JP6729002B2 - 電動車両の制御方法、及び、制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両の制御方法、及び、制御装置に関する。
電動機を駆動源として用いる電動車両の制御装置の中には、電動機の回生制動により制動力を得る回生ブレーキ制御装置を備え、この回生ブレーキ制動装置をドライバが操作することにより、回生量が制御されるものがある(例えば、特許文献1)。このような回生ブレーキ制動装置を備える電動車両においては、電動車両を停車させる場合に、ドライバは、電動車両が低速域まで減速するように回生量を制御する必要がある。
しかしながら、ドライバの操作に応じて回生量が増減される場合には、回生量の増減の操作をドライバが頻繁に行わなければならないため、ドライバの負担になる。また、回生量が大きい状態で停車すると、車両が前後に振られる振動(以下、加速度振動と称する)が発生するため、電動車両の滑らかな減速感が損なわれてしまいドライバに違和感を与えてしまう。
そこで、電動車両を滑らかに停車させるための回生量の制御方法の一つとして、モータ回転速度をフィードバック量とするフィードバック制御が考えられている。
特開平8−79907号公報
モータ回転速度に基づくフィードバック制御を行う方法では応答性が低いため、制御系の安定性を確保するためにフィードバック量を小さくする必要がある。しかしながら、フィードバック量を小さくしてしまうと、電動車両が停車するまでの制動距離がのびてしまう。そのため、制動距離を短くしようとして、ドライバがブレーキペダルを踏み込んでしまうと、滑らかに停車できない。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、滑らかに停車させることができる電動車両の制御方法、及び、制御装置を提供することを目的とする。
本発明の電動車両の制御方法の一態様は、電動車両の制御方法は、アクセルペダルの開度に応じて電動車両が備えるモータに対するトルク指令値を設定し、電動車両を停車させる場合には、該トルク指令値に応じて前記モータを回生させる電動車両の制御方法である。この制御方法は、モータの回転速度に応じて該回転速度が低下するような速度制御トルクを算出する速度制御ステップと、電動車両に対する外乱トルクを推定する外乱トルク推定ステップと、電動車両を停車させる場合には、速度制御トルクと外乱トルクとを加算してトルク指令値を算出するトルク指令値算出ステップとを備える。速度制御ステップは、記回転速度が漸次的にゼロに収束するような回転速度目標値を設定する回転速度目標値設定ステップと、回転速度目標値に対して、第1のフィルタ処理を行うことでフィードフォワードトルクを算出するフィードフォワードトルク算出ステップと、回転速度目標値と前記回転速度との差分に対して、第2のフィルタ処理を行うことでフィードバックトルクを算出するフィードバックトルク算出ステップと、フィードフォワードトルクと前記フィードバックトルクとを加算して速度制御トルクを算出する加算ステップと、を備える。
本発明の一態様によれば、電動車両を滑らかに停車することができる。
図1は、本発明の制御方法により制御される電動車両の概略構成図である。 図2は、モータ制御のフローチャートである。 図3は、アクセル開度とトルクとの関係を示すテーブである。 図4は、電動車両の駆動力伝達系をモデル化した図である。 図5は、停止制御処理のブロック図である。 図6は、速度制御部の詳細なブロック図である。 図7は、モータ回転速度目標値設定部のブロック図である。 図8は、モータ回転速度目標値設定部にて用いる減衰率テーブルである。 図9は、外乱トルク推定部の詳細なブロック図である。 図10は、フラグ設定部における処理を示すフローチャートである。 図11は、停車までの動作を示すタイミングチャートである。 図12は、停車までの動作を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の制御方法により制御される電動車両100を示す図である。
電動車両100に搭載されるバッテリ1は、充放電可能な電池である。バッテリ1から放電される電力は、インバータ2を介してモータ3に供給される。また、モータ3が回生制動される場合には、モータ3で生じる回生電力が、インバータ2を介してバッテリ1に充電される。なお、インバータ2とモータ3との間には、電流センサ4が設けられており、電流センサ4はモータ3へと流れる三相電流iu、iv、iwを測定する。
インバータ2は、複数の電子デバイスにより構成される回路であり、直流と交流との変換を行う。例えば、インバータ2は、各相で2個のスイッチング素子で構成されている。なお、例えば、スイッチング素子として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOS−FET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)等のパワー半導体素子が用いられる。
インバータ2においては、モータコントローラ5が生成するPWM信号に応じてスイッチング素子のON/OFFの切り替え操作が行われる。このような切り替え操作によって、バッテリ1からインバータ2に供給される直流の電流が変換され、モータ3に所望の大きさの交流電流が印加される。なお、モータ3が回生制動を行う時には、モータ3からは回生電力が交流で出力され、その回生電力はインバータ2によって直流に変換された後にバッテリ1に充電される。
