<第一の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す構成は一例であり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムとしての遠隔読影システムの全体構成の一例を示す。本実施形態において、遠隔読影システムは、各拠点として、データセンター、依頼施設、読影センター、および読影医の自宅を含み、各拠点はネットワーク115にて通信可能に接続されている。
遠隔読影システムを利用する各ユーザは、それぞれの拠点に配置されたクライアント端末であるPC(109、112、113、114)からのアクセス開始時に、認証サーバ116が提供する認証機能により認証を行う。正常に認証された後、ユーザにはポータルサーバ102が提供するポータル画面(不図示)が提示される。また、ユーザは、SNSサーバ104を用いてユーザ同士のメッセージのやり取りを行うことができる。
依頼施設において、遠隔読影に用いる画像データ(医用画像データ)は、撮影装置(医用画像機器)であるモダリティ111によって撮影された後、画像中継クライアント110に送信される。ここでの画像データは例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)形式の画像データが挙げられる。画像中継クライアント110は、モダリティ111から送信されてきた画像データをアーカイブし、その後、データセンターに配置された画像中継サーバ107に送信する。画像中継サーバ107は、依頼施設から送信されてきた画像データを処理し、ストレージ管理サーバ105に送信する。ストレージ管理サーバで105は、各画像データに対してユニークなID(識別情報)を発行し、外部記憶装置117に保管する。依頼施設の読影依頼業務を行う担当者は、依頼端末109を用いて読影の依頼時に必要な情報(依頼情報)を入力し、その依頼情報は画像データと共にデータセンターへと送信される。各依頼情報は、データセンター側でデータベース108に保管される。なお、本明細書においては、依頼情報と画像データとが対応しており、依頼情報の振り分けはすなわち画像データの振り分けとして扱う。
読影を行う読影医は、読影センターに配置された読影端末113(もしくは、自宅に配置された読影端末114)を用いて、割り当てられた読影の依頼に対応する読影用の画像データを配信サーバ106からダウンロードして参照し、読影を行う。その後、読影医は、読影した結果のレポートを、読影端末113上で動作するアプリケーション(不図示)を用いて作成する。作成したレポートは、レポートサーバ103に送信され、データベース108に保管される。なお、ここでは、読影端末として、読影センターおよび読影医の自宅の例を示したが、いずれの場所に配置されてもよく、また、モバイル端末などを用いて参照できるようにしても構わない。
図2は、各種サーバや端末などの情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM202あるいは外部メモリ211には、BIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステム(OS)、および各端末の機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶される。
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードし、実行することで各種動作を実現する。入力コントローラ205は、キーボード(KB)209やマウス等のポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ210への表示を制御する。
メモリコントローラ207は、各種データ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211としては例えば、外部記憶装置(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等が挙げられる。通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク(例えば、図1に示すネットワーク115)を介して外部機器と接続および通信制御を行う。通信I/Fコントローラ208は、例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
本発明を実現するための各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行される。さらに、プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらの詳細な説明については後述する。
[機能構成]
図3は、本実施形態に係る遠隔読影サーバ101の機能の構成例を示す図である。
依頼施設に位置する依頼端末109から依頼申請画面等の表示に必要なデータのリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼検索機能301でリクエストを解析する。そして、遠隔読影サーバ101は、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を検索し、依頼端末109に表示情報(例えば、Webページ)を返す。つまり、依頼検索機能301は、後述する処理フローにおけるS202とS402等の処理を実行する機能部である。依頼端末109から依頼申請のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼申請機能302でリクエストを解析し、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を更新する。つまり、依頼申請機能302は、後述する処理フローにおけるS101の処理を実行する機能部である。
依頼端末109から依頼受付のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼受付機能303でリクエストを解析し、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を更新する。つまり、依頼受付機能303は、後述する処理フローにおけるS102の処理を実行する機能部である。依頼端末109から依頼自動振分のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼自動振分機能304を実行する。つまり、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700、専門性テーブル2400、読影医スケジュールテーブル2600等のデータを読み込み、自動振分を実施する。その後、遠隔読影サーバ101は、処理結果を依頼端末109に返す。つまり、依頼自動振分機能304は、後述する処理フローにおけるS103の処理を実行する機能部である。依頼端末109から振分保存のリクエストを受信すると、遠隔読影サーバ101は、依頼更新機能305でリクエストを解析し、データベース108に含まれる依頼情報テーブル2700を更新する。
[処理フロー]
図4は、本実施形態に係る処理全体の流れを示す図である。なお、ここでは処理の起点となる依頼端末109および業務端末112のみが示されているが、各工程においては、各端末が遠隔読影サーバ101と連携して処理を行うものとする。また、本実施形態では、依頼端末109と業務端末112とが直接データのやり取りを行うことはないものとする。
また、本実施形態においては、上述したように、依頼施設のモダリティ111によって予め撮影された画像データが適時、データセンターに送信されて外部記憶装置117に登録されているものとする。また、これに応じて、当該画像データに対応する読影依頼の情報(依頼情報)が例えば、患者ごと、日付ごと、検査種ごとなどのグループ単位でデータベース108に登録される。尚、本実施形態において依頼情報とは、図27の依頼情報テーブル2700に示す、依頼ID2701、状態2702、依頼施設ID2703、依頼日2704、患者番号2705、患者名2706、生年月日2707、性別2708を含む情報である。更に依頼情報には、検査種ID2709、部位ID2710、検査日2711、分類ID2712、画像枚数2713、読影方法2717も含む。依頼情報がモダリティ111から登録されたタイミングでは、読影方法2717以外の情報が登録された状態となる。そして、1の依頼情報に対し1または複数の画像データが対応付けられるものとする。なお、登録された状態では、また振分の申請はなされておらず、そのステータスは「申請待」であるとして、データベース108にて管理されているものとする。
S101にて、依頼端末109は、ユーザの指示に基づき、図5に示す依頼申請処理を実施する。依頼申請処理の詳細については、図5を用いて後述する。
S102にて、業務端末112は、ユーザの指示に基づき、図7に示す依頼受付処理を実施する。依頼受付処理の詳細については、図7を用いて後述する。
S103にて、業務端末112は、ユーザの指示に基づき、図8に示す依頼振分処理を実施する。依頼振分処理の詳細については、図8を用いて後述する。
(依頼申請処理)
図5は、依頼端末109と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼申請処理のフローチャートを示す図である。以下の処理は、依頼端末109および遠隔読影サーバ101のそれぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S201にて、依頼端末109は、ユーザの指示に従って、図10に示す依頼施設ワークリスト画面1000を表示する。ここでの表示は、依頼端末109に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。依頼端末109は、依頼施設ワークリスト画面1000に表示する依頼情報を取得するために、遠隔読影サーバ101にステータスが「申請待」である依頼情報を取得する指示を出す。なお、依頼情報に関する各種ステータスについては、テーブルと併せて後述する。
S202にて、遠隔読影サーバ101は、依頼端末109からの指示に応じて、図27に示す依頼情報のうち、ステータスが「申請待」である依頼情報を依頼端末109に返す。具体的には、図27に示す依頼情報テーブル2700において、状態2702の値が「申請待」になっている依頼情報が返される。そして、依頼端末109は、受信した依頼情報を依頼施設ワークリスト画面1000に表示する。
S203にて、依頼端末109は、依頼施設ワークリスト画面1000を介してユーザから申請対象の依頼情報の選択を受け付ける。具体的には、依頼施設ワークリスト画面1000の表示ボタン1001の指定を受け付けることで、申請対象の依頼情報の選択を受け付ける。そして、依頼端末109は、選択された申請対象の依頼情報の依頼ID2701を取得する。
S204にて、依頼端末109は、S203で取得した依頼ID2701に該当する依頼情報を表示するために、図11に示す依頼申請画面1100を表示する。依頼申請画面1100には、患者情報や読影に必要とする依頼情報(例えば、患者の症状など)などが入力される。尚、入力される依頼情報は、依頼者が手入力で行う他、患者番号1103等の識別情報の入力に応じた自動入力や、添付ファイルの指定などができてもよい。
