバッテリ430に残留する使用可能な電力量を検出する(ステップS70)。
次に、電力量比較部12は、必要電力量算出部11により計算された必要な電力量と、駐車を開始する前のバッテリ430に残留する使用可能な電力量とを比較する。具体的には、電力量比較部12は、ステップS70で検出したバッテリ残量が必要な電力量よりも小さいか否かを判定する(ステップS80)。
ステップS80の判定後、駐車制御ECU101は駐車操作を実行するため、ハイブリッド車両1の走行を開始する。
ステップS80において、駐車制御ECU101が使用可能な電力量が必要な電力量よりも小さいと判断した場合、走行/充電制御部13は、駐車操作実行期間中、エンジン310の稼働によるエンジン充電を許可する(ステップS91)と共に、バッテリ走行(バッテリ走行ありかつエンジン走行なし)を継続的に行うか、またはバッテリ走行およびエンジン走行の両者を継続的に行って(ステップS92)車両を目標駐車位置へ向けて誘導するように、ハイブリッドECU200およびエンジンECU300を介したエンジン310への指示を行う。
一方、ステップS80において、駐車制御ECU101が使用可能な電力量が必要な電力量以上であると判断した場合、走行/充電制御部13は、駐車操作実行期間中、エンジン充電を行わない(ステップS93)と共に、バッテリ走行(バッテリ走行ありかつエンジン走行なし)を継続的に行う(ステップS94)。
なお、上述したように走行/充電制御部13が駐車操作実行期間中のエンジン充電を許可する場合、駐車操作実行期間中の一部の期間のみ充電のためにエンジン310を始動および/または停止してもよいが、突然のエンジン310の始動や停止に伴う乗車人員へ与える不快感を抑制する観点から、駐車操作実行期間中継続的にエンジン充電を行うことが好ましい。
次に、上述の駐車操作により車両が目標駐車位置に到達することで、本駐車方法に係るフローが終了する。
次に、判定部51およびエンジン制御部61が行う駐車制御について、図3を参照して更に説明する。
図3は、第1の実施形態の判定部51およびエンジン制御部61における第1の制御の処理フローを示すフローチャートである。
運転者(若しくはそれに代わるシステム)により駐車制御の実行を指示する操作がなされると、まず、判定部51は、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境情報などのデータを取得する(ステップS100)。
次に、判定部51は、取得したデータを用いてハイブリッド車両1の後退の開始および後退中を判定する。具体的には、判定部51は、トランスミッションコントロールECU500から受信したシフト位置が「Rレンジ以外」から「Rレンジ」となった時、ハイブリッド車両1が後退を開始したと判定し、その後「Rレンジ」が継続した場合、ハイブリッド車両1が後退中と判定する(ステップS110)。この判定は、前述したように、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境が、カメラ110による撮像に適さない状況を生じ得る場合であるかどうかの判定である。
ステップS110にて後退を開始、ないしは後退中ではないと判定され場合は、エンジン制御部61によるハイブリッド車両1のエンジン状態の制御は不要なため、駐車制御ECU101は処理を終了させる。
一方、ステップS110にて後退を開始、ないしは後退中であると判定された場合は、前述したように、エンジン制御部61はエンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合(エンジン走行中或いはエンジン充電中)は、エンジン310を停止し、エンジン310が非稼働の場合は、エンジンの稼働を禁止する(ステップS120)。また、エンジン走行中にエンジンを停止した場合は、エンジン走行からバッテリ走行に切り換える。これによりエンジン制御部61は、エンジン310の排気を制限するよう、エンジン310の稼動状態を制御する。エンジン310の稼働禁止は、後退中ではないと判定されるまで継続される。
一方、ステップS110にて後退を開始、ないしは後退中であると判定された場合は、前述したように、エンジン制御部61はエンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合(エンジン走行中或いはエンジン充電中)は、エンジン310を停止し、エンジン310が非稼働の場合は、エンジンの稼働を禁止する(ステップS120)。また、エンジン走行中にエンジンを停止した場合は、エンジン走行からバッテリ走行に切り換える。これによりエンジン制御部61は、エンジン310の排気を制限するよう、エンジン310の稼動状態を制御する。エンジン310の稼働禁止は、後退中ではないと判定されるまで継続される。
上記ステップS100からステップS120のフローは、ハイブリッド車両1が目標駐車位置に到達することで終了する。
このように判定部51が、ハイブリッド車両1が後退開始時および後退中であると判定した場合、エンジン制御部61は、稼働中のエンジン310を停止、ないしはエンジン310の稼働を禁止する。これによりエンジンの稼働による水蒸気(白煙)発生を抑え、ハイブリッド車両の自動駐車を中断なく、完遂することができる。
