以下、図面を参照しながら、本発明に係る管継手セットおよび蓋の実施の一形態について説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、本発明に係る管継手セットの実施の一形態である。図1は、本実施形態に係る管継手セット10の蓋20の平面図である。図2は、図1のII−II断面における蓋20および管継手40の正面断面図である。
図2に示すように、管継手セット10は、蓋20と、管継手40とを備えている。
蓋20は、地中に埋設された管路1に設けられるものである。管路1は、例えば立管2と、蓋枠3とを有している。立管2は、地中に埋設されており、上下に延びたものである。立管2は、例えばマンホール、ますの立管などである。なお、図示は省略するが、立管2の下端には、立管2と下水本管とを繋ぐ他の管路が接続されている。この他の管路は、複数の管、ます、継手などによって構成されていてもよいし、1つの管によって構成されていてもよい。
蓋枠3は、立管2の上端に設けられ、立管2に嵌合している。蓋枠3は、立管2に嵌め込まれる枠筒部3aと、枠筒部3aから上方に延び、蓋20が着脱可能に嵌め込まれる蓋嵌合部3bとを有している。
次に、蓋20について説明する。蓋20は、蓋枠3に着脱自在に嵌合する。蓋20は、親蓋21と、子蓋22とを備えている。
親蓋21は、親蓋本体31と、親蓋筒状部32とを有している。親蓋本体31は、蓋枠3(詳しくは、蓋枠3の蓋嵌合部3b)に嵌合する部位である。親蓋本体31には、上下に貫通した嵌合孔33が形成されている。嵌合孔33の形状は特に限定されないが、図1に示すように、例えば円形状である。本実施形態では、嵌合孔33は、平面視における親蓋本体31の中央部分に形成されているが、嵌合孔33の形成位置は特に限定されない。図2に示すように、親蓋本体31には、親蓋21が蓋枠3に嵌合しているときに、蓋枠3と接触する環状のシール部材34が取り付けられている。シール部材34の種類は特に限定されないが、例えばゴムである。シール部材34によって、親蓋21を蓋枠3に嵌合させたときのシール性が向上する。
親蓋筒状部32は、親蓋本体31から下方に向かって延びている。親蓋筒状部32は、底面視において嵌合孔33を囲むように親蓋本体31に設けられている。本実施形態では、親蓋筒状部32は、親蓋本体31における嵌合孔33の縁から下方に向かって延びている。なお、親蓋筒状部32には、1つまたは複数のスリットが形成されていてもよい。また、本実施形態では、親蓋本体31と親蓋筒状部32は、一体成形されているが、別体であってもよい。
子蓋22は、親蓋21の親蓋本体31に形成された嵌合孔33に嵌合する。図1に示すように、子蓋22は、嵌合孔33に対応した形状を有しており、ここでは円盤状である。図2に示すように、子蓋22には、子蓋22が親蓋21に嵌合しているときに、親蓋本体31と接触する環状のシール部材35が取り付けられている。シール部材35は、例えばゴムによって形成されているが、シール部材35の種類は特に限定されない。シール部材35によって、子蓋22を親蓋21に嵌合させたときのシール性が向上する。
次に、管継手40について説明する。図3、図4、図5は、それぞれ図2相当図であり、管継手40に第1接続管5a、第2接続管5b、第3接続管5cが接続されている状態を示す図である。管継手40は、管路1と、管路1の上方に配置された接続管5とを接続する継手である。本実施形態では、接続管5は、直径が異なる第1接続管5a(図3参照)と、第2接続管5b(図4参照)と、第3接続管5c(図5参照)とのうち少なくとも何れかを有している。ここで、第1接続管5aの直径D11(図3参照)は、第2接続管5bの直径D12(図4参照)よりも大きく、第3接続管5cの直径D13(図5参照)よりも大きい。第2接続管5bの直径D12は、第3接続管5cの直径D13よりも大きい。なお、図示は省略するが、第1〜第3接続管5a〜5cは、汚水が流れる管であり、トイレ、台所の流し台などの汚水発生源に接続される、または、上記汚水発生源の一部である。なお、上記汚水発生源とは、臨時的に設けられるものであってもよい。例えば、上記汚水発生源は、災害時に使用される災害時用トイレ、仮設住宅のトイレや台所や風呂などの排水設備、雨水を取り込むための設備、給湯器のドレン配管などである。本実施形態では、管継手40は、直径が異なる3つの接続管5a、5b、5cの何れかと、管路1とを繋ぐことが可能な継手である。なお、ここでは、図3および図4に示すように、接続管5a、5bを管継手40に接続する場合、管継手40は、一部が切り離された状態で使用される。このことについては後述する。
