JP2020084457A - 車両用アウトサイドドアハンドル - Google Patents

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誠司 島田
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Abstract

【課題】 ユーザがハンドル本体を把持した後に、より簡便に車両に乗り込むことができるように構成される車両用アウトサイドドアハンドルを提供すること。【解決手段】 車両用アウトサイドドアハンドル(20)は、車両ドア(10)を開放する際に把持されるグリップ部(42)を有するハンドル本体(40)と、車両ドアのアウタパネル(13)に固定され、車外方向に開口した格納空間(S1,S2)が内部に形成されるとともに、ハンドル本体(40)を保持するベース(30)と、ハンドル本体(40)がベース(30)の格納空間に格納される格納位置と、ハンドル本体(40)が格納位置から車外方向且つ車両後方に移動したポップアップ位置との間を移動することができるように、ハンドル本体をベースに移動可能に接続する移動機構(50)と、を備える。【選択図】図12C

Description

本発明は、車両用アウトサイドドアハンドルに関する。
ポップアップ機能を有する車両用アウトサイドドアハンドルは、使用時にハンドル本体がベースに格納された格納位置から車外方向に平行に飛び出すように構成される(例えば、特許文献1参照)。このようなポップアップ機能を有する車両用アウトサイドドアハンドルによれば、ハンドル本体が格納位置にあるときにハンドル本体表面と車両ドアのアウタパネルの表面とを面一に合わせることができるために意匠性が向上する。
米国特許第9103143号明細書
(発明が解決しようとする課題)
車両用アウトサイドドアハンドル(以下、単にアウトサイドドアハンドルと言う)は、一般的に、ユーザが車両ドアを開けやすいように、また、開けた後に車内に乗り込み易いように、車両ドアの後方位置に取り付けられている。しかしながら、車両ドア内には、例えばドアロック装置やウィンドウレギュレータ装置等の各種装置を配設する必要があることから、アウトサイドドアハンドルを車両ドアの最後端位置に配置することは難しい。このため、通常、アウトサイドドアハンドルは、車両ドアの最後端よりもやや前方側に配設される。
図16は、ユーザHが従来のアウトサイドドアハンドルのハンドル本体OHを操作して車両ドアDを開ける状態を示す模式図である。上記したようにアウトサイドドアハンドルOHは車両ドアDの最後端よりもやや前方側に配設されている。ユーザHは、車両ドアDを開けるときにアウトサイドドアハンドルOHのハンドル本体HBに手を伸ばしてこれを把持する。そしてハンドル本体HBを把持した状態でこれを引っ張ることにより、ユーザHは車両ドアDを開けることができる。このとき、図16に示すようにユーザHの頭部が車両ドアDのドアフレームDFの回動範囲内にある。従ってこのまま車両ドアDを開けると、ユーザHの頭部がドアフレームDFにあたってしまう。このためユーザHは、ハンドル本体HBを把持して車両ドアDを僅かに開けた後、ハンドル本体HBから一旦手を放して無意識的に後方に移動し、車両ドアDの後端部を手で持って車両ドアDを所望の開度まで開け、その後に車両に乗り込むことになる。このように、従来のアウトサイドドアハンドルOHを操作して車両に乗り込む場合、無駄な動作が多い。
そこで本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ユーザがハンドル本体を把持した後に、より簡便に車両に乗り込むことができるように構成される車両用アウトサイドドアハンドルを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、車両ドア(10)を開放する際に把持されるグリップ部(42)を有するハンドル本体(40)と、車両ドアのアウタパネル(13)に固定され、車外方向に開口した格納空間(S1,S2)が内部に形成されるとともに、ハンドル本体を保持するベース(30)と、ハンドル本体がベースの格納空間に格納される格納位置と、ハンドル本体が格納位置から車外方向且つ車両後方に移動したポップアップ位置との間を移動することができるように、ハンドル本体をベースに移動可能に接続する移動機構(50)と、を備える車両用アウトサイドドアハンドル(20)を提供する。
本発明に係るアウトサイドドアハンドルは、移動機構によってハンドル本体がベースの格納空間に格納される格納位置と、格納位置から車外方向であり且つ車両後方に移動したポップアップ位置との間を移動することができるように構成される。このため、ユーザは、車両ドアの回動軌跡から外れたより車両後方寄りの立ち位置にてポップアップ位置にあるハンドル本体を把持することができる。よって、ユーザは、立ち位置を変化させることなく車両ドアを所望の開度まで開け、そのまま車両に乗り込むことができる。このように、本発明によれば、ユーザがハンドル本体を把持した後に、より簡便に車両に乗り込むことができる車両用アウトサイドドアハンドルを提供することができる。
移動機構は、ハンドル本体に第一ハンドル位置(H1)にて回転可能に接続されるとともにベースに第一ベース位置(B1)にて回転可能に接続される第一リンク(51)と、ハンドル本体に第二ハンドル位置(H2)にて回転可能に接続されるとともにベースに第二ベース位置(B2)にて回転可能に接続される第二リンク(53)と、を備えるリンク機構(50)であるのがよい。この場合、第一ハンドル位置と第一ベース位置との間の距離L1と第二ハンドル位置と第二ベース位置との間の距離L2が等しく、第一ハンドル位置と第二ハンドル位置との間の距離L3と第一ベース位置と第二ベース位置との間の距離L4が等しくなるように、第一リンク及び第二リンクが構成されているとよい。
これによれば、第一リンクと第二リンクとにより平行リンクが構成されるため、これらのリンクは同期回転する。このため、これらのリンクに接続されたハンドル本体は中間リンクとして動作し、格納位置にある姿勢を変化させることなく格納位置からポップアップ位置まで移動することができる。
この場合、ハンドル本体は、グリップ部の車両前方側に設けられベースに移動可能に連結される接続部(41)を有し、第一ハンドル位置及び第二ハンドル位置が、接続部に設定されているとよい。これによれば、リンク機構とハンドル本体との接続箇所がハンドル本体の前方部分を構成する接続部に集約されるので、ハンドル本体の後方部分のグリップ部にリンク機構との接続箇所を設けなくてもよい。このためグリップ部の造形の自由度が増すとともにグリップ部の意匠性を損なうことなくハンドル本体をリンク機構に接続することができる。
さらにこの場合、第一ハンドル位置が接続部の外側に設定され、第二ハンドル位置が接続部の内側に設定されるとよい。これによれば、リンク機構をよりコンパクトに構成することができる。よって、リンク機構をハンドル本体の車両前方部分のみに配設することができ、グリップ部の周囲にリンク機構を配設しなくてもよい。このためグリップ部の意匠性をより損なうことなくリンク機構を配設することができる。
また、リンク機構は、第一リンクに回転可能に接続されるとともに第二リンクに回転可能に接続される補助リンク(55)を有するとよい。これによれば、補助リンクによって第一リンクと第二リンクが接続されるので、リンク機構50の剛性及び動作の安定性が向上する。このためハンドル本体が格納位置からポップアップ位置まで、或はポップアップ位置から格納位置まで動作する際における動作信頼性を高めることができる。
この場合、リンク機構は、第一リンクと一体回転可能に第一ベース位置から延設された第一延長リンク(52)と、第二リンクと一体回転可能に第二ベース位置から延設された第二延長リンク(54)と、を有し、補助リンクは、第一延長リンクに回転可能に接続されるとともに第二延長リンクに回転可能に接続されるとよい。つまり、補助リンクは、第一延長リンクを介して第一リンクに回転可能に接続されるとともに、第二延長リンクを介して第二リンクに回転可能に接続されるとよい。これによれば、リンク機構50の動作の安定性をより向上させることができる。
また、本発明に係る車両用アウトサイドドアハンドルは、さらに手動操作機構(60)を備えるとよい。この手動操作機構は、ハンドル本体を格納位置から格納位置よりも車内方向に位置する押し込み位置まで移動するようにハンドル本体に押圧力を付与した場合、その後にハンドル本体がポップアップ位置に移動してポップアップ位置にて位置決めされ、ハンドル本体をポップアップ位置から押し込み位置まで移動するようにハンドル本体に押圧力を付与した場合、その後にハンドル本体が格納位置に移動して格納位置にて位置決めされるように、移動機構を作動させるように構成される。これによれば、格納位置にあるハンドル本体に押圧力を加えて押し込み位置まで移動させることにより、手動でハンドル本体をポップアップ位置に移動させることができる。また、ポップアップ位置にあるハンドル本体に押圧力を加えて押し込み位置まで移動させることにより、手動でハンドル本体を格納位置に移動させることができる。
この場合、手動操作機構は、ストッパピン(72)と、ポップアップレバー(80)とを備えるとよい。ストッパピンは、ハンドル本体が格納位置にあるときに突出位置に位置決めされ、突出位置に位置決めされているときにハンドル本体が押し込み位置まで移動するようにハンドル本体に押圧力が付与された場合に突出位置から突出位置よりも車外方向に移動した退避位置に位置決めされ、退避位置に位置決めされているときにハンドル本体が押し込み位置まで移動するようにハンドル本体に押圧力が付与された場合に退避位置から突出位置に位置決めされるように構成される。ポップアップレバーは、ストッパピンが突出位置にあるときにストッパピンに係合することにより初期位置に回転規制され、ストッパピンが退避位置にあるときにストッパピンに係合されないことにより初期位置から回転した作動位置に位置決めされるように回転する。そして、ポップアップレバーは、初期位置にあるときにハンドル本体が格納位置に位置決めされるように移動機構に係合し、作動位置にあるときにハンドル本体がポップアップ位置に位置決めされるように移動機構に係合する係合アーム(812)を有するとよい。
