JP2020075622A - 輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法 - Google Patents

輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法 Download PDF

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隆行 遠竹
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【課題】簡素な構成により緩和曲線通過時の輪重変動を抑制した輪重変動抑制装置等を提供する。【解決手段】車体10と、車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車100と、車体と台車の台車枠110との間に左右一対配置された空気ばね170と、空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置200とを備える鉄道車両1の輪重変動抑制装置を、鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前方側の台車に設けられた旋回外軌側の空気ばね、及び、後方側の台車に設けられた旋回内軌側の空気ばねに同時に給気を行うよう給排気装置を制御する制御部300を有する構成とする。【選択図】図5

Description

本発明は、鉄道車両の車輪とレールとの間に作用する輪重の変動を抑制する輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法に関する。
一般的なボギー台車を有する鉄道車両においては、左右の車輪を車軸で連結した輪軸の両端部を支持する軸箱を、軸箱支持装置を介して台車枠に取り付けるとともに、台車枠の上部に車体を載置して構成されている。
軸箱と台車枠との間には、軸ばね、軸ダンパ等を有する1次サスペンション系が設けられ、台車枠と車体との間には、まくらばね等を有する2次サスペンション系が設けられる。
2次サスペンション系は、その特性により車両性能が大きく変化する重要な要素である。
近年の旅客車両に広く用いられている空気ばねを用いた2次サスペンション系においては、乗客の多寡や車室内の分布等により、車両内の荷重バランスが変化した場合においても、車体高さの大幅な変化を抑えるため、自動高さ調整装置が設けられる。
自動高さ調整装置は、車体と台車枠との相対高さ変化を、高さ調整棒、高さ調整てこなどのリンク機構により高さ調整弁(レベリングバルブ・LV)に伝達し、台車枠に対して車体が上昇した場合にはまくらばねから排気して空気ばね高さを減少させ、下降した場合には給気して空気ばね高さを増加するよう構成したものである。
このような自動高さ調整装置は、空気ばね高さ変化の検知結果に基づいて給排気を行うという一種のフィードバック制御を純機械的に行うものであり、信頼性が高い。
一方、このような自動高さ調整装置は、曲線通過等によって空気ばね高さが変化するなど、本来想定される状況以外においても動作することがある。
例えば、曲線には、内軌側に対して外軌側のレールが高い位置に配置されるカント(高低差)が設けられる。
また、円曲線と直線との境界部には、鉄道車両の走行を円滑にするための特殊な線形である緩和曲線が設けられる。この緩和曲線中では、曲率とカントが連続的に変化する。
円曲線の出口(直線との境界部)に設けられる出口緩和曲線においては、この平面性変位によって、車両前方外軌側の空気ばね高さが増加するため、この部位の空気ばねから空気が排気される。
このような高さ調整装置の動作により、場合によっては、輪重変動が助長されて輪重アンバランスが増大するなど、走行安全上好ましくない事象が生じることがある。
特に、鉄道車両が曲線を通過する際の重力と遠心力との合力の作用方向が、軌道面と垂直となる均衡速度よりも低速で走行するカント超過状態においては、曲線外軌側の空気ばね高さが大きくなるため、外軌側の空気ばねからは空気が排気されやすい状態となっており、この状態で出口緩和曲線に進入すると、既に通常走行時よりも排気されている空気ばねからさらに排気が行われて輪重減少が助長されることが懸念される。
これに対し、自動高さ調整装置の高さ調整弁に、空気ばねの高さ変化を伝達するリンク機構を構成する高さ調整棒(LV棒)にアクチュエータを設けて、鉄道車両の走行状況や線形等に応じて強制的に給気、排気等を行うことが提案されている。
例えば、特許文献1には、車体に対する台車の高さに応じて空気ばねの高さを調整する高さ調整弁と、車体又は台車とを連結して高さ変化を伝達する高さ調整棒に長さ伸縮装置を設け、出口緩和曲線において車両前後の台車の内軌側、及び外軌側における高さ調整弁の高さ調整棒の長さを所定のタイミング差を持って連続的に変更し、外軌側の空気ばねに給気を行い、内軌側の空気ばねから排気を行うことによって輪重減少を抑制することが記載されている。この技術においては、各部位の高さ調整弁の高さ調整棒に対して、伸長と収縮の両方が可能で、かつ連続的に長さを調整可能なことが要求される。
特許第4348410号
出口緩和曲線において、カントが減少する際に、前方側かつ外軌側の車輪の輪重が減少すると、鉄道車両の走行安定性に悪影響が生じる場合があり、最悪の場合にはフランジがレールに乗り上げて脱線に至る乗り上がり脱線の発生が懸念される。
上述した従来技術のように、自動高さ調整装置の高さ調整棒を伸長し、内外軌側の空気ばねに給気及び排気を行えば、出口緩和曲線における輪重変動にある程度の効果を得ることは可能である。
一方、鉄道車両の空気ばね装置は、鉄道車両の走行安全性に大きな影響を及ぼし得る重要な要素であり、その動作には高い信頼性と安定性が求められる。そのため、制御機器構成を可能な限り簡素化した上で、従来技術と同等以上の輪重変動抑制効果を発揮することが可能な技術が求められる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡素な構成により緩和曲線通過時の輪重変動を抑制した輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の輪重変動抑制装置は、車体と、前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置とを備える鉄道車両の輪重変動抑制装置であって、前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばねに同時に給気を行うよう前記給排気装置を制御する制御部を有することを特徴とする。
これによれば、出口緩和曲線を通過する際に、前方側の台車の旋回外軌側の空気ばねに強制的に給気を行うことにより、カントの減少に応じて自動高さ調整装置が空気ばねから排気することによる輪重減少を防止し、さらに、給気された空気ばねの反力によって、前方側の台車の旋回外軌側の車輪の輪重を増加させることができる。
また、これと同時に後方側の台車の旋回内軌側の空気ばねにも給気を行うことにより、上述した輪重変動抑制効果を促進することができる。
この制御方法によれば、長さ調整棒は伸長(延長)あるいは収縮(短縮)のいずれかが可能であればよく、かつ連続的な長さ調整を行わず、例えば所定長さと伸長状態の2値の長さ調整のみでも十分な輪重変動抑制効果を得ることができ、制御装置の簡素化を図ることができる。
本発明の輪重変動抑制装置において、前記給排気装置は、前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、前記弁体と連動するレバー部と、上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部とを備え、前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、前記制御部は、前記可変長機構を通常の状態よりも伸長させることにより前記空気ばねへの給気を行う構成とすることができる。
これによれば、高さ調整弁を有する一般的な構成の鉄道車両において、連結部を構成する部材を可変長機構を有するものに交換し、高さ調整弁をアクティブに制御することにより、既存の車両に最小限の変更により本発明を適用することが可能となる。
本発明の他の輪重変動抑制装置は、車体と、前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置とを備える鉄道車両の輪重変動抑制装置であって、前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばねから同時に排気を行うよう前記吸排気装置を制御する制御部を有することを特徴とする。
