JP2020075792A - ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置、及びヘリコプター吊上物姿勢安定システム - Google Patents

ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置、及びヘリコプター吊上物姿勢安定システム Download PDF

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Abstract

【課題】ヘリコプターに被救助者などを吊り上げる際に使用する、吊上物姿勢安定装置及びシステムを提供する。【解決手段】ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置1であって、各部を保持するための本体部10と、ヘリコプターから下方に延伸するロープに連結するために本体部10に設けられた上部接続部20と、ヘリコプターに吊り上げる吊上物を保持するロープを連結するために本体部10に設けられた下部接続部と、本体部10に設けられ、吊上物の姿勢を検知する姿勢検知部と、姿勢検知部の検知結果に基づき吊上物の姿勢の安定を行うために、本体部の両端に少なくとも2個ずつ設けられた送風機41R、41L、42R、42Lからなる姿勢安定機構と、本体部10に設けられ、姿勢安定機構を制御する姿勢安定制御部とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ヘリコプターに被救助者などの吊上物を吊り上げる際に、その姿勢を安定させる装置及びシステムに関する。
近年、ヘリコプターによって、急病人、遭難者、災害被災者、事故被害者など(以下被救助者という)を吊り上げて救助することが広く行われている。この際に、被救助者、救助者あるいは担架などの救助用具が、吊り上げ時に、風の影響などで、回転することがあり、それによって、救助が困難になったり、被救助者が危険な状態になったりすることがあった。
これらの問題に関して、例えば、特許文献1には、吊荷を揚重した状態で吊ビーム自体に旋回方向の推力を発生させることにより、この推力で吊ビームの旋回位置を正確に設定し、かつ、設定位置に固定することができるクレーン用吊荷装置を提供することを目的として、吊ビームの一端部に設けたシーブに、電動シリンダから繰り出すワイヤを周回して下方に案内し、その下端部に吊荷を支持する。吊ビームに駆動装置を介してバランスウエイトを移動可能に取付け、バランスウエイトを吊荷と釣り合わせて吊ビームを水平状態に保持する。吊ビームの他端部上側に、回転中心軸を吊ビームの長さ方向に対して直角に配置した送風機を備えた回転羽根装置を取付ける。モータを正転して送風機に正方向の推力Fを発生させ、モータを逆転して負方向の推力−Fを発生させる技術思想が開示されている。
しかしながら、この装置は、大型の吊荷を取り扱うクレーン用の装置であり、ヘリコプターにおける被救助者の救助のような比較的軽量の吊荷を取り扱うものではなく、吊金具から離れてワイヤ(ペンダントロープ)で吊り下げられた吊ビームに送風機を設けるものであり、かつ、吊ビームの旋回(回転)状態を検出する手段が開示されておらず、操作する者が目視などでその状態を把握して、吊ビームに旋回方向の推力を発生させるように操作を行うものと認められる。
また、特許文献2には、 救命治具の回転方向の姿勢を安定させるために、ジャイロフレームにワイヤロープを介して被災者を収容する救命治具を吊り下げ、フライホイールの回転及びジンバルの回動により発生するZ軸回りの旋回力により救命治具の旋回を抑制し、救命治具の回転方向の姿勢を安定させる。そして、ジンバルの内部を真空にする真空ポンプを設け、フライホイールを真空内で回転させ、フライホイールを大型化して回転慣性を大きくすることなく、大きな旋回力を得るようにし、ジンバルに角速度を与えたときの姿勢制御力を増大させるという技術思想が開示されている。
このような装置であると、特に、操作者による旋回状態の監視や、推力発生のための操作は不要で、装置自体で姿勢の制御が行われるという利点があるが、そのための装置は、真空ポンプを内蔵するなど機構も複雑で大がかりになり、コストも高くなるという問題点がある。
また、本出願と同一の出願人による特許文献3には、これまでに述べた先行技術の問題点を解消すべく、ヘリコプターの吊上物の姿勢安定に適した装置の技術思想を開示したが、更に、この吊上物の姿勢安定動作を、より迅速に、かつ、より精緻に行うことができる装置及びシステムが求められている。
特開平7−69579号公報 特開2003−182972号公報 特開2018−140860号公報