これによれば、ハンドル本体が格納位置から押し込み位置まで移動するように押圧力を加えた場合、ストッパピンが突出位置から移動して退避位置にて位置決めされる。このため、ポップアップレバーはストッパピンに係合されずに初期位置から回転して作動位置に至る。ポップアップレバーが作動位置にある場合、ポップアップレバーの係合アームに係合した移動機構によってハンドル本体がポップアップ位置に位置決めされる。また、ハンドル本体がポップアップ位置から押し込み位置まで移動するように押圧力を加えた場合、ハンドル本体の移動に連動して移動機構が動作することによって、移動機構に係合したポップアップレバーが作動位置から初期位置に向かう方向に回転させられる。また、ストッパピンが退避位置から移動して突出位置にて位置決めされる。このため、ポップアップレバーはストッパピンに係合して初期位置に回転規制される。ポップアップレバーが初期位置にある場合、ポップアップレバーの係合アームに係合した移動機構によってハンドル本体が格納位置に位置決めされる。
この場合、手動操作機構は、格納位置にあるハンドル本体のグリップ部に対して車内方向に所定の間隔を開けて配設され、ハンドル本体が押し込み位置まで移動したときに車内方向に軸方向移動するように構成されたプッシュピン(73)を備えるとよい。そして、手動操作機構は、プッシュピンが車内方向に軸方向移動するごとに、ストッパピンが退避位置にて位置決めされる退避状態と突出位置にて位置決めされる突出状態とが交互に切り替わるように構成されるとよい。これによれば、ハンドル本体を押し込み位置まで移動させることによるプッシュピンの軸方向移動動作を利用して、ハンドル本体の押圧力をストッパピンに伝達することができる。
また、手動操作機構は、ポップアップレバーを初期位置から作動位置に向かう方向に回転付勢する付勢部材を有するとよい。これによれば、ストッパピンが突出位置から退避位置に移動したときに、付勢部材の付勢力によりポップアップレバーを初期位置から作動位置まで回転させることができる。
図1は、車両ドアを車外方向から見た図である。 図2Aは、アウトサイドドアハンドルを車外方向であってやや後方且つやや上方から見た斜視図である。 図2Bは、アウトサイドドアハンドルを車内方向であってやや後方且つやや上方から見た斜視図である。 図3は、アウトサイドドアハンドルを車内方向から見た側面図である。 図4は、図3のIV−IV線断面図である。 図5は、ハンドル本体を上方から見た平面図である。 図6は、ハンドル本体及びハンドル本体に組み付けられたリンク機構を示す平面図である。 図7は、図4のVII−VII線に沿って切断したストッパ機構の断面図である。 図8Aは、ストッパ機構の動作原理を説明するための模式図である。 図8Bは、ストッパ機構の動作原理を説明するための模式図である。 図8Cは、ストッパ機構の動作原理を説明するための模式図である。 図8Dは、ストッパ機構の動作原理を説明するための模式図である。 図9は、ポップアップレバーの平面図である。 図10は、手動操作機構、リンク機構、及びハンドル本体の配置関係を上方から示す平面図である。 図11Aは、ハンドル本体が第一位置にある状態を示す斜視図である。 図11Bは、ハンドル本体が第二位置にある状態を示す斜視図である。 図11Aは、ハンドル本体がポップアップ位置にある状態を示す斜視図である。 図12Aは、図11Aに示す状態にあるハンドル本体とリンク機構の作動状態を示す図である。 図12Bは、図11Bに示す状態にあるハンドル本体とリンク機構の作動状態を示す図である。 図12Cは、図11Cに示す状態にあるハンドル本体とリンク機構の作動状態を示す図である。 図13Aは、ハンドル本体が押し込み位置にある状態を示す図である。 図13Bは、ストッパ機構が突出状態から退避状態に切り替わった状態を示す図である。 図13Cは、ポップアップレバーが作動位置にて回転規制された状態を示す図である。 図14Aは、ハンドル本体が格納位置から車内方向に移動した状態を車内方向側から見たアウトサイドドアハンドルの斜視図である。 図14Bは、作動位置にあるポップアップレバーが示されるアウトサイドドアハンドルを車内方向から見た斜視図である。 図15は、ユーザが実施形態に係るアウトサイドドアハンドルのハンドル本体を操作して車両ドアを開ける状態を示す模式図である。 図16は、ユーザが従来のアウトサイドドアハンドルのハンドル本体を操作して車両ドアを開ける状態を示す模式図である。
以下に、本発明の実施形態に係るアウトサイドドアハンドルを、図面を参照して説明する。なお、各図において矢印で示されている方向は、車両に組み付けられている閉止状態の車両ドアを基準とした向きを示す。車両ドアに取付けられる前および車両ドアに取付けられた後の状態のアウトサイドドアハンドルに対しても、これらの方向を適用することができる。
図1は、本実施形態に係るアウトサイドドアハンドルが取り付けられた車両ドア10を車外方向から見た図である。図1に示す車両ドア10は、車両の左前部ドア(FLドア)であり、その前端部が図略の車体に対して上下方向の回転軸回りに回転可能に支持される。車両ドア10は、車体の側面に形成された開口部を開放する開位置と、この開口部を塞ぐ閉位置と、の間を車体に対してほぼ水平方向に回転可能である。なお、以下の説明中の「前後方向」及び「車内外方向」は、車両ドア10が閉位置に位置する場合を基準とした方向である。「前方向」は、車両の前方に向かう方向(車両前方)を表し、「後方向」は車両の後方に向かう方向(車両後方)を表し、「車内方向」は車両の幅方向のうち車内に向かう方向を表し、「車外方向」は車両の幅方向のうち車外に向かう方向を表す。また、車内外方向を車幅方向と言うこともある。
車両ドア10は、その下半部を構成するドア本体部11と、その上半部を構成するサッシュ部12とを備える。ドア本体部11は、その外側面を構成するアウタパネル13と、アウタパネル13の車内側に位置する図略のインナパネルと、インナパネルの車内側の面に固定され且つドア本体部11の内側面を構成する図略の樹脂製のトリムと、を備える。アウタパネル13とインナパネルとで囲まれた空間によってドア本体部11の内部空間が形成され、このドア本体部11の内部空間には、ドアロック装置100が配設される。図1において、ドアロック装置100は破線により示されており、車両ドア10の後方部分に配置される。ドアロック装置100は、車両ドア10を施錠状態又は解錠状態に設定するロック・アンロック機構と、車両ドア10を閉止状態又は開放状態に設定するオープン・クローズ機構と、を有する。ロック・アンロック機構が開錠状態に設定され、且つオープン・クローズ機構が開放状態に設定されたときに、車両ドア10を開放することができる。
また、アウタパネル13にアウトサイドドアハンドル20が取り付けられる。アウトサイドドアハンドル20は、図1においては、ドア本体部11の後方且つ上方部分に取り付けられる。アウトサイドドアハンドル20は、閉止状態の車両ドア10を車外側から開放するときに使用される。
図2Aは、アウトサイドドアハンドル20を車外方向であってやや後方且つやや上方から見た斜視図である。また、図2Bは、アウトサイドドアハンドル20を車内方向であってやや後方且つやや上方から見た斜視図である。図3は、アウトサイドドアハンドル20を車内方向から見た側面図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図である。図2A及び図2Bに示すように、アウトサイドドアハンドル20は、ベース30と、ハンドル本体40と、移動機構としてのリンク機構50とを備える。
まず、ベース30の構造について説明する。ベース30はアウタパネル13に固定されるとともに、ハンドル本体40を移動可能に保持する部材である。ベース30は、上板部31、下板部32(図3、図4参照)、前板部33、後板部34、及び外板部35を有し、これらの板部の端部どうしが連結されることにより箱状に形成される。
上板部31はベース30の上方面を構成し、下板部32はベース30の下方面を構成する。上板部31及び下板部32は、厚み方向が上下方向に一致する板状部分であり、上下方向に離間して設けられるとともに、上下方向からみてほぼ同一の形状をなす。上板部31及び下板部32の前方端の形状は、図2Aに示すように上下方向から見て後方に向かうほど車外方向に膨らむような円弧状に形成される。このように円弧状に形成された上板部31の前方端と下板部32の前方端が、前板部33により連結される。従って、前板部33の形状も上下方向から見て後方に向かうほど車外方向に膨らむような円弧形状をなす。前板部33は、ベース30の前方面を構成する。
上板部31及び下板部32は、円弧形状の前方端から後方に延設される。そして、上板部31の後方端と下板部32の後方端が後板部34により連結される。図3に示すように、上板部31の後端位置は下板部32の後端位置よりも後方に位置している。従って後板部34を車幅方向(図3の紙面に垂直な方向)から見た場合、後板部34は、後方に向かうほど上方に向かうように上下方向に対して傾斜する。後板部34は、ベース30の後方面を構成する。
前板部33の車外側の端部(すなわち後方端部)に外板部35の前方端が連結される。外板部35は、厚み方向が車幅方向に一致する板状部分である。外板部35の上方端に上板部31の車外側の端部が接続され、外板部35の下方端に下板部32の車外側の端部が接続され、外板部35の後方端に後板部34の車外側の端部が接続される。従って、外板部はベース30の車外側の面を構成する。また、外板部35には、図2Aに示すように前後方向に延びた略長方形状の大きな長孔351が形成されている。従って外板部35の大部分の領域は、図2に示すように開口している。
図4に示すように、前板部33に覆われた領域(図4では前板部の下部領域)に空間が形成される。つまり、ベース30の前方部分に内部空間が形成される。この空間が第一空間S1として定義される。また、後板部34の車内側の端部から前方に延設するように内板部36が形成される。内板部36は、外板部35に設けられた長孔351の開口面に面しており、なおかつ外板部35よりも車内側に配置している。このため、内板部36と長孔351の開口面との間にも空間が形成され、この空間が第二空間S2として定義される。第一空間S1及び第二空間S2は連通している。互いに連通した第一空間S1と第二空間S2を合わせた空間が、格納空間として定義される。従って、ベース30の内部には格納空間が形成されていることになる。この格納空間は、図4からわかるように、車外方向に開口しているとともに、ハンドル本体40を配設(格納)することができるように形成される。
図2Aに示すように、ベース30の外板部35の上端辺に、上方に突出する取付片352,352が形成される。同様に、ベース30の外板部35の下端辺に、下方に突出する取付片353,353が形成される。これらの取付け片には車幅方向に貫通する取付孔が形成されており、この取付孔内にボルト等が挿通される。取付孔内に挿通されたボルトは、車両ドア10のアウタパネル13の車内側の面に螺合される。このようにして、ベース30が、その外板部35を車外側に向けた状態でアウタパネル13に固定される。ベース30が固定されたアウタパネル13のうち、ベース30の外板部35に形成された長孔351に面する部分は開口している。
