JP2020085848A - スリップ判定装置 - Google Patents

スリップ判定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020085848A
JP2020085848A JP2018225349A JP2018225349A JP2020085848A JP 2020085848 A JP2020085848 A JP 2020085848A JP 2018225349 A JP2018225349 A JP 2018225349A JP 2018225349 A JP2018225349 A JP 2018225349A JP 2020085848 A JP2020085848 A JP 2020085848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
turning
amount
vehicle
movement amount
moving body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018225349A
Other languages
English (en)
Inventor
山本 徹夫
Tetsuo Yamamoto
徹夫 山本
宏 海老原
Hiroshi Ebihara
宏 海老原
寛紀 森永
Hiroki Morinaga
寛紀 森永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP2018225349A priority Critical patent/JP2020085848A/ja
Publication of JP2020085848A publication Critical patent/JP2020085848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】車両がスリップしている方向を特定できるスリップ判定装置を提供することを課題とする。【解決手段】スリップ判定装置20において、回転速度取得部21は、車両の車輪の回転速度ωを取得する。第1推定部22は、車両の前後方向の移動量である前後移動量ES_aを回転速度ωから推定する。第2推定部22は、車両の前後方向の移動量である第2前後移動量ES_iを車両に搭載されたカメラにより撮影された撮影画像から推定する。前後移動量ES_aが車両の前進を示し、かつ、前後移動量ES_iが車両の後退を示す場合、後方スリップ判定部242は、車両が後方にスリップしていると判定する。前後移動量ES_a及びES_iが車両の前進を示し、かつ、前後移動量ES_iの大きさが前後移動量ES_aの大きさを上回る場合、前方スリップ判定部241は、車両が前方にスリップしていると判定する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両がスリップしているか否かを判定するスリップ判定装置に関する。
自動車等の車両の床下画像を表示する機能を有する周辺監視装置が提供されている。床下画像は、車両の床下の路面を撮影した画像である。
周辺監視装置は、車両の車輪の回転速度や舵角に基づいて車両の移動量を算出する。周辺監視装置は、算出した移動量に基づいて、車載カメラにより過去に撮影された撮影画像の中から、現在時刻において車両の床下に位置する領域の画像を特定する。周辺監視装置は、特定した画像を用いて床下画像を生成する。生成された画像は、車両の車室内に設けられたモニタに表示される。
しかし、車両がスリップしている場合、車輪の回転速度や舵角に基づいて算出される移動量が、車両の実際の移動量から大きく乖離する。この場合、モニタに表示される床下画像が、実際の床下の路面と異なる虞がある。従って、車両がスリップしているか否かを判定することは重要である。
特許文献1は、自動車等の車輪がスリップしているか否かを判定する自動操舵装置を開示している。この自動操舵装置は、車載カメラから撮影画像を取得し、車両の車輪の回転速度を車輪速センサから取得する。
自動操舵装置は、車輪の半径と、車輪速センサから取得した回転速度とを用いて、車両の移動量を推定する。自動操舵装置は、カメラの撮影画像から車両の移動量を推定する。撮影画像から推定された移動量と、回転速度から推定された移動量との偏差が所定値以上である場合、自動操舵装置は、車輪がスリップしていると判定する。
特開2006−88828号公報
しかし、特許文献1に係る自動操舵装置は、車輪がスリップしている場合において、車両のスリップ方向を特定できない。
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、車両がスリップしている方向を特定できるスリップ判定装置を提供することである。
第1の発明は、スリップ判定装置であって、第1推定部と、第2推定部と、後方スリップ判定部と、前方スリップ判定部とを備える。第1推定部は、車輪の回転に基づいて移動体の第1移動量を推定する。第2推定部は、移動体に搭載されたカメラにより撮影された撮影画像から移動体の第2移動量を推定する。後方スリップ判定部は、第1推定部により推定された第1移動量が移動体の停止又は前進を示し、かつ、第2推定部により推定された第2移動量が移動体の後退を示す場合、移動体が後方にスリップしていると判定する。前方スリップ判定部は、推定された第1移動量が移動体の停止又は後退を示し、かつ、推定された第2移動量が移動体の前進を示す場合、移動体が前方にスリップしていると判定する。
第1の発明は、第1移動量が示す移動体の進行方向と、第2移動量が示す移動体の進行方向とを用いることにより、車両がスリップしているか否かだけでなく、スリップの方向を特定できる。
第2の発明は、第1の発明であって、第1推定部は、移動体の操舵輪の舵角及び推定された第1移動量に基づいて、移動体の前後方向の移動量である第1前後移動量を推定する。第2推定部は、推定された第2移動量に基づいて、移動体の前後方向の移動量である第2前後移動量を推定する。後方スリップ判定部は、第1推定部により推定された第1前後移動量及び第2推定部により推定された第2前後移動量が移動体の後退を示し、かつ、推定された第2前後移動量の大きさが推定された第1前後移動量の大きさを上回る場合、移動体が後方にスリップしていると判定する。前方スリップ判定部は、推定された第1前後移動量及び推定された第2前後移動量が移動体の前進を示し、かつ、推定された第2前後移動量の大きさが推定された第1前後移動量の大きさを上回る場合、移動体が前方にスリップしていると判定する。
第2の発明によれば、第1推定部により推定された第1前後移動量と、第2推定部により推定された第2前後移動量とを用いて、移動体のスリップ方向が特定される。これにより、移動体のスリップ方向を高い精度で判定することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明であって、第1推定部は、移動体の操舵輪の舵角と推定された第1移動量に基づいて、移動体の旋回量である第1旋回量を推定する。第2推定部は、推定された第2移動量に基づいて、移動体の旋回量である第2旋回量を推定する。スリップ判定装置は、さらに、旋回スリップ判定部を備える。旋回スリップ判定部は、第1推定部により推定された第1旋回量と、第2推定部により推定された第2旋回量とが所定の条件を満たす場合、移動体が旋回方向にスリップしていると判定する。
第3の発明によれば、第1推定部により推定された第1旋回量と、第2推定部により推定された第2旋回量とを用いて、移動体が旋回方向にスリップしているか否かが判定される。これにより、移動体が前後方向にスリップしているか否かに加えて、旋回方向にスリップするか否かを判定できる。
第4の発明は、第1又は第2の発明であって、さらに、空転判定部を含む。空転判定部は、推定された第1前後移動量が移動体の移動を示し、かつ、推定された第2前後移動量が移動体の停止を示している場合、空転が前記移動体で発生していると判定する。
第4の発明によれば、移動体がスリップしているか否かの判定だけでなく、移動体が車両で発生しているか否かを判定できる。
第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれかであって、第1前後移動量の大きさが予め設定された第1閾値を上回り、かつ、第2前後移動量の大きさが予め設定された第2閾値を上回る場合、前方スリップ判定部及び後方スリップ判定部は、移動体のスリップの判定を中止する。
第5の発明は、第1前後移動量が第1閾値を上回り、第2前後移動量が第2閾値を上回る場合、前後方向のスリップ判定を中断する。第1前後移動量及び第2前後移動量が、車両が前後方向にスリップした場合に検出される移動量よりも大きい場合に、スリップ判定装置が、スリップが発生していないにもかかわらず、スリップが発生したと誤って判定することを抑制できる。
