JP2020075266A - 調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アークエンド条件又はアークスタート条件を自動的に最適化することができる調整装置を提供する。【解決手段】溶接ワイヤの先端部及び母材間にアークを発生させて母材を溶接する消耗電極式アーク溶接のアークエンド条件を調整する調整装置5であって、一の溶接工程終了時における溶接ワイヤの先端部及び母材を撮像して得られる画像データを取得するアークエンド画像取得部53aと、一の溶接工程終了時における溶接電流の供給方法を示すアークエンド条件を取得するアークエンド条件取得部53bと、一の溶接工程の次溶接工程における溶接開始の成否を評価するアークスタート評価部52と、取得した画像データ、アークエンド条件及びアークスタートの成否に基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークエンド条件を調整するエンド条件調整部54とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、アークエンド条件又はアークスタート条件を調整する調整装置に関する。
溶接方法の一つに、消耗電極式のガスシールドアーク溶接法がある。ガスシールドアーク溶接法は、母材の被溶接部に送給された溶接ワイヤと、母材との間にアークを発生させ、アークの熱によって母材を溶接する手法であり、特に高温になった母材の酸化を防ぐために、シールドガスを溶接部周辺に噴射しながら溶接を行うものである。
連続生産において、溶接ロボットを用いたアーク溶接を行う場合、溶接トーチを溶接開始位置に移動させた後、ワイヤスローダウンを開始し、溶接ワイヤが母材に接触するタイミングで所定のアークスタート電流を供給することによってアークを点火させる。また、溶接終了時に、溶接ワイヤに小電流パルスを供給して溶接ワイヤを一定時間燃え上がらせるアンチスティック処理が行われる(例えば、特許文献1)。アンチスティック処理を行う理由は次の通りである。ワイヤ送給機に停止信号が入力された後も、送給モータは慣性力によって溶接ワイヤを送給する。従って、溶接ワイヤが溶融池に進入し、溶融池が冷却すると溶接ワイヤの先端部が溶着金属に固着(スティック)してしまう。この固着を防ぐために、ワイヤ送給機に停止信号を入力した後、溶接電流値よりも小さい電流を通電することによって溶接ワイヤを溶融させて、溶接ワイヤが溶融池に進入することを防止する必要がある。
ところで、アークエンド時の電流供給方法を示すアークエンド条件、アークスタート時の電流供給方法を示すアークスタート条件は、溶接電源の製造時に条件出しされるが、最適条件は実際の溶接電源の配置、溶接電源から引き回される電源ケーブルの長さ、母材及び溶接ワイヤの材質、種類等によって変動する。このため、溶接品質を担保するためには、現場で作業者、サービスマンが手作業で繰り返しアークエンド処理及びアークスタート処理を試行し、多数の試行結果から最適と思われる条件に設定する必要があった。環境に応じた条件出しには多大な労力を要している。
本発明の目的は、アークエンド条件又はアークスタート条件を自動的に最適化することができる調整装置を提供することにある。
本態様に係る調整装置は、溶接ワイヤの先端部及び母材間にアークを発生させて該母材を溶接する消耗電極式アーク溶接のアークエンド条件を調整する調整装置であって、一の溶接工程終了時における前記溶接ワイヤの先端部及び前記母材を撮像して得られる画像データを取得する画像データ取得部と、前記一の溶接工程終了時におけるアークエンド条件を取得するアークエンド条件取得部と、前記一の溶接工程の次溶接工程における溶接開始の成否を示す成否データを取得する成否データ取得部と、前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークエンド条件取得部にて取得したアークエンド条件、及び前記成否データ取得部にて取得した成否データに基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークエンド条件を調整するエンド条件調整部とを備える。
本態様によれば、エンド条件調整部は、一の溶接工程終了時における溶接ワイヤの先端部及び母材を撮像して得られる画像データと、現在のアークエンド条件と、溶接開始の成否に基づいて、アークエンド条件を調整する。
溶接終了時における溶接ワイヤ先端部及び母材の画像は、アークエンド処理の結果に関する情報が含まれている。例えば、画像データには、母材と溶接ワイヤ先端部との距離、溶接ワイヤの先端部の形状、溶接ワイヤ先端部に形成される粒状部分の大きさ等の情報が含まれる。
また、アークエンド条件及び画像データは、現在の溶接環境がどのようなものであるかを示す情報が得られる。アークエンド条件は、所定の溶接環境において条件出しされており、画像データから得られるアークエンド処理の結果は、当該溶接環境からの乖離を示していると言える。なお、アークエンド条件は、実質的にアークエンド条件を示す情報であれば、そのデータ形式は特に限定されるものでは無い。例えば、アークエンド処理時の溶接電流又は溶接電圧をアークエンド条件として用いても良い。
更に、アークスタートの成否も、現在の溶接環境がどのようなものであるかを示す情報である。所定の溶接環境において最適とされていた溶接ワイヤの先端部の形状、粒状部分の大きさとなるように調整しても、実際の溶接環境においては、アークスタートが可能な状態とならないことがある。
エンド条件調整部は、上記の画像データ、アークエンド条件、成否データを活用することによって、実際の溶接環境に適したアークエンド条件に調整することができる。
溶接終了時における溶接ワイヤ先端部及び母材の画像は、アークエンド処理の結果に関する情報が含まれている。例えば、画像データには、母材と溶接ワイヤ先端部との距離、溶接ワイヤの先端部の形状、溶接ワイヤ先端部に形成される粒状部分の大きさ等の情報が含まれる。
また、アークエンド条件及び画像データは、現在の溶接環境がどのようなものであるかを示す情報が得られる。アークエンド条件は、所定の溶接環境において条件出しされており、画像データから得られるアークエンド処理の結果は、当該溶接環境からの乖離を示していると言える。なお、アークエンド条件は、実質的にアークエンド条件を示す情報であれば、そのデータ形式は特に限定されるものでは無い。例えば、アークエンド処理時の溶接電流又は溶接電圧をアークエンド条件として用いても良い。
