JP2020085550A - 異常検知装置、異常検知方法、および異常検知システム - Google Patents

異常検知装置、異常検知方法、および異常検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】利便性に優れた異常検知装置等実現する。【解決手段】異常検知装置(6)は、エアシリンダ(5)のピストン(531)の押出時間および引戻時間を取得する動作時間取得部(611)と、前記押出時間および前記引戻時間を、それぞれの標準時間と比較することで前記エアシリンダにおける異常の有無を検知する異常検知部(615)と、を備えており、前記異常検知部は、前記押出時間を横軸とし、前記引戻時間を縦軸とした二次元平面の上に計測点を基準点とともにプロットしたときに、異常範囲内に前記計測点がプロットされた場合、前記エアシリンダの異常を検知する。【選択図】図1

Description

本発明はエアシリンダにおける異常を検知する異常検知装置等に関する。
駆動することによって各種動作を実行するエアシリンダに対して、異常の有無を検知する異常検知装置が従来技術として知られている。例えば、特許文献1には装置の駆動源がオンオフ切換されてから該装置の稼動状態に応じた検出信号が変化するまでの時間差の、標準データに対する変動量に基づいて該装置の故障を診断するシステムが開示されている。
特開2002−297237号公報
しかしながら、上述のような従来技術は故障以外の要因によって装置の駆動源の動作時間が変動することが考慮されていない。例えば、周囲温度が変化した場合における動作時間の変動が考慮されていない。それゆえ、周囲温度の変化による動作時間の変動を、装置の異常と誤判定する可能性がある。
本開示の一態様は前記の問題に鑑みてなされたものであり、周囲温度の変化を考慮してエアシリンダの異常を適切に検知することができる、利便性に優れた異常検知装置等を実現することができる。
本発明は、前述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本開示の一側面に係る異常検知装置は、ピストンを有するエアシリンダの異常を検知する異常検知装置であって、前記ピストンの押し出しに要する押出時間および引き戻しに要する引戻時間を取得する動作時間取得部と、前記押出時間および前記引戻時間を、それぞれの標準時間と比較することで前記エアシリンダにおける異常の有無を検知する異常検知部と、を備えており、前記異常検知部は、前記押出時間を横軸とし、前記引戻時間を縦軸とした二次元平面の上に、前記動作時間取得部が新たに取得した押出時間および引戻時間に応じた計測点を、押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を示す基準点とともにプロットしたときに、前記基準点からの距離が第1距離以上、かつ前記基準点の温度変化を表す所定の温度直線よりも押出時間が小さくかつ引戻時間が大きい側に設定され、かつ前記所定の温度直線を避けて設定された異常範囲内に前記計測点がプロットされた場合、前記エアシリンダの異常を検知する。
この構成によれば、異常検知装置はエアシリンダにおける異常を、二次元平面における計測点および基準点の位置関係に基づいて検知することができる。例えば、エアシリンダの周囲温度の変化では計測点がプロットされることがない領域に異常範囲を設定することにより、温度変化による計測点の変化(正常な変化)とエアシリンダの異常とを区別して検知することができる。したがって、例えば圧力センサや温度センサ等の追加部材を用いることなく周囲温度の変化を考慮してエアシリンダの異常を検知することができる、利便性に優れた異常検知装置を実現することができる。
前記一側面に係る異常検知装置において、前記異常検知部は、前記二次元平面において、前記所定の温度直線のうち、押出時間および引戻時間の両方が前記基準点以上である部分が、前記基準点と前記計測点とを結ぶ線分に重なるまで前記基準点を中心として反時計回りに回転させたときの角度が、0°より大きくかつ180°未満である第1閾値から、前記第1閾値より大きくかつ180°未満である第2閾値までの間であることを、前記エアシリンダが異常であると判定する1つの条件としてもよい。この構成によれば、パッキンの異常に起因するエアシリンダの異常を適切に検知することができる。
前記一側面に係る異常検知装置において、前記二次元平面において、前記基準点から前記第1距離未満の領域、および前記所定の温度直線よりも押出時間が大きくかつ引戻時間が小さい側の領域は前記エアシリンダが正常であることを示す正常領域に設定されており、前記異常検知部は、前記計測点が前記正常領域内にプロットされた場合、前記エアシリンダは正常であると判定してもよい。この構成によれば、パッキンの異常に起因して計測点は前記所定の温度直線よりも押出時間が大きくかつ引戻時間が小さい側には移動しない。そのため、この構成によれば、他の要因による計測点の変化に基づいてエアシリンダが異常であると誤判定することを避けることができる。
前記一側面に係る異常検知装置において、前記異常検知部は、前記角度が前記第1閾値から該第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である第3閾値までの間であれば前記エアシリンダにおいてピストンパッキンが異常であると判定し、前記角度が前記第3閾値から前記第2閾値までの間であれば前記エアシリンダにおいてロッドパッキンが異常であると判定してもよい。この構成によれば、異常検知装置は二次元平面上で、基準点と計測点とを結ぶ線分が所定の温度直線となす角度に応じて異常の種類を区別して検知することができる。
