JP2020074375A - 光電変換装置、撮像システムおよび光電変換装置の製造方法 - Google Patents

光電変換装置、撮像システムおよび光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 信号処理部の発熱の影響を低減する。【解決手段】 入射光に応じて信号電荷が発生する光電変換部11を有する第1半導体基板10と、光電変換部11で発生した信号電荷に基づく電気信号を処理する信号処理部22を有する第2半導体基板20と、を備え、光電変換部11から第2半導体基板20への正射影領域に信号処理部22が位置しており、第1半導体基板10と第2半導体基板10の間に、複数の絶縁体層を含む多層膜30が設けられた光電変換装置であって、第2半導体基板20の厚みT21が500μm未満であり、第2半導体基板20の厚みT21が第2半導体基板20から第1半導体基板の受光面までの距離T13よりも大きい。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の半導体基板を有する光電変換装置に関する。
従来の光電変換装置では、複数の光電変換素子を有する光電変換部と、光電変換部からの電気信号を処理する信号処理部と、光電変換部や信号処理部を制御する制御部を1枚の半導体基板にモノリシックに作り込んでいた。光電変換部の面積を拡張したり、光電変換装置の面積を小さくしたり、より高度な信号処理を実現したりすることが求められる。特許文献1では、複数の半導体基板を重ねて、一方の半導体基板に光電変換部を設け、他方の半導体基板に信号処理部を設けることが検討されている。
特開2011−159958号公報
信号処理部は光電変換部に比べて高速に(高周波数で)駆動されるため、信号処理部での消費電力は光電変換部に比べて大きく、消費電力に比例して発熱も大きくなる。複数の半導体基板を重ねる場合には、複数の半導体基板同士が近接するため、光電変換部と信号処理部とを単一の半導体基板にモノリシックに配する場合に比べて、信号処理部の発熱の影響が顕著になる。
そこで本発明は、信号処理部の発熱の影響が低減された光電変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の第1の観点は、入射光に応じた信号電荷を発生する光電変換部を有する第1半導体基板と、前記信号電荷に基づく電気信号を処理する信号処理部を有する第2半導体基板と、を備え、前記光電変換部から前記第2半導体基板への正射影領域に前記信号処理部が位置しており、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板の間に、複数の絶縁体層を含む多層膜が設けられた光電変換装置であって、前記第2半導体基板の厚みが500μm未満であり、前記第2半導体基板の前記厚みが前記第2半導体基板から前記第1半導体基板の受光面までの距離よりも大きいことを特徴とする。
上記課題を解決するための本発明の第2の観点は、複数の光電変換素子群が配列された第1半導体ウエハと、前記第1半導体ウエハの表面の上に設けられた、絶縁体層を含む第1膜と、を含む第1部材と、複数の半導体素子群が配列された第2半導体ウエハと、前記第2半導体ウエハの表面の上に設けられた、絶縁体層を含む第2膜と、を含む第2部材と、を前記第1半導体ウエハと前記第2半導体ウエハとの間に前記第1膜および前記第2膜が介在した状態で接合して複合部材を作製する接合工程と、前記接合工程の後、前記複合部材の前記第1半導体ウエハを、前記第1半導体ウエハの裏面側から薄化する第1薄化工程と、前記第1薄化工程の後、前記複合部材の前記第2半導体ウエハを、前記第2半導体ウエハの裏面側から薄化する第2薄化工程と、を有し、薄化後の前記第2半導体ウエハの厚みが500μm未満であり、薄化後の前記第2半導体ウエハの前記厚みが前記第1半導体ウエハの薄化後の裏面と前記第2半導体ウエハの前記表面との距離よりも大きいことを特徴とする光電変換装置の製造方法である。
本発明によれば、信号処理部の発熱の影響が低減された光電変換装置を提供することができる。
光電変換装置の主要部の模式図。 光電変換装置の主要部の模式図。 光電変換装置の模式図。 光電変換装置の模式図。 光電変換装置の製造方法の模式図。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明および図面において、複数の図面を相互に参照することができる。また、同じか類似の構成については共通の符号を付しており、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
<第1実施形態>
光電変換装置の概要を説明する。図1(a)は光電変換装置の主要部である半導体デバイス1の斜視図である。図1(b)、(c)は半導体デバイス1の一例の分解斜視図である。図1(a)に示した半導体デバイス1は、図1(a)または図1(b)に示したように、第1半導体基板10と第2半導体基板20が電気的に接続された状態で上下に重なっている。
半導体デバイス1は入射光に応じて信号電荷が発生する光電変換部11を有する第1半導体基板10を備える。光電変換部11は複数の光電変換素子が2次元に配列されてなる。光電変換素子としてはフォトダイオードやフォトゲートを用いることができる。光電変換部11は光電変換素子で発生した信号電荷に基づく電気信号を生成する信号生成回路を含み得る。信号生成回路は、転送トランジスタや増幅トランジスタ、リセットトランジスタで構成することができる。
