JP2020091434A - 電気光学素子及び電気光学素子を含む収納容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の電気光学素子は、色彩を与えることができないという問題がある。【解決手段】電気光学素子は、第1基板と第2基板とが対向配置され、第1基板と第2基板との間に第1透明電極と第2透明電極と、第1基板と第2基板との間の液晶層とが配置され、第1面と第1面の反対側の第2面とを有する透過偏光軸変換部と、透過偏光軸変換部の第1面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し第1方向と直交する第2方向に吸収偏光軸を有する吸収型偏光部と、透過偏光軸変換部の第2面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し第2方向に反射偏光軸を有する反射型偏光部と、透過偏光軸変換部と反射型偏光部との間に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し第2方向に吸収偏光軸を有し、吸収偏光軸は可視光のうち特定波長帯域の光を吸収する波長選択偏光部と、反射型偏光部の波長選択偏光部とは反対側に配置された位相制御部とを有する。【選択図】図1
Description
本発明の一実施形態は、透過状態と反射状態とに切り替え可能な電気光学素子に関する。本発明の一実施形態は、外装部の視覚的状態を透過状態と反射状態に切り替え可能な収納容器に関する。
物品等を収納する容器類、アタッシュケースやスーツケース等の硬質外装材で形成される鞄等の収納容器又は収納用具は、通常、不透明な部材で形成されるため、外観からでは中身を確認することができない。このような従来の収納容器又は収納用具は、中身を確認するには蓋を開けるなどして内部を視認する必要がある。しかし、収納容器又は収納用具が複数あり探し物がどこにあるか分からない場合には、一つひとつ蓋をあけて確認することは煩雑な作業となる。一方、収納容器又は収納用具の外装を透明な部材で形成することも考えられるが、その場合には常に中身が見えてしまい秘密保持又はプライバシー、あるいは品質管理の面で不都合が生じる場合がある。
ところで、液晶の電気光学効果を利用して透明状態と遮光状体とを切り替え可能な電気光学素子が商品化されており、このような商品の一部は液晶シャッター等と呼ばれている。そこで、収納容器や収納用具の外装に電気光学素子を用い、透明状態と遮光状体とを切り替えるようにすることで、必要なときのみ透明にして中身を確認することは可能であると考えられる。例えば、特許文献1には、液晶の電気光学効果を利用して透明状態と非透明状態とを切り替えることが可能な装置が開示されている。
しかし、従来の電気光学素子は、色彩を与えることができないという問題がある。電気光学素子で形成される遮光状体を散乱(白濁)、吸収(黒色)、又は反射(鏡面)で実現するため、デザイン性に富んだ収納容器及び収納用具を提供することが難しいという問題を有している。本発明の一実施形態は、このような問題を解決することを目的の一つとしている。
本発明の一実施形態に係る電気光学素子は、第1基板と第2基板とが対向配置され、第1基板と第2基板との間に第1透明電極と第2透明電極と、第1基板と第2基板との間の液晶層とが配置され、第1面と第1面の反対側の第2面とを有する透過偏光軸変換部と、透過偏光軸変換部の第1面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し第1方向と直交する第2方向に吸収偏光軸を有する吸収型偏光部と、透過偏光軸変換部の第2面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し第2方向に反射偏光軸を有する反射型偏光部と、透過偏光軸変換部と反射型偏光部との間に配置され、第1の方向に偏光された光を透過する透過偏光軸を第1方向に有し、第2の方向に偏光された光のうち、第1波長帯域の光を吸収し第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を透過する吸収偏光軸を第2方向に有する波長選択偏光部と、反射型偏光部の波長選択偏光部とは反対側に配置された位相制御部とを有する。
本発明の一実施形態に係る収納容器は、内側に空間を形成する外装部を有し、外装部の少なくとも一部は、外光を透過する透過モードと外光を反射する反射モードに切り替え可能な調光部を有し、調光部は、第1基板と第2基板とが対向配置され、第1基板と第2基板との間に第1透明電極と第2透明電極と、第1基板と第2基板との間の液晶層とが配置され、第1面と第1面の反対側の第2面とを有する透過偏光軸変換部と、透過偏光軸変換部の第1面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し第1方向と直交する第2方向に吸収偏光軸を有する吸収型偏光部と、透過偏光軸変換部の第2面側に配置され、第1の方向に偏光された光を透過する透過偏光軸を第1方向に有し、第2の方向に偏光された光のうち、第1波長帯域の光を吸収し第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を透過する吸収偏光軸を第2方向に有する波長選択偏光部と、反射型偏光部の波長選択偏光部とは反対側に配置された位相制御部とを有する。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、断面視において、例えば後述する視認側、あるいは表示画面が位置する側を「上」又は「上方」といい、「上」又は「上方」から見た面を「上面」又は「上面側」というものとし、その逆を「下」、「下方」、「下面」又は「下面側」というものとする。
以下の説明において、図中にX軸、Y軸、Z軸、又はX方向、Y方向、Z方向、が示されるとき、便宜的にY軸に沿った方向を第1方向、Y軸と直交するZ軸に沿った方向を第2方向、Y軸及びZ軸と直交するX軸に沿った方向を第3方向というものとする。
なお、電気光学素子とは、電気的なエネルギーで光学的な性質が変化する電気光学物質を含む装置をいうものとし、電気光学物質には液晶、有機エレクトロルミネセンス材料等が含まれるものとする。例えば、電気光学素子には、液晶層を含む装置、有機エレクトロルミネセンス材料を含む装置、電気泳動粒子が分散した分散媒体を有する装置、量子ドットを用いた装置、マイクロLEDを用いた装置等が含まれるものとする。また、電気光学素子には、電気信号で光の反射方向を制御する装置、例えばメカニカルマイクロミラー素子を有する表示装置も含まれるものとする。
第1実施形態:
1−1.電気光学素子の構成
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る電気光学素子100aの構成を示す。図1及び図2は、電気光学素子100aの構成を断面構造により模式的に示す。
1−1.電気光学素子の構成
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る電気光学素子100aの構成を示す。図1及び図2は、電気光学素子100aの構成を断面構造により模式的に示す。
電気光学素子100aは、第1面101と、第1面101とは反対側の第2面102とを有する。ここで、第1面101は入射光(外光)が入射する側であり、第2面102は入射光(外光)が入射する面に対して裏側に相当する面であるものとする。電気光学素子100aは、第1面101側から第3方向に沿って、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、位相制御部112(単に位相差板、位相差フィルムともいう)が配置された構成を有する。吸収型偏光部104は、所定の方向に吸収偏光軸を有し、当該吸収偏光軸と直交する方向に透過偏光軸を有する。換言すれば、吸収型偏光部104の透過偏光軸は、吸収偏光軸に直交する方向に現れる。波長選択偏光部108は、所定の方向に、特定波長帯域(第1波長帯域)の光を吸収する吸収偏光軸を有し、当該吸収偏光軸と直交する方向に透過偏光軸を有する。反射型偏光部110は、所定の方向に反射偏光軸を有し、当該反射偏光軸と直交する方向に透過偏光軸を有する。図1及び図2は、説明のために各部が間隙を持って配置されているように表示するが、実際には各部が近接し、又は密接して配置される。各部の間隙を透明な粘着剤などの媒体で充填してもよい。当該媒体が充填されることにより、各部における界面反射による光損失を抑制することができる。
吸収型偏光部104は、入射光I1(自然光又は人工の照明光)の第1方向の直線偏光成分(以下、「第1直線偏光成分」ともいう)を透過し、第2方向の直線偏光成分(以下、「第2直線偏光成分」ともいう)を吸収する。なお、第1方向の直線偏光成分とは、第1方向に振動方向を有する直線偏光成分のことである。ここで、吸収型偏光部104を透過する光の偏光方向を透過偏光軸という。詳述すれば吸収型偏光部104を透過する光の偏光成分のうち、最も強い成分である直線偏光の方向を透過偏光軸という。また、吸収型偏光部104に吸収される光の偏光方向を吸収偏光部という。詳述すれば吸収型偏光部104に吸収される光が含む偏光成分のうち、最も強い成分である直線偏光の方向を吸収偏光軸という。すなわち、吸収型偏光部104は、第1方向に透過偏光軸を有し、第2方向に吸収偏光軸を有する。図1に示すように、吸収型偏光部104は、入射光I1の第1直線偏光成分を透過光として透過し、第2直線偏光成分を吸収し透過させない特性を有する。このような特性を有する吸収型偏光部104は、吸収型偏光子を有する偏光板又は偏光フィルムによって実現される。
透過偏光軸変換部106は、少なくとも、入射された光の偏光軸を変化させる状態と変化させない状態との、少なくとも2つの状態に制御することが可能とされている。透過偏光軸変換部106は、この2つの状態を電気的に制御可能なように構成される。具体的には、透過偏光軸変換部106は、一方向に直線偏光された光の偏光方向を90度回転させる状態と、回転させない状態とに制御される。このような機能を有する透過偏光軸変換部106は、例えば、液晶の電気光学効果を利用して実現される。
透過偏光軸変換部106は、第1透明電極122が設けられた第1基板114と、第2透明電極124が設けられた第2基板116と、液晶分子120を含む液晶層118とを含む。第1基板114と第2基板116とは、第1透明電極122と第2透明電極124とが間隙を持って対面するように配置される。液晶層118は、第1基板114と第2基板116との間隙に配置される。第1基板114及び第2基板116は、例えば、ガラス基板、可撓性を有する樹脂基板が用いられる。
