JP2020090808A - シーソー式グラブロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノブ部材の開操作からグラブドアの開動作までの動作変換を操作性良く簡易な構造で実現すること。【解決手段】シーソー式グラブロック装置は、インパネ開口を開閉するグラブドアに対して基準位置から両回動方向へ回動可能に取り付けられるノブ部材と、それぞれ、ノブ部材の基準位置から両回動方向への回動により、先端部がインパネ受け部に係合されるロック位置からその係合が解除されるロック解除位置へ向けて後退するようにスライドする第一及び第二ロッドと、第一ロッドと第二ロッドとのスライドを同期させる同期部材と、を備える。ノブ部材は、連動孔を有する。第一ロッドは、連動孔に係合する連動ピンを有する。連動孔及び連動ピンは、ノブ部材が基準位置から両回動方向へ回動された際に連動ピンが連動孔内でその周壁に沿って移動することにより第一及び第二ロッドがロック位置からロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車両に搭載されるシーソー式グラブロック装置に関する。
従来、例えば車両に搭載されるグラブロック装置が知られている(例えば、特許文献1)。グラブロック装置は、ロック機構と、ノブ部材と、カム機構と、を備えている。ロック機構は、インストルメントパネルの開口を閉状態と開状態との間で開閉するグラブドアをその開口を閉じる位置に係止し、ノブ部材の開操作によりそのグラブドアの係止を解除する機構である。ロック機構は、グラブドアに設けられたロッド係合部と、インストルメントパネルの開口周縁に設けられた係合孔と、を有している。ロッド係合部が係合孔に係合すると、グラブドアがインストルメントパネルの開口を閉塞する。
ノブ部材は、グラブドアの表側に配置されており、操作者が開操作することが可能な部材である。ノブ部材は、グラブドアに対して回動可能に支持されている。ノブ部材は、基準位置から両方の回転方向へ回動することが可能である。カム機構は、カムピンと、カム溝が形成されたカム板と、を有している。カム機構は、カムピンとカム溝との係合により、ノブ部材がグラブドアに対して押し込み操作された場合と引き出し操作された場合とで、カムピンを同じ回転方向に回転させる。従って、上記のグラブロック装置によれば、ノブ部材の押し込み操作及び引き出し操作の双方でグラブドアを開動作させてインストルメントパネルの開口を開けることができる。
特開2005−188242号公報
しかしながら、上記のグラブロック装置では、ノブ部材の開操作からグラブドアの開動作までの間で、ノブ部材からカム機構への動作変換と、カム機構からロッドへの動作変換と、の二回の動作変換が行われるので、変換精度があまり良好でなく、動作故障が発生する可能性が高くなる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ノブ部材の開操作からグラブドアの開動作までの動作変換を操作性良く簡易な構造で実現することが可能なシーソー式グラブロック装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、インストルメントパネルの開口を開閉するグラブドアの表側に配置され、前記グラブドアに対して基準位置から第一回動方向及び第二回動方向の双方へ回動可能に取り付けられるノブ部材と、それぞれ、前記ノブ部材の回動に連動して前記グラブドアのドア面に対して平行な方向にスライドし、前記ノブ部材の前記基準位置から前記第一回動方向への回動及び前記基準位置から前記第二回動方向への回動により、先端部が前記インストルメントパネルに設けられた受け部に係合されるロック位置から前記先端部と前記受け部との係合が解除されるロック解除位置へ向けて後退するようにスライドする第一ロッド及び第二ロッドと、前記第一ロッドのスライドと前記第二ロッドのスライドとを同期させる同期部材と、を備え、前記ノブ部材は、互いに係合する連動孔及び連動ピンのうち何れか一方を有し、前記第一ロッド又は前記第二ロッドは、前記連動孔及び前記連動ピンのうち何れか他方を有し、前記連動孔及び前記連動ピンは、前記ノブ部材が前記基準位置から前記第一回動方向及び前記第二回動方向の双方へ回動された際に前記連動ピンが前記連動孔内で前記連動孔の周壁に沿って移動することにより前記第一ロッド及び前記第二ロッドが前記ロック位置から前記ロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている、シーソー式グラブロック装置である。
この構成によれば、ノブ部材が基準位置から押し込み操作されて一方の回動方向へ回動した場合と基準位置から引き出し操作されて他方の回動方向へ回動した場合との双方で、第一ロッド及び第二ロッドをロック位置からロック解除位置へ向けて後退させることができる。このため、グラブドアの開扉のためのノブ部材の開操作を押し込み操作及び引き出し操作の何れでも実現することができるので、グラブドアの開扉のための操作者によるノブ部材の開操作を操作し易いものとすることができ、その操作性を向上させることができる。また、ノブ部材の開操作からグラブドアの開動作までの間で、ノブ部材の開操作からロッドのスライドへの動作変換がダイレクトに行われる。このため、ノブ部材の開操作からグラブドアの開動作までの動作変換を一回で済ますことができ、その動作変換を簡易な構造で実現することができる。
第一実施形態に係るシーソー式グラブロック装置が搭載されるグラブドアの正面図である。 第一実施形態のシーソー式グラブロック装置が搭載されるグラブドアをドア背面側から見た際の斜視図である。 第一実施形態のシーソー式グラブロック装置の分解斜視図である。 第一実施形態のシーソー式グラブロック装置が備えるノブ部材が開操作されていない状態でのグラブドアの要部の上面図である。 第一実施形態のシーソー式グラブロック装置が備えるノブ部材が開操作として押し込み操作された状態でのグラブドアの要部の上面図である。 第一実施形態のシーソー式グラブロック装置が備えるノブ部材が開操作として引き出し操作された状態でのグラブドアの要部の上面図である。 第二実施形態に係るシーソー式グラブロック装置が搭載されるグラブドアの正面図である。 第二実施形態のシーソー式グラブロック装置が搭載されるグラブドアをドア背面側から見た際の斜視図である。 第二実施形態のシーソー式グラブロック装置の分解斜視図である。 第二実施形態のシーソー式グラブロック装置が備えるノブ部材が開操作されていない状態でのグラブドアの要部の上面図である。 第二実施形態のシーソー式グラブロック装置が備えるノブ部材が反時計回りに開操作された状態でのグラブドアの要部の上面図である。 第二実施形態のシーソー式グラブロック装置が備えるノブ部材が時計回りに開操作された状態でのグラブドアの要部の上面図である。