更に、アークスタートの成否も、現在の溶接環境がどのようなものであるかを示す情報である。所定の溶接環境において最適とされていた溶接ワイヤの先端部の形状、粒状部分の大きさとなるように調整しても、実際の溶接環境においては、アークスタートが可能な状態とならないことがある。
エンド条件調整部は、上記の画像データ、アークエンド条件、成否データを活用することによって、実際の溶接環境に適したアークエンド条件に調整することができる。
本態様に係る調整装置は、前記エンド条件調整部は、前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークエンド条件取得部にて取得したアークエンド条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データが入力された場合、前記アークエンド条件の調整量に対する評価値を出力する評価ニューラルネットワークと、該評価ニューラルネットワークから出力される評価値に基づいて調整量を選択する調整量選択部とを備える。
本態様によれば、強化学習された評価ニューラルネットワークを用いることにより、評価値に応じた調整量にてアークエンド条件を調整することができる。適切かつ効率的にアークエンド条件を調整することができる。
本態様に係る調整装置は、前記エンド条件調整部による調整結果に対する報酬を算出する報酬算出部と、前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークエンド条件取得部にて取得したアークエンド条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データ、前記アークエンド条件の調整量、及び前記報酬算出部にて算出された報酬に基づいて、前記評価ニューラルネットワークを学習させる強化学習部とを備える。
本態様によれば、より効率的にアークエンド条件を調整することができるように、評価ニューラルネットワークを強化学習させることができる。
本態様に係る調整装置は、アークスタート時、前記溶接ワイヤが燃え上がったときに撮像して得られる画像データを取得する第2の画像データ取得部と、アークスタート条件を取得するアークスタート条件取得部と、前記第2の画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、及び前記成否データ取得部にて取得した成否データに基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークスタート条件を調整するスタート条件調整部とを備える。
本態様によれば、スタート条件調整部は、アークスタート時、溶接ワイヤが燃え上がったときに撮像して得られる画像データと、アークスタート条件と、前回の溶接開始の成否に基づいて、アークスタート条件を調整する。なお、アークスタート条件の調整に用いる画像データは、1枚の画像データであっても良いし、複数枚の画像データであっても良い。アークスタート時、溶接ワイヤが燃え上がったときの画像は、アークスタート時の溶接環境がどのようなものであるかを示す情報を含む。
スタート条件調整部は、上記画像データ、アークスタート条件及び成否データを活用することによって、実際の溶接環境に適したアークスタート条件に調整することができる。
スタート条件調整部は、上記画像データ、アークスタート条件及び成否データを活用することによって、実際の溶接環境に適したアークスタート条件に調整することができる。
本態様に係る調整装置は、前記スタート条件調整部は、前記第2の画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データが入力された場合、前記アークスタート条件の調整量に対する評価値を出力する第2の評価ニューラルネットワークと、該第2の評価ニューラルネットワークから出力される評価値に基づいて調整量を選択する第2の調整量選択部とを備える。
本態様によれば、強化学習された評価ニューラルネットワークを用いることにより、評価値に応じた調整量にてアークスタート条件を調整することができる。適切かつ効率的にアークスタート条件を調整することができる。
本態様に係る調整装置は、前記スタート条件調整部による調整結果に対する報酬を算出する第2の報酬算出部と、前記第2の画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データ、前記アークスタート条件の調整量、及び前記第2の報酬算出部にて算出された報酬に基づいて、前記第2の評価ニューラルネットワークを学習させる第2の強化学習部とを備える。
本態様によれば、より効率的にアークスタート条件を調整することができるように、第2の評価ニューラルネットワークを強化学習させることができる。
本態様に係る調整装置は、溶接ワイヤの先端部及び母材間にアークを発生させて該母材を溶接する消耗電極式アーク溶接のアークスタート条件を調整する調整装置であって、アークスタート時、溶接ワイヤが燃え上がったときに撮像して得られる画像データを取得する画像データ取得部と、アークスタート条件を取得するアークスタート条件取得部と、溶接開始の成否を示す成否データを取得する成否データ取得部と、前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、及び前記成否データ取得部にて取得した成否データに基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークスタート条件を調整するスタート条件調整部とを備える。
本態様によれば、スタート条件調整部は、アークスタート時、溶接ワイヤが燃え上がったときに撮像して得られる画像データと、アークスタート条件と、溶接開始の成否に基づいて、アークスタート条件を調整する。なお、アークスタート条件の調整に用いる画像データは、1枚の画像データであっても良いし、複数枚の画像データであっても良い。アークスタート時、溶接ワイヤが燃え上がったときの画像は、アークスタート時の溶接環境がどのようなものであるかを示す情報を含む。