第6の発明は、車両状態推定方法であって、a)ステップと、b)ステップと、c)ステップと、d)ステップとを備える。a)ステップは、車輪の回転に基づいて移動体の第1移動量を推定する。b)ステップは、移動体に搭載されたカメラにより撮影された撮影画像から移動体の第2移動量を推定する。c)ステップは、推定された第1移動量が移動体の停止又は前進を示し、かつ、推定された第2移動量が移動体の後退を示す場合、移動体が後方にスリップしていると判定する。d)ステップは、推定された第1移動量が移動体の停止又は後退を示し、かつ、推定された第2移動量が移動体の前進を示す場合、移動体が前方にスリップしていると判定する。
第6の発明は、第1の発明に用いられる。
本発明によれば、車両がスリップしている方向を特定できるスリップ判定装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るスリップ判定装置を搭載する車両の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示すカメラの配置の一例を示す図である。 図1に示す表示制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示すスリップ判定装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示すスリップ判定装置の動作を示すフローチャートである。 図1に示す車両が前進する場合における2次元座標を示す図である。 図1に示す車両が後退する場合における2次元座標を示す図である。 図4に示す前方スリップ判定部が参照する前進用基準テーブルの一例を示す図である。 図4に示す旋回スリップ判定部が参照する前進用基準テーブルの一例を示す図である。 図4に示す前方スリップ判定部が参照する後退用基準テーブルの一例を示す図である。 図4に示す旋回スリップ判定部が参照する後退用基準テーブルの一例を示す図である。 CPUバス構成を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
{1.構成}
{1.1.車両Vの構成}
図1は、本実施の形態に係るスリップ判定装置20を搭載する車両Vの構成を示す機能ブロック図である。図1を参照して、スリップ判定装置20は、車両Vがスリップしているか否かの推定と、空転が車両Vで発生しているか否かの推定とを行う。
図1に示す車両Vにおいて、スリップ判定装置20が、車両Vの状態を推定するために使用する機能ブロック以外の表示を省略している。
車両Vは、車体1と、左前輪1FLと、右前輪1FRと、左後輪1BLと、右後輪1BRと、車軸5Fと、車軸5Bと、パワーステアリング装置6とを備える。
左前輪1FLは、車体1の左前方に配置される。右前輪1FRは、車体1の右前方に配置される。左前輪1FL及び右前輪1FRは、車両Vの駆動輪であり、車体1の前方に配置された車軸5Fを回転軸として回転する。車軸5Fは、車両Vのドライブシャフトであり、図示しないエンジンの出力を左前輪1FL及び右前輪1FRに伝える。
左前輪1FL及び右前輪1FRは、車両Vの操舵輪である。パワーステアリング装置6は、図示しないステアリングホイールの回転トルクに基づいて、図示しないステアリングシャフトの回転を補助する。
左後輪1BLは、車体1の左後方に配置される。右後輪1BRは、車体1の右後方に配置される。左後輪1BL及び右後輪1BRは、車体1の後方に配置された車軸5Bを回転軸として回転する。
車両Vは、さらに、フロントカメラ2Fと、左サイドカメラ2Lと、右サイドカメラ2Rと、リアカメラ2Bとを備える。
フロントカメラ2Fは、車両Vの前方を撮影して撮影画像imFを生成する。左サイドカメラ2Lは、車両Vの左方を撮影して撮影画像imLを生成する。右サイドカメラ2Rは、車両Vの右方を撮影して撮影画像imRを生成する。リアカメラ2Bは、車両Vの後方を撮影して撮影画像imBを生成する。生成された撮影画像imF、imL、imR及びimBの各々は、表示制御装置10に出力される。
車両Vは、さらに、回転角センサ3FL、3FR、3BL及び3BRを備える。回転角センサ3FLは、左前輪1FLの回転角の変化量α_FLを検出する。回転角センサ3FRは、右前輪1FRの回転角の変化量α_FRを検出する。回転角センサ3BLは、左後輪1BLの回転角の変化量α_BLを検出する。回転角センサ3BRは、右後輪1BRの回転角の変化量α_BRを検出する。検出された回転角の変化量α_FL、α_FR、α_BL及びα_BRの各々は、表示制御装置10に出力される。
車両Vは、さらに、舵角センサ4と、シフトレバー7とを備える。舵角センサ4は、操舵輪である右前輪1FRの舵角βを検出し、その検出した舵角βを表示制御装置10に出力する。シフトレバー7は、車両Vの運転者の操作に応じて、その位置を変化させる。シフトレバー7は、シフト位置を示すシフト位置情報71を表示制御装置10に出力する。
車両Vは、さらに、表示制御装置10と、表示装置40とを備える。表示制御装置10は、カメラから受けた撮影画像を用いて、車両Vの床下画像im_Uを生成し、その生成した床下画像im_Uを表示装置40に出力する。床下画像im_Uは、車両Vの床下の路面の画像である。
表示装置40は、表示制御装置10から受けた床下画像im_Uを表示する。車両Vの運転者は、表示装置40により表示された床下画像im_Uにより、車両Vの床下の路面の状況を確認できる。
{1.2.カメラの配置}
図2は、図1に示す車両Vを上から見た平面図である。図2において、右方及び左方は、車両Vが前進する場合における方向である。つまり、車両Vの右方及び左方は、車両Vの進行方向を基準として定義される。
図2を参照して、フロントカメラ2Fは、車両Vの前端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸2Faは車両Vの直進方向に向けられている。車両Vの直進方向は、車両Vの前方に一致する。フロントカメラ2Fは、車両Vの前方を撮影して撮影画像imFを生成する。
リアカメラ2Bは、車両Vの後端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸2Baは、車両Vの直進方向の逆方向に向けられている。リアカメラ2Bは、車両の後方を撮影して撮影画像imBを生成する。車両Vの直進方向の逆方向は、車両Vの後方に一致する。
左サイドカメラ2Lは左のドアミラー93に設けられ、その光軸2Laは車両Vの左右方向に沿って車両Vの左方に向けられている。左サイドカメラ2Lは、車両Vの左方を撮影して撮影画像imLを生成する。
右サイドカメラ2Rは右のドアミラー93に設けられ、その光軸2Raは車両Vの左右方向に沿って車両Vの右方に向けられている。右サイドカメラ2Rは、車両の右方を撮影して撮影画像imRを生成する。
車両Vに搭載される各カメラのレンズは、180°以上の画角を有する広角レンズである。フロントカメラ2F、左サイドカメラ2L、右サイドカメラ2R及びリアカメラ2Bを用いることにより、車両Vの全周囲の撮影を撮影できる。なお、フロントカメラ2F及びリアカメラ2Bの取付位置は、車両Vの左右中央であることが望ましいが、左右中央から多少ずれた位置であってもよい。
{1.3.表示制御装置10の構成}
図3は、図1に示す表示制御装置10の構成を示す機能ブロック図である。以下の説明において、フロントカメラ2Fと、左サイドカメラ2Lと、右サイドカメラ2Rと、リアカメラ2Bとを総称して単に「カメラ2」と記載する場合がある。撮影画像imF、imL、imR及びimBを総称して「撮影画像im」と記載する場合がある。
また、以下の説明において、回転角センサ3FL、3FR、3BL及び3BRを総称して「回転角センサ3」と記載する場合がある。検出された回転角の変化量α_FL、α_FR、α_BL及びα_BRを総称して「回転角の変化量α」と記載する場合がある。
図3を参照して、表示制御装置10は、スリップ判定装置20と、画像生成装置30とを備える。スリップ判定装置20は、回転角センサ3の各々から回転角の変化量αを受け、舵角βを舵角センサ4から受け、カメラ2から撮影画像imを受け、シフト位置情報71をシフトレバー7から受ける。
スリップ判定装置20は、回転角の変化量αに基づいて車両Vの前後方向の移動量を推定し、その推定結果である前後移動量ES_aを生成する。スリップ判定装置20は、撮影画像imに基づいて車両Vの前後方向の移動量を推定し、その推定結果である前後移動量ES_iを生成する。生成された前後移動量ES_a及びES_iは、画像生成装置30に出力される。
スリップ判定装置20は、回転角の変化量αと舵角βとに基づいて車両Vの旋回方向の移動量を推定し、その推定結果である旋回量EH_aを生成する。スリップ判定装置20は、撮影画像imに基づいて車両Vの旋回方向の移動量を推定し、その推定結果である旋回量EH_iを生成する。生成された旋回量EH_a及びEH_iは、画像生成装置30に出力される。
スリップ判定装置20は、生成した前後移動量ES_a及びES_iに基づいて、車両Vが前後方向にスリップしているか否かと、空転が車両で発生しているか否かを判定する。スリップ判定装置20は、生成した旋回量EH_a及びEH_iに基づいて車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定する。