また、半導体デバイス1は、信号処理部22を有する第2半導体基板20を備える。信号処理部22は、光電変換部11で発生した信号電荷に基づく電気信号を処理する。図1(a)では光電変換部11を一点鎖線で囲んで示し、信号処理部22を二点鎖線で囲んで示している。光電変換部11から第2半導体基板20への正射影領域に信号処理部22が位置している。信号処理部22は、ノイズ除去回路、増幅回路、変換回路、画像信号処理回路を含むことができる。ノイズ除去回路は、例えば相関二重サンプリング(CDS)回路である。増幅回路は、例えば列アンプ回路である。変換回路は、例えばコンパレータとカウンタで構成されたアナログデジタル変換(ADC)回路である。画像信号処理回路は、例えばメモリとプロセッサを含み、アナログデジタル変換されたデジタル信号から画像データを生成したり、画像データに画像処理を施したりする。光電変換部11からの第2半導体基板20へ正射影領域の全部に信号処理部22の全部または一部が位置していてもよいし、光電変換部11から第2半導体基板20への正射影領域の一部に信号処理部22の全部または一部が位置していてもよい。図1(a)は光電変換部11から第2半導体基板20への正射影領域の一部に信号処理部22の一部が位置している例を示している。信号処理部22の一部が第1半導体基板10に設けられていてもよい。例えば、ノイズ除去回路や増幅回路などアナログ信号用の信号処理部を第1半導体基板10に設け、変換回路や画像信号処理回路などデジタル信号用の信号処理部を第2半導体基板20に設けることもできる。
第1半導体基板10と第2半導体基板20の間に、複数の絶縁体層を含む多層膜30が設けられている。多層膜30は複数の導電体層を含んでいてもよい。多層膜30の導電体層は第1半導体基板10や第2半導体基板20に設けられた電気回路の配線として、また、第1半導体基板10に設けられた電気回路と第2半導体基板20に設けられた電気回路とを接続する配線として機能する。
図1(b)、(c)に示す様に、半導体デバイス1は、光電変換部11を制御したり、信号処理部22を制御したりする制御部をさらに備えることができる。制御部は、第1半導体基板10と第2半導体基板20の少なくとも一方に設けることができる。図1(b)に示した例では制御部12が第1半導体基板10に設けられており、図1(c)に示した例では制御部21が第2半導体基板20に設けられている。光電変換部11用の制御部を第1半導体基板10に、信号処理部22用の制御部を第2半導体基板20に分けて設けることもできる。制御部12は垂直走査線を介して画素回路に駆動信号を供給する垂直駆動回路や、電源回路を含み得る。制御部21は信号処理部22を駆動するためのタイミング発生回路や、変換回路へ参照信号を供給する参照信号供給回路、増幅回路あるいは変換回路から信号を順次読み出すための水平走査回路を含み得る。
第1半導体基板10の上には光電変換部11への光を制御する不図示の光制御膜を設けることができる。光制御膜はカラーフィルタアレイやマイクロレンズアレイ、遮光層を含み得る。
図1(a)には、第1半導体基板10の厚みをT11、第2半導体基板20の厚みをT21、多層膜30の厚みをT30で示している。第1半導体基板10の厚みT11は第1半導体基板10の表面103と第1半導体基板10の裏面104の間隔である。第2半導体基板20の厚みT21は第2半導体基板20の表面203と第2半導体基板20の裏面206の間隔である。厚みT30は第1半導体基板10の表面103と第2半導体基板20の表面203の間隔と実質的に等しい。また、第2半導体基板20から第1半導体基板10の受光面までの距離、すなわち第1半導体基板10の受光面である第1半導体基板10の裏面104と第2半導体基板20の表面203の間隔をT13で示している。距離T13は厚みT11と厚みT30の和に実質的に等しい。第2半導体基板の厚みT21は第1半導体基板10の受光面(裏面104)と第2半導体基板20の間隔T13よりも大きい(T13<T21)。第2半導体基板20の厚みT13は20μm以上であることが好ましい。第2半導体基板20の厚みT21は500μm未満である。第2半導体基板20がシリコン基板である場合、第2半導体基板20の厚みT21は400μm以下であることが好ましい。第2半導体基板20の厚みT21が第1半導体基板10の厚みT11の10倍以上であることが好ましい。また、第2半導体基板20の厚みT21が第1半導体基板10の厚みT11の100倍以下であることが好ましい。
半導体デバイス1の一例を図2を用いて説明する。図2は、図1(a)に示した点Pと点Qを含む面における半導体デバイス1の断面図である。
第1半導体基板10は、光電変換部の光電変換素子としてn型半導体領域34とp型半導体領域35を含むフォトダイオードPDを有する。フォトダイオードPDはp型半導体領域32に設けられている。また、第1半導体基板10の光電変換部には転送トランジスタとしてのMOSトランジスタTr1と、リセットトランジスタとしてのMOSトランジスタTr2とが設けられている。また、第1半導体基板10の制御部を構成する半導体素子としてのMOSトランジスタTr3、Tr4が設けられている。本例では、第1半導体基板10の表面103の一部は、フォトダイオードPDのp型半導体領域35で構成されている。また、第1半導体基板10の表面103の一部はMOSトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4のゲート絶縁膜と界面を成している。第1半導体基板10には素子分離部38が設けられている。素子分離部38は第1半導体基板10の表面103よりも第1半導体基板10の深い位置まで設けられているとともに、第1半導体基板10の表面103から突出して設けられている。第1半導体基板10の上には、第1半導体基板10の表面103を保護する保護層として絶縁体層43a、43bが設けられている。絶縁体層43bの上には、層間絶縁層として絶縁体層39a、39b、39c、39d、39eが設けられている。第1半導体基板10の上には、コンタクトプラグとしての導電体層44と、配線層としての複数の導電体層49a、49b、49cが設けられている。導電体層44はタングステンからなり、配線層49a、49b、49cは銅からなる。複数の絶縁体層43a、43b、39a、39b、39c、39d、39eと、複数の導電体層44、49a、49b、49cとが、第1多層膜31を構成している。