これによれば、前方側の台車の旋回内軌側の空気ばね、及び、後方側の台車の旋回外軌側の空気ばねから排気を行うことにより、一方の対角に配置された空気ばねと他方の対角に配置された空気ばねとの相対的な空気ばね高さの関係を、上記発明のように前方側の台車の旋回外軌側の空気ばね、及び、後方側の台車の旋回内軌側の空気ばねに給気を行った場合と同様とすることができる。
これにより、上記発明と同様に、出口緩和曲線を走行する際における前方側の台車の旋回外軌側の輪重減少を効果的に抑制することができる。
本発明の輪重変動抑制装置において、前記吸排気装置は、前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、前記弁体と連動するレバー部と、上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部とを備え、前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、前記制御部は、前記可変長機構を通常の状態よりも短縮させることにより前記空気ばねからの排気を行う構成とすることができる。
これによれば、高さ調整弁を有する一般的な構成の鉄道車両において、連結部を構成する部材を可変長機構を有するものに交換し、高さ調整弁をアクティブに制御することにより、既存の車両に最小限の変更により本発明を適用することが可能となる。
本発明の輪重変動抑制装置において、前記可変長機構は、空気圧アクチュエータと、前記空気圧アクチュエータに空気を供給する制御弁とを有する構成とすることができる。
これによれば、鉄道車両において通常設けられるコンプレッサ、空気溜めなどの圧縮空気供給手段を用いる簡素な構成により可変長機構を駆動することができる。
本発明の輪重変動抑制装置において、前方側の前記台車の左右一方の前記空気ばねと、後方側の前記台車の左右他方の前記空気ばねとにそれぞれ設けられた前記空気圧アクチュエータに空気を供給する管路を相互に連通させた構成とすることができる。
これによれば、車体平面視において対角の位置にある一対の空気ばねにそれぞれ設けられた空気圧アクチュエータを、共通の制御弁によって駆動することが可能となり、装置構成をさらに簡素化することができる。
本発明の輪重変動抑制装置において、前記制御部は、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、全ての前記給排気装置の前記可変長機構を通常の状態とした後に通常の状態に対して同じ方向に伸長又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とする構成とすることができる。
これによれば、出口緩和曲線を通過する際に伸長させなかった部位を含む全ての可変長機構を、出口緩和曲線の通過後に伸長又は短縮させてから通常の状態とすることにより、出口緩和曲線通過時に行った制御の影響により、出口緩和曲線通過後に空気ばね高さのばらつきに起因する輪重アンバランスが残留することを防止できる。
本発明の輪重変動抑制装置において、前記制御部は、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を走行した際に前記吸排気装置の前記可変長機構を伸長又は短縮させた前記空気ばね以外の前記空気ばねの前記吸排気装置の前記可変長機構を、他の前記可変長機構と同じ方向に伸縮又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とする構成とすることができる。
これによれば、出口緩和曲線を通過する際に、伸長又は短縮させなかった部位の可変長機構を、出口緩和曲線の通過後に伸長又は短縮させてから通常の状態とすることにより、出口緩和曲線通過時に行った制御の影響により、出口緩和曲線通過後に空気ばね高さのばらつきに起因する輪重アンバランスが残留することを防止できる。
また、本発明の輪重変動抑制方法は、車体と、前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置とを備える鉄道車両の輪重変動抑制方法であって、前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前記給排気装置により、前方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばねに給気を行うことを特徴とする。
本発明の輪重変動抑制方法において、前記給排気装置は、前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、前記弁体と連動するレバー部と、上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部とを備え、前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、前記可変長機構を通常の状態よりも伸長させることにより前記空気ばねへの給気を行う構成とすることができる。
本発明の他の輪重変動抑制方法は、車体と、前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う吸排気装置とを備える鉄道車両の輪重変動抑制方法であって、前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前記吸排気装置により、前方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばねから排気を行うことを特徴とする。
本発明の輪重変動抑制方法において、前記吸排気装置は、前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、前記弁体と連動するレバー部と、上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部とを備え、前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、前記可変長機構を通常の状態よりも短縮させることにより前記空気ばねからの排気を行う構成とすることができる。
本発明の輪重変動抑制方法において、前記可変長機構は、空気圧アクチュエータと、前記空気圧アクチュエータに空気を供給する制御弁とを有する構成とすることができる。
本発明の輪重変動抑制方法において、前方側の前記台車の左右一方の前記空気ばねと、後方側の前記台車の左右他方の前記空気ばねとにそれぞれ設けられた前記空気圧アクチュエータに空気を供給する管路を相互に連通させた構成とすることができる。
本発明の輪重変動抑制方法において、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、全ての前記給排気装置の前記可変長機構を通常の状態とした後に通常の状態に対して同じ方向に伸長又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とする構成とすることができる。
本発明の輪重変動抑制方法において、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を走行した際に前記吸排気装置の前記可変長機構を伸長又は短縮させた前記空気ばね以外の前記空気ばねの前記吸排気装置の前記可変長機構を、他の前記可変長機構と同じ方向に伸縮又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とする構成とすることができる。
これらの輪重変動抑制方法によれば、上述した輪重変動抑制装置の効果と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、簡素な構成により緩和曲線通過時の輪重変動を抑制した輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法を提供することができる。
