JP2020091944A - 集電体電極シートの製造方法および集電体電極シート、ならびに、電池 - Google Patents

集電体電極シートの製造方法および集電体電極シート、ならびに、電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電極シートの裁断工程におけるバリの発生を抑制する。【解決手段】集電体電極シートの製造方法は、活物質を含むスラリをシート状の金属箔9の両面または片面に塗布するに先立ち、間欠的に金属箔の表面の油膜を除去する油膜除去工程(P1)と、スラリを金属箔9の両面または片面に間欠的に塗布、画像してスラリの分布領域と、非塗布領域を金属箔の長尺方向に交互に形成する塗布工程(S1)と、金属箔を、その厚さ方向へ、一対の圧縮ローラを用いて、スラリの塗布領域と非塗布領域とを連続して圧縮する圧縮工程(S3)と、金属箔の長尺方向と平行にスラリの塗布領域と非塗布領域とを連続して裁断する裁断工程(S5)と、を含み、油膜除去工程(P1)における油膜除去処理は、塗布領域の終端部を形成する予定領域のみに行う。【選択図】図7

Description

本発明は、集電体電極シートの製造方法、その製造方法により製造された集電体電極シート、ならびに、その集電体電極シートを用いて製造された電池に関する。
近年、環境問題を踏まえ、電気自動車やハイブリッド自動車への関心が高まり、その駆動源である二次電池の高エネルギー密度化、高容量化への技術的要求が一段と高まっている。
こうした二次電池用の電極は、アルミニウムや銅等の帯状の金属箔上に活物質を含むスラリを塗布・乾燥させた電極シートから作製される。活物質の塗布方法は、間欠塗工方式と連続塗工方式とに大別できる。
図11に、間欠塗工方式によって製造される集電体電極シートを示す。
間欠塗工方式は、帯状の金属箔9に、活物質等のスラリを塗布して形成する塗布領域11とスラリを塗布しない非塗布領域12とを、該金属箔9が巻き取られる方向、すなわち、金属箔9の長尺方向Dxに所定の間隔で交互に形成する方式である。所定の間隔で配置された活物質の非形成部は、外部端子と電気的に接続するための引き出しタブを取り出す部位として利用される。
図12に示すように、本発明に関連する電極シートの製造方法では、主材である活物質、導電付与剤、結合材、溶剤を混合または混錬したスラリを、金属箔9の一方の面に間欠的に塗布(以下、間欠塗布と称する。)した後に、再度、金属箔9上の反対側の他方の面にも間欠塗布して、金属箔9の両面にスラリをそれぞれ塗布する(ステップS1)。次に、両面にスラリが塗布された金属箔9を圧縮ローラ50によって加圧成型する(ステップS3)。その後、集電体として所望の外形寸法に切断し(ステップS5)、集電体電極シートに電極端子部を形成している。
ここで、リチウムイオン二次電池の正極活物質には、リチウム含有複合酸化物が用いられており、こうした金属酸化物粒子を主成分とする活物質層を加圧成型する場合、大きな圧力を必要とする。特に高エネルギー密度に設計された二次電池に用いる正極電極では、活物質層を高密度に圧縮する必要があるため、該加圧成型において、より大きな圧力をかけて成型されることが多い。
また、高エネルギー密度に設計された二次電池に用いる電極は、集電体である金属箔の厚さを薄く設計する傾向にある。
特許文献1には、水または非水溶媒を含んだ繊維ロールで脱脂洗浄した集電体にスラリを間欠塗布する二次電池極板の製造方法が記載されている。圧延工程での過剰な高密度化によるキレや、正極板用ペーストの脱落を防止するために、箔圧延後のアルミニウム硬箔を間欠的に洗浄して脱脂処理することにより、箔を軟化させることなく脱脂すると共に、箔表面の濡れ性を改善して、電極材料等のコーティング材の塗布性を高めること、が記載されている。
特許文献2には、箔圧延後のアルミニウム箔に、100〜200℃で5〜15分間保持する低温熱処理で脱脂洗浄した集電体にスラリを間欠塗布した電池用極板を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献3には、間欠的に物理的表面処理(コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、レーザ処理など)した集電体にスラリを塗布して作製された電極板を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献4には、集電体表面を大気圧下グロー放電プラズマにより表面処理すること、これにより、集電体表面の有機汚染物の除去と、酸化被膜の形成により、集電体の合剤スラリに対する濡れ性が向上することが記載されている。さらに、充放電を繰り返しても、合剤が集電体から剥がれにくくなり、サイクル寿命特性が向上することが記載されている。
特許文献5には、金属箔よりなる集電体に電極合剤スラリを塗布した後に乾燥して製造する電池の製造方法において、塗布に先行して集電体表面にコロナ放電処理を行うことが記載されている。さらに、この構成により、スラリと箔の接着性を高め、サイクル劣化を抑えることが記載されている。
特許文献6には、表面をプラズマ処理した負極集電体に結着剤と炭素材料を塗布して負極電極を形成することが記載されている。さらに、この構成により、結着剤と箔の接着性を高め、サイクル劣化を抑えることが記載されている。
特開2008−258010号公報 特開2008−159297号公報 特開2008−270004号公報 特開2006−079935号公報 特開平07−135023号公報 特開平07−105937号公報
図11に示すように、集電体電極シート10の塗布終端部には、スラリを間欠塗布したときに、塗布領域11と非塗布領域12との境界に、スラリの尾引き部14が発生しやすい。帯状の電極シート10を電極ロールの長尺方向Dxに沿って、ロールプレス機で圧延加工成型する場合、こうした尾引き部14が存在すると、塗布終端の尾引き部14には長尺方向Dxと垂直な方向Dyに活物質層が断続的にしか存在しないため、長尺方向Dxと垂直な方向Dyに活物質層が連続的に存在する塗布領域11の中央部分よりも大きな線圧がかかることになる。
図11の尾引き部14では、大きな線圧が掛かるため、活物質粒子が割れ、金属箔に大きく食い込むクラック現象がしばしば発生する。この活物質粒子が割れ、金属箔に食い込んだクラック部分の金属箔の残肉量はきわめて薄くなる。図13に示すように、引き続き行う裁断工程で裁断する際にシート電極の切断面に上述のクラックが存在すると、活物質層の部分的に脱落したバリ19が発生する。発生したバリ19が、電極に付着すると、電池の組み立て時に短絡を発生させる原因になり、電池の不良率が高まるという問題が生じていた。
上記特許文献1以外の文献には、このような尾引き部14の記載はない。特許文献2、3では、塗工部と未塗工部の境界部が湾曲したり、塗工開始端部において盛り上がりが生じたりすることは記載されている。特許文献1では、上記したよう、水または非水溶媒を含んだ繊維ロールでアルミニウム硬箔の表面を脱脂洗浄することが記載されていて、さらに、コロナ、プラズマ等のような電気的な前処理や、火花・火炎を用いたフレーム処理といった脱脂処理を用いないことが記載されている。
