JP2020080675A - 作業車の走行支援装置及び作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】土壌が局所的に圧縮されることを回避しやすい作業車の走行支援装置を提供する。【解決手段】圃場Wにおいて走行装置が接地した領域である接地済領域Pを記憶する記憶部と、接地済領域Pを表示する表示部52と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、圃場を走行する作業車に用いられる走行支援装置に関する。
上記のような走行支援装置として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この走行支援装置は、目標走行経路を表示する表示部(特許文献1では「ディスプレイ」)を備えている。
ところで、作業車が圃場を走行すると、タイヤやクローラ等の走行装置が接地した領域における土壌が踏み固められることとなる。そして、圃場において走行装置が複数回接地した部分の土壌は、局所的に圧縮されやすい。土壌が局所的に圧縮された場合、排水性の悪化、養分の浸透性の悪化、根の育成不良が起きやすくなる。
本発明の目的は、土壌が局所的に圧縮されることを回避しやすい作業車の走行支援装置を提供することである。
本発明の特徴は、圃場において走行装置が接地した領域である接地済領域を記憶する記憶部と、前記接地済領域を表示する表示部と、を備えることにある。
本発明であれば、オペレータは、表示部を見ることにより、接地済領域を把握することができる。従って、オペレータは、走行装置が接地済領域を避けるように、作業車を走行させやすくなる。これにより、走行装置が圃場における同一箇所に複数回接地することを回避しやすい。
即ち、本発明であれば、土壌が局所的に圧縮されることを回避しやすい作業車の走行支援装置を実現できる。
さらに、本発明において、前記記憶部は、左右の前記走行装置に対応して少なくとも2つの前記接地済領域を記憶すると好適である。
作業車が左右の走行装置を備えている場合、左右の走行装置と、左右の走行装置の間の部分と、が通過した領域を、1つの接地済領域として記憶する構成が考えられる。その場合、接地済領域は、左右の走行装置に亘る幅を有する帯状の領域となる。しかしながら、この帯状の領域において、幅方向中央の部分には、実際には走行装置が接地していない。即ち、左右の走行装置が実際に接地した領域よりも広い範囲が、接地済領域として表示されてしまう。
ここで、上記の構成によれば、左右の走行装置が実際に接地した領域のみを接地済領域として記憶する構成を実現できる。従って、左右の走行装置が実際に接地した領域よりも広い範囲が接地済領域として表示されてしまう事態を回避できる。
さらに、本発明において、前記表示部は、前記接地済領域のうち、前記接地済領域同士が互いに重複している部分を、重複している前記接地済領域の個数に応じて異なる表示形態で表示すると好適である。
この構成によれば、オペレータは、圃場において走行装置が複数回接地した箇所を容易に把握することができる。さらに、オペレータは、それらの箇所において、走行装置が接地した回数を容易に把握することができる。
さらに、本発明において、前記表示部は、前記接地済領域と、走行軌跡と、を切り替えて表示可能であると好適である。
この構成によれば、オペレータは、接地済領域の表示と、走行軌跡の表示と、を場面に応じて使い分けることが可能となる。
さらに、本発明において、圃場において前記走行装置が接地する予定の領域である接地予定領域に基づいて目標走行経路を決定する経路決定部を備えると好適である。
この構成によれば、走行装置が接地することによる土壌の踏み固めを考慮して、目標走行経路が決定される構成を実現できる。
さらに、本発明において、前記表示部は、前記目標走行経路を表示可能であり、前記表示部は、前記目標走行経路のうち作業車がまだ走行していない部分と、前記接地済領域と、を同時に表示可能であると好適である。
この構成によれば、オペレータは、作業車を目標走行経路に沿って走行させながら、接地済領域をリアルタイムで確認できる。
さらに、本発明において、前記経路決定部は、前記接地予定領域のうち、前記接地済領域と重複する部分、または、前記接地予定領域同士が互いに重複する部分が少なくなるように前記目標走行経路を決定すると好適である。
この構成によれば、決定された目標走行経路に沿って作業車が走行した場合、圃場において走行装置が複数回接地する箇所が比較的少なくなる。これにより、土壌が局所的に圧縮されることを、より確実に回避できる。
さらに、本発明において、前記経路決定部は、前記接地予定領域のうち、前記接地済領域と重複する部分、または、前記接地予定領域同士が互いに重複する部分が所定の個数以下になるように前記目標走行経路を決定すると好適である。
この構成によれば、接地予定領域のうち、接地済領域と重複する部分、または、接地予定領域同士が互いに重複する部分の個数を考慮せずに目標走行経路を決定する構成に比べて、目標走行経路に沿って作業車が走行した場合に圃場において走行装置が複数回接地する箇所が少なくなりやすい。これにより、土壌が局所的に圧縮されることを、より確実に回避できる。
さらに、本発明において、前記走行装置の接地による土壌の踏み固めに関する情報である圧縮関連情報を取得する圧縮関連情報取得部と、前記接地予定領域に前記走行装置が接地した場合に予想される土壌の圧縮の度合いである予想圧縮度を前記圧縮関連情報に基づいて算出する予想圧縮度算出部と、を備え、前記経路決定部は、前記予想圧縮度が所定の第1閾値以下になるように前記目標走行経路を決定すると好適である。
この構成によれば、目標走行経路に沿って作業車が走行した場合における土壌の圧縮の度合いが小さくなりやすい。これにより、土壌の圧縮による悪影響を抑制しやすい。
さらに、本発明において、前記圧縮関連情報取得部は、車軸重量を示す情報、車速を示す情報、舵角を示す情報、走行方向を示す情報、前記走行装置の仕様を示す情報、地面の傾斜を示す情報、前記走行装置の通過回数を示す情報のうちの少なくとも何れか一つを取得すると好適である。
車軸重量、車速、舵角、走行方向、走行装置の仕様、地面の傾斜、走行装置の通過回数に応じて、走行装置が接地した場合の土壌の圧縮の度合いは変化する。
即ち、車軸重量を示す情報、車速を示す情報、舵角を示す情報、走行方向を示す情報、走行装置の仕様を示す情報、地面の傾斜を示す情報、走行装置の通過回数を示す情報は、何れも、圧縮関連情報である。
従って、上記の構成によれば、圧縮関連情報取得部は、圧縮関連情報を確実に取得することができる。これにより、予想圧縮度を確実に算出することが可能となる。
さらに、本発明において、前記接地済領域における土壌の圧縮の度合いである土壌圧縮度を前記圧縮関連情報に基づいて算出する土壌圧縮度算出部を備えると好適である。
この構成によれば、算出された土壌圧縮度に応じて適切な作業をオペレータに提示する構成を実現できる。
さらに、本発明において、心土破砕が必要となる時期を前記土壌圧縮度に基づいて予測する破砕時期予測部を備えると好適である。