図11に示す依頼申請画面1100では、更に読影方法1114の選択を受付可能である。本実施形態における読影方法とは、1つの依頼を複数の読影医が担当するか否か、更には複数の読影医がそれぞれ異なる観点・目的で順番に読影(診断)を行うか、それとも同一の観点・目的で順番を問わず読影(診断)を行うかの指定を受け付けることができる。1つの依頼を1人の読影医が担当する読影方法を、本実施形態ではシングル読影と称する。一方、1つの依頼を複数の読影医が担当し、複数の読影医がそれぞれ異なる観点・目的で順番に読影(診断)を行う読影方法をマルチ読影(読影医が2人の場合はダブル読影)と称する。更に、1つの依頼を複数の読影医が担当し、複数の読影医が同一の観点・目的で順番を問わず読影(診断)を行う読影方法をブラインドマルチ読影(読影医が2人の場合はブラインドダブル読影)と称する。
マルチ読影は、複数の読影医が順番に読影を行う必要がある点(直列処理)と、他の読影医が読影した結果を閲覧できる点が特徴である。このマルチ読影は、病状や進行具合の見落とし防止という目的で行われるので、最初の読影はあらゆる可能性を考慮して読影を行わなくてはならず、後続の読影よりも難易度が高くなる。
一方、ブラインドマルチ読影は、複数の読影医が順番を問わず読影を行う点と、他の読影医の読影結果を閲覧できない点が特徴である。ブラインドマルチ読影はダブルチェック(再確認)を行う目的で行われるので、前述したマルチ読影のように読影の順番によって難易度が異なることはない。依頼施設は、自身が依頼する目的等に応じて、読影方法1114でこうした読影方法を選択する。
以下、マルチ読影とブラインドマルチ読影は、2人の読影医が読影を行うダブル読影とブラインドダブル読影として説明を行うが、3人の読影医が読影を行う場合や4人の読影医が読影を行う場合にも適用可能である。
S205にて、依頼端末109は、依頼申請画面1100にて、依頼申請ボタン1113が押されたか否かを判定する。依頼申請ボタン1113が押された場合(S205にてYES)、S206に移行する。
S206にて、依頼端末109は、依頼申請画面1100に入力された検査種1109、部位1110等を含む依頼情報を取得する。
S207にて、依頼端末109は、S206で取得した依頼情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
S208にて、遠隔読影サーバ101は、依頼端末109から送信された依頼情報を受信する。
S210にて、遠隔読影サーバ101は、S208で受信した依頼情報で依頼情報テーブル2700を更新すると共に、当該依頼情報に対応する割当枠情報を作成し、S209で設定した振分特性の初期値を割当枠情報に付加する。このとき、依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「受付待」となる。
割当枠情報(割当枠)とは、1つの依頼情報に1または複数の読影医を割り当てるための枠を示す情報である。1つの依頼情報に2つの割当枠情報があれば、2人の読影医を当該依頼に対して割り当てる必要があり、1つの依頼情報に3つの割当枠情報があれば、3人の読影医を当該依頼に割り当てる必要がある。例えば、「ダブル」が選択された依頼情報は、ダブル読影を行って欲しいという読影依頼であるので、1つの依頼情報に対して2つの割当枠情報を作成する。割当枠情報の作成方法は次の通りである。依頼情報テーブル2700に登録(更新)した依頼情報に対応する割当枠情報(割当枠ID2718、工程No2719、振分特性ID2720、読影日2715、日程ID2721、読影医ID2716、読影状態2722)を、必要な数だけ作成する。例えば、図27の依頼ID2701が「1」の依頼情報は「ダブル読影」の依頼であるので、2つの割当枠情報が生成されているのがわかる。そして、生成した割当枠情報の割当枠ID2718には割当枠情報の順番に従って昇順で番号を格納する。また、マルチ読影の場合には、工程No2719に、割当枠ID2718と同様に、割当枠情報の順番に従って昇順で番号を格納する。ブラインドマルチ読影の場合には、生成したすべての割当枠情報の工程No2719に「1」を格納する。この工程No2719は、読影の順番を示すものである。これを依頼情報ごとに繰り返す。こうしてできあがった割当枠情報と、当該割当枠情報に対応する依頼情報との1対1の組を、以下、依頼割当枠情報と称する。
S209にて、遠隔読影サーバ101は、S208で受信した依頼情報に基づき、割当枠情報ごとに振分特性の初期値を設定する。ここでの処理の詳細については、図6を用いて後述する。そして、本処理フローを終了する。
(振分特性の初期値設定処理)
図6は、遠隔読影サーバ101で実施する、申請された依頼情報の割当枠情報ごとに振分特性の初期値を設定する処理フローを示す図である。本処理フローは、図5のS209の処理に対応する。本実施形態において、読影データを各担当者に振り分ける際に用いる情報として、振分特性と呼ばれる情報を用いる。振分特性とは、検査種(CT、MR、CR等)と部位(頭部、胸部、腹部等)の組み合わせから成るパラメータである。具体的な振分特性の構成については処理と共に説明する。
S301にて、遠隔読影サーバ101は、依頼端末109から受信した依頼情報と当該依頼情報に対応する割当枠情報に、振分特性の初期値を決定するためのマッピング処理に必要な情報が含まれているか否かを判定する。ここでの必要な情報としては、検査種、部位、分類、患者年齢、患者性別、工程Noとする。必要な情報が含まれていると判定された場合(S301にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分特性の初期値設定が可能であると判定し、S302に移行する。一方、含まれていないと判定された場合は(S301にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分特性の初期値設定が不可であると判定し、S305に移行する。
S302にて、遠隔読影サーバ101は、前述した検査種、部位、分類、患者年齢、患者性別、工程Noのすべての値を条件値(キー)として、データベース108に保存された図23に示す振分特性マッピングテーブル2300の振分特性ID2301を検索する。なお、患者年齢は、依頼情報に含まれる検査日と患者生年月日から算出するようにしてもよい。
S303にて、遠隔読影サーバ101は、S302で検出した振分特性ID2301の件数が1件か否かを判定する。件数が1件の場合(S303にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分特性のマッピングに成功したと判定し、S304に移行する。件数が0件または2件以上の場合(S303にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分特性のマッピングに失敗したと判定し、S306に移行する。
S304にて、遠隔読影サーバ101は、S303で検索された1件の振分特性ID2301を、割当枠情報の振分特性ID2720に初期値として設定する。その後、本処理フローを終了する。一方、S306にて、複数の振分特性がヒットしたのであれば、ヒットした複数の振分特性のうち、振分特性マッピングテーブル2300の順序2310が最小の振分特性の振分特性ID2301を、割当枠情報の振分特性ID2720に初期値として設定する。検索した結果、何もヒットしなかった場合には、割当枠情報に振分特性ID2301を設定しない。その後、本処理フローを終了する。
S305においても、遠隔読影サーバ101は、割当枠情報に振分特性ID2301を設定せずに本処理フローを終了する。
(依頼受付処理)
図7は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼受付処理の処理フローを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101それぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S401にて、業務端末112は、ユーザの指示に従って、図12に示す読影ワークリスト画面1200を表示する。ここでの表示は、業務端末112に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。業務端末112は、読影ワークリスト画面1200に表示する依頼情報と割当枠情報とを取得するために、遠隔読影サーバ101にステータスが「受付待」である依頼割当枠情報を取得する指示を出す。
S402にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112からの指示に応じて、図27の依頼情報テーブル2700に示す依頼割当枠情報のうち、ステータスが「受付待」である依頼割当枠情報を業務端末112に返す。そして、業務端末112は、受信した依頼割当枠情報に含まれる依頼情報を読影ワークリスト画面1200に表示する。
S403にて、業務端末112は、読影ワークリスト画面1200を介してユーザから受け付け対象の依頼情報の選択を受け付ける。具体的には、読影ワークリスト画面1200の表示ボタン1201の指定を受け付けることで、受け付け対象の依頼情報の選択を受け付ける。そして、業務端末112は、選択された受付対象の依頼ID2701を取得する。
S404にて、業務端末112は、S403で取得した依頼IDに対応する依頼情報を含む依頼割当枠情報を表示するために、図13に示す依頼受付画面1300を表示する。依頼受付画面1300には、依頼申請が行われた際に入力された各種情報が表示される。マルチ読影やブラインドマルチ読影の場合には複数の依頼割当枠情報がヒットしてしまうが、これらの依頼割当枠情報に共通する依頼情報を依頼受付画面1300に表示する。
S405にて、業務端末112は、依頼受付画面1300に振分特性選択リストを表示する。このとき、依頼情報の読影方法2717がマルチ読影の場合には、割当枠ごとに振分特性選択リストを表示する。図13の一例では、読影方法1315が「ダブル」であるので、一次読影の振分特性である一次読影振分特性選択リスト1313と、二次読影の振分特性である二次読影振分特性選択リスト1316が表示される。複数の読影医がそれぞれ異なる観点・目的で順番に読影(診断)を行うマルチ読影の場合には、前述した通り、一次読影と二次読影で難易度が異なる場合がある。そのため、読影の段階ごとに異なる振分特性を設定できるようになっている。一方、同一の観点・目的で順番を問わず読影(診断)を行うブラインドマルチ読影(例えば、「ブラインドダブル」)の場合には、基本的に読影の順番(段階)によって読影の難易度が変わることはないので、振分特性選択リストは1つだけ表示する。
S406にて、業務端末112は、依頼受付画面1300の振分特性選択リストに、図6の処理にて設定された振分特性の初期値を選択値として設定する。これにより、ユーザは、業務端末112上で初期値として設定された振分特性を特に設定作業をすることなくそのまま利用することが可能となる。なお、図6の処理にて初期値が設定されていない場合には、リストから選択する旨の表示を行うようにしても構わない。また、振分特性の初期値が設定されていた場合でも、リストから選択を受け付けることで変更可能である。
S407にて、業務端末112は、依頼受付画面1300にて依頼受付ボタン1314が押されたか否かを判定する。依頼受付ボタン1314が押された場合(S407にてYES)、S408に移行する。
S408にて、業務端末112は、依頼受付画面1300に入力された振分特性を取得する。
S409にて、業務端末112は、S408で取得した振分特性を遠隔読影サーバ101に送信する。
S410にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から送信された振分特性を受信する。
S411にて、遠隔読影サーバ101は、S410で受信した振分特性を割当枠ごとにデータベース108に保存する。このとき、依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「振分待」となる。そして、本処理フローを終了する。
(依頼振分処理)