第2半導体基板20は、信号処理部を構成する半導体素子としてのMOSトランジスタTr6、Tr7、Tr8が設けられている。本例では、第2半導体基板20の表面203の一部は、MOSトランジスタTr6、Tr7、Tr8のゲート絶縁膜と界面を成している。第2半導体基板20には素子分離部50が設けられている。素子分離部50は第2半導体基板20の表面203よりも第2半導体基板20の深い位置まで設けられているとともに、第2半導体基板20の表面203から突出して設けられている。第2半導体基板20の上には、第2半導体基板20の表面203を保護する保護層として絶縁体層43c、43dが設けられている。絶縁体層43dの上には、層間絶縁層として絶縁体層49a、49b、49c、49d、49e、49fが設けられている。層間絶縁層49fの上には応力緩和層としての絶縁体層59が設けられている。第2半導体基板20の上には、コンタクトプラグとしての導電体層54と、配線層としての複数の導電体層53a、53b、53c、57が設けられている。導電体層54はタングステンからなり、導電体層49a、49b、49cは銅からなり、導電体層57はアルミニウムからなる。複数の絶縁体層43c、43d、49a、49b、49c、49d、49e、49f、59と、複数の導電体層54、53a、53b、53c、57とが、第2多層膜32を構成している。第2多層膜32は、第2半導体基板20の表面203を覆っている。
第1多層膜31の絶縁体層39eと第2多層膜32の絶縁体層59とは、接着層33を介して接合されている。第1多層膜と第2多層膜と接着層33が図1(a)で説明した多層膜30に相当する。このよう、多層膜30を介して、第1半導体基板10と第2半導体基板20が接合されている。
第1半導体基板10を貫通して、導電体層49cと導電体層57を相互に接続する接続電極68が設けられている。接続電極68は銅またはタングステンからなる。接続電極68は絶縁スペーサ42に囲まれている。接続電極68により、光電変換部11と信号処理部22、光電変換部11と制御部21、制御部12と信号処理部22とが電気的に接続されている。
第1半導体基板10の裏面104側には、反射防止層61、クラッド層62、遮光層63、コア層69、平坦化層71、カラーフィルタアレイ73およびマイクロレンズアレイ74を含む光制御膜40が設けられている。コア層69の屈折率はクラッド層62の屈折率よりも高く、全反射によって光を導く光導波路70が形成されている。光制御膜40は第1半導体基板10の受光面(裏面104)を構成するp型半導体領域32に接している。光制御膜40の第1半導体基板10側とは反対側の面401が光制御膜の光入射面である。本例では光入射面はマイクロレンズアレイ74で構成されている。
電極パッド78は導電体層57と同レベルの層に配されており、アルミニウムからなる。電極パッド78の上には、複数の絶縁体層、第1半導体基板10、光制御膜40を貫通する開口77が設けられている。開口77には、電極パッド78に接続するボンディングワイヤ79が設けられている。
本例の半導体デバイス1は、第1半導体基板10のトランジスタTr1〜4が設けられた面(表面103)とは反対側の面(裏面104)が受光面となる裏面照射型の光電変換装置を構成する。第1半導体基板10のトランジスタTr1〜4が設けられた面(表面104)が受光面となる表面照射型の光電変換装置としてもよい。裏面照射型の光電変換装置において、第1半導体基板10の厚みT11は10μm以下であり、典型的には3〜5μmである。
図2には、第1半導体基板10の厚みT11と、第2半導体基板20の厚みT21と、第1半導体基板10と第2半導体基板20の距離T30を示している。第1半導体基板10の受光面と第2半導体基板20との距離T13は、厚みT11と距離T30の和である。本例では、第1多層膜31の厚みT12は、絶縁体層43a、43b、39a、39b、39c、39d、39eの厚みの和に一致する。本例では、第2多層膜32の厚みT22は、絶縁体層43c、43d、49a、49b、49c、49d、49e、49f、59の厚みの和に一致する。接着層33の厚みをT33で示している。T30はT12とT22とT33の和である。光制御膜40の厚みT40とT13とT21の和が半導体デバイス1の全体の厚みT50(T50=T40+T13+T21=T40+T11+T30+T21)である。
図2では、第1多層膜31と第2多層膜32とを接着層33を用いて接着した例を示した。しかし、第1多層膜31の絶縁体層と第2多層膜32の絶縁体層とをプラズマ接合などを用いて、絶縁体層同士を直接接合することもできる。また、第1多層膜31の導電体層と第2多層膜32の導電体層とを金属接合を用いて、導電体層同士を直接接合することもできる。金属接合される導電体層の材料には銅を好適に用いることができる。このように、直接接合される場合には、多層膜30の厚みT30は第1多層膜31の厚みT31と第2多層膜の厚みT32の和ということになる。