図4は、第1の実施形態の判定部51およびエンジン制御部61における第2の制御の処理フローを示すフローチャートである。図4におけるステップS100とステップS110とステップS120については、図3の内容と同様のため、同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
ステップS110にて後退を開始、ないしは後退中であると判定された場合は、判定部51にて実施されるステップS111にて、走行/充電制御部31がエンジン走行を選択しているか否かを判定する。
ステップS111にて、走行/充電制御部31がエンジン走行以外を選択していると判定した場合は、ハイブリッド走行中(バッテリ走行およびエンジン走行中)であるため、バッテリ430の充電状態に余裕があるものとみなし、ステップS120を実施する。
一方、ステップS111にて、走行/充電制御部31がエンジン走行を選択していると判定した場合、判定部51で実施されるステップS112にてバッテリ430の充電状態が、必要電力量算出部11により計算された必要な電力量とは別に、予め温度に応じて決定したバッテリ430の充電状態の下限値以下か否かを判定する。
ステップS112にて、バッテリ430の充電状態が所定値以下ではないと判定された場合は、エンジン走行中ではあるが、バッテリ430の充電状態に余裕があるものとみなし、ステップS120を実施する。
一方、ステップS112にて、バッテリ430の充電状態が所定値以下と判定された場合は、エンジン走行の継続が不可欠なことから、エンジン制御部61にて稼働中の前記エンジン310の停止を禁止、ないしは前記エンジン310の稼働を許可する判定を下し、判定結果に応じてエンジン制御部61でエンジン310の駆動要求を決定する(ステップS130)。
このように走行/充電制御部31がエンジン走行を選択時、判定部51が、バッテリ430の充電状態および温度から稼働中のエンジン310の停止が不可能、ないしはエンジン310の稼働禁止からの復帰が必要であると判定した場合、エンジン制御部61は、稼働中のエンジン310の停止を禁止、ないしはエンジン310の稼働を許可する。これによりバッテリ430の充電状態が所定値以下に低下することを防止しつつ、エンジンの稼働による水蒸気(白煙)発生を抑え、ハイブリッド車両の自動駐車を中断なく、完遂することができる。
以上のように、本実施形態の駐車制御装置A1(駐車制御ECU101)は、判定部51において、ハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境情報などの取得したデータに応じてハイブリッド車両1の車両状態ないしは車両環境を判定し、エンジン制御部61において、判定部51の判定結果に応じてハイブリッド車両1のエンジン310の稼動状態を制御することで、外気温が低い環境下でのエンジンの稼働による排気ガス中の水蒸気(白煙)発生を抑制する。これにより、ハイブリッド車両の駐車操作実行期間中に、エンジン稼働により発生した水蒸気(白煙)をカメラ110が障害物と検知することによる駐車操作中止が無い分、上記期間中の利便性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図1において、本実施形態におけるハイブリッド車両2は駐車制御装置A2である駐車制御ECU102を備えている。本実施の形態において、駐車制御ECU102以外の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
図1において、本実施形態におけるハイブリッド車両2は駐車制御装置A2である駐車制御ECU102を備えている。本実施の形態において、駐車制御ECU102以外の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
図7において、駐車制御ECU102はエンジン制御部62を有している。駐車制御ECU102のそれ以外の処理部の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
エンジン制御部62は、判定部51の判定結果に応じてハイブリッド車両2のエンジン310の稼動状態を制御する。判定部51の判定結果を受け取ると、エンジン制御部62では、ハイブリッドECU200に送信するエンジンの駆動要求を決定する。
例えば、判定部51でハイブリッド車両2が後退開始時および後退中と判定された場合、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310に回転数制限を掛け、エンジン310が非稼働の場合は、回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可する。エンジン310の回転数制限は、後退中ではないと判定されるまで継続される。
この回転数の制限値は、データ取得部41で取得したハイブリッド車両2の車両状態ないしは車両環境情報などから決定され、例えばメータECU(不図示)から受信した外気温および湿度センサを搭載している車両においては、その湿度情報などを用い、エンジン310の稼働による水蒸気(白煙)発生をより効果的に抑制できるようにする。回転数の制限値は、例えば、アイドル回転数或いはアイドル回転数の近くの、低温時に水蒸気の発生が問題とならない程度に少ない低速回転数である。
