JP2020075054A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】防漏カフの起立性を高めつつ、着用者の脚周りへの跡付きを防止できる防漏カフを備えた吸収性物品を提供すること。【解決手段】吸収性物品1は着用者の前後方向に対応する長手方向Xに延びる防漏カフ5を備える。防漏カフ5は肌対向面側が弾性材料からなる伸縮性シート51で構成される。防漏カフ5は自由端部5Jに糸状又は帯状の弾性部材52を有する。弾性部材52の伸長率S1が伸縮性シート51の伸長率S2よりも高い。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品においては、着用状態において、着用者の脚周りでの密着性を高めて液漏れを防止することを目的として、幅方向の両側部域に、長手方向に沿って延びる防漏カフを配置することがある。例えば本出願人は先に、防漏壁が着用者の肌に面状に当接する肌当接面部を有し、該肌当接面部が凹凸形状を有する伸縮性シートから構成されている生理用ナプキンを提案した(特許文献1)。
特許文献2には、長手方向へ延びる両側縁部に沿って配された起立性の一対のバリヤフラップを備えた使い捨ておむつにおいて、該バリヤフラップが、伸縮性を有する不織布のみで形成されており、且つ使い捨ておむつの長手方向へ伸張状態で取り付けられていることが記載されている。
特開2007−190296号公報 特開2000−288015号公報
液漏れを防止する点からは、防漏カフの起立性を高めて着用者の脚周りへの防漏カフの密着性を高めることが有利である。しかし防漏カフの密着性を過度に高めると、着用者の皮膚に防漏カフの跡が付いてしまう。このような跡は、肌トラブルの原因となることがある。したがって、防漏カフの起立性を高めつつ、着用者の皮膚に防漏カフの跡が付かないようにすることが望まれる。しかし、特許文献1及び2に記載の技術では、これら両者を同時に達成することは容易でない。
したがって本発明の課題は、吸収性物品において、防漏カフの起立性を高めつつ、着用者の皮膚に防漏カフの跡が付かないようにすることにある。
本発明は、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有し、該長手方向に延びる防漏カフを備えた吸収性物品であって、
前記防漏カフは、肌対向面側に弾性材料からなる伸縮性シートと、自由端部に前記長手方向に延びる糸状又は帯状の弾性部材とを有しており、
前記弾性部材の伸長率S1が、前記伸縮性シートの伸長率S2よりも高くなっている、吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、防漏カフの起立性が高まり液の横漏れを効果的に防止し得るとともに、着用者の皮膚に防漏カフの跡が付きにくい吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつを模式的に示す平面図である。 図2は、図1におけるII−II線断面図である。 図3(a)、(b)及び(c)は、防漏カフが長手方向へ延びる状態を順次説明する図である。 図4は、本発明の吸収性物品の別の実施形態の展開型の使い捨ておむつの断面図(図2相当図)である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつ1の概略構成が示されている。おむつ1は、着用時に着用者の腹側に配される腹側部1Aと、背側に配される背側部1Cと、それらの間に位置する股下部1Bとを有する。おむつ1は、着用者の前後方向に対応して腹側部1Aから股下部1Bを介して背側部1Cに延びる長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有している。
本実施形態のおむつ1はいわゆる展開型のものであり、図1に示すとおり、おむつ1の背側部1Cの長手方向Xに沿う両側縁部に、一対のファスニングテープ7,7が設けられている。ファスニングテープ7には、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部が取り付けられている。また、おむつ1の腹側部1Aの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域8が形成されている。被止着領域8は、腹側部1Aの非肌対向面を形成する裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段、例えば接着剤やヒートシール等で接合固定して形成されている。ファスニングテープ7の前記止着部は、被止着領域8に着脱自在に係合可能となっている。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、長手方向Xに長い液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌対向面に配される表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面に配される裏面シート3とを具備している。おむつ1は、その長手方向Xに沿う左右両側部域に、長手方向Xに延びる防漏カフ5を備えている。