以上説明したように、T13<T21とすることにより、信号処理部22の発熱の影響が低減できる。以下、この理由を説明する。信号処理部22の発熱の影響としては次のものが挙げられる。例えば、信号処理部22から第1半導体基板10へ向かう経路における熱分布である。この経路には、概して半導体よりも熱伝導率の低い絶縁体(複数の絶縁体層)が位置する。典型的には、シリコン基板(熱伝導率:150W/m・K)よりも熱伝導率の低い複数の酸化シリコン層(熱伝導率:1.5W/m・K)や複数の窒化シリコン層(熱伝導率:30W/m・K)が位置する。ここで示した熱伝導率は一例である。そのため、多層膜30内において第2半導体基板20側の方が第1半導体基板10側よりも温度が高くなる熱分布を有することになる。この熱分布は半導体デバイス1に熱応力を生じ、半導体デバイス1を反らせたり、接合面(本例では接着層33)に剥がれを生じさせたりする可能性がある。なお、典型的には、多層膜30は概して半導体より熱伝導率の高い導電体(複数の導電体層)を含む。熱伝導率の高い導電体を介して信号処理部22から光電変換部11へ熱が伝わることを抑制する上では、多層膜30に占める導電体の密度を絶縁体の密度よりも低くすることが好ましい。
信号処理部22の発熱は主に第2半導体基板20の表面203のごく近傍で生じることが分かっている。これはMOSトランジスタのリーク電流などが原因であると推測されている。そこで、第2半導体基板20の表面203を基準として、半導体デバイス1の厚みT50の内、第2半導体基板20の表面203から第1半導体基板10の受光面までの距離に相当するT13と、第2半導体基板20の表面203から第2半導体基板20の裏面206までの距離に相当するT21とをT13<T21とすることにより、第2半導体基板20に機械的強度を持たせることにより上記した問題を低減することができる。第2半導体基板20の厚みT21が50μm以上であれば十分な機械的強度を得ることができ、第2半導体基板20の厚みT21を100μm以上とすることがより好ましい。
一方で、第2半導体基板20が極端に厚いと、第2半導体基板20の表面203の熱が第2半導体基板20の裏面206から放熱されにくい。第2半導体基板20を500μm未満とすることで実用的に放熱性を向上することができる。第2半導体基板20がシリコン基板である場合、シリコンの熱抵抗に基づくシミュレーション算出結果を考慮すると、第2半導体基板20の厚みT21は400μm以下が好ましいことが分かっている。
なお、光制御膜400は第1半導体基板10が光制御膜400と第2半導体基板20の間に位置することから、上記したような問題には大きな影響を与えない。しかし、半導体デバイス1全体の応力を考慮すると、光制御膜40の厚みT40が極端に大きいことは好ましくなく、T40は第1半導体ウエハ101と第2半導体ウエハ200との間の距離T30を超えない(T40<T30)ことが好ましい。また、T40とT13の和はT21よりも小さい(T40+T13<T21)ことが好ましい。さらに、半導体デバイス1の全体の厚みT50は典型的には1000μm未満であるが、T50を500μm未満とすることで、第2実施形態として後述するパッケージングの制約を小さくすることができる。一般的な光電変換部11の厚み方向(断面方向)に直交する方向(平面方向)における寸法は1.0mm以上である。とりわけ光電変換部11の平面方向における寸法が5.0mm以上である場合には、断面方向の熱伝導の影響が平面方向の熱伝導の影響に比べて大きくなるため、本実施形態が好適である。矩形を呈する典型的な光電変換部11において、上記した平面方向における寸法は対角の長さに相当する。
<第2実施形態>
半導体デバイス1とパッケージ2を含む光電変換装置1000の構成を、図3を用いて説明する。本実施形態ではパッケージ2は固定部材3、透明部材4、熱伝導部材5、支持部材6を含むがこの構成に限定されることはない。
図3(a−1)に示した第1例では、半導体デバイス1の信号処理部22は、半導体デバイス1の電極パッド78に接続されたボンディングワイヤ79によってパッケージ2を構成する枠状の固定部材3に設けられた第1端子81に接続されている。第1端子81は不図示の配線によって第2端子82に接続されている。本例では第2端子82はLGA(Land Grid Array)構造を有している。第2端子82はPGA(BallGrid Arrya)構造を有していてもよいし、PGA(Pin Grid Array)構造を有していてもよい。パッケージ2は、半導体デバイス1を覆う透明部材4を有する。本例では透明部材4は板形状の部材であるが、半導体デバイス1へ集光するために、レンズ形状を有していてもよい。透明部材4は固定部材3に固定された支持部材5で支持されている。
厚さT50が1000μm未満であるような半導体デバイス1は、パッケージ2を用いることにより光電変換装置1000として、撮像システムに組み込むことができる。撮像システムへの組み込みでは、第2端子82は不図示の実装部材に実装される。実装部材への実装形態は表面実装型でもよいし挿入型でもよいが、表面実装型を好ましく採用することができる。実装部材としては、プリント配線板を用いることができる。プリント配線板には、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板、ポリイミド基板等のフレキシブル基板、あるいはリジッド基板とフレキシブル基板を組み合わせたフレキシブルリジッド基板を用いることができる。撮像システムは、光電変換装置1000から得られた画像情報を表示する表示手段や、画像情報を記録する記録手段を備えることができる。表示手段はタッチパネルであってもよい。撮像システムとしては、スチルカメラやビデオカメラなどのカメラが挙げられるが、カメラ機能を有する情報端末であってもよい。撮像システムはインターネットや電話回線等に接続する通信手段を含み得る
図3(a−2)は図3(a−1)において丸で囲んだ部分の拡大図である。第2半導体基板20に対して第1半導体基板10とは反対側には、熱伝導性部材6が設けられている。熱伝導性部材6は枠状の固定部材3の開口部に位置しており、不図示の部分で固定部材3に固定されている。熱伝導性部材6を開口部に位置させることにより、光電変換装置の厚みの増加を抑制することができる。
