JP2020089987A - 光輝性画像形成物およびその製造方法 - Google Patents

光輝性画像形成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間に亘って、光沢層の変色や金属光沢性の低下が少ない光輝性画像形成物およびその製造方法を提供すること。【解決手段】光輝性画像形成物では、基材と、光沢層と、第1保護層と、第2保護層と、がこの順に積層されている。前記光沢層は、水溶性分散剤で被覆された金属粒子を含み、前記第1保護層が、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物の硬化物を含み、前記第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、光輝性画像形成物およびその製造方法に関する。
ラベル、パッケージ、広告印刷物および写真等の記録物に金属光沢を発現させる目的で、アルミニウム顔料やパール顔料等を含むインクが開発されている。従来、このようなインクは、オフセット印刷やグラビア印刷、スクリーン印刷等のアナログ印刷技術によって基材上に付与されることが一般的であった。
近年、金属光沢色を発する領域をより高精細に制御した記録物や、オンデマンドで金属光沢色を有する記録物を作製することが求められている。そこで、金、銀、および銅などの金属をナノサイズの粒子状(以下、単に「金属ナノ粒子」ともいう。)とし、インクジェット法により金属ナノ粒子を含むインクを塗布して光沢層を形成することが検討されている。
また、金属を含む光沢層の変色等を防ぐため、光沢層上に樹脂層を設けること等も検討されている。例えば特許文献1には、光沢層上に、樹脂層および着色層を積層することが記載されている。当該技術では、光沢層、樹脂層、および着色層を形成するためのインクを全て、水系樹脂組成物としている。
また、特許文献2には、光沢層上に、光沢層表面を平滑化するための平滑化インク層と、着色インク層とを積層することが記載されている。当該技術では、光沢層、平滑化インク層、および着色インク層を形成するためのインクを全て、紫外線硬化型樹脂組成物としている。
特開2016−135600号公報 特開2015−74122号公報
ここで、特許文献1の方法で作製した光輝性画像形成物、および特許文献2の方法の光輝性画像形成物のいずれにおいても、長期間に亘って保管すると、変色したり、金属光沢性が失われたりする。本発明者らが鋭意検討したところ、特許文献1の光輝性画像形成物では、樹脂層や着色層の溶剤透過性が高いため、光輝性画像形成物が溶剤等と接触することで、樹脂層が剥がれたり、光沢層が変色したりすることが明らかとなった。また、特許文献2の光輝性画像形成物では、光沢層上に平滑化インク層を形成する際に、塗膜が硬化収縮する。そのため、光沢層と平滑化インク層との密着性が不十分になりやすく、平滑化インク層が剥がれやすい。また、平滑化インク層や着色層のガス透過性が高いことから、大気中の腐食性ガス(例えば硫化ガス等)によって、光沢層中の金属が腐食され、光沢層に変色が生じることが明らかとなった。
つまり、従来の技術では、長期間に亘って光沢層を溶剤や大気中のガス等から保護することが難しかった。本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、長期間に亘って、光沢層の変色や光沢低下が少ない光輝性画像形成物およびその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の光輝性画像形成物を提供する。
[1]基材と、光沢層と、第1保護層と、第2保護層と、がこの順に積層されており、前記光沢層が、水溶性分散剤で被覆された金属粒子を含み、前記第1保護層が、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物の硬化物を含み、前記第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む、光輝性画像形成物。
[2]前記第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂と、重合開始剤および/またはその残渣と、を含み、前記活性エネルギー硬化型樹脂は、水酸基、第二級アミド結合、およびウレタン結合からなる群から選ばれる一種以上の構造を有する単量体単位を、前記活性エネルギー硬化型樹脂を構成する単量体単位の総量に対して、3〜40モル%含む、[1]に記載の光輝性画像形成物。
[3]前記第1保護層の厚みが500nm〜3μmである、[1]または[2]に記載の光輝性画像形成物。
[4]前記第1保護層および前記第2保護層の厚みの合計が50μm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光輝性画像形成物。
[5]前記光沢層が定着樹脂をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の光輝性画像形成物。
[6]前記極性基含有樹脂が、ウレタン樹脂、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、および(メタ)アクリル変性ポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光輝性画像形成物。
本発明は、以下の光輝性画像形成物の製造方法を提供する。
[7]基材上に、水溶性分散剤に被覆された金属粒子を含む光輝性インクを塗布し、光沢層を形成する工程と、前記光沢層上に、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物を塗布し、第1保護層を形成する工程と、前記第1保護層上に、活性エネルギー重合性化合物および重合開始剤を含む活性エネルギー硬化型樹脂組成物を塗布し、第2保護層を形成する工程と、を含む、光輝性画像形成物の製造方法。
本発明の光輝性画像形成物は、耐溶剤性と耐ガス透過性とを兼ね備えた保護層を有し、長期間に亘って、光沢層の変色や光沢低下が少ない。
1.光輝性画像形成物
本発明の光輝性画像形成物は、金属光沢色を発する領域を一部領域または全面に有する画像形成物である。ここで、本発明の光輝性画像形成物は、基材と、光沢層と、第1保護層と、第2保護層とがこの順に積層されていればよく、これら以外の層を含んでいてもよい。例えば基材と光沢層との間にプレコート層を有していてもよく、第2保護層上に、着色層を有していてもよい。
前述のように、従来の光輝性画像形成物は、水系樹脂組成物もしくは紫外線硬化型樹脂組成物のいずれか一方のみを用いて形成されていた。しかしながら、本発明者らの検討により、水系樹脂組成物のみを用いて光輝性画像形成物を作製した場合、耐溶剤性が低いことが明らかとなった。一方、紫外線硬化型樹脂組成物のみを用いて光輝性画像形成物を作製した場合には、耐ガス透過性が低く、光沢層との密着性が低いことが明らかとなった。また、耐ガス透過性を低減するため、紫外線硬化性樹脂組成物を用いて緻密な膜を形成することも考えられるが、この場合、収縮率が大きくなり、得られる光輝性画像形成物が反ったり、光輝性画像形成物の柔軟性が低下したりしやすくなる。そのため、得られる光輝性画像形成物を、種々の用途に適用することが難しくなる。また、いずれの方法で作製した光輝性画像形成物においても、長期間の保存によって、金属光沢性が失われたり、光沢層が変色したりしやすかった。
これに対し、本発明の光輝性画像形成物では、光沢層上に、水系樹脂組成物の硬化物を含む第1保護層と、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む第2保護層と、を配置している。当該光輝性画像形成物では、第1保護層によって、外気中の腐食性ガスの透過を抑制することができ、第2保護層によって、耐溶剤性を発現させることができる。また、光沢層上に配置する第1層が、極性基含有樹脂を含むため、光沢層中の水溶性分散剤と当該極性基含有樹脂とが、相互作用し、光沢層と第1保護層との密着性が非常に良好となる。したがって、光沢層および第1保護層の界面からの腐食性ガスの侵入も抑制できる。つまり、本発明の光輝性画像形成物では、耐ガス透過性および耐溶剤性が優れ、長期間に亘って、剥がれや画像の変色が少なく、金属光沢性の低下も生じ難い。また、水系樹脂組成物の硬化物を含む第1保護層が、第2保護層形成時の硬化収縮によって生じる応力を緩和するため、光輝性画像形成物に反りが生じ難い。また、光輝性画像形成物が十分な柔軟性を有するため、種々の用途に適用できる、との利点もある。以下、本発明の光輝性画像形成物の各構成について説明する。
1−1.基材
本発明の光輝性画像形成物に用いられる基材は特に制限されず、その用途に応じて適宜選択される。基材の例には、塗工紙(例えばアート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙、キャスト紙等)や非塗工紙等の吸収性の媒体;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等のプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材);金属類やガラス等の非吸収性の無機記録媒体;が含まれる。
基材の厚みや形状等は、光輝性画像形成物の用途に応じて適宜選択される。基材は、平板状に限定されず、例えば立体的な構造を有していてもよい。
1−2.光沢層
光沢層は、光輝性画像形成物において、金属光沢性を発現するための層である。光沢層は、基材の全面に形成されていてもよく、一部領域にのみ形成されていてもよい。また、光沢層は、水溶性分散剤で被覆された金属粒子を少なくとも含み、必要に応じて定着樹脂や界面活性剤等を含んでいてもよい。