スリップ判定装置20は、前後方向のスリップ判定結果と、旋回方向のスリップ判定結果と、空転の判定結果とに基づいて、前後移動量ES_a及びES_iの各々の信頼度と、旋回量EH_a及びEH_iの各々の信頼度とを決定する。スリップ判定装置20は、決定した信頼度を記録した信頼度情報Cを画像生成装置に出力する。
画像生成装置30は、撮影画像imをカメラ2から受け、その受けた撮影画像imから車両Vの床下画像im_Uを生成する。生成された床下画像im_Uは、表示装置40に出力される。床下画像im_Uは、信頼度情報Cと、前後移動量ES_a及びEs_iのいずれか一方と、旋回量EH_a及びEH_iのいずれか一方と、撮影画像imとに基づいて生成される。
{1.3.スリップ判定装置20の構成}
図4は、図1に示すスリップ判定装置20の構成を示す機能ブロック図である。図4を参照して、スリップ判定装置20は、回転速度取得部21と、第1推定部22と、第2推定部23と、挙動特定部24と、信頼度決定部25と、メモリ26とを備える。
回転速度取得部21は、回転角センサ3から回転角の変化量αを取得する。回転速度取得部21は、取得した回転角の変化量αに基づいて、車両Vの各車輪の回転速度ωを算出する。算出された回転速度ωは、第1推定部22に出力される。
第1推定部22は、各車輪の回転速度ωを回転速度取得部21から受け、舵角βを舵角センサ4から受ける。第1推定部22は、その受けた回転速度ωの少なくとも1つと、その受けた舵角βとに基づいて、前後移動量ES_a及び旋回量EH_aを推定する。推定された前後移動量ES_a及び旋回量EH_aは、挙動特定部24及び画像生成装置30に出力される。
第2推定部23は、撮影画像imをカメラ2から受ける。第2推定部23は、その受けた撮影画像imのうち少なくとも1つに基づいて、前後移動量ES_i及び旋回量EH_iを推定する。推定された前後移動量ES_i及び旋回量EH_iは、挙動特定部24及び画像生成装置30に出力される。
挙動特定部24は、第1推定部22から受けた前後移動量ES_a及び旋回量EH_aと、第2推定部23から受けた前後移動量ES_i及び旋回量EH_iとに基づいて、車両Vの挙動を特定する。挙動特定部24の構成については、後述する。
信頼度決定部25は、挙動特定部24により特定された車両Vの挙動に基づいて、前後移動量ES_a、旋回量EH_a、前後移動量ES_i及び旋回量EH_iの各々の信頼度を決定する。信頼度決定部25は、決定した信頼度を記録した信頼度情報Cを画像生成装置30に出力する。
メモリ26は、不揮発性の記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリである。メモリ26は、前進用基準テーブル41A及び41Bと、後退用基準テーブル42A及び42Bとを記憶する。
前進用基準テーブル41A及び41Bは、車両Vが前進している時に挙動特定部24により参照される。前進用基準テーブル41Aは、車両Vが前後方向にスリップしているか否かを判定するための基準を記録する。前進用基準テーブル41Bは、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定するための基準を記録する。
後退用基準テーブル42A及び42Bは、車両Vが後退している時に挙動特定部24により参照される。後退用基準テーブル42Aは、車両Vが前後方向にスリップしているか否かを判定するための基準を記録する。後退用基準テーブル42Bは、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定するための基準を記録する。
挙動特定部24は、前方スリップ判定部241と、後方スリップ判定部242と、旋回スリップ判定部243と、空転判定部244とを含む。
前方スリップ判定部241は、第1推定部22から受けた前後移動量ES_aと、第2推定部23から受けた前後移動量ES_iとに基づいて、車両Vが前方にスリップしているか否かを判定する。前方スリップ判定部241は、その判定結果を記録した前方スリップ情報KFを信頼度決定部25に出力する。
後方スリップ判定部242は、第1推定部22から受けた前後移動量ES_aと、第2推定部23から受けた前後移動量ES_iとに基づいて、車両Vが後方にスリップしているか否かを判定する。後方スリップ判定部242は、その判定結果を記録した後方スリップ情報KBを信頼度決定部25に出力する。
旋回スリップ判定部243は、第1推定部22から受けた旋回量EH_aと、第2推定部23から受けた旋回量EH_iとに基づいて、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定する。旋回スリップ判定部243は、その判定結果を記録した旋回スリップ情報KHを信頼度決定部25に出力する。
空転判定部244は、第1推定部22から受けた前後移動量ES_aと、第2推定部23から受けた前後移動量ES_iとに基づいて、空転が車両Vで発生しているか否かを判定する。空転判定部244は、その判定結果を記録した空転情報KMを信頼度決定部25に出力する。
{2.スリップ及び空転の定義}
ここで、スリップ及び空転の各々の定義を説明する。
前方スリップは、前後移動量ES_a及びES_iが車両Vの前進を示す場合、前後移動量EH_iの絶対値が前後移動量ES_iの絶対値よりも大きいことをいう。あるいは、前方スリップは、前後移動量ES_aが車両Vの停止を示すにも関わらず、前後移動量ES_iが車両Vの前進を示すことをいう。あるいは、前方スリップは、前後移動量ES_aの示す車両Vの移動方向と、前後移動量ES_iの示す車両Vの移動方向とが異なることをいう。
後方スリップは、前後移動量ES_a及びES_iが車両Vの後退を示す場合、前後移動量EH_iの絶対値が前後移動量ES_iの絶対値よりも大きいことをいう。あるいは、後方スリップは、前後移動量ES_aが車両Vの停止を示すにも関わらず、前後移動量ES_iが車両Vの後退を示すことをいう。あるいは、前方スリップは、前後移動量ES_aの示す車両Vの移動方向と、前後移動量ES_iの示す車両Vの移動方向とが異なることをいう。
旋回スリップは、旋回量EH_a及びEH_iの示す旋回方向が一致しないことをいう。あるいは、旋回スリップは、旋回量EH_a及びEH_iの一方が直進を示し、他方が旋回を示すこという。あるいは、旋回スリップは、旋回量EH_a及びEH_iの示す旋回方向が一致する場合、旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応しないことをいう。あるいは、旋回スリップは、旋回量EH_a及びEH_iの少なくとも一方が所定の閾値よりも大きいことをいう。
空転とは、前後移動量EH_i及びES_iが車両Vの同一方向の移動を示し、かつ、前後移動量ES_aの大きさが前後移動量EH_iの大きさよりも大きいことである。
{3.スリップ判定装置20の動作}
{3.1.全体的な動作の流れ}
図5は、スリップ判定装置20の動作を示すフローチャートである。スリップ判定装置20は、図5に示す処理を一定期間ごとに繰り返すことにより、車両Vがスリップしているか否かと、空転が車両Vで発生しているか否かとを判定する。
ステップS11は、回転速度取得部21により実行される。ステップS12及びS13は、第1推定部22により実行される。ステップS14及びステップS15により実行される。
第1推定部22及び第2推定部23は、シフトレバー7から受けたシフト位置情報71に基づいて、第1推定部22及び第2推定部23が使用する2次元座標系を決定する。シフト位置情報71がドライブ又はニュートラルを示す場合、スリップ判定装置20は、車両Vが前進すると想定し、車両Vが前進する場合における2次元座標系の使用を決定する。シフト位置情報71がリバースを示す場合、スリップ判定装置20は、車両Vが後退すると想定して、車両Vが後退する場合における2次元座標系の使用を決定する。
図6は、車両Vが前進する場合における2次元座標系の一例を示す図である。図6に示す2次元座標系において、原点は、車両Vの重心である。Y軸は、車両Vの前後方向に延びる。X軸は、車両Vの左右方向に延びる。X軸及びY軸の正方向は、車両Vの進行方向を基準にして決定される。Y軸の正方向は、車両Vの前方である。X軸の正方向は、Y軸の正方向を基準にして右方である。旋回方向は、原点Oが中心である円の周方向であり、旋回量は、Y軸の単位ベクトルUyとなす角である。旋回方向の正方向は、Y軸の正方向を基準にして時計周りの方向である。
図7は、車両Vが後退する場合における2次元座標系の一例を示す図である。図7に示すX軸及びY軸の各々の正方向は、図6に示すX軸及びY軸の各々の正方向と同じである。つまり、第1推定部22は、車両が前進するか後退するかに関係なく、同一の座標系を使用して、前後移動量ES_a及び旋回量EH_aを算出する。