前記一側面に係る異常検知装置において、前記二次元平面における前記基準点の座標を設定する基準点設定部をさらに備えており、前記基準点設定部は前記二次元平面において、前記角度が前記第1閾値未満または前記第2閾値より大きく、かつ前記距離が第2距離以上の領域に設定された再設定領域に、前記計測点がプロットされた場合、前記基準点の前記座標を再設定してもよい。この構成によれば、異常の検知に適切ではない基準点が設定されていた場合は該基準点を再設定することができる。例えば、エアシリンダの異常ではなく温度変化に起因して基準点が移動した場合、変化した温度に応じた基準点を再設定することができる。これにより、異常状態と正常状態とを適切に判別することができる。
前記一側面に係る異常検知装置において、前記第2距離は前記第1距離未満であり、前記基準点設定部は前記二次元平面において、前記角度が前記第1閾値未満または前記第2閾値より大きく、かつ前記距離が前記第2距離以上である場合、前記基準点の前記座標を再設定してもよい。この構成によれば、異常の検知に適切ではない基準点が設定されていた場合は該基準点を再設定することができる。例えば、周囲温度が変化した場合に、基準点を温度変化に追従して再設定することが容易となる。異常検知と基準点の再設定の判定とを個別の閾値を用いて行うことができるため、より早期のタイミングで基準点の再設定を行うことができる。
本開示の一側面に係る異常検知システムは、前記一側面に係る異常検知装置と、ピストンを有する1つ以上のエアシリンダと、電磁弁によって前記1つ以上のエアシリンダに供給する気体を制御するマニホールドと、前記電磁弁の開閉を制御する制御装置と、を備えている。
本開示の一側面に係る異常検知方法は、ピストンを有するエアシリンダの異常を検知する異常検知方法であって、前記ピストンの押し出しに要する押出時間および引き戻しに要する引戻時間を取得する動作時間取得ステップと、前記押出時間および前記引戻時間を、それぞれの標準時間と比較することで前記エアシリンダにおける異常の有無を検知する異常検知ステップと、を有しており、前記異常検知ステップでは、前記押出時間を横軸とし、前記引戻時間を縦軸とした二次元平面の上に、前記動作時間取得部が新たに取得した押出時間および引戻時間に応じた計測点を、押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を示す基準点とともにプロットしたときに、前記基準点からの距離が第1距離以上、かつ前記基準点の温度変化を表す所定の温度直線よりも押出時間が小さくかつ引戻時間が大きい側に設定され、かつ前記所定の温度直線を避けて設定された異常範囲内に前記計測点がプロットされた場合、前記エアシリンダの異常を検知する。
本発明の一態様によれば、周囲温度の変化を考慮してエアシリンダの異常を適切に検知することができる、利便性に優れた異常検知装置等を実現することができる。
本開示の一側面の異常検知システムの要部構成の概要を示すブロック図である。 本発明の一側面のエアシリンダの概要を示す模式図であり、(a)はエアシリンダの概要を示し、(b)はエアシリンダにおける押出時間および引戻時間の定義を示している。 本発明の一側面のエアシリンダにおけるパッキン異常の例であり、(a)は押出工程におけるパッキン異常を示し、(b)は引戻工程におけるパッキン異常を示す。 本発明の一側面の異常検知装置にて用いる、押出時間を横軸とし、引戻時間を縦軸とした二次元平面の一例を示す模式図である。 本発明の一側面の異常検知装置において、エアシリンダの周囲温度が10℃から40℃に変化した場合の押出時間および引戻時間の変化を示すグラフである。 本発明の一側面の異常検知装置において、パッキン異常が生じている場合の押出時間および引戻時間の変化を示すグラフであり、(a)はピストンパッキン異常の場合を示し、(b)はロッドパッキン異常の場合を示す。 本発明の一側面の異常検知装置が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、(a)は初期設定処理のフローを示し、(b)はエアシリンダの動作を監視する監視処理のフローを示す。 図7の(b)から呼び出される基準点更新処理のフローを示す。 本発明の一側面の異常検知装置において、2つの閾値を用いて基準値を再設定するか否かを判定する概要を示す模式図である。 本発明の一態様の異常検知装置にて用いる二次元平面の具体例を示す。 押出時間および引戻時間の組み合わせに応じて第1距離が変化する例を示す模式図である。
§1 構成例
(異常検知システムの構成)
図1は、本開示の一側面の異常検知システム100の要部構成の概要を示すブロック図である。異常検知システム100は、コンプレッサ1、レギュレータ2、排出口3、マニホールド4、エアシリンダ5、異常検知装置6、および表示装置7を備えている。なお、図1において実線はデータの流れを示し、点線は気体の流れを示している。
異常検知システム100は、気体の流入出によって駆動する1つ以上のエアシリンダ5の少なくともいずれかの異常を異常検知装置6にて検知するシステムである。異常検知装置6は、エアシリンダ5の異常を検知すると、表示装置7を用いてユーザに該異常を通知する。エアシリンダ5には、コンプレッサ1によって加圧され、レギュレータ2によって圧力が調整された気体が、マニホールド4に設けられた電磁弁の開閉に伴って供給される。また、エアシリンダ5からは電磁弁の開閉に伴って、不要となった気体が排出口3より排出される。マニホールド4における電磁弁の開閉は異常検知装置6によって制御されるため、異常検知装置6は1つ以上のエアシリンダ5における駆動を制御する制御装置としても機能する。