図6、図7は、それぞれ管継手40の平面図、正面図である。図8は、図6のVII−VII断面における管継手40の正面断面図である。図8に示すように、管継手40は、第1筒状部41と、第2筒状部42と、第3筒状部43と、第1フランジ45と、第2フランジ46と、第1接続部47と、第2接続部48とを備えている。
図3に示すように、第1筒状部41は、親蓋21の親蓋筒状部32に嵌合すると共に、第1接続管5aに嵌合可能な部位である。本実施形態では、第1筒状部41は、親蓋筒状部32に対して差口であり、親蓋筒状部32が受口である。しかしながら、第1筒状部41は、親蓋筒状部32に対して受口であり、親蓋筒状部32が差口であってもよい。また、本実施形態では、第1筒状部41は、第1接続管5aに対して受口であり、第1接続管5aが差口である。
図6に示すように、第2筒状部42は、平面視において第1筒状部41の内部に配置されている。図4に示すように、第2筒状部42は、第2接続管5bに嵌合可能な部位である。本実施形態では、第2筒状部42が受口であり、第2接続管5bが差口である。しかしながら、第2筒状部42が差口であり、第2接続管5bが受口であってもよい。
図6に示すように、第3筒状部43は、平面視において第2筒状部42の内部に配置されている。図5に示すように、第3筒状部43は、第3接続管5cに嵌合可能な部位である。本実施形態では、第3筒状部43が受口であり、第3接続管5cが差口である。しかしながら、第3筒状部43が差口であり、第3接続管5cが受口であってもよい。
第1〜第3筒状部41〜43は、それぞれ第1〜第3接続管5a〜5cに対応した形状である。本実施形態では、図6に示すように、第1〜第3筒状部41〜43は、それぞれ円筒形状である。なお、第1〜第3筒状部41〜43には、スリットが形成されていてもよい。平面視において、第1〜第3筒状部41〜43のそれぞれの中心は、一致し、中心C1である。ここで、「一致」には、第1〜第3筒状部41〜43のそれぞれの中心が完全に一致する場合の他に、これら中心が多少ずれている場合も含まれる。ただし、平面視において、第1〜第3筒状部41〜43のそれぞれの中心のうち、一部または全部がずれていてもよい。
図8に示すように、第1筒状部41の直径は、第1の直径D1である。第2筒状部42の直径は第2の直径D2であり、第3筒状部43の直径は第3の直径D3である。ここで、「直径」とは、第1〜第3筒状部41〜43の内径のことを意味する。第1の直径D1は、第2の直径D2よりも大きく、第3の直径D3よりも大きい。第2の直径D2は、第3の直径D3よりも大きい。
本実施形態では、第1〜第3筒状部41〜43の長手方向(ここでは上下方向)の長さは、それぞれ同じである。しかしながら、第1〜第3筒状部41〜43の長手方向の長さは、それぞれ異なっていてもよいし、一部が他の一部と異なっていてもよい。第1筒状部41の上端の位置は、第2筒状部42の上端の位置よりも上方に位置しており、かつ、第3筒状部43の上端の位置よりも上方に位置している。また、第1筒状部41の下端の位置は、第2筒状部42の下端の位置よりも上方に位置しており、かつ、第3筒状部43の下端の位置よりも上方に位置している。第2筒状部42の上端の位置は、第3筒状部43の上端の位置よりも上方に位置しており、第2筒状部42の下端の位置は、第3筒状部43の下端の位置よりも上方に位置している。ただし、第1〜第3筒状部41〜43同士の上下方向の位置関係は特に限定されない。例えば第1〜第3筒状部41〜43のそれぞれの上端の上下の位置が同じであり、それぞれの下端の上下の位置が同じであってもよい。
図2に示すように、第1フランジ45は、管継手40の第1筒状部41を親蓋21の親蓋筒状部32に嵌合させたとき、親蓋筒状部32の下端が接触可能な部位である。第1フランジ45は、第1筒状部41の外周面から第1筒状部41の径方向の外側に向かって突出している。本実施形態では、第1フランジ45は、第1筒状部41の下端に設けられている。ただし、第1筒状部41に対する第1フランジ45の位置は特に限定されず、例えば第1フランジ45は、第1筒状部41の中間部に設けられていてもよい。第1フランジ45は環状である。なお、第1フランジ45にはスリットが形成されていてもよい。