図8は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼振分処理の処理フローを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101それぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S501にて、業務端末112は、ユーザの指示に従って、図15に示す依頼振分画面1500を表示する。ここでの表示は、業務端末112に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。依頼振分画面1500は、割当枠ごとの依頼割当枠情報を示す依頼情報リスト1501を表示する領域と、読影医スケジュール1503を表示する領域を含む。業務端末112は、依頼振分画面1500に表示する依頼割当枠情報および読影医スケジュール情報を取得するために、遠隔読影サーバ101に各情報を取得する指示を出す。
S502にて、遠隔読影サーバ101は、図27に示す依頼情報テーブル2700のうち、依頼情報の状態2702が「振分待」である依頼割当枠情報と、図26に示す読影医スケジュールテーブル2600とを業務端末112に返す。そして、業務端末112は、受信した依頼割当枠情報と読影医スケジュールテーブル2600とを依頼振分画面1500に表示する。
S503にて、業務端末112は、依頼振分画面1500を介してユーザにより選択された自動振分対象の割当枠を示す依頼割当枠情報を取得する。
S504にて、業務端末112は、依頼振分画面1500にて自動振分ボタン1504が押されたか否かを判定する。自動振分ボタンが押された場合(S504にてYES)、S505に移行する。
S505にて、業務端末112は、S503で取得された自動振分対象の割当枠を示す依頼割当枠情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
S506にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から送信された自動振分対象の割当枠を示す依頼割当枠情報を受信する。
S507にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の割当枠を示す各依頼割当枠情報について自動振分処理を実施し、依頼に関する読影作業を行う読影医、およびその読影日を決定する。本工程における処理の詳細は、図9A及び図9Bを用いて後述する。
S508にて、遠隔読影サーバ101は、S507で設定した読影医や読影日に関する振分結果の情報を業務端末112に送信する。
S509にて、業務端末112は、遠隔読影サーバ101から受信した読影医や読影日に関する振分結果の情報を依頼振分画面1500に表示する。業務端末112は、依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501に、振分された読影医および読影日の情報を、割当枠を示す依頼割当枠情報それぞれに対応付けて表示する。更に、業務端末112は、読影医スケジュール1503に、各読影医の日付毎に振分予定の件数を表示する。振分後に表示される画面のイメージを図16に示す。図16に示す依頼振分画面1600は、自動振分の結果の確定を受け付ける保存ボタン1604、および、キャンセルを受け付けるキャンセルボタン1603を含む。
S510にて、業務端末112は、依頼振分画面1600にて、保存ボタン1604が押されたか否かを確認する。保存ボタン1604が押された場合(S510にてYES)、S512に移行する。キャンセルボタン1603が押された場合(S510にてNO)、S511に移行する。
S511にて、業務端末112は、S509で受信した振分結果の情報を破棄する。依頼振分画面1600にて表示している振分結果の情報を、すべて表示前の状態(すなわち、図15の状態)に戻す。そして、本処理フローを終了する。
S512にて、業務端末112は、ユーザによって確定指示を受けた振分結果の情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
S513にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から振分結果の情報を受信する。
S514にて、遠隔読影サーバ101は、データベース108に保存されている依頼割当枠情報の割当枠情報にS513で受信した振分結果の情報を付加することで更新する。このとき、振分結果を更新した依頼割当枠情報に含まれる依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「読影待」となる。そして、本処理フローを終了する。
(自動振分処理)
図9A及び図9Bは、遠隔読影サーバ101が実施する自動振分の処理フローを示す図であり、図8のS507の処理に対応する。
まず、図9Aから説明を行う。S601にて、遠隔読影サーバ101は、データベース108に保存されている各種テーブルを取得する。ここで用いるテーブルは、振分特性マスタテーブル2000、枚数ポイント加算テーブル2100、ポイント設定テーブル2200、振分特性マッピングテーブル2300である。更には、専門性テーブル2400、読影医除外テーブル2500、および読影医スケジュールテーブル2600である。各テーブルの構成例については、図20〜図26に示す。
S631にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼割当枠情報と同一の依頼情報を有する他の依頼割当枠情報(割当枠)のうち、すでに読影医が決定済みの依頼割当枠情報を依頼情報テーブル2700から読み込む。例えば、二次読影を担当する読影医を決定したい場合に、二次読影の前の一次読影の読影医が決定しているのであれば、この一次読影の依頼割当枠情報を読み込むということである。マルチ読影のように、読影作業ごとに異なる読影医が担当しなければならないことから、こうした情報をあらかじめ読み込んでいる。
S602にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼割当枠情報のうち、振分特性が設定されていない依頼割当枠情報を自動振分対象から除外する。依頼割当枠情報に含まれる振分特性は、図13に示す依頼受付画面1300を介して設定されているものとするが、あらかじめ登録した振分特性に該当しない割当枠であれば、未設定とする。よって、このような割当枠については振分特性を用いた自動振り分けを行うことができないため、S602では自動振分対象から除外する。尚、このような割当枠は従来通り、手動で振り分けてもよい。このような割当枠がある場合には、手動で振り分けることをユーザ(例えば、事務担当)に促す画面表示等を行うようにしてもよい。
S603にて、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の各依頼割当枠情報に含まれる依頼情報について、依頼情報の依頼日の昇順にソートする。つまり、ソートの結果、上位に位置する依頼情報は、より高い優先度を有するものとして、優先的に振分が行われることとなる。依頼情報の依頼日は、図27の依頼情報テーブル2700の依頼日2704である。また、依頼情報のソートに伴って、当該依頼情報に対応する割当枠情報も当該依頼情報との対応関係を維持したままソートされる。例えば図27に示すように、依頼情報と割当枠情報とは、1対Nの対応関係になっているので、ソートに伴ってある依頼情報が1レコード目に移動すると、その依頼情報に対応する割当枠情報も1レコード目に移動する。
S604にて、遠隔読影サーバ101は、S603でソートした結果のうち、依頼日が同日のものに対しては、依頼情報に対応する割当枠情報に含まれる振分特性に対応できる読影医の数が少ない順にソートする。S604でのソートでも、依頼情報に対応する割当枠情報が当該依頼情報との対応関係を維持したままソートされる。ここでの読影医の数は図24に示す専門性テーブル2400に基づいて判定される。こうすることで、読影医の数が少ない振分特性を有する依頼割当枠情報が振分不能になってしまう可能性を低減することができる。
S632にて、遠隔読影サーバ101は、S604でソートした結果のうち、依頼情報に対応する割当枠情報を参照し、工程の長い順に依頼情報をソートする。ここでいう工程とは、ある依頼に対して読影作業を行う場合の進捗の段階(ステップ)を示す。例えば、ダブル読影の場合には、第一の工程で1人目の読影医が読影を行い、第二の工程で2人目の読影医が読影を行う。一方、ブラインドダブル読影の場合には、第一の工程で2人の読影医が読影を行う。こうした各ステップを工程として管理している。
依頼情報に対応する各割当枠情報には、工程No2719を含むので、この工程No2719が最も大きい値を工程の長さとする。例えば、図27の依頼ID2701が「1」の依頼情報は、2つの割当枠情報と対応しており、各割当枠情報の工程No2719を参照すると、「2」が最も大きい値であるので、当該依頼情報の工程の長さを「2」と特定する。こうして特定した工程の長さを用いて、依頼情報をソートする。S632でのソートでも、依頼情報に対応する割当枠情報が当該依頼情報との対応関係を維持したままソートされる。
S632におけるソートにより、マルチ読影の依頼がシングル読影やブラインドマルチ読影よりも優先的に振り分けられることになる。マルチ読影は、複数の工程を有するので、N次読影が行われる日程よりも後の日程にN+1次読影が行われるように依頼を振り分けなければならない。そのため、すべての読影が完了するタイミングが、シングル読影やブラインドマルチ読影よりも遅くなってしまう。また、シングル読影やブラインドマルチ読影によって読影医のスケジュールが埋まってしまうと、更に読影完了のタイミングが遅くなってしまう。このマルチ読影の読影結果を依頼元に返却するタイミングを早めるために、マルチ読影の依頼については、シングル読影やブラインドマルチ読影よりも優先的に振り分けている。
S633にて、遠隔読影サーバ101は、S632でソートした結果のうち、依頼情報に対応する割当枠情報を参照し、依頼情報ごとに、工程No2719の小さい順に割当枠情報をソートする。つまり、マルチ読影の依頼については、一次読影から順番に振分処理が行われるように並び替えるということである。これが行われないと、例えば、先に二次読影の読影日が現時点において最も早い日程に決定されてしまい、一次読影の読影日を二次読影よりも前に設定できなくなってしまうという問題が発生する。マルチ読影においては前述の通り、読影の順番を守る必要があるため、この順番で割当枠情報をソートしておくことで、こうした問題点を解決している。
例えば、依頼情報テーブル2700の依頼情報のうち、S603、S604、S632、S633にてソートがなされると、図28の2800に示すような順となる。このように、依頼日が早く、振分特性に対応できる読影医の数が少なく、マルチ読影であり、工程Noが小さいものが最も優先度の高い順番にソートされる。
S605にて、遠隔読影サーバ101は、S604でソートした依頼割当枠情報について、順次ループ処理を実行するために、ループカウンタNを1に設定する(N=1)。
S606にて、遠隔読影サーバ101は、S604でソートした依頼割当枠情報のうち、N件目の依頼割当枠情報を抽出し、着目する振分対象とする。
S607にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した読影医スケジュールテーブル2600に含まれる読影医すべてを振分候補読影医とする。