解決しようとする問題点は、ヘリコプターに被救助者などを吊り上げる際に、簡便な機構で、かつ、操作者の操作を不要とした吊上物姿勢安定装置であって、より迅速に、かつ、より精緻に吊上物の姿勢を安定させることのできる装置及びシステムを提供することが難しい点である。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置であって、
−各部を保持するための本体部と、
−ヘリコプターから下方に延伸するロープに連結するために前記本体部に設けられた上部接続部と、
−ヘリコプターに吊り上げる吊上物を保持するロープを連結するために前記本体部に設けられた下部接続部と
−前記本体部に設けられ、前記吊上物の姿勢を検知する姿勢検知部と、
−前記姿勢検知部の検知結果に基づき前記吊上物の姿勢の安定を行うために、前記本体部の両端に少なくとも2個ずつ設けられた送風機からなる姿勢安定機構と、
−前記本体部に設けられ、前記姿勢安定機構を制御する姿勢安定制御部と
を有することを特徴とする。
ここで、本体部は、上に列挙する各部を保持あるいは収容できるものであり、全体的にやや細長い形状で、その延伸方向の両端部に、姿勢安定機構としての送風機が設けられている。
また、この本体部は、上部接続部を有しており、ヘリコプターなどに吊り上げられるためのロープの下方に、必要に応じて回転自在のスイベルなどを介して連結されるものとする。
なお、上部接続部は1か所で、単一のロープが接続されることが、吊上物の姿勢安定のためには好適である。
このような構成によって、下部接続部から下方に吊り下げられた被救助者や被救助者を載置した担架などを、上昇・下降させ、あるいは飛行移動させる場合に、吊上物の重量のバランスの不均衡や、風力などの影響で、その姿勢、特に、水平面での回転(旋回)が生じた際に、姿勢検知部がそれを検知し、姿勢安定制御部の制御により姿勢安定機構が作動することで、自動的に姿勢を維持することが可能となる。
姿勢安定機構としては、4個の送風機からなる姿勢安定機構が好ましく、特に、送風機を両側に2個ずつ設けたことによって、より迅速で、より精緻な姿勢の制御が可能となる。
また、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置において、前記本体部のそれぞれの端部に設けられた2個の送風機の送風方向が、前記本体部を略水平に吊り下げた場合に、前記本体部に右回りのモーメントを与える方向と左回りのモーメントを与える方向とであることを特徴とする。
このようにすると、本体部が上部の中央部で吊り下げられて略水平となった際に、例えば左回りに本体部が回転し始めたとすると、本体部の一端にある右回りに回転させる方向に送風する送風機と、本体部の他端にある同じく右回りに回転させる方向に送風する送風機とを動作させることにより、本体部の左回りの回転を防止するあるいは元に戻すことが可能となる。
なお、逆に、例えば右回りに本体部が回転し始めたとすると、上記と逆の回転方向の送風機を動作させれば、本体部の右回りの回転を防止するあるいは元に戻すことが可能となる。
更に、本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置において、前記本体部のそれぞれの端部に設けられた2個の前記送風機の送風方向が、前記本体部の延伸方向に垂直な平面内で、いずれも斜め下の方向で、かつ、略120度の角度を有するように、前記送風機を設置することを特徴とする。
このようにすると、送風機を作動させた場合に、本体部にモーメントを効率よく与えることができ、かつ、全体の構造をコンパクトに構成することができる。
なお、送風機については、一端の送風機を作動させるだけでも、本体部を回転させる駆動力は得られるが、両端の送風機を同時に作動させることで、迅速、かつ、精緻な本体部の姿勢制御が可能になる。
また、送風機によっては、逆回転の可能なものもあり、そのようなものを用いれば、両端に1個ずつの送風機で構成し、正逆回転させることによって、同様の動作が可能であるとも考えられる。
しかしながら、送風機の正回転と逆回転では、その出力や特性が異なることが多く、そのため、複雑な制御が必要になり、かつ、迅速で精度の高い姿勢制御が困難であるため、両端にそれぞれ2個の送風機が望ましい。
なお、送風機の数は、両端にそれぞれ2個が望ましいが、更に、精緻な制御を行うなどの目的で、3個以上としてもよい。
また、送風機の設置方向は、本体部の長手方向に垂直な平面内で、略120度の角度を有していることが望ましいとしたが、この角度に限定されず、0度以上であれば、略60度、略90度など、120度より小さくてもよく、また、120度より大、例えば、略150度、略180度(正反対の方向)、あるいは180度を超えた角度であってもよい。