図5に示すように、第2フランジ46は、管継手40の第3筒状部43と第3接続管5cとを嵌合させたとき、第3接続管5cの下端が接触可能な部位である。第2フランジ46は、第3筒状部43の内周面から第3筒状部43の径方向の内側に向かって突出している。本実施形態では、第2フランジ46は、第3筒状部43の下端に設けられている。ただし、第3筒状部43に対する第2フランジ46の位置は特に限定されず、例えば第2フランジ46は、第3筒状部43の中間部に設けられていてもよい。第2フランジ46は、第1フランジ45よりも低い位置に設けられているが、第1フランジ45と上下に同じ位置に設けられていてもよいし、第1フランジ45よりも高い位置に設けられていてもよい。第2フランジ46は、環状であり、スリットが形成されていてもよい。
第1接続部47は、第1筒状部41と第2筒状部42とを繋ぐものである。本実施形態では、第1接続部47は、第1筒状部41の下端、および、第2筒状部42の下端に接続されている。ただし、第1筒状部41および第2筒状部42に対する第1接続部47の位置は特に限定されない。また、第1接続部47の構成も特に限定されない。
本実施形態では、図8に示すように、第1接続部47は、第1内横板部47aと、第1縦板部47bと、第1外横板部47cとを有している。第1内横板部47aは、第2筒状部42の下端から第2筒状部42の径方向の外側に突出した面である。本実施形態では、第1内横板部47aは、第2筒状部42の下端から第2筒状部42の径方向の外側に延びている。第1縦板部47bは、第1内横板部47aから上方に向かって延びている。第1縦板部47bは、第1筒状部41の内周面よりも第1筒状部41の径方向の内側に配置されている。第1縦板部47bの上下の長さは、第1筒状部41の上下(言い換えると、長手方向)の長さよりも短い。しかしながら、第1縦板部47bの上下の長さは、第1筒状部41の上下の長さと同じであってもよいし、第1筒状部41の上下の長さよりも長くてもよい。
第1外横板部47cは、第1筒状部41の内周面と第1縦板部47bとを繋ぐ面である。第1外横板部47cは、第1筒状部41の下端から第1縦板部47bの上端に向かって延びている。第1外横板部47cは、第1内横板部47aよりも上方に配置されている。また、第1外横板部47cの上下の位置は、第1フランジ45の上下の位置と同じである。ただし、第1外横板部47cは、第1フランジ45より高い位置に配置されていてもよいし、第1フランジ45よりも低い位置に配置されていてもよい。図3に示すように、第1外横板部47cには、第1筒状部41に第1接続管5aを嵌合させた際、第1接続管5aの下端が接触する。
図8に示すように、第2接続部48は、第2筒状部42と第3筒状部43とを繋ぐものである。ここでは、第2接続部48は、第2筒状部42の下端、および、第3筒状部43の下端に接続されている。ただし、第2筒状部42および第3筒状部43に対する第2接続部48の位置は、特に限定されない。図7に示すように、第2接続部48は、第1接続部47よりも低い位置に配置されている。
本実施形態では、図8に示すように、第2接続部48は、第2内横板部48aと、第2縦板部48bと、第2外横板部48cとを有している。第2内横板部48aは、第3筒状部43の外周面から第3筒状部43の径方向の外側に突出した面である。本実施形態では、第2内横板部48aは、第3筒状部43の下端から第3筒状部43の径方向の外側に延びている。第2内横板部48aの上下の位置は、第2フランジ46の上下の位置と同じである。しかしながら、第2内横板部48aは、第2フランジ46よりも高い位置に配置されていてもよいし、第2フランジ46よりも低い位置に配置されていてもよい。
第2縦板部48bは、第2内横板部48aから上方に向かって延びている。第2縦板部48bは、第2筒状部42の内周面よりも第2筒状部42の径方向の内側に配置されている。第2縦板部48bの上下の長さは、第1縦板部47bの上下の長さと同じである。しかしながら、第2縦板部48bの上下の長さは、第1縦板部47bの上下の長さよりも長くてもよいし、第1縦板部47bの上下の長さよりも短くてもよい。また、第2縦板部48bの上下の長さは、第2筒状部42の上下(言い換えると、長手方向)の長さよりも短い。しかしながら、第2縦板部48bの上下の長さは、第2筒状部42の上下の長さと同じであってもよいし、第2筒状部42の上下の長さよりも長くてもよい。