また、図2A及び図2Bに示すように、ベース30の上板部31の前後方向における略中間部分にて、車内側の端辺316(図2B参照)から車外側に向かって切り欠かれた切欠き辺311が形成される。この切欠き辺311を境に、上板部31は、切欠き辺311よりも前方側の部分である幅の広い前半部分31aと、切欠き辺311よりも後方側の部分である幅の狭い後半部分31bとに区分することができる。
上板部31の前半部分31aには、図2Aに示すように、ガイド長孔312及び第一支持軸313が設けられる。第一支持軸313は、上板部31の前半部分31aの前後方向におけるほぼ中央位置であって且つ車内方向寄りの位置にてベース30に対して回転可能に設けられ、上板部31の前半部分31aの上面から上方に延設される。第一支持軸313の軸方向は上下方向に一致する。ガイド長孔312は上板部31の前端に沿って形成され、上板部31をその厚み方向(上下方向)に貫通する。ガイド長孔312は、第一支持軸313を中心とした円弧状に形成される。なお、下板部32にも、上板部31に形成されたガイド長孔312に対応するガイド長孔が形成される。
上板部31に形成された切欠き辺311から下方に延設した延設部317(図2B参照)が形成され、この延設部317の下方端から第一中間板部314が後方に延設するように設けられる。また、図2Bに示すように、下板部32にも上板部31に形成された切欠き辺311に対応する切欠き辺321が形成されており、その切欠き辺321から上方に延設した延設部327が形成され、この延設部327の上方端から第二中間板部324が後方に延設するように設けられる。第一中間板部314と第二中間板部324は上下方向に所定の間隔を開けて対面配置している。これらの第一中間板部314及び第二中間板部324に第二支持軸315が回転可能に取り付けられる。第二支持軸315は、その一方端にて第一中間板部314に回転可能に接続され、第一中間板部314との接続位置から下方に延設され、その他方端にて第二中間板部324に回転可能に接続される。このため第一中間板部314と第二中間板部324との間の空間を第二支持軸315が上下方向に沿って延設する。第二支持軸315の軸方向は上下方向に一致する。
また、図4に示すように、ベース30の内板部36にケース71が接続される。ケース71は、内板部36から車内方向に向かって延設される。このケース71は、後述する手動操作機構60が備えるストッパ機構70の構成部品である。ケース71は先細りの円筒形状を呈している。
また、図2Bに示すように、ベース30の内板部36から車内方向に延設するように補助ブラケット39が設けられる。補助ブラケット39は、第一中間板部314よりも後方であり、且つ、上記したケース71の直上位置に配置される。この補助ブラケット39に、支持ピン38が取り付けられる。支持ピン38は、その軸方向が上下方向に一致するように補助ブラケット39に取り付けられる。支持ピン38には、後述するポップアップレバー80のレバー板材81が上下方向に垂直な水平面内にて回転可能に取り付けられる。
次に、ハンドル本体40の構造について説明する。図5は、ハンドル本体40を上方から見た平面図である。図5に示すように、ハンドル本体40は、概ね前後方向に延びるように形成される。ハンドル本体40は、主にその前方部分を構成する接続部41と、この接続部41から後方に延びたグリップ部42とを有する。
接続部41は、図5に示す方向(上方)から見て後方に向かうにつれて車外方向に迫り出すように略平行四辺形状に形成され、上下方向に所定の厚みを持ち、且つその内部が空洞にされる。この接続部41の前端部に、第一連結ピン43が取り付けられる。第一連結ピン43は、接続部41の厚み方向(上下方向)に沿って設けられ、その軸方向は上下方向に一致する。
また、空洞状態にされた接続部41の内部に、第二連結ピン44が設けられる。図5において第二連結ピン44が破線で示される。第二連結ピン44は、接続部41を構成する上下に離間した板材間を橋渡しするように接続部41に接続されており、その軸方向は上下方向に一致する。
グリップ部42はユーザが把持する部分を構成し、図5に示すように前後方向に沿って細長く形成される。また、グリップ部42の内部には、第一静電センサ45、第二静電センサ46、及び赤外線センサ47が埋設される。第一静電センサ45及び第二静電センサ46は、グリップ部42の車外側の表面に近い位置にて前後方向に沿って横並びにグリップ部42内に埋設される。赤外線センサ47は、グリップ部42の車内側の表面に近い位置にてグリップ部42内に埋設される。これらのセンサは図略のドアECUに電気的に接続される。
ハンドル本体40は、リンク機構50を介してベース30に組み付けられる。図4に示す状態では、接続部41がベース30の前方部分に形成される第一空間S1に配設されるとともにグリップ部42がベース30の後方部分に形成される第二空間S2に配設されるように、ハンドル本体40がベース30に組み付けられる。また、ハンドル本体40がベース30に組み付けられたときには、図2Aに示すように、ハンドル本体40の接続部41の前端に設けられた第一連結ピン43の上端部分がベース30の上板部31に形成されたガイド長孔312から上方に突出するとともに、第一連結ピン43の下端部分がベース30の下板部32に形成されたガイド長孔から下方に突出する。
次に、リンク機構50について説明する。図6は、ハンドル本体40及びハンドル本体40に組み付けられたリンク機構50を示す平面図である。図6に示すように、リンク機構50は、第一リンク51と、第一延長リンク52と、第二リンク53と、第二延長リンク54と、補助リンク55とを有する。これらのリンクは棒状の形状をなし、それぞれの端部が接続されることにより、協働して動作する。また、これらリンクのうち、第一リンク51、第一延長リンク52、及び補助リンク55は、図2Aに示すようにベース30の上板部31の上方に設けられる。
第一リンク51は、図2A、図2B及び図6に示すように、その一方端にてハンドル本体40の接続部41の前端に設けられた第一連結ピン43のうちベース30の上板部31の前半部分31aに形成されたガイド長孔312から上方に突出した部分に回転可能に接続される。第一リンク51の一方端が第一連結ピン43に接続される位置H1が、本発明の第一ハンドル位置に相当する。第一連結ピン43はハンドル本体40に設けられているので、第一リンク51の一方端は、第一連結ピン43を介して第一ハンドル位置H1にてハンドル本体40に回転可能に接続されることになる。
第一リンク51は、図6に示す状態では第一ハンドル位置H1から後方側に延設される。そして、第一リンク51の他方端は、ベース30の上板部31の前半部分31aに上下方向に沿って設けられた第一支持軸313に回転可能に支持される。第一リンク51の他方端が第一支持軸313に支持される位置B1が、本発明の第一ベース位置に相当する。第一支持軸313はベース30に設けられているので、第一リンク51の他方端は、第一支持軸313を介して第一ベース位置B1にてベース30に回転可能に接続されることになる。このように、第一リンク51は、第一ハンドル位置H1にてハンドル本体40に回転可能に接続されるとともに、第一ベース位置B1にてベース30に回転可能に接続される。ここで、上述したようにベース30はアウタパネル13に固定されているので、第一リンク51は、固定部材であるベース30に設けられた第一支持軸313を中心として、第一支持軸313の軸回りに回転することができるように構成される。第一支持軸313の軸方向は上下方向に一致するので、第一リンク51は、上下方向軸回りに回転することができる。
第一延長リンク52は、その一方端にて第一リンク51の他方端に第一リンク51と一体的に回転することができるように固定される。第一リンク51の他方端は上述したよう第一ベース位置B1にてベース30に接続されているので、第一延長リンク52は第一ベース位置B1から延設されることになる。第一リンク51が第一支持軸313を中心として回転した場合、それに伴って第一延長リンク52も第一支持軸313を中心として第一リンク51の回転方向と同じ方向に回転する。第一延長リンク52は、第一リンク51と一体的に形成されていてもよいし、第一リンク51とは別体として形成されて、第一リンク51と一体回転するように第一リンクに連結されていてもよい。また、第一延長リンク52の他方端には、第一補助連結ピン56が取り付けられる。
第二リンク53の一方端側の部分は、図6に示すように鉤状に屈曲するような形状を呈している。この鉤状に屈曲した第二リンク53の一方端側は、ハンドル本体40の接続部41内の空洞部分に進入している。そして、第二リンク53は、その一方端にて、接続部41内の空洞部分内で上下方向に延設するとともにその両端が接続部41に接続された第二連結ピン44に回転可能に接続される。第二リンク53の一方端が第二連結ピン44に接続される位置H2が、本発明の第二ハンドル位置に相当する。第二連結ピン44はハンドル本体40に設けられているので、第二リンク53の一方端は、第二連結ピン44を介して第二ハンドル位置H2にてハンドル本体40に回転可能に接続されることになる。
第二リンク53は、図6に示す状態では第二ハンドル位置H2から後方側に延設される。そして、第二リンク53の他方端は、ベース30の第一中間板部314と第二中間板部324との間の空間を上下方向に沿って延設するとともにその両端が第一中間板部314及び第二中間板部324に接続された第二支持軸315に一体回転可能に支持される。第二リンク53の他方端が第二支持軸315に支持される位置B2が、本発明の第二ベース位置に相当する。第二支持軸315はベース30に設けられているので、第二リンク53の他方端は、第二支持軸315を介してベース30に回転可能に接続されることになる。このように、第二リンク53は、第二ハンドル位置H2にてハンドル本体40に回転可能に接続されるとともに、第二ベース位置にてベース30に回転可能に接続される。ここで、上述したようにベース30はアウタパネル13に固定されているので、第二リンク53は、固定部材であるベース30に設けられた第二支持軸315を中心として、第二支持軸315の軸回りに回転することができるように構成される。第二支持軸315の軸方向は上下方向であるので、第二リンク53は、上下方向に直交する平面内で回転することができる。