以下、図面を用いて、本発明に係るシーソー式グラブロック装置の具体的な実施形態について説明する。
[第一実施形態]
第一実施形態のシーソー式グラブロック装置1は、車両に搭載され、車室内の例えば助手席前のインストルメントパネルの開口(以下、インパネ開口と称す。)を開閉するロック装置である。インパネ開口は、グラブドア2を用いて開閉される。シーソー式グラブロック装置1は、図1に示す如く、グラブドア2に取り付けられている。
グラブドア2は、パネル状に形成されている。グラブドア2は、車室内側に表出するパネル状のドアアウタ2aと、ドアアウタ2aの背面側に取り付け固定されるドアインナ(図示せず)と、を有している。ドアインナは、ドアアウタ2aの背面に対向する対向面とは反対側の背面が収納部の一面をなすように平面状に形成されている。シーソー式グラブロック装置1は、ドアアウタ2aとドアインナとの間の空間に収容されており、ドアアウタ2aに取り付けられている。
シーソー式グラブロック装置1は、図2、図3、及び図4に示す如く、ベース部材10と、ノブ部材20と、第一ロッド30と、第二ロッド40と、同期部材50と、スプリング部材60と、を備えている。
ベース部材10は、ノブ部材20を保持する部材である。ベース部材10は、グラブドア2のドアアウタ2aの背面に取り付け固定されている。グラブドア2は、開口孔2bを有している。尚、開口孔2bは、運転者がノブ部材20を操作し易いようにグラブドア2のうち運転席に近い側(例えば、車室内から見て右端側)に設けられているのがよい。以下、開口孔2bは、車室内から見てグラブドア2の右端側に設けられているものとする。ベース部材10は、グラブドア2の表側へ開口する開口部を有する箱状に形成されている。ベース部材10は、その開口部がグラブドア2(具体的には、ドアアウタ2a)の背面側から開口孔2bを通じて車室内側に表出するように固定されている。ベース部材10は、空間形成部11と、回動孔12と、を有している。
空間形成部11は、ノブ部材20が保持される保持空間13を形成する壁部位である。空間形成部11は、断面略コの字状に形成され、グラブドア2の左右方向Yへ横長になるように形成されている。回動孔12は、ノブ部材20の回動中心となる円形孔であり、空間形成部11を上下方向に貫通している。回動孔12は、空間形成部11の上枠端面と下枠端面とに一箇所ずつ設けられている。上側の回動孔12と下側の回動孔12とは、孔中心軸が互いに一致するように形成されている。保持空間13は、保持するノブ部材20の後述の基準位置からの押し込み操作及び引き出し操作の双方を行うことができるように形成されている。
ベース部材10は、スプリング係止部14を有している。スプリング係止部14は、スプリング部材60を係止する孔部位である。スプリング係止部14は、ベース部材10の本体背面から奥側(すなわち、インパネ側)へ板状に延びる突出部15に設けられている。突出部15は、その板面が左右方向Yに向くように形成されている。スプリング係止部14は、突出部15を左右方向Yに貫通している。
ベース部材10は、取付板部16を有している。取付板部16は、ベース部材10をグラブドア2に取り付け固定するための板状部位である。取付板部16は、空間形成部11に対して上下二箇所に設けられている。上側の取付板部16は、空間形成部11の上枠端面から上方へ板状に延びている。下側の取付板部16は、空間形成部11の下枠端面から下方へ板状に延びている。取付板部16は、その板面がグラブドア2の表裏方向(すなわち、車両前後方向)に向くように形成されている。各取付板部16には、貫通孔16aが設けられている。貫通孔16aは、取付板部16をグラブドア2の表裏方向(すなわち、車両前後方向)に貫通している。ベース部材10は、上下二つの取付板部16の貫通孔16aにスクリュ70が挿入されることによりグラブドア2に固定される。
ノブ部材20は、操作者(車両乗員)が開操作することが可能な板状の操作部である。ノブ部材20は、グラブドア2の表側に配置されている。ノブ部材20は、ベース部材10の保持空間13に保持される。ノブ部材20は、ベース部材10の保持空間13に保持された状態で、ベース部材10の空間形成部11の枠縁との間に操作者の手指が挿入可能な空間を形成している。ノブ部材20は、操作者が、ノブ部材20の表面を奥側(すなわち、インパネ側)へ押し込む押し込み操作、及び、ノブ部材20とベース部材10の空間形成部11との間に手指を挿入してノブ部材20を手前に引き出す引き出し操作のうちから任意に選択した操作(開操作)を行うことによりグラブドア2を開動作させる。
ノブ部材20は、円柱状に形成された軸部21を有している。軸部21は、ノブ部材20の本体背面から奥側へ突出する突出部22に設けられている。突出部22ひいては軸部21は、ノブ部材20の上部及び下部に一箇所ずつ設けられている。上側の軸部21と下側の軸部21とは、中心軸が互いに一致するように形成されている。二つの軸部21は、ノブ部材20のうち運転席から遠い側(例えば、車室内から見て左端部)に設けられている。上側の軸部21は、ノブ部材20の本体から上方へ突出している。下側の軸部21は、ノブ部材20の本体から下方へ突出している。上側の軸部21は、ベース部材10の上側の回動孔12に挿通されている。下側の軸部21は、ベース部材10の下側の回動孔12に挿通されている。
ノブ部材20は、上下の軸部21が回動孔12に挿通された状態で軸支されている。すなわち、ノブ部材20は、ベース部材10ひいてはグラブドア2に軸部21(回動中心O)を中心にして回動可能に支持されている。ノブ部材20は、その表面がグラブドア2の表面に面一となる基準位置から、上方から見て反時計回り方向(図4における回動方向ω1)及び時計回り方向(図4における回動方向ω2)の双方へ回動することが可能である。ノブ部材20は、軸部21が設けられた部位とは左右反対側の部位(すなわち、運転席に近い側の部位:例えば、車室内から見て右部)に対して押し込み操作又は引き出し操作が行われることによりグラブドア2を開動作させる。