この構成によれば、オペレータは、心土破砕が必要となる時期を把握することが可能となる。
さらに、本発明において、前記土壌圧縮度が所定の第2閾値以上であるか否かを判定する土壌圧縮度判定部と、前記土壌圧縮度判定部により前記土壌圧縮度が前記第2閾値以上であると判定された場合に警告を発する警告部と、を備えると好適である。
この構成によれば、オペレータは、土壌圧縮度が比較的大きい場合に、そのことを確実に認識できる。
また、本発明の作業車は、上記の作業車の走行支援装置を備える。
本発明であれば、オペレータは、表示部を見ることにより、接地済領域を把握することができる。従って、オペレータは、走行装置が接地済領域を避けるように、作業車を走行させやすくなる。これにより、走行装置が圃場における同一箇所に複数回接地することを回避しやすい。
即ち、本発明であれば、土壌が局所的に圧縮されることを回避しやすい作業車を実現できる。
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特段の説明がない限り、前後の方向について以下のように記載している。即ち、機体の作業走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。そして、前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
〔トラクタの全体構成〕
図1は、トラクタ100(本発明に係る「作業車」に相当)の構成を示す図である。トラクタ100は、自動運転による作業走行が可能であるように構成されている。
図1は、トラクタ100(本発明に係る「作業車」に相当)の構成を示す図である。トラクタ100は、自動運転による作業走行が可能であるように構成されている。
図1に示すように、トラクタ100の機体前部には、原動部20が設けられている。原動部20は、エンジン20aを有している。また、トラクタ100は、走行車輪30を備えている。走行車輪30は、左前車輪31、右前車輪32、左後車輪33(本発明に係る「走行装置」に相当)、右後車輪34(本発明に係る「走行装置」に相当)を有している。
エンジン20aの動力は、主クラッチ(図示せず)及びトランスミッション60を介して、走行車輪30に伝達される。そして、この動力により、走行車輪30が駆動される。
原動部20の後方には、運転部40が設けられている。図1に示すように、運転部40は、運転座席41、アームレスト42、支持アーム43、ステアリングホイール44、シャトルレバー(図示せず)、クラッチペダル46、左右のブレーキペダル(図示せず)、操作端末50を有している。また、操作端末50は、タッチパネル52(本発明に係る「表示部」及び「警告部」に相当)を有している。運転部40において、オペレータは、手動による各種の運転操作を行うことができる。
図1に示すように、操作端末50は、支持アーム43に支持されている。また、オペレータは、ステアリングホイール44を操作することによって、左前車輪31及び右前車輪32の操向操作を行うことができる。
また、オペレータは、シャトルレバーを操作することによって、トラクタ100の前後進を切り替えることができる。
また、オペレータは、クラッチペダル46を操作することによって、主クラッチの入切操作を行うことができる。
また、オペレータは、左右のブレーキペダルを操作することによって、左右のサイドブレーキの操作を行うことができる。
図1に示すように、トラクタ100の後部には、昇降機構70を介して、耕耘装置71が取り付けられている。耕耘装置71には、エンジン20aの動力がPTO軸72を介して伝達される。そして、この動力により、耕耘装置71が駆動される。
トラクタ100は、耕耘装置71を駆動させながら走行することによって、作業走行を行うことができる。
〔走行支援装置の構成〕
図2に示すように、トラクタ100は、走行支援装置Aを備えている。走行支援装置Aは、車速センサD1、舵角センサD2、傾斜センサD3、自車方位検出装置D4、自車位置検出装置D5を有している。また、操作端末50は、走行支援装置Aに含まれている。そして、操作端末50は、制御部1を有している。
図2に示すように、トラクタ100は、走行支援装置Aを備えている。走行支援装置Aは、車速センサD1、舵角センサD2、傾斜センサD3、自車方位検出装置D4、自車位置検出装置D5を有している。また、操作端末50は、走行支援装置Aに含まれている。そして、操作端末50は、制御部1を有している。
尚、本発明はこれに限定されず、制御部1は、トラクタ100における操作端末50以外に位置する車載マイクロコントローラに含まれていても良いし、トラクタ100の外部に設置されている管理センタ(図示せず)に設けられていても良い。
また、制御部1は、経路決定部2、第1取得部3、仕様情報格納部4、接地済領域算出部5、記憶部6、土壌圧縮度算出部7、圃場情報取得部8、土壌圧縮度判定部9、予想圧縮度判定部11、破砕時期予測部12、選択部27を有している。
経路決定部2は、経路算出部21、接地予定領域算出部22、走行予測部23、第2取得部24、予想圧縮度算出部25、経路選択部26を有している。
また、制御部1は、圧縮関連情報取得部13を有している。第1取得部3及び第2取得部24は、圧縮関連情報取得部13に含まれている。
〔接地済領域の表示について〕
自車方位検出装置D4は、自車の走行方位を経時的に検出する。検出された走行方位は、接地済領域算出部5へ送られる。
自車方位検出装置D4は、自車の走行方位を経時的に検出する。検出された走行方位は、接地済領域算出部5へ送られる。
自車位置検出装置D5は、自車位置を経時的に検出する。検出された自車位置は、接地済領域算出部5へ送られる。
また、上述の通り、トラクタ100の外部には管理センタが設置されている。圃場情報取得部8は、管理センタから、トラクタ100が作業走行を行う圃場Wに関する各種の情報を取得する。この情報には、圃場Wの位置や圃場Wの形状等の情報が含まれている。圃場情報取得部8により取得された情報は、接地済領域算出部5へ送られる。
そして、接地済領域算出部5は、自車方位検出装置D4から受け取った走行方位と、自車位置検出装置D5から受け取った自車位置と、圃場情報取得部8から受け取った情報と、に基づいて、接地済領域Pを算出する。尚、接地済領域Pとは、圃場Wにおいて左後車輪33及び右後車輪34が接地した領域である。
図2に示すように、接地済領域算出部5により算出された接地済領域Pは、記憶部6に記憶される。
記憶部6に記憶された接地済領域Pは、タッチパネル52へ送られる。そして、タッチパネル52は、図3に示すように、接地済領域Pを表示する。
接地済領域Pについて詳述すると、接地済領域算出部5は、第1接地済領域P1及び第2接地済領域P2を算出する。第1接地済領域P1は、左後車輪33に対応する接地済領域Pである。また、第2接地済領域P2は、右後車輪34に対応する接地済領域Pである。