S608にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した専門性テーブル2400を参照し、抽出した依頼割当枠情報の振分特性に対する専門性設定値(振分特性値)が“0”に設定されている読影医を、S607で設定した振分候補読影医から除外する。ここで振分特性の専門性設定値が“0”であるとは、その読影医は、その振分特性の検査種と部位を示す医用画像を読影するための専門的な知識(専門性)を有していないことを示す。“0”以外である場合には、その値が大きくなるに従って、その分野の熟練度が高くなっていることを示す。尚、専門性設定値は読影医が有する専門的な知識の度合いを示すだけでなく、読影医が所定の分野においてどのくらい読影を行いたいかを示す希望度としても用いることができる。すなわち、読影医がある振分特性に対して専門性設定値をより高くに設定すると、優先的に当該振分特性を有する依頼割当枠情報が当該読影医に振り分けられる。つまり、読影医が読影したい振分特性があれば、この振分特性に対応する専門性設定値をより高く設定すればよい。このように専門性設定値を読影医の希望度(優先度)として用いることも可能である。
S634にて、遠隔読影サーバ101は、S631で読み込んだ、割当済みの割当枠情報を参照し、S606で抽出した依頼割当枠情報と同一の依頼の別割当枠ですでに割当済みの読影医を、振分候補読影医から除外する。マルチ読影やブラインドマルチ読影は、前述したこれらの読影の目的を鑑みて、複数の読影医が1回ずつ読影を行わなければならない。つまり、同じ読影医が複数回読影を行うことができない。例えば、一次読影を読影医Aが担当し、二次読影を読影医Bが担当することは問題ないが、一次読影も二次読影も読影医Aが担当してしまうと、マルチ読影やブラインドマルチ読影の目的を達成できない。よって、S634では、処理対象の依頼割当枠情報と同一の依頼に対応する他の依頼割当枠情報を参照し、当該他の依頼割当枠情報に設定されている読影医は、処理対象の依頼割当枠情報の読影医としては設定できないようにしている。こうすることで、前述した問題点を解決している。
S609にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した読影医除外テーブル2500を参照し、S606で抽出した依頼割当枠情報に含まれる依頼施設に対応して、除外対象として設定されている読影医をS608で設定した振分候補読影医から除外する。すなわち、依頼施設が読影して欲しくない読影医をあらかじめ読影医除外テーブル2500で設定しておけば、当該読影医は当該依頼施設からの読影依頼を担当することがなくなる。
図9Bに説明を移す。S610にて、遠隔読影サーバ101は、S601で取得した読影医スケジュールテーブル2600の振分対象日程ごとに順次ループ処理をするために、ループカウンタDを“0”に設定する(D=0)。
S611にて、遠隔読影サーバ101は、本日の1+D番目の日程を振分対象日程として設定する。本実施形態でいう日程とは、年月日と、図26(c)に示すような午前や午後といった時間帯とによって示される。そのため、本実施形態では、本日の1番目の日程とは、自動振分処理が行われる日の午前ということであり、本日の2番目の日程とは、自動振分処理が行われる日の午後ということである。また、本日の3番目の日程とは、自動振分処理が行われる次の日の午前ということである。尚、時間帯の区分は午前や午後といった区分に限らず、1時間ごとや3時間ごとといった区分であってもよい。遠隔読影サーバ101は、現時点の振分候補読影医を振分対象日の振分候補読影医として設定する。
S612にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程と振分可能日程とを比較し、振分対象日程が振分可能日程を超えているか否かを判定する。ここでの振分可能日程とは、例えば、本日から所定の日数後までの範囲を示す。なお、振分可能日程は、ユーザが予め設定しておいてもよい。振分可能日程を超えていない場合は(S612にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程が存在すると判定し、S635に処理を移行する。一方、超えている場合は(S612にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程が存在しないと判定し、S619に処理を移行する。
S635にて、遠隔読影サーバ101は、S606で抽出した依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報のうち、S606で抽出した依頼割当枠情報の工程No2719よりも1つ値が小さい工程No2719を有する依頼割当枠情報を特定する。そして、振分対象日程が、特定した依頼割当枠情報の読影日2715を超えているか否かを判定する。振分対象日程が、特定した依頼割当枠情報の読影日2715を超えている場合は(S635でYES)、S613に処理を移行する。振分対象日程が、特定した依頼割当枠情報の読影日2715を超えていない場合は(S635でNO)、S615に処理を移行する。S635の処理は、マルチ読影の場合に、後工程の読影(例えば、二次読影)が前工程の読影(例えば、一次読影)よりも早い日程に割り当てられないようにするための処理である。この処理により、マルチ読影における工程の順序と読影日程の順序とを一致させることができるので、一次読影よりも二次読影が先に行われてしまうような問題の発生を抑止することが可能となる。
S613にて、遠隔読影サーバ101は、読影医スケジュールの振分対象日程を参照し、残読影可能件数が0件、または、残読影可能ポイントが振分対象である依頼のポイント未満となっている読影医を、振分対象日程の振分候補読影医から除外する。本実施形態において、残読影可能ポイントは、(振分可能件数)×(ポイント設定テーブル2200の1件標準ポイント2201)を基準値とし、読影医が振分対象日程に既に振分済みの依頼のポイントの合計分を減算して算出される。つまり、ポイントは、読影に対する負荷を示し、読影の依頼を振り分けて負荷が高くなると、新たな振り分けを行わないように制御する。ここでは、各読影医に対して、日程当たり負荷の上限として読影可能ポイントの基準値が設定される。また前述した振分可能件数とは、ある日程において読影医が読影可能な件数を示す。本実施形態でいう件数とは、依頼単位の件数を示すが、検診業務のように1つの依頼に対して複数の患者の読影を行うこともある。よって、こういう場合には依頼単位の件数ではなく、1つの依頼に含まれる患者の数を件数とみなす。なお、残読影可能ポイントの算出方法はこれに限定するものではなく、例えば、読影医ごとに設定された重み付けや上限値を用いて算出するようにしてもよい。
また、振分対象である依頼のポイントは、S606で抽出した依頼割当枠情報と、振分特性マスタテーブル2000、枚数ポイント加算テーブル2100、およびポイント設定テーブル2200を用いて算出される。本実施形態において、振分対象である依頼のポイントは、(ポイント設定テーブル2200の1件標準ポイント2201)+(振分割当枠情報が示す振分特性の加算ポイント2003)+(振分割当枠情報が示す画像枚数の加算ポイント2103)によって算出される。すなわち、検査種と検査する部位の組み合わせによる読影の負荷と、読影する画像枚数の多さによる負荷とを考慮している。つまり、ポイントが高いほど負荷が高い依頼であるということを意味する。読影をする件数だけでなく、ポイントによって読影ごとの負荷を考慮することで、負荷の分散を考慮した振り分けを行うことが可能となる。また、振分対象である依頼のポイントは、自動振分を実行する際に算出することが望ましい。読影依頼を受け付けた後に、読影すべき画像が追加で送付されてくる可能性があるためである。
S614にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程の振分候補読影医の数が0人か否かを判定する。0人でない場合は(S614にてYES)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程に振分候補読影医が存在すると判定し、S616に処理を移行する。0人である場合は(S614にてNO)、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程に振分候補読影医が存在しないと判定し、S615に処理を移行する。
S615にて、遠隔読影サーバ101は、ループカウンタDに1を加算し(D=D+1)、S611に処理を移行する。つまり、次の日程について振分対象候補読影医を検索することになる。
S616にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象日程の振分候補読影医すべてについて、読影医スケジュールテーブル2600を参照し、残振分可能件数(読影可能件数2604)を算出する。また、遠隔読影サーバ101は専門性テーブル2400を参照し、専門性設定値を取得する。そして、遠隔読影サーバ101は、残振分可能件数と専門性設定値とを乗算することで振分適切度を算出する。例えば、ある振分候補読影医の残振分可能件数が2件であり、専門性設定値が“10”である場合には、振分適切度は“20”となる。なお、振分適切度の算出式はこれに限定するものではなく、例えば、振分特性ごとの重み付けなど、他の算出式を用いても構わない。
S636にて、遠隔読影サーバ101は、S606で抽出した依頼割当枠情報と同一依頼で、かつマルチ読影の依頼割当枠情報のうち、読影医に振り分けられていない(読影医が割り当てられていない)依頼割当枠情報が存在するか否かを判定する。これが存在する場合には(S636でYES)、S637に処理を移行する。これが存在しない場合には(S636でNO)、S617に処理を移行する。また、ブラインドマルチ読影やシングル読影の場合にも、S617に処理を移行する。
S637にて、遠隔読影サーバ101は、S606で抽出した依頼割当枠情報と同一依頼で、かつマルチ読影の依頼割当枠情報のうち、読影医に振り分けられていない(読影医が割り当てられていない)依頼割当枠情報について仮振り分けを実施する。仮振り分けはS636及びS637を除くS606乃至S618の各処理を実行することで行う。そして、この仮振り分けの結果に応じた係数を、S616で算出した振分適切度に掛ける。例えば、ダブル読影のうち一次読影を読影医に振り分ける場合、二次読影の仮振り分けを実施し、二次読影の振分対象日程を特定する。そして、特定した二次読影の振分対象日程が一次読影の1つ後の日程である場合には係数を“1”とし、2つ後の日程である場合には係数を“1/2”とし、3つ後の日程である場合には係数を“1/3”とする。二次読影の振分対象日程が存在しない場合には、係数を”1/10“とする。この係数をS616で算出した振分適切度に掛けることで、振分適切度を補正する。
このS636及びS637の処理により、マルチ読影のような複数の工程が存在する場合の後工程の読影日程が遅くならないようにすると共に、前工程の割り当てによって後工程で必要な読影医が割り当てられないように制御することができる。
S617にて、遠隔読影サーバ101は、S616またはS637で算出した各振分候補読影医の振分適切度に基づき、振分適切度が最も高い1人の読影医を依頼割当枠情報に設定する。なお、最も高い読影医が複数いる場合は、例えば、読影医IDの若い1名の読影医を、振分対象として依頼割当枠情報に設定する。また、振分対象日程についても、当該依頼割当枠情報に設定する。具体的には、S606で抽出した依頼割当枠情報の読影日2715、日程ID2721、読影医ID2716に決定した読影医と振分対象日程を格納する。
S618にて、遠隔読影サーバ101は、S617で設定した振分対象の読影医に対し、振分対象日程の振分スケジュールから残読影可能件数(読影可能件数2604)を1件減算する。更に、遠隔読影サーバ101は、残読影可能ポイントから振分対象依頼のポイント分を減算する。ここで減算するポイントも、(ポイント設定テーブル2200の1件標準ポイント2201)+(振分割当枠情報が示す振分特性の加算ポイント2003)+(振分割当枠情報が示す画像枚数の加算ポイント2103)である。
