JP2020076480A - 圧力緩衝装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モノチューブ式の圧力緩衝装置において、シール部に掛かる作動流体の圧力を低減する。【解決手段】車両用のモノチューブ式の圧力緩衝装置は、作動流体が封入されるとともに、一端側が閉塞され、他端側が開口するシリンダと、シリンダの他端側から摺動自由に挿入されるロッドと、ロッドの一端側の端部に接続され、シリンダの内側を、一端側に形成される第1室と他端側に形成される第2室とに区画するピストンと、ロッドが挿入され、ロッドとシリンダの開口部との間を封止するシール部と、ロッドを摺動自在に支持する支持部を有し、支持部とシール部との間に作動流体が流入する流入部を形成するロッド支持部と、ロッド支持部に設けられ、流入部に連絡するとともに気体を収容する気体収容部と、を備える。【選択図】図6
Description
本発明は、圧力緩衝装置に関する。
例えば、特許文献1には、外筒と、この外筒に出入自在に挿通される軸と、この軸を軸芯部に貫通させて外筒内に設けられるロッドガイドとを有してなる油圧緩衝器にあって、ロッドガイドに支持される環状に形成の芯金と、この芯金の内周部に設けられて軸に摺接する内周シールと、芯金の外周部に設けられて外筒に密接する内周シールとを有してなるオイルシールにおいて、芯金がロッドガイドに対向する一端に形成されて弾性材を設けない当接部を有し、ロッドガイドが芯金に対向する一端に形成されて当接部を当接させる受部を有し、当接部が受部に径方向から当接されてなる油圧緩衝器が開示されている。
ところで、モノチューブ式の圧力緩衝装置においては、シリンダの開口とロッドとの間を封止するシール部に作動流体の高い圧力が掛かる。そのため、従来は、例えばロッドに対するシール部の拘束力を高めるなどする必要があった。しかしながら、シール部の拘束力を高く設定した場合には、ロッドの摺動性が低下し、例えば車両の乗り心地などに影響するおそれがあった。
本発明は、モノチューブ式の圧力緩衝装置において、シール部に掛かる作動流体の圧力を低減することを目的とする。
本発明は、モノチューブ式の圧力緩衝装置において、シール部に掛かる作動流体の圧力を低減することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車両用のモノチューブ式の圧力緩衝装置であって、作動流体が封入されるとともに、一端側が閉塞され、他端側が開口するシリンダと、前記シリンダの前記他端側から摺動自由に挿入されるロッドと、前記ロッドの前記一端側の端部に接続され、前記シリンダの内側を、前記一端側に形成される第1室と前記他端側に形成される第2室とに区画するピストンと、前記ロッドが挿入され、前記ロッドと前記シリンダの開口部との間を封止するシール部と、前記ロッドを摺動自在に支持する支持部を有し、前記支持部と前記シール部との間に前記作動流体が流入する流入部を形成するロッド支持部と、前記ロッド支持部に設けられ、前記流入部に連絡するとともに気体を収容する気体収容部と、を備える圧力緩衝装置である。
本発明によれば、モノチューブ式の圧力緩衝装置において、シール部に掛かる作動流体の圧力を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
〔油圧緩衝装置1の構成・機能〕
図1は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の全体図である。
<第1実施形態>
〔油圧緩衝装置1の構成・機能〕
図1は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の全体図である。
図1に示すように、油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置の一例)は、オイル(作動流体の一例)を収容するシリンダ部10と、シリンダ部10の他端側から摺動自由に挿入されるロッド20と、ロッド20の一端側の端部に接続されるピストン部30と、を備える。また、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10の一端側に気体室を形成するフリーピストン部40と、ピストン部30とフリーピストン部40との間に設けられオイルの流れを絞るボトムバルブ部50と、を備える。さらに、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10の他端側の端部を閉塞するとともにロッド20を摺動自在に支持する端部構造部60を備える。
そして、油圧緩衝装置1は、例えば四輪車や二輪車などの車両にて、タイヤなどの車輪等と車体との間に設けられる。そして、油圧緩衝装置1は、スプリングとともに用いられ、車輪の上下運動を緩和したり吸収したりすることで、振動が車体に直接伝わることを抑制する。
また、第1実施形態の油圧緩衝装置1は、複数のシリンダではなく単数のシリンダを備えたモノチューブ式の油圧緩衝装置である。
また、第1実施形態の油圧緩衝装置1は、複数のシリンダではなく単数のシリンダを備えたモノチューブ式の油圧緩衝装置である。
なお、以下の説明において、油圧緩衝装置1の長手方向は、「軸方向」と称する。また、軸方向における下側は、「一端側」と称し、上側は、「他端側」と称する。また、油圧緩衝装置1の左右方向は、「半径方向」と称する。そして、半径方向において、中心軸側は、「半径方向内側」と称し、中心軸に対して離れる側は、「半径方向外側」と称する。さらに、油圧緩衝装置1の軸方向を中心とした回転方向は、「周方向」と称する。
[シリンダ部10の構成・機能]
シリンダ部10は、シリンダ11と、シリンダ11の他端側の端部に設けられるカバー部材12と、ボトムバルブ部50を保持するボトム保持部80と、を有している。
シリンダ部10は、シリンダ11と、シリンダ11の他端側の端部に設けられるカバー部材12と、ボトムバルブ部50を保持するボトム保持部80と、を有している。