コンプレッサ1は、気体を加圧してレギュレータ2に供給することができる。レギュレータ2は、コンプレッサ1から供給された気体の圧力を所望の値に調整した後、マニホールド4に供給することができる調整器である。排出口3は、エアシリンダ5の内部の圧力を調整するために不要となった気体をマニホールド4を介して受け付け、外部に排出することができる。
マニホールド4は、異常検知装置6の制御にしたがって開閉することが可能な1つ以上の電磁弁を備えた流路である。マニホールド4は、異常検知装置6の制御部61から電磁弁の開閉指示を受け付けると、対応する電磁弁を開閉させ、開閉させた電磁弁と連通するエアシリンダ5のシリンダ53との間で気体を流入出させることができる。マニホールド4には1つ以上のエアシリンダ5が接続されてもよく、異常検知装置6からの指示にしたがって、特定のエアシリンダ5と連通する特定の電磁弁を開閉してもよい。
エアシリンダ5は、センサ51およびシリンダ53を備えており、シリンダ53は、ピストン531、ロッド533、ピストンパッキン535、およびロッドパッキン537を備えている。エアシリンダ5は、マニホールド4との間で気体を流入出させることでシリンダ53の内部に配されたピストン531を摺動させることができる。エアシリンダ5は、ピストン531に一端が接続されたロッド533の他端に図示しない各種機構を接続してもよく、ピストン531の摺動に応じて該機構を動作させてもよい。
センサ51は、シリンダ53の内部においてピストン531が後述する引戻し終端位置または押出し終端位置に位置することを検知すると、異常検知装置6に通知することができる。センサ51は、例えばピストン531の位置をスイッチのON/OFFで示すリミットスイッチであってもよい。
シリンダ53は、エアシリンダ5の内部に円筒状に形成された内壁面を有するように形成されており、両端の近傍には気体が流入出するためのポートが設けられている。シリンダ53は、マニホールド4における電磁弁の開閉に伴ってポートから気体を流入出させることにより、内部の気体圧力を調整することができる。シリンダ53の一端は閉塞されており、他端はロッド533がシリンダ53を貫通できるようにロッド533の大きさに応じた穴が設けられている。
ピストン531は、シリンダ53の内部を摺動可能に配置された栓状の部材であり、ピストン531の一端側にはロッド533が接続されている。シリンダ53の内部においてピストン531は、該ピストン531を挟んで対向するシリンダ53の内部領域における気体圧力の差に応じてシリンダ53の内部を摺動する。
ロッド533は、一端がピストン531の一端側に接続された棒状の部材であり、ピストン531の摺動に合わせて移動することができる。ロッド533はシリンダ53の一端に設けられた穴を貫通するように配置されており、ピストン531の摺動に合わせてシリンダ53の端部から突き出る量が変化する。
ピストンパッキン535は、ピストン531を挟んで対向するシリンダ53の内部領域の間で気体が移動することを防止するためにピストン531に固定されたパッキンである。ピストンパッキン535は、例えばゴムや樹脂等によって形成されたOリングであってもよい。
ロッドパッキン537は、シリンダ53の一端に設けられた、ロッド533の大きさに応じた穴とロッド533との間の隙間から気体が外部に移動することを防止するためにシリンダ53の一端に固定されたパッキンである。ピストンパッキン535と同様に、ロッドパッキン537は、例えばゴムや樹脂等によって形成されたOリングであってもよい。
異常検知装置6は、ピストン531を有するエアシリンダ5の異常を検知する装置であり、制御部61を備えている。制御部61は、動作時間取得部611、基準点設定部613、異常検知部615、および異常通知部617を備えている。
制御部61は、異常検知装置6の各部を統括して制御する。制御部61は、マニホールド4に対して電磁弁の開閉指示を送信し、マニホールド4が有する特定の電磁弁を開閉させることができる。制御部61は、センサ51からピストン531が後述する引戻し終端位置または押出し終端位置に位置することに関する通知を受け付けることができる。
動作時間取得部611は、制御部61がセンサ51から受信した通知に基づいて、エアシリンダ5のシリンダ53におけるピストン531の押し出しに要する押出時間および引き戻しに要する引戻時間を含む、ピストン531の動作時間を取得することができる。より具体的には、動作時間取得部611は、後述する引戻し終端位置にあるピストン531が、後述する押出し終端位置まで移動するまでに要した時間を押出時間として取得する。また、押出し終端位置にあるピストン531が引戻し終端位置まで移動するまでに要した時間を引戻時間として取得する。動作時間取得部611は、取得した押出時間および引戻時間について、基準点を設定または再設定する場合は基準点設定部613に送信し、それ以外の場合は異常検知部615に送信する。例えば、動作時間取得部611は、基準点を再設定するか否かを示す更新フラグがONであれば押出時間および引戻時間の送信先を基準点設定部613とし、更新フラグがOFFであれば異常検知部615とする。
基準点設定部613は、異常検知部615がエアシリンダ5の異常を検知するために用いる、押出時間を横軸とし、引戻時間を縦軸とした二次元平面における基準点の座標を設定(再設定)することができる。ここで、基準点は押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間に応じて二次元平面の上に設定された点である。基準点の詳細については後述する。
基準点設定部613が基準点の座標を設定(再設定)する条件は、どのようなものであってもよい。例えば、後述する二次元平面の上に動作時間取得部611から受信した押出時間および引戻時間に応じた計測点をプロットしたときに、二次元平面に設定された再設定領域上に該計測点がプロットされた場合に、基準点の座標を設定(再設定)してもよい。