当該光沢層が含む金属粒子は、金属を主成分とする粒子であり、金属光沢を発現することができる粒子であれば特に制限されない。金属粒子を構成する金属の例には、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウム、亜鉛、クロム、鉄、コバルト、モリブデン、ジルコニウム、ルテニウム、イリジウム、タンタル、水銀、インジウム、スズ、鉛、タングステン、およびこれらの合金が含まれる。これらの中でも、高い光沢を発現可能であり、かつ安価であることから、金属粒子は、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、スズ、鉛、クロム、亜鉛およびアルミニウムを含むことが好ましく、金、銀、銅、スズ、クロム、鉛およびアルミニウムを含むことがより好ましく、金および銀を含むことがさらに好ましく、銀を含むことが特に好ましい。金属粒子中で、これらの金属は合金となっていてもよく、また酸化物等となっていてもよい。銀を含む合金の例には、銀マグネシウム、銀銅、銀パラジウム、銀パラジウム銅、銀インジウム、銀ビスマス等が含まれる。光沢層は、金属粒子を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。本明細書において、金属を主成分とするとは、金属を50質量%以上含むものとする。
なお、銀や銅は、大気中の腐食性ガスによって変色しやすい。したがって、従来の光輝性画像形成物では、光沢層がこれらの金属を含むと特に変色が生じやすかった。これに対し、本発明の光輝性画像形成物では、第1保護層および第2保護層によって優れた耐ガス透過性および優れた耐溶剤性が実現される。そのため、光沢層がたとえこれらの金属を含んでいたとしても、変色等が生じ難い。つまり、光沢層に適用可能な金属粒子の選択性が高い。
また、金属粒子は、これらの金属を主成分とすればよく、不可避的に含まれる他の成分を微量に含んでいてもよく、例えばクエン酸等で表面処理されていてもよい。
金属粒子の平均粒子径は、金属光沢性を発現できれば特に限定されない。ただし、光沢層を形成するための光輝性インク中での分散安定性や保存安定性を高める観点から、ナノサイズであることが好ましい。つまり金属粒子は、所謂、金属ナノ粒子であることが好ましい。金属粒子の平均粒子径は、3nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上80nm以下であることがより好ましく、10nm以上60nm以下であることがさらに好ましく、15nm以上55nm以下であることが特に好ましい。
金属粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であり、例えば以下のように確認することができる。
1)ガラス板上に金属粒子を配置してサンプルを得る。得られたサンプルについて、走査電子顕微鏡JSM−7401F(日本電子株式会社製)を用いてSEM観察を行い、任意の300個の金属粒子の粒子径をそれぞれ測定する。
2)得られた測定データに基づいて、画像処理ソフトImage Jを用いて体積基準の粒度分布を求め、そのD50(メジアン径)を体積換算の平均粒子径(体積平均粒子径)とする。
ここで、光沢層の総量に対する金属粒子の量は、金属粒子がAgである場合、50〜99質量%であることが好ましく、60〜98質量%であることがより好ましい。金属粒子の量が50質量%以上であると、光輝性画像形成物の金属光沢性が良好になりやすい。一方で、金属粒子の量が99質量%を超えると、十分な膜結着性が得られないことがある。他の金属粒子を用いる場合は上記Agの含有量と比重を考慮して、同等の体積%になる量とすることが好ましい。
また、上記金属粒子は、水溶性分散剤で被覆されている。金属粒子が水溶性分散剤によって被覆されているとは、金属粒子表面に、水溶性分散剤が付着していればよく、例えば金属粒子表面全体が水溶性分散剤によって覆われていてもよく、金属粒子の表面のうち、一部の領域のみが水溶性分散剤によって覆われていてもよい。金属粒子が水溶性分散剤によって被覆されているか否かは、金属粒子が光輝性インクに含まれている状態では、金属粒子濃度を高めたときに凝集するか否かによって確認できる。また、光沢層中の金属粒子が水溶性分散材で被覆されているかを確認する場合には、NMRによる分析などにより確認することができる。
水溶性分散剤は、光沢層を形成するための光輝性インク中での金属粒子の分散性を高めたり、金属粒子を基材に定着させたりする機能を果たす。また、光沢層と第1保護層との密着性を高める機能も果たす。水溶性分散剤は、水に可溶な化合物であって、金属粒子に吸着または結合可能な構造と、水と親和するための構造(親水性の構造)とを有する化合物であれば特に限定されない。金属粒子に吸着または結合可能な構造の例には、通常、カルボキシル基やチオール基、アミノ基等が含まれる。また、親水性の構造の例には、カルボキシル基や酸無水物基等が含まれる。
水溶性分散剤は、低分子量の化合物であってもよいが、高分子量の化合物であることが好ましい。具体的には、平均分子量が1000以上100000以下である化合物が好ましく、2000以上50000以下である化合物がより好ましい。当該平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される値(スチレン換算)である。このような高分子量の水溶性分散剤は、親水性モノマーの単独重合体、親水性モノマーどうしの共重合体、または親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体等とすることができる。
親水性モノマーの例には不飽和多価カルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸やマレイン酸等)や無水マレイン酸等のカルボキシル基または酸無水物基を含有するモノマー;エチレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸エステルモノマー;等が含まれる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルの双方またはいずれか一方を意味する。
疎水性モノマーの例には、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン系モノマー;酢酸ビニルや酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマー;等が含まれる。
水溶性分散剤が共重合体である場合、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、およびくし型共重合体のいずれの構造であってもよい。中でも、金属粒子の光輝性インク中での分散性を高めるとの観点から、高分子分散剤は、くし型共重合体であることが好ましく、特にくし型ブロック共重合体であることが好ましい。
くし型ブロック共重合体とは、略直鎖上の主鎖と、当該主鎖にグラフト重合した別の種類のモノマーもしくはポリマー由来の側鎖と、を有する共重合体を意味する。くし型ブロック共重合体の好ましい例には、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含み、側鎖がポリアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合基等を含む長鎖ポリアルキレンオキサイド基)を含む共重合体が含まれる。このようなくし型ブロック共重合体で金属粒子を被覆すると、主鎖が金属粒子側、側鎖がその外側に配置される。そのため、光沢層を形成するための光輝性インク中で、側鎖どうしの立体障害によって、金属粒子が凝集し難く、光沢層に均一に金属粒子が配置されやすくなる。
ここで、上記水溶性分散剤の酸価は、1mgKOH/g以上80mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/g以上であると、光輝性インク中の溶媒(水系溶媒)と水溶性分散剤との親和性が高まりやすい。一方で、酸価が高すぎると、光沢層中で水溶性分散剤が膨潤しやすくなり、光沢層の耐久性が低下しやすくなるが、酸価が80mgKOH/g以下であれば膨潤し難く、光沢層の耐久性が維持されやすくなる。水溶性分散剤の酸価は、1mgKOH/g以上60mgKOH/g以下であることがより好ましく、2mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがさらに好ましく、3mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であることがさらに好ましく、5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
酸価は、JIS K 0070に準じて測定することができる。具体的には、フーリエ変換赤外分光光法(FT−IR)により、水溶性分散剤の構造や商品名等を特定し、同一の水溶性分散剤の酸価をJIS K 0070に準じて測定すればよい。なお、H−NMRやガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)によって水溶性分散剤の構造等を特定してもよい。
市販の水溶性分散剤の例には、ルーブリゾール社製のソルスパース24000、ソルスパース24000GR、ソルスパース32000、ソルスパース44000、およびソルスパース46000、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB822、アジスパーPB821、およびアジスパーPB711、ビックケミー社製のDISPERBYK−102、DISPERBYK−187、DISPERBYK−194N、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−199、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2150、およびDISPERBYK−2069(「DISPERBYK」はビックケミー社の登録商標)、楠本化成社製のディスパロンED152、ED−211、ED−212、ED−213、ED−214、およびED−251、楠本化成社製のPLAADシリーズ、BASF社製のEFKA 6220(「EFKA」はBASF社の登録商標)、ならびに共栄社化学社製のフローレンTG−750W等が含まれる。