本明細書において、「肌対向面」は、おむつ1又はその構成部材(例えば表面シート2)における、おむつ1の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、おむつ1又はその構成部材における、おむつ1の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわちおむつ1の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の外周縁から外方に延出している。裏面シート3は、図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形成している。表面シート2及び裏面シート3は、図2に示すように、吸収体4の長手方向Xに沿う両側縁から幅方向Yの外方に延出しており、防漏カフ5を構成する伸縮性シート51とともにサイドフラップ部を形成している。該サイドフラップ部は、おむつ1において、吸収体4から幅方向Yの外方に延出する部材から構成される。表面シート2及び裏面シート3としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2として各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収体4は、長手方向Xに長い矩形状のものや長手方向Xに沿う両側部が幅方向Y内方に括れているもの、好適には、股下領域に位置する長手方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状で且つ長手方向Xに長い縦長の形状のものである。吸収体4は、腹側部1Aから背側部1Cにわたって延在している。吸収体4は、吸収性材料を含む液保持性の吸収性コア(図示せず)と、該吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシート(図示せず)とを含んで構成することができる。吸収性コアとコアラップシートとの間を、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段によって接合してもよい。
吸収性コアは例えば吸収性材料を含むコア形成材料が積繊されて構成されている。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。吸収性材料としては、例えば木材パルプ、親水化剤によって処理された合成繊維等の親水性繊維、吸水性ポリマー粒子が挙げられる。吸収性コアは、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマー粒子を担持させたものであり得る。コアラップシートとしては、透水性のシート材を用いることができる。例えばコアラップシートとして、紙及び不織布等を用いることができる。吸収性コアは、おむつ1の具体的な用途に応じて単層構造又は多層構造であり得る。
図1及び図2に示すとおり、防漏カフ5は、伸縮性シート51と、長手方向Xに延びる糸状又は帯状の弾性部材52とを有している。伸縮性シート51は弾性材料から構成されているが、所望の伸縮性が得られる範囲で非弾性材料を含んでいてもよい。伸縮性シート51は、そのいずれの部位に着目しても伸縮性を有している。伸縮性シート51は、長手方向Xに沿って伸長された状態でおむつ1に組み込まれている。伸縮性シート51は、長手方向Xに沿う内側縁部と、該内側縁部よりも幅方向Yの外方に位置して長手方向Xに沿う外側縁部とを有する。内側縁部は、表面シート2及び吸収体4の側部域と重なっている。外側縁部は、表面シート2及び吸収体4の長手方向Xに沿う側縁から幅方向Yの外方に延出し裏面シート3と重なり接合されている。
伸縮性シート51においては、幅方向Yの外側縁部側に、複数本の糸状の弾性部材53が、長手方向Xに沿って、裏面シート3と伸長状態の伸縮性シート51との間に固定されている。弾性部材53は伸長状態で固定されている。これによって、おむつ1の脚回り開口部には、着用状態において、弾性部材53及び伸縮性シート51の収縮によりレッグギャザーが形成される。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、伸縮性シート51、及び弾性部材52,53は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により互いに接合している。