モータコントローラ5は、モータ3の駆動トルクを制御する制御装置である。モータコントローラ5には、車速V、アクセル開度θ、モータ3の回転子位相α、及び、電流センサ4により検出される三相電流iu、iv、iw等の車両変数の信号がデジタル信号として入力される。
なお、回転子位相αは、モータ3に併設された回転センサ6(例えば、レゾルバやエンコーダ)により測定される。また、モータ3は三相交流モータであるため、電流センサ4は、モータ3に流れる三相電流iu、iv、iwを測定し、これらの電流値をモータコントローラ5に出力する。なお、車速V、及び、アクセル開度θの詳細については、後に説明する。
モータコントローラ5は、入力される車両変数に基づいて、モータ3の制御に用いるPWM信号を生成する。そして、モータコントローラ5は、ドライブ回路(不図示)を用いて、PWM信号に基づいて、インバータ2に対する駆動信号を生成する。
モータ3は、インバータ2から供給される交流電流によって駆動トルクを発生させる。モータ3の駆動トルクは、減速機7及び駆動軸(ドライブシャフト)8を介して2つの駆動輪9に伝達される。また、モータ3は、電動車両100の停車時に駆動輪と連れて回転し、回生制動力を発生させるとともに回生電力を生成することもできる。このようにして、電動車両100の運動エネルギーが、電気エネルギーとして回収される。
図2は、モータコントローラ5により実行されるモータ制御のフローチャートである。
ステップS201においては、入力処理が実行される。具体的には、モータコントローラ5は、モータ制御に必要な車両情報を示す信号(車両変数)を、センサ入力または他コントローラとの通信により取得する。
モータ3に流れる三相電流iu、iv、iwは、電流センサ4により取得される。なお、三相の電流値の合計はゼロになることが知られている。そのため、例えば、三相電流の1つであるiwは、電流センサ4により取得されるのではなく、iuとivとから計算にて求めてもよい。
モータ3の回転子位相α(電気角)[rad]は、レゾルバやエンコーダなどの回転センサ6により取得される。その回転子位相α(電気角)を微分することで、回転子角速度ω(電気角)[rad/s]が求められる。そして、モータ3の機械的な角速度であるモータ回転速度ωm[rad/s]は、回転子角速度ω(電気角)をモータ3の極対数で除することで求められる。モータ回転速度N[rpm]は、モータ回転速度ωm[rad/s]に対して、[rad/s]から[rpm]への単位変換係数(60/2π)を乗ずることで求められる。
車速V[km/h]は、以下のように算出することができる。まず、モータ回転速度ωmにタイヤ動半径Rを乗じ、ファイナルギヤのギヤ比で除することにより、車両速度v[m/s]が求められる。そして、車両速度v[m/s]に、[m/s]から[km/h]への単位変換係数(3600/1000)を乗ずることで、車速V[km/h]が求められる。なお、車速V[km/h]は、不図示のメータやブレーキコントローラ等の他のコントローラより通信にて取得してもよい。
アクセル開度θ[%]は、アクセルペダルの開度を示すパラメータであり、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に応じた値である。アクセル開度θは、アクセル開度センサにより取得してもよいし、車両コントローラや他のコントローラより通信にて取得してもよい。
直流電圧値Vdc[V]は、バッテリ1のコントローラ(不図示)から出力される。なお、直流電圧値Vdc[V]は、直流電源ラインに設けられた電圧センサにより測定されてもよい。
ステップS202においては、基本目標トルク算出処理が実行される。モータコントローラ5は、図3に示されるテーブルを用いて、アクセル開度θ及び車速Vに基づき、第1のトルク目標値Tm1*を設定する。
ここで、図3には、アクセル開度θのそれぞれの場合において、モータ3が回転速度N[rpm]である時に、モータ3にて発生させるトルクT[N・m]が示されている。モータコントローラ5は、このテーブルを用いてアクセル開度θ及びモータ3の回転速度Nから求められるトルクTを、第1のトルク目標値Tm1*として設定する。なお、モータ3の回転速度N[rpm]は、モータ回転速度ωm[rad/s]を変換して求めることができる。
再び図2を参照すると、ステップS203においては、停止制御処理が実行される。モータコントローラ5は、モータ回転速度ωmがある基準を満たす場合には、ステップS202において算出された第1のトルク目標値Tm1 *を、モータトルク指令値Tm*に設定する。一方、モータ回転速度ωmが基準を満たさない場合には、速度制御を開始する。速度制御においては、外乱トルク推定値Tdが求められ、モータ回転速度が小さくなるほど外乱トルク推定値Tdに収束するような第2のトルク目標値Tm2 *を、モータトルク指令値Tm*として設定する。なお、停車時における第2のトルク目標値Tm2 *は、登坂路では正トルク、降坂路では負トルク、平坦路では概ねゼロとなる。そのため、電動車両100は、停車場所の勾配によらず停車状態を保持できる。停止制御処理の詳細については、後に、図5を用いて説明する。
