JP2020084009A - 複合粒子、それを含む吸収剤組成物及び複合粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な造粒方法で、均一な粒度を有する複合粒子を提供することにある。【解決手段】水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる第一の粒子(P1)と、前記第一の粒子(P1)を表面架橋剤(d)で表面架橋処理して得られる第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子とする。前記の複合粒子を含む吸収剤組成物とする。吸収剤組成物中に含まれる第一の粒子(P1)の合計重量と第二の粒子(P2)の合計重量との重量比が5:95〜45:55である。【選択図】なし

Description

本発明は、複合粒子、それを含む吸収剤組成物及び複合粒子の製造方法に関する。
従来、体液等の水性液を吸収させることを目的として、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料を構成する材料として、吸水性樹脂が幅広く使用されている。また、園芸用、農芸用等の吸水材料を構成する材料としても、吸水性樹脂が使用されている。
そして、吸水性樹脂の粉末は、取扱い性等の観点から、所望の粒径に造粒して吸水剤等として用いることが知られている。
吸水性樹脂の粉末を造粒することで、通液性と加圧下での吸収特性とに優れ、製造時のエネルギーコストが小さい吸水剤を得る方法として、「吸水性樹脂の粉末に水分を供給して上記粉末を互いに結着させる工程と、上記粉末の結着物から吸水性樹脂の造粒粒子を得る工程とを含む粒子状吸水性樹脂粒子の製造方法において、上記水分は水蒸気の状態で供給することを特徴とする粒子状吸水性樹脂の製造方法(特許文献1参照)」及び「吸水性樹脂粉末と水性液とを混合して、吸水性樹脂造粒物を得る方法であって、混合前の水性液を加熱しておき、かつ、該加熱した水性液と吸水性樹脂粉末とを高速混合する工程を含むことを特徴とする吸水性樹脂造粒物の製造方法(特許文献2参照)」が知られている。
特開2005−54151号公報 特開平11−106514号公報
上記特許文献1の製造法においては水の代わりに水蒸気を利用し、特許文献2に記載の製造方法において水性液を予め加熱して吸水性樹脂粉末と高速で混合するなど工夫がされているものの、造粒中に継粉が生じやすく造粒した粒子の均一性が十分ではないという課題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は特別な操作を行うことなく簡便な造粒方法で、粒度の均一性に優れた複合粒子を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる第一の粒子(P1)と、前記架橋重合体(A1)からなる粒子と表面架橋剤(d)との反応生成物からなる第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子、それを含む吸収剤組成物及び前記の複合粒子の製造方法である。
本発明の複合粒子は粒度の均一性に優れている。
本発明の複合粒子は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる第一の粒子(P1)と、前記第一の粒子(P1)を表面架橋剤(d)で表面架橋処理して得られる第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子である。
複合粒子を形成する第一の粒子(P1)は水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる。
本発明における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007〜0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003−165883号公報の0009〜0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005−75982号公報の0041〜0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマーが使用できる。
加水分解性ビニルモノマー(a2)は、加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマーであり、公知{例えば、特許第3648553号公報の0024〜0025段落に開示されている加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するビニルモノマー、特開2005−75982号公報の0052〜0055段落に開示されている少なくとも1個の加水分解性置換基[1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−CO−O−CO−)基、アシル基及びシアノ基等]を有するビニルモノマー}のビニルモノマー等が使用できる。
なお、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解するビニルモノマーを意味する。また、加水分解性ビニルモノマー(a2)における加水分解性とは、当業者に周知の概念であるが、より具体的に表すなら、水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解され、水溶性になる性質を意味する。加水分解性ビニルモノマー(a2)の加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、得られる吸収剤組成物の吸水性能の観点から、重合後が好ましい。
これらのうち、吸水性能等の観点から好ましいのは水溶性ビニルモノマー(a1)、より好ましいのは上述のアニオン性ビニルモノマー、カルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー、さらに好ましいのはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、とりわけ好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましいのはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH)塩等が挙げられる。これらの塩のうち、吸水性能等の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、さらに好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)は、それぞれ1種を単独で架橋重合体(A1)の構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としても良い。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の両方を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比[(a1)/(a2)]は、75/25〜99/1が好ましく、さらに好ましくは85/15〜95/5、特に好ましくは90/10〜93/7、最も好ましくは91/9〜92/8である。この範囲内であると、吸収剤組成物の吸水性能がさらに良好となる。