異常検知部615は、動作時間取得部611が取得した、エアシリンダ5のシリンダ53の内部におけるピストン531の押出時間および引戻時間を、それぞれの標準時間と比較することで該エアシリンダ5における異常の有無を検知することができる。異常通知部617は、エアシリンダ5に異常が発生したことを検知した場合、該異常を異常通知部617に通知することができる。異常検知部615による異常検知の具体例については後述する。
異常通知部617は、異常検知部615においてエアシリンダ5に異常が発生したことが検知されると、異常検知部615から受信した通知にしたがって表示装置7に対して異常に関する情報を送信することができる。異常通知部617は、例えばエアシリンダ5において動作時間が変動した場合や、異常検知部615においてパッキン異常が検知された場合に異常に関する情報を送信する。
表示装置7は、異常検知装置6と通信可能に接続されたディスプレイである。表示装置7は、異常通知部617から異常に関する情報を受信すると、受信した情報を映像として表示することができる。表示装置7は、異常検知装置6と別の装置であってもよいし、異常検知装置6と一体に形成されてもよい。
(エアシリンダの概要)
図2は、本発明の一側面のエアシリンダ5の概要を示す模式図であり、図2の(a)はエアシリンダ5の概要を示し、図2の(b)はエアシリンダ5における押出時間および引戻時間の定義を示している。
エアシリンダ5の概要を、図2の(a)に示す。エアシリンダ5には円筒状のシリンダ53が形成されており、シリンダ53の両端部は図示しないポートを介してマニホールド4との間で気体を流入出できるようになっている。エアシリンダ5の内部にはピストンパッキン535を備えたピストン531が摺動可能に設けられており、ピストン531の一端側にはロッド533の端部が接続されている。ロッド533は一端がシリンダ53の端部に設けられた穴を貫通しており、穴の周囲にはロッドパッキン537が固定されている。図示の例ではシリンダ53とは別の封止部材によってシリンダ53の一端が閉塞されており、ロッド533は封止部材に設けられた穴を貫通するようになっている。しかしながら、シリンダ53の一端を閉塞し、ロッド533が穴を貫通するのであれば封止部材を用いなくてもよい。
図示の例において、シリンダ53の端部付近には2つのセンサ51が設けられている。ここで、ピストン531によって区画されたシリンダ53の内部領域のうち、ロッド533が存在しない領域を引戻領域とし、ロッド533が存在する領域を押出領域とする。そして、引戻領域の圧力が押出領域の圧力未満となってピストン531が引戻領域を圧縮するように移動する工程を引戻工程とし、引戻領域の圧力が押出領域の圧力より大きくなってピストン531が押出領域を圧縮するように移動する工程を押出工程とする。すなわち、引戻工程においてロッド533はシリンダ53の内部に引き戻され、押出工程においてロッド533はシリンダ53の外部に押し出される。
引戻工程において、ピストン531が引戻領域を限界まで圧縮したときの該ピストン531の位置を引戻し終端位置とし、押出工程において、ピストン531が押出領域を限界まで圧縮したときの該ピストン531の位置を押出終端位置とする。センサ51は、ピストン531が引戻し終端位置または押出し終端位置に位置するときは、その旨を外部に通知する。
エアシリンダ5における押出時間および引戻時間の定義について、図2の(b)を用いて示す。図示の例において、「シリンダ動作」の「出端」および「戻端」は押出工程および引戻工程の終了をそれぞれ示している。「入力」の「Enable」、「押出し」、および「引戻し」は、ロッド533の端部に接続された各種機構について、「利用可能であるか否か」、「ロッド533の押出しによって駆動中であるか否か」、および「ロッド533の引戻しによって駆動中であるか否か」をそれぞれ示している。「押出し終端位置」および「引戻し終端位置」は、ピストン531が押出し終端位置に位置するか否か、および引戻し終端位置に位置するか否かをそれぞれ示している。
異常検知システム100では、ピストン531が引戻し終端位置にある状態から異常検知装置6がマニホールド4を制御して押出工程を開始させて該ピストン531を押出し終端位置まで移動させた後、今度はマニホールド4を制御して引戻工程を開始させ、該ピストン531を引戻し終端位置まで移動させるまでに要した動作時間を1フレームとしている。また、1フレームのうち、引戻し終端位置にあるピストン531が押出し終端位置まで移動するまでに要した時間を押出時間とし、押出し終端位置にあるピストン531が引戻し終端位置まで移動するまでに要した時間を引戻時間とする。
(パッキン異常の具体例)
図3は、本発明の一側面のエアシリンダ5におけるパッキン異常の例であり、図3の(a)は押出工程におけるパッキン異常を示し、図3の(b)は引戻工程におけるパッキン異常を示す。
押出工程におけるパッキン異常について、図3の(a)を用いて説明する。押出工程ではシリンダ53の引戻領域内の気体の圧力を増大させることによって、ピストン531が押出領域を圧縮するように摺動し、結果として押出領域内の気体の圧力が増大する。このとき、ピストンパッキン535が経年劣化等の理由によって引戻領域と押出領域との間における気体の移動を防止できない状態であれば、押出領域内の気体の一部は引戻領域に漏出する。同様に、ロッドパッキン537が押出領域と外部との間における気体の移動を防止できない状態であれば、押出領域内の気体の一部は外部に漏出する。すなわち、ピストンパッキン535またはロッドパッキン537のいずれかに異常が発生している場合、押出工程において押出領域を圧縮するピストン531に反発する、押出領域内の気体の一部が漏出するので押出時間が短縮される。