上述した防漏カフ5を構成する伸縮性シート51としては、エラストマー的挙動を示す繊維から形成された伸縮性不織布や、エラストマー的挙動を示す伸縮性フィルム等が用いられる。伸縮性シート51は例えばスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー及びポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーから構成することができる。伸縮性シート51は、上述したとおりその全体が伸縮性を有する。肌触りの良さの観点からは、伸縮性シート51は伸縮性を有する伸縮性不織布であることが好ましい。弾性部材52,53としては、この種の吸収性物品の形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。
上述した弾性部材53としては、前記伸縮性シートよりは弾性率が高い伸縮性シートを糸状または帯状に切断したものや糸ゴムを用いることができるが、糸ゴムであることが好ましい。
図2に示すように、伸縮性シート51の幅方向Yにおける内側縁部には、複数本の弾性部材52が長手方向Xに沿って伸長状態で固定されて組み込まれている。詳細には、伸縮性シート51を長手方向Xに沿って伸長させた状態下に、伸長させた弾性部材52を伸縮性シート51に固定している。伸縮性シート51の幅方向Yの内端は弾性部材52を包むように、該伸縮性シート51における肌対向面側に折り返されている。
伸縮性シート51の幅方向Yにおける外側縁部側は、長手方向Xの全域にわたり、裏面シート3に固定されている。これとともに、伸縮性シート51の幅方向Yにおける内側縁部側は、長手方向Xに沿う両端部が、腹側部1A及び背側部1Cに位置する表面シート2の長手方向Xの両端部に固定されている。伸縮性シート51は、その伸長状態下に、表面シート2及び裏面シート3に固定されて、おむつ1に組み込まれている。その結果、伸縮性シート51に取り付けられている弾性部材52も伸長状態下におむつ1に組み込まれることになる。これによって、おむつ1は、その着用状態において、弾性部材52及び伸縮性シート51の収縮に起因して伸縮性シート51が着用者の身体に向けて起立して防漏カフ5を形成する。防漏カフ5は、伸縮性シート51と裏面シート3とが接合されている領域の幅方向Yにおける内側縁である起端部5Kを起点として着用者の肌側に向かって起立する。この防漏カフ5は、該防漏カフ5の肌対向面側及び非肌対向面側の双方が伸縮性シート51で構成され、該防漏カフ5の自由端部5Jに1本又は複数本の弾性部材52を有している。
伸縮性シート51及び弾性部材52を、上述の態様で組み込んだおむつ1においては、弾性部材52の伸長率S1が伸縮性シート51の伸長率S2よりも高くなっていることが有利である。こうすることによって、防漏カフ5の起立性を担保することができ、液の横漏れを効果的に防止することができる。この有利な効果を一層顕著なものとする観点から、伸長率S1に対する伸長率S2の比であるS2/S1の値は、0.65以上であることが好ましく、0.75以上であることが一層好ましい。また、0.95以下であることが好ましく、0.85以下であることが一層好ましい。具体的にはS2/S1の値は、0.65以上0.95以下であることが好ましく、0.75以上0.85以下であることが一層好ましい。
伸長率S1を伸長率S2よりも大きくするには、例えば伸縮性シート51をおむつ1に組み込むときの伸長率S2よりも、弾性部材52を伸縮性シート51に取り付けるときの伸長率S1を高くすればよい。防漏カフ5が複数本の弾性部材52を備えているときには、弾性部材52の平均の伸長率S1が伸縮性シート51の伸長率S2よりも高くなっていることが好ましく、すべての弾性部材52の伸長率S1が伸縮性シート51の伸長率S2よりも高くなっていることが更に好ましい。
防漏カフ5をおむつ1に組み込むためには、例えば次の方法を採用することができる。伸縮性シート51の帯状長尺物を原反ロールから繰り出した後、該帯状長尺物を所定の倍率に伸長させながら搬送する。搬送状態にある帯状長尺物に、弾性部材の長尺物を取り付ける。このとき、弾性部材の長尺物を所定の倍率に伸長させておき、伸長状態下に伸縮性シート51の帯状長尺物に取り付ける。弾性部材の長尺物が取り付けられた伸縮性シート51の帯状長尺物は、その伸長状態が維持されたまま搬送され、別工程で製造されたおむつ本体部に伸長状態で接合される。このようにして、目的とするおむつ1が得られる。なお「おむつ本体部」とは、おむつを構成する主要部材である表面シート、吸収体及び裏面シートが組付けられた構造体のことである。