透過偏光軸変換部106は、第1透明電極122と第2透明電極124との間に電位差が与えられることで、液晶分子120の配向状態が制御される。図1及び図2に示すように、第1透明電極122と第2透明電極124とは電源126と接続される。また、電源126と、第1透明電極122及び第2透明電極124との接続状態を制御するスイッチ128が設けられる。電源126は、交流電圧が出力される電源回路で構成されることが好ましい。なお、図1及び図2では、電源126とスイッチ128という構成で示すが、同様の機能を集積回路で実現されていてもよい。例えば、第1透明電極122と第2透明電極124との間に電位差を与える状態と、電位差を与えない状態とを選択する信号に基づいてスイッチング動作をする集積回路によってスイッチ128の機能が実現されていてもよい。
第1透明電極122及び第2透明電極124は、ITO(Indium Thin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜で形成される。また、図1及び図2には図示されないが、第1透明電極122及び第2透明電極124の表面には液晶を配向させるための配向膜が形成されていてもよい。
液晶層118には、例えば、ツイストネマティック液晶が用いられる。図1に示すように、ツイストネマティック液晶は、電圧が印加されないとき、液晶層118の液晶分子120は第1基板114及びと第2基板116の主面に対し、数度のプレチルト角を有しつつ、当該主面に略平行方向に配列し、かつ液晶分子120の向き(詳しくは棒状の液晶分子120の長軸の向き)が90度捩れて配向する。すなわち、液晶分子120は、電圧が印加されない状態において、第1透明電極122から第2透明電極124にかけて連続的に一方向に回転しながら90度捩れて配向する。液晶分子120としてはポジ型の液晶材料が用いられ、第1透明電極122と第2透明電極124との間に電圧が印加されると、図2に示すように、液晶分子120は電界が作用する方向(すなわち第1基板114及び第2基板116の主面に略垂直方向な方向)に配向が制御される。
透過偏光軸変換部106は、第1方向に直線偏光された入射光を、第2方向に直線偏光された光に変換する第1モードと、第1方向に直線偏光された入射光を、第1方向に直線偏光された状態のまま通過する第2モードと、の2つのモードで動作する。図1は透過偏光軸変換部106が第1モードである場合を示す。第1モードでは、液晶層118の液晶分子120が第1基板114及び第2基板116の主面に対し略平行に配列し、かつ90度捩れて配向する状態にある。この状態にある液晶層118に直線偏光された光が入射すると偏光軸が回転する。例えば、液晶層118に入射した第1直線偏光成分は、第2直線偏光成分に変換されて出射される。
一方、図2は透過偏光軸変換部106が第2モードである場合を示す。第2モードでは、液晶層118に電圧を印加することで、液晶分子120の大部分が、第1基板114及び第2基板116の主面に略垂直方向に配向している。第2モードにおいて液晶層118に第1直線偏光成分の光が入射すると、液晶層118を通過する光の偏光状態は変化せず、第1直線偏光成分の光がそのまま通過する。このように、透過偏光軸変換部106は、直線偏光された入射光が透過する際に、その偏光の方向を実質的に90度変化させる第1モードと、偏光方向を変化させない第2モードとを有する。透過偏光軸変換部106は、第1モードと第2モードの切り替えを電気的な制御により行うことができる。なお、透過偏光軸変換部106は電圧の制御により第1モードと第2モードの中間の偏光状態を実現することができる。すなわち液晶層106に印加する電圧を第1モードの電圧と第2モードの電圧の間の電圧にすることで第1モードと第2モードの中間の偏光状態を実現することができる。
なお、液晶層118は、ツイストネマティック液晶に限定されるものではない。例えば、液晶層118に、ネガ型の液晶分子を有し、第1基板114及び第2基板116の主面の略垂直方向に初期配向している液晶を用いてもよい。あるいは、液晶層118に、第1基板114及び第2基板116の主面の略平行方向にホモジニアス配向している液晶を用いてもよい。ホモジニアス配向している液晶を用いる場合は、透過偏光軸変換部106に、当該主面に平行な横方向の電界で液晶分子を駆動するインプレーンスイッチング(IPS)、又はフリンジ電界で液晶分子120を駆動するフリンジフィールドスイッチング(FFS)の構成が採用されてもよい。IPSやFFSを適用する場合は、第1基板114及び第2基板116の一方に、第1透明電極122の代わりとなる櫛歯状の電極が設けられ、第2透明電極124の代わりとなる櫛歯状の電極が設けられてもよい。又は、第1基板114及び第2基板116の一方の基板に、第1透明電極122の代わりとなる櫛歯状の電極を設け、第2透明電極124の代わりとなる櫛歯状の電極を設け、双方の電極の間に絶縁層が設けられる構造が採用されてもよい。
波長選択偏光部108は、第1方向に透過偏光軸が配置され、第2方向に吸収偏光軸が配置される。別言すれば、波長選択偏光部108は、透過偏光軸が吸収型偏光部104の透過偏光軸と平行に配置され、吸収偏光軸が吸収型偏光部104の吸収偏光軸と平行に配置される。波長選択偏光部108は、入射光のうち、第1直線偏光成分を透過し、第2直線偏光成分のうち、特定波長帯域(第1波長帯域)の可視光を吸収し、定波長帯域以外の(特定波長帯域とは異なる第2波長帯域の)可視光を透過する。すなわち、波長選択偏光部108は、透過偏光軸変換部106を通過した光が第1直線偏光成分である場合には透過させ、第2直線偏光成分である場合には特定波長帯域の可視光を吸収し、特定波長帯域以外の可視光を透過する。
波長選択偏光部108は偏光板の一種であり、吸収偏光軸が特定波長帯域の可視光を吸収し、特定波長帯域以外の帯域の可視光を透過する特性を有する。例えば、波長選択偏光部108は、第1直線偏光成分の可視光に対しては透明であり、第2直線偏光成分の可視光に対しては赤色帯域以外の光を吸収し、赤色帯域の光を透過する。このような特性を有する波長選択偏光部108は、特定波長帯域の光を吸収する吸収偏光子を用いて実現される。
なお、本明細書において「特定波長帯域の光」とは、連続する所定の波長帯域を特定波長帯域とする光の他、離間する複数の波長帯域を特定波長帯域とする光、単一波長特定波長帯域とする光も含むものとする。上述の波長選択偏光部108では、波長610〜780nmの赤色帯域以外の、波長610未満の波長帯域と780nmより大きい波長帯域との離間する2つの波長帯域を特定波長帯域としている。
反射型偏光部110は、入射光のうち第1直線偏光成分を透過し、第2直線偏光成分を反射する。ここで、反射型偏光部110において反射される光の偏光成分のうち、最も強い成分である直線偏光の方向を反射偏光軸という。また、当該反射偏光軸に直交する方向を透過偏光軸という。反射型偏光部110は、第1方向に透過偏光軸を有し、第2方向に反射偏光軸を有する。このような偏光特性を有する反射型偏光部110は、例えば、金属ナノワイヤを用いたワイヤグリッド偏光子を有する偏光板、又は高分子フィルムの積層体からなる偏光フィルム、又はコレステリック液晶層と1/4波長板との組合せた構成、によって実現される。ワイヤグリッド偏光子を有する偏光板は、例えば、ワイヤグリッドで形成される偏光子と、偏光子を支持する基材と、保護フィルムを含んで構成される。高分子フィルムの積層体からなる偏光フィルムには、例えば、互いに異なる複屈折を有する複屈折性高分子フィルムを交互に複数積層した構造からなる複屈折反射型偏光フィルムを用いることができる。
位相制御部112は、位相差板又は位相差フィルムともいう。位相制御部112は、位相差板又は位相差フィルムを含む積層体でもよい。当該位相差板、当該位相差フィルムとして、例えば1/4波長板や1/2波長板が用いられる。位相制御部112は、入射する直線偏光の偏光状態を、例えば円偏光や楕円偏光などへ変化させて出射するように、遅相軸が反射型偏光部110の反射偏光軸に対して、所定の角度をなして配置されていることが好ましい。位相制御部112は、入射する直線偏光の偏光状態を、波長毎に異なる偏光状態が、例えば波長毎に異なる楕円偏光が、混合した光の状態に変化させて出射するように配置してもよい。位相制御部112が1/4波長板であるときは、遅相軸が反射型偏光部110の反射偏光軸に対して45度の角度に配置されていることが好ましい。さらに、位相制御部112は、位相差(リタデーション:Δnd)が可視光の波長以上、すなわち、780nm以上であることが好ましい。なお、Δnは、位相制御部112の第1方向(遅相軸)の屈折率と第2方向(進相軸)の屈折率の差であり、dは位相制御部112の厚みである。上記第1方向と上記第2方向とは、位相制御部112の面内方向(位相制御部112の主面上、且つ主面に平行な方向)である。位相制御部112は、面内方向の屈折率が第1方向と第2の方向とで異なると共に、第1方向(遅相軸)の屈折率と第2方向(進相軸)の屈折率と位相制御部112の厚み方向の屈折率とが異なる2軸性を有していてもよい。
このような位相制御部112を設けることで、反射型偏光部110を通過した光の偏光状態を直線偏光から変化させ、波長毎に異なる偏光状態が混合した状態にすることができる。すなわち、位相制御部112は、直線偏光の光を偏光状態がランダムで、直線偏光よりも自然光に近付けた光に変化させることができる。
本実施形態に係る電気光学素子100aは、透過偏光軸変換部106の一方の側(第1面101側)に吸収型偏光部104が配置され、他方(第2面102側)に波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112が配置された構成を有する。吸収型偏光部104、波長選択偏光部108、及び反射型偏光部110は、それぞれの透過偏光軸が平行に配置される。吸収型偏光部104と波長選択偏光部108の吸収偏光部、及び反射型偏光部110の反射偏光軸は平行に配置される。そして次節で説明するように、電気光学素子100aは、吸収型偏光部104、波長選択偏光部108、及び反射型偏光部110が有する偏光軸の組み合わせと、透過偏光軸変換部106に設けられた液晶層118の電気光学効果(光が液晶層を通過する際に発生する効果であり、ここでは偏光軸が回転することを含む、偏光状態の変化による効果)により、特定波長帯域の光を反射する反射モードと、可視光帯域の光を透過する透過モードとの2つのモードを有する。
1−2.電気光学素子の動作