引戻工程におけるパッキン異常について、図3の(b)を用いて説明する。引戻工程ではシリンダ53の押出領域内の気体の圧力を増大させることによって、ピストン531が引戻領域を圧縮するように摺動し、結果として引戻領域内の気体の圧力が増大する。このとき、ピストンパッキン535が引戻領域と押出領域との間における気体の移動を防止できない状態であれば、押出領域内の気体の一部は引戻領域に漏出する。同様に、ロッドパッキン537が押出領域と外部との間における気体の移動を防止できない状態であれば、押出領域内の気体の一部は外部に漏出する。すなわち、ピストンパッキン535またはロッドパッキン537のいずれかに異常が発生している場合、引戻工程において引戻領域を圧縮するピストン531を押す、押出領域内の気体の一部が漏出するので押出時間が延長される。
(二次元平面を用いた異常検知)
図4は、本発明の一側面の異常検知装置6にて用いる、押出時間を横軸とし、引戻時間を縦軸とした二次元平面の一例を示す模式図である。本構成例において、異常検知装置6の異常検知部615は、押出時間を横軸とし、引戻時間を縦軸とした二次元平面を用いてエアシリンダ5の異常を検知する。より具体的には、異常検知部615は動作時間取得部611から新たに押出時間および引戻時間を受信すると、受信した押出時間および引戻時間に応じた計測点を基準点とともに二次元平面上にプロットする。そして、異常検知部615は、基準点からの距離が後述する第1距離以上、かつ基準点の温度変化を表す所定の温度直線よりも押出時間が小さくかつ引戻時間が大きい側に設定され、かつ所定の温度直線を避けて設定された異常範囲内に計測点がプロットされた場合、エアシリンダ5の異常を検知する。
基準点は、基準点設定部613によって設定された、押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を二次元平面の上にプロットした点である。押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間は、例えば正常動作中のエアシリンダ5を所定回数または所定時間だけ動作させたときの押出時間の平均値および引戻時間の平均値がそれぞれ設定される。なお、押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間は予め設定されたものであってもよいし、必要に応じて都度設定されたものであってもよい。
図示の例において、「温度 高」および「温度 低」は基準点がエアシリンダ5の周囲温度の変化に応じて移動する方向を示している。すなわち、基準点は二次元平面において「温度 高」および「温度 低」を通る所定の温度直線上を、エアシリンダ5の周囲温度の変動に応じて移動する。温度直線は、周囲温度に起因する基準点の変化を示す直線である。温度が高くなれば、押出時間および引戻時間は小さくなり、温度が低くなれば、押出時間および引戻時間は大きくなる。
Thは、押出時間と引戻時間の組み合わせに関わらずエアシリンダ5が正常であると異常検知部615が判定する範囲の境界線までの第1距離を示しており、図4では基準点を中心とした円の半径として示されている。Rは、基準点から計測点までの距離を示している。θ、θ、およびθは、異常検知部615においてエアシリンダ5が異常であると判定する異常範囲を示している。θは0°より大きくかつ180°未満であり、θ<θ<θである。周囲温度が変化しても基準点が異常範囲に含まれないよう、異常範囲は所定の温度直線を避けて設定されている。
異常検知部615は、二次元平面において、所定の温度直線のうち、押出時間および引戻時間の両方が基準点以上である部分が、基準点と計測点とを結ぶ線分に重なるまで基準点を中心として反時計回りに回転させたときの角度θに基づいて、エアシリンダ5において発生した異常の種類を区別する。
異常検知部615は、距離RがRThより大きく、そして角度θが第1閾値θから第3閾値θまでの間であればエアシリンダ5においてピストンパッキン535が異常であると判定し、θがθから第2閾値θまでの間であればエアシリンダ5においてロッドパッキン537が異常であると判定してもよい。
一方、二次元平面において、基準点からの距離が第1距離RTh未満の領域、および所定の温度直線よりも押出時間が大きくかつ引戻時間が小さい側の領域はエアシリンダ5が正常であることを示す正常領域として設定してもよい。このとき、異常検知部615は、計測店が正常領域内にプロットされた場合、エアシリンダ5は正常であると判定してもよい。
なお、基準点の座標は基準点設定部613によって再設定されてもよい。例えば、基準点設定部613は二次元平面において、角度θが第1閾値θ未満または第2閾値θより大きく、かつ距離Rが第2距離以上の領域に設定された再設定領域に、計測点がプロットされた場合、基準点の座標を再設定してもよい。ここで、第2距離は第1距離RThと同一の値であってもよいし互いに異なる値であってもよい。また、再設定領域は正常領域と少なくとも一部が重複してもよいし、互いに異なる領域が設定されてもよい。
(周囲温度変化による押出時間および引戻時間の変化)
図5は、本発明の一側面の異常検知装置6において、エアシリンダ5の周囲温度が10℃から40℃に変化した場合の押出時間および引戻時間の変化を示すグラフである。図示の例では、図2の(b)で説明したフレームの実行回数(ピストン531の往復回数)を横軸とし、縦軸では押出時間および引戻時間をまとめて動作時間としている。