弾性部材52の伸長率S1に対する伸縮性シート51の伸長率S2の比率は上述のとおりであるところ、弾性部材52それ自体の伸長率S1は、防漏カフ5の起立性を担保する観点から、1.8倍以上であることが好ましく、2.0倍以上であることが一層好ましく、そして防漏カフ5の跡が付かないようにする観点から2.4倍以下であることが好ましく、2.2倍以下であることが一層好ましい。具体的には、1.8倍以上2.4倍以下であることが好ましく、2.0倍以上2.2倍以下であることが一層好ましい。
一方、伸縮性シート51それ自体の伸長率S2は、伸縮性シート51への皺の発生を抑制する観点から、1.6倍以上であることが好ましく、1.8倍以上であることが一層好ましく、そして、2.2倍以下であることが好ましく、2.0倍以下であることが一層好ましい。具体的には、1.6倍以上2.2倍以下であることが好ましく、1.8倍以上2.0倍以下であることが一層好ましい。
伸長率S1及びS2の測定は次のように行う。
(1)防漏カフ5が吸収性物品であるおむつ1に取り付けられた状態で、おむつ1を長手方向Xに設計寸法となるまで引き延ばし、防漏カフ5の長さを測定する。「設計寸法」とは、防漏カフまたはレッグギャザーによるおむつ1の長手方向Xの皺がすべて取り除かれた状態の長さのことである。この引き延ばし状態下に、防漏カフ5に接着されている弾性部材52の長さを測定する。弾性部材52が複数本配されている場合には、それらの測定結果の平均を弾性部材52の伸長状態の長さとする。
(2)伸縮性シート51における起端部5Kよりも自由端部5J側の領域を防漏カフ5として扱い、おむつ1の長手方向Xに沿っておむつ1から切り出す。
(3)切り出した防漏カフ5から伸縮性シート51と弾性部材52とを取り出す。取り出しには、エタノールなどの各種有機溶剤を用いる。
(4)伸縮性シート51及び弾性部材52それぞれを、収縮力が発現しない程度に直線状に延ばしてそれらの自然長を測定する。このとき、伸縮性シート51及び弾性部材52を粘着テープなどで台に貼り付けるとよい。弾性部材52が複数本配されている場合には、それらの測定結果の平均を弾性部材52の自然長とする。
(5)(1)で測定した弾性部材52の長さを、(4)で測定した弾性部材52の自然長で除すことで、伸長率S1が算出される。また(1)で測定した防漏カフ5の長さを、(4)で測定した伸縮性シート51の自然長で除すことで、伸長率S2が算出される。
防漏カフ5が複数本の弾性部材52を備えている場合には、防漏カフ5の脚周りへの密着性を高める観点から、弾性部材52は、最も起端部5K側に位置するものが最も自由端部5J側に位置するものよりも大きな収縮力を有していることが好ましい。「大きな収縮力を有している」とは、防漏カフ5が3本以上の弾性部材52を有する場合には、すべての弾性部材52の収縮力が異なっており、該収縮力が自由端部5J側から起端部5K側に向かって徐々に大きくなっていること、及び3本以上の弾性部材52のうち隣り合う2本の弾性部材52の収縮力が同じであって、且つ最も自由端部5J側に位置する弾性部材52の収縮力よりも、最も起端部5K側に位置する弾性部材52の収縮力が高くなっていることの双方を包含する。特に最も自由端部5J側に位置する弾性部材52の収縮力T1に対する最も起端部5K側に位置する弾性部材52の収縮力T2の比であるT2/T1の値は、防漏カフ5の脚周りへの密着性を一層高める観点から、1.1以上3.0以下であることが好ましく、1.5以上2.0以下であることが一層好ましい。
弾性部材52の収縮力の測定は次のように行う。
(1)最も自由端部5J側に位置する弾性部材52を基準として、起端部5K側に向けて隣に位置する弾性部材を含まないように所定の幅の領域を防漏カフから切り出す。同様に、最も起端部5K側に位置する弾性部材52を基準として、自由端部5J側に向けて隣に位置する弾性部材を含まないように所定の幅の領域を防漏カフから切り出す。これらを測定サンプルとする。所定の幅は、例えば5mm程度とするが弾性部材の間隔に合わせて適宜設定すればよい。
(2)各測定サンプルをそれぞれ収縮力が発現しない程度に直線状に拡げて、引張試験機のチャックに把持させる。チャック間距離は50mmとする。引張試験機として例えば(株)ORIENTEC社製のテンシロン万能試験機(RTC−1210A)を用いる。
(3)引張速度300mm/minでサンプルを伸長させ、チャック間距離が伸長開始時の2倍になるまで伸長させて、次いで同速度で収縮させる。これによって各サンプルのS−S曲線を得る。
(4)S−S曲線の収縮時において、チャック間距離が伸長開始時の1.5倍の時点での応力を各サンプルの収縮力とする。この収縮力をそれぞれ、自由端部5J側に位置する弾性部材52の収縮力、及び起端部5K側に位置する弾性部材52の収縮力とする。