第2外横板部48cは、第2筒状部42の内周面と第2縦板部48bとを繋ぐ面である。第2外横板部48cは、第2筒状部42の下端から第2縦板部48bの上端に向かって延びている。第2外横板部48cは、第2内横板部48aよりも上方に配置されている。第2外横板部48cは、第1フランジ45よりも低い位置に配置され、かつ、第2フランジ46よりも高い位置に配置されている。また、第2外横板部48cの上下の位置は、第1内横板部47aの上下の位置と同じである。ただし、第2外横板部48cは、第1内横板部47aよりも高い位置に配置されていてもよいし、第1内横板部47aよりも低い位置に配置されていてもよい。図4に示すように、第2外横板部48cには、第2筒状部42に第2接続管5bを嵌合させた際、第2接続管5bの下端が接触する。
図6に示すように、第1筒状部41、第2筒状部42、第3筒状部43、第1フランジ45、第2フランジ46、第1接続部47および第2接続部48のそれぞれの形状は、平面視において環状形状である。本実施形態では、管継手40、すなわち第1筒状部41、第2筒状部42、第3筒状部43、第1フランジ45、第2フランジ46、第1接続部47および第2接続部48は、一体的に成形されている。しかしながら、第1筒状部41、第2筒状部42、第3筒状部43、第1フランジ45、第2フランジ46、第1接続部47および第2接続部48の一部または全部は、別体で成形され、それぞれが取り付けられるものであってもよい。また、本実施形態では、第1筒状部41、第2筒状部42、第3筒状部43、第1フランジ45、第2フランジ46、第1接続部47および第2接続部48は、樹脂製である。しかしながら、第1筒状部41、第2筒状部42、第3筒状部43、第1フランジ45、第2フランジ46、第1接続部47および第2接続部48の一部または全部は、樹脂以外の材料によって形成されていてもよい。
以上、本実施形態に係る管継手セット10について説明した。次に、管継手セット10の使用手順について説明する。本実施形態に係る管継手セット10は、図2に示すように、蓋枠3に親蓋21を嵌合させ、かつ、親蓋21の親蓋筒状部32に管継手40が嵌め込まれた状態で使用される。上述のように、管継手40には、径が異なる第1〜第3接続管5a〜5cの何れかを接続することができる。
まず、管継手40によって、管路1と第3接続管5cとを接続する手順について説明する。ここでは、図5に示すように、親蓋筒状部32に管継手40の第1筒状部41を嵌め込む。親蓋筒状部32と第1筒状部41とは、例えば接着剤によって互いを固定する。このとき、管継手40の第1フランジ45には、親蓋筒状部32の下端が接触する。このようにして、管継手40を親蓋21に取り付けた後、立管2の上端に設けられた蓋枠3に親蓋21を嵌合させる。このことで、立管2内に管継手40が配置されている状態となり、管継手40は、親蓋21および蓋枠3を介して立管2に接続されている。なお、このとき、親蓋21の嵌合孔33には子蓋22は嵌合していない。次に、管路1の上方に配置されている第3接続管5cを、親蓋21の嵌合孔33に挿入し、第3筒状部43に嵌め込む。以上のようにして、管継手40によって、管路1と第3接続管5cとを接続することができる。
次に、管継手40によって、管路1と第2接続管5bとを接続する手順について説明する。図4に示すように、第2接続管5bを接続する際、管継手40は加工された状態で使用される。ここでは、作業者は、図8に示すように、第2接続部48の第2縦板部48bと第2外横板部48cとを切り離す。図8では、位置Aにおいて管継手40を2分割する。本実施形態では、第2接続部48は樹脂製であるため、作業者は、例えば刃物などを使用して第2縦板部48bと第2外横板部48cとを切り離す。このことで、管継手40から第3筒状部43、第2フランジ46、第2接続部48の第2内横板部48aおよび第2縦板部48b(以下、第3筒状部43などという。)が切り離された状態となる。ここでは、第3筒状部43などが除かれた管継手40の一部40a(すなわち、第1筒状部41および第2筒状部42側の管継手40の一部40a)(図4参照)が使用される。以下、管継手40の一部40aのことを、部分管継手40aという。