図に示すように、フレームの実行回数の増大とともに、押出時間および引戻時間がともに低下している。これは、エアシリンダ5の周囲温度が10℃から40℃にまで上昇することに合わせてシリンダ53に新たに流入する気体の圧力が上昇することによる。押出領域および引戻領域における気体の圧力が上昇すると、ピストン531を移動させる力が増大するので、押出時間および引戻時間はともに短縮される。
(パッキン異常による押出時間および引戻時間の変化)
図6は、本発明の一側面の異常検知装置6において、パッキン異常が生じている場合の押出時間および引戻時間の変化を示すグラフであり、図6の(a)はピストンパッキン異常の場合を示し、図6の(b)はロッドパッキン異常の場合を示す。図6の各図において、横軸および縦軸は図5に示した内容と同一である。
図6の(a)に示すように、異常検知装置6においてピストンパッキン535に異常がある場合は、フレームの実行回数の増大とともに、押出時間は短縮され、引戻時間は延長される。これは、図3の各図を用いて説明した理由によるものである。
また、図6の(b)に示すように、異常検知装置6においてロッドパッキン537に異常がある場合もピストンパッキン535に異常がある場合と同様に、フレームの実行回数の増大とともに、押出時間は短縮され、引戻時間は延長される。これも、図3の各図を用いて説明した理由によるものである。
図6の各図に示したように、異常検知装置6においてピストンパッキン535に異常がある場合およびロッドパッキン537に異常がある場合では、いずれも押出時間が短縮され、引戻時間が延長される。しかしながら、異常の種類によって変化の割合が異なることから、ピストンパッキン異常とロッドパッキン異常は区別することができる。そのため、図4に示した二次元平面において、ピストンパッキン異常とロッドパッキン異常を別の範囲として示すことができる。
§2 動作例
(初期設定処理および監視処理の流れ)
図7は、本発明の一側面の異常検知装置6が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図7の(a)は初期設定処理のフローを示し、図7の(b)はエアシリンダ5の動作を監視する監視処理のフローを示す。
まず、図7の(a)を用いて、異常検知装置6における初期設定処理の流れについて説明する。はじめに、異常検知装置6の制御部61はマニホールド4を制御することによってエアシリンダ5のピストン531を動作させる。そして、動作時間取得部611はセンサ51からの通知に基づいて、押出時間および引戻時間を含む動作時間のデータを取得する(S1)。
S1の後、動作時間取得部611は基準点設定部613に基準点のデータを設定するよう指示し、基準点設定部613は指示にしたがって動作時間のデータから押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を設定し、これらを基準点のデータとして設定する(S2)。
S2の後、異常検知部615は基準点設定部613が設定した基準点のデータを二次元平面の上にプロットし、さらに第1距離RThや角度θ1〜3といった各種閾値を設定する(S3)。その後、異常検知装置6は一連の処理を終了する。
次に、図7の(b)を用いて、異常検知装置6がエアシリンダ5の動作を監視する監視処理の流れについて説明する。エアシリンダ5において押出工程および引戻工程が行われると、センサ51はピストン531の移動を通知し、異常検知装置6の動作時間取得部611では該通知に基づいて、押出時間および引戻時間を含む動作時間のデータを取得する(S11:動作時間取得ステップ)。動作時間取得部611はさらに、更新フラグがONであるか否かを判定する(S12)。更新フラグがONであれば(S12でYES)、処理はS13の基準点更新処理を実行して基準点のデータを再設定した後、S14へ進む。一方、更新フラグがONでなければ(S12でNO)、処理はS14へ直接進む。
S14において、異常検知部615は二次元平面上に基準点と、S11で取得した動作時間のデータに応じた計測点をプロットし、図4で説明した距離Rおよび角度θを算出する(S14)。そして、異常検知部615は、S14で算出した距離Rが、第1距離RTh以上か否かを判定する(S15:異常検知ステップ)。第1距離RTh以上ではないと判定した場合(S15でNO)、処理はS11へ進み、S11〜S15の処理を再度実行する。一方、第1距離RTh以上であると判定した場合(S15でYES)、異常通知部617は異常検知部615からの通知に基づいて、エアシリンダ5の動作時間が変動した旨を表示装置7を用いてユーザに通知する。
S16の後、異常検知部615はS14で算出した角度θが第1閾値θ以上かつ第2閾値θ以下であるか否かを判定する(S17:異常検知ステップ)。θがθ未満、またはθがθより大きいと判定した場合(S17でNO)、制御部61は更新フラグをONに設定する(S18)。その後、処理はS11へ進み、S11〜S18の処理を再度実行する。一方、θがθ以上かつθ以下であると判定した場合(S17でYES)、異常検知部615はさらに、θがθ以上かつ第3閾値θ未満であるか否かを判定する(S19:異常検知ステップ)。
S19においてθがθ未満、またはθがθ以上であると判定した場合(S19でNO)、異常検知部615はエアシリンダ5がロッドパッキン異常であると判定する。そして、異常通知部617は異常検知部615からの通知に基づいて、エアシリンダ5のロッドパッキン異常について、表示装置7を用いてユーザに通知する(S20)。一方、θがθ以上かつθ未満であると判定した場合(S19でYES)、異常検知部615はエアシリンダ5がピストンパッキン異常であると判定する。そして、異常通知部617は異常検知部615からの通知に基づいて、エアシリンダ5のピストンパッキン異常について、表示装置7を用いてユーザに通知する(S21)。
