JP2020085554A - 車両重量推定装置及び、車両重量推定方法 - Google Patents

車両重量推定装置及び、車両重量推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両重量の推定精度を効果的に向上する。【解決手段】車両10の状態量を示すパラメータを取得するパラメータ取得部23〜27と、取得されるパラメータに基づいて、車両10の重量値を所定周期ごとに演算する第1演算部32と、所定周期ごとに演算された複数の重量値に対して、パラメータとしての車両10の駆動トルクが大きい状態で演算された重量値の比重を、駆動トルクが小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、車両10の重量推定値を演算する第2演算部34とを備えた。【選択図】図2

Description

本開示は、車両重量推定装置及び、車両重量推定方法に関する。
車両重量を推定する技術として、例えば、特許文献1には、車両の駆動力が基準駆動力以上であり、かつ、車両の加速度が基準加速度以上であるときに、これら駆動力及び、加速度等の車両走行状態量に基づいて車両の重量を推定する技術が開示されている。
特開2017−096639号公報
ところで、上記特許文献1記載の技術のように、重量推定処理の実行を、車両の駆動力や加速度が所定の基準値以上のときのみ許可すると、車両の走行状態が変化した場合等、許可条件を満たす時間を十分に確保できない場合に、重量推定処理を完了できないといった課題がある。一方、重量推定処理の許可条件を緩く設定すると、誤差が大きくなることで、推定精度を確保できなくなるといった課題もあった。
本開示の技術は、車両重量の推定精度を効果的に向上することを目的とする。
本開示の車両重量推定装置は、車両の状態量を示すパラメータを取得するパラメータ取得手段と、取得される前記パラメータに基づいて、前記車両の重量値を所定周期ごとに演算する第1演算手段と、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の駆動トルクが大きい状態で演算された重量値の比重を、前記駆動トルクが小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、前記車両の重量推定値を演算する第2演算手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の加速度が大きい状態で演算された重量値の比重を、前記加速度が小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定することが好ましい。
また、前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の変速機のギヤ段が低い状態で演算された重量値の比重を、前記ギヤ段が高い状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定することが好ましい。
また、前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の速度が低い状態で演算された重量値の比重を、前記車速が高い状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定することが好ましい。
また、前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、予め設定した前記車両の基準重量との差が小さい重量値の比重を、前記基準重量との差が大きい重量値の比重よりも大きく設定することが好ましい。
本開示の車両重量推定方法は、車両の状態量を示すパラメータを取得し、取得される前記パラメータに基づいて、前記車両の重量値を所定周期ごとに演算し、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の駆動トルクが大きい状態で演算された重量値の比重を、前記駆動トルクが小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、前記車両の重量推定値を演算することを特徴とする。
本開示の技術によれば、車両重量の推定精度を効果的に向上することができる。
本実施形態に係る車両を示す模式的な全体構成図である。 本実施形態に係る制御装置及び周辺構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る車両重量推定処理の流れを説明するフローチャート図である。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る車両重量推定装置及び車両重量推定方法を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態に係る車両重量推定装置30を搭載した車両10の模式的な全体構成図である。車両重量推定装置30は、車両10の走行中に変化する車速や加速度等、車両10の停車中に荷降ろし等により変化する積荷状態等、車両の状態量を示すパラメータに基づいて、車両10の重量を推定する装置である。以下、符号にx、yが付随するものは変数であり、センサ等の検出値や推定値を示す。
図1に示すように、車両10は、例えば、トラック等のキャブオーバ型車両であって、車体前後方向に延びる左右一対の不図示のシャシフレームの車体前側にキャブ(運転室)12が搭載され、シャシフレームのキャブ12よりも車体後側にボディ13が搭載されている。