第二延長リンク54は、その一方端にて第二リンク53の他方端に第二リンク53と一体的に回転することができるように固定される。第二リンク53の他方端は上述したように第二ベース位置B2にてベース30に接続されているので、第二延長リンクは第二ベース位置B2から延設されることになる。第二リンク53が第二支持軸315を中心として回転した場合、それに伴って第二延長リンク54も第二支持軸315を中心として第二リンク53の回転方向と同じ方向に回転する。第二延長リンク54は、第二リンク53と一体的に形成されていてもよいし、第二リンク53とは別体として形成されて、第二リンク53と一体回転するように第二リンク53に連結されていてもよい。
また、第二延長リンク54は、図2B及び図6に示すように、第二リンク53の他方端に接続された一方端から第二リンク53の延設方向とは反対の方向(図2B及び図6では後方)に延びる第一部分541と、第一部分541の延設端に連結するとともに上下方向に延設される第二部分542を有する。第二部分542の上方端面は、図2Aに示すように、ベース30の切欠き辺311の後方に位置する。この第二部分542の上方端面に第二補助連結ピン57が取り付けられる。
補助リンク55は、その一方端にて第一延長リンク52の他方端に取り付けられた第一補助連結ピン56に回転可能に接続されるとともに、その他方端にて第二延長リンク54の第二部分542の上方端面に取り付けられた第二補助連結ピン57に回転可能に接続される。従って、補助リンク55は、第一延長リンク52と第二延長リンク54とを、第一補助連結ピン56及び第二補助連結ピン57を介して連結するリンク部材である。更に言えば、補助リンク55は、第一リンク51と第二リンク53とを、第一延長リンク52、第二延長リンク54、第一補助連結ピン56、及び第二補助連結ピン57を介して回転可能に連結するリンク部材である。
上記したように、第一リンク51及び第二リンク53の一方端は、それぞれ第一ハンドル位置H1及び第二ハンドル位置H2にてハンドル本体40に回転可能に連結され、第一リンク51及び第二リンク53の他方端は、それぞれ第一ベース位置B1及び第二ベース位置B2にてベース30に回転可能に連結される。ベース30はアウタパネル13に固定されているので、第一リンク51及び第二リンク53は、それぞれベース30への固定位置である他方端を中心として、それぞれの一方端が回転する。これにより、それぞれの一方端に接続されているハンドル本体40がベース30に対して移動する。
また、図6に示すように、第一リンク51の一方端が第一連結ピン43に接続される第一ハンドル位置H1と第一リンク51の他方端が第一支持軸313に支持される第一ベース位置B1との間の距離をL1と表し、第二リンク53の一方端が第二連結ピン44に接続される第二ハンドル位置H2と第二リンク53の他方端が第二支持軸315に支持される第二ベース位置B2との間の距離をL2と表した場合、距離L1と距離L2は等しい。また、第一リンク51の一方端が第一連結ピン43に接続される第一ハンドル位置H1と第二リンク53の一方端が第二連結ピン44に接続される第二ハンドル位置H2との間の距離をL3と表し、第一リンク51の他方端が第一支持軸313に支持される第一ベース位置と第二リンク53の他方端が第二支持軸315に支持される第二ベース位置B2との間の距離をL4と表した場合、距離L3と距離L4は等しい。このため、両リンクの両端位置にある第一ハンドル位置H1、第二ハンドル位置H2、第一ベース位置B1、第二ベース位置B2、のそれぞれの位置を結んだ図形が平行四辺形となり、互いに平行な二辺を第一リンク51と第二リンク53が構成し、互いに平行な他の二辺をハンドル本体40とベース30が構成することになる。つまり、第一リンク51と第二リンク53が等長の平行リンクを構成し、第一リンク51と第二リンク53は同期して回転する。また、ベース30は固定されているので固定リンクを構成し、ハンドル本体40が第一リンク51と第二リンク53とを連結する中間リンクを構成する。従って、第一リンク51及び第二リンク53が同期回転した場合、それに伴い、中間リンクであるハンドル本体40がその姿勢を維持しながらこれらのリンクの回転軌跡に従って移動する。このように、リンク機構50は、ハンドル本体40の姿勢を変化させることなく、ハンドル本体40をベース30に対して移動させることができるように構成される。
また、第二支持軸315には、電動モータ91の出力軸が同軸接続されている。電動モータ91が駆動することにより、第二支持軸315が軸回り回転する。電動モータ91は、図示しないドアECUに電気的に接続されるとともにドアECUによってその駆動状態が制御される。
また、本実施形態に係るアウトサイドドアハンドル20は、手動操作機構60を備える。なお、図2A及び図3には、手動操作機構60は省略されている。手動操作機構60は、ハンドル本体40を手動で作動させるための機能を有し、図2Bに示すように、ベース30の内板部36よりも車内方向側であり且つリンク機構50よりも後方側の領域に設けられる。手動操作機構60は、ストッパ機構70とポップアップレバー80とを有する。ストッパ機構70は、図4に示すように、ベース30の内板部36から車内方向に向かって延設したケース71を有する。
図7は、図4のVII−VII線に沿って切断したストッパ機構70の断面図である。図7に示すように、ストッパ機構70は、上記したケース71と、ストッパピン72と、プッシュピン73と、圧縮スプリング74とを有する。
ケース71は、ベース30の内板部36の車内側の表面から車内方向に延設され、内部に空間を擁する先細りの円筒形状に形成される。ケース71は、その周面を構成する側周壁711と、その先端面を構成する先端壁712を有する。側周壁711の内壁面と、先端壁712の内壁面とにより、ケース71の内部空間が区画される。また、ケース71の側周壁711の内壁面のうちケース71の延設方向(車幅方向)における中間位置付近に段差面713が形成される。この段差面713は、ストッパピン72及びプッシュピン73に係合する係合壁面である。段差面713は、ケース71の延設方向(車幅方向)に直交する平面内でリング状に形成される。段差面713によって、ケース71の側周壁711の内壁面は、リング状の段差面713の外周縁から車内方向に延びた車内側内壁面711aと、リング状の段差面713の内周縁から車外方向に延びた車外側内壁面711bとに分けられる。ケース71の内部空間のうち、車内側内壁面711aに囲まれた部分の径は、車外側内壁面711bに囲まれた部分の径よりも大きい。車内側内壁面711aに囲まれた径の大きい円柱状空間が大径空間S3として定義され、車外側内壁面711bに囲まれた径の小さい円柱状空間が小径空間S4として定義される。大径空間S3はケース71の内部空間のうち車内側に位置する領域を構成し、小径空間S4はケース71の内部空間のうち車外側に位置する領域を構成する。両空間S3,S4は連通する。
また、先端壁712の中心には、車幅方向に貫通する貫通孔712aが形成される。貫通孔712aは、ケース71内の大径空間S3に開口する。また、ベース30の内板部36のうち、ケース71が立設している部分の中心には、車幅方向に貫通する貫通孔36aが形成される。貫通孔36aは、ケース71内の小径空間S4に開口する。貫通孔712aと貫通孔36aは、同軸位置にそれぞれ形成される。
ストッパピン72は、ケース71内の大径空間S3の径よりも僅かに小さい径を有する円柱状の頭部721と、頭部721の径よりも小さい径を有し頭部721から同軸的に延設した軸部722とを有する。このストッパピン72がケース71の大径空間S3内に収容される。このとき、ストッパピン72は、頭部721が車外側に位置し、軸部722が頭部721から車内方向に沿って延設するとともにその先端部分がケース71の先端壁712に形成された貫通孔712aから車内側に突出するように、ケース71の大径空間S3内に配設される。なお、貫通孔712aの径は、ストッパピン72の頭部721の径よりも小さく、ストッパピン72の軸部722の径よりも僅かに大きい。
また、ケース71の大径空間S3に圧縮スプリング74が配設される。圧縮スプリング74は、大径空間S3内に配されているストッパピン72の軸部722に巻回された態様で大径空間S3内に配置しており、その一方端がケース71の先端壁712の内壁面に係止され、その他方端がストッパピン72の頭部721に係止される。このためストッパピン72は圧縮スプリング74により車外方向に弾性付勢される。圧縮スプリング74により車外方向に弾性付勢されたストッパピン72は、その頭部721の頂面が段差面713に接触することにより、係止される。
プッシュピン73は、ケース71内の小径空間S4の径よりも僅かに小さい径を有する円柱状の頭部731と、頭部731の径よりも小さい径を有し頭部731から同軸的に延設した軸部732とを有する。このプッシュピン73がケース71の小径空間S4内に収容される。このとき、プッシュピン73は、頭部731が車内側に位置し、軸部732が頭部731から車外方向に沿って延設するとともにその先端部分がベース30の内板部36に形成された貫通孔36aから車外側に突出するように、ケース71の小径空間S4内に配設される。なお、貫通孔36aの径は、プッシュピン73の頭部731の径よりも小さく、プッシュピン73の軸部732の径よりもわずかに大きい。
従って、図7からわかるように、ストッパピン72とプッシュピン73は、互いの頭部721,731の頂面どうしが突き合わされて対面した状態で、ケース71の内部空間に収容されることになる。
ストッパ機構70は、プッシュピン73が押されて車内方向に軸方向移動するごとに、ストッパピン72の軸部722の先端部分がケース71から車内方向へ突出する量(以下、ストッパピン突出量と呼ぶ)が変化するように構成される。具体的には、ストッパ機構70は、プッシュピン73が車内方向に軸方向移動するごとに、ストッパピン突出量が少なくなる軸方向位置(この位置を退避位置と呼ぶ)にストッパピン72が位置決めされる状態(この状態を退避状態と呼ぶ)と、ストッパピン突出量が多くなる軸方向位置(この位置を突出位置と呼ぶ)にストッパピン72が位置決めされる状態(この状態を突出状態と呼ぶ)が、交互に切り替わるように構成される。このような動作原理は、ノック式ボールペンにおいてノックボタン(ノック棒)を押すごとに、ペン先が突出する状態とペン先が退避する状態が交互に切り替わる原理と同じである。
図8A、図8B,図8C.図8Dは、上記したストッパ機構70の動作原理を説明するための模式図である。これらの図は、ストッパピン72の頭部721と、ケース71の段差面713と、プッシュピン73の頭部731との接触状態を、これらの構成要素の周方向に展開した図である。なお、これらの図中、プッシュピン73の頭部731の頂面が、符号731aとして破線で示される。