また、エンジン排気の浄化の観点から、触媒温度が低い状態で3元触媒の浄化効果が期待できない条件下の場合は、回転数制限を一時的に解除し、触媒温度がエンジン排気の浄化に適した温度になった後に、改めて回転数制限かけるなどエンジン排気の観点を組み入れ、回転数制限を行っても良い。
次に、駐車制御ECU102の判定部51およびエンジン制御部62が行う駐車制御について、図5を参照して説明する。
図5は、第2の実施形態の判定部51およびエンジン制御部62の処理フローを示すフローチャートである。
図5において、ステップS110までの判定部51が行う処理は、第1の実施形態で上述したものと同じであるため、説明は省略する。
本実施形態においては、ステップS110実行後、後退を開始、ないしは後退中ではないと判定され場合は、エンジン制御部62によるハイブリッド車両2のエンジン状態の制御は不要なため、処理を終了させる。
一方、ステップS110にて後退を開始、ないしは後退中であると判定された場合は、エンジン制御部62にて実施されるステップS150にて、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310に回転数制限を掛け、エンジン310が非稼働の場合は、回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可する。エンジン310の回転数制限は、後退中ではないと判定されるまで継続される。
上記ステップS100からステップS150のフローは、ハイブリッド車両2が目標駐車位置に到達することで終了する。
このように本実施の形態における駐車制御装置A2(駐車制御ECU102)は、判定部51が、ハイブリッド車両2が後退開始時および後退中であると判定した場合、エンジン制御部62は、稼働中のエンジン310に回転数制限を掛ける、ないしは回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可する。これにより第1の実施形態における駐車制御装置A1(駐車制御ECU101)に比べ、完全なエンジン停止ではなく、エンジン回転数制限による水蒸気(白煙)発生防止のため、その効果は落ちるが、ハイブリッド車両2の駐車操作実行期間中のエンジン稼働による水蒸気(白煙)発生が要因となる駐車操作中止回数を低減でき、上記期間中の利便性を向上させることができる。また、エンジン排気の浄化の観点から、本実施形態の駐車制御装置A2は、エンジンを停止させない分、エンジンデバイスの温度低下代が少ないため、第1の実施形態における駐車制御装置A1に比べ、優位である。
[第3の実施形態]
図1において、本実施形態におけるハイブリッド車両3は駐車制御装置A3である駐車制御ECU103を備えている。本実施の形態において、駐車制御ECU103以外の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
図1において、本実施形態におけるハイブリッド車両3は駐車制御装置A3である駐車制御ECU103を備えている。本実施の形態において、駐車制御ECU103以外の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
図7において、駐車制御ECU103は判定部53とエンジン制御部62を有している。エンジン制御部62の構成は第2の実施形態と同じである。駐車制御ECU103のそれ以外の制御処理部の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
判定部53は、データ取得部41のデータに応じてハイブリッド車両3の車両状態ないしは車両環境を判定する。データ取得部41でデータを取得すると、判定部53では、受信したデータ単体ないしは組み合わせで種々の車両状態ないしは車両環境を判定する。
例えば、メータECU(不図示)から受信した外気温が所定値以下か否かを判定することで、ハイブリッド車両3が水蒸気(白煙)の発生しやすい環境下に置かれているか否かを判定する。この際、湿度センサを搭載している車両においては、判定条件に湿度情報を追加することが好ましい。
エンジン制御部62は、判定部53の判定結果に応じてハイブリッド車両3のエンジン310の稼動状態を制御する。判定部53の判定結果を受け取ると、エンジン制御部62では、ハイブリッドECU200に送信するエンジンの駆動要求を決定する。
例えば、判定部53でハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値以下となった、および所定値以下を継続中と判定した場合、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310に回転数制限を掛け、エンジン310が非稼働の場合は、回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可する。エンジン310の回転数制限は、ハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値より大きくなったと判定されるまで継続される。
この回転数の制限値は、データ取得部41で取得したハイブリッド車両3の車両状態ないしは車両環境情報などから決定され、例えばメータECU(不図示)から受信した外気温および湿度センサを搭載している車両においては、湿度情報などを用い、エンジン310の稼働による水蒸気(白煙)発生をより効果的に抑制できるようにする。