ノブ部材20は、連動孔23を有している。連動孔23は、ノブ部材20の回動と第一ロッド30及び第二ロッド40のスライドとを連動させるための孔である。連動孔23は、ノブ部材20の本体背面から奥側へ板状に突出する連動片24に設けられている。連動片24は、ノブ部材20の上部において軸部21が設けられた部位とは左右反対側(すなわち、運転席に近い側)の部位に設けられている。連動片24は、その板面が水平方向に広がり上下方向に向くように形成されている。連動片24は、ベース部材10の空間形成部11の奥壁に開いた孔17を貫通して奥側へ突出している。連動孔23は、連動片24を上下方向に貫通して設けられている。
連動孔23は、ベース部材10に対するノブ部材20の後述の基準位置からの所定量を超える押し込み操作及び引き出し操作が行われる場合にその操作が規制されるように形成されている。尚、このノブ部材20の操作規制は、連動孔23の形状に代えて、ノブ部材20とベース部材10の空間形成部11とにその操作が行われた際に互いに当接する当接部位を設けて実現されるものであってもよい。
第一ロッド30及び第二ロッド40はそれぞれ、ノブ部材20の回動に連動してスライドするロッド状の部材である。第一ロッド30及び第二ロッド40はそれぞれ、グラブドア2のドア面に対して平行な左右方向Yに延びており、左右方向Yにスライドすることが可能である。第一ロッド30は、車室内側から見てグラブドア2の右寄りに配置されている。第二ロッド40は、車室内側から見てグラブドア2の左寄りに配置されている。
第一ロッド30は、車室内側から見てグラブドア2に対して右側に隣接するインストルメントパネルの受け部3に係脱可能にスライドする。第一ロッド30は、インストルメントパネルの受け部3に係合されるロック位置と、その受け部3との係合が解除されるロック解除位置と、の間でスライドする。第一ロッド30は、ロッド本体部31と、連動ピン32と、ロッド補助部33と、凹凸部34と、スプリング係止部35と、を有している。
ロッド本体部31は、左右方向Yへ帯板状に延びる部位である。ロッド本体部31の右端部には、インストルメントパネルの受け部3に対して係脱する先端部31aが設けられている。先端部31aは、インストルメントパネルの受け部3に係脱し易い形状に形成されている。連動ピン32は、ノブ部材20の連動孔23に係合する円柱状のピンである。連動ピン32は、ロッド本体部31の左部上面に設けられている。連動ピン32は、ロッド本体部31の左部上面から上方へ突出している。
ノブ部材20の連動孔23及び第一ロッド30の連動ピン32は、ノブ部材20が基準位置から回動方向ω1へ回動された際及びノブ部材20が基準位置から回動方向ω2へ回動された際の双方で連動ピン32が連動孔23内で連動孔23の周壁に沿って移動することにより第一ロッド30及び第二ロッド40の双方がロック位置からロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている。
具体的には、連動ピン32は、ノブ部材20が基準位置に位置する際、連動孔23内で連動孔23の一端(具体的には、車室内から見て右端)に位置している。また、連動孔23は、ノブ部材20の基準位置で連動ピン32が位置する一端を底部とした湾曲凹溝形状又はV字溝形状を含むように形成されている。この湾曲凹溝形状及びV字溝形状は、車両前後方向にかけて左右方向Yに湾曲し或いは屈曲するものである。尚、ノブ部材20の押し込み操作と引き出し操作とで、ノブ部材20の基準位置からの回動量とロッド30,40のスライド量との相対関係を互いに略等しくするうえでは、上記の湾曲凹溝形状又はV字溝形状は、その底部を基点とした車室内側の周壁形状と奥側の周壁形状とが、その底部を通りかつ左右方向Yに延びる線を挟んで線対称となるように形成されていることが望ましい。
ロッド補助部33は、左右方向Yへ帯板状に延びる部位である。ロッド補助部33は、ロッド本体部31の左部に接続されている。ロッド補助部33は、ロッド本体部31の左部下面から下方へ延び更に左方へ延びるようにL字状に形成されている。凹凸部34は、ロッド補助部33の左端部の上面に設けられている。凹凸部34は、下方に凹んだ凹条部と上方へ突出する凸条部とが左右方向Yに交互に並んで連続するように形成されている。凹凸部34は、同期部材50と噛み合うことにより、第一ロッド30の左右方向Yへのスライドに連動して同期部材50を回転させる。
スプリング係止部35は、スプリング部材60を係止する孔部位である。スプリング係止部35は、ロッド補助部33の下面から下方へ板状に延びる突出部36に設けられている。突出部36は、その板面がグラブドア2の表裏方向(すなわち、車両前後方向)に向くように形成されている。スプリング係止部35は、突出部36をグラブドア2の表裏方向(すなわち、車両前後方向)に貫通している。
第二ロッド40は、車室内側から見てグラブドア2に対して左側に隣接するインストルメントパネルの受け部に係脱可能にスライドする。第二ロッド40は、インストルメントパネルの受け部(図示せず)に係合されるロック位置と、その受け部との係合が解除されるロック解除位置と、の間でスライドする。第二ロッド40は、ロッド本体部41と、ロッド補助部42と、凹凸部43と、を有している。
ロッド本体部41は、左右方向Yへ帯板状に延びる部位である。ロッド本体部41の左端部には、インストルメントパネルの受け部に対して係脱する先端部(図示せず)が設けられている。この先端部は、インストルメントパネルの受け部に係脱し易い形状に形成されている。
ロッド補助部42は、左右方向Yへ帯板状に延びる部位である。ロッド補助部42は、ロッド本体部41の右部に接続されている。ロッド補助部42は、ロッド本体部41の右端面から上方へ延び更に右方へ延びるようにL字状に形成されている。凹凸部43は、ロッド補助部42の右端部の下面に設けられている。凹凸部43は、上方に凹んだ凹条部と下方へ突出する凸条部とが左右方向Yに交互に並んで連続するように形成されている。凹凸部43は、同期部材50と噛み合うことにより、同期部材50の回転に連動して第二ロッド40を左右方向Yへスライドさせる。