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100aの動作について説明する。なお、図1は、第1面101側から入射した入射光(自然光及び/又は人工の照明光であって、光のスペクトルが可視光帯域わたって広く分布している光)のうち、特定波長帯域の光が反射光として再び第1面101から出射される状態(以下、「反射モード」ともいう)を示し、図2は、第1面側から入射した入射光(自然光及び/又は人工の照明光であって白色光又はそれに準ずる光)が、そのまま透過する状態(以下、「透過モード」ともいう)を示す。
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100aの動作について説明する。なお、図1は、第1面101側から入射した入射光(自然光及び/又は人工の照明光であって、光のスペクトルが可視光帯域わたって広く分布している光)のうち、特定波長帯域の光が反射光として再び第1面101から出射される状態(以下、「反射モード」ともいう)を示し、図2は、第1面側から入射した入射光(自然光及び/又は人工の照明光であって白色光又はそれに準ずる光)が、そのまま透過する状態(以下、「透過モード」ともいう)を示す。
1−2−1.反射モード
図1に示すように、電気光学素子100aは、第1面101側(視認側)から吸収型偏光部104に入射した入射光I1は、吸収偏光軸に平行な第2直線偏光成分が吸収され、透過偏光軸に平行な第1直線偏光成分が透過する。透過偏光軸変換部106は、スイッチ128がオフであり電源126から電圧が印加されない状態にある。この状態で液晶分子120は、第1基板114及び第2基板116に略平行に配列し、第1透明電極122から第2透明電極124にかけて90度捩れた状態に配向している。すなわち、透過偏光軸変換部106は第1モードの状態にあり、第1方向に直線偏光されている入射光は、第2方向に直線偏光された光に変換される。
図1に示すように、電気光学素子100aは、第1面101側(視認側)から吸収型偏光部104に入射した入射光I1は、吸収偏光軸に平行な第2直線偏光成分が吸収され、透過偏光軸に平行な第1直線偏光成分が透過する。透過偏光軸変換部106は、スイッチ128がオフであり電源126から電圧が印加されない状態にある。この状態で液晶分子120は、第1基板114及び第2基板116に略平行に配列し、第1透明電極122から第2透明電極124にかけて90度捩れた状態に配向している。すなわち、透過偏光軸変換部106は第1モードの状態にあり、第1方向に直線偏光されている入射光は、第2方向に直線偏光された光に変換される。
透過偏光軸変換部106を通過した光は、直線偏光の方向が波長選択偏光部108の吸収偏光軸と偏光方向が平行であるため、特定波長帯域の光の第2直線偏光成分は吸収し、それ以外の帯域の光の第2直線偏光成分は透過する。波長選択偏光部108を透過した当該第2直線偏光成分の光は、反射型偏光部110の反射偏光軸と偏光方向が平行であるため、反射型偏光部110で反射される。反射型偏光部110で反射された当該第2直線偏光成分の光は、波長選択偏光部108を再び透過し、透過偏光軸変換部106に入射する。
透過偏光軸変換部106に入射した特定波長帯域の第2直線偏光成分の反射光は、液晶層118を通過することにより偏光方向が90度回転し、第1直線偏光成分に変換される。第1直線偏光成分とされた反射光は、吸収型偏光部104の透過偏光軸と偏光方向が平行であるため、吸収型偏光部104を透過し、第1面101から反射光R1として出射される。このように電気光学素子100aは、反射モードにおいて、第1面101側から入射した入射光I1が直線偏光されて反射型偏光部110で反射され、反射光R1として第1面101側に出射される際に、波長選択偏光部108の作用により特定波長帯域以外の波長の光に調光される。
なお、反射モードにおいて、第2面102側から電気光学素子100aに入射した入射光I2は、反射型偏光部110及び波長選択偏光部108によって反射や吸収されない第1直線偏光成分が透過偏光軸変換部106に入射する。透過偏光軸変換部106では、偏光軸が90度回転するので、吸収型偏光部104には第2直線偏光成分が入射する。吸収型偏光部104は第2方向に吸収偏光軸が配置されているため、入射光I2の第2直線偏光成分は吸収される。したがって、入射光I2は電気光学素子100aを透過することができない状態となる。
図3(A)は、反射モードにおける電気光学素子100aを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。反射モードでは、入射光I1の所定の波長成分が波長選択偏光部108を透過し、当該透過した光が反射型偏光部110で反射して、反射光R1が第1面101から出射される。第1面101の側から電気光学素子100aを観察する観察者は、波長選択偏光部108を透過する波長の光に調光された反射光R1を視認することができる。すなわち、観察者は、電気光学素子100aの第1面101が特定の色に調光された状態を視認することができる。一方、観察者は、電気光学素子100aの背面側(第2面102側)にある物品900を、第1面101を通して視認することができない。
反射モードでは、波長選択偏光部108の吸収偏光軸の吸収特性を適宜選択することにより、様々な色彩の光を反射光R1として第1面101から出射させることができる。例えば、波長選択偏光部108の吸収偏光軸が赤色帯域の光を透過する特性を有する場合には、赤色帯域の光が反射光として出射され、吸収偏光軸が緑色帯域の光を透過する特性を有する場合には緑色帯域の光が反射光として出射され、吸収偏光軸が青色帯域の光を透過する特性を有する場合には青色帯域の光が反射光として出射される。
1−2−2.透過モード
図2に示すように、透過モードでは、第1面101側から吸収型偏光部104に入射した入射光I1は、第1直線偏光成分が透過する。透過偏光軸変換部106は、スイッチ128がオンであり、電源126から第1透明電極122と第2透明電極124とに液晶分子120の配向を変化させる大きさの電圧が印加される。液晶分子120は、第1透明電極122と第2透明電極124とで形成される電界に平行な方向に配向する。スイッチ128がオンになることにより、透過偏光軸変換部106は第2モードとなり、入射光I1の第1直線偏光成分は偏光方向が変化しないまま透過偏光軸変換部106を通過する。
図2に示すように、透過モードでは、第1面101側から吸収型偏光部104に入射した入射光I1は、第1直線偏光成分が透過する。透過偏光軸変換部106は、スイッチ128がオンであり、電源126から第1透明電極122と第2透明電極124とに液晶分子120の配向を変化させる大きさの電圧が印加される。液晶分子120は、第1透明電極122と第2透明電極124とで形成される電界に平行な方向に配向する。スイッチ128がオンになることにより、透過偏光軸変換部106は第2モードとなり、入射光I1の第1直線偏光成分は偏光方向が変化しないまま透過偏光軸変換部106を通過する。
波長選択偏光部108と反射型偏光部110の透過偏光軸は第1方向と平行に配置されている。透過偏光軸変換部106を通過した第1直線偏光成分は、波長選択偏光部108と反射型偏光部110を透過し、位相制御部112に入射する。入射光の第1直線偏光成分は、位相制御部112を通過するとき偏光状態が変化する。例えば、入射光I1の第1直線偏光成分の偏光状態は、波長毎に異なる状態の楕円偏光が混在する状態に変化する。このように、電気光学素子100aは透過モードにおいて、第1面101側から入射した入射光I1を直線偏光に偏光した後、位相制御部112を透過することにより、自然光に近い状態(直線偏光を解消した状態)にして第2面102側から出射することができる。
なお、電気光学素子100aの第2面102側に光を反射する物品が存在する場合、当該物品からの反射光は電気光学素子100aの第2面102側から再び入射する。電気光学素子100aは、反射型偏光部110、波長選択偏光部108、及び吸収型偏光部104の透過偏光軸はいずれも第1方向と平行な方向に配置されている。そのため、物品からの反射光R2は、第1直線偏光成分が透過して第1面101から透過光T2として出射される。
図3(B)は、透過モードにおける電気光学素子100aを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。透過モードにおいて電気光学素子100aは、入射光I1に対し透過光T1が得られ、第2面102側から入射する反射光R2は第1面101側から透過光T2として出射されるので、観察者は、第1面101側から電気光学素子100aの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。
本実施形態によれば、透過偏光軸変換部106によって、透過偏光軸変換部106を透過する光の偏光方向や偏光状態を制御することで、電気光学素子100aを反射モードと透過モードとの2つのモードに切り替えることができる。透過モードにおいては、第2面102側に位相制御部112が設けられていることにより、電気光学素子100aの第1面側から入射して第2面側から出射される光の直線偏光状態が緩和、解消され、より自然光に近い状態の光となる。それにより、電気光学素子100aを透過した自然光に近い状態の光が、第2面102側に存在する物品へ到達する。したがって、当該物品をより自然に近い状態で、電気光学素子100aを介して視認することができるようになる。また、電気光学素子100aは、反射モードのとき、波長選択偏光部108を透過する波長帯域の光に調光され、反射型偏光部110の作用により調光された光を第1面101側に反射することができる。これにより、電気光学素子100aは、入射光を反射すると共に第1面101を演色することができる。
第2実施形態:
2−1.電気光学素子の構成
本発明の一実施形態に係る電気光学素子100bの構成を、図4を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
2−1.電気光学素子の構成
本発明の一実施形態に係る電気光学素子100bの構成を、図4を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
電気光学素子100bは、第1面101側から第3方向に沿って、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、位相制御部112が配列された構成を有する。吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、反射型偏光部110、位相制御部112は第1実施形態と同じ構成及び機能を有する。