架橋重合体(A1)の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく、公知(例えば、特許第3648553号公報の0028〜0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003−165883号公報の0025段落及び特開2005−75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等)の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量(モル%)は、吸水性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数に基づいて、0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜2、とりわけ好ましくは0〜1.5であり、吸収剤組成物の吸水性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
架橋剤(b)としては水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)と共重合可能な多官能ビニルモノマー、及び水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)が有する官能基と共有結合を形成可能な官能基を2つ以上有する化合物等であれば、特に限定はなく用いることができる。
架橋剤(b)としては、公知(例えば、特許第3648553号公報の0031〜0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003−165883号公報の0028〜0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005−75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2005−95759号公報の0015〜0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー)の架橋剤等が好ましく使用できる。これらのうち、吸水性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、さらに好ましいのはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及び炭素数2〜40のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、特に好ましいのはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン、ポリエチレングリコールジアリルエーテル及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル、最も好ましいのはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数に基づいて、0.001〜5が好ましく、さらに好ましくは0.005〜3、特に好ましくは0.01〜1である。この範囲であると、吸収剤組成物の吸水性能がさらに良好となる。
架橋重合体(A1)は、公知の水溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55−133413号公報等)や、公知の逆相懸濁重合(特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報及び特開平1−5808号公報等)が挙げられる。
架橋重合体(A1)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに架橋剤(b)を必須構成成分とする単量体組成物を重合することにより得ることができるが、重合方法として好ましいのは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない架橋重合体(A1)が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が最も好ましい。
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、さらに好ましくは30以下である。
重合に開始剤を用いる場合、従来公知のラジカル重合用開始剤が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合開始剤の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2である。
重合時には、必要に応じて連鎖移動剤に代表される重合コントロール剤を併用しても良く、これらの具体例としては、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、アルキルメルカプタン類、ハロゲン化アルキル類、チオカルボニル化合物類等が挙げられる。これらの重合コントロール剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
重合コントロール剤の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2である。
重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来公知のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
重合開始温度は、使用する触媒の種類によって適宜調整することができるが、0〜100℃が好ましく、さらに好ましくは2〜80℃である。
重合に溶媒(有機溶媒及び水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、架橋重合体(A1)の重量に基づいて、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、吸収剤組成物の吸水性能がさらに良好となる。
溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜9、最も好ましくは3〜8である。この範囲であると、吸水性能がさらに良好となる。
前記の重合方法により重合に用いた水等を吸収してゲル状の膨潤した架橋重合体(A1)である含水ゲル状物(以下、含水ゲルと略記する)を得ることができ、さらに前記の含水ゲルを乾燥することで架橋重合体(A1)を得ることができる。
水溶性ビニルモノマー(a1)としてアクリル酸やメタクリル酸等の酸基含有モノマーを用いる場合、得られた含水ゲルをさらに塩基で中和しても良い。中和する場合、酸基の中和度[架橋重合体(A1)が有する全ての酸基のモル数に対する塩基で中和された酸基のモル数の割合]は、50〜80モル%であることが好ましい。中和度が50モル%未満の場合、中和後の含水ゲルの粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合や、得られる吸収剤組成物の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた吸収剤組成物のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
