JP2020092548A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御するにあたり各モータの動特性を考慮しつつ複数モータによる消費エネルギーの総和を低減する。【解決手段】評価関数導出部40は、複数モータによる消費エネルギーの総和である総和エネルギーを評価する評価関数を導出する。評価関数導出部40は、各モータの動特性に係る特性量を含んだ評価関数を導出する。目標制御値導出部50は、駆動力が目標駆動値となる制約条件のもとで、評価関数が総和エネルギーの低減の目標条件を満たすように、各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する。【選択図】図2
Description
本発明は、車両の制御装置に関し、特に、複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御する制御装置に関する。
特許文献1には、異なった負荷分布でモータの作動を許容するコントローラに2つの電気モータが割り当てられ、コントローラが最適な効率度に対応するギア速度を選択するマルチモータ駆動装置が記載されている。
また、特許文献2には、複数のモータを備える電気自動車の各モータの出力トルク仮定値を出力セットとして設定し、効率特定マップを用いて各出力セットの全消費電力を演算し、複数の出力セットのうちの全消費電力が最小となる出力セットを選択し、選択した出力セットにしたがって各モータに制御指令を出力する電気自動車の制御装置が記載されている。
例えば、特許文献1,2に記載されるように、複数モータを備える車両を制御する装置が従来から知られている。
ところで、複数モータを備える車両の走行状態をより正確に把握するためには、動作状態ごとに得られる各モータの静特性に加え、動作状態を変化させる際に生じる各モータの動特性を考慮することが望ましい。
本発明は、複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御するにあたり、各モータの動特性を考慮しつつ複数モータによる消費エネルギーの総和を低減することを目的とする。
本発明の具体例の一つである制御装置は、複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御する制御装置であって、前記駆動力の目標値である目標駆動値を導出する目標駆動値導出部と、前記複数モータによる消費エネルギーの総和である総和エネルギーを評価する評価関数として、前記各モータの動特性に係る特性量を含んだ評価関数を導出する評価関数導出部と、前記駆動力が前記目標駆動値となる制約条件のもとで、前記評価関数が総和エネルギーの低減の目標条件を満たすように、前記各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する目標制御値導出部と、を有することを特徴とする。
上記具体例によれば、複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御するにあたり、各モータの動特性を考慮しつつ複数モータによる消費エネルギーの総和を低減することが可能になる。
例えば、前記各モータの動特性に係る特性量は、前記各モータが動作状態を変更させるのに必要なエネルギーであってもよい。
また、例えば、前記目標条件は、前記総和エネルギーの評価量を含んだ前記評価関数を最小にすることであってもよいし、前記目標制御値導出部は、前記制約条件のもとで前記評価関数が最小となるように前記各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出してもよい。
また、例えば、前記評価関数導出部は、各モータの損失特性を回転数ごとに定めた損失マップから各モータのエネルギーの損失量を得て前記評価関数を導出してもよい。
また、例えば、前記評価関数導出部は、複数の離散的な回転数に対応した前記損失マップから、離散的な回転数と任意の回転数との間の回転数差に応じた重み付け加算により、当該任意の回転数における各モータのエネルギーの損失量を得るようにしてもよい。
