JP2020079430A - 粉末積層造形用粉末材料及び粉末積層造形方法 - Google Patents

粉末積層造形用粉末材料及び粉末積層造形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度な造形物を粉末積層造形法によって製造することが可能な粉末積層造形用粉末材料を提供する。【解決手段】粉末積層造形用粉末材料は、粉末積層造形法によって造形物を製造するための粉末材料であって、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有する。【選択図】図2

Description

本発明は、粉末積層造形用粉末材料及びそれを用いる粉末積層造形方法に関する。
サーメット、超硬合金で形成された工具、金型等の製作に、粉末積層造形法を用いることが検討されている。粉末積層造形用の粉末材料として、例えば特許文献1には、タングステンカーバイド(WC)の一次粒子とコバルト(Co)の一次粒子との焼結粒子(二次粒子)で構成された粉末材料が開示されている。
国際公開第2015/194678号
工具や金型には高硬度が要求されるので、粉末積層造形法によって緻密(高密度)な造形物を製造する必要があるが、粉末積層造形法によって製造された造形物の密度については改良の余地があった。
本発明は、高密度な造形物を粉末積層造形法によって製造することが可能な粉末積層造形用粉末材料及び粉末積層造形方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る粉末積層造形用粉末材料は、粉末積層造形法によって造形物を製造するための粉末材料であって、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有することを要旨とする。
本発明の他の態様に係る粉末積層造形方法は、上記の一態様に係る粉末積層造形用粉末材料を用いて粉末積層造形法によって造形を行うことを要旨とする。
本発明によれば、高密度な造形物を粉末積層造形法によって製造することが可能である。
粉末積層造形のための装置の一実施形態を示す模式図である。 実施例の粉末積層造形用粉末材料の断面のSEM画像である。 実施例の造形物のSEM画像である。 比較例の粉末積層造形用粉末材料の断面のSEM画像である。 比較例の造形物のSEM画像である。
本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
本実施形態の粉末積層造形用粉末材料は、粉末積層造形法によって造形物を製造するための粉末材料であって、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有する。詳述すると、本実施形態の粉末積層造形用粉末材料は、セラミック粒子(一次粒子)と金属粒子(一次粒子)とを液相焼結して得られた液相焼結体からなる焼結粒子(二次粒子)を含有する。
セラミック粒子(一次粒子)と金属粒子(一次粒子)とを固相焼結して得られた固相焼結体からなる焼結粒子(二次粒子)は、内部に空隙部を有する。そのため、固相焼結体からなる焼結粒子を用いて粉末積層造形法によって造形物を製造した場合には、多孔質の(ポーラスな)造形物が得られやすく、緻密で高密度な造形物は得られにくい。
これに対して、本実施形態の粉末積層造形用粉末材料は、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有する。液相焼結体からなる焼結粒子は、セラミック粒子と金属粒子との粒界のない均質で緻密な粒子であるので、本実施形態の粉末積層造形用粉末材料を用いて粉末積層造形法によって造形物を製造した場合には、クラック、気孔等の間隙が少なく緻密で高密度な造形物を得ることができる。本実施形態の粉末積層造形用粉末材料を用いて粉末積層造形法によって製造された造形物は、高硬度、高強度であり、固相焼結体からなる焼結粒子を用いて粉末積層造形法によって製造された造形物と同等以上の硬度及び強度を有することができる。
セラミック粒子と金属粒子とを液相焼結して液相焼結体からなる焼結粒子を得る方法は、液相焼結が可能であるならば特に限定されるものではないが、例えば、プラズマアトマイズ法等のアトマイズ法、溶射法、高周波誘導熱プラズマ法を用いることにより、液相焼結体からなる焼結粒子を得ることができる。
本実施形態の粉末積層造形用粉末材料を用いて粉末積層造形法によって造形を行えば、種々の立体形状の造形物を製造することが可能である。例えば、工作を行うための種々の工具(例えば切削工具)や、成形を行うための種々の金型や、治具等の種々の部品を、本実施形態の粉末積層造形用粉末材料を用いた粉末積層造形法によって製造することが可能である。
