JP2020088315A - プリント回路板、電子機器、および熱伝導シート - Google Patents

プリント回路板、電子機器、および熱伝導シート Download PDF

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正明 伊藤
Masaaki Ito
正明 伊藤
俊之 大森
Toshiyuki Omori
俊之 大森
松崎 徹
Toru Matsuzaki
徹 松崎
川口 康弘
Yasuhiro Kawaguchi
康弘 川口
政宏 齋藤
Masahiro Saito
政宏 齋藤
堅祐 三ツ矢
Kensuke Mitsuya
堅祐 三ツ矢
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Abstract

【課題】シールドケース等によって電子素子全体を囲むことで不要輻射ノイズを遮蔽する場合、プリント回路板の部品点数が増加する、プリント回路板が大型化する等の問題があった。【解決手段】本発明のプリント回路板の一つの態様は、第1の側を向く実装面を有するプリント配線板と、実装面に設けられた電子素子と、電子素子に対して第1の側に配置され、電子素子に対して熱的に接続された放熱部材と、電子素子と放熱部材との間に配置された第1被覆部および電子素子の周囲を囲む第2被覆部を有する熱伝導部材と、を備え、第1被覆部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きく、8.0以下であり、第2被覆部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きく、第2被覆部は、実装面と接続されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、プリント回路板、電子機器、および熱伝導シートに関する。
例えば、特許文献1に示すように、プリント基板に設けられたICに対して放熱用金属板が取り付けられた電子機器ユニットが知られている。
特開平9−17921号公報 特開平7−14950号公報 特開平11−307974号公報
上記のような電子機器ユニット(プリント回路板)において、放熱用金属板(放熱部材)とIC(電子素子)との間に、例えば、特許文献2に示すような放熱シート等の熱伝導部材を設ける場合がある。しかし、このような熱伝導部材を設けると、ICを不要輻射源として電子機器ユニットから放出される不要輻射ノイズ(電磁ノイズ)が増大する問題があった。この問題に対して、例えば、特許文献3に示すように、シールドケースによってIC全体を囲むことで、不要輻射ノイズを遮蔽することが考えられる。しかし、この場合には、電子機器ユニットの部品点数が増加する、電子機器ユニットが大型化する等の問題があった。
本発明のプリント回路板の一つの態様は、第1の側を向く実装面を有するプリント配線板と、前記実装面に設けられた電子素子と、前記電子素子に対して前記第1の側に配置され、前記電子素子に対して熱的に接続された放熱部材と、前記電子素子と前記放熱部材との間に配置された第1被覆部および前記電子素子の周囲を囲む第2被覆部を有する熱伝導部材と、を備え、前記第1被覆部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きく、8.0以下であり、前記第2被覆部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きく、前記第2被覆部は、前記実装面と接続されていることを特徴とする。
前記熱伝導部材における前記第1の側に対して逆側の第2の側の面には、前記第1の側に向かって窪む凹部が形成され、前記凹部の内部には、前記電子素子が配置されている構成としてもよい。
前記第2被覆部の比誘電率は、8.0以下である構成としてもよい。
前記第2被覆部の比誘電率は、前記第1被覆部の比誘電率よりも大きい構成としてもよい。
前記熱伝導部材は、シート状である構成としてもよい。
前記熱伝導部材は、シート状であり、前記第2被覆部は、前記第1被覆部の外周縁部から前記実装面に向かって折り曲げられて構成されていてもよい。
前記第2被覆部と前記実装面との隙間を塞ぎ前記第2被覆部と前記実装面とを接着する接着部をさらに備え、前記接着部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きい構成としてもよい。
本発明の電子機器の一つの態様は、上記のプリント回路板を備えることを特徴とする。
本発明の熱伝導シートの一つの態様は、シート状の熱伝導シートであって、比誘電率が空気よりも大きく、8.0以下の第1被覆部と、枠状であり、比誘電率が第1被覆部よりも大きい第2被覆部と、を備え、前記第1被覆部と前記第2被覆部とは、前記熱伝導シートの厚さ方向に重ねて配置されていることを特徴とする。
第1実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。 第1実施形態のプリント回路板を示す断面図である。 第1実施形態の熱伝導部材を下側から見た平面図である。 第2実施形態のプリント回路板を示す断面図である。 第3実施形態のプリント回路板を示す断面図である。 第3実施形態の熱伝導部材を下側から見た平面図である。 熱伝導部材の製造方法の一例を示す断面図である。 各サンプルにおける不要輻射ノイズのうち水平偏波の測定結果を示すグラフである。 各サンプルにおける不要輻射ノイズのうち垂直偏波の測定結果を示すグラフである。 比較形態のプリント回路板を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプリント回路板、およびプリント回路板を備える電子機器について説明する。以下の実施形態では、電子機器としてプロジェクターを例に挙げて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター(電子機器)1を示す概略構成図である。
本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上にカラー画像を投射する投射型画像表示装置である。図1に示すように、プロジェクター1は、光源装置2と、均一照明光学系40と、色分離光学系3と、光変調装置4Rと、光変調装置4Gと、光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学装置6と、制御装置50と、を備えている。光源装置2は、照明光WLを均一照明光学系40に向けて射出する。