また、例えば、前記評価関数導出部は、前記総和エネルギーの評価量に加えて抑制の対象となる抑制量を含んだ前記評価関数を導出してもよいし、前記目標制御値導出部は、前記制約条件のもとで、前記総和エネルギーの評価量と前記抑制量を含んだ前記評価関数が最小となるように、前記各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出してもよい。
また、例えば、前記目標駆動値から得られる目標加速度と車両から検出される実加速度の差に応じて、前記目標制御値の導出に利用される前記駆動力の目標値を修正するようにしてもよい。
本発明の具体例の一つにより、複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御するにあたり、各モータの動特性を考慮しつつ複数モータによる消費エネルギーの総和を低減することが可能になる。
図1は、本発明の具体的な実施態様の一例を示す図である。図1には、制御装置100を備えた車両の具体例が図示されている。図1に例示する車両は、複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得ている。
図1には、動力源となる複数モータの具体例として、第1モータM1と第2モータM2と第3モータM3が例示されている。そして、第1モータM1から得られるモータトルクT1と、第2モータM2から得られるモータトルクT2と、第3モータM3から得られるモータトルクT3が、複数のギア200により纏められ、タイヤ300を回転させる出力軸トルクTpが得られる。なお、モータトルクT1〜T3は、モータ出力の具体例の一つであり、出力軸トルクTpは、車両を駆動する駆動力の具体例の一つである。
また、図1に示す具体例では、第1モータM1に対応したギア200のギア比がGr1であり、第2モータM2に対応したギア200のギア比がGr2であり、第3モータM3に対応したギア200のギア比がGr3である。そして、図1に示す具体例において、出力軸トルクTpは、Tp=T1/Gr1+T2/Gr2+T3/Gr3となる。
なお、モータの個数は3つに限定されない。例えば、モータの個数をn(nは自然数)とし、各モータに割り当てる番号をi(iはn以下の自然数)とする。また、各モータから得られるモータトルクをTiとし、各モータに対応したギア200のギア比をGriとすると、出力軸トルクTpは、次式のように一般化される。
Tp=T1/Gr1+T2/Gr2+・・・+Ti/Gri+・・・+Tn/Grn
Tp=T1/Gr1+T2/Gr2+・・・+Ti/Gri+・・・+Tn/Grn
図2は、制御装置100の具体例を示す図である。図2には、図1に例示する車両が備える制御装置100の具体例が図示されている。
図2に例示する制御装置100は、操作量検出部12と車両状態検出部14と目標駆動値導出部20と車両状態予測部22と制約条件設定部30と評価関数導出部40とマップ記憶部42と目標制御値導出部50とモータ制御部60を備えている。
操作量検出部12は、車両(図1)を運転する運転者(ドライバ)による操作の操作量を検出する。操作量検出部12は、例えば、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度θを検出する。
車両状態検出部14は、車両(図1)の状態(走行状態)を示す状態量を検出する。車両状態検出部14は、車両の状態を示す状態量として、例えば車両の速度V(k)を検出する。なお、速度V(k)に含まれるkは、現在のステップ(現在の時刻)を示す値(例えば自然数)である。
目標駆動値導出部20は、車両(図1)の駆動力についての目標値である目標駆動値を導出する。目標駆動値導出部20は、例えば、操作量検出部12によって検出される操作量と、車両状態検出部14によって検出される状態量から、目標駆動値を導出する。目標駆動値導出部20は、目標駆動値として、例えば出力軸トルクTpの目標値である目標トルクTp*を導出する。例えば、アクセル開度θと速度V(k)から公知のマップを利用して目標駆動力To=map(θ,V)が導出され、その目標駆動力Toから、目標トルクTp*=To/Gdが算出される。なお、Gdは車両のデフギア比である。
車両状態予測部22は、車両(図1)の車両状態を予測する。車両状態予測部22は、例えば、車両状態検出部14によって検出される状態量と、目標駆動値導出部20から得られる目標駆動力に基づいて、車両状態の予測量を導出する。車両状態予測部22は、例えば、車両に関する第1の車両モデルを用いて速度V(k+1)を予測し、車両に関する第2の車両モデルを用いて出力軸の回転数の目標値である予測回転数Np(k+1)を導出する。