本発明は上述したような背景技術が有する課題を解決するためになされたものであり、電極シートの裁断工程におけるバリの発生を抑制できる集電体電極シートの製造方法、およびその製造方法により製造された集電体電極シート、ならびに、その集電体電極シートを用いて製造された電池を提供することを目的とする。
本発明の集電体電極シートの製造方法は、
シート状の金属箔の両面または片面に活物質が塗布された集電体電極シートの製造方法であって、
前記活物質を含むスラリを該金属箔の両面または片面に塗布するに先立ち、間欠的に前記金属箔の表面の油膜を除去する工程と、
前記活物質を含むスラリを、前記シート状の金属箔の両面又は片面上に間欠的に塗布、乾燥して、活物質層が連続して存在する前記スラリの塗布領域と、前記スラリの非塗布領域とを、前記シート状の前記金属箔の長尺方向に交互に形成する塗布工程と、
前記活物質層が形成された前記金属箔を、その厚さ方向へ、一対の圧縮ローラを用いて、前記スラリの前記塗布領域と前記非塗布領域とを連続して圧縮する圧縮工程と、
前記シート状の金属箔の長尺方向と平行に前記スラリの前記塗布領域と前記非塗布領域とを連続して裁断する裁断工程と、を含み、
前記金属箔の表面の油膜を除去する工程における油膜除去処理は、前記活物質塗布領域の終端部を形成する予定領域のみに行うものである。
本発明の集電体電極シートは、本発明の上記集電体電極シートの製造方法により製造される。
本発明のある1つの態様として、集電体電極シートは、
ロールに巻き取られる帯状のシートの金属箔の両面または片面に、当該シートの長尺方向に向かって間欠的に塗布された活物質層の塗布領域と、非塗布領域とが、交互に形成された集電体電極シートであって、
前記活物質層の各塗布領域の終端部には、前記非塗布領域に向かって活物質層の尾引き部が複数形成されており、
前記尾引き部の前記シートの長尺方向の長さをAmm、当該尾引き部の開始部分の前記シートの長尺方向と垂直な方向の長さをCmmとしたとき、式(1)で定義されるアスペクト比a1が5.0以上である。
a1=A/C ・・・式(1)
本発明のある他の態様として、集電体電極シートは、
ロールに巻き取られる帯状のシートの金属箔の両面または片面に、当該シートの長尺方向に向かって間欠的に塗布された活物質層の塗布領域と、非塗布領域とが、交互に形成された集電体電極シートにおいて、
前記活物質層の各塗布領域の終端部には、前記非塗布領域に向かって活物質層の尾引き部が複数形成されており、
前記塗布領域の塗工端から前記尾引き部の終端部分の前記シートの長尺方向の長さをAmm、当該尾引き部の前記シートの長尺方向の長さをBmmとしたとき、式(3)で定義される寸法比a3が0.40以下である。
a3=B/A ・・・式(3)
本発明の電池は、上記いずれかの本発明の集電体電極シートを用いて製造される。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
本発明によれば、電極シートの裁断工程におけるバリの発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係る集電体電極シートの製造方法における活物質の両面塗布後の集電体電極シートを示す部分平面図である。 本発明の実施形態に係る電極シートの製造システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電極シートの製造システムの各装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態の集電体電極シートの構成を説明するための図である。 本発明の実施形態の集電体電極シートの尾引き部の各寸法を説明するための図である。 本発明の実施形態の集電体電極シートの尾引き部のアスペクト比又は寸法比を説明するための図である。 本発明の実施形態の電極シートの製造方法の工程の一例を示す図である。 本発明の実施形態の圧縮装置の概要を示す模式図である。 本発明の実施形態の裁断装置の概要を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電池の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る集電体電極シートの一例を示す部分平面図である。 本発明に関連する電極シートの製造方法の工程を示すフローチャートである。 図12の製造方法により製造された電極シートを裁断工程で裁断した後の電極シートを示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の集電体電極シートの製造方法における活物質の両面塗布後の集電体電極シート10を示す部分平面図である。
集電体電極シート10は、帯状の金属箔9の両面に、活物質等のスラリの塗布領域11と非塗布領域12とが長尺方向Dxに交互に繰り返し配置されている。塗布領域11の終端13側の電極部分には、スラリを引きずる状態が生じることで尾引き部14が形成される。そして、裁断工程では、線17(図中、破線で示し、以後、「長尺方向裁断予定線17」とも呼ぶ)に沿って長尺方向Dxに電極シート10が巻き取られながら裁断される。
ここで、本実施形態に係る電極シート10から作製される電極は特に限定されないが、例えば、リチウムイオン一次電池やリチウムイオン二次電池等のリチウムイオン電池用電極(正極や負極)である。
以下、電極の構成について詳細に説明する。
はじめに、本実施形態に係るスラリの塗布領域11を形成する電極活物質層を構成する各成分について説明する。
電極活物質層は、電極活物質を含み、必要に応じてバインダー樹脂等の結着剤、導電助剤、増粘剤等を含む。本実施形態において、電極活物質は、例えば、リチウム金属複合酸化物を用いることができる。
本実施形態に係る電極活物質層に含まれる電極活物質は用途に応じて適宜選択される。正極を作製するときは正極活物質を使用し、負極を作製するときは負極活物質を使用する。
正極活物質としてはリチウムイオン電池の正極に使用可能な通常の正極活物質であれば特に限定されない。例えば、リチウム−ニッケル複合酸化物、リチウム−コバルト複合酸化物、リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン−アルミニウム複合酸化物等のリチウムと遷移金属との複合酸化物;TiS、FeS、MoS等の遷移金属硫化物;MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物、オリビン型リチウムリン酸化物等が挙げられる。
オリビン型リチウムリン酸化物は、例えば、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、およびFeよりなる群のうちの少なくとも1種の元素と、リチウムと、リンと、酸素とを含んでいる。これらの化合物はその特性を向上させるために一部の元素を部分的に他の元素に置換したものであってもよい。
これらの中でも、オリビン型リチウム鉄リン酸化物、リチウム−ニッケル複合酸化物、リチウム−コバルト複合酸化物、リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン−アルミニウム複合酸化物が好ましい。これらの正極活物質は作用電位が高いことに加えて容量も大きく、大きなエネルギー密度を有する。