車両10には、駆動力源の一例としてのエンジン14が搭載されている。エンジン14の回転動力は、クラッチ15を介してトランスミッション16(変速機)に伝達される。トランスミッション16にて変速された回転動力は、プロペラシャフト17を介してディファレンシャルギヤ18に伝達され、後輪である左右一対の駆動輪19L,19Rにそれぞれ駆動力として分配される。図中において、符号21L,21Rは、左右の前輪(操舵輪)をそれぞれ示している。なお、エンジン14とクラッチ15との間にはトルクコンバータを介在させてもよい。
制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。制御装置20は、エンジン14、クラッチ15、トランスミッション16、及び各種センサ23〜27に破線で示す信号線を介して電気的に接続されている。
車両10は、各種センサ23〜27として、図示しないアクセルペダルの踏み込み量からアクセル開度Axを取得するアクセル開度センサ23、図示しないシフトレバーのレバーポジションPxを取得するポジションセンサ24、エンジン14の図示しないクランクシャフトの回転速度Nxを取得する回転速度センサ25、プロペラシャフト16又はトランスミッション16の不図示のアウトプットシャフトから車速vxを取得する車速センサ26及び、車両10の前後方向の加速度Gxを取得する加速度センサ27を備えている。各種センサ23〜27のセンサ値は、電気的に接続された制御装置20に送信される。これら各種センサ23〜27は、本開示のパラメータ取得手段の一例に相当する。
図2に示すように、制御装置20は、エンジン14、クラッチ15、及びトランスミッション16を制御する制御部28と、車両10の重量を推定演算する車両重量推定装置30とを各機能要素として有している。本実施形態では、各機能要素は、プログラムとして記憶部(RAM又はROM)に格納されているが、各機能要素が個別のハードウェアで構成されてもよい。
制御部28は、パラメータ取得手段の一部として機能する機能要素であり、本実施形態では、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとにエンジン14における燃料噴射量Qxを取得する。燃料噴射量Qxは、エンジン14の図示しないインジェクタの噴射時間(駆動パルス)に比例することから噴射時間の合計値から求められる。
制御部28は、アクセル開度センサ23により検出したアクセル開度Axが入力されて、そのアクセル開度Axに基づいて、基準噴射時間を算出する。次いで、制御部28は、車両10に搭載されてエンジン14により駆動する車載装置の駆動の有無、エンジン14から排出された排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置の再生の有無等に基づいて、追加噴射時間を算出する。この追加噴射時間に基づいた噴射量の燃料が噴射されると、車載装置の駆動力を補ったり、排気ガス浄化装置を再生したりする。次いで、制御部28は、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとに基準噴射時間及び追加噴射時間の合計値に基づいて燃料噴射量Qxを算出する。
制御部28としては、エンジン14における実際に噴射された燃料噴射量Qxを取得できればよく、この構成に限定されない。制御部28としては、図示しないインテークマニホールドの内圧、体積効率、及び要求空燃比から、あるいは、吸入空気量及びエンジン回転速度Nxから基準噴射時間を算出してもよい。車載装置としては、エアコンプレッサやモータジェネレータなどが例示できる。排気ガス浄化装置としては、排気ガス中の粒子状物質を捕集する捕集フィルタが例示できる。
ポジションセンサ24は、パラメータ取得手段の一部として機能するセンサであり、車両10の運転者によって操作される不図示のシフトレバーの位置を電気的に検出することによって運転者が要求するレバーポジションPxを検出する。ポジションセンサ24は、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとにレバーポジションPxに応じたトランスミッション16のギヤ比ixを検出する。レバーポジションPxとしては、駐車ポジション(Pポジション)、後進ポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、前進ポジション(Dレンジ)等が例示できる。前進ポジションは、例えば、1速から6速の複数段が設定されている。各前進ポジションには、1速から段数が上がるごとに小さくなるギヤ比ixが設定されている。トランスミッション16がAMT(Automated Manual Transmission)で構成されている場合は、ポジションセンサ24の代わりに、制御部28で制御されたトランスミッション16の変速段を読み取る機能を有したものを用いてもよい。また、制御部28の制御信号からトランスミッション16のギヤ比ixを取得する場合に、そのギヤ比ixは、クラッチ15が接状態であれば、車速vxとエンジン回転速度Nxとに基づいて求めることもできる。