以上のようにして切断した部分管継手40aにおいて、図4に示すように、親蓋筒状部32に第1筒状部41を嵌め込む。なお、この場合、親蓋筒状部32に第1筒状部41が嵌め込まれた後に、上記の切り離しが行われてもよい。その後、部分管継手40aが取り付けられた親蓋21を蓋枠3に嵌合させる。このことで、部分管継手40aは、親蓋21および蓋枠3を介して立管2に接続された状態となる。次に、管路1の上方に配置されている第2接続管5bを、親蓋21の嵌合孔33に挿入し、第2筒状部42に嵌め込む。このとき、第2接続部48の第2外横板部48cには、第2接続管5bの下端が接触する。以上のようにして、部分管継手40aによって、管路1と第2接続管5bとを接続することができる。本実施形態では、部分管継手40aには、第3筒状部43などが切り離されているため、部分管継手40aに第2接続管5bを接続したとき、第2接続管5bの内部には、第3筒状部43などが配置されていない。よって、第2接続管5b内の汚水は、第3筒状部43などに塞き止められることなく、管路1に流れる。
次に、管継手40によって、管路1と第1接続管5aとを接続する手順について説明する。図3に示すように、第1接続管5aを接続する際、第2接続管5bを接続するときと同様に、管継手40は加工された状態で使用される。ここでは、作業者は、図8において位置Bで管継手40を2分割することで、第1接続部47の第1縦板部47bと第1外横板部47cとを切り離す。このことで、管継手40から、第2筒状部42、第3筒状部43、第2フランジ46、第1接続部47の第1内横板部47aおよび第1縦板部47b、ならびに、第2接続部48(以下、第2筒状部などという。)が切り離された状態となる。ここでは、第2筒状部42などが除かれた管継手40の一部40b(すなわち、第1筒状部41側の管継手40の一部40b)(図3参照)が使用される。以下、管継手40の一部40bのことを、部分管継手40bという。
以上のようにして切断した部分管継手40bにおいて、図3に示すように、親蓋筒状部32に第1筒状部41が嵌め込まれた親蓋21を蓋枠3に嵌合させる。このことで、部分管継手40bは、親蓋21および蓋枠3を介して立管2に接続された状態となる。なお、この場合であっても、親蓋筒状部32に第1筒状部41が嵌め込まれた後に、上記の切り離しが行われてもよい。次に、管路1の上方に配置されている第1接続管5aを、親蓋21の嵌合孔33に挿入し、第1筒状部41に嵌め込む。このとき、第1接続部47の第1外横板部47cには第1接続管5aの下端が接触する。以上のようにして、部分管継手40bによって、管路1と第1接続管5aとを接続することができる。本実施形態では、部分管継手40bには、第2筒状部42などが切り離されているため、部分管継手40bに第1接続管5aを接続したとき、第1接続管5aの内部には、第2筒状部42などが配置されていない。よって、第1接続管5a内の汚水は、第2筒状部42などに塞き止められることなく、管路1に流れる。
以上のように、本実施形態では、図3〜図5に示すように、管継手40は、親蓋筒状部32と、親蓋筒状部32の上方に配置される接続管5とを繋ぐ。図8に示すように、管継手40は、第1筒状部41と、第2筒状部42と、第3筒状部43と、第1接続部47と、第2接続部48とを備えている。第1筒状部41は、直径が所定の第1の直径D1であり、図3に示すように、親蓋筒状部32に嵌合すると共に、親蓋筒状部32に挿入された第1接続管5aに嵌合可能である。図8に示すように、第2筒状部42は、直径が第1の直径D1よりも小さい第2の直径D2であり、平面視において第1筒状部41の内部に配置され、図4に示すように、親蓋筒状部32に挿入された第2接続管5bに嵌合可能である。図8に示すように、第3筒状部43は、直径が第2の直径D2よりも小さい第3の直径D3であり、平面視において第2筒状部42の内部に配置され、図5に示すように、親蓋筒状部32に挿入された第3接続管5cに嵌合可能である。第1接続部47は、第1筒状部41と第2筒状部42とを繋ぐ。第2接続部48は、第2筒状部42と第3筒状部43とを繋ぐ。
このことによって、図5に示すように、立管2と第3接続管5cとを接続する場合には、まず、親蓋筒状部32に第1筒状部41を嵌合させた状態で、親蓋21を蓋枠3に嵌合させる。このような状態で、第3筒状部43に第3接続管5cを嵌合させることで、管継手40によって立管2と第3接続管5cとを接続することができる。図4に示すように、立管2と第2接続管5bとを接続させる場合には、例えば管継手40から少なくとも第3筒状部43を切り離す。そして、第3筒状部43が切り離された管継手40(本実施形態では、部分管継手40a)が嵌合された親蓋21を蓋枠3に嵌合させる。その後、部分管継手40aの第2筒状部42に第2接続管5bを嵌合させることで、立管2と第2接続管5bとを接続することができる。