中和を行う場合、中和は架橋重合体(A1)の重合以降であれば、いずれの段階で行ってもよく、含水ゲルの状態で中和する等の方法が好ましい例として例示される。
中和で使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を通常使用できる。
本発明における第一の粒子(P1)は、前記の含水ゲルを細断し、細断後のゲルを乾燥して粒状にする方法、前記の含水ゲルを乾燥し、その乾燥物を粉砕して粒状にする方法等で得ることができる。
前記の含水ゲルを乾燥する細断する場合、細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、さらに好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは1mm〜1cmである。この範囲であると、細断したゲルを乾燥する工程における乾燥性が良好となり好ましい。
含水ゲルの細断は、公知の方法で行うことができ、通常の細断装置(例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機)等を使用して細断できる。
前記の含水ゲル及び前記の含水ゲルを細断したゲルを乾燥する方法としては、溶媒(水を含む。)を留去する方法であれば制限されないが、80〜230℃の温度の熱風で含水ゲルを加熱する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等で薄膜化して乾燥する方法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法及び赤外線による乾燥法等が好ましく適用できる。
含水ゲルを細断した後、さらに細断後のゲルの乾燥を行う場合、細断後のゲルを乾燥して得られる粒子を本発明における第一の粒子(P1)として用いてもよく、細断後のゲルを乾燥した後にさらに粉砕して得られる粒子を第一の粒子(P1)として用いてもよい。
前記の含水ゲルの乾燥物を粉砕する場合、及び前記の細断後のゲルを乾燥した後にさらに粉砕する場合、粉砕方法については、特に限定はなく、通常の粉砕装置(例えば、カッティング式粉砕機、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機等)が使用でき、カッティング式粉砕機と同様の機構を有するジューサーミキサーも使用することができる。粉砕された架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
第一の粒子(P1)の重量平均粒子径は、好ましくは100〜1000μmであり、さらに好ましくは200〜700μmであり、特に好ましくは250〜600μmであり、最も好ましくは350〜450μmである。この範囲であると、吸収剤組成物の吸水性能が良好となり好ましい。
なお、重量平均粒子径は、自動ふるい振とう機(ロータップ型ふるい振とう機)及びJIS Z8801−1:2006)に記載のJIS標準ふるいを用いて測定する。すなわち、目開きが上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μmとなるようにJIS標準ふるいを組み合わせ、一番下に受け皿を組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ型ふるい振とう機で5分間振とうする。振とう後に、各ふるいの上及び受け皿の上に残った粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるいの上の粒子の重量百分率を求め、この値を対数確立紙{横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率}にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
本発明に用いる第一の粒子(P1)は、下記の(物性1)と(物性2)とを満たすことが好ましい。
(物性1)単位重量当たりに保水可能な生理食塩水の重量(以下、保水量ともいう)が35g/g以上(特に好ましくは38g/g以上)
(物性2)40g/cm荷重下における生理食塩水に対する単位重量当たりの吸収量(以下、加圧吸水量ともいう)が15g/g未満(特に好ましくは13g/g未満)
保水量と加圧吸収量は下記の方法で測定される。
<保水量>
250メッシュのナイロン網で作成したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に第一の粒子(P1)1gを入れ、生理食塩水(NaCl濃度0.90%のイオン交換水溶液)中に60分間浸漬した後、15分間吊るして水切りしてから、ティーバッグごと遠心脱水機に入れて、250Gで90秒間遠心脱水を行い、余剰水を取り除く。遠心脱水後の増加質量を測定し、保水量とした。
<加圧吸収量>
250メッシュのナイロン網を底面に貼ったプラスチック製円筒(内径25mm、高さ30mm)内に第一の粒子(P1)0.160gを入れて均一に均し、この吸水性樹脂の上に外径25mmでスムーズに円筒内を上下する200gの分銅を乗せる。この時の荷重は約40g/cmに相当する。生理食塩水60mlの入ったシャーレー(直径:12cm)の中に第一の粒子(P1)と分銅の入ったプラスチック円筒をナイロン網側を下面にして浸し、放置する。第一の粒子(P1)が生理食塩水を吸収して増加した質量を60分後に測定し、その値を第一の粒子(P1)1g当たりの値に換算して加圧吸収量とした。
第一の粒子(P1)の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、吸収剤組成物を織布及び不織布等の繊維製品からなる基材と一緒に用いた場合に基材となる繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
第一の粒子(P1)は、その性能を損なわない範囲で水、残留溶媒や残存架橋成分等の他の成分を含んでも良い。
本発明における第二の粒子(P2)は、前記第一の粒子(P1)を表面架橋剤(d)で表面架橋処理して得られる粒子である。
前記の第一の粒子(P1)は、表面架橋剤(d)を用いた表面架橋処理は行われていない。一方、第二の粒子(P2)は、第一の粒子(P1)をさらに表面架橋剤(d)で表面架橋処理して得られた粒子であり、第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とは表面架橋剤(d)による表面架橋処理が行われた否かによって区別される。
