JP2020072295A - 車両用中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PHYマネージャを制御するための負荷を低減しつつ、且つ、PHYマネージャとPHYモジュールとの通信速度を向上可能な車両用中継装置を提供する。【解決手段】車両用中継装置は、1つのPHYマネージャ41が複数のPHY3のそれぞれとMDC線Ln1及びMDIO線Ln2にて接続された構成を有する。PHYマネージャ41は、PHY3のレジスタ32へデータの書き込みを行う際には、当該データの書込対象としないPHY3に対応するMDIOをハイインピーダンス状態に設定する。一方、当該データの書込対象とするPHY3に対応する入出力回路414に対しては、当該データを所定のアドレスに書き込むように指示する命令コマンド(以降、書込コマンド)を出力する。これにより当該書込コマンドに対応する書込要求信号が1つ又は複数のPHY3に向けて一斉に出力される。【選択図】図3

Description

本開示は、車両内の通信ネットワークを構成する中継装置である車両用中継装置に関する。
従来、オフィスや家庭などではイーサネット(登録商標)による通信ネットワークが広く使用されている。また、近年では車両においても、通信速度向上等の観点から、イーサネットの導入が進んでいる。
一般的に、イーサネットの規格に準拠した通信ネットワークにて、通信フレームの中継機能を提供する装置(以降、中継装置)は、複数のPHYモジュールと、複数のMAC部と、を備える。PHYモジュールは物理層を提供する構成であり、例えば1つまたは2つのポートを備えるPHYチップとしてパッケージ化されている。MAC部は、媒体アクセス制御を実行する構成であって、複数のPHYモジュールのそれぞれに対して1つずつ設けられている。なお、通信フレームの送受信に係るPHYモジュールとMAC部とのインターフェースとしては、MII(Media Independent Interface)や、RMII(Reduced MII)など、多様な方式が採用可能である。
また、中継装置は、PHYモジュールの動作を制御するPHYマネージャを備える。PHYマネージャは、PHYモジュールを管理するためのデータであるマネージメントデータを入出力するための信号線(以降、MDIO線)でPHYモジュールと接続されている。PHYマネージャは、当該MDIO線を介してPHYモジュールの動作設定を変更するためにPHYモジュールのレジスタの値を書き換えたり、PHYモジュールのレジスタ値を読み出したりする。MDIOは、Management Data Input/Outputの略である。MDIO線を介したマネージメントデータの送受信は、PHYマネージャが出力する専用のクロック信号であるMDC(Management Data Clock)のクロックエッジを基準として実施される。なお、PHYマネージャ自体は、より上位の存在(以降、上位層)によって制御される。上位層はコンピュータによって提供される事が多い。また、上記のPHYマネージャとしての機能は、一般的に、MAC部としての機能を提供する専用ICに内蔵されている事が多い。
特開2016−201111号公報
中継装置の構成(以降、第1想定構成)としては、各PHYモジュールに接続するMDIO線及びMDCを共通化することで、1つのPHYマネージャを用いて複数のPHYを順番に制御(例えば時分割制御)する構成も考えられる。上記の第1想定構成によれば、中継装置が備えるPHYマネージャは1つであるため、上位層によるPHYマネージャの管理及び制御は相対的に容易である。しかしながら、上記想定構成ではMDIO線が複数のPHYモジュールで共有されているため、PHYマネージャは、通信対象とするPHYモジュールを指定しつつ、データを送受信する必要がある。また、1度に通信可能なPHYモジュールは1つであるため、複数のPHYモジュールと通信する必要が有る場合には、それら複数のPHYモジュールに対して順番にアクセスする必要がある。換言すれば、第1想定構成では、複数のPHYモジュールに対しては同時にはアクセスできない。そのため、PHYモジュールとPHYマネージャ間の通信速度が遅いといった課題がある。
ところで、車両においては走行用電源(例えばイグニッション電源)がオフの間は(つまり駐車中は)、暗電流抑制のために種々のECUへの電力供給を遮断する。当然、暗電流抑制の観点からは、車両用中継装置への電力供給もオフすることが好ましい。駐車中は車両用中継装置への電力供給をオフにする構成では、車両の走行用電源がオンとなった場合など、所定のイベントが発生したことをトリガとして、車両用中継装置は所定の起動処理(いわゆるブート処理)を実行することになる。
車両用中継装置を含む中継装置では、ブート処理として一般的に、各PHYモジュールのレジスタに対して、MDIO線を介してPHYモジュールの動作設定を示すデータを書き込む処理を行う。PHYモジュールの動作設定とは、例えば当該PHYモジュールに適用するイーサネットの通信規格やシリアル伝送方式などを指す。PHYマネージャによる各PHYモジュールが備えるレジスタへの動作設定の書き込みが完了しないと、車両用中継装置はECU等と通信できない。車両用中継装置がECUと通信できないと、ECU同士が通信できない。また、車両が走行を開始するためには、ECU同士が正常に通信可能な状態となっている必要がある。車両用中継装置の起動時間が長いほど、走行用電源がオンとなってからと、ユーザを待たせてしまうおそれが生じる。故に、車両用中継装置の起動時間はなるべく短縮したいといった需要が有る。
なお、中継装置の他の構成(以降、第2想定構成)としては、複数のPHYモジュールのそれぞれに対応する複数のPHYマネージャを用いて、各PHYモジュールを並列的に且つ独立的に制御する構成も考えられる。当該第2想定構成によれば、複数のPHYモジュールへの書き込み等を同時に行えるため、起動時間等の短縮や、PHYモジュールとPHYマネージャ間の通信速度の向上が期待できる。しかしながら第2想定構成では複数のPHYマネージャが存在することによって、上位層によるPHYマネージャの制御自体が複雑となるといった課題が生じる。