S619にて、遠隔読影サーバ101は、振分対象の依頼振分枠情報について、振分対象読影医および読影日が存在しないと判定し、依頼振分枠情報の読影日2715、日程ID2721、読影医ID2716を設定しない。その後、処理をS620へ移す。
S620にて、遠隔読影サーバ101は、ループカウンタNに1を加算する(N=N+1)。
S621にて、遠隔読影サーバ101は、Nの値が、自動振分対象の依頼割当枠情報の総数未満であるか否かを判定する。総数未満であると判定された場合(S621にてYES)、遠隔読影サーバ101は、自動振分対象の依頼が残っていると判定し、図9(a)のS606に処理を移行する。総数未満でないと判定された場合(S621にてNO)、遠隔読影サーバ101は、すべての自動振分対象の依頼について、自動振分処理が完了したと判定し、本処理フローを終了する。
[画面構成例]
図10は、依頼施設側のユーザが依頼申請する際に、依頼端末109のディスプレイに表示される依頼施設ワークリスト画面1000の構成例を示す。依頼リスト1006の表示ボタン1001が押下されると、押下された行の依頼情報を申請するための依頼申請画面1100に遷移する。検索ボタン1005が押下されると、ユーザにより指定された患者番号1002、検査種1003、および部位1004等の条件に基づいて、図27に示す依頼情報テーブル2700を検索し、依頼リスト1006の表示内容を更新する。
図11は、依頼施設側のユーザが依頼申請のために依頼申請内容を入力する際に、依頼端末109のディスプレイに表示される依頼申請画面1100の構成例を示す。依頼元1101は、依頼施設側のユーザの所属する依頼施設に合わせて表示される。依頼日1102は、依頼申請時に本日の日付が設定される日時の情報である。患者番号1103、患者名1104、性別1105、生年月日1106、モダリティ1107、および画像枚数1108には、画像データに含まれる検査情報(DICOMの情報)に基づいて、設定され、表示される。依頼申請ボタン1113を押下されると、検査種1109、部位1110、フィルム指定1111、読影方法1114、および依頼内容1112に入力された情報が、依頼情報テーブル2700に登録される。
図12は、読影センター側のユーザが依頼受付する際に、業務端末112のディスプレイに表示される読影ワークリスト画面1200の構成例を示す。依頼リスト1207の表示ボタン1201を押下されると、押下された行の依頼情報を受付するための依頼受付画面1300に遷移する。検索ボタン1206が押下されると、依頼施設1202、患者番号1203、検査種1204、および部位1205等の条件に基づいて依頼情報テーブル2700を検索し、依頼リスト1207の表示内容を更新する。
図13は、読影センター側のユーザが依頼受付のために依頼受付内容を入力する際に、業務端末112のディスプレイに表示される依頼受付画面1300の構成例を示す。依頼情報テーブル2700に設定された依頼情報に基づき、依頼元1301、依頼日1302、患者番号1303、患者名1304、性別1305、生年月日1306、モダリティ1307、画像枚数1308が表示される。更には、検査種1309、部位1310、フィルム1311、依頼内容1312、および読影方法1315が表示される。振分特性選択リスト1313、1316は、図20に示す振分特性マスタテーブル2000に登録された振分特性をリスト表示する。依頼受付ボタン1314が押下されると、振分特性選択リスト1313にて選択された振分特性が、依頼情報テーブル2700に登録される。
図14は、読影センター側のユーザが、図24に示す専門性テーブル2400の内容を更新する際に、業務端末112のディスプレイに表示される専門性設定画面1400の構成例を示す。ユーザにより各振分特性に対する専門性を示す値を専門性設定値1401に入力された後、保存ボタン1402が押下されると、専門性テーブル2400が更新される。ここでの値が大きいほど、専門性が高いことを示す。なお、値が入力されていない場合は、専門外(もしくは読影不可)であることを意味する。
図15は、読影センター側のユーザが依頼情報を読影医に振分する際に、業務端末112のディスプレイに表示される依頼振分画面1500の構成例を示す。自動振分ボタン1504が押下されると、依頼情報リスト1501上の振分対象選択チェックボックス1502で選択された依頼情報に対して自動振分が実施され、振分された結果(図16)が表示される。読影医スケジュール1503のセルがユーザにより選択されると、依頼情報リスト1501上の振分対象選択チェックボックス1502で選択された依頼情報に対し、セルが示す読影医および振分対象日を振分情報として依頼情報テーブル2700が更新される。すなわち、自動振分ボタン1504が押下されることにより、自動的に読影依頼を読影医に振り分けるのではなく、読影依頼を手動で振り分けることができる。
図16は、読影センター側のユーザが自動振分を指示した際に、振分結果として業務端末112のディスプレイに表示される画面である。自動振分が実行されると、読影日列1601および読影医列1602が新たに追加表示され、ここに振分された結果の読影日および読影医が表示される。さらに、読影医スケジュール1605の振分された読影日および読影医のセルに、振分後総件数および新規振分件数が表示される。
キャンセルボタン1603が押下されると、仮表示された読影日および読影医の内容は破棄される。その結果、読影日列1601と読影医列1602が非表示になり、読影医スケジュール1605の振分件数が削除される。保存ボタン1604が押下されると、表示された読影日および読影医の内容が、図29の2900に示すように依頼情報テーブル2700に登録され、確定する。
[テーブル構成例]
図17、図18、図19は、データベース108に記憶されたマスタテーブルの構成例を示す。図17の検査種テーブル1700、図18の部位テーブル1800、図19の分類テーブル1900に登録されたデータは、図11に示す依頼申請画面1100にて、依頼情報を入力する際の値の候補として、例えばリスト表示にて表示される。
図20は、データベース108に記憶された振分特性マスタテーブル2000の構成例を示す。本実施形態に係る振分特性は、図17に示す検査種の各値と、図18に示す部位の各値との組み合わせにより定義されるものである。なお、振分特性はこれに限定するものではなく、更なる詳細な項目の値ごとに組み合わせてもよい。その場合には、より詳細な専門性を定義することが可能である。本実施形態では、一次読影用の振分特性と二次読影用の振分特性とを用意している。例えば、図20の振分特性マスタテーブル2000の振分特性ID2001が「9」と「10」のレコードである。振分特性マスタテーブル2000は、振分特性ID2001、振分特性名称2002、および加算ポイント2003を含む。加算ポイント2003は、依頼情報のポイントを算出する際に、依頼情報に設定された振分特性に応じて加算ポイント2003が1件標準ポイント2201(図22)に加算される。
図21は、データベース108に記憶された枚数ポイント加算テーブル2100の構成例を示す。枚数ポイント加算テーブル2100は、枚数下限2101、枚数上限2102、および加算ポイント2103を含む。図9BのS613およびS618にて依頼情報のポイントを算出する際に、依頼情報の画像枚数に応じて枚数下限2101と枚数上限2102の範囲に収まるレコードの加算ポイント2103が1件標準ポイント2201に加算される。
図22は、データベース108に記憶されたポイント設定テーブル2200の構成例を示す。ポイント設定テーブル2200は、1件標準ポイント2201を含む。1件当たりの依頼に対する標準ポイント値として使用される。本実施形態における1件とは依頼単位の件数であるが、検診のような場合には患者単位の件数としてもよい。
図23は、データベース108に記憶された振分特性マッピングテーブル2300の構成例を示す。振分特性マッピングテーブル2300は、振分特性ID2301、振分特性名称2302、検査種ID2303、部位ID2304、分類ID2305、患者年齢2306、患者性別下限値2307、患者性別2308、工程No2309、および順序2310を含む。同一の振分特性ID2301は、異なる検査種ID2303、部位ID2304、分類ID2305、患者年齢2306、患者性別下限値2307、および患者性別2308の組み合わせを持つことができる。
図24(A)は、データベース108に記憶された専門性テーブル2400の構成例を示す。専門性テーブル2400は、読影医ID2401、振分特性ID2402、および専門性設定値2403を含む。図14の専門性設定画面1400で入力された値が登録される。この値が、各読影医の専門性を示し、値が高いほど専門性が高いことを示している。図24(B)は、図24(A)に示す値の関係を、読影医と振分特性を軸にした2次元表形式で表現したものである。図24に示す通り、ある振分特性(胸部CR)に関して一次読影用(胸部CR1読)と二次読影用(胸部CR2読)に分け、それぞれに対して専門性設定値を登録することができる。よって、マルチ読影のような、工程によって読影の難易度が異なる場合であっても対応することができる。例えば、一次読影はできないが二次読影なら可能な読影医の要望に応えることが可能となる。
図25は、データベース108に記憶された読影医除外テーブル2500の構成例である。読影医除外テーブル2500は、依頼施設ID2501、および読影医ID2502を含む。読影医除外テーブル2500は、依頼情報を申請した依頼施設側が希望しない読影医を、候補読影医から除外するために使用される。なお、ここでは、依頼施設単位で、除外する読影医を指定しているが、これに限定するものではなく、例えば、患者単位、検査種単位などで除外する読影医を指定できるようにしてもよい。
図26(A)は、データベース108に記憶された読影医スケジュールテーブル2600の構成例を示す。読影医スケジュールテーブル2600は、振分対象日2601、日程ID2602、読影医ID2603、および読影可能件数2604を含む。図26(B)は、図26(A)のデータの値を振分対象日と読影医を軸にした2次元表形式で表現したものである。図26(C)は、日程ID2602の詳細を示す日程テーブルである。日程テーブルは、日程IDと日程名とを備えており、振分対象日を時間帯によって更に細かく区分している。
図27は、データベース108に記憶された依頼情報テーブル2700の構成例を示す。依頼情報テーブル2700は、依頼ID2701、状態2702、依頼施設ID2703、依頼日2704、患者番号2705、患者名2706、生年月日2707、性別2708を含む。更には、検査種ID2709、部位ID2710、検査日2711、分類(フィルム)ID2712、画像枚数2713、読影方法2717を備える。前述した通り、ここまでの情報をまとめて依頼情報と称している。そして、依頼情報テーブル2700は、更に、割当枠ID2718、工程No2719、振分特性ID2720、読影日2715、日程ID2721、読影医ID2716、読影状態2722を含む。これらの情報は前述した通り、割当枠情報と称している。また、この依頼情報と割当枠情報との組を依頼割当枠情報と称している。状態2702は依頼情報のステータスを示しており、「申請待」、「受付待」、「振分待」、「読影待」、「読影中」、「確認待」、「公開済」、「閲覧済」といったステータスが存在する。本実施形態ではこれらのステータスを用いるものとするが、特にこれらに限らない。特に本実施形態では、検査種ID2709が示す検査種と部位ID2710が示す撮影部位の組み合わせを用いて読影医の専門性と対応付けて処理を行っている。図28は、図27に示す依頼情報テーブル2700のデータを、ソートした後の状態(S601〜S633の処理を実行した後の状態)を示す。