ステップS204においては、電流指令値算出処理が実行される。モータコントローラ5は、ステップS203にて算出されたモータトルク指令値Tm *、モータ回転速度ωm、及び、直流電圧値Vdcから、モータ3に流すべき電流の目標値であるd軸電流目標値id*、及び、q軸電流目標値iq*を求める。具体的には、モータコントローラ5は、直流電圧値Vdc、モータ回転速度ωm、及び、モータトルク指令値Tm*と、d軸電流目標値id*、及び、q軸電流目標値iq*との関係が示されたテーブルを予め記憶しており、このテーブルを用いて、d軸電流目標値id*、及び、q軸電流目標値iq*を求める。
ステップS205においては、電流制御演算処理が実行される。モータコントローラ5は、まず、三相電流iu、iv、iwと、モータ3の回転子位相αとから、d軸電流値id、及び、q軸電流値iqを演算する。次に、モータコントローラ5は、ステップS204で算出したd軸電流目標値id*、及び、q軸電流目標値iq*と、d軸電流値id、及び、q軸電流値iqとのそれぞれの偏差を求め、それらの偏差に応じてd軸電圧指令値vd、及び、q軸電圧指令値vqを演算する。なお、この演算処理にて非干渉制御をあわせて行ってもよい。
そして、モータコントローラ5は、d軸電圧指令値vd、及び、q軸電圧指令値vqとモータ3の回転子位相αとから、三相電圧指令値vu、vv、vwを算出する。モータコントローラ5は、三相電圧指令値vu、vv、vwと直流電圧値Vdcとから、PWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]を求める。モータコントローラ5は、PWM信号をインバータ2に出力する。
モータコントローラ5から出力されるPWM信号を用いて、インバータ2のスイッチング素子のON/OFFが操作される。このようにすることで、モータ3には、インバータ2から所望の交流電力が供給されるので、モータ3の回転駆動が制御される。
ここで、ステップS203における停止制御処理においては、モータトルクTmからモータ回転速度ωmまでの伝達特性をモデル化した伝達特性モデルGp(s)が用いられる。そこで、以下では、図4を用いて、伝達特性モデルGp(s)について説明する。
図4は、電動車両100の駆動力伝達系をモデル化した図である。なお、これらの図面には以下のパラメータが示されている。
Jm:電動モータのイナーシャ
Jw:駆動輪のイナーシャ
M :車両の質量
KD:駆動系の捻り剛性
Kt:タイヤと路面の摩擦に関する係数
N :オーバーオールギヤ比
r :タイヤの過重半径
ωm:電動モータの角速度
Tm:トルク目標値Tm*
TD:駆動輪のトルク
F :車両に加えられる力
V :車両の速度
ωw:駆動輪の角速度
これらのパラメータを用いれば、図4より、以下の運動方程式が導かれる。
なお、これらの式において右肩に「*」が付されたパラメータは、当該パラメータが時間微分された値であることを示す。
(1)〜(5)式により、モータトルクTmから駆動軸ねじり角θまでの伝達特性は次式のように求められる。
ただし、(6)式における各パラメータは下記の通りである。
(6)式に示す伝達関数の極と零点を調べると、次の式の伝達関数に近似でき、その1つの極と1つの零点は極めて近い値を示す。これは、この式のαとβが極めて近い値を示すことに相当する。そのため、(6)式は、次の式のように示すことができる。
したがって、(7)式において極零相殺(α=βと近似する)を行うことにより、次の式に示すような、(2次)/(3次)の伝達特性モデルGp(s)を構成できる。
この(8)式で示される伝達特性モデルGp(s)が、ステップS203の停止制御処理にて用いられる。以下では、停止制御処理の詳細について説明する。
図5は、停止制御処理を示すブロック図である。
速度制御部51においては、速度制御ステップが実行される。具体的には、速度制御部51は、停止制御が開始するタイミングから、モータ回転速度ωmの入力に応じて、モータ回転速度ωmが漸次的にゼロへ収束するようなモータ回転速度目標値ωm*を求める。そして、速度制御部51は、モータ回転速度ωmをモータ回転速度目標値ωm*と一致させるような速度制御トルクTωを算出し、この速度制御トルクTωを加算器53に出力する。なお、速度制御部51の詳細な構成については、後に、図6を用いて説明する。
外乱トルク推定部52においては、外乱トルク推定ステップが実行される。具体的には、外乱トルク推定部52は、モータ回転速度ωmと、スイッチ55から出力されるモータトルク指令値Tm*との入力に応じて、外乱トルク推定値Tdを算出する。なお、外乱トルク推定部52の詳細な構成については、後に、図9を用いて説明する。
加算器53は、速度制御部51にて算出された速度制御トルクTωと、外乱トルク推定部52にて算出された外乱トルク推定値Tdとの和を求め、第2のトルク目標値Tm2*として出力する。なお、第2のトルク目標値Tm2*は、トルク指令値の一例である。また、加算器53は、トルク指令値算出部の一例であり、トルク指令値算出ステップを行う。
フラグ設定部54は、外乱トルク推定値Td、モータ回転速度ωm、及び、第1のトルク目標値Tm1 *の入力に基づいて、スイッチ55の切り替えを指示するフラグを設定する。なお、フラグ設定部54は、ある条件を満たさない場合には、通常の走行状態であると判断し、フラグを0に設定する。一方、フラグ設定部54は、ある条件を満たす場合には、停車間際の状態であると判断し、フラグに1を設定する。なお、フラグ設定部54の詳細な動作については、後に、図10を用いて説明する。