なお、第1推定部22は、車両Vが実際に進行する方向がY軸の正方向に設定された座標系を使用してもよい。この場合、図7に示すX軸の正方向は、図6に示すX軸の正方向の反対方向である。図7に示すY軸の正方向は、図6に示すY軸の正方向の反対である。
以下、車両Vが前進する場合を例にして、ステップS11〜S15を説明する。
回転速度取得部21は、回転角センサ3から受けた回転角の変化量αに基づいて、車両Vの車輪の回転速度ωを算出する(ステップS11)。
具体的には、回転速度取得部21は、各車輪の回転速度を最初に算出する。一例として、左前輪1FLの回転速度の算出を説明する。回転角センサ3FLは、左前輪1FLが所定角度回転した場合にパルス信号を出力する。回転速度取得部21は、回転角センサ3FLから出力されるパルス信号をカウントする。回転速度取得部21は、所定期間におけるパルス信号のカウント値を所定期間で除算して、左前輪1FLの回転速度を取得する。所定期間は、例えば、0.5秒である。
回転速度取得部21は、駆動輪である左前輪1FL及び右前輪1FRの各々の回転速度を算出し、算出した2つの回転速度の平均を回転速度ωとして算出する。算出された回転速度ωは、第1推定部22に出力される。なお、回転速度取得部21は、車両Vの4つの車輪の回転速度の平均を回転速度ωとして第1推定部22に出力してもよい。
第1推定部22は、回転速度取得部21から受けた回転速度ωと、舵角センサ4から受けた舵角βとに基づいて、前後移動量ES_aを取得する(ステップS21)。
具体的には、第1推定部22は、時刻tにおける回転速度ωと車輪の半径とに基づいて、時刻tにおける車両Vの速度を算出する。第1推定部22は、算出した時刻tにおける速度と、時刻tにおける舵角βとに基づいて、時刻tにおけるシフト位置情報71とに基づいて、時刻tにおける移動ベクトルVr(図6参照)を取得する。移動ベクトルVrは、従来から用いられている算出方法により算出される。
移動ベクトルVrは、図6に示す2次元座標系上に表される。移動ベクトルVrは、時刻tにおける車両Vの進行方向を示す。第1推定部22は、移動ベクトルVrのY軸成分Vyを、前後移動量ES_aとして算出する。
再び、図5を参照して、第1推定部22は、ステップS11で算出された回転速度ωと、舵角センサ4から受けた舵角βとに基づいて、旋回量EH_aを推定する(ステップS13)。具体的には、第1推定部22は、図6に示すように、前後移動量ES_aの推定(ステップS12)で用いた移動ベクトルVrとY軸の単位ベクトルUyとのなす角φを、時刻tにおける旋回量EH_aとして算出する。
第2推定部23は、カメラ2により撮影された撮影画像imに基づいて、前後移動量ES_iを推定する(ステップS14)。
例えば、第2推定部23は、撮影画像imのうち、時刻tにおける撮影画像imFを、時刻t−1における撮影画像imFと比較して、時刻tにおけるオプティカルフローを算出する。時刻t−1は、図5に示す処理が前回に実行された時刻である。なお、時刻t−1は、時刻tよりも前の時刻であれば、特に限定されない。第2推定部23は、算出したオプティカルフローに基づいて、車両Vの移動量を特定する。オプティカルフローに基づいて特定される移動量は、時刻t−1における車両Vの位置を基準としたベクトルで表される。第2推定部23は、オプティカルフローに基づいて特定される移動量のY軸成分を算出し、その算出したY軸成分を前後移動量ES_iとして決定する。
第2推定部23は、カメラ2により撮影された撮影画像imに基づいて、旋回量EH_iを推定する(ステップS15)。具体的には、第2推定部23は、前後移動量ES_aを推定する際に算出されたオプティカルフローを使用する。第2推定部23は、時刻t-1における単位ベクトルUyとオプティカルフローに基づく移動量とのなす角を算出し、その算出した角を旋回量EH_iとして決定する。
なお、シフト位置情報71がリバースを示す場合、第1推定部22及び第2推定部23は、図7に示す2次元座標系を用いて前後移動量及び旋回量を算出する。図7に示す2次元座標系において、Y軸の正方向は、車両の後方である。このため、車両Vがスリップ及び空転することなく後退する場合、前後移動量ES_a及びES_iは、正の値である。
挙動特定部24は、シフト位置情報71に基づいて、シフトレバー7の位置がドライブ又はニュートラルであるか否かを判定する(ステップS16)。
シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合(ステップS16においてYes)、前方スリップ判定部241は、前進用基準テーブル41Aに基づいて、車両Vが前方にスリップしているか否かを判定する(ステップS17)。後方スリップ判定部242が、前進用基準テーブル41Aに基づいて、車両Vが後方にスリップしているか否かを判定する(ステップS18)。ステップS17及びS18の詳細は後述する。
旋回スリップ判定部243は、前進用基準テーブル41Bに基づいて、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定する(ステップS19)。空転判定部244は、前進用基準テーブル41Aに基づいて、空転が車両Vで判定しているか否かを判定する(ステップS20)。ステップS19及びS20の詳細は後述する。
ステップS16の説明に戻る。シフトレバー7の位置がリバースである場合(ステップS16においてNo)、前方スリップ判定部241は、後退用基準テーブル42Aに基づいて、車両Vが前方にスリップしているか否かを判定する(ステップS21)。後方スリップ判定部242は、後退用基準テーブル42Aに基づいて、車両Vが後方にスリップしているか否かを判定する(ステップS22)。ステップS21及びS22の詳細は後述する。
旋回スリップ判定部243は、後退用基準テーブル42Bに基づいて、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定する(ステップS23)。その後、空転判定部244は、後退用基準テーブル42Aを参照して、空転が車両Vで判定しているか否かを判定する(ステップS24)。ステップS23及びS24の詳細は後述する。
信頼度決定部25は、前方スリップ情報KFと、後方スリップ情報KBと、旋回スリップ情報KHと、空転情報KMとに基づいて、前後移動量及び旋回量の信頼度を決定する(ステップS25)。ステップS25の詳細については、後述する。
{3.2.シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合}
図8は、図4に示す前進用基準テーブル41Aの一例を示す図である。図8に示す前進用基準テーブル41Aは、シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合に参照される。図8を参照して、ES_aは、第1推定部22により推定された前後移動量ES_aの数値である。ES_iは、第2推定部23により推定された前後移動量ES_iの数値である。
シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合、ゼロより大きい前後移動量は、車両Vの前進を示す。ゼロより小さい前後移動量は、車両Vの後退を示す。前後移動量がゼロである場合、前後移動量は車両Vの停止を示す。
なお、前後移動量ES_aがゼロでない場合であっても、前後移動量ES_aが車両Vの停止を示してもよい。例えば、前後移動量ES_aが、車両Vが停止しているとみなせる範囲内である場合、前後移動量ES_aは、車両Vの停止を示してもよい。前後移動量ES_iも同様である。また、前後移動量ES_aがゼロである場合の説明は、後述する図10においても適用される。
{3.2.1.前方スリップ判定(ステップS17)}
前方スリップ判定部241が図7に示す前進用基準テーブル41Aを参照する場合を例にして、ステップS17を詳しく説明する。
前後移動量ES_aがゼロであり、かつ、前後移動量ES_iがゼロよりも大きい場合、前方スリップ判定部241は、車両Vの車輪がロックした状態で車両Vが前方にスリップしていると判定する。つまり、前後移動量ES_aが車両Vの停止を示し、かつ、前後移動量ES_iが車両Vの前進を示す場合、前方スリップ判定部241は、車両Vが前方にスリップしていると判定する。
前方スリップ判定部241は、下記の2つの条件が満たされた場合、車両Vの車輪が回転した状態で車両Vが前方にスリップしていると判定する。この場合、車輪の回転方向は、車両Vを前進させる方向である。2つの条件のうち、第1条件は、前後移動量Es_aがゼロよりも大きく、かつ、第1判定対象基準値TH_SaFよりも小さいことである。第2条件は、前後移動量ES_iが第2判定対象基準値TH_SiFよりも大きいことである。
前後移動量ES_aが第1判定対象基準値TH_SaFよりも大きく、かつ、前後移動量ES_iが第2判定対象基準値TH_SiFよりも大きい場合、前方スリップ判定部241は、スリップ判定の対象外と判定する。この場合、スリップが発生しているか否かは判定されない。
{3.2.2.後方スリップ判定(ステップS18)}