本実施形態における粉末積層造形法としては、例えば、レーザー粉体肉盛り法(レーザーメタルデポジション法;LMD)、選択的レーザー溶融法(セレクトレーザーメルティング法;SLM)、電子ビーム溶融法(エレクトロンビームメルティング法;EBM)等のビーム照射方式や、インクジェットによりバインダ(結合剤)を噴射して粉末粒子の接合層を形成するインクジェット方式が挙げられる。
レーザーメタルデポジション法とは、具体的には、構造物の所望の部位に粉末材料を提供して、そこにレーザー光を照射することで粉末材料を溶融・凝固させ、当該部位に肉盛りを行う技術である。この手法を利用することで、例えば、構造物に摩耗等の物理的な劣化が発生した場合に、当該劣化部位に粉末材料として当該構造物を構成する材料又は補強材料等を供給し、その粉末材料を溶融・凝固させることで劣化部位等に肉盛りを行うことができる。
セレクトレーザーメルティング法とは、設計図から作成したスライスデータに基づき、粉末材料を堆積させた粉末層にレーザー光を走査させ、粉末層を所望形状に溶融・凝固する操作を、1断面(1スライスデータ)ごとに繰り返して積層させることで、三次元的な構造体を造形する技術である。
エレクトロンビームメルティング法とは、3D CADデータから作成したスライスデータを基に、電子ビームを用いて上記粉末層を選択的に溶融・凝固させ、積層することで、3次元的な構造体を造形する技術である。
いずれの技術においても、構造体の原料である粉末材料を所定の造形位置に供給するという工程を含む。特に、セレクトレーザーメルティング法やエレクトロンビームメルティング法においては、構造体を造形する積層エリア全体に、粉末材料を1断面厚さに対応する厚みで、均一に薄く堆積する平坦化工程を繰り返す必要がある。この粉末材料の平坦化工程において、粉末材料の流動性は重要なパラメータであり、作製する三次元造形物の仕上がりに大きく影響する。それに対して、本発明における粉末積層造形に用いる粉末材料は、流動性が良好であることから、仕上がりの良好な三次元造形物を作製できる。
粉末積層造形用粉末材料のタップ充填率は、50%以上であることが好ましく、52%以上であることがより好ましく、55%以上であることがさらに好ましい。粉末積層造形用粉末材料のタップ充填率が50%以上であれば、より高密度な造形物を粉末積層造形法によって製造することができる。
粉末積層造形用粉末材料のタップ充填率は、「タップ密度/理論密度×100(%)」なる式により求めることができる。ここで、タップ密度は、JIS R1628:1997に規定の方法によって測定することができる。また、理論密度は、粉末積層造形用粉末材料を構成する各成分、すなわちセラミックと金属の密度及び含有量(質量%)から算出することができる。
液相焼結体を構成するセラミック粒子の種類は特に限定されるものではないが、酸化物系セラミックの粒子や非酸化物系セラミックの粒子が挙げられる。
酸化物系セラミックとしては、例えば、以下に示す金属の酸化物が挙げられる。すなわち、金属としては、B、Si、Ge、Sb、Bi等の半金属元素、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Al、Ga、In、Sn、Pb等の典型元素、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au等の遷移金属元素、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Er、Lu等のランタノイド元素から選択される1種又は2種以上の金属が挙げられる。これらの金属の中でも、Mg、Y、Ti、Zr、Cr、Mn、Fe、Zn、Al、Erから選択される1種又は2種以上の金属が好ましい。
酸化物系セラミックとしては、より具体的には、例えば、アルミナ、ジルコニア、イットリア、クロミア、チタニア、コバルタイト、マグネシア、シリカ、カルシア、セリア、フェライト、スピネル、ジルコン、酸化ニッケル、酸化銀、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化ストロンチウム、酸化スカンジウム、酸化サマリウム、酸化ビスマス、酸化ランタン、酸化ルテチウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、マンガン酸化物、酸化タンタル、酸化テルピウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジウム、酸化スズ、酸化アンチモン、アンチモン含有酸化スズ、酸化インジウム、スズ含有酸化インジウム、酸化ジルコニウムアルミネート、酸化ジルコニウムシリケート、酸化ハフニウムアルミネート、酸化ハフニウムシリケート、酸化チタンシリケート、酸化ランタンシリケート、酸化ランタンアルミネート、酸化イットリウムシリケート、酸化チタンシリケート、酸化タンタルシリケート等が挙げられる。