シリンダ11は、円筒状に形成される。そして、シリンダ11は、一端側に底部が設けられることで閉塞され、他端側にシリンダ開口11Hを有する。
カバー部材12は、シリンダ11の他端側の端部を覆う。そして、カバー部材12は、ロッド20の他端側の端部に設けられる衝撃を吸収する不図示のバンプラバーの衝突からシリンダ11の端部を保護する。
カバー部材12は、シリンダ11の他端側の端部を覆う。そして、カバー部材12は、ロッド20の他端側の端部に設けられる衝撃を吸収する不図示のバンプラバーの衝突からシリンダ11の端部を保護する。
ボトム保持部80は、ボトムバルブ部50の他端側に設けられ、半径方向内側に開口部81H(図3参照)を有する弾性部材81と、ボトムバルブ部50の一端側に設けられる固定部材82と、を有する。弾性部材81は、シリンダ11の内周にて半径方向側に突出する凸部11Pに支持される。また、固定部材82は、シリンダ11の内周にて半径方向外側に窪む凹部11Nに支持される。
[ロッド20の構成・機能]
ロッド20は、軸方向に延びる棒状の部材である。そして、ロッド20は、マウントラバー21と、一端側の端部にピストン部30を取り付けるための一端側取付部22aと、他端側の端部にこのロッド20を車体に取り付けるための他端側取付部22bと、を有している。
マウントラバー21は、ゴムなどの弾性部材によって構成されている。そして、マウントラバー21は、ロッド20がシリンダ11に対して最も伸びた際に、後述するロッドガイド61の一端側の端部に接触するとともに、接触した際の衝撃を吸収する。
一端側取付部22aおよび他端側取付部22bは、端部の外面にボルトとして機能する雄ねじが形成されている。そして、ピストン部30は、ナット23によって、一端側取付部22aに固定される。
ロッド20は、軸方向に延びる棒状の部材である。そして、ロッド20は、マウントラバー21と、一端側の端部にピストン部30を取り付けるための一端側取付部22aと、他端側の端部にこのロッド20を車体に取り付けるための他端側取付部22bと、を有している。
マウントラバー21は、ゴムなどの弾性部材によって構成されている。そして、マウントラバー21は、ロッド20がシリンダ11に対して最も伸びた際に、後述するロッドガイド61の一端側の端部に接触するとともに、接触した際の衝撃を吸収する。
一端側取付部22aおよび他端側取付部22bは、端部の外面にボルトとして機能する雄ねじが形成されている。そして、ピストン部30は、ナット23によって、一端側取付部22aに固定される。
[ピストン部30の構成・機能]
図2は、第1実施形態のピストン部30の全体図である。
図2に示すように、ピストン部30は、圧側ピストン油路311および伸側ピストン油路312を有するピストンボディ32と、ピストンボディ32の他端側に設けられる圧側減衰バルブ部33と、ピストンボディ32の一端側に設けられる伸側減衰バルブ部34と、を有する。
そして、ピストン部30は、シリンダ11内のオイルを、一端側の第1油室Y1(第1室の一例)と第2油室Y2(第2室の一例)とに区画する。
図2は、第1実施形態のピストン部30の全体図である。
図2に示すように、ピストン部30は、圧側ピストン油路311および伸側ピストン油路312を有するピストンボディ32と、ピストンボディ32の他端側に設けられる圧側減衰バルブ部33と、ピストンボディ32の一端側に設けられる伸側減衰バルブ部34と、を有する。
そして、ピストン部30は、シリンダ11内のオイルを、一端側の第1油室Y1(第1室の一例)と第2油室Y2(第2室の一例)とに区画する。
圧側ピストン油路311および伸側ピストン油路312は、それぞれ、一端側にて第1油室Y1に連絡可能であり、他端側にて第2油室Y2に連絡可能である。
圧側減衰バルブ部33および伸側減衰バルブ部34は、薄い円盤状の金属板を複数用いて構成することができる。そして、圧側減衰バルブ部33は、伸側ピストン油路312の他端側を常に開放し、圧側ピストン油路311の他端側を開閉する。また、伸側減衰バルブ部34は、伸側ピストン油路312の一端側を開閉し、圧側ピストン油路311の一端側を常に開放する。
圧側減衰バルブ部33および伸側減衰バルブ部34は、薄い円盤状の金属板を複数用いて構成することができる。そして、圧側減衰バルブ部33は、伸側ピストン油路312の他端側を常に開放し、圧側ピストン油路311の他端側を開閉する。また、伸側減衰バルブ部34は、伸側ピストン油路312の一端側を開閉し、圧側ピストン油路311の一端側を常に開放する。
[フリーピストン部40]
図1に示すように、フリーピストン部40は、フリーピストン41と、フリーピストン41とシリンダ11との間に設けられるシール部材42と、を有する。
フリーピストン41は、円盤状の部材である。そして、フリーピストン41は、シリンダ11の軸方向において移動可能に設けられる。
シール部材42は、環状に形成された弾性部材である。また、シール部材42は、フリーピストン41の外周に取り付けられる。そして、シール部材42は、フリーピストン41とシリンダ11との間を封止する。
そして、フリーピストン部40は、一端側にて窒素などの気体を収容するガス室Gを形成し、他端側にてボトムバルブ部50(図1参照)とともに第3油室Y3を形成する。
図1に示すように、フリーピストン部40は、フリーピストン41と、フリーピストン41とシリンダ11との間に設けられるシール部材42と、を有する。
フリーピストン41は、円盤状の部材である。そして、フリーピストン41は、シリンダ11の軸方向において移動可能に設けられる。
シール部材42は、環状に形成された弾性部材である。また、シール部材42は、フリーピストン41の外周に取り付けられる。そして、シール部材42は、フリーピストン41とシリンダ11との間を封止する。
そして、フリーピストン部40は、一端側にて窒素などの気体を収容するガス室Gを形成し、他端側にてボトムバルブ部50(図1参照)とともに第3油室Y3を形成する。
[ボトムバルブ部50の構成・機能]
図3は、第1実施形態のボトムバルブ部50の全体図である。