同期部材50は、第一ロッド30の左右方向Yへのスライドと第二ロッド40の左右方向Yへのスライドとを同期させる部材である。同期部材50は、円筒状に形成されている。同期部材50は、ベース部材10に回転可能に支持されている。同期部材50は、中心孔51と、凹凸部52と、を有している。同期部材50は、中心孔51にスクリュ71が挿入されることによりベース部材10に支持固定される。
凹凸部52は、同期部材50の本体外面に設けられている。凹凸部52は、径方向内方に凹んだ凹条部と径方向外方へ突出する凸条部とが周方向に交互に並んで連続するように形成されている。凹凸部52は、下部で第一ロッド30の凹凸部34に噛合し、上部で第二ロッド40の凹凸部43に噛合する。凹凸部52は、第一ロッド30の凹凸部34との噛み合いにより第一ロッド30の左右方向Yへのスライドに連動して同期部材50を回転させると共に、第二ロッド40の凹凸部43との噛み合いにより同期部材50の回転に連動して第二ロッド40を左右方向Yへスライドさせる。第一ロッド30及び第二ロッド40は、同期部材50の回転により左右方向Yで互いに近づく又は離れる方向にスライドする。
スプリング部材60は、第一ロッド30及び第二ロッド40をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させる付勢力を発生する圧縮コイルバネである。スプリング部材60の一端部は、ベース部材10のスプリング係止部14に係止されている。スプリング部材60の他端部は、第一ロッド30のスプリング係止部35に係止されている。スプリング部材60は、第一ロッド30及び第二ロッド40のスライド方向と同じ左右方向Yに延びている。
第一ロッド30及び第二ロッド40は、スプリング部材60の付勢力による前進がロック位置を超えないようにベース部材10やグラブドア2などに当接して或いはノブ部材20の開操作が規制されることによりスライド規制される。すなわち、第一ロッド30及び第二ロッド40は、ロック位置でスライド規制される。スプリング部材60は、ロッド30,40のロック位置で自然状態よりも圧縮された状態に維持される。ノブ部材20は、その板面がロッド30,40のロック位置でグラブドア2の表面に面一となる基準位置に維持される。スプリング部材60の付勢力は、ロッド30,40のロック位置すなわちノブ部材20の基準位置で最も小さく、ロッド30,40のロック位置からロック解除位置にかけて徐々に大きくなり、ノブ部材20の基準位置からの回動量の増加に従って徐々に大きくなる。
次に、シーソー式グラブロック装置1の動作について説明する。
シーソー式グラブロック装置1において、グラブドア2がインパネ開口を閉じている閉状態でノブ部材20が開操作されていないときは、スプリング部材60の付勢力により、ノブ部材20が基準位置に維持されると共に、第一ロッド30及び第二ロッド40の双方がロック位置に維持される(図4に示す状態)。この場合には、第一ロッド30及び第二ロッド40それぞれがグラブドア2から左右方向Yに前進した状態にあり、第一ロッド30の先端部31a及び第二ロッド40の先端部がインストルメントパネルの受け部3に係合することで、グラブドア2が閉扉されている。また、第一ロッド30の連動ピン32は、ノブ部材20の連動孔23内でその連動孔23の一端(右端)に位置している。
上記のグラブドア2の閉状態でノブ部材20の右部が開操作として基準位置から奥側へ押し込まれる押し込み操作が行われると、ノブ部材20が回動方向ω1回りに回動してノブ部材20と第一ロッド30とが相対移動することにより、ノブ部材20の連動孔23の周壁が第一ロッド30の連動ピン32を押圧し、その連動ピン32が連動孔23の周壁に沿って左右方向(具体的には、車室内から見て左方)Yへ移動する(図5に示す状態)。かかる連動ピン32の移動が生じると、第一ロッド30が左方へスライドする。第一ロッド30が左方へスライドすると、第一ロッド30がロック位置からロック解除位置へ向けて後退する。
また、第一ロッド30が左方へスライドすると、その第一ロッド30のロッド補助部33から同期部材50へ同期部材50を中心孔51を中心にして回転(具体的には、車室内から見て右回転)させる力(トルク)が付与されることで、同期部材50が右回転する。同期部材50が右回転すると、その同期部材50から第二ロッド40のロッド補助部42へ第二ロッド40を左右方向(具体的には、車室内から見て右方)Yへスライドさせる力(トルク)が付与されることで、第二ロッド40が右方へスライドする。第二ロッド40が右方へスライドすると、第二ロッド40がロック位置からロック解除位置へ向けて後退する。
第一ロッド30がロック解除位置まで後退すると、第一ロッド30の先端部31aとインストルメントパネルの受け部3との係合が解除される。また、第二ロッド40がロック解除位置まで後退すると、第二ロッド40の先端部とインストルメントパネルの受け部との係合が解除される。第一ロッド30側の係合が解除されると共に、第二ロッド40側の係合が解除されると、グラブドア2が開動作され開扉する。
また、上記のグラブドア2の閉状態でノブ部材20の右部が開操作として基準位置から手前に引き出される引き出し操作が行われると、ノブ部材20が回動方向ω2回りに回動してノブ部材20と第一ロッド30とが相対移動することにより、ノブ部材20の連動孔23の周壁が第一ロッド30の連動ピン32を押圧し、その連動ピン32が連動孔23の周壁に沿って左右方向(具体的には、車室内から見て左方)Yへ移動する(図6に示す状態)。この場合も、上記のノブ部材20の押し込み操作が行われた場合と同様に、第一ロッド30がロック位置からロック解除位置へ向けて後退すると共に、第二ロッド40がロック位置からロック解除位置へ向けて後退するので、第一ロッド30側の係合及び第二ロッド40側の係合が共に解除されて、グラブドア2が開動作され開扉する。