即ち、本実施形態における記憶部6は、左後車輪33及び右後車輪34に対応して2つの接地済領域Pを記憶する。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、接地済領域算出部5が、左前車輪31、右前車輪32、左後車輪33、右後車輪34に対応して4つの接地済領域Pを算出し、記憶部6がそれらの接地済領域Pを記憶する構成であっても良い。また、接地済領域算出部5が1つの接地済領域Pを算出し、記憶部6がその接地済領域Pを記憶する構成であっても良い。即ち、記憶部6が記憶する接地済領域Pの個数は、1つ以上のいかなる個数であっても良い。
また、オペレータによるタッチパネル52に対する操作に応じて、タッチパネル52は、図3及び図4に示すように、接地済領域Pと、走行軌跡Tと、を切り替えて表示する。
即ち、タッチパネル52は、接地済領域Pと、走行軌跡Tと、を切り替えて表示可能である。
また、図5に示すように、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分を、重複している接地済領域Pの個数に応じて異なる表示形態で表示する。
より具体的には、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複していない部分を緑色で表示する。また、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、2つの接地済領域Pが重複している部分を黄色で表示する。また、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、3つの接地済領域Pが重複している部分を赤色で表示する。
即ち、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分を、重複している接地済領域Pの個数に応じて異なる色で表示する。
図5に示す例において、トラクタ100は、第1領域R1を1回のみ通過している。即ち、第1領域R1には、左後車輪33または右後車輪34が1回のみ接地している。
また、トラクタ100は、第2領域R2を2回通過している。即ち、第2領域R2には、左後車輪33または右後車輪34が2回接地している。
また、トラクタ100は、第3領域R3を3回通過している。即ち、第3領域R3には、左後車輪33または右後車輪34が3回接地している。
このとき、接地済領域Pのうち、第1領域R1では、接地済領域P同士が互いに重複していない。そのため、第1領域R1は、緑色で表示される。
また、接地済領域Pのうち、第2領域R2では、2つの接地済領域Pが重複している。そのため、第2領域R2は、黄色で表示される。
また、接地済領域Pのうち、第3領域R3では、3つの接地済領域Pが重複している。そのため、第3領域R3は、赤色で表示される。
また、図6に示す例においては、第4領域R4で、2つの接地済領域Pが部分的に重複している。この場合、接地済領域Pのうち、第4領域R4のみが黄色で表示され、それ以外の部分は緑色で表示される。
〔目標走行経路について〕
図2に示す車速センサD1は、トラクタ100の車速を経時的に検出する。検出された車速(本発明に係る「車速を示す情報」に相当)は、第1取得部3へ送られる。
図2に示す車速センサD1は、トラクタ100の車速を経時的に検出する。検出された車速(本発明に係る「車速を示す情報」に相当)は、第1取得部3へ送られる。
舵角センサD2は、左前車輪31及び右前車輪32の舵角を経時的に検出する。検出された舵角(本発明に係る「舵角を示す情報」に相当)は、第1取得部3へ送られる。
傾斜センサD3は、機体の傾斜角度を経時的に検出する。検出された傾斜角度(本発明に係る「地面の傾斜を示す情報」に相当)は、第1取得部3へ送られる。
また、自車方位検出装置D4により検出された走行方位は、第1取得部3へ送られる。尚、この走行方位は、本発明に係る「走行方向を示す情報」に相当する。
また、自車位置検出装置D5により検出された自車位置は、第1取得部3へ送られる。
第1取得部3において、車速、舵角、走行方位、傾斜角度は、自車位置と対応付けられる。これにより、第1取得部3は、圃場Wの各位置に対応するトラクタ100の車速、舵角、走行方位、傾斜角度を取得することとなる。
仕様情報格納部4には、トラクタ100の様々な仕様情報が格納されている。この仕様情報には、左後車輪33及び右後車輪34の材質、形状、接地面積等の情報(本発明に係る「走行装置の仕様を示す情報」に相当)、及び、車軸重量を示す情報が含まれている。
この仕様情報は、第1取得部3及び第2取得部24へ送られる。
また、接地済領域算出部5は、上述の通りに算出した接地済領域Pに基づいて、圃場Wの各位置における左後車輪33及び右後車輪34の通過回数を示す情報(本発明に係る「走行装置の通過回数を示す情報」に相当)を生成する。生成された情報は、第1取得部3へ送られる。
以上で説明した通り、第1取得部3は様々な情報を取得する。そして、それらの情報は、圧縮関連情報である。尚、圧縮関連情報とは、左後車輪33及び右後車輪34の接地による土壌の踏み固めに関する情報である。
第1取得部3により取得された圧縮関連情報は、土壌圧縮度算出部7へ送られる。
土壌圧縮度算出部7は、接地済領域算出部5から、接地済領域Pを示す情報を取得する。そして、土壌圧縮度算出部7は、第1取得部3から受け取った圧縮関連情報と、接地済領域算出部5から受け取った接地済領域Pを示す情報と、に基づいて、土壌圧縮度を算出する。尚、土壌圧縮度とは、接地済領域Pにおける土壌の圧縮の度合いである。
本実施形態において、土壌圧縮度算出部7は、接地済領域Pの各位置に対応する土壌圧縮度を算出する。算出された土壌圧縮度は、予想圧縮度算出部25へ送られる。
また、圃場情報取得部8により取得された情報は、経路決定部2へ送られる。
また、記憶部6に記憶された接地済領域Pを示す情報は、経路選択部26へ送られる。
そして、経路決定部2は、トラクタ100の目標走行経路Lを決定する。以下では、図2を参照して、目標走行経路Lの決定について詳述する。
経路決定部2が目標走行経路Lを決定する際には、まず、経路算出部21において、圃場情報取得部8から受け取った情報に基づいて、目標走行経路Lの候補となる複数の候補経路を算出する。本実施形態においては、このとき、互いに異なる5つの候補経路が算出される。算出された複数の候補経路は、接地予定領域算出部22へ送られる。
接地予定領域算出部22は、経路算出部21により算出された各候補経路に沿ってトラクタ100が走行する場合の接地予定領域Qを算出する。尚、接地予定領域Qとは、圃場Wにおいて左後車輪33及び右後車輪34が接地する予定の領域である。算出された各接地予定領域Qは、各候補経路と対応付けられた状態で、走行予測部23へ送られる。
走行予測部23は、接地予定領域算出部22から受け取った各接地予定領域Q及び各候補経路に基づいて、各候補経路に沿ってトラクタ100が走行する場合のトラクタ100の挙動を予測する。そして、走行予測部23は、予測結果に基づいて、圃場Wの各位置に対応する圧縮関連情報を、各候補経路と対応付けて生成する。