均一照明光学系40は、インテグレーター光学系31と、偏光変換素子32と、重畳光学系33と、を備えている。インテグレーター光学系31は、第1レンズアレイ31aと、第2レンズアレイ31bと、を備えている。均一照明光学系40は、光源装置2から射出された照明光WLの強度分布を、被照明領域である光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bのそれぞれにおいて均一化する。均一照明光学系40から射出された照明光WLは、色分離光学系3へ入射する。
色分離光学系3は、白色の照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1ダイクロイックミラー7aと、第2ダイクロイックミラー7bと、第1反射ミラー8aと、第2反射ミラー8bと、第3反射ミラー8cと、第1リレーレンズ9aと、第2リレーレンズ9bと、を備えている。
第1ダイクロイックミラー7aは、光源装置2からの照明光WLを赤色光LRと、その他の光(緑色光LGおよび青色光LB)とに分離する。第1ダイクロイックミラー7aは、分離された赤色光LRを透過させると共に、その他の光(緑色光LGおよび青色光LB)を反射する。一方、第2ダイクロイックミラー7bは、その他の光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2ダイクロイックミラー7bは、分離された緑色光LGを反射し、青色光LBを透過させる。
第1反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1ダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。一方、第2反射ミラー8bおよび第3反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2ダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに向けて反射する。また、緑色光LGは、第2ダイクロイックミラー7bによって光変調装置4Gに向けて反射される。
第1リレーレンズ9aおよび第2リレーレンズ9bは、青色光LBの光路中における第2ダイクロイックミラー7bの光射出側に配置されている。第1リレーレンズ9aおよび第2リレーレンズ9bは、青色光LBの光路長が赤色光LRの光路長および緑色光LGの光路長よりも長いことに起因した青色光LBの照明分布の違いを修正する。
光変調装置4Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色光LRに対応した画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色光LGに対応した画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色光LBに対応した画像光を形成する。
光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bには、例えば透過型の液晶パネルが用いられている。また、液晶パネルの入射側および射出側には、偏光板(図示せず)がそれぞれ配置され、特定の方向の直線偏光のみを通過させる構成となっている。
光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの入射側には、それぞれフィールドレンズ10R、フィールドレンズ10G、フィールドレンズ10Bが配置されている。フィールドレンズ10R、フィールドレンズ10G、およびフィールドレンズ10Bは、それぞれの光変調装置4R、光変調装置4G、光変調装置4Bに入射する赤色光LR、緑色光LG、青色光LBの主光線を平行化する。
合成光学系5は、光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bから射出された画像光が入射することにより、赤色光LR,緑色光LG,青色光LBに対応した画像光を合成し、合成された画像光を投射光学装置6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられる。
投射光学装置6は、複数の投射レンズから構成されている。投射光学装置6は、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上に画像が表示される。
次に、制御装置50について説明する。
以下の説明においては、適宜図に示すZ軸方向を上下方向(所定方向)として、各部の相対位置関係等を説明する。Z軸方向のうち正の側(+Z側)を上側(第1の側)と呼び、Z軸方向のうち負の側(−Z側)を下側(第2の側)と呼ぶ。また、上下方向と直交する方向を水平方向と呼ぶ。
なお、上下方向、水平方向、上側および下側は、単に各部の相対位置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示す配置関係等と異なっていてもよい。
図2は、制御装置50におけるプリント回路板51を示す断面図である。図3は、制御装置50における熱伝導部材54を下側から見た平面図である。なお、図2における熱伝導部材54の断面図は、図3におけるII−II断面図である。
制御装置50は、光源装置2を含むプロジェクター1の各部を制御するメインボードである。図2に示すように、制御装置50は、プリント回路板51を備えている。プリント回路板51は、プリント配線板52と、電子素子53と、放熱部材57と、熱伝導部材(熱伝導シート)54と、を備えている。
プリント配線板52は、板面が上下方向を向く板状である。プリント配線板52は、図示を省略するが、例えば紙フェノール、ガラス・エポキシ等の材料からなる基材の少なくとも1つの面に銅箔からなる配線パターンが設けられた構成を有する。プリント配線板52としては、片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板のいずれかが用いられてもよい。また、プリント配線板52としては、可撓性を持たないリジッドプリント配線板が用いられてもよいし、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板が用いられてもよい。本実施形態においてプリント配線板52は、配線パターンが設けられた実装面52aを有する。実装面52aは、プリント配線板52の板面のうち上側を向く面である。本実施形態において実装面52aは、上下方向と直交している。すなわち、上下方向は、実装面52aに垂直な所定方向である。