正極活物質は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質としては、リチウムイオン電池の負極に使用可能な通常の負極活物質であれば特に限定されない。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、樹脂炭、炭素繊維、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;リチウム金属、リチウム合金等のリチウム系金属材料;シリコン、スズ等の金属材料;ポリアセン、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー材料等が挙げられる。これらの中でも炭素材料が好ましく、特に天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛質材料が好ましい。
負極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
電極活物質の平均粒子径は、充放電時の副反応を抑えて充放電効率の低下を抑える点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、入出力特性や電極作製上の観点(電極表面の平滑性等)から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。ここで、平均粒径は、レーザ回折散乱法による粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。
電極活物質の含有量は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、85質量部以上99.8質量部以下であることが好ましい。
本実施形態に係る電極活物質層に含まれるバインダー樹脂は用途に応じて適宜選択される。例えば、溶媒に溶解可能なフッ素系バインダー樹脂や、水に分散可能な水系バインダー等を使用することができる。
フッ素系バインダー樹脂としては電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、フッ素ゴム等が挙げられる。これらのフッ素系バインダー樹脂は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が好ましい。フッ素系バインダー樹脂は、例えば、N−メチル−ピロリドン(NMP)等の溶媒に溶解させて使用することができる。
水系バインダーとしては電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、スチレン・ブタジエン系ゴム、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。これらの水系バインダーは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、スチレン・ブタジエン系ゴムが好ましい。
なお、本実施形態において、水系バインダーとは、水に分散し、エマルジョン水溶液を形成できるものをいう。
水系バインダーを使用する場合は、さらに増粘剤を使用することができる。増粘剤としては特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;ポリカルボン酸;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩;ポリビニルアルコール;等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記範囲内であると、電極スラリの塗工性、バインダーの結着性および電池特性のバランスがより一層優れる。
また、バインダー樹脂の含有量が上記上限値以下であると、電極活物質の割合が大きくなり、電極質量当たりの容量が大きくなるため好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記下限値以上であると、電極剥離が抑制されるため好ましい。
本実施形態に係る電極活物質層に含まれる導電助剤としては電極の導電性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン等の炭素繊維、天然黒鉛、人工黒鉛等が挙げられる。これらの導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
導電助剤の含有量は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。導電助剤の含有量が上記範囲内であると、電極スラリの塗工性、バインダーの結着性および電池特性のバランスがより一層優れる。
また、導電助剤の含有量が上記上限値以下であると、電極活物質の割合が大きくなり、電極質量当たりの容量が大きくなるため好ましい。導電助剤の含有量が上記下限値以上であると、電極の導電性がより良好になるため好ましい。
本実施形態に係る電極活物質層は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、電極活物質の含有量は好ましくは85質量部以上99.8質量部以下である。また、バインダー樹脂の含有量は好ましくは0.1質量部以上10.0質量部以下である。また、導電助剤の含有量は好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下である。
電極活物質層を構成する各成分の含有量が上記範囲内であると、リチウムイオン電池用電極の取扱い性と、得られるリチウムイオン電池の電池特性のバランスが特に優れる。
電極活物質層の密度は、電極活物質層が負極活物質層の場合は特に限定されないが、例えば、1.2g/cm以上2.0g/cm以下であることが好ましく、1.3g/cm以上1.9g/cm以下であることがより好ましく、1.4g/cm以上1.8g/cm以下であることがさらに好ましい。
電極活物質層の密度を上記範囲内とすると、高放電レートでの使用時における放電容量が向上するため好ましい。
また、電極活物質層が正極活物質層の場合、活物質層の密度は3.40g/cm以上である。
電極活物質層の厚みは特に限定されるものではなく、所望の特性に応じて適宜設定することができる。例えば、エネルギー密度の観点からは厚く設定することができ、また出力特性の観点からは薄く設定することができる。電極活物質層の厚み(片面の厚み)は、例えば、10μm以上250μm以下の範囲で適宜設定でき、20μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上150μm以下がより好ましい。
本実施形態に係る集電体層(金属箔9)としては特に限定されないが、正極集電体層としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができる。その形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状等が挙げられる。特にアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、および鉄ステンレス合金箔、のいずれか一つを好適に用いることができる。
また、金属箔9の厚さは12μm以下であるのが好ましい。