後方スリップ判定部242が図8に示す前進用基準テーブル41Aを参照する場合を例にして、ステップS18を詳しく説明する。
前後移動量ES_aがゼロであり、かつ、前後移動量ES_iが0よりも小さい場合、後方スリップ判定部242は、車輪がロックした状態で車両Vが後方にスリップしていると判定する。
前後移動量ES_aがゼロよりも大きく、かつ、前後移動量ES_iが0よりも小さい場合、後方スリップ判定部242は、車輪が回転しながらで車両Vが後方にスリップしていると判定する。
つまり、前後移動量ES_aが車両の前進を示しているにも関わらず、前後移動量ES_iが車両の後退を示している場合、後方スリップ判定部242は、車両Vが後方にスリップしていると判定する。
{3.2.3.旋回スリップ判定(ステップS19)}
図9は、図4に示す前進用基準テーブル41Bの一例を示す図である。旋回スリップ判定部243が図9に示す前進用基準テーブル41Bを参照する場合を例にして、ステップS19を説明する。
第1推定部22により推定された旋回量EH_aと、第2推定部23により推定された旋回量EH_iとが図8に示す所定の関係を満たす場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
最初に、図9に示す前進用基準テーブル41Bにおいて定義されている前進時の第1左旋回範囲と、前進時の第1右旋回範囲と、前進時の第2左旋回範囲と、前進時の第2右旋回範囲とを説明する。
前進時の第1左旋回範囲は、車両Vが前進しながら左旋回する場合に取得される旋回量EH_aの一般的な範囲である。前進時の第1左旋回範囲は、0°より大きく、かつ、閾値TH_HaFL以下以上である。
前進時の第1右旋回範囲は、車両Vが前進しながら右旋回する場合に取得される旋回量EH_aの一般的な範囲である。前進時の第1右旋回範囲は、0°より小さく、かつ、閾値TH_HaFR以上である。
前進時の第2左旋回範囲は、車両Vが前進しながら左旋回する場合に取得される旋回量EH_iの一般的な範囲である。前進時の第2左旋回範囲は、0°より大きく、かつ、閾値TH_HiFL以下以上である。
前進時の第2右旋回範囲は、車両Vが前進しながら右旋回する場合に取得される旋回量EH_iの一般的な範囲である。前進時の第2右旋回範囲は、0°より小さく、かつ、閾値TH_HiFR以上である。
閾値TH_HaFL及びTH_HiFLは、0°より大きく、かつ、90°より小さい数値である。閾値TH_HaFR及びTH_HiFRは、0°より小さく、かつ、−90°より大きい数値である。
また、図9に示す前進用基準テーブル41Bにおいて、旋回量がゼロである場合、その旋回量は、車両Vが前方に直進していることを示す。しかし、旋回量がゼロでない場合であっても、旋回量が、車両Vの直進を示してもよい。具体的には、旋回量EH_a及びEH_iの各々が車両Vが直進してとみなせる範囲内である場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが直進していると判定してもよい。
旋回量EH_aが左旋回を示す場合における旋回方向のスリップ判定を説明する。
旋回量EH_aが閾値TH_HaFLよりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、旋回量EH_iに関係なく、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
旋回量EH_a及びEH_iの両者が左旋回を示すにも関わらず、旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応しない場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。具体的には、旋回量EH_aが前進時の第1左旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iがゼロ以下である場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが前進時の第1左旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが閾値TH_HiFLよりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
旋回量EH_aが前進時の第1左旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが前進時の第2左旋回範囲内にある場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが左旋回をしていると判定する。旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応するためである。
旋回量EH_aが車両Vの前方への直進を示す場合における旋回方向のスリップ判定を説明する。
旋回量EH_aがゼロであり、かつ、旋回量EH_iがゼロよりも小さい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aがゼロであり、かつ、旋回量EH_iがゼロよりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_a及びEH_iの両者がゼロである場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが前方に直進していると判定する。
旋回量EH_aが右旋回を示す場合における旋回方向のスリップ判定を説明する。
旋回量EH_aが前進時の第1右旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが閾値TH_HiFLよりも小さい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが前進時の第1右旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iがゼロよりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが前進時の第1右旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが第2右旋回範囲内にある場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが左旋回をしていると判定する。
旋回量EH_aが閾値TH_HaFLよりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、旋回量EH_iに関係なく、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
{3.2.4.空転判定(ステップS20)}
空転判定部244が図8に示す前進用基準テーブル41Aを参照する場合を例にして、ステップS20を説明する。
旋回量EH_aがゼロより大きく、かつ、旋回量EH_iがゼロである場合、空転判定部244は、車両Vが停止した状態で車輪が空転していると判定する。
空転判定部244は、下記の2つの条件が満たされる場合、車両Vが停止した状態で車輪が空転していると判定する。2つの条件のうち第1条件は、旋回量EH_aが第1判定対象基準値TH_SaFより大きいことである。第2条件は、旋回量EH_iが0より大きく、かつ、第2判定対象基準値TH_SiF以下であることである。
{3.3.シフトレバー7がリバースである場合}
{3.3.1.前方スリップ判定(ステップS21)}
図10は、図4に示す後退用基準テーブル42Aの一例を示す図である。図10に示す後退用基準テーブル42Aは、シフトレバー7がリバースである場合に参照される。
シフトレバー7がリバースである場合、Y軸の正方向は、車両Vの前方である。従って、ゼロより小さい前後移動量は、車両Vの後退を示す。ゼロより大きい前後移動量は、車両Vの前進を示す。前後移動量がゼロである場合、前後移動量は、車両Vの停止を示す。
以下、前方スリップ判定部241が図10に示す後退用基準テーブル42Aを参照する場合を例にして、ステップS21を説明する。
前後移動量ES_aがゼロであり、かつ、前後移動量ES_iが0よりも大きい場合、前方スリップ判定部241は、車輪がロックした状態で車両Vが前方にスリップしていると判定する。つまり、前後移動量ES_aが車両Vの停止を示し、かつ、前後移動量ES_iが車両Vの前進を示す場合、前方スリップ判定部241は、車両Vが前方にスリップしていると判定する。
前後移動量ES_aがゼロよりも小さく、かつ、前後移動量ES_iが0よりも大きい場合、前方スリップ判定部241は、車輪が回転しながらで車両Vが前方にスリップしていると判定する。つまり、前後移動量ES_aが車両Vの後退を示し、前後移動量ES_iが車両Vの前進を示す場合、前方スリップ判定部241は、車両Vが前方にスリップすると判定する。