上記のノブ部材20の押し込み操作が解除されると、スプリング部材60から第一ロッド30へロッド30,40をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させる付勢力が付与される。また同様に、上記のノブ部材20の引き出し操作が解除されると、スプリング部材60から第一ロッド30へロッド30,40をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させる付勢力が付与される。かかる付勢力が第一ロッド30に付与されると、その第一ロッド30が左右方向(具体的には、車室内から見て右方)Yへスライドしてロック位置へ向けて前進する。
また、第一ロッド30が右方へスライドすると、その第一ロッド30のロッド補助部33から同期部材50へ同期部材50を中心孔51を中心にして回転(具体的には、車室内から見て左回転)させる力(トルク)が付与されることで、同期部材50が左回転する。同期部材50が左回転すると、その同期部材50から第二ロッド40のロッド補助部42へ第二ロッド40を左右方向(具体的には、車室内から見て左方)Yへスライドさせる力(トルク)が付与されることで、第二ロッド40が左方へスライドする。第二ロッド40が左方へスライドすると、第二ロッド40がロック位置へ向けて前進する。
第一ロッド30がロック位置まで前進すると、第一ロッド30の先端部31aがインストルメントパネルの受け部3に係合することが可能となる。また、第二ロッド40がロック位置まで前進すると、第二ロッド40の先端部がインストルメントパネルの受け部に係合することが可能となる。かかる係合可能状態でグラブドア2に対してインパネ開口を閉じる操作が行われると、第一ロッド30と受け部3とが係合しかつ第二ロッド40と受け部とが係合することで、グラブドア2が閉扉される。
このように、シーソー式グラブロック装置1においては、ノブ部材20の右部が基準位置から押し込み操作された場合と引き出し操作された場合との双方で、第一ロッド30及び第二ロッド40をロック位置からロック解除位置へ向けて後退させてグラブドア2を開動作させることができる。すなわち、グラブドア2の開扉のためのノブ部材20の開操作を押し込み操作及び引き出し操作の何れでも実現することができる。従って、グラブドア2の開扉のための操作者によるノブ部材20の開操作を操作し易いものとすることができ、その開操作の操作性を向上させることができる。
また、ノブ部材20の開操作からロッド30,40のスライドすなわちグラブドア2の開動作までの間で、ノブ部材20の連動孔23と第一ロッド30の連動ピン32との係合位置が変わることで、ノブ部材20の開操作からロッド30,40のスライドへの動作変換がダイレクトに行われる。従って、ノブ部材20の開操作からグラブドア2の開動作までの動作変換を一回で済ますことができ、その動作変換を簡易な構造で実現することができる。このため、シーソー式グラブロック装置1の動作故障の発生を抑えることができる。
尚、上記の第一実施形態においては、回動方向ω1,ω2が特許請求の範囲に記載した「第一回動方向」及び「第二回動方向」に、スプリング部材60が特許請求の範囲に記載した「付勢部材」に、グラブドア2及びグラブドア2に取り付け固定されるベース部材10が特許請求の範囲に記載した「グラブドア側」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の第一実施形態においては、ノブ部材20の押し込み操作及び引き出し操作がそのノブ部材20のうち運転席に近い側の片側部位(右部)に対して行われるものとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。ノブ部材20の押し込み操作及び引き出し操作がそのノブ部材20のうち運転席から遠い側の部位(左部)に対して行われるものに適用することとしてもよい。
[第二実施形態]
上記の第一実施形態のシーソー式グラブロック装置1では、ノブ部材20の押し込み操作及び引き出し操作がそのノブ部材20の片側部位(右部のみ)に対して行われるものとしている。これに対して、第二実施形態のシーソー式グラブロック装置100では、ノブ部材20の押し込み操作及び引き出し操作がそのノブ部材20の両側部位(右部及び左部の双方)で行われるものとしている。尚、図7−図12において、図1−図6に示す構成部分と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
シーソー式グラブロック装置100は、図7、図8、及び図9に示す如く、ベース部材110と、ノブ部材120と、第一ロッド30と、第二ロッド140と、同期部材50と、スプリング部材60と、を備えている。
ベース部材110は、下記の部位を除いてベース部材10と略同じ形状に形成されている。すなわち、ベース部材110は、ベース部材10よりもグラブドア2の左右方向Yへ横長になるように形成されていると共に、空間形成部11の奥壁に開いた孔117を有している。孔117は、左右対称となる形状に形成されている。
ノブ部材120は、下記の部位を除いてノブ部材20と略同じ形状に形成されている。すなわち、ノブ部材120は、ベース部材110の保持空間13に保持された状態で、ベース部材110の空間形成部11の枠縁との間に操作者の手指が挿入可能な空間を形成している。ノブ部材120は、ノブ部材20とは異なり、ノブ部材120の左右両側のうちから任意に選択した側の表面への押し込み操作及び引き出し操作のうちから任意に選択した開操作を行うことによりグラブドア2を開動作させる。
ノブ部材120の上下の軸部21は、ノブ部材120の左右中央部に設けられている。ノブ部材120は、上下の軸部21が回動孔12に挿通された状態で軸支されており、ベース部材110ひいてはグラブドア2に軸部21(回動中心O)を中心にして回動可能に支持されている。ノブ部材120は、基準位置から回動方向ω1,ω2の双方へ回動することが可能である。
ノブ部材120は、二つの連動孔121,123を有している。連動孔121,123は、ノブ部材120の回動と第一ロッド30及び第二ロッド140のスライドとを連動させるための孔である。連動孔121は、ノブ部材120の本体背面から奥側へ板状に突出する連動片122に設けられている。連動孔123は、ノブ部材120の本体背面から奥側へ板状に突出する連動片124に設けられている。連動片122は、ノブ部材120の上部において軸部21よりも右部に設けられている。連動片124は、ノブ部材120の上部において軸部21よりも左部に設けられている。連動片122,124は、その板面が水平方向に広がり上下方向に向くように形成されている。連動片122,124は、ベース部材110の空間形成部11の奥壁に開いた孔117を貫通して奥側へ突出している。連動孔121,123は、連動片122,124を上下方向に貫通して設けられている。