また、図3に示すように、立管2と第1接続管5aとを接続させる場合には、例えば管継手40から少なくとも第2筒状部42および第3筒状部43を切り離す。そして、第2筒状部42および第3筒状部43が切り離された管継手40(本実施形態では、部分管継手40b)が嵌合された親蓋21を蓋枠3に嵌合させる。その後、第1筒状部41に第1接続管5aを嵌合させることで、立管2と第1接続管5aとを接続することができる。よって、1つの管継手40で、径が異なる接続管5a、5b、5cと立管2とを接続することができる。したがって、径が異なる接続管5a、5b、5cごとに専用の管継手を用意しなくてもよいため、コスト(特に、上記専用の管継手を製造するコスト)を削減することができる。
本実施形態では、図8に示すように、第1フランジ45は、第1筒状部41の外周面から第1筒状部41の径方向の外側に突出している。図2に示すように、管継手40の第1フランジ45に親蓋筒状部32の下端が接触したときの親蓋筒状部32に対する第1筒状部41の位置が、管継手40が親蓋筒状部32に確実に嵌合している位置である。よって、親蓋筒状部32に管継手40を嵌合させる際、第1フランジ45に親蓋筒状部32の下端が接触するまで管継手40を親蓋筒状部32に押し込むことで、管継手40を親蓋筒状部32に確実に嵌合させることができる。
本実施形態では、第2フランジ46は、第3筒状部43の内周面から第3筒状部43の径方向の内側に突出している。図5に示すように、管継手40に第3接続管5cを接続する際、第3筒状部43に第3接続管5cを嵌め込む。このとき、第2フランジ46に第3接続管5cの下端が接触したときの第3接続管5cの位置が、第3接続管5cが第3筒状部43に確実に嵌合している位置である。よって、第3筒状部43に第3接続管5cを嵌め込む際、第2フランジ46に第3接続管5cの下端が接触するまで第3接続管5cを第3筒状部43に押し込むことで、第3接続管5cを第3筒状部43に確実に嵌合させることができる。
例えば第1筒状部41の下端と第2筒状部42の下端と上下の位置が同じであり、第1接続部47が平らな面の場合、立管2と第1接続管5aを接続するために管継手40を切断する際、刃物を使用して第1接続部47の少なくとも一部を下方から切り抜くため、切り抜き作業を行い難い。しかしながら、本実施形態では、図8に示すように、第1筒状部41の下端は、第2筒状部42の下端よりも上方に位置している。第1接続部47は、第2筒状部42の下端から第2筒状部42の径方向の外側に突出した第1内横板部47aと、第1内横板部47aから上方に向かって延び、第1筒状部41に第1外横板部47cを介して間接的に接続される第1縦板部47bと、を有する。このことによって、立管2と第1接続管5aとを接続するために管継手40を切断するとき、上下に延びた第1縦板部47bを第1筒状部41から切り離す。このとき、例えば刃物を使用して、側方から管継手40を切断することで、第2筒状部42などを第1筒状部41から切り離すことができる。よって、上記切り抜き作業と比較して、管継手40から第2筒状部42などを切り離し易い。
本実施形態では、第1縦板部47bは、第1筒状部41の内周面よりも第1筒状部41の径方向の内側に配置されている。第1接続部47は、第1筒状部41の内周面と第1縦板部47bとを繋ぐ第1外横板部47cを有する。図3に示すように、管継手40に第1接続管5aを接続する際、第1筒状部41に第1接続管5aを嵌め込む。このとき、第1外横板部47cに第1接続管5aの下端が接触したときの第1接続管5aの位置が、第1接続管5aが第1筒状部41に確実に嵌合している位置である。よって、図3に示すように、第1筒状部41に第1接続管5aを嵌め込む際、第1外横板部47cに第1接続管5aの下端が接触するまで第1接続管5aを第1筒状部41に押し込むことで、第1接続管5aを第1筒状部41に確実に嵌合させることができる。
なお、本実施形態では、図8に示すように、第2接続部48は、第2内横板部48aと、第2縦板部48bと、第2外横板部48cとを有している。第2内横板部48a、第2縦板部48bおよび第2外横板部48cは、それぞれ第1内横板部47a、第1縦板部47bおよび第1外横板部47cと実質的に同じような構成であるため、第2接続部48において、第1接続部47と同様の効果が得られる。
本実施形態では、第1筒状部41の上端の上下の位置と、第2筒状部42の上端の上下の位置と、第3筒状部43の上端の上下の位置は、それぞれ異なる。作業者が上端の位置を目視することで、第1筒状部41か第2筒状部42か第3筒状部43かを識別し易い。