スイッチ55は、フラグ設定部54により設定されたフラグに応じて、第1のトルク目標値Tm1 *または第2のトルク目標値Tm2 *のいずれかを、モータトルク指令値Tm*として出力する。具体的には、スイッチ55は、フラグが0の場合は、第1のトルク目標値Tm1 *を出力し、フラグが1の場合は、第2のトルク目標値Tm2 *を出力する。
図6は、速度制御部51の詳細なブロック図である。
モータ回転速度目標値設定部511においては、回転速度目標値設定ステップが実行される。モータ回転速度目標値設定部511は、停車間際の状態となるタイミングにおいてモータ回転速度ωmを入力値として受け付ける。そして、モータ回転速度目標値設定部511は、その入力値が初期値であり時間の経過とともにゼロに近づくように、モータ回転速度目標値ωm*を算出する。そして、モータ回転速度目標値設定部511は、モータ回転速度目標値ωm*を、ブロック512、及び、減算器513に出力する。
ブロック512は、フィードフォワードトルク算出ステップを実行するフィードフォワードトルク算出部の一例である。ブロック512は、モータ回転速度目標値ωm*に対して「R1(s)/Gp(s)」と示される第1のフィルタ処理を行うことでフィードフォワード制御に用いるトルクを算出し、その算出値に対して第1のゲインK1の乗算処理を行う。ブロック512は、これらの処理を行うことで、フィードフォワード(F/F)制御の指令値となるF/Fトルク(フィードフォワードトルク)Tffを算出し、そのF/FトルクTffを加算器515に出力する。
減算器513は、モータ回転速度目標値ωm*とモータ回転速度ωmとの差分を算出し、算出した差分をブロック514に出力する。
ブロック514は、フィードバックトルク算出ステップを実行するフィードバックトルク算出部の一例である。ブロック514は、減算器513から出力される差分に対して「R1(s)/(Gp(s)(1−R1(s)))」と示される第2のフィルタ処理を行うことでフィードバック制御に用いるトルクを算出し、その算出値に対して第2のゲインK2の乗算処理を行う。ブロック514は、これらの処理を行うことで、フィードバック(F/B)制御の指令値となるF/Bトルク(フィードバックトルク)Tfbを算出し、そのF/BトルクTfbを加算器515に出力する。
加算器515では、加算ステップが実行される。加算器515は、F/FトルクTffとF/BトルクTfbとを加算して、速度制御トルクTωを算出する。
ここで、図6に示されたブロック512、514の構成について詳細に説明する。R1(s)はローパスフィルタであり、その時定数にはシミュレーションまたは実験にて求めた最適値が設定される。また、第1のゲインK1、及び、第2のゲインK2は、それらの和が1となるような値に設定される。このように第1のゲインK1、及び、第2のゲインK2が設定されることで、速度制御トルクTωのうちのF/FトルクTffとF/BトルクTfbとの割合を設定できる。さらに、第2のゲインK2は、外乱トルク推定値Tdに応じて変更される。具体的には、外乱トルク推定値Tdが正の値の場合には、登坂路を走行していると判断され、第2のゲインK2は、より小さい値が設定される。
図7は、モータ回転速度目標値設定部511の詳細なブロック図の一例である。
ブロック5111は、モータ回転速度目標値ωm*を算出して出力するブロックである。まず、電動車両100が停車間際の状態となるタイミングにおいて、ブロック5111には、モータ回転速度ωmが入力される。そして、ブロック5111は、その入力値をそのままモータ回転速度目標値ωm*として出力するとともに、以降の処理にて用いる(8)式に示した伝達特性モデルGp(s)を初期化する。
ブロック5112は、ブロック5112から出力されるモータ回転速度目標値ωm*に対して、ゲインKvrefを乗算して規範トルクTrefを算出する。そして、ブロック5112は、規範トルクTrefをブロック5111に出力する。
停止制御処理の開始後においては、ブロック5111は、ブロック5112から出力される規範トルクTrefに対して、伝達特性モデルGp(s)のフィルタ処理を行うことにより、モータ回転速度目標値ωm*を算出して出力する。このように、停車間際の状態となるタイミングにおいては、ブロック5111は、モータ回転速度ωmを出力する。そして、停車間際の状態となり停止制御処理が開始した後においては、ブロック5111は、時間の経過とともに漸次的にゼロに近づくようなモータ回転速度目標値ωm*を出力する。このような構成とすることにより、規範トルクTrefからモータ回転速度目標値ωm*までの動特性に対して粘性(ダンパ)要素が働く。
図8は、モータ回転速度目標値設定部511の他の例を説明する図である。この例においては、モータ回転速度目標値設定部511は、図8に示された減衰率テーブルを用いて、モータ回転速度目標値ωm*を算出して出力する。
モータ回転速度目標値設定部511は、停車間際の状態となるタイミングにおいてモータ回転速度ωmが入力されると、その入力値を初期値ωminitとするような、図8に示す減衰率テーブルを作成する。作成された減衰率テーブルにおいては、モータ回転速度目標値ωm*が、初期値ωminitから時間の経過とともに漸次的にゼロに近づくように変化する。