第1の車両モデルの具体例は次式である。第1の車両モデルが示すmは車両の重量であり、Toは目標駆動値導出部20から得られる目標駆動力であり、Fdは走行抵抗(推定値でもよい)である。
また、第1の車両モデルを現在のステップkを利用して変形すると次式のようになる。次式においてdtはサンプリングタイム(1ステップ間の時間)である。
m{V(k+1)−V(k)}/dt=To(k)−Fd(k)
V(k+1)=V(k)+(dt/m){To(k)−Fd(k)}
m{V(k+1)−V(k)}/dt=To(k)−Fd(k)
V(k+1)=V(k)+(dt/m){To(k)−Fd(k)}
第2の車両モデルの具体例は、Np(k+1)={V(k+1)/Rt}Gdである。第2の車両モデルが示すRtは車両(図1)のタイヤ半径であり、Gdは車両のデフギア比である。
制約条件設定部30は、目標制御値導出部50が目標制御値を導出する際に利用する制約条件を設定する。制約条件設定部30は、複数モータのモータ出力を利用して得られる駆動力が目標駆動値となることを制約条件とする。例えば、駆動力の具体例の一つが出力軸トルクTpであり、目標駆動値の具体例の一つが目標トルクTp*である。これらの具体例に対応した制約条件として、制約条件設定部30は、例えば、出力軸トルクTpが目標トルクTp*となる次式を設定する。
Tp=T1/Gr1+T2/Gr2+・・・+Tn/Grn=Tp*
Tp=T1/Gr1+T2/Gr2+・・・+Tn/Grn=Tp*
評価関数導出部40は、複数モータによる消費エネルギーの総和である総和エネルギーを評価する評価関数を導出する。評価関数導出部40は、各モータの動特性に係る特性量を含んだ評価関数を導出する。評価関数導出部40は、例えば、マップ記憶部42に記憶された損失マップを利用して評価関数を導出する。なお、評価関数導出部40によって導出される評価関数の具体例については後に詳述する。
目標制御値導出部50は、駆動力が目標駆動値となる制約条件のもとで、評価関数が総和エネルギーの低減の目標条件を満たすように、各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する。目標制御値導出部50は、例えば、制約条件設定部30によって設定された制約条件のもとで評価関数導出部40によって導出される評価関数が最小となるように、各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する。目標制御値の具体例の一つが、各モータのモータトルクTiの目標値となるモータ目標トルクTi*である。
モータ制御部60は、目標制御値導出部50によって導出される目標制御値を利用して車両(図1)が備える複数モータを制御する。例えば、目標制御値として各モータのモータ目標トルクTi*が導出されていれば、モータ制御部60は、各モータのモータトルクTiがモータ目標トルクTi*となるように、例えば各モータに対してトルク指令値の信号を出力することにより、各モータのトルクを制御する。
図1に例示する車両と図2に例示する制御装置100の概要は以上のとおりである。次に、図1の車両と図2の制御装置100により実現される機能等の具体例について詳述する。なお、図1,図2に示した構成(部分)については、以下の説明において図1,図2の符号を利用する。
各モータの動作について、ある動作点における静的な効率(静特性)だけではなく、ある動作点から他の動作点へ動作状態を変化させる際に必要な動的な効率(動特性)を考慮した解析を検討する。ある動作点における動特性をその動作点回りでの時定数τiを用いて(1)式のように表す。(1)式におけるuiはトルク指令値である。
また、(1)式をサンプリングタイムdtで離散化すると(2)式のようになる。
Ti(k+1)=Ti(k)+(dt/τi)(−Ti(k)+ui(k)) ・・・(2)
Ti(k+1)=Ti(k)+(dt/τi)(−Ti(k)+ui(k)) ・・・(2)
次のステップでTi(k+1)=Ti*(モータiの目標トルク)とするためには(3)式を満たす必要がある。
ui(k)=(τi/dt) Ti*−(τi/dt−1)Ti(k) ・・・(3)