電子素子53は、プリント配線板52の実装面52aに設けられている。電子素子53は、例えば、LSI(Large Scale Integration)等のIC(Integrated Circuit)である。図示は省略するが、電子素子53は、シリコンからなる半導体チップと、半導体チップを覆うパッケージと、パッケージの下面に設けられた複数の端子と、を備えている。電子素子53は、複数の端子を介してプリント配線板52の実装面52aに設けられた配線パターンと電気的に接続されている。また、詳細は後述するが、電子素子53は、発熱源および不要輻射源となる。本実施形態において電子素子53は、例えば、略直方体状である。図3に示すように、電子素子53は、上下方向に沿った平面視において、例えば、正方形状である。
放熱部材57は、図2に示すように、電子素子53に対して上側に配置されている。放熱部材57は、熱伝導部材54を介して電子素子53に取り付けられている。本実施形態において放熱部材57は、板面が上下方向を向く板状である。放熱部材57の板面は、例えば、上下方向と直交する。放熱部材57は、上下方向に沿った平面視において、電子素子53および熱伝導部材54よりも大きく、電子素子53の全体および熱伝導部材54の全体と重なっている。
放熱部材57は、例えば、アルミニウム、銅等の比較的熱伝導率の高い金属からなる平板で構成されている。放熱部材57は、電子素子53に対して熱的に接続されている。
なお、本明細書において「ある対象同士が熱的に接続されている」とは、ある対象同士が直接的または間接的に連結されており、ある対象同士の間で熱の移動が生じる状態であればよい。本実施形態では、放熱部材57が熱伝導部材54を介して間接的に電子素子53に連結されており、電子素子53の熱が熱伝導部材54を介して放熱部材57へと移動する。
熱伝導部材54は、電子素子53から放熱部材57へと熱を伝達させる部材である。熱伝導部材54は、誘電体である。熱伝導部材54は、上下方向において電子素子53と放熱部材57との間に配置されている。本実施形態において熱伝導部材54は、上下方向と直交する水平方向に拡がるシート状である。すなわち、本実施形態において熱伝導部材54は、熱伝導シートである。熱伝導部材54は、シート面として、上側を向く上面54bと、上面54bの逆側の面であり、下側を向く下面54aと、を有する。本実施形態において熱伝導部材54の下面54aおよび熱伝導部材54の上面54bは、上下方向に垂直である。
熱伝導部材54の下面54aの中央部には、上側に向かって窪む凹部54cが形成されている。図3に示すように、凹部54cは、上下方向に沿った平面視において、例えば、正方形状である。凹部54cの内部には、図2に示すように、電子素子53が配置されている。本実施形態において電子素子53は、凹部54cの内部に嵌め合わされている。凹部54cが形成されていることで、熱伝導部材54は、第1被覆部54dと、第2被覆部54eと、を有している。第1被覆部54dと第2被覆部54eとは、一体成形されている。
第1被覆部54dは、電子素子53と放熱部材57との間に配置された部分である。第1被覆部54dは、電子素子53の上側を覆っている。第1被覆部54dは、上下方向に沿った平面視において、例えば、正方形状である。第1被覆部54dは、上下方向に沿った平面視において、電子素子53よりも大きく、電子素子53の全体と重なっている。第1被覆部54dの外縁は、上下方向に沿った平面視において、電子素子53の外縁よりも外側に離れて配置されている。
第1被覆部54dの下面は、電子素子53の上面と貼り合わされている。これにより、熱伝導部材54は、電子素子53と貼り合わされている。本実施形態において電子素子53の上面と貼り合わされた第1被覆部54dの下面は、凹部54cの底面54fである。底面54fは、下側を向き、上下方向に垂直な面である。第1被覆部54dの上面は、放熱部材57の下面と貼り合わされている。本実施形態において第1被覆部54dの上面は、熱伝導部材54の上面54bである。これにより、熱伝導部材54は、放熱部材57と貼り合わされている。
熱伝導部材54と電子素子53とを貼り合わせる方法、および熱伝導部材54と放熱部材57とを貼り合わせる方法は、特に限定されない。熱伝導部材54と電子素子53とは、例えば、接着剤等によって貼り合わされている。同様に、熱伝導部材54と放熱部材57とは、例えば、接着剤等によって貼り合わされている。なお、熱伝導部材54の母材が接着性を有する物質であり、熱伝導部材54と電子素子53とは、接着剤等なしに直接貼り合わされていてもよい。また、同様に、熱伝導部材54と放熱部材57とは、接着剤等なしに直接貼り合わされていてもよい。
第2被覆部54eは、電子素子53の周囲を囲む部分である。図3に示すように、本実施形態において第2被覆部54eは、上下方向に沿った平面視において、例えば、正方形枠状である。なお、本明細書において「第2被覆部が電子素子の周囲を囲む」とは、第2被覆部が、実装面に垂直な上下方向(所定方向)に沿った平面視において、電子素子を囲んでおり、かつ、電子素子の側面(水平方向を向く面)と対向して配置されていることを含む。本実施形態において、第2被覆部54eは、水平方向における電子素子53の側面を囲む部分である。
本実施形態において第2被覆部54eの内側面は、図2に示すように、電子素子53の側面と対向して接触している。第2被覆部54eの上端部は、第1被覆部54dの外周縁部に繋がっている。第2被覆部54eの下面は、実装面52aに接触している。これにより、第2被覆部54eは、実装面52aと接続されている。本実施形態において第2被覆部54eの下面は、熱伝導部材54の下面54aである。
なお、本明細書において「第2被覆部が実装面と接続されている」とは、第2被覆部の実装面側の端部の少なくとも一部が直接的、または接着剤等を介して間接的に、実装面と接触してればよい。本実施形態において第2被覆部54eの実装面52a側の端部、すなわち下端部は、全周に亘って、接着剤等なしに直接的に実装面52aと接触している。なお、第2被覆部54eは、例えば、接着剤等によって、あるいは第2被覆部54eが接着性を有することによって、実装面52aと接着されていてもよい。また、第2被覆部54eの下端部の一部は、実装面52aと接触していなくてもよい。