もちろん、複数のPHYマネージャを制御するための演算負荷は、相対的に高性能なプロセッサを用いれば問題にはなりにくい。しかしながら、車両用中継装置では、耐振動性や耐熱性といった耐環境性、及び、コストの観点から、PHYマネージャを制御するための構成として、オフィスや家庭で使用されるコンピュータほど高性能なプロセッサを使用することは難しい。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、PHYマネージャを制御するための負荷を低減しつつ、且つ、PHYマネージャとPHYモジュールとの通信速度を向上可能な車両用中継装置を提供することにある。
その目的を達成するための車両用中継装置は、イーサネットの規格に準拠した通信を行うためのPHYモジュール(3)の動作設定の変更及び動作状態の監視を行う1つのPHYマネージャに対して、複数のPHYモジュールが接続されている車両用中継装置であって、PHYマネージャは、複数のPHYモジュールと、PHYモジュールの動作を監視及び制御するためのマネージメントデータを送受信するための信号線としてのMDIO線で個別に接続されているとともに、PHYマネージャは、複数のPHYモジュールのそれぞれに対して、マネージメントデータを送受信するためのクロックであるMDCを出力するMDC出力部(415)を備え、PHYマネージャは、複数のPHYモジュールの少なくとも何れか1つとマネージメントデータを送受信する場合には、通信対象とするPHYモジュールに接続しているMDIO線にマネージメントデータを一斉出力する一方、当該マネージメントデータの送受信を行わないPHYモジュールである非対象モジュールに接続しているMDIO線をハイインピーダンス状態に設定するか、または、非対象モジュールへのMDCの出力を停止するように構成されている。
以上の車両用中継装置では、PHYマネージャは複数のPHYモジュールのそれぞれと個別にMDIO線で接続されている。PHYマネージャは、或るPHYモジュールとマネージメントデータをやりとりする場合には、通信対象としないPHYモジュール(つまり非対象モジュール)に連なるMDIO線をハイインピーダンスにするか、MDCを停止する。当該構成によれば、非対象モジュールはPHYマネージャがマネージメントデータを送受信しようとしていることは伝わらない。そのため、通信対象としないPHYモジュールのレジスタにアクセスすることはない。なお、ハイインピーダンス状態とは、スイッチ等を用いて信号線(ここではMDIO線)をマネージメントデータの入出力端子から電気的に切り離した状態を指す。
また、通信対象とするPHYモジュールには一斉にマネージメントデータを出力するため、複数のPHYモジュールのレジスタの内容を一斉に書き換えたり、所定のレジスタ値を同時に読み出したりすることができる。その結果、PHYモジュールとPHYマネージャとの平均的な通信速度を高めることができる。
そして、上記の構成では1つのPHYマネージャが複数のPHYモジュールを統括的に管理及び制御する。このような構成によれば、PHYマネージャを制御するための負荷を低減しつつ、且つ、PHYマネージャとPHYモジュールとの通信速度を向上させることができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
中継装置2を用いてなる車載通信システム100の一例を示す図である。 中継装置2の構成の一例を概略的に示す図である。 PHYマネージャ41の構成を概略的に示す図である。 入出力回路414とPHY3との接続構成を示す図である。 第1比較構成について説明するための図である。 第1比較構成の作動を説明するための図である。 第2比較構成について説明するための図である。 第2比較構成の作動について説明するための図である。 実施形態の作動について説明するための図である。 変形例1について説明するための図である。 変形例2について説明するための図である。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本開示に係る車載通信システム100の構成例を示す図である。車載通信システム100は、車両に構築されている通信システムである。本実施形態の車載通信システム100は、車載イーサネットの規格に従って構成されている。なお、イーサネットは登録商標である。以下では、イーサネット通信プロトコルに準拠したデータ通信をイーサネット通信という。また、以降における通信フレームとは、イーサネット通信プロトコルに従った通信フレーム(いわゆるイーサネットフレーム)を指す。当該車載通信システム100が搭載されている車両のことを搭載車両とも記載する。
車載通信システム100は、複数のノード1と、少なくとも1つの中継装置2と、を備えている。図1に示す車載通信システム100は一例として、6つのノード1と、2つの中継装置2とを備えている。2つの中継装置2を区別する場合には、中継装置2a、2bと記載する。また、6つのノード1のそれぞれを区別する場合には、ノード1a〜1c、1α〜1γと記載する。ノード1は通信装置に相当する。中継装置2が車両用中継装置に相当する。
ノード1a〜1cはそれぞれ通信ケーブル9を介して中継装置2aと相互通信可能に接続されている。ノード1α〜1γはそれぞれ通信ケーブル9を介して中継装置2bと相互通信可能に接続されている。中継装置2aと中継装置2bもまた通信ケーブル9を介して相互通信可能に接続されている。通信ケーブル9は、たとえば、ツイストペアケーブルである。
なお、車載通信システム100を構成するノード1や中継装置2の数は一例であり、適宜変更可能である。また、図1に示す車載通信システム100のネットワークトポロジは一例であってこれに限らない。車載通信システム100のネットワークトポロジは、メッシュ型や、スター型、バス型、リング型などであってもよい。ネットワーク形状も適宜変更可能である。