具体的には、このとき、走行予測部23は、予測されるトラクタ100の挙動に基づいて、圃場Wの各位置におけるトラクタ100の車速(本発明に係る「車速を示す情報」に相当)、舵角(本発明に係る「舵角を示す情報」に相当)、走行方位(本発明に係る「走行方向を示す情報」に相当)、傾斜角度(本発明に係る「地面の傾斜を示す情報」に相当)、左後車輪33及び右後車輪34の通過回数(本発明に係る「走行装置の通過回数を示す情報」に相当)を生成する。
走行予測部23により生成された圧縮関連情報は、第2取得部24へ送られる。
このように、圧縮関連情報取得部13は、圧縮関連情報を取得する。
第2取得部24により取得された圧縮関連情報は、各候補経路及び各接地予定領域Qと対応付けられた状態で、予想圧縮度算出部25へ送られる。
予想圧縮度算出部25は、第2取得部24から受け取った圧縮関連情報と、土壌圧縮度算出部7から受け取った土壌圧縮度と、に基づいて、各候補経路に対応する予想圧縮度を算出する。尚、予想圧縮度とは、接地予定領域Qに左後車輪33及び右後車輪34が接地した場合に予想される土壌の圧縮の度合いである。
また、本実施形態における予想圧縮度は、接地予定領域Qに左後車輪33及び右後車輪34が接地した後の土壌圧縮度の予測値である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、予想圧縮度は、接地予定領域Qに左後車輪33及び右後車輪34が接地する前の土壌圧縮度と接地した後の土壌圧縮度との差分に相当する値であっても良い。
本実施形態において、予想圧縮度算出部25は、接地予定領域Qの各位置に対応する予想圧縮度を算出する。算出された予想圧縮度は、各候補経路及び各接地予定領域Qと対応付けられた状態で、経路選択部26へ送られる。
経路選択部26は、各候補経路のうち、「対応する予想圧縮度が所定の第1閾値以下である」という条件に合致する各候補経路を抽出する。
尚、本実施形態においては、接地予定領域Qの各位置に対応する各予想圧縮度が、何れも第1閾値以下である場合に、予想圧縮度が所定の第1閾値以下であると判定される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、接地予定領域Qの各位置に対応する各予想圧縮度の平均値が第1閾値以下である場合に、予想圧縮度が所定の第1閾値以下であると判定される構成であっても良い。
次に、経路選択部26は、記憶部6から受け取った接地済領域Pを示す情報に基づき、抽出された各候補経路について、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分を算出する。尚、領域重複部分とは、接地予定領域Qのうち、接地済領域Pと重複する部分、及び、接地予定領域Q同士が互いに重複する部分の総称である。
そして、経路選択部26は、抽出された各候補経路のうち、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分が最も少ない候補経路を選択する。選択された候補経路は、目標走行経路Lとして決定される。
以上で説明したように、経路決定部2は、接地予定領域Qに基づいて目標走行経路Lを決定する。また、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち、接地済領域Pと重複する部分、または、接地予定領域Q同士が互いに重複する部分が少なくなるように目標走行経路Lを決定する。また、経路決定部2は、予想圧縮度が所定の第1閾値以下になるように目標走行経路Lを決定する。
尚、経路決定部2が目標走行経路Lを決定するタイミングは、トラクタ100が圃場Wでの作業走行を開始する前であっても良いし、作業走行を開始した後であっても良い。
トラクタ100が圃場Wでの作業走行を開始する前に目標走行経路Lが決定される場合、接地済領域Pはまだ存在しない。従って、その場合には、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複する部分が少なくなるように目標走行経路Lを決定することとなる。
また、経路決定部2は、圃場Wの全体を網羅するような目標走行経路Lを決定するように構成されていても良い。また、経路決定部2は、トラクタ100の作業走行の進捗に伴って、目標走行経路Lを順次決定していくように構成されていても良い。
以下では、図7及び図8を参照し、経路選択部26における候補経路の選択について具体例を挙げて説明する。この具体例では、「対応する予想圧縮度が所定の第1閾値以下である」という条件に合致する候補経路として、図7に示す第1候補経路C1と、図8に示す第2候補経路C2と、が抽出されているものとする。また、この具体例では、トラクタ100が圃場Wでの作業走行を開始する前に、経路決定部2が、圃場Wの全体を網羅するような目標走行経路Lを決定するものとする。
第1候補経路C1及び第2候補経路C2は、何れも、トラクタ100が出入口Waより圃場Wに進入し、往復走行によって圃場Wの全体を作業走行した後、作業完了地点Wbから出入口Waへ戻る経路である。そして、第1候補経路C1及び第2候補経路C2において、トラクタ100が出入口Waより圃場Wに進入してから作業完了地点Wbに到達するまでの部分は、互いに同一である。
しかしながら、第1候補経路C1及び第2候補経路C2において、作業完了地点Wbから出入口Waへ戻る経路は、互いに異なる。
図7に示すように、第1候補経路C1において、作業完了地点Wbから出入口Waへ戻る経路のうちの半分以上の部分は、出入口Waより圃場Wに進入してから最初に旋回するまでの部分と重複している。尚、図7においては、図示の都合上、この重複部分を互いに少しずらして描いている。
その結果、第1候補経路C1に対応する接地予定領域Qは、領域重複部分として、第1重複部分V1、第2重複部分V2、第3重複部分V3を有している。図7に示すように、第1重複部分V1及び第2重複部分V2の各面積は比較的大きい。また、第3重複部分V3の面積は比較的小さい。
また、図8に示すように、第2候補経路C2において、作業完了地点Wbから出入口Waへ戻る経路は、最初の旋回経路と交差しており、その他の部分とは重複していない。
その結果、第2候補経路C2に対応する接地予定領域Qは、領域重複部分として、第4重複部分V4、第5重複部分V5、第6重複部分V6を有している。図8に示すように、第4重複部分V4、第5重複部分V5、第6重複部分V6の各面積は比較的小さい。
そして、経路選択部26は、第1重複部分V1、第2重複部分V2、第3重複部分V3の各面積の和と、第4重複部分V4、第5重複部分V5、第6重複部分V6の各面積の和と、を比較する。この具体例では、第4重複部分V4、第5重複部分V5、第6重複部分V6の各面積の和は、第1重複部分V1、第2重複部分V2、第3重複部分V3の各面積の和よりも小さい。
そのため、経路選択部26は、第1候補経路C1と第2候補経路C2とのうち、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分が最も少ない候補経路として、第2候補経路C2を選択する。選択された第2候補経路C2は、目標走行経路Lとして決定される。
〔目標走行経路及び接地予定領域の表示について〕
