JP2020084042A - Mqレジンを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法を提供する。【解決手段】有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法であって、該方法が原料MQレジン及び下記一般式(1)で表される有機ジシラザン化合物を反応させる工程を含むことを特徴とするMQレジンを製造する方法。【化1】(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基、もしくはフェニル基である。)【選択図】なし
Description
本発明はMQレジンを製造する方法に関するものである。
オルガノポリシロキサンは、M、D、T及び/又はQ単位の組合せで構成される分子である。M単位は式R1 3SiO1/2を有し、D単位は式R1 2SiO2/2を有し、T単位は式R1SiO3/2を有し、Q単位は式SiO4/2を有し、式中、各R1は1価であり、有機及び無機部分から独立して選択されてもよい。一般的に、シリコーンレジンは、分子内の単位の少なくとも30モル%がT及び/又はQ単位であるオルガノポリシロキサンである。MQレジンは、主にM及びQ単位で構成されるオルガノポリシロキサン樹脂である。
例えば、酸を用いて水溶性ケイ酸塩をケイ酸モノマー又は、ケイ酸オリゴマーに変換することによって、MQレジンを製造する方法が開示されている(特許文献1)。
また、MQレジンの別の製造方法として、アルキルシリケートと加水分解性トリアルキルシランとの混合物を水と共加水分解することによって、MQレジンを製造する方法が開示されている(特許文献2)。
一般的にMQレジンは、ROSi基をMQレジン100gあたり0.03〜3モル含有し、ここでRは、水素原子又は炭素原子数1〜4個のアルキル基である。
MQレジンの封鎖は、MQレジンのROSi基含有量を低減するために、特にR部分の少なくとも一部が水素原子である場合に、M単位に置換するプロセスである。このようにして得られたMQレジンは、シリコーン粘着剤やシリコーン剥離剤など、様々な産業および用途で使用されている。
例えば、封鎖されたMQレジンを製造する反応を早めるための中間反応生成物が開示されている(特許文献3)。中間反応生成物は、MQレジン、ハロゲン化シラン、及び極性有機化合物を含む。任意選択的に、中間反応生成物を製造するために、縮合触媒及び溶剤を添加してもよい。封鎖されたMQレジンを製造する反応を速めるための反応生成物の製造方法も開示される。上記方法は、MQレジン、ハロゲン化シラン、及び極性有機化合物を含む成分を組合せる工程を含む。任意選択的に、反応生成物を製造するために、縮合触媒及び溶媒を添加してもよい。
しかしながら、上記の方法では封鎖剤としてハロゲン化シランを用いているため、反応系中でHCl等のハロゲン化水素が副生し、これが反応釜を腐食して錆びの原因となる。
また、MQレジン中に塩化物イオン等のハロゲン化物イオンが残留すると、このMQレジンをシリコーン粘着剤に用いた時に、シリコーン粘着剤が経時変化したり、被着体がハロゲン化物イオンで影響を受ける可能性がある。
また、反応釜の錆びを防ぐ目的で、ハロゲン化シランから副生されるハロゲン化水素をトラップする目的で塩基を添加すると、中和塩が副生して濾過等の中和塩を取り除く工程が後に必要となり、工程数が増えて製造工程時間が長くなり、また、コストアップの要因となる。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法であって、該方法が原料MQレジン及び下記一般式(1)で表される有機ジシラザン化合物を反応させる工程を含むことを特徴とするMQレジンを製造する方法を提供する。
(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基、もしくはフェニル基である。)
こうして、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造できる。
このとき、溶媒の存在下で前記反応を行うことが好ましい。
こうして、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを効果的に製造できる。
こうして、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを効果的に製造できる。
またこのとき、前記溶媒を、前記原料MQレジンと前記有機ジシラザン化合物との混合物を1気圧、−15℃からその溶媒の沸点までの温度範囲で液体にするのに十分な量で添加することが好ましい。
こうして、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを効率よく製造できる。
こうして、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを効率よく製造できる。
さらに、前記原料MQレジンが、式:R5 3SiO1/2単位(R5は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。)と式:SiO4/2単位を含み、(前記R5 3SiO1/2単位)/(前記SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1.5であり、かつ、ROSi基(Rは水素原子又は炭素原子数1〜4個のアルキル基)を含むオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
このような原料MQレジンから、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを好適に製造できる。
このような原料MQレジンから、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを好適に製造できる。
このとき、前記R5をそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、ビニル基から選択できる。