ボトムバルブ部50は、バルブボディ51と、バルブボディ51の一端側に設けられる第1バルブ部52と、バルブボディ51の他端側に設けられる第2バルブ部53と、軸方向に設けられる固定部54と、を有する。
図3は、第1実施形態のボトムバルブ部50の全体図である。
ボトムバルブ部50は、バルブボディ51と、バルブボディ51の一端側に設けられる第1バルブ部52と、バルブボディ51の他端側に設けられる第2バルブ部53と、軸方向に設けられる固定部54と、を有する。
バルブボディ51は、円盤状に形成される部材である。そして、バルブボディ51は、軸方向に貫通する圧側油路511と、圧側油路511の半径方向外側に形成されるとともに軸方向に貫通する伸側油路512とを有している。そして、圧側油路511は、一端側が第1バルブ部52に対向し、他端側が第1油室Y1に連絡する。また、伸側油路512は、一端側が第3油室Y3に連絡し、他端側が第2バルブ部53に対向する。
第1バルブ部52および第2バルブ部53は、それぞれ、薄い円盤状の金属板を複数用いて構成することができる。第1バルブ部52は、圧側油路511の一端側を開閉し、伸側油路512の一端側を常に開放する。また、第2バルブ部53は、圧側油路511に対向する箇所に軸方向に貫通する油路口53Yを有している。そして、第2バルブ部53は、伸側油路512の他端側を開閉し、圧側油路511の他端側を常に開放する。
そして、ボトムバルブ部50は、一端側にて第3油室Y3を形成し、他端側にてピストン部30(図1参照)とともに第2油室Y2を形成する。
そして、ボトムバルブ部50は、一端側にて第3油室Y3を形成し、他端側にてピストン部30(図1参照)とともに第2油室Y2を形成する。
ここで、比較のために、ボトムバルブ部50が設けられていない構成について説明する。ボトムバルブ部50が設けられていない構成において、ピストン部30にて発生させる減衰力を高めたい場合、圧縮行程において第2油室Y2のオイル圧を高めるために、ガス室Gのガス圧を高める必要が生じる。しかしながら、この場合には、例えば第2油室Y2のオイル圧が高まることに伴って、ロッド20の一端側の端部面に比較的高いオイル圧が掛かる。そして、ロッド20に対して他方側に向けた力が付与されることになり、ロッド20の摺動性は悪化する。また、この場合には、マウントラバー21(図1参照)に掛かる初期荷重が増大し、マウントラバー21のバネレートの高い状態にてマウントラバー21を機能させることになってしまう。
これに対して、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、ボトムバルブ部50を設けることによって、ガス室Gのガス圧を高めなくても、圧縮行程時に第2油室Y2のオイル圧を高めることができるようになっている。
[端部構造部60の構成・機能]
図4は、第1実施形態の端部構造部60の全体図である。
図4に示すように、端部構造部60は、シリンダ11に保持されるロッドガイド61と、ロッド20を摺動可能に支持するブッシュ62と、シリンダ11とロッド20との間を封止するオイルシール63と、オイルシール63に向けたオイルの流れを規制する制限部材64と、を有している。さらに、端部構造部60は、オイルシール63に接続されるオイルシールコア材65と、オイルシールコア材65の他端側に設けられる環状部材66と、オイル圧によって変形する変形部材67と、を有する。
図4は、第1実施形態の端部構造部60の全体図である。
図4に示すように、端部構造部60は、シリンダ11に保持されるロッドガイド61と、ロッド20を摺動可能に支持するブッシュ62と、シリンダ11とロッド20との間を封止するオイルシール63と、オイルシール63に向けたオイルの流れを規制する制限部材64と、を有している。さらに、端部構造部60は、オイルシール63に接続されるオイルシールコア材65と、オイルシールコア材65の他端側に設けられる環状部材66と、オイル圧によって変形する変形部材67と、を有する。
(ロッドガイド61)
ロッドガイド61(ロッド支持部の一例)は、シリンダ11の他端側の端部にて、半径方向外側にてシリンダ11によって加締められることでシリンダ11に固定される。また、ロッドガイド61は、ブッシュ62および制限部材64を保持する保持部611と、オイルが流入したり流出したりする流入部612と、気体が収容される気体収容部613と、を有する。
ロッドガイド61(ロッド支持部の一例)は、シリンダ11の他端側の端部にて、半径方向外側にてシリンダ11によって加締められることでシリンダ11に固定される。また、ロッドガイド61は、ブッシュ62および制限部材64を保持する保持部611と、オイルが流入したり流出したりする流入部612と、気体が収容される気体収容部613と、を有する。
保持部611は、ロッドガイド61の半径方向内側に形成される。そして、保持部611は、一端側にてブッシュ62を固定する。また、保持部611は、制限部材64の他端側に半径方向内側に突出する受部611Rを有する。そして、保持部611は、ブッシュ62の他端側にて制限部材64を軸方向に移動可能に保持する。
流入部612は、オイルシール63とブッシュ62および制限部材64との間に形成された空間である。そして、流入部612には、第2油室Y2からブッシュ62および制限部材64を経たオイルが流入する。
気体収容部613は、ロッドガイド61の内部であって、ロッドガイド61における半径方向外側に形成される。また、第1実施形態の気体収容部613は、円筒状の空間として形成される。また、気体収容部613は、流入部612以外の箇所は、閉じた空間部となっている。さらに、気体収容部613は、半径方向内側にて、流入部612に連絡する。
そして、気体収容部613は、内側に空気や窒素などの気体を収容するとともに、後述するように、第2油室Y2のオイルが流入可能になっている。
そして、気体収容部613は、内側に空気や窒素などの気体を収容するとともに、後述するように、第2油室Y2のオイルが流入可能になっている。
