JP2020092238A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルに組付け荷重が加わり放熱シートが伸び広がった場合でも、コイルと放熱シートとの接触率の低下を抑制して放熱特性を向上することができ、組付け荷重の低減により生産時間を低減することができるリアクトルを提供する。【解決手段】コイル放熱シート16を介してケースに固定され、一方向に巻き付けられたコイルを有するリアクトルは、コイル放熱シート16が貫通孔16aを有し、貫通孔16aの開口面積Xは、1<X<S×(A/100)を満たすとともに、貫通孔16aの平行方向の寸法が、(A×t)/20以上であるか、または、貫通孔16aの垂直方向の寸法が、(A×t)/25以上の少なくとも一方を満たす構成を有する。(式中、Sはコイル放熱シート16の貫通孔16aの形成可能範囲Kの面積、Aはコイル放熱シート16の圧縮率、tはコイル放熱シート16の圧縮前の厚みを表す。)【選択図】図4

Description

本発明は、放熱シートを介して収容部に固定され、一方向に巻き付けられたコイルを有するリアクトルに関する。
この種のリアクトルとして、放熱シートを介して収容部に固定され、一方向に巻き付けられたコイルを有するリアクトルであって、放熱シートが、厚み方向に貫通して形成された少なくとも1つの通気孔を有し、コイルから受ける圧縮力により閉塞されたものが開示されている(特許文献1参照)。この通気孔は円形の断面を有し非圧縮状態における孔径は、放熱シートの厚みおよび圧縮率に基づいて決定されている。
特開2014−123615号公報
特許文献1に記載のリアクトルは、コイルが放熱シートを介して収容部に固定される際に、コイルに組付け荷重(N)が加えられて放熱シートが圧縮されるように構成されており、コイルの圧縮力により放熱シートが変形して通気孔が閉塞される。しかしながら、放熱シートは圧縮される際に、コイルの巻き方向と平行なコイル溝に沿う方向(コイルの電線に沿う方向)に伸びやすく、コイルの巻き方向に対して垂直な方向(コイルの電線に対して垂直な方向)に伸び難い特性がある。特許文献1に記載のリアクトルの放熱シートは、方向によって伸び広がり方が不均一になってしまい、コイルと放熱シートとの接触の度合いを表す接触率(%)が低下し、リアクトルの放熱性に影響を与える可能性がある。
具体的には、図8(a)に示すように、放熱シート1に、0.1≦d≦(t×A)/100を満たす通気孔hが多数形成されている場合に、各通気孔hの閉塞状態がばらつく可能性がある。なお、dは通気孔hの直径(μm)、Aは、放熱シート1の圧縮率(%)、tは放熱シート1の圧縮前の厚み(μm)をそれぞれ表している。図8(b)に示すように、放熱シート1は、コイル3の巻き方向と平行なコイル溝に沿うx方向に伸びやすく、コイル3の巻き方向に対して垂直なy方向に伸び難いので、方向によって伸び広がり方が不均一になってしまい、通気孔hが配置される場所によって閉塞状態にばらつきが生じるおそれがある。また、コイル3と接触していない部分に存在する通気孔hは、放熱シート1の圧縮後も閉塞しない可能性がある。
また、図8(c)に示すように、ケース2に収容されたコイル3とケース2との間に組込まれた放熱シート1が、長期間圧縮力(N)を受け続けると、放熱シート1には、徐々に、横方向に伸び広がる不可逆的な変形、いわゆるクリープ変形が生じるおそれがある。クリープ変形が生じると、反発力(N)を失った放熱シート1とコイル3との界面に隙間が生じて互いに接触しなくなり放熱性が低下する可能性がある。このクリープ変形を抑制するため、図9(a)に示すように、放熱シート1の周囲を壁4で囲む構成とした場合、図9(b)に示すように、コイル3をケース2内に組付ける際に、コイル3に組付け荷重(N)が加わると放熱シート1が横に伸び広がり、放熱シート1と壁4との間に反発力(N)が作用するので、組付け荷重(N)を低減することができない。
その結果、リアクトルの生産工程で、製品または部品を1個作製するのに必要な時間を表すタクトタイムの増加につながってしまうという課題がある。また、放熱シート1に形成されている通気孔hは、0.1≦d≦(t×A)/100を満たす必要があるので、形状の自由度が低く、小さい直径の孔しか形成することができず、組付け荷重(N)を低減することができないという課題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、コイルに組付け荷重が加えられた場合に、コイルと放熱シートとの接触率の低下を抑制して放熱特性を向上することができ、組付け荷重の低減により生産時間を低減することができるリアクトルを提供することを課題とする。