表面架橋剤(d)としては、公知(特開昭59−189103号公報に記載の多価グリシジル化合物、多価アミン、多価アジリジン化合物及び多価イソシアネート化合物等、特開昭58−180233号公報及び特開昭61−16903号公報の多価アルコール、特開昭61−211305号公報及び特開昭61−252212号公報に記載のシランカップリング剤、特表平5−508425号公報に記載のアルキレンカーボネート、特開平11−240959号公報に記載の多価オキサゾリン化合物並びに特開昭51−136588号公報及び特開昭61−257235号公報に記載の多価金属等)の表面架橋剤等が使用できる。これらの表面架橋剤のうち、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル化合物、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、さらに好ましいのは多価グリシジル化合物及び多価アルコール、特に好ましいのは多価グリシジル化合物、最も好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。表面架橋剤(d)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
表面架橋剤(d)の使用量は、表面架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸収特性の観点等から、第一の粒子(P1)の合計重量100重量部に対して、0.001〜3重量部が好ましく、さらに好ましくは0.005〜2重量部、特に好ましくは0.01〜1.5重量部である。なお、表面架橋剤(d)の使用量の基準となる第一の粒子(P1)の重量は、第一の粒子(P1)を180℃の無風オーブンで3時間乾燥した後に測定される乾燥後の重量である。
表面架橋処理の方法としては、(方法1)前記の細断したゲルを乾燥して得られる粒子と表面架橋剤(d)とを反応させて表面架橋処理する方法、(方法2)裁断したゲルを乾燥しさらに粉砕して得られた粒子と表面架橋剤(d)とを反応させて表面架橋処理する方法、及び(方法3)架橋重合体(A1)の含水ゲルを乾燥した乾燥物を粉砕して得られる粒子を表面架橋剤(d)と反応させて表面架橋処理する方法等があげられる。
第二の粒子(P2)を得るための表面架橋処理において、第一の粒子(P1)は水等を吸収した状態で表面架橋処理を行ってもよい。
第一の粒子(P1)は水等を吸収した状態で表面架橋処理を行う場合、(方法4)前記の含水ゲルを細断したゲルと表面架橋剤(d)とを反応させて表面架橋処理する方法、(方法5)前記の(方法1)〜(方法3)において表面架橋剤(d)で表面架橋処理する乾燥した粒子に水を吸収させ、続いて表面架橋剤(d)で表面架橋処理を行う方法等を用いることができる。
前記の(方法4)及び(方法5)において、第一の粒子(P1)が含む水の量(含水量ともいう)は、一定の量に制御してから表面架橋処理を行ってもよい。含水量を制御する場合には加熱乾燥(好ましくは50〜60℃に保ちながら13〜20kPaの減圧下で乾燥する方法)する方法及び水を噴霧する方法等で制御することができる。
前記の(方法1)〜(方法5)における表面架橋剤(d)による表面架橋処理は、必要に応じて水等を含む第一の粒子(P1)と表面架橋剤(d)を混合することで行うことができ、必要に応じて加熱することで行うことができる。混合操作は、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の公知の混合装置を用いて行うことができる。
必要に応じて水等を含む第一の粒子(P1)と表面架橋剤(d)との混合順序は、前記の混合機に同時に投入して混合してもよく、必要に応じて水等を含む第一の粒子(P1)を先に混合機に入れて撹拌を開始した後に、撹拌下に表面架橋剤(d)を投入して混合してもよい。混合機に入れる表面架橋剤(d)は、任意の溶剤(水等)で希釈して使用しても良い。
前記の混合を行う際の温度は特に限定されないが、10〜150℃が好ましく、さらに好ましくは20〜100℃、特に好ましくは25〜80℃である。
表面架橋処理においては、前記の混合を行った後、混合物を加熱することが好ましい。加熱温度は、微粒子の発生を抑制する等の観点から好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは110〜175℃、特に好ましくは120〜170℃である。180℃以下の加熱であれば蒸気を利用した間接加熱が可能であり設備上有利であり、100℃未満の加熱温度では吸水性能が悪くなる場合がある。また、加熱時間は加熱温度により適宜設定することができるが、吸水性能の観点から、好ましくは5〜60分、さらに好ましくは10〜40分である。表面架橋して得られる吸水性樹脂を、最初に用いた表面架橋剤と同種又は異種の表面架橋剤を用いて、さらに表面架橋することも可能である。
表面架橋剤(d)により表面架橋処理することで第二の粒子(P2)を得ることができる。第二の粒子(P2)の重量平均粒子径は、好ましくは100〜1000μm、さらに好ましくは200〜700μmである。特に好ましくは250〜600μmであり、最も好ましくは350〜450μmである。この範囲であると、吸収剤組成物の吸水性能が良好となり好ましい。第二の粒子(P2)の重量平均粒子径は、第一の粒子(P1)と同様にして求める。
本発明における第二の粒子(P2)は、下記(条件3)と(条件4)の要件を満たすことが好ましい。
(条件3)保水量が25g/g以上(特に好ましくは30g/g以上)
(条件4)加圧吸水量が15g/g以上(特に好ましくは20g/g以上)
第二の粒子(P2)の保水量と加圧吸水量は、第一の粒子(P1)と同様に測定される。
本発明の複合粒子は前記の第一の粒子(P1)と、前記の第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子であり、前記の第一の粒子(P1)と、前記の第二の粒子(P2)とを結合剤及び水等を加えて混合して第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とが結着して凝集した粒子である。
本発明の複合粒子には、前記の第一の粒子(P1)及び前記の第二の粒子(P2)以外の他の粒子が含まれていても良い。他の粒子としては、後述する保水材料(P3)及び水不溶性無機粒子(f)等が挙げられる。水不溶性無機粒子(f)を含むことで複合粒子の耐ブロッキング性及び通液性が向上する。
水不溶性無機粒子(f)としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、クレー及びタルク等が挙げられ、入手の容易性や扱いやすさ、吸水性能の観点から、コロイダルシリカ及びシリカが好ましく、さらに好ましいのはコロイダルシリカである。水不溶性無機粒子(f)は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水不溶性無機粒子(f)を含む場合、その使用量は、複合粒子の吸水性能等の観点から第一の粒子(P1)及び前記の第二の粒子(P2)の合計重量100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.05〜1重量部、特に好ましくは0.1〜0.5重量部である。
本発明の複合粒子は、特開昭61−97333号公報及び特開平6−313043号公報等に開示されている公知の造粒方法(粒子の流動、撹拌下に、水または水と混和性のある有機溶剤の水溶液や、水溶性高分子の水溶液を、滴下混合や噴霧混合して、造粒する手法等)で得ることができる。なかでも、下記で詳しく説明する製造方法で好ましく得ることができる。
本発明の複合粒子が、さらに水不溶性無機粒子(f)を含む場合、水不溶性無機微粒子(f)は前記の第一の粒子(P1)及び前記の第二の粒子(P2)を混合する際に同時に混合してもよく、第一の粒子(P1)と水不溶性無機粒子(f)とを混合した後に第二の粒子(P2)をさらに混合してもよく、第二の粒子(P2)と水不溶性無機粒子(f)とを混合した後に第一の粒子(P1)をさらに混合してもよい。