この熱伝導性部材6は、多層膜30の絶縁体層の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有しており、半導体デバイス1の熱を放熱するための放熱部材(ヒートシンクあるいはヒートスプレッダ)として機能する。典型的には、絶縁体層の大部分が酸化シリコン層であるため、熱伝導性部材6の材料としては10W/m・K以上の熱伝導率を有する材料を用いるとよい。なお、絶縁体層の熱伝導率が異方性を有する場合には、第2半導体基板20の法線方向における絶縁体層の熱伝導率を測定すべきである。熱伝導性部材6は、第2半導体基板20の第1半導体基板10側とは反対側の面である裏面206における、第1半導体基板10の光電変換部11の正射影領域2061に接して設けられる。なお、熱伝導性部材6と第2半導体基板20との距離が、第1半導体基板10と第2半導体基板20との距離T30よりも短い場合、熱伝導性部材6は第2半導体基板20に接しているということができる。例えば、第2半導体基板206の裏面206が絶縁体層の熱伝導率以下の熱伝導率を有する絶縁体膜(例えば酸化シリコン層や窒化シリコン層を含む単層膜あるいは多層膜)で覆われている場合がある。あるいは熱伝導性部材6と第2半導体基板20との間に空気層が存在している場合もある。これらの場合、絶縁体膜や空気層の厚みがT30よりも小さく、熱伝導性部材6と第2半導体基板20との距離がT30未満となっていれば、熱伝導性部材6は第2半導体基板20に接しているということができる。
熱伝導性部材6は、第2半導体基板20の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導性部材であることが好ましい。第2半導体基板2がシリコン基板である場合、熱伝導性部材6の材料としては、例えばアルミニウム(236W/m・K)、銅(398W/m・K)を用いることが好ましい。
ここでは、熱伝導性部材6と固定部材3とを別体として示したが、セラミック等を用いることにより、一体の部材とすることができる。また、熱伝導性部材6は撮像システムの筐体であってもよい。
図3(a−2)に示す様に、熱伝導性部材6を複数の部分で構成することができる。例えば、熱伝導性部材6を、多層膜30の絶縁体層の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第1熱伝導部61と第2半導体基板20の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2熱伝導部62で構成することができる。第1熱伝導部61の熱伝導率は第2半導体基板20の熱伝導率よりも低くてもよい。そして、例えば、第1熱伝導部61を第2半導体基板20と第2熱伝導部62との間に設け、第1熱伝導部61が第2半導体基板20と第2熱伝導部62の双方に接するようにする。この時、第1熱伝導部61はフィルム状もしくはシート状であるとよい。第1半導体基板10と第2熱伝導部62との距離(第1熱伝導部61の厚み)TLは第1半導体基板10と第2半導体基板20の距離T30よりも小さいことが好ましい。このようにすることにより、第2熱伝導部62と第2半導体基板20との間の熱抵抗を、第1半導体基板10と第2半導体基板20との間の熱抵抗(多層膜30の熱抵抗)よりも小さくすることができる。
図3(b−1)、(b−2)に示した第2例は、第1例の変形例である。図3(b−2)は図3(b−1)において丸で囲んだ部分の拡大図である。熱伝導性部材6(本例では第2熱伝導部62)は、第2半導体基板20側とは反対側の面である表面620にフィン構造を有している。そのため、表面620における、第2半導体基板20からの正射影領域6201の表面積は、第2半導体基板20の熱伝導性部材6側の面である裏面206の表面積よりも大きい。熱伝導性部材6がフィン構造を正射影領域6201の表面積を大きくすることにより、効率的に放熱を行うことができる。ここでは板状の突起部を有するフィン構造を例に挙げたが、棒状の突起部を有する剣山構造を採用してもよい。本例のように、第2半導体基板20は、駆動時に基板面内で温度分布を有する場合がある。温度が平均以上となるような高温部20Hと、温度が平均以上となるような低温部20Lを仮定すると、高温部20Hが光電変換部11からの正射影領域に位置する場合に効果的である。
図3(b−1)では、光電変換装置が組み込まれる撮像システムが冷却手段としてのファン7を備えた例を示している。ファン7は、熱伝導性部材6を空冷によって強制冷却することにより、第2半導体基板20を強制冷却することができる。強制冷却に水冷を用いてもよい。
図3(c−1)に示した第3例では、第2半導体基板20の高温部20Hと低温部20Lのうち、光電変換部11の正射影領域に低温部20Lを設けた場合を示している。図3(c−2)は図3(c−1)において丸で囲んだ部分の拡大図である。センサデバイスの設計段階において、回路ブロックのレイアウトおよびフロアプランが決定した段階で、どの部位および位置が発熱しやすいかは、シミュレーションによりほぼ特定できる。一般的には、水平走査回路やカウンタ回路は高温部20Hになりやすい。裏面206の表面積を、高温部20Hに対応した領域620Hでは大きく、低温部20Lに対応した領域620Lでは、領域620Hよりも小さくしている。このようにすることにより、第2半導体基板20内の温度分布を均熱化することが可能になる。