また、負極集電体層としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができる。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。特に銅箔を好適に用いることができる。
正極集電体層の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以上30μm以下である。また、負極集電体層の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以上20μm以下である。
はじめに、電極スラリを調製する。
電極スラリは、電極活物質と、必要に応じてバインダー樹脂と、導電助剤と、増粘剤と、を混合することにより調製することができる。電極活物質、バインダー樹脂、および導電助剤の配合比率は電極活物質層中の電極活物質、バインダー樹脂、および導電助剤の含有比率と同じため、ここでは説明を省略する。
電極スラリは、電極活物質と、必要に応じてバインダー樹脂と、導電助剤と、増粘剤と、を溶媒に分散または溶解させたものである。
各成分の混合手順は特に限定されないが、例えば、電極活物質と導電助剤とを乾式混合した後に、バインダー樹脂および溶媒を添加して湿式混合することにより電極スラリを調製することができる。
このとき、用いられる混合機としては、ボールミルやプラネタリーミキサー等の公知のものが使用でき、特に限定されない。
電極スラリに用いる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒や、水を用いることができる。
電極スラリを集電体層上に塗布する方法は、一般的に公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ドクターブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法およびスクイーズ法等を挙げることができる。これらの中でも、電極スラリの粘性等の物性および乾燥性に合わせて、良好な塗布層の表面状態を得ることが可能となる点で、ドクターブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法が好ましい。
集電体層上に塗布した電極スラリの乾燥方法としては特に限定されないが、例えば、加熱ロールを用いて集電体層側または既に乾燥した電極活物質層側から電極スラリを間接的に加熱し、電極スラリを乾燥させる方法;赤外線、遠赤外線・近赤外線のヒーター等の電磁波を用いて電極スラリを乾燥させる方法;集電体層側または既に乾燥した電極活物質層側から熱風を当てて電極スラリを間接的に加熱し、電極スラリを乾燥させる方法等が挙げられる。
金属箔9の厚さをdとし、さらに、粒度分布計を用いて測定した際に、測定した活物質粒子のうち、最小の粒径から粒子を順に並べたときに、測定した粒子の90%に当たる粒子の粒径:D90としたとき、D90≧dの関係を満たす金属箔と活物質を用いるのが好ましい。
図2は、本発明の実施形態に係る電極シート10の製造システム1の構成例を示すブロック図である。
製造システム1は、スラリ塗布装置20と、圧縮装置40と、裁断装置60と、を備える。さらに、製造システム1の各装置を制御する制御装置を備えてもよい。
図3は、本発明の実施の形態に係る電極シートの製造システムの各装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
スラリ塗布装置20、圧縮装置40、および裁断装置60は、それぞれ少なくとも1つのコンピュータ100により実現される。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)102、メモリ104、メモリ104にロードされた各装置を実現するプログラム110、そのプログラム110を格納するストレージ105、I/O(Input Output)106、およびネットワーク接続用通信インタフェース(I/F)107を備える。CPU102と各要素は、バス109を介して互いに接続され、CPU102によりコンピュータ100全体が制御される。ただし、CPU102などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。を介して接続されるが、接続手段はバスに限定されない。
CPU102が、ストレージ105に記憶されるプログラム110をメモリ104に読み出して実行することにより、各装置の各機能を実現することができる。
スラリ塗布装置20、圧縮装置40、および裁断装置60は、それぞれコンピュータ100のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
プログラム110は、コンピュータ100で読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。記録媒体は特に限定されず、様々な形態のものが考えられる。また、プログラムは、記録媒体からコンピュータ100のメモリ104にロードされてもよいし、ネットワークを通じてコンピュータ100にダウンロードされ、メモリ104にロードされてもよい。
プログラム110を記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ100が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ100が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれる。プログラム110が、コンピュータ100上で実行されたとき、コンピュータ100に、各装置を実現させる電極シート10の製造方法を実行させる。
本実施形態の集電体電極シート10は、図1に示すように、ロールに巻き取られる帯状のシートの金属箔9の両面または片面に、当該シートの長尺方向Dxに向かって間欠的に塗布された活物質層の塗布領域11と、非塗布領域12とが、交互に形成される。
ここで、各名称の定義について図を用いて説明する。
図4(a)は、集電体電極シート10の上面図である。図4(b)は、集電体電極シート10を矢印Iの方向から見た線I−Iにおける断面図である。図5は、尾引き部14の各寸法を説明するための図である。活物質層の各塗布領域11の終端部16には、非塗布領域12に向かって活物質層の尾引き部14が複数形成されている。
塗工端15とは、金属箔9の長尺方向Dxに間欠的に塗布形成された塗布領域11の活物質層の厚さが減少し始める位置ではなく、図4(b)に示すように、終端部16のうち、活物質層の厚さが終端に向かって薄くなっていく途中の部分である。具体的には、金属箔9の長尺方向Dxに間欠的に塗布形成された塗布領域11の活物質層のうち、長尺方向Dxおよび長尺方向Dxに垂直な方向Dyの中央における活物質層の厚さの平均値hに対し、長尺方向Dxに向かって活物質層の厚さが略半分となる位置を塗工端15とする。すなわち、塗工端15の位置は、活物質層の厚さの平均値hに対して50%の値とする。
尾引き部14とは、図4(a)に示すように、金属箔9の長尺方向Dxに間欠的に形成された塗布領域11の活物質層を上面から見たときに、活物質塗工端15から非塗布領域12にかけて、長尺方向Dxとは垂直な方向Dyに凹凸になっている部分である。