図8Aに示すように、ケース71に形成される段差面713は、周方向に対して一定角度だけ同一方向に傾斜するとともに車幅方向の高さが異なる浅溝部と深溝部が交互に周期的に形成されるように構成される。図8Aでは、第一浅溝部713a1、第二浅溝部713a2、深溝部713bが、この順に並んで形成される。第一浅溝部713a1及び第二浅溝部713a2の底面の車幅方向位置は、深溝部713bの底面の車幅方向位置よりも、車内側に位置する。このため、第一浅溝部713a1及び第二浅溝部713a2の車幅方向における高さは高く、深溝部713bの車幅方向における高さは低い。また、第一浅溝部713a1と第二浅溝部713a2との境界には、第二浅溝部713a2の下端から車内方向に沿って第一浅溝部713a1の上端まで延設された浅溝係止面714が形成され、第二浅溝部713a2と深溝部713bとの境界には、深溝部713bの下端から車内方向に沿って第二浅溝部713a2の上端まで延設された深溝係止面715が形成される。一方、第一浅溝部713a1と深溝部713bとの境界には、上記したような係止面が形成されていない。このような段差面713を有するケース71が、ノック式ボールペンのカム本体に相当する。
また、ストッパピン72の頭部721には段差面713に係合する羽根板部721aが形成される。この羽根板部721aは、頭部721の周方向に180°ずれた2か所の位置にて頭部721に形成され、段差面713及びプッシュピン73の頭部731に接触可能である。また、羽根板部721aの車外側の先端面は、段差面713の第一浅溝部713a1、第二浅溝部713a2及び深溝部713bと同一方向に傾斜している。このような羽根板部721aを有するストッパピン72が、ノック式ボールペンの回転子に相当する。また、プッシュピン73の頭部731の頂面731aは、周方向に沿ってジグザグ状に形成される。このような形状の頂面731aを有するプッシュピン73が、ノック式ボールペンのノック棒に相当する。
図8Aに示す状態では、ストッパピン72の羽根板部721aが段差面713の第二浅溝部713a2に係合するとともに浅溝係止面714に係止される。斯かる係止によりストッパピン72の車幅方向位置が位置決めされる。この場合、羽根板部721aが溝の浅い第二浅溝部713a2に載置されているために、ストッパピン72が車内方向に突き出る量が多い。すなわちストッパピン突出量が多い。つまり、図8Aに示す状態では、ストッパ機構70は突出状態にされ、ストッパピン72は突出位置に位置決めされる。
図8Aに示す状態から、プッシュピン73が車内方向に押されると、プッシュピン73の頭部731の頂面731aからの押圧力によってストッパピン72の羽根板部721aが車内方向側に一時的に持ち上げられる。この状態が図8Bに示される。図8Bに示すように、プッシュピン73の頭部731によって羽根板部721aが車内方向側に持ち上げられると、羽根板部721aが第二浅溝部713a2から浮き上がるとともに、プッシュピン73の頭部731の頂面731aの傾斜に沿って羽根板部721aが周方向に移動する。斯かる羽根板部721aの周方向移動により、ストッパピン72が回転する。
図8Bに示す状態から、プッシュピン73の押圧力が解除されると、ストッパピン72は圧縮スプリング74の弾性付勢力によって車外方向に移動する。そして、ストッパピン72は、再度、段差面713に係合する。このとき、上記したように羽根板部721aが周方向に移動しているので、羽根板部721aは、持ち上げられる前に係合していた第二浅溝部713a2に周方向に隣接した位置にある第一浅溝部713a1に係合する(図8C参照)。第一浅溝部713a1に係合した羽根板部721aは、第一浅溝部713a1の傾斜に沿って図8Cの矢印に示すように滑っていき、第一浅溝部713a1から深溝部713bに滑り落ちる。そして、図8Dに示すように、深溝部713bと第二浅溝部713a2との境界に形成された深溝係止面715に係止される。斯かる係止によりストッパピン72の車幅方向位置が位置決めされる。この場合、羽根板部721aが溝の深い深溝部713bに係合しているために、ストッパピン72が車内方向に突き出る量が少ない。すなわちストッパピン突出量が少ない。つまり、図8Dに示す状態では、ストッパ機構70は退避状態にされ、ストッパピン72は退避位置に位置決めされる。
また、図8Dに示す状態から、プッシュピン73が車内方向に押されると、上記と同様の原理によって羽根板部721aが周方向に移動する。そして、プッシュピン73からの押圧力が解除されると、ストッパピン72は図8Aに示すように第二浅溝部713a2に係合した状態で浅溝係止面714に係止される。このため、ストッパ機構70が退避状態から突出位置に切り替わるとともに、ストッパピン72が突出位置にて位置決めされる。
このように、ストッパ機構70は、プッシュピン73を押すごとに、ストッパピン突出量の多い突出状態(すなわちストッパピン72が突出位置にて位置決めされる状態)とストッパピン突出量の少ない退避状態(すなわちストッパピン72が退避位置にて位置決めされる状態)とを交互に切り替えることができるように構成される。
ポップアップレバー80は、図2Bに示すように、ストッパ機構70の回りを囲うように配設される。図9は、ポップアップレバー80の平面図である。図9に示すように、ポップアップレバー80は、レバー板材81と、第一支柱82と、第二支柱83とを有する。
レバー板材81は、図2Bに示すように、支持ピン38に回転可能に取り付けられる。この支持ピン38は、ベース30の内板部36から車内方向に延設するように設けられた補助ブラケット39に取り付けられている。支持ピン38の軸方向は上下方向に一致するため、レバー板材81は支持ピン38を中心に上下方向軸回りに回転可能である。
また、レバー板材81は、図9に示すように、その回転中心から径外方であって且つ異なる方向に延びる3つのアーム(第一アーム811、第二アーム812、第三アーム813)を有する。本実施形態において、第二アーム812の延設方向は第三アーム813の延設方向とはほぼ反対方向であり、第一アーム811の延設方向は、第二アーム812の延設方向及び第三アーム813の延設方向にほぼ直交する方向である。
レバー板材81の第一アーム811の延設端に第一支柱82の一方端が接続される。第一支柱82はレバー板材81との接続部分から下方に延設される。また、レバー板材81の第三アーム813の延設端に第二支柱83の一方端が接続される。第二支柱83はレバー板材81との接続部分から下方に延設される。第一支柱82と第二支柱83は、図2Bに示すように平行に配置される。また、第一支柱82の他方端と第二支柱83の他方端部は、図2Bに示すように連結ブラケット85により連結される。
上記構成のポップアップレバー80は、支持ピン38を中心として上下方向軸回りに回転可能に構成される。ここで、図2Bに示すように、レバー板材81の回転軸である支持ピン38が取り付けられている補助ブラケット39の直下には、ストッパ機構70のケース71が配設されている。従って、レバー板材81はケース71の直上位置にて上下方向軸回りに回転可能に配設されることになる。また、レバー板材81に取り付けられた第一支柱82及び第二支柱83は、ケース71を囲うように上下方向軸回り回転可能に配設されることになる。ここで、第一支柱82の回転領域は、突出位置にあるストッパピン72の先端位置と退避位置にあるストッパピン72の先端位置との間の領域を含むように設定される。つまり、ストッパ機構70が突出状態にあるとき(ストッパピン72が突出位置にあるとき)には第一支柱82の回転軌跡がストッパピン72に干渉し、ストッパ機構70が退避状態にあるとき(ストッパピン72が退避位置にあるとき)には第一支柱82の回転軌跡がストッパピン72に干渉しないように、第一支柱82の回転位置が設定される。
また、ポップアップレバー80には、図9に示すように、捩じりコイルバネ84が支持ピン38の回りに取り付けられており、この捩じりコイルバネ84によって、ポップアップレバー80は図9の矢印で示すように上方から見て反時計回転方向に弾性付勢される。
図10は、手動操作機構60、リンク機構50、及びハンドル本体40の配置関係を上方から示す平面図である。図10に示すように、手動操作機構60は、リンク機構50の後方に配置される。また、手動操作機構60のポップアップレバー80が備えるレバー板材81の第二アーム812は、レバー板材81の回転中心(支持ピン38)からリンク機構50に向かって延設されており、その先端部分がリンク機構50の第二延長リンク54の第二部分542に車外側から係合している。従って、ポップアップレバー80のレバー板材81が捩じりコイルバネ84の弾性付勢力によって上方から見て反時計回転方向に回転した場合、レバー板材81の第二アーム812が第二延長リンク54と係合した状態で反時計回転方向に回転する。これにより、第二延長リンク54は第二アーム812から回転付勢力を受けて、第二アーム812との係合を維持したまま、第二支持軸315を中心として、上方から見て時計回転方向に回転させられる。これに伴い第二延長リンク54と一体回転する第二リンク53も時計回転方向に回転する。
上記構成のアウトサイドドアハンドル20は、車両ドア10が閉止状態であるときに、初期状態に置かれる。図4、図6及び図10は、初期状態にあるハンドル本体40とリンク機構50とを示す断面図及び平面図である。初期状態であるとき、ハンドル本体40は、ベース30内の格納空間に格納される。格納空間に格納されたハンドル本体40の位置が、格納位置として定義される。
ハンドル本体40が格納位置にあるとき、ハンドル本体40のグリップ部42は、図4に示すようにベース30の第二空間S2内に配置する。グリップ部42がベース30の第二空間S2内に配置しているとき、グリップ部42の外表面が車外側に露出しているが、その表面位置がアウタパネル13の表面位置とほぼ一致する。つまり、車両ドア10が閉止しているとき、グリップ部42の外表面とアウタパネル13の表面がほぼ面一にされる。これにより車両ドア10の意匠性が向上する。
また、アウトサイドドアハンドル20が初期状態にあるとき、すなわちハンドル本体40が格納位置にあるとき、手動操作機構60のストッパ機構70が突出状態にされ、ストッパピン72が突出位置に位置決めされる。このためポップアップレバー80の第一支柱82の回転軌跡がストッパピン72に干渉する。また、捩じりコイルバネ84の弾性付勢力により図10において時計回転方向に回転付勢される第一支柱82は、その回転軌跡に干渉する突出位置にあるストッパピン72に係合する。斯かる係合によりポップアップレバー80の回転が規制される。ストッパピン72によって回転規制されているポップアップレバー80の回転位置が、初期位置として定義される。