(ブッシュ62)
ブッシュ62(支持部の一例)は、円筒状に形成された部材である。そして、ブッシュ62は、半径方向外側がロッドガイド61に圧入されることでロッドガイドに保持される。また、ブッシュ62は、半径方向内側にロッド20が貫通する。なお、ブッシュ62の内径は、ロッド20の外径よりも若干大きく形成される。第1実施形態では、ブッシュ62は、ロッド20との間に隙間62Sを形成する。
ブッシュ62(支持部の一例)は、円筒状に形成された部材である。そして、ブッシュ62は、半径方向外側がロッドガイド61に圧入されることでロッドガイドに保持される。また、ブッシュ62は、半径方向内側にロッド20が貫通する。なお、ブッシュ62の内径は、ロッド20の外径よりも若干大きく形成される。第1実施形態では、ブッシュ62は、ロッド20との間に隙間62Sを形成する。
なお、第1実施形態において、ロッドガイド61とブッシュ62とを別の独立した部材によってそれぞれ構成しているが、この態様に限定されない。例えば、ロッドガイド61は、ブッシュ62に対応した構成部を有し、ロッドガイド61自体が直接的にロッド20を摺動自在に支持しても良い。
(オイルシール63)
オイルシール63(シール部の一例)には、合成ゴムなどの弾性部材を用いることができる。そして、第1実施形態では、オイルシール63は、半径方向外側にてオイルシールコア材65に接続され、半径方向内側にてロッド20に押し付けられる。そして、オイルシール63は、ロッド20とシリンダ11との間から外部へとオイルが流出することを抑制する。
オイルシール63(シール部の一例)には、合成ゴムなどの弾性部材を用いることができる。そして、第1実施形態では、オイルシール63は、半径方向外側にてオイルシールコア材65に接続され、半径方向内側にてロッド20に押し付けられる。そして、オイルシール63は、ロッド20とシリンダ11との間から外部へとオイルが流出することを抑制する。
(制限部材64)
制限部材64は、円環状に形成された部材である。そして、制限部材64は、半径方向内側にロッド20が貫通する。また、第1実施形態の制限部材64の内径は、ブッシュ62よりも小さくなっている。さらに、制限部材64の外径は、ロッドガイド61における制限部材64が設けられる箇所の内径よりも小さい。そして、制限部材64は、半径方向外側に、ロッドガイド61との間にオイルが流れる流路64Rを形成する。
制限部材64は、円環状に形成された部材である。そして、制限部材64は、半径方向内側にロッド20が貫通する。また、第1実施形態の制限部材64の内径は、ブッシュ62よりも小さくなっている。さらに、制限部材64の外径は、ロッドガイド61における制限部材64が設けられる箇所の内径よりも小さい。そして、制限部材64は、半径方向外側に、ロッドガイド61との間にオイルが流れる流路64Rを形成する。
また、制限部材64は、ロッドガイド61とブッシュ62との間において軸方向に移動可能になっている。さらに、制限部材64は、一端側の端部にオイルが流れる油路64Yを有している。油路64Yは、制限部材64が一端側のブッシュ62に接触した状態であっても、オイルが流れるようになっている。
そして、制限部材64は、伸張行程において、他端側のロッドガイド61の受部611R側に移動し、第2油室Y2と流入部612との間をシールする。一方、制限部材64は、圧縮行程において、流入部612と第2油室Y2との間をシールしない。
そして、制限部材64は、伸張行程において、他端側のロッドガイド61の受部611R側に移動し、第2油室Y2と流入部612との間をシールする。一方、制限部材64は、圧縮行程において、流入部612と第2油室Y2との間をシールしない。
(オイルシールコア材65)
オイルシールコア材65は、半径方向外側にてシリンダ11に接触し、半径方向内側にてオイルシール63に接続する。また、第1実施形態のオイルシールコア材65は、ロッドガイド61の他端側にて気体収容部613の他端側を塞ぐ。
オイルシールコア材65は、半径方向外側にてシリンダ11に接触し、半径方向内側にてオイルシール63に接続する。また、第1実施形態のオイルシールコア材65は、ロッドガイド61の他端側にて気体収容部613の他端側を塞ぐ。
(環状部材66)
環状部材66は、第1実施形態の端部構造部60を構成する部品のうち最も他端側に設けられる部材である。そして、環状部材66は、シリンダ11の他端側の端部に形成される加締部からオイルシールコア材65やオイルシール63を保護する。
環状部材66は、第1実施形態の端部構造部60を構成する部品のうち最も他端側に設けられる部材である。そして、環状部材66は、シリンダ11の他端側の端部に形成される加締部からオイルシールコア材65やオイルシール63を保護する。
(変形部材67)
変形部材67(内包部材の一例、変形部材の一例)は、円筒状に形成された部材である。そして、変形部材67は、ロッドガイド61の気体収容部613に収容される。また、第1実施形態の変形部材67の材料には、例えば発泡ゴムを用いることができる。変形部材67は、空気や製造の際に用いた発泡材に応じた気体を含む多数の気泡が内部に含まれた部材である。また、第1実施形態の変形部材67は、多数の気泡がそれぞれ独立した状態で、気体を内包する。さらに、変形部材67は、変形部材67自体がオイルを吸収しないように構成されている。
そして、変形部材67は、上記のとおり気体収容部613に収容され、気体収容部613に流入するオイルの圧力によって変形することが可能になっている。
変形部材67(内包部材の一例、変形部材の一例)は、円筒状に形成された部材である。そして、変形部材67は、ロッドガイド61の気体収容部613に収容される。また、第1実施形態の変形部材67の材料には、例えば発泡ゴムを用いることができる。変形部材67は、空気や製造の際に用いた発泡材に応じた気体を含む多数の気泡が内部に含まれた部材である。また、第1実施形態の変形部材67は、多数の気泡がそれぞれ独立した状態で、気体を内包する。さらに、変形部材67は、変形部材67自体がオイルを吸収しないように構成されている。