波長選択偏光部108は、入射光I1の第1直線偏光成分及び第2直線偏光成分を透過する開口部130を有する。開口部130は、波長選択偏光部108の中で偏光子が設けられない領域となる。具体的には、開口部130は、波長選択偏光部108の中で偏光子のみが設けられない領域、すなわち偏光機能を有さない領域によって実現される。また、開口部130は、波長選択偏光部108の中で、基材、偏光子及び保護フィルムを貫通する貫通孔によっても実現される。開口部130は、少なくとも、吸収偏光軸を有さない領域となるので、光が波長に依存せず通過する領域となる。
波長選択偏光部108において、開口部130の大きさ、形状、範囲は任意に設定することができる。また、波長選択偏光部108には、開口部130が複数個設けられていてもよい。例えば、波長選択偏光部108において、開口部130は、特定の文字、記号、図形、模様等を表す形状を有していてもよい。また、開口部130は、波長選択偏光部108の面内に形成されてもよいし、端部の一部が欠損するように、欠損部として設けられてもよい。いずれにしても、波長選択偏光部108は、第1方向に直線偏光された光を透過し、第2方向に直線偏光された光のうち特定波長帯域の光を吸収し、特定波長帯域以外の光を透過する波長選択偏光領域と、第1直線偏光成分及び第2直線偏光成分の光を透過する透過領域との2つの領域を含んでいる。
電気光学素子100bにおいて、吸収型偏光部104の透過偏光軸及び吸収偏光軸、波長選択偏光部108の透過偏光軸及び吸収偏光軸、反射型偏光部110の透過偏光軸と吸収偏光軸の配置は第1実施形態と同様である。電気光学素子100bは、波長選択偏光部108に開口部130が設けられることにより、第1面101から入射する入射光I1に対し、反射光の特性が異なる領域を有する。すなわち、電気光学素子110bは、第1面101から入射した入射光I1の第2直線偏光成分が波長選択偏光部108を通過して反射型偏光部110で反射され、反射光R1として第1面101から出射される領域と、入射光I1の第2直線偏光成分が波長選択偏光部108を通過しないで、反射型偏光部110で反射され、反射光R3として出射される領域とを有する。
2−2.電気光学素子の動作
図4及び図5を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100bの動作について説明する。図4は電気光学素子100bが反射モードである場合を示し、図5は電気光学素子100bが透過モードである場合を示す。
図4及び図5を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100bの動作について説明する。図4は電気光学素子100bが反射モードである場合を示し、図5は電気光学素子100bが透過モードである場合を示す。
2−2−1.反射モード
図4に示すように、電気光学素子100bの第1面101(視認側)から入射する入射光I1に対し、反射型偏光部110で反射され第1面101から出射される反射光は、少なくとも2種類が存在する。波長選択偏光部108の開口部130が設けられていない領域に入射する入射光I1の第2直線偏光成分は、第1実施形態に示す場合と同様に反射型偏光部110で反射され、最終的には第1面101から反射光R1として出射される。反射光R1は特定波長帯域以外の波長帯域の光となっている。一方、波長選択偏光部108の開口部130が設けられる領域に入射する入射光I1の第2直線偏光成分は、光のスペクトルが変化しないまま反射型偏光部110で反射される。したがって、反射光R3のスペクトルは、反射光R1と異なっている。例えば、入射光I1が白色光である場合、反射光R3は波長選択偏光部108における特定波長帯域の吸収ロスがない光、すなわち白色光となる。
図4に示すように、電気光学素子100bの第1面101(視認側)から入射する入射光I1に対し、反射型偏光部110で反射され第1面101から出射される反射光は、少なくとも2種類が存在する。波長選択偏光部108の開口部130が設けられていない領域に入射する入射光I1の第2直線偏光成分は、第1実施形態に示す場合と同様に反射型偏光部110で反射され、最終的には第1面101から反射光R1として出射される。反射光R1は特定波長帯域以外の波長帯域の光となっている。一方、波長選択偏光部108の開口部130が設けられる領域に入射する入射光I1の第2直線偏光成分は、光のスペクトルが変化しないまま反射型偏光部110で反射される。したがって、反射光R3のスペクトルは、反射光R1と異なっている。例えば、入射光I1が白色光である場合、反射光R3は波長選択偏光部108における特定波長帯域の吸収ロスがない光、すなわち白色光となる。
なお、反射モードにおいて、第2面102側から電気光学素子100bに入射した入射光I2は、反射型偏光部110の透過偏光軸に平行な第1直線偏光成分が開口部130の領域を含めて波長選択偏光部108を透過することとなるので、第1実施形態と同様に第1面101側へ光が出射されない状態となる。
図6(A)は、反射モードにおける電気光学素子100bを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。反射モードでは、入射光I1が波長選択偏光部108で特定波長帯域以外の波長帯域の光に調光され、調光された光が反射型偏光部110で反射して、反射光R1が第1面101から出射される。また、波長選択偏光部108において開口部130が設けられた領域では、入射光I1のスペクトルと同じスペクトルを有する反射光R3が第1面101から出射される。したがって、電気光学素子100bを観察する観察者は、第1面101に反射光の色彩が異なる領域を視認することができる。例えば、観察者は、入射光I1が白色光である場合、波長選択偏光部108によって波長選択された特定波長帯域以外の波長帯域の有色の反射光R1と、入射光I1と同じスペクトルを有する反射光R3とを視認することができる。なお、観察者は、電気光学素子100bの背面側(第2面102側)にある物品900を、第1面101を通して視認することができない。
反射モードでは、波長選択偏光部108の吸収偏光軸の特性を適宜選択することにより、様々な色彩の光を反射光R1として、第1面101から出射させることができる。また、波長選択偏光部108に設けられた開口部130の形状が、文字、記号、図形、模様等を表すとき、観察者は反射光のスペクトルの違いにより開口部130の形状によって表される文字、記号、図形、模様等を視認することができる。
2−2−2.透過モード
図5に示すように、透過モードでは、第1面101(視認側)から入射した入射光I1の第1直線偏光成分は、波長選択偏光部108を透過する領域と、波長選択偏光部108の開口部130を通過する領域の、少なくとも2つの経路を有する。しかし、透過偏光軸変換部106が第2モードであるため、入射光I1の第1直線偏光成分は、開口部130の有無にかかわらず波長選択偏光部108を透過し、第1実施形態における場合と同様に入射光I1に対し透過光T1が発生することとなる。
図5に示すように、透過モードでは、第1面101(視認側)から入射した入射光I1の第1直線偏光成分は、波長選択偏光部108を透過する領域と、波長選択偏光部108の開口部130を通過する領域の、少なくとも2つの経路を有する。しかし、透過偏光軸変換部106が第2モードであるため、入射光I1の第1直線偏光成分は、開口部130の有無にかかわらず波長選択偏光部108を透過し、第1実施形態における場合と同様に入射光I1に対し透過光T1が発生することとなる。
電気光学素子100bの第2面102側に光を反射する物品が存在する場合も第1実施形態と同様であり、反射型偏光部110、波長選択偏光部108、及び吸収型偏光部104の透過偏光軸は平行に配置されているため、物品からの反射光R2のうち第1直線偏光成分が透過光T2として第1面101から出射される。
図6(B)は、透過モードにおける電気光学素子100bを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。透過モードにおいて電気光学素子100bは、入射光I1に対し透過光T1が得られ、第2面102側から入射した反射光R2は、第1面101側から透過光T2として出射されるので、観察者は、第1面101側から電気光学素子100aの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。また、開口部130が設けられた領域においても、物品900からの反射光R2が、第1面101側から透過光T2として出射されるので、観察者は物品900を視認することができる。別言すれば、観察者は第1面101側から開口部130の形状を視認できない状態、又はほとんど視認できない状態となる。すなわち、透過モードにおいては、開口部130によって文字、記号、図形、模様等が表わされていても、観察者は視認できない状態、又はほとんど視認できない状態となる。
本実施形態によれば、透過偏光軸変換部106によって、透過偏光軸変換部106を透過する光の偏光方向を制御することで、電気光学素子100bを反射モードと透過モードとの2つのモードに切り替えることができる。電気光学素子100bは反射モードにおいて、波長選択偏光部108に開口部130が設けられていることにより、入射光のうち、波長選択偏光部108を通過した特定波長帯域以外の波長帯域の光の第2直線偏光成分と、開口部130を通過した入射光I1の第2直線偏光成分とを反射型偏光部110の反射光とすることができる。これにより、電気光学素子100bは反射モードにおいて、第2面102に色彩の異なる領域を設けることができる。すなわち、電気光学素子100bは、反射モードのとき開口部130によって第1面101に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。
透過モードにおいては、第1実施形態と同様に、電気光学素子100bの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。透過モードでは、開口部130によって形成される文字、記号、図形、模様等が第1面101に表示されない状態、又はほとんど表示されない状態となるため、物品900の視認性に影響を与えないようにすることができる。別言すれば、電気光学素子100bは、第1面101の反射光を演色し、かつ文字、記号、図形、模様等を表示する状態と、第1面101を透明状態とし、かつ文字、記号、図形、模様等を表示させない状態との2つの状態をととることができる。