車速センサ26は、パラメータ取得手段の一部として機能するセンサであり、プロペラシャフト17の回転速度に比例したパルス信号を読み取り、制御装置20の図示しない車速演算処理により、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとに車速vxを取得する。車速センサ26が回転速度に比例したパルス信号に基づいて車速vxを取得することから、取得された車速vxは、負ではなくゼロ以上の値になる。車速センサ26としては、駆動輪19L,19Rや操舵輪21L,21Rの回転速度から車速vxを取得する車輪速センサ等を用いてもよい。なお、車輪速センサを用いる場合には、左右一対の車輪のそれぞれの回転速度を取得して、その平均値を車速vxとするとよい。
加速度センサ27は、パラメータ取得手段の一部として機能するセンサであり、車両10の前後方向での速度変化に伴う加速度成分と、車両10の姿勢変化に伴う重力加速度成分とによって動作する。加速度センサ27は、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとに、それらを合成した路面に平行な加速度成分、すなわち車両10の前後方向の加速度Gxを取得する。加速度センサ27としては、機械的変位測定方式、光学的方式、半導体方式等が例示できる。
本実施形態において、車両重量推定装置30は、各機能要素として、車両重量値演算部32(第1演算手段)と、重み付け平均処理部34(第2演算手段)とを有している。車両重量推定装置30の各機能要素は、プログラムとして記憶部(RAM又はROM)に格納されているが、各機能要素が個別のハードウェアで構成されてもよい。
車両重量値演算部32には、制御部28及び各種センサ23〜27の検出値が入力される。車両重量値演算部32は、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとに、車両10の車両重量値mxを演算する。以下、車両重量値演算部32による車両重量値mxの演算処理について詳細に説明する。
車両10の前後方向の運動方程式は、下記の数式(1)で表される。数式(1)において、vx’は車速vxを時間微分した微分値を、Twは駆動輪19L,19Rに伝達される車両10の駆動トルクを、rwは駆動輪19L,19Rの車輪径を、Δmxは後述する回転部分相当質量を、Bは定数を、gは重力加速度を、μは転がり抵抗係数、βは道路勾配をそれぞれ示している。定数Bは「0.5」、空気密度ρ、車両10の前面投影面積Af、及び空気抵抗係数Cdを乗算した定数である。車輪径rw、定数B、転がり抵抗係数μは、車両10に固有の値として求められる。なお、転がり抵抗係数μは、路面の状況、タイヤの接地状態等を考慮して車両10の走行中に推定してもよい。
Figure 2020085554
上記の数式(1)を変形すると、車両10の重量mxは、下記の数式(2)に表される。数式(2)において、分母Φxは第1パラメータ、分子Φyは第2パラメータをそれぞれ示している。
Figure 2020085554
車両重量値演算部32は、下記の数式(3)により、分母Φxである第1パラメータΦxを算出する。
Figure 2020085554
加速度Gxは、上述したとおり車両10の前後方向での速度変化に伴う加速度成分と車両10の姿勢変化に伴う重力加速度成分とを合成した路面に平行な加速度成分である。すなわち、加速度Gxは、微分値vx’と重力加速度成分g・sinβとを加算した値になる。したがって、数式(3)は、数式(2)の分母Φxと同義である。
第1パラメータΦxの変数としては、上記の数式(2)に示すように、加速度Gxの代わりに、車速vxの微分値vx’と、車両10の走行している路面勾配に基づいた重力加速度成分g・sinβとを用いてもよい。この場合は、加速度センサ27の代わりに、車速センサ26と車両10が走行している路面勾配を取得する勾配センサや路面勾配を演算する機能要素を用いるとよい。
車両重量値演算部32は、下記の数式(4)により、分子Φyである第2パラメータΦyを算出する。
Figure 2020085554
本実施形態では、第2パラメータΦyを上記の数式(4)で示したが、エンジン14、クラッチ15、トランスミッション16、ディファレンシャルギヤ18等に働く摩擦トルクTfを考慮してもよい。この場合は、後述する駆動トルクTwから摩擦トルクTfを減算した値を駆動輪19L,19Rの車輪径rwで除算するとよい。摩擦トルクTfを考慮すると、推定精度の向上には有利になる。
回転部分相当質量Δmxは、エンジン14、クラッチ15、トランスミッション16、プロペラシャフト17、ディファレンシャルギヤ18、駆動軸、駆動輪19L,19R等の駆動機構の回転部分の慣性モーメントを質量に換算したものであり、変数であるギヤ比ixに応じて決まる値である。制御装置20の記憶部(RAM又はROM)には、ルックアップテーブル32dが格納されている。ルックアップテーブル32dには、ギヤ比ixごとの複数の回転部分相当質量Δmxが設定されており、ギヤ比ixに応じたものを選択する。回転部分相当質量Δmxは、空車時の車両重量、ギヤ比ix、及び所定の係数との関係から算出してもよい。
車両重量値演算部32は、燃料噴射量Qxとエンジン回転速度Nxとに基づいて、エンジン14から出力される実際のエンジントルクTeを算出する。具体的には、制御装置20の記憶部(RAM又はROM)には、燃料噴射量Qx及び、エンジン回転速度Nxに応じたエンジントルクTeの関係を規定するエンジントルクマップ32cが格納されている。車両重量値演算部32は、燃料噴射量Qx及びエンジン回転速度Nxに基づいてエンジントルクマップ32cを参照することにより、エンジントルクTeを算出する。なお、エンジントルクマップ32cは必ずしもグラフ化する必要は無く、数値データとして記憶部に格納してもよい。