また、図4及び図10からわかるようにハンドル本体40が格納位置にあるとき、手動操作機構60のストッパ機構70が備えるケース71から車外方向に突出したプッシュピン73の先端部分がハンドル本体40のグリップ部42に対して車内方向に所定の間隔を開けて配設されている。このためプッシュピン73はグリップ部42に接触していない。
閉止状態の車両ドア10を車両外部から開放する場合、ユーザは、車外側に露出しているグリップ部42の外表面を、前後方向に沿ってなでるように手を翳す。これにより、グリップ部42に埋設されている第一静電センサ45及び第二静電センサ46の静電容量が変化する。斯かる静電容量の変化がドアECUに検知されることにより、ドアECUはユーザが車両ドア10を開放する意思があることを認識する。すると、ドアECUは、ドアロック装置100にロック解除指令を送信する。これにより、ドアロック装置100のロック・アンロック機構が解錠状態にされる。
また、ドアECUは、アウトサイドドアハンドル20が備える電動モータ91に正転駆動指令を出力する。これにより電動モータ91が正転する。電動モータ91の正転により、電動モータ91の出力軸に同軸連結した第二支持軸315が図6において時計回転方向に回転する。第二支持軸315の時計回転方向への回転によって、第二支持軸315に一体回転可能に連結されている第二リンク53及び第二リンク53に連結された第二延長リンク54が、駆動リンクとして、第二支持軸315を中心として図6において時計回転方向に回転する。
第二リンク53が図6に示す回転位置から時計回転方向に回転すると、第二リンク53の一方端に第二連結ピン44を介して接続されたハンドル本体40が格納位置から移動する。ここで、アウトサイドドアハンドル20が初期状態にあるとき、第二リンク53はその回転中心である他方端(第二支持軸315)から前方に向かって延設されているので、第二リンク53が時計回転方向に回転した場合、第二リンク53の一方端に連結された第二連結ピン44は、ベース30の上板部31に形成されているガイド長孔312にガイドされながら、車外側に膨らむような円弧を描いて後方に移動する。従って、第二連結ピン44を介して第二リンク53に接続されたハンドル本体40も、車外側に膨らむような円弧を描いて後方に移動する。
また、ハンドル本体40の上記した移動により、ハンドル本体40の接続部41の前方端に第一連結ピン43を介してその一方端が連結された第一リンク51が回転する。このとき第一リンク51は、駆動リンクである第二リンク53の回転に伴って、従動リンクとして回転する。また、上記したように第一リンク51と第二リンク53が平行リンクを構成するので、第一リンク51は第二リンク53に同期して回転する。このため第一リンク51の回転中心である他方端(第一支持軸313)とは反対側の一方端は第二リンク53と同じように車外側に膨らむような円弧を描いて後方に移動する。このとき中間リンクとしてのハンドル本体40は、その姿勢を維持した状態で、すなわち平行な状態で、格納位置から車外側に膨らむように円弧を描いて後方に移動する。
図11A、図11B、図11Cに、ハンドル本体40が図6に示す格納位置から順に移動していく状態を示す。図11Aは、ハンドル本体40が格納位置から車外方向に少し移動した第一位置にある状態を示すアウトサイドドアハンドル20の斜視図であり、図11Bは、ハンドル本体40が第一位置からさらに車外方向に移動した第二位置にある状態を示すアウトサイドドアハンドル20の斜視図であり、図11Cは、ハンドル本体がポップアップ位置にある状態を示すアウトサイドドアハンドル20の斜視図である。なお、これらの図において、手動操作機構60は省略される。また、図12A、図12B,図12Cは、それぞれ、図11A、図11B、図11Cに示す状態にあるハンドル本体40とリンク機構50の作動状態を上方から示す図である。ハンドル本体40は、図6に示す格納位置から、図11A及び図12Aに示す第一位置、図11B及び図12Bに示す第二位置を経由して、図11C及び図12Cに示すポップアップ位置まで移動する。これらの図に示すように、ハンドル本体40は、図6に示す格納位置から、徐々に車外方向に膨らむように移動するとともに次第に後方に移動していく。そして、ハンドル本体40が図11C及び図12Cに示すポップアップ位置に達したときに、ドアECUが電動モータ91に正転駆動停止指令を出力する。これにより電動モータ91の回転駆動が停止されるとともにハンドル本体40の移動が終了し、ハンドル本体40がポップアップ位置にて位置決めされる。
図12Cには、格納位置にあるハンドル本体40が破線で示される。実線で示すポップアップ位置にあるハンドル本体40と破線で示す格納位置にあるハンドル本体40とを比較してわかるように、ハンドル本体40は、ポップアップ位置に至るまでに、姿勢を変化させることなく格納位置から車外方向に突出するとともに後方に移動している。つまり、ポップアップ位置にあるハンドル本体40の位置は、格納位置にあるハンドル本体40の位置よりも、車外方向であり且つ後方に位置する。このようなハンドル本体40の移動は、リンク機構50により実現される。つまり、リンク機構50は、ハンドル本体40がベース30の格納空間に格納される格納位置と、ハンドル本体40が格納位置から車外方向且つ車両後方に移動したポップアップ位置との間を移動することができるように、ハンドル本体40をベース30に移動可能に接続するように構成される。
ハンドル本体40がポップアップ位置に位置した後に、ユーザは、ハンドル本体40のグリップ部42を手で握る。すると、ユーザの手が赤外線センサ47により検知される。このため赤外線センサ47が検知信号をドアECUに出力する。ドアECUは、赤外線センサ47から検知信号を入力すると、ドアロック装置100にラッチ解除指令を出力する。これによりドアロック装置100のオープン・クローズ機構が開放状態にされる。具体的には、オープン・クローズ機構が備えるラッチの回転位置がラッチ位置からアンラッチ位置まで回転する。その後、ユーザがポップアップ位置にあるハンドル本体40のグリップ部42を車外側に引くことにより、車両ドア10を開放することができる。
本実施形態に係るアウトサイドドアハンドル20は、図12Cに示すように、従来のアウトサイドドアハンドルと比較して、ポップアップ位置にあるときに後方側に位置する。図15は、ユーザHが本実施形態に係るアウトサイドドアハンドル20のハンドル本体40を操作して車両ドアDを開ける状態を示す模式図である。図15 に示すように、ハンドル本体40は、格納位置から後方且つ車外方向に移動したポップアップ位置にある。ユーザHがポップアップ位置にあるアウトサイドドアハンドル20のハンドル本体40を把持して車両ドア10を開けるとき、ユーザの頭部が車両ドア10の回転軌跡に進入しない。このためユーザHはハンドル本体40のグリップ部42を保持したときの立ち位置を変化させることなく、そのまま車両ドア10を開放して、車内に入ることができる。このように、本実施形態によれば、ユーザがハンドル本体40を把持した後に、より簡便に車両に乗り込むことができる。
車室内に入ったユーザが車両ドア10を車室内側から閉作動させて車両ドア10を閉めると、ドアロック装置100のオープン・クローズ機構が閉止状態に設定される。ただし、この時点ではいまだアウトサイドドアハンドル20のハンドル本体40はポップアップ位置にある。その後車室内のユーザが車両を始動させた場合、或いは、ドアロック装置100の施解錠機構をロック状態に設定した場合、ドアECUは、電動モータ91に逆転駆動指令を出力する。すると、電動モータ91の出力軸が逆回転する。これにより、電動モータ91の出力軸に同軸連結した第二支持軸315が図12Cにおいて反時計回転方向に回転し、上記とは逆の動作でハンドル本体40がポップアップ位置から格納位置まで姿勢を維持しながら移動して、ベース30に格納される。
このように、本実施形態によれば、リンク機構50により、ハンドル本体40が、格納位置と、格納位置から車外方向且つ車両後方に移動したポップアップ位置との間を移動可能にベース30に接続されているので、ポップアップしたハンドル本体40をより車両後方側に位置させることができる。このためユーザはポップアップ位置にあるハンドル本体40を把持して車両ドア10を所望の開度まで開放した後、その立ち位置を変化させることなく車両に乗り込むことができる。
また、リンク機構50の第一リンク51と第二リンク53が平行リンクを構成するので、ハンドル本体40の姿勢を変化させることなく格納位置からポップアップ位置までハンドル本体40を移動することができる。
また、第一連結ピン43を介して第一リンク51とハンドル本体40が接続される位置である第一ハンドル位置H1、及び、第二連結ピン44を介して第二リンク53とハンドル本体40が接続される位置である第二ハンドル位置H2は、いずれも、ハンドル本体40の接続部41に設定される。接続部41はハンドル本体40の前方部分を構成するので、ハンドル本体40は、その前方部分のみによりリンク機構50に接続されていることになる。つまり、リンク機構50とハンドル本体40との接続点がハンドル本体40の前方部分を構成する接続部41に集約される。よって、ハンドル本体40の後方部分を構成するグリップ部42にリンク機構50との接続点を設けなくてもよい。このためグリップ部42の造形の自由度が増すとともにグリップ部42の意匠性を損なうことなくハンドル本体40をリンク機構50に接続することができる。
また、第一リンク51は、図2Aに示すように第一連結ピン43のうちベース30の上板部31から上方に突出した部分に接続されている。また、第一連結ピン43が設けられたハンドル本体40の接続部41は、ベース30の上板部31と下板部32との間に配設されている。従って、第一リンク51が第一連結ピン43を介してハンドル本体40の接続部41に接続される位置である第一ハンドル位置H1は、接続部41の外側(上側)に設定されることになる。一方、第二リンク53は、ハンドル本体40の接続部41の内部空間内にて第二連結ピン44を介してハンドル本体40に接続されている。従って、第二リンク53が第二連結ピン44を介してハンドル本体40の接続部41に接続される位置である第二ハンドル位置H2は、接続部41の内側に設定されることになる。このように、第一ハンドル位置H1と第二ハンドル位置H2とを、接続部41の外側及び内側に設定することで、第一リンク51と第二リンク53とを上下方向にずらして配置することができる。これにより、第一リンク51と第二リンク53とを、上下方向に沿って重複する位置に配置することが可能となり、リンク機構50をよりコンパクトに、特に前後方向長さをより短く構成することができる。よって、リンク機構50の全体構成をハンドル本体40の前方部分のみに配設することができ、グリップ部42の周囲にリンク機構50を配設しなくてもよい。このためグリップ部42の意匠性をより損なうことなくリンク機構50を配設することができる。