(基準点更新処理の流れ)
図8は、図7の(b)から呼び出される基準点更新処理のフローを示す。基準点更新処理は、図7の(b)に示す監視処理において、S13から呼び出されて一連の処理を実行した後、呼び出し元に戻るものである。
なお、以下の説明において、収集カウントは基準点更新処理が呼び出され、基準点の座標を再設定するために押出時間および引戻時間のデータを取得した回数を示している。また、指定回数は取得した複数の押出時間および引戻時間のデータを用いて押出時間および引戻時間の標準時間を算出するだけの十分な回数が設定されるものとする。例えば、指定回数が500回であれば、基準点設定部613は500個の押出時間および引戻時間を用いて押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を算出する。
まず、基準点更新処理が呼び出されると、基準点設定部613は現時点の収集カウントが指定回数に等しいか否かを判定する(S31)。指定回数に等しくないと判定した場合(S31でNO)、制御部61はエアシリンダ5に押出工程および引戻工程を実行させる。そして、動作時間取得部611は押出工程および引戻工程に応じた指定回数分の押出時間および引戻時間を含む動作時間のデータを取得し、図示しない記憶部に格納する(S32)。その後、処理はS34へ進む。一方、指定回数に等しいと判定した場合(S31でYES)、基準点設定部613は、これまでに収集した、記憶部に格納されている指定回数分の動作時間のデータを用いて押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を算出する。基準点設定部613は、算出した押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を用いて基準点のデータを再設定(上書き)する(S33)。その後、処理はS35へ進む。
S34において基準点設定部613は収集カウントをインクリメントする(S34)。その後、処理は呼び出し元へ戻る。また、S35において基準点設定部613は更新フラグにOFFを設定し(S35)、さらに取集カウントを0に更新する(S36)。その後、処理は呼び出し元に戻る。
以上の処理によって、異常検知装置6はエアシリンダ5における異常を、二次元平面における計測点および基準点の位置関係に基づいて検知することができる。また、異常検知装置6はエアシリンダ5について、ピストンパッキン異常とロッドパッキン異常とを区別して検知することができ、さらに基準点のデータを必要に応じて再設定することができる。これにより、圧力センサや温度センサ等の追加部材を用いることなく周囲温度の変化を考慮してエアシリンダ5の異常を検知することができる。
図7の(b)において、異常検知装置6は、二次元平面において角度θが第1閾値θ未満または第2閾値θより大きく、かつ距離Rが第1距離RTh以上である場合に更新フラグにONを設定する構成であった。すなわち、再設定領域を設定するための第2距離が第1距離と等しい構成であった。しかしながら、例えば第1距離RTh未満である第2距離RTh2を用いて、更新フラグにONを設定する条件をさらに詳細化してもよい。
図9は、本発明の一側面の異常検知装置において、2つの閾値を用いて基準値を再設定するか否かを判定する概要を示す模式図である。図示の例において、二次元平面における元の基準点の位置を「元の基準データ」として示し、再設定後の基準点の位置を「更新後の基準データ」として示す。また、「元の基準データ」において基準点を中心とした半径が第1距離RThである円を「異常検知用の円」として示し、基準点を中心とした半径が第2距離RTh2である円を「基準点更新用の円」として示す。
異常検知装置6は、二次元平面における基準点と計測点との間の位置関係について、第1距離RThと第2距離RTh2とを状況に応じて使い分けてもよい。異常検知装置6は、例えばエアシリンダ5における異常の発生の有無を判定する場合は第1距離RThを用い、基準点を再設定するか否かを判定する場合は第2距離RTh2を用いてもよい。具体的には、異常検知装置6は角度θが第1閾値θ未満または第2閾値θより大きく、かつ距離Rが第2距離RTh2以上である場合に更新フラグにONを設定してもよい。すなわち、基準点設定部613は二次元平面において、角度θが第1閾値θ未満または第2閾値θより大きく、かつ距離Rが第2距離RTh2以上の領域に設定された再設定領域に、計測点がプロットされた場合、基準点の座標を再設定してもよい。第1距離RTh未満である第2距離RTh2を用いて基準点の再設定の要否を判定することにより、エアシリンダ5の周囲温度の変化に対する基準点の追従性を向上させることができる。
図10は、本発明の一態様の異常検知装置6にて用いる二次元平面の具体例を示す。図10では図4と同様に、基準点による所定の温度直線が計測され、ピストンパッキン異常の場合とロッドパッキン異常の場合とで計測点が明らかに異なる領域にプロットされることがわかる。
前述の説明において、二次元平面上において第1距離RThは、基準点を中心とする円として示されていたが、これに限定されなくてもよい。図11は、押出時間および引戻時間の組み合わせに応じて第1距離が変化する例を示す模式図である。図示の例において、第1距離RThは所定の温度直線と平行な方向に長軸aを有し、垂直な方向に短軸bを有する楕円として示されている。このように、正常領域はどのように設定されてもよい。
§3 変形例