{3.3.2.後方スリップ判定(ステップS22)}
後方スリップ判定部242が図10に示す後退用基準テーブル42Aを参照する場合を例にして、ステップS22を説明する。
前後移動量ES_aがゼロであり、かつ、前後移動量ES_iがゼロよりも小さい場合、後方スリップ判定部242は、車両Vの車輪がロックした状態で車両Vが後方にスリップしていると判定する。つまり、前後移動量ES_aが車両Vの停止を示し、かつ、前後移動量ES_iが車両Vの後退を示す場合、後方スリップ判定部242は、車両Vが前方にスリップしていると判定する。
下記の2つの条件が満たされた場合、後方スリップ判定部242は、車両Vの車輪が回転した状態で車両Vが後方にスリップしていると判定する。2つの条件のうち、第1条件は、前後移動量Es_aがゼロよりも小さく、かつ、第1判定対象基準値TH_SaB以上であることである。第2条件は、前後移動量ES_iが第2判定対象基準値TH_SiBよりも小さいことである。
言い換えれば、前後移動量ES_a及びES_iが車両Vの後退を示し、かつ、前後移動量ES_iが前後移動量ES_aよりも大きい場合、後方スリップ判定部242は、車輪が回転しながら車両Vが後方にスリップしていると判定する。
前後移動量ES_aが第1判定対象基準値TH_SaBよりも小さく、かつ、前後移動量ES_iが第2判定対象基準値TH_SiBよりも小さい場合、後方スリップ判定部242は、スリップ判定の対象外と判定する。
{3.3.3.旋回スリップ判定(ステップS23)}
図11は、図4に示す後退用基準テーブル42Bの一例を示す図である。図11に示す後退用基準テーブル42Bにおいて、旋回スリップ判定部243が図11に示す後退用基準テーブル42Bを参照する場合を例にして、ステップS23を説明する。
図11を参照して、車両Vが後退する場合における旋回方向を定義する。第1旋回量EH_aは、ゼロよりも大きく、かつ、180°よりも小さい場合、車両Vが後退しながら右旋回していることを示す。第2旋回量EH_iは、ゼロよりも大きく、かつ、180°よりも小さい場合、車両Vが後退しながら右旋回していることを示す。第1旋回量EH_aは、ゼロよりも小さく、かつ、−180°よりも大きい場合、車両Vが後退しながら左旋回していることを示す。第2旋回量EH_iは、ゼロよりも小さく、かつ、−180°よりも大きい場合、車両Vが後退しながら右旋回していることを示す。
第1推定部22により推定された第1旋回量EH_aと、第2推定部23により推定された第2旋回量EH_iとが図9に示す所定の関係を満たす場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
次に、図11に示す後退用基準テーブル42Bにおいて定義されている後退時の第1左旋回範囲と、後退時の第1右旋回範囲と、後退時の第2左旋回範囲と、後退時の第2右旋回範囲とを定義する。
後退時の第1左旋回範囲は、車両Vが後退しながら左旋回する場合に取得される旋回量EH_aの一般的な範囲である。後退時の第1左旋回範囲は、−180°より大きく、かつ、閾値TH_HaBL以下である。
後退時の第1右旋回範囲は、車両Vが後退しながら右旋回する場合に取得される旋回量EH_aの一般的な範囲である。後退時の第1右旋回範囲は、180°より小さく、かつ、閾値TH_HaBR以上である。
後退時の第2左旋回範囲は、車両Vが後退しながら左旋回する場合に取得される旋回量EH_iの一般的な範囲である。後退時の第2左旋回範囲は、−180°より大きく、かつ、閾値TH_HiBL以上である。
後退時の第2右旋回範囲は、車両Vが後退しながら右旋回する場合に取得される旋回量EH_iの一般的な範囲である。後退時の第2右旋回範囲は、180°より小さく、かつ、閾値TH_HiBR以上である。
閾値TH_HaBL及びTH_HiBLは、−180°より大きく、かつ、−90°よりも小さい数値である。閾値TH_HaBR及びTH_HiBRは、180°より小さく、かつ、90°より大きい数値である。
旋回量EH_aが左旋回を示す場合における旋回方向のスリップ判定を説明する。
旋回量EH_aが閾値TH_HaBLよりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、旋回量EH_iに関係なく、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
旋回量EH_a及びEH_iの両者が左旋回を示すにも関わらず、旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応しない場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。具体的には、旋回量EH_aが後退時の第1左旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが180°以下である場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが後退時の第1左旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが閾値TH_HiBLよりも大きい場合、
旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが後退時の第1左旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが後退時の第2左旋回範囲内にある場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが左旋回をしていると判定する。旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応するためである。
旋回量EH_aが後方に直進していることを示す場合におけるスリップ判定について説明する。旋回量EH_aが180°又は−180°であり、かつ、旋回量EH_iが−180°よりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが180°又は−180°であり、かつ、旋回量EH_iが180°よりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_a及びEH_iの両者がゼロである場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが後方に直進していると判定する。
旋回量EH_aが右旋回を示す場合におけるスリップ判定について説明する。
旋回量EH_aが閾値TH_HaBRよりも小さい場合、旋回スリップ判定部243は、旋回量EH_iに関係なく、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
旋回量EH_a及びEH_iの両者が右旋回を示すにも関わらず、旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応しない場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。具体的には、旋回量EH_aが後退時の第1右旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが閾値TH_HiBRよりも小さい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。旋回量EH_aが後退時の第1右旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが−180°よりも大きい場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが旋回方向にスリップしていると判定する。
旋回量EH_aが後退時の第1右旋回範囲内にあり、かつ、旋回量EH_iが後退時の第2右旋回範囲内にある場合、旋回スリップ判定部243は、車両Vが右旋回をしていると判定する。旋回量EH_aの絶対値及び旋回量EH_iの絶対値が対応するためである。
{3.3.4.空転判定(ステップS24)}
空転判定部244は、後退用基準テーブル42Aを参照して、空転が車両Vで発生しているか否かを判定する。図10を参照して、前後移動量ES_aがゼロより小さく、かつ、前後移動量ES_iがゼロである場合、空転判定部244は、車両Vが停止した状態で車輪が空転していると判定する。
空転判定部244は、下記の2つの条件が満たされる場合、車両Vが後退しながら車輪が空転していると判定する。2つの条件のうち、第1条件は、前後移動量ES_aが第1判定対象基準値TH_SaBよりも小さいことである。第2条件は、前後移動量ES_iが0よりも小さく、かつ、第2判定対象基準値TH_SiB以上であることである。
{3.4.信頼度判定(ステップS25)}
信頼度決定部25は、挙動特定部24から受けた前方スリップ情報KFと、後方スリップ情報KBと、旋回スリップ情報KHと、空転情報KMとに基づいて、前後移動量及び旋回量の信頼度を決定する(ステップS25)。