本実施形態において熱伝導部材54は、全体に亘って同様の材料で構成され、全体に亘って同様の性質を有する。すなわち、本実施形態において第1被覆部54dと第2被覆部54eとは、同様の材料で構成され、同様の性質を有する。熱伝導部材54の比誘電率εは、空気の比誘電率εよりも大きい。本実施形態において熱伝導部材54の比誘電率εは、8.0以下である。すなわち、第1被覆部54dの比誘電率εおよび第2被覆部54eの比誘電率εは、空気の比誘電率εよりも大きく、8.0以下である。第1被覆部54dの比誘電率εは、例えば、4.0以下程度が好ましい。これは、プリント回路板51から放出される不要輻射ノイズをより低減できるためである。熱伝導部材54は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等で構成されている。本実施形態において熱伝導部材54は、磁性体を含んでいない、非磁性部材であり、比透磁率μは、略1.0である。
なお、本明細書における比誘電率εは、温度25℃かつ相対湿度30%の条件下で、キーサイト・テクノロジー株式会社製のE4991A RFインピーダンス/マテリアル・アナライザを用いて計測した周波数1GHzにおける値である。また、本明細書における比透磁率μは、温度25℃かつ相対湿度30%の条件下で、キーサイト・テクノロジー株式会社製のE4991A RFインピーダンス/マテリアル・アナライザを用いて計測した周波数1GHzにおける値である。
熱伝導部材54の熱伝導率は、電子素子53から放熱部材57へと好適に熱を移動可能な程度に大きく、例えば、0.5以上、20.0以下程度である。本実施形態において電子素子53の熱は、第1被覆部54dを通って放熱部材57へと伝達される。
以下、本実施形態のプリント回路板51の作用および効果について説明する。
図10は、比較形態のプリント回路板351を示す断面図である。
図10に示すように、比較形態のプリント回路板351は、上述した本実施形態のプリント回路板51に対して、熱伝導部材54の代わりに熱伝導部材354を備えている点が異なる。熱伝導部材354は、全体に亘って同様の性質を有する。熱伝導部材354の比誘電率εは、8.0よりも大きい。熱伝導部材354の比誘電率εは、例えば、10.0以上である。熱伝導部材354の熱伝導率は、例えば、熱伝導部材54の熱伝導率と同程度である。熱伝導部材354は、磁性体を含んでいない非磁性部材である。熱伝導部材354は、上下方向に沿った平面視において、電子素子53と同様の形状および同様の大きさであり、全体が電子素子53と互いに重なり合っている。熱伝導部材354は、熱伝導部材54と異なり、第1被覆部のみからなり、第2被覆部を有していない。
プリント回路板351からは、電子素子53を不要輻射源とする不要輻射ノイズ(電磁ノイズ)が放出される。不要輻射ノイズは、電磁波である。プリント回路板351から放出される不要輻射ノイズは、熱伝導部材354が設けられることにより大きくなる。この原理は、以下の通りである。
熱伝導部材354は誘電体であるため、電子素子53から放出される不要輻射ノイズの電界によって、熱伝導部材354には誘電分極が生じる。誘電分極が生じると熱伝導部材354が図10に仮想的に示すようなコンデンサーCSとして機能し、電子素子53と放熱部材57との間に電圧が誘起される。このような現象を静電結合と呼ぶ。静電結合が生じることで、電子素子53と放熱部材57との間に変位電流が流れる。なお、以下の説明においては、不要輻射ノイズによって静電結合が生じることを、不要輻射ノイズが結合すると表現する。
電子素子53から放出された不要輻射ノイズが放熱部材57に結合することによって、放熱部材57は共振し、不要輻射ノイズを増幅して放出するアンテナとして機能する。以上のような原理により、熱伝導部材354が設けられることで、プリント回路板351から放出される不要輻射ノイズが大きくなる。アンテナとして機能する放熱部材57から放出される不要輻射ノイズは、放熱部材57から上方に放出される不要輻射ノイズNVである。
ここで、熱伝導部材354の比誘電率εが大きいほど、仮想的なコンデンサーCSの静電容量が大きくなり、静電結合によって誘起される電圧が大きくなる。すなわち、電子素子53から放出される不要輻射ノイズが放熱部材57に結合しやすくなる。これにより、電子素子53と放熱部材57との間に流れる変位電流が大きくなり、放熱部材57から放出される不要輻射ノイズNVがより大きくなる。したがって、熱伝導部材354の比誘電率εが大きいほど、プリント回路板351から放出される不要輻射ノイズが大きくなる。
なお、熱伝導部材354を設けることによってプリント回路板351から放出される不要輻射ノイズが大きくなる現象自体は、従来から知られていたものの、上述した原理については、本発明者らが新たに得た知見である。
プリント回路板351から放出される不要輻射ノイズは、上述した放熱部材57から放出される不要輻射ノイズNV以外の不要輻射ノイズも含む。具体的には、プリント回路板351から放出される不要輻射ノイズは、プリント配線板52と放熱部材57との間から上下方向と直交する水平方向に放出される不要輻射ノイズNHを含む。不要輻射ノイズNHが放出される原理は以下の通りである。
プリント配線板52と放熱部材57との間の空気も誘電体であるため、電子素子53からの不要輻射ノイズの電界によって誘電分極し、図10に仮想的に示すコンデンサーCAとして機能する。なお、コンデンサーCAの静電容量は、コンデンサーCSの静電容量よりも小さい。空気のコンデンサーCAと熱伝導部材354のコンデンサーCSとプリント配線板52と電子素子53と放熱部材57とによって構成される回路によって、放熱部材57とプリント配線板52との間に流れる変位電流が生じる。この変位電流に起因して、誘電体共振が生じて、プリント配線板52と放熱部材57との間から水平方向に不要輻射ノイズNHが放出される。
以上のように、プリント回路板351から放出される不要輻射ノイズは、上方に向けて放出される不要輻射ノイズNVと、水平方向に向けて放出される不要輻射ノイズNHと、を含む。