スタート条件調整部は、上記画像データ、アークスタート条件及び成否データを活用することによって、実際の溶接環境に適したアークスタート条件に調整することができる。
スタート条件調整部は、上記画像データ、アークスタート条件及び成否データを活用することによって、実際の溶接環境に適したアークスタート条件に調整することができる。
本発明によれば、アークエンド条件又はアークスタート条件を自動的に最適化することができる。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせても良い。
図1は実施形態に係るアーク溶接システムを示す模式図である。本実施形態に係るアーク溶接システムは、消耗電極式のガスシールドアーク溶接機であり、溶接ロボット1、溶接電源2、制御装置3、撮像装置4及び調整装置5とを備える。調整装置5は制御装置3に設けられている。なお、作図及び説明の便宜上、調整装置5のユニットが制御装置3に含まれるものとして説明するが、制御装置3及び調整装置5は渾然一体の構成であっても良く、見かけ上、制御装置3のハードウェア及びソフトウェアが調整装置5の機能を実現しても良い。また、調整装置5は溶接電源2に設けても良いし、他の装置に設けても良い。更に、調整装置5の機能を複数の装置及びサーバで分散処理するように構成しても良い。
図1は実施形態に係るアーク溶接システムを示す模式図である。本実施形態に係るアーク溶接システムは、消耗電極式のガスシールドアーク溶接機であり、溶接ロボット1、溶接電源2、制御装置3、撮像装置4及び調整装置5とを備える。調整装置5は制御装置3に設けられている。なお、作図及び説明の便宜上、調整装置5のユニットが制御装置3に含まれるものとして説明するが、制御装置3及び調整装置5は渾然一体の構成であっても良く、見かけ上、制御装置3のハードウェア及びソフトウェアが調整装置5の機能を実現しても良い。また、調整装置5は溶接電源2に設けても良いし、他の装置に設けても良い。更に、調整装置5の機能を複数の装置及びサーバで分散処理するように構成しても良い。
溶接ロボット1は、母材Aのアーク溶接を自動で行うものである。溶接ロボット1は、床面の適宜箇所に固定される基部を備える。基部には、複数のアームが軸部を介して回動可能に連結しており、アームの先端部には溶接トーチ11が保持されている。また、アームの適宜箇所にワイヤ送給装置12が設けられている。各アームの連結部分にはモータが設けられており、モータの回転駆動力によって軸部を中心に各アームが回動する。モータの回転は制御装置3によって制御されている。制御装置3は、各アームを回動させることによって、母材Aに対して溶接トーチ11を上下前後左右に移動させることができる。また、各アームの連結部分には、アームの回動位置を示す信号を制御装置3へ出力するエンコーダが設けられており、制御装置3は、エンコーダから出力された信号に基づいて、溶接トーチ11の位置を認識する。
溶接トーチ11は、銅合金等の導電性材料からなり、溶接対象の母材Aへ溶接ワイヤWを案内すると共に、アークの発生に必要な溶接電流を供給する円筒形状のコンタクトチップを有する。溶接電流は溶接電源2から供給される。溶接ワイヤWは、図示しないワイヤ供給源からワイヤ送給装置12によって溶接トーチ11に供給される。溶接ワイヤWは、例えばソリッドワイヤであり、消耗電極として機能する。
コンタクトチップは、その内部を挿通する溶接ワイヤWに接触し、溶接電流を溶接ワイヤWに供給する。また、溶接トーチ11は、コンタクトチップを囲繞する中空円筒形状をなし、先端の開口から母材Aへシールドガスを噴射するノズルを有する。シールドガスは、アークによって溶融した母材A及び溶接ワイヤWの酸化を防止するためのものである。シールドガスは、例えば炭酸ガス、炭酸ガス及びアルゴンガスの混合ガス、アルゴン等の不活性ガス等である。シールドガスは溶接電源2から供給される。
コンタクトチップは、その内部を挿通する溶接ワイヤWに接触し、溶接電流を溶接ワイヤWに供給する。また、溶接トーチ11は、コンタクトチップを囲繞する中空円筒形状をなし、先端の開口から母材Aへシールドガスを噴射するノズルを有する。シールドガスは、アークによって溶融した母材A及び溶接ワイヤWの酸化を防止するためのものである。シールドガスは、例えば炭酸ガス、炭酸ガス及びアルゴンガスの混合ガス、アルゴン等の不活性ガス等である。シールドガスは溶接電源2から供給される。
溶接電源2は、電源部21、ワイヤ送給制御部22、シールドガス供給部23及び検出部24を備える。電源部21は、給電ケーブルを介して、溶接トーチ11のコンタクトチップ及び母材Aに接続され、溶接電流を供給する。ワイヤ送給制御部22は、ワイヤ送給装置12による溶接ワイヤWの送給速度を制御する。シールドガス供給部23は、シールドガスを溶接トーチ11に供給する。検出部24は、溶接工程中にアークを流れる溶接電流、アークエンド処理中、アークスタート処理中の電流とを検出する電流検出部、溶接トーチ11及び母材Aに印加される電圧を検出する電圧検出部を含む。電源部21は、検出部24にて検出された溶接電流及び溶接電圧に基づいてPWM制御された直流電流を出力する電源回路、信号処理回路等を含む。また、溶接電源2は、アークスタート時、溶接工程中、アークエンド時の溶接状態を示す溶接モニタデータを制御装置3へ出力する。溶接モニタデータは、例えば、溶接中に検出された溶接電流又は溶接電圧を示す溶接電流データ又は溶接電圧データである。溶接モニタデータには、アークエンド時及びアークスタート時に検出される電圧又は電流のデータが含まれる。更に溶接モニタデータとして、溶接ワイヤWの送給速度を示す送給速度データ、短絡状況を示す短絡状況データ、図示しないマイクで集音して得られる溶接音データを制御装置3へ出力しても良い。
撮像装置4は、動画を撮像するカメラであり、少なくともアークエンド時及びアークスタート時における溶接ワイヤWの先端部及び母材Aを撮像し、撮像して得た時系列の画像データを制御装置3へ出力する。
制御装置3は、溶接ロボット1の動作を制御すると共に、溶接電源2に溶接電流、溶接電圧、溶接ワイヤWの送給速度、シールドガスの供給量等の溶接条件を溶接電源2へ出力して溶接電源2の動作を制御する。制御装置3は、母材Aの材質及び開先の種類等に対する各種溶接条件を記憶している。また、制御装置3は、アークエンド条件、アークスタート条件を出力して、アークエンド処理を実行させる。制御装置3が記憶する上記アークエンド条件及びアークスタート条件は必ずしも最適なものでは無く、アーク溶接システムが設置された環境に対応するように調整装置5によって調整される。