A寸法とは、塗工端15から尾引き部14の終端13の先端までの長さである。より詳細には、A寸法は、図4(a)に示すように、金属箔9の長尺方向Dxに間欠的に形成された塗布領域11の活物質層を上面から見たときに、塗工端15から各尾引き部14のうち長尺方向Dxの非塗布領域12に突出した凸部の先端までの長さである。尾引き部14は、塗布領域11の活物質層の中央部に比較して厚さが薄い。
上記したように、尾引き部14は、金属箔9の長尺方向Dxと垂直な方向Dyに活物質層が断続的にしか存在しないため、金属箔9の長尺方向Dxと垂直な方向Dyに活物質層が連続的に存在する塗布領域11の中央部分に比べ、大きな線圧がかかる。大きな線圧の掛かる尾引き部分14では、活物質粒子が金属箔9に大きく食い込む。この活物質粒子が金属箔9に食い込んだ部分の金属箔9の残肉量がきわめて薄くなる。そのため、図13に示すように、裁断工程で裁断する際にシート電極の切断面80に活物質層の部分的に脱落したバリ19が発生する。尾引き部14の長さが長いほど、圧縮ローラにプレスされる部分が広くなるので、A寸法は短くなるように設計されるのが好ましい。
B寸法とは、図5に示すように、金属箔9の長尺方向Dxに間欠的に形成された塗布領域11の活物質層を上面から見たときに、各尾引き部14において、凸部Tを頂点とする該尾引き部14を形成する二辺のうち、活物質層中央側により多く窪んだ一辺側の最も活物質層中央側に窪んだ点(図中の点L)から長尺方向Dxに延ばした直線と、凸部Tから長尺方向Dxに対して直交方向に延びる直線を結んだ直交座標における長尺方向Dx成分の長さである。凸部Tから活物質層中央側に向かって凹む窪みには、圧縮ローラによる局所荷重がかかるため、このエリアでクラックやバリが発生する。そのため、このB寸法も短くなるように設計されるのが好ましい。
尾引き部14の幅Cは、図5に示すように、金属箔9の長尺方向Dxに間欠的に形成された塗布領域11の活物質層を上面から見たときに、各尾引き部14の凸部Tから、該尾引き部14を形成する二辺のうち、活物質層中央側により多く窪んだ一辺の、長尺方向Dxと略平行な方向から長尺方向Dxと略垂直な方向へと変曲する点(図中の点M)と、上記の変曲する点Mを通り、長尺方向Dxと平行な方向に延ばした線と、該尾引き部14を形成する他方の辺の該尾引き部14の凸部Tから長尺方向Dxと略平行な方向に向かって延ばした線の交点(図中の点N)との間の長さである。
本発明では、各尾引き部14の上記の寸法の最大値を一定の範囲に規定する。
第1の実施形態では、図6(a)に示すように、尾引き部14の金属箔9シートの長尺方向Dxの長さをA(mm)、当該尾引き部14の開始部分の金属箔9シートの長尺方向Dxと垂直な方向Dyの長さをC(mm)としたとき、式(1)で定義されるアスペクト比a1は5.0以上である。
a1=A/C ・・・式(1)
ここで、長さA(mm)とは、上記したA寸法(図4(a))であり、塗工端15から尾引き部14の終端13の先端までの長さである。長さC(mm)とは、上記した尾引き部14の幅C(図5)である。
本発明の実施形態の電極シート10の製造方法は、図12で説明した製造方法と同じ工程(塗布工程(S1)と、圧縮工程(S3)と、裁断工程(S5))を含む。
詳細には、図2のスラリ塗布装置20を用いて、金属箔9の一方の面に主材である活物質、導電付与剤、結合材、溶剤を混合または混錬したスラリを間欠塗布した後に、再度、金属箔9上の反対側の他方の面にも間欠塗布して、金属箔9の両面にスラリをそれぞれ塗布する(ステップS1)。
次に、図8の圧縮装置40を用いて、両面にスラリが塗布された金属箔9を圧縮ローラ50によって加圧成型する(ステップS3)。図8は、本実施形態の圧縮装置40の概要を示す模式図である。圧縮装置40は、一対の圧縮ローラ50と、2つのバックアップローラ51と、を備える。
この圧縮工程(ステップS3)において、スラリ塗布装置20で、集電体層の両面に活物質の塗布領域11を形成した集電体電極シート10を、図8で示すように一対の圧縮ローラ50で圧縮する。集電体電極シート10は、一対の圧縮ローラ50の隙間を通過する際に加圧圧縮されて、長尺方向Dxに電極シートロール90を使って巻き取られる。
なお、この圧縮工程では、集電体電極シート10を流れる方向、すなわち長尺方向Dxを塗布終端側から塗布始端側になるように設定しても、反対に塗布始端側から塗布終端側になるように設定してもよい。このステップS3の圧縮工程における線圧は1.5ton/cm以上とする。
その後、図9の裁断装置60を用いて、集電体電極シート10を裁断する(ステップS5)。図9は、本実施形態の裁断装置60の概要を示す模式図である。裁断装置60は、第1のスリット刃61と、第2のスリット刃62と、2つのバックアップローラ63と、一対のガイドローラ64と、を備える。
電極シート10を所定の大きさに切断して複数の電極を得ることができる。電極シート10から電極を切り出す方法は特に限定されないが、例えば、電極シート10の長尺方向と平行に切断し(図1の長尺方向裁断予定線17に沿って切断)、所定幅の複数の電極を切り出す方法が挙げられる。さらに用途に応じて、集電体として所望の外形寸法になるように長尺方向裁断予定線17と垂直な方向Dyのライン(不図示)に沿って所定の寸法に打ち抜いて、電池用の電極を得ることができる。
ここで、電極シート10の切断方法は特に限定されず、例えば金属等からなる刃を用いて電極シート10を切断することができる。
圧縮装置40で加圧成型された電極シート10を、図1に示すように電極シート10の箔の流れる方向、すなわち長尺方向Dxに裁断予定線17に沿って、図9に示すように、電極シート10を、電極シートロール90を使って巻取りを行いながら、一方向に(図中、左方向に向かって)引出し、箔の上下両面に設置されたスリット刃61、62によって連続的に裁断する。
以上説明したように、本実施形態によれば、各尾引き部14の各寸法の最大値が式(1)により規定される一定の範囲とすることにより、本実施形態の集電体電極シート10から作製される電極におけるクラックやバリの発生を抑制でき、不良率の低い電極を提供することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、電極シート10の製造方法に、油膜除去工程を含む点以外は上記実施形態と同様である。
図7は、本実施形態の電極シート10の製造方法の工程の例を示す図である。本実施形態の電極シート10の製造方法は、図12で説明した製造方法の各工程(塗布工程(S1)と、圧縮工程(S3)と、裁断工程(S5))に先立って、さらに油膜除去工程(P1)を含む。
具体的には、油膜除去工程(P1)では、活物質を含むスラリを該金属箔9の両面または片面に塗布するに先立ち、間欠的に金属箔9の表面の油膜を除去する。油膜除去の方法は様々考えられるが、例えば、プラズマ処理によって行うこともできるし、洗浄液で洗浄してもよい。そして、この油膜除去工程(P1)における油膜除去処理は、塗布領域11の終端部16を形成する予定領域のみに行う。
例えば、油膜除去工程(ステップP1)において、大気圧またはその近傍の圧力下でのプラズマ放電により行ってもよい。
他の例では、油膜除去工程(ステップP1)において、金属箔9の表面を、酸および塩基の水溶液、並びに、アルコール系、ケトン系、およびエーテル系のいずれか一つである有機溶媒を塗布した後、該溶液または溶媒を除去することにより行うことができる。