また、非酸化物系セラミックとしては、例えば、炭化タングステン(タングステンカーバイド)、炭化クロム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素等の炭化物系セラミックや、ホウ化モリブデン、ホウ化クロム、ホウ化ハフニウム、ホウ化ジルコニウム、ホウ化タンタル、ホウ化チタン等のホウ化物系セラミックや、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物系セラミックが挙げられる。
さらに、非酸化物系セラミックとしては、例えば、フオルステライト、ステアタイト、コーディエライト、ムライト、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、サイアロン等の複合化物や、ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等のリン酸化合物が挙げられる。
これらのセラミックは、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらのセラミックの中では、炭化タングステンが特に好ましい。
液相焼結体を構成する金属粒子の種類は特に限定されるものではないが、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ビスマス(Bi)、ニオブ(Ni)、モリブデン(Mo)、錫(Sn)、タングステン(W)、鉛(Pb)等の金属の粒子や、これらの金属のうち2種以上の金属の合金の粒子が挙げられる。
これらの金属は、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの金属の中では、コバルトが特に好ましい。
使用するセラミック粒子と金属粒子との質量比は特に限定されるものではなく、粉末積層造形用粉末材料の使用目的や使用条件に応じて任意に設定することができる。また、本発明の目的が達成される範囲内の量であれば、第3の成分を添加剤としてセラミック粒子及び金属粒子に添加して、液相焼結体としてもよい。さらに、粉末積層造形用粉末材料は、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有していれば、樹脂の粒子、添加剤の粒子等の他の粒子をさらに含有していてもよい。
セラミック粒子及び金属粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は特に限定されるものではなく、粉末積層造形用粉末材料の使用目的や使用条件に応じて任意に設定することができる。また、液相焼結体からなる焼結粒子の平均粒子径(平均二次粒子径)も同様に特に限定されるものではなく、粉末積層造形用粉末材料の使用目的や使用条件に応じて任意に設定することができる。
<三次元造形物の製造方法>
本発明における粉末材料を用いた三次元造形物の粉末積層による製造方法は、例えば、次のような方法がある。図1は粉末積層造形のための積層造形装置の簡略図の一例を示しており、大まかな構成として、積層造形が行われる空間である積層エリア10と、粉末材料を貯留しておくストック12と、積層エリア10への粉末材料の供給を補助するワイパ11と、粉末材料を固化するための固化手段(インクジェットヘッド、レーザー発振器等)13と、を備えている。
積層エリア10は、典型的には、外周が囲まれた造形空間内を造形面より下方に有し、この造形空間内に昇降可能な昇降テーブル14を備えている。この昇降テーブル14は、所定厚みΔt1ずつ降下することができ、この昇降テーブル14上に目的の造形物を造形してゆく。ストック12は、積層エリア10の傍に配置され、例えば、外周が囲まれた貯留空間内に、シリンダー等によって昇降可能な底板(昇降テーブル)を備えている。底板が上昇することで、所定量の粉末材料を造形面に供給(押し出し)することができる。