ui(k)=(τi/dt) Ti*−(τi/dt−1)Ti(k) ・・・(3)
(3)式に含まれるTi(k)は、現状の状態(現状の動作点)を保つために必要なトルクとなる。したがって、動作点を移動するために必要なトルクdTiは(4)式となる。
dTi=ui(k)−Ti(k)=(τi/dt)(Ti*−Ti(k)) ・・・(4)
dTi=ui(k)−Ti(k)=(τi/dt)(Ti*−Ti(k)) ・・・(4)
これらのことから、各モータの回転数をNiとすると、Ni・dTiは、動作点を動かすために必要なエネルギーと見なすことができる。
さらに、各モータを回転数Ni且つトルクTi*で駆動した場合におけるエネルギーの損失量Losiは、各モータの損失特性を回転数ごとに定めた損失マップを利用することにより、回転数Niの損失マップに対応したTi(k+1)の関数として、Losi=fi(Ti(k+1))と表現できる。
図3は、損失マップの具体例を示す図である。損失マップは、各モータの損失特性を回転数ごとに定めたマップであり、例えばマップ記憶部42に記憶される。図3には、各モータのトルク(モータトルク)の大きさと損失(エネルギーの損失量)の対応関係を回転数ごとに定めた損失マップが例示されている。
図3には、損失マップの具体例として、回転数ごとに予め計測されたトルクと損失の計測値から算出される近似関数が例示されている。例えば、予め計測された複数の計測値から、2次多項式または3次多項式などによる近似により、損失マップとなる近似関数が導出されてもよい。
また、例えば、図3に例示するように、離散的な複数の回転数N1,N2,N3,・・・の各回転数に対応した損失マップが予め計測された計測値から導出されてもよい。
なお、離散的な回転数Ni,Ni+1の損失マップから、任意の回転数Nx(Ni<Nx<Ni+1)における各モータのエネルギーの損失量が得られてもよい。例えば、回転数Ni,Ni+1と回転数Nxとの間の回転数差に応じた重み付け加算である(5)式を利用して、任意の回転数Nxにおける各モータのエネルギーの損失量Losxが算出されてもよい。
Losx=(Ni+1−Nx)Losi/(Ni+1−Ni)+(Nx−Ni)Losi+1/(Ni+1−Ni) ・・・(5)
Losx=(Ni+1−Nx)Losi/(Ni+1−Ni)+(Nx−Ni)Losi+1/(Ni+1−Ni) ・・・(5)
評価関数導出部40は、各モータの損失特性を回転数ごとに定めた損失マップ(図3参照)から各モータのエネルギーの損失量を得て、複数モータによる消費エネルギーの総和である総和エネルギーを評価する評価関数EFを導出する。例えば、次式に示す評価関数EFが導出される。次式において、Ki=Ni(τi/dt)であり、Ti0=Ti(k)(Ti(k)は現在のモータトルク)である。
評価関数EF ・・・(6)
EF=(K1(T1−T10)+f1(T1))+(K2(T2−T20)+f2(T2))+・・・+(KN(TN−TN0)+fN(TN))
評価関数EF ・・・(6)
EF=(K1(T1−T10)+f1(T1))+(K2(T2−T20)+f2(T2))+・・・+(KN(TN−TN0)+fN(TN))
なお、(6)式においてTi<Ti0の場合はエネルギー回生に相当する。そこで、回生率などを考慮したゲインHiを利用して、例えば(6)式の(Ti−Ti0)をHi(Ti−Ti0)に変更した評価関数EFが導出されてもよい。
目標制御値導出部50は、制約条件設定部30によって設定された制約条件のもとで、評価関数導出部40が導出した評価関数EFが総和エネルギーの低減の目標条件を満たすように、各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する。
目標制御値導出部50は、例えば、制約条件設定部30によって設定された制約条件、つまり出力軸トルクTpが目標トルクTp*となる制約条件Tp=Tp*を満たしつつ、例えば、(6)式の評価関数EFが最小となるように、各モータのモータトルクTiの目標値となるモータ目標トルクTi*を導出する。こうして、各モータの静特性に加えて各モータの動特性を考慮して最適化された各モータのモータ目標トルクTi*が得られる。