ノード1は、例えば電子制御装置(以降、ECU:Electronic Control Unit)である。複数のノード1はそれぞれ異なる機能を提供する。例えばノード1aは自動運転機能を提供するECU(いわゆる自動運転ECU)である。また、ノード1bは、外部サーバと無線通信することによってECUのソフトウェアを更新するためのプログラムを取得し、当該プログラムを用いて、当該プログラムの適用対象となるECUのソフトウェアアップデートを実行するECUである。ノード1cは、スマートエントリ機能を提供するECUである。中継装置2には様々な機能を提供するECUがノード1として接続されうる。
各ノード1は、中継装置2を介して他のノード1とイーサネット通信プロトコルに従ったデータの送受信を実行する。なお、中継装置2に接続されるノードは、センサなど、ノード1以外のものでもよい。ノードは、ユーザや点検者によって車載通信システム100への接続状態を動的に変更可能な外部ツールであってもよい。中継装置2もまた、別の観点によればノードに相当しうる。例えば中継装置2aにとって中継装置2bは自装置に接続するノードの1つに該当する。ノード1や中継装置2などにはそれぞれ固有の識別情報(MACアドレス)が付与されている。
中継装置2は、或る通信ケーブル9から入力された通信フレームを、当該通信フレームの宛先に応じた通信ケーブル9に送出する装置である。中継装置2は図2に示すように、複数のPHY3と、制御部4と、マイクロコンピュータ(以降、マイコン5)と、を備えている。
PHY3は、通信ケーブル9と接続される構成であって、OSI参照モデルにおける物理層を提供する構成である。PHY3は、通信ケーブル9と電気的に接続されるポート31を備える。本実施形態では一例として1つのPHY3には、1本の通信ケーブル9が接続されるように構成されている。つまり、各PHY3は、通信ケーブル9と接続するためのポート31を1つずつ備える。
例えば中継装置2aが備える或る1つのPHY3は、通信ケーブル9を介してノード1aと接続されており、他の1つのPHY3は、通信ケーブル9を介してノード1bと接続されている。その他、中継装置2aは、通信ケーブル9を介してノード1cと接続されているPHY3や、中継装置2bと接続されているPHY3などを備える。
中継装置2が備えるPHY3の数は、中継装置2が接続可能なノードの数に相当する。本実施形態の中継装置2は一例として、最大6つのノードとイーサネット通信可能なように、6つのPHY3を備える。なお、他の構成として、中継装置2が備えるPHY3の数は4や8などであっても良い。また、PHY3は、ポート31を複数備えるものであってもよい。例えばPHY3は、2つのポート31を備えていてもよい。各PHY3は同一の構成を有する。
複数のPHY3のそれぞれには、PHY番号、及び、PHYアドレスが設定されている。PHY番号は、後述するPHYマネージャ41が複数のPHYを識別するための番号であって、PHY3毎に固有の値に設定されている。PHYアドレスは、マイコン5が複数のPHY3を制御するための識別子である。本実施形態では実質的に各PHY3はPHY番号によって管理されるため、PHYアドレスは、他のPHY3と重複する値に設定されていても良い。ここでは一例として各PHY3には共通のPHYアドレスが設定されているものとする。
便宜上、中継装置2が備える複数のPHY3を区別する場合には、そのPHY3に設定されているPHY番号Kを用いて第KPHYとも記載する。例えば、第1PHY3はPHY番号が1番に設定されているPHY3を指し、第2PHY3はPHY番号が2番に設定されているPHY3を指す。
各PHY3は、概略的には、自分自身と接続している通信ケーブル9(以降、接続ケーブル)から入力された信号を、制御部4で処理可能なデジタル信号に変換して制御部4(具体的にはMAC42)に出力する。また、PHY3は、制御部4から入力されたデジタル信号を、通信ケーブル9へ伝送可能な電気信号に変換アナログ信号に変換した上で所定の通信ケーブル9に出力する。
PHY3はアナログ回路などを備えたIC、すなわち、ハードウェア回路である。各PHY3と制御部4(具体的にはMAC42)とは、例えばMII(Media Independent Interface)規格で通信するように構成されている。なお、PHY3とMAC42との通信は、RMII(Reduced MII)やRGMII(Reduced Gigabit MII)など、多様な規格を採用可能である。PHY3は例えば、1つのポート31と、動作設定などのデータを保持するためのレジスタ32と、を備えるチップセットとして実現されている。PHY3がPHYモジュールに相当する。
PHY3は、レジスタ32に登録されている動作設定に従って動作する。PHY3の動作設定を構成する項目(換言すればパラメータ)としては、例えば、PHY3に適用する通信規格や、シリアル伝送方式、通信速度、オートネゴシエーションの結果としての役割(マスタかスレイブか)、割込条件、動作モードなどが含まれる。PHY3の動作を規定する種々のパラメータは、後述するPHYマネージャ41によって適宜書き換えられる。なお、PHY3に適用される通信規格としては、例えば100BASE-T1、100BASE-TX、1000BASE-T1などがある。シリアル伝送方式は、全二重通信で通信するのか、半二重通信で通信するのかを示す。割込条件は、割り込み処理を実施する条件を示す。動作モードはテストモードで動作するのか否かを示す。
また、レジスタ32は、PHY3が通信ケーブル9を介して他の通信装置(いわゆるリンクパートナー)と通信接続しているか否かや、オートネゴシエーションが完了しているか否かなど、PHY3の動作状態を示すデータが格納されるための記憶領域も備える。便宜上、PHY3の動作状態を示すデータのことを動作状態データとも称する。
各種項目のデータ(実体的には値)は、レジスタ32のそれぞれ異なるアドレスに格納される。各種項目の格納先はその種別に応じて予め設定されている。なお、リンクパートナーと通信接続しているか否かを示すデータは、換言すれば、リンクアップ状態であるかリンクダウン状態であるかを示すデータに相当する。動作設定を変更するためのデータや、動作状態データが後述のマネージメントデータに相当する。