このような積層造形装置では、昇降テーブル14を造形面より所定厚みΔt1だけ下げた状態で積層エリア10へ粉末材料層20を供給することで、所定厚みΔt1の粉末材料層20を用意することができる。このとき、造形面にワイパ11を走査させることで、ストック12から押し出された粉末材料を積層エリア10上に供給するとともに、粉末材料の表面を平坦化して、均質な粉末材料層20を形成することができる。そして、例えば、形成された第1層目の粉末材料層20に対し、第1層目のスライスデータに対応した固化領域にのみ、固化手段13を介して熱源や固化組成物等を与えることで、粉末材料を所望の断面形状に焼結又は接合等し、第1層目の粉末固化層21を形成することができる。
この後、昇降テーブル14を所定厚みΔt1だけ下げて再度粉末材料を供給し、ワイパ11でならすことで第2層目の粉末材料層20を形成する。そしてこの粉末材料層20の第2層目のスライスデータに対応した固化領域にのみ、固化手段13を介して熱源や固化組成物等を与えて粉末材料を固化させて第2層目の粉末固化層21を形成する。このとき、第2層目の粉末固化層21と、下層である第1層目の粉末固化層21とが一体化されて、第2層目までの積層体を形成する。
引き続き、昇降テーブル14を所定厚みΔt1だけ下降させて新たな粉末材料層20を形成し、固化手段13を介して熱源や固化組成物等を与えて所要箇所を粉末固化層21とする、との工程を繰り返すことで、目的とする三次元造形物を製造することができる。
なお、粉末材料を固化するための手段としては、例えば、インクジェットにより粉末材料を固化するための組成物を噴射する方法や、レーザーにより熱を与えて粉末材料を溶融固化する方法、又は粉末材料が光硬化の性質を持つものであれば、その光硬化の特性に合わせた紫外線の照射等が選択される。
具体的には、粉末材料を固化するための手段がレーザーの場合は、例えば炭酸ガスレーザーやYAGレーザーを好適に用いることができる。
また、粉末材料を固化するための手段がインクジェットによる組成物の噴射である場合は、接着剤としてポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体、ポリアミド等を含む組成物や、例えば重合開始剤等を含む組成物を使用することができる。
さらに、粉末材料として光硬化の性質を持つものを使用する場合は、紫外線の波長領域を持つエキシマレーザー(308nm)、He−Cdレーザー(325nm)、Arレーザー(351〜346nm)、可視光硬化樹脂を使用する場合はArレーザー(488nm)等を使用することができる。つまりは、使用する粉末材料の特性に応じて、適切な粉末材料を固化するための手段を選択することがよい。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子の集合体である実施例の粉末(実施例の粉末積層造形用粉末材料)と、セラミック粒子と金属粒子の固相焼結体からなる焼結粒子の集合体である比較例の粉末(比較例の粉末積層造形用粉末材料)とを製造した。
まず、比較例の粉末積層造形用粉末材料の製造方法について説明する。タングステンカーバイド(WC)粉末(平均一次粒子径2μm)とコバルト粉末(平均一次粒子径2μm)をスラリー化し、アトライタで混合した。両粉末の混合比は、タングステンカーバイド粉末88質量%に対してコバルト粉末12質量%とした。その後、噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)を用いてスラリーを乾燥するとともに造粒を行った。得られた造粒粉末を1200℃で固相焼結した後に解砕、分級することにより、固相焼結体からなる焼結粒子の集合体である比較例の粉末積層造形用粉末材料を得た。一次粒子の平均粒子径はレーザー回折・散乱法により測定することができる。例えば、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−300を用いて測定することができる。
比較例の粉末積層造形用粉末材料のDv10は10μm、Dv50は15μm、Dv90は24μmであった。なお、Dv10、Dv50、Dv90とは、体積基準の積算粒子径分布における10%粒子径、50%粒子径、90%粒子径をそれぞれ意味する。Dv10、Dv50、Dv90は、レーザー回折・散乱法により測定することができる。例えば、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−300を用いて測定することができる。