モータ回転速度目標値設定部511は、図8に示すような減衰率テーブルを用いることにより、停車間際の状態となるタイミングにおいてモータ回転速度の初期値ωminitを出力する。そして、停止制御処理の開始後においては、モータ回転速度目標値設定部511は、時間の経過とともにゼロに収束するモータ回転速度目標値ωm*を出力する。
なお、別の態様として、モータ回転速度目標値設定部511は、モータ回転速度ωmに対する所定のトルクテーブルを用いてモータ回転速度目標値ωm*を求めてもよい。
図9は、外乱トルク推定部52の詳細なブロック図である。
ブロック521は、モータ回転速度ωmに対して「H(s)/Gp(s)」で示されるフィルタ処理を行い、第1のモータトルク推定値Test1を算出する。この処理に用いられるフィルタは、ローパスフィルタH(s)を(8)式で示した伝達特性モデルGp(s)で除したものである。なお、ローパスフィルタH(s)は、その次数が伝達特性モデルGp(s)の分母次数と分子次数との差分以上となるものが用いられる。このようなローパスフィルタH(s)を用いることにより、第1のモータトルク推定値Test1の安定性を向上させることができる。
ブロック522は、モータトルク指令値Tm*に対してローパスフィルタH(s)を用いたフィルタ処理を行い、第2のモータトルク推定値Test2を算出する。
減算器523は、ブロック521にて算出された第1のモータトルク推定値Test1と、ブロック522にて算出された第2のモータトルク推定値Test2との差分を算出し、その差分を外乱トルク推定値Tdとして出力する。
ここで、外乱に応じたトルク(外乱トルク推定値Td)を推定する処理について説明する。電動車両100は、空気抵抗や勾配に起因する抵抗などの様々な外乱の影響を受ける。そのため、モータトルク指令値Tm*のような指令値と、モータ回転速度ωmのような応答値との間には外乱による偏差が生じる。外乱トルク推定部52は、この偏差に基づいて、外乱トルク推定値Tdを算出する。
なお、外乱トルクの推定方法は、図9に示したように外乱オブザーバにより推定する方法に限られず、車両前後加速度センサ等の計測器を用いて推定してもよい。
図10は、フラグ設定部54における処理手順を示すフローチャートである。
ステップS1001では、ゲインKvrefとモータ回転速度ωmとの積から外乱トルク推定値Tdを減じた値が、第1のトルク目標値Tm1*よりも大きいか否かが判定される。すなわち、「Kvref×ωm−Td>Tm1 *」の判定条件式が成立するか否かが判定される。成立する場合には、次にステップS1002が実行される。一方、成立しない場合には、次にステップS1003が実行される。
ここで、この判定条件式について説明する。電動車両100が停車しようと減速している状態においては、右辺の第1のトルク目標値Tm1 *は、図3に示したテーブルに応じて定まる。そして、電動車両100が停車しようとしている場合には、アクセルペダルは全閉であるため、図3によれば、第1のトルク目標値Tm1 *は一定の負の値となる。一方、電動車両100が減速している状態においては、左辺は、外乱トルク推定値Tdに応じた値に収束する。
したがって、電動車両100が停車するまでの間に、左辺は右辺を上回る。そこで、左辺が右辺を上回る状態を、電動車両100が停車間際の状態とみなし、一方、左辺が右辺以下となる状態を、電動車両100が通常の走行状態とみなす。したがって、この判定条件式を用いることにより、電動車両100が停車間際の状態であるか否かを判断できる。
ステップS1002のように、判定条件式の左辺が右辺よりも大きい場合には、停車間際の状態と判断され、フラグに1がセットされる。
ステップS1003のように、判定条件式の左辺が右辺以下である場合には、通常走行の状態と判断され、フラグに0がセットされる。
このように、電動車両100が停車した状態においては、第2のトルク目標値Tm2*は、外乱トルク推定値Tdと等しくなる。具体的には、外乱トルク推定値Tdは、登坂路では正トルク、降坂路では負トルク、平坦路では概ねゼロに収束する。したがって、摩擦ブレーキを用いなくても、モータ3のトルクのみで滑らかに停車し、勾配に依らず停車状態を保持することができる。
次に図11、及び、図12のタイムチャートを用いて、電動車両100の走行状況について説明する。なお、図11においては、第2のゲインK2は外乱トルク推定値Tdに応じて変化しない。一方、図12においては、第2のゲインK2は外乱トルク推定値Tdに応じて変化する場合がある。
図11(a)には登坂路、図11(b)には平坦路、図11(c)には降坂路における電動車両100の動作が示されている。また、それぞれの図においては、図面上方から、(i)モータ回転速度ωm、(ii)モータトルク指令値Tm*、(iii)電動車両100の前後方向の加速度a、及び、(iv)第2のゲインK2が示されている。なお、(i)にはスイッチ55に設定されるフラグが点線で示されており、また、(ii)には外乱トルク推定値Tdが点線で示されている。
まず、図11(a)に示されるように、電動車両100が登坂路を走行する場合について説明する。
