JP2020084846A - 副室式ディーゼル機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間の運転においても、噴射特性が変化したり、耐久性に問題が生じたりすることを抑制することができる副室式ディーゼル機関を提供する。【解決手段】本発明によれば、主燃焼室14に連絡孔12によって連通される副燃焼室10が形成されたシリンダヘッドを備えた副室式ディーゼル機関1において、副燃焼室10に燃料を噴射するインジェクタ20がシリンダヘッド3Aに取り付けられており、シリンダヘッド3Aは、シリンダヘッド3Aのインジェクタ取付部3cにおけるインジェクタ先端部21の周辺に過熱防止構造70Aを備えた副室式ディーゼル機関1が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、連絡孔によって連通される主燃焼室及び副燃焼室を備えた副室式ディーゼル機関に関する。
従来から、連絡孔によって連通される主燃焼室及び副燃焼室を備えた副室式ディーゼル機関が知られている。
従来から知られている渦流室式の副室式ディーゼル機関は、ピストン上に形成される主燃焼室と、主燃焼室と連絡孔によって連通される副燃焼室と、副燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、を備え、圧縮行程において連通孔を介して主燃焼室側から副燃焼室に空気が進入して、副燃焼室内に強い渦流を発生させる。そして、副燃焼室に臨むように配設されたインジェクタから、渦流が発生している副燃焼室に対して燃料を噴射して混合気を形成し、圧縮自着火させて、燃焼を開始させる。次いで、副燃焼室にて開始された燃焼エネルギーにより、副燃焼室から連通孔を介して主燃焼室に火炎を進入させて、ピストンを駆動しながら燃焼を完遂させ、動力を得る(例えば、特許文献1、及び特許文献2を参照。)。
特公平7−116941号公報 特許第3851727号公報
前記特許文献1及び特許文献2に記載された従来の副室式ディーゼル機関では、ジャーク式燃料噴射装置が採用されており、燃料噴射特性は、燃料をインジェクタに供給するポンプ側の作動に依存するため、インジェクタは機械構造部品によってシンプルに構成される。これにより、副室式ディーゼル機関のインジェクタは、比較的耐久性に優れたものとなり、インジェクタの冷却について殆ど配慮する必要がない。
しかし、副燃焼室に臨むインジェクタから、任意の噴射時期、噴射圧で副燃焼室に燃料を供給すべく、インジェクタの作動を電子化することを想定した場合、インジェクタの内部構造が複雑になり、特に、駆動手段として電磁ソレノイド等を搭載した場合は、長時間高温に曝されることで、噴射特性が変化したり、耐久性に問題が生じたりするという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、長時間の運転においても、噴射特性が変化したり、耐久性に問題が生じたりすることを抑制することができる副室式ディーゼル機関を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、主燃焼室に連絡孔によって連通される副燃焼室が形成されたシリンダヘッドを備えた副室式ディーゼル機関において、前記副燃焼室に燃料を噴射するインジェクタが前記シリンダヘッドに取り付けられており、前記シリンダヘッドは、前記シリンダヘッドのインジェクタ取付部におけるインジェクタ先端部の周辺に過熱防止構造を備えた副室式ディーゼル機関が提供される。
前記過熱防止構造は、前記シリンダヘッドに形成されたインジェクタ取付部のボス部を囲繞するように冷却水通路を配置することで実現することができる。また、前記インジェクタ取付部のボス部を、前記シリンダヘッドに対して別体のノズルスリーブにより構成し、前記ノズルスリーブの外周を囲繞するように冷却水通路を配置してもよい。さらに、前記過熱防止構造は、インジェクタ先端部を、前記副燃焼室の内壁面から内側にオフセットさせて凹部を形成することにより実現することができる。さらに、前記過熱防止構造は、インジェクタ先端部にプロテクタチップを配設することにより実現してもよい。さらに、前記シリンダヘッドの前記副燃焼室を囲繞する領域が、前記過熱防止構造が配設される上部領域と、シリンダヘッド下面を冷却する冷却水通路が配設される下部領域と、前記上部領域と前記下部領域とで挟まれる中間領域と、により構成され、前記中間領域に冷却水通路を配設しないようにすることが好ましい。