本発明の複合粒子は、その粒子径が850〜150μmの範囲にある粒子の重量割合が複合粒子の合計重量に対して90重量%以下、且つ粒子径が850μm以上である粒子の重量割合が複合粒子の合計重量に対して10重量%以上(さらに好ましくは10〜50重量%)であることが好ましい。
この範囲であると複合粒子の取り扱い性が良好となり好ましい。
粒子径が850〜150μmの範囲にある粒子の重量割合及び850μm以上である粒子の重量割合は、目開きがそれぞれ1700μm、1400μm、1000μm、850μm、500μm、300μm及び150μmであるふるいと受け皿とを順に重ね、使用するふるいを変更した以外は、前記の第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)の重量平均粒子径の測定と同様の方法でふるい分けを行った。目開きが150μmと300μmと500μmのふるいにそれぞれ残った粒子の重量百分率を合計して粒子径が850〜150μmの範囲にある粒子の重量割合とし、目開きが850μmと1000μmと1400μmと1700μmのふるい上にそれぞれ残った粒子の重量百分率を合計して粒子径が850μm以上である粒子の重量割合とし、受け皿に残った粒子の重量百分率を粒子径が150μm以下である粒子の重量割合とする。850〜150μmの範囲にある粒子の重量割合及び850μm以上である粒子の重量割合としては、計算で得られた値を整数の桁に四捨五入したものを用いる。
本発明の複合粒子の形状は、第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とが凝集して形成されていれば限定されず、全ての複合粒子が同じ形状であることを要しない。
本発明の吸収剤組成物は、前記の複合粒子を含む吸収剤組成物であり、水を含有する溶剤、水及び水溶性の化合物が溶解した水溶液を吸収する吸収剤組成物であることが好ましい。
前記の複合粒子だけを吸収剤組成物として用いてもよく、後述する製造方法で用いる保水材料(P3)と前記の複合粒子との混合物を吸収剤組成物として用いても良く、シリカ等の無機微粒子と前記の複合粒子との混合物を本発明の吸収剤組成物として用いてもよい。
本発明の吸収剤組成物は、前記の複合粒子を含んでいればその他に制限は無いが、複合粒子の均一性等の観点から、吸収剤組成物に含まれる前記第一の粒子(P1)の合計重量と前記第二の粒子(P2)の合計重量との重量比が5:95〜45:55であることが好ましい。前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)との重量比は複合粒子を製造するときに原料として用いる第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)の重量とその合計とに基づいて計算され、計算値を整数の桁に四捨五入した値である。
本発明の複合粒子の製造方法は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる第一の粒子(P1)と、架橋重合体(A1)からなる粒子と表面架橋剤(d)との反応生成物からなる第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子の製造法であり、毛細管現象により吸水する保水材料(P3)と前記保水材料(P3)に吸収された水と第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とを混合する工程(a)を含む複合粒子の製造方法である。
本発明の製造方法により、造粒中に継粉を生じることなく、均一性に優れた複合粒子を得ることができる。
本発明の製造方法で用いる水溶性ビニルモノマー(a1)、加水分解性ビニルモノマー(a2)、架橋剤(b)、架橋重合体(A1)、第一の粒子(P1)、表面架橋剤(d)及び第二の粒子(P2)は、それぞれ前記の複合粒子において説明したものと同一である。
毛細管現象により吸水する保水材料(P3)としては、パルプからなる材料及び多孔質の材料であってパルプを除く材料等を制限無く使用することがでる。
パルプとしては、メカニカルパルプ(丸太からの砕木パルプ、アスプルンド法砕木パルプ等)、ケミカルパルプ(亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、硫酸塩パルプ、硝酸パルプ、塩素パルプ等)、セミケミカルパルプ、再生パルプ(例えばパルプを一旦製紙して作った紙の機械的破砕又は粉砕物、又は古紙の機械的破砕又は粉砕物である再生古紙パルプ等)などが挙げられる。
本発明の製造方法にパルプを用いる場合、パルプの形状は限定されず、不定形破砕状、繊維状、短冊状及び球状等のものを好ましく用いることができ、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ及び再生パルプをそのまま用いても良く、紙及び古紙の機械的破砕又は粉砕物を用いても良く、前記のパルプ及び粉砕物を加工して得られる粒子等を用いることができる。パルプを加工して得られる粒子としては、市場から入手できるものを用いてもよく、ビスコパールAH−2050L(レンゴー株式会社製)等が市場から入手できる。
多孔質の材料であってパルプを除く材料としては、細孔を有する有機粒子(パルプを加工して得られる粒子を除く)及び細孔を有する無機粒子を用いることができる。細孔を有する有機粒子としては、天然の海綿加工品及び発泡プラスチック(スポンジ及びウレタンフォーム等)の粉砕物等が挙げられる。
細孔を有する無機粒子としては、フィルトン(多孔質セラミック、くんたん)、焼成バーミキュライト、パーライト、軽石、火山灰、ゼオライト及びシラスバルーン等が挙げられる。
本発明の製造方法に前記の多孔性粒子を用いる場合、その形状は限定されず、不定形破砕状、繊維状、短冊状及び球状等であってよく、また繊維状である場合には短繊維状でも長繊維状でもよい。
前記保水材料(P3)の大きさは、本発明の作用効果が得られる限りにおいて、任意の大きさの材料を使用できるが、得られる複合粒子の重量平均粒子径よりも小さく、かつ重量平均粒子径が2mm以上であることが好ましく、重量平均粒子径が5mm以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、水が第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)に吸収され易くなり好ましい。
本発明の製造方法において、前記の工程(a)で用いられる前記保水材料(P3)に吸収された水は、前記の保水材料(P3)が有する細孔に毛細管現象により吸収された水であり、保水材料(P3)と第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)と共に混合される。
毛細管現象により保水材料(P3)に吸収された水は、第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)と共に混合されることで徐々に保水材料(P3)から排出され、第一の粒子(P1)及び第二の粒子(P2)に吸収される。
水を吸収した第一の粒子(P1)及び第二の粒子(P2)の表面は粘着性を帯びて相互に結着して凝集することで複合粒子を形成する。