図29は、図27に示す依頼情報テーブル2700のデータに対し、図9のフローチャートが完了した結果の状態を示す。読影日と日程IDと読影医IDに、自動振分を実施した結果の振分対象日および振分読影医が設定されている。なお、このデータは、図9のフローチャートが完了した時点では、データセンターのデータベース108には記憶されておらず、図8のフローチャートのS514において依頼振分画面1600を介してユーザが保存を指示した時点で登録される。
図30は、依頼情報テーブル2700のデータについて、図9のフローチャートが完了するまでのログを示す図(3000)である。算出ポイント3001は、図9のS613で算出した依頼の算出ポイントを示す。算出振分適切度3002は、図9のS616で算出した振分対象日毎の読影医の振分適切度を示す。振分情報読影日3003と振分情報日程ID3005と振分情報読影医3004は、S617で振分対象に設定した読影日および読影医の結果を示す。
例えば、図30にある一行目のレコードは、依頼情報テーブル2700の依頼ID2701が「1」の依頼割当枠情報を読影医に振り分けた際のログである。まず、この依頼は胸部CRの一次読影であるので、専門性テーブル2400を参照して、「胸部CR1読」の振分特性に値が設定されている「読影医2(読影医ID:0002)」と「読影医5(読影医ID:0005)」が抽出される。そしてそれぞれに対して、本日(6月9日)・午前(AM)に関する振分適切度を算出する。S616で前述した通り、残振分可能件数と当該振分特性の専門性設定値とを乗算する。この結果、読影医2の振分適切度は「4」であり、読影医5の振分適切度は「10」となる。更に、同一依頼の二次読影に関しても仮振分を実施してみる。ここでいう二次読影とは、図30にある二行目のレコードの依頼割当枠情報である。仮振分は、仮に一次読影が読影医2になった場合と読影医5になった場合でシミュレーションしてみる。すると、一次読影が読影医5になった場合には、別の日程であっても、二次読影を行うことの可能な読影医がいなくなってしまうことがわかる。この依頼はダブル読影であるので、一次読影と二次読影はそれぞれ異なる読影医が担当しなければならないが、胸部CRの二次読影を読影可能なのは、専門性テーブル2400によると読影医5だけである。つまり、一次読影に読影医5を割り当ててしまうと、二次読影を読影可能な読影医が存在しなくなってしまう、ということである。一方、一次読影が読影医2になった場合には、次の日程(6月9日PM)で読影医5が二次読影を読影可能であることがわかる。
こうした仮振分の結果を鑑みて、先に算出した振分適切度に係数を掛けて補正する。具体的には、読影医2は次の日程で二次読影を読影医5が読影可能であるので、S637で前述した通り、係数は「1」となり、算出した振分適切度「4」とこの係数「1」とを乗算して、最終的な振分適切度が「4」となる。一方、読影医5は二次読影の読影が不可能となってしまうため、係数は「1/10(0.1)」とる。よって、算出した振分適切度「10」とこの係数「0.1」とを乗算して、最終的な振分適切度が「1」となる。この最終的な振分適切度を比較して、より大きい振分適切度を有する読影医が読影を担当することになる。つまり、この一行目の読影は、読影医2が行うということになる。同様に各依頼割当枠情報に対して読影医を割り当てる際のログが3000に示されている。
図31は、依頼情報テーブル2700のデータについて、図9のフローチャートが完了した時点の各割当対象日、および各読影医の振分済件数、読影可能件数、振分済ポイント、および読影可能ポイントの状態を示す。
以上が第一の実施形態の説明である。
<第二の実施形態>
第二の実施形態は、マルチ読影の場合に、ある工程(例えば一次読影)だけ先に、読影医に読影作業の振分を行い、振り分けた読影が完了すると、自動または手動で当該工程の次の工程(例えば二次読影)の読影作業に関して振り分けを行う仕組みである。第一の実施形態では、マルチ読影の依頼については、すべての工程に関する依頼割当枠情報を一括して振り分けていた。そのため、前工程を担当する読影医の進捗が予定通りに進まなかった場合、後工程の読影医が読影作業に着手しようとしても、前工程が完了していない可能性がある。第二の実施形態ではこうした問題点を鑑みて、前工程の読影が完了した場合に、後工程の振り分けを実施するようにしている。
以下、第二の実施形態として上記の仕組みについて説明を行う。尚、前述した第一の実施形態と共通する処理や画面例、データ構成については説明を省略し、第一の実施形態と異なる部分について説明を行う。
[画面構成例]
図32は、読影センター側のユーザが依頼割当枠情報に読影医を割り当てる際の設定を行うことの可能な、業務端末112のディスプレイに表示される振分設定画面3200の構成例を示す。振分設定画面3200は、マルチ読影の場合に前工程の読影が完了したら、後工程の読影作業の振り分けを実施するか否かを受け付けるチェックボックス3201と、設定ボタン3202を備える。チェックボックス3201がチェックされていない場合には、前述した第一の実施形態と同様の動作となる。設定ボタン3202が押下されると、当該設定を外部メモリ211に保存する。以下、このチェックボックス3201による設定内容を、第一の振分設定と称する。そして、マルチ読影の場合に前工程の読影が完了したら、後工程の読影作業の振り分けを実施する場合は、第一の振分設定がONの状態であり、そうでない場合は第一の振分設定がOFFの状態であるものとして説明を行う。
[処理フロー]
(依頼振分処理)
図33は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する依頼振分処理の処理フローを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101それぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。尚、図33は、図8に示す依頼振分処理の変形例であるため、図8と同様の処理については図8と同じステップ番号を図33に付与してある。よって、こうした同様の処理については説明を省略する。
S520にて、遠隔読影サーバ101のCPU201は、業務端末112から各情報の取得指示がなされると、外部メモリ211に保存された第一の振分設定を取得する。そして、第一の振分設定がONか否かを判定する。第一の振分設定がONであると判定した場合(S520でYES)、S521に処理を移行する。一方、第一の振分設定がOFFであると判定した場合(S520でNO)、S502に処理を移行する。S520でNOの場合は、前述した第一の実施形態と同様である。
S521にて、遠隔読影サーバ101は、シングル読影やブラインドマルチ読影の依頼割当枠情報の場合には、依頼割当枠情報の状態2702が「振分待」以降のステータスで、かつ読影状態2722が「未」である依頼割当枠情報を取得する。マルチ読影の依頼割当枠情報の場合には、依頼割当枠情報の状態2702が「振分待」以降のステータスで、かつ読影状態2722が「未」であり、かつ同一の依頼の中で工程No2719が最も小さい依頼割当枠情報を取得する。例えば、ダブル読影で一次読影も二次読影も振り分けられていないのであれば、一次読影の依頼割当枠情報だけが取得される。更に、図26に示す読影医スケジュールテーブル2600も取得し、これらを業務端末112に返す。そして、業務端末112は、受信した依頼割当枠情報と読影医スケジュールテーブル2600とを依頼振分画面1500に表示する。これ以降の処理は、図8と同様である。
[画面構成例]
図34は、第一の振分設定がONである場合に図33の依頼振分処理を実行し、依頼振分画面1500を業務端末112に表示した結果を示す。図34では、図15では表示されていた、依頼IDが「1」の二次読影に関する依頼割当枠情報が表示されていないことがわかる。これは、一次読影が完了していないので二次読影の振り分けが行われないように表示制御を行っているということである。二次読影の振り分けは、後述する処理において別途行われる。
[処理フロー]
(依頼振分処理)
図34の依頼振分画面で自動振分ボタン1504が押下されると、図34に表示されている依頼割当枠情報に関して読影医の自動割り当てが行われる。第二の実施形態では、依頼振分処理を示す図9A及び図9Bのうち、図9Bに一部処理が追加となるので、その点について説明を行う。
図35は、遠隔読影サーバ101が実施する自動振分の処理フローを示す図であり、図8のS507の処理に対応する。また、図35は図9Bの変形例であり、第二の実施形態においても図9Aは第一の実施形態と同様である。
S616で振分適切度が算出されると、S641にて、遠隔読影サーバは、外部メモリ211から第一の振分設定を参照し、これがONであるか否かを判定する。第一の振分設定がONであると判定した場合(S641でYES)、S617に処理を移行する。つまり、第一の振分設定によりS636及びS637を実行する必要がないため、これらの処理をスキップしている。一方、第一の振分設定がOFFであると判定した場合(S641でNO)、S636に処理を移行する。これ以降の処理は、図9Bと同様である。
(読影結果確認処理)
読影依頼が振り分けられた後は、各読影医が読影作業を行い、読影結果をデータで保存する。そして、読影センターの担当者がその読影結果を確認し、問題がなければ依頼元に読影結果が公開されるという流れになる。以下、この確認作業について説明を行う。
図36は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する読影結果確認処理のフローチャートを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101のそれぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S701にて、業務端末112は、ユーザの指示に従って、図37に示す確認待ちワークリスト画面3700を表示する。ここでの表示は、依頼端末109に備えられたWebブラウザ(不図示)を用いて行われてもよいし、所定のアプリケーションを介して表示するようにしてもよい。業務端末112は、確認待ちワークリスト画面3700に表示する依頼割当枠情報を取得するために、遠隔読影サーバ101に依頼割当枠情報を取得する指示を出す。
S702にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112からの指示に応じて、図27の依頼情報テーブル2700から依頼割当枠情報を読み込み、業務端末112に返す。そして、業務端末112は、受信した依頼割当枠情報のうち、状態2702が「確認待」の依頼割当枠情報を確認待ちワークリスト画面3700に表示する。読影医により読影が完了すると、その依頼割当枠情報の状態2702が「確認待」に更新される。よって、表示される依頼割当枠情報は、読影医による読影が終了している依頼割当枠情報である。
S703にて、業務端末112は、確認待ちワークリスト画面3700を介してユーザから確認対象の依頼割当枠情報の選択を受け付ける。具体的には、確認待ちワークリスト画面3700の表示ボタン3701の指定を受け付けることで、確認対象の依頼割当枠情報の選択を受け付ける。そして、業務端末112は、選択された確認対象の依頼割当枠情報の依頼ID2701を取得する。