PHY3は、通信ケーブル9と接続されるポート31の他に、後述のPHYマネージャ41と通信するための構成として、MDC入力端子P21や、MDIO端子P22を備える。また、PHY3は、MAC42とデータの送受信を実施するための端子として、例えば、送信クロック出力端子、送信データ入力端子、受信クロック出力端子、及び受信データ出力端子、リセット入力端子などを備える。送信クロック出力端子は、所定の周波数(例えば25MHz)の送信クロック信号(いわゆるTX_CLK)をMAC42に逐次出力するための端子である。送信データ入力端子は、MAC42から送出された通信フレームを構成するデータが入力される端子である。受信クロック出力端子は、所定の周波数(例えば25MHz)の受信クロック信号(いわゆるRX_CLK)をMAC42に逐次出力するための端子である。受信データ出力端子は受信した通信フレームを構成するデータをMAC42へ出力するための端子である。
制御部4は、複数のPHY3のそれぞれと接続されているとともに、マイコン5とも相互通信可能に接続されている。制御部4は、OSI参照モデルにおける第2層(データリンク層)〜第3層(いわゆるネットワーク層)の機能を実行できるようにプログラムされている。制御部4は、機能ブロックとして、1つのPHYマネージャ41と、複数のMAC42と、スイッチ処理部43と、第3層提供部L3と、を備える。
PHYマネージャ41は、各PHY3の動作を制御する構成である。PHYマネージャ41は、各PHY3の動作設定の変更及び動作状態の監視を行う。PHYマネージャ41の詳細については別途後述する。
MAC42は、イーサネット通信プロトコルにおける媒体アクセス制御(Medium Access Control)を実施する構成である。MAC42は、複数のPHY3のそれぞれに対して用意されている。複数のMAC42はそれぞれ異なる1つのPHY3と接続されている。
MAC42は、当該MAC42と接続しているPHY3から入力された通信フレーム(以降、受信フレームとも記載)をスイッチ処理部43に提供する。加えて、MAC42はスイッチ処理部43から入力された通信フレームを、当該MAC42に対応するPHY3に出力し、通信ケーブル9へと送出させる。MAC42は、IEEE802.3にて規定されている機能を提供するように構成されていれば良い。MAC42がMAC部に相当する。
スイッチ処理部43は、MAC42から入力された通信フレームを、当該通信フレームに含まれる宛先MACアドレスとアドレステーブルに基づいて、該通信フレームを送出するべきPHY3(厳密にはポート31)を特定する。そして、特定したPHY3に対応するMAC42へ当該通信フレームを出力することにより、受信フレームの中継を実施する。アドレステーブルは、各PHY3(具体的には各ポート31)に接続しているノード1のMACアドレスを示すデータである。各PHY3に接続しているMACアドレスについてはラーニングブリッジやARP(Address Resolution Protocol)など、多様な方法で学習される。ここではアドレステーブルの生成方法についての詳細な説明は省略する。なお、PHY3毎の接続先のMACアドレスを学習する機能(以降、アドレステーブル更新機能)は、制御部4が備えていてもよいし、マイコン5が備えていても良い。
第3層提供部L3はIP(Internet Protocol)アドレスを用いた中継処理を実施する構成である。換言すれば、第3層提供部L3は、異なるネットワーク間での通信フレームの中継を実施する。なお、OSI参照モデルにおける第3層の機能は、マイコン5が備えていても良い。中継装置2内における機能配置は適宜変更可能である。例えば制御部4は第2層の機能のみを提供するように構成されていてもよいし、第4層以上の機能を提供するように構成されていても良い。
当該制御部4は、例えばFPGA(field-programmable gate array)を用いて実現されている。なお、制御部4は、ASIC(application specific integrated circuit)を用いて実現されていても良い。また、制御部4は、MPUや、CPU、GPUを用いて実現されていても良い。なお、上記の機能を備える制御部4は、スイッチ(換言すればスイッチングハブ)や、ルータとして作動する構成に相当する。
マイコン5は、CPU51、フラッシュメモリ52、RAM53、I/O、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータである。フラッシュメモリ52には、通常のコンピュータを本実施形態のマイコン5として機能させるためのプログラム(以降、中継装置プログラム)が格納されている。CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、フラッシュメモリ52に記憶された中継装置プログラムを実行することで、マイコン5は、OSI参照モデルにおける第4層から第7層までの機能を提供する。
すなわち、マイコン5は、第4層から第7層までの各層に対応する第4層提供部L4、第5層提供部L5、第6層提供部L6、及び第7層提供部L7を備える。第4層提供部L4は、第4層(つまりトランスポート層)としての処理を実行する構成であり、プログラム間通信や、データ転送保証などを実行する。第5層提供部L5は、第5層(つまりセッション層)としての処理を実行する構成である。第6層提供部L6は、第6層(つまりプレゼンテーション層)としての処理を実行する構成である。第7層提供部L7は、第7層(つまりアプリケーション層)としての処理を実行する構成である。このような構成は、第4層〜第7層をソフトウェア処理によって実現される構成に相当する。なお、CPUが実行するプログラムを記憶する記憶媒体はフラッシュメモリ52に限られず、非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されていればよい。
<PHYマネージャ41の構成について>
次に図3を用いて、PHYマネージャ41に係る構成及び作動について説明する。本実施形態のPHYマネージャ41は、複数のPHY3のそれぞれと、MDC線Ln1及びMDIO線Ln2で接続されている。MDCは、Management Data Clockの略であり、MDIOは、Management Data Input/Outputの略である。