本発明を適用した輪重変動抑制装置の第1実施形態が設けられる鉄道車両の台車周辺を側面から見た状態を模式的に示す図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における自動高さ調整装置の動作を示す模式図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における空気圧アクチュエータ及び制御弁の構造及び動作を示す模式的断面図であって、高さ調整棒短縮時(通常走行時)の状態を示す図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における空気圧アクチュエータ及び制御弁の構造及び動作を示す模式的断面図であって、高さ調整棒伸長時(強制給気時)の状態を示す図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における高さ調整棒伸縮時の自動高さ調整装置の動作を示す模式図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における台車枠及びまくらばねの配置を示す模式図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置の装置構成を模式的に示す図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における空気圧アクチュエータ制御用の空気回路図である。 鉄道の軌道における出口緩和曲線の配置の一例を示す模式図である。 第1実施形態の輪重変動抑制装置における出口緩和曲線通過時の輪重変動抑制制御(対角アンバランス補償制御)を示すフローチャートである。 第1実施形態の輪重変動抑制装置を有する鉄道車両における対角アンバランス補償制御オフ時の出口緩和曲線通過時の走行速度、輪重、輪重減少率、横圧、制御弁指令値の推移の一例を示すタイミングチャートである。 第1実施形態の輪重変動抑制装置を有する鉄道車両における対角アンバランス補償制御オン時の出口緩和曲線通過時の走行速度、輪重、輪重減少率、横圧、制御弁指令値の推移の一例を示すタイミングチャートである。 本発明を適用した輪重変動抑制装置の第2実施形態における出口緩和曲線通過時の輪重変動抑制制御を示すフローチャートである。 本発明を適用した輪重変動抑制装置の第3実施形態の装置構成を模式的に示す図である。 本発明を適用した輪重変動抑制装置の第4実施形態における出口緩和曲線通過時の輪重変動抑制制御を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用した鉄道車両の輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法は、例えば、2軸のボギー台車を車体前後に有する電車等の旅客車両に設けられるものである。
図1は、第1実施形態の輪重変動抑制装置が設けられる鉄道車両の台車周辺を側面から見た状態を模式的に示す図である。
図1に示すように、鉄道車両1は、車体10の前後に、一対の台車100を有する例えば旅客用電車等のボギー車である。
車体10は、乗客等が収容される車室部分を有するものであり、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム系合金等の金属材料により、屋根構、側構、妻構、台枠等を有する六面体状に形成されている。
台車100は、例えば、2軸のボギー台車であって、台車枠110、輪軸120、軸箱130、軸箱支持装置140、軸ばね150、軸ダンパ160、まくらばね170等を有する。
台車枠110は、台車100の本体部を構成する構造部材である。
台車枠110は、上方から見た平面形が矩形の枠状に形成されている。
台車枠110は、前後方向に延在し、かつまくらぎ方向に離間して配置された左右一対の側梁を、まくらぎ方向に沿って延びた横梁及び端梁により連結して構成されている。
台車枠110の左右側面部には、後述する自動高さ調整装置200の高さ調整棒230の下端部が取り付けられるブラケット111がそれぞれ設けられている。
輪軸120は、左右一対の車輪121を、車軸122の両端部に圧入し固定して構成されている。
車輪121は、レールRの頭頂部と当接する踏面の内軌側から外径側に張り出したフランジを有するフランジ付き車輪である。
軸箱130は、輪軸120の車軸122の両端部に形成されたジャーナル部を回転可能に支持するものである。
軸箱130は、ジャーナル部を支持する軸受及びその潤滑装置や、走行速度に応じた出力を発生する速度発電機などの補機類を有する。
軸箱支持装置140は、軸箱130を台車枠110に対して上下方向に相対変位可能に支持するものである。
軸箱支持装置140は、例えば、台車枠110に設けられた軸周りに回動するスイングアーム状の軸梁を有する軸梁式の構成とすることができる。
軸梁の台車枠110との連結部には、例えばゴム等の弾性を有する材料からなるブッシュが設けられる。
軸箱支持装置140は、曲線通過を円滑とするため、ブッシュの弾性変形等を利用して、左右の軸箱130を前後方向に相対変位させて車軸120を操舵可能とする機能を有する。
軸ばね150は、軸箱130の上部とその上方の台車枠110との間にわたして設けられたばね要素である。
軸ばね150は、軸箱支持装置140の動作による軸箱130と台車枠110との上下方向相対変位に応じた反力を発生する。
軸ばね150は、例えば、圧縮コイルばねなどのばね要素を有する。
軸ダンパ160は、軸ばね150と並列に軸箱130と台車枠110との間に設けられた油圧緩衝器である。
軸ダンパ160は、台車枠110に対する軸箱130の上下方向相対速度に応じた減衰力を発生する。
軸ばね150、軸ダンパ160は、協働して鉄道車両1の1次サスペンション系を構成する。
まくらばね170は、車体10の下部と台車枠110の上部との間に設けられている。
まくらばね170は、車体10の重量を支えるとともに、車体10と台車枠110との相対高さ変位に応じた反力を発生するばね要素である。
まくらばね170は、例えばゴム等の可撓性、弾性を有する材料からなるダイアフラムの内部に、圧縮空気を導入して構成される空気ばねである。
まくらばね170の内部には、まくらばね170の伸縮時における内部の空気流を利用して減衰力を発生させる絞り等の減衰要素が設けられる。
鉄道車両1には、例えば乗客の多寡や、車室内の乗客の分布などに起因するまくらばね170の高さ(台車枠110に対する車体10の相対高さ)の変化を抑制するため、以下説明する自動高さ調整装置200を備えている。
自動高さ調整装置200は、高さ調整弁210、高さ調整てこ220、高さ調整棒230等を備えて構成されている。
高さ調整弁(LV)210は、台車枠110に対する車体10の相対高さ(まくらばね170の高さ)に応じて、まくらばね170に空気を供給する給気状態、まくらばね170内の空気を排出する排気状態、及び、給気、排気ともに行わない中立状態を切り換えるものである。
高さ調整弁210の動作については、後に詳しく説明する。
高さ調整てこ220は、高さ調整弁210から突出して設けられたレバー状の部材である。
高さ調整てこ220は、高さ調整弁210の内部で弁体と連動するとともに、突端部側が高さ調整棒230の上端部に連結されている。
高さ調整てこ220は、高さ調整弁210側に設けられた軸回りに、突端部が上下方向に回動(揺動)することにより、高さ調整弁210の状態を切り換えるよう構成されている。
高さ調整てこ220は、高さ調整棒230と協働して、台車枠110に対する車体10の高さ変化を高さ調整弁210に伝達する連動機構を構成する。
高さ調整棒230は、長手方向を上下方向にほぼ沿わせて配置され、台車枠110に対する車体10の相対高さの変化を、高さ調整てこ220に伝達する部材(連結部)である。
高さ調整棒230の上端部は、高さ調整てこ220の突端部に、回動可能に連結されている。
高さ調整棒230の下端部は、台車枠110のブラケット111に、回動可能に連結されている。
高さ調整棒230は、例えばねじ式の図示しない手動式の長さ調整機構(ターンバックル)を備え、後述する空気圧アクチュエータ240を用いずに、手動で長さを調整することが可能となっている。
このような手動による高さ調整棒230の長さ調整は、鉄道車両1の通常走行時における車高調整や、輪重バランス取りなどのために行われる。
図2は、第1実施形態の輪重変動抑制装置における自動高さ調整装置の動作を示す模式図である。
図2(a)に示すように、台車枠110に対する車体10の相対高さが、所定の中間領域にある場合には、高さ調整弁210は、まくらばね170の給気、排気をともに行わない中立状態(高さ調整弁210の不感帯)となっている。
図2(b)に示すように、台車枠110に対する車体10の相対高さが、中間領域の上限よりも高い場合(まくらばね170が伸長した状態)には、高さ調整棒230が高さ調整弁210に対して上昇し、高さ調整弁210は、まくらばね170の内部の空気の一部を大気に開放することにより排気し、まくらばね170を収縮させて車体10を台車枠110に対して降下させる排気状態となっている。
図2(c)に示すように、台車枠110に対する車体10の相対高さが、中間領域の下限よりも低い場合(まくらばね170が圧縮された状態)には、高さ調整棒230が高さ調整弁210に対して下降し、高さ調整弁210は、空気溜めTに貯留された圧縮空気を、まくらばね170に供給し、まくらばね170を膨張させて車体10を台車枠110に対して上昇させる給気状態となっている。