毛細管現象により保水材料(P3)に吸収された水が、保水材料(P3)から徐々に排出されて混合され、徐々に吸収されることで第一の粒子(P1)及び第二の粒子(P2)の表面が急激に粘着性を帯びて継粉状の固まりができることを防止することができるため、造粒中に継粉を生じることなく、均一に造粒を行うことができる。
本発明の製造方法において、保水材料(P3)と保水材料(P3)に吸収された水と第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)との混合は第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とを含み、撹拌下にある混合物に対し、水を吸収した保水材料(P3)を添加することにより行うことが好ましい。
前記の工程(a)における第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)との重量比は、好ましくは5:95〜45:55であり、さらに好ましくは15:85〜30:70である。この範囲であると、複合粒子の形成が容易となり、複合粒子の均一性が良好となり好ましい。通常、第二の粒子(P2)の吸水速度は、第一の粒子(P1)の吸水速度に比べ大きいため、上記重量比率の割合であると、吸水速度も小さくならずに好ましい。
工程(a)において混合される保水材料(P3)に吸収された水の重量割合は、前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)との合計重量に基づいて、好ましくは2〜18重量%であり、さらに好ましくは5〜15重量%である。この範囲であると混合時の粒子の流動性が良好であり、生成される複合粒子同士の凝集もなく、複合粒子の均一性が良好となり好ましい。
保水材料(P3)に水を吸収させる方法としては、保水材料(P3)を水に浸漬して吸水する方法、及び保水材料(P3)と水を混合する方法等が挙げられる。
予め保水材料(P3)が含有する水分を保水材料(P3)は水を吸収させる前に乾燥することで除去し、その後に保水材料(P3)に水を吸収させてもよい。
本発明の製造方法における工程(a)で混合する水は、水に他の機能性薬剤を溶解した水溶液であってもよい。水が溶解する機能性物質としては、公知の抗菌剤、脱臭剤、消臭剤、忌避剤、染料、農薬、肥料及び公知の芳香剤等が挙げられる。
前記工程(a)で用いられる保水材料(P3)の量は、特に制限はなく、前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)と混合する前記の水の量に応じて調整して用いることができる。
保水材料(P3)と前記保水材料(P3)に吸収された水と第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)との混合方法に制限はなく、容器内に入った保水材料(P3)と前記保水材料(P3)に吸収された水と第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とを混合することができればいかなる方法を用いても良い。容器としては、密閉可能な容器が好ましく、合成樹脂(塩化ビニール、ポリエチレン及びナイロン等)製の容器及び金属製の容器等を用いることができる。混合は容器を強振すること等で行うことで行うことができ、容器の強振は手で振る方法及び機械を用いて振る方法等で行うことができる。また、市販の撹拌混合装置を用いて混合してもよく、混合装置としては、円筒型混合器、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーディスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機及びスクリュー型押出機等を好ましく用いることができる。
以下、製造例、実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。
以下の製造例における、第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)の重量平均粒子径及び粒度、並びに実施例と比較例で得られた複合粒子の粒度は以下の方法で測定した。
<第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)の重量平均粒子径>
目開きが上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μmとなるようにJIS標準ふるいを組み合わせ、一番下に受け皿を組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ型ふるい振とう機で5分間振とうする。振とう後に、各ふるいの上及び受け皿の上に残った粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるいの上の粒子の重量百分率を求め、この値を対数確立紙{横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率}にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とした。
<第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)の粒度、及び複合粒子の粒度>
目開きがそれぞれ1700μm、1400μm、1000μm、850μm、500μm、300μm及び150μmのふるい並びに受け皿を順に組み合わせる。
最上段のふるいに50gの複合粒子を入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として、各ふるい上に残った粒子の重量百分率を求め、それぞれ下記の目開きを有するふるい上に残った粒子の重量百分率の合計を粒度とした。
(1)850μm以上:
目開きが1700μmのふるいと1400μmのふるいと1000μmのふるいと850μmのふるいの上にそれぞれ残った粒子の重量百分率の合計
(2)850μm〜500μm:
500μmのふるいの上に残った粒子の重量百分率
(2)850μm〜300μm:
500μmのふるいと300μmのふるいの上にそれぞれ残った粒子の重量百分率の合計
(3)500μm〜300μm:
300μmのふるいの上に残った粒子の重量百分率
(4)300μm〜150μm:
150μmのふるいの上に残った粒子の重量百分率
(5)150μm以下:
受け皿の上に残った粒子の重量百分率
<製造例1>
1Lのビーカーに、アクリル酸230.4g(3.2mol)、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.9g(3.5mmol)、及び水1001.7gを添加し10℃に冷却した。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液の溶存酸素を0.1ppm(オリエント電機(株)製、商品名溶存酸素計 DO220PBで測定)とした後、重合開始剤として、35%の過酸化水素水0.023g、L−アスコルビン酸0.00575g、及び過硫酸カリウム0.23gを添加した。約30分後、重合反応が開始し、約2時間後に最高温度60℃に到達した。さらに、この温度で5時間熟成させて重合を完結させて含水ゲル状物を得た。この含水ゲル状物をニーダー((株)入江商会製、商品名BENCH KNEADERPNV−1;回転数70rpm)で約2時間撹拌して細断し、さらに48%の水酸化ナトリウム溶液192.0gを配合してニーダーで約2時間撹拌して混合し架橋重合体(A1−1)の含水ゲル状重合体(AG1−1)を得た。バンド乾燥機(透気乾燥機、井上金属(株)製)を用いて120℃で1時間の条件で含水ゲル状重合体(AG−1)を乾燥した後、市販のジューサーミキサーにて粉砕し、目開き850及び150μmのふるいを用いて重量平均粒子径を370μmに調整し、さらに含水率を4.5重量%で調整して第一の粒子(P1−1)を得た。