第一ロッド30の連動ピン32は、ノブ部材120の連動孔121に係合している。第一ロッド30の凹凸部34は、同期部材50と噛み合うことにより、第一ロッド30の左右方向Yへのスライドに連動して同期部材50を回転させると共に、同期部材50の回転に連動して第一ロッド30を左右方向Yへスライドさせる。
また、第二ロッド140は、下記の部位を除いて第二ロッド40と略同じ形状に形成されている。すなわち、第二ロッド140は、ロッド本体部141と、ロッド補助部142と、凹凸部143と、連動ピン144と、を有している。
ロッド本体部141は、左右方向Yへ帯板状に延びる部位である。ロッド本体部141の左端部には、インストルメントパネルの受け部に対して係脱する先端部(図示せず)が設けられている。この先端部は、インストルメントパネルの受け部に係脱し易い形状に形成されている。
ロッド補助部142は、左右方向Yへ帯板状に延びる部位である。ロッド補助部142は、ロッド本体部141の右部に接続されている。ロッド補助部142は、ロッド本体部141の右端面から上方へ延び更に右方へ延びるようにL字状に形成されている。凹凸部143は、ロッド補助部142の右端部の下面に設けられている。凹凸部143は、上方に凹んだ凹条部と下方へ突出する凸条部とが左右方向Yに交互に並んで連続するように形成されている。凹凸部143は、同期部材50と噛み合うことにより、第二ロッド140の左右方向Yへのスライドに連動して同期部材50を回転させると共に、同期部材50の回転に連動して第二ロッド140を左右方向Yへスライドさせる。
連動ピン144は、ノブ部材120の連動孔123に係合する円柱状のピンである。連動ピン144は、ロッド本体部141の右部上面に設けられている。連動ピン144は、ロッド本体部141の右部上面から上方へ突出している。
ノブ部材120の連動孔121及び第一ロッド30の連動ピン32は、ノブ部材120が基準位置から回動方向ω1へ回動された際及びノブ部材120が基準位置から回動方向ω2へ回動された際の双方で連動ピン32が連動孔121内で連動孔121の周壁に沿って移動することにより第一ロッド30及び第二ロッド140の双方がロック位置からロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている。
具体的には、連動ピン32は、ノブ部材120が基準位置に位置する際、連動孔121内で連動孔121の一端(具体的には、車室内から見て右端)に位置している。また、連動孔121は、ノブ部材120の基準位置で連動ピン32が位置する一端を底部とした湾曲凹溝形状又はV字溝形状を含むように形成されている。この湾曲凹溝形状及びV字溝形状は、車両前後方向にかけて左右方向Yに湾曲し或いは屈曲するものである。尚、ノブ部材120の右部の押し込み操作と引き出し操作とで、ノブ部材20の基準位置からの回動量とロッド30,140のスライド量との相対関係を互いに略等しくするうえでは、上記の湾曲凹溝形状又はV字溝形状は、その底部を基点とした車室内側の周壁形状と奥側の周壁形状とが、その底部を通りかつ左右方向Yに延びる線を挟んで線対称となるように形成されていることが望ましい。
また、ノブ部材120の連動孔123及び第二ロッド140の連動ピン144は、ノブ部材120が基準位置から回動方向ω1へ回動された際及びノブ部材120が基準位置から回動方向ω2へ回動された際の双方で連動ピン144が連動孔123内で連動孔123の周壁に沿って移動することにより第一ロッド30及び第二ロッド140の双方がロック位置からロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている。
具体的には、連動ピン144は、ノブ部材120が基準位置に位置する際、連動孔123内で連動孔123の他端(具体的には、車室内から見て左端)に位置している。また、連動孔123は、ノブ部材120の基準位置で連動ピン144が位置する他端を底部とした湾曲凹溝形状又はV字溝形状を含むように形成されている。この湾曲凹溝形状及びV字溝形状は、車両前後方向にかけて左右方向Yに湾曲し或いは屈曲するものである。尚、ノブ部材120の左部の押し込み操作と引き出し操作とで、ノブ部材20の基準位置からの回動量とロッド30,140のスライド量との相対関係を互いに略等しくするうえでは、上記の湾曲凹溝形状又はV字溝形状は、その底部を基点とした車室内側の周壁形状と奥側の周壁形状とが、その底部を通りかつ左右方向Yに延びる線を挟んで線対称となるように形成されていることが望ましい。
また、ノブ部材120の右部の押し込み操作と左部の押し込み操作とで、或いは、ノブ部材120の右部の引き出し操作と左部の引き出し操作とで、ノブ部材20の基準位置からの回動量とロッド30,140のスライド量との相対関係を互いに略等しくするうえでは、連動孔121と連動孔123との湾曲凹溝形状又はV字溝形状は、ノブ部材120の左右中央部を通りかつ前後方向に延びる線を挟んで線対称となるように形成されていることが望ましい。
次に、シーソー式グラブロック装置100の動作について説明する。
シーソー式グラブロック装置100において、グラブドア2がインパネ開口を閉じている閉状態でノブ部材120が開操作されていないときは、スプリング部材60の付勢力により、ノブ部材120が基準位置に維持されると共に、第一ロッド30及び第二ロッド140の双方がロック位置に維持される(図10に示す状態)。この場合には、第一ロッド30及び第二ロッド140それぞれがグラブドア2から左右方向Yに前進した状態にあり、第一ロッド30の先端部31a及び第二ロッド140の先端部がインストルメントパネルの受け部3に係合することで、グラブドア2が閉扉されている。また、第一ロッド30の連動ピン32は、ノブ部材120の連動孔121内でその連動孔121の一端(右端)に位置していると共に、第二ロッド140の連動ピン144は、ノブ部材120の連動孔123内でその連動孔123の他端(左端)に位置している。