自動高さ調整装置200は、このような動作により、鉄道車両1の車体10の高さを、乗客の多寡等に関わらず中間領域に維持する機能を有する。例えば、駅で停車している際に、旅客の乗降があったとしても車体10をほぼ一定の高さに保つことができる。
自動高さ調整装置200は、以下説明する構成により、鉄道車両1の出口緩和曲線通過時に、輪重変動を抑制する機能を有する。
高さ調整棒230は、以下説明する空気圧アクチュエータ240(図2では図示を省略)を備え、空気圧アクチュエータ240には、制御弁250が設けられている。
図3、図4は、第1実施形態の輪重変動抑制装置における空気圧アクチュエータ及び制御弁の構造及び動作を示す模式的断面図であって、高さ調整棒短縮時(通常走行時)、高さ調整棒伸長時(強制給気時・対角アンバランス補償時)の状態をそれぞれ示す図である。
図1に示すように、空気圧アクチュエータ240は、高さ調整棒230の中間部(上端部と下端部との間)に設けられている。
空気圧アクチュエータ240は、空気圧により高さ調整棒230の長さ(上端部と下端部との距離)を変化させる機能を有する複動型のエアシリンダとして構成されている。
空気圧アクチュエータ240は、シリンダ241、ピストン242、ピストンロッド243、ストッパ244等を有して構成されている。
シリンダ241は、両端部が閉塞された円筒状に形成されている。
シリンダ241の中心軸は、高さ調整棒230の長手方向(上端部と下端部とを結んだ直線の方向)と同心に配置されている。
シリンダ241の下端部は、高さ調整棒230の下端部に取り付けられている。
ピストン242は、シリンダ241の内径側に、シリンダ241に対して軸方向に相対変位可能に挿入された部材である。
ピストン242の外周面部は、シリンダ241の内周面と摺動可能なシール手段を介して当接している。
ピストンロッド243は、ピストン242の中心部から上下方向に突出した軸状の部材である。
ピストンロッド243の上部は、シリンダ241の上部端面に設けられた開口を介してシリンダ241の上方に突出している。
ピストンロッド243の上端部は、高さ調整棒230の上端部に取り付けられている。
ストッパ244は、ピストンロッド243のシリンダ241に対する伸び側のストロークを規制するものである。
ストッパ244は、シリンダ241の内径側において、ピストン242よりも上方のピストンロッド243の外周面から、外径側につば状に張り出して形成されている。
シリンダ241は、ポート245,246を有する。
ポート245は、シリンダ241内におけるピストン242よりも上方側の領域と連通している。
ポート246は、シリンダ241内におけるピストン242よりも下方側の領域と連通している。
制御弁250は、空気溜めTに貯留された圧縮空気を、空気圧アクチュエータ240のポート245又はポート246に選択的に供給し、空気圧アクチュエータ240を伸縮させるものである。
制御弁250は、一例として、ダブルソレノイドの2位置5ポートソレノイドバルブである。
制御弁250は、ボディ251、ポートP252、ポートA253、ポートB254、ポートR255、ポートR256、スプール弁257、ピストン258、ピストン259等を有する。
ボディ251は、制御弁250の本体部であって、内部に円筒状の空間部であるシリンダ部が設けられている。
ポートP252は、空気溜めTから供給される圧縮空気を、シリンダ部内に導入するポートである。
ポートA253は、ボディ251の内部と連通するとともに、空気圧アクチュエータ240のポート245と接続されている。
ポートB254は、ボディ251の内部と連通するとともに、空気圧アクチュエータ240のポート246と接続されている。
ポートR255は、ポートB254から空気圧アクチュエータ240のポート246に空気が供給される際に、ポート245と連通して大気開放させるポートである。
ポートR256は、ポートA253から空気圧アクチュエータ240のポート245に空気が供給される際に、ポート246と連通して大気開放させるポートである。
スプール弁257は、ボディ251のシリンダ部内に挿入され、軸方向に移動することによって、図3に示すようにポートP252とポートA253とが連通し、かつポートB254とポート256とが連通する状態と、図4に示すようにポートP252とポートB254とが連通し、かつポートA253とポート255とが連通する状態とを切り換えるものである。
スプール弁257は、ボディ251の端部に設けられたソレノイドの通電状態を変化させることにより、図3に示す位置と図4に示す位置との間で移動する。
ソレノイドの通電状態は、後述する制御装置300により制御される。
制御弁250は、例えば、ソレノイドへの通電をオフした状態では図3に示す状態となり、ソレノイドへの通電をオンした状態では図4に示す状態となるよう構成されている。
スプール弁257の両端部には、ピストン258,259がそれぞれ設けられている。
ピストン258は、図3に示す状態ではポート255を閉塞し、図4に示す状態ではポート255を開放する。
ピストン259は、図3に示す状態ではポート256を開放し、図4に示す状態ではポート256を閉塞する。
図3に示す状態においては、空気溜めTからの圧縮空気は、空気圧アクチュエータ240のシリンダ241内におけるピストン242よりも上方の領域に導入される。
一方、シリンダ241内におけるピストン242よりも下方の領域は、大気開放された状態となる。
その結果、ピストン242は、上面部と下面部とが受ける圧力の差により、下方に押圧される。
これにより、ピストンロッド243はシリンダ241内に下向きに引き込まれた状態となり、空気圧アクチュエータ240は短縮された状態となる。
図4に示す状態においては、空気溜めTからの圧縮空気は、空気圧アクチュエータ240のシリンダ241内におけるピストン242よりも下方の領域に導入される。
一方、シリンダ241内におけるピストン242よりも上方の領域は、大気開放された状態となる。
その結果、ピストン242は、上面部と下面部とが受ける圧力の差により、上方に押圧される。
これにより、ピストンロッド243は、シリンダ241から上方に繰り出された状態となり、空気圧アクチュエータ240は伸長された状態となる。
上述した構成により、空気圧アクチュエータ240を伸縮させ、高さ調整棒230の全長を変化させることにより、台車枠110に対する車体10の高さに関わらず、高さ調整弁210を用いて、まくらばね170に強制的に給気を行うことが可能である。
図5は、第1実施形態の輪重変動抑制装置における高さ調整棒伸縮時の自動高さ調整装置の動作を示す模式図である。
図5(a)は、空気圧アクチュエータ240を短縮した状態を示しており、図5(b)は、空気圧アクチュエータ250を伸長した状態を示している。
鉄道車両1の通常走行時においては、空気圧アクチュエータ240は、図5(a)に示すように、短縮された状態となっている。
この状態において、図2に示すように、台車枠110に対して車体10が中立範囲上限よりも上昇した場合には排気を行い、車体10が中立範囲下限よりも下降した場合には給気を行う。
これにより、台車枠110に対する車体10の高さは、図2(a)に示す中間領域に維持される。
この状態において、空気圧アクチュエータ240を伸長させ、高さ調整棒230の全長を長くすることにより、高さ調整てこ220を、実際の車体10の高さに関わらず、高さ調整弁210を給気状態へ切り換えるよう揺動させることが可能である。
空気圧アクチュエータ240が伸長するストロークは、例えば、15mm程度とすることができる。
この場合、高さ調整弁210は、まくらばね170が伸長し、高さ調整てこ220の角度が通常時の中立位置相当となるまで、まくらばね170に強制的に給気を行うことになる。
図6は、第1実施形態の輪重変動抑制装置における台車枠及びまくらばねの配置を示す模式図である。
図6(a)は、鉄道車両1を左側方から見た状態を示し、図6(b)は、上方から見た状態を示している。
図6においては、左側が進行方向前方側とする。
台車100は、進行方向に沿って一対設けられている。
以下、前方側、後方側の台車枠110に、それぞれ添字F,Rを付して説明する。
各台車100には、それぞれ2軸の輪軸120が設けられている。
台車枠110F,110Rには、それぞれ左右一対のまくらばね170が設けられている。
以下、台車枠110Fの左右のまくらばね170に、それぞれ添字FL,FRを付して説明する。
また、台車枠110Rの左右のまくらばね170に、それぞれ添字RL,RRを付して説明する。
上述した自動高さ調整装置200は、まくらばね170FR,170FL,170RR,170RLにそれぞれ一機ずつ設けられる。