図4の二次元平面において、ピストンパッキン異常およびロッドパッキン異常を示すそれぞれの領域は互いに隣接するものであったが重複はしない構成であった。しかしながら、異常検知装置6は、例えば領域同士の境界付近ではピストンパッキン異常およびロッドパッキン異常の両方が発生したと判定し、表示装置7にピストンパッキン異常およびロッドパッキン異常の発生を通知してもよい。これにより、実際にピストンパッキン異常およびロッドパッキン異常の両方が発生していた場合に、適切に検知することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
異常検知装置6の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、異常検知装置6は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
100 異常検知システム
4 マニホールド
5 エアシリンダ
53 シリンダ
531 ピストン
535 ピストンパッキン
537 ロッドパッキン
6 異常検知装置(制御装置)
611 動作時間取得部
613 基準点設定部
615 異常検知部

Claims (8)

  1. ピストンを有するエアシリンダの異常を検知する異常検知装置であって、
    前記ピストンの押し出しに要する押出時間および引き戻しに要する引戻時間を取得する動作時間取得部と、
    前記押出時間および前記引戻時間を、それぞれの標準時間と比較することで前記エアシリンダにおける異常の有無を検知する異常検知部と、を備えており、
    前記異常検知部は、
    前記押出時間を横軸とし、前記引戻時間を縦軸とした二次元平面の上に、前記動作時間取得部が新たに取得した押出時間および引戻時間に応じた計測点を、押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を示す基準点とともにプロットしたときに、
    前記基準点からの距離が第1距離以上、かつ前記基準点の温度変化を表す所定の温度直線よりも押出時間が小さくかつ引戻時間が大きい側に設定され、かつ前記所定の温度直線を避けて設定された異常範囲内に前記計測点がプロットされた場合、前記エアシリンダの異常を検知する、異常検知装置。
  2. 前記異常検知部は、前記二次元平面において、前記所定の温度直線のうち、押出時間および引戻時間の両方が前記基準点以上である部分が、前記基準点と前記計測点とを結ぶ線分に重なるまで前記基準点を中心として反時計回りに回転させたときの角度が、0°より大きくかつ180°未満である第1閾値から、前記第1閾値より大きくかつ180°未満である第2閾値までの間であることを、前記エアシリンダが異常であると判定する1つの条件とする、請求項1に記載の異常検知装置。
  3. 前記二次元平面において、前記基準点から前記第1距離未満の領域、および前記所定の温度直線よりも押出時間が大きくかつ引戻時間が小さい側の領域は前記エアシリンダが正常であることを示す正常領域に設定されており、
    前記異常検知部は、前記計測点が前記正常領域内にプロットされた場合、前記エアシリンダは正常であると判定する、請求項1または2に記載の異常検知装置。
  4. 前記異常検知部は、
    前記角度が前記第1閾値から該第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である第3閾値までの間であれば前記エアシリンダにおいてピストンパッキンが異常であると判定し、
    前記角度が前記第3閾値から前記第2閾値までの間であれば前記エアシリンダにおいてロッドパッキンが異常であると判定する、請求項2に記載の異常検知装置。
  5. 前記二次元平面における前記基準点の座標を設定する基準点設定部をさらに備えており、
    前記基準点設定部は前記二次元平面において、前記角度が前記第1閾値未満または前記第2閾値より大きく、かつ前記距離が第2距離以上の領域に設定された再設定領域に、前記計測点がプロットされた場合、前記基準点の前記座標を再設定する、請求項4に記載の異常検知装置。
  6. 前記第2距離は前記第1距離未満であり、
    前記基準点設定部は前記二次元平面において、前記角度が前記第1閾値未満または前記第2閾値より大きく、かつ前記距離が前記第2距離以上である場合、前記基準点の前記座標を再設定する、請求項5に記載の異常検知装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の異常検知装置と、
    ピストンを有する1つ以上のエアシリンダと、
    電磁弁によって前記1つ以上のエアシリンダに供給する気体を制御するマニホールドと、
    前記電磁弁の開閉を制御する制御装置と、を備えている異常検知システム。
  8. ピストンを有するエアシリンダの異常を検知する異常検知方法であって、
    前記ピストンの押し出しに要する押出時間および引き戻しに要する引戻時間を取得する動作時間取得ステップと、
    前記押出時間および前記引戻時間を、それぞれの標準時間と比較することで前記エアシリンダにおける異常の有無を検知する異常検知ステップと、を有しており、
    前記異常検知ステップでは、
    前記押出時間を横軸とし、前記引戻時間を縦軸とした二次元平面の上に、前記動作時間取得ステップにて新たに取得した押出時間および引戻時間に応じた計測点を、押出時間の標準時間および引戻時間の標準時間を示す基準点とともにプロットしたときに、
    前記基準点からの距離が第1距離以上、かつ前記基準点の温度変化を表す所定の温度直線よりも押出時間が小さくかつ引戻時間が大きい側に設定され、かつ前記所定の温度直線を避けて設定された異常範囲内に前記計測点がプロットされた場合、前記エアシリンダの異常を検知する、異常検知方法。
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