水溶性分散剤の量は、光輝性インク中での金属粒子の分散性や、光沢層と基材および/または第1保護層との密着性を高める観点から、光沢層中の金属粒子の総量に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましい。
金属粒子を水溶性分散剤で被覆する方法としては、以下の方法が一例として挙げられる。ただし、当該方法に限定されない。まず、水、もしくは水と親水性溶媒とを含む溶媒(本明細書では、これらをまとめて「水系溶媒」とも称する)中に、水溶性分散剤を溶解させる。その後、当該溶液に、所望の金属を含む塩を分散させる。そして、還元剤をさらに加えて攪拌し、金属塩中の金属イオンを還元して金属粒子を析出させつつ、当該金属粒子を水溶性分散剤によって被覆する。
ここで、光沢層は定着樹脂をさらに含んでいてもよい。金属粒子の表面を被覆する水溶性分散剤と相互作用させて、金属粒子を基材により定着させるとの観点から、定着樹脂はアニオン性樹脂であることが好ましい。なお、アニオン性樹脂は、平均粒子径10nm以上200nm以下、好ましくは30nm以上100nm以下のエマルション由来の樹脂であることが好ましい。当該平均粒子径は、動的散乱法に基づく粒子径分布測定装置を使用して求めた体積平均粒子径である。
アニオン性樹脂は、水溶性分散剤との親和性が高い樹脂であることが好ましく、その例には、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(例えばポリ塩化ビニル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体)、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体(例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等)、および酢酸ビニル共重合体(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等)等が含まれる。光沢層の強度等を高める観点から、定着樹脂は、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体、または酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、ウレタン樹脂または(メタ)アクリル樹脂であることがより好ましく、ウレタン樹脂であることが特に好ましい。
光沢層中の定着樹脂の量は、金属粒子および水溶性分散剤の合計量に対して、0.01質量%以上0.2質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上0.15質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。定着樹脂の量が0.01質量%以上であると、金属粒子の基材に対する定着性が高まりやすい。一方で、定着樹脂の量が過度に多くなると、金属光沢性が損なわれることがあるが、0.1質量%以下であれば、金属光沢性に影響を及ぼし難い。
さらに、光沢層は界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類や、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類や、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類や第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;シリコーン系の界面活性剤;フッ素系の界面活性剤;が含まれる。
界面活性剤の含有量は、本発明の目的および効果を損なわない範囲であれば特に制限されず、基材の種類等に応じて適宜選択される。
ここで、光沢層の厚みは、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.5μmであることがより好ましい。光沢層の厚みが0.05μm以上であると、光輝性画像形成物の金属光沢性が十分に高まりやすい。一方で、光沢層の厚みが過度に厚いと、膜剥がれやクラック発生など品質欠陥となりやすい。
1−3.第1保護層
第1保護層は、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物の硬化物を含む層であり、上述の光沢層を腐食性ガス等から保護するための層である。また、上述のように、第1保護層は、第2保護層形成時に生じる応力を緩和し、光輝性画像形成物の反りを抑制する機能も果たす。第1保護層は、上述の光沢層を十分に保護するとの観点から、光沢層上に隙間無く形成されていることが好ましい。また、光沢層が形成されていない領域に、第1保護層が形成されていてもよい。なお、本明細書において、硬化物とは化学反応を経ずに得られる固化物も含む。つまり、水系樹脂組成物の硬化物には、水系樹脂組成物を単に固化させたものも含む。
本明細書において、水系樹脂組成物とは、水系溶媒に極性基含有樹脂を、分散または溶解させた組成物であり、当該水系樹脂組成物から水系溶媒を除去することにより固化可能な組成物である。したがって、水系樹脂組成物の硬化物、すなわち第1保護層は、極性含有樹脂を少なくとも含む。なお第1保護層は、必要に応じて界面活性剤や、後述の色材層が含む色材等を含んでいてもよい。
上記水系樹脂組成物は、乳化性や水溶性を有さない極性基含有樹脂を強制乳化させた組成物であってもよく、自己乳化性を有する極性基含有樹脂を乳化させた組成物であってもよい。また、水溶性を有する極性基含有樹脂を水性溶媒に溶解させた組成物であってもよい。第1保護層が、水系樹脂組成物の硬化物を含むか否かは、第1保護層を透過電子顕微鏡像(TEM像)で観察したり、第1保護層の組成を分析したりすることで確認できる。例えば、極性基含有樹脂を強制乳化または自己乳化させた水系樹脂組成物の硬化物には、粒界が確認される。そこで、透過電子顕微鏡により、粒界の有無を観察することで、水系樹脂組成物の硬化物の有無を確認することができる。また、水系樹脂組成物の硬化物は、通常重合開始剤を含まない。したがって、極性基含有樹脂を水系溶媒に溶解させた水系樹脂組成物の硬化物については、組成分析で、重合開始剤もしくはその残渣の有無を確認すること等によって、水系樹脂組成物の硬化物の有無を確認できる。
ここで、第1保護層が含む極性基含有樹脂は、極性基を有する樹脂であればよい。極性基の例には、カルボキシ基またはそのイオン、スルホン酸基またはそのイオン、ヒドロキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、メルカプト基、アミノ基、エーテル基、カルボニル基、イソシアナート基、ブロックイソシアナート基、ハロゲン原子等が含まれる。これらの基は、極性基含有樹脂の主鎖に含まれていてもよく、側鎖に含まれていてもよい。また、極性基含有樹脂は、一つのみ極性基を有していてもよく、複数有していてもよい。ただし、当該極性基が、上述の光沢層の水溶性分散剤と相互作用することで、光沢層と第1保護層との密着性が高まるとの観点から、極性基含有樹脂は、一分子中に複数の極性基を有することが好ましい。なお、極性基含有樹脂が極性基を複数含む場合、これらは同一の極性基であってもよく、異なる極性基であってもよい。極性基の有無やその種類は、フーリエ変換赤外分光光法(FT−IR)による分析等によって特定することができる。
極性基含有樹脂の具体例には、ウレタン樹脂、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(例えばポリ塩化ビニル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン重合体等)および(メタ)アクリル変性ポリエステル等が含まれる。第1保護層は、これらを一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
第1保護層は、これらの極性基含有樹脂を、第1保護層の総量に対して60質量%以上含むことが好ましく、70〜100質量%含むことがより好ましい。第1保護層が、これらの樹脂もしくはその硬化物が60質量%以上になると、第1保護層のガス透過性が低くなりやすく、長期間に亘って光沢層が変色等し難くなる。
上述のように、第1保護層は、極性含有樹脂以外に、界面活性剤等を含んでいてもよい。第1保護層が含む界面活性剤は、上述の光沢層が含む界面活性剤と同様とすることができる。
上述のように、第2保護層の成膜時には、硬化収縮が生じやすく、光沢層と第1保護層との密着性に影響を及ぼしたり、得られる光輝性画像形成物に反りが生じたりすることがある。そこで、第1保護層は、このような硬化収縮時にかかる応力を緩和することが可能な十分な厚みを有することが好ましく、具体的には500nm以上であることが好ましい。第1保護層の厚みが500nm以上であれば、第1保護層の平坦性が良好になりやすく、さらには欠陥等も生じ難い。そのため、上記応力を緩和しやすくなる。一方で、第1保護層の厚みが過度に厚いと、第1保護層の経時での着色が目立ちやすくなる。そこで、第1保護層は3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
水系樹脂組成物は硬化時(固化時)に収縮が起こりにくい特徴がある。光沢層上に配置される層のガス透過性を低下させるためには樹脂組成物からなる層を緻密にする必要がある。しかしながら、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む層を緻密にしようとすると、必然的に硬化収縮が大きくなる。硬化収縮が大きくなると、層間で剥離が生じやすくなったり、印刷後の印刷物の平坦性(カール)に影響を及ぼしたりする。このため、活性エネルギー硬化型樹脂組成物のみで樹脂組成物からなる層を作製しようとすると、ガス透過率と収縮率とにトレードオフがある。これに対し、本発明のように、収縮率の小さい水系樹脂組成物を第1保護層とすることで、ガスバリア性と収縮率を両立させることが可能となる。なお、樹脂のTgが高いほど、ガス透過性は低い傾向がある。