そして、変形部材67は、上記のとおり気体収容部613に収容され、気体収容部613に流入するオイルの圧力によって変形することが可能になっている。
<油圧緩衝装置1の動作>
図5は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。
また、図5(A)は、圧縮行程におけるオイルの流れを示し、図5(B)は、伸張行程におけるオイルの流れを示す。
図5は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。
また、図5(A)は、圧縮行程におけるオイルの流れを示し、図5(B)は、伸張行程におけるオイルの流れを示す。
まず、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における動作を説明する。
図5(A)に示すように、圧縮行程において、ロッド20は、シリンダ11に対して近づく方向に相対移動する。図5(A)に示す例では、ロッド20は、一端側に向けて移動する。そして、ロッド20に伴ってピストン部30が一端側に移動することで、第1油室Y1のオイル圧が高まる。
ピストン部30においては、圧側ピストン油路311の他端側を閉じていた圧側減衰バルブ部33が圧側ピストン油路311を開く。そして、第1油室Y1のオイルは、圧側ピストン油路311を通って第2油室Y2に流れ出る。このロッド20およびピストン部30の移動に伴って生じるオイルの流れが、圧側ピストン油路311および圧側減衰バルブ部33によって絞られることで圧縮行程における減衰力が発生する。
図5(A)に示すように、圧縮行程において、ロッド20は、シリンダ11に対して近づく方向に相対移動する。図5(A)に示す例では、ロッド20は、一端側に向けて移動する。そして、ロッド20に伴ってピストン部30が一端側に移動することで、第1油室Y1のオイル圧が高まる。
ピストン部30においては、圧側ピストン油路311の他端側を閉じていた圧側減衰バルブ部33が圧側ピストン油路311を開く。そして、第1油室Y1のオイルは、圧側ピストン油路311を通って第2油室Y2に流れ出る。このロッド20およびピストン部30の移動に伴って生じるオイルの流れが、圧側ピストン油路311および圧側減衰バルブ部33によって絞られることで圧縮行程における減衰力が発生する。
また、上述のとおり、ロッド20に伴ってピストン部30が一端側に移動することで、第1油室Y1のオイル圧が高まる。ボトムバルブ部50においては、圧側油路511の一端側を閉じていた第1バルブ部52が圧側油路511を開く。そして、第1油室Y1のオイルは、圧側油路511を通って第3油室Y3に流れ出る。第1実施形態の油圧緩衝装置1では、ボトムバルブ部50にて第1油室Y1から第3油室Y3へのオイルの流れが絞られることで、圧縮行程において第2油室Y2のオイル圧を高めている。そして、第1実施形態の油圧緩衝装置1は、ピストン部30において減衰力を発生させ易くなるなど、減衰力応答性が向上している。
さらにまた、圧縮行程において、第1油室Y1から第2油室Y2および第3油室Y3に流れ込むオイルは、ロッド20の第2油室Y2への進入体積分だけ過剰になる。従って、このロッド20の進入体積分に相当する量のオイルは、フリーピストン41がガス室Gを縮小させ、第3油室Y3を拡大させる方向である一端側に移動することで調整される。
次に、油圧緩衝装置1の伸張行程における動作を説明する。
図5(B)に示すように、伸張行程において、ロッド20は、シリンダ11に対して遠ざかる方向に相対移動する。図5(B)に示す例では、ロッド20は、他端側に向けて移動する。そして、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。
ピストン部30においては、伸側ピストン油路312の一端側を閉じていた伸側減衰バルブ部34が伸側ピストン油路312を開く。そして、第2油室Y2のオイルは、伸側ピストン油路312を通って第1油室Y1に流れ出る。このロッド20およびピストン部30の移動に伴って生じるオイルの流れが、伸側ピストン油路312および伸側減衰バルブ部34によって絞られることで伸張行程における減衰力が発生する。
図5(B)に示すように、伸張行程において、ロッド20は、シリンダ11に対して遠ざかる方向に相対移動する。図5(B)に示す例では、ロッド20は、他端側に向けて移動する。そして、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。
ピストン部30においては、伸側ピストン油路312の一端側を閉じていた伸側減衰バルブ部34が伸側ピストン油路312を開く。そして、第2油室Y2のオイルは、伸側ピストン油路312を通って第1油室Y1に流れ出る。このロッド20およびピストン部30の移動に伴って生じるオイルの流れが、伸側ピストン油路312および伸側減衰バルブ部34によって絞られることで伸張行程における減衰力が発生する。
また、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧は高まり、第1油室Y1のオイル圧は低くなる。ボトムバルブ部50においては、伸側油路512の他端側を閉じていた第2バルブ部53が伸側油路512を開く。そして、第3油室Y3のオイルは、伸側油路512を通って第1油室Y1に流れ出る。
さらにまた、伸張行程において、第2油室Y2および第3油室Y3から第1油室Y1に流れ込むオイルは、ロッド20の第2油室Y2からの進出体積分だけ不足する。従って、このロッド20の進出体積分に相当する量のオイルは、フリーピストン41がガス室Gを拡大させ、第3油室Y3を縮小させる方向である他端側に移動することで調整される。
引き続いて、端部構造部60の動作について説明する。
図6は、第1実施形態の端部構造部60の動作の説明図である。
また、図6(A)は、伸張行程における端部構造部60を示し、図6(B)は、圧縮行程における端部構造部60を示す。