以下、これらの自動高さ調整装置200、及び、その構成要素(空気圧アクチュエータ240、制御弁250等)にも、対応するまくらばね170と同じ添字(FL,FR,RL,RR)を付して説明する。
図7は、第1実施形態の輪重変動抑制装置の装置構成を模式的に示す図である。
図8は、第1実施形態の輪重変動抑制装置における空気圧アクチュエータ制御用の空気回路図である。
輪重変動抑制装置は、制御装置300、レギュレータ310、圧力計320、元供給切換弁330等を有する。
制御装置300は、鉄道車両1の走行状態を検出し、検出された走行状態に応じて、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドに駆動電力を供給又は遮断し、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLの短縮又は伸長をそれぞれ切り換えるものである。
制御装置300は、図示しない運転台から、自車両の走行位置に関する情報を取得可能となっている。
制御装置300は、予め蓄積された路線の線形に関するデータを保持しており、自車両の走行位置(基準位置からのキロ程等)に基づいて、自車両が走行中の箇所の線形(直線、円曲線、入口緩和曲線、出口緩和曲線等)を認識する機能を有する。
鉄道の路線において、円曲線路においては、内軌側に対して外軌側のレールが高い位置に配置されるカント(高低差)が設けられる。
カントは、曲線通過時の重力と遠心力との合力の作用方向を、軌道面に対して垂直に近づけ、走行安定性や快適性を確保するために必須なものである。
図9は、鉄道の軌道における出口緩和曲線の配置の一例を示す模式図である。
図9に示すように、円曲線Cから直線Sに移行する境界箇所には、鉄道車両1の進行に応じて曲率半径が徐々に大きくなるとともに、カントが徐々に低減される出口緩和曲線TCが設けられる。
制御装置300は、上述した構成により、自車両の出口緩和曲線への接近、進入、出口緩和曲線からの脱出を検出することが可能となっている。
レギュレータ310は、空気溜めTの内部に貯留された圧縮空気を、所定の設定圧力(例えば、0.7MPa)まで減圧してから吐出する減圧弁である。
圧力計320は、レギュレータ310から供給される減圧済みの圧縮空気の圧力を計測するものである。
元供給切換弁330は、各制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのポートP252に圧縮空気が供給された状態と、圧縮空気が遮断され各制御弁のポートP252が大気開放された状態とを切り換えるものである。
元供給切換弁330を通過した圧縮空気は、分岐した配管を介して、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのポートP252にそれぞれ供給される。
第1実施形態の輪重変動抑制装置においては、出口緩和曲線通過時の前位台車外軌側の輪重減少を抑制するため、以下説明する輪重変動抑制制御(対角アンバランス補償制御・第1実施形態の輪重変動抑制方法)を行う。
図10は、第1実施形態の輪重変動抑制装置における出口緩和曲線通過時の輪重変動抑制制御を示すフローチャートである。
なお、以下の説明においては、図9に示すような右曲線と直線路との間に設けられる出口緩和曲線を例として説明する。左曲線の場合には、以下説明する制御の左右部位を逆転するとよい。(後述する図13,15において同じ)
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:全高さ調整棒短縮>
制御装置300は、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを、全て通常走行時の状態(短縮された状態)とするよう、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電をオフとする。
これにより、まくらばね170FR,170FL,170RR,170RLは、台車枠110に対する車体10の高さを、通常走行時の標準的な高さとするよう自動高さ調整装置200により給排気される。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:出口緩和曲線進入判断>
制御装置300は、鉄道車両1が出口緩和曲線へ進入したか否かを判別する。
鉄道車両1が出口緩和曲線に進入したと判定した場合は、ステップS03に進み、その他の場合はステップS02を繰り返す。
<ステップS03:前方外軌側・後方内軌側高さ調整棒延長>
制御装置300は、進行方向前方側の台車枠110Fに設けられた外軌側のまくらばね170FL、進行方向後方側の台車枠110Rに設けられた内軌側のまくらばね170RRに給気するよう、制御弁250FL,250RRのソレノイドへの通電を開始し、空気圧アクチュエータ240FL,240RRを伸長(延長)させて高さ調整棒230を伸長させる。
これにより、まくらばね170FL,170RRへの給気が同時に開始される。
その後、ステップS04に進む。
<ステップS04:出口緩和曲線通過判断>
制御装置300は、鉄道車両1が出口緩和曲線を通過し、直線に進入したか否かを判別する。
鉄道車両1が出口緩和曲線を通過したと判定した場合は、ステップS05に進み、その他の場合はステップS04を繰り返す。
<ステップS05:前方外軌側・後方内軌側高さ調整棒短縮>
制御装置300は、制御弁250FL,250RRのソレノイドへの通電を終了し、空気圧アクチュエータ240FL,240RRを短縮(収縮)させて、高さ調整棒230を通常走行時の長さに復帰させる。
これにより、まくらばね170FL,170RRからの排気が同時に開始される。
その後、ステップS06に進む。
なお、ステップS03からS05に至るまでの間、空気圧アクチュエータ240FR,240RLは短縮された状態を維持しており、これらの部位の高さ調整棒230は、通常走行時と同じ一定の長さに保たれている。
<ステップS06:全高さ調整棒伸長>
制御装置300は、全てのまくらばね170FR,170FL,170RR,170RLに給気するよう、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電を開始し、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを伸長させ、全ての高さ調整棒230を伸長させる。
その後、ステップS07に進む。
<ステップS07:全高さ調整棒短縮>
制御装置300は、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電を終了し、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを短縮させ、全ての高さ調整棒230を短縮させて通常走行時の状態に復帰させる。
その後、一連の処理を終了する。
なお、複数の鉄道車両1を連結して列車が編成される場合には、各車両において上述した制御を個別に行う構成とすることができる。
以下、第1実施形態の輪重変動抑制装置、輪重変動抑制方法の効果について説明する。
図11、図12は、第1実施形態の輪重変動抑制装置を有する鉄道車両における出口緩和曲線通過時の走行速度、輪重、輪重減少率、横圧、制御弁指令値の推移の一例を示すタイミングチャートである。
図11は、対角アンバランス補償制御オフ時の状態(図10に示す制御を行わない状態)を示し、図12は、対角アンバランス補償制御オン時(同制御を行った状態)を示している。
図11,12は、図9に示す線形の線区で実車を走行させて取得した実測値を示している。
図11、図12において、走行速度は、鉄道車両1の対地速度であって、例えば、台車100の軸箱130に設けられた図示しない速度発電機によって検出することが可能である。
図11、図12に示す例においては、例えば約10km/hで、図9に示す円曲線及び出口緩和曲線を順次通過させるよう鉄道車両1を走行させている。
輪重、横圧は、進行方向前方側の台車枠110Fに取り付けられた進行方向前方側の輪軸120として、輪重横圧測定用のひずみゲージを備えたPQ輪軸を用いて、曲線の内軌側、外軌側においてそれぞれ測定している。
輪重減少率は、PQ輪軸の外軌側の輪重の静止状態(停車状態)からの減少量をパーセンテージで示した値である。
図11,12の横軸方向において、横圧が大きくなる領域は、鉄道車両1が曲線を走行中の領域である。
また、横圧が大きくなる領域の終期付近において、横圧が徐々に減少する領域は、鉄道車両1が出口緩和曲線を走行中の領域である。