1−4.第2保護層
第2保護層は、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む層であり、上述の光沢層を溶剤等から保護するための層である。第2保護層は、上述の光沢層を十分に保護するとの観点から、光沢層上(第1保護層上)に隙間無く形成されていることが好ましい。また、光沢層が形成されていない領域に、第2保護層が形成されていてもよい。
本明細書において、活性エネルギー硬化型樹脂組成物とは、活性エネルギー重合性化合物と、重合開始剤とを少なくとも含み、活性エネルギーの照射によって硬化する組成物である。なお、本明細書でいう活性エネルギーとは、紫外光、可視光、赤外光、熱エネルギー等をいう。つまり、活性エネルギー硬化型樹脂組成物は、光硬化型樹脂組成物であってもよく、熱硬化型樹脂組成物であってもよい。ただし、第2保護層は、光輝性画像形成物の最表層とされることが多い。そのため、耐溶剤性の観点から、光硬化型樹脂組成物であることが好ましい。
第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含むか否かは、第2保護層の組成分析を行うことで確認できる。具体的には、第2保護層が、重合開始剤またはその残渣を含んでいれば、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含むといえる。
ここで、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物(第2保護層)は、活性エネルギー硬化型樹脂と、重合開始剤および/またはその残渣と、を少なくとも含む。なお、第2保護層は、その他の成分を含んでいてもよく、例えば後述の色材層が含む色材等を含んでいてもよい。光硬化型の活性エネルギー硬化型樹脂(以下、「光硬化型樹脂」とも称する)の例には、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、マレイン酸樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアルキド樹脂等が含まれる。これらの中でも(メタ)アクリル樹脂、が、第1保護層との密着性が良好になるとの観点で好ましい。第2保護層は、これらの樹脂を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
一方、熱硬化型の活性エネルギー硬化型樹脂(以下「熱硬化型樹脂」とも称する)の例には、シリコーン樹脂等が含まれる。第2保護層は、これらの樹脂を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
上記活性エネルギー硬化型樹脂が光硬化型もしくは熱硬化型のいずれである場合にも、活性エネルギー硬化型樹脂は、水酸基、第二級アミド結合、またはウレタン結合を含むことが好ましい。また特に、水酸基、第二級アミド結合、およびウレタン結合のうちいずれか1つ以上を有する単量体単位を、活性エネルギー硬化型樹脂を構成する単量体単位の総量に対して、3〜40質量%含むことがより好ましい。上記水酸基、第二級アミド結合、および/またはウレタン結合を有する単量体単位の割合は、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。活性エネルギー硬化型樹脂がこれらの基を含むと、第1保護層と第2保護層との密着性が良好になりやすい。上記単量体単位の含有量は、NMRにより特定することができる。
第2保護層は、活性エネルギー硬化型樹脂(光硬化型樹脂および/または熱硬化型樹脂)を本発明の効果および目的を損なわない範囲で含んでいればよい。第2保護層が活性エネルギー硬化型樹脂(光硬化型樹脂および/または熱硬化型樹脂)を十分に含むことで、耐溶剤性が高まりやすく、長期間に亘って光沢層が変色等し難くなる。
また、第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂と共に含む重合開始剤もしくはその残渣の種類は、活性エネルギー硬化型樹脂の種類に応じて定まる。例えば、光硬化型樹脂がラジカル重合性の官能基を有する場合、第2保護層は、ラジカル重合開始剤やその残渣を含む。一方、光硬化型樹脂がカチオン重合性の官能基を有する場合、第2保護層は、光酸発生剤やその残渣を含む。また活性エネルギー硬化型樹脂が熱硬化型樹脂である場合、第2保護層は、熱硬化剤や熱硬化促進剤、もしくはこれらの残渣を含む。
ラジカル重合開始剤には、開裂型ラジカル開始剤および水素引き抜き型ラジカル開始剤がある。開裂型ラジカル重合開始剤の例には、アセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン系の開始剤、アシルホスフィンオキシド系の開始剤、ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。水素引き抜き型ラジカル重合開始剤の例には、ベンゾフェノン系の開始剤、チオキサントン系の開始剤、アミノベンゾフェノン系の開始剤、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノンおよびカンファーキノン等が含まれる。
一方、光酸発生剤の例には、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ヨードニウム(4−メチルフェニル)(4−(2−メチルプロピル)フェニル)ヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、および3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が含まれる。
また、熱硬化剤や熱硬化促進剤の例には、アゾ系重合開始剤や光重合開始剤として使用するラジカル重合開始剤等が含まれる。
上記重合開始剤やその残渣の総量は、第2保護層の総量に対して通常0.01質量%以上10質量%以下程度とすることができる。
ここで、第2保護層の厚みは、5〜35μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。第2保護層の厚みが5μm以上であると、光輝性画像形成物の耐溶剤性が十分に高まりやすく、光沢層の変色等が生じ難くなる。一方で、第2保護層の厚みが35μm以下であると、ヘイズ等が生じ難く、高精細な光輝性画像形成物が得られやすい。また、カールや膜剥がれが起きにくくなる。
また特に、第1保護層と第2保護層との厚みの合計が50μm以下となるように、各層の厚みを調整することが好ましく、35μm以下とすることがより好ましい。第1保護層と第2保護層との厚みの合計が50μmを超えると、ヘイズ等が生じやすく、高精細な光輝性画像形成物が得られにくい。また、カールや膜剥がれが起きやすくなる。
1−5.プレコート層
上述のように、本発明の光輝性画像形成物は、基材と光沢層との間にプレコート層を有していてもよい。プレコート層は、光沢層の定着性を高めるための層であってもよく、基材の表面粗さを調整し、光輝性画像形成物の金属光沢性を調整するための層であってもよい。また、基材側から侵入する腐食性ガスを抑制するための層であってもよい。
プレコート層は、各種樹脂を含む層とすることができ、その樹脂の種類は、基材との密着性が良好であり、かつ光沢層を定着可能であれば特に制限されない。その例には(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアルキド樹脂等が含まれる。プレコート層は、これらの樹脂を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
プレコート層の厚みは、特に制限されず、光沢層の基材への密着性を十分に高める観点からは、0.05μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。なお、プレコート層の厚みは、均一であってもよいが、目的に合わせて、厚みが連続的もしくは段階的に変化していてもよい。
1−6.色材層
本発明の光輝性画像形成物は、画像形成物の色調を変化させて特定のメタリックカラーを発現させるための色材層を含んでいてもよい。当該色材層は、本発明の効果および目的を損なわなければ、いずれの位置に形成されてもよいが、通常第2保護層上に配置される。
色材層は、色材と、色材を定着させるための樹脂とを含む層とすることができる。上記色材を定着させるための樹脂は、プライマー層が含む樹脂と同様の樹脂とすることができる。色材層は、これらの樹脂を、一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
色材層が含む色材は、顔料または染料とすることができるが、耐候性の良好な画像を得る観点から、顔料であることが好ましい。顔料は、形成すべき画像の色彩等に応じて、公知の黄(イエロー)顔料、赤またはマゼンタ顔料、青またはシアン顔料および黒顔料等から選択することができる。
色材の含有量は、色材の種類等に応じて適宜選択されるが、色材層の総量に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましく、1〜3質量%であることがさらに好ましい。色材の量が過剰になると、色材層の光透過性が低くなり、光沢層由来の金属光沢性が得られ難くなるが、上記範囲であれば、影響を及ぼし難い。
色材層は、上記顔料と共に分散剤を含んでいてもよい。分散剤は、顔料の分散性を高めて発色を十分にするために用いることができる。分散剤の例には、公知の水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。