更に、これらの角度を、段階的に、あるいは、連続的に可変とするようにしてもよく、使用条件に応じて最適の角度に設定できるようにしてもよい。
可変とした場合は、実際の動作時と、運搬・保管時とで、異なる角度としてもよい。すなわち、運搬・保管時は、出っ張りのない形状として、送風機を略180度の位置にするようにしてもよい。
また、同一平面に送風方向が位置しているとしたが、同一平面上になくてもよい。いわゆるねじれの位置のような関係であってもよい。
また、送風の向きも、斜め下方に、本体部に近い方から吸い込み、本体部から遠い方へ吹き出すようにしたが、全体の構成によっては、その逆であってもよい。
また、上で述べた送風の向きは、少なくとも4個の送風機すべてが同じ向きであることが望ましいが、全体の構成によっては、一部を逆の向きにすることが有効な場合もあり得る。
更に、本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置において、前記本体部の両端に少なくとも2個ずつ設けられた送風機の一部または全部が、ダクテッドファンであることを特徴とする。
ここで、ダクテッドファンとは、プロペラ状のファンに円筒状の覆い(ダクト)を被せたような構造であり、プロペラから発生する気流を逃すことなく全て進行方向側に整流することができるという利点があり、かつ、ファンに覆いがされていることから安全性が高いなどの利点があり、全てをダクテッドファンとすることが今回の吊上物姿勢安定装置には好適であるが、一部であってもある程度の効果はある。
但し、それ以外の送風機であっても、それぞれの送風機の特徴に応じて、本発明に適用することも可能である。
また、本発明の第5の態様は、本発明の第1の態様のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置において、前記姿勢検知部が、ジャイロセンサであることを特徴とする。
これによれば、ジャイロセンサは、回転角度のほか、種々の姿勢(変位)を検知することができ、高度な姿勢制御が可能となる。また、近年、ジャイロセンサはスマートホンなどに利用しうる小形で高性能なものが入手可能となっており、それを用いることで装置の構造が簡便で、かつ、低コストが実現できる。
また、本発明の第6の態様は、ヘリコプター吊上物の姿勢安定システムであって、
−ヘリコプターと、
−前記ヘリコプターから延伸するロープと、
−前記ロープに接続される本発明の第1の態様の吊上物姿勢安定装置と
を有することを特徴としてもよい。
このようにすると、ヘリコプターを含むシステムとして、吊上物の姿勢安定の目的を達成することができる。
本発明のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置及びシステムでは、ヘリコプターに被救助者などを吊り上げる際に、簡便な機構で、かつ、操作者の操作を不要とし、更に、より迅速に、かつ、より精緻に吊上物の姿勢を安定させることのできる装置及びシステムを実現することができた。
本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の上方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の下方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の機能構成図である。 本発明の一実施形態のヘリコプター吊上物姿勢安定システムの斜視図である。 本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の側面図である。 本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の非動作時を示す斜視図である。
本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の上方から見た斜視図であり、図2は本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の下方から見た斜視図であり、図3は本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の機能構成図である。
また、図4は本発明の一実施形態のヘリコプター吊上物姿勢安定システムの斜視図である。
ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置1は、ヘリコプター100から繰り出されたロープ101の下端に、回転自在のスイベル102を途中に有して、本体部10と連結されている。
なお、ここで、ロープと総称しているが、ワイヤやワイヤロープなど、接続するための紐状のものであればどのようなものであってもよい。
ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置1の本体部10は、図1に示すように細長長方形の板状で中央部が凹んでいる上側ベース11、細長長方形の板状で、上側ベースと対向する下側ベース12、上側ベースと下側ベースとを所定の間隔をもって固定する2か所の支柱13a、13b、支柱13及び下側ベース12に固定される4か所の送風機保持部14a、14b、14c、14d、下側ベース12に固定される機器載置部15などから構成される。
上側ベース11には、凹んだ部分に、ヘリコプターのホイストなどで吊上げる場合に用いる、円環状の突起を有するアイボルトなどの上部接続部20が固定され、その他に、両端部にそれぞれ、基材自体を吊り上げるなどの目的で用いられる、円環状の突起を有するアイボルトなどの補助接続部21a、21bが固定されている。
なお、上部接続部20を、凹んだ部分に設けたのは、ヘリコプターのホイストで吊上げた場合に、なるべく上方まで本装置を引き上げることができるようにするためであり、作業性、安全性などの面で効果が大きい。
また、上部接続部20の形状は、図示されたものに限定されず、ロープが接続できる形状であればどのようなものでもよい。
下側ベース12には、両端部と中央部とに3カ所のアイボルトからなる下部接続部30a、30b、30cが設けられており、円環状の突起を用いて、担架103などの吊上物から延伸するロープ104を接続する。これによって、担架103を扇形状に吊り上げることが可能となる。
なお、図では、3か所設けられているが、その数に限定はない。また、その形状も、図示されたものに限定されず、ロープが接続できる形状であればどのようなものでもよい。
また、細長く延伸する本体部10の、一方の端部付近には、送風機保持部14a、14bに、直接、または中間の部材を介して、2個の送風機41R、41Lがネジ止めにより保持され、また、他方の端部付近には、送風機保持部14c、14dに、直接、または中間の部材を介して、2個の送風機42R、42Lがネジ止めにより保持されている。これらの送風機を総称して姿勢安定機構40と呼ぶ。
図5は本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の側面図である。ここで、本体部10の一方の端部に設けられた2個の送風機41R、41Lの送風方向は、本体部10の長手延伸方向に垂直な平面内で、いずれも図中に矢印で示す斜め下の方向で、かつ、略120度の角度を有しており、本体部10に近い方から吸い込み、本体部10から遠い方へ吹き出すようになっている。
同様に、本体部10の他端に設けられた2個の送風機42R、42Lの送風方向は、本体部10の長手延伸方向に垂直な平面内で、いずれも斜め下の方向で、かつ、略120度の角度を有しており、本体部10に近い方から吸い込み、本体部10から遠い方へ吹き出すようになっている。
このようにすると、本体部10が略水平にヘリコプターから吊り下げられた際に、本体部10の一端に設けられた送風機41Rの送風方向と、他端に設けられた送風機42Rの送風方向とが、いずれも本体部10に右回りのモーメントを与える方向となる。
また、本体部10の一端に設けられた送風機41Lの送風方向と、他端に設けられた送風機42Lの送風方向とが、いずれも本体部10に左回りのモーメントを与える方向となる。
なお、送風機41R、41L、42R、42Lは、ダクテッドファンが好適である。ダクテッドファンとは、プロペラ状のファンに円筒状の覆い(ダクト)を被せたような構造であり、プロペラから発生する気流を逃すことなく全て進行方向側に整流することができる。
次に、本体部10の機器載置部15には、姿勢検知部50、姿勢安定制御部60、電源部70などが載置固定される。
姿勢検知部50は、本体部10の姿勢を検知するためのセンサであり、特に、図4に矢印で示すような水平方向の回転角度を検知することができる。
このようなセンサとしては、小型で高性能の磁気式や光学式の角度センサが実用化されており、それらを用いてもよい。
また、ジャイロセンサを用いることによって、角速度が求められるので、それを積分して角度の変位を求めることができるほか、種々の姿勢を検知することができ、精度の高い制御を行うことができる。
なお、ジャイロセンサとしては、ICタイプのMEMS技術を使って小型化した振動式のものが実用化されており、このようなものを用いることで、簡便で精度の高い姿勢検知部50が実現できる。
姿勢安定制御部60は、マイクロプロセッサ、メモリーなどを有するコントロールユニットであり、種々の制御を行うもので、ICタイプのジャイロセンサであれば、姿勢検知部50と一体化した構造とすることもできる。