本発明に係るリアクトルは、放熱シートを介して収容部に固定され、一方向に巻き付けられたコイルを有するリアクトルであって、前記放熱シートは厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔の開口面積X(mm)は、下記式(1)を満たすとともに、
1<X<S×(A/100)・・・(1)
前記貫通孔の前記コイルの巻き方向に対して平行な方向の寸法が、(A×t)/20以上であるか、または、前記コイルの巻き方向に対して垂直な方向の寸法が、(A×t)/25以上であることの少なくとも一方を満たす構成を有することを特徴とする。(式中、Sは前記放熱シートの前記貫通孔の形成可能範囲の面積(mm)、Aは前記放熱シートの圧縮率(%)、tは前記放熱シートの圧縮前の厚み(mm)をそれぞれ表す。)
本発明に係るリアクトルにおいては、放熱シートに形成された貫通孔は、その開口面積X(mm)が、式(1)を満たし、さらに、貫通孔のコイルの巻き方向に対して平行な方向の寸法が(A×t)/20以上であるか、または、貫通孔のコイルの巻き方向に対して垂直な方向の寸法が(A×t)/25以上の少なくとも一方を満たす構成を有するので、開口面積Xを比較的に大きく形成することができ、コイルの巻き方向に応じて開口部の寸法を変更することにより、リアクトルから放熱シートに加わる荷重により放熱シートが圧縮される際に貫通孔が均一に閉塞される。
その結果、放熱シートが伸び広がった場合でも、コイルと放熱シートとの接触率の低下が抑制され、放熱特性が向上する。また、貫通孔の開口面積Xが比較的に大きく形成されるので、組付け荷重により放熱シートが圧縮される際の放熱シートの反発力が低減される。その結果、組付け荷重が低減され、生産時間が低減される。
本発明によれば、コイルに組付け荷重が加わり放熱シートが伸び広がった場合でも、コイルと放熱シートとの接触率の低下を抑制して放熱特性を向上することができ、組付け荷重の低減により生産時間を低減することができるリアクトルを提供することができる。
本発明の実施形態に係るリアクトルの断面図。 本発明の実施形態に係るリアクトルを分解して模式的に表した分解斜視図。 本発明の実施形態に係るリアクトルの図であり、図3(a)は、放熱シートの平面図を示し、図3(b)は、コイルの側面図を示し、図3(c)は、コイルの底面図を示す。 本発明の実施形態に係るリアクトルの図であり、図4(a)は、貫通孔の形状を説明する説明図を示し、図4(b)は、貫通孔の閉塞を説明する説明図を示す。 本発明の実施形態に係るリアクトルの放熱シートに形成される貫通孔の図であり、図5(a)は、六角形の貫通孔を示し、図5(b)は、2個の方形の貫通孔を示す。 本発明の実施形態に係るリアクトルの図であり、図6(a)は、六角形の貫通孔を有する放熱シートの平面図を示し、図6(b)は、組付け前のリアクトルの断面図を示し、図6(c)は、組付け後のリアクトルの断面図を示す。 本発明の実施形態の変形例に係るリアクトルの断面図。 従来のリアクトルの図であり、図8(a)は、放熱シートの通気孔を説明する説明図を示し、図8(b)は、放熱シートの伸びを説明する説明図を示し、図8(c)は、リアクトルの断面図を示す。 従来のリアクトルの図であり、図9(a)は、組付け前のリアクトルの断面図を示し、図9(b)は、組付け後のリアクトルの断面図を示す。
本発明に係るリアクトルを適用した実施形態に係るリアクトル10について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るリアクトル10は、図1および図2に示すように、コア11と、コイル12と、モールド材13と、壁14と、ケース15と、コイル放熱シート16と、コア放熱シート17とにより構成されている。リアクトル10の底面部分は冷却器18に取り付けられている。なお、実施形態のケース15は、本発明に係るリアクトルの収容部に対応し、コイル放熱シート16は、放熱シートに対応する。
リアクトル10は、コイルにおいて電流の変化が誘導起電力となって現れるインダクタンスに対して、交流電力の効率の改善、即ち力率改善や、突入電流の抑制、直流電流の平滑化などを行う機能を有しており、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車のモータを駆動する電源系統の直流昇圧器の構成要素として用いられる。