S704にて、業務端末112は、S703で取得した依頼ID2701に該当する依頼割当枠情報を表示するために、図38に示す読影結果確認画面3800を表示する。読影結果確認画面3800には、読影医による読影結果を表示する欄と、次のアクションを指定する欄が備えられている。読影医による読影結果を表示する欄には、選択を受け付けた依頼割当枠情報の他に、当該依頼割当枠情報と同一の依頼の依頼割当枠情報(別の割当枠)も合わせて表示する。また、出力ボタン3801に対する押下を受け付けることで、読影結果のレポートデータが表示されるので、これを読影センターの担当者が確認する。そして確認した結果に応じて、次のアクションの入力を受け付ける。図38(A)はダブル読影のうち、一次読影が済んでおり、二次読影が済んでいない状態の画面であるが、こういう状態の場合には2つのアクションを選択できる。1つは、次の振り分けを行うアクション(3802)である。前述した第一の振分設定がONの場合には、マルチ読影の後工程が振り分けられていないので、このアクションを選択することで、次の工程について振り分けが行われる。もう1つは、差し戻しを行うアクション(3803)である。読影結果に不備がある場合には、このアクションを選択して読影医に読影結果の書き直しを要求することができる。図38(B)は、ダブル読影のうち一次読影も二次読影も済んでいる状態の画面である。この状態の場合には、次の振り分けは行えないので、読影結果を公開するアクション(3805)と、差し戻しのアクションが表示される。
S705にて、業務端末112は、読影結果確認画面3800にて、OKボタン3804が押されたか否かを判定する。OKボタン3804が押された場合(S705にてYES)、S706に移行する。そうでない場合(S705にてNO)、OKボタン3804が押されるまで待機する。
S706にて、業務端末112は、S703で表示ボタン3701が押された依頼割当枠情報と選択されたアクションを示す情報とを遠隔読影サーバ101に送信する。
S707にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から送信された依頼割当枠情報と選択されたアクションを示す情報とを受信する。
S708にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した情報に基づいて、選択されたアクションが差し戻しか否かを判定する。選択されたアクションが差し戻しである場合(S708にてYES)、S709に処理を移行し、読影作業の差し戻しを行う。これにより、受信した依頼割当枠情報の状態2702が「読影待」に更新される。一方、選択されたアクションが差し戻しでない場合(S708にてNO)、S710に処理を移行する。
S710にて、遠隔読影サーバ101は、第一の振分設定がONであるか否かを判定する。第一の振分設定がONであると判定した場合(S710にてYES)、S712に処理を移行する。第一の振分設定がOFFであると判定した場合(S710にてNO)、S711に処理を移行する。
S711にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した依頼割当枠情報と、当該依頼割当枠情報と同一依頼のすべての依頼割当枠情報の読影状態2722が「済」である場合に、当該依頼の状態2702を「公開済」に更新する。そうでなければ何も行わない。また、状態2702を「公開済」に更新する場合には、依頼元に読影結果を公開する。ここでいう公開とは、読影結果が閲覧可能な状態になることを公開と称している。当該依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報が存在するのであれば、これも合わせて公開する。
S712にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報であって、受信した依頼割当枠情報の次の工程の依頼割当枠情報が未読影か否かを判定する。すなわち、ステップS707で受信した依頼割当枠情報の次の工程の依頼割当枠情報の読影状態2722を参照すればよい。読影状態2722は、読影が完了すると「済」が格納され、読影が完了していないと「未」が格納される読影のステータスである。つまり、ステップS707で受信した依頼割当枠情報の次の工程の依頼割当枠情報の読影状態722が「未」であるか否かを判定すればよい。ステップS707で受信した依頼割当枠情報の次の工程の依頼割当枠情報が未読影であると判定した場合(S712にてYES)、S713に処理を移行する。ステップS707で受信した依頼割当枠情報の次の工程の依頼割当枠情報が読影済みであると判定した場合(S713にてYES)、S711に処理を移行する。また、指定されたアクションが、読影結果を公開するアクションである場合にも、S711に処理を移行する。
S713にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した依頼割当枠情報の次の工程の依頼割当枠情報について自動振分処理を実施し、依頼に関する読影作業を行う読影医、およびその読影日を決定する。本工程における処理の詳細は、図9A及び図35で前述した通りである。このように、マルチ読影については、ある工程の読影が完了し、担当者の確認が行われたら、次の工程の振分を自動的に実行するので、マルチ読影の工程の順序と当該工程で行われる読影のスケジュール順とを一致させることが可能となる。第二の実施形態では、読影センターの担当者が読影結果を確認してOKボタンを押すことにより、次の工程の読影医が割り当てられるが、読影医によってある工程の読影が完了したことに応じて、次の工程の振り分けが行われてもよい。すなわち、読影センターの担当者の確認を行うことなく、次の工程の読影が行われてもよい。
S714にて、遠隔読影サーバ101は、S713で設定した読影医や読影日に関する振分結果の情報を業務端末112に送信する。
S715にて、業務端末112は、遠隔読影サーバ101から受信した読影医や読影日に関する振分結果の情報を依頼振分画面1500に表示する。業務端末112は、依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501に、振分された読影医および読影日の情報を、割当枠を示す依頼割当枠情報それぞれに対応付けて表示する。更に、業務端末112は、読影医スケジュール1503に、各読影医の日付毎に振分予定の件数を表示する。
S716にて、業務端末112は、依頼振分画面1600にて、保存ボタン1604が押されたか否かを確認する。保存ボタン1604が押された場合(S716にてYES)、S717に移行する。キャンセルボタン1603が押された場合(S716にてNO)、S720に移行する。
S720にて、業務端末112は、S715で受信した振分結果の情報を破棄する。依頼振分画面1600にて表示している振分結果の情報を、すべて表示前の状態に戻す。そして、本処理フローを終了する。
S717にて、業務端末112は、ユーザによって確定指示を受けた振分結果の情報を遠隔読影サーバ101に送信する。
S718にて、遠隔読影サーバ101は、業務端末112から振分結果の情報を受信する。
S719にて、遠隔読影サーバ101は、データベース108に保存されている依頼割当枠情報の割当枠情報にS718で受信した振分結果の情報を付加することで更新する。このとき、振分結果を更新した依頼割当枠情報に含まれる依頼情報のステータスとして、状態2702の値が「読影待」となる。そして、本処理フローを終了する。
[画面構成例]
図37は、読影センター側の担当者が確認待ちの依頼割当枠情報を指定する際に、業務端末112のディスプレイに表示される確認待ちワークリスト画面3700の構成例を示す。確認待ちリスト3707の表示ボタン3701を押下されると、押下された行の依頼割当枠情報を確認するための読影結果確認画面3800に遷移する。検索ボタン3706が押下されると、依頼施設3702、患者番号3703、検査種3704、および部位3705等の条件に基づいて依頼情報テーブル2700を検索し、確認待ちリスト3707の表示内容を更新する。
図38は、読影センター側の担当者が読影結果を確認する際に、業務端末112のディスプレイに表示される読影結果確認画面3800の構成例を示す。表示ボタン3701によって指定された依頼割当枠情報の読影結果と、当該依頼割当枠情報と同一依頼の他の依頼割当枠情報の読影結果とを表示する。また、次のアクションとして、次の工程の振り分けや、差し戻し、読影結果の公開といったアクションを指定することができる。
以上が第二の実施形態の説明である。
<第二の実施形態の変形例>
次に、第二の実施形態の変形例について説明する。第二の実施形態では、マルチ読影の場合にある工程の読影が完了すると、次の工程に対して読影医が自動的に割り当てられる仕組みであった。第二の実施形態の変形例は、マルチ読影の場合に、ある工程の読影が完了すると、図39に示すように依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501に次の工程の依頼割当枠情報が表示される仕組みである。
以下、第二の実施形態の変形例として上記の仕組みについて説明を行う。尚、前述した第一の実施形態、および第二の実施形態と共通する処理や画面例、データ構成については説明を省略し、第一の実施形態、および第二の実施形態と異なる部分について説明を行う。
[処理フロー]
(読影結果確認処理)
図40は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する読影結果確認処理のフローチャートを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101のそれぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。尚、図40は、図36に示す読影結果確認処理の変形例であるため、図36と同様の処理については図36と同じステップ番号を図40に付与してある。よって、こうした同様の処理については説明を省略する。
図40のS707までは、図36と同様の処理である。S707で業務端末112から送信された依頼割当枠情報と選択されたアクションを示す情報とを受信すると、S730にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した情報に基づいて、選択されたアクションが差し戻しか否かを判定する。選択されたアクションが差し戻しである場合(S730にてYES)、S709に処理を移行し、読影作業の差し戻しを行う。これにより、受信した依頼割当枠情報の状態2702が「読影待」に更新される。一方、選択されたアクションが差し戻しでない場合(S730にてNO)、S731に処理を移行する。
S731にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した依頼割当枠情報の状態2702を「公開済」に更新し、依頼元に読影結果を公開する。当該依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報が存在するのであれば、これも合わせて公開する。そして、本処理フローを終了する。
このように、次の工程の依頼割当枠情報を自動的に振り分けず、状態2702を更新するだけに留める。そして、この後に読影センターの担当者が第二の実施形態における図33の依頼振分処理を実行すると、次の工程の依頼割当枠情報が図39に示すように依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501に表示される。そのため、この表示された依頼割当枠情報を選択して振分を指示することが可能となる。
<第三の実施形態>
第三の実施形態は、ブラインドマルチ読影の場合に、第一の読影による読影結果と第二の読影による読影結果とが異なる場合、第三の読影を行うべく、第三の読影を担当する読影医を割り当てる仕組みである。第一の読影による読影結果と第二の読影による読影結果とが異なるということは、この結果を依頼施設に返却したとしても依頼施設側が患者の状態を判断しづらい問題がある。そのため、更に第三の読影を行わせてその結果を提示することで依頼施設側の判断を補助することができる。
以下、第三の実施形態として上記の仕組みについて説明を行う。尚、前述した第一の実施形態、および第二の実施形態と共通する処理や画面例、データ構成については説明を省略し、第一の実施形態、および第二の実施形態と異なる部分について説明を行う。
[画面構成例]