電源部70は、姿勢安定機構40、姿勢検知部50、姿勢安定制御部60などに電力を供給するための蓄電池である。なお、電源部70についてはヘリコプター本体から電力が供給される場合は不要であり、また、蓄電池でなくても、他の電池や、発電機、太陽電池などによってもよい。
次に、ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置1の動作を説明する。
図3は本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置1の機能構成図である。
ここで、ヘリコプター100によって、急病人を担架103に載置して輸送する場合を例に説明する。
まず、ロープ104で担架103あるいは救助隊員を降ろす場合に、姿勢安定制御部60をONにし、初期状態を記憶させる。この吊り下げ時にも後述する姿勢安定制御は行うことが可能である。
次に、担架103が地上に下ろされると、姿勢安定制御部60を、一旦、OFFにする。急病人を載置した担架103は、その隅部からロープ104を延伸し、そのロープ104が吊上物姿勢安定装置1の各々の下部接続部30に接続される。
この初期状態では、担架103は水平、かつ、回転やねじれなどがない状態に調整され、その状態で、姿勢安定制御部60を、作業者がONにする。
次に、ヘリコプター100が上昇して、空中で停止している状態、あるいは移送中に、風の影響などで、担架103が水平面で、上から見て右回り(時計回り)に回転したとする。
すると、本体部10が、同様に右向きに回転することになり、その回転角度を、姿勢検知部50が検知する。その検知信号が、姿勢安定制御部60に伝達され、回転を左回り(反時計回り)に補正して、元の状態に戻すための方法が算出される。
ここでは、本体部10を左回りに回転させるため、本体部10の一方の端部の送風機41Lと、他方の端部の送風機42Lとを作動させるように、姿勢安定制御部60が、自動的に送風機を起動する指示を発する。
なお、本体部10が左向きに回転する場合は、本体部10を右回りに回転させるため、本体部10の一方の端部の送風機41Rと、他方の端部の送風機42Rとを作動させるように、姿勢安定制御部60が、自動的に送風機を起動する指示を発する。
また、送風する風量や、送風する時間についても、フィードバック制御や、過去の蓄積データなどを活用して、適切に制御することが可能である。
いずれの場合も、両端の2個の送風機が同一送風方向で、同一方向のモーメントを発生させるから、スムーズで、かつ、速やかな回転の補正が行われ、担架103の安全移送や、担架103に載置された被救助者の不安解消に役立つ。
なお、同一回転方向の2個の送風機(例えば、41Rと42R)の送風量は、検知された回転角の大きさや回転角の変位の早さなどに応じて異なってもよく、左右方向のモーメントを発生させる送風機(例えば、41Rと41L)を同時に作動させてその位置から不動の状態を保つようにしてもよく、あるいは、それぞれの端部の2個の送風機の片方のみの動作でよい場合もあり得る。
また、姿勢検知部50では、本体部10の水平面での回転角を検知するとしてきたが、鉛直軸に対して傾く、すなわち、風力によって、吊上物全体が、回転することなく変位する場合もあり、その場合も姿勢検知部50としてジャイロセンサを用いる場合には、検出が可能である。
その場合には、姿勢安定制御部60において、例えば、本体部10の一端の2個の送風機41R、41L、あるいは、本体部10の他端の2個の送風機42R、42L、更には、3〜4個の送風機を同時に作動させ、そのような傾きを補正することができる。
更に、水平面での回転と鉛直軸に対する傾きが、併せて起きる場合もあり、その場合にも、4個の送風機の送風方向、送風量、送風時間などを調節することによって、正しい姿勢に近づけることが可能である。
また、吊上物の重量や風力により、本体部の一端部が、下方に変位する場合もある。その場合でも、送風機が斜め下方に空気を吹き出すことから、その端部の送風機2個を同時に作動させることによって、上方に押し上げることも可能である。
なお、これまでの説明で、送風機の数は、両端にそれぞれ2個としたが、更に、精緻な制御を行うなどの目的で、3個以上としてもよい。
また、これまでの説明で、送風機の設置方向は、本体部の長手方向に垂直な平面内で、略120度の角度を有して固定されていることが望ましいとしたが、この角度に限定されず、0度以上であれば、略60度、略90度など、120度より小さくてもよく、また、120度より大、例えば、略150度、略180度(正反対の方向)、あるいは180度を超えた角度であってもよい。
更に、これらの角度を、段階的に、あるいは、連続的に可変とするようにしてもよく、使用条件に応じて最適の角度に設定できるようにしてもよい。