第一の粒子(P1−1)は、重量平均粒子径が380μmであり、以下の粒度を有し、保水量44g/gであり、加圧吸収量10g/gであった。
<第一の粒子(P1−1)の粒度>
(1)850μm以上;2重量%
(2)850μm〜500μm;18重量%
(3)500μm〜300μm;50重量%
(4)300μm〜150μm;27重量%
(5)150μm以下;3重量%
<製造例2>
製造例1で得られた第一の粒子(P1−1)100部を高速撹拌機(ホソカワミクロン(株)製、高速撹拌タービュライザー;回転数2000rpm)に入れて撹拌しながらエチレングリコールジグリシジルエーテルを10重量%の濃度で含む水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)2部(0.1mol%)を高速撹拌機内にスプレー噴霧して第一の粒子(P1−1)と表面架橋剤とを混合した。この混合物を140℃で30分間静置して加熱反応して表面架橋処理を行い、さらに前記の第一の粒子(P1−1)と同様に含水率を4.5重量%に調整し、さらに篩別を行い、重量平均粒子径が380μmの第二の粒子(P2−1)を得た。
第二の粒子(P2−1)の保水量は30g/gであり、加圧吸収量は23g/gであり、以下の粒度を有していた。
<第二の粒子(P2−1)の粒度>
(1)850μ以上;2重量%
(2)850μm〜500μm;18重量%
(3)500μm〜300μm;50重量%
(4)300μm〜150μm;27重量%
(5)150μm以下;3重量%
<製造例3>
製造例1においてペンタエリスリトールトリアリルエーテルの添加量を「0.9g(3.5mmol)」から0.6g(2.33mmol)」に代えたこと以外は製造例1と同様の操作を行い、第二の粒子(P2−2)を得た。
第一の粒子(P1−2)は、重量平均粒子径が380μmであり、以下の粒度を有し、保水量56g/gであり、加圧吸収量8g/gであった。
<粒度>
(1)850μm以上;2重量%
(2)850μm〜500μm;18重量%
(3)500μm〜300μm;50重量%
(4)300μm〜150μm;27重量%
(5)150μm以下;3重量%
<製造例4>
製造例2において第一の粒子(P1−1)を第二の粒子(P1−2)に代え、エチレングリコールジグリシジルエーテルの10重量%溶液の添加量を「2部(0.1mol%)」から「0.7部( 0.035 mol%)」に代えたこと以外は製造例2と同様の第二の粒子(P2−2)を得た。
第一の粒子(P2−2)は、重量平均粒子径が380μmであり、以下の粒度分布を有し、保水量41g/gであり、加圧吸収量14g/gであった。
<粒度分布>
(1)850μm以上;2重量%
(2)850μm〜500μm;18重量%
(3)500μm〜300μm;50重量%
(4)300μm〜150μm;27重量%
(5)150μm以下;3.0重量%
<製造例5>
多孔性のセルロース粒子(商品名「ビスコパールAH−2050L」レンゴー株式会社製、粒子径2mm、カサ比重0.1g/ml、吸水量0.35g/ml)40部をジューサーミキサー(National MX−X53、松下電器(株)製)で粉砕し、目開き150及び710μmのふるいを用いて150〜710μmの粒子径範囲に調整し、セルロース粒子の粉砕物(27部)を得た。得られたセルロース粒子の粉砕物を保水性材料(P3−1)とした。
<実施例1>
密閉可能なポリエチレン製袋(商品名「ユニパックH−4」、(株)生産日本社製)に製造例5で作成した保水材料(P3−1)(35部)と消臭剤(商品名「パンシルBZ−10」、リリース科学工業株式会社製、柿抽出物にアミノ酸、有機酸、無機塩類等を配合した水溶液)124部とを入れて密封し、手で上下に5分間強く振ることで均一に混合して保水材料(P3−1)に消臭剤全量を吸収させた。
卓上ニーダー(入江商会製、PNV−1)に、第一の粒子(P2−1)12.4部と第二の粒子(P2−2)235.2部とを入れて回転数32rpmで5分間撹拌混合した。撹拌を継続しながら、さらに消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部を添加し、さらに回転数32rpmで25分間撹拌して造粒を行い、本発明の複合粒子(Z−1)を含む吸収剤組成物(ZS−1)を得た。
なお、添加した消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)の重量である15.9部は、保水材料(P3−1)とそれに吸収された消臭剤との合計重量である。
<実施例2>
実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)24.8部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)222.8部に代えたこと以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−2)を含む吸収剤組成物(ZS−2)を得た。
<実施例3>
製造例1において、保水材料(P3−1)35部を多孔質の無機物である保水材料(P3−2)(商品名「ヒルイシS S−0」、ヒルイシテック株式会社製、バーミキュライト、カサ比重0.12kg/L、粒度分布(2.5〜1.2mm;0.4%、1.2〜0.6mm;72.4%、0.6以下;27.2%)45部に代えたこと以外は製造例1と同様に行い、保水材料(P3−2)に消臭剤全量を吸収させた。
続いて、実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)61.9部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)に代え、消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部を消臭剤を吸収した保水材料(P3−2)16.9部に代えたこと以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−3)を含む吸収剤組成物(ZS−3)を得た。
<実施例4>
実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)99.0部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)148.6部に代えたこと以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−4)を含む吸収剤組成物(ZS−4)を得た。
<実施例5>