制御弁指令値は、制御弁250FR(内軌前側),250FL(外軌前側),250RR(内軌後側),250RL(外軌後側)のソレノイドへの電力供給の有無を示しており、対応する空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを伸長させるもの(通電有・「伸」と表記)であるか、短縮させるもの(通電無・「縮」と表記)であるかを示すものである。
図11に示すように、対角アンバランス補償制御を行わない場合、出口緩和曲線の通過時に、外軌側の車輪の輪重減少が顕著であることがわかる。(図11において破線楕円で示す箇所を参照)
この輪重減少は、出口緩和曲線におけるカントの減少に伴いまくらばね170FLが伸長し、台車枠110Fに対する車体10の高さが部分的に大きくなり、これに対して自動高さ調整装置200FLが車体10の台車枠110Fに対する高さを維持するため、まくらばね170FLから排気を行うことが一因であると考えられる。
一方、図12に示すように、対角アンバランス補償制御を行った場合には、図11に対して出口緩和曲線通過時の外軌側の輪重減少が顕著に低減されていることがわかる。
例えば、図11の例と図12の例とを比較した場合、最大で約20%の輪重変動抑制効果があることがわかる。
以上説明した第1実施形態の輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)出口緩和曲線を通過する際に、前方側の台車100の旋回外軌側のまくらばね170FLに強制的に給気を行うことにより、カントの減少に応じて自動高さ調整装置200がまくらばね170FLから排気することに起因する輪重減少を防止し、さらに、給気されたまくらばね170の反力によって、前方側の台車100の旋回外軌側の車輪121の輪重を増加させることができる。
また、これと同時に後方側の台車100の旋回内軌側のまくらばね170RRにも給気を行うことにより、車体10の旋回内軌側後方が沈下する上述した輪重変動抑制効果を促進することができる。
(2)高さ調整弁210を有する一般的な構成の鉄道車両において、高さ調整棒230を空気圧アクチュエータ240を有するものに交換し、高さ調整弁210をアクティブに制御することにより、既存の車両に最小限の変更により適用することが可能である。
なお、このような空気圧アクチュエータ240を高さ調整棒230に設けても、通常走行時における車体高さ制御及び台車旋回抵抗に悪影響を与えないことを確認している。
(3)高さ調整棒230を伸縮するアクチュエータとして、複動式エアシリンダである空気圧アクチュエータ240を用いることにより、鉄道車両において通常設けられるコンプレッサ、空気溜めなどの圧縮空気供給手段を用いる簡素な構成により高さ調整棒230を伸縮駆動することができる。
また、万一制御装置300、制御弁250や、制御弁250と空気圧アクチュエータ240とを接続する配管等に故障が生じた場合であっても、一般的なパッシブ式の自動高さ調整機能は失われないため、フェイルセーフ性を確保することができる。
(4)空気圧アクチュエータ240FRと空気圧アクチュエータ240RLとに空気を供給する配管を連通させ、空気圧アクチュエータ240FLと空気圧アクチュエータ240RRとに空気を供給する配管を連通させることにより、車体平面視において対角の位置にある一対の空気ばね170にそれぞれ設けられた空気圧アクチュエータ240を、共通の制御弁250A,250Bによって駆動することが可能となり、装置構成をより簡素化することができる。
(5)出口緩和曲線を通過した後に、全ての部位の空気圧アクチュエータ240を、出口緩和曲線の通過後に伸長させてから通常の状態とすることにより、出口緩和曲線通過時に行った制御の影響によって出口緩和曲線通過後にまくらばね170の高さのばらつきに起因する輪重アンバランスが残留することを防止できる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と同様の箇所については、同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態においては、対角アンバランス補償制御の終了後、全ての空気圧アクチュエータ240を全て短縮し、その後全て伸長し、再度短縮することを特徴とする。
図13は、第2実施形態の輪重変動抑制装置における出口緩和曲線通過時の輪重変動抑制制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS11:全高さ調整棒短縮>
制御装置300は、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを全て通常走行時の状態(短縮された状態)とするよう、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電をオフとする。
その後、ステップS12に進む。
<ステップS12:出口緩和曲線進入判断>
制御装置300は、鉄道車両1が出口緩和曲線へ進入したか否かを判別する。
鉄道車両1が出口緩和曲線に進入したと判定した場合は、ステップS13に進み、その他の場合はステップS12を繰り返す。
<ステップS13:前方外軌側・後方内軌側高さ調整棒延長>
制御装置300は、進行方向前方側の台車枠110Fに設けられた外軌側のまくらばね170FL、進行方向後方側の台車枠110Rに設けられた内軌側のまくらばね170RRに給気するよう、制御弁250FL,250RRのソレノイドへの通電を開始し、空気圧アクチュエータ240FL,240RRを伸長させて高さ調整棒230を伸長させる。
これにより、まくらばね170FL,170RRへの給気が同時に開始される。
その後、ステップS14に進む。
<ステップS14:出口緩和曲線通過判断>
制御装置300は、鉄道車両1が出口緩和曲線を通過し、直線に進入したか否かを判別する。
鉄道車両1が出口緩和曲線を通過したと判定した場合は、ステップS15に進み、その他の場合はステップS14を繰り返す。
<ステップS15:前方外軌側・後方内軌側高さ調整棒短縮>
制御装置300は、制御弁250FL,250RRのソレノイドへの通電を終了し、空気圧アクチュエータ240FL,240RRを短縮させて、高さ調整棒230を通常走行時の長さに復帰させる。
これにより、まくらばね170FL,170RRからの排気が同時に開始される。
なお、ステップS13からS15に至るまでの間、空気圧アクチュエータ240FR,240RLは短縮された状態を維持しており、これらの部位の高さ調整棒230は、通常走行時と同じ一定の長さに保たれている。
その後、ステップS16に進む。
<ステップS16:前方内軌側・後方外軌側高さ調整棒延長>
制御装置300は、進行方向前方側の台車枠110Fに設けられた内軌側のまくらばね170FR、進行方向後方側の台車枠110Rに設けられた外軌側のまくらばね170RLに給気するよう、制御弁250FR,250RLのソレノイドへの通電を開始し、空気圧アクチュエータ240FR,240RLを伸長させて高さ調整棒230を伸長させる。
その後、ステップS17に進む。
<ステップS17:前方内軌側・後方外軌側高さ調整棒短縮>
制御装置300は、制御弁250FR,250RLのソレノイドへの通電を終了し、空気圧アクチュエータ240FR,240RLを短縮させて、高さ調整棒230を通常走行時の長さに復帰させる。
その後、一連の処理を終了する。
以上説明した第2実施形態によれば、出口緩和曲線の通過後に、緩和曲線通過中の対角アンバランス補償制御において伸長させなかった部位の空気圧アクチュエータ240を、緩和曲線通過後に一旦伸長させてから短縮することにより、出口緩和曲線通過後の輪重アンバランスの残留を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用した輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法の第3実施形態について説明する。
図14は、第3実施形態の輪重変動抑制装置の装置構成を模式的に示す図である。
第3実施形態の輪重変動抑制装置においては、車両平面視において対角上に配置された一対の空気圧アクチュエータ240に空気を供給する配管を相互に連通させ、共通の制御弁250により制御することを特徴とする。
車両前方右側の空気圧アクチュエータ240FRと、車両後方左側の空気圧アクチュエータ240RLは、共通の制御弁250Aにより空気を供給される。
車両前方左側の空気圧アクチュエータ240FLと、車両後方右側の空気圧アクチュエータ240RRは、共通の制御弁250Bにより空気を供給される。
制御弁250AのポートA253は、分岐管を介して、空気圧アクチュエータ240FR,250RLのポート245とそれぞれ接続されている。(ポート245,246は図15では図示を省略する。図3,4を参照)
制御弁250AのポートB254は、分岐管を介して、空気圧アクチュエータ240FR,250RLのポート246とそれぞれ接続されている。