なお、評価関数導出部40は、総和エネルギーの評価量に加えて抑制の対象となる抑制量を含んだ評価関数を導出してもよい。例えば、回転数とトルクから振動の大きさや騒音の大きさなどを得る抑制量マップの出力Qwに重み定数gqを乗算し、(6)式の評価関数EFに加えることにより、総和エネルギーと抑制量を評価する次式の評価関数EF´が導出されてもよい。
評価関数EF´ ・・・(7)
EF´=(K1(T1−T10)+f1(T1))+・・・+(KN(TN−TN0)+fN(TN)+gq・Qw)
評価関数EF´ ・・・(7)
EF´=(K1(T1−T10)+f1(T1))+・・・+(KN(TN−TN0)+fN(TN)+gq・Qw)
そして、目標制御値導出部50が、例えば、制約条件Tp=Tp*を満たしつつ(7)式の評価関数EF´を最小とする各モータのモータ目標トルクTi*を導出する。これにより、総和エネルギーを低減しつつ、振動の大きさや騒音の大きさなどを示す抑制量を抑えた各モータのモータ目標トルクTi*が得られる。
また、目標駆動値から得られる目標加速度と車両から検出される実加速度との差に応じて、目標制御値の導出に利用される駆動力の目標値が修正されてもよい。例えば、目標駆動値導出部20が目標駆動値として導出した目標トルクから目標加速度が推定され、車両状態検出部14が車両(図1)の実際の加速度である実加速度を検出する。そして、目標トルクから推定される目標加速度と車両状態検出部14が検出する実加速度との差に応じて、目標トルクが修正(補正)されてもよい。
例えば、偏差量(例えば目標加速度と実加速度の差)をdaとし、その偏差量が生ずる頻度の大きさをfdとし、目標トルクをTmとする。そして、fd>C1且つ|da|>C2であるならば(但しC1,C2は正定数)、正定数K1,K2を利用した次式により目標トルクTmが修正(補正)されてもよい。
Tm=Tm+K1・da+K2∫da・dt(∫は積分演算を示す記号) ・・・(8)
Tm=Tm+K1・da+K2∫da・dt(∫は積分演算を示す記号) ・・・(8)
目標加速度と実加速度を比較して目標トルクを修正することにより、例えば、車両(図1)の特性や各モータの特性が変化した場合でも、それらの特性の変化に伴う目標加速度と実加速度のずれを軽減できるようになる。
図4は、動特性を考慮することによる効果の具体例を説明するための図である。図4には、ステップkから次のステップk+1へ車両を加速する場合に、各モータに与えるモータトルクが例示されている。図4において、モータトルクTm1はモータ1に対応しており、モータトルクTm2はモータ2に対応しており、モータトルクTm3はモータ3に対応している。
図4(1)は、3つのモータのモータ特性が全て同じ場合に、各モータの静特性のみを考慮して得られるモータトルクの具体例を示している。図4(1)に示す具体例では、3つのモータの特性が全て同じであるため、3つのモータに対して均等なモータトルクが与えられている。
これに対し、図4(2)(3)は、モータ3の時定数がモータ1,2の時定数よりも大きい場合の具体例を示している。
図4(2)は、各モータの動特性を考慮してエネルギーを回生しない場合に得られるモータトルクの具体例を示している。図4(2)に示すモータトルクは、例えば、前述の制約条件Tp=Tp*を満たしつつ、(6)式の評価関数EFが最小となるように導出される各モータのモータ目標トルクTi*の具体例の一つである。
図4(2)に示す具体例では、ステップkからステップk+1への変化において、時定数の大きい(遅い)モータ3へ与えるモータトルクTm3が保持され、ステップkのモータトルクTm3(k)とステップk+1のモータトルクTm3(k+1)の大きさがほぼ等しい。
図4(3)は、各モータの動特性を考慮してエネルギーを回生した場合に得られるモータトルクの具体例を示している。図4(3)に示すモータトルクは、例えば、前述の制約条件Tp=Tp*を満たしつつ、(6)式の(Ti−Ti0)をHi(Ti−Ti0)に変更した評価関数EFが最小となるように導出された各モータのモータ目標トルクTi*の具体例の一つである。
図4(3)に示す具体例では、ステップkからステップk+1への変化において、時定数の大きい(遅い)モータ3の動作が停止され、モータ3から回生エネルギーが得られている。