第3実施形態:
3−1.電気光学素子の構成
本発明の一実施形態に係る電気光学素子100cの構成を、図7を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
3−1.電気光学素子の構成
本発明の一実施形態に係る電気光学素子100cの構成を、図7を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
電気光学素子100cは、第1面101側から第3方向に沿って、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、位相制御部112が配列された構成を有する。吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、反射型偏光部110、位相制御部112は第1実施形態と同じ構成及び機能を有する。
波長選択偏光部108は、遮光部132を有する。遮光部132は、入射する光の第1直線偏光成分及び第2直線偏光成分のいずれも遮光する。遮光部132は、波長選択偏光部108の透過偏光軸変換部106側の面、又は反射型偏光部110側の面に設けられる。遮光部132は、光を吸収する材料又は反射率が低く光をほとんど透過させない材料で形成される。遮光部132は、例えば、黒色の顔料又は染料を含む樹脂材料によって形成される。また、遮光部132は、例えば、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)など、アルミニウム(Al)に比べて反射率の低い金属材料を用いて形成される。遮光部132は、波長選択偏光部108の表面に薄膜として一体に形成されていてもよいし、波長選択偏光部108の表面に板状部材又はフィルム状部材を用いて形成されたものが付設されていてもよい。
波長選択偏光部108において、遮光部132の大きさ、形状、範囲は任意に設定することができる。また、波長選択偏光部108は、遮光部132が複数箇所に分割して設けられていてもよい。例えば、波長選択偏光部108において、遮光部132は、特定の文字、記号、図形、模様等を表す形状を有していてもよい。本実施形態において波長選択偏光部108は、入射光の第1直線偏光成分を透過し、第2直線偏光成分の光のうち、特定波長帯域の光を吸収し、特定波長帯域以外の光を透過する波長選択偏光領域と、第1直線偏光成分及び第2直線偏光成分の光を遮光する遮光領域との2つの領域を含んでいる。
電気光学素子100cは、吸収型偏光部104の透過偏光軸及び吸収偏光軸、波長選択偏光部108の透過偏光軸及び吸収偏光軸、反射型偏光部110の透過偏光軸と反射偏光軸の配置は第1実施形態と同様である。電気光学素子100cは、波長選択偏光部108に遮光部132が設けられていることにより、第1面101から入射する入射光の反射特性が異なる領域を有する。すなわち、電気光学素子110cは、入射光が波長選択偏光部108を通過して、反射型偏光部110の反射光として出射される領域と、入射光が遮光部132で遮光され反射光として出射されない領域とを有する。
なお、図7は遮光部132が波長選択偏光部108に設けられる態様を示すが、本実施形態はこの態様に限定されない。吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、反射型偏光部110のいずれかの部材に遮光部132が設けられていても同様の効果を奏することができる。
3−2.電気光学素子の動作
図7及び図8を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100cの動作について説明する。図7は電気光学素子100cが反射モードである場合を示し、図8は電気光学素子100cが透過モードである場合を示す。
図7及び図8を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100cの動作について説明する。図7は電気光学素子100cが反射モードである場合を示し、図8は電気光学素子100cが透過モードである場合を示す。
3−2−1.反射モード
図7に示すように、電気光学素子100cは、第1面101(視認側)から入射する入射光I1に対し、反射型偏光部110で反射され第1面101から反射光R1が出射される領域と、反射光が出射されない領域との、少なくとも2つの領域を有する。波長選択偏光部108の遮光部132が設けられていない領域に入射する入射光I1は、第1実施形態に示す場合と同様に、第1面101から反射光R1が出射される。反射光R1は特定波長帯域以外の波長帯域の光である。一方、波長選択偏光部108の遮光部132の領域に入射する入射光I1は、遮光部132により遮光される。そのため、遮光部132が設けられる領域では、反射型偏光部110が設けられていても、第1面101に出射される反射光が生じない領域となる。
図7に示すように、電気光学素子100cは、第1面101(視認側)から入射する入射光I1に対し、反射型偏光部110で反射され第1面101から反射光R1が出射される領域と、反射光が出射されない領域との、少なくとも2つの領域を有する。波長選択偏光部108の遮光部132が設けられていない領域に入射する入射光I1は、第1実施形態に示す場合と同様に、第1面101から反射光R1が出射される。反射光R1は特定波長帯域以外の波長帯域の光である。一方、波長選択偏光部108の遮光部132の領域に入射する入射光I1は、遮光部132により遮光される。そのため、遮光部132が設けられる領域では、反射型偏光部110が設けられていても、第1面101に出射される反射光が生じない領域となる。
図9(A)は、反射モードにおける電気光学素子100cを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。反射モードでは、入射光I1が波長選択偏光部108で特定波長帯域以外の波長帯域の光に調光され、調光された光が反射型偏光部110で反射して、反射光R1が第1面101側から出射される。また、波長選択偏光部108において遮光部132が設けられた領域では、入射光I1が反射しないので反射光R1が出射されない領域となる。したがって、電気光学素子100cを観察する観察者は、第1面101に遮光部132の形状に対応する低反射(黒色)の領域を視認することができる。すなわち観察者は、波長選択偏光部108によって波長選択された特定波長帯域以外の波長帯域の有色の領域と、遮光部132の形状に基づく低反射(黒色)の領域を視認することができる。なお、観察者は、第1実施形態と同様に、電気光学素子100cの背面側(第2面102側)にある物品900を、第1面101を通してほとんど視認することができない。
反射モードでは、波長選択偏光部108の吸収偏光軸の特性を適宜選択することにより、様々な色彩の光を反射光R1として、第1面101から出射させることができる。また、波長選択偏光部108に設けられた遮光部132の形状が、文字、記号、図形、模様等を表すとき、観察者は遮光部132の形状によって表される文字、記号、図形、模様等を視認することができる。
3−2−2.透過モード
図8に示すように、透過モードでは、第1面101(視認側)から入射する入射光I1は、波長選択偏光部108を透過する領域と、遮光部132で遮光される領域との、少なくとも2つの領域を有する。波長選択偏光部108を透過する領域では、第1実施形態における場合と同様に入射光I1は電気光学素子100cを透過する透過光T1となる。一方、遮光部132の領域では透過光が発生しない領域となる。
図8に示すように、透過モードでは、第1面101(視認側)から入射する入射光I1は、波長選択偏光部108を透過する領域と、遮光部132で遮光される領域との、少なくとも2つの領域を有する。波長選択偏光部108を透過する領域では、第1実施形態における場合と同様に入射光I1は電気光学素子100cを透過する透過光T1となる。一方、遮光部132の領域では透過光が発生しない領域となる。
電気光学素子100cの第2面102側に光を反射する物品が存在する場合、反射型偏光部110、波長選択偏光部108、及び吸収型偏光部104の透過偏光軸は平行に配置されているため、物品からの反射光R2のうち第1直線偏光成分が透過光T2として第1面101から出射される。しかし、遮光部132が設けられた領域は光が透過しないため、第1面101から出射される透過光T2は発生しない領域となる。
図9(B)は、透過モードにおける電気光学素子100cを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。透過モードにおいて電気光学素子100cは、入射光I1に対し透過光T1が得られる。また、第2面102側から入射した反射光R2は、透過光T2として第1面101側から出射される。したがって、観察者は、第1面101側から電気光学素子100cの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。一方、遮光部132が設けられた領域は透過光T1が発生しない。さらに、遮光部132が設けられた領域では、第2面102側から入射する光(図8に示す反射光R2)が遮光部132で遮られ、透過光T2が発生しない。したがって、観察者は、遮光部132が物品900と重なる部分では、第1面101側から物品900を視認することができない。透過モードにおいても、遮光部132の形状が、文字、記号、図形、模様等を表すとき、観察者は遮光部132の形状によって表される文字、記号、図形、模様等を視認することができる。
本実施形態によれば、透過偏光軸変換部106によって、透過偏光軸変換部106を透過する光の偏光方向を制御することで、電気光学素子100cを反射モードと透過モードとの2つのモードに切り替えることができる。電気光学素子100cは、反射モードにおいて、第1面101に特定波長帯域以外の波長帯域の光を反射させ演色することができ、透過モードにおいては、第1実施形態と同様に、電気光学素子100cの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。また、電気光学素子100cは、波長選択偏光部108に遮光部132が設けられていることにより、透過モード及び反射モードの双方のモードにおいて観察者に遮光部132によって表される文字、記号、図形、模様等を表示することができる。
第4実施形態:
4−1.電気光学素子の構成
本発明の一実施形態に係る電気光学素子100dの構成を、図10及び図11を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