MDC線Ln1は、PHYマネージャ41がPHY3とマネージメントデータを送受信するためのクロック信号であるMDCが流れる信号線である。ここでのマネージメントデータとは、PHY3を管理するためのデータであって、前述の動作設定や動作状態を示すデータを指す。MDIO線Ln2は、マネージメントデータが流れる信号線(換言すれば通信線)である。各種信号線はバスに相当する。
PHYマネージャ41は、概略的には、MDIO線Ln2を介して、各PHY3の動作状態データを読み出したり、PHY3の動作設定を変更したりする。MDIO線Ln2を介したマネージメントデータの送受信は、専用のクロック信号であるMDCのクロックエッジを基準として実施される。
当該PHYマネージャ41は、図3に示すように、マネージャコントローラ411、書込バッファ412、読出バッファ413、及び複数の入出力回路414を備える。マネージャコントローラ411は、PHYマネージャ41の動作全般を制御する構成である。例えばマネージャコントローラ411は、マイコン5の指示に基づき、入出力回路414と協働してレジスタ32へ動作設定データの書込処理を行う。また、マネージャコントローラ411は、マイコン5からの要求に基づき、各入出力回路414と協働して、各レジスタ32から所定のデータを読み出す。
書込バッファ412は、レジスタ32に書き込むデータ(以降、書込用データ)を格納するバッファである。書込用データには、当該データを書き込むべきPHY3を示すデータが付加されている。書込対象とするPHY3はPHY番号によって表現されている。読出バッファ413は、PHY3から読み出したデータを格納するバッファである。読出バッファ413は、PHY3毎に設けられている。すなわち、PHYマネージャ41は各PHY3に対応する読出バッファ413を備える。
入出力回路414は、MDC線Ln1及びMDIO線Ln2に流れる信号を制御する構成である。入出力回路414は、PHY3毎に用意されている。便宜上、PHYマネージャ41が備える複数の入出力回路414を区別する場合、その入出力回路414に接続されているPHY3のPHY番号Kを用いて、第K入出力回路414とも記載する。例えば、第1入出力回路414とは、PHY番号が1に設定されているPHY3と接続されている入出力回路414を指す。
各入出力回路414は、図4に示すように、MDC出力部415、MDIO制御部416、MDC出力端子P11、及びMDIO端子P12を備える。MDC出力部415は、マネージャコントローラ411からの指示に基づき、MDC出力端子P11からMDCを出力する。MDC出力端子P11は、MDCを出力するための端子であって、MDC線Ln1と接続している。MDC線Ln1の他端は、PHY3のMDC入力端子P21と接続されている。MDC入力端子P21は、MDCが入力されるための端子である。
MDIO制御部416は、マネージャコントローラ411からの指示に基づき、MDIO端子P12を介して、所定の書込用データを出力したり、PHY3から送信されるデータを受信したりする。MDIO端子P12は、マネージメントデータを入出力するための端子であって、MDIO線Ln2と接続している。MDIO線Ln2の他端は、PHY3のMDIO端子P22と接続されている。MDIO端子P22は、マネージメントデータに相当する電気信号を入出力するための端子であって、MDIO線Ln2と接続されている。なお、MDIO線Ln2は所定の基準電位が印加されている基準電源ラインにプルアップ抵抗を介して接続(いわゆるプルアップ)されている。MDIO線Ln2に対するプルアップ回路は入出力回路414の内部に設けられていても良い。
MDIO線Ln2は、ハイレベル状態、ローレベル状態、及び、ハイインピーダンス(Hi−Z)状態の3つの状態をとりうる。ハイレベル状態は、MDIO端子P12又はMDIO端子P22から、デジタル信号の“1”が出力されている状態に相当する。ローレベル状態は、MDIO端子P12又はMDIO端子P22から、デジタル信号の“0”が出力されている状態に相当する。
ハイインピーダンス状態は、スイッチング素子等を用いて、MDIO端子P12をMDIO線Ln2から切り離した状態である。つまり、ハイインピーダンス状態は、MDIO端子P12に連なる回路が開放されている(オープンな)状態である。ハイインピーダンス状態においては、PHY3にはデータが入力されない。以降では便宜上、MDIO端子P12の出力信号のことをMDIOとも記載する。
<PHYマネージャ41の作動>
ここでは、PHY3のレジスタ32にデータを書き込む場合、及び、PHY3のレジスタ32に格納されているデータを読み出す場合の、それぞれにおけるマネージャコントローラ411の作動について説明する。なお、以降における対象PHYとは、レジスタ32へのデータの書き込みや、レジスタ32のデータの読み出しといった、レジスタ32へのアクセス対象とする(換言すれば通信対象とする)PHY3を指す。
まずは、PHY3にデータを書き込む際のマネージャコントローラ411の作動について説明する。マネージャコントローラ411は、所定のデータを複数のPHY3の何れかに書き込む処理を行う場合、当該データの書込対象としないPHY3(以降、非対象PHY)に対応するMDIOをハイインピーダンス状態に設定する。非対象PHYが非対象モジュールに相当する。また、データの書込対象とするPHY3(以降、対象PHY)の入出力回路414に対しては、当該データを所定のアドレスに書き込むように指示する命令コマンド(以降、書込コマンド)を出力する。これにより、当該書込コマンドに対応する信号(後述の書込要求信号)が1つ又は複数の対象PHYに向けて一斉に出力される。
書込コマンドは、書き込むべきデータと、当該データの書込先とするアドレスを示すデータである。書込コマンドが入力された入出力回路414は、当該書込コマンドに対応するビット列(以降、書込要求信号)をMDIO端子P12から出力する。なお、データの書き込みを行う場合、マネージャコントローラ411は、各入出力回路414のMDC出力部415にはMDCを出力させる。