上記のグラブドア2の閉状態でノブ部材120の右部の押し込み操作が行われると、ノブ部材120が回動方向ω1回りに回動してノブ部材120と第一ロッド30及び第二ロッド140とが相対移動することにより、ノブ部材120の連動孔121,123の周壁が第一ロッド30の連動ピン32及び第二ロッド140の連動ピン144を押圧する。この場合には、連動ピン32が連動孔121の周壁に沿って左右方向(具体的には、車室内から見て左方)Yへ移動すると共に、連動ピン144が連動孔123の周壁に沿って左右方向(具体的には、車室内から見て右方)Yへ移動する(図11に示す状態)。かかる連動ピン32,144の移動が生じると、第一ロッド30が左方へスライドすると共に、第二ロッド140が右方へスライドする。第一ロッド30が左方へスライドすると、第一ロッド30がロック位置からロック解除位置へ向けて後退する。また、第二ロッド140が右方へスライドすると、第二ロッド140がロック位置からロック解除位置へ向けて後退する。
上記した第一ロッド30の左方へのスライドと第二ロッド140の右方へのスライドとは、同期部材50の回転により同期して行われる。第一ロッド30がロック解除位置まで後退しかつ第二ロッド140がロック解除位置まで後退すると、第一ロッド30の先端部31aとインストルメントパネルの受け部3との係合が解除されかつ第二ロッド40の先端部とインストルメントパネルの受け部との係合が解除されることで、グラブドア2が開動作され開扉する。
また、上記のグラブドア2の閉状態でノブ部材120の左部の引き出し操作が行われた場合も、ノブ部材120がノブ部材120の右部の押し込み操作が行われた場合と同様に回動方向ω1回りに回動して、ノブ部材120と第二ロッド140及び第一ロッド30とが相対移動する。この場合も、連動ピン144が連動孔123の周壁に沿って車室内から見て右方へ移動すると共に、連動ピン32が連動孔121の周壁に沿って車室内から見て左方へ移動するので(図11に示す状態)、第二ロッド140がロック解除位置まで後退しかつ第一ロッド30がロック解除位置まで後退して、グラブドア2が開動作され開扉する。
また、上記のグラブドア2の閉状態でノブ部材120の左部の押し込み操作が行われると、ノブ部材120が回動方向ω2回りに回動してノブ部材120と第二ロッド140及び第一ロッド30とが相対移動することにより、ノブ部材120の連動孔123,121の周壁が第二ロッド140の連動ピン144及び第一ロッド30の連動ピン32を押圧する。この場合も、連動ピン144が連動孔123の周壁に沿って車室内から見て右方へ移動すると共に、連動ピン32が連動孔121の周壁に沿って車室内から見て左方へ移動するので(図12に示す状態)、第二ロッド140がロック解除位置まで後退しかつ第一ロッド30がロック解除位置まで後退して、グラブドア2が開動作され開扉する。
更に、上記のグラブドア2の閉状態でノブ部材120の右部の引き出し操作が行われた場合も、ノブ部材120がノブ部材120の左部の押し込み操作が行われた場合と同様に回動方向ω2回りに回動して、ノブ部材120と第一ロッド30及び第二ロッド140とが相対移動する。この場合も、連動ピン32が連動孔121の周壁に沿って車室内から見て左方へ移動すると共に、連動ピン144が連動孔123の周壁に沿って車室内から見て右方へ移動するので(図12に示す状態)、第一ロッド30がロック解除位置まで後退しかつ第二ロッド140がロック解除位置まで後退して、グラブドア2が開動作され開扉する。
上記のノブ部材120の右部の押し込み操作、左部の引き出し操作、左部の押し込み操作、及び右部の引き出し操作が解除されると、スプリング部材60から第一ロッド30へロッド30,140をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させる付勢力が付与される。かかる付勢力が第一ロッド30に付与されると、その第一ロッド30が車室内から見て右方へスライドしてロック位置へ向けて前進すると共に、同期部材50の機能により第二ロッド140が車室内から見て左方へスライドしてロック位置へ向けて前進する。この場合は、第一ロッド30及び第二ロッド140とインストルメントパネル側との係合が可能となることで、グラブドア2の閉扉が可能となる。
このように、シーソー式グラブロック装置100においては、ノブ部材120の右部が基準位置から押し込み操作された場合及び引き出し操作された場合、並びに、ノブ部材120の左部が基準位置から押し込み操作された場合及び引き出し操作された場合の何れでも、第一ロッド30及び第二ロッド140をロック位置からロック解除位置へ向けて後退させてグラブドア2を開動作させることができる。すなわち、グラブドア2の開扉のためのノブ部材120の開操作をノブ部材120の右部及び左部の何れでも更に押し込み操作及び引き出し操作の何れでも実現することができる。従って、グラブドア2の開扉のための操作者によるノブ部材120の開操作を操作し易いものとすることができ、その開操作の操作性を向上させることができる。
また、ノブ部材120の開操作からロッド30,140のスライドすなわちグラブドア2の開動作までの間で、ノブ部材120の連動孔121,123と第一ロッド30の連動ピン32及び第二ロッド140の連動ピン144との係合位置が変わることで、ノブ部材120の開操作からロッド30,140のスライドへの動作変換がダイレクトに行われる。従って、ノブ部材120の開操作からグラブドア2の開動作までの動作変換を一回で済ますことができ、その動作変換を簡易な構造で実現することができる。このため、シーソー式グラブロック装置100の動作故障の発生を抑えることができる。
尚、上記の第二実施形態においては、連動孔121,123が特許請求の範囲に記載した「連動孔」、「第一連動孔」、及び「第二連動孔」に、連動ピン32,144が特許請求の範囲に記載した「連動ピン」、「第一連動ピン」、及び「第二連動ピン」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の第一及び第二実施形態においては、グラブドア2へのシーソー式グラブロック装置1,100の取付位置が、グラブドア2のうち運転席に近い側(右端部)に設けられる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。シーソー式グラブロック装置1,100がグラブドア2の左右中央部又は運転席から遠い側(左端部)に設けられるものに適用することとしてもよい。