分散剤の含有量は、顔料の総量に対して20質量%以上70質量%以下とすることができる。
色材層の厚みは特に制限されないが、通常1μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。色材層の厚みが当該範囲であると、光透過性が良好になり、光沢層由来の金属光沢性が発現しやすい。
2.画像形成方法
前述の光輝性画像形成物は、1)基材上に水溶性分散剤で被覆された金属粒子を含む光輝性インクを塗布して光沢層を形成する工程と、2)光沢層上に極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物を塗布して第1保護層を形成する工程と、3)第1保護層上に、活性エネルギー重合性化合物および重合開始剤を含む活性エネルギー硬化型樹脂組成物を塗布し、第2保護層を形成する工程と、を含む方法とすることができる。また、必要に応じて、1)光沢層形成工程前に、プレコート層の形成工程を行ってもよく、3)第2保護層形成工程後に色材層形成工程を行ってもよい。
2−1.光沢層形成工程
本工程では、基材上に水溶性分散剤で被覆された金属粒子を含む光輝性インクを塗布し、光沢層を形成する。光輝性インクの塗布方法は特に制限されず、ロールコート法や、スピンコート法、スプレー塗布法、浸漬法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等、いずれの方法であってもよい。これらの中でも所望の形状に高精細な光沢層を形成しやすいとの観点から、インクジェット法であることが好ましい。
ここで、光輝性インクは、上述の水溶性分散剤で被覆された金属粒子と、水系溶媒と、必要に応じて上述の定着樹脂や上述の界面活性剤等とを含むインクとすることができる。
光輝性インク中の金属粒子の量は、金属粒子の種類に応じて適宜選択される。例えば、金属粒子がAgである場合、光輝性インクの総量に対して1〜35質量%であることが好ましく、1.5〜30質量%であることがより好ましい。金属粒子の量が1質量%以上であると、得られる光輝性画像形成物の金属光沢性が良好になりやすい。一方で、金属粒子の量が35質量%以下であると、光輝性インクの粘度等が良好となりやすく、インクジェットヘッドからの吐出性が損なわれにくくなる。他の金属粒子を用いる場合は上記Agの含有量と比重を考慮して、同等の体積%になる量とすることが好ましい。
光輝性インクが含む水系溶媒は、水、もしくは水と親水性溶媒との混合物であればよい。水系溶媒が含む水の量は、水系溶媒の総量に対して20〜80質量%以上であることが好ましく、30〜70質量であることがより好ましい。水の量が当該範囲であると、水溶性分散剤に被覆された金属粒子が均一に分散されやすく、さらに光輝性インクの粘度が適度な範囲となりやすい。
上記親水性溶媒は、水と相溶可能な溶媒であれば特に制限されず、その例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の一価のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の複素環化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;が含まれる。水系溶媒は、これらを一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
光輝性インクが含む水系溶媒の量は、光輝性インクの塗布方法に合わせて適宜選択される。例えば、インクジェット法により光輝性インクを塗布する場合、インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点から、光輝性インクの粘度が、25℃、B型粘度計で測定したときに1cP以上100cP未満となる量であることが好ましい。光輝性インクの上記粘度は、1cP以上50cP以下であることがより好ましく、1cP以上15cP以下であることがさらに好ましい。
また、上記光輝性インクを基材上に塗布した後、塗膜を乾燥させる(水系溶媒を除去する)ことが好ましい。塗膜の乾燥は、常温で行ってもよいが、加熱することで、乾燥時間を短縮することができる。特に光輝性インクにエマルション樹脂粒子(上述の定着樹脂)が含まれる場合には、加熱によってエマルション樹脂粒子どうしを熱融着させることが好ましい。
インクの加熱温度は、エマルション樹脂粒子が熱融着しうる温度であればよく、エマルション樹脂粒子のガラス転移温度以上とすることが好ましい。具体的には、加熱温度は、例えば40℃以上とすることが好ましく、上限温度は、基材とエマルション樹脂粒子の耐熱温度以下である必要がある。
2−2.第1保護層形成工程
本工程では、光沢層上に、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物(本明細書では、「第1保護層用インク」とも称する)を塗布して第1保護層を形成する。
水系樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、ロールコート法や、スピンコート法、スプレー塗布法、浸漬法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等、いずれの方法であってもよい。これらの中でも所望の領域に第1保護層を形成しやすいとの観点から、インクジェット法であることが好ましい。
ここで、水系樹脂組成物は、上述の極性基含有樹脂と、水系溶媒と、必要に応じて上述の界面活性剤等とを含む組成物とすることができる。水系樹脂組成物が含む水系溶媒は、上述の光輝性インクが含む水系溶媒と同様とすることができる。
水系樹脂組成物中の水系溶媒の量は、水系樹脂組成物の塗布方法に合わせて適宜選択される。例えば、インクジェット法により水系樹脂組成物を塗布する場合、インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点から、水系樹脂組成物の粘度が、25℃、B型粘度計で測定したときに1cP以上100cP未満となる量であることが好ましい。水系樹脂組成物の上記粘度は、1cP以上50cP以下であることがより好ましく、1cP以上15cP以下であることがさらに好ましい。
また、水系樹脂組成物を光沢層上に塗布した後、塗膜を乾燥させる(水系溶媒を除去する)ことが好ましい。塗膜の乾燥は、常温で行ってもよいが、加熱することで、乾燥時間を短縮することができる。また、水系樹脂組成物内で、極性基含有樹脂がエマルション樹脂粒子となっている場合、加熱によってエマルション樹脂粒子どうしを熱融着させることが好ましい。
このとき塗膜の加熱温度は、エマルション樹脂粒子が熱融着しうる温度であればよく、エマルション樹脂粒子のガラス転移温度以上とすることが好ましい。具体的には、加熱温度は、例えば40℃以上とすることが好ましく、上限温度は、基材や光沢層の耐熱温度以下であり、さらにはマルション樹脂粒子の耐熱温度以下である必要がある。
2−3.第2保護層形成工程
本工程では、第1保護層上に、活性エネルギー重合性化合物および重合開始剤を含む活性エネルギー硬化型樹脂組成物(本明細書では、「第2保護層用インク」とも称する)を塗布し、第2保護層を形成する。
活性エネルギー硬化型樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、ロールコート法や、スピンコート法、スプレー塗布法、浸漬法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等、いずれの方法であってもよい。これらの中でも所望の領域に第2保護層を形成しやすいとの観点から、インクジェット法であることが好ましい。
ここで、活性エネルギー硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー重合性化合物(上述の活性エネルギー硬化型樹脂の前駆体)と、上述の重合開始剤と、必要に応じて各種添加剤とを含むインクとすることができる。
活性エネルギー重合性化合物は、活性エネルギーの照射によって重合または架橋反応する化合物であればよい。活性エネルギー重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー、あるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。
活性エネルギー重合性化合物が光硬化型である場合、その例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。
ラジカル重合性化合物は、水酸基、第二級アミド結合、およびウレタン結合からなる群から選ばれる一種以上の構造を有することが好ましい。ただし、これらの基を含まないラジカル重合性化合物と組み合わせて用いてもよい。なお、活性エネルギー硬化型樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物を一種のみ含んでいてもよく、二種類以上含んでいてもよい。
第二級アミド基を有する光重合性化合物は、−C(=O)−NH−Rで表される構造を有する(ただし、RはHではない)光重合性化合物であり、その他の構造は特に制限されない。
第二級アミド基を有する光重合性化合物の例には、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が含まれる。
ウレタン結合を有する光重合性化合物は、光重合性化合物がウレタン結合を有していれば特に制限されない。
ウレタン結合を有する光重合性化合物の例には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ポリエステル系ウレタンモノマー、ポリエーテル系ウレタンモノマー、ポリカーボネート系ウレタンモノマーが含まれる。
水酸基を有する光重合性化合物は、光重合性化合物が水酸基を有していれば特に制限されない。なお、本明細書において、光重合性化合物が水酸基を有する場合の水酸基には、カルボキシル基は含まないものとする。