本実施形態によれば、熱伝導部材54のうち電子素子53と放熱部材57との間に配置された第1被覆部54dの比誘電率εは、8.0以下である。そのため、第1被覆部54dの比誘電率εを比較的小さくしやすい。そして、熱伝導部材54においては、第1被覆部54dが電子素子53と放熱部材57との間に配置されるコンデンサーCSとして機能する。そのため、第1被覆部54dがコンデンサーCSとして機能する際に、コンデンサーCSの静電容量を小さくできる。これにより、電子素子53から放出された不要輻射ノイズが熱伝導部材54を介して放熱部材57に結合しにくくなる。したがって、電子素子53から放出される不要輻射ノイズが放熱部材57によって増幅されることを抑制でき、放熱部材57から放射される不要輻射ノイズNVを小さくできる。その結果、プリント回路板51から放出される不要輻射ノイズ全体を小さくできる。
ここで、上述したように、熱伝導部材54の比誘電率εが不要輻射ノイズの増大に関係していたことは、本発明者らによって新たに得られた知見である。本実施形態のプリント回路板51は、この新たな知見に基づいて、放出される不要輻射ノイズを小さくすることを実現できるプリント回路板である。
図2では、上述した不要輻射ノイズの抑制効果を、矢印を用いて視覚的に示している。白抜きの矢印EFは、不要輻射ノイズの電界としての挙動を示している。なお、各矢印EFは、あくまで不要輻射ノイズの抑制効果を視覚的に説明するために仮想的に示しているものである。図2において矢印EFで示すように、第1被覆部54dは、電子素子53から上方に放出される不要輻射ノイズが、放熱部材57と結合することを抑制している。
また、本実施形態によれば、熱伝導部材54は、電子素子53の周囲を囲み実装面52aと接続された第2被覆部54eを有している。そして、第2被覆部54eの比誘電率εは、空気の比誘電率εよりも大きい。そのため、第2被覆部54eは、電子素子53とプリント配線板52との間で、図10に示した空気のコンデンサーCAよりも静電容量が大きいコンデンサーとして機能する。これにより、電子素子53の側面から水平方向に放出されて第2被覆部54eに入射した不要輻射ノイズは、熱伝導部材54よりも外側の空気中には放出されにくくなり、図2に矢印EFで示すように、第2被覆部54eを介してプリント配線板52に結合されやすくなる。したがって、電子素子53から水平方向に放出された不要輻射ノイズが熱伝導部材54よりも外側の空気中に放出されることを抑制でき、プリント回路板51から水平方向に放出される不要輻射ノイズNHを小さくできる。また、電子素子53から水平方向に放出された不要輻射ノイズが放熱部材57に結合することを抑制できる。したがって、プリント回路板51から放出される不要輻射ノイズ全体をより小さくできる。
なお、第2被覆部54eは、第1被覆部54dを介して放熱部材57とも繋がっているため、第1被覆部54dと第2被覆部54eとは、電子素子53と放熱部材57との間においても、空気のコンデンサーCAよりも静電容量が大きいコンデンサーとして機能する。しかし、電子素子53の側面から第2被覆部54eに入射した不要輻射ノイズから見れば、第1被覆部54dを挟んだ放熱部材57よりも、電子素子53が配置された実装面52a(プリント配線板52)の方が近い。そのため、第2被覆部54eに入射した不要輻射ノイズは、放熱部材57に結合するよりもプリント配線板52に結合しやすくなる。
以上により、本実施形態によれば、第1被覆部54dと第2被覆部54eとが設けられることで、熱伝導部材54によってプリント回路板51から放出される不要輻射ノイズを好適に小さくできる。そのため、放熱部材57および熱伝導部材54を設けて電子素子53の放熱性を向上させた場合であっても、シールドケース等の遮蔽部材を設けることなく、プリント回路板51から放出される不要輻射ノイズを抑制できる。これにより、不要輻射ノイズを抑制しつつ、プリント回路板51が大型化することを抑制できる。したがって、プリント回路板51が搭載されるプロジェクター1の信頼性を向上させつつ、プロジェクター1が大型化することを抑制できる。
また、シールドケース等の遮蔽部材を追加で設ける必要がないため、プリント回路板51の部品点数が増加することを抑制できる。これにより、プリント回路板51を組み立てる工数およびコストを低減できる。したがって、プロジェクター1の製造コストを低減できる。また、シールドケース等の遮蔽部材によって電子素子53の放熱性が低下することも抑制できる。
また、上述した不要輻射ノイズの抑制効果は、周波数が比較的低い不要輻射ノイズに対して特に有用である。そのため、プリント回路板51から放出される不要輻射ノイズのうち比較的周波数が低い不要輻射ノイズを特に抑制できる。なお、比較的低い周波数とは、例えば、1GHzよりも小さい周波数である。
また、本実施形態によれば、熱伝導部材54における下面54aには、上側に窪む凹部54cが形成され、凹部54cの内部には、電子素子53が配置されている。そのため、電子素子53が凹部54cの内部に収容されるように、熱伝導部材54をプリント配線板52の実装面52aに配置することで、熱伝導部材54によって容易に電子素子53を囲むことができる。また、凹部54cを電子素子53の形状に合わせて形成することで、第2被覆部54eを電子素子53の周囲に密着させて配置しやすい。これにより、電子素子53の側面から放出された不要輻射ノイズを第2被覆部54eに入射させやすく、プリント配線板52に結合させやすい。
また、本実施形態によれば、第2被覆部54eの比誘電率εは、8.0以下である。そのため、第2被覆部54eを第1被覆部54dと同じ材料で構成することができる。これにより、第1被覆部54dと第2被覆部54eとを一体成形により作ることができ、熱伝導部材54を作りやすくできる。
また、本実施形態によれば、熱伝導部材54は、シート状の熱伝導シートである。そのため、放熱部材57の形状に合わせて、熱伝導部材54を放熱部材57の下面に貼り付けやすい。これにより、電子素子53と放熱部材57とを熱伝導部材54を介して密着させることができ、電子素子53の放熱性を好適に向上できる。また、実装面52aに微小な凹凸があっても、実装面52aの表面形状に合わせて、第2被覆部54eを実装面52aに接続しやすい。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、熱伝導部材の形状が異なる。なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図4は、本実施形態のプリント回路板151を示す断面図である。なお、図4では、図2と同様に、不要輻射ノイズの抑制効果を、矢印EFを用いて視覚的かつ仮想的に示している。