具体的には、前方スリップ情報KFが前方スリップの発生を記録している場合、または、後方スリップ情報KBが後方スリップの発生を記録している場合、信頼度決定部25は、前後移動量ES_aの信頼度を前後移動量ES_iの信頼度よりも低く設定する。前方スリップ又は後方スリップが発生している場合、回転速度ωから算出される前後移動量ES_aは、車両Vの前後方向の実際の移動量を反映していないためである。
前方スリップ情報KF及び後方スリップ情報KBの両者がスリップの発生を記録していない場合、信頼度決定部25は、前後移動量ES_aの信頼度を前後移動量ES_iの信頼度よりも高く設定する。前後方向のスリップが発生していない場合、前後移動量ES_aの誤差が、前後移動量ES_iの誤差よりも有意に低いためである。
空転情報KMが空転の発生を記録している場合、信頼度決定部25は、前後移動量ES_aの信頼度を前後移動量ES_iの信頼度よりも低く設定する。空転情報KMが空転の発生を記録していない場合、信頼度決定部25は、前後移動量ES_aの信頼度を前後移動量ES_iの信頼度よりも高く設定する。
旋回スリップ情報KHがスリップの発生を記録している場合、信頼度決定部25は、旋回量EH_aの信頼度を旋回量EH_iの信頼度よりも低く設定する。旋回スリップが発生している場合、旋回量EH_aは、車両Vの実際の旋回量を反映していないためである。
旋回スリップ情報KHがスリップの発生を記録していない場合、信頼度決定部25は、旋回量EH_aの信頼度を旋回量EH_iの信頼度よりも高く設定する。旋回スリップが発生していない場合、旋回量EH_aの誤差が、旋回量EH_iの誤差よりも有意に低いためである。
信頼度決定部25は、前後移動量ES_a及びES_iの各々の信頼度と、旋回量EH_a及びEH_iの各々の信頼度を記録した信頼度情報Cを画像生成装置30に生成する。
{3.5.画像生成装置30の動作}
画像生成装置30は、前後移動量ES_a及びEH_iと、旋回量EH_a及びEH_iと、信頼度情報Cとをスリップ判定装置20から受ける。
画像生成装置30は、信頼度情報Cに基づいて、床下画像im_Uの生成に使用する前後移動量及び旋回量を特定する。具体的には、画像生成装置30は、前後移動量ES_a及びES_iのうち信頼度の高い前後移動量を選択し、旋回量EH_a及びEH_iのうち信頼度の高い旋回量を選択する。選択された前後移動量及び旋回量が、床下画像im_Uの生成に用いられる。
画像生成装置30は、選択された前後移動量及び旋回量に基づいて、過去に撮影された撮影画像imの中から、現在の床下の路面が撮影された領域を特定する。画像生成装置30は、特定された領域の画像を撮影画像imから抽出し、抽出した画像を床下画像im_Uとして表示装置40に出力する。
なお、画像生成装置30は、撮影画像imから車両Vの周辺画像を生成し、生成された周辺画像から現在の床下の路面が撮影された領域を特定してもよい。
以上説明したように、スリップ判定装置20は、前後移動量ES_a_及びES_iを用いて、車両Vが前方にスリップしているか否かと、車両Vが後方にスリップしているか否かを判定する。これにより、スリップ判定装置20は、車両Vがスリップしている場合にスリップ方向を特定できる。
スリップ判定装置20は、旋回量EH_a及びEH_iに基づいて、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かを判定する。これにより、スリップ判定装置20は、車両Vが前後方向にスリップしているか否かだけでなく、車両Vが旋回方向にスリップしているか否かも判定することができる。
スリップ判定装置20は、旋回量EH_a及びEH_iに基づいて、空転が車両Vで発生しているか否かを判定する。これにより、スリップ判定装置20は、車両Vがスリップしているか否かだけでなく、空転しているか否かを判定できる。
スリップ判定装置20は、前後移動量ES_aが第1判定対象基準値よりも大きく、前後移動量ES_iが第2判定対象基準値よりも大きい場合、スリップ判定を中断する。これにより、スリップ判定装置20は、スリップが発生していないにもかかわらず、スリップが発生したと誤って判定することを抑制できる。
なお、上記実施の形態では、シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合と、シフトレバー7がリバースである場合とで、異なる2次元座標系を使用する例を説明したが、これに限られない。シフトレバー7がリバースである場合であっても、スリップ判定装置20は、図6に示す2次元座標系を用いてもよい。
上記実施の形態において、挙動特定部24が旋回スリップ判定部243及び空転判定部244を含む例を説明したが、これに限られない。挙動特定部24は、旋回スリップ判定部243を含まなくてもよいし、空転判定部244を含まなくもよい。
上記実施の形態において、スリップ判定装置20が、シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合とシフトレバー7がリバースである場合との各々において、スリップ判定及び空転判定を行う例を説明したが、これに限られない。スリップ判定装置20は、シフトレバー7がドライブ又はニュートラルである場合とシフトレバー7がリバースである場合とのいずれか一方において、スリップ判定及び空転判定を行ってもよい。
上記実施の形態において、スリップ判定装置20が、シフトレバー7の位置に基づいて、車両Vが前進するか後退するかを特定する例を説明したが、これに限られない。回転角センサ3が車輪の回転方向を検出できる場合、スリップ判定装置20は、回転角センサ3により検出された車輪の回転方向に基づいて、車両Vが前進するか後退するかを特定してもよい。
上記実施の形態において、図9に示す第1判定対象基準値TH_SaFと第2判定対象基準値TH_SiFとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。例えば、前後移動量ES_a及びES_iの各々の精度に応じて、第1判定対象基準値TH_SaFと第2判定対象基準値TH_SiFとを変更してもよい。同様に、図10に示す第1判定対象基準値TH_SaBと第2判定対象基準値TH_SiBとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
図9に示す閾値TH_HaFLと閾値TH_HiFLとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。閾値TH_HaFRと閾値TH_HiFRとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。旋回量EH_a及びEH_iの各々の精度に応じて、これらの閾値を調整してもよい。同様に、図11に示す閾値TH_HaBLと閾値TH_HiBLとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。閾値TH_HaFRと閾値TH_HiFRとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
また、上記実施の形態において、スリップ判定装置20の各機能ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、スリップ判定装置20により実行される処理の一部または全部は、プログラムにより実現されてもよい。そして、上記各実施の形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施の形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
例えば、スリップ判定装置20の各機能ブロックを、ソフトウェアにより実現する場合、図8に示したハードウェア構成(例えば、CPU、ROM、RAM、入力部、出力部等をバスBusにより接続したハードウェア構成)を用いて、各機能部をソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。
また、上記実施の形態における処理方法の実行順序は、上記実施の形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実行順序を入れ替えてもよい。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
20 スリップ判定装置
21 回転速度取得部
22 第1推定部
23 第2推定部
24 挙動特定部
25 信頼度決定部
241 前方スリップ判定部
242 後方スリップ判定部
243 旋回スリップ判定部
244 空転判定部

Claims (6)

  1. 車輪の回転に基づいて移動体の第1移動量を推定する第1推定部と、
    前記移動体に搭載されたカメラにより撮影された撮影画像から前記移動体の第2移動量を推定する第2推定部と、