本発明は、上記したように構成されていることから、長時間の運転においても、噴射特性が変化したり、耐久性に問題が生じたりすることを抑制することができる副室式ディーゼル機関が提供される。
副室式ディーゼル機関に適用される第1の過熱防止構造を示す図である。 図1に示すインジェクタ取付部のA−A断面を示す図である。 図1に示すシリンダヘッドにおいて冷却水通路を配設しない領域を説明するための説明図である。 副室式ディーゼル機関に適用される第2の過熱防止構造を示す図である。 副室式ディーゼル機関に適用される第3の過熱防止構造を示す図である。 (a)副室式ディーゼル機関に適用される第4の過熱防止構造を示す図、及び(b)第4の過熱防止構造を構成するプロテクタチップの斜視図である。
以下、本発明に従って構成された副室式ディーゼル機関の好適な実施形態について添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1には、連絡孔によって連通される主燃焼室及び副燃焼室を備えた副室式のディーゼル機関1Aの構成の一部を断面で示す概要図が示されている。ディーゼル機関1Aは、シリンダブロック2、シリンダヘッド3A、ピストン4、吸気ポート5、吸気弁6、排気ポート(図示は省略する。)、及び排気弁(図示は省略する。)を備えている。
シリンダヘッド3Aには、略球形状に形成された副燃焼室10が形成されている。副燃焼室10は、シリンダブロック2に形成されたシリンダ2a内を摺動するピストン4の頂面4aと、シリンダヘッド3Aのピストン4の頂面4aと対向する面(以下「下面」という。)3aとの間に形成される主燃焼室14に、ピストン4の摺動方向に対して傾斜する連通孔12を介して連通されている。副燃焼室10には、副燃焼室10に燃料を噴射するインジェクタ20が備えられている。インジェクタ20には、燃料通路管50が接続されている。
燃料通路管50には、燃料通路管50に燃料を供給する図示しない燃料ポンプが接続されている。燃料ポンプは、ディーゼル機関1Aのクランク軸7によって駆動され、図示しない燃料タンクから吸引した燃料を燃料通路管50に供給する。
図示は省略するが、ディーゼル機関1Aは、複数のシリンダ2aを備えたいわゆる多気筒エンジンであり、複数のシリンダ2aはシリンダブロック2に直列に配設される。各シリンダ2aに対応して図1に示す副燃焼室10が形成され、各副燃焼室10に対してインジェクタ20が備えられる。各インジェクタ20は、共通する燃料通路管50に接続されており、燃料通路管50に蓄圧された燃料圧力で、副燃焼室10に燃料を噴射する。すなわち、燃料通路管50内に保持された燃料圧力が、インジェクタ20から副燃焼室10に燃料を噴射する際の噴射圧となる。インジェクタ20は、インジェクタ先端部21、インジェクタ本体部22、駆動部23、及び入口配管24を備える。インジェクタ20は、いわゆる内開弁式タイプのインジェクタであり、インジェクタ先端部21には、燃料を噴射する噴射孔21aが形成され、インジェクタ先端部21及びインジェクタ本体部22の内部には、図示しないニードル弁が内蔵されている。該ニードル弁は、駆動部23に収容された図示しない電磁ソレノイドによりその作動が制御され、コネクタ23aを介して送られる電気信号に基づいて任意の噴射時期で噴射孔21aを開閉する。インジェクタ20のインジェクタ先端部21の反対側には、インジェクタ20に燃料を導入する入口配管24が形成されている。入口配管24の側面には、図示しない環状の溝部が形成され、該溝部には、柔軟性を有する耐油性の樹脂で構成されたOリング24aが装着されている。図1に示すように、燃料通路管50は、図1の紙面に垂直な方向に延びる管状の部材であり、インジェクタ20の入口配管24が嵌合される嵌合ボス52が形成されている。嵌合ボス52は、装着されるインジェクタ20の数に合わせて燃料通路管50の軸方向に均等間隔で形成される。
ディーゼル機関1は、インジェクタ20から燃料を噴射する噴射時期、噴射圧を制御するため、図示しないエンジンECUを備えている。このエンジンECUにより、図示しない燃料ポンプから供給される燃料量が調節され、燃料通路管50に蓄圧される燃料圧力が調整される。そして、インジェクタ20の駆動部23を制御することにより、任意の噴射時期、噴射圧で、副燃焼室10に対して燃料を噴射することができる。