図2に示すように、経路決定部2により決定された目標走行経路Lは、算出された接地予定領域Qと共に、タッチパネル52へ送られる。そして、タッチパネル52は、図3及び図4に示すように、目標走行経路Lを表示する。
図2に示すように、経路決定部2により決定された目標走行経路Lは、算出された接地予定領域Qと共に、タッチパネル52へ送られる。そして、タッチパネル52は、図3及び図4に示すように、目標走行経路Lを表示する。
図3に示すように、タッチパネル52は、目標走行経路Lのうちトラクタ100がまだ走行していない部分と、接地済領域Pと、を同時に表示可能である。
また、タッチパネル52は、図9に示すように、接地予定領域Qを表示する。尚、図9に示すように、タッチパネル52は、接地済領域Pと接地予定領域Qとを同時に表示可能である。
接地予定領域Qについて詳述すると、接地予定領域算出部22は、第1接地予定領域Q1及び第2接地予定領域Q2を算出する。第1接地予定領域Q1は、左後車輪33に対応する接地予定領域Qである。また、第2接地予定領域Q2は、右後車輪34に対応する接地予定領域Qである。
即ち、本実施形態における接地予定領域算出部22は、左後車輪33及び右後車輪34に対応して2つの接地予定領域Qを算出する。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、接地予定領域算出部22が、左前車輪31、右前車輪32、左後車輪33、右後車輪34に対応して4つの接地予定領域Qを算出する構成であっても良い。また、接地予定領域算出部22が1つの接地予定領域Qを算出する構成であっても良い。即ち、接地予定領域算出部22が算出する接地予定領域Qの個数は、1つ以上のいかなる個数であっても良い。
また、オペレータによるタッチパネル52に対する操作に応じて、タッチパネル52は、図3及び図9に示すように、接地予定領域Qと、目標走行経路Lと、を切り替えて表示する。
即ち、タッチパネル52は、接地予定領域Qと、目標走行経路Lと、を切り替えて表示可能である。
また、図10に示すように、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複している部分を、重複している接地予定領域Qの個数に応じて異なる表示形態で表示する。
より具体的には、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複していない部分を水色で表示する。また、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、2つの接地予定領域Qが重複している部分を青色で表示する。また、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、3つの接地予定領域Qが重複している部分を黒色で表示する。
即ち、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複している部分を、重複している接地予定領域Qの個数に応じて異なる色で表示する。
図10に示す例において、トラクタ100は、第5領域R5を1回のみ通過する予定である。即ち、第5領域R5には、左後車輪33または右後車輪34が1回のみ接地する予定である。
また、トラクタ100は、第6領域R6を2回通過する予定である。即ち、第6領域R6には、左後車輪33または右後車輪34が2回接地する予定である。
また、トラクタ100は、第7領域R7を3回通過する予定である。即ち、第7領域R7には、左後車輪33または右後車輪34が3回接地する予定である。
このとき、接地予定領域Qのうち、第5領域R5では、接地予定領域Q同士が互いに重複していない。そのため、第5領域R5は、水色で表示される。
また、接地予定領域Qのうち、第6領域R6では、2つの接地予定領域Qが重複している。そのため、第6領域R6は、青色で表示される。
また、接地予定領域Qのうち、第7領域R7では、3つの接地予定領域Qが重複している。そのため、第7領域R7は、黒色で表示される。
また、図11に示す例においては、第8領域R8で、2つの接地予定領域Qが部分的に重複している。この場合、接地予定領域Qのうち、第8領域R8のみが青色で表示され、それ以外の部分は水色で表示される。
〔破砕時期の予測について〕
図2に示すように、土壌圧縮度算出部7により算出された土壌圧縮度は、破砕時期予測部12へ送られる。また、経路決定部2により目標走行経路Lが決定されると、算出された予想圧縮度が破砕時期予測部12へ送られる。
図2に示すように、土壌圧縮度算出部7により算出された土壌圧縮度は、破砕時期予測部12へ送られる。また、経路決定部2により目標走行経路Lが決定されると、算出された予想圧縮度が破砕時期予測部12へ送られる。
破砕時期予測部12は、土壌圧縮度算出部7から受け取った土壌圧縮度と、経路決定部2から受け取った予想圧縮度と、に基づいて、心土破砕が必要となる時期を予測する。破砕時期予測部12による予測結果は、タッチパネル52へ送られる。そして、タッチパネル52は、破砕時期予測部12による予測結果に基づいて、心土破砕が必要となる時期を表示する。また、タッチパネル52は、心土破砕が必要となる時期になると、その旨を表示する。
〔警告表示について〕
図2に示すように、土壌圧縮度算出部7により算出された土壌圧縮度は、土壌圧縮度判定部9へ送られる。
図2に示すように、土壌圧縮度算出部7により算出された土壌圧縮度は、土壌圧縮度判定部9へ送られる。
土壌圧縮度判定部9は、土壌圧縮度算出部7から受け取った土壌圧縮度が所定の第2閾値以上であるか否かを判定する。土壌圧縮度が第2閾値以上であると判定された場合、土壌圧縮度判定部9は、警告信号をタッチパネル52へ送る。タッチパネル52は、警告信号を受け取ると、警告表示を行うことにより警告を発する。
この警告表示により、オペレータは、土壌の圧縮の度合いが比較的高いレベルに達していることを知ることができる。
尚、本実施形態においては、接地済領域Pの各位置に対応する各土壌圧縮度のうちの何れかが第2閾値以上である場合に、土壌圧縮度が第2閾値以上であると判定される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、接地済領域Pの各位置に対応する各土壌圧縮度の平均値が第2閾値以上である場合に、土壌圧縮度が第2閾値以上であると判定される構成であっても良い。
また、図2に示すように、経路決定部2により目標走行経路Lが決定されると、算出された予想圧縮度が予想圧縮度判定部11へ送られる。
予想圧縮度判定部11は、経路決定部2から受け取った予想圧縮度が所定の第2閾値以上であるか否かを判定する。予想圧縮度が第2閾値以上であると判定された場合、予想圧縮度判定部11は、警告信号をタッチパネル52へ送る。タッチパネル52は、警告信号を受け取ると、警告表示を行うことにより警告を発する。
この警告表示により、オペレータは、予想される土壌の圧縮の度合いが比較的高いレベルに達していることを知ることができる。