実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)111.4部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)136.2部に代えたこと以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−5)を含む吸収剤組成物(ZS−5)を得た。
<実施例6>
製造例1において、消臭剤(商品名「パンシルBZ−10」、リリース科学工業株式会社製、柿抽出物にアミノ酸、有機酸、無機塩類等を配合した水溶液)をイオン交換水に代えた以外は製造例3と同様に行い、保水材料(P3−1)にイオン交換水全量を吸収させた。
実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)61.9部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)185.7部)に代え、消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部をイオン交換水吸収した保水材料(P3−1)6.36部に代えた以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−6)を含む吸収剤組成物(ZS−6)を得た。
<実施例7>
実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)24.8部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)222.8部に代え、消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部をイオン交換水を吸収した保水材料(P3−1)31.8部に代えたこと以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−7)を含む吸収剤組成物(ZS−7)を得た。
<実施例8>
実施例1において、保水材料(P3−1)35部を保水材料(P3−2)45部に代え、消臭剤をイオン交換水に代えたこと以外は実施例1と同様な操作を行い、保水材料(P3−2)にイオン交換水全量を吸収させた。
実施例1において、第一の粒子(P1−2)12.4部を第一の粒子(P1−1)24.8部に代え、第二の粒子(P2−2)235.2部を第二の粒子(P2−1)222.8部に代え、消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部をイオン交換水を吸収した保水材料(P3−1)60.8部に代えたこと以外は実施例1と同様に行い、本発明の複合粒子(Z−8)を含む吸収剤組成物(ZS−8)を得た。
<比較例1>
卓上ニーダー(入江商会、PNV−1)に、第二の粒子(P2−1)247.6部を入れた後、消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部を加えた後に回転数32rpmで25分間撹拌した。撹拌後の粒度を測定したところ、原料として用いた第二の粒子(P2−1)の粒度とほとんど変化がなく、850μm以上の粒子も増えておらず、造粒は出来なかった。
<比較例2>
卓上ニーダー(入江商会、PNV−1)に、第一の粒子(P1−1)247.6部を入れた後、消臭剤を吸収した保水材料(P3−1)15.9部を加えた後に、回転数(32rpm)で25分間撹拌して造粒を行い、比較用の複合粒子(HZ−2)を含む吸収剤組成物(HZS−2)を得た。
<比較例3>
卓上ニーダー(入江商会、PNV−1)に、第一の粒子(P1−1)247.6部を入れた後、消臭剤(商品名「パンシルBZ−10」、リリース科学工業株式会社製、柿抽出物にアミノ酸、有機酸、無機塩類等を配合した水溶液)124部を加えた後に、回転数(32rpm)で25分間撹拌して造粒を行い、比較用の複合粒子(HZ−3)を含む吸収剤組成物(HZS−3)を得た。
<吸収剤組成物の吸水速度(ゲル化時間)>
25℃の0.1重量%焼石膏水溶液7000gを入れた軸方向を鉛直として置かれた有効容積7000mlのポリエチレン製容器(上部内径2550mm、下部内径1950mm、高さ2350mm)に実施例及び比較例で得られた吸収剤組成物260.0gを一度に投入した後、吸水・膨潤した吸水性樹脂のゲルが、液面上部に達して、液面全体を吸水するまでの時間を測定し、ゲル化時間とした。
ゲル化時間は、吸収剤組成物の吸水速度の指標であり、その値が小さいほど吸水速度が速いことを意味する。
Figure 2020084009
表1の結果から、本発明の複合粒子は、850μm以上の粒度分布の割合が10%以上であり、比較例の複合粒子に比べて、粒度の均一性に優れていることがわかる。
粒度の均一性に優れると、吸収剤組成物の取り扱いにおいて粉末が飛散することが無く取扱い性に優れる。
又、比較例2のように第一の粒子(P1−1)のみを用いて造粒操作をすると、第一の粒子(P1−1)同士が凝集した粒子は得られるものの、その吸水速度は遅く、吸収剤組成物としての吸水性能が劣る。
さらに、実施例における製造方法は簡便であるため生産性を向上でき、凝集強度の高い複合粒子が得られるために輸送などの振動で複合粒子が簡単に解砕されないという効果も持つ。

Claims (7)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる第一の粒子(P1)と、前記第一の粒子(P1)を表面架橋剤(d)で表面架橋処理して得られる第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子。
  2. 請求項1に記載の複合粒子を含む吸収剤組成物
  3. 請求項2に記載の吸収剤組成物であって、吸収剤組成物中に含まれる第一の粒子(P1)の合計重量と第二の粒子(P2)の合計重量との重量比が5:95〜45:55である請求項2に記載の吸収剤組成物。
  4. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A1)からなる第一の粒子(P1)と、前記第一の粒子(P1)を表面架橋剤(d)で表面架橋処理して得られる第二の粒子(P2)とを含む2種以上の粒子が凝集した複合粒子の製造法であり、
    毛細管現象により吸水する保水材料(P3)と前記保水材料(P3)に吸収された水と第一の粒子(P1)と第二の粒子(P2)とを混合する工程(a)を含む複合粒子の製造方法。
  5. 前記保水材料(P3)と前記保水材料(P3)に吸収された水と前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)との混合を
    前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)とを含み、撹拌下にある混合物に対し、水を吸収した前記保水材料(P3)を添加することにより行う請求項4に記載の複合粒子の製造方法。
  6. 前記工程(a)における前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)との重量比が5:95〜45:55である請求項4又は5に記載の複合粒子の製造方法。
  7. 前記工程(a)の開始時における水の合計重量の割合が、前記第一の粒子(P1)と前記第二の粒子(P2)と水との合計重量に基づいて2〜18重量%である請求項4〜6のいずれかに記載の複合粒子の製造方法。
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