時刻t0、t1では、電動車両100は停車するために減速を開始しているが、停車間際の状態になっておらず、通常の走行状態である。そのため、図10のステップS1001の判定条件式が成立しないので、図5に示したフラグ設定部54は、フラグに0を設定する。したがって、モータトルク指令値Tm*は、図2のステップS202にて算出された第1のトルク目標値Tm1*となる。なお、減速している間はアクセル開度θが全閉状態であるので、図3のテーブルに示したように、第1のトルク目標値Tm1*(モータトルク指令値Tm*)は、負の一定の値となる。
したがって、(ii)モータトルク指令値Tm*は、負の一定の値である第1のトルク目標値Tm1*となる。また、(i)モータ回転速度ωmは、一定の速度で減少しており、(iii)加速度aは、負の一定値である。なお、(iv)第2のゲインK2は、一定の「0.5」の値であり変化しない。
時刻t2では、電動車両100は停車間際の状態となり、図10のステップS1001の判定条件式が成立するので、停車間際の状態であると判断される。そのため、フラグ設定部54がフラグを1に設定するので、スイッチ55から出力されるモータトルク指令値Tm*は、第1のトルク目標値Tm1*から第2のトルク目標値Tm2*に切り替えられる。このタイミングで、速度制御部51においては、モータ回転速度目標値設定部511から出力されるモータ回転速度目標値ωm*の初期値に、モータ回転速度ωmが設定される。
したがって、(i)に示されるように、時刻t2にてフラグに1が設定され、モータ回転速度ωmはゼロへの収束を開始する。また、(ii)に示されるように、モータトルク指令値Tm*は、第2のトルク目標値Tm2*に切り替えられる。第2のトルク目標値Tm2*は、速度制御部51から出力される速度制御トルクTωと、外乱トルク推定部52によって算出された外乱トルク推定値Tdとの和である。速度制御トルクTωは漸次的にゼロに収束するため、第2のトルク目標値Tm2*は、外乱トルク推定値Tdに収束する。また、(iii)に示されるように、モータトルク指令値Tm*の減少に伴って、加速度aは増加を開始する。なお、外乱トルク推定値Tdは、登坂路の勾配に応じて、正の値となる。また、加速度aは、外乱トルク推定値Tdに応じて正の値に収束する。
時刻t3では、電動車両100が概ね停車している状態となる。(i)に示されるように、モータ回転速度ωmは、概ねゼロとなる。また、(ii)に示されるように、モータトルク指令値Tm*は、第2のトルク目標値Tm2*であり、速度制御トルクTωがゼロに収束するため外乱トルク推定値Tdと概ね等しくなる。また、(iii)に示されるように、加速度aは、外乱トルク推定値Tdに応じた所定の正の値に収束する。そのため、電動車両100は、加速度振動の少ない、滑らかな停車を行うことができる。なお、時刻t2からt3までの間において、モータトルク指令値Tm*、及び、加速度aが振動している。この振動はギヤのバックラッシュに起因するものであり、詳細については後に説明する。
時刻t4では、電動車両100は完全に停車している。このような場合には、(iii)に示されるように、加速度aは路面の勾配に応じて正の外乱トルク推定値Tdとなる。
ここで、一般に、F/B制御は、応答性が低いが安定性は高い。一方、F/F制御は、応答性が高いが安定性は低い。そのため、速度制御部51において、F/BトルクTfbに加えてF/FトルクTffを用いることで、応答性が向上する。そのため、モータ回転速度ωmの規範応答の時定数を小さく設定できるので、制動距離が長くなることなく安定性を確保することができる。
次に、図11(b)に示される平坦路における場合、および、図11(c)に示される降坂路をおける場合について説明する。これらの図においては、図11(a)の登坂道における場合と比較すると、(ii)に示される外乱トルク推定値Td、及び、(iii)に示される加速度aが異なる。
(ii)に示されるように、外乱トルク推定値Tdは、(b)平坦路においてはゼロであり、(c)降坂路においては負の値である。そのため、(iii)に示されるように、時刻t4において電動車両100が完全に停車している状態においては、加速度aは、外乱トルク推定値Tdに応じた値となる。すなわち、加速度aは、(b)平坦路においてゼロであり、(c)降坂路において負の値となる。そのため、電動車両100が完全に停車した後においては、路面の勾配によらず、摩擦ブレーキを用いなくても、電動車両100は停車状態を維持することができる。なお、(b)平坦路、及び、(c)降坂路においては、ギヤのバックラッシュに起因する振動は発生しない。
ここで、図11(a)に示されるような場合で、第2のゲインK2が「0.5」の値である場合には、すなわち、F/Bトルクの配分が比較的大きい。このような場合には、(a)登坂路において、時刻t2から時刻t3までの間に、モータトルク指令値Tm*が負から正に変化するタイミングで、ギヤのバックラッシュを跨ぐため、電動車両100に前後方向の振動が発生してしまう。そこで、第2のゲインK2を外乱トルク推定値Tdに応じて変化させることにより、このような振動を低減する方法について、図12を用いて説明する。
図12に示されるように、図12(a)に示される登坂路における場合にのみ、第2のゲインK2が変更される。図12(b)に示された平坦路、及び、図12(c)に示された降坂路においては、第2のゲインK2は変更されず、それぞれ、図11(b)、及び、図11(c)に示された場合と同様になる。以下では、図12(a)についてのみ説明する。