図41は、読影センター側のユーザが依頼割当枠情報に読影医を割り当てる際の設定を行うことの可能な、業務端末112のディスプレイに表示される振分設定画面3200の構成例を示す。第三の実施形態における振分設定画面3200は、ブラインドマルチ読影を行った結果、第一の読影の結果と第二の読影の結果とが異なる場合に第三の読影を行うべく、第三の読影の振り分けを実施するか否かを受け付けるチェックボックス3203を更に備える。チェックボックス3203がチェックされていない場合には、前述した第一の実施形態および第二の実施形態と同様の動作となる。以下、このチェックボックス3203による設定内容を、第二の振分設定と称する。そして、第三の読影の振り分けを実施する場合は、第二の振分設定がONの状態であり、そうでない場合は第二の振分設定がOFFの状態であるものとして説明を行う。
[テーブル構成例]
図42は、レポート管理テーブル4200の構成例を示す。レポート管理テーブル4200は、読影医が読影した結果のレポートデータが格納されるデータテーブルである。レポート管理テーブル4200では依頼IDごと・割当枠ごとに、読影医の所見とその所見に関する部位や判定等が登録される。登録の流れに関しての詳細な説明は省略するが、読影医が操作する読影端末113または114からこうした所見等をレポートサーバ103に登録すると、レポート管理テーブル4200に読影結果のレポートが格納される。
[処理フロー]
(読影結果確認処理)
図43は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する読影結果確認処理のフローチャートを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101のそれぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。尚、図43は、図36および図40に示す読影結果確認処理の変形例であるため、図36および図40と同様の処理については図36および図40と同じステップ番号を図43に付与してある。よって、こうした同様の処理については説明を省略する。
図43のS707までは、図36と同様の処理である。S707で業務端末112から送信された依頼割当枠情報と選択されたアクションを示す情報とを受信すると、S750にて、遠隔読影サーバ101は、ステップS707で受信した情報に基づいて、選択されたアクションが差し戻しか否かを判定する。選択されたアクションが差し戻しである場合(S750にてYES)、S709に処理を移行し、読影作業の差し戻しを行う。これにより、受信した依頼割当枠情報の状態2702が「読影待」に更新される。一方、選択されたアクションが差し戻しでない場合(S750にてNO)、S751に処理を移行する。
S751にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報が存在するか否かを判定する。つまり、S707で受信した依頼割当枠情報が、マルチ読影またはブラインドマルチ読影のいずれかであるか否かを判定するということである。S707で受信した依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報が存在すると判定した場合(S751にてYES)、S752に処理を移行する。S707で受信した依頼割当枠情報と同一依頼の依頼割当枠情報が存在しないと判定した場合(S751にてNO)、シングル読影であるのでS711に処理を移行し、S707で受信した依頼割当枠情報の状態2702を「公開済」に更新する。そして、依頼元に読影結果を公開する。
S752にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報は、複数の工程が存在する読影か否かを判定する。具体的には、S707で受信した依頼割当枠情報の工程No2719と、当該依頼割当枠情報と同一依頼の他の依頼割当枠情報の工程No2719とを参照し、工程Noが2以上のものが存在するか否かを判定する。要は、S707で受信した依頼割当枠情報がマルチ読影であるか否かを判定している。S707で受信した依頼割当枠情報は、複数の工程が存在する読影であると判定した場合(S752にてYES)、S710に処理を移行する。S707で受信した依頼割当枠情報は、複数の工程が存在する読影でないと判定した場合(S752にてNO)、S753に処理を移行する。
S753にて、遠隔読影サーバ101は、第二の振分設定がONであるか否かを判定する。第二の振分設定がONであると判定した場合(S753にてYES)、S754に処理を移行する。第二の振分設定がOFFであると判定した場合(S753にてNO)、S711に処理を移行する。
S754にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報と同一依頼のすべての依頼割当枠情報の状態2702が「確認待」であるか否かを判定する。つまり、ブラインドマルチ読影においてすべての読影が完了し、いずれも読影センターの担当者による確認待ちになっているのか否かを判定するということである。S707で受信した依頼割当枠情報と同一依頼のすべての依頼割当枠情報の状態2702が「確認待」であると判定した場合(S754にてYES)、S755に処理を移行する。そうでない場合(S754にてNO)、S711に処理を移行する。
S755にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報に関する読影結果(第一の読影結果)と、当該依頼割当枠情報と同一依頼の他の依頼割当枠情報に関する読影結果(第二の読影結果)とが異なるか否かを判定する。まず、S707で受信した依頼割当枠情報に関する読影結果(第一の読影結果)と、当該依頼割当枠情報と同一依頼の他の依頼割当枠情報に関する読影結果(第二の読影結果)とをレポート管理テーブル4200から取得する。そして、第一の読影結果と第二の読影結果の部位、所見、判定それぞれについて比較を行い、異なる項目があれば読影結果が異なると判定する。尚、本実施形態では部位、所見、判定のいずれかが異なれば、第一の読影結果と第二の読影結果とが異なると判定するが、これに限らない。部位と所見の2つについて違いがあるかどうかを判定してもよいし、判定だけについて違いを判定してもよい。また、第一の読影結果の判定と第二の読影結果の判定とが2段階、3段階も離れている場合には読影結果が異なると判定し、1段階しか離れていないのであれば問題なしと判定してもよい。第一の読影結果と第二の読影結果とが異なると判定した場合(S755にてYES)、S756に処理を移行する。そうでない場合(S755にてNO)、S711に処理を移行する。
S756にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報に関する依頼情報と対応づけて新たな割当枠情報を依頼情報テーブル2700に生成する。つまり、第三の読影を行うために新たな割当枠を生成するということである。S756が完了したら、S713に処理を移行し、新たに生成した割当枠に対して読影医を割り当てるための自動振分処理を実行する。これ以降の処理は、前述した第二の実施形態と同様である。こうして第三の読影を行うための振分が自動的に実行され、読影医が第三の読影を行う。尚、第三の読影が完了し、読影センターの担当者がこの結果を確認した場合には、第一の読影から第三の読影までの読影結果を依頼元に公開する。また、本実施形態では、第三の読影で終了しているが、第四の読影、第五の読影と継続してもよい。以上で、本処理フローを終了する。
<第三の実施形態の変形例>
次に、第三の実施形態の変形例について説明する。第三の実施形態は、ブラインドマルチ読影の場合に、第一の読影による読影結果と第二の読影による読影結果とが異なる場合、第三の読影を行うべく、自動的に第三の読影を担当する読影医を割り当てる仕組みであった。第三の実施形態の変形例は、ブラインドマルチ読影の場合に、第一の読影による読影結果と第二の読影による読影結果とが異なる場合、第三の読影を行うべく、図44に示すように依頼情報リスト1501に第三の読影の依頼割当枠情報が表示される仕組みである。
以下、第三の実施形態の変形例として上記の仕組みについて説明を行う。尚、前述した第一の実施形態、第二の実施形態、及び第三の実施形態と共通する処理や画面例、データ構成については説明を省略し、第一の実施形態、第二の実施形態、及び第三の実施形態と異なる部分について説明を行う。
[処理フロー]
(読影結果確認処理)
図45は、業務端末112と遠隔読影サーバ101とが連携して実施する読影結果確認処理のフローチャートを示す図である。以下の処理は、業務端末112および遠隔読影サーバ101のそれぞれのCPUが各記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。尚、図45は、図36、図40、図43に示す読影結果確認処理の変形例であるため、図36、図40、図43と同様の処理については図36、図40、図43と同じステップ番号を図45に付与してある。よって、こうした同様の処理については説明を省略する。
図45のS751までは、図43と同様の処理である。S752にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報は、複数の工程が存在する読影か否かを判定する。S707で受信した依頼割当枠情報は、複数の工程が存在する読影であると判定した場合(S752にてYES)、S711に処理を移行する。S707で受信した依頼割当枠情報は、複数の工程が存在する読影でないと判定した場合(S752にてNO)、S753に処理を移行する。
S753からS755までの処理は図43と同様である。S756にて、遠隔読影サーバ101は、S707で受信した依頼割当枠情報に関する依頼情報と対応づけて新たな割当枠情報を依頼情報テーブル2700に生成する。そして、S756が完了したら、本処理フローを終了する。
このように、第三の読影を行うための割当枠情報を生成するだけに留めておく。そして、後で読影センターの担当者が第二の実施形態における図33の依頼振分処理を実行すると、第三の読影に関する依頼割当枠情報が図44に示すように依頼振分画面1500の依頼情報リスト1501に表示される。そのため、この表示された第三の読影に関する依頼振分枠情報を選択して振分を指示することが可能となる。
<本発明の特徴>
本発明の特徴は以下の通りである。
医用画像データの読影依頼を管理する読影依頼管理システムであって、複数の段階に分けて読影すべき前記読影依頼を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される読影依頼に関する読影を担当する読影医を、前記段階ごとに決定する決定手段と、前記決定手段で決定された読影医による読影結果を受け付ける受付手段とを備え、前記決定手段は、前記受付手段で受け付けた前記段階ごとの読影結果が異なる場合に、次の段階の読影を担当する読影医を決定することを特徴とする。
更に、前記決定手段は、前記受付手段で前記読影依頼に関するすべての前記段階の読影結果を受け付けて、前記受付手段で受け付けた当該段階ごとの読影結果が異なる場合に、次の段階の読影を担当する読影医を決定することを特徴とする。
更に、前記記憶手段は、前記決定手段に関する動作設定を更に記憶し、前記決定手段は、前記記憶手段で記憶される動作設定に応じて、前記受付手段で受け付けた前記段階ごとの読影結果が異なる場合に、次の段階の読影を担当する読影医を決定することを特徴とする。
更に、前記決定手段は、前記受付手段で受け付けた前記段階ごとの読影結果のうち、少なくとも部位、所見、判定のいずれかが異なる場合に、次の段階の読影を担当する読影医を決定することを特徴とする。
本発明によれば、複数の読影結果が異なる場合に更なる読影を行うべく読影医を決定することが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。