4−1.電気光学素子の構成
本発明の一実施形態に係る電気光学素子100dの構成を、図10及び図11を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
電気光学素子100dは、第1面101側から第3方向に沿って、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、位相制御部112が配列された構成を有する。吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、反射型偏光部110、位相制御部112は第1実施形態と同じ構成及び機能を有する。
透過偏光軸変換部106は、第1透明電極122が設けられた第1基板114、第2透明電極124が設けられた第2基板116、及び液晶層118を含んで構成される。第2透明電極124は、実質的に導電性を有さない領域を形成する開口部134を有する。
透過偏光軸変換部106に設けられる開口部134の大きさ、形状、範囲は任意に設定することができる。開口部134は、透過偏光軸変換部106に複数個設けられていてもよい。第2透明電極124に設けられる開口部134は、特定の文字、記号、図形、模様等を表す形状を有していてもよい。また、開口部134は、第2基板116(又は第1基板114)の内側領域に設けられていてもよいし、第2基板116(又は第1基板114)の端部から内側の領域にかけて広がる形態を有していてもよい。なお、開口部134は第1透明電極122の側に設けられていてもよいし、第1透明電極122及び第2透明電極124の双方に設けられていてもよい。
図11に示すように透過偏光軸変換部106は、スイッチ128がオンになると、第1透明電極122と第2透明電極124とに挟まれた領域の液晶分子120の配向が変化する。しかし、開口部134が設けられた領域では、電場が作用しないので液晶分子120の配向は変化しない。したがって、透過偏光軸変換部106は、第1透明電極122と第2透明電極124とに電圧印加の有無により液晶層118の液晶分子120の配向が変化する領域と、液晶分子120の配向が変化しない領域とを含む。すなわち、電気光学素子100dは、透過偏光軸変換部106に開口部134が設けられていることにより、第1モードであるか第2モードであるかに拘わらず、常に外光が反射型偏光部110で反射される領域を有する。
4−2.電気光学素子の動作
図10及び図11を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100dの動作について説明する。図10は電気光学素子100dが反射モードである場合を示し、図13は電気光学素子100dが透過モードである場合を示す。
図10及び図11を参照して、本実施形態に係る電気光学素子100dの動作について説明する。図10は電気光学素子100dが反射モードである場合を示し、図13は電気光学素子100dが透過モードである場合を示す。
4−2−1.反射モード
図10に示すように、電気光学素子100dの第1面101(視認側)から入射する入射光I1に対し、反射型偏光部110で反射され第1面101から出射される反射光は、少なくとも2種類が存在する。透過偏光軸変換部106の開口部134設けられていない領域に入射する入射光I1は、第1実施形態に示す場合と同様に反射型偏光部110で反射され、第1面101から出射される反射光R1となる。透過偏光軸変換部106の開口部134が設けられる領域に入射する入射光I1も同様に反射光R1となり、第1面101から出射される。入射光I1として白色光が入射した場合、反射光R1は波長選択偏光部108を透過した光であるため、特定波長帯域以外の波長帯域の光となっている。すなわち、入射光I1のスペクトルに対し、反射光R1のスペクトルは異なっている。
図10に示すように、電気光学素子100dの第1面101(視認側)から入射する入射光I1に対し、反射型偏光部110で反射され第1面101から出射される反射光は、少なくとも2種類が存在する。透過偏光軸変換部106の開口部134設けられていない領域に入射する入射光I1は、第1実施形態に示す場合と同様に反射型偏光部110で反射され、第1面101から出射される反射光R1となる。透過偏光軸変換部106の開口部134が設けられる領域に入射する入射光I1も同様に反射光R1となり、第1面101から出射される。入射光I1として白色光が入射した場合、反射光R1は波長選択偏光部108を透過した光であるため、特定波長帯域以外の波長帯域の光となっている。すなわち、入射光I1のスペクトルに対し、反射光R1のスペクトルは異なっている。
なお、反射モードにおいて、第2面102側から電気光学素子100dに入射した入射光I2は、反射型偏光部110の透過偏光軸に平行な第1直線偏光成分が、開口部134の領域を含めて波長選択偏光部108を透過することとなるので、第1実施形態と同様に第1面101側へ光が出射されない状態となる。
図12(A)は、反射モードにおける電気光学素子100dを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。反射モードでは、入射光I1が波長選択偏光部108で特定波長帯域以外の波長帯域の光に調光され、調光された光が反射型偏光部110で反射して、反射光R1が第1面101から出射される。反射光R1は、透過偏光軸変換部106の開口部134の有無によらず発生する。したがって、電気光学素子100dを観察する観察者は、第1面101に反射光の色彩が異なる領域を視認することができない。電気光学素子100dは、第1面101の全面から反射光R1を出射することができる。別言すれば、電気光学素子100dは、反射モードにおいて、第1面101を特定波長帯域以外の波長帯域の反射光R1で演色することができる。
4−2−2.透過モード
図11に示すように、電気光学素子100dは、透過モードにおいて、透過光T1が発生する領域と反射光R1が発生する領域との、少なくとも2つの領域を有する。入射光I1が、透過偏光軸変換部106の開口部134以外の部分を通過する領域では、透過光T1が発生する。一方、入射光I1が開口部134の領域に入射した場合、偏光軸が90度回転するので、反射モードの場合と同様に反射型偏光部110で反射され、第1面101から反射光R1として出射される。
図11に示すように、電気光学素子100dは、透過モードにおいて、透過光T1が発生する領域と反射光R1が発生する領域との、少なくとも2つの領域を有する。入射光I1が、透過偏光軸変換部106の開口部134以外の部分を通過する領域では、透過光T1が発生する。一方、入射光I1が開口部134の領域に入射した場合、偏光軸が90度回転するので、反射モードの場合と同様に反射型偏光部110で反射され、第1面101から反射光R1として出射される。
電気光学素子100dの第2面102側に光を反射する物品が存在する場合、反射型偏光部110、波長選択偏光部108、及び吸収型偏光部104の透過偏光軸は平行に配置されているため、物品からの反射光R2のうち第1直線偏光成分が透過光T2として第1面101から出射される。しかし、開口部134が設けられた領域は、反射モードの場合と同様に、第1面101から出射される透過光T2は発生しない領域となる。
図9(B)は、透過モードにおける電気光学素子100dを第1面101側から観察した状態を模式的に示す。透過モードにおいて電気光学素子100dは、入射光I1に対し透過光T1が得られる。第2面102側から入射する反射光R2は透過光T2として第1面101側から出射される。したがって、観察者は第1面101側から、電気光学素子100dの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。一方、開口部134が設けられた領域は反射光R1が発生する。また、観察者は、開口部134が物品900と重なる部分では、第1面101側から物品900を視認することができない。透過モードにおいて、開口部134の形状が、文字、記号、図形、模様等を表すとき、観察者は開口部134の形状によって表される文字、記号、図形、模様等を視認することができる。
本実施形態によれば、透過偏光軸変換部106に、液晶分子120の配向が電界によって制御されない開口部134を設けることで、反射モードのとき入射光を反射し、透過モードのとき透明になる領域と、反射モード及び透過モードの双方において入射光を反射する領域と、の少なくとも2つの領域を形成することができる。電気光学素子100dは、反射モードにおいて、第1面101に特定波長帯域以外の波長帯域の光を反射させ演色することができ、透過モードにおいては、第1実施形態と同様に電気光学素子100dの背面(第2面102側)にある物品900を視認することができる。また、電気光学素子100dは、透過モードのとき、透過偏光軸変換部106に開口部134が設けられていることにより、観察者に開口部134によって表される文字、記号、図形、模様等を表示することができる。透過モードにおいて発生する反射光は、波長選択偏光部108によって演色された光となるので、開口部134によって表される文字、記号、図形、模様等を演色した上で第1面101に表示することができる。
第5実施形態:
本実施形態は、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112が一体化された電気光学素子100aの構成について例示する。
本実施形態は、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112が一体化された電気光学素子100aの構成について例示する。
図13は、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112の断面構造を示す。図13に示す吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112は、第1実施形態におけるものと同様の構成を有する。
透過偏光軸変換部106は、第1透明電極122が設けられた第1基板114と、第2透明電極124が設けられた第2基板116とがシール材136で間隙をもって貼り合わされ、間隙部に液晶層118が設けられた構造を有する。第1基板114と第2基板116との間にはスペーサ138が設けられている。スペーサ138は、第1基板114と第2基板116の間隔を一定に保つために設けられている。