本実施形態では、第1筒状部41、第2筒状部42、第3筒状部43、第1フランジ45、第2フランジ46、第1接続部47および第2接続部48は、樹脂製である。このことによって、管継手40切断するときに刃物を使用して切断し易い。
なお、本実施形態では、例えば管継手40によって親蓋筒状部32と第1接続管5aとを接続する方法を実現することができる。この方法は、切離工程と、嵌合工程とを包含する。切離工程では、親蓋筒状部32に嵌合された第1筒状部41から、第1接続部47の少なくとも一部および第2筒状部42などを切り離す。図3に示すように、嵌合工程では、切離工程の後、第1接続管5aを親蓋本体31の嵌合孔33に上方から挿入し、第1接続管5aを第1筒状部41に嵌合させる。このような工程を順に行うことで、管継手40によって立管2と第1接続管5aとを接続することができる。
<第1実施形態の変形例>
以上、本実施形態に係る管継手セット10について説明した。次に、第1実施形態の変形例に係る管継手セットが備える管継手140について説明する。図9は、第1実施形態の変形例に係る管継手140の正面断面図であり、図8相当図である。図9に示すように、管継手140は、第1筒状部141と、第2筒状部142と、第3筒状部143と、第1フランジ45と、第2フランジ46と、第1接続部147と、第2接続部148とを備えている。
第1〜第3筒状部141〜143の形状および左右の位置関係は、上記実施形態の第1〜第3筒状部41〜43の形状および左右の位置関係と同じである。本変形例では、第1〜第3筒状部141〜143の上下の位置は同じである。第1〜第3筒状部141〜143の上端のそれぞれの上下の位置は同じであり、第1〜第3筒状部141〜143の下端のそれぞれの上下の位置は同じである。
第1フランジ45および第2フランジ46の形状や位置は上記実施形態と同じである。第1接続部147は、第1筒状部141の下端と第2筒状部142の下端とを繋いでいる。第2接続部148は、第2筒状部142の下端と第3筒状部143の下端とを繋いでいる。ここでは、第1接続部147および第2接続部148は、平らな面であり、上記実施形態とは異なり、段差が形成されていない。
本変形例では、管継手140に第3接続管5c(図5参照)を接続する場合には、上記実施形態と同様に、管継手140は切断されない状態で使用される。管継手140に第2接続管5b(図4参照)を接続する場合には、例えば位置Cにおいて第2接続部148を分割し、第3筒状部143、第2フランジ46および第2接続部148の少なくとも一部が切り離された管継手140の第2筒状部142に第2接続管5bを嵌合させる。
管継手140に第1接続管5a(図3参照)を接続する場合には、例えば位置Dにおいて第1接続部147を分割し、第2筒状部142、第3筒状部143、第2フランジ46、第1接続部147の少なくとも一部、および、第2接続部148が切り離された管継手140の第1筒状部141に第1接続管5aを嵌合させる。なお、管継手140によって、第1〜第3接続管5a〜5cの何れかと、管路1とを接続する手順は、上記実施形態と同じであるため、ここでの説明は省略する。
本変形例であっても、上記実施形態と同様に、1つの管継手140で、径が異なる接続管5a、5b、5cと立管2とを接続することができる。よって、径が異なる接続管5a、5b、5cごとに専用の管継手を用意しなくてもよいため、コストを削減することができる。
上記実施形態では、例えば管継手40の筒状部の数は、第1筒状部41、第2筒状部42および第3筒状部43の3つであった。しかしながら、筒状部の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。例えば管継手40の筒状部の数が2つの場合、管継手40には、径が異なる2つの接続管を接続することが可能となる。管継手40の筒状部の数が4つの場合、例えば第3筒状部43の内部に第4筒状部が配置され、第3筒状部と第4筒状部とは第3接続部で繋がっている。このように管継手40の筒状部の数が4つの場合、径が異なる4つの接続管を接続することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、本発明の蓋の実施の一形態である。図10は、第2実施形態に係る蓋220の正面断面図であり、図2相当図である。本実施形態に係る蓋220は、第1実施形態の親蓋21と管継手40とを一体成形したようなものである。
図10に示すように、蓋220は、親蓋221と、子蓋222とを備えている。親蓋221は、親蓋本体231と、第1筒状部241と、第2筒状部242と、第3筒状部243と、フランジ246と、第1接続部247と、第2接続部248とを備えている。