コア11は、材料の磁束の通り易さを表す透磁率が大きく、現在の条件だけでなく、過去の経路の影響を受ける現象を表すヒステリシスが小さい材料、例えば、軟磁性材料で形成されている。具体的には、コア11は、ケイ素鋼板などの鋼板の積層体や、軟磁性金属粉末を圧縮成型した成形体により形成されている。軟磁性金属粉末としては、例えば、鉄とシリコン系合金や、鉄と窒素系合金、鉄とニッケル系合金などが挙げられる。コア11は、断面が矩形で軸方向に延在する立方体形状を有している。
コイル12は、電線をコア11の外周に一方向に巻き付けることによって構成されている。コイル12は、例えば、長方形の断面を有する平角絶縁電線で形成されている。具体的には、コイル12は、コア11の外周に平角絶縁電線を、その断面における短辺が内周側および外周側に位置する、いわゆるエッジワイズ方向に、所定の曲げ半径で曲げ加工されて形成されている。
コイル12を形成する平角絶縁電線は、導体と導体を被覆する絶縁層を有している。導体は、導電率が高く、かつ機械的強度が高い金属材料からなる。金属材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、ニッケル、銀、軟鉄などが挙げられる。絶縁層は、導体の外周側に絶縁材料が所定の厚みで積層されている。絶縁材料としては、例えばポリイミドを主成分とする材料が挙げられる。
モールド材13は、コア11の外周面を被覆することでコア11を一体的に保持するとともに、コア11の所定位置にコイル12を保持するように構成されている。モールド材13は、絶縁性および熱伝導性を有するポリフェニレンサルファイド(PPS)などの熱可塑性樹脂組成物で形成されている。
モールド材13は、少なくとも130MPaの引張強度を有しており、10kV/mm以上の絶縁破壊強さを有している。絶縁破壊強さ(kV/mm)は、15kV/mm以上がより好ましく、20kV/mm以上が最も好ましい。
壁14は、モールド材13と同様の材料で、モールド材13と一体的に形成されている。壁14は、コイル放熱シート16を囲む4つの側壁を有しており、各側壁は、モールド材13の底面13aから、底面13aに対向するケース15の後述する内壁面15aに向かって突出して形成されている。
ケース15は、高い熱伝導率(W/cm・K)を有する材料、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などの金属材料からなり、モールド材13が被覆されたコア11や、コイル12、コイル放熱シート16およびコア放熱シート17を収容する箱体で構成されている。
ケース15は、図1に示すように、コイル放熱シート16と接触する内壁面15aと、コア放熱シート17と接触する内壁面15bと、モールド材13を支持する支持部15cとを有している。内壁面15bおよび支持部15cは、コイル12の中心軸方向両側に離れた位置に対をなして設けられている。
内壁面15aは、コイル放熱シート16の全面と均一に接触するように平坦に形成されている。内壁面15bは、内壁面15aからモールド材13の底面13aに向かって突出して形成されており、底面13aと対向している。内壁面15bも、内壁面15aと同様、コア放熱シート17の全面と均一に接触するように平坦に形成されている。
コイル放熱シート16は、所定の熱伝導率(W/m・K)と、所定のゴム硬度(JIS A:Hs)と、所定の引張強さ(MPa)を有する柔軟性および絶縁性のある材料、例えば、シリコーン樹脂からなる。所定の熱伝導率、所定のゴム硬度および所定の引張強さなどの特性は、リアクトル10の設定諸元や、実験値などのデータに基づいて適宜選択される。
コイル放熱シート16は、図1に示すように、コイル12の底面12aとケース15の内壁面15aとの間に位置し、コイル12へ加えられる組付け荷重により、コイル12の底面12aおよびケース15の内壁面15aに密着するように構成されている。コイル放熱シート16は、コイル12で発生した熱をケース15を介して冷却器18に伝達させ、ケース15と冷却器18との間で熱交換がなされるように構成されている。
コイル放熱シート16は、図2に示すように、厚みt(mm)を有する方形の平坦なシートからなり、図3(a)に斜線で示す貫通孔16aの形成可能領域K内に、図2に示すように、厚み方向に貫通する方形の貫通孔16aを有している。なお、貫通孔16aの形状は、後述するように、方形に限られず、四角、ひし形、楕円、六角形など他の形状であってもよい。