図3(d−1)に示した第4例では、第1半導体基板10に熱伝導性部材63と熱伝導性部材64を接続した例を示している。本例は、第1半導体基板10が制御部12を有し、制御部12が光電変換部11よりも温度が高い高温部10Hとなる場合に好適である。図3(d−2)は図3(d−1)において丸で囲んだ部分の拡大図である。第1半導体基板10側に熱伝導性部材64を配置する場合は、光の入射を阻害しないように配置することが重要である。半導体デバイス1の前方にレンズを設ける場合には、そのレンズと半導体デバイス1との瞳距離により入射する最大の光の角度が把握できるため、その角度を考慮し放熱機構を設計する必要がある。
図4(a)は、第2半導体基板20に凹部216を形成し、凹部216内に第1熱伝導部61を配置し第1熱伝導部61に接する第2熱伝導部62をさらに設けた例を示している。
図4(b)は、熱伝導性部材6を設けずに第2半導体基板20の裏面206に複数の凹部216を形成した例である。このようにして、第2半導体基板20の裏面206の表面積を、第2半導体基板2の表面203の表面積よりも大きくすることで、第2半導体基板20からの放熱効率を向上することもできる。複数の凹部216はフィン構造あるいは剣山構造を成していることが好ましい。
このように熱伝導性部材6を設けない場合にも、空冷によって第2半導体基板20を強制冷却することができる。
<第3実施形態>
図5を用いて、光電変換装置の製造方法を説明する。
(工程a)
第1半導体ウエハ100の表面1030(おもて面)にイオン注入法等の公知の半導体素子形成技術を用いて複数の領域に光電変換素子群(不図示)を形成する。各光電変換素子群は、複数の光電変換素子が配列されてなる。(図5(a))。典型的な半導体ウエハである単結晶シリコンウエハの形状はSEMI規格(Semiconductor Equipment and Materials International)で定められている。以下、SEMI規格で定められたもののうち、光電変換装置の製造に実用的に使用されるシリコンウエハのサイズの一例を示す。直径が150.000(±0.20)mmのウエハでは、ウエハの中心(センターポイント)の厚みは675(±20)μmである。直径が200.000(±0.20)mmのウエハでは、ウエハの中心(センターポイント)の厚みは725(±20)μmである。直径が300.000(±0.20)mmのウエハではウエハの中心の厚みは775(±20)μmである。なお、括弧付で±とした値は公差である。これらの厚みのいずれかを第1半導体ウエハ100の厚みT10として採用することができる。
(工程b)
工程aの後、第1半導体ウエハ100の表面1030の上に、公知の多層配線技術を用いて、複数の絶縁体層と複数の導電体層を含む第1多層膜110を形成する。第1多層膜110の厚みはT12である。典型的にT12はT10よりも小さい(T12<T10)。複数の導電体層の全層が同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよく、例えばアルミニウム層と銅層とが混在していてもよい。このようにして、第1半導体ウエハ100と、第1半導体ウエハ100に第1多層膜110を含む第1部材111を用意する(図5(b))。第1部材111の厚みはT10とT12の和である。
(工程c)
第2半導体ウエハ200の表面2030(おもて面)にイオン注入法等の公知の半導体素子形成技術を用いて複数の領域に半導体素子群(不図示)を形成する。各半導体素子群は、複数の半導体素子が配列されてなる。(図5(c))。第2半導体ウエハ200の厚みT20も第1半導体ウエハ100の厚みT10同様に、SEMI規格で定められた厚みを採用することができる。なお、第1半導体ウエハ100と第2半導体ウエハ200は直径が同じものを用いることが望ましい。
(工程d)
工程cの後、第2半導体ウエハ200の表面2030に、公知の多層配線技術を用いて、複数の絶縁体層と複数の導電体層を含む第2多層膜210を形成する。第2多層膜210の厚みはT22である。典型的にT22はT20よりも小さい(T22<T20)。複数の導電体層の全層が同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよく、例えばアルミニウム層と銅層とが混在していてもよい。このようにして、第2半導体ウエハ200と、第2半導体ウエハ200に積層された第2多層膜210を含む第2部材222を用意する(図5(d))。第1部材111の厚みはT10とT12の和である。なお、工程bと工程dの順序は特に限定されず、工程bと工程dを並行して行ってもよい。
(工程e)
第1部材111と第2部材222の少なくとも一方に、次の工程eで説明する接合処理のための準備をしておく。本例では、第1部材111と第2部材222の接合面である、第1多層膜110あるいは第2多層膜220の表面の少なくとも一方に接着剤を塗布する。プラズマ接合を行う場合には、第1多層膜110あるいは第2多層膜220の表面の絶縁体層を少なくとも一方をプラズマ処理する。第1部材111と第2部材222を、第1半導体ウエハ100と第2半導体ウエハ200との間に第1多層膜110および第2多層膜120が介在した状態となるように、重ねる(図5(e))。このとき、第1部材111と第2部材222の双方に予め形成されたアライメントマークを用いて、第1部材111と第2部材222のアライメントを行う。
(工程f)
工程eの後、第1半導体ウエハ100と第2半導体ウエハ200との間に第1多層膜110および第2多層膜120が介在した状態を維持しながら、第1部材111と第2部材222とを接合する。なお、本例では、工程eで説明したように第1部材111と第2部材222との接合に不図示の接着剤を用いるため、接着剤の固化処理を行うことで、第1部材111と第2部材222とを接合する。固化処理としては光硬化処理や熱硬化処理、乾燥処理が挙げられる。必要に応じて第1部材111と第2部材222に圧力を加えることもできる。接合工程であるこの工程fによって、第1部材111と第2部材222が接合された複合部材330が作製される。第1多層膜110の厚みT12と接着剤層の厚みと第2多層膜210の厚みT22の和が第1半導体ウエハ100と第2半導体ウエハ200の距離T30となる。