例えば、第1〜第3PHY3に対して同一のデータを各レジスタ32の同一アドレスに書き込む場合には、第1〜第3PHY3に対応する入出力回路414にMDCを出力させるとともに、MDIO端子P12から書込要求信号を出力させる。また、非対象PHYに該当する第4〜第6PHY3に対応する入出力回路414に対しては、MDIOをハイインピーダンス状態に設定させる。なお、上記の例では、第1〜第3PHY3が対象PHYに該当する。
MDIO端子P22から書込コマンドに対応するビット列が入力されたPHY3は当該書込コマンドに応じて、指定されたアドレスの値(以降、アドレス値)を、指定された値に書き換える。各対象PHYには一斉に書込要求信号が発信されるため、以上の構成によれば、複数のPHY3の動作設定を一度に書き換えることができる。
なお、PHYマネージャ41がPHY3のレジスタ32にデータの書き込みを行う場合とは、例えば、搭載車両の走行用電源がオンとなって、中継装置2が起動する場合である。中継装置2は起動処理(換言すればブート処理)として、中継装置2が各ノード1と通信可能なように、各PHY3のレジスタ32に種々の動作設定データを書き込む。また、中継装置2の起動完了後も、マスタ/スレイブといった役割を入れ替える場合には、適宜レジスタ32において当該項目に対応するアドレスの値を書き換える。その他、中継装置2の診断を行う場合には、動作モードをテストモードに設定するための書き込みを行う。
次に、PHY3が備えるレジスタ32の所定のアドレスのデータを読み出す際のマネージャコントローラ411の作動について説明する。マネージャコントローラ411は、複数のPHY3の少なくとも1つから、所定のアドレスの値を読み出す場合、アクセス対象としないPHY3(つまり非対象PHY)に対応する入出力回路414のMDIOをハイインピーダンス状態に設定する。また、アクセス対象とするPHY3(つまり対象PHY)の入出力回路414に対しては、所定のアドレスの値を参照するように指示する命令コマンド(以降、読出コマンド)を一斉出力する。読出コマンドは、読出対象とするアドレス番号を含む。なお、所定のアドレスの値を読み出すことは、当該アドレスに対応する項目/パラメータを参照することに相当する。
読出コマンドが入力された入出力回路414は、当該読出コマンドに対応するビット列(以降、読出要求信号)をMDIO端子P12から出力する。なお、データの読み出しを行う場合には、マネージャコントローラ411は、各入出力回路414のMDC出力部415には、各対象PHYによるデータ出力が完了するまで、MDCを出力させる。
なお、PHYマネージャ41によるPHY3のレジスタ32に保存されているデータの読み出しは、例えば、マイコン5からの指示に基づき実行される。読出対象とするパラメータもまた、マイコン5から指示される。例えば、PHYマネージャ41は、マイコン5からの指示に基づき、オートネゴシエーションが動作中か完了したかを示すデータを所定のPHY3から読み出し、マイコン5に提供する。
また、PHYマネージャ41は、所定の監視周期で自発的に所定のパラメータに対応するアドレス値を読み出してマイコン5に報告するように構成されていても良い。監視周期は例えば100ミリ秒など、適宜設計されれば良い。定期的に読み出すパラメータ(換言すれば項目)の種類もまた適宜設計されれば良い。例えばPHYマネージャ41は監視周期毎に各PHY3の通信接続状態(リンクアップ/リンクダウン)を示すアドレスの値を読み出してマイコン5に出力する。
<実施形態の効果>
ここでは第1比較構成、及び、第2比較構成を導入しつつ、第1〜第3PHY3のそれぞれから同一項目のデータを読み出す場合を例にとって、上記実施形態として開示の構成(以降、提案構成)の作動及び効果について説明する。なお、以下ではレジスタ32のデータを読み出す場合を例にとって、提案構成の効果について説明しているが、レジスタ32にデータを書き込む場合も同様である。
第1比較構成は、図5に示すように1つのPHYマネージャ41xを用いて、複数のPHY3に順番にアクセスする構成である。第1比較構成においては、MDC用のバス、MDIO用のバスを複数のPHY3で共有している。第1比較構成におけるPHYマネージャ41xは、PHYアドレスを用いて複数のPHY3の何れか1つをアクセス対象として指定することにより、アクセス対象とするPHY3のレジスタ32にアクセスする。
上記の第1比較構成では、第1〜第3PHY3のそれぞれから同一項目のデータを読み出す場合、図6に示すように、各PHY3が備えるレジスタ32へのアクセスは所定の順番にて順次行われる。すなわち、まずはCPU51がPHYマネージャ41xに対して、第1PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS11)。PHYマネージャ41xは、当該CPU51の指示に基づいて第1PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出し、PHYマネージャ41xの読出バッファ413に保存する(ステップS12)。そして、CPU51が読出バッファ413に保存されている値を読み出し(ステップS13)、第1PHY3に対するアクセス処理を完了させる。
次に、CPU51はPHYマネージャ41xに対して、第2PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS14)。PHYマネージャ41xは当該指示に基づいて第2PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出し、PHYマネージャ41xの読出バッファ413に保存する(ステップS15)。そして、CPU51が読出バッファ413に保存されている値を読み出し(ステップS16)、第2PHY3に対するアクセス処理を完了させる。
第2PHY3のレジスタ32へのアクセス処理が完了すると、CPU51はPHYマネージャ41xに対して、第3PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS17)。PHYマネージャ41xは当該指示に基づいて第3PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出し、PHYマネージャ41xの読出バッファ413に保存する(ステップS18)。そして、CPU51が読出バッファ413に保存されている値を読み出し(ステップS19)、第3PHY3に対するアクセス処理を完了させる。