尚、本実施形態においては、接地予定領域Qの各位置に対応する各予想圧縮度のうちの何れかが第2閾値以上である場合に、予想圧縮度が第2閾値以上であると判定される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、接地予定領域Qの各位置に対応する各予想圧縮度の平均値が第2閾値以上である場合に、予想圧縮度が第2閾値以上であると判定される構成であっても良い。
〔分散式経路決定及び集中式経路決定について〕
トラクタ100とは別の作業車が圃場Wにおいて走行した後、トラクタ100が圃場Wにおいて走行する場合、経路決定部2は、分散式経路決定または集中式経路決定により、目標走行経路Lを決定することができる。
トラクタ100とは別の作業車が圃場Wにおいて走行した後、トラクタ100が圃場Wにおいて走行する場合、経路決定部2は、分散式経路決定または集中式経路決定により、目標走行経路Lを決定することができる。
以下では、この作業車を先行作業車と呼称し、分散式経路決定及び集中式経路決定について詳述する。
先行作業車が圃場Wにおいて走行した場合、図2には示されていないが、先行作業車の走行中の位置及び走行方位は、接地済領域算出部5へ送られる。そして、接地済領域算出部5は、受け取った先行作業車の位置及び走行方位と、圃場情報取得部8から受け取った情報と、に基づいて、接地済領域Pを算出する。
尚、このとき算出される接地済領域Pは、圃場Wにおいて先行作業車の走行装置が接地した領域である。
そして、算出された接地済領域Pは、記憶部6に記憶される。その後、トラクタ100が圃場Wにおいて走行を開始するに際して、図12に示すように、タッチパネル52に選択画面が表示される。この選択画面には、分散式ボタン52aと、集中式ボタン52bと、が表示される。
オペレータが分散式ボタン52aをタッチすると、図2に示すように、タッチパネル52から所定の信号が選択部27へ送られる。そして、選択部27は、この信号を受け取ると、分散式経路決定を実行させる指示信号を経路決定部2へ送る。経路決定部2は、この指示信号を受け取ると、分散式経路決定により目標走行経路Lを決定する。即ち、経路決定部2は、オペレータによる入力に応じて、分散式経路決定を実行可能である。
また、オペレータが集中式ボタン52bをタッチすると、図2に示すように、タッチパネル52から所定の信号が選択部27へ送られる。そして、選択部27は、この信号を受け取ると、集中式経路決定を実行させる指示信号を経路決定部2へ送る。経路決定部2は、この指示信号を受け取ると、集中式経路決定により目標走行経路Lを決定する。即ち、経路決定部2は、オペレータによる入力に応じて、集中式経路決定を実行可能である。
尚、本発明はこれに限定されず、経路決定部2は、分散式経路決定及び集中式経路決定以外の処理を実行可能であっても良い。そして、上記の選択画面には、分散式経路決定及び集中式経路決定以外の処理に対応するボタンが表示されていても良い。
即ち、選択部27は、オペレータによる入力に応じて、分散式経路決定及び集中式経路決定を含む複数種の処理から、経路決定部2により実行される処理を選択する。
本実施形態では、分散式経路決定において、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち接地済領域Pと重複する部分が少なくなるように目標走行経路Lを決定する。また、集中式経路決定において、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち接地済領域Pと重複する部分が多くなるように目標走行経路Lを決定する。
以下では、図13を参照し、分散式経路決定及び集中式経路決定について具体例を挙げて説明する。この具体例において、先行作業車は、第1出入口Wcから圃場Wに進入し、Uターンした後、第2出入口Wdへ到達している。その後、トラクタ100も、第1出入口Wcから圃場Wに進入し、Uターンした後、第2出入口Wdへ到達するように走行するものとする。
ここで、トラクタ100が圃場Wにおいて走行を開始するに際して、上述の通り、タッチパネル52に選択画面が表示される。このとき、経路算出部21により、複数の候補経路が算出される。
図13に示す例では、算出された複数の候補経路に、第3候補経路C3及び第4候補経路C4が含まれている。そして、第3候補経路C3は、算出された複数の候補経路のうち、対応する接地予定領域Qと接地済領域Pとの重複部分が最も少ないものである。また、第4候補経路C4は、算出された複数の候補経路のうち、対応する接地予定領域Qと接地済領域Pとの重複部分が最も多いものである。
実際に、図13に示すように、第3候補経路C3に対応する接地予定領域Qは、接地済領域Pとの重複部分として、第7重複部分V7及び第8重複部分V8を有している。そして、第7重複部分V7及び第8重複部分V8の各面積は比較的小さい。
また、第4候補経路C4に対応する接地予定領域Qは、接地済領域Pとの重複部分として、第9重複部分V9及び第10重複部分V10を有している。そして、第9重複部分V9及び第10重複部分V10の各面積は比較的大きい。
尚、この例では、第4候補経路C4に対応する接地予定領域Qは、接地済領域Pに一致している。即ち、第4候補経路C4に対応する接地予定領域Qの全体が、第9重複部分V9及び第10重複部分V10により占められている。
そして、オペレータが分散式ボタン52aをタッチすると、経路決定部2により分散式経路決定が実行される。これにより、経路選択部26は、算出された複数の候補経路のうち、第3候補経路C3を選択する。選択された第3候補経路C3は、目標走行経路Lとして決定される。
また、オペレータが集中式ボタン52bをタッチすると、経路決定部2により集中式経路決定が実行される。これにより、経路選択部26は、算出された複数の候補経路のうち、第4候補経路C4を選択する。選択された第4候補経路C4は、目標走行経路Lとして決定される。
尚、以上で説明した構成では、オペレータが分散式ボタン52aまたは集中式ボタン52bをタッチする前に、経路算出部21によって複数の候補経路が算出される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、オペレータが分散式ボタン52aまたは集中式ボタン52bをタッチした後に、経路算出部21によって複数の候補経路が算出されても良い。
また、分散式経路決定において、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち接地済領域Pと重複する部分が所定の個数以下になるように目標走行経路Lを決定しても良い。また、集中式経路決定において、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち接地済領域Pと重複する部分が所定の個数以上になるように目標走行経路Lを決定しても良い。
また、以上の説明では、トラクタ100とは別の作業車が圃場Wにおいて走行した後、トラクタ100が圃場Wにおいて走行する場合について説明した。しかしながら、トラクタ100が圃場Wにおいて走行した後、再びトラクタ100が圃場Wにおいて走行する場合にも、経路決定部2は、分散式経路決定または集中式経路決定により、以上の説明と同様に目標走行経路Lを決定することができる。