(工程g)
工程fの後、複合部材330の第1半導体ウエハ100を、第1半導体ウエハ100の裏面1040側から薄化する。これにより、複合部材330よりも第1半導体ウエハが薄くなった複合部材331が得られる。第1半導体ウエハ100の薄化処理法としては、CMP(化学機械研磨)法、MP(機械研磨)法、ウエットエッチング、ドライエッチングなどが挙げられる。これらの方法を併用してもよい。第1薄化工程であるこの工程fによって、工程fまでは、厚みT10を有していた第1半導体ウエハ100が、厚みT11(T11<T10)を有する第1半導体ウエハ101となる。また、裏面1040を有する第1半導体ウエハ100は、裏面1041を有する第1半導体ウエハ101となる。第2半導体ウエハ200の表面(表面2030)から第1半導体ウエハ110の表面(表面1030)までの距離T13は、距離T30と厚みT11の和となる。第1半導体ウエハ101の厚みT11は10μm以下であり、典型的には3〜5μmである。
(工程h)
工程gの後、必要に応じて第1多層膜110の導電体層と第2多層膜210の導電体層を接続する接続電極(不図示)を形成する。この接続電極は例えば第1半導体ウエハ101を貫通して設けることができるほか、予め第1半導体ウエハ101の一部を除去して、第1半導体ウエハ101が除去された部分に絶縁体層を配置して、この絶縁体層を貫通して設けられる。接続電極の形成方法の詳細は、特開2011−96851号公報と特開2011−151375号公報と特開2011−204915号公報を参照すればよい。
また、第1半導体ウエハ101の裏面1041の上にカラーフィルタアレイやマイクロレンズアレイや遮光層の少なくともいずれかを含む、光制御膜400を形成する。これにより、複合部材331よりも光制御膜400の分だけ厚くなった複合部材332が得られる。カラーフィルタアレイは、原色光である赤色光、緑色光、青色光を透過する光透過部に加えて、白色光あるいは原色光の補色光を透過する光透過部を有することができる。マイクロレンズアレイは、リフロー法やエッチバック法を用いて形成することもできるが、第1半導体ウエハ101へのダメージを低減する上では、階調露光法を用いることが好ましい。光制御膜400の厚みT40は特に限定されることはないが、第1半導体ウエハ101と第2半導体ウエハ200との距離T30を超えない(T40<T30)ことが好ましい。光制御膜400を形成する工程は接続電極を形成する工程の後に行うことが好ましいが、逆でもよい。光制御膜400の表面4010が光入射面となる。
(工程i)
工程hの後、複合部材332の第2半導体ウエハ200を、第2半導体ウエハ100の裏面2060側から薄化する。これにより、複合部材332よりも第2半導体ウエハが薄くなった複合部材333が得られる。第1半導体ウエハ100の薄化処理法としては、CMP(化学機械研磨)法、MP(機械研磨)法、ウエットエッチング、ドライエッチングなどが挙げられる。これらの方法を併用してもよい。第2薄化工程であるこの工程iによって、工程hまでは、厚みT20を有していた第2半導体ウエハ200が、厚みT21(T21<T20)を有する第2半導体ウエハ201となる。厚みT21は500μm未満とすることが好ましい。また、裏面2060を有する第2半導体ウエハ200は、裏面2061を有する第2半導体ウエハ201となる。典型的には、薄化後の第2半導体ウエハ201の厚みT21は、薄化前の第2半導体ウエハ200の厚みT20の半分以下である。第2半導体ウエハ200がシリコンウエハである場合、第2半導体ウエハ201の厚みT21は400μm以下が好ましい。そして、厚みT21は第1半導体ウエハ101の裏面1041と第2半導体ウエハ200(第2半導体ウエハ201)の表面2030との距離T13よりも大きくすることが肝要である。第2半導体ウエハに形成された半導体素子群へのダメージを、X線トポグラフィ解析の結果に基づいて考慮すると、第2半導体ウエハ201の厚みT21は20μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。
なお、薄化の速度を考慮すると、第2半導体ウエハの厚みが比較的厚い(例えば300μm以上)状態では機械研磨法を用いて薄化することが好ましい。一方、薄化による半導体素子群へのダメージを考慮すると、第2半導体ウエハの厚みが比較的薄い(例えば300μm未満)状態では、化学機械研磨法を用いて薄化することが好ましい。例えば、第2半導体ウエハ200として、直径が300mmのシリコンウエハを用いる場合には、775μmから300μmまで薄化する段階では機械研磨法を用い、300μmから50μmまで薄化する段階では化学機械研磨法を用いる。さらに、ウエットエッチングによって薄化を行ってもよい。
(工程j)