図6は、第1実施形態の端部構造部60の動作の説明図である。
また、図6(A)は、伸張行程における端部構造部60を示し、図6(B)は、圧縮行程における端部構造部60を示す。
伸張行程においては、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。なお、伸張行程において、ロッドガイド61内におけるオイルの流れは、第2油室Y2側が上流側となり、オイルシール63側が下流側となる。
そして、第2油室Y2のオイルは、ブッシュ62とロッド20との間の隙間62Sを流れて、制限部材64に達する。制限部材64は、ロッド20の他端側への移動に伴って他端側に移動している。そして、制限部材64に達したオイルは、油路64Y、流路64Rさらに、制限部材64と受部611Rとの間を流れて流入部612に流れ込む。ここで、制限部材64と受部611Rとの間のオイルの流路断面は、基本的にシールされているが、隙間を生じることもある。そのため、ピストン部30の移動に伴う動圧は、制限部材64によって減少させられる。このように、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、オイルシール63よりも上流側に設けられる制限部材64によって、第2油室Y2から流入するオイルの動圧を低減させ、オイルシール63に対して第2油室Y2からの動圧が掛からないようにしている。
ここで、制限部材64と受部611Rとの間を通過し、リークしてきたオイルが存在する場合、その間、流入部612より下流の内圧と第2油室Y2の内圧とが同圧となる。
そして、変形部材67が無ければ、リークした瞬間の第2油室Y2の内圧と同じ圧力がオイルシール63に係る。
一方、変形部材67が存在する場合、気体収容部613の変形部材67は、内圧の上昇に反比例して体積を収縮させる。そして、変形部材67が収縮することによって内圧の上昇を抑制することができる。
そして、変形部材67が無ければ、リークした瞬間の第2油室Y2の内圧と同じ圧力がオイルシール63に係る。
一方、変形部材67が存在する場合、気体収容部613の変形部材67は、内圧の上昇に反比例して体積を収縮させる。そして、変形部材67が収縮することによって内圧の上昇を抑制することができる。
以上のとおり、第1実施形態の端部構造部60は、ロッドガイド61内におけるオイルの圧力を低下させ、オイルシール63に掛かるオイル圧が増加しないように構成されている。
その後、圧縮行程においては、ロッド20に伴ってピストン部30が一端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が相対的に低下する。第1実施形態では、気体収容部613には、変形部材67が設けられている。そして、変形部材67は、圧縮された気体と部材自体の復元力によって変形前の状態に戻ろうとするため、気体収容部613に流入していたオイルを押し戻す。
以上のように、第1実施形態の油圧緩衝装置1では、伸張行程において第2油室Y2の圧力が高くなった状態において、オイルシール63に掛かるオイル圧が低減される。このようにオイルシール63に高いオイル圧が掛かることが抑制され、オイルシール63の拘束力を従来に比べ低く設定することができるため、ロッド20の摺動力の上昇を防止することができる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の端部構造部260の全体図である。
また、図7(A)は、圧縮行程における端部構造部260を示し、図7(B)は、伸張行程における端部構造部260を示す。
図7は、第2実施形態の端部構造部260の全体図である。
また、図7(A)は、圧縮行程における端部構造部260を示し、図7(B)は、伸張行程における端部構造部260を示す。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第2実施形態の端部構造部260は、第1実施形態の端部構造部60に対して、第2変形部材267を有している点が異なる。
(第2変形部材267)
図7(A)に示すように、第2変形部材267(内包部材の一例、変形部材の一例)は、断面が環状であって、全体も円環状に形成された部材である。そして、第2変形部材267は、ロッドガイド61の気体収容部613にほぼ隙間なく収容される。また、第2実施形態の第2変形部材267の材料には、例えば合成ゴムなど弾性材料を用いることができる。そして、第2変形部材267は、空気や窒素などの気体を内包する。また、第2変形部材267は、気体が設けられる内部には、オイルが浸入しないようになっている。
図7(A)に示すように、第2変形部材267(内包部材の一例、変形部材の一例)は、断面が環状であって、全体も円環状に形成された部材である。そして、第2変形部材267は、ロッドガイド61の気体収容部613にほぼ隙間なく収容される。また、第2実施形態の第2変形部材267の材料には、例えば合成ゴムなど弾性材料を用いることができる。そして、第2変形部材267は、空気や窒素などの気体を内包する。また、第2変形部材267は、気体が設けられる内部には、オイルが浸入しないようになっている。
そして、図7(B)に示すように、伸張行程では、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。そして、流入部612かから気体収容部613に流れ込んだオイルは、第2変形部材267を縮める。このように、第2実施形態の端部構造部260では、伸張行程において、ロッドガイド61内におけるオイルの接触面積が大きくなる。これによって、第2実施形態の端部構造部260は、ロッドガイド61内におけるオイルの面圧を低下させ、オイルシール63に掛かるオイル圧をより減少させている。
また、図7(A)に示すように、圧縮行程では、第2変形部材267は、圧縮された気体と部材自体の復元力によって変形前の状態に戻ろうとするため、気体収容部613に流入していたオイルを押し戻す。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の端部構造部360の全体図である。なお、図8(A)は、圧縮行程における端部構造部360を示し、図7(B)は、伸張行程における端部構造部360を示す。