図13は、電気光学素子100aが透過モードにおける場合と反射モードにおける場合との両方を、同一の図面内に示す。透過モードでは、第1面101側に入射した光が、吸収型偏光部104、透過偏光軸変換部106、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112を透過する。電気光学素子100aの透過光は、位相制御部112を透過する前までは直線偏光された光であるが、位相制御部112を通過することに、当該直線偏光された光の偏光状態が変化し、波長毎に異なる偏光状態が混合した状態に、すなわち直線偏光よりも自然光に近い状態に制御される。
図13に示すように、電気光学素子100aの第2面102側に物品900が存在する場合には、透過光が物品900の表面で反射する。この反射光は電気光学素子100aの第2面102側から入射して、第1面101側から出射される。透過モードにおける入射光と反射光の原理は、第1実施形態で説明したとおりである。物品900に照射される透過光は、位相制御部112により自然光に近い状態にされているので、当該透過光が物品900で反射する反射光は、物品900に自然光が照射されたときの反射光に近い状態となる。そのため透過モードでは、電気光学素子100aの第2面102側に配置された物品900を、第1面101側から、自然光が照射されたときに近い状態で視認することができる。
反射モードでは、第1面101に入射した光は、波長選択偏光部108によって特定波長帯域が吸収され、特定波長帯域以外の波長帯域が透過され、反射型偏光部110で反射して、第1面101から反射光として出射する。第1面101から出射される反射光は、特定波長帯域以外の波長帯域の光であるため、観察者から見れば特定の色彩に着色されたように視認される。一方、反射モードでは、電気光学素子100aの第2面102側に、仮に光源902が存在したとしても、光源902から放射される光は、第1面101から出射されない、又はほとんど出射されない。このように、反射モードでは、電気光学素子100aの第1面101から入射した光を反射光として視認することができ、第2面102側からの光をほとんど遮断することができる。
本実施形態によれば、電気光学素子100aによって、その背面側を視認できる状態と、視認できない状態とを切り替えることができる。すなわち、電気光学素子100aは、透過モードである場合には、第1面101側から第2面102側の状態を視認することができ、反射モードである場合には、第1面101側から第2面102側の状態を視認することができないようにすることができる。さらに、電気光学素子100aは、透過モードのとき、第1面101側から入射した外光を直線偏光した後に、直線偏光と比較してより自然光に近い状態で第2面102側の物品に照射することができ、反射モードでは第1面101側から入射した外光を反射光として出射するとき、反射光を演色することができる。
第6実施形態:
本実施形態は、物品を収納する収納容器の一例を示す。本実施形態に係る収納容器は、内部の状態透視することができる状態と透視することができない状態とを制御する調光部を有する。
本実施形態は、物品を収納する収納容器の一例を示す。本実施形態に係る収納容器は、内部の状態透視することができる状態と透視することができない状態とを制御する調光部を有する。
図14(A)は、収納容器200の一例を示す。収納容器200は、第1外装部(容器本体部)202及び第2外装部(容器蓋部)204を含む。第1外装部(容器本体部)202は物品900を収納する容器本体部に相当し、第2外装部(容器蓋部)204は容器本体部を塞ぐ容器蓋部に相当する部分である。第1外装部(容器本体部)202及び第2外装部(容器蓋部)204は金属、プラスチック等の不透明な部材で形成される。収納容器200は、第2外装部(容器蓋部)204の開閉により、第1外装部(容器本体部)202に収納する物品900の出し入れはもとより、収納容器200の内部の状態を視認することができる。
収納容器200は調光部206を有する。図14(A)は、調光部206が第2外装部(容器蓋部)204に設けられる態様を示す。調光部206は、第1実施形態乃至第4実施形態に係る電気光学素子100によって実現される。電気光学素子100を収納容器200に設けることで、第2外装部(容器蓋部)204を開けなくても内部の状態を透視できる状態と、透視出来ない状態の少なくとも2つの状態を選択することができる。
図14(A)は、調光部206が反射モードの状態を示す。調光部206は不透明であり、収納容器200に収納された物品900を外部から視認することはできない。調光部206が、第1実施形態に係る電気光学素子100a又は第4実施形態に係る電気光学素子100dで形成されている場合、調光部206の領域で特定波長帯域の光を反射して、内部の状態が見えないようにすることができる。また、調光部206を、第2実施形態に係る電気光学素子100b又は第3実施形態に係る電気光学素子100cを用いて形成することで、調光部206の一部の領域に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。
図14(B)は、調光部206が透過モードの状態を示す。調光部206は外光を透過できる状態にあり、第2外装部(容器蓋部)204を開けなくても収納容器200の内部の状態を視認することができる。例えば、収納容器200に物品900が収納されている場合、調光部206を通して物品900を視認することができる。調光部206が、第1実施形態に係る電気光学素子100a又は第2実施形態に係る電気光学素子100bで形成されている場合、調光部206の全体を透明な状態にすることができる。また、調光部206を第3実施形態に係る電気光学素子100c又は第4実施形態に係る電気光学素子100dを用いて形成することで、調光部206の一部の領域に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。
収納容器200は、調光部206を反射モードと透過モードに切り替えるスイッチ208が設けられていてもよい。スイッチ208は、例えば、タッチセンサにより実現されていてもよい。また、調光部206自体にタッチセンサの機能を付加し、モードを選択するスイッチとしての機能を兼ね備えていてもよい。
調光部206が反射モードのとき、特定波長帯域の光が反射光として得られるので、収納容器200の少なくとも一部の領域に色彩を与え、演色することができる。また、演色された領域に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。それにより、収納容器のデザイン性を高めることができる。調光部206は、反射モードのとき外光は透過せず不透明になるので、収納容器200の外側から内部を視認することはできないので、セキュリティーやプライバシーを確保することができる。
第1実施形態乃至第4実施形態に係る電気光学素子100は位相制御部112が設けられていることで、調光部206が透過モードのとき、直線偏光された外光を、直線偏光と比較してより自然光に近い偏光状態に変換して物品900に照射することができる。それにより、物品900の視認性を高め、細部の状態まで違和感なく視認することができる。
図14(A)及び図14(B)は、調光部206が矩形である場合を示すが、本実施形態はこの形状に限定されない。調光部206は意匠が施され、様々な形状で設けられていてもよい。また、調光部206は、第2外装部(容器蓋部)204の上面及び側面、第1外装部(容器本体部)202の側面の一箇所又は複数箇所に設けられていてもよい。例えば、図14(A)及び図14(B)に示すように、調光部206と同様の機能を有する調光部207が、第2外装部(容器蓋部)204の他の側面に設けられていてもよい。収納容器200の複数箇所に調光部206(及び207)を設けることで、反射モードにおいてはデザイン性を高め、透過モードにおいては内部の視認性を高めることができる。さらに、調光部206によって第2外装部(容器蓋部)204の全体が形成されていてもよいし、第1外装部(容器本体部)202の底面を除く収納容器200の全体が形成されていてもよし、第1外装部(容器本体部)202の底面を含む収納容器200の全体に形成されても良い。
調光部206は、収納容器200の曲面に沿って設けられていてもよい。例えば、図15(A)及び図15(B)に示すように、調光部206は、第2外装部(容器蓋部)204の曲面形状に沿って設けられていてもよい。第1実施形態乃至第4実施形態の電気光学素子100は、第1基板114及び第2基板116として可撓性基板を用い、吸収型偏光部104、波長選択偏光部108、反射型偏光部110、及び位相制御部112のそれぞれに偏光フィルム等の部材を用いることができる。これにより電気光学素子100に可撓性を付与することができ、調光部206を収納容器200の曲面形状に沿って設けることができる。このように、調光部206を収納容器200の曲面に沿って設けることで、デザイン性を高めることができる。また、調光部206が収納容器200の曲面形状に沿って設けられることで、透過モードのときの視野角が広がり視認性を高めることができる。
図16(A)及び図16(B)は、調光部206が複数設けられた態様を示す。それぞれの調光部は、反射モードのときの特性が異なるように設計されていてもよい。例えば、図16(A)に示すように、反射モードにおいて、調光部206aは第1波長を含む光を反射し、調光部206bは第2波長を含む光を反射し、調光部206cは第3波長を含む光を反射し、調光部206dは第4波長を含む光を反射するように設計されていてもよい。このような態様により、収納容器200の色彩を豊にすることができ、デザイン性を高めることができる。また、調光部206a、206b、206c、206dは複数箇所に分散して配置されているので、図16(B)に示すように、透過モードにおいて収納容器200の内部の状態を分割して見えるようにすることができ、外部から一括して物品900が見えないようにすることで、視認可能としつつも秘匿性を高めることができる。
また、本実施形態に係る収納容器200は、図14(A)及び図14(B)に示す形状に限定されない。収納容器200の形状は、用途に応じて様々な形態に変更することができる。例えば、収納容器200は、書類や衣類を収納するスーツケースの形態であってもよいし、クローゼットや納戸に収納するケースの形態を有していてもよい。
第7実施形態:
本実施形態は、壁材の一例を示す。本実施形態に係る壁材は、壁の反対側の領域を透視できる状態と透視できない状態とを制御する調光部を有する。
本実施形態は、壁材の一例を示す。本実施形態に係る壁材は、壁の反対側の領域を透視できる状態と透視できない状態とを制御する調光部を有する。