このように第1比較構成では、MDCやMDIOが複数のPHY3で共有される。そのため、PHYマネージャ41による各PHY3へのアクセス(書込/読出)はPHY3毎に異なるタイミングで(換言すれば順番に)行わざるを得ない。故に、複数のPHY3に対して同一内容の処理を実施する場合であっても、処理対象とするPHY3の数に応じた時間がかかる。
例えば、CPU51とPHYマネージャ41yとの通信時間をTa、PHYマネージャ41yとPHY3との通信時間をTbとすると、上記の処理に要する合計時間Tc1は概ね6×Ta+3×Tbである。Taは5マイクロ秒程度であり、Tbは25マイクロ秒程度である。図6にてハッチングが施されている矢印は、CPU51が実行するタスクを概念的に表しており、白塗りの矢印はPHYマネージャ41が実行するタスクを概念的に表している。図8や図9に示す各矢印の意味も図6と同様である。
第2比較構成は、図7に示すように複数のPHY3のそれぞれに対応する複数のPHYマネージャ41yを用いて、各PHY3を並列的に且つ独立的に制御する構成である。各PHYマネージャ41yは、制御対象とするPHY3と、MDC線及びMDIO線で接続されている。各PHYマネージャ41yの動作はCPU51によって制御される。
第2比較構成では、第1比較構成と同様に、第1〜第3PHY3のそれぞれから同一種類のデータを読み出す場合、図8に示すように、第1〜第3PHY3に対応する複数のPHYマネージャ41が並列的に動作する。具体的には次の通りである。まずはCPU51が第1PHY3に対応するPHYマネージャ41xに対して、第1PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS21)。また、CPU51は、第1PHY3に対応するPHYマネージャ41yへの指示が完了すると、第2PHY3に対応するPHYマネージャ41xに対して、第2PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS24)。さらに、CPU51は、第2PHY3に対応するPHYマネージャ41yへの指示が完了すると、第3PHY3に対応するPHYマネージャ41xに対して、第3PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS27)。
各PHYマネージャ41yはCPU51からの指示に基づき、それぞれ並列的に、指定されたアドレスの値の読み出し処理を行い、読み出した値を各読出バッファ413に保存する(ステップS22、S25、S28)。CPU51は各読出バッファ413に保存されている値を読み出し、各PHY3へのアクセスを完了する(ステップS23、S26、S29)。
このような第2比較構成によれば、第1比較構成よりもアクセス所要時間を抑制する事ができる。例えば、CPU51とPHYマネージャ41yとの通信時間をTa、PHYマネージャ41yとPHY3との通信時間をTbとすると、上記の処理に要する合計時間Tc2は概ね4×Ta+1×Tbである。ただし、CPU51は複数のPHYマネージャ41yを個別に制御する必要があるため、CPU51の演算負荷が相対的に高いといった課題がある。
これらの第1、第2比較構成に対し、上記提案構成では、第1〜第3PHY3のそれぞれから同一種類のデータを読み出す場合、図9に示すように作動する。すなわち、CPU51は、PHYマネージャ41に対して、第1〜第3PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を読み出すように指示する(ステップS31)。なお、ここでは第1〜第3PHY3が対象PHYに相当し、第4〜第6PHY3が非対象PHYに相当する。PHYマネージャ41は、当該CPU51の指示に基づいて、第4〜第6PHY3へのMDIOをハイインピーダンス状態に設定する一方、第1〜第3PHY3に接続するMDIOには読出要求信号を出力する(ステップS32)。
具体的には、マネージャコントローラ411は、対象PHYである第1〜第3PHY3に対応する第1〜第3入出力回路414に対して、CPU51からの指示に対応する読出要求信号を出力する。また、それと同時に/事前に、非対象PHYである第4〜第6PHY3に対応する第4〜第6入出力回路414には、MDIOをハイインピーダンス状態に設定させる。第1〜第3入出力回路414は、マネージャコントローラ411から入力された読出要求信号をMDIO線Ln2に出力するとともに、PHY3からの応答データの受信を実行する(ステップS32a〜S32c)。非対象PHYに連なる第4〜第6入出力回路414は、マネージャコントローラ411からの指示に基づきMDIOをハイインピーダンス状態に設定する(ステップS32d〜S32f)。これにより、第1〜第3PHY3が備えるレジスタ32の指定アドレスの値を取得し、各PHY3に対応する読出バッファ413に格納する。なお、これらの処理は並列的に実行される。そして、CPU51は第1〜第3PHY3用の読出バッファ413に順にアクセスし、所望のデータを取得する(ステップS33〜S35)。
上記の通り、本実施形態のマネージャコントローラ411は、別の観点によれば、CPU51からの指示を、対象PHYに連なる入出力回路414にのみ配信(換言すればマルチキャスト)する構成に相当する。なお、図9において“#1”は第1入出力回路414の作動を表しており、“#4”の右横に示す矢印は第4入出力回路414の作動を表している。図9中の“#2”、“#3”、“#5”、“#6”の右横に示す矢印もまた、第2、第3、第5、第6入出力回路414のそれぞれの作動を示している。
当該提案構成によれば、図9に示す通り、第1比較構成よりもアクセス所要時間を抑制する事ができる。例えばCPU51とPHYマネージャ41との通信時間をTa、PHYマネージャ41とPHY3とのアクセス所要時間をTbとすると、上記の処理に要する合計時間Tc3は概ね4×Ta+1×Tbである。すなわち、第2比較構成と同程度の時間で複数のPHY3へのアクセスを実現できる。