こうして、より有用な有機シリル基で封鎖されたMQレジンを好適に製造できる。
こうして、より有用な有機シリル基で封鎖されたMQレジンを好適に製造できる。
以上のように、本発明のMQレジンを製造する方法であれば、反応前の原料MQレジンのシラノール基と有機ジシラザン化合物が反応するとアンモニアガスが副生するが、ハロゲン化シランを用いた場合に副生するハロゲン化水素と異なり、アンモニアガスは塩基性のため反応釜を腐食することなく、また、加熱還流により反応系から容易に除去できる。こうして、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造することができる。
上述のように、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法の開発が求められていた。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する際に、原料MQレジンの封鎖剤として有機ジシラザン化合物を用いることで、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法であって、該方法が原料MQレジン及び下記一般式(1)で表される有機ジシラザン化合物を反応させる工程を含むことを特徴とするMQレジンを製造する方法である。
(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基、もしくはフェニル基である。)
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係る有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造する方法において、出発物質としての原料MQレジンは、式:R5 3SiO1/2単位(R5は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。)と式:SiO4/2単位を含み、(前記R5 3SiO1/2単位)/(前記SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1.5であり、かつ、ROSi基(Rは水素原子又は炭素原子数1〜4個のアルキル基)を含むオルガノポリシロキサンであることが好ましい。(前記R5 3SiO1/2単位)/(前記SiO4/2単位)は、好ましくは0.6〜1.2、より好ましくは0.65〜0.9である。このような原料MQレジンから、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを好適に製造できる。
MQレジンは更に、式:(R5 3SiO)4Siで表される低分子量物質を少量含んでもよく、これは、上記MQレジンの製造中に生成する揮発性シロキサン不純物である。本方法において成分として、好適なMQレジンは、全シロキサン単位のうちの少なくとも80モル%、あるいは90モル%がM及びQ単位であるという条件で、D及びT単位も含有してもよい。
MQレジンは更に、式:(R5 3SiO)4Siで表される低分子量物質を少量含んでもよく、これは、上記MQレジンの製造中に生成する揮発性シロキサン不純物である。本方法において成分として、好適なMQレジンは、全シロキサン単位のうちの少なくとも80モル%、あるいは90モル%がM及びQ単位であるという条件で、D及びT単位も含有してもよい。
ここで、R5は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、R5の脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基等を挙げることができる。R5としては、メチル基、エチル基、ビニル基が好ましい。有用な有機シリル基で封鎖されたMQレジンを好適に製造できるからである。
一般的に、MQレジン100g中にROSi基が0.03〜0.3mol含まれている。
好ましい原料MQレジン及びその製造方法は、当業者に周知の通りである。例えば、特許文献1は、酸を用いて水溶性ケイ酸塩をケイ酸モノマー又は、ケイ酸オリゴマーに変換することによって、MQレジンを製造できることを開示している。また、原料MQレジンを製造する別の方法として、特許文献2は、アルキルシリケートと加水分解性トリアルキルシランオルガノシロキサンとの混合物を水と共加水分解することによって原料となるMQレジンを製造する方法を開示している。
本明細書に記載の方法で使用される原料となるMQレジンは、溶媒中に分散または溶解されてもよい。また、MQレジンは一般的には溶媒中で製造される。溶媒の存在下で、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを効果的に製造できる。好ましい溶媒の例としては、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、及びトルエンなどの脂肪族又は芳香族炭化水素、及び重合度が10以下の直鎖又は環状のポリオルガノシロキサンが挙げられる。なお、ポリオルガノシロキサンの具体的な例は、0.65〜10cStのトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンである。
このような溶媒を、原料としてのMQレジンと後述の有機ジシラザン化合物との混合物を1気圧、−15℃からその溶媒の沸点までの温度範囲で液体にするのに必要な量で添加することが好ましい。こうして、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを確実に製造できる。
また、必要に応じてアルコール、エステル、ケトン、アミド、アミン、カルボン酸等の極性有機化合物やその他有機溶剤を併用しても良い。
本発明に係るMQレジンを製造する方法において使用される有機ジシラザン化合物は下記一般式(1)で表される。