また、図4には、消費電力の比較例が図示されている。つまり、3つのモータのモータ特性が全て同じであり時定数が一定の場合における消費電力(1)と、モータ3の時定数が他のモータよりも大きく、動特性を考慮してエネルギーを回生しない場合における消費電力(2)と、モータ3の時定数が他のモータよりも大きく、動特性を考慮してエネルギーを回生した場合における消費電力(3)の具体例が例示されている。なお、図4には、モータ3の時定数が他のモータよりも大きく、動特性を考慮せずに静特性のみを考慮した場合における消費電力(*)も例示されている。
3つのモータのモータ特性が全て同じであり時定数が一定であれば、例えば動特性を考慮しなくても、比較的少ない消費電力(1)となる。しかし、モータ3の時定数が他のモータよりも大きいにも関わらず、動特性を考慮せずに静特性のみを考慮して、例えばモータ3に対してモータ1,2と同程度のモータトルクが与えられると、モータ3が同じトルクを出すために大きな電力を消費してしまい、比較的大きな消費電力(*)となってしまう。
これに対し、動特性を考慮することにより、例えば消費電力(2)と消費電力(3)のように、消費電力(*)よりもモータ1〜3で消費するトータルの消費電力を少なくすることができる。特に、動特性を考慮すると共にエネルギーを回生すれば、消費電力(2)よりも少ない消費電力(3)を実現することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
12 操作量検出部、14 車両状態検出部、20 目標駆動値導出部、22 車両状態予測部、30 制約条件設定部、40 評価関数導出部、42 マップ記憶部、50 目標制御値導出部、60 モータ制御部、100 制御装置。
Claims (7)
- 複数モータから得られるモータ出力を利用して駆動力を得る車両を制御する制御装置であって、
前記駆動力の目標値である目標駆動値を導出する目標駆動値導出部と、
前記複数モータによる消費エネルギーの総和である総和エネルギーを評価する評価関数として、前記各モータの動特性に係る特性量を含んだ評価関数を導出する評価関数導出部と、
前記駆動力が前記目標駆動値となる制約条件のもとで、前記評価関数が総和エネルギーの低減の目標条件を満たすように、前記各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する目標制御値導出部と、
を有する、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置において、
前記各モータの動特性に係る特性量は、前記各モータが動作状態を変更させるのに必要なエネルギーである、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1または2に記載の制御装置において、
前記目標条件は、前記総和エネルギーの評価量を含んだ前記評価関数を最小にすることであり、
前記目標制御値導出部は、前記制約条件のもとで前記評価関数が最小となるように前記各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記評価関数導出部は、各モータの損失特性を回転数ごとに定めた損失マップから各モータのエネルギーの損失量を得て前記評価関数を導出する、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項4に記載の制御装置において、
前記評価関数導出部は、複数の離散的な回転数に対応した前記損失マップから、離散的な回転数と任意の回転数との間の回転数差に応じた重み付け加算により、当該任意の回転数における各モータのエネルギーの損失量を得る、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記評価関数導出部は、前記総和エネルギーの評価量に加えて抑制の対象となる抑制量を含んだ前記評価関数を導出し、
前記目標制御値導出部は、前記制約条件のもとで、前記総和エネルギーの評価量と前記抑制量を含んだ前記評価関数が最小となるように、前記各モータに対応したモータ出力の目標値である目標制御値を導出する、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記目標駆動値から得られる目標加速度と車両から検出される実加速度の差に応じて、前記目標制御値の導出に利用される前記駆動力の目標値を修正する、
ことを特徴とする車両の制御装置。
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