図8は、第3実施形態の端部構造部360の全体図である。なお、図8(A)は、圧縮行程における端部構造部360を示し、図7(B)は、伸張行程における端部構造部360を示す。
なお、第3実施形態において、他の実施形態と同様の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第3実施形態の端部構造部360は、第1実施形態の端部構造部60に対して、第3変形部材367を有している点が異なる。
(第3変形部材367)
図8(A)に示すように、第3変形部材367(移動区画部材の一例、変形部材の一例)は、伸縮可能な膜状の部材である。なお、第3変形部材367の材料には、例えば合成ゴムなど弾性材料を用いることができる。そして、第3変形部材367は、気体収容部613における流入部612側の端部に接続される。また、第3変形部材367は、流入部612側と気体収容部613側とでオイルや気体が通過しないように設けられる。そして、第3変形部材367は、気体収容部613の空間を、流入部612側にてオイルで満たされるオイル領域R31と、気体収容部613の内部側にて気体で満たされる気体領域R32とに区画する。さらに、第3変形部材367は、第2油室Y2のオイル圧に応じて、第3変形部材367自体が変形し移動することで、オイル領域R31と気体領域R32との各々の容積を変化させる。
図8(A)に示すように、第3変形部材367(移動区画部材の一例、変形部材の一例)は、伸縮可能な膜状の部材である。なお、第3変形部材367の材料には、例えば合成ゴムなど弾性材料を用いることができる。そして、第3変形部材367は、気体収容部613における流入部612側の端部に接続される。また、第3変形部材367は、流入部612側と気体収容部613側とでオイルや気体が通過しないように設けられる。そして、第3変形部材367は、気体収容部613の空間を、流入部612側にてオイルで満たされるオイル領域R31と、気体収容部613の内部側にて気体で満たされる気体領域R32とに区画する。さらに、第3変形部材367は、第2油室Y2のオイル圧に応じて、第3変形部材367自体が変形し移動することで、オイル領域R31と気体領域R32との各々の容積を変化させる。
そして、図8(B)に示すように、伸張行程では、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。そして、流入部612のオイルは、第3変形部材367を気体収容部613の内部側に押し込むように変形させる。つまり、端部構造部360では、オイル領域R31が拡大し、気体領域R32が縮小する。そして、第3実施形態の端部構造部360では、伸張行程において、ロッドガイド61内におけるオイルの接触面積が大きくなる。これによって、第3実施形態の端部構造部360は、ロッドガイド61内におけるオイルの面圧を低下させ、オイルシール63に掛かるオイル圧をより減少させている。
また、図8(A)に示すように、圧縮行程では、第3変形部材367は、圧縮された気体と部材自体の復元力によって変形前の状態に戻ろうとするため、気体収容部613の内部側に流入していたオイルを押し戻す。
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態の端部構造部460の全体図である。
また、図9(A)は、圧縮行程における端部構造部460を示し、図9(B)は、伸張行程における端部構造部460を示す。
図9は、第4実施形態の端部構造部460の全体図である。
また、図9(A)は、圧縮行程における端部構造部460を示し、図9(B)は、伸張行程における端部構造部460を示す。
なお、第4実施形態において、他の実施形態と同様の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第4実施形態の端部構造部460は、第1実施形態の端部構造部60に対して、移動部材69を有している点が異なる。
(移動部材69)
図9(A)に示すように、移動部材69(移動区画部材の一例)は、円環状に形成された部材である。なお、移動部材69には、例えば金属材料や樹脂材料など変形し難い材料を用いることができる。そして、移動部材69は、気体収容部613において軸方向に移動可能に設けられる。また、移動部材69は、流入部612側と気体収容部613側とでオイルや気体が通過しないようになっている。そして、移動部材69は、気体収容部613の空間を、流入部612側にてオイルで満たされるオイル領域R41と、気体収容部613の内部側にて気体で満たされる気体領域R42とに区画する。
図9(A)に示すように、移動部材69(移動区画部材の一例)は、円環状に形成された部材である。なお、移動部材69には、例えば金属材料や樹脂材料など変形し難い材料を用いることができる。そして、移動部材69は、気体収容部613において軸方向に移動可能に設けられる。また、移動部材69は、流入部612側と気体収容部613側とでオイルや気体が通過しないようになっている。そして、移動部材69は、気体収容部613の空間を、流入部612側にてオイルで満たされるオイル領域R41と、気体収容部613の内部側にて気体で満たされる気体領域R42とに区画する。
そして、図9(B)に示すように、伸張行程では、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。そして、流入部612のオイルは、移動部材69を気体収容部613の内部側に押し込むように変形させる。このように、第4実施形態の端部構造部460では、伸張行程において、ロッドガイド61内におけるオイルの接触面積が大きくなる。これによって、第4実施形態の端部構造部460では、ロッドガイド61内におけるオイルの面圧を低下させ、オイルシール63に掛かるオイル圧をより減少させている。