また、エンジン排気の浄化の観点から、触媒温度が低い状態で3元触媒の浄化効果が期待できない条件下の場合は、回転数制限を一時的に解除し、触媒温度がエンジン排気の浄化に適した温度になった後に、改めて回転数制限かけるなどエンジン排気の観点を組み入れ、回転数制限を行っても良い。
次に、駐車制御ECU103の判定部53およびエンジン制御部62が行う駐車制御について、図6を参照して説明する。
図6は、第3の実施形態の判定部53およびエンジン制御部62の処理フローを示すフローチャートである。
本実施形態においては、ステップS100の処理を実行後、データ取得部41で取得したデータを用いて判定部53にて、メータECU(不図示)から受信したハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値以下か否かを判定する。具体的には、外気温が所定値より大きい状態から所定値以下となったタイミングと、外気温が所定値以下が継続している状態を検出する(ステップS140)。
ステップS140で外気温が所定値より大きいと判定された場合、エンジン制御部62によるハイブリッド車両3のエンジン状態の制御は不要なため、処理を終了させる。
一方、ステップS140にてハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値以下となった、および所定値以下を継続中と判定された場合は、エンジン制御部62にて実施されるステップS150にて、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310に回転数制限を掛け、エンジン310が非稼働の場合は、回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可する。エンジン310の回転数制限は、後退中ではないと判定されるまで継続される。
上記ステップS100からステップS150のフローは、ハイブリッド車両3が目標駐車位置に到達することで終了する。
以上のように、本実施形態における駐車制御装置A3(駐車制御ECU103)は、判定部53が、ハイブリッド車両周辺の外気温が所定値以下であると判定時および判定中は、エンジン制御部62は、稼働中のエンジン310に回転数制限を掛ける、ないしは回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可する。これにより本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様、第1の実施形態における駐車制御装置A1(駐車制御ECU101)に比べ、完全なエンジン停止ではなく、エンジン回転数制限による水蒸気(白煙)発生防止のため、その効果は落ちるが、ハイブリッド車両の駐車操作実行期間中のエンジン稼働による水蒸気(白煙)発生が要因となる駐車操作中止回数を低減でき、上記期間中の利便性を向上させることができる。また、エンジン排気の浄化の観点から、本実施形態の駐車制御装置A3は、エンジンを停止させない分、エンジンデバイスの温度低下代が少ないため、駐車制御装置A1に比べ、優位である。
[変形例]
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、第3の実施形態では、ステップS140において、ハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値以下となった、および所定値以下を継続中と判定された場合に、駐車制御装置A3は、ステップS150において、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310に回転数制限を掛け、エンジン310が非稼働の場合は、回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可したが、図3に示す第1の実施形態のステップS120のように、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310を停止し、エンジン310が非稼働の場合は、エンジンの稼働を禁止するようにしてもよい。この場合の変形例を図8に示す。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、第3の実施形態では、ステップS140において、ハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値以下となった、および所定値以下を継続中と判定された場合に、駐車制御装置A3は、ステップS150において、エンジン稼働による水蒸気(白煙)の発生を抑制するため、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310に回転数制限を掛け、エンジン310が非稼働の場合は、回転数制限下でのエンジン310の稼働を許可したが、図3に示す第1の実施形態のステップS120のように、エンジン310が稼働中の場合は、エンジン310を停止し、エンジン310が非稼働の場合は、エンジンの稼働を禁止するようにしてもよい。この場合の変形例を図8に示す。