(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基、もしくはフェニル基である。)
R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基、もしくはフェニル基である。脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基等が挙げられる。R2、R3、R4としては、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。
本発明の有機ジシラザン化合物の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものなどが挙げられるが、これらに限定されない。なお式中のMe、Et、Vi、Phはそれぞれメチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基を表す。
原料のMQレジンのシラノール基と有機ジシラザン化合物が反応するとアンモニアガスが副生するが、ハロゲン化シランを用いた場合に副生するハロゲン化水素と異なり、塩基性のため反応釜を腐食することなく、また、加熱還流により反応系から容易に除去できる。
有機ジシラザン化合物の使用量は、原料MQレジンのシラノール基1モル当たり0.05〜5モルの封鎖剤を提供するのに十分な量とすることができ、好ましくは0.075〜3.75モルであり、より好ましくは0.1〜2.5モルである。
シリコーン粘着剤のシラノール基含有量を定量する方法としては、その化学反応性を用いた方法が幾つか開示されている。例えば、基質(シラノール基含有量の測定対象物)を脱水トルエンに溶解した後、グリニャール試薬(CH3MgI)と反応させ、下記反応によって発生したメタンを定量することによりシラノール基含有量を求める方法が知られている。
なお、本明細書では、上記方法を用いてシラノール基含有量を求めた。
なお、本明細書では、上記方法を用いてシラノール基含有量を求めた。
本明細書に記載のMQレジンを製造する方法を実施するために、様々な種類の反応容器を使用してもよい。例えば、1つの代表的な実施形態において、反応容器は、撹拌器、撹拌パドル、又はその他の混合手法を用いて混合される回分式又は半回分式反応器である。あるいは、反応容器の内容物は、一連の混合ループおよび混合チャンバを用いて混合されてもよい。反応容器には、不活性ガスパージも取り付けられてよい。不活性ガスパージは、窒素、アルゴン、又は反応容器の内容物と非反応性であるその他の不活性ガスを含んでよい。
あるいは、連続混合装置を使用できる。連続混合装置は、成分が装置を通過する際に、成分を連続的に混合、加熱、及び任意選択的に脱揮発分できる任意の装置であってもよい。連続混合装置の例は、脱揮押出機である。脱揮押出機は、一軸でも、二軸押出機のような多軸押出機でもよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を、「部」は質量部を示す。
原料である「MQレジン―1」は、第1のバッチのMQレジン(60%)と溶媒(40%)との溶液を指し、溶媒は、トルエンである。MQレジンは、式(Me3SiO1/2)のM単位と式(SiO4/2)のQ単位とを0.81/1.0のM/Qモル比で有し、重量平均分子量(Mw)は2,550、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.11mol有する。
[実施例1]
撹拌装置、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を取り付けた500mLのセパラブルフラスコに、原料である「MQレジン―1」166.7gを仕込み、オイルバスの設定温度を70℃に加温した後、ヘキサメチルジシラザン(一般式(1)中、R2=メチル基、R3=メチル基、R4=メチル基)17.75gを滴下し、70℃にて3時間混合撹拌した。次に、精製水を30g滴下し、70℃にて30分間混合撹拌した。その後、加温して還流させながら5時間加熱してアンモニアガスと水を留去したのち放冷し、流出したトルエン量に相当するトルエンを加えて目的の「MQレジン―2」を得た。得られた有機シリル基で封鎖されたMQレジンの残存シラノール基を定量したところ、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.042molだった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を取り付けた500mLのセパラブルフラスコに、原料である「MQレジン―1」166.7gを仕込み、オイルバスの設定温度を70℃に加温した後、ヘキサメチルジシラザン(一般式(1)中、R2=メチル基、R3=メチル基、R4=メチル基)17.75gを滴下し、70℃にて3時間混合撹拌した。次に、精製水を30g滴下し、70℃にて30分間混合撹拌した。その後、加温して還流させながら5時間加熱してアンモニアガスと水を留去したのち放冷し、流出したトルエン量に相当するトルエンを加えて目的の「MQレジン―2」を得た。得られた有機シリル基で封鎖されたMQレジンの残存シラノール基を定量したところ、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.042molだった。
[実施例2]