次に、実施例の粉末積層造形用粉末材料の製造方法について説明する。上記のようにして得た比較例の粉末積層造形用粉末材料をプラズマ中に通すことにより、液相焼結を行った。具体的には、比較例の粉末積層造形用粉末材料を溶射法によって冷水中に打ち込み、水中から粉末を回収した後に分級することにより、液相焼結体からなる焼結粒子の集合体である実施例の粉末積層造形用粉末材料を得た。当該溶射法にはPRAXAIR/TAFA社製の溶射装置SG−100を使用し、溶射条件は以下の通りとした。すなわち、出力は30kW、使用ガスは窒素ガス(圧力50psi)及びアルゴンガス(圧力50psi)、粉末供給量は80g/minとした。比較例と同様にして、実施例の粉末積層造形用粉末材料のDv10、Dv50、Dv90を測定したところ、Dv10は10μm、Dv50は15μm、Dv90は24μmであった。
次に、実施例及び比較例の粉末積層造形用粉末材料のタップ密度、理論密度、タップ充填率をそれぞれ求めた。タップ密度は、JIS R1628:1997に規定の方法によって測定した。理論密度は、タングステンカーバイドとコバルトの密度と含有量(質量%)から算出した。具体的には、タングステンカーバイドの密度15.63と含有量88質量%との積と、コバルトの密度8.9と含有量12質量%との積をそれぞれ算出し、これら両積を加算することにより、理論密度を算出することができる。タップ充填率は、「タップ密度/理論密度×100(%)」なる式により算出した。
その結果、実施例の粉末積層造形用粉末材料のタップ密度、理論密度、タップ充填率は、それぞれ8.28g/cm3、14.8g/cm3、56%であり、比較例の粉末積層造形用粉末材料のタップ密度、理論密度、タップ充填率は、それぞれ5.53g/cm3、14.8g/cm3、37%であった。
図2及び図4に、粉末積層造形用粉末材料を構成する焼結粒子の断面のSEM画像を示す。図2及び図4から分かるように、比較例の粉末積層造形用粉末材料を構成する焼結粒子(図4)は、セラミック粒子と金属粒子との粒界が存在し不均質であることに加えて間隙が多いのに対して、実施例の粉末積層造形用粉末材料を構成する焼結粒子(図2)は、セラミック粒子と金属粒子との粒界が存在せず均質であることに加えて間隙が少なく緻密であった。
次に、実施例及び比較例の粉末積層造形用粉末材料を用いて、粉末積層造形法によって造形物を製造した。詳述すると、3Dプリンターを用いて粉末積層造形用粉末材料を層状に配し、そこにレーザー光を照射して溶融させ、その溶融物の上にさらに粉末積層造形用粉末材料を層状に配し、そこにレーザー光を照射して溶融させる。そして、このような操作を繰り返すことで、造形物を製造した。この際、3Dプリンターの設定は、出力300W、走査速度300mm/s、ピッチ幅0.1mm、積層厚さ30μmとした。なお、3Dプリンターは、3D Systems社製の3DプリンターProX DMP 200を用いた。
製造した造形物の相対密度を測定した。造形物の相対密度は、アルキメデス法により測定した密度を理論密度で除することにより算出した。その結果、比較例の粉末積層造形用粉末材料を用いて製造した造形物の相対密度が84%であったのに対して、実施例の粉末積層造形用粉末材料を用いて製造した造形物の相対密度は95%であった。これらの結果から、比較例の粉末積層造形用粉末材料を用いて製造した造形物は多孔質であるのに対して、実施例の粉末積層造形用粉末材料を用いて製造した造形物は緻密で高密度であることが分かる。
図3及び図5に造形物のSEM画像を示す。図3及び図5から分かるように、比較例の粉末積層造形用粉末材料を用いて製造した造形物(図5)は、間隙が多く多孔質であるのに対して、実施例の粉末積層造形用粉末材料を用いて製造した造形物(図3)は、間隙が少なく緻密であった。

Claims (5)

  1. 粉末積層造形法によって造形物を製造するための粉末材料であって、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有する粉末積層造形用粉末材料。
  2. タップ充填率が50%以上である請求項1に記載の粉末積層造形用粉末材料。
  3. 前記セラミック粒子が炭化タングステン粒子である請求項1又は請求項2に記載の粉末積層造形用粉末材料。
  4. 前記金属粒子がコバルト粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末積層造形用粉末材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉末積層造形用粉末材料を用いて粉末積層造形法によって造形を行う粉末積層造形方法。
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