なお、図1には一組の溶接電源2及び溶接トーチ11のみが図示されているが、生産ラインに複数の溶接電源2が設置されている場合、一つの調整装置5が、複数の溶接電源2毎に当該電源におけるアークエンド条件及びアークスタート条件をそれぞれ調整するように構成しても良いし、複数の溶接電源2それぞれに、調整装置5を各別に設け、各電源におけるアークエンド条件及びアークスタート条件を調整するように構成してもよい。
なお、図1には一組の溶接電源2及び溶接トーチ11のみが図示されているが、生産ラインに複数の溶接電源2が設置されている場合、一つの調整装置5が、複数の溶接電源2毎に当該電源におけるアークエンド条件及びアークスタート条件をそれぞれ調整するように構成しても良いし、複数の溶接電源2それぞれに、調整装置5を各別に設け、各電源におけるアークエンド条件及びアークスタート条件を調整するように構成してもよい。
図2は実施形態に係る調整装置5を示すブロック図である。調整装置5は、当該調整装置5の各構成部の動作を制御する制御部50を備える。制御部50には、入力部50a、出力部50b及び記憶部50cが接続されている。
記憶部50cは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部50cは、アーク溶接システムが設置された環境に応じて、アークエンド条件及びアークスタート条件を最適化するためのコンピュータプログラム50dを記憶している。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)又はマルチコアCPU等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース等を有するコンピュータであり、インタフェースには、入力部50a、出力部50b及び記憶部50cが接続されている。制御部50は、記憶部50cが記憶するコンピュータプログラム50dを実行することにより、アークエンド条件及びアークスタート条件を最適化させる調整方法を実施し、コンピュータを調整装置5として機能させる。
入力部50aは、溶接電源2及び撮像装置4に接続されている。入力部50aには、溶接電源2から出力された溶接モニタデータと、撮像装置4から出力された時系列の画像データが入力される。溶接モニタデータは、例えば溶接工程中の溶接電流及び溶接電圧、アークエンド時及びアークスタート時の電流及び電圧、溶接ワイヤWの送給速度、短絡状況、溶接音等を示す時系列データである。画像データは、溶接ワイヤWの先端部及び母材Aの外観を表したデータである。アークエンド時に撮像される画像データは、アンチスティック処理完了後における溶接ワイヤWの先端部と、母材Aとの距離、先端部に形成される粒状部分の形状及び大きさ等を示す情報を含む。また、アークスタート時に撮像される時系列の画像データには、溶接ワイヤWが燃え上がったときに撮像される画像データが含まれている。
出力部50bは、溶接ロボット1及び溶接電源2に接続されている。制御部50は、溶接工程、アークエンド手順、アークスタート手順を制御し、またアークスタート条件及びアークエンド条件を変更するための制御データを溶接ロボット1及び溶接電源2へ出力する。アークエンド条件及びアークスタート条件を変更するための制御データは、各条件の変更を指示するものであっても良いし、変更後のアークエンド条件及びアークスタート条件を示すものであっても良い。
図3は実施形態に係る調整装置5を示す機能ブロック図である。調整装置5は、機能ブロックとして、溶接モニタデータ取得部51aと、動画データ取得部51bと、アークスタート評価部52と、アークエンド画像取得部53aと、アークエンド条件取得部53bと、アークスタート画像取得部53cと、アークスタート条件取得部53dと、エンド条件調整部54と、スタート条件調整部55と、調整制御部56とを備える。
溶接モニタデータ取得部51aは、溶接電源2から出力される溶接モニタデータを取得し、取得した溶接モニタデータをアークスタート評価部52へ出力する。
動画データ取得部51bは、撮像装置4から出力された時系列の画像データを取得し、取得した画像データをアークスタート評価部52へ出力する。特に、動画データ取得部51bは、アークスタート時に撮像された複数の画像データをアークスタート評価部52へ出力する。
アークスタート評価部52は、溶接モニタデータ及び画像データに基づいて、アークスタートの成否ないし良否を判定する。そして、アークスタートの成否ないし良否を示す成否データをエンド条件調整部54及びスタート条件調整部55へ出力する。例えば、アークスタート評価部52は、溶接モニタデータ及び画像データに基づいて、スパッタの有無、アーク長が所定範囲内にあるか否か、ヒューズ溶断の有無、短絡スタートの有無、アーク点弧の有無等を判定する。そして、アークスタート評価部52は、スパッタが少なく、アーク長が所定範囲内にあり、ヒューズ溶断及び短絡スタートでは無く、アーク点弧している状態を、良好な状態と判定する。
アークスタートの評価は、溶接電流の変化パターンからスパッタの有無を判定したり、溶接電圧の大きさでアーク長を判定する等、溶接モニタデータ及び画像データの特徴量を算出してアークスタートの良否を判定しても良いし、ニューラルネットワークを用いて、その良否を判定しても良い。
例えば、アークスタートの評価は、再帰型ニューラルネットワーク(RNN: Recurrent Neural Network)を備え、時系列の溶接モニタデータ及び画像データが入力された場合、アークスタートの良否を示す数値を出力するようにRNNを学習させると良い。
アークスタートの評価は、溶接電流の変化パターンからスパッタの有無を判定したり、溶接電圧の大きさでアーク長を判定する等、溶接モニタデータ及び画像データの特徴量を算出してアークスタートの良否を判定しても良いし、ニューラルネットワークを用いて、その良否を判定しても良い。