本実施形態のプリント回路板151は、図4に示すように、プリント配線板52と、電子素子53と、放熱部材57と、熱伝導部材(熱伝導シート)154と、接着部155と、を備えている。
熱伝導部材154は、シート状の熱伝導シートである。熱伝導部材154には、第1実施形態と異なり、凹部54cが形成されていない。熱伝導部材154は、第1被覆部154dと、第2被覆部154eと、を有している。第1被覆部154dは、電子素子53と放熱部材57との間に配置されている。本実施形態において第1被覆部154dの下面は、熱伝導部材154の下面であり、電子素子53の上面に貼り合わされている。
本実施形態において第2被覆部154eは、第1被覆部154dの外周縁部から実装面52aに向かって折り曲げられて構成されている。第2被覆部154eは、第1被覆部154dの外縁部から実装面52aに近づくに従って電子素子53から離れる向きに水平方向に拡がっている。第2被覆部154eは、電子素子53の側面に対して水平方向に離れて対向している。すなわち、第2被覆部154eと電子素子53との水平方向の間には、空隙が設けられている。
第2被覆部154eの下側の端部は、実装面52a上に形成された凸部52bに上側から接触している。凸部52bは、例えば、はんだ付け部分、および他の電子素子等である。凸部52bは、例えば、実装面52a上に複数形成されている。第2被覆部154eの下端部が凸部52bに上側から接触することで、凸部52bが形成されていない部分において、第2被覆部154eと実装面52aとの間には、隙間が生じている。
熱伝導部材154のその他の構成は、第1実施形態の熱伝導部材54のその他の構成と同様である。
接着部155は、第2被覆部154eと実装面52aとの隙間を塞ぎ第2被覆部154eと実装面52aとを接着している。本実施形態において、図示は省略するが、接着部155は、実装面52a上において、電子素子53を囲む枠状である。接着部155は、例えば、シリコーン樹脂系の接着剤、またはアクリル樹脂系の接着剤が硬化した部分である。接着部155の比誘電率εは、空気の比誘電率εよりも大きい。接着部155の比誘電率εは、例えば、熱伝導部材154の比誘電率εと同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、接着部155は、枠状でなくてもよく、第2被覆部154eと実装面52aとの隙間の一部を塞ぐ構成であってもよい。
プリント回路板151のその他の構成は、第1実施形態のプリント回路板51のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、熱伝導部材154によって、プリント回路板151から放出される不要輻射ノイズを好適に小さくできる。本実施形態では、電子素子53の側面から水平方向に放出された不要輻射ノイズの少なくとも一部は、図4に矢印EFで示すように、電子素子53と第2被覆部154eとの間の空隙部分を通過した後、第2被覆部154eと接着部155とを介してプリント配線板52に結合する。
また、本実施形態によれば、熱伝導部材154がシート状で、第2被覆部154eは、第1被覆部154dの外周縁部から実装面52aに向かって折り曲げられて構成されている。そのため、シート状の熱伝導部材154を電子素子53の上面に貼り付けて、熱伝導部材154の外周縁部を実装面52aに向けて折り曲げることで、電子素子53の上側および周囲を覆うことができる。したがって、熱伝導部材154に凹部54cを形成する必要がなく、熱伝導部材154の製造を容易にできる。
また、本実施形態によれば、第2被覆部154eと実装面52aとの隙間を塞ぎ第2被覆部154eと実装面52aとを接着する接着部155が設けられている。そのため、実装面52a上の凸部52bによって、第2被覆部154eと実装面52aとの間に隙間が生じる場合であっても、接着部155によって当該隙間を塞ぐことができる。そして、接着部155の比誘電率εは空気の比誘電率εよりも大きい。そのため、第2被覆部154eから接着部155に移動した不要輻射ノイズは、熱伝導部材154の外部の空気に放出されることが抑制され、接着部155を介してプリント配線板52に結合しやすい。これにより、電子素子53の側面から水平方向に放出された不要輻射ノイズを好適にプリント配線板52へと結合させることができ、プリント回路板151から放出される不要輻射ノイズをより好適に小さくできる。
<第3実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、熱伝導部材が互いに比誘電率εの異なる部分を有している点が異なる。なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図5は、本実施形態のプリント回路板251を示す断面図である。図6は、熱伝導部材254を下側から見た平面図である。なお、図5における熱伝導部材254の断面図は、図6におけるV−V断面図である。また、図6では、図2と同様に、不要輻射ノイズの抑制効果を、矢印EFを用いて視覚的かつ仮想的に示している。
本実施形態のプリント回路板251は、図5に示すように、プリント配線板52と、電子素子53と、放熱部材57と、熱伝導部材(熱伝導シート)254と、を備えている。
熱伝導部材254は、第1被覆部254dと、第2被覆部254eと、を有している。本実施形態において第1被覆部254dと第2被覆部254eとは、互いに別部材である。第1被覆部254dは、水平方向に拡がるシート状であり、第1実施形態の第1被覆部54dと同様の形状である。第1被覆部254dは、第2被覆部254eの上面全体を覆っている。第1被覆部254dは、図6に示すように、上下方向に沿った平面視において、第2被覆部254eよりも大きい。第1被覆部254dの外縁は、上下方向に沿った平面視において、第2被覆部254eの外縁よりも外側に離れた位置に配置されており、第2被覆部254eの外縁を囲んでいる。第1被覆部254dのその他の構成は、第1実施形態の第1被覆部54dのその他の構成と同様である。
第2被覆部254eは、複数の被覆部片254gによって構成されている。本実施形態において第2被覆部254eは、例えば、4つの被覆部片254gによって構成されている。被覆部片254gは、水平方向のうちの一方向に延びる長方形シート状である。被覆部片254gのシート面は、上下方向に垂直である。4つの被覆部片254gは、例えば、互いに同じ形状である。4つの被覆部片254gは、上下方向に沿った平面視において、正方形状の電子素子53の4辺のそれぞれに沿って配置され、電子素子53を囲む正方形枠状の第2被覆部254eを構成している。