加えて提案構成によれば、PHYマネージャ41はCPU51からの指示に対応する読出要求信号を複数の対象PHYに対して一斉送信する。つまり、CPU51は複数のPHYマネージャ41に対して個別に指示を出力する必要はない。故に、提案構成によればCPU51の演算処理負荷を抑制することができる。具体的には、第2比較構成では、CPU51がPHYマネージャ41に対して読出命令を出力した回数は3回(ステップS21、S24、S27)であるのに対し、提案構成ではステップS31の1回だけでよい。
また、提案構成では、制御部4が各PHY3に対応するように複数のPHYマネージャ41を備えている必要はない。つまり第2比較構成に比べて制御部4の構成を簡素化することができる。その結果、制御部4の実現コストの低減も期待できる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では非対象PHYへのMDIOをハイインピーダンス状態とすることで、非対象PHYのレジスタ32へのデータの書込及び読出を無効化/禁止する制御態様を開示した。換言すれば、MDIOをハイインピーダンス化によって、アクセス対象とするPHY3を限定する構成を開示した。しかしながら、所定のPHY3のレジスタ32へのアクセスを無効化/禁止する方法はこれに限らない。非対象PHYのレジスタ32へのアクセスの無効化/禁止(換言すればアクセス対象の限定)は、図10に示すように、非対象PHYへのMDC出力を停止することによって実現されても良い。換言すれば、上記のPHYマネージャ41は、対象PHYにのみMDCを供給するように構成されていても良い。
[変形例2]
実施形態では、各PHY3に対して個別にMDCを入力する態様、換言すれば、PHY3毎に、MDC出力部415及びMDC線Ln1を設けた構成を開示したが、PHYマネージャ41の構成はこれに限らない。図11に示すように各PHY3へのMDC線Ln1は共通化されていてもよい。なお、この変形例2に対しては、変形例1に開示の技術思想は適用できない。各PHY3に入力するMDC線Ln1を共通にしているため、MDC出力を停止すると全てのPHY3へのアクセスが不能となるためである。
[変形例3]
以上では、PHYマネージャ41はPHY毎の読出バッファ413を備える態様を開示したが、これに限らない。各PHY3から読み出したデータを1つのバッファ/レジスタ内に格納するように構成されていても良い。読み出したデータは、読出元を示すPHY番号と対応づけられて保存される。そのような構成によればCPU51は1つのバッファ/レジスタにアクセスすることで複数の対象PHYのデータを取得可能となるため、より一層高速化できる。
<付言>
本開示に記載の制御部4及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1 ノード、2 中継装置、3 PHY(PHYモジュール)、4 制御部、5 マイコン、32 レジスタ、41 PHYマネージャ、42 MAC、51 CPU、52 フラッシュメモリ、411 マネージャコントローラ、412 書込バッファ、413 読出バッファ、414 入出力回路、415 MDC出力部、416 MDIO制御部、P11 MDC出力端子、P12 MDIO端子

Claims (5)

  1. イーサネットの規格に準拠した通信を行うためのPHYモジュール(3)の動作設定の変更及び動作状態の監視を行う1つのPHYマネージャに対して、複数の前記PHYモジュールが接続されている車両用中継装置であって、
    前記PHYマネージャは、複数の前記PHYモジュールと、前記PHYモジュールの動作を監視及び制御するためのマネージメントデータを送受信するための信号線としてのMDIO線(Ln2)で個別に接続されているとともに、
    前記PHYマネージャは、複数の前記PHYモジュールのそれぞれに対して、前記マネージメントデータを送受信するためのクロックであるMDCを出力するMDC出力部(415)を備え、
    前記PHYマネージャは、
    複数の前記PHYモジュールの少なくとも何れか1つと前記マネージメントデータを送受信する場合には、通信対象とする前記PHYモジュールに接続している前記MDIO線に対して前記マネージメントデータを一斉出力する一方、当該マネージメントデータの送受信を行わない前記PHYモジュールである非対象モジュールに接続している前記MDIO線をハイインピーダンス状態に設定するか、または、前記非対象モジュールへのMDCの出力を停止するように構成されている車両用中継装置。
  2. 請求項1に記載の車両用中継装置であって、
    前記PHYマネージャは、
    複数の前記PHYモジュールと、前記MDCを送受信するための信号線としてのMDC線(Ln1)で個別に接続されており、
    複数の前記PHYモジュールの少なくとも何れか1つと前記マネージメントデータを送受信する際、前記非対象モジュールに接続している前記MDC線への前記MDCの出力を停止するように構成されている車両用中継装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用中継装置であって、
    前記PHYマネージャは、前記マネージメントデータとして、前記PHYモジュールが接続しているリンクの状態を示すデータを取得可能に構成されている車両用中継装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の車両用中継装置であって、
    前記PHYマネージャは、前記マネージメントデータとして、前記PHYモジュールの動作設定を書き換えるためのデータを出力可能に構成されている車両用中継装置。
  5. 請求項3に記載の車両用中継装置であって、
    前記動作設定を構成する項目には、通信ケーブルを介して接続している他の通信装置との通信規格、シリアル伝送方式、及び割込条件の少なくとも何れか1つが含まれている車両用中継装置。
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