貫通孔16aの形成可能領域Kは、図3(a)に示すように、コイル12の各角部の丸みの半径r(mm)を、コイル12の底面12aから除いた領域となっている。即ち、貫通孔16aの形成可能領域Kは、コイル12の底面12aと、コイル放熱シート16とが接触する領域となっている。
形成可能領域Kにおけるコイル12の巻き方向に対して平行な方向の幅は、コイル12の巻き方向の幅から半径rの2倍の値(2r)を引いた値になる。そして、形成可能領域Kにおけるコイル12の巻き方向に垂直な方向の長さは、コイル12の巻き方向に垂直な軸方向の長さから枠幅sの2倍の値(2s)を引いた値になる。枠幅sは、下記に示すコイルの巻き方向に対して垂直な寸法の(A×t)/25以上を確保する。コイル放熱シート16に貫通孔16aを複数開ける場合も、貫通孔16a同士の距離として、(A×t)/25以上を確保する。
貫通孔16aは、具体的には、以下のように決定される。即ち、貫通孔16aの面積(mm)をXとすると、貫通孔16aの開口面積X(mm)が、式(1)を満たす。
1<X<S×(A/100)・・・(1)
更に、貫通孔16aは、図4(a)に示すように、貫通孔16aのコイルの巻き方向に対して平行な方向の寸法(以下、平行方向の寸法という。)が、(A×t)/20以上であるか、または、貫通孔16aのコイルの巻き方向に対して垂直な方向の寸法(以下、垂直方向の寸法という。)が、(A×t)/25以上であることの少なくとも一方を満たす構成を有する。
なお、式(1)において、Sはコイル放熱シート16の貫通孔16aの形成可能範囲Kの面積(mm)、Aはコイル放熱シート16の圧縮率(%)、tはコイル放熱シート16の圧縮前の厚み(mm)をそれぞれ表す。また、コイル放熱シート16の圧縮率は、圧縮後の最小厚み/圧縮前の厚み×100で表される。
貫通孔16aは、コイル12の組付けにより、以下のように閉塞されるように構成されている。即ち、コイル12が放熱シート16を介してケース15に固定される際に、組付け荷重(N)がコイル12に加わると、放熱シート16が圧縮され、図4(b)に示すように、放熱シート16に対して圧縮力(N)が矢印方向に作用し、貫通孔16aを形成する内壁部分が矢印方向に放物線状に変形し、貫通孔16aは閉塞される。
なお、貫通孔16aの形状は、前述の式(1)を満たし、平行方向の寸法が(A×t)/20以上であること、または、垂直方向の寸法が(A×t)/25以上であることの少なくとも一方を満たしていれば、方形以外の形状であってもよい。貫通孔16aの形状は、例えば、図5(a)に示すように、六角形であってもよく、図5(b)に示すように、複数個からなる小さめの長方形であってもよく、菱形や楕円形であってもよい。
コア放熱シート17は、コイル放熱シート16と同様の材料で形成され、図1および図2に示すように、モールド材13の底面13aと、ケース15の内壁面15bとの間に位置し、コイル12へ加えられる組付け荷重により、モールド材13の底面13aおよびケース15の内壁面15bと密着するように構成されている。コア放熱シート17は、図1の紙面に向かって、右側および左側に位置する一対のコア放熱シート17で構成されている。
コア放熱シート17も、コイル放熱シート16と同様、コイル12で発生した熱をケース15を介して冷却器18に伝達させ、ケース15と冷却器18との間で熱交換がなされるように構成されている。
冷却器18は、非磁性であって熱伝導性を有するアルミ合金などの金属材料からなり、図1に示すように、ケース15の外壁面15dと密着し、冷媒を流通させる流路を備えた箱状の容器で形成されている。冷媒としては、例えば、冷却水が挙げられる。冷却器18は、ケース15と冷却器18との間の熱交換によりケース15、コイル放熱シート16およびコア放熱シート17を介してコイル12を冷却するように構成されている。
以上のように構成された実施形態に係るリアクトル10を組付ける際の組付け荷重の作用について説明する。
図6(a)に示すように、コイル放熱シート16に、六角形の貫通孔16aを形成した場合について説明する。図6(b)に示すように、コイル12の組付け前には、モールド材13の底面13aとケース15の一対の支持部15cとの間、モールド材13の底面13aと一対のコア放熱シート17との間、コイル12の底面12aとコイル放熱シート16との間には、それぞれ隙間がある。