また、上記の第一及び第二実施形態においては、第一ロッド30が同期部材50の下部に噛合し、第二ロッド40,140が同期部材50の上部に噛合する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。逆に、第一ロッド30が同期部材50の上部に噛合し、第二ロッド40,140が同期部材50の下部に噛合するものに適用することとしてもよい。
また、上記の第一及び第二実施形態においては、第一ロッド30及び第二ロッド40,140をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させる付勢力を発生するスプリング部材60が、一端部がベース部材10,110に係止されかつ他端部が第一ロッド30に係止されるようにベース部材10,110と第一ロッド30との間に介在している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。かかるスプリング部材60が、ベース部材10,110と第二ロッド40との間、ベース部材10,110とノブ部材20,120との間、或いはベース部材10,110と同期部材50との間に介在するものに適用することとしてもよい。更に、スプリング部材60の一端部が、ベース部材10,110に代えて、グラブドア2に設けたスプリング係止部に係止されるものに適用することとしてもよい。
また、上記の第一及び第二実施形態においては、シーソー式グラブロック装置1,100が、第一ロッド30及び第二ロッド40,140をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させる付勢力を発生するスプリング部材60を備える。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。シーソー式グラブロック装置1,100がかかるスプリング部材60を備えず、操作者がグラブドア2の開扉時に手動でノブ部材20,120を閉操作することで第一ロッド30及び第二ロッド40,140をロック解除位置からロック位置へ向けて前進させてグラブドア2を閉扉するものに適用することとしてもよい。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
1,100:シーソー式グラブロック装置、2:グラブドア、3:受け部、10,110:ベース部材、12:回動孔、20,120:ノブ部材、21:軸部、23,121,123:連動孔、30:第一ロッド、31a:先端部、32,144:連動ピン、40,140:第二ロッド、50:同期部材、60:スプリング部材。

Claims (4)

  1. インストルメントパネルの開口を開閉するグラブドアの表側に配置され、前記グラブドアに対して基準位置から第一回動方向及び第二回動方向の双方へ回動可能に取り付けられるノブ部材と、
    それぞれ、前記ノブ部材の回動に連動して前記グラブドアのドア面に対して平行な方向にスライドし、前記ノブ部材の前記基準位置から前記第一回動方向への回動及び前記基準位置から前記第二回動方向への回動により、先端部が前記インストルメントパネルに設けられた受け部に係合されるロック位置から前記先端部と前記受け部との係合が解除されるロック解除位置へ向けて後退するようにスライドする第一ロッド及び第二ロッドと、
    前記第一ロッドのスライドと前記第二ロッドのスライドとを同期させる同期部材と、
    を備え、
    前記ノブ部材は、互いに係合する連動孔及び連動ピンのうち何れか一方を有し、
    前記第一ロッド又は前記第二ロッドは、前記連動孔及び前記連動ピンのうち何れか他方を有し、
    前記連動孔及び前記連動ピンは、前記ノブ部材が前記基準位置から前記第一回動方向及び前記第二回動方向の双方へ回動された際に前記連動ピンが前記連動孔内で前記連動孔の周壁に沿って移動することにより前記第一ロッド及び前記第二ロッドが前記ロック位置から前記ロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている、シーソー式グラブロック装置。
  2. 前記ノブ部材は、前記連動孔及び前記連動ピンとして互いに係合する第一連動孔及び第一連動ピンのうち何れか一方を有すると共に、前記連動孔及び前記連動ピンとして互いに係合する第二連動孔及び第二連動ピンのうち何れか一方を有し、
    前記第一ロッドは、前記第一連動孔及び前記第一連動ピンのうち何れか他方を有し、
    前記第二ロッドは、前記第二連動孔及び前記第二連動ピンのうち何れか他方を有し、
    前記第一連動孔及び前記第一連動ピンは、前記ノブ部材が前記基準位置から前記第一回動方向及び前記第二回動方向の双方へ回動された際に前記第一連動ピンが前記第一連動孔内で前記第一連動孔の周壁に沿って移動することにより前記第一ロッド及び前記第二ロッドが前記ロック位置から前記ロック解除位置へ向けて後退するように形成配置され、
    前記第二連動孔及び前記第二連動ピンは、前記ノブ部材が前記基準位置から前記第一回動方向及び前記第二回動方向の双方へ回動された際に前記第二連動ピンが前記第二連動孔内で前記第二連動孔の周壁に沿って移動することにより前記第一ロッド及び前記第二ロッドが前記ロック位置から前記ロック解除位置へ向けて後退するように形成配置されている、請求項1に記載されたシーソー式グラブロック装置。
  3. 前記第一ロッド及び前記第二ロッドを前記ロック解除位置から前記ロック位置へ向けて前進させる付勢力を発生する付勢部材を備える、請求項1又は2に記載されたシーソー式グラブロック装置。
  4. 前記付勢部材は、一端部が前記グラブドア側に係止されかつ他端部が前記第一ロッド又は前記第二ロッドに係止されるスプリング部材である、請求項3に記載されたシーソー式グラブロック装置。
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