例えば、アークスタートの評価は、再帰型ニューラルネットワーク(RNN: Recurrent Neural Network)を備え、時系列の溶接モニタデータ及び画像データが入力された場合、アークスタートの良否を示す数値を出力するようにRNNを学習させると良い。
アークエンド画像取得部53aは、撮像装置4から出力された画像データの内、特にアークエンド時に撮像して得られた画像データ(図6参照)を取得し、取得した画像データをエンド条件調整部54へ出力する。調整装置5の制御部50は、アンチスティック処理後、溶接電流がゼロになったタイミングを認識することができ、アークエンド画像取得部53aは当該タイミングの画像データを取得すれば良い。
アークエンド条件取得部53bは、現在設定されているアークエンド条件を取得し、取得したアークエンド条件をエンド条件調整部54へ出力する。アークエンド条件は、アークエンド時の溶接電源2の挙動を定めたものである。溶接電源の挙動は、例えば、溶接電源2から供給される電流及び電圧の大きさ、変化等である。
アークスタート画像取得部53cは、撮像装置4から出力された画像データの内、特にアークスタート時、より具体的には溶接ワイヤWが燃え上がったときに撮像して得られた画像データ(図10参照)を取得し、取得した画像データをスタート条件調整部55へ出力する。調整装置5の制御部50は、アークスタート時の溶接電圧が極大になるタイミングを認識することができ、アークスタート画像取得部53cは当該タイミングの画像データを取得すれば良い。
アークスタート条件取得部53dは、現在設定されているアークスタート条件を取得し、取得したアークスタート条件をスタート条件調整部55へ出力する。アークスタート条件は、アークスタート時の溶接電源2の挙動を定めたものである。溶接電源の挙動は、例えば、溶接電源2から供給される電流及び電圧の大きさ、変化等である。
エンド条件調整部54は、アークエンド画像取得部53a、アークエンド条件取得部53b、アークスタート評価部52から出力されたアークエンド時の画像データ、アークエンド条件、成否データに基づいて、第1の所定の溶接開始状態を実現するためのアークエンド条件の調整量を算出し、算出された調整量を調整制御部56へ出力する。第1の所定の溶接開始状態は、少なくともアークスタートが可能な状態であり、例えばアークスタート評価部52にて算出された評価値が所定の第1閾値以上の状態である。エンド条件調整部54は、少なくともアークスタートが実現されるようにアークエンド条件を最適化するものである。エンド条件調整部54の詳細は後述する。
スタート条件調整部55は、アークスタート画像取得部53c、アークスタート条件取得部53d、アークスタート評価部52から出力されたアークスタート時の画像データ、アークスタート条件、成否データに基づいて、第2の所定の溶接開始状態を実現するためのアークスタート条件の調整量を算出し、算出された調整量を調整制御部56へ出力する。第2の所定の溶接開始状態は、少なくともアークスタートが可能な状態であり、例えばアークスタート評価部52にて算出された評価値が第1の閾値より大きい第2の閾値以上の状態である。つまり、スタート条件調整部55は、アークスタートが実現されることを前提として、良好な所要の溶接開始条件が実現されるようにアークスタート条件を最適化するものである。スタート条件調整部55の詳細は後述する。
調整制御部56は、エンド条件調整部54から出力された調整量に基づいて、アークスタート条件を調整するための制御データを溶接電源2に出力する。また、調整制御部56は、スタート条件調整部55から出力された調整量に基づいて、アークエンド条件を調整するための制御データを溶接電源2に出力する。
図4は、エンド条件調整部54を示す機能ブロック図、図5は、第1評価ニューラルネットワークを示す模式図である。エンド条件調整部54は、深層強化学習によって、アークエンド条件を最適化する調整方法を学習させるものであり、第1調整量評価部54a、第1調整量選択部54b、第1強化学習部54c及び第1報酬算出部54dを備える。
第1調整量評価部54aは、現在の溶接状態において、これからアークエンド条件を調整しようとする調整量が、どの程度妥当なものかを評価する値を出力する演算機能部である。第1調整量評価部54aには、アークエンド時に撮像して得た画像データ、アークエンド条件及び成否データが、現在の状態sを示した状態データとして入力される。第1調整量評価部54aは、状態sにおいて、アークエンド条件の調整量(行動a)に対する評価値Qを算出し、算出された評価値Qを出力する。以下、状態sに係る画像データと、調整量を説明する。
図6は、アークエンド時に撮像して得られる画像を示す模式図である。図6に示すように、撮像装置4によって撮像された画像には、母材Aと、溶接ワイヤWの先端部の画像が含まれており、先端部に形成された粒状部分の形状及び大きさも画像として表れている。当該画像は、現在の溶接環境を間接的に示している。
調整前の標準のアークエンド条件が想定している溶接環境と、現在の溶接環境が同一環境であれば、粒状部分の形状及び大きさ、溶接ワイヤWの先端部と、母材Aとの距離は最適なものとなる。しかし、想定されている溶接環境と、現在の溶接環境とが異なる場合、粒状部分の形状及び大きさ等は、理想的なそれとは異なるものとなる。アークエンド時に撮像して得られた溶接ワイヤW及び母材Aの画像には、想定されている溶接環境と、現在の溶接環境との差異が表れる。
調整前の標準のアークエンド条件が想定している溶接環境と、現在の溶接環境が同一環境であれば、粒状部分の形状及び大きさ、溶接ワイヤWの先端部と、母材Aとの距離は最適なものとなる。しかし、想定されている溶接環境と、現在の溶接環境とが異なる場合、粒状部分の形状及び大きさ等は、理想的なそれとは異なるものとなる。アークエンド時に撮像して得られた溶接ワイヤW及び母材Aの画像には、想定されている溶接環境と、現在の溶接環境との差異が表れる。
図7は、アークエンド条件及び調整量を示す説明図である。横軸は時間、縦軸は電流を示している。アークエンド時、溶接電源2は、溶接時よりも小さい直流のアンチスティックパルスを複数回供給する。小電流のアンチスティックパルスが溶接ワイヤWに供給される都度、溶接ワイヤWが燃え上がり、母材Aと溶接ワイヤW先端部との距離が大きくなる。当該距離は、アークスタートに影響する。