これらを実現するには、送風機保持部14と送風機41、42とのねじ止め位置を複数設けて、その位置を変更するようにすればよい。但し、その方法に限定するものではなく、角度を変えて固定できる方法であればどのようなものでもよい。可変とした場合は、実際の動作時と、非動作時(運搬・保管時)とで、異なる角度としてもよい。
図6は本発明の一実施形態のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置の非動作時を示す斜視図である。このように、それぞれの端部の2個の送風機の送風方向のなす角度を略180度の位置に固定し、出っ張りのない形状として、運搬・保管に至便な形状としてもよい。
また、これまでの説明で、同一平面内に送風方向が位置しているとしたが、同一平面内になくてもよい。いわゆるねじれの位置のような関係であってもよい。ねじれの位置であっても、先に述べたような角度に設定することは可能である。
また、これまでの説明で、送風の向きも、斜め下方に、本体部に近い方から吸い込み、本体部から遠い方へ吹き出すようにしたが、全体の構成によっては、その逆であってもよい。
また、上で述べた送風の向きは、少なくとも4個の送風機すべてが同じ向きであることが望ましいが、全体の構成によっては、一部を逆の向きにすることが有効な場合もあり得る。
また、これまでの説明では、初期状態を姿勢安定制御部60に伝達する方法を、作業員によることとし、それ以後の動作は自動的に行われるものとしたが、いずれも有線または無線による遠隔操作で行うようにしてもよい。
例えば、想定外の状況が発生し、回転角度の補正ができなくなった場合などに、非常停止するとか、手動で送風機に指示を与えるようにしてもよい。そのようにすれば、より安全な使用が可能となる。
本発明の吊上物姿勢安定装置は、ヘリコプターへの被救助者の吊上げなどに有効であり、人命救助などに役立つことから、産業上の利用可能性を有する。
1 ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置
10 本体部
11 上側ベース
12 下側ベース
13 支柱
14 送風機保持部
15 機器載置部
20 上部接続部
30 下部接続部
40 姿勢安定機構
41R、41L、42R、42L 送風機
50 姿勢検知部
60 姿勢安定制御部
70 電源部
100 ヘリコプター
101 ロープ
102 スイベル
103 担架



Claims (6)

  1. 各部を保持するための本体部と、
    ヘリコプターから下方に延伸するロープに連結するために前記本体部に設けられた上部接続部と、
    ヘリコプターに吊り上げる吊上物を保持するロープを連結するために前記本体部に設けられた下部接続部と、
    前記本体部に設けられ、前記吊上物の姿勢を検知する姿勢検知部と、
    前記姿勢検知部の検知結果に基づき前記吊上物の姿勢の安定を行うために、前記本体部の両端に少なくとも2個ずつ設けられた送風機からなる姿勢安定機構と、
    前記本体部に設けられ、前記姿勢安定機構を制御する姿勢安定制御部と
    を有するヘリコプター用吊上物姿勢安定装置。
  2. 前記本体部のそれぞれの端部に設けられた2個の送風機の送風方向が、前記本体部を略水平に吊り下げた場合に、前記本体部に右回りのモーメントを与える方向と左回りのモーメントを与える方向とであることを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置。
  3. 前記本体部のそれぞれの端部に設けられた2個の前記送風機の送風方向が、前記本体部の延伸方向に垂直な平面内で、いずれも斜め下の方向で、かつ、略120度の角度を有するように、前記送風機を設置することを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置。
  4. 前記本体部の両端に少なくとも2個ずつ設けられた送風機の一部または全部が、ダクテッドファンであることを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置。
  5. 前記姿勢検知部が、ジャイロセンサであることを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置。
  6. ヘリコプターと、
    前記ヘリコプターから延伸するロープと、
    前記ロープに接続される請求項1に記載のヘリコプター用吊上物姿勢安定装置と
    を有するヘリコプター吊上物姿勢安定システム。

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