図12(a)に示されるように登坂路における場面では、外乱トルク推定値Tdが正である。そのため、登坂路を走行していると判断されて、第2のゲインK2はより小さく設定される。具体的には、外乱トルク推定値Tdが概ねゼロである平坦路と、外乱トルク推定値Tdが負である降坂路に比べて、外乱トルク推定値Tdが正である登坂路では、第2のゲインK2を小さく設定し、F/BトルクTfbの配分を小さくする。登坂路においては、電動車両100が停車するまでの、モータトルク指令値Tm*がゼロとなるタイミングで、ギヤのバックラッシュを跨いでしまう。しかしながら、第2のゲインK2が小さく設定されることで、応答性が高いF/FトルクTffの比率が大きくなるので、ギヤのバックラッシュを跨ぐ際の振動を低減することができる。
なお、本実施形態においては、第1のゲインK1と第2のゲインK2との和が1である場合にちて示したが、これに限らない。第1のゲインK1、及び、第2のゲインK2を、任意の値に設定してもよい。
本実施形態により、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、速度制御部51において速度制御ステップが実行されることで、速度制御トルクTωが算出される。この速度制御トルクTωによって、モータ回転速度ωmは、停車制御が開始されるタイミングでのモータ回転速度ωmである初期値から、漸次的にゼロに収束するように変化する。すなわち、この速度制御ステップにおいては、モータ回転速度目標値設定部511による回転速度目標値設定ステップ、ブロック512によるフィードフォワードトルク算出ステップ、及び、ブロック514によるフィードバックトルク算出ステップが実行される。
速度制御ステップにおいてフィードバック制御だけが実行される場合には、制御系の安定性を確保するために、モータ回転速度ωmの規範応答の時定数を大きく設定しなければならない。しかしながら、時定数を大きく設定してしまうと、制動距離が長くなってしまう。
そこで、本実施形態のように応答性の高いフィードフォワード制御を併用することにより、モータ回転速度ωmの規範応答の時定数を小さく設定することができる。そのため、制動距離が長くなることなく、電動車両100の安定性を向上させ、滑らかに停車させることができる。
さらに、モータ回転速度ωmの低下とともに、速度制御トルクTωはゼロに収束するため、モータトルク指令値Tm*は外乱トルク推定値Tdに収束する。すなわち、電動車両100が平坦路、登坂路、及び、降坂路のいずれを走行している場合でも、モータトルク指令値Tm*は勾配に応じた外乱トルク推定値Tdに収束するので、電動車両を滑らかに減速または停車させることができる。さらに、停車後において停車状態を保持することができる。
また、停車間際においては摩擦ブレーキなどの機械的な制動手段を用いなくても減速できる。そのため、停車間際においてモータ3が回生する機会が増えるので、電費を向上させることができる。
また、ブレーキ操作が不要であり、アクセル操作のみで電動車両100を減速させて停車させることができる。そのため、ペダルの踏み替え操作の必要が無く、ドライバの負担を軽減できる。
また、本実施形態によれば、ブロック512において、モータ回転速度目標値ωm*に対して「R1(s)/Gp(s)」からなるフィルタを用いた第1のフィルタ処理を行うことにより、フィードフォワード制御が行われる。
そのため、モータ回転速度ωmをモータ回転速度目標値ωm*へ収束させるトルクを、オープンループで算出することができる。これにより、制御系の安定性に影響を与えずにフィードフォワード制御を行うことができるので、フィードバック制御における応答性の不足を補うことができる。
また、本実施形態によれば、ブロック514においては、モータ回転速度ωmとモータ回転速度目標値ωm*との差分に対して「R1(s)/Gp(s)(1−R1(s))」からなるフィルタを用いた第2のフィルタ処理を行うことにより、フィードバック制御が行われる。
そのため、モータ回転速度ωmをモータ回転速度目標値ωm*へ収束させるトルクをクローズドループで算出することができる。これにより、伝達特性モデルGp(s)におけるモデル化誤差による影響を低減することができる。
また、本実施形態によれば、フィードフォワード制御に用いる第1のゲインK1と、フィードバック制御に用いる第2のゲインK2との和は1である。
そのため、第1のゲインK1及び第2のゲインK2を定めることにより、フィードフォワード制御とフィードバック制御との配分を、電動車両100の状態などに応じて任意に設定することができるので、より滑らかに停車することができる。
また、本実施形態によれば、外乱トルク推定値Tdが大きいほど、第2のゲインK2は、小さく設定される。
ここで、モータ回転速度ωmに外乱が印加されると、伝達特性モデルGp(s)のゼロ点の特性により、F/Bトルク設定ブロックであるブロック514にて1〜3Hz程度の振動が励起され、モータトルク指令値Tm*に伝播する。特に、登坂路においては、モータトルク指令値Tm*が負から正に変化するため、モータトルク指令値Tm*がゼロとなるタイミングの近傍で、ギヤのバックラッシュが発生してしまう。このバックラッシュに起因する外乱によって、伝達特性モデルGp(s)においてモデル化誤差が生じてしまう。そのような場合には、加速度振動が電動車両100に発生してしまい、滑らかな停車をすることができない。