撹拌装置、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を取り付けた500mLのセパラブルフラスコに、原料である「MQレジン―1」166.7gを仕込み、オイルバスの設定温度を70℃に加温した後、ヘキサメチルジシラザン(一般式(1)中、R2=メチル基、R3=メチル基、R4=メチル基)4.44gを滴下し、70℃にて3時間混合撹拌した。次に、精製水を15g滴下し、70℃にて30分間混合撹拌した。その後、加温して還流させながら5時間加熱してアンモニアガスと水を留去したのち放冷し、流出したトルエン量に相当するトルエンを加えて目的の「MQレジン―3」を得た。得られた有機シリル基で封鎖されたMQレジンの残存シラノール基を定量したところ、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.058molだった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を取り付けた500mLのセパラブルフラスコに、原料である「MQレジン―1」166.7gを仕込み、オイルバスの設定温度を70℃に加温した後、ヘキサメチルジシラザン(一般式(1)中、R2=メチル基、R3=メチル基、R4=メチル基)4.44gを滴下し、70℃にて3時間混合撹拌した。次に、精製水を15g滴下し、70℃にて30分間混合撹拌した。その後、加温して還流させながら5時間加熱してアンモニアガスと水を留去したのち放冷し、流出したトルエン量に相当するトルエンを加えて目的の「MQレジン―3」を得た。得られた有機シリル基で封鎖されたMQレジンの残存シラノール基を定量したところ、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.058molだった。
[実施例3]
撹拌装置、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を取り付けた500mLのセパラブルフラスコに、原料である「MQレジン―1」166.7gを仕込み、オイルバスの設定温度を70℃に加温した後、ヘキサメチルジシラザン(一般式(1)中、R2=メチル基、R3=メチル基、R4=メチル基)2.22gを滴下し、70℃にて3時間混合撹拌した。次に、精製水を15g滴下し、70℃にて30分間混合撹拌した。その後、加温して還流させながら5時間加熱してアンモニアガスと水を留去したのち放冷し、流出したトルエン量に相当するトルエンを加えて目的の「MQレジン―4」を得た。得られた有機シリル基で封鎖されたMQレジンの残存シラノール基を定量したところ、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.072molだった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を取り付けた500mLのセパラブルフラスコに、原料である「MQレジン―1」166.7gを仕込み、オイルバスの設定温度を70℃に加温した後、ヘキサメチルジシラザン(一般式(1)中、R2=メチル基、R3=メチル基、R4=メチル基)2.22gを滴下し、70℃にて3時間混合撹拌した。次に、精製水を15g滴下し、70℃にて30分間混合撹拌した。その後、加温して還流させながら5時間加熱してアンモニアガスと水を留去したのち放冷し、流出したトルエン量に相当するトルエンを加えて目的の「MQレジン―4」を得た。得られた有機シリル基で封鎖されたMQレジンの残存シラノール基を定量したところ、MQレジン100gあたりのシラノール基含有量が0.072molだった。
以上のMQレジンの残存シラノール基は、以下に示す方法で定量した。乾燥したMQレジンを脱水トルエンで希釈した後、滴下ロートを用いてグリニャール試薬を添加して発生するメタン量から残存シラノール基を定量した。
以上から、本発明の封鎖剤である有機ジシラザン化合物を用いて、MQレジンのROSi基(シラノール基)含有量を低減できることが分かった。
なお、封鎖剤としてハロゲン化シランを用いる場合と異なり、実施例1〜3では、副生塩は形成されなかった。これから、本発明のMQレジンを製造する方法であれば、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造できることが分かる。
なお、封鎖剤としてハロゲン化シランを用いる場合と異なり、実施例1〜3では、副生塩は形成されなかった。これから、本発明のMQレジンを製造する方法であれば、反応釜の錆びの原因となるハロゲン化水素を副生することなく、また、除去に濾過工程が増えることでコストアップの要因となる中和塩を副生することなく、有機シリル基で封鎖されたMQレジンを製造できることが分かる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
Claims (5)
- 溶媒の存在下で前記反応を行うことを特徴とする請求項1に記載のMQレジンを製造する方法。
- 前記溶媒を、前記原料MQレジンと前記有機ジシラザン化合物との混合物を1気圧、−15℃からその溶媒の沸点までの温度範囲で液体にするのに十分な量で添加することを特徴とする請求項2に記載のMQレジンを製造する方法。
- 前記原料MQレジンが式:R5 3SiO1/2単位(R5は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の1価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。)と式:SiO4/2単位を含み、(前記R5 3SiO1/2単位)/(前記SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1.5であり、かつ、ROSi基(Rは水素原子又は炭素原子数1〜4個のアルキル基)を含むオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のMQレジンを製造する方法。
- 前記R5はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、ビニル基から選択されることを特徴とする請求項4に記載のMQレジンを製造する方法。
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JPH06322132A (ja) * | 1993-03-12 | 1994-11-22 | General Electric Co <Ge> | 実質的にシラノール基を含まないシリコーン樹脂粉末の製造法、その製品及び用途 |
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