コイル12に組付け荷重(N)が負荷されると、コイル12およびモールド材13が下降し、コイル12の底面12aがコイル放熱シート16に当接するとともに、モールド材13の底面13aが一対のコア放熱シート17に当接する。さらに、コイル12に組付け荷重(N)が負荷されると、コイル12の底面12aによりコイル放熱シート16が押圧されるとともに、モールド材13の底面13aにより一対のコア放熱シート17が押圧される。
コイル放熱シート16が押圧されると、図4(b)に示すように、コイル放熱シート16に対して圧縮力(N)が矢印方向に作用し、貫通孔16aを形成する内壁部分が矢印方向に放物線状に変形し、貫通孔16aは閉塞される。そして、図6(c)に示すように、コイル12の組付け後には、コイル放熱シート16はコイル12の底面12aおよびケース15の内壁面15aに隙間なく密着するとともに、コア放熱シート17は、モールド材13の底面13aおよびケース15の内壁面15bに隙間なく密着する。
コイル放熱シート16には、貫通孔16aが形成されているので、コイル放熱シート16が圧縮される際に、貫通孔16aを形成する内壁部分の変形により、圧縮力が軽減され、コイル12の組付け荷重が軽減される。
以上のように構成された実施形態に係るリアクトル10の効果について説明する。
本実施形態に係るリアクトル10は、コイル放熱シート16に形成された貫通孔16aの開口面積X(mm)が、式(1)を満たし、平行方向の寸法が、(A×t)/20以上であるか、または、垂直方向の寸法が、(A×t)/25以上であることの少なくとも一方を満たす貫通孔16aが形成される。
この構成により、貫通孔16aの開口面積Xが比較的に大きく形成されるとともに、コイル放熱シート16が圧縮される際に伸び易い平行方向の寸法が、(A×t)/20以上で形成され、または、放熱シートが圧縮される際に伸び難い垂直方向の寸法が(A×t)/25以上で形成される。したがって、コイル放熱シート16に加わる荷重により、コイル放熱シート16が圧縮される際に貫通孔16aが均一に閉塞される。
その結果、コイル放熱シート16が伸び広がった場合でも、コイル12とコイル放熱シート16との接触率の低下が抑制され、放熱特性が向上するという効果が得られる。また、貫通孔16aの開口面積Xが比較的に大きく形成されるので、組付け荷重によりコイル放熱シート16が圧縮される際のコイル放熱シート16の反発力が低減される。その結果、組付け荷重が低減され、生産時間が低減されるという効果が得られる。また、各構成要素に作用する負荷を低減することができるという効果が得られる。
さらに、コイル放熱シート16が周囲の壁14を押圧することによる反発力が増加する懸念がないため、コイル放熱シート16の周囲を完全に囲う壁14を形成することが可能となり、コイル放熱シート16のクリープ変形を抑制することが可能となるため、長期的な熱特性の維持が可能となるという効果が得られる。
また、コア放熱シート17の大きさがコイル放熱シート16の貫通孔16aよりも小さいとき、貫通孔16aの部分の放熱シート材をコア放熱シート17に流用することが可能となる。その結果、リアクトル10の1台あたりに必要なシートの材料を削減することができ、材料費の低減が可能となるという効果が得られる。
なお、本実施形態に係るリアクトル10においては、モールド材13と一体的に形成された壁14を有する構造で構成した場合について説明した。しかしながら、本発明に係るリアクトルにおいては、モールド材13と一体的に形成された壁14を有する構造と異なる構造で構成してもよい。
以下、本実施形態のモールド材13と一体的に形成された壁14を有する構造以外の構造で構成した変形例に係るリアクトル10Aについて図面を参照して説明する。なお、変形例に係るリアクトル10Aの構成と、実施形態に係るリアクトル10の構成が同一の場合は、同一の符号を付し、主に異なる構成について説明する。
(変形例)
変形例に係るリアクトル10Aは、図7に示すように、コア11と、コイル12と、モールド材13と、ケース15Aと、コイル放熱シート16と、コア放熱シート17とにより構成されている。リアクトル10Aの底面部分は冷却器18に取り付けられている。なお、変形例のケース15Aは、本発明に係るリアクトルの収容部に対応する。
ケース15Aは、実施形態に係るケース15と同様、高い熱伝導率(W/cm・K)を有するアルミニウム(Al)やアルミニウム合金などの金属材料からなり、モールド材13が被覆されたコア11や、コイル12、コイル放熱シート16およびコア放熱シート17を収容する箱体で構成されている。