制御弁250BのポートA253は、分岐管を介して、空気圧アクチュエータ240FL,250RRのポート245とそれぞれ接続されている。
制御弁250BのポートB254は、分岐管を介して、空気圧アクチュエータ240FL,250RRのポート246とそれぞれ接続されている。
以上説明した第3実施形態によれば、車両平面視における対角上に配置された一対の空気圧アクチュエータ240に空気を供給する配管を相互に連通させ、共通の制御弁250A,250Bによって制御することにより、装置構成を簡素化し、コストを低下させるとともに、既存の車両にもより容易に適用することが可能となる。
<第4実施形態>
次に、本発明を適用した輪重変動抑制装置及び輪重変動抑制方法の第4実施形態について説明する。
第4実施形態においては、出口緩和曲線を走行する際に、前方側の台車100Fの旋回内軌側、及び、後方側の台車100Rの旋回外軌側のまくらばね170から排気(抜気)を行うことを特徴とする。
第1乃至第3実施形態では、鉄道車両の通常走行時には、空気圧アクチュエータ240は短縮された状態となっていたが、第4実施形態においては、空気圧アクチュエータ240は伸長された状態となっている。
第4実施形態においては、制御弁250は、ソレノイドへの通電をオフとした際に空気圧アクチュエータ240が伸長し、ソレノイドへの通電をオンとした際に空気圧アクチュエータ240が短縮されるよう構成されている。
このような構成は、例えば、制御弁250のポートA253と空気圧アクチュエータ240のポート246とを連通させ、制御弁250のポートB254と空気圧アクチュエータ240のポート245とを連通させることにより実現することができる。
図15は、第4実施形態の輪重変動抑制装置における出口緩和曲線通過時の輪重変動抑制制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS21:全高さ調整棒伸長>
制御装置300は、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを、全て通常走行時の状態(伸長された状態)とするよう、制御弁250FR、250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電をオフとする。
その後、ステップS22に進む。
<ステップS22:出口緩和曲線進入判断>
制御装置300は、鉄道車両1が出口緩和曲線へ進入したか否かを判別する。
鉄道車両1が出口緩和曲線に進入したと判定した場合は、ステップS23に進み、その他の場合はステップS22を繰り返す。
<ステップS23:前方内軌側・後方外軌側高さ調整棒短縮>
制御装置300は、進行方向前方側の台車枠110Fに設けられた内軌側のまくらばね170FR、進行方向後方側の台車枠110Rに設けられた外軌側のまくらばね170RLから排気するよう、制御弁250FR,250RLのソレノイドへの通電を開始し、空気圧アクチュエータ240FR,240RLを短縮させて高さ調整棒230を短縮させる。
これにより、まくらばね170FR,170RLからの排気が同時に開始される。
その後、ステップS24に進む。
<ステップS24:出口緩和曲線通過判断>
制御装置300は、鉄道車両1が出口緩和曲線を通過し、直線に進入したか否かを判別する。
鉄道車両1が出口緩和曲線を通過したと判定した場合は、ステップS25に進み、その他の場合はステップS24を繰り返す。
<ステップS25:前方内軌側・後方外軌側高さ調整棒伸長>
制御装置300は、制御弁250FR,250RLのソレノイドへの通電を終了し、空気圧アクチュエータ240FR,240RLを伸長させて、高さ調整棒230を通常走行時の長さに復帰させる。
これにより、まくらばね170FR,170RLへの給気が同時に開始される。
なお、ステップS23からS25に至るまでの間、空気圧アクチュエータ240FL,240RRは伸長された状態を維持しており、これらの部位の高さ調整棒230は、通常走行時と同じ一定の長さに保たれている。
その後、ステップS26に進む。
<ステップS26:全高さ調整棒短縮>
制御装置300は、全てのまくらばね170FR,170FL,170RR,170RLから排気するよう、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電を開始し、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを短縮させ、全ての高さ調整棒230を短縮させる。
その後、ステップS27に進む。
<ステップS27:全高さ調整棒伸長>
制御装置300は、制御弁250FR,250FL,250RR,250RLのソレノイドへの通電を終了し、空気圧アクチュエータ240FR,240FL,240RR,240RLを伸長させ、全ての高さ調整棒230を伸長させて通常走行時の状態に復帰させる。
その後、一連の処理を終了する。
以上説明した第4実施形態によれば、前方側の台車100Fの旋回内軌側のまくらばね170FR、及び、後方側の台車100Rの旋回外軌側のまくらばね170RLから排気を行うことにより、一方の対角に配置されたまくらばね170FR,170RLと、他方の対角に配置されたまくらばね170FL,170RRとの相対的な高さの関係を、前方側の台車100Fの旋回外軌側のまくらばね170FL、及び、後方側の台車100Rの旋回内軌側のまくらばね170RRに給気を行った場合と同様とすることができる。
これにより、上述した第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
(1)鉄道車両、輪重変動抑制装置、輪重変動抑制方法の構成は、上述した各実施形態に限定されることなく、適宜変更することができる。
(2)各実施形態では、高さ調整棒の伸縮を空気圧アクチュエータにより行っているが、これに限らず、他種のアクチュエータを用いてもよい。
例えば、電動モータ、ソレノイド等の電動アクチュエータや、油圧アクチュエータ等を用いることができる。
(3)各実施形態では、高さ調整棒を伸縮させるアクチュエータをストローク上限まで伸長した状態と、ストローク下限まで短縮させた状態との2位置を切り換えて対角アンバランス補償制御を行っているが、本発明はこれに限らず、ストローク上限とストローク下限との中間位置を用いた対角アンバランス補償制御を行うようにしてもよい。
(4)出口緩和曲線を走行する際に、第1乃至第3実施形態では、前方側の台車の旋回外軌側及び後方側の台車の旋回内軌側のまくらばねに給気し、第4実施形態では、前方側の台車の旋回内軌側及び後方側の台車の旋回外軌側のまくらばねから排気しているが、このような給気及び排気を同時に行ってもよい。
(5)各実施形態においては、鉄道車両の出口緩和曲線への進入に応じて対角アンバランス補償を開始する構成としているが、制御弁への指令が出されてから実際にまくらばねに給気が開始されるまでの時間応答遅れを考慮して、出口緩和曲線への進入に先立って対角アンバランス補償を開始する構成としてもよい。
1 鉄道車両 10 車体
100 台車 110 台車枠
111 ブラケット 120 輪軸
121 車輪 122 車軸
130 軸箱 140 軸箱支持装置
150 軸ばね 160 軸ダンパ
170 まくらばね
200 自動高さ調整装置 210 高さ調整弁
220 高さ調整てこ 230 高さ調整棒
240 空気圧アクチュエータ 241 シリンダ
242 ピストン 243 ピストンロッド
244 ストッパ 245 ポート
246 ポート 250 制御弁
251 ボディ 252 ポートP
253 ポートA 254 ポートB
255 ポートR 256 ポートR
257 スプール弁 258 ピストン
259 ピストン
300 制御装置 310 レギュレータ
320 圧力計 330 元供給切換弁
R レール C 円曲線
S 直線 TC 出口緩和曲線
T 空気溜め

Claims (16)

  1. 車体と、
    前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、
    前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、
    前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置と
    を備える鉄道車両の輪重変動抑制装置であって、
    前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばねに同時に給気を行うよう前記給排気装置を制御する制御部を有すること
    を特徴とする輪重変動抑制装置。