    前記第1推定部により推定された第1移動量が前記移動体の停止又は前進を示し、かつ、前記第2推定部により推定された第2移動量が前記移動体の後退を示す場合、前記移動体が後方にスリップしていると判定する後方スリップ判定部と、
    前記推定された第1移動量が前記移動体の停止又は後退を示し、かつ、前記推定された第2移動量が前記移動体の前進を示す場合、前記移動体が前方にスリップしていると判定する前方スリップ判定部と、を備えるスリップ判定装置。
  2. 請求項1に記載のスリップ判定装置であって、
    前記第1推定部は、前記移動体の操舵輪の舵角及び前記推定された第1移動量に基づいて、前記移動体の前後方向の移動量である第1前後移動量を推定し、
    前記第2推定部は、前記推定された第2移動量に基づいて、前記移動体の前後方向の移動量である第2前後移動量を推定し、
    前記後方スリップ判定部は、前記第1推定部により推定された第1前後移動量及び前記第2推定部により推定された第2前後移動量が前記移動体の後退を示し、かつ、前記推定された第2前後移動量の大きさが前記推定された第1前後移動量の大きさを上回る場合、前記移動体が後方にスリップしていると判定し、
    前記前方スリップ判定部は、前記推定された第1前後移動量及び前記推定された第2前後移動量が前記移動体の前進を示し、かつ、前記推定された第2前後移動量の大きさが前記推定された第1前後移動量の大きさを上回る場合、前記移動体が前方にスリップしていると判定する、スリップ判定装置。
  3. 請求項1又は2に記載のスリップ判定装置であって、
    前記第1推定部は、前記移動体の操舵輪の舵角と前記推定された第1移動量に基づいて、前記移動体の旋回量である第1旋回量を推定し、
    前記第2推定部は、前記推定された第2移動量に基づいて、前記移動体の旋回量である第2旋回量を推定し、
    前記スリップ判定装置は、さらに、
    前記第1推定部により推定された第1旋回量と、前記第2推定部により推定された第2旋回量とが所定の条件を満たす場合、前記移動体が旋回方向にスリップしていると判定する旋回スリップ判定部、を備えるスリップ判定装置。
  4. 請求項2又は3に記載のスリップ判定装置であって、さらに、
    前記推定された第1前後移動量が前記移動体の移動を示し、かつ、前記推定された第2前後移動量が前記移動体の停止を示している場合、空転が前記移動体で発生していると判定する空転判定部、を含むスリップ判定装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のスリップ判定装置であって、
    前記推定された第1前後移動量の大きさが予め設定された第1閾値を上回り、かつ、前記推定された第2前後移動量の大きさが予め設定された第2閾値を上回る場合、前記前方スリップ判定部及び前記後方スリップ判定部は、前記移動体のスリップの判定を中止する、スリップ判定装置。
  6. 車輪の回転に基づいて移動体の第1移動量を推定するステップと、
    前記移動体に搭載されたカメラにより撮影された撮影画像から前記移動体の第2移動量を推定するステップと、
    前記推定された第1移動量が前記移動体の停止又は前進を示し、かつ、前記推定された第2移動量が前記移動体の後退を示す場合、前記移動体が後方にスリップしていると判定するステップと、
    前記推定された第1移動量が前記移動体の停止又は後退を示し、かつ、前記推定された第2移動量が前記移動体の前進を示す場合、前記移動体が前方にスリップしていると判定するステップと、を備えるスリップ判定方法。
JP2018225349A 2018-11-30 2018-11-30 スリップ判定装置 Pending JP2020085848A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018225349A JP2020085848A (ja) 2018-11-30 2018-11-30 スリップ判定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018225349A JP2020085848A (ja) 2018-11-30 2018-11-30 スリップ判定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020085848A true JP2020085848A (ja) 2020-06-04

Family

ID=70907965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018225349A Pending JP2020085848A (ja) 2018-11-30 2018-11-30 スリップ判定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020085848A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004203192A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Toyota Industries Corp 駐車支援装置
JP2006088828A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Toyota Motor Corp 自動操舵装置
JP2016197785A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 アイシン精機株式会社 周辺監視装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004203192A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Toyota Industries Corp 駐車支援装置
JP2006088828A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Toyota Motor Corp 自動操舵装置
JP2016197785A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 アイシン精機株式会社 周辺監視装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10710504B2 (en) Surroundings-monitoring device and computer program product
CN104118428B (zh) 一种使用增强的停车辅助轮速补偿技术来停放车辆的方法
JP7069548B2 (ja) 周辺監視装置
JP2019509204A (ja) 標的物を必要としないヒッチ角度検出およびトレーラ形状学習を有する車両−トレーラ後退システム
US20160375933A1 (en) Parking assist system
JP5850066B2 (ja) 物体検知装置
US10055994B2 (en) Parking assistance device
US20170259831A1 (en) Driving assistance device and driving assistance system
CN107074242A (zh) 车辆位置检测装置
JP6760122B2 (ja) 周辺監視装置
CN111806455A (zh) 车辆挂接球检测系统
US10489950B2 (en) Display control device for displaying a captured image of a vehicle periphery
JP7323326B2 (ja) 駐車支援装置、及び駐車支援装置の制御方法
JP2019003613A (ja) 車両の車両カメラを較正するための方法および装置
US10538269B2 (en) Steering system handwheel angle determination
WO2015122124A1 (ja) 車両周辺画像表示装置、車両周辺画像表示方法
JP2021056882A (ja) 周辺監視装置および周辺監視プログラム
JP6841331B2 (ja) 車両駐車支援装置、車両駐車支援プログラム
US11385254B2 (en) Movement distance calculation device
JP2020085848A (ja) スリップ判定装置
JP6822302B2 (ja) 駐車支援装置
JP5821653B2 (ja) 車両制御装置
JP7358933B2 (ja) カメラキャリブレーション装置
CN113682311A (zh) 车辆循迹控制设备、方法、车辆和存储介质
CN117585056B (zh) 转向车轮控制方法、车辆控制器及车辆

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230328