水酸基を有する光重合性化合物の例には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが含まれる。
これらの中でも、水酸基を有する光重合性化合物が、第1保護層との密着性との観点でより好ましい。
また、水酸基、第二級アミド結合、およびウレタン結合を有するラジカル重合性化合物と組み合わせ可能なラジカル重合性化合物の例には、(メタ)アクリレートが含まれ、(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等を含む単官能の(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびトリシクロデカンジメタノールジアクリレート等を含む2官能のアクリレート;ならびに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、およびグリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等を含む3官能以上のアクリレート;等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物である(メタ)アクリレートの例には、トリエチレンエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等を含むエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;トリプロピレンエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等を含むエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等を含むカプロラクトン変性(メタ)アクリレート;ならびにカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を含むカプロラクタム変性(メタ)アクリレート;等が含まれる。
なお、上記(メタ)アクリレートは、重合性オリゴマーであってもよい。重合性オリゴマーである(メタ)アクリレートの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
一方、カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物が含まれる。活性エネルギー硬化型樹脂組成物は、カチオン重合性化合物を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
ビニルエーテル化合物の例には、ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよびアダマンチルビニルエーテル等を含む単官能のビニルエーテル化合物;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ブチレンジビニルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、イソバイニルジビニルエーテル、ジビニルレゾルシンおよびジビニルハイドロキノン等を含む2官能のビニルエーテル化合物;ならびに、グリセリントリビニルエーテル、グリセリンエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリビニルエーテルエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数3)、ペンタエリスリトールトリビニルエーテルおよびジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテル等ならびにこれらのオキシエチレン付加物等を含む3官能以上のビニルエーテル化合物;等が含まれる。
エポキシ化合物の例には、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェノール(ポリエチレンオキシ)5−グリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ラウリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンおよびノルボルネンオキシド等を含む単官能のエポキシ化合物;1,2:8,9ジエポキシリモネン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルおよび1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等を含む2官能のエポキシ化合物;ならびに、ポリグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルおよびペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等を含む3官能以上のエポキシ化合物;等が含まれる。
オキセタン化合物の例には、2−(3−オキセタニル)−1−ブタノール、3−(2−(2−エチルヘキシルオキシエチル))−3−エチルオキセタンおよび3−(2−フェノキシエチル)−3−エチルオキセタン等を含む単官能のオキセタン化合物;ならびに、キシリレンビスオキセタン、および3,3’−(オキシビスメチレン)ビス(3‐エチルオキセタン)等を含む多官能のオキセタン化合物;等が含まれる。
一方、活性エネルギー重合性化合物が熱硬化型である場合、その例には、シリコーン樹脂前駆体等が含まれる。
活性エネルギー重合性化合物の含有量は、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の総量に対して50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
また、活性エネルギー硬化型樹脂組成物をインクジェット法により塗布する場合、インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点からは、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の粘度が、25℃、B型粘度計で測定したときに1cP以上100cP未満となる量であることが好ましい。活性エネルギー硬化型樹脂組成物の上記粘度は、1cP以上50cP以下であることがより好ましく、1cP以上15cP以下であることがさらに好ましい。活性エネルギー硬化型樹脂組成物の粘度は、活性エネルギー重合性化合物の種類等によって適宜調整することができる。加熱可能なインクジェットヘッドを用いる場合は、当該インクジェットから吐出する際の温度において、好適な粘度範囲となるようであれば、25℃における粘度は、上記範囲に収まらなくてもよい。
また、活性エネルギー硬化型樹脂組成物を所望の領域に塗布した後、塗膜に活性エネルギーを付与する。例えば、活性エネルギー硬化型樹脂組成物が光硬化型である場合、紫外線LEDからの紫外線を照射することが好ましい。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプなどが知られているが、紫外線LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によって第2保護層や他の層の熱溶融を抑制できる。活性エネルギー硬化型樹脂組成物を適切に硬化させる観点からは、紫外線LEDのピーク波長は、385nm以上400nm以下であることが好ましい。紫外線LEDを有する光源の例には、Phoseon Technology社製の水冷式の紫外線照射ユニット(ピーク波長:395nm)が含まれる。
紫外線の照射条件は、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の組成等に応じて適宜設定され、例えば、活性エネルギー硬化型樹脂組成物表面における最高照度を、0.5W/cm以上10.0W/cm以下とすることができる。
一方、活性エネルギー硬化型樹脂組成物が熱硬化型である場合、第2保護層をヒータやオーブン等により加熱し、塗膜を硬化させる。加熱温度は、熱硬化型樹脂を十分に硬化させることが可能な温度であればよく、例えば40℃以上とすることができる。一方、上限値は、基材や光沢層、第1保護層等に影響を与えない温度であればよく、特に制限されない。
2−4.プレコート層形成工程
上述のように、光沢層形成工程前に、基材上にプレコート層を形成する工程を行ってもよい。
プレコート層は、樹脂と、溶媒とを含むプレコート剤を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。また、活性エネルギー重合型化合物と、重合開始剤とを含むプレコート剤を塗布し、塗膜に活性エネルギーを照射させることにより形成してもよい。
プレコート剤の塗布方法は特に制限されず、ロールコート法や、スピンコート法、スプレー塗布法、浸漬法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等、いずれの方法であってもよい。これらの中でも、基材の表面粗さを細かく制御したりする場合には、スクリーン印刷法やインクジェット法であることが好ましく、特にインクジェット法であることが好ましい。また、プレコート剤の塗布後、塗膜を硬化もしくは乾燥させる方法は、プレコート剤の種類に応じて適宜選択され、例えば加熱したり、活性エネルギーを照射する方法とすることができる。
2−5.色材層形成工程
また、第2保護層形成後に、第2保護層上に色材層を形成する工程を行ってもよい。
色材層は、樹脂と、色材と、溶媒とを含む着色剤を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。また、活性エネルギー重合性化合物と、重合開始剤と、色材とを含む着色剤を塗布し、塗膜に活性エネルギーを照射することにより形成してもよい。