  2. 前記給排気装置は、
    前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、
    前記弁体と連動するレバー部と、
    上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部と
    を備え、
    前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、
    前記制御部は、前記可変長機構を通常の状態よりも伸長させることにより前記空気ばねへの給気を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の輪重変動抑制装置。
  3. 車体と、
    前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、
    前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、
    前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置と
    を備える鉄道車両の輪重変動抑制装置であって、
    前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばねから同時に排気を行うよう前記吸排気装置を制御する制御部を有すること
    を特徴とする輪重変動抑制装置。
  4. 前記吸排気装置は、
    前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、
    前記弁体と連動するレバー部と、
    上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部と
    を備え、
    前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、
    前記制御部は、前記可変長機構を通常の状態よりも短縮させることにより前記空気ばねからの排気を行うこと
    を特徴とする請求項3に記載の輪重変動抑制装置。
  5. 前記可変長機構は、
    空気圧アクチュエータと、
    前記空気圧アクチュエータに空気を供給する制御弁とを有すること
    を特徴とする請求項2又は請求項4に記載の輪重変動抑制装置。
  6. 前方側の前記台車の左右一方の前記空気ばねと、後方側の前記台車の左右他方の前記空気ばねとにそれぞれ設けられた前記空気圧アクチュエータに空気を供給する管路を相互に連通させたこと
    を特徴とする請求項5に記載の輪重変動抑制装置。
  7. 前記制御部は、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、全ての前記給排気装置の前記可変長機構を通常の状態とした後に通常の状態に対して同じ方向に伸長又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とすること
    を特徴とする請求項2又は請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の輪重変動抑制装置。
  8. 前記制御部は、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を走行した際に前記吸排気装置の前記可変長機構を伸長又は短縮させた前記空気ばね以外の前記空気ばねの前記吸排気装置の前記可変長機構を、他の前記可変長機構と同じ方向に伸縮又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とすること
    を特徴とする請求項2又は請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の輪重変動抑制装置。
  9. 車体と、
    前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、
    前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、
    前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う給排気装置と
    を備える鉄道車両の輪重変動抑制方法であって、
    前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前記給排気装置により、前方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばねに同時に給気を行うこと
    を特徴とする輪重変動抑制方法。
  10. 前記給排気装置は、
    前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、
    前記弁体と連動するレバー部と、
    上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部と
    を備え、
    前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、
    前記可変長機構を通常の状態よりも伸長させることにより前記空気ばねへの給気を行うこと
    を特徴とする請求項9に記載の輪重変動抑制方法。
  11. 車体と、
    前記車体の下部に走行方向前方側から順次設けられた複数の台車と、
    前記車体と前記台車の台車枠との間に左右一対配置された空気ばねと、
    前記空気ばねにそれぞれ設けられ給気及び排気を行う吸排気装置と
    を備える鉄道車両の輪重変動抑制方法であって、
    前記鉄道車両が曲線路の出口緩和曲線を走行する際に、前記吸排気装置により、前方側の前記台車の旋回内軌側の前記空気ばね、及び、後方側の前記台車の旋回外軌側の前記空気ばねから同時に排気を行うこと
    を特徴とする輪重変動抑制方法。
  12. 前記吸排気装置は、
    前記車体に設けられ給気状態と排気状態とを切換可能な弁体を有する高さ調整弁と、
    前記弁体と連動するレバー部と、
    上端部が前記レバー部に連結され下端部が前記台車の台車枠に連結された連結部と
    を備え、
    前記連結部は、前記上端部と前記下端部との距離を変化させる可変長機構を備え、
    前記可変長機構を通常の状態よりも短縮させることにより前記空気ばねからの排気を行うこと
    を特徴とする請求項11に記載の輪重変動抑制方法。
  13. 前記可変長機構は、
    空気圧アクチュエータと、
    前記空気圧アクチュエータに空気を供給する制御弁とを有すること
    を特徴とする請求項10又は請求項12に記載の輪重変動抑制方法。
  14. 前方側の前記台車の左右一方の前記空気ばねと、後方側の前記台車の左右他方の前記空気ばねとにそれぞれ設けられた前記空気圧アクチュエータに空気を供給する管路を相互に連通させたこと
    を特徴とする請求項13に記載の輪重変動抑制方法。
  15. 前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、全ての前記給排気装置の前記可変長機構を通常の状態とした後に通常の状態に対して同じ方向に伸長又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とすること
    を特徴とする請求項10又は請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の輪重変動抑制方法。
  16. 前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を通過した後に、前記鉄道車両が前記出口緩和曲線を走行した際に前記吸排気装置の前記可変長機構を伸長又は短縮させた前記空気ばね以外の前記空気ばねの前記吸排気装置の前記可変長機構を、他の前記可変長機構と同じ方向に伸縮又は短縮させた状態とし、その後再度通常の状態とすること
    を特徴とする請求項10又は請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の輪重変動抑制方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023102098A (ja) * 2022-01-11 2023-07-24 小野谷機工株式会社 車両用昇降装置

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