しかしながら、本実施形態では、外乱トルク推定値Tdが大きい場合、すなわち、電動車両100が登坂路を走行している場合には、ギヤのバックラッシュの発生する可能性が高いと判断して、第2のゲインK2を小さく設定する。このようにすることで、F/Bトルクの比率が小さくなり、F/Bトルク設定部において発生するF/Bトルクの振動成分が低減されるとともに、応答性の高いF/Fトルクの比率が高くなる。このようにして、電動車両100を滑らかに減速し停車することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
1 バッテリ
2 インバータ
3 モータ
5 モータコントローラ
51 速度制御部
52 外乱トルク推定部
53 加算器
54 フラグ設定部
55 スイッチ

Claims (6)

  1. アクセルペダルの開度に応じて電動車両が備えるモータに対するトルク指令値を設定し、前記電動車両を停車させる場合には、該トルク指令値に応じて前記モータを回生させる電動車両の制御方法であって、
    前記モータの回転速度に応じて該回転速度が低下するような速度制御トルクを算出する速度制御ステップと、
    前記電動車両に対する外乱トルクを推定する外乱トルク推定ステップと、
    前記電動車両を停車させる場合には、前記速度制御トルクと、前記外乱トルクとを加算して、前記トルク指令値を算出するトルク指令値算出ステップとを備え、
    前記速度制御ステップは、
    前記回転速度が漸次的にゼロに収束するような回転速度目標値を設定する回転速度目標値設定ステップと、
    前記回転速度目標値に対して、第1のフィルタ処理を行うことでフィードフォワードトルクを算出する、フィードフォワードトルク算出ステップと、
    前記回転速度目標値と前記回転速度との差分に対して、第2のフィルタ処理を行うことでフィードバックトルクを算出する、フィードバックトルク算出ステップと、
    前記フィードフォワードトルクと前記フィードバックトルクとを加算して、前記速度制御トルクを算出する加算ステップと、
    を備える、電動車両の制御方法。
  2. 請求項1に記載の電動車両の制御方法であって、
    前記電動車両において前記トルク指令値から前記回転速度までをモデル化した伝達特性を、Gp(s)とし、
    前記回転速度の規範応答を、R1(s)とし、
    前記第1のフィルタ処理は、R1(s)/Gp(s)からなるフィルタを用いて実行される、
    電動車両の制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の電動車両の制御方法であって、
    前記電動車両において前記トルク指令値から前記回転速度までをモデル化した伝達特性を、Gp(s)とし、
    前記回転速度の規範応答を、R1(s)とし、
    前記第2のフィルタ処理は、R1(s)/Gp(s)(1−R1(s))からなるフィルタを用いて実行される、
    電動車両の制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電動車両の制御方法であって、
    前記フィードフォワードトルク算出ステップにおいて、前記第1のフィルタ処理の後に、さらに、第1のゲインの乗算処理を行うことで前記フィードフォワードトルクを算出し、
    前記フィードバックトルク算出ステップにおいて、前記第2のフィルタ処理の後に、さらに、第2のゲインの乗算処理を行うことで前記フィードバックトルクを算出し、
    前記第1のゲインと、前記第2のゲインとの和は、1である、
    電動車両の制御方法。
  5. 請求項4に記載の電動車両の制御方法であって、
    前記第2のゲインは、前記外乱トルクが正の場合には、前記外乱トルクがゼロ又は負の場合よりも、小さい、
    電動車両の制御方法。
  6. アクセルペダルの開度に応じて電動車両が備えるモータに対するトルク指令値を設定し、前記電動車両を停車させる場合には、該トルク指令値に応じて前記モータを回生させる電動車両の制御装置であって、
    前記電動車両を停車させる場合に、前記モータの回転速度に応じて該回転速度が低下するような速度制御トルクを算出する速度制御部と、
    前記電動車両に対する外乱トルクを推定する外乱トルク推定部と、
    前記電動車両を停車させる場合には、前記速度制御トルクと、前記外乱トルクとを加算して、前記トルク指令値を算出するトルク指令値算出部とを備え、
    前記速度制御部は、
    前記回転速度が漸次的にゼロに収束するような回転速度目標値を設定する回転速度目標値設定部と、
    前記回転速度目標値に対して、第1のフィルタ処理を行うことでフィードフォワードトルクを算出する、フィードフォワードトルク算出部と、
    前記回転速度目標値と前記回転速度との差分に対して、第2のフィルタ処理を行うことでフィードバックトルクを算出する、フィードバックトルク算出部と、
    前記フィードフォワードトルクと前記フィードバックトルクとを加算して、前記速度制御トルクを算出する加算器と、を備える、
    電動車両の制御装置。
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