枠状の第2被覆部254eの上面には、第1被覆部254dが接触して積層されている。すなわち、第1被覆部254dと第2被覆部254eとは、熱伝導シートである熱伝導部材254の厚さ方向(上下方向)に重ねて配置されている。第1被覆部254dと第2被覆部254eとは、接着剤等によって接着されていてもよい。枠状の第2被覆部254eの上面に第1被覆部254dが設けられていることで、熱伝導部材254の下面には、上側に向かって窪む凹部254cが形成されている。凹部254cの内部には、電子素子53が配置されている。
第2被覆部254eの比誘電率εは、第1被覆部254dの比誘電率εよりも大きい。第2被覆部254eの比誘電率εは、第1被覆部254dの比誘電率εよりも大きいならば、特に限定されず、例えば、5.0以上、20.0以下程度である。第2被覆部254eの熱伝導率は、特に限定されない。第2被覆部254eのその他の構成は、第1実施形態の第2被覆部54eのその他の構成と同様である。プリント回路板251のその他の構成は、第1実施形態のプリント回路板51のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、第2被覆部254eの比誘電率εは、第1被覆部254dの比誘電率εよりも大きい。そのため、第2被覆部254eが電子素子53とプリント配線板52との間でコンデンサーとして機能した際、当該コンデンサーの静電容量を、第1被覆部254dが電子素子53と放熱部材57との間で機能するコンデンサーCSの静電容量よりも大きくできる。そのため、電子素子53の側面から第2被覆部254eに入射した不要輻射ノイズが、放熱部材57に結合することをより抑制でき、図5において矢印EFで示すように、よりプリント配線板52へと結合しやすくできる。また、第2被覆部254eに入射した不要輻射ノイズが熱伝導部材254よりも外側の空気中に放出されることをより抑制できる。したがって、プリント回路板251から放出される不要輻射ノイズをより好適に小さくできる。
なお、上述した各実施形態においては、下記の構成を採用することもできる。
第2被覆部の比誘電率εは、特に限定されず、第1被覆部の比誘電率εより小さくてもよいし、8.0より大きくてもよい。第2被覆部は、枠状でなくてもよい。例えば、第2被覆部は、複数設けられてもよい。この場合、複数の第2被覆部が、互いに間隔を空けて並んで配置されて、電子素子を囲んでもよい。第1被覆部と第2被覆部との少なくとも一方が、磁性体を含んでいてもよい。第1被覆部の比透磁率μおよび第2被覆部の比透磁率μは、特に限定されない。上述した第3実施形態において、第2被覆部254eを構成する被覆部片254gの数は、特に限定されない。また、第2被覆部254eは、一体部材であってもよい。
熱伝導部材は、シート状でなくてもよい。熱伝導部材は、例えば、図7に示すように製造されてもよい。図7は、熱伝導部材の製造方法の一例を示す断面図である。図7に示すように、まず、実装面52a上に、下側に開口した箱状の金型Mを、電子素子53が金型M内に収容されるように配置する。次に、金型Mの天面に形成された注入孔部MaからディスペンサーD等によって、金型Mの内部に未硬化の樹脂58を注入し、充填させる。未硬化の樹脂58を硬化させることで、第1実施形態の熱伝導部材54のような熱伝導部材を製造することができる。
この製造方法によれば、実装面52a上に凸部52bがある場合であっても、実装面52aの凹凸形状に合わせて未硬化の樹脂58が充填されるため、熱伝導部材を実装面52aに密着させることができる。そのため、電子素子53からの不要輻射ノイズをより好適にプリント配線板52に結合させることができる。また、この製造方法によれば、電子素子53に熱伝導部材を密着させることができる。そのため、電子素子53の側面から放出された不要輻射ノイズを第2被覆部に入射させやすく、電子素子53からの不要輻射ノイズをより好適にプリント配線板52に結合させることができる。
電子素子は、プリント配線板の実装面に設けられる素子であれば、特に限定されない。電子素子は、例えば、FET(Field Effect Transistor)等のトランジスタ等であってもよい。放熱部材は、電子素子に熱的に接続されて、電子素子の放熱を行えるならば、特に限定されない。放熱部材は、例えば放熱用のフィンを備えたヒートシンクであってもよい。
また、上記の第1実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記の第1実施形態において、3つの光変調装置4R,4G,4Bを用いたプロジェクター1の例を挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクター、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、プリント回路板が搭載される電子機器は、プロジェクターに限られず、他の電子機器であってもよい。
また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
比誘電率εが異なる複数のサンプルを熱伝導部材として、プリント回路板から放出される不要輻射ノイズの測定を行った。サンプルは、サンプルSA〜SHの8つ用意した。各サンプルSA〜SHは、それぞれ全体に亘って一様な性質を有する熱伝導部材とした。各サンプルSA〜SHの熱伝導部材は、第1被覆部のみを有し第2被覆部を有しない構成とした。サンプルSA,SEの母材は、アクリル樹脂とした。サンプルSB,SC,SD,SF,SG,SHは、母材としてのアクリル樹脂にフェライトが混合された構成とした。
サンプルSAの比誘電率εは、2.1とした。サンプルSBの比誘電率εは、4.8とした。サンプルSCの比誘電率εは、5.4とした。サンプルSDの比誘電率εは、5.9とした。サンプルSEの比誘電率εは、6.1とした。サンプルSFの比誘電率εは、6.4とした。サンプルSGの比誘電率εは、8.0とした。サンプルSHの比誘電率εは、10.8とした。サンプルSA,SEは、非磁性とし、比透磁率μは、略1.0とした。サンプルSB,SCの比透磁率μは、2.3とした。サンプルSDの比透磁率μは、2.4とした。サンプルSFの比透磁率μは、2.8とした。サンプルSGの比透磁率μは、15とした。サンプルSHの比透磁率μは、4.9とした。