着色剤の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法や、スピンコート法、スプレー塗布法、浸漬法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等、いずれの方法であってもよい。これらの中でも、色材層を高精細に形成する場合には、スクリーン印刷法やインクジェット法であることが好ましく、特にインクジェット法であることが好ましい。また、着色剤の塗布後、塗膜を硬化もしくは乾燥させる方法は、着色剤の種類に応じて適宜選択され、例えば加熱したり、活性エネルギーを照射する方法とすることができる。
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.光輝性インクの調製
1−1.銀ナノ粒子分散液の調製
平板状の撹拌翼と邪魔板とを有する、1Lのセパラブルフラスコに、8.4gのDISPERBYK−190(ビックケミージャパン社製、水溶性分散剤)と、269gのイオン交換水とを投入し、撹拌を行ってイオン交換水に水溶性分散剤を溶解させた。続いて、上記セパラブルフラスコに、269gのイオン交換水に溶解させた70gの硝酸銀を攪拌しながら投入した。さらに、70gのアンモニア水を添加して撹拌を行い、その後、上記セパラブルフラスコをウォーターバスに入れ、溶液の温度が80℃に安定するまで加熱撹拌した。その後、183gのジメチルアミノエタノールをセパラブルフラスコに添加し、更に80℃に保ちながら3時間攪拌を続け、水溶性分散剤によって被覆された平均粒子系が43nmである銀ナノ粒子を含む溶液を得た。
得られた溶液をステンレスカップに入れて、さらに2Lのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼働して限外濾過を行った。ステンレスカップ内の溶液が減少したら、再びイオン交換水を入れて、ろ液の伝導度が100μS/cm以下になるまで精製を繰り返し行った。その後、ろ液を濃縮して、固形分30wt%の銀ナノ粒子分散液を得た。
なお、限外濾過装置は、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成株式会社製、分画分子量:50000、使用膜本数:400本)、チューブポンプ(Masterflex社製)をタイゴンチューブでつないだものを使用した。
1−2.光輝性インクの調製
(光輝性インク1)
以下の成分を以下の組成で混合して、光輝性インク1を得た。
・銀ナノ粒子分散液 14質量部
・SF210(第一工業製薬社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分35質量%) 1.1質量部(固形分量)
・F477(DIC社製、界面活性剤 0.1質量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 35質量部
・プロピレングリコール 10質量部
・水 40質量部
(光輝性インク2)
SF210をWPB−341(三井化学社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分30質量%)に変更した以外は、光輝性インク1と同様にして、光輝性インク2を得た。
(光輝性インク3)
SF210を添加しない以外は、光輝性インク1と同様にして、光輝性インク3を得た。
2.第1保護層用インクの調製
(第1保護層用インク1)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第1保護層用インク1を調製した
・SF210(第一工業製薬社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分35質量%) 43質量部(固形分量)
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル 25質量部
・プロピレングリコール 10質量部
・水 22質量部
(第1保護層用インク2)
SF210をWPB−341(三井化学社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分30質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク2を調製した。
(第1保護層用インク3)
SF210をUWS−145(三洋化成社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分36質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク3を調製した。
(第1保護層用インク4)
SF210をMD1500(東洋紡社製、ポリエステルエマルション、固形分30質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク4を調製した。
(第1保護層用インク5)
SF210をDRL5118(旭化成ケミカルズ社製、アクリル樹脂エマルション、固形分38質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク5を調製した。
(第1保護層用インク6)
SF210をSE841E(大成ファインケミカル社製、アクリル樹脂エマルション、固形分40質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク6を調製した。
(第1保護層用インク7)
SF210をWS4000(三井化学社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分30質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク7を調製した。
(第1保護層用インク8)
SF210をKA5701S(ユニチカ社製、ポリエステルエマルション、固形分質量%)30質量部に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク8を調製した。
(第1保護層用インク9)
SF210をL549B(旭化成ケミカルズ社製、ポリ塩化ビニリデンエマルション、固形分48質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク9を調製した。
(第1保護層用インク10)
SF210をA647GEX(高松油脂社製、アクリル変性ポリエステルエマルション、固形分20質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク10を調製した。
(第1保護層用インク11)
SF210をザイクセンA(住友精化社製、ポリオレフィンエマルション、固形分25質量%)に変更した以外は、第1保護層用インク1と同様にして、第1保護層用インク11を調製した。
3.第2保護層用インクの調製
(第2保護層用インク1)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第2保護層用インク1を調製した
・APG−200(新中村化学社製、トリプロピレングリコールジアクリレート) 67.9質量部
・A−BPE−4(新中村化学社製、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート) 29質量部
・BYK−307(ビッグケミー社製) 0.1質量部
・DAROCUR TPO(BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド) 3質量部
(第2保護層用インク2)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第2保護層用インク2を調製した
・ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(新中村化学社製、A−400) 34重量部
・4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SARTOMER社製、SR494) 23重量部
・6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SARTOMER社製、SR499) 31重量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(BASF社製、DAROCUR TPO) 7重量部
・p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製、KayacureEPA) 2重量部
・KF−352(信越化学社製) 0.1重量部
(第2保護層用インク3)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第2保護層用インク3を調製した
・UA−306H(共栄社化学社製 ウレタン結合を有する光重合性化合物):ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー 20質量部
・TPGDA(ダイセル・オルネクス社製):トリプロピレングリコールジアクリレート 76.9質量部
・BYK−307(ビッグケミー社製 界面活性剤) 0.1質量部
・ IRGACURE819(BASF社製 活性光線硬化型インクの重合開始剤):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド 3質量部
(第2保護層用インク4)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第2保護層用インク4を調製した
・NBMA(MCCユニテック社製 第二級アミド基を有する光重合性化合物):N−n−ブトキシメチルアクリルアミド 30質量部