シリンダヘッド3Aのインジェクタ取り付け面3bには、インジェクタ20を挿入する挿入部を構成するインジェクタ取付部3cが形成される。そして、インジェクタ取付部3cに挿入されたインジェクタ20の先端部21の周辺には、副燃焼室10において発生する燃焼ガスによってインジェクタ20が過剰に加熱されることを防止する過熱防止構造が配置される。図1に示す実施形態では、過熱防止構造として、第一の過熱防止構造70Aが形成される。図1に示すA−A断面を示す図2からも理解されるように、第1の過熱防止構造70Aは、インジェクタ取付部3cを構成する取付ボス71と、取付ボス71を囲繞するように配置された冷却水通路72を備える。取付ボス71、及び冷却水通路72は、例えば、鋳造によりシリンダヘッド3Aと共に一体成形される。シリンダヘッド3Aには、主燃焼室14に面する下面3a付近を冷却する冷却水通路33も配置されている。冷却水通路72、及び冷却水通路33を流れる冷却水は、図示しない冷却水ポンプによって、ディーゼル機関1の各冷却水通路(シリンダブロック2に配設されるウオータジャケット2b等を含む)、及び図示しないラジエータ等を循環させられ、ディーゼル機関1Aを冷却する。
上記した第1の過熱防止構造70Aによれば、副燃焼室10に臨むように配設されるインジェクタ20の先端部21の周囲が積極的に冷却される。これにより、副燃焼室10内で発生する燃焼ガスから受熱することによるインジェクタ20、特に、先端部21の温度上昇が抑えられる。この結果、インジェクタ20に電磁ソレノイド等の電気的に作動する駆動部23が備えられていたとしても、作動特性が変化して、所望の噴射特性が得られなくなる問題、さらには、過剰に加熱され耐久性が低下する等の問題も解消することができる。さらに、第一の過熱防止構造70Aは、鋳造により一体成型されることから、部品点数を増やすことなく実現することができるという利点も有している。
本実施形態では、図3に示すように、シリンダヘッド3Aの副燃焼室10を囲繞する領域37が、第一の過熱防止構造70Aが配設される上部領域X1と、シリンダヘッド3Aの下面3aを冷却する冷却水通路33が配設される下部領域X2と、上部領域X1と下部領域X2とで挟まれる中間領域X3と、により構成されており、中間領域X3には冷却水通路を配設しないようにしている。これにより、上記した第一の過熱防止構造70Aを採用した構成であっても、副燃焼室10の壁面が必要以上に冷却され、冷却損失が大きくなることを抑制することができる。なお、図3に基づき説明する「上部」、「下部」とは、ピストン4の摺動方向でみてシリンダヘッド2が配設された側を「上部」とし、クランク軸7が配設する側を「下部」として説明するものであり、ディーゼル機関1が実際に使用される際に設置される方向とは関係がない。
本発明により実現される過熱防止構造は、上記した第1の過熱防止構造70Aに限定されず、種々の変形例が想定される。以下に、図4〜図6を参照しながら、説明する。
図4には、第2の過熱防止構造70Bを備えたディーゼル機関1Bが示されている。ディーゼル機関1Bは、図1に示すディーゼル機関1Aの第1の過熱防止構造70Aに対し、シリンダヘッド3Bに配設された過熱防止構造が、第2の過熱防止構造70Bである点で相違し、他の構成については同一であるため、第1の過熱防止構造70Aと異なる点を中心に説明し、他の構成についての説明は省略する。
図4に示す第2の過熱防止構造70Bは、シリンダヘッド3Bとは別体のノズルスリーブ73と、ノズルスリーブ73がシリンダヘッド3Bに配設された状態でノズルスリーブ73の外周73bを囲繞するように配置された冷却水通路74と、を備える。
ノズルスリーブ73は、例えば、SUS系金属からなる略円筒状部材である。ノズルスリーブ73は、インジェクタ20を保持すべく段差形状をなすインジェクタ取付部73aと、小径のスリーブ先端部73cを備える。先端部73cの外周には雄ねじが形成されている。シリンダヘッド3Bには、インジェクタ20を挿入する位置に、副燃焼室10側に開放される開口部34及び外部に開放される開口部35が形成され、内部に冷却水通路74を有する。開口部34には雌ねじが形成されている。ノズルスリーブ73をシリンダヘッド3Bに取り付ける際には、開口部34にノズルスリーブ73の先端部73cを螺合することにより固定する。開口部34の近傍位置には段差部が形成され、該段差部には、パッキン73dが配設される。また、ノズルスリーブ73と開口部35との嵌合部には、少なくともいずれか一方に形成された溝部にOリング73eが配設される。ノズルスリーブ73をシリンダヘッド3Bに固定した際には、パッキン73d及びOリング73eの作用により、冷却水通路74と副燃焼室10、及び外部とのシール性が確保される。