油膜除去工程(ステップP1)による金属箔9の表面の油膜除去処理後の金属箔9表面の水の接触角は51度以下であることが好ましい。
そして、図2のスラリ塗布装置20を用いて、ステップP1で油膜除去された金属箔9の一方の面に主材である活物質、導電付与剤、結合材、溶剤を混合または混錬したスラリを間欠塗布した後に、再度、金属箔9上の反対側の他方の面にも間欠塗布して、金属箔9の両面にスラリをそれぞれ塗布する(ステップS1)。
以後の工程については、上記実施形態で説明した工程と同じであるので詳細な説明は省略する。なお、ステップS3の圧縮工程における線圧は1.5ton/cm以上とする。
以上説明したように、本実施形態によれば、油膜除去工程を、活物質の塗工に先だって行うことにより、各尾引き部14の各寸法の最大値が上記実施形態で説明した式(1)により規定される一定の範囲とすることができる。これにより、本実施形態の集電体電極シート10から作製される電極におけるクラックやバリの発生を抑制でき、不良率の低い電極を提供することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、尾引き部14のアスペクト比の定義が異なる点以外は上記実施形態のいずれかと同様である。
本実施形態では、図6(b)に示すように、塗布領域11の塗工端15から尾引き部14の終端部16のシートの長尺方向の長さをAmm、当該尾引き部14の金属箔9のシートの長尺方向の長さをB(mm)としたとき、式(3)で定義される寸法比a3が0.40以下である。
a3=B/A ・・・式(3)
本実施形態では、活物質層の密度は、3.40g/cm以上とする。また、本実施形態において、電極シート10の製造方法の工程は、図7および図12のいずれかとすることができる。なお、図7および図12の圧縮工程(ステップS3)における線圧は1.5ton/cm以上とする。
以上のように、本実施形態の集電体電極シート10においても上記実施形態と同様な効果を奏することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、上記実施形態のいずれかの電極シート10を用いて電池の電極を作製することができる。そして、当該電極シート10から作製される電極を用いて電池を製造することができる。
本発明の電極の製造方法は、金属箔等の厚さの薄い集電体上に活物質層を形成し、乾燥後に圧縮、裁断する工程(図9)を経て電極を作製する場合に生じる集電体のバリの発生を抑制した電池等電気化学デバイスの組み立てを実施することができ、特性が良好な電池等電気化学デバイスを提供することが可能となる。
図10は、本発明の実施の形態に係る電池150の構成の一例を示す概略図である。
本実施形態に係る電池は、上記実施形態で説明した電極シート10から作製される電極を備える。以下、本実施形態に係る電池について、電池がリチウムイオン電池の積層型電池150である場合を代表例として説明する。
積層型電池150は、正極121と負極126とが、セパレータ120を介して交互に複数層積層された電池要素を備えており、これらの電池要素は電解液(図示せず)とともに可撓性フィルム140からなる容器に収納されている。電池要素には正極端子131および負極端子136が電気的に接続されており、正極端子131および負極端子136の一部または全部が可撓性フィルム140の外部に引き出されている構成になっている。
正極121には正極集電体層123の表裏に、正極活物質の塗布部(正極活物質層122)と未塗布部がそれぞれ設けられており、負極126には負極集電体層128の表裏に、負極活物質の塗布部(負極活物質層127)と未塗布部が設けられている。
正極集電体層123における正極活物質の未塗布部を正極端子131と接続するための正極タブ130とし、負極集電体層128における負極活物質の未塗布部を負極端子136と接続するための負極タブ125とする。
正極タブ130同士は正極端子131上にまとめられ、正極端子131とともに超音波溶接等で互いに接続され、負極タブ125同士は負極端子136上にまとめられ、負極端子136とともに超音波溶接等で互いに接続される。そのうえで、正極端子131の一端は可撓性フィルム140の外部に引き出され、負極端子136の一端も可撓性フィルム140の外部に引き出されている。
正極活物質の塗布部(塗布領域11)(正極活物質層122)と未塗布部(非塗布領域12)の境界部124には、必要に応じて絶縁部材を形成することができ、当該絶縁部材は境界部124だけでなく、正極タブ130と正極活物質の双方の境界部付近に形成することができる。
負極活物質の塗布部(負極活物質層127)と未塗布部の境界部129にも同様に、必要に応じて絶縁部材を形成することができ、負極タブ125と負極活物質の双方の境界部付近に形成することができる。
通常、負極活物質層127の外形寸法は正極活物質層122の外形寸法よりも大きく、セパレータ120の外形寸法よりも小さい。
(リチウム塩を含有する非水電解液)
本実施形態に用いるリチウム塩を含有する非水電解液は、電極活物質の種類やリチウムイオン電池の用途等に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
具体的なリチウム塩の例としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウム等を挙げることができる。
リチウム塩を溶解する溶媒としては、電解質を溶解させる液体として通常用いられるものであれば特に限定されるものではなく、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC),ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素溶媒;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の有機酸エステル類;リン酸トリエステルやジグライム類;トリグライム類;スルホラン、メチルスルホラン等のスルホラン類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(容器)
本実施形態において容器には公知の部材を用いることができ、電池の軽量化の観点からは可撓性フィルム140を用いることが好ましい。可撓性フィルム140は、基材となる金属層の表裏面に樹脂層が設けられたものを用いることができる。金属層には電解液の漏出や外部からの水分の侵入を防止する等のバリア性を有するものを選択することができ、アルミニウム、ステンレス鋼等を用いることができる。金属層の少なくとも一方の面には変性ポリオレフィン等の熱融着性の樹脂層が設けられ、可撓性フィルム140の熱融着性の樹脂層同士を電池要素を介して対向させ、電池要素を収納する部分の周囲を熱融着することで外装体を形成する。熱融着性の樹脂層が形成された面と反対側の面となる外装体表面にはナイロンフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂層を設けることができる。
(端子)
本実施形態において、正極端子131にはアルミニウムやアルミニウム合金で構成されたもの、負極端子136には銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したもの等を用いることができる。それぞれの端子は容器の外部に引き出されるが、それぞれの端子における外装体の周囲を熱溶着する部分に位置する箇所には熱融着性の樹脂をあらかじめ設けることができる。