また、図9(A)に示すように、圧縮行程では、移動部材69は、圧縮されていた気体の復元力によって変形前の位置に戻ろうとするため、気体収容部613の内部側に流入していたオイルを押し戻す。
<第5実施形態>
図10は、第5実施形態の端部構造部560の全体図である。
また、図10(A)は、圧縮行程における端部構造部560を示し、図10(B)は、伸張行程における端部構造部560を示す。
図10は、第5実施形態の端部構造部560の全体図である。
また、図10(A)は、圧縮行程における端部構造部560を示し、図10(B)は、伸張行程における端部構造部560を示す。
なお、第5実施形態において、他の実施形態と同様の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第5実施形態の端部構造部560は、第1実施形態の端部構造部60の気体収容部613に対して、第2気体収容部615を備えている点で異なる。
(第2気体収容部615)
図10(A)に示すように、第5実施形態の第2気体収容部615の基本構成は、第1実施形態の気体収容部613と同様である。ただし、第5実施形態の第2気体収容部615は、他端側から一端側に向けて延び、一端側にて屈曲し、一端側から他端側へと延びるラビリンス構造を内部に備えている。
図10(A)に示すように、第5実施形態の第2気体収容部615の基本構成は、第1実施形態の気体収容部613と同様である。ただし、第5実施形態の第2気体収容部615は、他端側から一端側に向けて延び、一端側にて屈曲し、一端側から他端側へと延びるラビリンス構造を内部に備えている。
そして、図10(B)に示すように、伸張行程では、ロッド20に伴ってピストン部30が他端側に移動することで、第2油室Y2のオイル圧が高まる。そして、流入部612のオイルは、第2気体収容部615内に流れ込む。第2気体収容部615に流れ込んだオイルは、第2気体収容部615内の気体を圧縮しながら第2気体収容部615のより内部側へと進む。
このように、第5実施形態の端部構造部560では、伸張行程において、ロッドガイド61内におけるオイルの接触面積が大きくなる。これによって、第5実施形態の端部構造部560は、ロッドガイド61内におけるオイルの面圧を低下させ、オイルシール63に掛かるオイル圧をより減少させている。
このように、第5実施形態の端部構造部560では、伸張行程において、ロッドガイド61内におけるオイルの接触面積が大きくなる。これによって、第5実施形態の端部構造部560は、ロッドガイド61内におけるオイルの面圧を低下させ、オイルシール63に掛かるオイル圧をより減少させている。
また、図10(A)に示すように、圧縮行程では、第2気体収容部615の内部側に流入していたオイルが、相対的に圧力が低下した第2油室Y2側に向けて流出する。
なお、上述した第1実施形態〜第5実施形態の油圧緩衝装置1において、制限部材64は、必須の構成ではない。例えば、制限部材64を設けない場合であっても、気体収容部613や第2気体収容部615を設けることによって、流入部612におけるオイル圧が低減される。ただし、制限部材64を設ける場合には、気体収容部613や第2気体収容部615と相まって、オイルシール63に掛かるオイルの圧力がより低減される。
1…油圧緩衝装置、10…シリンダ部、11…シリンダ、20…ロッド、30…ピストン部、40…フリーピストン部、50…ボトムバルブ部、60…端部構造部、80…ボトム保持部、260…端部構造部、267…第2変形部材、360…端部構造部、367…第3変形部材、460…端部構造部、560…端部構造部、R31…オイル領域、R32…気体領域、R41…オイル領域、R42…気体領域、Y1…第1油室、Y2…第2油室、Y3…第3油室、G…ガス室
Claims (7)
- 車両用のモノチューブ式の圧力緩衝装置であって、
作動流体が封入されるとともに、一端側が閉塞され、他端側が開口するシリンダと、
前記シリンダの前記他端側から摺動自由に挿入されるロッドと、
前記ロッドの前記一端側の端部に接続され、前記シリンダの内側を、前記一端側に形成される第1室と前記他端側に形成される第2室とに区画するピストンと、
前記ロッドが挿入され、前記ロッドと前記シリンダの開口部との間を封止するシール部と、
前記ロッドを摺動自在に支持する支持部を有し、前記支持部と前記シール部との間に前記作動流体が流入する流入部を形成するロッド支持部と、
前記ロッド支持部に設けられ、前記流入部に連絡するとともに気体を収容する気体収容部と、
を備える圧力緩衝装置。 - 前記気体収容部は、前記第2室の作動流体の圧力に反比例して、前記作動流体を収容する体積が変化する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記気体収容部に設けられ、気体を内包する内包部材を備える請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記気体収容部にて移動可能に設けられ、前記気体収容部を前記作動流体が流入する第1領域と、前記気体を収容する第2領域とに区画する移動区画部材を備える請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記気体収容部に設けられ、前記作動流体の圧力に応じて変形する変形部材を備える請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記流入部に前記作動流体が流入する際に、前記シール部よりも上流側に設けられ、前記作動流体の流れを制限する制限部材を備える請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記制限部材は、前記流入部に前記作動流体が流入する際には、前記作動流体の流れを制限し、前記流入部から前記作動流体が流出する際には、前記作動流体の流れを許容する請求項6に記載の圧力緩衝装置。
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