車両重量値演算部32は、下記の数式(5)を用いて、駆動輪19L,19Rに伝達される車両10の駆動トルクTwを算出する。数式(5)において、ifはディファレンシャルギヤ18のギヤ比を、ηはギヤ比で異なる伝達効率をそれぞれ示している。
Figure 2020085554
車両重量値演算部32は、所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとに、数式(3)により求められる第1パラメータΦx、及び、数式(4)、(5)により求められる第2パラメータΦyを上記数式(2)に代入することにより、車両10の車両重量値mxを演算する。所定のサンプリング周期ts(例えば、数秒)ごとに演算される複数の車両重量値mxは、制御装置20の記憶部(RAM又はROM)に格納される。
重み付け平均処理部34は、サンプリング周期tsよりも長い所定の推定値演算周期ta(例えば、数分)の間に演算された複数の車両重量値mxを、上記数式(2)の分母と分子を各々積分する下記の数式(6)に基づいて平均化することにより、車両10の平均車両重量値maveを演算する。
Figure 2020085554
さらに、重み付け平均処理部34は、上記数式(6)の分母と分子に駆動トルクTw等の各種パラメータの取得精度に基づいた重み係数U(比重)を乗算する下記の数式(7)に基づいて、車両重量値mxに対して、重み係数Uによる重み付け平均処理を施すことにより、車両10の車両重量推定値Wを演算する。重み付け平均処理部34により演算される車両重量推定値Wは、表示装置36及び、又は制御部28に送信される。なお、数式(7)は積分で示されているが、平均と同様の結果となる。
Figure 2020085554
以下、重み係数Uの詳細について説明する。制御装置20の記憶部(RAM又はROM)には、駆動トルクTw、加速度Gx、車速vx及び、ギヤ段等の各種パラメータと重み係数Uとの関係を定めた多次元マップである重み係数マップM1が格納されている。重み付け平均処理部34は、各センサ23〜27から入力される検出値(パラメータ)等に基づいて重み係数マップM1を参照することにより、重み係数Uを設定する。
重み係数Uは、パラメータの検出又は取得精度が高いほど大きい値として設定される。具体的には、重み係数Uは、以下の(1)〜(6)の条件の何れかに該当する場合に大きい値として設定される。
(1)駆動輪19L,19Rに伝達される車両10の駆動トルクTwが、所定の基準駆動トルク(例えば、定速走行時の駆動トルク)よりも大きい場合。
(2)車両10の前後方向の加速度Gxが、所定の基準加速度(例えば、所定の低加速走行時における前後方向の加速度)よりも大きい場合。
(3)演算される分母Φx(第1パラメータ)及び、又は、分子Φy(第2パラメータ)の値が相対的に大きい場合。
(4)トランスミッション16の現在のギヤ段が、所定の低速段(例えば、発進段又は発進段よりも1,2段高い低速側のギヤ段)に選択されている場合。
(5)車両10の諸元表等で定められた所定の基準車両重量値に対して、演算された車両重量値mxの誤差が所定の閾値以下の場合。
(6)車両10の車速vxが所定の基準速度よりも低い場合。
条件(1),(2),(3)については、ノイズの影響を受けにくく、分母Φx(第1パラメータ)及び、分子Φy(第2パラメータ)を高精度に演算できるためである。条件(4)については、車両10の加速度が大きく、分母Φx(第1パラメータ)及び、分子Φy(第2パラメータ)の演算精度を確保できるためである。条件(5)については、車両重量値mxの演算に、外乱等の影響による誤差が含まれていないと考えられるためである。条件(6)については、車速vxが低いほど、分子Φy(第2パラメータ)の定数Bに含まれる空気抵抗係数Cdの誤差が小さくなるためである。
このように、所定の推定値演算周期taの間に演算された複数の車両重量値mxに対して、パラメータの検出又は取得精度が高い状態で演算された車両重量値mxの重み係数Uを、パラメータの検出又は取得精度が低い状態で演算された車両重量値mxの重み係数Uよりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、車両重量推定値Wの推定精度を効果的に向上することが可能になる。
図3は、本実施形態に係る車両重量推定処理の流れを説明するフローチャート図である。本ルーチンは、エンジン14のイグニッションスイッチがアクセサリON位置に操作されると開始され、イグニッションスイッチがアクセサリOFF位置に操作されると終了する。
ステップS100では、各センサ23〜27のセンサ値に基づいて演算される分母Φx(第1パラメータ)及び、分子Φy(第2パラメータ)から、重み係数Uの設定の一部に用いる車両重量値mxを演算しつつ、これら演算される分母Φx、分子Φy及び、設定した重み係数Uに基づいて車両重量推定値Wを演算する。
ステップS110では、車両重量推定値Wの演算開始から所定の閾値時間が経過したか否かを判定する。所定の閾値時間に達していない場合(No)、本制御はステップS120に進み、現在までに演算した車両重量推定値Wをリセットし、ステップS100の演算処理に戻される。一方、所定の閾値時間に達している場合(Yes)、本制御はステップS130の処理に進む。