また、リンク機構50は、補助リンク55を有する。この補助リンク55は、その一方端にて第一延長リンク52を介して第一リンク51に接続され、その他方端にて第二延長リンク54を介して第二リンク53に接続される。このように補助リンク55によって第一リンク51と第二リンク53とを接続することにより、リンク機構50の剛性が向上する。また、リンク機構50が動作するとき、補助リンク55によって第一リンク51の動きと第二リンク53の動きを同調させることができ、これによりリンク機構50の動作安定性を向上させることができる。特に、本実施形態では、補助リンク55は、第一延長リンク52を介して第一リンク51に接続されるので、第一リンク51がハンドル本体40に接続されている端部(すなわち第一ハンドル位置H1)からより離れた位置にて第一リンク51に接続される。同様に、補助リンク55は、第二延長リンク54を介して第二リンク53に接続されるので、第二リンク53がハンドル本体40に接続されている端部(すなわち第二ハンドル位置H2)からより離れた位置にて第二リンク53に接続される。このため、一方のリンクの動作が増幅されて他方のリンクに伝達されるので、互いのリンクの動作応答性を高めることができる。これにより、より一層、リンク機構50の動作安定性を向上させることができる。
上記したハンドル本体40の移動動作は、電動モータ91が駆動することにより実現される。従って、電動モータ91が失陥した場合、格納位置にあるハンドル本体40をポップアップ位置に移動させることができない。この点に関し、本実施形態では、手動操作によってハンドル本体40をポップアップ位置に移動させることができるように構成される。以下、この場合の動作について説明する。
電動モータ91が失陥している場合、ユーザが格納位置にあるハンドル本体40のグリップ部42に手を翳しても、ハンドル本体40は格納位置から移動しない。この場合、ユーザは、ハンドル本体40のグリップ部42を車内側に押し込むように動作させる。これにより、ハンドル本体40が格納位置から車内方向に移動する。
図13Aは、ハンドル本体40が格納位置から車内方向に移動した状態を示す図である。図13Aにおいて格納位置にあるハンドル本体が破線で示される。また、図14Aは、ハンドル本体40が格納位置から車内方向に移動した状態を車内方向側から見たアウトサイドドアハンドル20の斜視図である。図13A及び後述の図13B,図13Cにおいて、ストッパピン72、プッシュピン73、第一支柱82、及び、第二延長リンク54の第二部分542のうちポップアップレバー80の第二アーム812(係合アーム)に係合する箇所を示す部分が、それぞれ斜線のハッチングにより表される。
図13A、及び、図4、図10に示すように、ストッパ機構70のプッシュピン73は、格納位置にあるハンドル本体40のグリップ部42に対して車内方向に所定の間隔を開けて配設されている。ハンドル本体40が、図13Aに破線で示す格納位置から実線で示す位置まで車内方向に移動した場合、グリップ部42の車内側に位置するプッシュピン73にグリップ部42の背面(車内側の面)が当接し、グリップ部42によりプッシュピン73が車内方向に押圧される。これによりプッシュピン73が車内方向に軸方向移動する。図13Aに実線で示すハンドル本体40の位置が、押し込み位置として定義される。上述したように、押し込み位置は格納位置よりも車内方向に位置する。
ハンドル本体40が格納位置から押し込み位置まで移動してプッシュピン73が車内方向に押されて軸方向移動した場合、プッシュピン73の押圧動作の終了後にストッパ機構70が作動する。ここで、ハンドル本体40が格納位置にあるとき、ストッパ機構70は突出状態にあり、ストッパピン72は突出位置にて位置決めされている。ストッパピン72が突出位置にて位置決めされているとき、ストッパピン72にポップアップレバー80の第一支柱82が係合することによりポップアップレバー80が初期位置にて回転規制されている。このときプッシュピン73が押されて車内方向に軸方向移動すると、その後にストッパ機構70が突出状態から退避状態に切り替わる。これにより、ストッパピン72が突出位置から図13Aに矢印で示す車外方向に移動して退避位置に至り、退避位置にて位置決めされる。
このように、ストッパピン72は、ハンドル本体40が格納位置から押し込み位置まで移動するようにハンドル本体40に押圧力が付与された場合、その後(押圧力の付与の終了後)に退避位置にて位置決めされるように構成される。
図13Bは、ストッパ機構70が突出状態から退避状態に切り替わった状態を示す図である。図13Bに示すように、ストッパ機構70が突出状態から退避状態に切り替わることにより、ストッパピン72が突出位置から退避位置まで車外方向に移動するため、ストッパピン72がケース71から車内側に突出する量(ストッパピン突出量)が減少する。このため、退避位置にあるストッパピン72にポップアップレバー80の第一支柱82の回転軌跡は干渉しない。従って、ハンドル本体40が格納位置にあってストッパピン72が突出位置にて位置決めされているとき(ストッパ機構70が突出状態であるとき)にストッパピン72に係合していた第一支柱82は、ハンドル本体40を格納位置から押し込み位置まで押し込むことによりストッパピン72が退避位置に移動することにより、ストッパピン72との係合を外される。これによりポップアップレバー80の回転規制が解除され、ポップアップレバー80は捩じりコイルバネ84の付勢力によって、図13Bの矢印Aに示すように初期位置から反時計回転方向に回転する。
ポップアップレバー80が上記のように初期位置から反時計回転方向に回転すると、レバー板材81の第二アーム812に係合している第二延長リンク54がレバー板材81に押されて、第二支持軸315を中心として、図13Bの矢印Bに示すように時計回転方向に回転する。これに伴って、第二延長リンク54に接続されている第二リンク53も時計回転方向に回転する。第二リンク53の時計回転方向への回転により、上記した電動モータ91の正転駆動時における動作と同じように、ハンドル本体40が車外側に膨らむように後方移動する。
そして、ポップアップレバー80の第二支柱83が図略のストッパに係合することによってポップアップレバー80の時計回転方向への回転が規制される。図略のストッパによって時計回転方向への回転が規制されたポップアップレバー80の回転位置が、作動位置として定義される。作動位置は、ポップアップレバー80が初期位置から捩じりコイルバネ84の付勢力に従って回転した位置である。つまり、捩じりコイルバネ84は、ポップアップレバーを初期位置から作動位置に向かう方向に回転付勢する。
図13Cは、作動位置にあるポップアップレバー80が示された図である。また、図14Bは、作動位置にあるポップアップレバー80が示されるアウトサイドドアハンドル20を車内方向から見た斜視図である。図13Cに示すように、ポップアップレバー80が作動位置にて位置決めされている(回転規制されている)とき、ハンドル本体40はポップアップ位置まで移動してポップアップ位置にて位置決めされる。このように、電動モータ91が失陥した場合であっても、手動によってハンドル本体40をポップアップ位置まで移動させることができる。
また、手動操作機構60の作動によってポップアップ位置まで移動したハンドル本体40を格納位置に戻す場合には、ユーザが車外からグリップ部42を車内側に押圧する。これによりハンドル本体40は手動操作力によって、図13Cに示すポップアップ位置から押し込み位置まで移動する。
ハンドル本体40がポップアップ位置から押し込み位置まで移動する過程で、ハンドル本体40は格納位置に至る。この過程において第二延長リンク54は、図13Cに示す回転位置から反時計回転方向に回転する。第二延長リンク54の反時計回転方向への回転動作によって、第二延長リンク54に係合しているポップアップレバー80のレバー板材81の第二アーム812が押されて図13Cに示す回転位置から時計回転方向に回転する。これによりポップアップレバー80が作動位置から初期位置に向かう方向に回転して初期位置に至る。
また、ハンドル本体40がポップアップ位置から押し込み位置まで移動する過程において、ハンドル本体40が格納位置に至った後さらに押し込み位置まで移動する際に、グリップ部42によって手動操作機構60のプッシュピン73が押圧され、プッシュピン73は車内方向に軸方向移動する。このプッシュピン73の押圧動作が終了した後に、ストッパ機構70が作動する。ここで、ハンドル本体40がポップアップ位置にあるとき、ストッパ機構70は退避状態にあり、ストッパピン72は退避位置にて位置決めされている。ストッパピン72が退避位置にて位置決めされているときにプッシュピン73が押されて車内方向に軸方向移動すると、その後にストッパ機構70が退避状態から突出状態に切り替わる。これにより、ストッパピン72が退避位置から車内方向に移動して突出位置に至り、突出位置にて位置決めされる。このとき、ハンドル本体40及び手動操作機構60の作動状態は、図13Aに示す状態にされる。このように、ストッパピン72は、ハンドル本体40がポップアップ位置から押し込み位置まで移動するようにハンドル本体40に押圧力が付与された場合、その後(押圧力の付与の終了後)に突出位置にて位置決めされるように構成される。
その後、ユーザがハンドル本体40から手を放すと、ポップアップレバー80は捩じりコイルバネ84の弾性付勢力により図13Aの反時計回転方向に回転しようとする。しかし、ストッパピン72が既に突出位置にあるので、ポップアップレバー80の回転は、第一支柱82がストッパピン72に係合することにより規制される。このためポップアップレバー80の第二アーム812に係合している第二延長リンク54の回転動作も規制される。よって、ハンドル本体40は、図10に示すように格納位置にて位置決めされる。このように、本実施形態によれば、電動モータ91の失陥時であっても、手動操作機構60を作動させることにより、ハンドル本体40を格納位置からポップアップ位置に、また、ポップアップ位置から格納位置に、移動させることができる。
このように、本実施形態に係るアウトサイドドアハンドル20は、ハンドル本体40を格納位置から押し込み位置まで移動するようにハンドル本体40に押圧力を付与した場合、その後にハンドル本体40が姿勢を維持したままポップアップ位置に移動してポップアップ位置にて位置決めされ、ハンドル本体40をポップアップ位置から押し込み位置まで移動するようにハンドル本体40に押圧力を付与した場合、その後にハンドル本体40が姿勢を維持したまま格納位置に移動して格納位置にて位置決めされるように、リンク機構50を手動で作動させる手動操作機構60を備える。このため、電動モータ91が失陥した場合であっても、格納位置にあるアウトサイドドアハンドル20をポップアップ位置に、また、ポップアップ位置にあるアウトサイドドアハンドル20を格納位置に、手動で移動させることができる。