上記した第2の過熱防止構造70Bによっても、第1の過熱防止構造70Aと同様に、副燃焼室10に臨むように配設されるインジェクタ20の先端部21の周囲が積極的に冷却される。これにより、副燃焼室10内で発生する燃焼ガスから受熱することによるインジェクタ20、特に、先端部21の温度上昇が抑えられる。まだ、第2の過熱防止構造70Bのように、過熱防止構造をシリンダヘッド3Bに対して別体のノズルスリーブ73によって構成することにより、シリンダヘッド3Bの成形性が向上し、また、冷却水通路74にインジェクタ20をより近接させることができることから、インジェクタ20をより効率よく冷却することが可能になる。この結果、インジェクタ20に電磁ソレノイド等の電気的に作動する駆動部23が備えられていたとしても、作動特性が変化して、所望の噴射特性が得られなくなる問題、さらには、過剰に加熱され耐久性が低下する等の問題も解消することができる。
図5を参照しながら、ディーゼル機関1Cに適用された第3の過熱防止構造70Cについて説明する。なお、図5(a)には、第3の過熱防止構造70Cと共に、上記した第1の過熱防止構造70Aも併せて示している。このように、第3の過熱防止構造70Cは、上記した第1の過熱防止構造70A、又は第2の過熱防止構造70Bと併用することができ、また、第3の過熱防止構造単独で実施することも可能である。
図5(a)に示すように、第3の過熱防止構造70Cは、インジェクタ20の先端部21を、シリンダヘッド3Cに形成された副燃焼室10の内壁面10aから内側にオフセットさせ形成された凹部により実現される。図5(b)に、図5(a)のA部を拡大して示す。図5(b)に示すように、インジェクタ20が、副燃焼室10の内壁面10aに対し、先端部21が内側方向にXだけオフセットした状態で取り付けられる。オフセット量Xは、機関出力や、圧縮比等によって調整されるべきであるが、1.0mm〜3.0mmで設定されることが好ましい。
上記した凹部をなす第3の過熱防止構造70Cを備えることで、膨張行程において、燃焼ガスFが副燃焼室10内を流動する際に、インジェクタ20の先端部21に直接接触することを抑制し、副燃焼室10内で発生し流動する燃焼ガスFから受熱することによる先端部21の温度上昇が抑えられる。この結果、インジェクタ20に電磁ソレノイド等の電気的に作動する駆動部23が備えられていたとしても、作動特性が変化して、所望の噴射特性が得られなくなる問題、さらには、過剰に加熱され耐久性が低下する等の問題も解消することができる。
図6を参照しながら、ディーゼル機関1Dのシリンダヘッド3Dに対して配設された第4の過熱防止構造70Dについて説明する。なお、ディーゼル機関1Dは、第1の過熱防止構造70Aが配設されたディーゼル機関1Aのシリンダヘッド3Aに対し、インジェクタ20が取付けられる周辺領域のみ相違するため、図6(a)では、インジェクタ20が取付けられる周辺領域のみを拡大して示している。
図6(a)に示すように、第4の過熱防止構造70Dは、インジェクタ20の先端部21に配設されるプロテクタチップ76により実現される。このプロテクタチップ76の構成について、図6(b)を参照しながら、より具体的に説明する。
図6(b)にプロテクタチップ76を斜め下方から見た斜視図を示す。図6(b)から理解されるように、プロテクタチップ76は、略カップ状の部材であり、筒状の胴体部76a、胴体部76aの上縁開口部を囲繞し外方に鍔形状をなす鍔部76b、鍔部76bの反対側でインジェクタ先端部21を覆う下面部76c、下面部76cの中央に形成されインジェクタ20の先端部21の噴口21aを副燃焼室10に臨ませるための先端開口部76dと、を備えている。このプロテクタチップ76は、例えばSUS系金属で形成される。
図6(a)に示すように、本実施形態では、上記したプロテクタチップ76に加え、筒状のパッキン77を備えている。パッキン77は、例えば、インジェクタ20を取り付ける押圧力で変形可能な耐熱性のシリコン樹脂、あるいはポリアセタール樹脂等から形成されることが好ましい。インジェクタ20をシリンダヘッド3Dに取り付ける際には、インジェクタ20の先端部21に対し、先端部21側からパッキン77、及びプロテクタチップ76を装着する。次いで、シリンダヘッド3Dのインジェクタ取付部3c’に対してインジェクタ20を挿入し、図示しない所定の固定手段によりインジェクタ20を固定する。インジェクタ取付部3c’には、段差部36が形成されており、段差部36にプロテクタチップ76の鍔部76bが押し当てられる。これにより、鍔部76bは、インジェクタ20側の段差部25から押圧されるパッキン77と、段差部36とにより挟持された状態となる。パッキン77が配設される空間には、予めパッキン77の潰れ代が形成されており、インジェクタ20をシリンダヘッド3Dに固定することでパッキン77が潰れ、プロテクタチップ76は、パッキン77と、インジェクタ取付部3c’の段差部36によって強固に固定される。