溶接電源2は、最後にアンチスティックパルスよりも大きなエンドパルス電流を供給する。エンドパルス電流が溶接ワイヤWに供給されると、溶接ワイヤWの先端部が溶融し、粒状部分が形成される。粒状部分の形状及び大きさは、エンドパルス電流の大きさ、パルス幅に依存する。粒状部分の形状及び大きさは、引き続き行われるアークスタートの成否、良否に影響する。従って、アークエンド条件として、アンチスティックパルス電流、アンチスティックパルス時間、アンチスティックパルスの回数、エンドパルス電流及びエンドパルス時間を調整(行動a)することにより、アークエンド時における溶接ワイヤW先端部の状態を制御することができる。
溶接電源2は、最後にアンチスティックパルスよりも大きなエンドパルス電流を供給する。エンドパルス電流が溶接ワイヤWに供給されると、溶接ワイヤWの先端部が溶融し、粒状部分が形成される。粒状部分の形状及び大きさは、エンドパルス電流の大きさ、パルス幅に依存する。粒状部分の形状及び大きさは、引き続き行われるアークスタートの成否、良否に影響する。従って、アークエンド条件として、アンチスティックパルス電流、アンチスティックパルス時間、アンチスティックパルスの回数、エンドパルス電流及びエンドパルス時間を調整(行動a)することにより、アークエンド時における溶接ワイヤW先端部の状態を制御することができる。
第1調整量評価部54aは、例えば、状態データが入力された場合、図5に示すように、アークエンド条件の調整量(行動a)に対する評価値Q(s,a)を出力する第1評価NN(Neural Network)54eを備える。例えば、第1評価NN54eは、アンチスティックパルスの回数を増加させる調整量a1に対する評価値が出力されるノード、パルス回数を減少させる調整量a2に対する評価値が出力されるノード、パルス時間を増加させる調整量a3に対する評価値が出力されるノード、その他同様にして、各種調整量に対する評価値が出力されるノードを出力層に有する。なお、パルス回数の値毎に評価値を出力するノードを設けても良い。また、パルス回数、パルス時間の組合せ毎にノードを設けても良い。
なお、第1評価NN54eは、画像データを認識するための畳み込み層及びプーリング層54fを前段に備えると良い。また、第1調整量評価部54aは、ニューラルネットワークに代えて、状態データ、及び調整量に係る行動データと、評価値とを関係付けるテーブルを備え、当該テーブルを用いて評価値を出力するように構成しても良い。
なお、第1評価NN54eは、画像データを認識するための畳み込み層及びプーリング層54fを前段に備えると良い。また、第1調整量評価部54aは、ニューラルネットワークに代えて、状態データ、及び調整量に係る行動データと、評価値とを関係付けるテーブルを備え、当該テーブルを用いて評価値を出力するように構成しても良い。
第1調整量選択部54bは、ある状態sにおいて第1調整量評価部54aにて算出された評価値Qが最大の調整量(行動a)を選択する。エンド条件調整部54は、第1調整量選択部54bによって選択された調整量を調整制御部56へ出力する。
第1報酬算出部54dは、アークスタート評価部52から出力された成否データと、エンド条件調整部54によるアークエンド条件の調整結果に基づいて、報酬を算出する。報酬は、アークスタートの状態が良好である程、調整完了までの時間が短い程、高い値となるように算出する。報酬を算出する演算式は特に限定されるものでは無い。
第1強化学習部54cは、第1評価NN54eに入力される状態データと、各データが入力されたときに出力される評価値Qと、行動データと、第1報酬算出部54dにて算出される報酬とに基づいて、第1評価NN54eを学習させる。具体的には、下記式(1)で表される評価値Qにて、ニューラルネットの重み係数を学習させると良い。
Q(s,a)←Q(s,a)+α(r+γmaxQ(s_next,a_next)−Q(s,a))…(1)
但し、
s:状態
a:状態sで選択した行動
α:学習係数
r:行動の結果得られた報酬
γ:割引率
maxQ(s_next,a_next):次状態で取り得る行動に対する評価値Qの最大値
Q(s,a)←Q(s,a)+α(r+γmaxQ(s_next,a_next)−Q(s,a))…(1)
但し、
s:状態
a:状態sで選択した行動
α:学習係数
r:行動の結果得られた報酬
γ:割引率
maxQ(s_next,a_next):次状態で取り得る行動に対する評価値Qの最大値
学習係数αは1以下の正の値であり、例えば0.1程度の値である。割引率γは1以下の正の値であり、例えば0.9程度の値である。
上記式(1)を用いた機械学習により、より高い報酬が得られるような行動aに対して、より高い評価値Qが与えられるように、第1評価NN54eを学習させることができる。なお、強化学習を行う際、一定の確率でランダムに行動させ、様々な行動に対するQ値を学習させるε−グリーディ法等を用いると良い。
このように構成されたエンド条件調整部54は、溶接システムの環境に応じた、より適切な行動a、即ちアーク条件の調整量を選択することができ、アークエンド条件を最適化させることができる。
このように構成されたエンド条件調整部54は、溶接システムの環境に応じた、より適切な行動a、即ちアーク条件の調整量を選択することができ、アークエンド条件を最適化させることができる。
図8は、スタート条件調整部55を示す機能ブロック図、図9は、第2評価ニューラルネットワークを示す模式図である。スタート条件調整部55は、深層強化学習によって、アークスタート条件を最適化する調整方法を学習させるものであり、第2調整量評価部55a、第2調整量選択部55b、第2強化学習部55c及び第2報酬算出部55dを備える。
第2調整量評価部55aは、現在の溶接状態において、これからアークスタート条件を調整しようとする調整量が、どの程度妥当なものかを評価する値を出力する演算機能部である。第2調整量評価部55aには、アークスタート時に撮像して得た画像データ、アークスタート条件及び成否データが、現在の状態sを示した状態データとして入力される。第2調整量評価部55aは、状態sにおいて、アークスタート条件の調整量(行動a)に対する評価値Qを算出し、算出した評価値Qを出力する。