・TPGDA(ダイセル・オルネクス社製):トリプロピレングリコールジアクリレート 66.9質量部
・BYK−307(ビッグケミー社製 界面活性剤) 0.1質量部
・ IRGACURE819(BASF社製 活性光線硬化型インクの重合開始剤):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド 3質量部
(第2保護層用インク5)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第2保護層用インク5を調製した
・HEAA(KJケミカルズ社製 水酸基を有する光重合性化合物):ヒドロキシエチルアクリルアミド 5質量部
・ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(新中村化学社製、A−400) 31重量部
・4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SARTOMER社製、SR494) 21重量部
・6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SARTOMER社製、SR499) 31重量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(BASF社製、DAROCUR TPO) 7重量部
・p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製、KayacureEPA) 2重量部
・KF−352(信越化学社製) 0.1重量部
・ IRGACURE819(BASF社製 活性光線硬化型インクの重合開始剤):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド 3質量部
(第2保護層用インク6)
以下の成分を、以下の組成で混合し、第2保護層用インク6を調製した
・HEAA(KJケミカルズ社製 水酸基を有する光重合性化合物):ヒドロキシエチルアクリルアミド 5質量部
・A−TMM−3L(新中村化学工業社製 水酸基を有する光重合性化合物):ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル55%) 25質量部
・DPGDA(ダイセル・オルネクス社製):ジプロピレングリコールジアクリレート(Tg:110℃) 20質量部
・TPGDA(ダイセル・オルネクス社製):トリプロピレングリコールジアクリレート 41.9質量部
・BYK−307(ビッグケミー社製 界面活性剤) 0.1質量部
・ IRGACURE819(BASF社製 活性光線硬化型インクの重合開始剤):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド 3質量部
4.画像形成
基材(コート紙:ラミーコーポレーション製、WRG3−36)に、上述の光輝性インク、第1保護層用インク、および第2保護層用インクを用い、表1に示す組み合わせでそれぞれ以下の条件で画像形成を行った。
(画像形成条件)
ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、上述の基材上に各層を形成した。インクジェット記録装置は、インクタンク、インク供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、およびピエゾ型のインクジェットヘッドを、インクが流通する上流側から下流側に向けて、この順で有するものを用いた。インクジェットヘッドはインク液滴(吐出)量7plのものを用い、印字速度0.5m/sec、射出周波数10.5kHzの条件で駆動して、インクの液滴を1回から複数回吐出して着弾させた。光沢層および第1保護層については着弾後、60℃で10分ほど乾燥させて各層を得た。また、第2保護層については、着弾後、Phoseon Technology社製水冷ユニット付きのLEDランプから紫外線(395nm、8W/cm)を照射し、第2保護層を得た。ランプから着弾した第2保護層用インクの表面までの距離は20mmとした。
5.評価
各実施例および比較例で作製した光輝性画像形成物に対し、以下の評価を行った。
5−1.密着性
各光輝性画像形成物に対し、JIS K5600−5−6 付着性(クロスカット試験)に準じて、クロスカット試験を実施した。そして、クロスカット試験により剥離したマスの数(100マス中)を以下の基準で評価した。D以上が実用上問題ないレベルである。
A:剥離数0
B:剥離数1〜5
C:剥離数6〜15
D:剥離数16〜20
E:剥離数21〜100
5−2.耐溶剤性
各光輝性画像形成物の表面を、酢酸エチルを付着させた綿棒で擦った。その後、各光輝性画像形成物の状態を観察し、酢酸エチル付着前と変化があったか、以下のように評価した。Aが実用上問題ないレベルである。
A:変化なし
B:保護層(第1保護層および/または第2保護層)に剥がれが生じた、画像に白濁が生じた、もしくは画像に擦り傷が発生した
5−3.硫化試験色味変化
光輝性画像形成物を、硫黄粉末を入れた密閉容器に入れて80℃19時間加熱した。当該試験前後に、分光光度計により色差ΔEを測定し、これらの変化を評価した。B以上が実用上問題ないレベルである。
A:ΔE=3未満
B:ΔE=3以上5未満
C:ΔE=5以上
5−4.光沢色味変化
各光輝性画像形成物について、メタルハライドランプ式耐候性試験機にて、400W/mにて100時間で試験を行った。当該試験前後に、分光光度計により色差ΔEを測定し、これらの変化を評価した。B以上が実用上問題ないレベルである。
A:ΔE=3未満
B:ΔE=3以上5未満
C:ΔE=5以上
Figure 2020089987
Figure 2020089987
6.結果
上記表1および表2に示されるように、第1保護層を有さない光輝性画像形成物(比較例1)では、光沢層と第1保護層との密着性が低かった。さらに当該光輝性画像形成物では、耐ガス透過性が十分でなく、硫化試験によって光沢層の色が変化しやすかった。また、第1保護層中の樹脂が、水系樹脂化合物の硬化物を含まない場合(比較例5)や、極性基含有樹脂を含まない水系樹脂化合物の硬化物である場合(比較例3)も同様に、光沢層と第1保護層との密着性が低く、さらには硫化試験によって光沢層の色が変化しやすかった。
一方、第2保護層を有さない光輝性画像形成物(比較例2)では、耐溶剤性が低かった。また比較例2では、第1保護層の厚みが過度に厚いことから、経時での第1保護層の着色が目立ちやすかった。一方、第2保護層が活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含まない場合にも、十分な耐溶剤性が得られなかった(比較例4)。
これらに対し、第1保護層が、極性基含有樹脂を含む水系樹脂化合物の硬化物を含み、第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む場合(実施例1〜40)には、第1保護層と光沢層との密着性が良好であり、さらには耐溶剤性や耐ガス透過性(硫化試験色味変化)も良好であった。さらに、耐候性も良好であった。したがって、当該光輝性画像形成物によれば、長期間に亘って、変色等がなく、所望の金属光沢性を維持できるといえる。
本発明の光輝性画像形成物は、経時での金属光沢性の低下や変色が少ない。したがって、本発明は、光輝性を有する記録物の適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。

Claims (7)

  1. 基材と、光沢層と、第1保護層と、第2保護層と、がこの順に積層されており、
    前記光沢層が、水溶性分散剤で被覆された金属粒子を含み、
    前記第1保護層が、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物の硬化物を含み、
    前記第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂組成物の硬化物を含む、
    光輝性画像形成物。
  2. 前記第2保護層が、活性エネルギー硬化型樹脂と、重合開始剤および/またはその残渣と、を含み、
    前記活性エネルギー硬化型樹脂は、水酸基、第二級アミド結合、およびウレタン結合からなる群から選ばれる一種以上の構造を有する単量体単位を、前記活性エネルギー硬化型樹脂を構成する単量体単位の総量に対して、3〜40質量%含む、
    請求項1に記載の光輝性画像形成物。
  3. 前記第1保護層の厚みが500nm〜3μmである、
    請求項1または2に記載の光輝性画像形成物。
  4. 前記第1保護層および前記第2保護層の厚みの合計が50μm以下である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の光輝性画像形成物。
  5. 前記光沢層が定着樹脂をさらに含む、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の光輝性画像形成物。
  6. 前記極性基含有樹脂が、ウレタン樹脂、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、および(メタ)アクリル変性ポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の光輝性画像形成物。
  7. 基材上に、水溶性分散剤で被覆された金属粒子を含む光輝性インクを塗布し、光沢層を形成する工程と、
    前記光沢層上に、極性基含有樹脂を含む水系樹脂組成物を塗布し、第1保護層を形成する工程と、
    前記第1保護層上に、活性エネルギー重合性化合物および重合開始剤を含む活性エネルギー硬化型樹脂組成物を塗布し、第2保護層を形成する工程と、
    を含む、光輝性画像形成物の製造方法。
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