以上で説明した構成によれば、オペレータは、タッチパネル52を見ることにより、接地済領域Pを把握することができる。従って、オペレータは、左後車輪33及び右後車輪34が接地済領域Pを避けるように、トラクタ100を走行させやすくなる。これにより、左後車輪33及び右後車輪34が圃場Wにおける同一箇所に複数回接地することを回避しやすい。
即ち、以上で説明した構成であれば、土壌が局所的に圧縮されることを回避しやすいトラクタ100の走行支援装置Aを実現できる。
〔第1別実施形態〕
上記実施形態においては、経路選択部26は、経路算出部21により算出された各候補経路のうち、「対応する予想圧縮度が所定の第1閾値以下である」という条件に合致する各候補経路を抽出する。そして、経路選択部26は、抽出された各候補経路のうち、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分が最も少ない候補経路を選択する。選択された候補経路は、目標走行経路Lとして決定される。
上記実施形態においては、経路選択部26は、経路算出部21により算出された各候補経路のうち、「対応する予想圧縮度が所定の第1閾値以下である」という条件に合致する各候補経路を抽出する。そして、経路選択部26は、抽出された各候補経路のうち、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分が最も少ない候補経路を選択する。選択された候補経路は、目標走行経路Lとして決定される。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第1別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
本発明に係る第1別実施形態において、経路選択部26は、経路算出部21により算出された各候補経路について、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分を算出する。
次に、経路選択部26は、各候補経路のうち、「対応する予想圧縮度が所定の第1閾値以下であり、且つ、対応する接地予定領域Qにおける領域重複部分が所定の個数以下である」という条件に合致する各候補経路を抽出する。
そして、経路選択部26は、抽出された各候補経路のうち、最も作業効率の良い候補経路を選択する。選択された候補経路は、目標走行経路Lとして決定される。
以上で説明したように、本発明に係る第1別実施形態において、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち、接地済領域Pと重複する部分、または、接地予定領域Q同士が互いに重複する部分が所定の個数以下になるように目標走行経路Lを決定する。
尚、経路決定部2が目標走行経路Lを決定するタイミングは、トラクタ100が圃場Wでの作業走行を開始する前であっても良いし、作業走行を開始した後であっても良い。
トラクタ100が圃場Wでの作業走行を開始する前に目標走行経路Lが決定される場合、接地済領域Pはまだ存在しない。従って、その場合には、経路決定部2は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複する部分が所定の個数以下になるように目標走行経路Lを決定することとなる。
尚、以上に記載した各実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
〔その他の実施形態〕
(1)トラクタ100は、自動運転による作業走行ができず、手動運転による作業走行のみが可能である構成であっても良い。
(1)トラクタ100は、自動運転による作業走行ができず、手動運転による作業走行のみが可能である構成であっても良い。
(2)タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分を、重複している接地済領域Pの個数に応じて異なる模様で表示するように構成されていても良い。また、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分を、重複している接地済領域Pの個数に応じて異なる表示濃度で表示するように構成されていても良い。
(3)土壌圧縮度算出部7は、接地済領域Pの全体に対応する1つの土壌圧縮度を算出するように構成されていても良い。
(4)予想圧縮度算出部25は、接地予定領域Qの全体に対応する1つの予想圧縮度を算出するように構成されていても良い。
(5)経路決定部2は、走行経路を仮算出し、接地予定領域Qに基づいて走行経路を修正することにより目標走行経路Lを決定するように構成されていても良い。
(6)タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複している部分を、重複している接地予定領域Qの個数に応じて異なる模様で表示するように構成されていても良い。また、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複している部分を、重複している接地予定領域Qの個数に応じて異なる表示濃度で表示するように構成されていても良い。
(7)走行支援装置Aは、トラクタ100の外部に設けられていても良い。例えば、走行支援装置Aは、トラクタ100の外部に設置された管理センタに設けられていても良いし、携帯通信端末に備えられていても良い。
(8)土壌圧縮度判定部9により土壌圧縮度が第2閾値以上であると判定された場合に警告を発するスピーカーやランプ等が設けられていても良い。この場合、スピーカーやランプ等は本発明に係る「警告部」に相当する。
(9)土壌圧縮度判定部9は設けられていなくても良い。
(10)予想圧縮度判定部11は設けられていなくても良い。
(11)破砕時期予測部12は設けられていなくても良い。
(12)土壌圧縮度算出部7は設けられていなくても良い。
(13)圧縮関連情報取得部13は設けられていなくても良い。
(14)予想圧縮度算出部25は設けられていなくても良い。
(15)経路決定部2は、予想圧縮度とは無関係に目標走行経路Lを決定するように構成されていても良い。
(16)経路決定部2は、領域重複部分とは無関係に目標走行経路Lを決定するように構成されていても良い。
(17)タッチパネル52は、目標走行経路Lを表示できないように構成されていても良い。
(18)経路決定部2は設けられていなくても良い。
(19)タッチパネル52は、走行軌跡Tを表示できないように構成されていても良い。
(20)タッチパネル52は、接地予定領域Qを表示できないように構成されていても良い。
(21)タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分を、重複している接地済領域Pの個数にかかわらず、均一な表示形態で表示しても良い。また、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分と、重複していない部分と、を同一の表示形態で表示しても良い。