図10は、アークスタート時に撮像して得られる画像を示す模式図である。図10に示すように、撮像装置4によって撮像された画像には、母材Aと、溶接ワイヤWの先端部の画像が含まれており、アークが点弧し、溶接ワイヤWが燃え上がり切った状態が画像として表れている。当該画像は、現在の溶接環境を間接的に示している。
図11は、アークスタート条件を示す説明図である。横軸は時間、縦軸は電流及び電圧を示している。アークスタート時、溶接電源2は、溶接時よりも大きい直流のアークスタート電流を、アークスタート時間だけ供給する。アークスタート電流により、アークを点弧させることができる。アークスタート条件として、アークスタート電流、アークスタート電流時間、及びアークスタート時に到達すべき目標電圧を調整(行動a)することにより、アークスタート時におけるアーク点弧を制御することができる。
第2調整量評価部55aは、例えば、状態データが入力された場合、図9に示すように、アークスタート条件の調整量(行動a)に対する評価値Q(s,a)を出力する第2評価NN(Neural Network)55eを備える。例えば、第2評価NN55eは、スタート電流を増加させる調整量a1に対する評価値が出力されるノード、スタート電流を減少させる調整量a2に対する評価値が出力されるノード、アークスタート時間を増加させる調整量a3に対する評価値が出力されるノード、その他同様にして、各種調整量に対する評価値が出力されるノードを出力層に有する。なお、スタート電流又はアークスタート電流時間の値毎に評価値を出力するノードを設けても良い。また、スタート電流又はアークスタート電流時間の組合せ毎にノードを設けても良い。
なお、第2評価NN55eは、画像データを認識するための畳み込み層及びプーリング層55fを前段に備えると良い。また、第2調整量評価部55aは、ニューラルネットワークに代えて、状態データ及び行動データと、評価値とを関係付けるテーブルを備え、当該テーブルを用いて評価値を出力するように構成しても良い。
なお、第2評価NN55eは、画像データを認識するための畳み込み層及びプーリング層55fを前段に備えると良い。また、第2調整量評価部55aは、ニューラルネットワークに代えて、状態データ及び行動データと、評価値とを関係付けるテーブルを備え、当該テーブルを用いて評価値を出力するように構成しても良い。
第2調整量選択部55bは、ある状態sにおいて第2調整量評価部55aにて算出された評価値Qが最大の調整量(行動a)を選択する。スタート条件調整部55は、第2調整量選択部55bによって選択された調整量を調整制御部56へ出力する。
第2報酬算出部55dは、アークスタート評価部52から出力された成否データと、スタート条件調整部55によるアークスタート条件の調整結果に基づいて、報酬を算出する。報酬は、アークスタートの状態が良好である程、調整完了までの時間が短い程、高い値となるように算出する。報酬を算出する演算式は特に限定されるものでは無い。
第2強化学習部55cは、第2評価NN55eに入力される状態データ及び行動データと、各データが入力されたときに出力される評価値Qと、第2報酬算出部55dにて算出される報酬とに基づいて、第2評価NN55eを学習させる。学習方法は、第1評価NN54eの学習方法と同様である。
実施形態係る調整装置5、溶接システム、調整方法及びコンピュータプログラム50dによれば、アークエンド条件又はアークスタート条件を自動的に最適化することができる。
また、強化学習された第1評価NN54e及び第2評価NN55eを用いることにより、評価値が最大の調整量にてアークエンド条件及びスタート条件を調整することができる。適切かつ効率的にアークエンド条件及びアークスタート条件を調整することができる。
更に、より効率的にアークエンド条件を調整することができるように、第1評価NN54e及び第2評価NN55eを強化学習させることができる。
更にまた、アークスタート時、溶接ワイヤWが燃え上がったときに撮像して得られる画像データに基づいて、実際の溶接環境に適したアークスタート条件に調整することができる。
更にまた、アークエンド条件として、アンチスティックパルス電流、アンチスティックパルス時間、アンチスティックパルスの回数、エンドパルス電流及びエンドパルス時間の少なくとも一つを調整することができる。
更にまた、アークスタート条件として、アークスタート電流、アークスタート電流時間、及びアークスタート時に到達すべき目標電圧の少なくとも一つを調整することができる。
なお、上記実施形態では、深層強化学習を説明したが、ニューラルネットワークに代えて、行動及び状態に対応する評価値Qの配列を備え、アークエンド条件及びアークスタート条件を調整するように構成しても良い。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 溶接ロボット
2 溶接電源
3 制御装置
4 撮像装置
5 調整装置
11 溶接トーチ
12 ワイヤ送給装置
21 電源部
22 ワイヤ送給制御部
23 シールドガス供給部
24 検出部
50 制御部
50a 入力部
50b 出力部
50c 記憶部
50d コンピュータプログラム
51a 溶接モニタデータ取得部
51b 動画データ取得部
52 アークスタート評価部
53a アークエンド画像取得部
53b アークエンド条件取得部
53c アークスタート画像取得部
53d アークスタート条件取得部
54 エンド条件調整部
54a 第1調整量評価部
54b 第1調整量選択部
54c 第1強化学習部
54d 第1報酬算出部
54e 第1評価NN
54f 畳み込み層及びプーリング層
55 スタート条件調整部
55a 第2調整量評価部
55b 第2調整量選択部
55c 第2強化学習部
55d 第2報酬算出部
55e 第2評価NN
55f 畳み込み層及びプーリング層
56 調整制御部
A 母材
W 溶接ワイヤ
2 溶接電源
3 制御装置
4 撮像装置
5 調整装置
11 溶接トーチ
12 ワイヤ送給装置
21 電源部
22 ワイヤ送給制御部
23 シールドガス供給部
24 検出部
50 制御部
50a 入力部
50b 出力部
50c 記憶部
50d コンピュータプログラム
51a 溶接モニタデータ取得部
51b 動画データ取得部
52 アークスタート評価部
53a アークエンド画像取得部
53b アークエンド条件取得部
53c アークスタート画像取得部
53d アークスタート条件取得部
54 エンド条件調整部