防漏カフ5においては、図1に示すように、弾性部材52が伸縮性シート51における長手方向Xの中央域5Cに配されている。そして中央域5Cよりも長手方向X外方の各端部域5Tには弾性部材52が非配置となっている。腹側部1A及び背側部1Cそれぞれでは、端部域5Tは、伸縮性シート51が表面シート2に固定された固定端部5Eと、それ以外の伸縮部5Sとに区分できる。固定端部5Eは、長手方向Xの最も外側の端部に位置している。弾性部材52がこのように配置されている防漏カフ5においては、中央域5Cでの長手方向Xの引張弾性率M1よりも、各端部域5Tの伸縮部5Sそれぞれでの長手方向Xの引張弾性率M2が高いことが好ましい。このように引張弾性率M1,M2を調整することで、図3(a)に示す自然状態(弛緩状態)から防漏カフ5を長手方向Xに沿って引き延ばすと、図3(b)に示すとおり、まず、防漏カフ5の中央域5Cが各端部域5Tよりも優先的に伸長し、引き続き図3(c)に示すとおり各端部域5Tが伸長する、という2段階の伸長が生じる。このような2段階の伸長が生じることに起因して、中央域5Cでの皺の発生が抑制でき、防漏カフ5の脚周りへの密着性を高めることができる。この利点を一層顕著なものとする観点から、M2/M1の値は、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。
前記引張弾性率M1及びM2の測定は次のように行う。
(1)伸縮性シート51における自由端部5Jの端から起端部5K側へ10mm幅の領域を防漏カフ5として、おむつ1の長手方向Xの全長にわたって、おむつ1から切り出す。
(2)切り出した防漏カフ5から中央域5Cを切り出すとともに、中央域5Cに隣り合う各端部域5Tにおける伸縮部5Sを切り出し、これらを測定サンプルとする。
(3)各測定サンプルをそれぞれ収縮力が発現しない程度に直線状に拡げて、引張試験機のチャックに把持させる。チャック間距離は50mmとする。引張試験機として例えば(株)ORIENTEC社製のテンシロン万能試験機(RTC−1210A)を用いる。
(3)引張速度300mm/minでサンプルを伸長させ、チャック間距離が伸長開始時の2倍になるまで伸長させる。これによって各サンプルのS−S曲線を得る。
(4)S−S曲線において、チャック間距離が伸長開始時の1.1倍の時点までの応力の傾きを各サンプルの引張弾性率とする。
図4には本発明の他の実施形態が示されている。これまで説明してきた図2に示す実施形態のおむつ1は、伸縮性シート51の幅方向内端が肌対向面側に折り返された、いわゆる内折り型の防漏カフ5を有していたのに対して、図4に示す実施形態のおむつ1は、伸縮性シート51の幅方向内端が外側に折り返された、いわゆる外折り型の防漏カフ5を有している。防漏カフ5の自由端部5Jには複数本の弾性部材52が配されている。複数本の弾性部材52は伸長状態下に伸縮性シート51に取り付けられている。また伸縮性シート51は伸長状態下におむつ1に組み込まれている。本実施形態のおむつ1においても、先に述べたおむつと1と同様の効果が奏される。なお、本実施形態に関し特に説明しない構成部分は、図2に示す実施形態のおむつ1についての説明が適宜適用される。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。例えば、前記の実施形態のおむつ1においては、防漏カフ5における肌対向面側及び非肌対向面側の双方が、弾性材料のみからなる伸縮性シートで構成されていたが、これに代えて、防漏カフ5を構成するシートとして、伸縮性シートと非伸縮性シートとのラミネートシートを用い、該ラミネートシートにおける伸縮性シートの側を防漏カフ5の肌対向面側に配置してもよい。
また前記の実施形態は、本発明の吸収性物品を展開型の使い捨ておむつに適用したものであるが、これに代えて本発明をパンツ型使い捨ておむつに適用してもよい。また、本発明を使い捨ておむつ以外の他の吸収性物品、例えば生理用ナプキン及び失禁パッド等に適用してもよい。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有し、該長手方向に延びる防漏カフを備えた吸収性物品であって、
前記防漏カフは、肌対向面側に弾性材料からなる伸縮性シートと、自由端部に前記長手方向に延びる糸状又は帯状の弾性部材とを有しており、
前記弾性部材の伸長率S1が、前記伸縮性シートの伸長率S2よりも高くなっている、吸収性物品。
<2>