(22)走行車輪30に代えて、クローラ式走行装置を備えていても良い。この場合、クローラ式走行装置は本発明に係る「走行装置」に相当する。
(23)タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複している部分を、重複している接地済領域Pの個数に応じて異なる数字が付された状態で表示するように構成されていても良い。この数字は、例えば、重複している接地済領域Pの個数に応じたランクを示す値であっても良いし、重複している接地済領域Pの個数そのものを示す値であっても良い。
(24)タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複している部分を、重複している接地予定領域Qの個数に応じて異なる数字が付された状態で表示するように構成されていても良い。この数字は、例えば、重複している接地予定領域Qの個数に応じたランクを示す値であっても良いし、重複している接地予定領域Qの個数そのものを示す値であっても良い。
(25)タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、接地済領域P同士が互いに重複していない部分を緑色以外の色で表示するように構成されていても良い。また、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、2つの接地済領域Pが重複している部分を黄色以外の色で表示するように構成されていても良い。また、タッチパネル52は、接地済領域Pのうち、3つの接地済領域Pが重複している部分を赤色以外の色で表示するように構成されていても良い。
(26)タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、接地予定領域Q同士が互いに重複していない部分を水色以外の色で表示するように構成されていても良い。また、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、2つの接地予定領域Qが重複している部分を青色以外の色で表示するように構成されていても良い。また、タッチパネル52は、接地予定領域Qのうち、3つの接地予定領域Qが重複している部分を黒色以外の色で表示するように構成されていても良い。
本発明は、トラクタの他、自脱型コンバイン、普通型コンバイン、トウモロコシ収穫機、田植機等にも利用可能である。
2 経路決定部
6 記憶部
7 土壌圧縮度算出部
9 土壌圧縮度判定部
12 破砕時期予測部
13 圧縮関連情報取得部
25 予想圧縮度算出部
33 左後車輪(走行装置)
34 右後車輪(走行装置)
52 タッチパネル(表示部、警告部)
100 トラクタ(作業車)
A 走行支援装置
L 目標走行経路
P 接地済領域
Q 接地予定領域
T 走行軌跡
W 圃場
6 記憶部
7 土壌圧縮度算出部
9 土壌圧縮度判定部
12 破砕時期予測部
13 圧縮関連情報取得部
25 予想圧縮度算出部
33 左後車輪(走行装置)
34 右後車輪(走行装置)
52 タッチパネル(表示部、警告部)
100 トラクタ(作業車)
A 走行支援装置
L 目標走行経路
P 接地済領域
Q 接地予定領域
T 走行軌跡
W 圃場
Claims (14)
- 圃場において走行装置が接地した領域である接地済領域を記憶する記憶部と、
前記接地済領域を表示する表示部と、を備える作業車の走行支援装置。 - 前記記憶部は、左右の前記走行装置に対応して少なくとも2つの前記接地済領域を記憶する請求項1に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記表示部は、前記接地済領域のうち、前記接地済領域同士が互いに重複している部分を、重複している前記接地済領域の個数に応じて異なる表示形態で表示する請求項1または2に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記表示部は、前記接地済領域と、走行軌跡と、を切り替えて表示可能である請求項1から3の何れか一項に記載の作業車の走行支援装置。
- 圃場において前記走行装置が接地する予定の領域である接地予定領域に基づいて目標走行経路を決定する経路決定部を備える請求項1から4の何れか一項に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記表示部は、前記目標走行経路を表示可能であり、
前記表示部は、前記目標走行経路のうち作業車がまだ走行していない部分と、前記接地済領域と、を同時に表示可能である請求項5に記載の作業車の走行支援装置。 - 前記経路決定部は、前記接地予定領域のうち、前記接地済領域と重複する部分、または、前記接地予定領域同士が互いに重複する部分が少なくなるように前記目標走行経路を決定する請求項5または6に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記経路決定部は、前記接地予定領域のうち、前記接地済領域と重複する部分、または、前記接地予定領域同士が互いに重複する部分が所定の個数以下になるように前記目標走行経路を決定する請求項5または6に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記走行装置の接地による土壌の踏み固めに関する情報である圧縮関連情報を取得する圧縮関連情報取得部と、
前記接地予定領域に前記走行装置が接地した場合に予想される土壌の圧縮の度合いである予想圧縮度を前記圧縮関連情報に基づいて算出する予想圧縮度算出部と、を備え、
前記経路決定部は、前記予想圧縮度が所定の第1閾値以下になるように前記目標走行経路を決定する請求項5から8の何れか一項に記載の作業車の走行支援装置。 - 前記圧縮関連情報取得部は、車軸重量を示す情報、車速を示す情報、舵角を示す情報、走行方向を示す情報、前記走行装置の仕様を示す情報、地面の傾斜を示す情報、前記走行装置の通過回数を示す情報のうちの少なくとも何れか一つを取得する請求項9に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記接地済領域における土壌の圧縮の度合いである土壌圧縮度を前記圧縮関連情報に基づいて算出する土壌圧縮度算出部を備える請求項9または10に記載の作業車の走行支援装置。
- 心土破砕が必要となる時期を前記土壌圧縮度に基づいて予測する破砕時期予測部を備える請求項11に記載の作業車の走行支援装置。
- 前記土壌圧縮度が所定の第2閾値以上であるか否かを判定する土壌圧縮度判定部と、
前記土壌圧縮度判定部により前記土壌圧縮度が前記第2閾値以上であると判定された場合に警告を発する警告部と、を備える請求項11または12に記載の作業車の走行支援装置。 - 請求項1から13の何れか一項に記載の作業車の走行支援装置を備える作業車。
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