54a 第1調整量評価部
54b 第1調整量選択部
54c 第1強化学習部
54d 第1報酬算出部
54e 第1評価NN
54f 畳み込み層及びプーリング層
55 スタート条件調整部
55a 第2調整量評価部
55b 第2調整量選択部
55c 第2強化学習部
55d 第2報酬算出部
55e 第2評価NN
55f 畳み込み層及びプーリング層
56 調整制御部
A 母材
W 溶接ワイヤ
Claims (7)
- 溶接ワイヤの先端部及び母材間にアークを発生させて該母材を溶接する消耗電極式アーク溶接のアークエンド条件を調整する調整装置であって、
一の溶接工程終了時における前記溶接ワイヤの先端部及び前記母材を撮像して得られる画像データを取得する画像データ取得部と、
前記一の溶接工程終了時におけるアークエンド条件を取得するアークエンド条件取得部と、
前記一の溶接工程の次溶接工程における溶接開始の成否を示す成否データを取得する成否データ取得部と、
前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークエンド条件取得部にて取得したアークエンド条件、及び前記成否データ取得部にて取得した成否データに基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークエンド条件を調整するエンド条件調整部と
を備える調整装置。 - 前記エンド条件調整部は、
前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークエンド条件取得部にて取得したアークエンド条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データが入力された場合、前記アークエンド条件の調整量に対する評価値を出力する評価ニューラルネットワークと、
該評価ニューラルネットワークから出力される評価値に基づいて調整量を選択する調整量選択部と
を備える請求項1に記載の調整装置。 - 前記エンド条件調整部による調整結果に対する報酬を算出する報酬算出部と、
前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークエンド条件取得部にて取得したアークエンド条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データ、前記アークエンド条件の調整量、及び前記報酬算出部にて算出された報酬に基づいて、前記評価ニューラルネットワークを学習させる強化学習部と
を備える請求項2に記載の調整装置。 - アークスタート時、前記溶接ワイヤが燃え上がったときに撮像して得られる画像データを取得する第2の画像データ取得部と、
アークスタート条件を取得するアークスタート条件取得部と、
前記第2の画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、及び前記成否データ取得部にて取得した成否データに基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークスタート条件を調整するスタート条件調整部と
を備える請求項1〜請求項3までのいずれか一項に記載の調整装置。 - 前記スタート条件調整部は、
前記第2の画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データが入力された場合、前記アークスタート条件の調整量に対する評価値を出力する第2の評価ニューラルネットワークと、
該第2の評価ニューラルネットワークから出力される評価値に基づいて調整量を選択する第2の調整量選択部と
を備える請求項4に記載の調整装置。 - 前記スタート条件調整部による調整結果に対する報酬を算出する第2の報酬算出部と、
前記第2の画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、前記成否データ取得部にて取得した成否データ、前記アークスタート条件の調整量、及び前記第2の報酬算出部にて算出された報酬に基づいて、前記第2の評価ニューラルネットワークを学習させる第2の強化学習部と
を備える請求項5に記載の調整装置。 - 溶接ワイヤの先端部及び母材間にアークを発生させて該母材を溶接する消耗電極式アーク溶接のアークスタート条件を調整する調整装置であって、
アークスタート時、溶接ワイヤが燃え上がったときに撮像して得られる画像データを取得する画像データ取得部と、
アークスタート条件を取得するアークスタート条件取得部と、
溶接開始の成否を示す成否データを取得する成否データ取得部と、
前記画像データ取得部にて取得した画像データ、前記アークスタート条件取得部にて取得したアークスタート条件、及び前記成否データ取得部にて取得した成否データに基づいて、少なくともアークスタートが可能なアークスタート条件を調整するスタート条件調整部と
を備える調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018209120A JP2020075266A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018209120A JP2020075266A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020075266A true JP2020075266A (ja) | 2020-05-21 |
Family
ID=70723221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018209120A Pending JP2020075266A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 調整装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020075266A (ja) |
-
2018
- 2018-11-06 JP JP2018209120A patent/JP2020075266A/ja active Pending
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