(絶縁部材)
活物質の塗布部と未塗布部の境界部124、129に絶縁部材を形成する場合には、ポリイミド、ガラス繊維、ポリエステル、ポリプロピレンあるいはこれらを構成中に含むものを用いることができる。これらの部材に熱を加えて境界部124、129に溶着させるか、または、ゲル状の樹脂を境界部124、129に塗布、乾燥させることで絶縁部材を形成することができる。
(セパレータ)
本実施形態に係るセパレータ120は、耐熱性樹脂を主成分として含む樹脂層を備えることが好ましい。
ここで、上記樹脂層は主成分である耐熱性樹脂により形成されている。ここで、「主成分」とは、樹脂層中における割合が50質量%以上であることを言い、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよいことを意味する。
本実施形態に係るセパレータ120を構成する樹脂層は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。
上記樹脂層を形成する耐熱性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、フッ素系樹脂、ポリエーテルニトリル、変性ポリフェニレンエーテル等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、耐熱性や機械的強度、伸縮性、価格等のバランスに優れる観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミドおよび全芳香族ポリエステルから選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミドおよび半芳香族ポリアミドから選択される一種または二種以上がより好ましく、ポリエチレンテレフタレートおよび全芳香族ポリアミドから選択される一種または二種以上がさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
本実施形態に係るセパレータ120を構成する樹脂層は多孔性樹脂層であることが好ましい。これにより、リチウムイオン電池に異常電流が発生し、電池の温度が上昇した場合等に多孔性樹脂層の微細孔が閉塞して電流の流れを遮断することができ、電池の熱暴走を回避することができる。
上記多孔性樹脂層の空孔率は、機械的強度およびリチウムイオン伝導性のバランスの観点から、20%以上80%以下が好ましく、30%以上70%以下がより好ましく、40%以上60%以下が特に好ましい。
空孔率は、下記式から求めることができる。
ε={1−Ws/(ds・t)}×100
ここで、ε:空孔率(%)、Ws:目付(g/m)、ds:真密度(g/cm)、t:膜厚(μm)である。
本実施形態に係るセパレータ120の平面形状は、特に限定されず、電極や集電体の形状に合わせて適宜選択することが可能であり、例えば、矩形とすることができる。
本実施形態に係るセパレータ120の厚みは、機械的強度およびリチウムイオン伝導性のバランスの観点から、好ましくは5μm以上50μm以下である。
以上、説明したように、本実施形態によれば、上記実施形態のいずれかの電極シート10を用いて電池を製造することができる。本発明の電極シート10によれば、図7又は図12の圧縮工程(ステップS3)で生じる集電体電極シート10の縁のそりの発生を抑制、又は、裁断工程(ステップS5)でのバリの発生を抑制、もしくは、そりやバリの発生した電極シートの使用を未然に防止した電池等の電気化学デバイスの組み立てを実施することができ、特性が良好な電池等の電気化学デバイスを提供することが可能となる。
また、上記実施形態のいずれかの製造方法により作製された電極シート10を用いて電池を製造することができる。本実施形態の電極シート10は、図7のステップP1で金属箔9の少なくとも一方の面の油膜を除去した後(ステップP1)、金属箔9の前記面上に活物質層を間欠塗布により形成し、乾燥後に圧縮、裁断する工程を経て電極を作製する場合に、圧縮工程(ステップS3)で生じる集電体電極シート10の縁のそりの発生を抑制、又は、裁断工程(ステップS5)でのバリの発生を抑制、もしくは、そりやバリの発生した電極シートの使用を未然に防止した電池等の電気化学デバイスの組み立てを実施することができ、特性が良好な電池等の電気化学デバイスを提供することが可能となる。
本明細書において、「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータまたは情報を受信すること等、の少なくともいずれか一方を含む。また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することも含む。
(実施例1〜5)
金属箔9としてアルミニウム箔を用いた。電極スラリの組成は、正極活物質として、Li(Ni0.6Co0.2Mn0.2)Oを質量94.8%、導電補助材としてカーボンブラックを質量2.5%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを質量2.7%、とした。スラリの液固比は44%であった。
スラリ塗布工程(ステップS1)によって金属箔9上に形成された尾引き部14の長さ(B寸法)と幅(C寸法)、塗布領域11の塗工端15から尾引き部14の終端部16の長さ(A寸法)を計測した。得られた複数の計測値から式(1)で定義されるアスペクト比a1、および式(3)で定義される寸法比a3をそれぞれ算出した。計測値と算出結果は下記の表1のようになった。
表1に示すように、各実施例のアスペクト比a1は5.0以上となった。また、各実施例の寸法比a3は4.0以下となった。
また、正極活物質の密度と圧縮工程(ステップS3)における線圧は、それぞれ表1に示す通りとした。このようにして作製された電極シート10を裁断工程(ステップS5)で裁断した場合のバリ又はクラック発生の有無も表1に示した通りであった。表1に示すように、実施例1〜6のいずれの例においても、裁断工程(ステップS5)において、バリ又はクラックは発生しなかった。
(比較例1〜3)
比較例では、各寸法A、B、Cおよびアスペクト比a1および寸法比a3がそれぞれ表1の値となった尾引き部14が形成された電極シート10を実施例と同様に裁断した。各比較例において、アスペクト比a1は5.0未満、寸法比a3は4.0を超えていた。比較例1〜3のいずれの例においても、裁断工程(ステップS5)において、バリ又はクラックが発生した。
Figure 2020091944
(実施例7)
実施例1〜6とは別の電極を用いて、プラズマ処理を施す前と後で、尾引き部14の長さを計測した結果は表2に示す通りになった。プラズマ処理を施した方が、尾引き部14のB寸法が短くなった。また、式(1)のアスペクト比a1を算出した結果も表2に示す。
Figure 2020091944
(実施例8)
金属箔9(アルミニウム箔)のプラズマ処理前の水の接触角は12°であった。
水の接触角が35°および51°になるようにプラズマ処理を行った金属箔9と、プラズマ処理前の水の接触角が12°の金属箔9において、実施例1と同じスラリを用いて接触角を計測した。その結果、いずれの接触角も14°となった。