ケース15Aは、コイル放熱シート16と接触する内壁面15Aaと、コア放熱シート17と接触する内壁面15Abと、モールド材13を支持する支持部15Acと、コイル放熱シート16の周囲を囲む側壁面15Aeとを有している。内壁面15Abおよび支持部15Acは、図1の紙面に向かって、右側および左側に位置する一対の内壁面15Abおよび支持部15Acでそれぞれ構成されている。
内壁面15Aaは、コイル放熱シート16の全面と均一に接触するように平坦に形成されている。内壁面15Abは、内壁面15Aaからモールド材13の底面13aに向かって突出して形成されており、底面13aと対向している。内壁面15Abも、内壁面15Aaと同様、コア放熱シート17の全面と均一に接触するように平坦に形成されている。
以上のように構成された実施形態の変形例に係るリアクトル10Aにおいては、実施形態に係るリアクトル10と同様の効果が得られる。即ち、実施形態の変形例に係るリアクトル10Aは、コイル放熱シート16を有している。
この構成により、コイル放熱シート16が伸び広がった場合でも、コイル12とコイル放熱シート16との接触率の低下が抑制され、放熱特性が向上するという効果が得られる。また、貫通孔16aの開口面積Xが比較的に大きく形成されるので、組付け荷重によりコイル放熱シート16が圧縮される際のコイル放熱シート16の反発力が低減される。その結果、組付け荷重が低減され、生産時間が低減されるという効果が得られる。また、各構成要素に作用する負荷を低減することができるという効果が得られる。
さらに、コイル放熱シート16が周囲の壁を押圧することによる反発力が増加する懸念がないため、コイル放熱シート16の周囲を完全に囲う側壁面15Aeを形成することが可能となり、コイル放熱シート16のクリープ変形を抑制することが可能となるため、長期的な熱特性の維持が可能となるという効果が得られる。
また、コア放熱シート17の大きさがコイル放熱シート16の貫通孔16aよりも小さいとき、貫通孔16aの部分の放熱シートをコア放熱シート17に流用することが可能となる。その結果、リアクトル10Aの1台あたりに必要なシートの材料を削減することができ、材料費の低減が可能となるという効果が得られる。
また、実施形態の変形例に係るリアクトル10Aは、本実施形態に係るリアクトル10と異なり、モールド材13と一体的に壁14を形成する必要がなくなり、モールド材13の成形が容易になり、モールド材13の歩留まりが向上するという効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
10,10A・・・リアクトル、11・・・コア、12・・・コイル、12a,13a・・・底面、13・・・モールド材、14・・・壁、15,15A・・・ケース(収容部)、15a,15b,15Aa,15Ab・・・内壁面、15c,15Ac・・・支持部、15d,15Ad・・・外壁面、15Ae・・・側壁面、16・・・コイル放熱シート(放熱シート)、16a・・・貫通孔、17・・・コア放熱シート、18・・・冷却器、A・・・コイル放熱シート16の圧縮率、K・・・貫通孔16aの形成可能範囲、S・・・コイル放熱シート16の貫通孔16aの形成可能範囲Kの面積、t・・・コイル放熱シート16の圧縮前の厚み、X・・・貫通孔16aの開口面積

Claims (1)

  1. 放熱シートを介して収容部に固定され、一方向に巻き付けられたコイルを有するリアクトルであって、
    前記放熱シートは厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記貫通孔の開口面積X(mm)は、下記式(1)を満たすとともに、
    1<X<S×(A/100)・・・(1)
    前記貫通孔の前記コイルの巻き方向に対して平行な方向の寸法が、(A×t)/20以上であるか、または、前記貫通孔の前記コイルの巻き方向に対して垂直な方向の寸法が、(A×t)/25以上であることの少なくとも一方を満たす構成を有することを特徴とするリアクトル。
    (式中、Sは前記放熱シートの前記貫通孔の形成可能範囲の面積(mm)、Aは前記放熱シートの圧縮率(%)、tは前記放熱シートの圧縮前の厚み(mm)をそれぞれ表す。)
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