また、手動操作機構60は、ストッパピン72と、ポップアップレバー80とを備える。ストッパピン72は、ハンドル本体40が格納位置にあるときに突出位置に位置決めされるとともに、突出位置に位置決めされているときにハンドル本体40が押し込み位置まで移動するようにハンドル本体40に押圧力を付与した場合に突出位置から退避位置に位置決めされるように構成される。また、ストッパピン72は、退避位置に位置決めされているときにハンドル本体40が押し込み位置まで移動するようにハンドル本体40に押圧力を付与した場合に退避位置から突出位置に位置決めされるように構成される。また、ポップアップレバー80は、ストッパピン72が突出位置にあるときにストッパピン72に係合することにより初期位置に回転規制され、ストッパピン72が退避位置にあるときにストッパピン72に係合されないことにより初期位置から回転した作動位置に位置決めされるように回転する。そして、ポップアップレバー80は、初期位置にあるときにハンドル本体40が格納位置に位置決めされるようにリンク機構50に係合し、作動位置にあるときにハンドル本体40がポップアップ位置に位置決めされるようにリンク機構50に係合する係合アームとしての第二アーム812が形成されたレバー板材81を有する。このように構成することにより、手動操作機構60を用いて、手動によりハンドル本体40を移動させることができる。
また、手動操作機構60は、プッシュピン73を備える。このプッシュピン73は、格納位置にあるハンドル本体40のグリップ部42に対して車内方向に所定の間隔を開けて配設され、ハンドル本体40が押し込み位置まで移動したときに車内方向に軸方向移動するように構成される。そして、手動操作機構60は、プッシュピン73が車内方向に軸方向移動するごとに、すなわちプッシュピン73が押されるごとに、ストッパピン72が退避位置にて位置決めされる退避状態と突出位置にて位置決めされる突出状態とが交互に切り替わるように構成される。このように構成することにより、ハンドル本体40の車内方向への押圧に伴うプッシュピン73の軸方向移動動作を利用してハンドル本体40の押圧力をストッパピン72に伝達することができる。
また、手動操作機構60は、ポップアップレバー80を初期位置から作動位置に向かう方向に回転付勢する捩じりコイルバネ84を有する。これによれば、ストッパピン72が突出位置から退避位置に移動したときに、捩じりコイルバネ84の付勢力によりポップアップレバー80を初期位置から作動位置まで回転させることができる。
以上、本発明の実施形態およびその変形例について説明したが、これらの例は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、本発明はこれらの例に限定して解釈されてはならないものである。本発明は、その技術思想またはその主要な特徴を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
10…車両ドア、11…ドア本体部、13…アウタパネル、20…アウトサイドドアハンドル、30…ベース、31…上板部、312…ガイド長孔、313…第一支持軸、315…第二支持軸、32…下板部、33…前板部、34…後板部、35…外板部、351…長孔、36…内板部、40…ハンドル本体、41…接続部、42…グリップ部、43…第一連結ピン、44…第二連結ピン、45…第一静電センサ、46…第二静電センサ、47…赤外線センサ、50…リンク機構(移動機構)、51…第一リンク、52…第一延長リンク、53…第二リンク、54…第二延長リンク、55…補助リンク、60…手動操作機構、70…ストッパ機構、71…ケース、713…段差面、713a1…第一浅溝部、713a2…第二浅溝部、713b…深溝部、714…浅溝係止面、715…深溝係止面、72…ストッパピン、721a…羽根板部、73…プッシュピン、731a…頂面、74…圧縮スプリング、80…ポップアップレバー、81…レバー板材、811…第一アーム、812…第二アーム(係合アーム)、813…第三アーム、82…第一支柱、83…第二支柱、84…捩じりコイルバネ(付勢部材)、91…電動モータ、100…ドアロック装置、B1…第一ベース位置、B2…第二ベース位置、H1…第一ハンドル位置、H2…第二ハンドル位置

Claims (10)

  1. 車両ドアを開放する際に把持されるグリップ部を有するハンドル本体と、
    車両ドアのアウタパネルに固定され、車外方向に開口した格納空間が内部に形成されるとともに、前記ハンドル本体を保持するベースと、
    前記ハンドル本体が前記ベースの前記格納空間に格納される格納位置と、前記ハンドル本体が前記格納位置から車外方向且つ車両後方に移動したポップアップ位置との間を移動することができるように、前記ハンドル本体を前記ベースに移動可能に接続する移動機構と、を備える車両用アウトサイドドアハンドル。
  2. 請求項1に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記移動機構は、前記ハンドル本体に第一ハンドル位置にて回転可能に接続されるとともに前記ベースに第一ベース位置にて回転可能に接続される第一リンクと、前記ハンドル本体に第二ハンドル位置にて回転可能に接続されるとともに前記ベースに第二ベース位置にて回転可能に接続される第二リンクと、を備えるリンク機構であり、
    前記第一ハンドル位置と前記第一ベース位置との間の距離L1と前記第二ハンドル位置と前記第二ベース位置との間の距離L2が等しく、前記第一ハンドル位置と前記第二ハンドル位置との間の距離L3と前記第一ベース位置と前記第二ベース位置との間の距離L4が等しくなるように、前記第一リンク及び前記第二リンクが構成されている、車両用アウトサイドドアハンドル。
  3. 請求項2に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記ハンドル本体は、前記グリップ部の車両前方側に設けられ前記ベースに移動可能に連結される接続部を有し、
    前記第一ハンドル位置及び前記第二ハンドル位置が、前記接続部に設定されている、車両用アウトサイドドアハンドル。
  4. 請求項3に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記第一ハンドル位置が前記接続部の外側に設定され、前記第二ハンドル位置が前記接続部の内部に設定される、車両用アウトサイドドアハンドル。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記リンク機構は、前記第一リンクに回転可能に接続されるとともに前記第二リンクに回転可能に接続される補助リンクを有する、車両用アウトサイドドアハンドル。
  6. 請求項5に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記リンク機構は、前記第一リンクと一体回転可能に前記第一ベース位置から延設された第一延長リンクと、前記第二リンクと一体回転可能に前記第二ベース位置から延設された第二延長リンクと、を有し、
    前記補助リンクは、前記第一延長リンクに回転可能に接続されるとともに前記第二延長リンクに回転可能に接続される、車両用アウトサイドドアハンドル。
  7. 請求項1に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記ハンドル本体を前記格納位置から前記格納位置よりも車内方向に位置する押し込み位置まで移動するように前記ハンドル本体に押圧力を付与した場合、その後に前記ハンドル本体が前記ポップアップ位置に移動して前記ポップアップ位置にて位置決めされ、前記ハンドル本体を前記ポップアップ位置から前記押し込み位置まで移動するように前記ハンドル本体に押圧力を付与した場合、その後に前記ハンドル本体が前記格納位置に移動して前記格納位置にて位置決めされるように、前記移動機構を作動させる手動操作機構と、を備える、車両用アウトサイドドアハンドル。
  8. 請求項7に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記手動操作機構は、
    前記ハンドル本体が前記格納位置にあるときに突出位置に位置決めされ、前記突出位置に位置決めされているときに前記ハンドル本体が前記押し込み位置まで移動するように前記ハンドル本体に押圧力が付与された場合に前記突出位置から前記突出位置よりも車外方向に移動した退避位置に位置決めされ、前記退避位置に位置決めされているときに前記ハンドル本体が前記押し込み位置まで移動するように前記ハンドル本体に押圧力が付与された場合に前記退避位置から前記突出位置に位置決めされるように構成されるストッパピンと、
    前記ストッパピンが突出位置にあるときに前記ストッパピンに係合することにより初期位置に回転規制され、前記ストッパピンが前記退避位置にあるときに前記ストッパピンに係合されないことにより前記初期位置から回転した作動位置に位置決めされるように回転するポップアップレバーと、を備え、
    前記ポップアップレバーは、前記初期位置にあるときに前記ハンドル本体が格納位置に位置決めされるように前記移動機構に係合し、前記作動位置にあるときに前記ハンドル本体が前記ポップアップ位置に位置決めされるように前記移動機構に係合する係合アームを有する、車両用アウトサイドドアハンドル。
  9. 請求項8に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記手動操作機構は、
    前記格納位置にある前記ハンドル本体の前記グリップ部に対して車内方向に所定の間隔を開けて配設され、前記ハンドル本体が押し込み位置まで移動したときに車内方向に軸方向移動するように構成されたプッシュピンを備え、
    前記プッシュピンが車内方向に軸方向移動するごとに、前記ストッパピンが退避位置にて位置決めされる退避状態と前記突出位置にて位置決めされる突出状態とが交互に切り替わるように構成される、車両用アウトサイドドアハンドル。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の車両用アウトサイドドアハンドルにおいて、
    前記手動操作機構は、
    前記ポップアップレバーを前記初期位置から前記作動位置に向かう方向に回転付勢する付勢部材を有する、車両用アウトサイドドアハンドル。
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