また、上記第1の実施形態では、ステップS110において、判定部51は、ハイブリッド車両1が後退開始時および後退中であるかだけを判定し、上記第3の実施形態では、ステップS140において、判定部53は、ハイブリッド車両3周辺の外気温が所定値以下であるかだけを判定したが、その両方を判定してもよい。これにより、必要な場面(後退中で低温時)に限定して、エンジンの稼働による排気ガス中の水蒸気(白煙)発生を抑制し、利便性を更に向上させることができる。
A1,A2,A3 駐車制御装置
1,2,3 ハイブリッド車両
101,102,103 駐車制御ECU
11 必要電力量算出部
21 電力量比較部
31 走行/充電制御部
41 データ取得部
51,53 判定部
61,62 エンジン制御部
110 カメラ
130 モニタ
1,2,3 ハイブリッド車両
101,102,103 駐車制御ECU
11 必要電力量算出部
21 電力量比較部
31 走行/充電制御部
41 データ取得部
51,53 判定部
61,62 エンジン制御部
110 カメラ
130 モニタ
Claims (7)
- 内燃機関としてのエンジンを駆動源とするエンジン走行、バッテリを用いたモータを駆動源とするバッテリ走行、および前記エンジンによる前記バッテリの充電を行うエンジン充電を実行可能なハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記ハイブリッド車両の駐車を実行するのに必要な電力量を計算する必要電力量算出部と、
前記必要電力量算出部により計算された必要な電力量と、駐車を開始する前の前記バッテリに残留する使用可能な電力量とを比較する電力量比較部と、
前記電力量比較部による前記必要な電力量と前記使用可能な電力量との比較に基づき、前記エンジン走行、前記バッテリ走行および前記エンジン充電の動作を制御する走行/充電制御部と、
前記走行/充電制御部が前記エンジン走行、前記バッテリ走行および前記エンジン充電の動作を制御する際、前記ハイブリッド車両の車両状態情報ないしは車両環境情報に基づいて前記ハイブリッド車両の車両状態ないしは車両環境を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記ハイブリッド車両のエンジンの稼動状態を制御するエンジン制御部とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記判定部が、前記ハイブリッド車両が後退開始時および後退中であると判定した場合、前記エンジン制御部は、稼働中の前記エンジンを停止、ないしは前記エンジンの稼働を禁止することを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記走行/充電制御部がエンジン走行を選択時、前記判定部が、前記バッテリの充電状態および温度から稼働中の前記エンジンの停止が不可能、ないしは前記エンジンの稼働禁止からの復帰が必要であると判定した場合、前記エンジン制御部は、稼働中の前記エンジンの停止を禁止、ないしは前記エンジンの稼働を許可することを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記判定部が、前記ハイブリッド車両が後退開始時および後退中であると判定した場合、前記エンジン制御部は、稼働中の前記エンジンに回転数制限を掛ける、ないしは回転数制限下での前記エンジンの稼働を許可することを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記判定部が、前記ハイブリッド車両周辺の外気温が所定値以下であると判定時および判定中は、前記エンジン制御部は、稼働中の前記エンジンを停止、ないしは前記エンジンの稼働を禁止することを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記判定部が、前記ハイブリッド車両周辺の外気温が所定値以下であると判定時および判定中は、前記エンジン制御部は、稼働中の前記エンジンに回転数制限を掛ける、ないしは回転数制限下での前記エンジンの稼働を許可することを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駐車制御装置であって、
前記ハイブリッド車両はカメラを備え、
前記判定部は、前記ハイブリッド車両の車両状態ないしは車両環境が、前記カメラによる撮像に適さない状況を生じ得る場合であるかどうかを判定し、
前記判定部が、前記ハイブリッド車両の車両状態ないしは車両環境が、前記カメラによる撮像に適さない状況を生じ得る場合であると判定した場合、前記エンジン制御部は、前記エンジンの排気を制限するよう、前記エンジンの稼動状態を制御することを特徴とするハイブリッド車両の駐車制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018232902A JP2020093663A (ja) | 2018-12-12 | 2018-12-12 | ハイブリッド車両の駐車制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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