工程iの後、複合部材333を各々が光電変換素子群と半導体素子群を有する複数の半導体デバイス1に分割する。この分割工程の分割処理には、ダイシングブレード(ダイシングソー)を用いたブレードダイシング法を用いることができるが、レーザー光を用いたレーザーダイシング法を用いることもできる。分割処理は、複合部材333の第1半導体ウエハ101側から行うことが好ましいが、第2半導体ウエハ201側から行うこともできる。T21>T13を満たした状態で分割工程を行うことにより、第2半導体ウエハ201が複合部材333の剛性を実質的に担うことになり、好適に分割工程を行うことができる。第1半導体ウエハ101を厚くして剛性を担うことも考えられるが、第1半導体ウエハ101には複数の光電変換素子群が配されるため、好適な第1半導体ウエハ101の厚さT11は、光電変換性能で決まる。そのため、剛性を上げるために厚みを厚くするとしても制限がある。これに対して第2半導体ウエハ201はそのような制約が少ないため、第2半導体ウエハ201の厚さを厚くするのがよいのである。また必要に応じて、分割工程時に複合部材333を支持する支持部材を設けてもよい。複合部材333の厚みT50が50μm以上であれば、ブレードダイシング法を用いてもチッピングや接合面の剥離を生じる可能性を可及的に減少させて、この分割工程を行うことができる。複合部材333の厚みT50が50μm未満である場合、レーザーダイシング法を用いれば、チッピングや接合面の剥離を生じる可能性が低くなる。
(工程k)
工程jの後、複数の半導体デバイス1の各々をパッケージングする。図3(a−1)に示した第2熱伝導部62としてのヒートシンクおよび半導体デバイス1の第2半導体基板2の裏面206の少なくとも一方に、熱伝導性のダイボンドペーストを塗布し、これを固化させて、第1熱伝導部61としての熱伝導膜を形成する。これにより、裏面206がヒートシンクに固定され、機械的接続と併せて、ヒートシンクと半導体デバイス1との熱的接続が得られる。
なお、図4(a)、(b)に示した凹部216の形成は第2半導体ウエハ200の薄化の後に形成することができる。例えば第2薄化工程の後に、CVD等で酸化シリコン膜を第2半導体ウエハ201の裏面206に形成する。そして、酸化シリコン膜をレジストパターンとドライエッチングを用いて、所望の位置の酸化シリコン膜をパターニングする。次にパターニングされた酸化シリコン膜をハードマスクとして、例えばTMAHやKOHといったアルカリ性のエッチャントを用いて、シリコンを所望の深さまでウエットエッチングすることで実現できる。あるいは、ドライエッチングには、SFを主成分としたガスを用いてのシリコンのエッチングと、Cを主成分としたガスを用いてのシリコンのエッチングとを繰り返してシリコン基板に凹部216を形成することができる。
1 半導体デバイス
10 第1半導体基板
11 光電変換部
100 第1半導体ウエハ(薄化前)
101 第1半導体ウエハ(薄化後)
110 第1多層膜
111 第1部材
20 第2半導体基板
22 信号処理部
30 多層膜
200 第2半導体ウエハ(薄化前)
201 第2半導体ウエハ(薄化後)
210 第2多層膜
222 第2部材
330、331、332、333 複合部材
400 光制御膜

Claims (10)

  1. 入射光に応じた信号電荷を発生する光電変換部を有する第1半導体基板と、前記信号電荷に基づく電気信号を処理する信号処理部を有する第2半導体基板と、を備え、前記光電変換部から前記第2半導体基板への正射影領域に前記信号処理部が位置しており、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板の間に、複数の絶縁体層を含む多層膜が設けられた光電変換装置であって、
    前記第2半導体基板の厚みが500μm未満であり、前記第2半導体基板の前記厚みが前記第2半導体基板から前記第1半導体基板の受光面までの距離よりも大きいことを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第2半導体基板の前記厚みが、前記第1半導体基板の厚みの10倍以上100倍以下である請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記第2半導体基板の前記厚みが20μm以上400μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記第1半導体基板および前記第2半導体基板はシリコン基板であって、前記第1半導体基板の厚みが10μm以下であり、前記第2半導体基板の前記厚みが50μm以上である請求項1に記載の光電変換装置。
  5. 前記第1半導体基板の前記受光面を覆う光制御膜が設けられ、前記第2半導体基板の前記厚みが前記第2半導体基板から前記光制御膜の光入射面までの距離よりも大きい請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  6. 前記第2半導体基板に対して前記第1半導体基板とは反対側に設けられ、
    前記第2半導体基板の前記第1半導体基板側とは反対側の面における、前記光電変換部からの正射影領域に接する、前記絶縁体層の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する熱伝導性部材を備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  7. 前記熱伝導性部材は、前記第2半導体基板の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する熱伝導部を含む請求項6に記載の光電変換装置。
  8. 前記熱伝導性部材の前記第2半導体基板側とは反対側の面における、前記光電変換部からの正射影領域の表面積は、前記第2半導体基板の前記熱伝導性部材側の面の表面積よりも大きい請求項6または7に記載の光電変換装置。
  9. 前記第2半導体基板の前記第1半導体基板側とは反対側の面の表面積は、前記第2半導体基板の前記第1半導体基板側の面の表面積よりも大きい請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光電変換装置と、空冷または水冷によって前記第2半導体基板を強制冷却する冷却手段を備える撮像システム。
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