親蓋本体231は、第1実施形態の親蓋本体31と同様の構成を有しており、蓋枠3に嵌合する。親蓋本体231には、上下に貫通した嵌合孔233が形成されている。親蓋本体231には、親蓋221が蓋枠3に嵌合しているときに、蓋枠3と接触する環状のシール部材234が取り付けられている。第1筒状部241は、第1実施形態の親蓋筒状部32と第1筒状部41とを一体成形したようなものである。第1筒状部241は、底面視において嵌合孔233を囲むように親蓋本体231に設けられている。第1筒状部241は、親蓋本体231における嵌合孔233の縁から下方に向かって延びている。第1筒状部241は、第1接続管5a(図3参照)に嵌合可能な部位であり、第1接続管5aに対して受口である。第1筒状部241の直径は、第1の直径D1(図8参照)である。なお、本実施形態では、第1筒状部241は、親蓋本体231と一体成形されているが、別体であってもよい。
本実施形態では、第2筒状部242、第3筒状部243およびフランジ246は、それぞれ第1実施形態の第2筒状部42、第3筒状部43および第2フランジ46と同様の構成を有しているため、ここでの詳しい説明は省略する。第2筒状部242は、直径が第2の直径D2(図8参照)であり、平面視において第1筒状部241の内部に配置されている。第3筒状部243は、直径が第3の直径D3(図8参照)であり、平面視において第2筒状部242の内部に配置されている。第1接続部247は、第1実施形態の第1接続部47と同様の構成を有している。第1接続部247は、第1筒状部241と第2筒状部242とを繋ぐ。第1接続部247は、第1内横板部247aと、第1縦板部247bと、第1外横板部247cとを有している。第2接続部248は、第1実施形態の第2接続部48と同様の構成を有している。第2接続部248は、第2筒状部242と第3筒状部243とを繋ぐ。第2接続部248は、第2内横板部248aと、第2縦板部248bと、第2外横板部248cとを有している。
子蓋222は、親蓋221の親蓋本体231に形成された嵌合孔233に嵌合する。子蓋222には、子蓋222が親蓋221に嵌合しているときに、親蓋本体231に接触する環状のシール部材235が取り付けられている。
本実施形態であっても、第1実施形態と同様に、親蓋221の第3筒状部243に第3接続管5c(図5参照)を接続する場合には、親蓋221は切断されない状態で使用される。親蓋221の第2筒状部242に第2接続管5b(図4参照)を接続する場合には、第2接続部248の第2縦板部248bと第2外横板部248cとが切り離された状態、すなわち、親蓋221から第3筒状部243、フランジ246、第2接続部248の第2内横板部248aおよび第2縦板部248bが切り離された状態で使用される。親蓋221の第1筒状部241に第1接続部5a(図3参照)を接続する場合には、第1接続部247の第1縦板部247bと第1外横板部247cとが切り離された状態、すなわち、第2筒状部242、第3筒状部243、フランジ246、第1接続部247の第1内横板部247aおよび第1縦板部247b、ならびに、第2接続部248が切り離された状態で使用される。なお、親蓋221によって、第1〜第3接続管5a〜5cの何れかと、管路1とを接続する手順は、第1実施形態と同じであるため、ここでの説明は省略する。
本実施形態では、1つの蓋220で、径が異なる接続管5a、5b、5cと立管2とを接続することができる。よって、径が異なる接続管5a、5b、5cごとに専用の管継手を用意しなくてもよいため、コストを削減することができる。
なお、本実施形態では、蓋220を使用して、立管2と接続管5とを繋ぐという蓋220の使用方法を実現することができる。この方法は、切離工程と、嵌合工程とを包含する。切離工程では、第1筒状部241から、第1接続部247の少なくとも一部および第2筒状部242などを切り離す。嵌合工程では、切離工程の後、立管2の上端に設けられた蓋枠3に親蓋221の親蓋本体231を嵌合させると共に、第1接続管5aを親蓋本体231の嵌合孔233に上方から挿入し、第1接続管5aを第1筒状部241に嵌合させる。このような工程を順に行うことで、親蓋221によって立管2と第1接続管5aとを接続することができる。
上記実施形態では、立管2は、地中に埋設されていた。しかしながら、立管2は、地上に配置されていてもよいし、建物内に配置されていてもよい。