前記弾性部材の伸長率S1に対する前記伸縮性シートの伸長率S2の比であるS2/S1の値が0.65以上、好ましくは0.65以上0.95以下、より好ましくはで0.75以上0.85以下である、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記弾性部材の伸長率S1に対する前記伸縮性シートの伸長率S2の比であるS2/S1の値が0.65以上である、前記<1>または<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記伸縮性シートの伸長率S2が1.6倍以上であり、好ましくは1.8倍以上2.4倍以下、より好ましくは1.8倍以上2.0倍以下である、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記弾性部材の伸長率S1が1.8倍以上であり、好ましくは1.6倍以上2.2倍以下、より好ましくは2.0倍以上2.2倍以下である、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記弾性部材が前記伸縮性シートにおける前記長手方向の中央域に配されているとともに、該伸縮性シートにおける該長手方向の各端部域は該弾性部材が非配置となっている、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記防漏カフの前記各端部域の前記長手方向の引張弾性率が該防漏カフの前記中央域での前記長手方向の引張弾性率よりも高い、前記<6>に記載の吸収性物品。
<8>
前記中央域での長手方向の引張弾性率M1に対する前記各端部域それぞれでの長手方向の引張弾性率M2の比であるM2/M1が1.5以上、好ましくは2.0以上である、前記<6>または<7>に記載の吸収性物品。
<9>
前記防漏カフは前記弾性部材を複数本有している前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記防漏カフは起端部を有し、
最も前記起端部寄りに位置する前記弾性部材の収縮力は、最も前記自由端部寄りに位置する前記弾性部材の収縮より大きい、前記<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記伸縮性シートが伸縮性不織布である、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記弾性部材が糸ゴムである、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記弾性部材は、伸長状態下に、前記長手方向に伸長状態にある前記伸縮性シートに固定されており、
前記防漏カフは、伸長状態下に前記吸収性物品に組み込まれている、前記<1>〜<112>の何れか1に記載の吸収性物品。
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 防漏カフ
51 伸縮性シート
52,53 弾性部材
5C 中央域
5T 端部域
5E 固定端部 5S 伸縮部
5K 起端部 5J 自由端部

Claims (8)

  1. 着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有し、該長手方向に延びる防漏カフを備えた吸収性物品であって、
    前記防漏カフは、肌対向面側に弾性材料からなる伸縮性シートと、自由端部に前記長手方向に延びる糸状又は帯状の弾性部材とを有しており、
    前記弾性部材の伸長率S1が、前記伸縮性シートの伸長率S2よりも高くなっている、吸収性物品。
  2. 前記弾性部材の伸長率S1に対する前記伸縮性シートの伸長率S2の比であるS2/S1の値が0.65以上である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記伸縮性シートの伸長率S2が1.6倍以上である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記弾性部材が前記伸縮性シートにおける前記長手方向の中央域に配されているとともに、該伸縮性シートにおける該長手方向の各端部域は該弾性部材が非配置となっている、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記防漏カフの前記各端部域の前記長手方向の引張弾性率が該防漏カフの前記中央域での前記長手方向の引張弾性率よりも高い、請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記防漏カフは前記弾性部材を複数本有している、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記防漏カフは起端部を有し、
    最も前記起端部寄りに位置する前記弾性部材の収縮力は、最も前記自由端部寄りに位置する前記弾性部材の収縮より大きい、請求項6に記載の吸収性物品。
  8. 前記弾性部材は、伸長状態下に、前記長手方向に伸長状態にある前記伸縮性シートに固定されており、
    前記防漏カフは、伸長状態下に前記吸収性物品に組み込まれている、請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品。
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