よって、水の接触角が51°以下となるようにプラズマ処理を施すことで、スラリの接触角が15°程度となり、金属箔9表面の濡れ性が改善することが分かった。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. シート状の金属箔の両面または片面に活物質が塗布された集電体電極シートの製造方法において、
前記活物質を含むスラリを該金属箔の両面または片面に塗布するに先立ち、間欠的に前記金属箔の表面の油膜を除去する工程と、
前記活物質を含むスラリを、前記シート状の金属箔の両面又は片面上に間欠的に塗布、乾燥して、活物質層が連続して存在する前記スラリの塗布領域と、前記スラリの非塗布領域とを、前記シート状の前記金属箔の長尺方向に交互に形成する塗布工程と、
前記活物質層が形成された前記金属箔を、その厚さ方向へ、一対の圧縮ローラを用いて、前記スラリの前記塗布領域と前記非塗布領域とを連続して圧縮する圧縮工程と、
前記シート状の金属箔の長尺方向と平行に前記スラリの前記塗布領域と前記非塗布領域とを連続して裁断する裁断工程と、を含み、
前記金属箔の表面の油膜を除去する工程における油膜除去処理は、前記塗布領域の終端部を形成する予定領域のみに行うものである、集電体電極シートの製造方法。
2. 1.に記載の集電体電極シートの製造方法において、
前記活物質層の各塗布領域の前記終端部には、前記非塗布領域に向かって前記活物質層の尾引き部が複数形成されており、
前記圧縮工程において、前記活物質層が形成された前記金属箔のうち、前記塗布領域の中央部にかかる荷重が1.5ton/cmを超える、集電体電極シートの製造方法。
3. 1.または2.に記載の集電体電極シートの製造方法において、
前記金属箔の表面の前記油膜除去処理を、大気圧またはその近傍の圧力下でのプラズマ放電により行うものである、集電体電極シートの製造方法。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の集電体電極シートの製造方法において、
前記金属箔の表面の前記油膜除去処理を、酸および塩基の水溶液、並びに、アルコール系、ケトン系、およびエーテル系のいずれか一つである有機溶媒を塗布した後、該溶液または溶媒を除去して行うものである、集電体電極シートの製造方法。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載の集電体電極シートの製造方法において、
前記金属箔の表面の前記油膜除去処理後の金属箔表面と水の接触角が51度以下である、集電体電極シートの製造方法。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の集電体電極シートの製造方法により製造された集電体電極シート。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の集電体電極シートを用いて製造された電池。
1 製造システム
9 金属箔
10 集電体電極シート
11 塗布領域
12 非塗布領域
13 終端
14 尾引き部
15 塗工端
16 終端部
17 長尺方向裁断予定線
19 バリ
20 スラリ塗布装置
40 圧縮装置
50 圧縮ローラ
51 バックアップローラ
60 裁断装置
61 第1のスリット刃
62 第2のスリット刃
63 バックアップローラ
64 ガイドローラ
80 切断面
90 電極シートロール
100 コンピュータ
102 CPU
104 メモリ
105 ストレージ
106 I/O
107 通信インタフェース
109 バス
110 プログラム
120 セパレータ
121 正極
122 正極活物質層
123 正極集電体層
124 境界部
125 負極タブ
126 負極
127 負極活物質層
128 負極集電体層
129 境界部
130 正極タブ
131 正極端子
136 負極端子
140 可撓性フィルム
150 電池
Dx 長尺方向
Dy 方向

Claims (7)

  1. シート状の金属箔の両面または片面に活物質が塗布された集電体電極シートの製造方法において、
    前記活物質を含むスラリを該金属箔の両面または片面に塗布するに先立ち、間欠的に前記金属箔の表面の油膜を除去する工程と、
    前記活物質を含むスラリを、前記シート状の金属箔の両面又は片面上に間欠的に塗布、乾燥して、活物質層が連続して存在する前記スラリの塗布領域と、前記スラリの非塗布領域とを、前記シート状の前記金属箔の長尺方向に交互に形成する塗布工程と、
    前記活物質層が形成された前記金属箔を、その厚さ方向へ、一対の圧縮ローラを用いて、前記スラリの前記塗布領域と前記非塗布領域とを連続して圧縮する圧縮工程と、
    前記シート状の金属箔の長尺方向と平行に前記スラリの前記塗布領域と前記非塗布領域とを連続して裁断する裁断工程と、を含み、
    前記金属箔の表面の油膜を除去する工程における油膜除去処理は、前記塗布領域の終端部を形成する予定領域のみに行うものである、集電体電極シートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の集電体電極シートの製造方法において、
    前記活物質層の各塗布領域の前記終端部には、前記非塗布領域に向かって前記活物質層の尾引き部が複数形成されており、
    前記圧縮工程において、前記活物質層が形成された前記金属箔のうち、前記塗布領域の中央部にかかる荷重が1.5ton/cmを超える、集電体電極シートの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の集電体電極シートの製造方法において、
    前記金属箔の表面の前記油膜除去処理を、大気圧またはその近傍の圧力下でのプラズマ放電により行うものである、集電体電極シートの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の集電体電極シートの製造方法において、
    前記金属箔の表面の前記油膜除去処理を、酸および塩基の水溶液、並びに、アルコール系、ケトン系、およびエーテル系のいずれか一つである有機溶媒を塗布した後、該溶液または溶媒を除去して行うものである、集電体電極シートの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の集電体電極シートの製造方法において、
    前記金属箔の表面の前記油膜除去処理後の金属箔表面と水の接触角が51度以下である、集電体電極シートの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の集電体電極シートの製造方法により製造された集電体電極シート。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の集電体電極シートを用いて製造された電池。
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CN114639800A (zh) * 2022-02-15 2022-06-17 宁德新能源科技有限公司 一种电化学装置及包括其的电子装置

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