ステップS130では、ステップS110にて演算した車両重量推定値Wを表示装置36及び、又は制御部28に出力し、その後、本制御はリターンされる。
以上詳述した本実施形態によれば、所定のサンプリング周期tsごとに車両重量値mxを演算すると共に、サンプリング周期tsよりも長い所定の推定値演算周期taの間に演算された複数の車両重量値mxに対して、パラメータの検出又は取得精度が高い状態で演算された車両重量値mxの比重を、パラメータの検出又は取得精度が低い状態で演算された車両重量値mxの比重よりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、車両重量推定値Wを推定演算するように構成されている。
これにより、車両重量値mxの演算処理を、車両10の駆動トルクや加速度等が所定の基準値以上のときのみ許可する従前技術に比べ、車両重量値mxの演算時間及び、車両重量推定値Wの推定演算に用いる車両重量値mxの絶対数を効果的に確保することが可能になる。
また、複数の車両重量値mxに対して、パラメータの検出又は取得精度が高い状態で演算された車両重量値mxほど比重を大きくする重み付け平均処理により車両重量推定値Wを推定演算することで、複数の車両重量値mxを単純平均化する場合に比べ、車両重量推定値Wの推定精度の低下を効果的に防止することが可能となり、車両重量推定値Wの推定精度を確実に向上することができる。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において、重み係数マップM1は多次元マップとして説明したが、各種パラメータごとに複数のマップを個別に備えるようにしてもよい。また、重み係数Uは、ファジィ理論等を用いて設定するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、車両10はトラック等のキャブオーバ型車両を例に説明したが、バス、乗用車、牽引車(トラクタ)等にも適用でき、車両10の種類には限定されない。また、車両10の駆動力源としては、エンジン14に限定されず、走行用モータ、或は、エンジン14と走行用モータとを併用するものであってもよい。
10 車両
20 制御装置
23 アクセル開度センサ(パラメータ取得手段)
24 ポジションセンサ(パラメータ取得手段)
25 回転速度センサ(パラメータ取得手段)
26 車速センサ(パラメータ取得手段)
27 加速度センサ(パラメータ取得手段)
28 制御部
30 車両重量推定装置
32 車両重量値演算部(第1演算手段)
34 重み付け平均処理部(第2演算手段)

Claims (6)

  1. 車両の状態量を示すパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
    取得される前記パラメータに基づいて、前記車両の重量値を所定周期ごとに演算する第1演算手段と、
    前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の駆動トルクが大きい状態で演算された重量値の比重を、前記駆動トルクが小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、前記車両の重量推定値を演算する第2演算手段と、を備える
    ことを特徴とする車両重量推定装置。
  2. 前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の加速度が大きい状態で演算された重量値の比重を、前記加速度が小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する
    請求項1に記載の車両重量推定装置。
  3. 前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の変速機のギヤ段が低い状態で演算された重量値の比重を、前記ギヤ段が高い状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する
    請求項1に記載の車両重量推定装置。
  4. 前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の速度が低い状態で演算された重量値の比重を、前記車速が高い状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する
    請求項1から3の何れか一項に記載の車両重量推定装置。
  5. 前記第2演算手段は、前記重み付け平均処理として、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、予め設定した前記車両の基準重量との差が小さい重量値の比重を、前記基準重量との差が大きい重量値の比重よりも大きく設定する
    請求項1から4の何れか一項に記載の車両重量推定装置。
  6. 車両の状態量を示すパラメータを取得し、取得される前記パラメータに基づいて、前記車両の重量値を所定周期ごとに演算し、前記所定周期ごとに演算された複数の前記重量値に対して、前記パラメータとしての前記車両の駆動トルクが大きい状態で演算された重量値の比重を、前記駆動トルクが小さい状態で演算された重量値の比重よりも大きく設定する重み付け平均処理を施すことにより、前記車両の重量推定値を演算する
    ことを特徴とする車両重量推定方法。
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