図17(A)及び図17(B)は、本実施形態に係る壁材210の一例を示す。壁材210は、調光部212を含む。調光部212はフレーム214によって囲まれ、立設するように設けられていてもよい。調光部212は、第1実施形態乃至第4実施形態に係る電気光学素子100によって実現される。壁材210の一部又は全部の領域に電気光学素子100を設けることで、壁の反対側を透視できる状態と透視できない状態の少なくとも2つの状態を選択することができる。
図17(A)は、調光部212が反射モードの状態を示す。調光部212は不透明であり、壁材210の反対側の置かれた物品900を手前側から視認することができない。調光部212が、第1実施形態に係る電気光学素子100a又は第4実施形態に係る電気光学素子100dで形成されている場合、調光部212により特定波長帯域以外の波長帯域の光を反射して、壁材210の反対側の状態が見えないようにすることができる。また、調光部2212を、第2実施形態に係る電気光学素子100b又は第3実施形態に係る電気光学素子100cを用いて形成することで、図17(A)に示すように調光部212の一部の領域に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。なお、調光部212が反射モードのとき、壁材210の反対側(物品900が置かれた側)からも、手前側を透視することはできない。
図17(B)は、調光部212が透過モードの状態を示す。調光部212は外光を透過できる状態にあり、壁材210の反対側に置かれた物品900を透視することができる。調光部212が、第1実施形態に係る電気光学素子100a又は第2実施形態に係る電気光学素子100bで形成されている場合、調光部212の全体を透明な状態にすることができる。また、調光部212を第3実施形態に係る電気光学素子100c又は第4実施形態に係る電気光学素子100dを用いて形成することで、図17(B)に示すように、調光部212の一部の領域に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。
また、図示されないが、壁材210には、調光部212を反射モードと透過モードに切り替えるスイッチが設けられていてもよい。スイッチは、例えば、タッチセンサにより実現されていてもよい。また、調光部212自体にタッチセンサの機能を付加し、モードを選択するスイッチとしての機能を兼ね備えていてもよい。また、壁材210には調光部212を駆動する図示しない電源を備えてもよい。また、壁材210は外部の電源に接続されてもよい。その電源には、例えば2次電池が用いられる。さらに、コンセント等から壁材210へ電力を供給する構成であってもよい。
調光部212が反射モードのとき、特定波長帯域の光が反射光として得られるので、壁材210の少なくとも一部又は全部の領域に色彩を与え、室内を演色することができる。また、演色された領域に文字、記号、図形、模様等を表示することができる。それにより、壁材210のデザイン性を高めることができる。調光部212は、反射モードのとき外光は透過せず不透明になるので、プライバシーを確保することができる。
また、電気光学素子100は、壁材210を形成する部材としてのみでなく、窓材として用いることもできる。
100・・・電気光学素子、101・・・第1面、102・・・第2面、104・・・吸収型偏光部、106・・・透過偏光軸変換部、108・・・波長選択偏光部、110・・・反射型偏光部、112・・・位相制御部、114・・・第1基板、116・・・第2基板、118・・・液晶層、120・・・液晶分子、122・・・第1透明電極、124・・・第2透明電極、126・・・電源、128・・・スイッチ、130・・・開口部、132・・・遮光部、134・・・開口部、136・・・シール材、138・・・スペーサ、200・・・収納容器、202・・・第1外装部(容器本体部)、204・・・第2外装部(容器蓋部)、206・・・調光部、208・・・スイッチ、210・・・壁材、212・・・調光部、214・・・フレーム、900・・・物品、902・・・光源
Claims (20)
- 第1基板と第2基板とが対向配置され、前記第1基板と前記第2基板との間に第1透明電極と第2透明電極と、前記第1基板と前記第2基板との間の液晶層と、が配置され、第1面と第1面の反対側の第2面とを有する透過偏光軸変換部と、
前記透過偏光軸変換部の前記第1面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し前記第1方向と直交する第2方向に吸収偏光軸を有する吸収型偏光部と、
前記透過偏光軸変換部の前記第2面側に配置され、前記第1方向に透過偏光軸を有し前記第2方向に反射偏光軸を有する反射型偏光部と、
前記透過偏光軸変換部と前記反射型偏光部との間に配置され、前記第1の方向に偏光された光を透過する透過偏光軸を前記第1方向に有し、前記第2の方向に偏光された光のうち、第1波長帯域の光を吸収し前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を透過する吸収偏光軸を前記第2方向に有する波長選択偏光部と、
前記反射型偏光部の前記波長選択偏光部とは反対側に配置された位相制御部と、を有する
ことを特徴とする電気光学素子。 - 前記透過偏光軸変換部は、
前記吸収型偏光部を透過した前記第1方向に直線偏光された入射光を、前記第2面から前記第2方向に直線偏光された光に変換して透過する第1モードと、
前記吸収型偏光部を透過した前記第1方向に直線偏光された入射光を、前記第2面から前記第1方向に直線偏光された状態のまま透過する第2モードと、
を有する、請求項1に記載の電気光学素子。 - 前記位相制御部は、遅相軸が前記反射型偏光部の反射偏光軸に対し45度の角度に配置されている、請求項1または請求項2に記載の電気光学素子。
- 前記位相制御部は、位相差(リタデーション:Δnd)が780nm以上である、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電気光学素子。
- 前記位相制御部は、遅相軸方向の屈折率と進相軸方向の屈折率と前記位相制御部の厚み方向の屈折率とが、互いに異なる請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電気光学素子。
- 前記波長選択偏光部は、偏光機能を有さない開口部を有する、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の電気光学素子。
- 前記波長選択偏光部は、光を遮断する遮光部を有する、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電気光学素子。
- 前記透過偏光軸変換部は、前記第1透明電極及び前記第2透明電極の少なくとも一方に開口部を有する、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の電気光学素子。
- 前記波長選択偏光部を透過した前記第2波長帯域の光が、前記反射型偏光部で反射し、前記透過偏光軸変換部を透過し、前記第1面側から出射する請求項1から請求項8の何れか1項に記載の電気光学素子。
- 内側に空間を形成する外装部を有し、
前記外装部の少なくとも一部は、外光を透過する透過モードと外光を反射する反射モードに切り替え可能な調光部を有し、
前記調光部は、
第1基板と第2基板とが対向配置され、前記第1基板と前記第2基板との間に第1透明電極と第2透明電極と、前記第1基板と前記第2基板との間の液晶層と、が配置され、第1面と第1面の反対側の第2面とを有する透過偏光軸変換部と、
前記透過偏光軸変換部の前記第1面側に配置され、第1方向に透過偏光軸を有し前記第1方向と直交する第2方向に吸収偏光軸を有する吸収型偏光部と、
前記透過偏光軸変換部の前記第2面側に配置され、前記第1方向に透過偏光軸を有し前記第2方向に反射偏光軸を有する反射型偏光部と、
前記透過偏光軸変換部と前記反射型偏光部との間に配置され、前記第1の方向に偏光された光を透過する透過偏光軸を前記第1方向に有し、前記第2の方向に偏光された光のうち、第1波長帯域の光を吸収し前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を透過する吸収偏光軸を前記第2方向に有する波長選択偏光部と
前記反射型偏光部の前記波長選択偏光部とは反対側に配置された位相制御部と、を有する
ことを特徴とする収納容器。 - 前記透過偏光軸変換部は、
前記吸収型偏光部を透過した前記第1方向に直線偏光された入射光を、前記第2面から前記第2方向に直線偏光された光に変換して透過する第1モードと、
前記吸収型偏光部を透過した前記第1方向に直線偏光された入射光を、前記第2面から前記第1方向に直線偏光された状態のまま透過する第2モードと、
を有し、
前記調光部は、
前記第1モードのとき前記反射モードとなり、
前記第2モードのとき前記透過モードとなる、
請求項10に記載の収納容器。 - 前記位相制御部は、遅相軸が前記反射型偏光部の反射偏光軸に対し45度の角度に配置されている、請求項10または請求項11に記載の収納容器。
- 前記波長選択偏光部を透過した前記第2波長帯域の光が、前記反射型偏光部で反射し、前記透過偏光軸変換部を透過し、前記調光部から出射する請求項10から請求項12の何れか1項に記載の収納容器。
- 前記波長選択偏光部は、光を透過する開口部又は光を遮断する遮光部を有する、請求項10から請求項13の何れか1項に記載の収納容器。
- 前記透過偏光軸変換部は、前記第1透明電極及び前記第2透明電極の少なくとも一方に開口部を有する、請求項10から請求項14の何れか1項に記載の収納容器。
- 前記調光部に文字及び/又は図形が表示される、請求項14又は15に記載の収納容器。
- 前記外装部は直方体の外形を有し、前記調光部が一つ又は複数の面に設けられている、請求項10から請求項16の何れか1項に記載の収納容器。
- 前記外装部の一部に曲面を有し、前記調光部は前記曲面に配置されている、請求項10から請求項16の何れか1項に記載の収納容器。
- 前記外装部は複数の調光部を含み、前記複数の調光部のそれぞれは、前記反射モードのときそれぞれ異なる波長の光を反射する、請求項10から請求項18の何れか1項に記載の収納容器。
- 前記透過モードと前記反射モードとを切り替えるセンサを有する、請求項10から請求項19の何れか1項に記載の収納容器。
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