各サンプルSA〜SHが設けられるプリント回路板において、プリント配線板は、多層プリント配線板とし、電子素子は、LSIとした。放熱部材は、アルミニウム製の放熱板とした。
各サンプルSA〜SHが設けられたプリント回路板のそれぞれにおいて、LSIを作動させて、800MHzの周波数を有する不要輻射ノイズの測定を行った。不要輻射ノイズの測定は、水平偏波と垂直偏波とのそれぞれについて行った。
不要輻射ノイズの測定は、国際無線障害特別委員会(CISPR)が定める国際規格に基づいて、電界強度測定システムが備えられた電波暗室で行った。測定は、サンプルSA〜SHごとに、800MHzの不要輻射ノイズにおける水平偏波と垂直偏波とのそれぞれについて行った。測定結果を図8および図9に示す。図8は、不要輻射ノイズのうち水平偏波の測定結果を示すグラフである。図9は、不要輻射ノイズのうち垂直偏波の測定結果を示すグラフである。図8および図9において、横軸は、比誘電率εであり、縦軸は、不要輻射ノイズの相対ノイズレベル[dB]である。相対ノイズレベル[dB]は、サンプルSHのノイズレベルを基準とした場合の相対的なノイズレベルである。
図8および図9に示すように、比誘電率εが8.0以下となるサンプルSA〜SGでは、比誘電率εが8.0よりも大きいサンプルSHに比べて、大きくノイズレベルを低減できることが確かめられた。サンプルSA〜SGにおけるノイズレベルは、サンプルSHのノイズレベルよりも3.0dB以上小さい。比誘電率εが2.1〜8.0までの範囲内にあるサンプルSA〜SGにおけるノイズレベルの分布範囲の幅が、略1.0dB程度であることに鑑みれば、比誘電率εが10.8から8.0となった際に3.0dB以上ノイズレベルが小さくなることは、ノイズレベル低減効果が顕著に大きいといえる。
また、国際無線障害特別委員会(CISPR)の規格における「国際無線障害特別委員会(CISPR)の諸規格について」のうち「無線周波妨害波及びイミュニティ測定装置の技術的条件第1部−第1編:無線周波妨害波及びイミュニティの測定装置−測定用受信機−」では、放射妨害波測定に用いられるアンテナは、測定の正確さが±3dBより良いことと規定されている。そのため、3.0dB以上ノイズレベルを低減できるということは、測定誤差の許容値を超えてノイズレベルを低減できるということであり、有効なノイズレベル低減効果が得られるということである。
以上のことから、第1被覆部の比誘電率εを8.0以下にすることにより、ノイズ抑制効果をより好適に得られることが確かめられた。
なお、比透磁率μの違いによって熱伝導部材による不要輻射ノイズ抑制効果に違いが出る場合があるが、1GHzよりも低い不要輻射ノイズの抑制に対しては、比透磁率μの違いによる影響は比較的小さい。そして、上記のサンプルSA〜SHにおいて測定した不要輻射ノイズの周波数は、800MHzである。そのため、上記のサンプルSA〜SHの比較において、サンプルSA〜SHの比透磁率μの数値範囲程度であれば、サンプルSA〜SHの比透磁率μが異なることによる影響については十分に無視できる程度である。すなわち、仮にサンプルSA〜SHの比誘電率εを変えずに、比透磁率μを互いに同じ値とした場合であっても、上述した結果と同様の傾向を示す結果を得ることができる。
1…プロジェクター(電子機器)、51,151,251…プリント回路板、52…プリント配線板、52a…実装面、53…電子素子、54,154,254…熱伝導部材(熱伝導シート)、54c,254c…凹部、54d,154d,254d…第1被覆部、54e,154e,254e…第2被覆部、57…放熱部材、155…接着部、ε…比誘電率

Claims (9)

  1. 第1の側を向く実装面を有するプリント配線板と、
    前記実装面に設けられた電子素子と、
    前記電子素子に対して前記第1の側に配置され、前記電子素子に対して熱的に接続された放熱部材と、
    前記電子素子と前記放熱部材との間に配置された第1被覆部および前記電子素子の周囲を囲む第2被覆部を有する熱伝導部材と、
    を備え、
    前記第1被覆部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きく、8.0以下であり、
    前記第2被覆部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きく、
    前記第2被覆部は、前記実装面と接続されていることを特徴とするプリント回路板。
  2. 前記熱伝導部材における前記第1の側に対して逆側の第2の側の面には、前記第1の側に向かって窪む凹部が形成され、
    前記凹部の内部には、前記電子素子が配置されている、請求項1に記載のプリント回路板。
  3. 前記第2被覆部の比誘電率は、8.0以下である、請求項1または2に記載のプリント回路板。
  4. 前記第2被覆部の比誘電率は、前記第1被覆部の比誘電率よりも大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント回路板。
  5. 前記熱伝導部材は、シート状である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプリント回路板。
  6. 前記熱伝導部材は、シート状であり、
    前記第2被覆部は、前記第1被覆部の外周縁部から前記実装面に向かって折り曲げられて構成されている、請求項1に記載のプリント回路板。
  7. 前記第2被覆部と前記実装面との隙間を塞ぎ前記第2被覆部と前記実装面とを接着する接着部をさらに備え、
    前記接着部の比誘電率は、空気の比誘電率よりも大きい、請求項6に記載のプリント回路板。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のプリント回路板を備えることを特徴とする電子機器。
  9. シート状の熱伝導シートであって、
    比誘電率が空気よりも大きく、8.0以下の第1被覆部と、
    枠状であり、比誘電率が第1被覆部よりも大きい第2被覆部と、
    を備え、
    前記第1被覆部と前記第2被覆部とは、前記熱伝導シートの厚さ方向に重ねて配置されていることを特徴とする熱伝導シート。
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