上記した第4の過熱防止構造70Dによれば、膨張行程において、燃焼ガスFが副燃焼室10内を流動する際に、インジェクタ20の先端部21に燃焼ガスFが直接接触することを抑制し、インジェクタ20の先端部21の温度上昇が抑えられる。この結果、インジェクタ20に電磁ソレノイド等の電気的に作動する駆動部23が備えられていたとしても、作動特性が変化して、所望の噴射特性が得られなくなる問題、さらには、過剰に加熱され耐久性が低下する等の問題も解消することができる。
上記した第4の過熱防止構造は、第1の過熱防止構造、又は第2の過熱防止構造と組み合わせることができ、また単独で実施することも可能である。
上記した実施形態では、図3の第1の過熱防止構造70Aが形成されたシリンダヘッド3Aを参照しながら、シリンダヘッド3Aの上部領域X1と下部領域X2とで挟まれる中間領域X3に冷却水通路を配設しないようにすることを説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2の過熱防止構造70Bを搭載したシリンダヘッド3B、又は第3の過熱防止構造70Cを搭載したシリンダヘッド3C、第4の過熱防止構造70Dを搭載したシリンダヘッド3Dにおいても、過熱防止構造が配設される上部領域X1とシリンダヘッドの下面を冷却する冷却水通路が配設される下部領域X2とで挟まれ、冷却水通路を配設しない中間領域X3を設けてもよい。
1A、1B、1C、1D:ディーゼル機関
2:シリンダブロック
2b:ウオータジャケット
3A、3B、3C、3D:シリンダヘッド
3a:下面
3b:インジェクタ取り付け面
3c、3c’:インジェクタ取付部
4:ピストン
4a:頂面
5:吸気ポート
6:吸気弁
10:副燃焼室
12:連通孔
14:主燃焼室
20:インジェクタ
21:インジェクタ先端部
21a:噴口
22:インジェクタ本体部
23:駆動部
23a:コネクタ
24:入口配管
33:冷却水通路
34、35:開口部
50:燃料通路管
52:嵌合ボス
70A:第1の過熱防止構造
70B:第2の過熱防止構造
70C:第3の過熱防止構造(凹部)
70D:第4の過熱防止構造
71:取付ボス
72:冷却水通路
73:ノズルスリーブ
74:冷却水通路
76:プロテクタチップ
77:パッキン

Claims (6)

  1. 主燃焼室に連絡孔によって連通される副燃焼室が形成されたシリンダヘッドを備えた副室式ディーゼル機関において、
    前記副燃焼室に燃料を噴射するインジェクタが前記シリンダヘッドに取り付けられており、前記シリンダヘッドは、前記シリンダヘッドのインジェクタ取付部におけるインジェクタ先端部の周辺に過熱防止構造を備えた副室式ディーゼル機関。
  2. 前記過熱防止構造は、前記シリンダヘッドに形成されたインジェクタ取付部のボス部を囲繞するように冷却水通路を配置することにより実現される請求項1に記載の副室式ディーゼル機関。
  3. 前記インジェクタ取付部のボス部を、前記シリンダヘッドに対して別体のノズルスリーブにより構成し、前記ノズルスリーブの外周を囲繞するように冷却水通路を配置した、請求項2に記載の副室式ディーゼル機関。
  4. 前記過熱防止構造は、インジェクタ先端部を、前記副燃焼室の内壁面から内側にオフセットさせて凹部を形成することにより実現される請求項1乃至3のいずれかに記載の副室式ディーゼル機関。
  5. 前記過熱防止構造は、インジェクタ先端部にプロテクタチップを配設することにより実現される請求項1に記載の副室式ディーゼル機関。
  6. 前記シリンダヘッドの前記副燃焼室を囲繞する領域が、前記過熱防止構造が配設される上部領域と、シリンダヘッド下面を冷却する冷却水通路が配設される下部領域と、前記上部領域と前記下部領域とで挟まれる中間領域と、により構成され、前記中間領域に冷却水通路を配設しない請求項1乃至5のいずれかに記載された副室式ディーゼル機関。
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